JPH05171392A - 高強度鋼板の溶融亜鉛めっき法 - Google Patents
高強度鋼板の溶融亜鉛めっき法Info
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- JPH05171392A JPH05171392A JP33851191A JP33851191A JPH05171392A JP H05171392 A JPH05171392 A JP H05171392A JP 33851191 A JP33851191 A JP 33851191A JP 33851191 A JP33851191 A JP 33851191A JP H05171392 A JPH05171392 A JP H05171392A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】鉄よりも被酸化性が強い元素を添加した高強度
鋼板において、従来のめっきおよび合金化における表面
の不均一性を改善した、溶融亜鉛めっき法および合金化
溶融亜鉛めっき法を提供する。 【構成】上記高強度鋼板において、陽極電解処理によ
り、鋼板表面に酸化膜を形成し、水素を含む還元雰囲気
中で焼鈍した後、溶融亜鉛めっきを施すめっき法、およ
び、この鋼板をさらに合金化処理する合金化溶融亜鉛め
っき法。
鋼板において、従来のめっきおよび合金化における表面
の不均一性を改善した、溶融亜鉛めっき法および合金化
溶融亜鉛めっき法を提供する。 【構成】上記高強度鋼板において、陽極電解処理によ
り、鋼板表面に酸化膜を形成し、水素を含む還元雰囲気
中で焼鈍した後、溶融亜鉛めっきを施すめっき法、およ
び、この鋼板をさらに合金化処理する合金化溶融亜鉛め
っき法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度の難めっき鋼板
に亜鉛系溶融めっきおよび合金化溶融亜鉛めっきを施す
方法に関するものである。
に亜鉛系溶融めっきおよび合金化溶融亜鉛めっきを施す
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶融亜鉛めっき鋼板や合金化溶融亜鉛め
っき鋼板は、耐食性に優れていることから、自動車車体
部品や家電製品等の外装材に広く用いられている。特に
合金化溶融亜鉛めっき鋼板は塗装密着性、塗装仕上がり
外観および塗装後耐食性が優れているため、自動車用防
錆鋼板としての需要が急増している。
っき鋼板は、耐食性に優れていることから、自動車車体
部品や家電製品等の外装材に広く用いられている。特に
合金化溶融亜鉛めっき鋼板は塗装密着性、塗装仕上がり
外観および塗装後耐食性が優れているため、自動車用防
錆鋼板としての需要が急増している。
【0003】ところで、近年かかる溶融亜鉛めっき鋼板
に対する性能にも、新たな社会情勢の変化に伴い、従来
にない特性が要求されている。例えば、地球環境問題、
特に炭酸ガス低減対策から自動車の燃費の向上が必要と
なり、その最も有効な方法として車体の軽量化が緊急の
課題となっている。すなわち、成形加工性や溶接性、耐
食性等を損なうことなく板厚が薄くできる自動車用の高
強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板が望まれている。かかる
要求に応えるためには、極低炭素鋼に成形加工性を損な
うことなく鋼板強度を高めることができるP、Si、M
n、Ti、Cr、Al、B、Nb等の合金元素の1種ま
たは2種以上の添加が必要となる。
に対する性能にも、新たな社会情勢の変化に伴い、従来
にない特性が要求されている。例えば、地球環境問題、
特に炭酸ガス低減対策から自動車の燃費の向上が必要と
なり、その最も有効な方法として車体の軽量化が緊急の
課題となっている。すなわち、成形加工性や溶接性、耐
食性等を損なうことなく板厚が薄くできる自動車用の高
強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板が望まれている。かかる
要求に応えるためには、極低炭素鋼に成形加工性を損な
うことなく鋼板強度を高めることができるP、Si、M
n、Ti、Cr、Al、B、Nb等の合金元素の1種ま
たは2種以上の添加が必要となる。
【0004】しかし、上記のようなP、Si、Cr等の
