JPH0144144B2 - - Google Patents
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- JPH0144144B2 JPH0144144B2 JP58144921A JP14492183A JPH0144144B2 JP H0144144 B2 JPH0144144 B2 JP H0144144B2 JP 58144921 A JP58144921 A JP 58144921A JP 14492183 A JP14492183 A JP 14492183A JP H0144144 B2 JPH0144144 B2 JP H0144144B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thermoplastic resin
- fiber bundle
- reinforcing fiber
- frtp
- temperature
- Prior art date
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- Moulding By Coating Moulds (AREA)
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
この発明は、長尺の繊維補強熱可塑性樹脂を連
続的に製造する方法に関する。
続的に製造する方法に関する。
(従来の技術)
炭素繊維やガラス繊維等の補強繊維でナイロン
やポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂
を補強してなる繊維補強熱可塑性樹脂(以下、
FRTPという)は、補強繊維に由来する優れた力
学的特性と、熱可塑性樹脂に由来する優れた成形
性、熱融着性、リサイクル性や、補修の容易性等
とを兼ね備えた材料として、いろいろな分野で注
目されている。なかでも、長い、連続した補強繊
維を使用した長尺FRTPは、短い補強繊維を使用
したものにくらべて力学的特性が優れており、ま
た、切断してチツプ等の成形材料とすることもで
きるなどの利点があるため、近年、特に期待され
ている。しかしながら、そのような長尺FRTPの
製造は、短い補強繊維を使用して製造するときの
ように、混合操作等によつて補強繊維と熱可塑性
樹脂とを複合する方法を採ることができないこと
もあつて、なかなか難しい。
やポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂
を補強してなる繊維補強熱可塑性樹脂(以下、
FRTPという)は、補強繊維に由来する優れた力
学的特性と、熱可塑性樹脂に由来する優れた成形
性、熱融着性、リサイクル性や、補修の容易性等
とを兼ね備えた材料として、いろいろな分野で注
目されている。なかでも、長い、連続した補強繊
維を使用した長尺FRTPは、短い補強繊維を使用
したものにくらべて力学的特性が優れており、ま
た、切断してチツプ等の成形材料とすることもで
きるなどの利点があるため、近年、特に期待され
ている。しかしながら、そのような長尺FRTPの
製造は、短い補強繊維を使用して製造するときの
ように、混合操作等によつて補強繊維と熱可塑性
樹脂とを複合する方法を採ることができないこと
もあつて、なかなか難しい。
すなわち、長尺FRTPは、補強繊維束をクロス
ヘツド押出機に通して熱可塑性樹脂を含浸した
後、ダイを通して引き抜いたり(米国特許第
3993726号明細書)、補強繊維束を溶融熱可塑性樹
脂に浸漬、走行させて濡らした後、ダイを通して
引き抜いたり(特開昭57−181852号公報)するこ
とによつて製造しているが、前者の方法によるも
のは、力学的特性の一つである曲げ強度が期待さ
れる値にくらべてかなり低いとされており、ま
た、後者の方法は、溶融粘度が300ポアズ以下の、
比較的低い溶融粘度をもつ熱可塑性樹脂に対して
のみ有効であるとされていて、汎用性のある方法
とはいえない。
ヘツド押出機に通して熱可塑性樹脂を含浸した
後、ダイを通して引き抜いたり(米国特許第
3993726号明細書)、補強繊維束を溶融熱可塑性樹
脂に浸漬、走行させて濡らした後、ダイを通して
引き抜いたり(特開昭57−181852号公報)するこ
とによつて製造しているが、前者の方法によるも
のは、力学的特性の一つである曲げ強度が期待さ
れる値にくらべてかなり低いとされており、ま
た、後者の方法は、溶融粘度が300ポアズ以下の、
比較的低い溶融粘度をもつ熱可塑性樹脂に対して
のみ有効であるとされていて、汎用性のある方法
とはいえない。
一方、溶融粘度が300ポアズを超えるような高
溶融粘度の熱可塑性樹脂に対しては、熱可塑性樹
脂を溶媒で希釈して使用する方法が提案されてい
る。この方法は、一般に湿式含浸法とか、溶液含
浸法とか呼ばれる方法であるが、溶媒の除去工程
が煩雑であり、また、作業環境が悪くなるといつ
た問題がある。
溶融粘度の熱可塑性樹脂に対しては、熱可塑性樹
脂を溶媒で希釈して使用する方法が提案されてい
る。この方法は、一般に湿式含浸法とか、溶液含
浸法とか呼ばれる方法であるが、溶媒の除去工程
が煩雑であり、また、作業環境が悪くなるといつ
た問題がある。
(発明が解決しようとする課題)
この発明の目的は、従来の方法の上述した問題
点を解決し、期待される力学的特性に極めて近
い、優れた特性をもつ長尺FRTPを、効率よく製
造する方法を提供するにある。
点を解決し、期待される力学的特性に極めて近
い、優れた特性をもつ長尺FRTPを、効率よく製
造する方法を提供するにある。
(課題を解決するための手段)
