JPH05273207A - 全血分析要素及びそれを用いた測定方法 - Google Patents
全血分析要素及びそれを用いた測定方法Info
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- JPH05273207A JPH05273207A JP6725592A JP6725592A JPH05273207A JP H05273207 A JPH05273207 A JP H05273207A JP 6725592 A JP6725592 A JP 6725592A JP 6725592 A JP6725592 A JP 6725592A JP H05273207 A JPH05273207 A JP H05273207A
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- Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】水不透過性支持体の上に少なくとも1層の親水
性ポリマー層と展開層がこの順に積層された多層分析要
素と血球分離層を有する血球分離要素が空間を置いて重
ねられた状態で血球分離要素に全血試料を点着し、該試
料が血球分離層内に展開してから試料点着部を押圧して
試料中の血漿部分を展開層に移行させ、血球分離要素を
除去し、多層分析要素に移行した被検物質を測定するこ
とによる血液成分の測定方法。 【効果】全血分析要素を用いることにより、全血試料中
の血漿部分を多層分析要素の展開層にほぼ均一に浸透・
拡散させることができ、試料の不均一拡散に基づく分析
誤差を排除できる。血漿部分を展開層に移行させた後、
乾燥することにより相当時間経過しても分析を正確に行
なうことができ、在宅のまま被検者の検査を容易かつ正
確に行なうことができる。
性ポリマー層と展開層がこの順に積層された多層分析要
素と血球分離層を有する血球分離要素が空間を置いて重
ねられた状態で血球分離要素に全血試料を点着し、該試
料が血球分離層内に展開してから試料点着部を押圧して
試料中の血漿部分を展開層に移行させ、血球分離要素を
除去し、多層分析要素に移行した被検物質を測定するこ
とによる血液成分の測定方法。 【効果】全血分析要素を用いることにより、全血試料中
の血漿部分を多層分析要素の展開層にほぼ均一に浸透・
拡散させることができ、試料の不均一拡散に基づく分析
誤差を排除できる。血漿部分を展開層に移行させた後、
乾燥することにより相当時間経過しても分析を正確に行
なうことができ、在宅のまま被検者の検査を容易かつ正
確に行なうことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被検者自身が自己の血
液を点着しても測定対象成分を精度よく分析できる全血
分析要素及びそれを用いた測定対象成分の測定方法に関
するものである。
液を点着しても測定対象成分を精度よく分析できる全血
分析要素及びそれを用いた測定対象成分の測定方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】乾式分析要素は、一般に、特定成分の検
出に必要なすべての試薬類を乾燥状態で含み、これに液
体試料を接触させることで試薬類との反応を起こし、そ
の結果生ずる光学的変化や電気的変化を測定することに
よって、前記特定成分を定量的または半定量的に検出す
ることができる。
出に必要なすべての試薬類を乾燥状態で含み、これに液
体試料を接触させることで試薬類との反応を起こし、そ
の結果生ずる光学的変化や電気的変化を測定することに
よって、前記特定成分を定量的または半定量的に検出す
ることができる。
【0003】定量分析を目的とする場合には、液体試料
を微量定容ピペットなどで分析要素に点着し、一定条件
で(例えば37℃で5分)インキユベート(加温)して反
応させた後、直ちに光学的測定等を行って、検体中の特
定成分の濃度を算出するのが一般的であった。最近で
は、インキユベート以降の操作を自動的におこなう測定
器が市販され、満足できる再現性と正確度が得られてい
る。
を微量定容ピペットなどで分析要素に点着し、一定条件
で(例えば37℃で5分)インキユベート(加温)して反
応させた後、直ちに光学的測定等を行って、検体中の特
定成分の濃度を算出するのが一般的であった。最近で
は、インキユベート以降の操作を自動的におこなう測定
器が市販され、満足できる再現性と正確度が得られてい
る。
【0004】しかしこれらの測定器の多くは、 電源を要する。 ある程度の大きさを持つ。 複雑かつ精密であり、価格が高い。 などの理由で、どこでも設置できるというものではな
い。
い。
【0005】また、常に信頼性の高いデータを得る為に
は、少なくともある程度測定操作、技術に習熟した検査
技師、医師、看護婦などの管理下で操作される必要があ
る。従って、このような装置の設置は病院、診療所、検
査センターなど医療専門機関に限られているのが通例で
ある。
は、少なくともある程度測定操作、技術に習熟した検査
技師、医師、看護婦などの管理下で操作される必要があ
る。従って、このような装置の設置は病院、診療所、検
査センターなど医療専門機関に限られているのが通例で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】もし例えば、糖尿病の
病院外来患者が日常生活の中で幾度か血糖値を測定し、
その結果を通院の際持参することができれば、治療に当
たる医師が患者の状態をより正確に把握することができ
る。しかし、半定量のできる程度の装置なら家庭にも置
けるようなものもあるが、精度が低いので上記の目的に
は合わない。
病院外来患者が日常生活の中で幾度か血糖値を測定し、
その結果を通院の際持参することができれば、治療に当
たる医師が患者の状態をより正確に把握することができ
る。しかし、半定量のできる程度の装置なら家庭にも置
けるようなものもあるが、精度が低いので上記の目的に
は合わない。
【0007】近年、高齢化社会への急速な移行、高度治
療の発達などを背景とした医療費の高騰への対応とし
て、在宅ケアが提唱され、今後の医療制度の1つの核と
なるものとして実施の具体的方法が検討されている。
療の発達などを背景とした医療費の高騰への対応とし
て、在宅ケアが提唱され、今後の医療制度の1つの核と
なるものとして実施の具体的方法が検討されている。
【0008】在宅ケアの基本は、患者は各家庭に居なが
らにして常に医師による適切な監視、指導、管理下にあ
り、必要に応じて適切な治療ができる点にある。例えば
慢性患者や高齢者の場合には、急激な病態変化がなけれ
ば安定した生理的状態にあり、一定の治療を続けて、そ
の治療効果を継続的に監視し続けていることが最も大切
なこととなる。
らにして常に医師による適切な監視、指導、管理下にあ
り、必要に応じて適切な治療ができる点にある。例えば
慢性患者や高齢者の場合には、急激な病態変化がなけれ
ば安定した生理的状態にあり、一定の治療を続けて、そ
の治療効果を継続的に監視し続けていることが最も大切
なこととなる。
【0009】このような継続的な監視は、入院患者につ
いては容易であるけれども、各家庭に患者が分散した状
態では実際上は極めて難しく、通常は体温、体重の測定
の他は看護人による症状の監察記録、患者本人の痛みな
どの訴えなど主観的な情報に止っている。
いては容易であるけれども、各家庭に患者が分散した状
態では実際上は極めて難しく、通常は体温、体重の測定
の他は看護人による症状の監察記録、患者本人の痛みな
どの訴えなど主観的な情報に止っている。
【0010】もし、血液検査情報が継続的に得られるな
らば、医師の日常管理も容易になり、治療もより迅速
で、かつ適切なものとなるので、その利益は測り知れな
い。また、患者にとってみても、日常の病態が医師に報
告され看られているという安心感は大きく、回復までの
精神的サポートとなることは容易に理解される。
らば、医師の日常管理も容易になり、治療もより迅速
で、かつ適切なものとなるので、その利益は測り知れな
い。また、患者にとってみても、日常の病態が医師に報
告され看られているという安心感は大きく、回復までの
精神的サポートとなることは容易に理解される。
【0011】もし、医師や看護婦自身が患者のところに
出向くことなくその指示に従って患者の血液検査が自宅
で実施できれば、より迅速で、かつ適切な治療が可能と
なる。このことは往診に要する時間を考えれば全ての家
庭に通ずることであるが、特に交通の不便なところや、
遠隔地、離島、未開発地では医療に対して大きな進歩、
利益をもたらすものである。
出向くことなくその指示に従って患者の血液検査が自宅
で実施できれば、より迅速で、かつ適切な治療が可能と
なる。このことは往診に要する時間を考えれば全ての家
庭に通ずることであるが、特に交通の不便なところや、
遠隔地、離島、未開発地では医療に対して大きな進歩、
利益をもたらすものである。
【0012】そこで、患者が家庭等における日常生活の
中で血液を採取し点着した乾式分析要素に点着した後、
これを病院等の分析装置のある施設に持参、または郵送
等により送付して測定・分析することが考えられる。こ
の場合、点着された全血試料が輸送中に乾式分析要素内
に浸透してそこに含まれている試薬と反応するが、これ
が外界条件の変動によって分析結果に影響を及ぼすとい
う問題があるが、これは乾式分析要素内に含まれている
試薬の一部又は全部を取除いておくことによって排除で
きる。
中で血液を採取し点着した乾式分析要素に点着した後、
これを病院等の分析装置のある施設に持参、または郵送
等により送付して測定・分析することが考えられる。こ
の場合、点着された全血試料が輸送中に乾式分析要素内
に浸透してそこに含まれている試薬と反応するが、これ
が外界条件の変動によって分析結果に影響を及ぼすとい
う問題があるが、これは乾式分析要素内に含まれている
試薬の一部又は全部を取除いておくことによって排除で
きる。
【0013】しかしながら、上記の試薬との反応の問題
のほかにも、乾式分析要素に点着された全血試料は中心
に血餅が残り、周囲に血漿が拡散するため血漿濃度がリ
ング状になった不均一に拡散し、これによって分析誤差
を生じる問題があった。患者等の被検者は、一般に検査
技師等と異なり血液の点着操作には不馴れであるから点
着量及び位置ともにバラツキが大きく、これが血漿がリ
ング状に拡散していくことと相俟って分析誤差が大きく
なる一つの原因となっていた。
のほかにも、乾式分析要素に点着された全血試料は中心
に血餅が残り、周囲に血漿が拡散するため血漿濃度がリ
ング状になった不均一に拡散し、これによって分析誤差
を生じる問題があった。患者等の被検者は、一般に検査
技師等と異なり血液の点着操作には不馴れであるから点
着量及び位置ともにバラツキが大きく、これが血漿がリ
ング状に拡散していくことと相俟って分析誤差が大きく
なる一つの原因となっていた。
【0014】本発明の目的は、被検者のような点着操作
の不馴れな者であっても多層分析要素の展開層上に血漿
をほぼ均一に浸透・拡散させることができ、それによっ
て不均一拡散に基づく分析誤差を排除しうる全血分析要
素を提供することにある。
の不馴れな者であっても多層分析要素の展開層上に血漿
をほぼ均一に浸透・拡散させることができ、それによっ
て不均一拡散に基づく分析誤差を排除しうる全血分析要
素を提供することにある。
【0015】本発明の別の目的は、全血試料を点着後時
