以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
図1~図9を参照して、本発明の実施形態に係る監視端末200について説明する。図1は、本実施形態に係る洗濯機システム300を示す斜視図である。図1に示すように、洗濯機システム300は、洗濯機100と、監視端末200とを備える。洗濯機100は、本発明の「電気機器」の一例に相当する。
監視端末200は、洗濯機100に配置される。監視端末200は、洗濯機100に対して着脱自在である。監視端末200は、洗濯機100の状態を監視する。監視端末200は、洗濯機100の特定領域P52に配置される。つまり、監視端末200の筐体11は、洗濯機100の特定領域P52に配置される。特定領域P52は、洗濯機100において監視端末200を配置可能な領域を示す。特定領域P52は、洗濯機100の上部かつ隅部の領域を示す。図1に示す特定領域P52は一例であり、他の特定領域については後述する。また、監視端末200の詳細は後述する。
洗濯機100は、洗濯物を洗濯する。洗濯機100は、横型ドラム式(以下、単に「ドラム式」)洗濯機である。洗濯機100は、筐体101と、蓋102と、操作表示部103と、水槽105と、回転槽106と、駆動部107と、蓋102の開閉ボタン108とを備える。
筐体101は、水槽105、回転槽106、及び、駆動部107を収容する。筐体101は、例えば、金属又は合成樹脂により形成される。筐体101は、蓋102の内側に開口部104を有する。蓋102は、開口部104を閉鎖する。蓋102は、蝶番(ヒンジ)により開閉可能に支持される。操作表示部103は、各種情報を表示するとともに、ユーザーからの操作を受け付ける。
回転槽106及び水槽105の各々は、筒体の一端部を閉塞した形状を有する。回転槽106及び水槽105は、水平方向に対して斜め上方に傾斜している。
回転槽106は、洗濯物を収容可能である。回転槽106の一端部には、回転槽底部が形成される。回転槽106の他端部には、回転槽開口部が形成される。回転槽106は複数の孔を有する。回転槽開口部は、蓋102に対向する。回転槽106は、水槽105の内側に配置される。回転槽106は、回転可能に水槽105に支持される。
水槽105の一端部には、水槽底部が形成される。水槽105の他端部には、水槽開口部が形成される。水槽開口部は、蓋102に対向する。水槽105は、筐体101内において揺動可能に支持される。水槽105には、水が供給され、水が溜る。
回転槽106の複数の孔を介して、水槽105と回転槽106との間の空間と、回転槽106の内部空間との間で、洗濯処理剤(洗剤、柔軟剤、漂白剤等)、水、及び、空気が流通可能である。
引き続き図1を参照して洗濯機100の動作を説明する。蓋102が開いた状態で、回転槽開口部から回転槽106内に洗濯物が投入される。駆動部107は、回転槽106を回転させる。駆動部107はモーターを含む。駆動部107は、水槽105の外部において水槽底部に対向する。回転槽106が回転することで、水槽底部に溜まった水は、回転槽106の孔を通して、回転槽106と水槽105との間を往き来する。その結果、洗濯物が洗濯される。駆動部107は、洗濯機100における振動の発生源である。駆動部107は、「振動源」の一例に相当する。
図1には、三次元直交座標系のAx軸、Ay軸、及び、Az軸が示される。Ax軸、Ay軸、及び、Az軸は、互いに直交する。Ax軸及びAy軸は、水平面に略平行であり、Az軸は、鉛直方向に略平行である。洗濯機100及び監視端末200は、Ax軸、Ay軸、及び、Az軸を含む三次元直交座標系(以下、「ワールド座標系」と記載)によって示される空間に存在する。洗濯機100は、Az軸方向に沿って起立している。
次に、図2を参照して、洗濯機システム300を含む監視システムSYSを説明する。図2は、監視システムSYSを示すブロック図である。図2に示すように、監視システムSYSは、洗濯機システム300と、サーバー400とを備える。洗濯機システム300の監視端末200、サーバー400、及び、ユーザー端末TMは、ネットワークNWに接続され、相互に通信可能である。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、公衆電話網、及び、近距離無線ネットワークを含む。ユーザー端末TMは、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、又は、パーソナルコンピューターである。
サーバー400は、制御部401と、記憶部402とを備える。制御部401は、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサーを含む。記憶部402は、記憶装置を含み、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。具体的には、記憶部402は、半導体メモリー等の主記憶装置と、半導体メモリー、ソリッドステートドライブ、及び、ハードディスクドライブ等の補助記憶装置とを含む。記憶部402は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。記憶部402は、非一時的コンピューター読取可能記憶媒体の一例に相当する。制御部401のプロセッサーは、記憶部402の記憶装置に記憶されたコンピュータープログラムを実行することで、各種演算及び制御を実行する。サーバー400は、例えば、クラウドサーバーである。
通信部403はネットワークNWに接続される。通信部403は通信機である。通信部403は、ネットワークNWを介して、監視端末200及びユーザー端末TMと通信する。通信部403は、例えば、所定の通信プロトコルに従って通信を行うネットワークインタフェースコントローラー(NIC)を含む。所定の通信プロトコルは、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)プロトコル・スイート(つまり、インターネット・プロトコル・スイート)である。また、通信部403は、例えば、近距離無線通信を実行する無線通信モジュールを含んでいてもよい。近距離無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、又は、WiFiによる通信規格に準じた通信である。また、通信部403は、例えば、携帯電話の通信規格に準拠した通信を行う無線通信モジュールを含んでいてもよい。携帯電話の通信規格は、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G(第4世代移動通信システム)、又は、5G(第5世代移動通信システム)である。
