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JPH051256A - フツ素系塗料用組成物、及び水酸基を含有するフルオロオレフイン共重体の製造方法 - Google Patents

フツ素系塗料用組成物、及び水酸基を含有するフルオロオレフイン共重体の製造方法

Info

Publication number
JPH051256A
JPH051256A JP15688191A JP15688191A JPH051256A JP H051256 A JPH051256 A JP H051256A JP 15688191 A JP15688191 A JP 15688191A JP 15688191 A JP15688191 A JP 15688191A JP H051256 A JPH051256 A JP H051256A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydroxyl group
carboxylic acid
fluoroolefin
vinyl
alkali metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP15688191A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Nakabayashi
亮 中林
Atsushi Shimizu
敦 清水
Hirotada Sasahara
啓正 笹原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP15688191A priority Critical patent/JPH051256A/ja
Publication of JPH051256A publication Critical patent/JPH051256A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【構成】水酸基を含有するフルオロオレフィン共重合体
を主成分とし、さらにカルボン酸のアンモニウム塩及び
/またはカルボン酸のアルカリ金属塩を配合して成るフ
ッ素系塗料用組成物、及びフルオロオレフィンと水酸基
含有ビニル単量体を必須の単量体成分とする単量体混合
物を重合性2重結合を有さないカルボン酸のアンモニウ
ム塩及び/または重合性2重結合を有さないカルボン酸
のアルカリ金属塩の存在下にラジカル重合せしめること
を特徴とするフッ素系塗料用樹脂の製造方法。 【効果】本発明のフッ素系塗料用組成物は貯蔵安定性に
優れたものであり、また、本発明の製造方法によると、
水酸基を含有するフルオロオレフィン共重合体を重合時
にゲル化したり、分散比が著しく大きくなったりする事
なく、再現性よく製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フッ素系塗料用組成
物、及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、含フッ素共重合体は耐熱性、機械
的特性、耐薬品性、耐候性などにきわめて優れているこ
とから多くの分野において幅広く用いられている。その
用途の一つとして塗料の塗膜形成成分としての利用があ
るが、特に塗料用として有用である有機溶剤に可溶かつ
水酸基を有する含フッ素共重合体としては、たとえば特
開昭57−34107号、特開昭61−275311
号、特開昭61−57609号、特開昭62−1742
13号、特開昭63−182312号公報等にみられる
フルオロオレフィンとこれに共重合可能な水酸基含有ビ
ニル単量体との共重合体が知られている。
【0003】しかしながら、これらの水酸基含有フルオ
ロオレフィン共重合体は、経時的に高分子量化、あるい
はゲル化する等、貯蔵安定性が悪いという問題がある。
この問題点を解決する方法として、例えば特公昭63−
2305号公報等にみられるがごとく特定の第3級アミ
ンを添加する方法が提案されているが、この方法では樹
脂の着色が著しい上、塗膜にした場合、その経時的着色
も著しいといった大きな欠点を有している。
【0004】更に、かかる水酸基を含有するフルオロオ
レフィン共重合体を製造する際、水酸基含有ビニル単量
体の使用量を多くしたり、重合不揮発分を高くしたり、
あるいは共重合体の分子量を高くしようとすると、重合
時にゲル化したり、生成共重合体の分散比(重量平均分
子量と数平均分子量との比)が著しく大きくなったりし
て、目的とする共重合体を再現性良く製造することがで
きないという問題点もある。この問題点を解決する方法
として、例えば特開昭62−292813号公報等にみ
られるがごとくアミン類の存在下における水酸基含有フ
ルオロオレフィン共重合体の製造方法が提案されている
が、かかるアミン類存在下の重合は、重合時の着色が著
しいといった大きな欠点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題点が解消された、重合時にゲル化をおこさず、