上記目的を達成するために、この発明は、補強
繊維束を連続的に走行させながら溶融熱可塑性樹
脂と接触させ、その補強繊維束に熱可塑性樹脂を
付着せしめる工程と、熱可塑性樹脂が付着してい
る補強繊維束を、張力下に、上記熱可塑性樹脂が
溶融粘度200〜20000ポアズの範囲になる温度に維
持された加熱領域と軟化点温度未満になる温度に
維持された冷却領域とを有する一対の無端ベルト
間に導き、その加熱領域において、一対の上記無
端ベルトによる押圧力を利用して、熱可塑性樹脂
が付着している上記補強繊維束をその太さまたは
厚みが20〜80%の範囲になるように圧縮して補強
繊維束に熱可塑性樹脂を含浸し、そのまま冷却領
域に通して熱可塑性樹脂を固化せしめる工程とを
含む、繊維補強熱可塑性樹脂の製造方法を提供す
る。
繊維束を連続的に走行させながら溶融熱可塑性樹
脂と接触させ、その補強繊維束に熱可塑性樹脂を
付着せしめる工程と、熱可塑性樹脂が付着してい
る補強繊維束を、張力下に、上記熱可塑性樹脂が
溶融粘度200〜20000ポアズの範囲になる温度に維
持された加熱領域と軟化点温度未満になる温度に
維持された冷却領域とを有する一対の無端ベルト
間に導き、その加熱領域において、一対の上記無
端ベルトによる押圧力を利用して、熱可塑性樹脂
が付着している上記補強繊維束をその太さまたは
厚みが20〜80%の範囲になるように圧縮して補強
繊維束に熱可塑性樹脂を含浸し、そのまま冷却領
域に通して熱可塑性樹脂を固化せしめる工程とを
含む、繊維補強熱可塑性樹脂の製造方法を提供す
る。
この発明をさらに詳細に説明するに、この発明
においては、まず、補強繊維束を連続的に走行さ
せながら溶融熱可塑性樹脂と接触させ、その補強
繊維束に熱可塑性樹脂を付着せしめる。
においては、まず、補強繊維束を連続的に走行さ
せながら溶融熱可塑性樹脂と接触させ、その補強
繊維束に熱可塑性樹脂を付着せしめる。
補強繊維束は、炭素繊維、ガラス繊維、芳香族
ポリアミド繊維等の高強度、高弾性率補強繊維か
らなる、いわゆるストランドである。単糸数は、
補強繊維の種類等にもよるが、通常、1000〜
30000本程度である。これらの補強繊維は、組み
合わせて使用することも可能である。また、溶融
熱可塑性樹脂に対する濡れ性を向上させるため
に、公知の各種の表面処理を施しておくこともで
きる。
ポリアミド繊維等の高強度、高弾性率補強繊維か
らなる、いわゆるストランドである。単糸数は、
補強繊維の種類等にもよるが、通常、1000〜
30000本程度である。これらの補強繊維は、組み
合わせて使用することも可能である。また、溶融
熱可塑性樹脂に対する濡れ性を向上させるため
に、公知の各種の表面処理を施しておくこともで
きる。
補強繊維束は、撚をもたないか、もつていても
極く少ないのが好ましい。すなわち、撚をもつて
いると、取扱い性は向上するものの、単糸同士の
交絡ができることから、FRTPにしたときにその
交絡点が破壊の起点になりやすく、FRTPの、強
度や弾性率等の力学的特性が低くなることがあ
る。また、撚数が多いと、後の工程における、熱
可塑性樹脂の含浸が十分に行われなくなつて、や
はり力学的特性が低下することがある。さらに、
撚があると、撚がない場合にくらべて、補強繊維
の特性の発現の程度が低くなる。
極く少ないのが好ましい。すなわち、撚をもつて
いると、取扱い性は向上するものの、単糸同士の
交絡ができることから、FRTPにしたときにその
交絡点が破壊の起点になりやすく、FRTPの、強
度や弾性率等の力学的特性が低くなることがあ
る。また、撚数が多いと、後の工程における、熱
可塑性樹脂の含浸が十分に行われなくなつて、や
はり力学的特性が低下することがある。さらに、
撚があると、撚がない場合にくらべて、補強繊維
の特性の発現の程度が低くなる。
補強繊維束の溶融熱可塑性樹脂との接触は、た
だ1本で行つてもよく、互いに並行かつテープ状
またはシート状に引き揃えて行つてもよい。ま
た、溶融熱可塑性樹脂と接触させた後に互いに並
行かつテープ状またはシート状に引き揃えてもよ
い。さらに、引き揃える場合、互いに離して引き
揃えても、接触するように引き揃えてもよい。互
いに離して引き揃えれば線状のFRTPが得られる
し、接触するように引き揃えればテープ状または
シート状のFRTPが得られる。
だ1本で行つてもよく、互いに並行かつテープ状
またはシート状に引き揃えて行つてもよい。ま
た、溶融熱可塑性樹脂と接触させた後に互いに並
行かつテープ状またはシート状に引き揃えてもよ
い。さらに、引き揃える場合、互いに離して引き
揃えても、接触するように引き揃えてもよい。互
いに離して引き揃えれば線状のFRTPが得られる
し、接触するように引き揃えればテープ状または
シート状のFRTPが得られる。
一方、熱可塑性樹脂は、ナイロン6、ナイロン
66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナ
イロン612等のナイロンや、これらナイロンの共
重合ナイロンや、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル
や、これらポリエステルの共重合ポリエステル
や、ポリビスフエノールAカーボネート等のポリ
カーボネートや、ポリアミドイミドや、ポリエー
テルアミドや、ポリエーテルイミドや、ポリフエ
ニレンスルフイドや、ポリフエニレンオキシド
や、ポリスルホンや、ポリエーテルスルホンや、
ポリエーテルエーテルケトンのようなものであ
る。
66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナ
