JPH05132713A - 高面圧機械構造部品の製造方法 - Google Patents
高面圧機械構造部品の製造方法Info
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- JPH05132713A JPH05132713A JP32109391A JP32109391A JPH05132713A JP H05132713 A JPH05132713 A JP H05132713A JP 32109391 A JP32109391 A JP 32109391A JP 32109391 A JP32109391 A JP 32109391A JP H05132713 A JPH05132713 A JP H05132713A
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
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- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 疲労強度に優れた歯車等高面圧機械構造部品
の製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 重量基準でC:0.25%〜0.50%,S
i:0.50〜2.0%,Mn:0.20〜1.50
%,P:0.020%以下,Cr:1.0〜3.5%,
Mo:0.35〜1.0%,Al:0.010〜0.0
50%,N:0.005〜0.025%,残部実質的に
Feから成る素材を、C濃度が0.8〜1.2%となる
ように浸炭処理した後、焼入れ処理して残留オ−ステナ
イト量を20〜35%とする。
の製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 重量基準でC:0.25%〜0.50%,S
i:0.50〜2.0%,Mn:0.20〜1.50
%,P:0.020%以下,Cr:1.0〜3.5%,
Mo:0.35〜1.0%,Al:0.010〜0.0
50%,N:0.005〜0.025%,残部実質的に
Feから成る素材を、C濃度が0.8〜1.2%となる
ように浸炭処理した後、焼入れ処理して残留オ−ステナ
イト量を20〜35%とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は歯車,軸受等高面圧を
受ける機械構造部品の製造方法に関する。
受ける機械構造部品の製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】近年、歯車,軸受等の高面圧機械構造部
品においては、これらを使用する機械装置,自動車等の
高性能化,部品の小型化等に伴って使用条件が過酷にな
ってきており、部品にかかる負荷応力が大きくなってき
ている。
品においては、これらを使用する機械装置,自動車等の
高性能化,部品の小型化等に伴って使用条件が過酷にな
ってきており、部品にかかる負荷応力が大きくなってき
ている。
【0003】このように部品にかかる負荷応力が大きく
なると、摩擦等による発熱に伴う温度上昇も促進され、
ピッチング等の欠陥が発生し易くなる。
なると、摩擦等による発熱に伴う温度上昇も促進され、
ピッチング等の欠陥が発生し易くなる。
【0004】例えば歯車の場合、互いに噛み合う歯面と
歯面との間の滑りによって引張応力が生じるが、負荷応
力が大きくなり、またこれに伴って歯面の温度が上昇す
ると、歯面の硬さの低下とこのような温度条件下での高
い引張応力とによってピッチング現象が生じ易くなり、
歯車としての耐久寿命が低下する。
歯面との間の滑りによって引張応力が生じるが、負荷応
力が大きくなり、またこれに伴って歯面の温度が上昇す
ると、歯面の硬さの低下とこのような温度条件下での高
い引張応力とによってピッチング現象が生じ易くなり、
歯車としての耐久寿命が低下する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願の発明はこのような
事情を背景としてなされたもので、その要旨は、歯車等
高面圧機械構造部品を製造するに際して、重量基準で、
C:0.25%〜0.50%,Si:0.50〜2.0
%,Mn:0.20〜1.50%,P:0.020%以
下,Cr:1.0〜3.5%,Mo:0.35〜1.0
%,Al:0.010〜0.050%,N:0.005
〜0.025%,残部実質的にFeから成る素材を、C
濃度が0.8〜1.2%となるように浸炭処理した後、
焼入れ処理して残留オ−ステナイト量を20〜35%と
することにある。
事情を背景としてなされたもので、その要旨は、歯車等
高面圧機械構造部品を製造するに際して、重量基準で、
C:0.25%〜0.50%,Si:0.50〜2.0
%,Mn:0.20〜1.50%,P:0.020%以
下,Cr:1.0〜3.5%,Mo:0.35〜1.0
%,Al:0.010〜0.050%,N:0.005
〜0.025%,残部実質的にFeから成る素材を、C
濃度が0.8〜1.2%となるように浸炭処理した後、
焼入れ処理して残留オ−ステナイト量を20〜35%と
することにある。
【0006】従来、歯車等の高面圧機械構造部品用の材
料としてはSCM420等の材料が用いられている。
料としてはSCM420等の材料が用いられている。
【0007】本発明はこのような材料に対してC,S
i,Cr,Moの含有量を多くし、また結晶粒微細化元
素としてのAl,Nを所定量含有させた材料を用い、そ
してこれを浸炭処理するに際してC濃度を0.8〜1.
