JPH0467324B2 - - Google Patents
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- JPH0467324B2 JPH0467324B2 JP58079098A JP7909883A JPH0467324B2 JP H0467324 B2 JPH0467324 B2 JP H0467324B2 JP 58079098 A JP58079098 A JP 58079098A JP 7909883 A JP7909883 A JP 7909883A JP H0467324 B2 JPH0467324 B2 JP H0467324B2
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- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
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- H01F1/086—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials metals or alloys in the form of particles, e.g. powder pressed, sintered, or bound together sintered
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Hard Magnetic Materials (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Description
本発明は等方性永久磁石材料であつて特に
Fe・B・R系合金をベースとしたFe・B・R・
M及びFe・B・R・M・Aで表わされる新規な
永久磁石材料に関する。 本発明においてRはイツトリウムYを含む希土
類元素、MはアルミニウムA、ニツケルNi、
マンガンMn等の添加元素、Aは銅Cu、リンP、
炭素C、硫黄Sの元素を示す記号として用いる。 永久磁石材料はエレクトロニクス装置には必要
不可欠である程重要な機能材料である。現在使用
されている永久磁石材料は主としてアルニコ、フ
エライト、及び希土類コバルト(RCo)等があ
る。最近の半導体機器の著しい進展にともなつて
エレクトロニクス装置の手足や口(発音)にあた
る部品も小型化、高性能化が求められるようにな
り、これらに使用する永久磁石材料も高い特性が
要求されるようになつている。 永久磁石材料の中でも等方性永久磁石材料は性
能的に異方性磁石材料にかなわない点もあるが形
状や磁化方向に制約を受けない磁気特性から重用
されているが、より高性能なものが求められてい
る。永久磁石材料としては等方性磁石材料より異
方性磁石材料が通常高性能を示すため異方性磁石
材料が一般に実用化されている。等方性磁石材料
は異方性磁石材料と同じもので殆んど作られては
いるが、異方性のものに比べると一般にかなり低
い磁気特性である。たとえばアルニコ、フエライ
トは磁石として最大エネルギー積(BH)maxが
高々2MGOeである。またRCo系としてのSmCo
は4〜5MGOeとある程度高い磁石特性を示すが
それでも異方性磁石の場合の1/4〜1/6である。さ
らにRCo系磁石材料は、資源的に希少なサマリウ
ムSmを必要とし供給が不安定なコバルトCoを50
〜60重量%の多量使用するため非常に高価とな
り、実用上なお問題がある。 Smに代り資源的に豊富な軽希土類例えばCe,
Nd,Pr等を用いCoに代りFeを用いることが望ま
れているが軽希土類とFeは均質に相互溶融し冷
却して結晶化した場合でも磁石化に適した金属間
化合物を形成しないことがよく知られている。さ
らにこのような軽希土類−Fe合金の磁力を粉末
治金法によつて強化する試みも成功しなかつた
(特開昭57−210934明細書6頁参照)。 これに対しFe−R系非晶質合金が溶融急冷に
より得られることが知られFe−R(RとしてCe,
Pr,Nd,Sm,Eu等)、特にFe−Ndの二元系合
金を液体急冷法により非晶質リボンとしてこれを
磁化して磁石とすることが提案されている(特開
昭57−210934)。この方法では(BH)maxが4
〜5MGOeのものが得られるが、数ミクロンから
数10ミクロンの厚さのリボンであるため実用的な
バルクにするためには積層か粉末化後プレスが必
要となり、いずれの方法でも理論密度比が低下し
磁気特性はさらに低下し結局磁気特性の向上はで
きない。 本発明はこれらの従来の等方性永久磁石材料に
代る新規な永久磁石材料を提供することを基本的
な目的とし特にRとして希少なSm等を必ずしも
必要としないで、特に資源的に豊富な材料を用い
て従来品と同等以上の磁気特性を有する等方性永
久磁石材料を提供せんとするものである。さらに
本発明は、改良された保磁力等の磁気特性を備え
た等方性永久磁石材料を提供せんとし、また実用
上十分利用価値のある安価な等方性永久磁石材料
をも提供せんとする。 本発明者等は先に、Sm,Coを必須としない全
く新しいタイプの永久磁石材料であるFeBR系永
久磁石材料及び磁気異方性永久磁石を発明し、出
願した(特願昭57−145072)。このFeBR系永久
磁石材料は、従来知られているRCo5やR2Co17化
合物とは異なる新しい化合物を基礎とし、特にボ
ロン(B)は、従来の、例えば非晶質合金作成時
の非晶質促進元素又は粉末治金法における焼結促
進元素として添加されるものではなく、この
FeBR系永久磁石材料の実体的内容を構成する磁
気的に安定で高い磁気異方性定数を有するR−
Fe−B化合物の必須構成元素であることを明ら
かにした。(なお、上記FeBR系永久磁石材料に
基づき、適当なミクロ組成を形成することによつ
て磁気異方性焼結永久磁石が得られることも明ら
かにした。) 本発明者等は前記目的を達成するためにさらに
鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至つ
たものである。 即ち本発明の永久磁石材料は、磁気等方性であ
り、かつ実質的に完全な結晶質であつて、第1に
FeBRM系組成からなり、原子百分率で10〜25%
のR、3〜23%のホウ素B、所定百分率の添加元