イロン612等のナイロンや、これらナイロンの共
重合ナイロンや、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル
や、これらポリエステルの共重合ポリエステル
や、ポリビスフエノールAカーボネート等のポリ
カーボネートや、ポリアミドイミドや、ポリエー
テルアミドや、ポリエーテルイミドや、ポリフエ
ニレンスルフイドや、ポリフエニレンオキシド
や、ポリスルホンや、ポリエーテルスルホンや、
ポリエーテルエーテルケトンのようなものであ
る。
上述した熱可塑性樹脂には、FRTPの用途等に
応じて、各種の添加剤、たとえば、耐熱剤、耐候
剤、紫外線劣化防止剤、帯電防止剤、滑剤、離型
剤、染料、顔料、難燃剤、結晶化促進剤を添加し
ておくことができる。
応じて、各種の添加剤、たとえば、耐熱剤、耐候
剤、紫外線劣化防止剤、帯電防止剤、滑剤、離型
剤、染料、顔料、難燃剤、結晶化促進剤を添加し
ておくことができる。
補強繊維束を連続的に走行させながら溶融熱可
塑性樹脂と接触させ、熱可塑性樹脂を付着させる
には、たとえば、溶融熱可塑性樹脂に補強繊維束
を浸漬して通す方法や、コーテング用ダイに補強
繊維束を通す方法や、ダイを用いて補強繊維束の
周りに溶融熱可塑性樹脂を押し出す方法によるこ
とができる。補強繊維束が溶融熱可塑性樹脂と接
触すると、その周りに熱可塑性樹脂が付着する。
一部は内部に浸透して付着する。付着させる熱可
塑性樹脂量は、用途等にもよるが、通常、得られ
るFRTP中における補強繊維含有率が10〜70体積
%の範囲になるようにする。
塑性樹脂と接触させ、熱可塑性樹脂を付着させる
には、たとえば、溶融熱可塑性樹脂に補強繊維束
を浸漬して通す方法や、コーテング用ダイに補強
繊維束を通す方法や、ダイを用いて補強繊維束の
周りに溶融熱可塑性樹脂を押し出す方法によるこ
とができる。補強繊維束が溶融熱可塑性樹脂と接
触すると、その周りに熱可塑性樹脂が付着する。
一部は内部に浸透して付着する。付着させる熱可
塑性樹脂量は、用途等にもよるが、通常、得られ
るFRTP中における補強繊維含有率が10〜70体積
%の範囲になるようにする。
この発明においては、次に、上述した工程で得
られた、熱可塑性樹脂が付着している補強繊維束
を、張力下に、熱可塑性樹脂が溶融粘度200〜
20000ポアズの範囲になる温度に維持された加熱
領域と軟化点温度未満になる温度に維持された冷
却領域とをこの順序で有する一対の無端ベルト間
に導き、その加熱領域において、一対の無端ベル
トによる押圧力を利用して、熱可塑性樹脂が付着
している補強繊維束をその太さまたは厚みが20〜
80%の範囲になるように圧縮して補強繊維束に熱
可塑性樹脂を含浸し、そのまま冷却領域に通して
熱可塑性樹脂を固化せしめる。
られた、熱可塑性樹脂が付着している補強繊維束
を、張力下に、熱可塑性樹脂が溶融粘度200〜
20000ポアズの範囲になる温度に維持された加熱
領域と軟化点温度未満になる温度に維持された冷
却領域とをこの順序で有する一対の無端ベルト間
に導き、その加熱領域において、一対の無端ベル
トによる押圧力を利用して、熱可塑性樹脂が付着
している補強繊維束をその太さまたは厚みが20〜
80%の範囲になるように圧縮して補強繊維束に熱
可塑性樹脂を含浸し、そのまま冷却領域に通して
熱可塑性樹脂を固化せしめる。
補強繊維束に加える張力は、熱可塑性樹脂の含
浸性が阻害されることがないように、低いが、し
かし、各単糸が一方向に引き揃えられた形態を維
持し得るには十分な張力である。
浸性が阻害されることがないように、低いが、し
かし、各単糸が一方向に引き揃えられた形態を維
持し得るには十分な張力である。
無端ベルトは、複数のロール間、たとえば2個
のロール間に、ステンレススチール等の金属から
なる平ベルトを張架してなるもので、この発明に
おいては、そのような無端ベルトを上下に対に配
置して使用する。平ベルトには、フツ素系等の離
型剤を塗布しておくのが好ましい。
のロール間に、ステンレススチール等の金属から
なる平ベルトを張架してなるもので、この発明に
おいては、そのような無端ベルトを上下に対に配
置して使用する。平ベルトには、フツ素系等の離
型剤を塗布しておくのが好ましい。
一対の無端ベルトは、熱可塑性樹脂が付着して
いる補強繊維束が導かれてくる側に加熱領域を有
し、それと反対側に冷却領域を有する。そうし
て、加熱領域は、補強繊維束に付着している熱可
塑性樹脂が、溶融粘度200〜20000ポアズ、好まし
くは350〜15000ポアズの範囲になる温度に維持す
る。上限は、当然のことながら、熱可塑性樹脂が
分解してしまわない温度である。
いる補強繊維束が導かれてくる側に加熱領域を有
し、それと反対側に冷却領域を有する。そうし
て、加熱領域は、補強繊維束に付着している熱可
塑性樹脂が、溶融粘度200〜20000ポアズ、好まし
くは350〜15000ポアズの範囲になる温度に維持す
る。上限は、当然のことながら、熱可塑性樹脂が
分解してしまわない温度である。
加熱領域における温度が、熱可塑性樹脂が溶融
粘度200ポアズ未満になるような温度であると、
補強繊維束に熱可塑性樹脂を含浸するときに気泡
が抜けきらず、FRTP中に多数の微細なボイドが
生成されるようになつて、それが破壊の起点にな
るために、FRTPは力学的特性が著しく低いもの
となる。一方、20000ポアズを超えるような温度
では、補強繊維束への熱可塑性樹脂の含浸性が大
きく低下し、やはり力学的特性に優れたFRTPを
得ることができなくなる。ここで、溶融粘度は、
比較的低い剪断速度の下で測定する。近似的に
は、直径0.5mm、長さ1mmのダイを使用した毛管