2%と従来よりも高濃度とし、焼入れの際の残留オ−ス
テナイトを20〜35%と多くするもので、これにより
疲労寿命が効果的に向上することが確認された。
i,Cr,Moの含有量を多くし、また結晶粒微細化元
素としてのAl,Nを所定量含有させた材料を用い、そ
してこれを浸炭処理するに際してC濃度を0.8〜1.
2%と従来よりも高濃度とし、焼入れの際の残留オ−ス
テナイトを20〜35%と多くするもので、これにより
疲労寿命が効果的に向上することが確認された。
【0008】ここでC,Si,Cr,Moを多く含有さ
せるのは、焼戻し軟化抵抗、つまり部品使用時の昇温下
での軟化抵抗を高くするためであり、これによりかかる
昇温下で高い応力が生じても上記ピッチング等の現象が
生じにくくなる。
せるのは、焼戻し軟化抵抗、つまり部品使用時の昇温下
での軟化抵抗を高くするためであり、これによりかかる
昇温下で高い応力が生じても上記ピッチング等の現象が
生じにくくなる。
【0009】また材料中にAl,Nを所定量含有させて
いるのは、結晶粒を微細化することによって疲労強度を
高めるためである。
いるのは、結晶粒を微細化することによって疲労強度を
高めるためである。
【0010】一方、このような組成から成る素材の浸炭
処理に際して、C濃度を0.8〜1.2%と高くしてい
るのは、その後の焼入れの際に残留オ−ステナイトを多
くするためであり、本発明では上記のように残留オ−ス
テナイトを20〜35%とすることを特徴としている。
処理に際して、C濃度を0.8〜1.2%と高くしてい
るのは、その後の焼入れの際に残留オ−ステナイトを多
くするためであり、本発明では上記のように残留オ−ス
テナイトを20〜35%とすることを特徴としている。
【0011】このように残留オ−ステナイトを多くする
ことで、機械構造部品における疲労強度が効果的に向上
するが、これは専ら次の2つの理由によるものである。
ことで、機械構造部品における疲労強度が効果的に向上
するが、これは専ら次の2つの理由によるものである。
【0012】その1つは、歯車等機械構造部品を使用し
ているときに残留オ−ステナイトがある程度以上多く残
っていると、このオ−ステナイトが使用時の応力によ
り、例えば歯車の場合には歯面と歯面との転動により加
工誘起マルテンサイト層に変態することによる。
ているときに残留オ−ステナイトがある程度以上多く残
っていると、このオ−ステナイトが使用時の応力によ
り、例えば歯車の場合には歯面と歯面との転動により加
工誘起マルテンサイト層に変態することによる。
【0013】このマルテンサイト層は当然ながらオ−ス
テナイトよりも硬く、従って歯面が使用中に良好に硬化
して、疲労強度が向上するのである。
テナイトよりも硬く、従って歯面が使用中に良好に硬化
して、疲労強度が向上するのである。
【0014】今1つの理由は、マルテンサイト層よりも
軟らかいオ−ステナイトが残留していると、歯車等とし
て使用したときに歯車と歯車との馴染が良好となり、歯
車同士の接触面積が広くなることによる。
軟らかいオ−ステナイトが残留していると、歯車等とし
て使用したときに歯車と歯車との馴染が良好となり、歯
車同士の接触面積が広くなることによる。
【0015】このように接触面積が広くなると、それだ
け実質の面圧は低くなる。そしてこのような応力の低下
と、かかる条件下での前述した加工誘起マルテンサイト
層の現出による表面硬化とによって、部品の疲労強度が
高くなるのである。
け実質の面圧は低くなる。そしてこのような応力の低下
と、かかる条件下での前述した加工誘起マルテンサイト
層の現出による表面硬化とによって、部品の疲労強度が
高くなるのである。
【0016】尚、本発明によれば部品の焼戻し軟化抵抗
が高くなるので、従来よりも高い温度での焼戻し処理が
可能となる。例えば本発明によれば、焼戻し温度を18
0℃以上、場合によって250℃程度まで高くすること
が可能である。
が高くなるので、従来よりも高い温度での焼戻し処理が
可能となる。例えば本発明によれば、焼戻し温度を18
0℃以上、場合によって250℃程度まで高くすること
が可能である。