ユーザー端末TMは、サーバー400と同様のハードウェア構成を有する。また、ユーザー端末TMは、各種情報を表示する表示装置を有する。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ、又は、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイである。
監視端末200は、制御部1と、記憶部3と、操作表示部5と、検知部7と、通信部9と、筐体11とを備える。筐体11は、制御部1、記憶部3、検知部7、及び、通信部9を収容する。制御部1は、記憶部3、操作表示部5、検知部7、及び、通信部9を制御する。
制御部1は、CPU及びMPU等のプロセッサーを含む。記憶部3は、記憶装置であり、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。具体的には、記憶部3は、主記憶装置及び補助記憶装置を含む。記憶部3は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。記憶部3は、非一時的コンピューター読取可能記憶媒体の一例に相当する。制御部1のプロセッサーは、記憶部3の記憶装置に記憶されたコンピュータープログラムを実行することで、各種演算及び制御を実行する。制御部1は、本発明の「演算部」の一例に相当する。
操作表示部5は、各種情報を表示するとともに、ユーザーからの各種操作を受け付ける。操作表示部5は、例えば、ディスプレイ及び/又は表示灯(例えば、LED)を含む。また、操作表示部5は、タッチセンサー及び/又はスイッチを含む。
検知部7は、洗濯機100の振動を検知して、洗濯機100の振動を示す振動情報を制御部1に出力する。振動情報は、例えば、洗濯機100の振動に起因する加速度を示す加速度情報と、洗濯機100の振動に起因する角速度を示す角速度情報とのうちの少なくとも1つの物理量情報を含む。
具体的には、検知部7は、加速度センサー及びジャイロセンサーのうちの少なくとも1つのセンサー70を含む。加速度センサーは、洗濯機100の加速度を検知する。例えば、加速度センサーは、互いに直交する3軸それぞれの加速度を検知する3軸加速度センサーである。ジャイロセンサーは、洗濯機100の角速度を検知する。例えば、ジャイロセンサーは、互いに直交する3軸それぞれの回りの角速度を検知する3軸ジャイロセンサーである。本実施形態では、加速度及び角速度のうちの少なくとも1つの物理量を検知することで、洗濯機100の振動を容易に検知できる。つまり、洗濯機100の振動は、加速度又は角速度によって表される。
制御部1は、検知部7の検知結果に基づいて、洗濯機100の動作状態を推定して、洗濯機100の動作状態を示す動作情報を生成する。つまり、制御部1は、検知部7が検知した洗濯機100の振動を示す振動情報に基づいて、洗濯機100の動作状態を推定して、洗濯機100の動作状態を示す動作情報を生成する。例えば、制御部1は、検知部7が検知した洗濯機100の振動を示す加速度に基づいて、洗濯機100の動作状態を推定して、洗濯機100の動作状態を示す動作情報を生成する。又は、例えば、制御部1は、検知部7が検知した洗濯機100の振動を示す角速度に基づいて、洗濯機100の動作状態を推定して、洗濯機100の動作状態を示す動作情報を生成する。
「動作状態」は、例えば、洗濯機100が稼働状態か非稼働状態かを示す。「稼働状態」は、洗濯機100が洗濯工程(洗い、すすぎ、脱水)を実行している状態を示す。また、動作状態は、例えば、洗濯機100が洗濯工程のうちのどの段階にあるかを示してもよい。また、例えば、「動作状態」は、洗濯機100が給水状態か非給水状態かを示す。
通信部9はネットワークNWに接続される。制御部1は、洗濯機100の動作情報をサーバー400に送信するように通信部9を制御する。その結果、通信部9は、検知部7の検知結果に基づいて得られた洗濯機100の動作状態を示す動作情報を、ネットワークNWを介してサーバー400に送信する。サーバー400は、本発明の「外部装置」の一例に相当する。なお、制御部1は、洗濯機100の動作情報をユーザー端末TMに送信するように通信部9を制御してもよい。その結果、通信部9は、洗濯機100の動作情報を、ネットワークNWを介してユーザー端末TMに送信する。ユーザー端末TMは、本発明の「外部装置」の一例に相当する。
具体的には、通信部9は通信機である。通信部9は、ネットワークNWを介して、サーバー400及びユーザー端末TMと通信する。通信部9は、例えば、ネットワークインタフェースコントローラーを含む。また、通信部9は、例えば、近距離無線通信を実行する無線通信モジュールを含んでいてもよい。また、通信部9は、例えば、携帯電話の通信規格に準拠した通信を行う無線通信モジュールを含んでいてもよい。
以上、図1及び図2を参照して説明したように、本実施形態では、既存の洗濯機100に、後付けで監視端末200を取り付けるだけで、洗濯機100の状態を監視できる。従って、監視端末200と同様の機能を洗濯機100に組み込む場合と比較して、開発コストを低減できる。また、既存の洗濯機100が通信機能を有していない場合でも、既存の洗濯機100に、後付けで監視端末200を取り付けるだけで、洗濯機100の情報をサーバー400又はユーザー端末TMに送信できる。
次に、図3及び図4を参照して、洗濯機100において監視端末200が配置されることの可能な領域である特定領域を説明する。図3は、洗濯機100の前面側を模式的に示す斜視図である。図4は、洗濯機100の後面側を模式的に示す斜視図である。図3及び図4では、洗濯機100の形状を縦長の直方体によって近似することで、洗濯機100を模式的に示している。また、重力Gの方向が矢印によって示される。