又着色もしない水酸基含有フルオロオレフィン共重合体
を主成分とするフッ素系塗料用組成物、及びその製造方
法を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の点
に鑑み鋭意研究を重ねた結果、カルボン酸のアンモニウ
ム塩あるいはカルボン酸のアルカリ金属塩を用いること
によって前記問題点を解決し得る事を見いだし、本発明
を完成するに至った。即ち、本発明は: (1)水酸基を含有するフルオロオレフィン共重合体を
主成分とし、さらにカルボン酸のアンモニウム塩及び/
またはカルボン酸のアルカリ金属塩を配合してなるフッ
素系塗料用組成物、及び (2)フルオロオレフィンと水酸基含有ビニル単量体を
必須の単量体成分とする単量体混合物を重合性2重結合
を有さないカルボン酸のアンモニウム塩及び/または重
合性2重結合を有さないカルボン酸のアルカリ金属塩の
存在下にラジカル重合せしめることを特徴とする水酸基
を含有するフルオロオレフィン共重合体の製造方法であ
る。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
使用するカルボン酸のアンモニウム塩としては、アミノ
酸類、及び分子中に(a)式で表される基を1個あるい
は複数個含有する化合物を指し、カルボン酸のアルカリ
金属塩としては、分子中に(b)式で表される基を1個
あるいは複数個含有する化合物を指す。
【0008】
【化1】
【0009】前記カルボン酸のアンモニウム塩の代表的
なものとしては、例えば酢酸、乳酸、プロピオン酸、カ
プリン酸、ピバリン酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリ
ン酸、ステアリン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン
酸、グリコール酸等のカルボン酸類と例えばジエチルア
ミン、ジプロピルアミン、N−メチルエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、ジメチルシクロヘキシルアミ
ン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピロリジ
ン、ピペリジン、1−メチルピペリジン、2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン、さらにはテトラ
メチルアンモニウムイオン、メチルトリエチルアンモニ
ウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン等のアミ
ン類との塩、例えばグリシン、アラニン、β−アラニ
ン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、シスチ
ン、リシン、フェニルアラニン、アントラニル酸等のア
ミノ酸類が挙げられる。
【0010】また、前記カルボン酸のアルカリ金属塩の
代表的なものとしては、前記したカルボン酸類のアルカ
リ金属塩類が挙げられる。これらの中で、カルボン酸と
3級アミンの塩、及びカルボン酸の4級アンモニウム塩
は、含フッ素樹脂との相溶性に優れ、また着色も少なく
が好適である。これらは単独で用いても良いし、2種以
上組み合わせて用いてもよい。
【0011】水酸基を含有するフルオロオレフィン共重
合体を主成分とし、さらにカルボン酸のアンモニウム塩
及び/またはカルボン酸のアルカリ金属塩を配合して成
るフッ素系塗料用組成物の製造方法としては、以下に示
す(イ)、及び(ロ)の方法が挙げられる。 (イ)水酸基を含有するフルオロオレフィン共重合体を
主成分とするフッ素系塗料用組成物に、所定量のカルボ
ン酸のアンモニウム塩及び/またはカルボン酸のアルカ
リ金属塩を配合する。
【0012】(ロ)フルオロオレフィンと水酸基含有ビ
ニル単量体を必須の単量体成分とする単量体混合物を、
ラジカル重合させる。この重合時、これら単量体混合物
と反応しない所定量の重合性2重結合を有さないカルボ
ン酸のアンモニウム塩及び/または重合性2重結合を有
さないカルボン酸のアルカリ金属塩の存在させる。本発
明のフッ素系塗料用樹脂の製造方法としては、前記
(イ)、及び(ロ)の方法が任意に選択可能であるが、
(ロ)法は重合中のゲル化防止にも有効であり好適であ
る。ただし(ロ)法を適用する場合、前記したカルボン
酸のアンモニウム塩及びカルボン酸のアルカリ金属塩の
うち、2重結合を有しないものを用いることが必須であ
る。
【0013】前記したカルボン酸のアンモニウム塩及び
/またはカルボン酸のアルカリ金属塩の使用量は、水酸
基含有フルオロオレフィン共重合体に対し前記(ロ)法
の場合、単量体総量に対し、0.001〜10重量%、
好ましくは0.005〜5重量%であることが望まし
い。0.001重量%未満では、重合時にゲル化した
り、得られた水酸基含有フルオロオレフィン共重合体が
経時的に高分子量化してしまい好ましくない。また、1
0重量%を越えると塗膜の諸物性を低下させる恐れがあ