素Mの一種又は二種以上 (但しM0%を除きここでMは A 9.5%以下、 Ti 4.7%以下、 V 10.5%以下、 Cr 8.5%以下、 Mn 8.0%以下、 Zr 5.5%以下、 Hf 5.5%以下、 Nb 12.5%以下、 Ta 10.5%以下、 Mo 8.7%以下、 Ge 6.0%以下、 Sb 2.5%以下、 Sn 3.5%以下、 Bi 5.0%以下、 Ni 4.7%以下、 及び W 8.8%以下であり、二種以上のMを
含む場合Mの合量は当該添加元素のうち最大値を
有するものの百分率以下とする)、 及び残部実質的にFeから成る組成(以下第1
組成と称する)を有し、但し、RはNd,Pr,
Dy,Ho,Tbの少なくとも一種(第1発明)、又
はこれらとLa,Ce,Pm,Sm,Eu,Gd,Er,
Tm,Yb,Lu,Yの少なくとも一種(第2発明)
とから成るものをいう。 本発明の永久磁石材料は、磁気等方性かつ結晶
質であつて、さらに第2に、上記の第1組成
(FeBRM)に所定百分率の元素Aの一種又は二
種以上(但し、A0%を除きAとしてCu3.3%以
下、S2.5%以下、C4.0%以下及びP3.3%以下)を
含有して成る組成を有し、 但しAを含有する場合、MとAの合量は含有す
るM,Aの当該各元素のうち最大値を有するもの
の原子百分率以下とする(以下第2組成と称す)
ことを特徴とする(第3,4発明)。 本発明は、好ましい態様として焼結体として得
た場合、その平均結晶粒径が約1〜100μm程度で
あることが好ましい。 本発明の永久磁石材料は磁気的に等方性であ
り、また先願(特願昭57−145072)と同様にR−
Fe−B三元化合物に基づく結晶質材料である。
本発明では、それに基づき焼結体が得られる。な
お、磁気等方性焼結体は、典型的には合金を溶
解、冷却し、冷却合金を粉末化した後加圧成形
し、それを焼結することにより等方性永久磁石材
料が得られる。冷却は通例鋳造によつて行われ
る。(なお、上記先願においては、磁界中で配向
成形、焼結することにより、磁気異方性焼結体が
得られる。) 以下本発明についてさらに詳述する。なお他に
明示なき限り、本発明において「%」は原子百分
率を示す。 本発明の第1組成(FeBRM系)及び第2組成
(FeBRMA系)のいずれもFeBR系をベースと
し、B,Rの範囲は同様に定まる。 即ち、本発明においてR,Bの量は、本永久磁
石材料の典型的最終製品たる等方性焼結体永久磁
石とする場合を考慮して限定したものである。 第1,2図にはR,Bの含有量とiHc及びBrの
関係をFeBRM系(M−Mo)永久磁石について
示す。 Bは、第2図に示すごとく、少量の含有で保磁
力(iHc)が出現し、含有量の増加とともに増加
する。一方、残留磁束密度(Br)は、含有量の
増加とともに一旦増加し最大値に達したのち減少
する。そのため等方性焼結磁石として保磁力
1kOe、最大エネルギー積2MGOe以上を得るため
の範囲として、3〜23%とする。Rは、第1図に
示すごとく、7〜8%あたりで保磁力(iHc)が
出現し急峻に立上り、以後R量が増加するに従つ
てiHcは増加するが、BrはiHcよりやや早く立上
るが、10%あたりで最大値に達した後減少する。
そのため、等方性焼結磁石として(BH)
max2MGOe以上を満足するための範囲として、
10〜25%とする。またRは多量になると燃え易く
取扱いが危険、困難となる。 好ましくは、R12〜20%,B5〜18%、残部Fe
とし、RとしてNd,Prを主成分(全R中50%以
上)の組成でMの所定範囲内において(BH)
max4MGOe以上の高い磁気特性を示す。 最も好ましくはさらに、R12〜16%,B6〜18
%,残部Fe,RとしてNd,Prを主成分とする組
成でM約2%〜数%以内において(BH)
max7MGOe以上で等方性永久磁石ではかつてな
い、高い特性が得られる。 Rとしては資源的に豊富な軽希土類を用いるこ
とが出来、必ずしもSmを必要とせず或いはSmを
主体とする必要もないので原料が安価でありきわ
めて有用である。 本発明の永久磁石材料に用いるRとしてはYを
包含し、軽希土類及び重希土類を包含するもので
あり、そのうちの所定の一種以上を用いる。即
ち、Nd,Pr、ランタンLa、セリウムCe、テルビ
ウムTb、ジスプロシウムDy、ホルミウムHo、
エルビウムEr、ユウロピウムEu、サマリウム
Sm、ガドリニウムGd、プロメチウムPm、ツリ
ウムTm、イツテルビウムYb、ルテチウムLu及
びイツトリウムYなどである。Rとしては、軽希
土類をもつて足り、特にNd,Prが好ましい。ま
た通例Rは一種で足りるが実用上は二種以上の混
合物であるミツシユメタル、ジジム等を入手上の
便宜から用いることも出来、Sm,La,Ce,Gd,
Y等はNd,Pr等の軽希土類と混合して用いるこ
とができる。なお、Rは純希土類元素でなくとも
よく工業上入手可能な範囲で製造上不可避な不純
物を含有するものでも差支えない。Bとしては純
ボロン又はフエロボロンを用いることが出来、ケ
イ素Siなどの不純物を含むものでも用いることが
出来る。 添加元素Mを添加することにより原則として保
磁力iHcの改善を図ることが出来る。Mとしては
A,Ti,V,Cr,Mn,Zr,Hf,Nd,Ta,
Mo,Ge,Sb,Sn,Bi,Ni,Wを一種又は二種
以上で用いることが出来る。また保磁力iHcは一
般に温度上昇と共に低下するがMの含有によつて
常温時のiHcを高めることが出来、高温度に曝さ
れても減磁が実質的に生じないようにすることが
出来る。しかしMは非磁性の元素(Niを除く)
であるため、添加量の増大によつてBrが低下し
ていきそのため(BH)maxが減少する。(BH)
maxが少し低くなつても高いiHcが必要とされる
用途は最近多くなつてきたためMを含む合金は大
変有用である。但し(BH)maxは2MGOe以上
の範囲が有用である。 Mの添加によるBrに及ぼす効果についてその
添加量を変化させて実験により確認し第1図、第
2図にその結果を示す。 ハードフエライトのレベルの(BH)max約
2MGOeと同等以上とするためには、Br3kG以上
とすることが好ましいが、M量の上限は第1図、
第2図に示すように、 A 9.5% Ti4.7% V10.5%
Cr 8.5% Mn 8.0% Zr5.5% Hf5.5% Nb 12.5% Ta 10.5% Mo8.7% Ge6.0% Sb 2.5% Sn 3.5% Bi5.0% Ni4.7% W 8.8% である。 Mを二種以上添加含有する場合は各Mの成分比
に応じて合成した特性を通常示し、夫々のMの含
有量は上記%の範囲内でかつその合量は当該含有
添加元素に対する上記%の最大値以下となる。 Mの添加は残留磁化Brの漸次の低下を招くの
