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JPH0431039B2 - - Google Patents

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Publication number
JPH0431039B2
JPH0431039B2 JP62220476A JP22047687A JPH0431039B2 JP H0431039 B2 JPH0431039 B2 JP H0431039B2 JP 62220476 A JP62220476 A JP 62220476A JP 22047687 A JP22047687 A JP 22047687A JP H0431039 B2 JPH0431039 B2 JP H0431039B2
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JP
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plating
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、板厚0.1〜1.18mmの極薄溶接缶用素
材の缶外相当面が塗装性能、溶接性にすぐれ、缶
内相当面が溶接性、耐食性にすぐれた被膜構成を
有する溶接缶用素材に関するものである。 〔従来の技術〕 近年、電気抵抗溶接方式の進歩と相俟つて、電
気抵抗溶接方式(例えば、スードロニツク溶接)
による製缶方式の進歩が著しい。また、この溶接
製缶方式は、半田製缶法や絞りしごき製缶法と異
なり、より少ない錫めつき量で製缶できる特徴か
らめつき量の少ないSn系被覆鋼板の使用が増加
している。薄めつきSn系被覆鋼板は、さらに耐
食性を向上させるために缶内外面に焼付け塗装が
施され使用されている。 さらに、薄めつきSn系被覆鋼板には電気抵抗
溶接法による溶接性にすぐれている事が要求され
る。そのため、塗装焼付け過程において、被覆層
のSnめつき層の一部がめつき原板素材との熱拡
散によつて合金化し溶接性を劣化するためSnめ
つき層(フリーSn層)の減少を防止する製造法
が検討されている。 また、フリーSn残存量の確保と耐食性、塗装
性能を向上せしめる製造法として、例えば下記の
様な先行技術が知られている。 (1) 鋼板表面に30〜1000mg/m2のNiめつき層と
100〜2000mg/m2のSnめつき層を設けるか、或
いはさらに加熱溶融処理(リフロー処理)し
て、しかる後換算量で2〜20mg/m2のクロメー
ト被膜を形成せしめる方法(特開昭57−23091
号)、 (2) 鋼板表面に厚さ0.001〜0.05μm(約8.9〜445
mg/m2)のNiめつきを施し、引き続き還元性
雰囲気で熱処理を行つてNiめつき層の一部あ
るいは全部を鋼素地中へ拡散浸透させた後、厚
さ0.01〜0.2μm(約73〜1460mg/m2)のSnめつ
きと加熱溶融処理(リフロー処理)を施した後
クロメート処理を施す方法(特開昭57−200592
号)、 (3) 鋼板上に重量比でNi/Ni+Fe=0.02〜0.50
の範囲の組成で厚さ10〜5000Å(約8〜4900
mg/m2)のFe−Ni合金層を100〜1000mg/m2
Snめつき層を設け、加熱溶融処理(リフロー
処理)を行つて、Cr換算量で5〜20mg/m2
クロメート処理層を設ける方法。(特開昭60−
17099号)、等がある。 これらの方法はいずれも、 めつき原板とSn被覆層の中間下地層にNi或
いはNi−Fe合金層を設け、Snめつき後加熱溶
融処理を行ない均一緻密なNi−Sn系合金或い
はNi−Sn−Fe系合金層を形成して、この合金
層の作用とその表面のSn被覆層との複合効果
で耐食性と塗装後の耐食性を向上せしめるこ
と、 これらの均一緻密な合金層の生成が、塗装焼
付け時の加熱処理における表面Sn被覆層のめ
つき原板との加熱拡散反応を抑制する事及び溶
接性を損なわない範囲のCr付着量で塗装性能
(塗料密着性、塗装後耐食性等)を向上せしめ
るクロメート被膜を設けて、溶接性、塗装性能
を確保すること、 などを思想にしたものであり、低Sn付着量のす
ぐれた溶接缶用素材である。 「発明が解決しようとする問題点〕 しかし、近年さらに一層の溶接製缶技術の進歩
とより一層の製缶コストダウンが相俟つて、原板
素材の薄手化が要請されている。即ち、現状の板
厚0.20〜0.24mmから0.10〜0.18mmの薄手材で溶接
性、耐食性、塗装性能のすぐれた溶接缶用素材の
開発が要望されている。 しかしながら、これらの薄手材に前記の各公知
の方法を適用した場合、充分な溶接強度が得られ