り好ましくない。
【0014】本発明における水酸基含有フルオロオレフ
ィン共重合体のフルオロオレフィン単位の原料として
は、(c)式
【0015】
【化2】
【0016】で表されるものが用いられる。このような
ビニル単量体の具体例としては、例えば、
【0017】
【化3】
【0018】などのフルオロエチレン系;
【0019】
【化4】
【0020】などのフルオロプロペン系;
【0021】
【化5】
【0022】などの炭素数4以上のフルオロオレフィン
化合物を挙げることができるが、これらの中で、
(c’)式
【0023】
【化6】
【0024】で示されるフルオロエチレン化合物及びフ
ルオロプロペン化合物が好ましく、特にテトラフルオロ
エチレン(CF2=CF2)、クロロトリフルオロエチレ
ン(CF2=CFCl)及びヘキサフルオロプロペン
(CF2=CFCF3)が重合性が良く好適である。これ
らのフルオロオレフィンはそれぞれ単独で用いても良い
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】また、水酸基含有単位の原料としては、
(d)式
【0026】
【化7】
【0027】で表されるものが用いられる。このような
水酸基含有ビニル単量体の具体例としては、例えば2−
ヒドロキシエチルビニルエーテル、 4−ヒドロキシブ
チルビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルビ
ニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル
類、2−ヒドロキシアリルビニルエーテル、 4−ヒド
ロキシブチルアリルエーテル等のヒドロキシアルキルア
リルエーテル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、4−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート
等の水酸基含有(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキ
シエチルクロトネート、4−ヒドロキシプロピルクロト
ネート等の水酸基含有クロトン酸エステル類、アリルア
ルコール等が代表的に例示されるが、これらの中でヒド
ロキシアルキルビニルエーテル類がフルオロオレフィン
との反応性が良好で好ましい。これらの水酸基含有ビニ
ル単量体はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
【0028】本発明による水酸基含有フルオロオレフィ
ン共重合体は、前記必須の単量体成分の他に、これら必
須の単量体成分と共重合することができる他のビニル単
量体類を必要に応じて共重合することができる。かかる
他のビニル単量体類としては、例えばエチレン、プロピ
レン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩
化ビニリデン等のハロオレフィン類、酢酸ビニル、n−
酪酸ビニル、安息香酸ビニル、p−t−ブチル安息香酸
ビニル、ピバリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニ
ル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のカル
ボン酸ビニルエステル類、酢酸イソプロペニル、プロピ
オン酸イソプロペニル等のカルボン酸イソプロペニルエ
ステル類、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエー
テル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテ
ル、tert−ブチルビニルエーテル、ネオペンチルビ
ニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、オ
クチルビニルエーテル等の鎖状アルキルビニルエーテル
類、ペンタフルオロエチルビニルエーテル、2−パーフ
ルオロオクチルエチルビニルエーテル等のフルオロビニ
ルエーテル類、シクロペンチルビニルエーテル、シクロ
ヘキシルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエー
テル類、フェニルビニルエーテル等のアリールビニルエ
ーテル類、ベンジルビニルエーテル、フェネチルビニル
エーテル等のアラルキルビニルエーテル類、スチレン、
ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物ギ酸アリル、酢
酸アリル、酪酸アリル、安息香酸アリル、シクロヘキサ
ンカルボン酸アリル、シクロヘキシルプロピオン酸アリ
ル等のアリルエステル類、アリルエチルエーテル、アリ
ルフェニルエーテル等のアリルエーテル類、ブチル(メ
タ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、シク
ロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシ−4−(2−メタク
リロキシエトキシ)ベンゾフェノン、パーフルオロメチ
ル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピル(メ
タ)アクリレート、パーフルオロプロピロメチル(メ
タ)アクリレート、パーフルオロメチルメチル(メタ)
アクリレート、2−パーフルオロオクチルエチル(メ
タ)アクリレート、パーフルオロイソノニルメチル(メ
タ)アクリレート等のアクリル酸やメタクリル酸のエス
テル類、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド等のアクリルアミド類等が挙げられる。
【0029】更には、特願平1−237122号公報に
示されているウレタン結合を介して環状炭化水素基を導
入したビニル単量体、及び特願平2−101695号公
報に示されている環内ビニルエーテルも挙げられるが、
これらを用いた場合、得られる含フッ素樹脂は光沢、硬
度、耐候性等に優れたものとなり好適である。これらの
ビニル単量体は1種用いても良いし、2種以上組み合わ
せて用いてもよい。
【0030】本発明の水酸基含有フルオロオレフィン共
重合体は、共重合体の収率及び耐候性等の観点から使用
する前記各単量体成分の比率は、フルオロオレフィン1
0〜80モル%、水酸基含有ビニル単量体2〜50モル
%、他の共重合可能なビニル単量体0〜60モル%、好
ましくはフルオロオレフィン20〜60モル%、水酸基
含有ビニル単量体5〜30モル%、他の共重合可能なビ
ニル単量体5〜50モル%に管理される。
【0031】本発明の水酸基含有フルオロオレフィン共
重合体の重合は溶媒の存在下または不存在下に、フルオ
ロオレフィン及び水酸基含有ビニル単量体を必須とした
所定割合のビニル単量体混合物を、好ましくは重合性2
重結合を有さないカルボン酸のアンモニウム塩及び/ま
たは重合性2重結合を有さないカルボン酸のアルカリ金
属塩の存在下、重合開始源として重合開始剤や電離性放
射線などを用い共重合させることにより行うことができ
る。
【0032】該重合開始剤としては、重合形式や所望に
応じて、水溶性のものあるいは油溶性のものが適宜用い
られる。油溶性開始剤としては、例えばアゾビスイソブ
チロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)等のアゾ化合物、t−ブチルパーオ
キシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート
などのパーオキシエステル型過酸化物、オクタノイルパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどのジアシ
ルパーオキサイド型過酸化物、ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネートなどのジアルキルパーオキシジカーボ
ネート型過酸化物、ベンゾイルパーオキサイドなどのジ
アルキルパーオキサイド型過酸化物などが挙げられる。
【0033】水溶性重合開始剤としては、例えば過硫酸
カリウムなどの過硫酸塩、過酸化水素、あるいはこれら
と亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムなどの還
元剤との組合せからなるレドックス開始剤、さらには、
これらに少量の鉄、第一鉄塩、硝酸銀などを共存させた
系などの無機系開始剤、ジコハク酸パーオキサイド、ジ
グルタール酸パーオキサイド、モノコハク酸パーオキサ
イドなどの二塩基酸過酸化物、アゾビシソブチルアミジ
ン二塩基酸塩などの有機系開始剤が挙げられる。 これ
らの重合開始剤の使用量は、その種類、共重合反応条件
などに応じて適宜選ばれるが、通常使用する単量体全量
に対して、0.005〜5重量%、好ましくは0.05
から0.5重量%の範囲で選ばれる。
【0034】また、重合方法については特に制限はな
く、例えば塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液
重合法などを用いることができるが、重合反応操作の安
定性等の点から、キシレン、トルエン等の低級アルキル
置換ベンゼン、酢酸ブチル等のエステル類、メチルイソ
ブチルケトン等のケトン類、t−ブタノール等のアルコ
ール類、フッ素原子1個以上を有する飽和ハロゲン化炭
化水素類等を溶媒とする溶液重合法、水性媒体中での乳
化重合法、溶媒との分離を不要とする塊状重合法などが
好ましく用いられる。
【0035】更に、重合形式については特に制限はな
く、回分式、半連続式、連続式のいずれも用いることが
できる。該共重合反応における反応温度は、通常−30
〜+150℃の範囲内で、重合開始源や重合媒体の種類
に応じて適宜選ばれ、通常0〜100℃、好ましくは1
0〜90℃の範囲で選ばれる。また、反応圧力について
は特に制限はないが、常圧〜100kg/cm2の範囲
で選ばれる。更に、該共重合反応は、適当な連鎖移動剤