でMの含有量は少なくとも従来のSmCo磁石のBr
値と同等以上の範囲とし且つ従来品と同等以上の
高保磁力を示すものが本発明の対象として把握さ
れる。なおBr4.0kG以上及び6.0kG以上等の場合
についてM量を選択することにより好ましい添加
量を決めることが出来る。 Mの添加は基本的には保磁力iHcを増加させる
効果を持つているので磁石の安定性を増しその用
途が拡大される。 各Mの添加量と保磁力の関係は広範な実験によ
り確かめられている。 本発明の等方性永久磁石材料は、さらに焼結材
料として得たときその平均結晶粒径が一定の範囲
内にあることが好ましく、永久磁石とする上で参
考になる。即ち、焼結体の平均結晶粒径約1〜約
100μmにおいてiHc1kOe以上を満足し、好まし
くは1〜80μm、最も好ましくは2〜30μmでiHc
が一層高くなる。 このことは、Fe・B・R・M系にもFe・B・
R・M・A系にもほぼ同様に適用される。 本発明の第2の永久磁石材料は元素Aを所定%
以下含有させるものであるがAとしてのCu,S,
C,Pは工業的にFe・B・R・M系磁石材料を
製造する場合、原料、製造工程等に起因して含有
させることが多い。例えばFeBを原料に用いた場
合S,Pが含有されることが多く、Cは粉末治金
プロセスにおける有機バインダー(成形助剤)の
残滓として含有されることが多い。Cuは安価な
原料中によく含有されている。Aの含有による影
響はその含有量の増大に伴なつて残留磁束密度
Brが低下する傾向を示すことが認められた。 その結果、S2.5%以下、C4.0%以下、P3.3%以
下、Cu3.3%以下の含有の場合はハードフエライ
トと同等以上の特性(Br3kG以上)が得られる
(第6図参照)。 またAを二種以上含有する場合、、各成分の合
成された特性を一般に示し、その合量は当該含有
元素のうち最大値を有するもの以下となる。この
範囲でハードフエライトと同等以上のBrが得ら
れる。 本発明の等方性永久磁石材料Fe・B・R・M
系に更にAを含有するFe・B・R・M・A系磁
石材料の場合、(M+A)の合量はM,A共にBr
の減少傾向を示すのでM又はAを夫々二種以上含
有する場合とほぼ同様であつてM,Aの当該含有
元素のうち最大の上限値を有するもの以下とす
る。M及びAの二成分以上を含有する場合のBr
特性は一般にその含有当該元素の各Br特性を各
元素の成分比に応じて合成した特性として現われ
る。 M,Aの含有は本発明の組成範囲内においては
キユリー温度Tcに本質上大きな影響を与えない
ことが判つた。 本発明の永久磁石材料の製造に際しては、合金
の溶解は真空または不活性ガス雰囲気下で行い、
鋳造は銅その他金属製等の鋳型を用い、この場
合、インゴツト合金の成分偏析を防ぐために水冷
タイプの鋳型などを用いて、冷却速度を早くする
ことが望ましい。 十分冷却したのち、スタンプミル等で粗粉砕
し、さらにアトライター、ボールミルなどで微粉
砕して、約400μm以下、好ましくは1〜100μmと
する。 FeBR系合金の微粉砕粉を得る方法としては、
上述した方法の外に噴霧法などの機械的粉砕法
や、還元法・電解法などの物理化学的製粉法など
も用いることができる。 この微粉末合金を、加圧成形し、成形物を約
900〜1200℃、好ましくは1050〜1150℃の温度に
て所定時間焼結することが好ましい。焼結後の平
均結晶粒径が所定範囲になるよう焼結条件(特に
温度、時間)を選択することにより、磁気特性の
高い等方性焼結体を得る。例えば出発原料として
100μm以下の合金粉末を成形し、温度1050〜1150
℃において30分〜8時間焼結することにより、好
ましい結晶粒径の焼結体が得られる。 なお、焼結は好ましくは真空又は不活性ガス雰
囲気で行う。また、成形に際しては、カンフア、
パラフイン、レジン、塩化アンモニウム等の結合
剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、パラフイン、レジン等の滑剤ないし成形助剤
を用いることができる。 以下本発明について実施例を用いて詳述するが
本発明はこれらに限定されるものではない。 所定の添加元素を含むFe・B・R・M系及び
Fe・B・R・M・A系合金の永久磁石試料をつ
ぎの方法で作製した。 (1) 出発原料はFeとして純度99.9%の電解鉄、B
としてフエロボロン合金および純度99%ボロ
ン、Rとして純度99.7%以上(不純物は主とし
て他の希土類金属)のNd,Pr,Dy,Sm,
Ho,Er,Ceを高周波溶解し水冷銅鋳型にて鋳
造した。Mとしては純度99%のTi,Mo,Bi,
Mn,Sb,Ni,Ta,98%のW,99.9%のA,
95%のHf、またVとして81.2%のVを含むフ
エロバナジウム、Nbとして67.6%のNbを含む
フエロニオブ、Crとして61.9%のCrを含むフエ
ロクロムおよびZrとして75.5%のZrを含むフエ
ロジルコニウムを使用した。 なお元素Aを添加成分とするときにこれに純
度99%以上のS,26.7%のPを含むフエロリ
ン、純度98%以上のC、純度99.9%以上の電解
Cuを使用した。 但し上記金属の純度は重量%に示す。 (2) 粉砕スタンプミルにより35メツシユスルーま
で粗粉砕し、次いでボールミルにより3時間微
粉砕(3〜10μm)。 (3) 成形 1.5t/cm2の加圧下で成形 (4) 焼結 1000〜1200℃アルゴン中で1時間
焼結後の平均結晶粒径が5〜10μmとなるよう
焼結。焼結後放冷。 多種多様な組成の上記方法で作製した試料につ
いてiHc,Br,(BH)maxの測定により磁石特
性を検討した。第1表、第2表に代表的な試料に
ついて永久磁石特性iHc,Br,(BH)maxを示
す。なお表中Fe量は残部である。
Fe・B・R系合金をベースとしたFe・B・R・
M及びFe・B・R・M・Aで表わされる新規な
永久磁石材料に関する。 本発明においてRはイツトリウムYを含む希土
類元素、MはアルミニウムA、ニツケルNi、
マンガンMn等の添加元素、Aは銅Cu、リンP、
炭素C、硫黄Sの元素を示す記号として用いる。 永久磁石材料はエレクトロニクス装置には必要
不可欠である程重要な機能材料である。現在使用
されている永久磁石材料は主としてアルニコ、フ
エライト、及び希土類コバルト(RCo)等があ
る。最近の半導体機器の著しい進展にともなつて
エレクトロニクス装置の手足や口(発音)にあた
る部品も小型化、高性能化が求められるようにな
り、これらに使用する永久磁石材料も高い特性が
要求されるようになつている。 永久磁石材料の中でも等方性永久磁石材料は性
