JPH0348377B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

この発明は一般的に云つて無段変速機に関す
る。そして特に自動車用の可変Ｖベルト型無段変
速機に関するものである。 より良い燃料効率と自動車の従来の自動変速機
の全体の大きさを小さくするため、従来の自動変
速機をより小型で、構造においてさらに簡単な可
変Ｖベルト型無段変速機（以下、単にCVTと称
する）に代えるべく数種の試みがなされている。 しかしながら、そのようなＶベルト型のCVT
は、例えば一方のブーリーのＶベルトの最大有効
径と他方のブーリーのＶベルトの最小有効径の比
あるいはその逆のようにベルト比に対応した４対
１とか５対１程度の全変速比が得られるにすぎな
い。 Ｖベルト型CVTをもつ自動車においては、し
かしながら、燃料効率とかエンジンコントロール
を考慮するとその駆動比は少なくとも９対１の比
をもつべきである。そして、上記した従来の
CVTの大部分は広い駆動比を得るため可変ベル
トに加えて補助的な可変速ギヤ機構を必要とす
る。上記した試みの一つはDOE（米国エネルギー
省）契約（DE−AC02−CS52749）に示されてい
る。このＶベルト型CVTによると、どのような
望みの駆動比（最大∞：１まで）をも得ることが
できる。しかし、この試みにおいては、ベルトに
大きな負荷がかかるために、ベルトには非常に高
い耐久性をもつことが要求される。 それゆえ、本発明の一つの目的は、補助的な可
変速ギヤ機構を設けることなく、広い駆動比を得
ることができる自動車用の改良された無段変速機
を提供することである。 本発明の他の目的の一つは、前記した従来の欠
点を取り除く自動車用無段変速機を提供すること
である。 本発明に係る自動車用の無段変速機は、入力軸
１１と、出力軸１６と、入力軸と出力軸に選択的
に結合できる第１トルク伝導ギヤ機構G₁，G₂と、
該第１トルク伝達ギヤ機構に係合可能な対向軸１
４、対向軸が１対の回転体の１つと結合し、該１
対の回転比が連続的に変化可能な可変Ｖベルトと
プーリの組合せからなる変速部材２０，３０と、
変速部材の他の軸と結合した第２トルク伝達ギヤ
機構G₃，G₄からなり、第２トルク伝達ギヤ機構
は入力軸から出力軸へのトルク伝達が第１ルート
（L₁からL₃の段階）として第１トルク伝達ギヤ機
構、対向軸、変速部材そして第２トルク伝達ギヤ
機構、そして第２ルート（H₁からH₃の段階）と
して第２トルク伝達ギヤ機構、変速部材、対向軸
そして第１トルク伝達ギヤ機構となるように入力
軸と出力軸に選択的に係合可能なものである。 本第２発明の自動車用の無段変速機は、操作に
よりエンジンに入力される入力軸１１１と、出力
軸１１８と、入力軸に荷装された第１ギヤ機構
G₅と、第１ギヤ機構に係合可能な第２ギヤ機構
G₇，G₉，G₁₁と、第２ギヤ機構に結合したチエン
機構G₁₇，１１３と、チエン機構に結合した対向
軸１１４と、対向軸が１対の回転体の１つと結合
し、該１対の回転比が連続的に変化可能な可変Ｖ
ベルトとプーリの組合せからなる変速部材２０，
３０と、変速部材の他の回転体に一端で結合した
中間軸１１２，G₁₆と、中間軸の他端に結合した
第３ギヤ機構G₈，G₁₀，G₁₂と、入力軸に荷装さ
れ第３ギヤ機構に係合可能な第４ギヤ機構G₆と、
出力軸に荷装され第３ギヤ機構、第２ギヤ機構に
選択的に係合可能な第５ギヤ機構G₁₃，G₁₄，G₁₅
からなり、第５ギヤ機構は入力軸から出力軸への
トルク伝達が第１ルート（L₁からL₃の段階）と
して第１ギヤ機構、第２ギヤ機構、チエン機構、
対向軸、変速部材、中間軸、第３ギヤ機構そして
第５ギヤ機構、そして第２ルート（H₁からH₃の
段階）として第４ギヤ機構、第３ギヤ機構、中間
軸、変速部材、対向軸、チエン機構、第２ギヤ機
構、そして第５ギヤ機構となるように入力軸と出
力軸に選択的に係合可能なものである。 なお、これらの発明においてＶベルトとプーリ
の組合せ部材としたものは一対の可変プーリとそ
れを結ぶＶベルトからなりプーリの回転比が連続
的に変化可能のものを指す。しかし本発明は、こ
のＶベルトとプーリの組合せ部材に限定されるも
のではなく、一対の回転体を含みその回転比が連
続的に変化可能な変速手段であれば、上記部材に
代えて使用することができる。このような変速手
段としては、電気式の無段変速ユニツト（例えば
ワードレオナード方式）、機械式無段変速ユニツ