【0017】例えば歯車の場合、使用時の到達温度が状
況によっては200〜300℃となることもあり、この
ように焼戻し温度を高くすることができれば、部品の組
織を当初より使用状態のそれと同じ又は近いものとして
おくことができる。
況によっては200〜300℃となることもあり、この
ように焼戻し温度を高くすることができれば、部品の組
織を当初より使用状態のそれと同じ又は近いものとして
おくことができる。
【0018】本発明においては、上記成分から成る材料
中に更にV:0.05〜1.5%,Nb:0.02〜
0.5%,Ti:0.02〜0.5%の1種又は2種以
上を含有させておくことができる(請求項2)。
中に更にV:0.05〜1.5%,Nb:0.02〜
0.5%,Ti:0.02〜0.5%の1種又は2種以
上を含有させておくことができる(請求項2)。
【0019】これら成分を含有させておくことで結晶粒
を微細化し、疲労強度を更に高くすることができる。
を微細化し、疲労強度を更に高くすることができる。
【0020】この他本発明では、請求項1の成分に加え
てPb:0.02〜0.06%,S:0.010〜0.
020%の1種又は2種を含有させておくことができる
(請求項3)。
てPb:0.02〜0.06%,S:0.010〜0.
020%の1種又は2種を含有させておくことができる
(請求項3)。
【0021】この請求項3の発明は、機械構造部品を製
造するに際しての被削性確保ないし向上を狙ったもので
ある。請求項1の発明はC,Si,Cr,Moを従来よ
りも高含量で含有させるものであるが、この場合材料の
硬さが硬くなり、被削性が低下する。そこでPb及び/
又はSを含有させて、被削性の低下を防止するのであ
る。
造するに際しての被削性確保ないし向上を狙ったもので
ある。請求項1の発明はC,Si,Cr,Moを従来よ
りも高含量で含有させるものであるが、この場合材料の
硬さが硬くなり、被削性が低下する。そこでPb及び/
又はSを含有させて、被削性の低下を防止するのであ
る。
【0022】請求項4の発明は、請求項1の各成分に加
えて請求項2の成分と請求項3の成分との両方をともに
含有させるもので、これにより疲労寿命の更なる向上
と、被削性の確保とを併せて図ることができる
えて請求項2の成分と請求項3の成分との両方をともに
含有させるもので、これにより疲労寿命の更なる向上
と、被削性の確保とを併せて図ることができる
【0023】次に本発明における各成分の限定理由を詳
述する。 C:0.25%〜0.50% Cは心部硬さを確保するのに必要である。心部硬さが高
くなると耐ピッチング性が良好となる。この効果を得る
ためにはCは0.25%以上必要である。
述する。 C:0.25%〜0.50% Cは心部硬さを確保するのに必要である。心部硬さが高
くなると耐ピッチング性が良好となる。この効果を得る
ためにはCは0.25%以上必要である。
【0024】しかしながら0.50%より多くなると素
材(焼ならし)硬さが高くなり過ぎて被削性が劣化する
とともに、心部硬さが高くなり過ぎ、浸炭後の圧縮残留
応力が減少してしまう。
材(焼ならし)硬さが高くなり過ぎて被削性が劣化する
とともに、心部硬さが高くなり過ぎ、浸炭後の圧縮残留
応力が減少してしまう。
【0025】ここで浸炭後の残留圧縮応力が減少するの
は次の理由による。素材を浸炭後に焼入れると、心部,
表層部ともにマルテンサイト層変態を生ずる。このとき
膨張を伴うが、表層部の方がC含量が多いために表層部
における膨張量の方が心部のそれよりも多くなる。この
結果表層部に残留圧縮応力が生じ、これが疲労強度を高
めるように作用する。
は次の理由による。素材を浸炭後に焼入れると、心部,
表層部ともにマルテンサイト層変態を生ずる。このとき
膨張を伴うが、表層部の方がC含量が多いために表層部
における膨張量の方が心部のそれよりも多くなる。この
結果表層部に残留圧縮応力が生じ、これが疲労強度を高
めるように作用する。
【0026】しかるに心部におけるC量が多くなると、
心部と表層部とで膨張量の差が少なくなり、表層部の残
留圧縮応力が少なくなる。即ち疲労強度に対して悪い影
