JPH01259094A - フロン圧縮機に用いる潤滑油 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、フロンを冷媒として使用する圧１１ｉ用潤滑
油に関するものであり、特に、フロンのうちでも塩素を
含まないＲ１３４ａフロン（Ｉ，１，１，・２−テトラ
フルオロエタン）を圧縮する際に用いるのに好適な潤滑
油に関するものである。

（従来の技術） 従来、冷凍機、空調機、冷蔵庫等には冷媒としてフッ素
と塩素を構成元素とするフロン、例えばＲ１１（トリク
ロロモノフルオロメタン）、Ｒ１２（ジクロロジフルオ
ロメタン）、Ｒ２２（モノクロロジフルオロメタン）等
のフロンが使用されているが、最近のオゾン層破壊問題
に関連し、これへの影響が無い新しいタイプの冷媒とし
てＲ１３４ａのフロンが出現し始めている。

一方フロン圧縮機用潤滑油に関しては、従来、鉱油系や
合成油系のものが多数知られているが、これらは前記新
しいフロンＲ１３４ａに対しては、低温での相溶性が全
く悪く使用できないことが分かった。従って、今日この
対策が重要な課題となってきた。また、この他にも冷凍
機油に必要な性能ニハ、潤滑性、省エネルギー性、耐摩
耗性、密封性、耐熱性、スラッジ析出防止性が挙げられ
、これらの点についても十分に配慮が必要である。

因みに、従来知られている合成油の例としてポリエーテ
ル系合成潤滑油があり、これについては油化学誌、第２
９巻、第９号、第３３６〜３４３頁（Ｉ９８０）および
ベトロチツク誌、第８巻１第６号、第５６２〜５６６頁
（Ｉ９８５）に概説されている。また、従来知られてい
る合成油の特許例として、特開昭６１−２８１１９９号
公報には次式、 Ｒ＋　（０（ＲＺＯ）　　Ｒ３）　ｎ で表わされるポリグリコールとアルキルヘンゼン等の混
合物、特開昭５７−６３３９５号公報にはポリエーテル
、例えば付加モル数５３のように高分子量のポリオキシ
プロピレンモノブチルエーテルにエポキシシクロアルキ
ル系化合物を混合した油、また特開昭５９−１１７５９
０号公報にはポリエーテル系化合物とパラフィン系又は
ナフテン系鉱油の高粘度混合油が夫々紹介されている。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、上述の既知の合成油系の潤滑油はいずれ
も相溶性等の問題からフロンＲ１３４ａ圧縮機用の潤滑
油にはなり得なかった。

一方、鉱油系についても検討を行ったが、現在までのと
ころ好ましい結果が得られていないのが実情である。

そこで本発明の目的は、特に新しい冷媒であり、フロン
Ｒ１２の代替品として考えられているフロンＲ１３４ａ
に対して、極めて低温和溶性の良いフロン圧縮機用潤滑
油を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 本発明者は各種の鉱油並びに合成油を対象に上記課題解
決のために鋭意研究を進めたところ、特定のポリオキシ
プロピレングリコールジアルキルエーテルが本発明の目
的達成に有効であることを見い出し、本発明を完成する
に至った。

すなわち本発明は、平均分子量３００〜７００を有する
次の一般式（Ｉ） （Ｉ） （式中のＲ１およびＲ２は炭素数１〜８個のアルキル基
であり、Ｒ，とＲ２は同一もしくは異なり、ｎは整数を
示す）で表される化合物を基油とすることを特徴とする
フロン圧縮機用潤滑油に関するものである。

本発明で基油として使用するポリオキシプロピレングリ
コールジアルキルエーテルは、プロピレンオキサイドの
付加重合で得られるポリオキシプロピレングリコール（
ポリエーテル）の両末端水素のジアルキル置換体である
が、そのうちでも本発明で使用するものは前記−液式（
Ｉ）で表わされる構造を有し、その平均分子量が３００
〜７００の範囲内のもので、しかも両末端の置換アルキ
ル基が炭素数１〜８個を有することを要するものである
。かかるポリオキシプロピレングリコールジアルキルエ
ーテルは、例えばユニオン・カーバイドコーポレーショ
ン、日本油脂■、旭電化工業■製等のものとして市場に
おいて入手することができる。

