JPH05286761A - 固体レーザ用多結晶透明yagセラミックスの製造方法 - Google Patents
固体レーザ用多結晶透明yagセラミックスの製造方法Info
- Publication number
- JPH05286761A JPH05286761A JP4091150A JP9115092A JPH05286761A JP H05286761 A JPH05286761 A JP H05286761A JP 4091150 A JP4091150 A JP 4091150A JP 9115092 A JP9115092 A JP 9115092A JP H05286761 A JPH05286761 A JP H05286761A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- added
- powder
- kinds
- cao
- specific surface
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Lasers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 各種レーザ発光元素を添加し、良質の光学的
特性を有する透明YAGセラミックスを比較的簡単に製
造する手段を見出す。 【構成】 純度99.9重量%以上でそれぞれの比表面
積が1〜50m2 /g及び5〜100m2 /gのAl2
O3 及びY2 O3 粉末に、ランタニド元素及びCr、T
i元素を1種以上添加し、さらに焼結助剤としてLi2
O,Na2 O,MgO,CaO,SiO2 の酸化物成分
を、1種の場合には50〜10000ppm、又2種以
上の場合には50〜20000ppmの範囲で添加して
混練成形し、その後1600〜1850°Cの温度によ
り焼成する。
特性を有する透明YAGセラミックスを比較的簡単に製
造する手段を見出す。 【構成】 純度99.9重量%以上でそれぞれの比表面
積が1〜50m2 /g及び5〜100m2 /gのAl2
O3 及びY2 O3 粉末に、ランタニド元素及びCr、T
i元素を1種以上添加し、さらに焼結助剤としてLi2
O,Na2 O,MgO,CaO,SiO2 の酸化物成分
を、1種の場合には50〜10000ppm、又2種以
上の場合には50〜20000ppmの範囲で添加して
混練成形し、その後1600〜1850°Cの温度によ
り焼成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ発振素子として
好適に使用されるガーネット構造を有し、化学式がY3
Al5 O12として表される透明化したイットリウム・ア
ルミニウム・ガーネット・セラミックス(YAG)の製
造に関する。
好適に使用されるガーネット構造を有し、化学式がY3
Al5 O12として表される透明化したイットリウム・ア
ルミニウム・ガーネット・セラミックス(YAG)の製
造に関する。
【0002】
【従来の技術】YAGは、発光に関与する元素として、
Nd、Ho等のランタニド元素を添加し、チョコラルス
キー法、フローティングゾーン法あるいはブリッジマン
法にて単結晶化することによってレーザ光を発振するこ
とが可能となる。
Nd、Ho等のランタニド元素を添加し、チョコラルス
キー法、フローティングゾーン法あるいはブリッジマン
法にて単結晶化することによってレーザ光を発振するこ
とが可能となる。
【0003】YAGレーザは、添加元素により発振波長
が異なり、特にNdは発光波長が1.06μmと短く高
出力なレーザ光が得られることから、ファイバー分岐用
光源や各種材料の切断、溶接、アニール、また近年SH
G素子を用い波長変換して微細加工及びレーザメス等に
利用されている。
が異なり、特にNdは発光波長が1.06μmと短く高
出力なレーザ光が得られることから、ファイバー分岐用
光源や各種材料の切断、溶接、アニール、また近年SH
G素子を用い波長変換して微細加工及びレーザメス等に
利用されている。
【0004】またNd以外の発光元素の添加、例えばT
mは発光波長が約2μmであることから、医療用、特に
眼科用として応用され、Er、Ho等も長波長発振がで
きることから、通信用やレーザレーダ等への応用が進み
つつある。
mは発光波長が約2μmであることから、医療用、特に
眼科用として応用され、Er、Ho等も長波長発振がで
きることから、通信用やレーザレーダ等への応用が進み
つつある。
【0005】この単結晶を合成する場合に、単結晶を育