粘度計を用い、ニユートン粘度を仮定して、剪断
速度が50〜500sec-1の範囲で求めるとよい。
粘度200ポアズ未満になるような温度であると、
補強繊維束に熱可塑性樹脂を含浸するときに気泡
が抜けきらず、FRTP中に多数の微細なボイドが
生成されるようになつて、それが破壊の起点にな
るために、FRTPは力学的特性が著しく低いもの
となる。一方、20000ポアズを超えるような温度
では、補強繊維束への熱可塑性樹脂の含浸性が大
きく低下し、やはり力学的特性に優れたFRTPを
得ることができなくなる。ここで、溶融粘度は、
比較的低い剪断速度の下で測定する。近似的に
は、直径0.5mm、長さ1mmのダイを使用した毛管
粘度計を用い、ニユートン粘度を仮定して、剪断
速度が50〜500sec-1の範囲で求めるとよい。
一方、冷却領域は、熱可塑性樹脂が軟化点温度
未満になる温度に維持する。ここで、軟化点温度
とは、結晶性の熱可塑性樹脂では結晶の融解温度
であり、非結晶性の熱可塑性樹脂ではガラス転移
温度である。
未満になる温度に維持する。ここで、軟化点温度
とは、結晶性の熱可塑性樹脂では結晶の融解温度
であり、非結晶性の熱可塑性樹脂ではガラス転移
温度である。
かかる加熱領域や冷却領域は、たとえば、平ベ
ルトが張架される、熱可塑性樹脂が付着している
補強繊維束が導かれてくる側のロールを温度制御
可能なホツトロールとし、反対側のロールを水冷
ロールとすることによつて容易に形成することが
できる。
ルトが張架される、熱可塑性樹脂が付着している
補強繊維束が導かれてくる側のロールを温度制御
可能なホツトロールとし、反対側のロールを水冷
ロールとすることによつて容易に形成することが
できる。
さて、加熱領域においては、上述したように一
対の無端ベルト間による押圧力を利用して、熱可
塑性樹脂が付着している補強繊維束をその太さま
たは厚みが20〜80%の範囲になるように圧縮して
補強繊維束に熱可塑性樹脂を含浸する。すなわ
ち、この加熱領域は、熱可塑性樹脂が溶融粘度
200〜20000ポアズの範囲になる温度に維持されて
いるから、熱可塑性樹脂が付着している補強繊維
束がこの加熱領域を通ると、熱可塑性樹脂は軟化
または溶融して流動し、一対の無端ベルトによつ
て与えられる押圧力によつて補強繊維束の内部に
入り込む。すなわち、含浸される。この工程にお
いて、熱可塑性樹脂が付着している補強繊維束の
圧縮が80%に満たないと、熱可塑性樹脂の含浸が
十分に行われず、補強繊維束中に熱可塑性樹脂が
存在しない部分ができて、得られるFRTPは力学
的特性が大変低いものとなる。また、20%よりも
大きく圧縮すると、補強繊維束を構成している単
糸の方向が乱れたり、いわゆる単糸切れを起こし
たりして、やはり力学的特性に優れたFRTPを得
ることができなくなる。
対の無端ベルト間による押圧力を利用して、熱可
塑性樹脂が付着している補強繊維束をその太さま
たは厚みが20〜80%の範囲になるように圧縮して
補強繊維束に熱可塑性樹脂を含浸する。すなわ
ち、この加熱領域は、熱可塑性樹脂が溶融粘度
200〜20000ポアズの範囲になる温度に維持されて
いるから、熱可塑性樹脂が付着している補強繊維
束がこの加熱領域を通ると、熱可塑性樹脂は軟化
または溶融して流動し、一対の無端ベルトによつ
て与えられる押圧力によつて補強繊維束の内部に
入り込む。すなわち、含浸される。この工程にお
いて、熱可塑性樹脂が付着している補強繊維束の
圧縮が80%に満たないと、熱可塑性樹脂の含浸が
十分に行われず、補強繊維束中に熱可塑性樹脂が
存在しない部分ができて、得られるFRTPは力学
的特性が大変低いものとなる。また、20%よりも
大きく圧縮すると、補強繊維束を構成している単
糸の方向が乱れたり、いわゆる単糸切れを起こし
たりして、やはり力学的特性に優れたFRTPを得
ることができなくなる。
一方、冷却領域は、熱可塑性樹脂の軟化点温度
未満になる温度に維持されているから、加熱領域
で軟化または溶融し、流動した熱可塑性樹脂は固
化する。
未満になる温度に維持されているから、加熱領域
で軟化または溶融し、流動した熱可塑性樹脂は固
化する。
かくして、FRTPが得られる。得られたFRTP
は、引取ロール等を用いて無端ベルトから引き出
す。引き出したFRTPは、そのまま成形工程等に
移送することもできるし、紙管やプラスチツク管
等に巻き取つて保管することもできる。また、適
宜の長さに切断して、射出成形等に使用するチツ
プとすることもできる。
は、引取ロール等を用いて無端ベルトから引き出
す。引き出したFRTPは、そのまま成形工程等に
移送することもできるし、紙管やプラスチツク管
等に巻き取つて保管することもできる。また、適
宜の長さに切断して、射出成形等に使用するチツ
プとすることもできる。
以上において説明した工程は、切り離された全
く別の工程として実施することができないわけで
はないけれども、通常は、連続して実施する。そ
うして、補強繊維束に熱可塑性樹脂を付着せしめ
る方法や、無端ベルトの長さ等、いろいろな条件
によるものの、0.1〜10m/分程度の速度で
FRTPを製造することができる。
く別の工程として実施することができないわけで
はないけれども、通常は、連続して実施する。そ
うして、補強繊維束に熱可塑性樹脂を付着せしめ
る方法や、無端ベルトの長さ等、いろいろな条件
によるものの、0.1〜10m/分程度の速度で
FRTPを製造することができる。
(実施例)
実施例 1
東レ社製炭素繊維束“トレカ”T300(平均単糸
径:7μm、単糸数:3000本)と、米国フイリツ
プスペトロウリアム社製ポリフエニレンサルフア