間が経過しても血漿部分の不均一拡散の問題を解消して
高い分析精度で分析しうる全血分析要素を提供すること
にある。
間が経過しても血漿部分の不均一拡散の問題を解消して
高い分析精度で分析しうる全血分析要素を提供すること
にある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するべくなされたものであり、多層分析要素の上、す
なわち展開層側に血球分離要素を空間を置いて設け、こ
の血球分離要素に点着した全血試料が血球分離層内に展
開してから試料点着部を押圧して試料中の血漿部分を血
球分離層から展開層に移行させることにより血漿部分を
ほぼ均一に展開層に移行させることができ、この展開層
に移行した血漿部分を分析することによって不均一拡散
の問題を解消し、点着後の時間経過による不均一拡散の
問題も解消させることができ、前記目的を達成すること
ができた。
成するべくなされたものであり、多層分析要素の上、す
なわち展開層側に血球分離要素を空間を置いて設け、こ
の血球分離要素に点着した全血試料が血球分離層内に展
開してから試料点着部を押圧して試料中の血漿部分を血
球分離層から展開層に移行させることにより血漿部分を
ほぼ均一に展開層に移行させることができ、この展開層
に移行した血漿部分を分析することによって不均一拡散
の問題を解消し、点着後の時間経過による不均一拡散の
問題も解消させることができ、前記目的を達成すること
ができた。
【0017】すなわち、本発明は、水不透過性支持体の
上に少なくとも1層の親水性ポリマー層と展開層がこの
順に積層された多層分析要素と血球分離層を有する血球
分離要素が空間を置いて配置されていることを特徴とす
る全血分析要素と、該要素の血球分離要素に全血試料を
点着し、該試料が血球分離層内に展開してから試料点着
部を押圧して試料中の血漿部分を展開層に移行させ、血
球分離要素を除去し、多層分析要素に移行した被検物質
を測定することを特徴とする血液成分の測定方法に関す
るものである。
上に少なくとも1層の親水性ポリマー層と展開層がこの
順に積層された多層分析要素と血球分離層を有する血球
分離要素が空間を置いて配置されていることを特徴とす
る全血分析要素と、該要素の血球分離要素に全血試料を
点着し、該試料が血球分離層内に展開してから試料点着
部を押圧して試料中の血漿部分を展開層に移行させ、血
球分離要素を除去し、多層分析要素に移行した被検物質
を測定することを特徴とする血液成分の測定方法に関す
るものである。
【0018】血球分離要素は、1又は2以上の血球分離
層を有するものである。血球分離層としては、非繊維質
微多孔性膜と繊維質微多孔性膜のいずれも利用できる。
非繊維質微多孔性膜としては、特公昭53−21677号、米
国特許1,421,341号等に記載されたセルロースエステル
類、例えばセルロースアセテート、セルロースアセテー
ト/ブチレート、硝酸セルロースからなるブラッシュポ
リマー、6-ナイロン、6,6-ナイロン等のポリアミド、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等の微多孔性膜、特開昭62
−27006号に記載されたポリスルホンから成る微孔性
膜、ニトロセルロースからなる微多孔性膜、特公昭53−
21677号、特開昭55−90859号等に記載されたポリマー小
粒子、ガラス粒子、けい藻土等が親水性または非吸水性
ポリマーで結合された連続空隙をもつ多孔性層等が利用
できる。繊維質微多孔性膜としては、濾紙、不織布、織
物生地(例えば、平織生地)、編物生地(例えば、トリ
コット編)、ガラス繊維濾紙等を用いることができる。
層を有するものである。血球分離層としては、非繊維質
微多孔性膜と繊維質微多孔性膜のいずれも利用できる。
非繊維質微多孔性膜としては、特公昭53−21677号、米
国特許1,421,341号等に記載されたセルロースエステル
類、例えばセルロースアセテート、セルロースアセテー
ト/ブチレート、硝酸セルロースからなるブラッシュポ
リマー、6-ナイロン、6,6-ナイロン等のポリアミド、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等の微多孔性膜、特開昭62
−27006号に記載されたポリスルホンから成る微孔性
膜、ニトロセルロースからなる微多孔性膜、特公昭53−
21677号、特開昭55−90859号等に記載されたポリマー小
粒子、ガラス粒子、けい藻土等が親水性または非吸水性
ポリマーで結合された連続空隙をもつ多孔性層等が利用
できる。繊維質微多孔性膜としては、濾紙、不織布、織
物生地(例えば、平織生地)、編物生地(例えば、トリ
コット編)、ガラス繊維濾紙等を用いることができる。
【0019】好ましい血球分離膜は、弗素含有ポリマー
からなる微多孔性膜である。弗素含有ポリマーとして
は、ポリビニリデンフルオリドやポリテトラフルオロエ
チレンなどがあり、ポリテトラフルオロエチレンが好ま
しい。
からなる微多孔性膜である。弗素含有ポリマーとして
は、ポリビニリデンフルオリドやポリテトラフルオロエ
チレンなどがあり、ポリテトラフルオロエチレンが好ま
しい。
【0020】これらの弗素含有ポリマーの微多孔性層と
しては、特表昭63−501594(WO 87/02267)に記載の
ポリテトラフルオロエチレンのフィブリル(微細繊維)
からなる微多孔性のマトリックス層(微多孔性層)、Go
re-Tex(W.L.Gore and Associates社製)、Zitex(Norton
社製)、ポアフロン(住友電工社製)などがある。その
他に、US3368872(実施例3及び4)、US3260413
(実施例3及び4)、特開昭53−92195(US4201548)
等に記載のポリテトラフルオロエチレンの微多孔性膜、
US3649505に記載のポリビニリデンフルオリドの微多
孔性膜などがある。
しては、特表昭63−501594(WO 87/02267)に記載の
ポリテトラフルオロエチレンのフィブリル(微細繊維)
からなる微多孔性のマトリックス層(微多孔性層)、Go
re-Tex(W.L.Gore and Associates社製)、Zitex(Norton
社製)、ポアフロン(住友電工社製)などがある。その
他に、US3368872(実施例3及び4)、US3260413
(実施例3及び4)、特開昭53−92195(US4201548)
等に記載のポリテトラフルオロエチレンの微多孔性膜、
US3649505に記載のポリビニリデンフルオリドの微多
孔性膜などがある。
【0021】これらの弗素含有ポリマーの微多孔性膜の
うち、血球濾過層を構成する微多孔性層に特に適してい
るのは、孔径が実質的に赤血球を通さない程度に小さ
く、膜厚が薄く、空隙率が高いものである。具体的に
は、約0.2μmから約60μm、好ましくは約1μmから
約20μmの範囲、更に好ましくは1〜10μmの範囲、空
隙率は約40%から約95%、好ましくは約50%から約95
%、さらに好ましくは約70%から約95%の範囲、層の厚
さは約10μmから約200μm、好ましくは約30μmから
約150μm、製造工程中でのしわ発生等の取り扱い性を
考慮すると、最も好ましくは約50μmから約120μmの
範囲である。
うち、血球濾過層を構成する微多孔性層に特に適してい
るのは、孔径が実質的に赤血球を通さない程度に小さ
く、膜厚が薄く、空隙率が高いものである。具体的に
は、約0.2μmから約60μm、好ましくは約1μmから
約20μmの範囲、更に好ましくは1〜10μmの範囲、空
隙率は約40%から約95%、好ましくは約50%から約95
%、さらに好ましくは約70%から約95%の範囲、層の厚
さは約10μmから約200μm、好ましくは約30μmから
約150μm、製造工程中でのしわ発生等の取り扱い性を
考慮すると、最も好ましくは約50μmから約120μmの
範囲である。
【0022】これらの弗素含有ポリマーの微多孔性膜の
作成に当たっては、1種もしくは2種以上の弗素含有ポ
リマーを混合しても良いし、弗素を含まない1種もしく
は2種以上のポリマーや繊維と混合し、製膜したもので
あつても良い。
作成に当たっては、1種もしくは2種以上の弗素含有ポ
リマーを混合しても良いし、弗素を含まない1種もしく
は2種以上のポリマーや繊維と混合し、製膜したもので
あつても良い。
【0023】構造としては、延伸しないもの、1軸延伸
したもの、2軸延伸したもの、1層構成の非ラミネート
タイプ、2層構成のラミネートタイプ、例えば繊維等の
他の膜構造物にラミネートした膜等がある。
したもの、2軸延伸したもの、1層構成の非ラミネート
タイプ、2層構成のラミネートタイプ、例えば繊維等の
他の膜構造物にラミネートした膜等がある。
【0024】フイブリル構造又は一軸延伸もしくは二軸
延伸した非ラミネートタイプの微多孔性膜は、延伸によ
り、空隙率が大きくかつ濾過長の短い微多孔膜が作られ
る。濾過長が短い微多孔膜では、血液中の有形成分(主
として赤血球)による目詰りが生じがたく、かつ血球と
血漿の分離に要する時間が短いので、定量分析精度が高
くなるという特徴がある。
延伸した非ラミネートタイプの微多孔性膜は、延伸によ
り、空隙率が大きくかつ濾過長の短い微多孔膜が作られ
る。濾過長が短い微多孔膜では、血液中の有形成分(主
として赤血球)による目詰りが生じがたく、かつ血球と
血漿の分離に要する時間が短いので、定量分析精度が高
くなるという特徴がある。
【0025】弗素含有ポリマーの微多孔性層は特開昭57
−66359(US4783315)に記載の物理的活性化処理(好ま
しくはグロー放電処理又はコロナ放電処理)を微多孔性
層の少なくとも片面に施すことにより微多孔性層の表面
を親水化して、隣接する微多孔性層との部分接着に用い
られる接着剤の接着力を強化することができる。
−66359(US4783315)に記載の物理的活性化処理(好ま
しくはグロー放電処理又はコロナ放電処理)を微多孔性
層の少なくとも片面に施すことにより微多孔性層の表面
を親水化して、隣接する微多孔性層との部分接着に用い
られる接着剤の接着力を強化することができる。
【0026】弗素含有ポリマーの微多孔性膜は、そのま
までは、表面張力が低く乾式分析要素の血球濾過層とし
て用いようとしても、水性液体試料ははじかれてしまっ
て、膜の表面や内部に拡散、浸透しないことは、周知の
事実である。本発明の分析要素では、弗素含有ポリマー
の微多孔性膜に親水性を付与し親水性を高める手段とし
て、弗素含有ポリマーの微多孔性膜の外部表面及び内部
の空隙の表面を実質的に親水化するに充分な量の界面活
性剤を弗素含有ポリマーの微多孔性膜に含浸させること
により、前記の水性液体試料がはじかれる問題点を解決
した。
までは、表面張力が低く乾式分析要素の血球濾過層とし
て用いようとしても、水性液体試料ははじかれてしまっ
て、膜の表面や内部に拡散、浸透しないことは、周知の
事実である。本発明の分析要素では、弗素含有ポリマー
の微多孔性膜に親水性を付与し親水性を高める手段とし
て、弗素含有ポリマーの微多孔性膜の外部表面及び内部
の空隙の表面を実質的に親水化するに充分な量の界面活
性剤を弗素含有ポリマーの微多孔性膜に含浸させること
により、前記の水性液体試料がはじかれる問題点を解決
した。
【0027】水性液体試料がはじかれることなく膜の表
面や内部に拡散、浸透、移送されるに充分な親水性を弗
素含有ポリマーの微多孔性膜に付与するには、一般に、
弗素含有ポリマーの微多孔性膜の空隙体積の約0.01%か