成する装置や育成に用いるイリジウム坩堝が極めて高価
であること、育成温度が約2000℃を必要とし、かつ
育成速度が0.2〜0.3mm/hrと極めて遅く、製
造コスト及び製造時間がかかりすぎること、装置1基に
対し1本の単結晶ロッドしか得られず生産性が低いこ
と、単結晶ロッドの径が50mm前後の小さなものしか
得られない等、様々な問題が存在している。
成する装置や育成に用いるイリジウム坩堝が極めて高価
であること、育成温度が約2000℃を必要とし、かつ
育成速度が0.2〜0.3mm/hrと極めて遅く、製
造コスト及び製造時間がかかりすぎること、装置1基に
対し1本の単結晶ロッドしか得られず生産性が低いこ
と、単結晶ロッドの径が50mm前後の小さなものしか
得られない等、様々な問題が存在している。
【0006】近年、透明YAGセラミックスの合成法と
して、たとえば、特開平1−264963号公報、特開
平2−283663号公報に記載されているが、これら
は複雑な湿式法により複合粉末を合成しなくてはなら
ず、製造コストの面で問題がある。
して、たとえば、特開平1−264963号公報、特開
平2−283663号公報に記載されているが、これら
は複雑な湿式法により複合粉末を合成しなくてはなら
ず、製造コストの面で問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決すべき課
題は、レーザ発振素子として好適に使用されるガーネッ
ト構造を有し、化学式がY3 Al5 O12で現される透明
化したYAGセラミックス及び、各種レーザ発光元素を
添加した透明YAGセラミックスを比較的簡単に製造す
る手段を見出すことにある。
題は、レーザ発振素子として好適に使用されるガーネッ
ト構造を有し、化学式がY3 Al5 O12で現される透明
化したYAGセラミックス及び、各種レーザ発光元素を
添加した透明YAGセラミックスを比較的簡単に製造す
る手段を見出すことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の透明YAGセラ
ミックスの合成法は、99.9重量%以上の純度を有
し、かつBET法により測定したそれぞれの比表面積が
1〜50m2 /g及び5〜100m2 /gであるAl2
O3 及びY2 O3 粉末をYAG組成近傍となるよう秤量
し、これにランタニド元素及びCr、Ti元素成分を添
加し、さらに焼結助剤としてLi2 O、Na2 O、Mg
O、CaO、SiO2 の酸化物成分を、1種の場合には
50〜10000ppm、又2種以上の場合には50〜
20000ppmの範囲で添加し、これをポットミル等
により混合後、一軸又は等方圧プレス等によって目的と
なるように成型し、さらにこの成型体を1600〜18
50°Cの酸素ガス、水素ガス中、または10-1Tor
r以上の真空下において焼成することによって前記目的
を達成した。
ミックスの合成法は、99.9重量%以上の純度を有
し、かつBET法により測定したそれぞれの比表面積が
1〜50m2 /g及び5〜100m2 /gであるAl2
O3 及びY2 O3 粉末をYAG組成近傍となるよう秤量
し、これにランタニド元素及びCr、Ti元素成分を添
加し、さらに焼結助剤としてLi2 O、Na2 O、Mg
O、CaO、SiO2 の酸化物成分を、1種の場合には
50〜10000ppm、又2種以上の場合には50〜
20000ppmの範囲で添加し、これをポットミル等
により混合後、一軸又は等方圧プレス等によって目的と
なるように成型し、さらにこの成型体を1600〜18
50°Cの酸素ガス、水素ガス中、または10-1Tor
r以上の真空下において焼成することによって前記目的
を達成した。
【0009】
【作用】本発明は、適正な純度及び比表面積のAl2 O
3 、Y2 O3 粉末を用い、ランタニド元素及びCr、T
i元素成分を添加し、さらに焼結助剤としてLi2 O、
Na2 O、MgO、CaO、SiO2 の酸化物成分を1
種以上添加し、適性な条件下で合成を行なうことによっ
て、レーザ発振機能が付加された透明な高密度焼結体を
得ることができ、この高密度焼結体は従来の単結晶材料
に匹敵する性能を示すという知見に基づいて完成した。
3 、Y2 O3 粉末を用い、ランタニド元素及びCr、T
i元素成分を添加し、さらに焼結助剤としてLi2 O、
Na2 O、MgO、CaO、SiO2 の酸化物成分を1
種以上添加し、適性な条件下で合成を行なうことによっ
て、レーザ発振機能が付加された透明な高密度焼結体を
得ることができ、この高密度焼結体は従来の単結晶材料