響が出てしまうのである。
心部と表層部とで膨張量の差が少なくなり、表層部の残
留圧縮応力が少なくなる。即ち疲労強度に対して悪い影
響が出てしまうのである。
【0027】Si:0.50〜2.0% Siは0.50%以上含有させることで準高温(〜30
0℃)での軟化抵抗を高めることができる。しかしなが
ら2.0%よりも多くなると鍛造性,被削性等の製造性
が劣化してしまう。
0℃)での軟化抵抗を高めることができる。しかしなが
ら2.0%よりも多くなると鍛造性,被削性等の製造性
が劣化してしまう。
【0028】Mn:0.20〜1.50% Mnは焼入れ性確保のために0.20%以上必要であ
る。ただし1.50%よりも多くなると鍛造性,被削性
等の製造性を劣化させてしまう。
る。ただし1.50%よりも多くなると鍛造性,被削性
等の製造性を劣化させてしまう。
【0029】P:0.020%以下 Pは旧オ−ステナイト粒界に偏析し、粒界を脆化,靱性
を低下させてしまう。従って本発明では0.020%以
下とする。
を低下させてしまう。従って本発明では0.020%以
下とする。
【0030】Cr:1.0〜3.5% Crは浸炭性を向上させるため、また準高温での軟化抵
抗及び高温硬さを確保するために1.0%以上必要であ
る。しかし3.5%よりも多くなると焼入性が増大し過
ぎ、素材硬さを高め、被削性を劣化させてしまう。
抗及び高温硬さを確保するために1.0%以上必要であ
る。しかし3.5%よりも多くなると焼入性が増大し過
ぎ、素材硬さを高め、被削性を劣化させてしまう。
【0031】Mo:0.35〜1.0% Crと同様に浸炭性を向上させ、また準高温での軟化抵
抗及び高温硬さを確保するためのもので、0.35%以
上含有させることが必要である。ただし1.0%よりも
多くなると効果が飽和してしまう。
抗及び高温硬さを確保するためのもので、0.35%以
上含有させることが必要である。ただし1.0%よりも
多くなると効果が飽和してしまう。
【0032】Al:0.010〜0.050% N :0.005〜0.025% Al,Nは結晶粒を微細化させるための成分で、それぞ
れ0.010%,0.005%以上が必要である。しか
しながら0.050%,0.025%を超えるとそれぞ
れ効果が飽和してしまう。
れ0.010%,0.005%以上が必要である。しか
しながら0.050%,0.025%を超えるとそれぞ
れ効果が飽和してしまう。
【0033】V :0.05〜1,5% Nb:0.02〜0.5% Ti:0.02〜0.5% これらの元素は微細な炭化物,窒化物を作って結晶粒を
微細化する。この効果を得るためにそれぞれ0.05
%,0.02%,0.02%以上含有させることが必要
である。
微細化する。この効果を得るためにそれぞれ0.05
%,0.02%,0.02%以上含有させることが必要
である。
【0034】しかしながら1.5%,0.5%,0.5
%を超えて含有させた場合、効果が飽和してしまうのみ
ならず粗大な炭化物,窒化物を析出させ、却って寿命を
低下させるとともに被削性を低下させてしまう。
%を超えて含有させた場合、効果が飽和してしまうのみ
ならず粗大な炭化物,窒化物を析出させ、却って寿命を
低下させるとともに被削性を低下させてしまう。
【0035】Pb:0.02〜0.06% S :0.010〜0.020% Pb,Sは被削性を改善するために添加するもので、そ
れぞれ0.02%,0.010%以上必要である。ただ
し0.06%,0.020%を超えて多量に添加した場
合、転動寿命,曲げ疲れ強さを劣化させてしまう。
れぞれ0.02%,0.010%以上必要である。ただ
し0.06%,0.020%を超えて多量に添加した場
合、転動寿命,曲げ疲れ強さを劣化させてしまう。
【0036】
【実施例】次に本発明の特徴を更に明確にすべく、以下
にその実施例を詳述する。誘導炉にて表1に示す各種組
成の小型鋼塊(30kg)を製造し、更に鍛造にて32
mmφの丸棒に加工して焼なまし処理し、ドリル被削性
試験を行った。
にその実施例を詳述する。誘導炉にて表1に示す各種組