ら約10%、好ましくは約0.1%から約5.0%、更に好まし
くは0.1%から1%の界面活性剤で微多孔性膜の空隙の
表面が被覆されることが必要である。例えば、厚さが50
μmの弗素含有ポリマーの微多孔性膜の場合に、含浸さ
れる界面活性剤の量は、一般に0.05g/m2から2.5g/m2の
範囲であることが好ましい。弗素含有ポリマーの微多孔
性膜に界面活性剤を含浸させる方法としては、界面活性
剤の低沸点(沸点約50℃から約120℃の範囲が好まし
い)の有機溶媒(例、アルコール、エステル、ケトン)
溶液に弗素含有ポリマーの微多孔性膜を浸漬し、溶液を
微多孔性膜の内部空隙に実質的に充分に行きわたらせた
後、微多孔性膜を溶液から静かに引き上げ、風(温風が
好ましい)を送り乾燥させる方法が一般的である。血球
濾過層を構成する微多孔性層に含有させる前処理試薬等
の成分とともに界面活性剤を弗素含有ポリマーの微多孔
性膜に含有させることもできる。
面や内部に拡散、浸透、移送されるに充分な親水性を弗
素含有ポリマーの微多孔性膜に付与するには、一般に、
弗素含有ポリマーの微多孔性膜の空隙体積の約0.01%か
ら約10%、好ましくは約0.1%から約5.0%、更に好まし
くは0.1%から1%の界面活性剤で微多孔性膜の空隙の
表面が被覆されることが必要である。例えば、厚さが50
μmの弗素含有ポリマーの微多孔性膜の場合に、含浸さ
れる界面活性剤の量は、一般に0.05g/m2から2.5g/m2の
範囲であることが好ましい。弗素含有ポリマーの微多孔
性膜に界面活性剤を含浸させる方法としては、界面活性
剤の低沸点(沸点約50℃から約120℃の範囲が好まし
い)の有機溶媒(例、アルコール、エステル、ケトン)
溶液に弗素含有ポリマーの微多孔性膜を浸漬し、溶液を
微多孔性膜の内部空隙に実質的に充分に行きわたらせた
後、微多孔性膜を溶液から静かに引き上げ、風(温風が
好ましい)を送り乾燥させる方法が一般的である。血球
濾過層を構成する微多孔性層に含有させる前処理試薬等
の成分とともに界面活性剤を弗素含有ポリマーの微多孔
性膜に含有させることもできる。
【0028】弗素含有ポリマーの微多孔性膜を親水性化
処理に用いられる界面活性剤としては、非イオン性(ノ
ニオン性)、陰イオン性(アニオン性)、陽イオン性
(カチオン性)、両性いずれの界面活性剤をも用いるこ
とができる。
処理に用いられる界面活性剤としては、非イオン性(ノ
ニオン性)、陰イオン性(アニオン性)、陽イオン性
(カチオン性)、両性いずれの界面活性剤をも用いるこ
とができる。
【0029】これらの界面活性剤のうちでは、ノニオン
性界面活性剤が、赤血球を溶血させる作用が比較的低い
ので、全血を検体とするための多層分析要素においては
有利である。ノニオン性界面活性剤としては、アルキル
フェノキシポリエトキシエタノール、アルキルポリエー
テルアルコール、ポリエチレングリコールモノエステ
ル、ポリエチレングリコールジエステル、高級アルコー
ルエチレンオキシド付加物(縮合物)、多価アルコール
エステルエチレンオキシド付加物(縮合物)、高級脂肪
酸アルカノールアミドなどがある。
性界面活性剤が、赤血球を溶血させる作用が比較的低い
ので、全血を検体とするための多層分析要素においては
有利である。ノニオン性界面活性剤としては、アルキル
フェノキシポリエトキシエタノール、アルキルポリエー
テルアルコール、ポリエチレングリコールモノエステ
ル、ポリエチレングリコールジエステル、高級アルコー
ルエチレンオキシド付加物(縮合物)、多価アルコール
エステルエチレンオキシド付加物(縮合物)、高級脂肪
酸アルカノールアミドなどがある。
【0030】ノニオン性界面活性剤の具体例として、次
のものがある。アルキルフェノキシポリエトキシエタノ
ールとしては、 イソオクチルフェノキシポリエトキシエタノール: (Triton X−100:オキシエチレン単位平均9〜10含
有) (Triton X−45:オキシエチレン単位平均5含有) ノニルフェノキシポリエトキシエタノール: (IGEPAL CO−630:オキシエチレン単位平均9含有) (IGEPAL CO−710:オキシエチレン単位平均10〜11含
有) (LENEX 698:オキシエチレン単位平均9含有) アルキルポリエーテルアルコールとしては、 高級アルコール ポリオキシエチレンエーテル: (Triton X−67:CA Registry No.59030-15-8)
のものがある。アルキルフェノキシポリエトキシエタノ
ールとしては、 イソオクチルフェノキシポリエトキシエタノール: (Triton X−100:オキシエチレン単位平均9〜10含
有) (Triton X−45:オキシエチレン単位平均5含有) ノニルフェノキシポリエトキシエタノール: (IGEPAL CO−630:オキシエチレン単位平均9含有) (IGEPAL CO−710:オキシエチレン単位平均10〜11含
有) (LENEX 698:オキシエチレン単位平均9含有) アルキルポリエーテルアルコールとしては、 高級アルコール ポリオキシエチレンエーテル: (Triton X−67:CA Registry No.59030-15-8)
【0031】血球分離要素には、2層以上の血球分離層
を設けることができる。その場合、特開平3−16651号
に開示されているような繊維質多孔性層と非繊維質多孔
性層との組合せにすることができる。
を設けることができる。その場合、特開平3−16651号
に開示されているような繊維質多孔性層と非繊維質多孔
性層との組合せにすることができる。
【0032】多層分析要素は、水不透過性支持体の上に
少なくとも1層の親水性ポリマー層と展開層がこの順に
積層されているものである。
少なくとも1層の親水性ポリマー層と展開層がこの順に
積層されているものである。
【0033】展開層は、水性の検体に含有されている成
分を実質的に偏在させることなしに平面的に拡げ、単位
面積当りほぼ一定量の割合で親水性ポリマー層に供給す
る機能を有する層であり、これまでドライケミストリー
分析要素に使われている展開層として、公知の非繊維質
及び繊維質の全ての多孔性材料を用いることができる。
具体的には特開昭49−53888に開示されているメンブラ
ンフィルター(ブラッシュドポリマー)に代表される非
繊維性等方的微多孔質媒体層、特開昭55−90859等に開
示されたポリマーミクロビーズが水不膨潤性の接着剤で
点接触状に接着されて成る連続空隙含有三次元格子粒状
構造物層に代表される非繊維性多孔性層、特開昭55−16
4356、同57−66359等に開示された織物布地からなる多
孔性層、同60−222769等に開示された編物布地からなる
層等を挙げることができるが、これらに限定されるもの
ではない。
分を実質的に偏在させることなしに平面的に拡げ、単位
面積当りほぼ一定量の割合で親水性ポリマー層に供給す
る機能を有する層であり、これまでドライケミストリー
分析要素に使われている展開層として、公知の非繊維質
及び繊維質の全ての多孔性材料を用いることができる。
具体的には特開昭49−53888に開示されているメンブラ
ンフィルター(ブラッシュドポリマー)に代表される非
繊維性等方的微多孔質媒体層、特開昭55−90859等に開
示されたポリマーミクロビーズが水不膨潤性の接着剤で
点接触状に接着されて成る連続空隙含有三次元格子粒状
構造物層に代表される非繊維性多孔性層、特開昭55−16
4356、同57−66359等に開示された織物布地からなる多
孔性層、同60−222769等に開示された編物布地からなる
層等を挙げることができるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0034】展開層は、1層だけに限定する必要はな
く、特開昭61−4959、同62−138756、同62−135757、同
62−138758等に開示されいてる様に、2層以上の層を重
ねて用いることができる。
く、特開昭61−4959、同62−138756、同62−135757、同
62−138758等に開示されいてる様に、2層以上の層を重
ねて用いることができる。
【0035】展開層を2層以上重ねた多層分析要素につ
いては、検体の点着時には全層が積層一体化されている
構成をとることが必須であるが、その後のプロセスでは
一体化されている必要はない。必要に応じて、第一の展
開層と第二の展開層の間を剥離した状態で使用すること
ができる。
いては、検体の点着時には全層が積層一体化されている
構成をとることが必須であるが、その後のプロセスでは
一体化されている必要はない。必要に応じて、第一の展
開層と第二の展開層の間を剥離した状態で使用すること
ができる。
【0036】展開層中には、検体の展開を促進するため
に、ノニオン、アニオン、カチオンもしくは両性の界面
活性剤を含ませることができる。また、展開性をコント
ロールする目的で、親水性のポリマー等の展開制御剤を
含ませることができる。更に、目的とする検出反応を促
進する為の、あるいは干渉、妨害反応を低減、阻止する
為の各種試薬、もしくは試薬の1部を含ませることがで
きる。
に、ノニオン、アニオン、カチオンもしくは両性の界面
活性剤を含ませることができる。また、展開性をコント
ロールする目的で、親水性のポリマー等の展開制御剤を
含ませることができる。更に、目的とする検出反応を促
進する為の、あるいは干渉、妨害反応を低減、阻止する
為の各種試薬、もしくは試薬の1部を含ませることがで
きる。
【0037】展開層の厚さは、20〜200μm、好ましく
は50〜170μm、更に好ましくは80〜150μmである。
は50〜170μm、更に好ましくは80〜150μmである。
【0038】親水性ポリマー層には、これまでドライケ
ミストリー分析要素に使われている公知の水に可溶性、
膨潤性、親水性の各種ポリマーを用いることができる。
水吸収時の膨潤率が30℃で約150%から約2000%、好ま
しくは約250%から約1500%の範囲の天然又は合成親水
性ポリマーを使用することができ、具体的には、特開昭
59−171864、同60−108753等に開示されたゼラチン(例
えば、酸処理ゼラチン、脱イオンゼラチン等)、ゼラチ
ン誘導体(例えば、フタル化ゼラチン、ヒドロキシアク
リレートグラフトゼラチン等)、アガロース、プルラ
ン、プルラン誘導体、ポリアクリルアミド、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン等を挙げることがで
きるが、これらに限定されるものではない。
ミストリー分析要素に使われている公知の水に可溶性、
膨潤性、親水性の各種ポリマーを用いることができる。
水吸収時の膨潤率が30℃で約150%から約2000%、好ま
しくは約250%から約1500%の範囲の天然又は合成親水
性ポリマーを使用することができ、具体的には、特開昭
59−171864、同60−108753等に開示されたゼラチン(例
えば、酸処理ゼラチン、脱イオンゼラチン等)、ゼラチ
ン誘導体(例えば、フタル化ゼラチン、ヒドロキシアク
リレートグラフトゼラチン等)、アガロース、プルラ
ン、プルラン誘導体、ポリアクリルアミド、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン等を挙げることがで
きるが、これらに限定されるものではない。
【0039】親水性ポリマー層に代えて、親水性表面を
有する紙やポリマー多孔質膜を用いることもできる。
