JPH01176048A - 方向性が優れた深絞り用アルミニウム合金軟質板及びその製造法 - Google Patents
方向性が優れた深絞り用アルミニウム合金軟質板及びその製造法Info
- Publication number
- JPH01176048A JPH01176048A JP33408387A JP33408387A JPH01176048A JP H01176048 A JPH01176048 A JP H01176048A JP 33408387 A JP33408387 A JP 33408387A JP 33408387 A JP33408387 A JP 33408387A JP H01176048 A JPH01176048 A JP H01176048A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- deep drawing
- aluminum alloy
- present
- alloy
- cold rolling
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 229910000838 Al alloy Inorganic materials 0.000 title claims abstract description 22
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title claims abstract description 11
- 238000011282 treatment Methods 0.000 claims abstract description 30
- 238000005097 cold rolling Methods 0.000 claims abstract description 13
- 229910052742 iron Inorganic materials 0.000 claims abstract description 11
- 229910052782 aluminium Inorganic materials 0.000 claims abstract description 5
- 239000012535 impurity Substances 0.000 claims abstract description 5
- 238000000265 homogenisation Methods 0.000 claims description 11
- 238000005098 hot rolling Methods 0.000 claims description 9
- 229910052726 zirconium Inorganic materials 0.000 claims description 8
- 239000013078 crystal Substances 0.000 claims description 7
- 229910052804 chromium Inorganic materials 0.000 claims description 6
- 229910052748 manganese Inorganic materials 0.000 claims description 6
- 229910052802 copper Inorganic materials 0.000 claims description 4
- 229910052749 magnesium Inorganic materials 0.000 claims description 4
- 238000000034 method Methods 0.000 abstract description 5
- 230000001105 regulatory effect Effects 0.000 abstract description 3
- 229910045601 alloy Inorganic materials 0.000 abstract description 2
- 239000000956 alloy Substances 0.000 abstract description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 16
- 239000000463 material Substances 0.000 description 9
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 8
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 3
- 150000001875 compounds Chemical class 0.000 description 3
- 229920006395 saturated elastomer Polymers 0.000 description 3
- XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N aluminium Chemical compound [Al] XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 2
- 239000000523 sample Substances 0.000 description 2
- 230000000087 stabilizing effect Effects 0.000 description 2
- 238000005482 strain hardening Methods 0.000 description 2
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 2
- 238000005266 casting Methods 0.000 description 1
- 230000001276 controlling effect Effects 0.000 description 1
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 1
- 210000005069 ears Anatomy 0.000 description 1