図3及び図4に示すように、洗濯機100(具体的には筐体101)は、前面FSと、後面BSと、天面TSと、側面LSと、側面RSとを有する。前面FSと後面BSとは、Ax軸方向に対向し、Ax軸方向に交差する。前面FSと後面BSとは、例えば、Ax軸方向に略直交する。側面RSと側面LSとは、Ay軸方向に対向し、Ay軸方向に交差する。側面RSと側面LSとは、例えば、Ay軸方向に略直交する。天面TSは、Az軸方向に交差する。天面TSは、例えば、Az軸方向に略直交する。
図3及び図4では、洗濯機100(具体的には筐体101)は、特定領域P11、P12、P21、P22、P31、P32、P33、P34、P41、P42、P51、P52を有する。特定領域P11~P52は、洗濯機100の上部UPかつ隅部CNの領域を示す。例えば、洗濯機100は、上部UPにおいて4つの隅部CNを有する。監視端末200(図1)は、特定領域P11~P52のうちのいずれかの領域に配置される。つまり、監視端末200の筐体11(図1)は、特定領域P11~P52のうちのいずれかの領域に配置される。従って、本実施形態によれば、監視端末200の検知部7(図2)は、洗濯機100の稼働中に継続して発生する振動を効果的に検知できる。
引き続き図3及び図4を参照して、監視端末200を特定領域P11~P52のうちのいずれかの領域に配置することで振動を効果的に検知できる理由を説明する。
すなわち、洗濯機100の底部BMが床面FLに設置される。従って、洗濯機100の底部BMは、「固定端」とみなすことができる。一方、洗濯機100に振動Vx及び振動Vyが発生すると、洗濯機100の底部BMを固定端として、洗濯機100の上部UPの振動が大きくなる。従って、洗濯機100の上部UPは、「自由端」とみなすことができる。加えて、洗濯機100の上部UPのうち、隅部CNの方が、他の部分よりも、振動が大きくなる。従って、洗濯機100の上部UPかつ隅部CNの領域を特定領域P11~P52に設定して、監視端末200を特定領域P11~P52のうちのいずれかの領域に配置する。その結果、監視端末200の検知部7は洗濯機100の振動を効果的に検知できる。
振動Vxは、洗濯機100の振動のうち、Ax軸に略平行な振動成分(前後方向の振動成分)を示す。振動Vxは、主に、駆動部107(モーター)の動作に起因する。振動Vyは、洗濯機100の振動のうち、Ay軸に略平行な振動成分(左右方向の振動成分)を示す。振動Vyは、主に洗濯物を収容した回転槽106の回転に起因する。例えば、振動Vyは、回転中の回転槽106の内部で洗濯物が偏っていることに起因する。振動Vzは、洗濯機100の振動のうち、Az軸に略平行な振動成分(鉛直方向の振動成分)を示す。洗濯機100では、振動Vzは比較的小さい。振動Vzの大きさは、例えば、床面FLの材質に起因する。
特に、本実施形態では、特定領域P11、P12は、洗濯機100の上部UPかつ隅部CNであって、洗濯機100の前面FS上の領域を示す。つまり、特定領域P11は、前面FS上部の一対の隅領域のうちの一方の隅領域を示す。特定領域P12は、前面FS上部の一対の隅領域のうちの他方の隅領域を示す。例えば、特定領域P11、P12の各々のAy軸方向の長さは、洗濯機100の前面FSのAy軸方向の長さの約1/3以下である。特定領域P11、P12は、前面FSに位置するため、監視端末200を配置し易い。
また、特定領域P21、P22は、洗濯機100の上部UPかつ隅部CNであって、洗濯機100の後面BS上の領域を示す。つまり、特定領域P21は、後面BS上部の一対の隅領域のうちの一方の隅領域を示す。特定領域P22は、後面BS上部の一対の隅領域のうちの他方の隅領域を示す。例えば、特定領域P21、P22の各々のAy軸方向の長さは、洗濯機100の後面BSのAy軸方向の長さの約1/3以下である。特定領域P21、P22は、後面BSに位置するため、監視端末200が人目に触れることや、ユーザーが不意に触って監視端末200が洗濯機100から外れることや、監視端末200に不要な振動を与えてしまうことを抑制できる。
更に、特定領域P31、P32、P33、P34は、洗濯機100の上部UPかつ隅部CNであって、洗濯機100の天面TS上の領域を示す。つまり、特定領域P31は、天面TS前部の一対の隅領域のうちの一方の隅領域を示す。特定領域P32は、天面TS前部の一対の隅領域のうちの他方の隅領域を示す。特定領域P33は、天面TS後部の一対の隅領域のうちの一方の隅領域を示す。特定領域P34は、天面TS後部の一対の隅領域のうちの他方の隅領域を示す。例えば、特定領域P31~P34の各々のAy軸方向の長さは、洗濯機100の天面TSのAy軸方向の長さの約1/3以下である。例えば、特定領域P31~P34の各々のAx軸方向の長さは、洗濯機100の天面TSのAx軸方向の長さの約1/3以下である。特定領域P31、P32、P33、P34は、天面TSに位置するため、監視端末200を配置し易い。また、監視端末200を安定して配置できる。
更に、特定領域P41、P42は、洗濯機100の上部UPかつ隅部CNであって、洗濯機100の側面LS上の領域を示す。つまり、特定領域P41は、側面LS上部の一対の隅領域のうちの一方の隅領域を示す。特定領域P42は、側面LS上部の一対の隅領域のうちの他方の隅領域を示す。例えば、特定領域P41、P42の各々のAx軸方向の長さは、洗濯機100の側面LSのAx軸方向の長さの約1/3以下である。特定領域P41、P42は、側面LSに位置するため、監視端末200を比較的配置し易く、前面FSよりも人目にも触れにくい。
更に、特定領域P51、P52は、洗濯機100の上部UPかつ隅部CNであって、洗濯機100の側面RS上の領域を示す。つまり、特定領域P51は、側面RS上部の一対の隅領域のうちの一方の隅領域を示す。特定領域P52は、側面RS上部の一対の隅領域のうちの他方の隅領域を示す。例えば、特定領域P51、P52の各々のAx軸方向の長さは、洗濯機100の側面RSのAx軸方向の長さの約1/3以下である。特定領域P51、P52は、側面RSに位置するため、監視端末200を比較的配置し易く、前面FSよりも人目にも触れにくい。
以上、図3及び図4を参照して説明したように、本実施形態によれば、12個の特定領域P11~P52のうちのいずれかの領域に監視端末200を配置することで、監視端末200の検知部7は洗濯機100の振動を精度良く検知できる。