成の小型鋼塊(30kg)を製造し、更に鍛造にて32
mmφの丸棒に加工して焼なまし処理し、ドリル被削性
試験を行った。
【0037】
【表1】
【0038】また焼なまし処理した材料からローラピッ
チング用試験片を作製し、これを図1に示す条件で浸炭
焼入れ処理し、しかる後焼戻し処理した。焼戻し処理は
180℃×1時間保持後空冷の条件で行った。この処理
の後ローラピッチング試験を行い、表2に示す結果を得
た。
チング用試験片を作製し、これを図1に示す条件で浸炭
焼入れ処理し、しかる後焼戻し処理した。焼戻し処理は
180℃×1時間保持後空冷の条件で行った。この処理
の後ローラピッチング試験を行い、表2に示す結果を得
た。
【0039】尚ローラピッチング試験は、図2に示して
いるように26mmφの試験片1に対して直径130m
mφ,幅20mmの円盤2を面圧375kgf/mm2
で押し付け、この状態で回転数1500rpmで回転さ
せるとともに,円盤2と試験片1との間に相対滑り−4
0%を生ぜしめる(試験片1の周速を円盤2のそれより
も遅くする)ことにより行い、累積破損確率10%にお
ける繰返し数を求めた。
いるように26mmφの試験片1に対して直径130m
mφ,幅20mmの円盤2を面圧375kgf/mm2
で押し付け、この状態で回転数1500rpmで回転さ
せるとともに,円盤2と試験片1との間に相対滑り−4
0%を生ぜしめる(試験片1の周速を円盤2のそれより
も遅くする)ことにより行い、累積破損確率10%にお
ける繰返し数を求めた。
【0040】またドリル被削性試験は下記の条件で行っ
た。 工 具:ハイスドリル SKH51 :5mmφ 送 り:0.1mm/rev 穴深さ:20mm めくら穴 切削油:なし ただし表中のドリル被削性試験の結果は、深さ20mm
のめくら穴加工を連続して行い、合計加工量(めくら穴
の全長)が5000mmとなるときの切削速度で示して
いる。
た。 工 具:ハイスドリル SKH51 :5mmφ 送 り:0.1mm/rev 穴深さ:20mm めくら穴 切削油:なし ただし表中のドリル被削性試験の結果は、深さ20mm
のめくら穴加工を連続して行い、合計加工量(めくら穴
の全長)が5000mmとなるときの切削速度で示して
いる。
【0041】また表中比較例11は、通常の条件の下で
浸炭処理をし、また焼入れ後、焼ならし処理したものの
値である。
浸炭処理をし、また焼入れ後、焼ならし処理したものの
値である。
【0042】
【表2】
【0043】これらの結果から、本発明例のものは耐疲
労特性が良好であること、V,Nb,Ti等の結晶粒微
細化元素を入れたもの(No.4,No.5,No.6)は耐疲
労特性が更に向上していること、また被削性向上元素を
添加したものは、ドリル被削性試験の結果が比較例のも
のとほぼ同等以上であること、結晶粒微細化元素と被削
性向上元素とをともに含有させたものは、比較例と同等
以上の被削性を保持しつつ耐疲労特性が向上しているこ
と等がわかる。
労特性が良好であること、V,Nb,Ti等の結晶粒微
細化元素を入れたもの(No.4,No.5,No.6)は耐疲
労特性が更に向上していること、また被削性向上元素を
添加したものは、ドリル被削性試験の結果が比較例のも
のとほぼ同等以上であること、結晶粒微細化元素と被削
性向上元素とをともに含有させたものは、比較例と同等
以上の被削性を保持しつつ耐疲労特性が向上しているこ
と等がわかる。
【0044】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において、当業者の知識に基づき様々な変更を加えた
態様で実施可能である。
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において、当業者の知識に基づき様々な変更を加えた
態様で実施可能である。
【図1】本発明の実施例において採用した浸炭条件を示
す図である。
す図である。
【図2】本発明の実施例の評価方法としてのローラピッ
チング試験の説明図である。