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 1
- 238000003754 machining Methods 0.000 description 1
- 230000003647 oxidation Effects 0.000 description 1
- 238000007254 oxidation reaction Methods 0.000 description 1
- 238000002791 soaking Methods 0.000 description 1
- 239000007779 soft material Substances 0.000 description 1
- 229910052719 titanium Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000009966 trimming Methods 0.000 description 1
Landscapes
- Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
(産業上の利用分野)
本発明は家庭用器物等に用いられる深絞り用アルミニウ
ム合金及びその製造法に関するものである。 (従来の技術及び解決しようとする問題点)深絞り加工
により製造される家庭用器物やコピードラム材などには
、現在、JISAI100アルミニウム合金の軟質材が
多用されている。 しかし乍ら、元来、このAl100合金は方向性が劣り
、深絞り加工時にいわゆる耳が一10%〜+10%もの
大きな範囲で発生することがある。 これは、加工割れや表面傷の原因になるばかりでなく、
深絞り加工後のトリミング量が多くなり、歩留りが低く
、コスト高となるという問題がある。 そのため、方向性の小さいアルミニウム材料が求められ
ていた。 また一方、器物は製品毎に素材板厚が異なる少量多品種
の製品であるが、素材板厚により耳率が大きく異なると
、加工条件をそれぞれの板厚によって変えなければなら
ないという加工上の問題がある。このため、板厚の変化
によっても耳率が変わらない材料が強く求められていた
。 本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであって、
軟質化処理前の最終冷間加工率を大きく変化させても、
すなわち、種々の製品板厚についても深絞り加工時の発
生耳の変化が小さく、−3%〜+3%以内で、著しく方
向性が小さく成形性が優れるアルミニウム合金及びその
製造方法を提供することを目的とするものである。 (問題点を解決するための手段) 前記目的を達成するため、本発明者は、種々の製品板厚
に応じ、すなわち、軟質化処理前の最終冷間加工率が5
0〜95%の範囲で変化しても、耳率を著減できる方策
を見い出すべく鋭意研究を重ねた結果、Fe及びSl量
を規制した特定組成のアルミニウム合金について鋳塊の
結晶粒度並びに均質化処理、熱間圧延条件をコントロー
ルすることにより、対処可能であることを見い出し、こ
こに本発明をなしたものである。 すなわち、本発明は、Fe及びSiが第1図に示す各点
A(Fe:0.2%、Si:0.6%)、B(Fe:0
.2%、Si:0.1%)、C(Fe:0.9%、Si
:0.8%)、D(Fe:0.4%、Si:0.8%)
を結ぶ領域内の量で含有し、必要に応じて、更にTi:
0゜01〜0.2%、Mg:Q、2〜20%、Cu:
0 、05〜0.5%、Mn:0.03〜0.5%、C
r:0.03〜0.4%及びZr:0.01〜0.2%
のうちの少なくとも1種を含有し、残部がAn及び不純
物よりなる組成を有し、加工率50〜95%の冷間圧延
後の軟質化処理後の深絞り耳が一3%〜+3%以内であ
ることを特徴とする深絞り用アルミニウム合金を要しと
するものである。 また、該アルミニウム合金の製造法に係る本発明は、上
記組成のアルミニウム合金につき、結晶粒度が3mm以
下の鋳塊について500〜b×2〜24hrの処理に続
き400〜bX24hrの処理の2回の均質化処理を施
した後、480〜250℃の間で熱間圧延を行い、次い
で加工率5o〜95%の冷間圧延並びに軟質化処理を行
うことを特徴とするものである。 以下に本発明を更に詳細に説明する。 まず、本発明における化学成分の限定理由を示す。 Si: Siは深゛絞り耳の変化(バラツキ)を抑制する重要な
元素であるが、第1図に示す範囲のFeとの組合せで大
きな効果を発揮する。しかし、第1図に示す範囲外のS
i量では効果が小さいか或いは効果が飽和するので、好
ましくない。 Fe: FeはSiと共に深絞り耳を抑制する重要な元素である
が、第1図に示す範囲のSiとの組合せで大きな効果を
発揮する。しかし、第1図に示す範囲外のFe量では効
果が小さいか或いは効果が飽和するので、好ましくない
。 なお、第1図に示す範囲は、A(Fe:0.2%、Si
:0.6%)、B(Fe:0.2%、Si:0.1%)
、C(Fe:0.9%、Si:0.8%)、D(Fe:
0.4%、Si:0.8%)の各点を結ぶ領域であり、
本発明者の実験研究により見出されたものである。 本発明では、これらSi及びFeを必須元素とするが、
必要に応じて、Ti、 Mg、 Cu、 Mn、 Cr
及びZrのうちの少なくとも1種を適量で添加すること
ができる。 T1: Tiは組織安定化に効果があり、0.01%より少なけ
れば効果が小さく、0.2%を超えると巨大化合物が発
生する可能性があるので、0.01〜0.2%の範囲と
する。 Mg: Mgは他の特性を劣化させず、材料強度を向上させ、か
つ耳率のバラツキを抑制する効果がある。 しかし、0.2%より少なくては効果が小さく、2.0
%を超えると巨大化合物が発生する可能性があるので、
0.2〜2.0%の範囲とする。 Cu: Cuは器物製品の陽極酸化処理を向上させる効果があり
、0.05%より少なくては効果が小さく、0.5%を
超えると加工性が劣るので、0.。 5〜0.5%の範囲とする。 Mn、 Cr、 Zr: Mn、Cr、Zrは強度を向上させると共に組織安定化
に効果がある。しかし、それぞれ0.03%、0.03
%、0.01%より少なくては効果が小さく、それぞれ
0.5%、0.4%、0.2%より多くては巨大化合物
が発生する可能性があるので、Mnは0.03〜0.5
%、Crは0.03〜0゜4%、Zrは0.01〜0.