ず、溶接欠陥(所謂、溶融金属の溶接部からの溢
出による溶接ナゲツト部における部分的な空洞の
生成或いは溶接部近傍の溢出金属の付着等)の発
生しにくい溶接電流範囲が非常に狭いなどの問題
があつた。 特に、溶接缶内面で溶接欠陥を発生し易く、溶
接部近傍部で溶接部から溶融金属が溢出飛び出し
(所謂、散り)付着して耐食性、塗装性能(塗料
密着性、塗装後耐食性)の劣化を生じ易い現象が
あつた。本発明はこれらの問題に対処して、溶接
用鋼板(原板)に板厚0.10〜0.18mmの薄手材を用
いた場合に、充分な溶接強度が得られ、耐食性劣
化をもたらす溶接欠陥が少く、併せて溶接缶外面
の塗装密着性、塗装後耐食性にすぐれた電気抵抗
シーム溶接缶用素材を提供する事を目的とする。 〔問題点の解決手段〕 発明者らは、溶接缶用素材に適正な鋼板の表面
処理被覆層の被膜構成について種々検討した。そ
の結果、板厚0.18mm以下の極薄手鋼板を溶接缶用
素材として用いる場合、溶接缶体に必要な溶接範
囲を充分に確保するには、電極と溶接缶素材の界
面抵抗及び溶接缶素材同志の界面抵抗を出来る限
り減少せしめ、溶接ナゲツトの連続性を増加せし
める事が重要である。特に、溶接電極が缶体形状
から缶内面は外面に比較して極めて小径サイズに
必然的に規制されるため、その電極と溶接缶用素
材との界面接触抵抗を出来るだけ減少せしめる必
要がある。このためにはSn被覆層の量を増加せ
しめることが最も有効である。 一方、耐食性及び塗装性能を向上せしめるため
には、クロメート被膜量の増加が有効であるが、
上記の抵抗値を増大せしめるのでその被膜量を限
定する必要がある。さらに、経済性からSn付着
量を減少する必要がある。 これらの諸観点から、上記各条件を満足する方
策について検討した結果、 (1) クロメート被膜量を少なくして、耐食性及び
塗装性能(塗料密着性、塗装後耐食性)を確
保、向上せしめるには、めつき原板素材とSn
被覆層の中間層に、比較的硬質で耐食性にすぐ
れたNiを含有する緻密なNi−Fe−Sn系合金層
を適正量設ける事が望ましい。 すなわち、この合金層の存在により、Snめ
つき層欠陥部或いは塗膜欠陥部から腐食が軽減
される効果があり、又塗膜硬度が向上し、魔過
傷がつきにくく、塗膜の剥離が防止される。 (2) めつき原板とSn被覆層の中間層に存在する
緻密なNi−Sn−Fe系合金層は、塗装焼付け時
の原板とSn被覆層の加熱拡散によつて、Sn被
覆層が合金化されるのを防止する結果がある。 この結果として、溶接時の接触抵抗の減少に
重要な合金化されないフリーSn量が確保され
る。特にSn付着量を減少した溶接缶用素材の
製造では溶接性の改善に必要なフリーSn量を
確保し、併せてフリーSnと緻密なNi−Fe−Sn
系合金層との相剰効果によつて耐食性を向上す
る。 本発明者らは、これらの効果を有効に利用す
る事によつて、板厚0.10〜0.18mmの溶接缶用素
材としてすぐれた溶接性、耐食性及び塗装性能
を有する溶接缶用極薄素材が得られる事を知見
した。 本発明は、その知見に基づいてなされたもので
その要旨は、板厚0.10〜0.18mmである電気抵抗シ
ーム溶接缶鋼板であり、その溶接缶外相当面には
Niの付着量が5〜100mg/m2のNi−Sn−Fe合金
下地層、Snの付着量が500〜1200mg/m2のSn被覆
中間層、Cr換算付着量で1〜30mg/m2のクロメ
ート被膜を施し、溶接缶内相当面には付着量1350
〜3000mg/m2のSn被覆下地層或いはNiの付着量
が5〜100mg/m2のNi−Sn−Fe合金下地層とSn
の付着量が1350〜3000mg/m2のSn被覆中間層、
その上にCr換算付着量1〜30mg/m2のクロメー
ト被膜層を施した電気抵抗シーム溶接性、耐食性
及び塗装性能にすぐれた溶接缶用極薄素材を提供
する事にある。 〔作用〕 以下に、本発明について詳細に説明する。 本発明においては、適正な表面処理被覆層が施
されるめつき原板として、板厚0.10〜0.18mmの鋼
板を用いる。この鋼板の製造法、材質等は特に規
制するものではなく通常の鋼片製造工程から熱間
圧延、酸洗、冷間圧延、焼鈍、調圧等の工程を経
て製造される。 さらに本発明めつき原板は、必要とされる缶体
強度に対応して冷間圧延後焼鈍を行なつてから再
冷間圧延(所謂、2CR法)する製造工程で製造し
てもよい。 また、本発明においてめつき原板の板厚が薄い
ため缶体強度は缶内容物に含有されるCO2ガスや
缶内部へのN2ガス充填等のように缶内ガスを利
用する方法或いは缶体にビードを設けて向上せし
める等種々の方法があるが、上記したように再冷
間圧延法で鋼板素材自体の強度を向上させるのが
好ましい。この場合、溶接製缶工程のフランジ加