元素は、酸化され易く還元し難いため、連続溶融亜鉛め
っき製造ライン(例えば、ゼンジミアライン)の焼鈍工
程で、安定した酸化物を形成し、また酸化物の下には前
述の元素が濃化する傾向がある。この酸化物は還元性ガ
ス雰囲気中で焼鈍しても充分には還元されず、不均一に
残留する。そのため、焼鈍、冷却後の溶融亜鉛めっき時
にめっき濡れ性が阻害され、点状のめっき欠陥や甚だし
いときは多大な不めっき部が発生したり、たとえ不めっ
きでなくとも、めっき密着性が著しく劣化する問題が出
る。また、合金化溶融亜鉛めっき鋼板ではこれらの元素
の不均一な残留は合金化の進行を不均一とし、めっき表
面に凹凸模様が生じ、甚だしいものは目視でもわかる白
スジや黒スジと称されている筋ムラ問題が発生すること
が知られている。
元素は、酸化され易く還元し難いため、連続溶融亜鉛め
っき製造ライン(例えば、ゼンジミアライン)の焼鈍工
程で、安定した酸化物を形成し、また酸化物の下には前
述の元素が濃化する傾向がある。この酸化物は還元性ガ
ス雰囲気中で焼鈍しても充分には還元されず、不均一に
残留する。そのため、焼鈍、冷却後の溶融亜鉛めっき時
にめっき濡れ性が阻害され、点状のめっき欠陥や甚だし
いときは多大な不めっき部が発生したり、たとえ不めっ
きでなくとも、めっき密着性が著しく劣化する問題が出
る。また、合金化溶融亜鉛めっき鋼板ではこれらの元素
の不均一な残留は合金化の進行を不均一とし、めっき表
面に凹凸模様が生じ、甚だしいものは目視でもわかる白
スジや黒スジと称されている筋ムラ問題が発生すること
が知られている。
【0005】そこで、このような難めっき鋼板に溶融亜
鉛めっきや合金化溶融亜鉛めっきを施す場合、不めっき
防止と均一合金化(筋ムラ防止)を図るために、予め鋼
板表面に種々の前処理を施すことによる改善法が提案さ
れている。例えば、特開昭55−131165号公報に
はNiめっきを施す方法が開示されている。また、特開
昭57−70268号公報、特開昭57−79160号
公報にはFeめっきを施す方法が開示されている。
鉛めっきや合金化溶融亜鉛めっきを施す場合、不めっき
防止と均一合金化(筋ムラ防止)を図るために、予め鋼
板表面に種々の前処理を施すことによる改善法が提案さ
れている。例えば、特開昭55−131165号公報に
はNiめっきを施す方法が開示されている。また、特開
昭57−70268号公報、特開昭57−79160号
公報にはFeめっきを施す方法が開示されている。
【0006】さらに特開昭55−122865号公報に
は無酸化炉方式において膜厚400〜10,000Åの酸化皮
膜を形成させた後に、水素を含む雰囲気中で焼鈍する方
法が開示されている。
は無酸化炉方式において膜厚400〜10,000Åの酸化皮
膜を形成させた後に、水素を含む雰囲気中で焼鈍する方
法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法を実用化するには種々の問題がある。すなわち、
鋼板にNiをプレめっきすると、溶融亜鉛めっき時に、
合金化溶融亜鉛めっき鋼板では合金化反応速度を過度に
促進し、甚だしいときには溶融亜鉛めっき時に合金化が
始まり、合金化度のコントロールが極めて困難となる問
題がある。Feプレめっきに関しては、合金化反応速度
は鋼板上とほぼ同じであるが、不めっきを防止するめっ
き付着量を得るためには大きな設備が必要であり、操業
コストも高い。
の方法を実用化するには種々の問題がある。すなわち、
鋼板にNiをプレめっきすると、溶融亜鉛めっき時に、
合金化溶融亜鉛めっき鋼板では合金化反応速度を過度に
促進し、甚だしいときには溶融亜鉛めっき時に合金化が
始まり、合金化度のコントロールが極めて困難となる問
題がある。Feプレめっきに関しては、合金化反応速度
は鋼板上とほぼ同じであるが、不めっきを防止するめっ
き付着量を得るためには大きな設備が必要であり、操業
コストも高い。
【0008】一方、水素含有の雰囲気中で焼鈍を行なう
前に無酸化炉方式において酸化被膜を形成させる方法
は、インラインで処理する場合、ラインスピード、雰囲
気、鋼中成分の条件で酸化膜量が変動し、その後の合金
化亜鉛めっき層形成時に合金化反応速度が変化する問題
があり実用化に至っていない。
前に無酸化炉方式において酸化被膜を形成させる方法
は、インラインで処理する場合、ラインスピード、雰囲