能的に異方性磁石材料にかなわない点もあるが形
状や磁化方向に制約を受けない磁気特性から重用
されているが、より高性能なものが求められてい
る。永久磁石材料としては等方性磁石材料より異
方性磁石材料が通常高性能を示すため異方性磁石
材料が一般に実用化されている。等方性磁石材料
は異方性磁石材料と同じもので殆んど作られては
いるが、異方性のものに比べると一般にかなり低
い磁気特性である。たとえばアルニコ、フエライ
トは磁石として最大エネルギー積(BH)maxが
高々2MGOeである。またRCo系としてのSmCo
は4〜5MGOeとある程度高い磁石特性を示すが
それでも異方性磁石の場合の1/4〜1/6である。さ
らにRCo系磁石材料は、資源的に希少なサマリウ
ムSmを必要とし供給が不安定なコバルトCoを50
〜60重量%の多量使用するため非常に高価とな
り、実用上なお問題がある。 Smに代り資源的に豊富な軽希土類例えばCe,
Nd,Pr等を用いCoに代りFeを用いることが望ま
れているが軽希土類とFeは均質に相互溶融し冷
却して結晶化した場合でも磁石化に適した金属間
化合物を形成しないことがよく知られている。さ
らにこのような軽希土類−Fe合金の磁力を粉末
治金法によつて強化する試みも成功しなかつた
(特開昭57−210934明細書6頁参照)。 これに対しFe−R系非晶質合金が溶融急冷に
より得られることが知られFe−R(RとしてCe,
Pr,Nd,Sm,Eu等)、特にFe−Ndの二元系合
金を液体急冷法により非晶質リボンとしてこれを
磁化して磁石とすることが提案されている(特開
昭57−210934)。この方法では(BH)maxが4
〜5MGOeのものが得られるが、数ミクロンから
数10ミクロンの厚さのリボンであるため実用的な
バルクにするためには積層か粉末化後プレスが必
要となり、いずれの方法でも理論密度比が低下し
磁気特性はさらに低下し結局磁気特性の向上はで
きない。 本発明はこれらの従来の等方性永久磁石材料に
代る新規な永久磁石材料を提供することを基本的
な目的とし特にRとして希少なSm等を必ずしも
必要としないで、特に資源的に豊富な材料を用い
て従来品と同等以上の磁気特性を有する等方性永
久磁石材料を提供せんとするものである。さらに
本発明は、改良された保磁力等の磁気特性を備え
た等方性永久磁石材料を提供せんとし、また実用
上十分利用価値のある安価な等方性永久磁石材料
をも提供せんとする。 本発明者等は先に、Sm,Coを必須としない全
く新しいタイプの永久磁石材料であるFeBR系永
久磁石材料及び磁気異方性永久磁石を発明し、出
願した(特願昭57−145072)。このFeBR系永久
磁石材料は、従来知られているRCo5やR2Co17化
合物とは異なる新しい化合物を基礎とし、特にボ
ロン(B)は、従来の、例えば非晶質合金作成時
の非晶質促進元素又は粉末治金法における焼結促
進元素として添加されるものではなく、この
FeBR系永久磁石材料の実体的内容を構成する磁
気的に安定で高い磁気異方性定数を有するR−
Fe−B化合物の必須構成元素であることを明ら
かにした。(なお、上記FeBR系永久磁石材料に
基づき、適当なミクロ組成を形成することによつ
て磁気異方性焼結永久磁石が得られることも明ら
かにした。) 本発明者等は前記目的を達成するためにさらに
鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至つ
たものである。 即ち本発明の永久磁石材料は、磁気等方性であ
り、かつ実質的に完全な結晶質であつて、第1に
FeBRM系組成からなり、原子百分率で10〜25%
のR、3〜23%のホウ素B、所定百分率の添加元
素Mの一種又は二種以上 (但しM0%を除きここでMは A 9.5%以下、 Ti 4.7%以下、 V 10.5%以下、 Cr 8.5%以下、 Mn 8.0%以下、 Zr 5.5%以下、 Hf 5.5%以下、 Nb 12.5%以下、 Ta 10.5%以下、 Mo 8.7%以下、 Ge 6.0%以下、 Sb 2.5%以下、 Sn 3.5%以下、 Bi 5.0%以下、 Ni 4.7%以下、 及び W 8.8%以下であり、二種以上のMを
含む場合Mの合量は当該添加元素のうち最大値を
有するものの百分率以下とする)、 及び残部実質的にFeから成る組成(以下第1
組成と称する)を有し、但し、RはNd,Pr,
Dy,Ho,Tbの少なくとも一種(第1発明)、又
はこれらとLa,Ce,Pm,Sm,Eu,Gd,Er,
Tm,Yb,Lu,Yの少なくとも一種(第2発明)
とから成るものをいう。 本発明の永久磁石材料は、磁気等方性かつ結晶
質であつて、さらに第2に、上記の第1組成
(FeBRM)に所定百分率の元素Aの一種又は二
種以上(但し、A0%を除きAとしてCu3.3%以
下、S2.5%以下、C4.0%以下及びP3.3%以下)を
含有して成る組成を有し、 但しAを含有する場合、MとAの合量は含有す
るM,Aの当該各元素のうち最大値を有するもの
の原子百分率以下とする(以下第2組成と称す)
ことを特徴とする(第3,4発明)。 本発明は、好ましい態様として焼結体として得
た場合、その平均結晶粒径が約1〜100μm程度で
あることが好ましい。 本発明の永久磁石材料は磁気的に等方性であ
り、また先願(特願昭57−145072)と同様にR−
Fe−B三元化合物に基づく結晶質材料である。
本発明では、それに基づき焼結体が得られる。な
お、磁気等方性焼結体は、典型的には合金を溶
解、冷却し、冷却合金を粉末化した後加圧成形
し、それを焼結することにより等方性永久磁石材
料が得られる。冷却は通例鋳造によつて行われ
る。(なお、上記先願においては、磁界中で配向
成形、焼結することにより、磁気異方性焼結体が
得られる。) 以下本発明についてさらに詳述する。なお他に
明示なき限り、本発明において「%」は原子百分
率を示す。 本発明の第1組成(FeBRM系)及び第2組成
(FeBRMA系)のいずれもFeBR系をベースと
し、B,Rの範囲は同様に定まる。 即ち、本発明においてR,Bの量は、本永久磁
石材料の典型的最終製品たる等方性焼結体永久磁
石とする場合を考慮して限定したものである。 第1,2図にはR,Bの含有量とiHc及びBrの
関係をFeBRM系(M−Mo)永久磁石について
示す。 Bは、第2図に示すごとく、少量の含有で保磁
力(iHc)が出現し、含有量の増加とともに増加
する。一方、残留磁束密度(Br)は、含有量の
増加とともに一旦増加し最大値に達したのち減少
する。そのため等方性焼結磁石として保磁力