2%の範囲とする。 なお、不純物量は本発明の効果を損なわない限度で可及
的に少なく抑制すべきことは云うまでもない。 次に、本発明によるアルミニウム合金の製造法について
説明する。 上記組成のアルミニウム合金は常法により溶解するが、
鋳造に際しては、鋳塊の結晶粒度が3mm以下となるよ
うにする必要がある。結晶粒度が3mmを超えると+側
耳が強くなるので好ましくない。 このような鋳塊に均質化処理を施し、次いで熱間圧延を
行うが、まず均質化処理は、特定条件にて2回行う必要
がある。 すなわち、均質化処理は1回目を500〜600’CX
2〜24hr、2回目を400〜b2〜24hrの条件
で行う。均質化温度が1回目、2回目ともそれぞれ60
0℃及び500 ’Cを超えると+側耳が強くなり、ま
たそれぞれ500℃及び400°Cより低いと一側耳が
強くなるので、好ましくない。一方、加熱時間は2hr
より短くては効果が小さく、24hrより長いと効果が
飽和するので、好ましくない。 また、均質化処理後の熱間圧延は、480〜250°C
の温度で行う必要がある。熱間圧延温度が480℃より
高いと、−側耳が強くなり、また250℃より低いと+
側耳が強くなるので、好ましくない。 熱間圧延後は冷間圧延、軟質化処理が行われるが、深絞
り用純アルミニウム系合金には一般に最終冷間圧延率5
0〜95%の範囲で製品板厚に応じて冷間圧延が適用さ
れており、本発明の上記組成のアルミニウム合金も同様
の冷間圧延が適用され、軟質化処理に供される。その場
合、上記加工率による種々の製品板厚に対しても、軟質
化処理後の深絞り耳は一3%〜+3%内に規制でき、耳
率のバラツキを小さくすることができる。また、一般に
深絞り製品は素材の一3〜+3%の範囲の歩留りであれ
ば良好な量産が可能であることから、本発明によれば量
産が可能となり、低コスト化を図ることができる。 なお、軟質化処理の条件は特に制限されず、従来と同様
に処理することができる。 次に本発明の実施例を示す。 (実施例) 第1表に示す化学成分を有するアルミニウム合金を常法
により溶解し、厚さ400tで第2表に示す大きさの結
晶粒度を有する鋳塊を造塊し、以下の工程にて供試材を
製造した。 本発明例(条件A)においては、鋳塊を550℃×24
hrに均熱した後、引続き450℃×24hrに均熱す
る2回の均質化処理を施し、これを430〜300℃に
て7 mm tまで熱延した後、加工率50〜95%の
冷延を行って第2表に示す板厚とし、最終的に340℃
×2hrの軟質化処理を行った。 一方、第1の比較例(条件B)においては、前記鋳塊に
500℃×24hrの均質化処理を施した後、本発明例
と同じ条件にて熱間圧延、冷間圧延、軟質化処理を施し
た。 また、第2の比較例(条件C)においては、前記鋳塊に
500’CX24hrの均質化処理を施した後、530
〜400℃にて7 m+a tまで熱延し、以下本発明
例と同じ条件にて冷間圧延、軟質化処理を施した。 得られた供試材について、ポンチ径40mmφのダイス
を用いて50%の絞りを実施し、45°方向耳(+)と
0−90’方向耳(=)を測定した。その結果を第1表
に併記する。 第2表より明らかなとおり、本発明例では、板厚が同じ
場合でも、板厚が変化した場合でも、深絞り耳率が極め
て小さいことがわかる。 これに対し、比較例の場合には、本発明範囲の組成であ
っても、鋳塊の結晶粒度及び製造条件のいずれかが本発
明範囲外であると、耳率が大きく、+側又は−側にバラ
ツキが生じ、また組成が本発明範囲外のものでも鋳塊の
結晶粒度及び製造条件が本発明範囲内であると、同様に
耳率が大きく、+側又は−側にバラツキが生じる。しか
も同一の板厚に対してさえもその傾向が生じている。
ム合金及びその製造法に関するものである。 (従来の技術及び解決しようとする問題点)深絞り加工
により製造される家庭用器物やコピードラム材などには
、現在、JISAI100アルミニウム合金の軟質材が
多用されている。 しかし乍ら、元来、このAl100合金は方向性が劣り
、深絞り加工時にいわゆる耳が一10%〜+10%もの
大きな範囲で発生することがある。 これは、加工割れや表面傷の原因になるばかりでなく、
深絞り加工後のトリミング量が多くなり、歩留りが低く
、コスト高となるという問題がある。 そのため、方向性の小さいアルミニウム材料が求められ
ていた。 また一方、器物は製品毎に素材板厚が異なる少量多品種