有する紙やポリマー多孔質膜を用いることもできる。
【0040】親水性ポリマー層の厚さは、乾燥時に約1
μm〜約100μm、好ましくは約3μm〜約50μm、特
に好ましくは約5μm〜約30μmであり、実質的に透明
であることが好ましい。
μm〜約100μm、好ましくは約3μm〜約50μm、特
に好ましくは約5μm〜約30μmであり、実質的に透明
であることが好ましい。
【0041】親水性ポリマー層中には、目的とする反応
を促進する、もしくは干渉、妨害反応を防止、低減する
ための各種試薬もしくは試薬の1部を含ませることがで
きる。
を促進する、もしくは干渉、妨害反応を防止、低減する
ための各種試薬もしくは試薬の1部を含ませることがで
きる。
【0042】水不透過性支持体としては、これまでドラ
イケミストリー分析要素に使われている公知の水不透過
性の支持体を用いることができる。具体的には、ポリエ
チレンテレフタレート、ビスフェノールAのポリカーボ
ネート、ポリスチレン、セルロースエステル(例えば、
セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、
セルロースアセテートプロピオネート等)等から成る、
厚さ約50μm〜1mm、好ましくは約80μm〜約300μm
の透明フィルムを用いることができる。支持体は、通常
光透過性のものを用いるが、展開層側から測定をする場
合には、着色されていても、もしくは光不透過性であっ
ても良い。支持体の表面には、必要により公知の下塗層
もしくは接着層を設けて、親水性ポリマー層との接着を
強固にすることができる。
イケミストリー分析要素に使われている公知の水不透過
性の支持体を用いることができる。具体的には、ポリエ
チレンテレフタレート、ビスフェノールAのポリカーボ
ネート、ポリスチレン、セルロースエステル(例えば、
セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、
セルロースアセテートプロピオネート等)等から成る、
厚さ約50μm〜1mm、好ましくは約80μm〜約300μm
の透明フィルムを用いることができる。支持体は、通常
光透過性のものを用いるが、展開層側から測定をする場
合には、着色されていても、もしくは光不透過性であっ
ても良い。支持体の表面には、必要により公知の下塗層
もしくは接着層を設けて、親水性ポリマー層との接着を
強固にすることができる。
【0043】本発明の全血分析要素においては、上記の
血球分離要素と多層分析要素とを空間を置いて配置した
ことを特徴としている。この空間層は、血球分離要素に
点着された全血試料が多層分析要素内へ拡散していくこ
とを阻止するためである。一方、この空間層の厚みは全
血試料が血球分離要素内で、ある程度展開した後に血球
分離要素の試料点着部を押圧することにより、両要素が
接触して血球分離要素内の血漿部分が多層分析要素の展
開層に移行しうる程度でなければならない。従って、こ
の空間層の厚みは両要素の材質、厚み、空間の径等によ
って異なるが、通例0.1〜5mm程度、特に0.1〜1mm程度
が適当であることが多い。空間層の径は、通常3〜10mm
程度が適当である。空間層を形成する手段としては、一
般的にはスペーサーを利用する。スペーサーの形状は、
例えば円窓、角窓等を有する枠体のほか、両要素間の両
端部に短冊状のスペーサーを配置してもよい。スペーサ
ーの材料は、ある程度の物理強度があればよく、多種多
様のもののなかから選択できる。例えば、支持体に利用
されているような水不透過性のものであってもよく、展
開層、血球分離層に利用されているような水浸透性のも
のであってもよい。このスペーサーは、両要素に接着さ
せてもよく、あるいは単に挟みつけて保持するだけでも
よい。その手段には公知の各種手段を利用できる。本発
明の分析要素においては、全血試料の血漿部分を展開層
に移行させたのちは血球分離要素を除去するので、両要
素ともスペーサーに接着させる場合には、少なくとも両
要素を引き剥がせるような構造にしておく。その手段と
しては、少なくとも一方の接着には接着力が弱く剥離可
能な接着剤を用いるようにしてもよく、あるいはスペー
サー自体を破壊して両要素を分離しうるようにしてもよ
い。剥離を容易にするために一方の要素、例えば血球分
離要素にタブ等を設けることは好ましい。
血球分離要素と多層分析要素とを空間を置いて配置した
ことを特徴としている。この空間層は、血球分離要素に
点着された全血試料が多層分析要素内へ拡散していくこ
とを阻止するためである。一方、この空間層の厚みは全
血試料が血球分離要素内で、ある程度展開した後に血球
分離要素の試料点着部を押圧することにより、両要素が
接触して血球分離要素内の血漿部分が多層分析要素の展
開層に移行しうる程度でなければならない。従って、こ
の空間層の厚みは両要素の材質、厚み、空間の径等によ
って異なるが、通例0.1〜5mm程度、特に0.1〜1mm程度
が適当であることが多い。空間層の径は、通常3〜10mm
程度が適当である。空間層を形成する手段としては、一
般的にはスペーサーを利用する。スペーサーの形状は、
例えば円窓、角窓等を有する枠体のほか、両要素間の両
端部に短冊状のスペーサーを配置してもよい。スペーサ
ーの材料は、ある程度の物理強度があればよく、多種多
様のもののなかから選択できる。例えば、支持体に利用
されているような水不透過性のものであってもよく、展
開層、血球分離層に利用されているような水浸透性のも
のであってもよい。このスペーサーは、両要素に接着さ
せてもよく、あるいは単に挟みつけて保持するだけでも
よい。その手段には公知の各種手段を利用できる。本発
明の分析要素においては、全血試料の血漿部分を展開層
に移行させたのちは血球分離要素を除去するので、両要
素ともスペーサーに接着させる場合には、少なくとも両
要素を引き剥がせるような構造にしておく。その手段と
しては、少なくとも一方の接着には接着力が弱く剥離可
能な接着剤を用いるようにしてもよく、あるいはスペー
サー自体を破壊して両要素を分離しうるようにしてもよ
い。剥離を容易にするために一方の要素、例えば血球分
離要素にタブ等を設けることは好ましい。
【0044】本願発明においては、対象とする被検物質
は特に限定されない。通常臨床検査の分野で測定される
酵素、脂質、無機イオン、代謝産物、蛋白質等の他、各
種グロブリン、免疫抗原、免疫抗体等の生体由来成分、
薬物、ホルモン、腫瘍マーカー等、分析方法さえ確立し
ていれば分析対象とすることができる。
は特に限定されない。通常臨床検査の分野で測定される
酵素、脂質、無機イオン、代謝産物、蛋白質等の他、各
種グロブリン、免疫抗原、免疫抗体等の生体由来成分、
薬物、ホルモン、腫瘍マーカー等、分析方法さえ確立し
ていれば分析対象とすることができる。
【0045】本発明において使用する乾式分析要素は、
測定の対象となる項目もしくは検体によって、以下に記
載する種々の構成を取ることができる。図1〜図4に、
構成例を示す。
測定の対象となる項目もしくは検体によって、以下に記
載する種々の構成を取ることができる。図1〜図4に、
構成例を示す。
【0046】1:水不透過性支持体/親水性ポリマー層
/展開層/スペーサー/血球分離層なる構成で被検物質
と直接反応して化学変化を生じる試薬が含まれていない
分析要素。Ca、GOT(グルタミン酸オキザロ酢酸ト
ランスアミナーゼ)、GPT(グルタミン酸ピルビン酸
トランスアミナーゼ)、γ−GTP(γ−グルタミルト
ランスペプチターゼ)、グルコース、LDH(乳酸脱水
素酵素)、CPK(クレアチンホスホキナーゼ)、TP
(総蛋白質)、Alb(アルブミン)、TCHO(総コレ
ステロール)、UA(尿酸)、中性脂肪等の分析に有効
である。
/展開層/スペーサー/血球分離層なる構成で被検物質
と直接反応して化学変化を生じる試薬が含まれていない
分析要素。Ca、GOT(グルタミン酸オキザロ酢酸ト
ランスアミナーゼ)、GPT(グルタミン酸ピルビン酸
トランスアミナーゼ)、γ−GTP(γ−グルタミルト
ランスペプチターゼ)、グルコース、LDH(乳酸脱水
素酵素)、CPK(クレアチンホスホキナーゼ)、TP
(総蛋白質)、Alb(アルブミン)、TCHO(総コレ
ステロール)、UA(尿酸)、中性脂肪等の分析に有効
である。
【0047】2:水不透過性支持体/親水性ポリマー層
/展開層/スペーサー/血球分離層なる構成で、親水性
ポリマー層及び/又は展開層中に色原体を含むが、被検
物質と直接反応して化学変化を生じる試薬が含まれてい
ない分析要素。色原体としては、Ann. Clin. Biochem.,
6, 24〜27(1969)に記載の4-アミノアンチピリン(別名
4-アミノフェナゾン、すなわち1-フェニル-2,3-ジメチ
ル-4-アミノ−3−ピラゾリン-5-オン)、特開昭59−54
962等に記載の1-(2,4,6-トリクロロフェニル)-2,3-ジ
メチル-4-アミノ-3-ピラゾリン-5-オン、1-(3,5-ジク
ロロフェニル)-2,3-ジメチル-4-アミノ-3-ピラゾリン-
5-オン等のトリ置換-4-アミノ-3-ピラゾリン-5-オン、
特公昭55−25840等に記載の1-フェニル-2,3-ジメチル-4
-ジメチルアミノ-3-ピラゾリン-5-オン等の4-アミノア
ンチピリン類似体を用いることができる。これらの化合
物のうちでは、4-アミノアンチピリン、1-(2,4,6-トリ
クロロフェニル)-2,3-ジメチル-4-アミノ-3-ピラゾリ
ン-5-オン、1-(3,5-ジクロロフェニル)-2,3-ジメチル
-4-アミノ-3-ピラゾリン-5-オン等が好ましい。
/展開層/スペーサー/血球分離層なる構成で、親水性
ポリマー層及び/又は展開層中に色原体を含むが、被検
物質と直接反応して化学変化を生じる試薬が含まれてい
ない分析要素。色原体としては、Ann. Clin. Biochem.,
6, 24〜27(1969)に記載の4-アミノアンチピリン(別名
4-アミノフェナゾン、すなわち1-フェニル-2,3-ジメチ
ル-4-アミノ−3−ピラゾリン-5-オン)、特開昭59−54
962等に記載の1-(2,4,6-トリクロロフェニル)-2,3-ジ
メチル-4-アミノ-3-ピラゾリン-5-オン、1-(3,5-ジク
ロロフェニル)-2,3-ジメチル-4-アミノ-3-ピラゾリン-
5-オン等のトリ置換-4-アミノ-3-ピラゾリン-5-オン、
特公昭55−25840等に記載の1-フェニル-2,3-ジメチル-4
-ジメチルアミノ-3-ピラゾリン-5-オン等の4-アミノア
ンチピリン類似体を用いることができる。これらの化合
物のうちでは、4-アミノアンチピリン、1-(2,4,6-トリ
クロロフェニル)-2,3-ジメチル-4-アミノ-3-ピラゾリ
ン-5-オン、1-(3,5-ジクロロフェニル)-2,3-ジメチル
-4-アミノ-3-ピラゾリン-5-オン等が好ましい。
【0048】3:水不透過性支持体/親水性ポリマー層
/展開層/スペーサー/血球分離層なる構成で、親水性
ポリマー層及び/又は展開層中に、色原体及びその他の
試薬(後述する、測定試薬を除く)を含む分析要素。そ
の他の試薬としては、POD(ペルオキシダーゼ)、N
AD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)、NA
DP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドフオスフ
エート)、DIP(ジアフオラーゼ)等が挙げられる。