に匹敵する性能を示すという知見に基づいて完成した。
【0010】Al2 O3 、Y2 O3 粉末をYAG組成に
秤量するとき、ランタニド元素成分を添加する場合はY
2 O3 の一部を、またCr、Ti元素成分を添加する場
合にはAl2 O3 の一部を置換する。添加に際しては、
硫酸塩,硝酸塩等の塩類、アルコキシド、酸化物粉末を
使用できるが、適用する添加方法について特に限定され
るものではない。この配合にアルコール等の有機溶媒又
は蒸留水を加え、ポットミル中で混合する。この混合さ
れた粉末を減圧下又は常圧下で乾燥させる。得られた均
一な混合粉末は、一軸プレスまたは冷間等方圧プレス等
によって所定形状に成形する。次いで1600〜185
0℃の温度で5〜100時間、酸素ガス,水素ガス中、
または真空中で焼成することによって、場合によっては
HPやHIPで処理することによっても透明度の高い高
密度YAGセラミックスが得られる。
秤量するとき、ランタニド元素成分を添加する場合はY
2 O3 の一部を、またCr、Ti元素成分を添加する場
合にはAl2 O3 の一部を置換する。添加に際しては、
硫酸塩,硝酸塩等の塩類、アルコキシド、酸化物粉末を
使用できるが、適用する添加方法について特に限定され
るものではない。この配合にアルコール等の有機溶媒又
は蒸留水を加え、ポットミル中で混合する。この混合さ
れた粉末を減圧下又は常圧下で乾燥させる。得られた均
一な混合粉末は、一軸プレスまたは冷間等方圧プレス等
によって所定形状に成形する。次いで1600〜185
0℃の温度で5〜100時間、酸素ガス,水素ガス中、
または真空中で焼成することによって、場合によっては
HPやHIPで処理することによっても透明度の高い高
密度YAGセラミックスが得られる。
【0011】本発明では、焼結中に出発原料であるAl
2 O3 、Y2 O3 粉末が反応をしながら焼結が進行して
いくが、最初にY4 Al2 O9 が生成し、その後YAl
O3が生成し、次いでこのYAlO3 が残存するAl2
O3 と反応して最終的にYAGとなる。この焼結過程に
おいて、使用粉末の反応性が低い場合は、焼結の最終段
階まで光学的に異方性を示すYAlO3 が残存し、焼結
体の透明度を著しく低下させる。本発明では、特にY2
O3 粉末の反応性が重要であることが判明しており、適
用するY2 O3 粉末の比表面積はAl2 O3 の約2倍以
上に設定することが好ましい。また、反応性の面からA
l2 O3 やY2 O3 はできるだけ焼結性が良く、且つ比
表面積が大きいもの程望ましいが、比表面積を上げすぎ
ると粉末の表面性状が特に空気中の水分や炭酸ガスとの
反応により変化し、また、圧粉体を作成する場合に充填
密度が下がりすぎるため、Al2 O3 では1〜50m2
/g、Y2 O3 では5〜100m2 /gが適当である。
2 O3 、Y2 O3 粉末が反応をしながら焼結が進行して
いくが、最初にY4 Al2 O9 が生成し、その後YAl
O3が生成し、次いでこのYAlO3 が残存するAl2
O3 と反応して最終的にYAGとなる。この焼結過程に
おいて、使用粉末の反応性が低い場合は、焼結の最終段
階まで光学的に異方性を示すYAlO3 が残存し、焼結
体の透明度を著しく低下させる。本発明では、特にY2
O3 粉末の反応性が重要であることが判明しており、適
用するY2 O3 粉末の比表面積はAl2 O3 の約2倍以
上に設定することが好ましい。また、反応性の面からA
l2 O3 やY2 O3 はできるだけ焼結性が良く、且つ比
表面積が大きいもの程望ましいが、比表面積を上げすぎ
ると粉末の表面性状が特に空気中の水分や炭酸ガスとの
反応により変化し、また、圧粉体を作成する場合に充填
密度が下がりすぎるため、Al2 O3 では1〜50m2
/g、Y2 O3 では5〜100m2 /gが適当である。
【0012】また、焼結助剤としてLi2 O、Na
2 O、MgO、CaO、SiO2 成分を添加する際に
は、硫酸塩,硝酸塩等の塩類、アルコキシド、酸化物粉
末そのものを使用できるが、適用する添加方法について
特に限定されるものではない。これらの焼結助剤は、焼
結体中の粒子を若干粒成長させると同時に、前述した光
学的異方性を示す物質の除去を促進させる効果があり、
これら焼結助剤の添加により焼成時間を短縮できる。N
a、Ca、SiイオンはAlイオンと、LiイオンはY
イオンと、Mgイオンは両者と置換できることから、焼
結体中に異物として存在することはなく、したがって光
学的特性を低下させる要因にはならない。しかし、電荷
の異なるイオンをAlやYと置換すれば、結晶内部のチ