の製品であるが、素材板厚により耳率が大きく異なると
、加工条件をそれぞれの板厚によって変えなければなら
ないという加工上の問題がある。このため、板厚の変化
によっても耳率が変わらない材料が強く求められていた
。 本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであって、
軟質化処理前の最終冷間加工率を大きく変化させても、
すなわち、種々の製品板厚についても深絞り加工時の発
生耳の変化が小さく、−3%〜+3%以内で、著しく方
向性が小さく成形性が優れるアルミニウム合金及びその
製造方法を提供することを目的とするものである。 (問題点を解決するための手段) 前記目的を達成するため、本発明者は、種々の製品板厚
に応じ、すなわち、軟質化処理前の最終冷間加工率が5
0〜95%の範囲で変化しても、耳率を著減できる方策
を見い出すべく鋭意研究を重ねた結果、Fe及びSl量
を規制した特定組成のアルミニウム合金について鋳塊の
結晶粒度並びに均質化処理、熱間圧延条件をコントロー
ルすることにより、対処可能であることを見い出し、こ
こに本発明をなしたものである。 すなわち、本発明は、Fe及びSiが第1図に示す各点
A(Fe:0.2%、Si:0.6%)、B(Fe:0
.2%、Si:0.1%)、C(Fe:0.9%、Si
:0.8%)、D(Fe:0.4%、Si:0.8%)
を結ぶ領域内の量で含有し、必要に応じて、更にTi:
0゜01〜0.2%、Mg:Q、2〜20%、Cu:
0 、05〜0.5%、Mn:0.03〜0.5%、C
r:0.03〜0.4%及びZr:0.01〜0.2%
のうちの少なくとも1種を含有し、残部がAn及び不純
物よりなる組成を有し、加工率50〜95%の冷間圧延
後の軟質化処理後の深絞り耳が一3%〜+3%以内であ
ることを特徴とする深絞り用アルミニウム合金を要しと
するものである。 また、該アルミニウム合金の製造法に係る本発明は、上
記組成のアルミニウム合金につき、結晶粒度が3mm以
下の鋳塊について500〜b×2〜24hrの処理に続
き400〜bX24hrの処理の2回の均質化処理を施
した後、480〜250℃の間で熱間圧延を行い、次い
で加工率5o〜95%の冷間圧延並びに軟質化処理を行
うことを特徴とするものである。 以下に本発明を更に詳細に説明する。 まず、本発明における化学成分の限定理由を示す。 Si: Siは深゛絞り耳の変化(バラツキ)を抑制する重要な
元素であるが、第1図に示す範囲のFeとの組合せで大
きな効果を発揮する。しかし、第1図に示す範囲外のS
i量では効果が小さいか或いは効果が飽和するので、好
ましくない。 Fe: FeはSiと共に深絞り耳を抑制する重要な元素である
が、第1図に示す範囲のSiとの組合せで大きな効果を
発揮する。しかし、第1図に示す範囲外のFe量では効
果が小さいか或いは効果が飽和するので、好ましくない
。 なお、第1図に示す範囲は、A(Fe:0.2%、Si
:0.6%)、B(Fe:0.2%、Si:0.1%)
、C(Fe:0.9%、Si:0.8%)、D(Fe:
0.4%、Si:0.8%)の各点を結ぶ領域であり、
本発明者の実験研究により見出されたものである。 本発明では、これらSi及びFeを必須元素とするが、
必要に応じて、Ti、 Mg、 Cu、 Mn、 Cr
及びZrのうちの少なくとも1種を適量で添加すること
ができる。 T1: Tiは組織安定化に効果があり、0.01%より少なけ
れば効果が小さく、0.2%を超えると巨大化合物が発
生する可能性があるので、0.01〜0.2%の範囲と
する。 Mg: Mgは他の特性を劣化させず、材料強度を向上させ、か
つ耳率のバラツキを抑制する効果がある。 しかし、0.2%より少なくては効果が小さく、2.0
%を超えると巨大化合物が発生する可能性があるので、
0.2〜2.0%の範囲とする。 Cu: Cuは器物製品の陽極酸化処理を向上させる効果があり
、0.05%より少なくては効果が小さく、0.5%を
超えると加工性が劣るので、0.。 5〜0.5%の範囲とする。 Mn、 Cr、 Zr: Mn、Cr、Zrは強度を向上させると共に組織安定化
に効果がある。しかし、それぞれ0.03%、0.03
%、0.01%より少なくては効果が小さく、それぞれ
0.5%、0.4%、0.2%より多くては巨大化合物
が発生する可能性があるので、Mnは0.03〜0.5
%、Crは0.03〜0゜4%、Zrは0.01〜0.