/展開層/スペーサー/血球分離層なる構成で、親水性
ポリマー層及び/又は展開層中に、色原体及びその他の
試薬(後述する、測定試薬を除く)を含む分析要素。そ
の他の試薬としては、POD(ペルオキシダーゼ)、N
AD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)、NA
DP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドフオスフ
エート)、DIP(ジアフオラーゼ)等が挙げられる。
【0049】上記2及び3の構成において、色原体もし
くはその他の試薬は、液体試料を供給・安定化後に供給
することが可能だが、色原体の多くは水不溶性のため測
定試薬とは別に供給する必要があること、これら色原体
やその他試薬を層の中に初めから含ませて製造する方が
再現性が良いこと等の利点がある。
くはその他の試薬は、液体試料を供給・安定化後に供給
することが可能だが、色原体の多くは水不溶性のため測
定試薬とは別に供給する必要があること、これら色原体
やその他試薬を層の中に初めから含ませて製造する方が
再現性が良いこと等の利点がある。
【0050】4:媒染層を含む分析要素。呈色試薬がイ
オン性染料を形成する場合には、水不浸透性支持体と試
薬層との間に媒染層を設けることができる。検体中の被
検物質の量に比例して生成する色素を媒染層に移行・ト
ラップすることにより、光学的な検出の効率を高めるこ
とができる。例えば、呈色色素がカチオン性の染料を形
成する場合には、媒染層として、高分子鎖に結合したア
ニオン原子もしくは原子団を含むポリマーを含有する親
水性ポリマー層を、また呈色試薬がアニオン性の染料を
形成する場合には、媒染層として高分子鎖に結合したカ
チオン原子もしくは原子団を含むポリマーを含有する親
水性ポリマー層を用いることができる。
オン性染料を形成する場合には、水不浸透性支持体と試
薬層との間に媒染層を設けることができる。検体中の被
検物質の量に比例して生成する色素を媒染層に移行・ト
ラップすることにより、光学的な検出の効率を高めるこ
とができる。例えば、呈色色素がカチオン性の染料を形
成する場合には、媒染層として、高分子鎖に結合したア
ニオン原子もしくは原子団を含むポリマーを含有する親
水性ポリマー層を、また呈色試薬がアニオン性の染料を
形成する場合には、媒染層として高分子鎖に結合したカ
チオン原子もしくは原子団を含むポリマーを含有する親
水性ポリマー層を用いることができる。
【0051】これらの媒染性ポリマーの詳細について
は、特公平2−30466、特開昭51−40191、同54−2970
0、同53−131089等に記載されている。例えば、アニオ
ン媒染性高分子としては、特公平2−30466号公報第13
〜第14欄に記載されているメチルビニルエーテル−無水
マレイン酸共重合体のアルカリ加水分解物、ポリスチレ
ン-p-スルホン酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土
類金属塩、スチレン-p-スルホン酸と親水性ビニルモノ
マーとの共重合体のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土
類金属塩等が挙げられる。更に、これらの高分子を含有
させることのできる層等についても、同公報の第15〜16
欄に詳細な記載がある。
は、特公平2−30466、特開昭51−40191、同54−2970
0、同53−131089等に記載されている。例えば、アニオ
ン媒染性高分子としては、特公平2−30466号公報第13
〜第14欄に記載されているメチルビニルエーテル−無水
マレイン酸共重合体のアルカリ加水分解物、ポリスチレ
ン-p-スルホン酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土
類金属塩、スチレン-p-スルホン酸と親水性ビニルモノ
マーとの共重合体のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土
類金属塩等が挙げられる。更に、これらの高分子を含有
させることのできる層等についても、同公報の第15〜16
欄に詳細な記載がある。
【0052】5:上記1〜4の構成において、親水性ポ
リマー層と展開層の間に、光遮蔽層を設けた分析要素。
光遮蔽層は光遮蔽性又は光遮蔽性と光反射性を兼ね備え
た微粒子又は微粉末(以下、単に微粒子という)が少量
の被膜形成能を有する親水性ポリマーバインダーに分散
保持されている水透過性又は水浸透性の層である。光遮
蔽層は検出可能な変化(色変化、発色等)を光透過性支
持体側から反射測光する際に、供給された水性液体試料
の色、特に全血試料に含まれるヘモグロビンの赤色等を
遮蔽するとともに光反射層又は背景層としても機能す
る。
リマー層と展開層の間に、光遮蔽層を設けた分析要素。
光遮蔽層は光遮蔽性又は光遮蔽性と光反射性を兼ね備え
た微粒子又は微粉末(以下、単に微粒子という)が少量
の被膜形成能を有する親水性ポリマーバインダーに分散
保持されている水透過性又は水浸透性の層である。光遮
蔽層は検出可能な変化(色変化、発色等)を光透過性支
持体側から反射測光する際に、供給された水性液体試料
の色、特に全血試料に含まれるヘモグロビンの赤色等を
遮蔽するとともに光反射層又は背景層としても機能す
る。
【0053】光遮蔽性と光反射性とを兼ね備えた微粒子
の例として二酸化チタン微粒子(ルチル型、アナターゼ
型又はブルカイト型の粒子径約0.1μmから約1.2μmの
微結晶粒子等)、硫酸バリウム微粒子、アルミニウム微
粒子又は微小フレーク等があり、光遮蔽性微粒子の例と
してカーボンブラック、ガスブラック、カーボンミクロ
ビーズ等があり、これらのうちで二酸化チタン微粒子、
硫酸バリウム微粒子が好ましい。
の例として二酸化チタン微粒子(ルチル型、アナターゼ
型又はブルカイト型の粒子径約0.1μmから約1.2μmの
微結晶粒子等)、硫酸バリウム微粒子、アルミニウム微
粒子又は微小フレーク等があり、光遮蔽性微粒子の例と
してカーボンブラック、ガスブラック、カーボンミクロ
ビーズ等があり、これらのうちで二酸化チタン微粒子、
硫酸バリウム微粒子が好ましい。
【0054】被膜形成能を有する親水性ポリマーバイン
ダーとしては、前記親水性ポリマーのほかに弱親水性の
再生セルロース、セルロースアセテート等があり、これ
らのうちではゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリビニルア
ルコール、ポリアクリルアミド、マレイン酸共重合体等
が好ましい。ゼラチン、ゼラチン誘導体は公知の硬化剤
(架橋剤)を混合して用いることができる。
ダーとしては、前記親水性ポリマーのほかに弱親水性の
再生セルロース、セルロースアセテート等があり、これ
らのうちではゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリビニルア
ルコール、ポリアクリルアミド、マレイン酸共重合体等
が好ましい。ゼラチン、ゼラチン誘導体は公知の硬化剤
(架橋剤)を混合して用いることができる。
【0055】6:上記1〜4の構成において、親水性ポ
リマー層と展開層の間に、水不浸透性で且つ気体透過性
の層(以下、バリア層と称する)を設けた分析要素。反
応によりアンモニアガスを発生するBUN(尿素窒
素)、CRE(クレアチニン)、及びCO2等の分析に
有効である。全血・血漿のいずれも、検体として使用で
きる。バリア層としては、特開昭52−3488に開示された
一様なポリマーの塗布層、同58−77661に開示されたメ
ンブランフィター等を使用することができる。
リマー層と展開層の間に、水不浸透性で且つ気体透過性
の層(以下、バリア層と称する)を設けた分析要素。反
応によりアンモニアガスを発生するBUN(尿素窒
素)、CRE(クレアチニン)、及びCO2等の分析に
有効である。全血・血漿のいずれも、検体として使用で
きる。バリア層としては、特開昭52−3488に開示された
一様なポリマーの塗布層、同58−77661に開示されたメ
ンブランフィター等を使用することができる。
【0056】ここで測定試薬とは、分析対象である被検
物質と直接反応して化学変化を生ぜしめる試薬を指す。
即ち、酵素が被検物質である場合にはその基質、被検物
質が抗原(抗体)である場合には抗体(抗原)であり、
被検物質が脂質、糖、代謝産物であって酵素によって検
出可能な変化を生ずる化合物である場合にはその酵素で
ある。また、これらの反応が酵素以外の化学試薬による
一般の化学反応によって起こされる場合には該当する化
学物質を言う。以下に具体例を挙げて説明する。
物質と直接反応して化学変化を生ぜしめる試薬を指す。
即ち、酵素が被検物質である場合にはその基質、被検物
質が抗原(抗体)である場合には抗体(抗原)であり、
被検物質が脂質、糖、代謝産物であって酵素によって検
出可能な変化を生ずる化合物である場合にはその酵素で
ある。また、これらの反応が酵素以外の化学試薬による
一般の化学反応によって起こされる場合には該当する化
学物質を言う。以下に具体例を挙げて説明する。
【0057】被検物質が酵素であるGOTの場合には、
その基質であるアスパラギン酸とα−ケトグルタール
酸、アミラーゼであれば高分子量の澱粉もしくは低分子
量のオリゴサッカライド、GGTであればL-γ-グルタ
ミルパラニトロアニリド、ALPであればパラニトロフ
ェニルフオスフェート等である。
その基質であるアスパラギン酸とα−ケトグルタール
酸、アミラーゼであれば高分子量の澱粉もしくは低分子
量のオリゴサッカライド、GGTであればL-γ-グルタ
ミルパラニトロアニリド、ALPであればパラニトロフ
ェニルフオスフェート等である。
【0058】また、グルコースであればグルコースオキ
シダーゼ、尿酸であればウリカーゼ、コレステロールで
あればコレステロールエステラーゼもしくはコレステロ
ールオキシダーゼ、中性脂肪であればリパーゼもしくは
エステラーゼ、尿素であればウレアーゼ等である。
シダーゼ、尿酸であればウリカーゼ、コレステロールで
あればコレステロールエステラーゼもしくはコレステロ
ールオキシダーゼ、中性脂肪であればリパーゼもしくは
エステラーゼ、尿素であればウレアーゼ等である。
【0059】分析対象が蛋白質、アルブミン、Ca、無
機リン等、被検物質と指示薬等とが直接反応して検出可
能な変化を生ずる場合には指示薬を指す。
機リン等、被検物質と指示薬等とが直接反応して検出可
能な変化を生ずる場合には指示薬を指す。
【0060】上記の反応系中に組み込まれる反応試薬が
一部の酵素のように不安定なものである場合には、これ
らも測定試薬の中に含ませることが好ましい。即ち、測
定試薬溶液中に含めるべき試薬と、分析要素中に含める
べき試薬との分配に関しては、分析性能や保存安定性を
指標として様々に変えることができる。分析対象が一つ
であっても、検出反応系組立によって上記の分配が異な
るのは勿論である。
一部の酵素のように不安定なものである場合には、これ
らも測定試薬の中に含ませることが好ましい。即ち、測
定試薬溶液中に含めるべき試薬と、分析要素中に含める
べき試薬との分配に関しては、分析性能や保存安定性を
指標として様々に変えることができる。分析対象が一つ
であっても、検出反応系組立によって上記の分配が異な
るのは勿論である。
【0061】測定試薬の中には、反応を安定に再現性良
く進行させるために、pHやイオン強度を調節する、分析