また、本実施形態では、特定領域P11~P52は、洗濯機100の水槽105よりも上方の領域であることが好ましい。この好ましい例によれば、監視端末200の検知部7は洗濯機100の振動をより精度良く検知できる。なぜなら、水槽105には水が溜るので、水槽105の揺れに起因して、洗濯機100の上部UPかつ隅部CNが比較的大きく振動するからである。
次に、図5を参照して、監視端末200に固定される座標系(以下、「センサー座標系」と記載)を説明する。以下では、一例として、センサー70が加速度センサーである例を説明する。従って、以下の説明において、センサー70を「加速度センサー70」と記載する。センサー座標系は、検知部7の加速度センサー70に固定される。図5は、監視端末200を模式的に示す斜視図である。図5では、監視端末200の形状を直方体によって近似することで、監視端末200を模式的に示している。
図5に示すように、センサー座標系は、互いに直交するax軸、ay軸、及び、az軸を有する。具体的には、ax軸、ay軸、及び、az軸は、加速度センサー70の3つの加速度軸を示す。従って、加速度センサー70は、ax軸方向の加速度ax#、ay軸方向の加速度ay#、及び、az軸方向の加速度az#を検知する。また、本実施形態において、ax軸の回りの回転角度を「α」で示す。ay軸の回りの回転角度を「β」で示す。az軸の回りの回転角度を「γ」で示す。それぞれの回転角度は軸の正の方向に向って右ネジが進む方向が正の向きとする。
なお、ワールド座標系は洗濯機100に固定されていないが、説明の便宜のために、ワールド座標系のAx軸、Ay軸、及び、Az軸を、それぞれ、洗濯機100のAx軸、Ay軸、及び、Az軸と記載する場合がある。
次に、図6及び図7を参照して、監視端末200を利用した洗濯機100の監視方法を説明する。図6は、洗濯機システム300を模式的に示す斜視図である。図6では、洗濯機100の形状を縦長の直方体によって近似することで、洗濯機100を模式的に示している。また、重力Gの方向が矢印によって示される。図6の例では、監視端末200は特定領域P52に配置される。図7は、監視端末200を利用する監視方法を示すフローチャートである。図7に示すように、監視方法は、ステップS1~ステップS7を含む。
図6及び図7に示すように、まず、ステップS1において、監視端末200が洗濯機100の特定領域P52に配置される。
具体的には、加速度センサー70のax軸の正方向が、洗濯機100のAx軸の正方向に沿うように、監視端末200(筐体11)が特定領域P52に配置される。例えば、ax軸とAx軸とのなす角度が約10度以内になるように、監視端末200が特定領域P52に配置される。好ましくは、ax軸がAx軸に略平行になるように、監視端末200が特定領域P52に配置される。
ax軸の正方向とAx軸の正方向とのなす角度が約10度以内の場合、式(1)、式(2)、及び、式(3)が精度良く成立する。ax軸がAx軸に略平行である場合、つまり、ax軸の正方向とAx軸の正方向とのなす角度が約ゼロ度の場合、式(1)、式(2)、及び、式(3)の精度が最も良い。「*」は乗算を示す。「Ax#」は、ワールド座標系におけるAx軸方向の加速度を示す。加速度Ax#は、ワールド座標系における洗濯機100の振動Vxを表す。「Ay#」は、ワールド座標系におけるAy軸方向の加速度を示す。加速度Ay#は、ワールド座標系における洗濯機100の振動Vyを表す。「Az#」は、ワールド座標系におけるAz軸方向の加速度を示す。加速度Az#は、ワールド座標系における洗濯機100の振動Vzを表す。
次に、ステップS2において、監視端末200の制御部1は、洗濯機100が非稼働状態であるときに、加速度センサー70から、加速度ax0、加速度ay0、及び、加速度az0の情報を取得する。つまり、加速度ax0、加速度ay0、及び、加速度az0は、それぞれ、洗濯機100が非稼働状態であるときに加速度センサー70によって検出された加速度ax#、加速度ay#、及び、加速度az#を示す。
次に、ステップS3において、制御部1は、加速度ax0、加速度ay0、及び、加速度az0に基づいて、洗濯機100が非稼働状態であるときの回転角度α、βを補正して、補正後の回転角度α0、β0を記憶部3に記憶する。
具体的には、制御部1は、式(3)の「ax#」、「ay#」、及び、「az#」に、それぞれ、加速度ax0、加速度ay0、及び、加速度az0を代入して、式(4)を導出する。
制御部1は、式(4)において、「α」及び「β」をそれぞれ0度から360度まで変化させ、「Az#」が最大値になるときの「α」及び「β」を探索する。「Az#」が最大値になるときの「α」及び「β」を、それぞれ、「α0」及び「β0」と記載する。最大値になるときの「Az#」の値は、√(ax02+ay02+az02)=1G(重力加速度)と論理的に同じ値になる。制御部1は、補正後の回転角度α0、β0を記憶部3に記憶する。
制御部1は、式(1)、式(2)、及び、式(3)の回転角度α、βに対して、それぞれ、回転角度α0、β0を代入することで、式(5)、式(6)、及び、式(7)を導出する。制御部1は、式(5)、式(6)、及び、式(7)を記憶部3に記憶する。
次に、ステップS4において、制御部1は、加速度センサー70から、加速度ax#、加速度ay#、及び、加速度az#の情報を取得する。この場合、洗濯機100が稼働状態である場合には、制御部1は、洗濯機100の稼働中に加速度センサー70によって検知された加速度ax#、ay#、az#の情報を取得する。
次に、ステップS5において、制御部1は、式(5)に、加速度センサー70から取得した加速度ax#、ay#、az#を代入して、加速度Ax#を算出する。加速度ax#、ay#、az#が洗濯機100の稼働中に加速度センサー70によって検知された加速度である場合は、加速度Ax#は、洗濯機100のAx軸方向の振動成分Vxを示す。
また、制御部1は、式(6)に、加速度センサー70から取得した加速度ay#、az#を代入して、加速度Ay#を算出する。加速度ay#、az#が洗濯機100の稼働中に加速度センサー70によって検知された加速度である場合は、加速度Ay#は、洗濯機100のAy軸方向の振動成分Vyを示す。