ャージバランスが崩れてくるので、そのバランスを保つ
ために結晶内部に格子欠陥が発生する。この欠陥は、光
の波長レベルより遙に小さい欠陥であるので、粒界や気
孔などのマクロ的欠陥に比べ、光学的特性に及ぼす影響
はかなり小さいが、ある領域を超えれば結晶への着色や
レーザ発光する結晶場(母材:ホスト)への影響がで
る。また、この焼結助剤は、Al、Yが原子価が3価で
あるのに対し、Li、Naは1価、Mg、Caは2価、
Siは4価であるので、それぞれ添加する量を調製し
て、チャージバランスをとれば、前記のような問題は殆
どなくなる。具体的には、1価と4価、2価と4価、1
価と2価及び4価の組合せが望ましい。以上より、1種
の焼結助剤を用いる場合50〜10000ppm、また
2種類以上の場合50〜20000ppmの範囲の添加
量とし適当なチャージバランスとなるようにすれば良
い。但し、焼結助剤として指定した元素は、レーザ発振
の際発光元素に悪影響を及ぼさないように、d及びf電
子を含まず、Al、Yと置換できるものに限られる。所
定量以上を添加した場合には、粒界中に添加物質が析出
したり、また異常粒成長を起こして不均一な組織とな
り、光学的性質を低下させる要因となり、また添加量が
少ない場合にはその効果を充分に発揮できず、添加量は
上記範囲に限定される。
2 O、MgO、CaO、SiO2 成分を添加する際に
は、硫酸塩,硝酸塩等の塩類、アルコキシド、酸化物粉
末そのものを使用できるが、適用する添加方法について
特に限定されるものではない。これらの焼結助剤は、焼
結体中の粒子を若干粒成長させると同時に、前述した光
学的異方性を示す物質の除去を促進させる効果があり、
これら焼結助剤の添加により焼成時間を短縮できる。N
a、Ca、SiイオンはAlイオンと、LiイオンはY
イオンと、Mgイオンは両者と置換できることから、焼
結体中に異物として存在することはなく、したがって光
学的特性を低下させる要因にはならない。しかし、電荷
の異なるイオンをAlやYと置換すれば、結晶内部のチ
ャージバランスが崩れてくるので、そのバランスを保つ
ために結晶内部に格子欠陥が発生する。この欠陥は、光
の波長レベルより遙に小さい欠陥であるので、粒界や気
孔などのマクロ的欠陥に比べ、光学的特性に及ぼす影響
はかなり小さいが、ある領域を超えれば結晶への着色や
レーザ発光する結晶場(母材:ホスト)への影響がで
る。また、この焼結助剤は、Al、Yが原子価が3価で
あるのに対し、Li、Naは1価、Mg、Caは2価、
Siは4価であるので、それぞれ添加する量を調製し
て、チャージバランスをとれば、前記のような問題は殆
どなくなる。具体的には、1価と4価、2価と4価、1
価と2価及び4価の組合せが望ましい。以上より、1種
の焼結助剤を用いる場合50〜10000ppm、また
2種類以上の場合50〜20000ppmの範囲の添加
量とし適当なチャージバランスとなるようにすれば良
い。但し、焼結助剤として指定した元素は、レーザ発振
の際発光元素に悪影響を及ぼさないように、d及びf電
子を含まず、Al、Yと置換できるものに限られる。所
定量以上を添加した場合には、粒界中に添加物質が析出
したり、また異常粒成長を起こして不均一な組織とな
り、光学的性質を低下させる要因となり、また添加量が
少ない場合にはその効果を充分に発揮できず、添加量は
上記範囲に限定される。
【0013】
【実施例】Al2 O3 、Y2 O3 それぞれの粉末を合量
100g秤量し、ポットミル中へそれぞれの粉末とエチ
ルアルコール300cc、さらにアルミナボール500
gを入れ、これにランタニド元素及びCr、Ti元素成
分を添加し、さらに焼結助剤としてLi2 O、Na
2 O、MgO、CaO、SiO2 を添加し、24時間混
合した。混合した粉末を500mmHgの減圧下で乾燥
し、乾燥した粉末を乳鉢で軽く再混合した。
100g秤量し、ポットミル中へそれぞれの粉末とエチ
ルアルコール300cc、さらにアルミナボール500
gを入れ、これにランタニド元素及びCr、Ti元素成
分を添加し、さらに焼結助剤としてLi2 O、Na
2 O、MgO、CaO、SiO2 を添加し、24時間混
合した。混合した粉末を500mmHgの減圧下で乾燥
し、乾燥した粉末を乳鉢で軽く再混合した。
【0014】この粉末を直径50mm、高さ15mmの
タブレットに仮成形後、ラバープレスにより成形圧10
00kg/cm2 で成形した。
タブレットに仮成形後、ラバープレスにより成形圧10
00kg/cm2 で成形した。
【0015】この成形体を電気炉に入れ、100℃/h