工性から、硬度65〜71(HRC)好ましくは66〜69
である。 本発明において、板厚が0.10mm未満の極薄めつ
き原板では前述の様な缶内部のガス圧を利用する
缶体強度の向上や缶体ビードを付加する缶体の強
度向上等を採用しても充分に安定した缶体強度が
得られ難く、溶接時に生成される溶接ナゲツトが
板厚方向の素材表面まで生成される危険性が大き
く、そのため耐食性能、塗装性能を劣化する可能
性も大きい。従つて、板厚は0.10mm以上、好まし
くは0.12mm以上である。 又、いたあつが0.18mmを越える場合は、特に本
発明の方法による被膜構成を実施しなくても、公
知技術の溶接製缶法により良好な性能の溶接缶が
製造可能である事及び缶体の軽量化或いはコスト
ダウン等本発明の目的にそぐわないので好ましい
ものではない。従つて、本発明においては、その
板厚は0.18mm以下、好ましくは0.17mm以下の鋼板
を用いる。而して、本発明においては、これら板
厚の鋼板表面に溶接性、耐食性、塗装性能にすぐ
れた被膜処理が施される。 すなわち、極薄めつき原板を用いた溶接缶用素
材として、上記の諸性能を確保するためにめつき
原板溶接缶内・外相当面に以下の如き作用効果を
有する被膜層を施す。 先ず、めつき原板の溶接缶外相当面に溶接性、
塗装性能、耐錆性にすぐれた性能を有する被膜層
を施す。即ち、めつき原板の鋼板表面にNi付着
量が5〜100mg/m2のNi−Sn−Fe合金下地層。
全Sn付着量が500〜1200mg/m2のSn被覆中間層、
その上にCr換算付着量で1〜30mg/m2のクロメ
ート被膜層が施される。 この被膜構成において、Ni−Sn−Fe合金層に
含有されるNiの付着量が5〜100mg/m2で構成さ
れるが、その目的、作用効果、構成方法は以下の
通りである。溶接缶外相当面の中間層に全Sn付
着量が500〜1200mg/m2のSn被覆層が施される
が、このSn付着量の性能向上を計るために、め
つき原板素地とSnめつき被覆層の中間被覆層と
してNi−Sn−Fe合金層を施す事が必要である。 すなわち中間被覆層にNi−Sn−Fe合金層を施
す事によつて、 (1) 塗装焼付け処理時に、Sn被覆層と原板鋼素
地との拡散が抑制される効果が得られ、この中
間下地被覆層が施されない場合に比して、合金
化されないSn被覆層(フリーSn層)が多く残
存される。 その結果として、溶接製缶法は、加圧下で電
気抵抗溶接が行なわれるが、軟質のSn被覆層
が多く残存される事によつて素材と電極間の接
触面積を増加し接触抵抗値を減少させ溶接性が
向上する。 又、同一のSn被覆層を施した場合、フリー
Snの残存量が多い場合、Sn金属は軟質である
ために加工性の点で有利であり、その結果とし
て加工部で優れた耐錆性が得られる。 (2) Ni−Sn−Fe系合金層は、Fe−Sn系合金層に
比較して、均一緻密であることから、Sn被覆
層或いは塗膜欠陥等が生成された場合にも、水
分や酸素などがこれら欠陥を通して鋼板素地に
到達し、発錆の要因を防止する効果が得られ、
耐錆性が向上する。 (3) Ni−Sn−Fe合金は比較的硬質である。した
がつて缶体の輸送時等において、塗膜の疵付き
が防止され、又たとえ疵付きが生じても硬質の
Ni−Sn−Fe合金層の存在によつて鋼素地表面
まで到達する疵が防止され、塗装後の耐錆性を
向上する。 このような効果を得るためには、そのNi−Sn
−Fe合金層のNi量が重要である。付着量として
Ni量が5mg/m2未満では、Ni−Sn−Fe合金層の
緻密化、硬度が充分でなく、塗装焼付け時の拡散
抑制によるフリーSnの残存効果、被膜層欠陥部
から鋼素地表面への発錆因子の到達防止効果或い
は塗膜の硬質効化等が得られず、結果として溶接
性、耐錆性、塗装性能向上効果が得られない。 また、その付着量としてNi量が100mg/m2を越
える場合は、Ni−Sn−Fe合金層の緻密性或いは
硬度向上が飽和すると共に、塗装焼付け時にSn
金属とNi金属の拡散反応がむしろ促進され、フ
リーSnの残存量を増大する効果が得られなくな
り、溶接性或いは加工部の耐錆性の劣化をもたら
す。 従つて、本発明ではNiは付着量として、5〜
100mg/m2の範囲、好ましくは10〜70mg/m2であ
る。このNi−Sn−Fe合金層を形成するための方
法は、本発明においては、特に規制するものでな
いが、以下の様な方法で被覆するのが好ましい。
例えば、 電気めつき法により、鋼板表面にNiめつ
き、Ni−Fe合金めつき或いはNi−Sn合金め
つきを施し、その上層に本発明の被膜構成を
得るための500〜1200mg/m2のSnめつき層を
施し、加熱溶融処理を施してNi−Sn−Fe合
金層を被覆する方法、 電気めつき法により、鋼板表面にNiめつ