要素を構成する材料への拡散・浸透を良くする、含有す
る酵素等の不安定性を改善する、等の目的で各種試薬を
含ませることができる。また、検出反応と競合する反応
を阻害するための試薬を含ませることもできる。
く進行させるために、pHやイオン強度を調節する、分析
要素を構成する材料への拡散・浸透を良くする、含有す
る酵素等の不安定性を改善する、等の目的で各種試薬を
含ませることができる。また、検出反応と競合する反応
を阻害するための試薬を含ませることもできる。
【0062】この様な試薬としては、例えば、ビリルビ
ンオキシダーゼやアスコルビン酸オキシダーゼ等があ
る。更に、アイソザイム検出の為に特定の生物に由来す
る酵素を阻害する化合物、例えばP型アミラーゼの阻害
剤等を含ませることができる。更に全血測定では、ヘモ
グロビンのカタラーゼ活性の阻害剤として有効なNaN3
等を添加することもできる。
ンオキシダーゼやアスコルビン酸オキシダーゼ等があ
る。更に、アイソザイム検出の為に特定の生物に由来す
る酵素を阻害する化合物、例えばP型アミラーゼの阻害
剤等を含ませることができる。更に全血測定では、ヘモ
グロビンのカタラーゼ活性の阻害剤として有効なNaN3
等を添加することもできる。
【0063】本発明で使用する全血分析要素は、一辺約
5mmから約30mmの正方形又はほぼ同サイズの円形等の小
片に裁断し、特開昭57−63452、特開昭54−156079、実
開昭56−142454、実開昭58−32350、特表昭58−501144
等に記載のスライド枠等に収めて分析スライドとして用
いるのが製造、包装、輸送、保存、測定操作等の点で好
ましい。しかし、尿試験紙等と同様のいわゆるスティッ
クの形態にしたものであっても良い。
5mmから約30mmの正方形又はほぼ同サイズの円形等の小
片に裁断し、特開昭57−63452、特開昭54−156079、実
開昭56−142454、実開昭58−32350、特表昭58−501144
等に記載のスライド枠等に収めて分析スライドとして用
いるのが製造、包装、輸送、保存、測定操作等の点で好
ましい。しかし、尿試験紙等と同様のいわゆるスティッ
クの形態にしたものであっても良い。
【0064】本発明の全血分析要素の使用方法として
は、まず、全血試料を血液分離要素の中央付近に点着
し、この状態で全血試料が血球分離層内に充分に展開す
るのを待つ。待つ時間は、最短では血球分離要素を押圧
することにより、分析最低必要量の血漿が展開層に移行
しうる程度に浸透・拡散する迄であり、最長は血漿中の
水分が蒸発して展開層への移行が困難になる時より前で
ある。通常は10〜100秒程度が適当である。
は、まず、全血試料を血液分離要素の中央付近に点着
し、この状態で全血試料が血球分離層内に充分に展開す
るのを待つ。待つ時間は、最短では血球分離要素を押圧
することにより、分析最低必要量の血漿が展開層に移行
しうる程度に浸透・拡散する迄であり、最長は血漿中の
水分が蒸発して展開層への移行が困難になる時より前で
ある。通常は10〜100秒程度が適当である。
【0065】次いで、試料点着部を押圧して試料中の血
漿部分を多層分析要素の展開層へ移行させる。押圧手段
としては棒等を利用すればよい。棒の形状は、角棒等で
あってもよいが通常は丸棒でよい。先端は平らでもよ
く、丸めてもよい。押圧面の径は5〜10mm程度でよい。
押圧力は軽く押しつける程度が適当であり、押圧時間も
移行が行なわれる程度、例えば1〜20秒程度でよい。血
漿部分を移行させたら、血球分離要素を剥離除去する。
漿部分を多層分析要素の展開層へ移行させる。押圧手段
としては棒等を利用すればよい。棒の形状は、角棒等で
あってもよいが通常は丸棒でよい。先端は平らでもよ
く、丸めてもよい。押圧面の径は5〜10mm程度でよい。
押圧力は軽く押しつける程度が適当であり、押圧時間も
移行が行なわれる程度、例えば1〜20秒程度でよい。血
漿部分を移行させたら、血球分離要素を剥離除去する。
【0066】測定を直ちに行なう場合には、測定試薬溶
液を展開層に点着してインキュベートし、常法により測
定を行なえばよい。しかしながら、本発明の分析要素は
在宅ケア等の用途に威力を発揮するものであり、そのよ
うに血漿部分を展開層に移行させてから測定までに時間
がかかる場合には、一定時間、実質的に一定条件下で乾
燥することが好ましい。好ましい乾燥方法、条件につい
ては特開平3−289543号公報に詳細に記載されている。
特に好ましい方法は、乾式分析要素の周囲が覆われた囲
いの中に置いた状態で加熱する方法である。これにより
周囲の温度、湿度に影響されることなく一定の乾燥状態
となる。
液を展開層に点着してインキュベートし、常法により測
定を行なえばよい。しかしながら、本発明の分析要素は
在宅ケア等の用途に威力を発揮するものであり、そのよ
うに血漿部分を展開層に移行させてから測定までに時間
がかかる場合には、一定時間、実質的に一定条件下で乾
燥することが好ましい。好ましい乾燥方法、条件につい
ては特開平3−289543号公報に詳細に記載されている。
特に好ましい方法は、乾式分析要素の周囲が覆われた囲
いの中に置いた状態で加熱する方法である。これにより
周囲の温度、湿度に影響されることなく一定の乾燥状態
となる。
【0067】温度範囲は10〜60℃、好ましくは20〜50
℃、更に好ましくは30〜45℃である。インキュベーショ
ン中の温度変動は±10℃、好ましくは±5℃、更に好ま
しくは±3℃である。
℃、更に好ましくは30〜45℃である。インキュベーショ
ン中の温度変動は±10℃、好ましくは±5℃、更に好ま
しくは±3℃である。
【0068】この様な一定条件のインキュベーションを
行うのに適したインキュベータが実開平3−126499号公
報に記載されている。即ち、分析要素を要素の収納部に
設置した状態で加温手段にて加熱後、恒温に保持するイ
ンキュベータであって、該分析要素の収納部の上部に該
要素収納部を密閉することが可能で、かつ、着脱可能な
カバーを設けられ、該カバーで要素収納部を密閉した
際、要素収納部内方に生まれる空間の体積が、分析要素
の体積とほぼ一致する様に設計されたインキュベータで
ある。
行うのに適したインキュベータが実開平3−126499号公
報に記載されている。即ち、分析要素を要素の収納部に
設置した状態で加温手段にて加熱後、恒温に保持するイ
ンキュベータであって、該分析要素の収納部の上部に該
要素収納部を密閉することが可能で、かつ、着脱可能な
カバーを設けられ、該カバーで要素収納部を密閉した
際、要素収納部内方に生まれる空間の体積が、分析要素
の体積とほぼ一致する様に設計されたインキュベータで
ある。
【0069】一定温度の乾燥風を一定条件で吹き付けて
も同様に再現性の良い結果が得られるが、上記インキュ
ベータに比べ高価となる欠点を有する。
も同様に再現性の良い結果が得られるが、上記インキュ
ベータに比べ高価となる欠点を有する。
【0070】ここで、「乾燥」とは該親水性ポリマー中
で実質的に反応が進行しない、もしくは被検物質の劣化
が進行しない状態であれば良い。従って、分析対象によ
って異なり、例えば酵素を対象とする場合には、親水性
ポリマー中の水分は50%、好ましくは20%以下、更に好
ましくは10%以下であれば良い。
で実質的に反応が進行しない、もしくは被検物質の劣化
が進行しない状態であれば良い。従って、分析対象によ
って異なり、例えば酵素を対象とする場合には、親水性
ポリマー中の水分は50%、好ましくは20%以下、更に好
ましくは10%以下であれば良い。
【0071】安定化させた後、測定試薬を供給するまで
に長時間かかる場合、例えば乾式分析要素を病院等に郵
送する場合等には、実質的に水分と空気を遮断した状態
に保存する必要がある。
に長時間かかる場合、例えば乾式分析要素を病院等に郵
送する場合等には、実質的に水分と空気を遮断した状態
に保存する必要がある。
【0072】この保存条件の詳細についても同様に、特
開平3−289543号公報に記載されている。例えば水分除
去手段を設けた金属製の箱、もしくは水分を透過させな
い有機ポリマーもしくは金属等のフィルム、シート等か
らなる袋に密閉する方法がある。
開平3−289543号公報に記載されている。例えば水分除
去手段を設けた金属製の箱、もしくは水分を透過させな
い有機ポリマーもしくは金属等のフィルム、シート等か
らなる袋に密閉する方法がある。
【0073】水分除去手段としては、公知の吸湿剤の中
から検体を実質的に変質させないものを適宜選択して封
入することができる。要素を袋に入れた後、空気を十分
にしごきだしても良い。
から検体を実質的に変質させないものを適宜選択して封
入することができる。要素を袋に入れた後、空気を十分
にしごきだしても良い。
【0074】これらの多層分析要素を用いて、以下の方
法により分析を行う。密閉容器から取り出した分析要素
に、分析すべき項目に対応した測定試薬溶液を供給して
反応を起こさせる。この反応をドライケミストリーの分
野で公知の方法(反射濃度測光、色変化、蛍光測定、発
光測定等)で測定し、検体中に含まれる成分を定量す
る。
法により分析を行う。密閉容器から取り出した分析要素
に、分析すべき項目に対応した測定試薬溶液を供給して
反応を起こさせる。この反応をドライケミストリーの分
野で公知の方法(反射濃度測光、色変化、蛍光測定、発
光測定等)で測定し、検体中に含まれる成分を定量す
る。
【0075】分析すべき項目に対応した測定試薬溶液と
しては、ウェットケミストリーで公知の試薬溶液を用い
ることができる。これらは、分析対象成分と反応して、
主として光学的測定方法により検出できる変化、例えば
色変化、発色(呈色)、蛍光、発光、紫外線領域におけ
る吸収波長の変化、混濁発生等の変化を生じさせる。
しては、ウェットケミストリーで公知の試薬溶液を用い
ることができる。これらは、分析対象成分と反応して、
主として光学的測定方法により検出できる変化、例えば
色変化、発色(呈色)、蛍光、発光、紫外線領域におけ
る吸収波長の変化、混濁発生等の変化を生じさせる。
【0076】ドライケミストリーの測定法としては、通
常反射光学系が用いられる。本発明の方法においても、
分析要素の水不透過性支持体を通して測光する方法が最
も適用範囲が広いが、検体が全血ではない場合や検体供
給後に弗素含有ポリマーから成り界面活性剤を含有する
微多孔性層を除去して測定する場合等には、透過測光方
式により測定することができる。また、水不透過性支持
体が不透明な場合には、支持体の反対側から測定するこ
ともできる。
常反射光学系が用いられる。本発明の方法においても、
分析要素の水不透過性支持体を通して測光する方法が最
も適用範囲が広いが、検体が全血ではない場合や検体供
給後に弗素含有ポリマーから成り界面活性剤を含有する
微多孔性層を除去して測定する場合等には、透過測光方
式により測定することができる。また、水不透過性支持
体が不透明な場合には、支持体の反対側から測定するこ
ともできる。
【0077】本願発明の全血分析要素は、既述の分類1
〜分類3に対応するいずれの分野においても有効に利用
することができ、更に在宅ケアの臨床医学検査において
も有効である。
〜分類3に対応するいずれの分野においても有効に利用
することができ、更に在宅ケアの臨床医学検査において
も有効である。
【0078】検体として血液を用いる場合には、一般に
乾式分析要素はごく微量の血液しか必要としないので、
毛細管ピペット等の適当な器具を用いて採血することが