1kOe、最大エネルギー積2MGOe以上を得るため
の範囲として、3〜23%とする。Rは、第1図に
示すごとく、7〜8%あたりで保磁力(iHc)が
出現し急峻に立上り、以後R量が増加するに従つ
てiHcは増加するが、BrはiHcよりやや早く立上
るが、10%あたりで最大値に達した後減少する。
そのため、等方性焼結磁石として(BH)
max2MGOe以上を満足するための範囲として、
10〜25%とする。またRは多量になると燃え易く
取扱いが危険、困難となる。 好ましくは、R12〜20%,B5〜18%、残部Fe
とし、RとしてNd,Prを主成分(全R中50%以
上)の組成でMの所定範囲内において(BH)
max4MGOe以上の高い磁気特性を示す。 最も好ましくはさらに、R12〜16%,B6〜18
%,残部Fe,RとしてNd,Prを主成分とする組
成でM約2%〜数%以内において(BH)
max7MGOe以上で等方性永久磁石ではかつてな
い、高い特性が得られる。 Rとしては資源的に豊富な軽希土類を用いるこ
とが出来、必ずしもSmを必要とせず或いはSmを
主体とする必要もないので原料が安価でありきわ
めて有用である。 本発明の永久磁石材料に用いるRとしてはYを
包含し、軽希土類及び重希土類を包含するもので
あり、そのうちの所定の一種以上を用いる。即
ち、Nd,Pr、ランタンLa、セリウムCe、テルビ
ウムTb、ジスプロシウムDy、ホルミウムHo、
エルビウムEr、ユウロピウムEu、サマリウム
Sm、ガドリニウムGd、プロメチウムPm、ツリ
ウムTm、イツテルビウムYb、ルテチウムLu及
びイツトリウムYなどである。Rとしては、軽希
土類をもつて足り、特にNd,Prが好ましい。ま
た通例Rは一種で足りるが実用上は二種以上の混
合物であるミツシユメタル、ジジム等を入手上の
便宜から用いることも出来、Sm,La,Ce,Gd,
Y等はNd,Pr等の軽希土類と混合して用いるこ
とができる。なお、Rは純希土類元素でなくとも
よく工業上入手可能な範囲で製造上不可避な不純
物を含有するものでも差支えない。Bとしては純
ボロン又はフエロボロンを用いることが出来、ケ
イ素Siなどの不純物を含むものでも用いることが
出来る。 添加元素Mを添加することにより原則として保
磁力iHcの改善を図ることが出来る。Mとしては
A,Ti,V,Cr,Mn,Zr,Hf,Nd,Ta,
Mo,Ge,Sb,Sn,Bi,Ni,Wを一種又は二種
以上で用いることが出来る。また保磁力iHcは一
般に温度上昇と共に低下するがMの含有によつて
常温時のiHcを高めることが出来、高温度に曝さ
れても減磁が実質的に生じないようにすることが
出来る。しかしMは非磁性の元素(Niを除く)
であるため、添加量の増大によつてBrが低下し
ていきそのため(BH)maxが減少する。(BH)
maxが少し低くなつても高いiHcが必要とされる
用途は最近多くなつてきたためMを含む合金は大
変有用である。但し(BH)maxは2MGOe以上
の範囲が有用である。 Mの添加によるBrに及ぼす効果についてその
添加量を変化させて実験により確認し第1図、第
2図にその結果を示す。 ハードフエライトのレベルの(BH)max約
2MGOeと同等以上とするためには、Br3kG以上
とすることが好ましいが、M量の上限は第1図、
第2図に示すように、 A 9.5% Ti4.7% V10.5%
Cr 8.5% Mn 8.0% Zr5.5% Hf5.5% Nb 12.5% Ta 10.5% Mo8.7% Ge6.0% Sb 2.5% Sn 3.5% Bi5.0% Ni4.7% W 8.8% である。 Mを二種以上添加含有する場合は各Mの成分比
に応じて合成した特性を通常示し、夫々のMの含
有量は上記%の範囲内でかつその合量は当該含有
添加元素に対する上記%の最大値以下となる。 Mの添加は残留磁化Brの漸次の低下を招くの
でMの含有量は少なくとも従来のSmCo磁石のBr
値と同等以上の範囲とし且つ従来品と同等以上の
高保磁力を示すものが本発明の対象として把握さ
れる。なおBr4.0kG以上及び6.0kG以上等の場合
についてM量を選択することにより好ましい添加
量を決めることが出来る。 Mの添加は基本的には保磁力iHcを増加させる
効果を持つているので磁石の安定性を増しその用
途が拡大される。 各Mの添加量と保磁力の関係は広範な実験によ
り確かめられている。 本発明の等方性永久磁石材料は、さらに焼結材
料として得たときその平均結晶粒径が一定の範囲
内にあることが好ましく、永久磁石とする上で参
考になる。即ち、焼結体の平均結晶粒径約1〜約
100μmにおいてiHc1kOe以上を満足し、好まし
くは1〜80μm、最も好ましくは2〜30μmでiHc
が一層高くなる。 このことは、Fe・B・R・M系にもFe・B・
R・M・A系にもほぼ同様に適用される。 本発明の第2の永久磁石材料は元素Aを所定%
以下含有させるものであるがAとしてのCu,S,
C,Pは工業的にFe・B・R・M系磁石材料を
製造する場合、原料、製造工程等に起因して含有
させることが多い。例えばFeBを原料に用いた場
合S,Pが含有されることが多く、Cは粉末治金
プロセスにおける有機バインダー(成形助剤)の
残滓として含有されることが多い。Cuは安価な
原料中によく含有されている。Aの含有による影
響はその含有量の増大に伴なつて残留磁束密度
Brが低下する傾向を示すことが認められた。 その結果、S2.5%以下、C4.0%以下、P3.3%以
下、Cu3.3%以下の含有の場合はハードフエライ
トと同等以上の特性(Br3kG以上)が得られる
(第6図参照)。 またAを二種以上含有する場合、、各成分の合
成された特性を一般に示し、その合量は当該含有
元素のうち最大値を有するもの以下となる。この
範囲でハードフエライトと同等以上のBrが得ら
れる。 本発明の等方性永久磁石材料Fe・B・R・M
系に更にAを含有するFe・B・R・M・A系磁
石材料の場合、(M+A)の合量はM,A共にBr
の減少傾向を示すのでM又はAを夫々二種以上含
有する場合とほぼ同様であつてM,Aの当該含有
元素のうち最大の上限値を有するもの以下とす
る。M及びAの二成分以上を含有する場合のBr
特性は一般にその含有当該元素の各Br特性を各
元素の成分比に応じて合成した特性として現われ
る。 M,Aの含有は本発明の組成範囲内においては
キユリー温度Tcに本質上大きな影響を与えない
ことが判つた。 本発明の永久磁石材料の製造に際しては、合金
の溶解は真空または不活性ガス雰囲気下で行い、