き、Ni−Fe合金めつき、Ni−Sn合金めつき
を施してから、還元性雰囲気等の非酸化性雰
囲気で拡散処理を施し、その上層に所定量の
Snめつき層を設けてから、加熱溶融処理を
行なつてNi−Sn−Fe合金層を被覆する方
法、 等が採用される。 中でもNi系下地処理層及びSn被覆層が設けら
れてから、加熱溶融処理が施され下地処理層の
Ni−Sn−Fe系合金層が形成される場合に関して
は、Sn金属の融点(M.P=231℃)直上の235°〜
280℃の温度範囲で、該被覆鋼板の表面にフラツ
クス処理を施してから1〜10秒間程度の数秒の加
熱溶融処理を行なつて容易に形成される。又、こ
のフラツクスの種類によつて、加熱溶融処理後の
外観が影響される。金属光沢状の外観を得る場合
には、Snめつき浴の濃度を均一に薄くした溶液
をフラツクスとして用い、又白色マツト状の外観
を得る場合には水道水、蒸留水或いはSnめつき
浴の濃度を1/10以下に希釈した溶液等をフラツク
スとして用いる。 さらに、Ni−Sn−Fe合金層の厚さについて
は、加熱溶融時の温度、加熱時間及び予じめ施さ
れるNi,Ni−Fe,Ni−Sn合金の付着量により
各々任意に調整可能である。本発明においては、
Niの付着量として5〜100mg/m2のなるように、
予じめ計算されたNi系処理を施し、その厚さが
付着量換算でNi−Sn−Fe合金層として250mg/
m2以上、又その上限値は施されたSn被覆量の70
%以下の付着量、例えばSn付着量500mg/m2の場
合350mg/m2以下、1200mg/m2の場合840mg/m2
下になるようにして、加熱溶融処理条件を設定さ
れればよい。 本発明の如く板厚0.10〜0.18mmの場合には、缶
体強度を確保するために前記の2CR法による原板
素材を用いるのが好ましい。従つて、焼鈍拡散処
理後の冷間圧延によつてこれらNi系下地被覆層
が破壊される危険性があるので、拡散処理が施さ
れた処理層よりも、2CR圧延後にめつき処理を行
なう事が下地処理に有効である。 また、これらのNiめつき、Ni−Fe合金めつ
き、Ni−Sn合金めつきのうち、特にNi−Fe合金
下地処理が同一の加熱溶融処理条件においては、
Fe含有分の多い硬質のNi−Sn−Fe系合金層の形
成に有効である。その結果として、溶接缶外面の
如くSn被覆層が少ない場合には、塗膜硬度が硬
質化する効果が得られ、擦過疵等が生じにくくな
り、塗装後の耐錆性の有効である。 又、このNi−Sn−Fe合金層の被覆量は、特に
規制されるものではないが、合金層のピンホール
を減少して緻密な被膜を形成せしめて性能向上効
果を確保するために250mg/m2以上、また製缶加
工時においてこの比較的硬質な合金層のクラツク
が形成されて上層のフリーSn層或いは塗膜表面
にまで達するクラツクの発生源になるのを防止す
るために、Sn被覆層量の70%以下の厚さの生成
量である事が好ましく、特に300mg/m2以上、ま
たその生成量上限は全被覆Sn量の60%以下が好
ましい。 次に、溶接缶外相当の中間層に設けられるSn
被膜量は、その性能面及び経済性の面から、全
Sn量として500〜1200mg/m2の範囲で被覆され
る。 すなわち、前記のNi,Ni−Fe合金、Ni−Sn合
金の各々めつき後、或いはこれらのめつき後に拡
散処理を施された後にSnの付着量として500〜
1200mg/m2のSn被覆層が設けられる。このSn付
着量が500mg/m2未満では、Ni系下地処理とSn被
覆層との加熱溶融処理によつて均一緻密なNi−
Sn−Fe系合金層が形成されても、塗装焼付け過
程その条件によつては表面にフリーSnのー残存
量が極めて少なくない場合がある。その結果、溶
融抵抗値の増大をもたらして溶接性を劣化し、耐
錆性能も劣化する。 一方、Snの付着量が1200mg/m2を越える場合
には、形成されたNi−Sn−Fe系合金層の作用に
よつて、塗装焼付け時の加熱拡散によるフリー
Snの残存効果による溶接性、耐錆性に関しては
良好な性能が確保できる。しかしながら、フリー
Snの残存量が多くなると、塗装後の塗膜硬度も
軟らかくなり、製缶加工時或いは輸送時等擦過さ
れる機会の多い缶体外面部に対しては塗膜に擦過
疵等の疵付きの発生が多くなり、貯蔵雰囲気にお
いて発錆し易すくなる。 従つて、本発明の鋼板表面に対して、Ni−Sn
−Fe合金等の下地処理を施した後のSn被覆層の
付着量は、500〜1200mg/m2、好ましくは750〜
1100mg/m2である。 次に、本発明においては、溶接缶内面に対応す
る鋼板面の被覆層が重要である。溶接缶内相当す
る面は、溶接が施される場合内面側に対応する電
極の径は溶接缶径より小径でなければならない。
したがつて、外面側に対応する電極径に比して、