更に、制御部1は、式(7)に、加速度センサー70から取得した加速度ax#、ay#、az#を代入して、加速度Az#を算出する。加速度ax#、ay#、az#が洗濯機100の稼働中に加速度センサー70によって検知された加速度である場合は、加速度Az#は、洗濯機100のAz軸方向の振動成分Vzを示す。
なお、ステップS4、S5は、継続して実行される。
次に、ステップS6において、制御部1は、加速度Ax#、Ay#、Az#に基づいて、洗濯機100の動作状態を推定する。
次に、ステップS7において、制御部1は、通信部9によって、洗濯機100の動作状態を示す動作情報をサーバー400に送信する。そして、処理はステップS4に進む。
以上、図6及び図7を参照して説明したように、本実施形態によれば、加速度センサー70の3軸ax、ay、azのうちの1軸であるax軸(つまり、特定軸)の正方向が、洗濯機100が配置されるワールド座標系のAx軸の正方向(つまり、基準軸)に沿うように、筐体11は、特定領域P52に配置される。従って、式(1)~式(7)の近似式の精度が良い。その結果、制御部1は、加速度Ax#、Ay#、Az#を精度良く算出できる。
ここで、「基準軸」は、ワールド座標系の3軸Ax、Ay、Azのうち、特定領域P11~P52に対する監視端末200の位置合わせのための基準となる軸を示す。「基準軸」は、例えば、特定領域P11~P52のうち、監視端末200を配置する特定領域に略平行である。「基準軸」は、例えば、鉛直方向に略直交する。「特定軸」は、加速度センサー70の3軸ax、ay、azのうち、「基準軸」に合わせることが要求される軸を示す。「特定軸」は、例えば、加速度センサー70の3軸ax、ay、azのうち、監視端末200を配置する特定領域に交差する軸と異なる軸である。好ましくは、例えば、「特定軸」は、加速度センサー70の3軸ax、ay、azのうち、監視端末200を配置する特定領域に略直交する軸と異なる軸である。
なお、図6では、例えば、洗濯機100の上部UPにおいて、監視端末200の角部を洗濯機100の筐体101の角部に合わせることで、加速度センサー70の特定軸をワールド座標系の基準軸に容易に合わせることもできる。
また、本実施形態では、制御部1は、洗濯機100が非稼働状態にあるときに検知部7の加速度センサー70が検知した3軸ax、ay、azそれぞれの加速度ax0、ay0、az0に基づいて、洗濯機100の非稼働状態において3軸ax、ay、azのうちの特定領域P52に交差する軸azと異なる2軸ax、ayの回りの回転角度α、βを補正して、補正後の回転角度α0、β0を取得する。そして、制御部1は、補正後の回転角度α0、β0と、洗濯機100が稼働状態にあるときに検知部7の加速度センサー70が検知した加速度ax#、ay#、az#とに基づいて、ワールド座標系における洗濯機100の振動成分Vx、Vy、Vz、つまり、加速度Ax#、Ay#、Az#を算出する。すなわち、制御部1は、簡素な演算によって、洗濯機100の振動成分Vx、Vy、Vzを表す加速度Ax#、Ay#、Az#を精度良く算出できる。
換言すれば、本実施形態では、式(5)~式(7)のような簡素な数式によって、洗濯機100の振動を示す加速度Ax#、Ay#、Az#を算出できる。従って、比較的処理能力の低い制御部1であっても、容易に加速度Ax#、Ay#、Az#を算出できる。同様の理由により、制御部1の消費電力の増加を抑制できる。
ここで、ステップS1において、加速度センサー70のay軸が、洗濯機100のAx軸に沿うように、監視端末200が特定領域P52に配置されてもよい。例えば、ay軸とAx軸とのなす角度が約10度以内になるように、監視端末200が特定領域P52に配置される。好ましくは、ay軸がAx軸に略平行になるように、監視端末200が特定領域P52に配置される。
また、図6に示す加速度センサー70のax軸、ay軸、及び、az軸の配置は一例であり、ax軸、ay軸、及び、az軸と、Ax軸、Ay軸、及び、Az軸とが、上記と同様の関係を有する場合は、式(1)~式(7)に示す回転変換式の各軸および符号を加速度センサー70の配置に合わせて置換することで、同様の回転変換式が成立する。
なお、図7を参照して説明した実施形態では、洗濯機100が非稼働状態における加速度センサー70の値ax0、ay0、az0に基づいて、補正後の回転角度α0、β0を取得した。ただし、次のようにして、補正後の回転角度α0、β0を取得することもできる。
すなわち、稼働中の振動は、非稼働状態で測定される加速度値を中間値としてプラスマイナスほぼ一定の値で変動する加速度によって表される。従って、稼働中の加速度センサー70の値の平均値をax0、ay0、az0とすることができる。このようにして導出されたax0、ay0、az0に基づいて、式(4)を導出することで、補正後の回転角度α0、β0を取得する。
次に、図8及び図9を参照して、監視端末200の一例を説明する。図8は、監視端末200の一例を示す斜視図である。図8に示すように、監視端末200は、筐体11を備える。また、監視端末200の操作表示部5は、スイッチ51、52及び表示灯53、54を含む。表示灯53、54は、例えば、LEDを含む。スイッチ51は、監視端末200の初期設定の実行、並びに、ネットワークNW及びサーバー400への接続の実行を、制御部1に指示する指示信号を生成する。制御部1は、スイッチ51が押下されると、指示信号に従って、監視端末200の初期設定を実行するとともに、通信部9をネットワークNW及びサーバー400に接続する。そして、制御部1は、表示灯53を点灯する。スイッチ52は、監視端末200の電源のオン/オフを実行する。制御部1は、スイッチ52によって電源がオンになると、表示灯54を点灯する。
また、監視端末200は、単数又は複数のマグネット55を更に備える。マグネット55は、筐体11の底部に固定される。従って、洗濯機100の筐体101が磁性体である場合には、監視端末200を洗濯機100の筐体101(特定領域P11~P52)に容易に配置できる。
図9は、監視端末200の一例を示す分解斜視図である。図9に示すように、監視端末200の筐体11は、第1筐体部111と、第2筐体部112とを含む。第1筐体部111は第2筐体部112に取り付けられる。また、監視端末200は、回路基板15を更に備える。検知部7は回路基板15に配置される。なお、図9では、図面の簡略化のために、回路基板15に配置される各種回路、制御部1、記憶部3、及び、通信部9を省略している。第1筐体部111は、回路基板15を覆うように第2筐体部112に取り付けられる。監視端末200は、例えば、端子17を備えていてもよい。端子17は、例えば、電源供給用端子である。