気、鋼中成分の条件で酸化膜量が変動し、その後の合金
化亜鉛めっき層形成時に合金化反応速度が変化する問題
があり実用化に至っていない。
【0009】本発明の目的は、鉄よりも被酸化性が強い
元素を含む鋼強度鋼板、例えばP、Si、Mn、Ti、
Cr、Al、B、Nb等の合金元素の1種または2種以
上の添加を行なった高強度鋼板を母材とし、均一でめっ
き密着性の優れた溶融亜鉛めっきおよび合金化溶融亜鉛
めっきを低コストで製造する方法を提供するものであ
る。特に、従来の不均一に生じる不めっき部を改善し、
表面の均一性が向上した、高強度鋼板を提供する。
元素を含む鋼強度鋼板、例えばP、Si、Mn、Ti、
Cr、Al、B、Nb等の合金元素の1種または2種以
上の添加を行なった高強度鋼板を母材とし、均一でめっ
き密着性の優れた溶融亜鉛めっきおよび合金化溶融亜鉛
めっきを低コストで製造する方法を提供するものであ
る。特に、従来の不均一に生じる不めっき部を改善し、
表面の均一性が向上した、高強度鋼板を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、鉄よりも被酸
化が強い元素を添加した高強度鋼板を溶融亜鉛めっきす
る方法において、陽極電解処理により鋼板表面に酸化膜
(酸化膜、水酸化膜、水和酸化膜)を形成し、水素を含
む雰囲気中で焼鈍した後、溶融亜鉛めっきすることを特
徴とする高強度鋼板の溶融亜鉛めっき法である。また、
前記溶融亜鉛めっき高強度鋼板をさらに合金化処理する
高強度鋼板の合金化溶融亜鉛めっき法である。
化が強い元素を添加した高強度鋼板を溶融亜鉛めっきす
る方法において、陽極電解処理により鋼板表面に酸化膜
(酸化膜、水酸化膜、水和酸化膜)を形成し、水素を含
む雰囲気中で焼鈍した後、溶融亜鉛めっきすることを特
徴とする高強度鋼板の溶融亜鉛めっき法である。また、
前記溶融亜鉛めっき高強度鋼板をさらに合金化処理する
高強度鋼板の合金化溶融亜鉛めっき法である。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明に述べる鋼板は、自動車で使用され
る極低炭素鋼に成形加工性を損なうことなく鋼板強度を
高めることができるP、Si、Mn、Ti、Cr、A
l、B、Nb等の合金元素の1種または2種が添加され
た鋼板である。これら合金元素の中で特に、Si、C
r、Mn、Al、P、TiはFeよりも酸化されやす
く、表面濃化した場合、めっき性を阻害しやすい性質を
もつ。
る極低炭素鋼に成形加工性を損なうことなく鋼板強度を
高めることができるP、Si、Mn、Ti、Cr、A
l、B、Nb等の合金元素の1種または2種が添加され
た鋼板である。これら合金元素の中で特に、Si、C
r、Mn、Al、P、TiはFeよりも酸化されやす
く、表面濃化した場合、めっき性を阻害しやすい性質を
もつ。
【0013】次にこの鋼板表面に酸化物の酸化膜を形成
する方法としては、金属塩類の1種または2種以上を含
有する水溶液中に鋼板を浸漬し、電解処理する事で容易
に形成せしめることができる。ここで酸化膜とは、酸化
膜、水酸化膜、水和酸化膜を総称するものとする。
する方法としては、金属塩類の1種または2種以上を含
有する水溶液中に鋼板を浸漬し、電解処理する事で容易
に形成せしめることができる。ここで酸化膜とは、酸化
膜、水酸化膜、水和酸化膜を総称するものとする。
【0014】この場合は、鋼板を陽極とし、適当な通電
材料(例えば鉛・ステンレス・Ptめっき板など)を陰
極とする陽極電解処理を施すことにより、溶融亜鉛めっ
きにおけるめっき性に有効な酸化膜を形成できる。
材料(例えば鉛・ステンレス・Ptめっき板など)を陰
極とする陽極電解処理を施すことにより、溶融亜鉛めっ
きにおけるめっき性に有効な酸化膜を形成できる。
【0015】電解液中の金属塩類としては、各種金属の
炭酸塩類、リン酸塩類、硝酸塩類、硫酸塩類、塩化物
類、ホウ酸塩類、水酸化物類などがあげられる。これら
金属塩類の1種または2種以上を電導度を付与するため
に水溶液中に適当濃度で添加すればよいが好ましくは、
金属塩濃度は、1〜100g/l程度である。
炭酸塩類、リン酸塩類、硝酸塩類、硫酸塩類、塩化物
類、ホウ酸塩類、水酸化物類などがあげられる。これら
金属塩類の1種または2種以上を電導度を付与するため