極めて小径の電極が使用される。 本発明のように0.10〜0.18mmの極薄鋼板を使用
して、電気抵抗溶接法により溶接缶を製造する場
合、外面側に対応する面以上に内面側の小径電極
と溶接缶素材表面との界面接触抵抗を減少して、
通電性を改善する必要がある。 すなわち、溶接過程において、溶接缶素材同志
が重ね合わされた鋼板界面において鋼板素材の溶
融がおこり、溶接ナゲツトが形成される様に溶接
電流が、素材と電極の界面接触抵抗、素材と素材
の界面抵抗、素材の抵抗を含めた総抵抗に対応し
て負荷される。この溶接電流は、充分な溶接強度
が得られ、又生成されたナゲツト部から溶融金属
の溢出による溶融金属の飛び出し、付着(所謂、
散り)の生じない適正な電流範囲が採用される。
また、この溶接電流は電極と溶接缶素材の界面を
起点にして通電され、必要な溶接強度、溶接ナゲ
ツトを得るための電流が負荷される。 而して、この溶接電流によつて、素材と素材の
界面間に溶融部分(溶接ナゲツト)が形成される
に必要な熱量が付与されるが、溶接缶用素材が極
薄化の場合、素材の板厚が大なる場合に比して、
素材表面の温度が極めて低下しにくい。特に電極
が小径である缶内面部は電極への伝熱によつて放
散される熱量が、電極の冷却が容易な外面側電極
による放熱に比べて、少なくなるため素材表面の
温度が外面側に比して高くなり易い。 その結果として、溶接作業において溶接スター
ト部のナゲツト生成部分を除いて、素材表面の板
温が上昇するため、素材板厚が薄い場合は電極と
素材界面の接触抵抗が高くなつて通電性を劣化
し、素材間の界面にナゲツトを形成するのに必要
な電流値以上の電流を電極と素材の界面に通電
し、溶接ナゲツト部から多くの散りを発生し溶接
欠陥を生じる。 このような問題は、小径電極が使用される缶内
面側が温度上昇による接触抵抗増加に基因する溶
接性の劣化及び加圧下で溶接される電極と素材表
面の接触面積が小さくなる事による溶接性の劣化
に、また板厚の薄い素材を使用した場合に起こし
易い傾向にある。 従つて、板厚が0.10〜0.18mmの極薄鋼板が使用
される溶接缶用素材には、缶内相当面の電極と素
材界面の接触抵抗値を小さくする被膜構成が必要
である。これらの観点から種々検討の結果、内面
側に相当する鋼板の表面には、塗装焼付け処理後
軟質でかつ電気伝導性のすぐれたフリーSn層が
多く残存しうる被膜構成にする事が必要である。 フリーSn層が多く残存する事によつて、小径
電極との接触面積が増加する事及び素材表面の板
温が上昇しても素材厚み方向への通電性が増す事
によつて、素材間同志のナゲツト形成に必要な電
流値以上の電流を負荷する必要がない。この効果
を得るための被覆層は、溶接缶内面に相当する鋼
板表面に対して、鋼板表面に直接Snめつき被覆
層を1350〜3000mg/m2施すか或いは溶接缶外相当
面と同様のNi,Ni−Fe,Ni−Snの各めつき層及
びこれらの拡散処理を行なつた下地被覆層を施し
た後Snめつき被覆層を1350〜3000mg/m2施して
構成される。その後、加熱溶融処理を施して、
Sn電着めつき層のピンホールを減少せしめる処
理が施されて被覆層が形成される。 特に、鋼板表面にNi系下地処理層が設けられ
ている場合には、加熱溶融処理によつて形成され
る合金層が、前記したように、Fe−Sn系合金層
よりも緻密なNi−Sn−Fe系合金層が形成される
ため、ピンホールの減少効果にすぐれるととも
に、塗装焼付け後のフリーSn残存量が多く形成
されるので、溶接性或いは缶内容物に対する耐食
性にすぐれる効果等の点で有利である。Snめつ
き付着量が1350mg/m2未満では、溶接缶内面の電
極と素材の接触通電面積の増加及び界面の接触抵
抗値の減少による溶接性向上効果が不十分であ
る。従つて、Snめつき付着量は1350mg/m2以上、
好ましくは鋼板にSnめつき被覆層が直接施され
る場合には1550mg/m2以上、またNi系の下地被
覆処理層が施され、Ni−Sn−Fe系中間下地被覆
層が形成される場合には1450mg/m2以上が好まし
い。また、Snめつき被覆層の上限を3000mg/m2
に限定した。これは溶接缶自体の性能は3000mg/
m2をSn被覆層量を越えても特に問題はないが、
溶接缶用素材の製造時に以下のような問題点が生
じる。 すなわち、Sn被覆層が溶接缶内・外相当面に
おいて、その付着量が著しく異なつて被覆される
場合その鋼板の表裏で著しく電流密度の異なる電
流めつきを施すか或いは電流密度を同一のめつき
処理を施す場合にはSn付着量の少ない面は電解
処理が施されないでめつき浴に浸漬のみされる場
合が生じる。 その結果、Sn被覆層の均一被覆性に問題が生
じ、耐食性を劣化せしめる原因となる。さらには