を添加して行うことができる。
【0036】本発明の水酸基含有フルオロオレフィン共
重合体の分子量は、テトラヒドロフランを溶媒にし、分
子量既知の単分散ポリスチレンを標準物質として用い、
ゲルパーミションクロマトグラフ(GPC)法により測
定して求めた数平均分子量(Mn)が、500〜20
0,000、好ましくは2,000〜100,000の
範囲であり、ガラス転移温度(Tg)は通常−50〜1
20℃、好ましくは−10〜100℃である。
【0037】本発明の組成物は、前記の水酸基含有フル
オロオレフィン共重合体、カルボン酸のアンモニウム塩
及び/またはカルボン酸のアルカリ金属塩が有機溶剤に
溶解もしくは分散されているのが好ましい。 該溶剤と
しては、例えばトルエンやキシレン等の芳香族炭化水素
類、n−ブタノール等のアルコール類、酢酸n−ブチル
等のエステル類、メチルイソブチルケトン等のケトン
類、エチルセロソルブ等のグリコールエーテル類、さら
には市販の各種シンナー等が挙げられる。
【0038】本発明のフッ素系塗料用組成物はそのまま
で、あるいは水酸基と反応し得る硬化剤や、顔料、充填
剤、硬化触媒、分散安定剤、粘度調節剤、レベリング
剤、ゲル化防止剤、紫外線吸収剤、その他の塗料用添加
剤類等を配合して、塗料、シーリング剤、フイルム等の
各種用途に使用することができる。
【0039】
【実施例】以下、実施例により更に詳細に説明するが、
本発明はかかる実施例により何等限定されるものではな
い。 各種樹脂の分子量;ゲルパーミィテーションクロマト
グラフィを用いて、ポリスチレン標品検量線より求め
た。
【0040】使用機器 装置:島津製作所 LC−3
A カラム:東ソー(株) TSKgel G−5000 HXL TSKgel G−4000 HXL TSKgel G−2000 HXL 検出器:島津製作所 RID−6A データ処理:島津製作所 C−R4A キャリヤー:テトラヒドロフラン 水酸基価;JIS K−0070に準じて測定した。 色数(APHAカラー);ASTM D1209に準
じて測定した。
【0041】
【実施例1】内容積1リットルのステンレス鋼製かき混
ぜ機付きオートクレーブ内を窒素ガスで3回置換した。
次いで、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル23g、
イソブチルビニルエーテル80g、クロロトリフルオロ
エチレン117g、キシレン220g、酢酸のトリエチ
ルアミン塩0.7g及び開始剤としてt−ブチルパーオ
キシピバレート1.7gを仕込み、67℃にて8時間重
合を行った。生成した共重合体溶液は、不揮発分(N
V)49.3%、数平均分子量は10,200であり、
水酸基価は51mgKOH/g、APHAカラーの評点
は60であった。
【0042】得られた共重合体溶液をガラス瓶に入れて
密封した後、50℃に保ち粘度変化を追跡したところ1
カ月後も初期粘度のままであった。
【0043】
【実施例2】内容積1リットルのステンレス鋼製かき混
ぜ機付きオートクレーブに7.7gの炭酸カリウムを仕
込み、オートクレーブ内を窒素ガスで3回置換した。次
いで、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル23g、イ
ソブチルビニルエーテル80g、クロロトリフルオロエ
チレン117g、キシレン220g、及び開始剤として
t−ブチルパーオキシピバレート1.7gを仕込み、6
7℃にて8時間重合を行った。生成した共重合体溶液か
ら炭酸カリウムを濾過除去し、不揮発分(NV)50.
1%、数平均分子量11,200、水酸基価51mgK
OH/g、APHAカラーの評点が20の水酸基含有フ
ルオロオレフィン共重合体溶液を得た。 得られた共重
合体溶液100gに酢酸のトリエチルアミン塩0.3g
を加え充分攪はんしガラス瓶に入れて密封した後、50
℃に保ち粘度変化を追跡したところ1カ月後も初期粘度
のままであった。
【0044】
【実施例3】内容積1リットルのステンレス鋼製かき混
ぜ機付きオートクレーブ内を窒素ガスで3回置換した。
次いで、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル23g、
2,3−ジヒドロフラン21g,イソブチルビニルエー
テル50g、クロロトリフルオロエチレン117g、酢
酸ブチル211g、コハク酸−ビス(2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン)塩2.1g及び開始剤として
t−ブチルパーオキシピバレート1.7gを仕込み、6
7℃にて8時間重合を行った。生成した共重合体溶液
は、不揮発分(NV)49.8%、数平均分子量は9,
200であり、水酸基価は53mgKOH/g、APH
Aカラーの評点は20であった。
【0045】得られた共重合体溶液をガラス瓶に入れて
密封した後、50℃に保ち粘度変化を追跡したところ1
カ月後も初期粘度のままであった。
【0046】
【実施例4】内容積1リットルのステンレス鋼製かき混
ぜ機付きオートクレーブに7.7gの炭酸カリウムを仕