鋳造は銅その他金属製等の鋳型を用い、この場
合、インゴツト合金の成分偏析を防ぐために水冷
タイプの鋳型などを用いて、冷却速度を早くする
ことが望ましい。 十分冷却したのち、スタンプミル等で粗粉砕
し、さらにアトライター、ボールミルなどで微粉
砕して、約400μm以下、好ましくは1〜100μmと
する。 FeBR系合金の微粉砕粉を得る方法としては、
上述した方法の外に噴霧法などの機械的粉砕法
や、還元法・電解法などの物理化学的製粉法など
も用いることができる。 この微粉末合金を、加圧成形し、成形物を約
900〜1200℃、好ましくは1050〜1150℃の温度に
て所定時間焼結することが好ましい。焼結後の平
均結晶粒径が所定範囲になるよう焼結条件(特に
温度、時間)を選択することにより、磁気特性の
高い等方性焼結体を得る。例えば出発原料として
100μm以下の合金粉末を成形し、温度1050〜1150
℃において30分〜8時間焼結することにより、好
ましい結晶粒径の焼結体が得られる。 なお、焼結は好ましくは真空又は不活性ガス雰
囲気で行う。また、成形に際しては、カンフア、
パラフイン、レジン、塩化アンモニウム等の結合
剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、パラフイン、レジン等の滑剤ないし成形助剤
を用いることができる。 以下本発明について実施例を用いて詳述するが
本発明はこれらに限定されるものではない。 所定の添加元素を含むFe・B・R・M系及び
Fe・B・R・M・A系合金の永久磁石試料をつ
ぎの方法で作製した。 (1) 出発原料はFeとして純度99.9%の電解鉄、B
としてフエロボロン合金および純度99%ボロ
ン、Rとして純度99.7%以上(不純物は主とし
て他の希土類金属)のNd,Pr,Dy,Sm,
Ho,Er,Ceを高周波溶解し水冷銅鋳型にて鋳
造した。Mとしては純度99%のTi,Mo,Bi,
Mn,Sb,Ni,Ta,98%のW,99.9%のA,
95%のHf、またVとして81.2%のVを含むフ
エロバナジウム、Nbとして67.6%のNbを含む
フエロニオブ、Crとして61.9%のCrを含むフエ
ロクロムおよびZrとして75.5%のZrを含むフエ
ロジルコニウムを使用した。 なお元素Aを添加成分とするときにこれに純
度99%以上のS,26.7%のPを含むフエロリ
ン、純度98%以上のC、純度99.9%以上の電解
Cuを使用した。 但し上記金属の純度は重量%に示す。 (2) 粉砕スタンプミルにより35メツシユスルーま
で粗粉砕し、次いでボールミルにより3時間微
粉砕(3〜10μm)。 (3) 成形 1.5t/cm2の加圧下で成形 (4) 焼結 1000〜1200℃アルゴン中で1時間
焼結後の平均結晶粒径が5〜10μmとなるよう
焼結。焼結後放冷。 多種多様な組成の上記方法で作製した試料につ
いてiHc,Br,(BH)maxの測定により磁石特
性を検討した。第1表、第2表に代表的な試料に
ついて永久磁石特性iHc,Br,(BH)maxを示
す。なお表中Fe量は残部である。
【表】
【表】
【表】
RとしてNd,Pr,Dy,Sm,Ho,Er,Ceを
含む合金の例を掲載したが他の希土類金属(Y,
Eu,Tb,Tm,Yb,Lu,Gd,La)もほぼ同様
の傾向を示す。しかし、Nd,Prは希土類鉱石中
に比較的多量に含まれており、ことにNdは大量
に使用される用途がまだ知られていないので他の
希少な希土類(Sm,Y、重希土類)を主原料と
する合金よりはるかに有利である。 表中No.1〜No.9までは本発明永久磁石材料の参
考例として示す。 本発明の実施例を第1表に示したがその中で第
1表のNo.18とNo.26について焼結後の平均結晶粒径
D(μm)とその保磁力iHc(kOe)の関係を調べ
た結果、第5図に示すような関係が得られた。同
一組成であつても結晶粒径が異なることによりそ
の保磁力は異なる。2〜30μmにおいて良好な結
果を示し、ピークは凡そ3〜10μmの範囲にある。 このことから本発明の永久磁石材料の特性を有
効に生かすためには平均結晶粒径をそろえて用い
ることが好ましく、永久磁石とする上で参考にな
る。なお、第5図のグラフは、合金粉末粒径と焼
結後の結晶粒径を変化させた他は既述と同様にし
て得たデータに基づく。 本発明の永久磁石材料は工業的に入手可能な材
料を用いて製造可能であり、Nd,Pr等の軽希土
類元素を磁石材料の中心的元素とすることは極め
て有利である。Smや、重希土類は資源的に希少
でかつ高価であり一般的に工業的利用価値は少な
いが単独あるいは軽希土類と混合して用いること
が出来る。 保磁力の増大はその磁気特性の安定化に資する
のでMの添加により実質的に極めて安定でかつ高
エネルギー積の永久磁石が得られ、A元素の所定
範囲内の含有の許容により実用上、工業的生産上
有利となる。 以上詳述の通り本発明はFe・B・R・M系合
金およびFe・B・R・M・A系合金からなる磁
気等方性永久磁石材料を提供し、従来レベル以上
の磁気特性を資源的に希少な或いは高価な材料で
あるSm,Coなどを特に用いることなく実現した
ものであり、又提案されている非晶質リボンでは
得られない実用的に十分なバルクの永久磁石材料
として得ることができ、さらにバルクの等方性永
久磁石が粉末治金法により製造可能である点にお
いて、きわめて有用である。特に、好ましい態様
において従来のいずれの等方性永久磁石材料に比
べても高い磁気特性iHc,Br,(BH)maxを有
する等方性焼結体永久磁石を提供することを可能
にしたもので、工業的に極めて高い価値をもつも
のである。更に、FeBR系に対してもMの含有に
よつてより一層の高保磁力化を可能とするものを
包含し、又Aの含有の許容により一層実用上、生
産上有利なものとなる。かくて、本発明の磁気等
方性永久磁石材料は、RとしてNd,Pr等の軽希
土類を用いることにより資源的、価格的、磁気特
性的いずれの点においても実用的な永久磁石を提
供することができ工業的利用性の高いものであ
る。
含む合金の例を掲載したが他の希土類金属(Y,
Eu,Tb,Tm,Yb,Lu,Gd,La)もほぼ同様
の傾向を示す。しかし、Nd,Prは希土類鉱石中
に比較的多量に含まれており、ことにNdは大量
に使用される用途がまだ知られていないので他の
希少な希土類(Sm,Y、重希土類)を主原料と
する合金よりはるかに有利である。 表中No.1〜No.9までは本発明永久磁石材料の参
考例として示す。 本発明の実施例を第1表に示したがその中で第
1表のNo.18とNo.26について焼結後の平均結晶粒径