イド(310℃における溶融粘度:1500ポアズ)と
からなる線状FRTPを製造した。
径:7μm、単糸数:3000本)と、米国フイリツ
プスペトロウリアム社製ポリフエニレンサルフア
イド(310℃における溶融粘度:1500ポアズ)と
からなる線状FRTPを製造した。
すなわち、図面に示すように、複数本の、互い
に間隔をおいて並行する炭素繊維束1を、連続的
に、押出機2から溶融ポリフエニルサルフアイド
(温度:310℃)が供給されている樹脂浴3に通し
てその溶融ポリフエニルサルフアイドと接触させ
た後、ダイ(直径:1mm)4を通して引き出し、
太さが約0.7mmの、周りにポリフエニレンサルフ
アイドが付着している炭素繊維束5を得た。
に間隔をおいて並行する炭素繊維束1を、連続的
に、押出機2から溶融ポリフエニルサルフアイド
(温度:310℃)が供給されている樹脂浴3に通し
てその溶融ポリフエニルサルフアイドと接触させ
た後、ダイ(直径:1mm)4を通して引き出し、
太さが約0.7mmの、周りにポリフエニレンサルフ
アイドが付着している炭素繊維束5を得た。
次に、ポリフエニレンサルフアイドが付着して
いる炭素繊維束5を、その移送方向に沿つて、
310±5℃に維持された加熱領域と、220±5℃に
維持された加熱領域とを有する、上下一対の無端
ベルト6,7間に連続的に導いた。無端ベルト6
は、ホツトロール6aと水冷ロール6bとの間に
ステンレススチール製の平ベルト6cを張架して
なる。無端ベルト7も、同様に、ホツトロール7
aと水冷ロール7bとの間にステンレススチール
製の平ベルト7cを張架してなるものである。両
無端ベルトとも、ホツトロールと水冷ロールとの
軸間距離は2000mmであり、かつ、無端ベルト6と
7とを、平ベルト6cと7cとの間〓が0.3mmに
なるように配置している。
いる炭素繊維束5を、その移送方向に沿つて、
310±5℃に維持された加熱領域と、220±5℃に
維持された加熱領域とを有する、上下一対の無端
ベルト6,7間に連続的に導いた。無端ベルト6
は、ホツトロール6aと水冷ロール6bとの間に
ステンレススチール製の平ベルト6cを張架して
なる。無端ベルト7も、同様に、ホツトロール7
aと水冷ロール7bとの間にステンレススチール
製の平ベルト7cを張架してなるものである。両
無端ベルトとも、ホツトロールと水冷ロールとの
軸間距離は2000mmであり、かつ、無端ベルト6と
7とを、平ベルト6cと7cとの間〓が0.3mmに
なるように配置している。
無端ベルト6,7間に導いた、ポリフエニレン
サルフアイドが付着している炭素繊維束5は、加
熱領域を通るときにポリフエニレンサルフアイド
が溶融せしめられ、同時に、無端ベルト6,7の
平ベルト6c,7cの押圧力によつて太さが0.3
mmになるように圧縮されてポリフエニレンサルフ
アイドが炭素繊維束に含浸され、さらに、冷却領
域でポリフエニレンサルフアイドが固化された。
かくして、炭素繊維とポリフエニレンサルフアイ
ドとからなる線状のFRTP8が得られた。得られ
たFRTP8は、2個一対のゴム製ロール9a,9
bからなる引取ロール10によつて引き取つた。
サルフアイドが付着している炭素繊維束5は、加
熱領域を通るときにポリフエニレンサルフアイド
が溶融せしめられ、同時に、無端ベルト6,7の
平ベルト6c,7cの押圧力によつて太さが0.3
mmになるように圧縮されてポリフエニレンサルフ
アイドが炭素繊維束に含浸され、さらに、冷却領
域でポリフエニレンサルフアイドが固化された。
かくして、炭素繊維とポリフエニレンサルフアイ
ドとからなる線状のFRTP8が得られた。得られ
たFRTP8は、2個一対のゴム製ロール9a,9
bからなる引取ロール10によつて引き取つた。
得られたFRTPは、炭素繊維含有率が約50体積
%であつた。また、横断面を光学顕微鏡で観察し
たところ、炭素繊維とポリフエニレンサルフアイ
ドとが完全に一体化しており、ボイド等は認めら
れなかつた。さらに、曲げ試験をしたところ、曲
げ強度は160Kg/mm2、曲げ弾性率は10.5ton/mm2で
あつた。期待される曲げ強度や曲げ弾性率の目安
は、炭素繊維の引張強度や引張弾性率とその体積
含有率との積で与えられるが、その目安に対し、
曲げ強度、曲げ弾性率ともに約90%に達してい
て、この方法によるFRTPは、期待される力学的
特性に極めて近い性質をもつていることがわか
る。
%であつた。また、横断面を光学顕微鏡で観察し
たところ、炭素繊維とポリフエニレンサルフアイ
ドとが完全に一体化しており、ボイド等は認めら
れなかつた。さらに、曲げ試験をしたところ、曲
げ強度は160Kg/mm2、曲げ弾性率は10.5ton/mm2で
あつた。期待される曲げ強度や曲げ弾性率の目安
は、炭素繊維の引張強度や引張弾性率とその体積
含有率との積で与えられるが、その目安に対し、
曲げ強度、曲げ弾性率ともに約90%に達してい
て、この方法によるFRTPは、期待される力学的
特性に極めて近い性質をもつていることがわか
る。
実施例 2
ポリフエニレンサルフアイドに代えて、東レ社
製ポリブチレンテレフタレート(275℃における
溶融粘度:1000ポアズ)を用いたほかは実施例1
と同様にして、線状FRTPを得た。ただし、樹脂
浴3における溶融ポリブチレンテレフタレートの
温度は260℃とし、無端ベルト6,7の加熱領域
における温度は275℃とした。
製ポリブチレンテレフタレート(275℃における
溶融粘度:1000ポアズ)を用いたほかは実施例1
と同様にして、線状FRTPを得た。ただし、樹脂
浴3における溶融ポリブチレンテレフタレートの
温度は260℃とし、無端ベルト6,7の加熱領域