本発明において、前記−液式（Ｉ）で表わされる化合物
の平均分子量を前記範囲内のものに限定する理由は次の
通りである。

すなわち、かかる平均分子量が３００よりも小さいもの
では膨潤性が低下すると共に、シール材、ゴム等に対し
悪影響を及ぼすことになる。特に、カーエアコンに使用
する場合には、ゴムホースに対する潤滑性が大きな要因
となるため、ゴムへの浸透性の小さくなる分子量３００
以上のものを選定することは不可欠である。一方、分子
量が７００を超えるとフロンＲ１３４ａとの相溶性が低
下し、本発明の目的を達成し得なくなる。因みに、相溶
性の悪い油はコンプレッサーへの油戻りが悪く、コンプ
レッサーの焼き付き原因となる。

また、分子量が本発明の３００〜７００の範囲内であっ
ても、前記（Ｉ）式中の両アルキル基の炭素数が９個以
上のものではフロンＲ１３４ａとの相溶性が悪く、二相
分離温度が高くなり、冷凍機油として使用することがで
きない。つまり、分子量が７００以下で、かつ両末端の
アルキル基の炭素数が１〜８個のポリオキシプロピレン
グリコールジアルキルエーテルのみがフロンＲ１３４ａ
と相溶性があり、冷凍機油として使用することができる
。

本発明のフロン圧縮機用潤滑油において、フロンＲ１３
４ａとの低温相溶性を一層好ましいものにするためには
、前記（Ｉ）式の化合物のＲ，およびＲ２が炭素数２〜
４個で平均分子量が５００〜７００、あるいはＲ１およ
びＲ２が炭素数５〜８で平均分子量が３００〜６００の
ものを選択するのが好ましい。また、潤滑性の面から１
００°Ｃの粘度が４〜１５ｃＳｔのものを、また省エネ
ルギーの面からは４〜１０ｃＳｔのものを選択するのが
好ましい。

上述の如く、本発明で使用するポリオキシプロピレング
リコールジアルキルエーテルはフロンＲ１３４ａとの低
温相溶性に優れ、また該フロン雰囲気下での潤滑性能、
熱安定性能も良好である。

尚、本発明で使用するポリオキシプロピレングリコール
ジアルキルエーテルに、従来潤滑油基油として使用され
ている長鎖分岐型又は直鎖型アルキルベンゼンや精製し
た鉱油系潤滑油を混合すると、フロンＲ１３４ａとの相
溶性が低下するため、本発明のフロン圧縮機用潤滑油に
はこれらを混合すべきではない。

但し、本発明のフロン圧縮機用潤滑油には、従来冷凍機
油用に使用されている酸化防止剤や塩酸捕捉剤を適宜添
加することができるのは勿論のことである。

（実施例） 以下に実施例、比較例および参考例により本発明をより
詳しく説明する。

１１〜６　　　　　　巾六　１１〜５　　　参　　　　
１１　　　２ポリオキシプロピレングリコールモノアル
キルエーテルとして以下の第１表に示すＡ１〜６および
ＡＩＯ〜１４の供試油（日本油脂■製ユニセーフシリー
ズ）を使用して、Ｒ１３４ａフロンの圧縮機用潤滑油と
しての性能を評価した。

第１表に示す供試油の圧縮機用潤滑油としての性能とし
て潤滑性、相溶性および熱安定性を下記に示す条件の下
で評価した。

皿滑盟 ＡＳＴＭ　Ｄ−３２３３−７３に準拠し、ファレックス
（Ｆａ　１ｅｘ）焼付荷重を、フロンＲ１３４ａを吹き
込み（７０ｍＡ／ｍ１ｎ）、雰囲気を制御して測定した
。

柾溶且 供試油０．６　ｇと冷媒（フロンＲ１３４ａ）２．４　
ｇとをガラスチューブに封入した後、毎分１°Ｃで冷却
して行き、二相分離を起こす温度、すなわち二相分離温
度を測定した。

九皮定且 供試油１ｇと冷媒（フロンＲ１３４ａ）　１　ｇと触媒
（鉄、銅、アルミニウムの各！ｆｌＡ）をガラスチュー
ブに封入した後、１７５°Ｃに加熱し、１０日後に供試
油の色相をＡＳＴ？Ｉ表示にて判定した。