D(μm)とその保磁力iHc(kOe)の関係を調べ
た結果、第5図に示すような関係が得られた。同
一組成であつても結晶粒径が異なることによりそ
の保磁力は異なる。2〜30μmにおいて良好な結
果を示し、ピークは凡そ3〜10μmの範囲にある。 このことから本発明の永久磁石材料の特性を有
効に生かすためには平均結晶粒径をそろえて用い
ることが好ましく、永久磁石とする上で参考にな
る。なお、第5図のグラフは、合金粉末粒径と焼
結後の結晶粒径を変化させた他は既述と同様にし
て得たデータに基づく。 本発明の永久磁石材料は工業的に入手可能な材
料を用いて製造可能であり、Nd,Pr等の軽希土
類元素を磁石材料の中心的元素とすることは極め
て有利である。Smや、重希土類は資源的に希少
でかつ高価であり一般的に工業的利用価値は少な
いが単独あるいは軽希土類と混合して用いること
が出来る。 保磁力の増大はその磁気特性の安定化に資する
のでMの添加により実質的に極めて安定でかつ高
エネルギー積の永久磁石が得られ、A元素の所定
範囲内の含有の許容により実用上、工業的生産上
有利となる。 以上詳述の通り本発明はFe・B・R・M系合
金およびFe・B・R・M・A系合金からなる磁
気等方性永久磁石材料を提供し、従来レベル以上
の磁気特性を資源的に希少な或いは高価な材料で
あるSm,Coなどを特に用いることなく実現した
ものであり、又提案されている非晶質リボンでは
得られない実用的に十分なバルクの永久磁石材料
として得ることができ、さらにバルクの等方性永
久磁石が粉末治金法により製造可能である点にお
いて、きわめて有用である。特に、好ましい態様
において従来のいずれの等方性永久磁石材料に比
べても高い磁気特性iHc,Br,(BH)maxを有
する等方性焼結体永久磁石を提供することを可能
にしたもので、工業的に極めて高い価値をもつも
のである。更に、FeBR系に対してもMの含有に
よつてより一層の高保磁力化を可能とするものを
包含し、又Aの含有の許容により一層実用上、生
産上有利なものとなる。かくて、本発明の磁気等
方性永久磁石材料は、RとしてNd,Pr等の軽希
土類を用いることにより資源的、価格的、磁気特
性的いずれの点においても実用的な永久磁石を提
供することができ工業的利用性の高いものであ
る。
第1図、第2図はR,Bの含有量とFeBRM系
(Fe−8B−xNd−1Mo,Fe−xB−15Nd−1Mo)
のBr,iHcの関係を夫々示すグラフ、第3図、第
4図は、FeBRxM系(Fe−8B−15Nd−xM)に
おけるM含有量とBrの関係を示すグラフ、第5
図は、FeBRM系(Fe−8B−15Nd−2A及び
Fe−8B−15Nd−1Mo)における焼結体の平均結
晶粒径とiHcとの関係を示すグラフ、第6図は、
FeBRxA系(Fe−15Nd−8B−xA)におけるA
の含有量とBrの関係を示すグラフ、を夫々示す。
(Fe−8B−xNd−1Mo,Fe−xB−15Nd−1Mo)
のBr,iHcの関係を夫々示すグラフ、第3図、第
4図は、FeBRxM系(Fe−8B−15Nd−xM)に
おけるM含有量とBrの関係を示すグラフ、第5
図は、FeBRM系(Fe−8B−15Nd−2A及び
Fe−8B−15Nd−1Mo)における焼結体の平均結
晶粒径とiHcとの関係を示すグラフ、第6図は、
FeBRxA系(Fe−15Nd−8B−xA)におけるA
の含有量とBrの関係を示すグラフ、を夫々示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 磁気等方性であり、かつ実質的に完全な結晶
質であるFeBRM系永久磁石材料において、その
組成が原子百分率で10〜25%のR(但しRはNd,
Pr,Dy,Ho,Tbの少なくとも一種)、3〜23%
のB,所定百分率の添加元素Mの一種又は二種以
上 (但し、M0%を除き、ここでMは Al 9.5%以下、 Ti 4.7%以下、 V 10.5%以下、 Cr 8.5%以下、 Mn 8.0%以下、 Zr 5.5%以下、 Hf 5.5%以下、 Nb 12.5%以下、 Ta 10.5%以下、 Mo 8.7%以下、 Ge 6.0%以下、 Sb 2.5%以下、 Sn 3.5%以下、 Bi 5.0%以下、 Ni 4.7%以下、 及び W 8.8%以下であり、二種以上を含む場
合M合量は当該添加元素のうち最大値を有するも
のの百分率以下)、 及び残部実質的にFeから成ることを特徴とす
る永久磁石材料。 2 Rの50%以上がNdとPrの一種又は二種であ
る特許請求の範囲第1項に記載の永久磁石材料。 3 磁気等方性であり、かつ実質的に完全な結晶
質であるFeBRM系永久磁石材料において、その
組成が原子百分率で10〜25%のR(但しRはNd,
Pr,Dy,Ho,Tbの少なくとも一種とLa,Ce,
Pm,Sm,Eu,Gd,Er,Tm,Yb,Lu,Yの
少なくとも一種)、3〜23%のB,所定百分率の
添加元素Mの一種又は二種以上 (但し、M0%を除き、ここでMは Al 9.5%以下、 Ti 4.7%以下、 V 10.5%以下、 Cr 8.5%以下、 Mn 8.0%以下、 Zr 5.5%以下、 Hf 5.5%以下、 Nb 12.5%以下、 Ta 10.5%以下、 Mo 8.7%以下、 Ge 6.0%以下、 Sb 2.5%以下、 Sn 3.5%以下、 Bi 5.0%以下、 Ni 4.7%以下、 及び W 8.8%以下であり、二種以上を含む
場合M合量は当該添加元素のうち最大値を有する
ものの百分率以下)、 及び残部実質的にFeから成ることを特徴とす
る永久磁石材料。 4 Rの50%以上がNdとPrの一種又は二種であ
る特許請求の範囲第4項に記載の永久磁石材料。 5 磁気等方性であり、かつ実質的に完全な結晶
質であるFeBRMA系永久磁石材料において、そ
の組成が原子百分率で10〜25%のR(但しRは
Nd,Pr,Dy,Ho,Tbの少なくとも一種)、3
〜23%のB,所定百分率の添加元素Mの一種又は
二種以上 (但し、M0%を除き、ここでMは Al 9.5%以下、 Ti 4.7%以下、 V 10.5%以下、 Cr 8.5%以下、 Mn 8.0%以下、 Zr 5.5%以下、 Hf 5.5%以下、 Nb 12.5%以下、 Ta 10.5%以下、 Mo 8.7%以下、 Ge 6.0%以下、 Sb 2.5%以下、 Sn 3.5%以下、 Bi 5.0%以下、 Ni 4.7%以下、 及び W 8.8%以下)、 所定百分率の元素Aの一種又は二種以上 (但し、A0%を除き、ここでAは Cu 3.3%以下、 S 2.5%以下 C 4.0%以下、及び P 3.3%以下)、 但し、M及びAの合量は夫々の一種又は二種以