加熱溶融処理において、鋼板の表・裏面で付着量
が著しく異なると、その加熱操業が困難となり
表・裏面の合金層生成量の調整を同一に行なうの
が困難になる等問題を生じる。従つて、Sn付着
量は溶接缶内面に対応する面は3000mg/m2以下、
好ましくは2800mg/m2以下である。 次いで、これらの被覆処理が行なわれた鋼板の
Sn被覆層の両面に対し、塗料密着性、塗装後耐
食性の向上を目的としてクロメート被膜処理が施
される。クロメート被膜は缶用塗料の密着性向
上、缶外面に対しては貯蔵時の塗膜下に浸入した
場合の糸状錆等の耐錆性の向上或いは缶内面に対
しては缶内容物中の水溶液等が塗膜を過して塗
膜下で腐食が進行するいわゆるアンダーカツテイ
ングコロジヨンを防止する効果を奏する。 このようなクロメート被膜が形成されている事
により、長時間にわたり塗膜の密着性が劣化せ
ず、良好な耐食性、耐錆性が保持される。クロメ
ート被膜は又、S化合物を含む食品、例えば魚
肉、畜産物等の場合にみられる鋼板表面の黒変、
即ち硫化黒変を防止する効果が大きい。かくの如
く、クロメート被膜は、特に塗装して用いられる
場合には性能向上に有効であるが、溶接にとつて
は有害である。ここでいうクロメート被膜は、水
和酸化クロム単一の被膜即ち本来のクロメート被
膜と、今一つは下層に金属Cr、その上に水和酸
化クロムの2層より成る被膜の2つの場合を指し
ている。水和酸化クロム被膜は電気的には絶縁体
であり電気抵抗も高く、金属クロムは電気抵抗及
び融点が高いので、いづれも溶接性を劣化せしめ
る傾向にある。 而して、本発明においては、金属クロム換算で
Cr付着量が片面当り1〜30mg/m2、好ましくは
7.5〜15mg/m2、が選定される。 即ち、Cr付着量が1mg/m2未満では、塗料密
着性の向上、アンダーカツテイングコロジオン等
の塗膜下腐食の防止等に効果が得られないので5
mg/m2以上のCr付着量が、好ましくは7.5mg/m2
以上の付着量がよい。30mg/m2をこえると接触抵
抗の増加が著しくなるので、溶接電流を増加する
必要があり、散りの発生が生じ易くなるなど溶接
範囲がせまくなるので溶接性が劣化する。そのた
めに、Cr付着量は30mg/m2以下、好ましくは20
mg/m2以下がよい。 クロメート処理は、クロム酸、各種のクロム酸
のNa,K、あるいはアンモニア塩の水溶液によ
る浸漬、スプレイ処理、陰極電解処理等、何れの
方法で行なつても良いが、陰極電解処理が優れて
いる。就中、CrO3にSO4イオン、Fイオン(錯
イオンを含む)あるいはそれ等の混合物を添加し
た水溶液中で陰極電解処理する方法が最も優れて
いる。CrO3の濃度は20〜100g/の範囲で充分
であるが特に規制する必要はない。添加する陰イ
オンの量は、6価のクロムイオン濃度の1/300〜
1/25好ましくは1/200〜1/50の濃度の時、最良の
クロメート被膜が得られる。陰イオン濃度がCr
の1/300以下では、均質かつ均一で、塗装性能に
大きく影響する所の良質のクロメート被膜が得難
くなる。1/25以上では、生成するクロメート被膜
中に取り込まれる陰イオンの量が多くなり被膜の
性能が劣化する。浴温は特に規制する必要がない
が、30〜70℃の範囲が作業性の面から適当であ
る。陰極電解電流密度は5〜100A/dm2の範囲
で充分である。処理時間は、前記処理条件の任意
の組合せにおいて、クロメート付着量が前記に示
した様に、1〜30mg/m2の範囲になる様に設定す
る。 特に、本発明においては、CrO3溶液にSO4-2
はF-イオンを上記範囲で添加し、電流密度50A/
dm2〜100A/dm2で0.2秒以下の短時間処理を行
なうのが好ましい。 この処理により、第1図に示す様に、金属Cr
層がSnメツキ層上に5〜15mg/m2析出し、その
上層に水和酸化クロムからなる二層クロムが生成
される。この水和酸化クロム層は、電解処理後の
溶液中で浸漬時間の調整或いは別に設けられた処
理タンクでの濃度の異なるCrO3-陰イオン系浴で
の溶解処理等によつてその被膜量が調整される
(第5図はクロメート電解処理条件とクロム付着
量の関係を示す図である)。 この金属Cr層の析出がSn表面上に均一に行な
われる事によつて、塗装性能の向上が著しく、特
にSnメツキ後にメルト処理を施してこれらのク
ロメート系処理を施したものが更に一段と塗装性
能の向上が著しい。 これは、容器用素材として使用される場合に、
クエン酸等の有機酸の水溶液が含有される腐食環
境では、塗膜を通して浸入してくる腐食水溶液に
対してSn金属の塗膜下での腐食の進行が比較的
著しいために、析出金属Cr層を設けて腐食水溶
液がSn金属表面に到達するのを抑制できるので