rで昇温し、所定温度にて5時間焼成後、100℃/h
rで冷却した。得られた焼結体は直径15mm、厚さ1
mmの試料に加工した。試料の両面は1μmのダイヤモ
ンドペーストにより鏡面仕上げした。
rで昇温し、所定温度にて5時間焼成後、100℃/h
rで冷却した。得られた焼結体は直径15mm、厚さ1
mmの試料に加工した。試料の両面は1μmのダイヤモ
ンドペーストにより鏡面仕上げした。
【0016】表1に示す実施例1〜18は、純度99.
99重量%のAl2 O3 、Y2 O3粉末の組成比を4
2.9:57.1(すなわちモル比で5:3)とするこ
とを基準とし、ランタニド元素またはCr元素成分を添
加したものに、焼結助剤として、Li2 O、Na2 O、
MgO、CaO、SiO2 の一種以上を特許請求の範囲
内で添加し、Al2 O3 、Y2 O3 粉末の比表面積をそ
れぞれ2〜50m2 /g、5〜100m2 /gの範囲で
変動させたもの、また、焼結温度を1600〜1800
℃まで変化させたもの、さらには焼成雰囲気を酸素中、
水素中、真空中と変化させた結果を示す。なお、ここで
は、ランタニド元素及びCr、Ti元素としてNd,H
o,Tm及びCrのみを記載しているが、他の添加物質
においても同等の結果が得られた。
99重量%のAl2 O3 、Y2 O3粉末の組成比を4
2.9:57.1(すなわちモル比で5:3)とするこ
とを基準とし、ランタニド元素またはCr元素成分を添
加したものに、焼結助剤として、Li2 O、Na2 O、
MgO、CaO、SiO2 の一種以上を特許請求の範囲
内で添加し、Al2 O3 、Y2 O3 粉末の比表面積をそ
れぞれ2〜50m2 /g、5〜100m2 /gの範囲で
変動させたもの、また、焼結温度を1600〜1800
℃まで変化させたもの、さらには焼成雰囲気を酸素中、
水素中、真空中と変化させた結果を示す。なお、ここで
は、ランタニド元素及びCr、Ti元素としてNd,H
o,Tm及びCrのみを記載しているが、他の添加物質
においても同等の結果が得られた。
【0017】
【表1】 比較例 市販されているYAG単結晶を同じ試料サイズに切り出
し、両面研磨後、透過率を測定したところ、波長700
nmでの透過率が80%であった。
し、両面研磨後、透過率を測定したところ、波長700
nmでの透過率が80%であった。
【0018】表2に示す比較例1〜14は、市販のAl
2 O3 、Y2 O3 粉末(比表面積0.5m2 /g、2m
2 /g)を使用した場合、または、Al2 O3 あるいは
Y2O3 のどちらかの粉末が特許請求範囲外であるも
の、また、これに特許請求範囲内のLi2 O、Na
2 O、MgO、CaO、SiO2 を添加した場合の結果
を、また特許請求範囲内のAl2 O3 、Y2 O3 粉末に
Li2 O、Na2 O、MgO、CaO、SiO2 を請求
範囲外の添加量加えた場合の結果を示す。
2 O3 、Y2 O3 粉末(比表面積0.5m2 /g、2m
2 /g)を使用した場合、または、Al2 O3 あるいは
Y2O3 のどちらかの粉末が特許請求範囲外であるも
の、また、これに特許請求範囲内のLi2 O、Na
2 O、MgO、CaO、SiO2 を添加した場合の結果
を、また特許請求範囲内のAl2 O3 、Y2 O3 粉末に
Li2 O、Na2 O、MgO、CaO、SiO2 を請求
範囲外の添加量加えた場合の結果を示す。
【0019】比較例1〜13は焼結温度において5時
間、比較例14は100時間保持したデータであり、焼
結助剤として添加した各成分の効果が透過率の相違とな
って示されている。
間、比較例14は100時間保持したデータであり、焼
結助剤として添加した各成分の効果が透過率の相違とな
って示されている。
【0020】
【表2】 実施例品は市販のYAG単結晶と略同等の透過率が現出
でき、比表面積の小さな粉末を使用した場合、あるいは
どちらかの粉末が特許請求範囲外の比表面積の粉末を用
いた場合は、粉末の反応性が低いために焼結体中に光学
的異方性を示す相が多く存在し、このため透過率が低
い。さらに、この配合に特許請求範囲内のLi2 O、N
a2 O、MgO、CaO、SiO2 を添加しても透過率
の向上は見られない。また、Li2 O、Na2 O、Mg
O、CaO、SiO2 の添加量が特許請求範囲以下の場
合には、焼結促進の効果は見られず、逆に添加量が多い
場合には、添加物質が粒界中に析出したり異常粒成長が
起こり透過率が低くなった。
でき、比表面積の小さな粉末を使用した場合、あるいは
どちらかの粉末が特許請求範囲外の比表面積の粉末を用