における温度は275℃とした。
得られたFRTPは、炭素繊維含有率が約60体積
%であつた。また、横断面を光学顕微鏡で観察し
たところ、やはり炭素繊維とポリブチレンテレフ
タレートとが完全に一体化しており、ボイド等は
認められなかつた。さらに、実施例1と同様に曲
げ試験をしたところ、曲げ弾性率は13ton/mm2で
あり、期待される値の約93%であつた。
%であつた。また、横断面を光学顕微鏡で観察し
たところ、やはり炭素繊維とポリブチレンテレフ
タレートとが完全に一体化しており、ボイド等は
認められなかつた。さらに、実施例1と同様に曲
げ試験をしたところ、曲げ弾性率は13ton/mm2で
あり、期待される値の約93%であつた。
実施例 3
ポリフエニレンサルフアイドに代えて、英国
ICI社製ポリエーテルスルホン(420℃における溶
融粘度:2000ポアズ)を用いたほかは実施例1と
同様にして、線状FRTPを得た。ただし、樹脂浴
3における溶融ポリエーテルスルホンの温度は
400℃とし、無端ベルト6,7の加熱領域におけ
る温度は420℃とした。
ICI社製ポリエーテルスルホン(420℃における溶
融粘度:2000ポアズ)を用いたほかは実施例1と
同様にして、線状FRTPを得た。ただし、樹脂浴
3における溶融ポリエーテルスルホンの温度は
400℃とし、無端ベルト6,7の加熱領域におけ
る温度は420℃とした。
得られたFRTPは、炭素繊維含有率が約45体積
%であつた。また、横断面を光学的顕微鏡で観察
したところ、やはり炭素繊維とポリエーテルスル
ホンとが完全に一体化しており、ボイド等は認め
られなかつた。さらに、実施例1と同様に曲げ試
験をしたところ、曲げ弾性率は9ton/mm2であり、
期待される値の約85%であつた。
%であつた。また、横断面を光学的顕微鏡で観察
したところ、やはり炭素繊維とポリエーテルスル
ホンとが完全に一体化しており、ボイド等は認め
られなかつた。さらに、実施例1と同様に曲げ試
験をしたところ、曲げ弾性率は9ton/mm2であり、
期待される値の約85%であつた。
実施例 4
ポリフエニレンサルフアイドに代えて、英国
ICI社製ポリエーテルエーテルケトン(420℃にお
ける溶融粘度:5000ポアズ)を用いたほかは実施
例1と同様にして、線状FRTPを得た。ただし、
樹脂浴3における溶融ポリエーテルエーテルケト
ンの温度は400℃とし、無端ベルト6,7の加熱
領域における温度は420℃とした。
ICI社製ポリエーテルエーテルケトン(420℃にお
ける溶融粘度:5000ポアズ)を用いたほかは実施
例1と同様にして、線状FRTPを得た。ただし、
樹脂浴3における溶融ポリエーテルエーテルケト
ンの温度は400℃とし、無端ベルト6,7の加熱
領域における温度は420℃とした。
得られたFRTPは、炭素繊維含有率が約40体積
%であつた。また、横断面を光学顕微鏡で観察し
たところ、やはり炭素繊維とポリエーテルエーテ
ルケトンとが完全に一体化しており、ボイド等は
認められなかつた。さらに、実施例1と同様に曲
げ試験をしたところ、曲げ弾性率は8.1ton/mm2で
あり、期待される値の約86%であつた。
%であつた。また、横断面を光学顕微鏡で観察し
たところ、やはり炭素繊維とポリエーテルエーテ
ルケトンとが完全に一体化しており、ボイド等は
認められなかつた。さらに、実施例1と同様に曲
げ試験をしたところ、曲げ弾性率は8.1ton/mm2で
あり、期待される値の約86%であつた。
実施例 5
実施例1と同様にして得た、ポリフエニレンサ
ルフアイドが付着している炭素繊維束を、互いに
接するように並べて無端ベルトに導いた。以下、
実施例1と同様にして、厚みが0.2mm、幅が40mm
のテープ状FRTPを得た。
ルフアイドが付着している炭素繊維束を、互いに
接するように並べて無端ベルトに導いた。以下、
実施例1と同様にして、厚みが0.2mm、幅が40mm
のテープ状FRTPを得た。
得られたFRTPは、炭素繊維含有率が約50体積
%であつた。また、横断面を光学顕微鏡で観察し
たところ、やはり炭素繊維とポリフエニレンサル
フアイドとが完全に一体化しており、ボイドは認
められず、炭素繊維の配列も乱れていなかつた。
%であつた。また、横断面を光学顕微鏡で観察し
たところ、やはり炭素繊維とポリフエニレンサル
フアイドとが完全に一体化しており、ボイドは認
められず、炭素繊維の配列も乱れていなかつた。
実施例 6
実施例5において、炭素繊維束に代えて、旭フ
アイバーグラス社製ガラス繊維束“グラスロン”
ECG150 1/8(単糸径9μm、単糸数:1600本)
を、また、ポリフエニレンサルフアイドに代え
て、東レ社製ナイロン(250℃における溶融粘
度:700ポアズ)をそれぞれ使用した。ただし、
樹脂浴3における溶融ナイロン6の温度は250℃、
無端ベルト6,7の加熱領域における温度は255
℃とした。
アイバーグラス社製ガラス繊維束“グラスロン”
ECG150 1/8(単糸径9μm、単糸数:1600本)
を、また、ポリフエニレンサルフアイドに代え
て、東レ社製ナイロン(250℃における溶融粘
度:700ポアズ)をそれぞれ使用した。ただし、
樹脂浴3における溶融ナイロン6の温度は250℃、
無端ベルト6,7の加熱領域における温度は255
℃とした。
得られた、厚みが0.2mmのテープ状FRTPは、
ガラス繊維含有率が約53体積%であつた。また、
横断面を光学顕微鏡で観察したところ、やはりガ
ラス繊維とナイロン6とが完全に一体化してお
り、ボイド等は認められなかつた。さらに、実施
例1と同様に曲げ試験をしたところ、曲げ強度は
90Kg/mm2、曲げ弾性率は3.4ton/mm2であり、いず