2%の範囲とする。 なお、不純物量は本発明の効果を損なわない限度で可及
的に少なく抑制すべきことは云うまでもない。 次に、本発明によるアルミニウム合金の製造法について
説明する。 上記組成のアルミニウム合金は常法により溶解するが、
鋳造に際しては、鋳塊の結晶粒度が3mm以下となるよ
うにする必要がある。結晶粒度が3mmを超えると+側
耳が強くなるので好ましくない。 このような鋳塊に均質化処理を施し、次いで熱間圧延を
行うが、まず均質化処理は、特定条件にて2回行う必要
がある。 すなわち、均質化処理は1回目を500〜600’CX
2〜24hr、2回目を400〜b2〜24hrの条件
で行う。均質化温度が1回目、2回目ともそれぞれ60
0℃及び500 ’Cを超えると+側耳が強くなり、ま
たそれぞれ500℃及び400°Cより低いと一側耳が
強くなるので、好ましくない。一方、加熱時間は2hr
より短くては効果が小さく、24hrより長いと効果が
飽和するので、好ましくない。 また、均質化処理後の熱間圧延は、480〜250°C
の温度で行う必要がある。熱間圧延温度が480℃より
高いと、−側耳が強くなり、また250℃より低いと+
側耳が強くなるので、好ましくない。 熱間圧延後は冷間圧延、軟質化処理が行われるが、深絞
り用純アルミニウム系合金には一般に最終冷間圧延率5
0〜95%の範囲で製品板厚に応じて冷間圧延が適用さ
れており、本発明の上記組成のアルミニウム合金も同様
の冷間圧延が適用され、軟質化処理に供される。その場
合、上記加工率による種々の製品板厚に対しても、軟質
化処理後の深絞り耳は一3%〜+3%内に規制でき、耳
率のバラツキを小さくすることができる。また、一般に
深絞り製品は素材の一3〜+3%の範囲の歩留りであれ
ば良好な量産が可能であることから、本発明によれば量
産が可能となり、低コスト化を図ることができる。 なお、軟質化処理の条件は特に制限されず、従来と同様
に処理することができる。 次に本発明の実施例を示す。 (実施例) 第1表に示す化学成分を有するアルミニウム合金を常法
により溶解し、厚さ400tで第2表に示す大きさの結
晶粒度を有する鋳塊を造塊し、以下の工程にて供試材を
製造した。 本発明例(条件A)においては、鋳塊を550℃×24
hrに均熱した後、引続き450℃×24hrに均熱す
る2回の均質化処理を施し、これを430〜300℃に
て7 mm tまで熱延した後、加工率50〜95%の
冷延を行って第2表に示す板厚とし、最終的に340℃
×2hrの軟質化処理を行った。 一方、第1の比較例(条件B)においては、前記鋳塊に
500℃×24hrの均質化処理を施した後、本発明例
と同じ条件にて熱間圧延、冷間圧延、軟質化処理を施し
た。 また、第2の比較例(条件C)においては、前記鋳塊に
500’CX24hrの均質化処理を施した後、530
〜400℃にて7 m+a tまで熱延し、以下本発明
例と同じ条件にて冷間圧延、軟質化処理を施した。 得られた供試材について、ポンチ径40mmφのダイス
を用いて50%の絞りを実施し、45°方向耳(+)と
0−90’方向耳(=)を測定した。その結果を第1表