端子17には、商用電源や洗濯機100などから電源が供給される。これにより、監視端末200に電池などを内蔵しなくても稼働することができる。また、端子17は、例えば、USB等の通信機能を有した端子としてもよい。この場合は、端子17に情報機器を接続して、監視端末200のシステムアップデート等を実行することができる。また、端子17に別の検知部を接続して、隣接する洗濯機100の振動情報を取得したり、洗濯機100の特定の箇所の振動情報を取得することができる。
また、監視端末200の筐体11は、加速度センサー70の3軸ax、ay、azのうちの特定軸(図6の例ではax軸)を、ワールド座標系の3軸Ax、Ay、Azのうちの基準軸(図6の例ではAx軸)に合わせるための監視端末マーカー部13を有する。監視端末マーカー部13は、加速度センサー70の3軸ax、ay、azのうちの特定軸に沿った方向を示す。つまり、監視端末マーカー部13は、加速度センサー70の3軸ax、ay、azのうちの特定軸に略平行である。従って、ユーザーは、監視端末マーカー部13を目印として、加速度センサー70の特定軸がワールド座標系の基準軸に沿うように、監視端末200を洗濯機100の特定領域P11~P52に配置し易い。
監視端末マーカー部13は、例えば、筐体11に刻印されていてもよいし、ステッカーであってもよいし、塗装であってもよい。
次に、図5~図7及び図10~図13を参照して、本実施形態の第1変形例~第5変形例を説明する。以下の説明では、第1変形例~第5変形例について、図1~図9を参照して説明した監視端末200と異なる部分を主に説明する。
(第1変形例)
図10Aを参照して、本実施形態の第1変形例を説明する。第1変形例では、洗濯機100が第1洗濯機マーカー部109を備える例を説明する。図10Aは、第1変形例に係る洗濯機システム300を模式的に示す部分斜視図である。図10Aに示すように、洗濯機100は、洗濯機100において、加速度センサー70の3軸ax、ay、azのうちの特定軸(図10Aの例ではax軸)を、ワールド座標系の3軸Ax、Ay、Azのうちの基準軸(図10Aの例ではAx軸)に合わせるための第1洗濯機マーカー部109を備える。第1洗濯機マーカー部109は、本発明の「電気機器マーカー部」の一例に相当する。
第1洗濯機マーカー部109は、筐体101に設けられる。具体的には、第1洗濯機マーカー部109は、特定領域P11~P52のうちの少なくとも1つの特定領域(図10Aの例では特定領域P52)、又は、その近傍に設けられる。第1洗濯機マーカー部109は、洗濯機100の基準軸(Ax軸)に沿った方向を示す。つまり、第1洗濯機マーカー部109は、洗濯機100の基準軸(Ax軸)に略平行である。また、監視端末マーカー部13は、加速度センサー70の特定軸(ax軸)に沿った方向を示す。つまり、監視端末マーカー部13は、加速度センサー70の特定軸(ax軸)に略平行である。従って、ユーザーは、第1洗濯機マーカー部109及び監視端末マーカー部13を目印として、加速度センサー70の特定軸(ax軸)が洗濯機100の基準軸(Ax軸)に沿うように、監視端末200を洗濯機100の特定領域P52に配置し易い。つまり、ユーザーは、第1洗濯機マーカー部109と監視端末マーカー部13とが略平行になるように、監視端末200を洗濯機100の筐体101に配置することで、特定領域P52において、加速度センサー70の特定軸(ax軸)と洗濯機100の基準軸(Ax軸)とを略平行に設定できる。
第1洗濯機マーカー部109は、例えば、筐体101に刻印されていてもよいし、ステッカーであってもよいし、塗装であってもよい。なお、監視端末200は、監視端末マーカー部13を備えていなくてもよい。
(第2変形例)
図10Bを参照して、本実施形態の第2変形例を説明する。第2変形例では、洗濯機100が第2洗濯機マーカー部110を備える例を説明する。図10Bは、第2変形例に係る洗濯機システム300を模式的に示す部分斜視図である。図10Bに示すように、洗濯機100は、洗濯機100において、加速度センサー70の3軸ax、ay、azのうちの特定軸(図10Bの例ではax軸)を、ワールド座標系の3軸Ax、Ay、Azのうちの基準軸(図10Bの例ではAx軸)に合わせるための第2洗濯機マーカー部110を備える。第2洗濯機マーカー部110は、本発明の「電気機器マーカー部」の一例に相当する。
第2洗濯機マーカー部110は、筐体101に設けられる。具体的には、第2洗濯機マーカー部110は、特定領域P11~P52のうちの少なくとも1つの特定領域(図10Bの例では特定領域P52)、又は、その近傍に設けられる。第2洗濯機マーカー部110は、洗濯機100の基準軸(Ax軸)に沿って延びる。加えて、第2洗濯機マーカー部110は、筐体101から突出している。従って、第2洗濯機マーカー部110は、監視端末200を洗濯機100に配置する際のガイドとして機能する。よって、ユーザーは、第1洗濯機マーカー部109及び監視端末マーカー部13を目印にするとともに、第2洗濯機マーカー部110に沿って監視端末200を配置することで、加速度センサー70の特定軸(ax軸)と洗濯機100の基準軸(Ax軸)とを略平行に容易に設定できる。
なお、洗濯機100は、第1洗濯機マーカー部109を備えていなくてもよい。また、監視端末200は、監視端末マーカー部13を備えていなくてもよい。
(第3変形例)
図11を参照して、本実施形態の第3変形例を説明する。第3変形例では、特定領域P33が洗濯機100の給水口19に隣接している例を説明する。図11は、第3変形例に係る洗濯機システム300を示す斜視図である。図11に示すように、洗濯機システム300において、洗濯機100は、給水口19を備える。