好ましい。而して、上記付着量の範囲において、
この二層型クロメート被膜における金属Cr層と
オキサイドクロム層の比が0.6≦オキサイドクロ
ム/金属クロム≦3の範囲が好ましい。 即ち、金属Cr量に比して、Cr+3クロムを主成
分とする水和酸化クロムを主体とするオキサイド
クロムの量が少ない場合、オキサイドクロムの金
属クロムに対する均一被覆性が劣るため、塗料の
密着性が劣る傾向にある。また金属Cr層に比し
てオキサイドクロム層の量が多い場合、オキサイ
ドクロム層中に含有される陰イオン、Cr+6イオン
が多くなり、塗装後高温の腐食環境に曝された場
合等にこれら陰イオンの析出により、塗膜下で微
小フクレ(所謂、ブリスター)が発生し易くなる
ので好ましくない。 従つて、オキサイドクロムと金属クロムの構成
比率を上記の如く0.6〜3倍、好ましくは1.0〜2.5
倍の範囲に設定するのが好ましい。 また、メルト処理を行なつた場合に、極微量の
Ni金属がSnメツキ層表面に拡散して析出するた
め、上記被膜構成のクロメート系処理において塗
膜の密着性向上が著しく、塗膜下腐食の進行が抑
制されるので特に好ましい、処理浴に添加される
陰イオンとしては硫酸、硫酸クロム、弗化アンモ
ン、弗化ソーダーの化合物などの形態でクロム酸
浴仲に添加される。 以下に本発明の実施例について述べる。その結
果を第1表に示す。冷間圧延もしくは焼鈍後の2
回冷間圧延により、所定の板厚に調整しためつき
原板を5%NaOH中で電解脱脂し水洗後10%H2
SO4中で電解酸洗し、表面活性化後、下地処理を
行なつた。下地処理は缶外面用に相当する面に施
こし、缶内面側に相当する面には必要に応じて行
なつた。下地処理条件は()−(イ),(ロ),(ハ)に示
す条件で各々Niめつき、(Ni−Fe)合金めつき、
(Ni−Sn)合金めつきを行なつた。尚、熱拡散処
理は冷間圧延後()−(イ),(ロ),(ハ)に示す条件で
各種下地処理を行なつた後()−(ニ)に示す焼鈍
条件で熱拡散処理を行なつたものを供した。 各下地処理後、()に示す条件でSnめつきを
施した。引き続きメルト処理を行なつたが同時に
比較例としてメルト処理を行なわなかつたものも
作製した。そして()−(A)〜(C)に示すクロメー
ト処理浴でクロメート被膜を生成させたものを作
製した。 () 下地処理条件 (イ) Niめつき下地処理 めつき浴組成 NiSO4・6H2O 250g/ NiC2・6H2O 50g/ H3BO3 25g/ めつき浴温 50℃ 電流密度 1A/dm2〜20A/dm2(電解時間は
Niめつき量に応じて調整) (ロ) (Ni−Fe)合金めつき下地処理 めつき浴組成 NiSO4・6H2O 75g/ NiC2・6H2O 140g/ FeSO4・7H2O 70〜170g/ (合金組成に対応して変更) H3BO3 40g/ めつき浴温 50℃ 電流密度 1〜30A/dm2(電解時間は(Ni−
Fe)合金めつき量に応じて調整) (ハ) (Ni−Sn)合金めつき下地処理 めつき浴組成 SnC2 50g/ NiC2・6H2O 300g/ NH4HFH2 55g/ めつき浴温 50℃ 電流密度 2〜30A/dm2(電解時間は(Ni−
Sn)合金めつき量に応じて調整) (ニ) 熱拡散処理条件 各種下地処理後、次に示す条件で熱拡散処理を
行なつた。 焼鈍温度 550℃〜700℃ 焼鈍温度 20sec〜60sec ガス雰囲気
2〜8%水素+92〜98%窒素+不可避的不純物 () Snめつき条件 めつき浴組成 硫酸錫 20〜30g/ めつき浴温 50℃ 電流密度 15〜25A/dm2 () クロメート処理浴 (A) CrO3 100g/ SO42- 0.6g/ (B) NaCr2O7 24g/ pH 4.5 (C) CrO3 80g/ SO42- 0.05g/ Na2SiF6 2.5g/ NH4F 0.5g/ 上記処理材について以下に示す(A)〜(H)の項
目について実施しその性能を評価した。 (A) 接触抵抗値の測定 シーム溶接性に大きな影響を与える接触抵抗値
をCF型電極のスポツト溶接機を用いて測定した。
測定用試験片は、塗装焼き付けを想定して205℃
×10min×3回のbakingを行ない、材料−材料界
面で缶内面側と外面側が接触するように試験片を
セツトした。 CF型電極を用いた静抵抗測定方法を以下に示
す。用いた電極はクロム銅製で先端径4.5mmφの
ものである。試験片2枚を電極間に配置し、エア
ーシリンダーにより、200Kgに加圧した状態で、
電極間に定電流発生より可変抵抗を経て1A通電
しその時の、電極間(V1)、電極・鋼板間(V
1,V3)、鋼板間(V2)の各々の電圧降下を
ナノボルトメーターで測定する事で、冷間での静
