以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
(実施形態1)
図1~図7を参照して、本発明の実施形態1に係る監視端末200について説明する。図1は、本実施形態に係る洗濯機システム300を示す斜視図である。図1に示すように、洗濯機システム300は、洗濯機100と、監視端末200とを備える。洗濯機100は、本発明の「電気機器」の一例に相当する。
洗濯機100は、洗濯物を洗濯する。洗濯機100は、横型ドラム式(以下、単に「ドラム式」)洗濯機である。洗濯機100は、本体筐体101と、蓋体102と、操作表示部103と、水槽105と、回転槽106と、駆動部107と、蓋体102の開閉ボタン108と、ヒンジHGと、把持部HDとを備える。
本体筐体101は、水槽105、回転槽106、及び、駆動部107を収容する。本体筐体101は、例えば、金属又は合成樹脂により形成される。本体筐体101は、蓋体102の内側に開口部104を有する。蓋体102は開閉する。つまり、蓋体102は、ヒンジHGにより開閉可能に支持される。蓋体102は、開口部104を閉塞したり、開口部104を開放したりする。蓋体102は、例えば、扉である。把持部HDは、ユーザーによって把持される。ユーザーは、把持部HDを把持しつつ、蓋体102を開閉する。把持部HDは、ヒンジHGに対して反対側に配置される。把持部HDは、例えば、把手である。
操作表示部103は、各種情報を表示するとともに、ユーザーからの操作を受け付ける。
回転槽106及び水槽105の各々は、筒体の一端部を閉塞した形状を有する。回転槽106及び水槽105は、水平方向に対して斜め上方に傾斜している。
回転槽106は、洗濯物を収容可能である。回転槽106の一端部には、回転槽底部が形成される。回転槽106の他端部には、回転槽開口部が形成される。回転槽106は複数の孔を有する。回転槽開口部は、蓋体102に対向する。回転槽106は、水槽105の内側に配置される。回転槽106は、回転可能に水槽105に支持される。
水槽105の一端部には、水槽底部が形成される。水槽105の他端部には、水槽開口部が形成される。水槽開口部は、蓋体102に対向する。水槽105は、本体筐体101内において揺動可能に支持される。水槽105には、水が供給され、水が溜る。
回転槽106の複数の孔を介して、水槽105と回転槽106との間の空間と、回転槽106の内部空間との間で、洗濯処理剤(洗剤、柔軟剤、漂白剤等)、水、及び、空気が流通可能である。
引き続き図1を参照して洗濯機100の動作を説明する。蓋体102が開いた状態で、回転槽開口部から回転槽106内に洗濯物が投入される。駆動部107は、回転槽106を回転させる。駆動部107はモーターを含む。駆動部107は、水槽105の外部において水槽底部に対向する。回転槽106が回転することで、水槽底部に溜まった水は、回転槽106の孔を通して、回転槽106と水槽105との間を往き来する。その結果、洗濯物が洗濯される。駆動部107は、洗濯機100における振動の発生源である。駆動部107は、「振動源」の一例に相当する。
監視端末200は、洗濯機100に配置される。つまり、監視端末200は、洗濯機100に取り付けられる。監視端末200は、洗濯機100に対して着脱自在である。監視端末200は、洗濯機100の状態を監視する。
詳細には、好ましい例として、監視端末200(筐体11)は、洗濯機100の蓋体102の外面に配置される。より好ましい例として、監視端末200(筐体11)は、蓋体102のうちの所定領域ARに配置される。所定領域ARは、蓋体102の外面上の領域であり、蓋体102を開閉するヒンジHGに対して反対側の領域を示す。つまり、所定領域ARは、蓋体102のうち、ヒンジHGよりも把持部HDの近くの領域を示す。図1の例では、所定領域ARは、把持部HDに隣接する。監視端末200の詳細は後述する。
なお、例えば、監視端末200は、バッテリーを有していてもよいし、商用電源からACアダプターを介して電力の供給を受けてもよい。
ここで、図1には、三次元直交座標系のAx軸、Ay軸、及び、Az軸が示される。Ax軸、Ay軸、及び、Az軸は、互いに直交する。Ax軸及びAy軸は、水平面に略平行であり、Az軸は、鉛直方向に略平行である。洗濯機100及び監視端末200は、Ax軸、Ay軸、及び、Az軸を含む三次元直交座標系(以下、「ワールド座標系」と記載)によって示される空間に存在する。洗濯機100は、Az軸方向に沿って起立している。