チング試験の説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C22C 38/00 301 N 7217−4K 38/22 38/60
Claims (4)
- 【請求項1】 重量基準で C :0.25%〜0.50% Si:0.50
〜2.0% Mn:0.20〜1.50% P :0.02
0%以下 Cr:1.0〜3.5% Mo:0.35
〜1.0% Al:0.010〜0.050% N :0.00
5〜0.025% 残部実質的にFe から成る素材を、C濃度が0.8〜1.2%となるよう
に浸炭処理した後、焼入れ処理して残留オ−ステナイト
量を20〜35%とすることを特徴とする高面圧機械構
造部品の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1の前記各成分に加え、 V :0.05〜1.5% Nb:0.02
〜0.5% Ti:0.02〜0.5% の1種又は2種以上を含有する素材を、C濃度が0.8
〜1.2%となるように浸炭処理した後、焼入れ処理し
て残留オ−ステナイト量を20〜35%とすることを特
徴とする高面圧機械構造部品の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1の前記各成分に加え、 Pb:0.02〜0.06% S:0.010
〜0.020% の1種又は2種を含有する素材を、C濃度が0.8〜
1.2%となるように浸炭処理した後、焼入れ処理して
残留オ−ステナイト量を20〜35%とすることを特徴
とする高面圧機械構造部品の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1の前記各成分に加え、 V :0.05〜1.5% Nb:0.02
〜0.5% Ti:0.02〜0.5% の1種又は2種以上と Pb:0.02〜0.06% S:0.010
〜0.020% の1種又は2種とをともに含有する素材を、C濃度が
0.8〜1.2%となるように浸炭処理した後、焼入れ
処理して残留オ−ステナイト量を20〜35%とするこ
とを特徴とする高面圧機械構造部品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32109391A JPH05132713A (ja) | 1991-11-08 | 1991-11-08 | 高面圧機械構造部品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32109391A JPH05132713A (ja) | 1991-11-08 | 1991-11-08 | 高面圧機械構造部品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05132713A true JPH05132713A (ja) | 1993-05-28 |
Family
ID=18128740
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32109391A Pending JPH05132713A (ja) | 1991-11-08 | 1991-11-08 | 高面圧機械構造部品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05132713A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2011132722A1 (ja) * | 2010-04-19 | 2011-10-27 | 新日本製鐵株式会社 | 焼戻し軟化抵抗性に優れた鋼部品 |
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-
1991
- 1991-11-08 JP JP32109391A patent/JPH05132713A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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