いた場合は、粉末の反応性が低いために焼結体中に光学
的異方性を示す相が多く存在し、このため透過率が低
い。さらに、この配合に特許請求範囲内のLi2 O、N
a2 O、MgO、CaO、SiO2 を添加しても透過率
の向上は見られない。また、Li2 O、Na2 O、Mg
O、CaO、SiO2 の添加量が特許請求範囲以下の場
合には、焼結促進の効果は見られず、逆に添加量が多い
場合には、添加物質が粒界中に析出したり異常粒成長が
起こり透過率が低くなった。
【0021】
【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏すること
ができる。
ができる。
【0022】(1)アルコキシドや共沈法等の複雑でか
つコスト的に高価な湿式法による粉末合成も必要とせ
ず、比較的簡単なプロセスによって単結晶とほぼ同等の
光学的特性を有する透明なYAGセラミックスの合成が
可能となる。
つコスト的に高価な湿式法による粉末合成も必要とせ
ず、比較的簡単なプロセスによって単結晶とほぼ同等の
光学的特性を有する透明なYAGセラミックスの合成が
可能となる。
【0023】(2)得られた各種元素を添加した透明な
YAGセラミックスは、レーザ発振小ロッドとして好適
に使用される。
YAGセラミックスは、レーザ発振小ロッドとして好適
に使用される。
【0024】(3)得られた各種元素を添加した透明な
YAGセラミックスは、従来の単結晶に比較してレーザ
発振に寄与する元素を高濃度にすることが可能であるの
で、高出力のレーザが発振でき、従来の単結晶より小型
化できる。
YAGセラミックスは、従来の単結晶に比較してレーザ
発振に寄与する元素を高濃度にすることが可能であるの
で、高出力のレーザが発振でき、従来の単結晶より小型
化できる。
【0025】(4)製造法自体が従来とは異なるセラミ
ックス技術により、合成が可能であるので、製造コスト
の大幅低下、製造工程の大幅短縮、さらには大型ロッド
やスラブの作成が可能である。
ックス技術により、合成が可能であるので、製造コスト
の大幅低下、製造工程の大幅短縮、さらには大型ロッド
やスラブの作成が可能である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年6月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決すべき課
題は、レーザ発振素子として好適に使用されるYAG単
結晶と同等またはそれ以上の光学的特性を有する多結晶
透明YAGセラミックスを製造する手段を提供すること
にある。
題は、レーザ発振素子として好適に使用されるYAG単
結晶と同等またはそれ以上の光学的特性を有する多結晶
透明YAGセラミックスを製造する手段を提供すること
にある。
Claims (1)
- 【請求項1】 純度99.9重量%以上でそれぞれの比
表面積が1〜50m2 /g及び5〜100m2 /gのA
l2 O3 及びY2 O3 粉末に、ランタニド元素及びC
r、Ti元素を1種以上添加し、さらに焼結助剤として
Li2 O,Na2 O,MgO,CaO,SiO2 の酸化
物成分を、1種の場合には50〜10000ppm、又
2種以上の場合には50〜20000ppmの範囲で添
加して混練成形し、その後1600〜1850°Cの温
度により焼成することによる固体レーザ用多結晶透明イ
ットリウム・アルミニウム・ガーネット・セラミックス
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4091150A JPH05286761A (ja) | 1992-04-10 | 1992-04-10 | 固体レーザ用多結晶透明yagセラミックスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4091150A JPH05286761A (ja) | 1992-04-10 | 1992-04-10 | 固体レーザ用多結晶透明yagセラミックスの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05286761A true JPH05286761A (ja) | 1993-11-02 |
Family
ID=14018492