次に、図2を参照して、洗濯機システム300を含む監視システムSYSを説明する。図2は、監視システムSYSを示すブロック図である。図2に示すように、監視システムSYSは、洗濯機システム300と、サーバー400とを備える。洗濯機システム300の監視端末200、サーバー400、及び、ユーザー端末TMは、ネットワークNWに接続され、相互に通信可能である。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、公衆電話網、及び、近距離無線ネットワークを含む。ユーザー端末TMは、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、又は、パーソナルコンピューターである。
サーバー400は、制御部401と、記憶部402とを備える。制御部401は、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサーを含む。記憶部402は、記憶装置を含み、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。具体的には、記憶部402は、半導体メモリー等の主記憶装置と、半導体メモリー、ソリッドステートドライブ、及び、ハードディスクドライブ等の補助記憶装置とを含む。記憶部402は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。記憶部402は、非一時的コンピューター読取可能記憶媒体の一例に相当する。制御部401のプロセッサーは、記憶部402の記憶装置に記憶されたコンピュータープログラムを実行することで、各種演算及び制御を実行する。サーバー400は、例えば、クラウドサーバーである。
通信部403はネットワークNWに接続される。通信部403は通信機である。通信部403は、ネットワークNWを介して、監視端末200及びユーザー端末TMと通信する。通信部403は、例えば、所定の通信プロトコルに従って通信を行うネットワークインタフェースコントローラー(NIC)を含む。所定の通信プロトコルは、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)プロトコル・スイート(つまり、インターネット・プロトコル・スイート)である。また、通信部403は、例えば、近距離無線通信を実行する無線通信モジュールを含んでいてもよい。近距離無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、又は、WiFiによる通信規格に準じた通信である。また、通信部403は、例えば、携帯電話の通信規格に準拠した通信を行う無線通信モジュールを含んでいてもよい。携帯電話の通信規格は、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G(第4世代移動通信システム)、又は、5G(第5世代移動通信システム)である。
ユーザー端末TMは、サーバー400と同様のハードウェア構成を有する。また、ユーザー端末TMは、各種情報を表示する表示装置を有する。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ、又は、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイである。ユーザー端末TMは「外部装置」の一例に相当する。
監視端末200は、制御部1と、記憶部3と、操作表示部5と、検知部7と、通信部9と、筐体11とを備える。筐体11は、制御部1、記憶部3、検知部7、及び、通信部9を収容する。制御部1は、記憶部3、操作表示部5、検知部7、及び、通信部9を制御する。
制御部1は、CPU及びMPU等のプロセッサーを含む。記憶部3は、記憶装置であり、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。具体的には、記憶部3は、主記憶装置及び補助記憶装置を含む。記憶部3は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。記憶部3は、非一時的コンピューター読取可能記憶媒体の一例に相当する。制御部1のプロセッサーは、記憶部3の記憶装置に記憶されたコンピュータープログラムを実行することで、各種演算及び制御を実行する。
具体的には、制御部1は、演算部21と、推定部22と、報知部23とを含む。更に具体的には、制御部1のプロセッサーは、記憶部3の記憶装置に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、演算部21、推定部22、及び、報知部23として機能する。