給水口19には、給水ホース21が取り付けられる。水は、給水ホース21から給水口19を通って、洗濯機100の内部(水槽105及び/又は回転槽106)に供給される。特定領域P33は、洗濯機100の給水口19に隣接する。つまり、監視端末200は、給水口19に隣接して配置される。従って、第3変形例によれば、監視端末200の検知部7は、給水に起因する振動を検知できる。つまり、検知部7は、給水の際に固有の振動を検知できる。その結果、制御部1は、検知部7が検知した振動を示す加速度Vx#、Vy#、Vz#に基づいて、給水動作を行われているか否かを推定できる。つまり、制御部1は、加速度Vx#、Vy#、Vz#に基づいて洗濯機100が給水状態か非給水状態かを推定できる。
ここで、駆動部107の動作に起因する振動特性と、給水に起因する振動特性とは異なる。つまり、駆動部107の動作に起因する振動を示す加速度Vx#、Vy#、Vz#の時間変化・振幅変化は、給水に起因する振動を示す加速度Vx#、Vy#、Vz#の時間変化・振幅変化と異なる。従って、制御部1は、加速度Vx#、Vy#、Vz#を解析することで、検知部7が検知した振動が、駆動部107の動作に起因する振動であるか、給水に起因する振動であるかを容易に識別できる。
(第4変形例)
図12を参照して、本実施形態の第4変形例を説明する。第4変形例では、洗濯機100Aが縦型洗濯機である例を説明する。図12は、第4変形例に係る洗濯機システム300を示す斜視図である。図12に示すように、洗濯機システム300は、洗濯機100Aと、監視端末200とを備える。洗濯機100Aは、本発明の「電気機器」の一例に相当する。図11では、一例として、監視端末200は、洗濯機100Aの特定領域P52に配置される。つまり、監視端末200の筐体11は、洗濯機100Aの特定領域P52に配置される。
洗濯機100Aは、図3及び図4に示す洗濯機100と同様に、洗濯機100Aの上部かつ隅部において、12個の特定領域P11~P52を有する。監視端末200は、特定領域P11~P52のうちのいずれかの領域に配置される。
洗濯機100Aは、洗濯物を洗濯する。洗濯機100Aは、縦型洗濯機である。洗濯機100Aにおいて、回転槽106及び水槽105の各々は、筒体の一端部を閉塞した形状を有する。回転槽106及び水槽105は、鉛直方向に延びる。従って、振動Vx及び振動Vyは、洗濯物を収容した回転槽106の回転に起因する。例えば、振動Vx及び振動Vyは、回転中の回転槽106の内部で洗濯物が偏っていることに起因する。
なお、洗濯機100Aは給水口19を備える。給水口19には、給水ホース21が取り付けられる。特定領域P34は、洗濯機100の給水口19に隣接する。従って、例えば、監視端末200を特定領域P34に配置することで、監視端末200の検知部7(図2)は、給水に起因する振動を効果的に検知できる。
(第5変形例)
図5、図6、及び、図13を参照して、本発明の第5変形例を説明する。第5変形例では、図5の監視端末200のセンサー70がジャイロセンサーである例を説明する。以下、センサー70を「ジャイロセンサー70」と記載する。ax軸、ay軸、az軸は、ジャイロセンサー70の3軸である。ジャイロセンサー70は、ax軸の回りの角速度gx#、ay軸の回りの角速度gy#、及び、az軸の回りの角速度gz#を検知する。
図13は、第5変形例に係る監視端末200を利用する監視方法を示すフローチャートである。図6及び図13に示すように、まず、ステップS11において、監視端末200(筐体11)が洗濯機100の特定領域P52に配置される。
具体的には、ジャイロセンサー70のax軸が、洗濯機100のAx軸に沿うように、監視端末200(筐体11)が特定領域P52に配置される。この点は、加速度センサーの場合と同様である。
ax軸とAx軸とのなす角度が約10度以内の場合、式(8)~式(10)が精度良く成立する。ax軸がAx軸に略平行である場合、式(8)~式(10)の精度が最も良い。「*」は乗算を示す。「Gx#」は、ワールド座標系におけるAx軸の回りの角速度を示す。「Gy#」は、ワールド座標系におけるAy軸の回りの角速度を示す。「Gz#」は、ワールド座標系におけるAz軸の回りの角速度を示す。
次に、ステップS12において、制御部1は、洗濯機100が非稼働状態であるときの回転角度α0、β0を記憶部3に記憶する。回転角度α0、β0の導出方法は、前述のように加速度センサーの情報を使用できる。また、水準器などから情報を取得してもよい。
制御部1は、式(8)~式(10)の回転角度α、βに対して、それぞれ、回転角度α0、β0を代入することで、式(11)~式(13)を導出する。制御部1は、式(11)~式(13)を記憶部3に記憶する。
次に、ステップS13において、制御部1は、ジャイロセンサー70から、角速度gx#、角速度gy#、及び、角速度gz#の情報を取得する。この場合、洗濯機100が稼働状態である場合には、制御部1は、洗濯機100の稼働中にジャイロセンサー70によって検知された角速度gx#、gy#、gz#の情報を取得する。
次に、ステップS14において、制御部1は、式(11)に、ジャイロセンサー70から取得した角速度gx#、gy#、gz#を代入して、角速度Gx#を算出する。また、制御部1は、式(12)に、ジャイロセンサー70から取得した角速度gy#、gz#を代入して、角速度Gy#を算出する。更に、制御部1は、式(13)に、ジャイロセンサー70から取得した角速度gx#、gy#、gz#を代入して、角速度Gz#を算出する。角速度gx#、gy#、gz#が洗濯機100の稼働中にジャイロセンサー70によって検知された角速度である場合は、角速度Gx#、Gy#、Gz#は、洗濯機100の振動を示す。
次に、ステップS15において、制御部1は、角速度Gx#、Gy#、Gz#に基づいて、洗濯機100の動作状態を推定する。
次に、ステップS16において、制御部1は、通信部9によって、洗濯機100の動作状態を示す動作情報をサーバー400に送信する。
以上、図5、図6、及び、図13を参照して説明したように、第5変形例によれば、ジャイロセンサー70の3軸ax、ay、azのうちの1軸であるax軸(つまり、特定軸)が、洗濯機100が配置されるワールド座標系のAx軸(つまり、基準軸)に沿うように、筐体11は、特定領域P52に配置される。
また、第5変形例では、制御部1は、補正後の回転角度α0、β0と、洗濯機100が稼働状態にあるときに検知部7のジャイロセンサー70が検知した角速度gx#、gy#、gz#とに基づいて、ワールド座標系における洗濯機100の角速度Gx#、Gy#、Gz#(振動成分)を算出する。本変形例では、洗濯機100の角速度から振動成分を算出するため、洗濯機100の「稼働状態」に起因する振動か、洗濯機100の外部からの衝撃に起因する振動か、を識別しやすくなる。また、ジャイロセンサー70を蓋102に設置することで、蓋102の開閉状態を正確に検知することもできる。