れも期待される値の約90%であつた。
ガラス繊維含有率が約53体積%であつた。また、
横断面を光学顕微鏡で観察したところ、やはりガ
ラス繊維とナイロン6とが完全に一体化してお
り、ボイド等は認められなかつた。さらに、実施
例1と同様に曲げ試験をしたところ、曲げ強度は
90Kg/mm2、曲げ弾性率は3.4ton/mm2であり、いず
れも期待される値の約90%であつた。
(発明の効果)
この発明は、補強繊維束を連続的に走行させな
がら溶融熱可塑性樹脂と接触させ、その補強繊維
束に熱可塑性樹脂を付着せしめる工程と、熱可塑
性樹脂が付着している補強繊維束を、張力下に、
熱可塑性樹脂が溶融粘度200〜20000ポアズの範囲
になる温度に維持された加熱領域と軟化点温度未
満になる温度に維持された冷却領域とを有する一
対の無端ベルト間に導き、その加熱領域におい
て、一対の無端ベルトによる押圧力を利用して、
熱可塑性樹脂が付着している補強繊維束をその太
さまたは厚みが20〜80%の範囲になるように圧縮
して補強繊維束に熱可塑性樹脂を含浸し、そのま
ま冷却領域に通して熱可塑性樹脂を個化せしめる
ものであるから、実施例にも示したように、期待
される力学的特性に極めて近い、優れた特性をも
つ長尺FRTPを、効率よく製造することができ
る。また、この発明は、上述した、従来の、いわ
ゆる湿式含浸法や溶液含浸法と呼ばれる方法のよ
うに溶媒を使用することがないから、溶媒除去の
工程が不要であり、溶媒による作業環境の悪化も
ない。
がら溶融熱可塑性樹脂と接触させ、その補強繊維
束に熱可塑性樹脂を付着せしめる工程と、熱可塑
性樹脂が付着している補強繊維束を、張力下に、
熱可塑性樹脂が溶融粘度200〜20000ポアズの範囲
になる温度に維持された加熱領域と軟化点温度未
満になる温度に維持された冷却領域とを有する一
対の無端ベルト間に導き、その加熱領域におい
て、一対の無端ベルトによる押圧力を利用して、
熱可塑性樹脂が付着している補強繊維束をその太
さまたは厚みが20〜80%の範囲になるように圧縮
して補強繊維束に熱可塑性樹脂を含浸し、そのま
ま冷却領域に通して熱可塑性樹脂を個化せしめる
ものであるから、実施例にも示したように、期待
される力学的特性に極めて近い、優れた特性をも
つ長尺FRTPを、効率よく製造することができ
る。また、この発明は、上述した、従来の、いわ
ゆる湿式含浸法や溶液含浸法と呼ばれる方法のよ
うに溶媒を使用することがないから、溶媒除去の
工程が不要であり、溶媒による作業環境の悪化も
ない。
図面は、この発明を実施している様子を示す概
略斜視図である。 1:炭素繊維束(補強繊維束)、2:押出機、
3:樹脂浴、4:ダイ、5:ポリフエニレンサル
フアイド(熱可塑性樹脂)が付着している炭素繊
維束、6:無端ベルト、6a:ホツトロール、6
b:水冷ロール、6c:平ベルト、7:無端ベル
ト、7a:ホツトロール、7b:水冷ロール、7
c:平ベルト、8:FRTP(繊維補強熱可塑性樹
脂)、9a:ロール、9b:ロール、10:引取
ロール。
略斜視図である。 1:炭素繊維束(補強繊維束)、2:押出機、
3:樹脂浴、4:ダイ、5:ポリフエニレンサル
フアイド(熱可塑性樹脂)が付着している炭素繊
維束、6:無端ベルト、6a:ホツトロール、6
b:水冷ロール、6c:平ベルト、7:無端ベル
ト、7a:ホツトロール、7b:水冷ロール、7
c:平ベルト、8:FRTP(繊維補強熱可塑性樹
脂)、9a:ロール、9b:ロール、10:引取
ロール。
Claims (1)
- 1 補強繊維束を連続的に走行させながら溶融熱
可塑性樹脂と接触させ、その補強繊維束に熱可塑
性樹脂を付着せしめる工程と、熱可塑性樹脂が付
着している補強繊維束を、張力下に、上記熱可塑
性樹脂が溶融粘度200〜20000ポアズの範囲になる
温度に維持された加熱領域と軟化点温度未満にな
る温度に維持された冷却領域とを有する一対の無
端ベルト間に導き、その加熱領域において、一対
の上記無端ベルトによる押圧力を利用して、熱可
塑性樹脂が付着している上記補強繊維束をその太
さまたは厚みが20〜80%の範囲になるように圧縮
して補強繊維束に熱可塑性樹脂を含浸し、そのま
ま冷却領域に通して熱可塑性樹脂を固化せしめる
工程とを含む、繊維補強熱可塑性樹脂の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58144921A JPS6036136A (ja) | 1983-08-10 | 1983-08-10 | 繊維補強熱可塑性樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58144921A JPS6036136A (ja) | 1983-08-10 | 1983-08-10 | 繊維補強熱可塑性樹脂の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6036136A JPS6036136A (ja) | 1985-02-25 |
JPH0144144B2 true JPH0144144B2 (ja) | 1989-09-26 |
Family
ID=15373321
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58144921A Granted JPS6036136A (ja) | 1983-08-10 | 1983-08-10 | 繊維補強熱可塑性樹脂の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6036136A (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6291532A (ja) * | 1985-10-17 | 1987-04-27 | Kureha Chem Ind Co Ltd | シ−ト状成形物およびその製造法 |