抵抗を求めた。 (B) シーム溶接性 テストピースは塗装焼き付けを想定して205℃
×10min×3個のbakingを行ない次の溶接条件で
シーム溶接性を評価した。 ラツプ代0.5mm、溶接圧力45ng,溶接スピード
420缶/minの条件で、溶接電流を変化させて、
充分な溶接強度が得られる最小溶接電流とスプラ
ツシユ等の溶接欠陥の発生が目立ち始める溶接電
流の範囲の広さ、及び溶接欠陥の発生状況を総合
的に判断して評価した。 (C) 塗膜硬度テスト 缶外面側の塗膜の傷付き程度を評価するため、
缶外面に相当する面にクリアーラツカーを40mg/
dm2塗布し180℃×10min乾燥硬化した。引き続
き各種硬度の鉛筆の芯の先端をフラツトに調整し
た後テストピースに対し45°の角度で押し当て、
50mm長さの傷付きテストを行なつた。塗膜硬度は
鉛筆の芯の硬度で評価した。 (D) ゴバン目テスト テストピースの缶内面側に相当する面にエポキ
シフエノール系塗料を55mg/dm2塗布し、205℃
×10min乾燥硬化した。更に缶外面に相当する面
にクリアラツカーを40mg/dm2塗布し、180℃×
10min乾燥硬化した。その後、各々の面に1mm間
隔でスクラツチを入れ計100個のゴバン目を作製
し、速やかにテープ剥離しその剥離状況を判定し
た。 (E) U.C.C.(アンダーカツトフイルムコロージヨ
ン)評価テスト 缶内面側に相当する面の塗装後耐食性を評価す
るため、缶内面側に相当する面に製缶用エポキシ
フエノール(フエノールリツチ)塗料を片面当り
乾燥重量として50mg/dm2となるようサンプルの
試験面に塗布し、205℃×10分焼付けを行い、更
に180℃×20分の空焼を行つた。そして塗装面に
ナイフでスクラツチを入れ、腐食液(1.5%クエ
ン酸−1.5%食塩)中に浸漬し、大気開放下で55
℃で4日間保定した後、スクラツチ部及び平面部
をテープ剥離してスクラツチ部の塗膜剥離状態、
スクラツチ部穿孔腐食状態(ピツテイング)、及
び平面部の塗膜剥離状態を判定した。 (F) 耐硫化黒変テスト 缶内面側に相当する面に(E)と同様な塗装を施し
た試片に1t曲げ加工を施し市販のサバ水煮をミキ
サーにて均一化したものの中に浸漬し、150℃×
90minのレトルト処理を行なつた。レトルト処理
後、曲げ加工部及び平板部の硫化黒変性を評価し
た。 (G) フイリフオームコージヨンテスト 缶外面側に相当する面の糸状錆性を評価するた
め缶外面側に相当する面にクリアラツカーを40
mg/dm2塗布し、180℃×10min乾燥硬化した。
引き続きナイフでスクラツチを入れ、35℃で5%
NaCの塩水噴霧を1時間行ない速やかに水洗、
乾燥後25℃で相対温度85%で2週間放置し、糸状
錆発生状況を評価した。 (H) 実缶テスト テストピースの缶内面側に相当する面にエポキ
シフエノール系塗料を55mg/dm2塗布し、205℃
×10min乾燥硬化した。更に缶外面に相当する面
にクリアーラツカーを40mg/dm2塗布し、180℃
×10minで乾燥硬化した。引き続きシーム溶接機
を用いて、缶胴を作製した後溶接部は塩ビゾル系
塗料を400mg/dm2塗布し補修を行ない、オレン
ジジユースとコーラを充填後、#25ブリキ製の缶
蓋を巻き締め38℃で12ケ月保管した。その後、内
容物を取り出し内容物中へのFe溶出量及び缶内
面側(平板部と溶接部)の腐食状況を観察評価し
た。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 (発明の効果) 以上の如く、板厚0.10〜0.18mmの鋼板素材に対
して、溶接缶の内面外面に対し各々適正な被覆層
を施した本発明は、溶接用素材として極めてすぐ
れた特性を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 鋼板厚0.10〜0.18mmのめつき原板溶接缶外相
    当面にはNi付着量が5〜100mg/m2のNi−Sn−
    Fe合金下地層、Snの付着量が500〜1200mg/m2
    Sn被覆中間層、その上に換算付着量で1〜30
    mg/m2のクロメート被膜を施し、溶接缶内相当面
    には付着量1350〜3000mg/m2のSn被覆下地層或
    いはNiの付着量が5〜100mg/m2のNi−Sn−Fe
    合金下地層と、Snの付着量が1350〜3000mg/m2
    のSn被覆中間層、その上にCr換算付着量1〜30
    mg/m2のクロメート被膜層を施した事を特徴とす
    る電気抵抗シーム溶接性、耐食性及び塗装性能に
    すぐれた溶接缶用極薄素材。
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