ト（巻き掛け駆動方式：可変径プーリ式ベルト或
はチエーン、圧接摩擦方式：円錐面・円板面・彎
曲面・環状伝動部材・球・コロ等を組合わせ圧接
摩擦部分の半径を可変にする各種方式例えばトロ
イダルデイスク式）・静止流体式無段変速ユニツ
ト（可変容積型ポンプモータ式）を用いたものが
ある。 さて、本発明の第１実施例を参照する。数字１
０は入力軸１１に運転可能に結合された自動車の
エンジンを指す。第１の第２クラツチC₁とC₂は
入力軸１１と個々に第１ギヤG₁と中間軸１２と
を係合するために設けられている。 第１ギヤG₁は駆動チエン１３に結合され、そ
して、駆動チエン１３は対向軸１４の一方の端に
結合されている。その対向軸１４の他端は第１可
変プーリ２０に結合される。第１可変プーリ２０
は第２可変プーリ３０とともに後で詳細に説明す
る。 中間軸１２は、第４ギヤG₄とかみ合う第３ギ
ヤG₃をもつ。第４ギヤG₄は中間対向軸１５と結
合されており、該中間対向軸１５は間に設けられ
た第３クラツチC₃を介して出力軸１６と結合可
能である。出力軸１６はさらに間に設けられた第
４クラツチC₄を介して第２ギヤG₂と結合可能で
ある。 第２ギヤG₂は第１ギヤG₁とかみ合い、かつ、
出力軸１６は一対の駆動輪（図示せず）に自動車
の差動歯車機構（図示せず）を介して結合され
る。 第１可変プーリ２０は、内側に突出した軸部２
１ａをもつ外側周壁２１、外側周壁２１の軸部２
１２１ａ上を軸方向に滑動できる内側周壁２３、
そして内側周壁２３と軸突出部２２のつば２２ａ
で囲まれた圧力室２４を含む。圧力室２４は、室
内の流体圧を増大あるいは減少させるためのプー
リ駆動部材２４ａと流体的に結合する。同様に、
第２可変プーリ３０は外側に突出した軸部３１ａ
をもつ内側周壁３１、軸部３１ａ上を軸方向に滑
動可能な外側周壁３３、そして外側周壁３３と軸
突出部３２のつば３２ａとで囲まれた圧力室３４
とを含む。圧力室３４は室内の流体圧を増大ある
いは減少させるためのプーリ駆動部材２４ａに流
体的に結合される。 数字４０は二つの可変プーリ２０と３０にはめ
こまれたＶベルトを示す。Ｖベルト４０の有効ビ
ツチ径は、エンジン１０からの変動する伝導トル
クに対して、第１可変プーリ２０の内側周壁２３
と第２可変プーリ３０の外側周壁３３の滑動に応
じて連続的に変化する。 ４個のクラツチC₁からC₄は、それらの結合あ
るいは解離の操作に関しクラツチ操作部材１７で
管理される。このクラツチ操作部材は一般的に云
つて変位バルブと調圧バルブ（図示せず）を含
む。油圧ポンプＰはエンジンの回転数に応じた流
体圧を発生し、クラツチ操作部材１７とプーリ駆
動部材へ圧力を伝達する。 次の比率はこの実施例の構成要素間で規定され
る。 iC＝iBmax＝１／iBmin …(1) iG₁＝iG₂ …(2) ここで、iCはチエン１３のチエン比であり、
iBmaxはプーリ組合せ部材２０，３０における
最大ベルト比であり、iBminはプーリ組合せ部材
２０，３０における最小ベルト比であり、iG₁は
ZG₁／ZG₂のギヤ比であり、そこでＺは歯の数である。 iG₂はZG₃／ZG₄のギヤ比である。 エンジンが始動され、変速機が“Ｎ”レンヂ
（中立位置）とか“Ｐ”レンヂ（駐車位置）に変
位された時は、全ての４個のクラツチC₁−C₄は
解離の状態にある。この操作状態では入力軸１１
は空転し、トルクは伝達されない。変位レバ（図
示せず）が“Ｎ”あるいは“Ｐ”レンヂから、
“Ｐ”（低速）から“Ｈ”（高速）の全ての運動レ
ンヂを含む“Ｄ”レンヂに変位された時、クラツ
チ操作部材１７は第１と第３クラツチC₁とC₃に
圧力を供給すべく作動する。それで第１クラツチ
C₁は入力軸１１と結合し、第１ギヤG₁を回転さ
せる。この時点で、第３クラツチC₃は、そこに
供給される圧力がチエン１３、第１、第２可変プ
ーリ２０と３０そしてギヤG₃を介して増大する
中間対向軸１５におけるトルクを越えることがで
きる高い所定の値に達した時、係合されるよう設
計されている。それ故、このレンヂでは第３クラ
ツチC₃は自動車始動クラツチとして作用しつつ
滑りつつ出力軸１６と係合する。 エンジンの始動時のトルクをTE₁と仮定する
と、第１クラツチはエンジンから同じトルクを受
け、同じトルクを第１ギヤに伝える。しかしなが
ら第３クラツチは次の式に従いTO₁のトルクを受
けかつそのトルクを出力軸１６に伝える。 TO₁＝TE₁×iC×iBmax×iG₂×η …(3) ここでｈはギヤ、チエン等の全ての機械的効率