に併記する。 第2表より明らかなとおり、本発明例では、板厚が同じ
場合でも、板厚が変化した場合でも、深絞り耳率が極め
て小さいことがわかる。 これに対し、比較例の場合には、本発明範囲の組成であ
っても、鋳塊の結晶粒度及び製造条件のいずれかが本発
明範囲外であると、耳率が大きく、+側又は−側にバラ
ツキが生じ、また組成が本発明範囲外のものでも鋳塊の
結晶粒度及び製造条件が本発明範囲内であると、同様に
耳率が大きく、+側又は−側にバラツキが生じる。しか
も同一の板厚に対してさえもその傾向が生じている。
(注2)+:45°方向耳、 −:0−90°方向耳(
発明あ効果) 以上詳述したように、本発明によれば、深絞り用アルミ
ニウム合金の組成を規制すると共に、鋳塊の結晶粒度並
びに均質化処理と熱間圧延の条件をコントロールするの
で、種々の板厚に加工しても深絞り耳を一3%〜+3%
内にすることができ、方向性の優れた高品質のアルミニ
ウム材料を提供することができる。しかも、耳率が小さ
いので、量産が可能となり、低コスト化を図ることがで
きる。
発明あ効果) 以上詳述したように、本発明によれば、深絞り用アルミ
ニウム合金の組成を規制すると共に、鋳塊の結晶粒度並
びに均質化処理と熱間圧延の条件をコントロールするの
で、種々の板厚に加工しても深絞り耳を一3%〜+3%
内にすることができ、方向性の優れた高品質のアルミニ
ウム材料を提供することができる。しかも、耳率が小さ
いので、量産が可能となり、低コスト化を図ることがで
きる。
第1図は深絞り用アルミニウム合金におけるFeと81
量について本発明範囲を示す図である。 特許出顕人 株式会社神戸製鋼所 代理人弁理士 中 村 尚 第1図 Fe (%)
量について本発明範囲を示す図である。 特許出顕人 株式会社神戸製鋼所 代理人弁理士 中 村 尚 第1図 Fe (%)
Claims (3)
- (1)重量%で(以下、同じ)、Fe及びSiが第1図
に示す各点A(Fe:0.2%、Si:0.6%)、B
(Fe:0.2%、Si:0.1%)、C(Fe:0.
9%、Si:0.8%)、D(Fe:0.4%、Si:
0.8%)を結ぶ領域内の量で含有し、残部がAl及び
不可避的不純物よりなる組成を有し、加工率50〜95
%の冷間圧延後の軟質化処理後の深絞り耳が−3%〜+
3%以内であることを特徴とする方向性が優れた深絞り
用アルミニウム合金。 - (2)Fe及びSiが第1図に示す各点A(Fe:0.
2%、Si:0.6%)、B(Fe:0.2%、Si:
0.1%)、C(Fe:0.9%、Si:0.8%)、
D(Fe:0.4%、Si:0.8%)を結ぶ領域内の
量で含有し、更にTi:0.01〜0.2%、Mg:0
.2〜2.0%、Cu:0.05〜0.5%、Mn:0
.03〜0.5%、Cr:0.03〜0.4%及びZr
:0.01〜0.2%のうちの少なくとも1種を含有し
、残部がAl及び不純物からなる組成を有し、加工率5
0〜95%の冷間圧延後の軟質化処理後の深絞り耳が−
3%〜+3%以内であることを特徴とする方向性が優れ
た深絞り用アルミニウム合金。 - (3)Fe及びSiが第1図に示す各点A(Fe:0.