EP0300321B1 (en) * | 1987-07-11 | 1994-03-09 | KABUSHIKI KAISHA KOBE SEIKO SHO also known as Kobe Steel Ltd. | Method of manufacturing continuous fiber-reinforced thermoplastic prepregs and an apparatus for carrying out the same |
JP2507565B2 (ja) * | 1988-11-24 | 1996-06-12 | 東レ株式会社 | 熱可塑性樹脂と補強繊維との複合板 |
JP2822465B2 (ja) * | 1989-07-20 | 1998-11-11 | 住友化学工業株式会社 | 繊維強化熱可塑性樹脂製品の製造方法 |
DE4129190A1 (de) * | 1991-09-03 | 1993-03-04 | Held Kurt | Verfahren und vorrichtung zur kontinuierlichen herstellung von harzimpraegnierten materialbahnen |
JP5119697B2 (ja) * | 2007-03-20 | 2013-01-16 | 東レ株式会社 | 繊維強化複合材料の製造方法 |
US9238336B2 (en) | 2010-06-30 | 2016-01-19 | Toray Industries, Inc. | Process and apparatus for producing sheet-shaped prepreg |
CN102092135A (zh) * | 2010-12-13 | 2011-06-15 | 中国航空工业集团公司北京航空材料研究院 | 一种提高复合材料翼面结构刚度的方法 |
EP3048615B1 (en) * | 2011-04-12 | 2018-01-03 | Ticona LLC | Composite core for electrical transmission cables |
US11826940B2 (en) | 2014-09-17 | 2023-11-28 | Mitsubishi Chemical Corporation | Production method for fiber-reinforced thermoplastic resin composite material, production method for fiber-reinforced thermoplastic resin tape, production method for press-molding material, production method for molded article, unidirectional prepreg, and molded article |
TWI574831B (zh) * | 2014-11-07 | 2017-03-21 | An LFT Process Method for Enhancing the Immersible Rate of Fibers | |
FR3090450B1 (fr) * | 2018-12-20 | 2022-01-21 | Arkema France | Materiau fibreux impregne de polymere thermoplastique de masse moleculaire et de viscosite optimum et son procede de preparation |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5684917A (en) * | 1979-08-24 | 1981-07-10 | Ford Motor Co | Reinforcing sheet material and manufacture of its molding article |
JPS58132514A (ja) * | 1982-02-01 | 1983-08-06 | Kato Hatsujo Kaisha Ltd | ガラス繊維強化成形材とその製造装置 |
-
1983
- 1983-08-10 JP JP58144921A patent/JPS6036136A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5684917A (en) * | 1979-08-24 | 1981-07-10 | Ford Motor Co | Reinforcing sheet material and manufacture of its molding article |
JPS58132514A (ja) * | 1982-02-01 | 1983-08-06 | Kato Hatsujo Kaisha Ltd | ガラス繊維強化成形材とその製造装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6036136A (ja) | 1985-02-25 |
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