を示す。 エンジンの回転速度が増大すると、第３クラツ
チはエンジンの回転速度に増加に応じてクラツチ
操作部材１７から付加的圧力を受け、そして最後
には中間対向軸１５は出力軸１６と結合し上記し
たトルクTO₁を伝える。 第１表は、エンジンの回転数が例として2000回
転／分であるが、上記までの条件の状態は第１表
のL₁で示されている。 L₁状態はベルト比iBはプーリ操作部材２４ａ
に従つて、その最高水準（iBmax）に維持され
る。

【表】
←

0.5：1

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 入力軸と、出力軸、該入力軸と該出力軸に選
   択的に係合可能な第１トルク伝達ギヤ手段、該第
   １トルク伝達ギヤ手段に結合した対向軸、該対向
   軸が１対の回転体の１つと結合し該１対の回転体
   の回転比が連続的に変化可能な変速手段、該変速
   手段の他の軸と結合した第２トルク伝達ギヤ手段
   からなり、該第２トルク伝達ギヤ手段は該入力軸
   から該出力軸へのトルク伝達が第１ルートとして
   該第１トルク伝達ギヤ手段、該対向軸、該変速手
   段そして該第２トルク伝達ギヤ手段、そして第２
   ルートとして該第２トルク伝達ギヤ手段、該変速
   手段、該対向軸そして該第１トルク伝達ギヤ手段
   となるように該入力軸と該出力軸に選択的に結合
   可能なものであることを特徴とする無段変速機。 ２ 変速手段は１対の可変プーリとＶベルトから
   なるＶベルトプーリ組合せ部材である特許請求の
   範囲第１項記載の無段変速機。 ３ 第１トルク伝達ギヤ手段は第１ギヤ、第２ギ
   ヤそれに該第１ギヤと第２ギヤに結合したチエン
   とよりなる特許請求の範囲第２項記載の無段変速
   機。 ４ 第１ギヤと入力軸とを結合する第１クラツチ
   手段を有し、そこではチエンが第１ギヤおよび対
   向軸の一端に結合し、そして第２ギヤが第１ギヤ
   に結合し出力軸に結合可能である特許請求の範囲
   第３項記載の無段変速機。 ５ 第２トルク伝達ギヤ手段は、一端がＶベルト
   プーリ組合せ部材の他の可変プーリと結合した中
   間軸、該中間軸に荷装された第３ギヤそれに該第
   ３ギヤに結合され出力軸に結合可能な第４ギヤを
   含む特許請求の範囲第４項記載の無段変速機。 ６ 入力軸と中間軸の他端とを係合するための第
   ２クラツチ手段、出力軸と第４ギヤを係合するた
   めの第３クラツチ手段そして出力軸と第２ギヤを
   係合するための第４クラツチ手段を含む特許請求
   の範囲第５項記載の無段変速機。 ７ 第１クラツチ手段、第２クラツチ手段、第３
   クラツチ手段および第４クラツチ手段を駆動する
   クラツチ駆動部材を含む特許請求の範囲第６項記
   載の無段変速機。 ８ 入力軸と、出力軸と、該入力軸に荷装された
   第１ギヤ手段と、該第１ギヤ手段に係合可能な第
   ２ギヤ手段と、該第２ギヤ手段に結合したチエン
   手段と、該チエン手段に結合した対向軸と、該対
   向軸が１対の回転体の１つと結合し、該１対の回
   転比が連続的に変化可能な変速手段と、該変速手
   段の他の回転体に一端で結合した中間軸と、該中
   間軸の他端に結合した第３ギヤ手段と、該入力軸
   に荷装され該第３ギヤ手段に係合可能な第４ギヤ
   手段と、該出力軸に荷装され該第３ギヤ手段、該
   第２ギヤ手段に選択的に係合可能な第５ギヤ手段
   からなり、該第５ギヤ手段は該入力軸から該出力
   軸へのトルク伝達が第１ルートとして該第１ギヤ
   手段、該第２ギヤ手段、該チエン手段、該対向
   軸、該変速手段、該中間軸、該第３ギヤ手段そし
   て該第５ギヤ手段、そして第２ルートとして該第
   ４ギヤ手段、該第３ギヤ手段、該中間軸、該変速
   手段、該対向軸、該チエン手段、該第２ギヤ手
   段、そして該第５ギヤ手段となるように該入力軸
   と該出力軸に選択的に係合可能なものであること
   を特徴とする無段変速機。 ９ 変速手段は１対の可変プーリとＶベルトから
   なるＶベルトプーリ組合せ部材である特許請求の
   範囲第８項記載の無段変速機。 １０ 第５ギヤ手段を、第２ギヤ手段または第３
   ギヤ手段に選択的に係合すべく、該第２ギヤ手段
   と該第３ギヤ手段とを連結する軸を変位するソレ
   ノイドバルブを含む特許請求の範囲第８項記載の
   無段変速機。