できる。多層分析要素の移送は郵送、宅配便等で行うこ
とが可能であり、在宅検査にも十分に適応できる。
乾式分析要素はごく微量の血液しか必要としないので、
毛細管ピペット等の適当な器具を用いて採血することが
できる。多層分析要素の移送は郵送、宅配便等で行うこ
とが可能であり、在宅検査にも十分に適応できる。
【0079】図3に、本願発明になる測定方法の模式図
を示す。
を示す。
【0080】
【作用】血球分離要素に点着された全血試料は、血漿部
分が先に血球分離層内を浸透・拡散して血球分離要素の
裏面に到達する。そこで、血球分離要素の試料点着部を
押圧すると試料中の血漿部分のみをほぼ均一の濃度で多
層分析要素の展開層に移行する。次いで、血球分離要素
を剥離除去することにより、測定試薬の供給可能な状態
になり、多層分析要素に移行した被検物質を測定するこ
とができる。
分が先に血球分離層内を浸透・拡散して血球分離要素の
裏面に到達する。そこで、血球分離要素の試料点着部を
押圧すると試料中の血漿部分のみをほぼ均一の濃度で多
層分析要素の展開層に移行する。次いで、血球分離要素
を剥離除去することにより、測定試薬の供給可能な状態
になり、多層分析要素に移行した被検物質を測定するこ
とができる。
【0081】
実施例1 1)多層分析スライドの作製 親水化処理を施した厚さ180μmの写真用ポリエステル
フィルムベースよりなる支持体の上に、乾燥重量で10%
のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを含むゼ
ラチンを15g/m2の塗布量となるように塗布した。この親
水性ポリマー層の上に綿紡績糸番手で表して100Sのポ
リエステル加捻糸を用いた厚さ約200μmの編物布地を
グロー放電によって表面を親水化処理したものよりなる
展開層をラミネートした。更に、この上から10%のポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテルと、15%のヒド
ロキシエチルセルロースを含む水溶液をヒドロキシエチ
ルセルロースの乾燥重量が5g/m2になるように塗布し
た。このようにして作られた多層分析要素を15mm×15mm
の大きさに裁断し、中央に直径10mmの穴を有する厚さ0.
5mmの上下2枚の押さえ板と、上記多層分析要素を収容
する方形の枠体よりなるスチレン製のプラスチック枠に
組み込んで、多層分析スライドを完成させた。
フィルムベースよりなる支持体の上に、乾燥重量で10%
のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを含むゼ
ラチンを15g/m2の塗布量となるように塗布した。この親
水性ポリマー層の上に綿紡績糸番手で表して100Sのポ
リエステル加捻糸を用いた厚さ約200μmの編物布地を
グロー放電によって表面を親水化処理したものよりなる
展開層をラミネートした。更に、この上から10%のポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテルと、15%のヒド
ロキシエチルセルロースを含む水溶液をヒドロキシエチ
ルセルロースの乾燥重量が5g/m2になるように塗布し
た。このようにして作られた多層分析要素を15mm×15mm
の大きさに裁断し、中央に直径10mmの穴を有する厚さ0.
5mmの上下2枚の押さえ板と、上記多層分析要素を収容
する方形の枠体よりなるスチレン製のプラスチック枠に
組み込んで、多層分析スライドを完成させた。
【0082】2)血球分離要素の作製 直径6mmの穴を有する耐水処理された、たて28mm、よこ
24mmの紙と、直径8mmのガラス繊維濾紙(アドバンテッ
ク社 GA−100)と直径12mmの親水性表面を有するポリ
テトラフルオロエチレンの微多孔質膜(住友電工社製
ポアフロンWPW−100−100)を両面テープとの積層部
材の下にこの順に積層した。
24mmの紙と、直径8mmのガラス繊維濾紙(アドバンテッ
ク社 GA−100)と直径12mmの親水性表面を有するポリ
テトラフルオロエチレンの微多孔質膜(住友電工社製
ポアフロンWPW−100−100)を両面テープとの積層部
材の下にこの順に積層した。
【0083】3)全血用分析要素の作製 多層分析スライドのプラスチック枠の上から、血球分離
要素の微多孔質膜が下になるように積層した。両面テー
プを利用することにより、スライド枠と血球分離要素と
はそれぞれの機能膜が同心円上に重なった状態で積層、
固定された。しかし、多孔質膜とスライド枠中の多層分
析フィルムの展開層の表面との間には約0.2mmの空隙が
あるように設定した。
要素の微多孔質膜が下になるように積層した。両面テー
プを利用することにより、スライド枠と血球分離要素と
はそれぞれの機能膜が同心円上に重なった状態で積層、
固定された。しかし、多孔質膜とスライド枠中の多層分
析フィルムの展開層の表面との間には約0.2mmの空隙が
あるように設定した。
【0084】4)全血検体の調製 健常者の静脈血10mlを採取し、これに抗凝固剤であるヘ
パリンを15u/mlの濃度となるように添加した。さらにこ
の検体を4本の試験管に分注した。これとは別に、富士
ドライケムの精度管理用キャリブレータL、M、Hを2
mlの生理食塩水で溶解した液を調製した。試験管No.1は
何も加えずにそのまま保存した。No.2〜No.4は軽く遠心
し、上精0.8mlをスポイトで吸い取りその代わりにNo.2
にはキャリブレータL、No.3にはキャリブレータM、N
o.4にはキャリブレータHの0.8mlを添加、混和して成分
濃度を調製した全血検体を調製した。No.1〜No.4の検体
の約1mlを分け取って遠心分離して血漿を取り、日立70
50臨床化学自動分析機にてグルコース、GPT、アミラ
ーゼを測定した。
パリンを15u/mlの濃度となるように添加した。さらにこ
の検体を4本の試験管に分注した。これとは別に、富士
ドライケムの精度管理用キャリブレータL、M、Hを2
mlの生理食塩水で溶解した液を調製した。試験管No.1は
何も加えずにそのまま保存した。No.2〜No.4は軽く遠心
し、上精0.8mlをスポイトで吸い取りその代わりにNo.2
にはキャリブレータL、No.3にはキャリブレータM、N
o.4にはキャリブレータHの0.8mlを添加、混和して成分
濃度を調製した全血検体を調製した。No.1〜No.4の検体
の約1mlを分け取って遠心分離して血漿を取り、日立70
50臨床化学自動分析機にてグルコース、GPT、アミラ
ーゼを測定した。
【0085】5)全血検体の測定 No.1の全血検体の40μlをマイクロピペットで吸引し、
3)で作製したスライドに供給した。全血は1秒前後でガ
ラス繊維濾紙に吸い込まれた。そこで、円型の直径15mm
の紙ラベルで点着孔をふさいだ。しかし、多層分析フィ
ルムの展開層とは隔離した状態に保ったまま10秒間放置
した。その後、先端に直径8mm、長さ10mmの円柱状のス
ポンジが取りつけられている柱状のプラスチックの棒で
ラベルの上から押さえつけて、血球分離要素と多層分析
フィルムの展開層とを圧着させた。その時の加重はスポ
ンジの長さ、硬さを調製し600g/cm2に設定した。10秒間
密着させたのち、血球分離要素を多層分析フィルムから
引き剥がした。分析スライドには、血漿のみが移行して
おり、直径約10mmの円板状になっていることが目視確認
できた。全血とは別に、No.1〜No.4について得た血漿検
体(No.5〜No.8)についても同じように処理した。
3)で作製したスライドに供給した。全血は1秒前後でガ
ラス繊維濾紙に吸い込まれた。そこで、円型の直径15mm
の紙ラベルで点着孔をふさいだ。しかし、多層分析フィ
ルムの展開層とは隔離した状態に保ったまま10秒間放置
した。その後、先端に直径8mm、長さ10mmの円柱状のス
ポンジが取りつけられている柱状のプラスチックの棒で
ラベルの上から押さえつけて、血球分離要素と多層分析
フィルムの展開層とを圧着させた。その時の加重はスポ
ンジの長さ、硬さを調製し600g/cm2に設定した。10秒間
密着させたのち、血球分離要素を多層分析フィルムから
引き剥がした。分析スライドには、血漿のみが移行して
おり、直径約10mmの円板状になっていることが目視確認
できた。全血とは別に、No.1〜No.4について得た血漿検
体(No.5〜No.8)についても同じように処理した。
【0086】6)スライドの乾燥 血漿が円板状に浸み込んでいるスライドを37℃(±1
℃)に設定されていて、巾25mm、長さ30mm、深さ10mmの
穴が2列に12個あけられている、ヒートブロック型のイ
ンキュベータに設置して5分間脱水乾燥した。脱水処理
を終えたスライドは、50mm×100mmの大きさで入口が密
閉できる小さなポリエチン製の小袋に入れて密閉状態で
保存しておいた。
℃)に設定されていて、巾25mm、長さ30mm、深さ10mmの
穴が2列に12個あけられている、ヒートブロック型のイ
ンキュベータに設置して5分間脱水乾燥した。脱水処理
を終えたスライドは、50mm×100mmの大きさで入口が密
閉できる小さなポリエチン製の小袋に入れて密閉状態で
保存しておいた。
【0087】7)血漿成分の測定 富士ドライケム多項目測定機DC−5500を用いて、グル
コース、GPT、アミラーゼなどの化学成分濃度や酵素
成分の活性値を測定した。測定にあたっては、測定機の
分注機に下記組成から成る測定試薬溶液を調製し、その
10μlがそれぞれのスライドに自動的に点着されるよう
にセットした。 測定試薬処方: グルコース GLU GOD 1300U POD 5000U ジヒドロキシナフタレン 83mg 4-アミノアンチピリン 280mg ポリヒドロキシエチルノニルフェル 400mg ――――――――――――――――――――――― MES(2-(N-Morphlino)etanesulfonic acid)0.1M(pH=
7.3) 10ml AMYL α−グルコシダーゼ 6000U PNP−G5 540mg ―――――――――――――――― HEPES 0.1M(pH=7.3) 10ml GPT トリス 87mg りん酸・1カリウム・2水素 103mg L-アラニン 620mg α−KG・2Na 93mg 20%MgC12 275μl POD 3416U TPP(コカルボキシラーゼ) 21mg FAD(フラビンアデニンジヌクレオチド) 5mg POPG(ビルビン酸オキシダーゼ) 3088U 1N NaOHでpH=7.5 2-(3,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシフェニル)-4- 〔4-(ジメチルアミノ)フェニル〕-5-フェネチルイミダゾール 50mg トリトン X−100(商標登録) 200mg ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 蒸留水 10ml アミラーゼ α−グルコシダーゼ 6000U パラニトロフェノール−G−5 540mg 100mM HEPE(pH7.3) 10ml
コース、GPT、アミラーゼなどの化学成分濃度や酵素
成分の活性値を測定した。測定にあたっては、測定機の
分注機に下記組成から成る測定試薬溶液を調製し、その
10μlがそれぞれのスライドに自動的に点着されるよう