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4091150A Pending JPH05286761A (ja) | 1992-04-10 | 1992-04-10 | 固体レーザ用多結晶透明yagセラミックスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05286761A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1433764A2 (en) * | 2002-12-25 | 2004-06-30 | Ngk Insulators, Ltd. | Sintered bodies of yttrium-aluminium garnet, a method of producing the same and sintering aid therefor |
JP2006344863A (ja) * | 2005-06-10 | 2006-12-21 | Fujifilm Holdings Corp | モードロックレーザ装置 |
US7158546B2 (en) | 2002-02-27 | 2007-01-02 | Nec Corporation | Composite laser rod, fabricating method thereof, and laser device therewith |
JP2008195570A (ja) * | 2007-02-13 | 2008-08-28 | Covalent Materials Corp | 透光性酸化イットリウムアルミニウムガーネット焼結体およびその製造方法 |
JP2009084060A (ja) * | 2007-09-27 | 2009-04-23 | Covalent Materials Corp | 透光性酸化イットリウムアルミニウムガーネット焼結体およびその製造方法。 |
US7691765B2 (en) | 2005-03-31 | 2010-04-06 | Fujifilm Corporation | Translucent material and manufacturing method of the same |
WO2020166139A1 (ja) * | 2019-02-12 | 2020-08-20 | Jx金属株式会社 | Cr:YAG焼結体 |
-
1992
- 1992-04-10 JP JP4091150A patent/JPH05286761A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7158546B2 (en) | 2002-02-27 | 2007-01-02 | Nec Corporation | Composite laser rod, fabricating method thereof, and laser device therewith |
US7496125B2 (en) | 2002-02-27 | 2009-02-24 | Konoshima Chemical Co. Ltd. | Composite laser rod, fabricating method thereof, and laser device therewith |
EP1433764A2 (en) * | 2002-12-25 | 2004-06-30 | Ngk Insulators, Ltd. | Sintered bodies of yttrium-aluminium garnet, a method of producing the same and sintering aid therefor |
EP1433764A3 (en) * | 2002-12-25 | 2004-09-22 | Ngk Insulators, Ltd. | Sintered bodies of yttrium-aluminium garnet, a method of producing the same and sintering aid therefor |
US7371704B2 (en) | 2002-12-25 | 2008-05-13 | Ngk Insulators, Ltd. | Sintered bodies of yttrium-aluminum garnet, a method of producing the same and sintering aid therefor |
US7691765B2 (en) | 2005-03-31 | 2010-04-06 | Fujifilm Corporation | Translucent material and manufacturing method of the same |