上含有の場合を含め、含有するM,Aの当該元素
のうち最大値を有するものの百分率以下、 及び残部実質的にFeから成ることを特徴とす
る永久磁石材料。 6 磁気等方性であり、かつ実質的に完全な結晶
質であるFeBRMA系永久磁石材料において、そ
の組成が原子百分率で10〜25%のR(但しRは
Nd,Pr,Dy,Ho,Tbの少なくとも一種とLa,
Ce,Pm,Sm,Eu,Gd,Er,Tm,Yb,Lu,
Yの少なくとも一種)、3〜23%のB,所定百分
率の添加元素Mの一種又は二種以上 (但し、M0%を除き、ここでMは Al 9.5%以下、 Ti 4.7%以下、 V 10.5%以下、 Cr 8.5%以下、 Mn 8.0%以下、 Zr 5.5%以下、 Hf 5.5%以下、 Nb 12.5%以下、 Ta 10.5%以下、 Mo 8.7%以下、 Ge 6.0%以下、 Sb 2.5%以下、 Sn 3.5%以下、 Bi 5.0%以下、 Ni 4.7%以下、 及び W 8.8%以下)、 所定百分率の元素Aの一種又は二種以上 (但し、A0%を除き、ここでAは Cu 3.3%以下、 S 2.5%以下 C 4.0%以下、及び P 3.3%以下)、 但し、M及びAの合量は夫々の一種又は二種以
上含有の場合を含め、含有するM,Aの当該元素
のうち最大値を有するものの百分率以下、 及び残部実質的にFeから成ることを特徴とす
る永久磁石材料。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58079098A JPS59204211A (ja) | 1983-05-06 | 1983-05-06 | 等方性永久磁石材料 |
CA000444488A CA1277159C (en) | 1983-05-06 | 1983-12-30 | Isotropic permanent magnets and process for producing same |
EP19830113252 EP0124655B1 (en) | 1983-05-06 | 1983-12-30 | Isotropic permanent magnets and process for producing same |
US06/567,640 US4840684A (en) | 1983-05-06 | 1983-12-30 | Isotropic permanent magnets and process for producing same |
DE8383113252T DE3380612D1 (en) | 1983-05-06 | 1983-12-30 | Isotropic permanent magnets and process for producing same |
SG49090A SG49090G (en) | 1983-05-06 | 1990-07-04 | Isotropic permanent magnets and process for producing same |
HK68390A HK68390A (en) | 1983-05-06 | 1990-08-30 | Isotropic permanent magnets and process for producing same |
US07/717,002 US5192372A (en) | 1983-05-06 | 1991-06-18 | Process for producing isotropic permanent magnets and materials |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58079098A JPS59204211A (ja) | 1983-05-06 | 1983-05-06 | 等方性永久磁石材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59204211A JPS59204211A (ja) | 1984-11-19 |
JPH0467324B2 true JPH0467324B2 (ja) | 1992-10-28 |
Family
ID=13680397
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58079098A Granted JPS59204211A (ja) | 1983-05-06 | 1983-05-06 | 等方性永久磁石材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59204211A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4635832B2 (ja) * | 2005-11-08 | 2011-02-23 | 日立金属株式会社 | 希土類焼結磁石の製造方法 |
DE112006000070B4 (de) * | 2005-07-15 | 2024-12-05 | Hitachi, Ltd. | Seltenerdmetall-Sintermagnet und Verfahren zu seiner Herstellung |
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JPS57141901A (en) * | 1981-02-26 | 1982-09-02 | Mitsubishi Steel Mfg Co Ltd | Permanent magnet powder |
JPS5964739A (ja) * | 1982-09-03 | 1984-04-12 | ゼネラルモーターズコーポレーション | 磁気等方性の硬磁性合金組成物およびその製造方法 |
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1983
- 1983-05-06 JP JP58079098A patent/JPS59204211A/ja active Granted
Patent Citations (2)
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59204211A (ja) | 1984-11-19 |
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