なお、ステップS11において、ジャイロセンサー70のay軸が、洗濯機100のAz軸に沿うように、監視端末200(筐体11)が特定領域P52に配置されてもよい。この点は、加速度センサーの場合と同様である。また、図6に示すジャイロセンサー70のax軸、ay軸、及び、az軸の配置は一例であり、ax軸、ay軸、及び、az軸と、Ax軸、Ay軸、及び、Az軸とが、上記と同様の関係を有する場合は、式(8)~式(13)に示す回転変換式の各軸および符号をジャイロセンサー70の配置に合わせて置換することで、同様の回転変換式が成立する。
また、例えば、監視端末200が給水口19(図11、図12)に隣接して配置される場合、監視端末200の検知部7(図2)は、給水に起因する振動を検知できる。その結果、制御部1は、検知部7が検知した振動を示す角速度Gx#、Gy#、Gz#に基づいて、給水動作を行われているか否かを推定できる。つまり、制御部1は、角速度Gx#、Gy#、Gz#に基づいて洗濯機100が給水状態か非給水状態かを推定できる。
ここで、駆動部107の動作に起因する振動特性と、給水に起因する振動特性とは異なる。つまり、駆動部107の動作に起因する振動を示す角速度Gx#、Gy#、Gz#の時間変化・振幅変化は、給水に起因する振動を示す角速度Gx#、Gy#、Gz#の時間変化・振幅変化と異なる。従って、制御部1は、角速度Gx#、Gy#、Gz#を解析することで、検知部7が検知した振動が、駆動部107の動作に起因する振動であるか、給水に起因する振動であるかを容易に識別できる。
以上、図1~図13では、監視端末200が洗濯機100、100Aに配置される例を説明した。ただし、監視端末200が配置される電気機器は、洗濯機100、100Aに限定されない。つまり、監視端末200は、稼働中に継続して振動を発生する電気機器に配置されることが可能である。
[監視システムSYS]
図2を参照して、監視システムSYSを説明する。監視端末200は、サーバー400に、洗濯機100の情報(例えば、振動情報)を送信する。サーバー400は、洗濯機100の情報を処理して、処理結果をユーザー端末TM又は監視端末200に送信する。また、サーバー400は、ユーザー端末TMから情報を受信する。そして、サーバー400は、ユーザー端末TMから受信した情報を処理して、処理結果を監視端末200に送信する。
例えば、監視端末200は、既存の電気機器(例えば、洗濯機100)に後付けで取り付けて、電気機器の運転状態、故障状態をサーバー400に送信し、サーバー400は電気機器を遠隔監視する。監視端末200には、センサー70だけでなく、様々なセンサーが内蔵されていてもよい。センサーは、例えば、電流センサー、又は、環境センサー(温度、湿度、気圧、照度、ガス、ホコリ、人感センサーなど)である。
例えば、監視端末200には人工知能を搭載することも可能であり、各種センサーからの情報を組み合わせて、(1)電気機器に関する情報(運転状態、運転履歴、故障予知など)、(2)電気機器が置かれた状態・周辺の状況を示す情報、(3)電気機器を使用するユーザーの状態を示す情報を、推測して生成することが可能である。
例えば、監視端末200にはサーバー400との通信部9が備わっていて、上記の各種センサー情報やそれらからの推測情報をサーバー400に通知する。通信部9は、WiFi、光回線、モバイル回線、LPWAなどに準拠している。
例えば、監視端末200は報知装置を有することも可能である。報知装置は、上記の各種センサー情報やそれらからの推測情報、さらにはサーバー400から通知情報をユーザーに報知する。報知装置は、LCD、LEDなどのディスプレイ、スピーカーなどの音声出力部などである。
例えば、監視端末200は入力表示部を有することも可能であり、(1)監視端末200の設定、登録操作に関する指示、(2)サーバー400からの通知情報に関する確認応答を行うことができる。
例えば、監視端末200の電源は5V電源入力にすることも可能であり、ACアダプターやUSB電源、モバイルバッテリーなど様々な電源供給に対応可能である。
例えば、監視端末200は、監視端末200を制御するファームウェアの動作を、通信部9(有線又は無線)を使って外部から切り替えることが可能であり、取り付ける電気機器の動作状態を監視するのに適した制御内容に変更することが可能である。
例えば、監視端末200は、監視端末200を制御するファームウェアを、通信部9(有線又は無線)を使って外部から書き換えることが可能であり、取り付ける電気機器の動作状態を監視するのに適した制御内容に変更することが可能である。
例えば、サーバー400は、監視端末200からの通知された情報を記憶する記憶部3を有する。
例えば、サーバー400には人工知能を搭載することも可能であり、監視端末200から通知された情報や、その他のサーバーからの関連情報なども組み合わせて、(1)電気機器に関する情報(運転状態、運転履歴、故障予知など)、(2)電気機器が置かれた状態・周辺の状況を示す情報、(3)電気機器を使用するユーザーの状態を示す情報を、推測して生成することが可能である。
例えば、サーバー400に蓄積された情報や、サーバー400にて推測生成された情報を以下の様な手法にてユーザーが見ることができたり、プッシュ通知されることができたりする。WEBコンテンツやSNSコンテンツ上に数字、文字、図などにより表示する。メールやSMS、notificationなどの手段により、ユーザーにプッシュ通知する。
例えば、サーバー400は、監視端末200を制御する制御部401を有しており、以下の様なコマンド指示を監視端末200に対して送信して遠隔制御することができる。コマンドは、ユーザー端末TMからの遠隔操作コマンド、サーバー400内の推測情報に基づいて動作する端末制御コマンドである。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、または、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。