JP2006344863A (ja) * | 2005-06-10 | 2006-12-21 | Fujifilm Holdings Corp | モードロックレーザ装置 |
JP4579062B2 (ja) * | 2005-06-10 | 2010-11-10 | 富士フイルム株式会社 | モードロックレーザ装置 |
JP2008195570A (ja) * | 2007-02-13 | 2008-08-28 | Covalent Materials Corp | 透光性酸化イットリウムアルミニウムガーネット焼結体およびその製造方法 |
JP2009084060A (ja) * | 2007-09-27 | 2009-04-23 | Covalent Materials Corp | 透光性酸化イットリウムアルミニウムガーネット焼結体およびその製造方法。 |
WO2020166139A1 (ja) * | 2019-02-12 | 2020-08-20 | Jx金属株式会社 | Cr:YAG焼結体 |
US11225439B2 (en) | 2019-02-12 | 2022-01-18 | Jx Nippon Mining & Metals Corporation | Cr:YAG sintered body and production method thereof |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPS6359985B2 (ja) | ||
US11434143B2 (en) | Polycrystalline YAG sintered body and production method thereof | |
JP3243278B2 (ja) | 固体レーザ用多結晶透明yagセラミックス | |
JPWO2017033618A1 (ja) | 透光性希土類アルミニウムガーネットセラミックス | |
JPH05286762A (ja) | 固体レーザ用多結晶透明yagセラミックスの製造方法 | |
JPH05294723A (ja) | 固体レーザ用多結晶透明yagセラミックスの製造方法 | |
JP4033451B2 (ja) | 透光性希土類酸化物焼結体及びその製造方法 | |
JPH03218963A (ja) | 透明イットリウム―アルミニウム―ガーネット―セラミックスの製造方法 | |
JPH06211573A (ja) | 透明なy2o3焼結体の製造方法 | |
JPH05286761A (ja) | 固体レーザ用多結晶透明yagセラミックスの製造方法 | |
JPH10273364A (ja) | 透明酸化イットリウム焼結体の製造法 | |
JP2010126430A (ja) | 透光性yag多結晶体とその製造方法 | |
GB2216546A (en) | Zirconium oxide sinter for forming thin film thereof and method for production of the same | |
JP3463941B2 (ja) | レーザ用多結晶透明セラミックス | |
JPH05330913A (ja) | レーザ用多結晶透明y2o3セラミックス | |
JP3127015B2 (ja) | 酸化物レーザ単結晶の製造方法 | |
CN109652856B (zh) | Tb3+自激活激光晶体、其制备方法和在可见波段固体激光器中的应用 | |
JP3883106B2 (ja) | 透光性酸化スカンジウム焼結体及びその製造方法 | |
JPH05294709A (ja) | レーザ用多結晶透明セラミックス | |
JPH05294722A (ja) | 固体レーザ用多結晶透明yagセラミックスの製造方法 | |
US20190270676A1 (en) | Transparent aln sintered body and method for producing the same | |
JPH04238864A (ja) | 透光性イットリア焼結体及びその製造方法 | |
JPH05235462A (ja) | 固体レーザ用多結晶透明yagセラミックスの製造方法 | |
CN110194594A (zh) | 含铒离子掺杂的氟化锶和氟化钇混晶的氟铟玻璃陶瓷及其制备方法 | |
GB2374340A (en) | Polycrystalline material, method for the production thereof and articles made therefrom |