に水溶液中に適当濃度で添加すればよいが好ましくは、
金属塩濃度は、1〜100g/l程度である。
【0016】電解液のpHとしては4以上が好ましく、
pH4以下の場合電解条件を変化させても、陽極酸化膜
が形成されにくい。電解液の浴温は、常温から80℃の
範囲が好ましく、工業的には40〜60℃が望ましい。
pH4以下の場合電解条件を変化させても、陽極酸化膜
が形成されにくい。電解液の浴温は、常温から80℃の
範囲が好ましく、工業的には40〜60℃が望ましい。
【0017】電解処理時の通電量(クーロン/dm2 )
に関しては、1C/dm2 以上が有利である。1C/d
m2 未満では確実にめっき性を改善する事ができず、不
めっきが発生する。また、500C/dm2 以上では、
不めっきは発生しないが、合金化溶融亜鉛めっきの場合
合金化速度が、過度に促進し、甚だしいときには溶融亜
鉛めっき時に合金化が始まり、合金化度のコントロール
が困難となる。
に関しては、1C/dm2 以上が有利である。1C/d
m2 未満では確実にめっき性を改善する事ができず、不
めっきが発生する。また、500C/dm2 以上では、
不めっきは発生しないが、合金化溶融亜鉛めっきの場合
合金化速度が、過度に促進し、甚だしいときには溶融亜
鉛めっき時に合金化が始まり、合金化度のコントロール
が困難となる。
【0018】電流密度に関しては設備能力に応じて、ま
たはラインスピードに応じて適当に選ぶことができ、一
般には、1〜100A/dm2 の範囲の電流密度が選択
されるが、電流密度が高い程、より高いpHの電解浴を
採用した方が酸化膜を有効に形成せしめることができ
る。このような電解処理で得られる被膜の成分は、現時
点では明確でないが主に鉄の酸化物もしくは水酸化物と
考えられる。
たはラインスピードに応じて適当に選ぶことができ、一
般には、1〜100A/dm2 の範囲の電流密度が選択
されるが、電流密度が高い程、より高いpHの電解浴を
採用した方が酸化膜を有効に形成せしめることができ
る。このような電解処理で得られる被膜の成分は、現時
点では明確でないが主に鉄の酸化物もしくは水酸化物と
考えられる。
【0019】次に、形成した酸化膜を、還元させるため
水素を含む還元雰囲気中で焼鈍する。この時の焼鈍条件
は酸化物が十分に還元できる条件である。水素を含む還
元雰囲気は水素単独でもよいが、N2 やAr等との混合
ガスを使い、好ましくは、3〜25%水素でよい。反応
条件は、少なくとも750〜850℃にて1秒以上、行
なうのが好ましい。
水素を含む還元雰囲気中で焼鈍する。この時の焼鈍条件
は酸化物が十分に還元できる条件である。水素を含む還
元雰囲気は水素単独でもよいが、N2 やAr等との混合
ガスを使い、好ましくは、3〜25%水素でよい。反応
条件は、少なくとも750〜850℃にて1秒以上、行
なうのが好ましい。
【0020】形成させる酸化物の量を前記条件範囲で陽
極電解処理されたものを、表1に示すカソード還元法で
調査すると、還元電気量で0.1mC/cm2 の還元可
能な酸化物を表面に形成させた時、めっき性が改善し
た。酸化物を著しく多く形成させると、水素雰囲気中で
十分還元できず、残存酸化物がめっき性を阻害する。
極電解処理されたものを、表1に示すカソード還元法で
調査すると、還元電気量で0.1mC/cm2 の還元可
能な酸化物を表面に形成させた時、めっき性が改善し
た。酸化物を著しく多く形成させると、水素雰囲気中で
十分還元できず、残存酸化物がめっき性を阻害する。
【0021】一方、これに対処するために十分な還元時
間を与える事は、操業性を悪くすることであり、さらに
多量な還元鉄によって、合金化速度が上昇し、ムラが発
生する問題も生ずる。酸化膜が、めっき性を改善する理
由としては、酸化された鉄がその後、水素を含む雰囲気
中で十分鉄に還元されるため、鋼板表面が活性の鉄とな
り、めっき性が向上するものと考えられる。
間を与える事は、操業性を悪くすることであり、さらに
多量な還元鉄によって、合金化速度が上昇し、ムラが発
生する問題も生ずる。酸化膜が、めっき性を改善する理
由としては、酸化された鉄がその後、水素を含む雰囲気
中で十分鉄に還元されるため、鋼板表面が活性の鉄とな
り、めっき性が向上するものと考えられる。
【0022】次に、このように処理された鋼板を、常法
に従って溶融亜鉛浴中に浸漬し、めっきすることで、溶