2%、Si:0.6%)、B(Fe:0.2%、Si:
0.1%)、C(Fe:0.9%、Si:0.8%)、
D(Fe:0.4%、Si:0.8%)を結ぶ領域内の
量で含有し、更に、必要に応じて、Ti:0.01〜0
.2%、Mg:0.2〜2.0%、Cu:0.05〜0
.5%、Mn:0.03〜0.5%、Cr:0.03〜
0.4%及びZr:0.01〜0.2%のうちの少なく
とも1種を含有し、残部がAl及び不純物からなるアル
ミニウム合金につき、結晶粒度が3mm以下の鋳塊につ
いて500〜600℃×2〜24hrの処理に続き40
0〜500℃×2〜24hrの処理の2回の均質化処理
を施した後、480〜250℃の間で熱間圧延を行い、
次いで加工率50〜95%の冷間圧延並びに軟質化処理
を行うことを特徴とする方向性が優れたアルミニウム合
金の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33408387A JPH01176048A (ja) | 1987-12-29 | 1987-12-29 | 方向性が優れた深絞り用アルミニウム合金軟質板及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33408387A JPH01176048A (ja) | 1987-12-29 | 1987-12-29 | 方向性が優れた深絞り用アルミニウム合金軟質板及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01176048A true JPH01176048A (ja) | 1989-07-12 |
JPH0366382B2 JPH0366382B2 (ja) | 1991-10-17 |
Family
ID=18273330
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33408387A Granted JPH01176048A (ja) | 1987-12-29 | 1987-12-29 | 方向性が優れた深絞り用アルミニウム合金軟質板及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH01176048A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5618358A (en) * | 1995-03-01 | 1997-04-08 | Davisson; Thomas | Aluminum alloy composition and methods of manufacture |
JP2009068056A (ja) * | 2007-09-12 | 2009-04-02 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | レーザ溶接性に優れたアルミニウム合金板材 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58224142A (ja) * | 1982-06-22 | 1983-12-26 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 成形性のすぐれたアルミニウム合金板およびその製造方法 |
JPS59162261A (ja) * | 1983-03-08 | 1984-09-13 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 成形用アルミニウム合金硬質板の製造方法 |
-
1987
- 1987-12-29 JP JP33408387A patent/JPH01176048A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58224142A (ja) * | 1982-06-22 | 1983-12-26 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 成形性のすぐれたアルミニウム合金板およびその製造方法 |
JPS59162261A (ja) * | 1983-03-08 | 1984-09-13 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 成形用アルミニウム合金硬質板の製造方法 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5618358A (en) * | 1995-03-01 | 1997-04-08 | Davisson; Thomas | Aluminum alloy composition and methods of manufacture |
JP2009068056A (ja) * | 2007-09-12 | 2009-04-02 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | レーザ溶接性に優れたアルミニウム合金板材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0366382B2 (ja) | 1991-10-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH08509266A (ja) | アルミニウム−リチウム合金の機械的特性の改良 | |
JPH01176048A (ja) | 方向性が優れた深絞り用アルミニウム合金軟質板及びその製造法 | |
JPS62149857A (ja) | 成形性に優れたアルミニウム合金箔の製造方法 | |
JPH0373617B2 (ja) | ||
JP2781009B2 (ja) | 熱交換器フィン用アルミニウム合金 | |
US3664890A (en) | Method of producing a deep drawn composite article | |
JP3737744B2 (ja) | アルミニウム箔地の製造方法 | |
JPS61163232A (ja) | 高強度Al−Mg−Si系合金およびその製造法 | |
JPS6144150A (ja) | 感光ドラム用アルミニウム合金軟質板およびその製造方法 | |
JPH01123054A (ja) | ベークハード型高強度キャン材及びその製造法 | |
JPS6238415B2 (ja) | ||
JPS6254183B2 (ja) | ||
JPS6227544A (ja) | 成形加工用熱処理型t4処理アルミニウム合金圧延板およびその製造方法 | |
JPH0143832B2 (ja) | ||
JPH01198454A (ja) | 高強度で表面歪模様がなく且つ低方向性を特徴とする包装用アルミニウム合金硬質板の製造方法 | |
JPH0346541B2 (ja) | ||
JPH0320454B2 (ja) | ||
JP3857418B2 (ja) | 成形性に優れるアルミニウム合金半硬質材の製造方法 | |
JPH04268054A (ja) | 強度かつ方向性に優れる成形加工用Al−Mg系合金板の製造方法 | |
JPH04173941A (ja) | アルミニウム箔の製造方法 | |
JPH0122346B2 (ja) | ||
JPH04124251A (ja) | アルミニウム箔の製造方法 | |
JPS61250153A (ja) | 成形時のスプリングバックの少ないアルミニウム合金箔と樹脂フィルムとのキャップシール用ラミネート材 | |
JPS6143422B2 (ja) | ||
JPS62146234A (ja) | アルミニウム合金材及びその製造方法 |