込み、オートクレーブ内を窒素ガスで3回置換した。次
いで、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル28g、シ
クロヘキシルイソシアナートと4−ヒドロキシブチルビ
ニルエーテルとの反応物63g、イソブチルビニルエー
テル50g、クロロトリフルオロエチレン117g、キ
シレン258g、及び開始剤としてt−ブチルパーオキ
シピバレート1.7gを仕込み、67℃にて8時間重合
を行った。生成した共重合体溶液から炭酸カリウムを濾
過除去し、不揮発分(NV)50.1%、数平均分子量
12,200、水酸基価51mgKOH/g、HAZE
Nカラー30の水酸基含有フルオロオレフィン共重合体
溶液を得た。
【0047】得られた共重合体溶液100gに2−エチ
ルヘキサン酸のテトラエチルアンモニウム塩0.5gを
加え充分攪はんしガラス瓶に入れて密封した後、50℃
に保ち粘度変化を追跡したところ1カ月後も初期粘度の
ままであった。
【0048】
【比較例1】酢酸のトリエチルアミン塩0.7gを使用
しない以外は実施例1と同様に反応を行ったところ、ゼ
リー状のゲル化物が生成した。
【0049】
【比較例2】実施例2で得られた共重合体溶液を、酢酸
−トリエチルアミン塩を加えずにガラス瓶に入れて密封
した後、50℃に保ち粘度変化を追跡したところ7日め
にゲル化した。
【0050】
【比較例3】酢酸−トリエチルアミン塩0.7gの代わ
りにトリエチルアミン0.4gを使用する以外は実施例
1と同様に反応を行ったところ、生成した共重合体溶液
は著しく着色した(APHAカラーの評点は300)。
【0051】
【参考例1】実施例1で得られた水酸基含有フルオロオ
レフィン共重合体溶液を主剤とし、硬化剤として「デュ
ラネートTPA」(旭化成工業(株)製)をNCO/O
H=1/1となるように配合した後、キシレンをシンナ
ーとしてフォードカップ#4で15秒に調整し塗装をお
こなった。得られた塗膜を120℃にて1時間焼付け、
JIS K−5400に基づいて、入射(受光)角;6
0°で塗膜光沢を求めたところ、光沢85%の良好な外
観を有する硬化塗膜を得た。この塗膜をサンシャインウ
ェザーメーターに3000時間暴露したが、光沢の低下
はほとんど見られず良好な耐候性を示した。
【0052】
【発明の効果】以上の結果からも明らかなように、本発
明による水酸基を含有するフルオロオレフィン共重合体
を主成分とし、さらにカルボン酸のアンモニウム塩及び
/またはカルボン酸のアルカリ金属塩を含有して成るフ
ッ素系塗料用組成物は良好な貯蔵安定性を示す。また、
フルオロオレフィンと水酸基含有ビニル単量体を必須の
成分とする単量体混合物をカルボン酸のアンモニウム塩
及び/またはカルボン酸のアルカリ金属塩の存在下にラ
ジカル重合せしめして水酸基を含有するフルオロオレフ
ィン共重合体を製造する方法は、重合時にゲル化した
り、生成共重合体の分散比(重量平均分子量と数平均分
子量との比)が著しく大きく成ったりすることを有効に
抑制する。
【0053】従って、本発明方法により、塗料、シーリ
ング剤、フイルム等の各種用途に使用することができる
耐候性等に優れた水酸基含有フルオロオレフィン共重合
体が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 129/10 PFP 6904−4J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基を含有するフルオロオレフィン共
    重合体を主成分とし、さらにカルボン酸のアンモニウム
    塩及び/またはカルボン酸のアルカリ金属塩を配合して
    なるフッ素系塗料用組成物。
  2. 【請求項2】 フルオロオレフィンと水酸基含有ビニル
    単量体を必須の単量体成分とする単量体混合物を重合性
    2重結合を有さないカルボン酸のアンモニウム塩及び/
    または重合性2重結合を有さないカルボン酸のアルカリ
    金属塩の存在下にラジカル重合せしめることを特徴とす
    る水酸基を含有するフルオロオレフィン共重合体の製造
    方法。
JP15688191A 1991-06-27 1991-06-27 フツ素系塗料用組成物、及び水酸基を含有するフルオロオレフイン共重体の製造方法 Withdrawn JPH051256A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016027177A (ja) * 2011-05-30 2016-02-18 旭硝子株式会社 含フッ素共重合体組成物
WO2024216338A1 (en) * 2023-04-18 2024-10-24 Elecsome Pty Ltd Method for separating fluoropolymer layers and/or glass from a substrate

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