融亜鉛めっき鋼板を製造する。さらに、この溶融亜鉛め
っき鋼板に合金化処理を施し、合金化溶融亜鉛めっき鋼
板を製造する。合金化処理は、常法に従って行なうが、
特に合金化温度460〜550℃の温度範囲で5〜30
秒の加熱を条件とした合金化処理が望ましい。
に従って溶融亜鉛浴中に浸漬し、めっきすることで、溶
融亜鉛めっき鋼板を製造する。さらに、この溶融亜鉛め
っき鋼板に合金化処理を施し、合金化溶融亜鉛めっき鋼
板を製造する。合金化処理は、常法に従って行なうが、
特に合金化温度460〜550℃の温度範囲で5〜30
秒の加熱を条件とした合金化処理が望ましい。
【0023】
【実施例】次に本発明を実施例によって更に具体的に説
明する。C:0.002wt%、Si:1.0wt%、M
n:3.0wt%、P:0.15wt%の化学成分を有する
鋼を溶製し、常法に従って熱間圧延および冷間圧延を行
なって板厚0.7mmの鋼板を作製した。この冷延鋼板
に脱脂および塩酸を用いた活性化処理を施した後、鋼板
を陽極として表1に示す陽極電解処理条件で酸化膜を形
成した。その後、以下の(a)焼鈍条件、(b)溶融亜
鉛めっき条件、(c)合金化熱処理条件で処理を行な
い、これら鋼板を実施例1〜6とした。
明する。C:0.002wt%、Si:1.0wt%、M
n:3.0wt%、P:0.15wt%の化学成分を有する
鋼を溶製し、常法に従って熱間圧延および冷間圧延を行
なって板厚0.7mmの鋼板を作製した。この冷延鋼板
に脱脂および塩酸を用いた活性化処理を施した後、鋼板
を陽極として表1に示す陽極電解処理条件で酸化膜を形
成した。その後、以下の(a)焼鈍条件、(b)溶融亜
鉛めっき条件、(c)合金化熱処理条件で処理を行な
い、これら鋼板を実施例1〜6とした。
【0024】比較例として、上記実施例で用いたのと同
一組成の鋼板を陽極電解の処理のみを施さず溶融亜鉛め
っきした例(比較例1)、鉄よりも被酸化性の強い元素
を添加していないC:0.002wt%、Si:0.00
2wt%、Mn:0.2wt%、P:0.01wt%の成分を
有する通常の極低炭素鋼板を、陽極電解の処理なしに溶
融亜鉛めっきした例(比較例2)および上記実施例で用
いたのと同一組成の鋼板を無酸化炉相当の雰囲気で酸化
したのち水素含有雰囲気で還元し、溶融亜鉛めっきした
例(比較例3)を示した。
一組成の鋼板を陽極電解の処理のみを施さず溶融亜鉛め
っきした例(比較例1)、鉄よりも被酸化性の強い元素
を添加していないC:0.002wt%、Si:0.00
2wt%、Mn:0.2wt%、P:0.01wt%の成分を
有する通常の極低炭素鋼板を、陽極電解の処理なしに溶
融亜鉛めっきした例(比較例2)および上記実施例で用
いたのと同一組成の鋼板を無酸化炉相当の雰囲気で酸化
したのち水素含有雰囲気で還元し、溶融亜鉛めっきした
例(比較例3)を示した。
【0025】各鋼板を溶融亜鉛めっき後に外観目視検
査、めっき密着性試験を行ない、さらに合金化した後、
合金化度をみるためめっき層中のFewt%を測定した。
評価方法は以下に示す通りである。
査、めっき密着性試験を行ない、さらに合金化した後、
合金化度をみるためめっき層中のFewt%を測定した。
評価方法は以下に示す通りである。
【0026】(a)焼鈍条件 昇温速度 :10℃/秒 加熱速度 :850℃ 保持時間 :30秒 降温速度 :20℃/秒 炉内雰囲気:85%N2 +15%H2 (b)溶融亜鉛めっき条件 浴 温:470℃ Al含有率:0.15wt% 付 着 量:60g/m2 (片面) (c)合金化熱処理条件 合金化温度:480℃ 合金化時間:20秒
【0027】[外 観]目視によるめっき外観検査の評
価基準は以下の通りである。 ○…不めっき部分なし ×…不めっき部分あり
価基準は以下の通りである。 ○…不めっき部分なし ×…不めっき部分あり
【0028】[めっき密着性試験]デュポン衝撃試験を
行なった。評価基準は以下の通りである。 ○…剥離なし ×…剥離あり
行なった。評価基準は以下の通りである。 ○…剥離なし ×…剥離あり
【0029】[Fewt%の測定]Fewt%はめっき層を
酸で溶解し、その液を化学分析する方法で測定を行なっ
た。
酸で溶解し、その液を化学分析する方法で測定を行なっ
た。
【0030】実施例1〜6、比較例1、2の実験結果を
表1に示す。この実験結果より、本発明は不めっきを発