エムｌ星性 供試油に対するアクリロニトリル−ブタジェンゴムの膨
潤率（％）を１２０°Ｃ，１２０時間の条件下で評価し
た。

尚、参考例として、第１表に示すＡ３の供試油５０％と
分岐型長鎖アルキルベンゼン（粘度２９．４ｃＳｔ（４
０’Ｃ）　）　５０％との混合油、及びＡ３の供試油５
０％と中東原油から分離した潤滑留分を溶剤抽出、水素
化精製、脱蝋、白土処理して得た粘度３１．２ｃＳｔ（
４０°Ｃ）の精製鉱油５０％との混合油についても同様
の評価を行った。

上記評価結果を以下の第２表に示す。

第２表に示す評価結果より次のことがｌｉｆ認された。

フロンＲ１２と相溶性のある潤滑油でも、フロンＲ１３
４ａとは溶は合わないことが分かり、フロンＲ１３４ａ
に対しては専用の潤滑油とする必要があることが分かる
。

かかる専用潤滑油としての適合性という見地より先ず実
施例１〜６の評価結果を見ると、実施例１〜６はいずれ
もフロンＲ１３４ａとの二相分離温度が一５０°Ｃ以下
と低く、潤滑性も一般の基準であるｎ７ｋｇ　（５００
ポンド）よりも相当高く、また熱安定性も色相ＡＳＴＭ
においてＬ５．０以下で問題はなく、更にゴム膨潤率も
低いレベルにある。従って、実施例１〜６の供試油はい
ずれもフロンＲ１３４ａ用冷凍機油として好適な油であ
るといえる。これら実施例のうち、特に供試油化合物の
平均分子■と両アルキル基の炭素数とを本発明の好適範
囲に設定した実施例２〜４では、より良好な潤滑油とし
ての性能を示している。

これに対し、比較例１はフロンＲ１３４ａとの相溶性は
問題ないが、焼付荷重が他の例に比べると若干劣り、ま
たゴム膨張率も高い。また、比較例２〜５は常用の温度
範囲（−４０〜＋６０”Ｃ）においてフロンＲ１３４ａ
との相溶性が全くないことから、油戻す不良によるコン
プレッサーの焼付きの可能性が高い。従って、比較例１
〜６の供試油はいずれもフロンＲ１３４ａ用冷凍機油と
しては使用することができない。

参考例１および２の供試油もフロンＲ１３４ａとの相溶
性が悪く、フロンＲ１３４ａ用冷凍機油としては使用す
ることができない。

（発明の効果） 以上説明してきたように、本発明のフロン圧縮機用潤滑
油は、冷媒としてのフロンＲ１３４ａに対し十分な相溶
性を維持しかつ総合性能にも優れていることから、フロ
ン規制の社会的動向の中、冷媒Ｒ１２やＲ２２のフロン
の代替として注目されているフロンＲ１３４ａを用いて
も従来システムをそのまま使用することができ、従来フ
ロンの使用量削減を進める上で十分に寄与することがで
きるという効果が得られる。

同弁理士　杉　村　興　作

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、平均分子量３００〜７００を有する次の一般式（
   I ） ▲数式、化学式、表等があります▼（ I ） （式中のＲ＿１およびＲ＿２は炭素数１〜８個のアルキ
   ル基であり、Ｒ＿１とＲ＿２は同一もしくは異なり、ｎ
   は整数を示す）で表される化合物を基油とすることを特
   徴とするフロン圧縮機用潤滑油。 ２、上記（ I ）式において、Ｒ＿１およびＲ＿２が炭
   素数２〜４個のアルキル基で、平均分子量が５００〜７
   ００である請求項１記載のフロン圧縮機用潤滑油。 ３、上記（ I ）式において、Ｒ＿１およびＲ＿２が炭
   素数５〜８個のアルキル基で、平均分子量が３００〜６
   ００である請求項１記載のフロン圧縮機用潤滑油。 ４、Ｒ１３４ａフロンの圧縮に使用するための請求項１
   〜３のうちいずれか一項記載のフロン圧縮機用潤滑油。