にセットした。 測定試薬処方: グルコース GLU GOD 1300U POD 5000U ジヒドロキシナフタレン 83mg 4-アミノアンチピリン 280mg ポリヒドロキシエチルノニルフェル 400mg ――――――――――――――――――――――― MES(2-(N-Morphlino)etanesulfonic acid)0.1M(pH=
7.3) 10ml AMYL α−グルコシダーゼ 6000U PNP−G5 540mg ―――――――――――――――― HEPES 0.1M(pH=7.3) 10ml GPT トリス 87mg りん酸・1カリウム・2水素 103mg L-アラニン 620mg α−KG・2Na 93mg 20%MgC12 275μl POD 3416U TPP(コカルボキシラーゼ) 21mg FAD(フラビンアデニンジヌクレオチド) 5mg POPG(ビルビン酸オキシダーゼ) 3088U 1N NaOHでpH=7.5 2-(3,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシフェニル)-4- 〔4-(ジメチルアミノ)フェニル〕-5-フェネチルイミダゾール 50mg トリトン X−100(商標登録) 200mg ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 蒸留水 10ml アミラーゼ α−グルコシダーゼ 6000U パラニトロフェノール−G−5 540mg 100mM HEPE(pH7.3) 10ml
【0088】8)検量線の作成 富士ドライケム5500を用いて、No.5〜No.8の血漿検体を
スライドに点着後、0分から6分までの反射光学濃度を
約12秒おきに測定した。測光に用いた波長はグルコー
ス:505mm、GPT:640mm、アミラーゼ:400nmであっ
た。このようにして得られた反射光学濃度の時間変化に
ついて、グルコースは6分値−1分値、GPTは4分値
−2分値、アミラーゼは5分値−1分値を求めて測定値
とした。グルコースについてはn=5、GPT、AMY
Lについてはn=10で測定した。一方、日立7050を用い
て血漿について測定した値を横軸とし、上記測定の平均
値を縦軸として検量線を作成した。結果は図5〜7の通
りであった。
スライドに点着後、0分から6分までの反射光学濃度を
約12秒おきに測定した。測光に用いた波長はグルコー
ス:505mm、GPT:640mm、アミラーゼ:400nmであっ
た。このようにして得られた反射光学濃度の時間変化に
ついて、グルコースは6分値−1分値、GPTは4分値
−2分値、アミラーゼは5分値−1分値を求めて測定値
とした。グルコースについてはn=5、GPT、AMY
Lについてはn=10で測定した。一方、日立7050を用い
て血漿について測定した値を横軸とし、上記測定の平均
値を縦軸として検量線を作成した。結果は図5〜7の通
りであった。
【0089】9)全血検体の測定 No.2〜No.4の全血検体についても血漿と同じようにして
n=3で測定して、先に血漿を用いて作成した検量線を
用いて濃度、活性値を測定した。結果は表1の通りであ
った。
n=3で測定して、先に血漿を用いて作成した検量線を
用いて濃度、活性値を測定した。結果は表1の通りであ
った。
【0090】
【表1】
【0091】10)全血検体についての同時再現性の測定 No.1の検体を用いて、5)〜8)の操作をくり返した。但
し、同一検体を用いてそれぞれ10回測定し、同時再現性
を計算した。結果は表2の通りであった。
し、同一検体を用いてそれぞれ10回測定し、同時再現性
を計算した。結果は表2の通りであった。
【0092】
【表2】
【0093】いずれも、本発明方法によって全血検体の
測定かつ定量的に行い得ることを示す結果を与えた。
測定かつ定量的に行い得ることを示す結果を与えた。
【0094】
【発明の効果】本発明の全血分析要素を用いることによ
り、全血試料中の血漿部分を多層分析要素の展開層にほ
ぼ均一に浸透・拡散させることができ、試料の不均一拡
散に基づく分析誤差を排除できる。血漿部分を展開層に
移行させた後、乾燥することにより相当時間経過しても
分析を正確に行なうことができ、在宅のまま被検者の検
査を容易かつ正確に行なうことができる。
り、全血試料中の血漿部分を多層分析要素の展開層にほ
ぼ均一に浸透・拡散させることができ、試料の不均一拡
散に基づく分析誤差を排除できる。血漿部分を展開層に
移行させた後、乾燥することにより相当時間経過しても
分析を正確に行なうことができ、在宅のまま被検者の検
査を容易かつ正確に行なうことができる。
【図1】本発明の全血分析要素の基本構成を示す模式断
面図である。
面図である。
【図2】本発明の全血分析要素の他の構成の一例を示す
模式断面図である。
模式断面図である。
【図3】本発明の全血分析要素の他の構成の一例を示す
模式断面図である。
模式断面図である。
【図4】本発明の全血分析要素の他の構成の一例を示す
模式断面図である。
模式断面図である。
【図5】本発明の実施例で得られたグルコースの検量線
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例で得られたGPTの検量線を示
すグラフである。
すグラフである。
【図7】本発明の実施例で得られたアミラーゼの検量線
を示すグラフである。
を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 水不透過性支持体の上に少なくとも1層
の親水性ポリマー層と展開層がこの順に積層された多層
分析要素と血球分離層を有する血球分離要素が空間を置
いて配置されていることを特徴とする全血分析要素 - 【請求項2】 被検物質と直接反応して化学変化を生じ
る試薬が含有されている請求項1に記載の分析要素 - 【請求項3】 被検物質と直接反応した化学変化を生じ
る試薬が含まれていない請求項1に記載の分析要素 - 【請求項4】 血球分離層が弗素含有ポリマーからなり
界面活性剤を含有する微多孔性層である請求項1、2又
は3に記載の分析要素 - 【請求項5】 水不透過性支持体の上に少なくとも1層
の親水性ポリマー層と展開層がこの順に積層された多層
分析要素と血球分離層を有する血球分離要素が空間を置
いて重ねられた状態で血球分離要素に全血試料を点着
し、該試料が血球分離層内に展開してから試料点着部を
押圧して試料中の血漿部分を展開層に移行させ、血球分
離要素を除去し、多層分析要素に移行した被検物質を測
定することを特徴とする血液成分の測定方法 - 【請求項6】 水不透過性支持体の上に少なくとも1
層の親水性ポリマー層と展開層がこの順に積層された多
層分析要素と血球分離層を有する血球分離要素が空間を
置いて重ねられた状態で血球分離要素に全血試料を点着
し、該試料が血球分離層内に展開してから試料点着部を
押圧して試料中の血漿部分を展開層に移行させ、血球分
離要素を除去し、多層分析要素に移行した被検物質を外
部から測定試薬溶液を供給することにより測定すること
を特徴とする血液成分の測定方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6725592A JPH05273207A (ja) | 1992-03-25 | 1992-03-25 | 全血分析要素及びそれを用いた測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6725592A JPH05273207A (ja) | 1992-03-25 | 1992-03-25 | 全血分析要素及びそれを用いた測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05273207A true JPH05273207A (ja) | 1993-10-22 |
Family
ID=13339653
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6725592A Pending JPH05273207A (ja) | 1992-03-25 | 1992-03-25 | 全血分析要素及びそれを用いた測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05273207A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0698413A2 (en) | 1994-08-25 | 1996-02-28 | Nihon Medi-Physics Co., Ltd. | Biological fluid analyzing device and method |
WO1999034213A1 (fr) * | 1997-12-25 | 1999-07-08 | Mochida Pharmaceutical Co., Ltd. | Analyseur pour echantillons liquides |
WO2006035875A1 (ja) * | 2004-09-30 | 2006-04-06 | Fujifilm Corporation | 多層分析要素の製造方法 |
WO2023162095A1 (ja) * | 2022-02-24 | 2023-08-31 | セルスペクト株式会社 | 血液検査デバイス |
CN116899639A (zh) * | 2023-06-30 | 2023-10-20 | 上海金鑫生物科技有限公司 | 一种微流控装置及其用途 |
-
1992
- 1992-03-25 JP JP6725592A patent/JPH05273207A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0698413A2 (en) | 1994-08-25 | 1996-02-28 | Nihon Medi-Physics Co., Ltd. | Biological fluid analyzing device and method |
US5681529A (en) * | 1994-08-25 | 1997-10-28 | Nihon Medi-Physics Co., Ltd. | Biological fluid analyzing device |
WO1999034213A1 (fr) * | 1997-12-25 | 1999-07-08 | Mochida Pharmaceutical Co., Ltd. | Analyseur pour echantillons liquides |
WO2006035875A1 (ja) * | 2004-09-30 | 2006-04-06 | Fujifilm Corporation | 多層分析要素の製造方法 |
JPWO2006035875A1 (ja) * | 2004-09-30 | 2008-05-15 | 富士フイルム株式会社 | 多層分析要素の製造方法 |
JP4842828B2 (ja) * | 2004-09-30 | 2011-12-21 | 富士フイルム株式会社 | 多層分析要素の製造方法 |
WO2023162095A1 (ja) * | 2022-02-24 | 2023-08-31 | セルスペクト株式会社 | 血液検査デバイス |
CN116899639A (zh) * | 2023-06-30 | 2023-10-20 | 上海金鑫生物科技有限公司 | 一种微流控装置及其用途 |
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