生し易い、易酸化性元素を添加した鋼板においても、通
常の極低炭素鋼板と外観、めっき密着性において同程度
のめっきを形成することが示された。また、(プレめっ
き法や無酸化炉方式に比べ)、各鋼板の合金化度のバラ
ツキが小さいことが示された。
表1に示す。この実験結果より、本発明は不めっきを発
生し易い、易酸化性元素を添加した鋼板においても、通
常の極低炭素鋼板と外観、めっき密着性において同程度
のめっきを形成することが示された。また、(プレめっ
き法や無酸化炉方式に比べ)、各鋼板の合金化度のバラ
ツキが小さいことが示された。
【0031】
【表1】 *(表1注)カソード還元測定条件 電解液 0.05N ホウ砂-0.1N 塩酸溶液(pH7.9) 電流密度 10μA/cm2
【0032】
【発明の効果】以上詳述してきたように、鋼板を高強度
化するために各種元素を添加することによって、溶融亜
鉛めっきが困難になっても、本発明法を適用すれば優れ
た特性を有する亜鉛系溶融めっき鋼板や合金化亜鉛めっ
き鋼板の安定製造が可能となる。特に自動車の軽量化に
不可欠の高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板が安定製造で
きることの意義は大きい。
化するために各種元素を添加することによって、溶融亜
鉛めっきが困難になっても、本発明法を適用すれば優れ
た特性を有する亜鉛系溶融めっき鋼板や合金化亜鉛めっ
き鋼板の安定製造が可能となる。特に自動車の軽量化に
不可欠の高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板が安定製造で
きることの意義は大きい。
Claims (2)
- 【請求項1】鉄よりも被酸化性が強い元素を添加した高
強度鋼板を溶融亜鉛めっきする方法において、陽極電解
処理により鋼板表面に酸化膜(酸化膜、水酸化膜、水和
酸化膜)を形成し、水素を含む雰囲気中で焼鈍した後、
溶融亜鉛めっきすることを特徴とする高強度鋼板の溶融
亜鉛めっき法。 - 【請求項2】請求項1で得られる溶融亜鉛めっき高強度
鋼板をさらに合金化処理する高強度鋼板の合金化溶融亜
鉛めっき法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33851191A JPH05171392A (ja) | 1991-12-20 | 1991-12-20 | 高強度鋼板の溶融亜鉛めっき法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33851191A JPH05171392A (ja) | 1991-12-20 | 1991-12-20 | 高強度鋼板の溶融亜鉛めっき法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05171392A true JPH05171392A (ja) | 1993-07-09 |
Family
ID=18318847
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33851191A Withdrawn JPH05171392A (ja) | 1991-12-20 | 1991-12-20 | 高強度鋼板の溶融亜鉛めっき法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05171392A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012091310A3 (en) * | 2010-12-28 | 2012-09-13 | Posco | Hot dip plated steel sheet having excellent plating adhesiveness and method of manufacturing the same |
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- 1991-12-20 JP JP33851191A patent/JPH05171392A/ja not_active Withdrawn
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