操作表示部5は、各種情報を表示するとともに、ユーザーからの各種操作を受け付ける。操作表示部5は、例えば、ディスプレイ及び/又は表示灯(例えば、LED)を含む。また、操作表示部5は、タッチセンサー及び/又はスイッチを含む。
検知部7は、洗濯機100の振動及び蓋体102の開閉動作を示す物理量を検知する。物理量は、例えば、加速度又は角速度である。報知部23は、検知部7が検知した物理量に基づいて、洗濯機100の状態を示す状態情報を報知する。報知部23の詳細は後述する。
検知部7は、蓋体102に配置される。従って、実施形態1によれば、検知部7は、蓋体102が開閉する際の蓋体102の変位を示す物理量を検知できる。この場合、蓋体102が開閉する際の蓋体102の変位を示す物理量の特性は、洗濯機100の振動特性と異なる。従って、検知部7が検知した物理量が、洗濯機100の振動を示すのか、蓋体102が開閉する際の蓋体102の変位を示すのかを容易に判別できる。その結果、検知部7は、洗濯機100の振動の検知が可能であるとともに、蓋体102の開閉についての誤検知を抑制できる。本明細書において、洗濯機100の振動は、典型的には、駆動部107の動作(回転)に起因する振動を示す。
より好ましくは、検知部7は、蓋体102のうちの所定領域ARに配置される。換言すれば、検知部7を収容する筐体11が所定領域ARに配置される。更に換言すれば、検知部7を備える監視端末200が所定領域ARに配置される。所定領域ARは、ヒンジHGに対して反対側の領域を示す。従って、実施形態1によれば、検知部7は、蓋体102の開閉において、蓋体102のうち最も変位量の大きな部分(所定領域AR)に配置される。その結果、検知部7は、蓋体102の変位量を示す物理量を精度良く検知できる。
加えて、実施形態1では、蓋体102が閉じている場合において、所定領域ARは、蓋体102の中心Cよりも蓋体102の縁に近い領域である。つまり、蓋体102が閉じている場合において、検知部7は、蓋体102の中心Cに対して蓋体102の縁の側に偏って配置される。従って、蓋体102が閉じた状態において、稼働中の洗濯機100が振動する場合、検知部7は、中心Cの振動振幅よりも振動振幅が大きな部分で振動を示す物理量を検知できる。その結果、検知部7は、稼働中の洗濯機100の振動を精度良く検知できる。
特に、稼働中の洗濯機100の振動は、ヒンジHGを介して蓋体102に伝達される。加えて、蓋体102は、洗濯機100の本体と比べて軽量である。従って、蓋体102では、振動がより増幅され、所定領域ARの振動振幅が更に大きくなる。その結果、検知部7は、稼働中の洗濯機100の振動を更に精度良く検知できる。
また、検知部7は、検知した物理量を示す検知信号を制御部1に出力する。具体的には、検知部7は、加速度センサー及びジャイロセンサーのうちの少なくとも1つのセンサー70を含む。加速度センサーは、加速度を検知する。つまり、加速度センサーは、洗濯機100の振動を示す加速度、又は、蓋体102の開閉に起因する蓋体102の変位を示す加速度を検知する。例えば、加速度センサーは、互いに直交する3軸それぞれの加速度を検知する3軸加速度センサーである。ジャイロセンサーは、角速度を検知する。つまり、ジャイロセンサーは、洗濯機100の振動に起因する角速度、又は、蓋体102の開閉に起因する蓋体102の変位を示す角速度を検知する。例えば、ジャイロセンサーは、互いに直交する3軸それぞれの回りの角速度を検知する3軸ジャイロセンサーである。本実施形態では、加速度及び角速度のうちの少なくとも1つの物理量を検知することで、洗濯機100の振動及び蓋体102の変位(開閉)を容易に検知できる。つまり、洗濯機100の振動及び蓋体102の変位は、加速度又は角速度によって表される。
制御部1の演算部21は、検知部7が出力した検知信号によって示される物理量に対して演算を実行する。演算の詳細は後述する。そして、推定部22は、演算部21の演算結果に基づいて洗濯機100の状態を推定し、洗濯機100の状態を示す状態情報を生成する。
具体的には、推定部22は、検知部7によって検知された洗濯機100の振動を示す物理量(例えば加速度又は角速度)に基づいて洗濯機100の動作状態を推定する。また、推定部22は、検知部7によって検知された物理量によって示される蓋体102の変位量に基づいて蓋体102の開閉を推定する。そして、推定部22は、洗濯機100の状態の推定結果、つまり、洗濯機100の状態を示す状態情報を生成する。状態情報は、洗濯機100の動作状態を示す情報と、蓋体102の開閉を示す情報とのうちの少なくとも1つの情報を含む。動作状態は、例えば、洗濯機100が稼働状態か非稼働状態かを示す。「稼働状態」は、洗濯機100が洗濯工程(洗い、すすぎ、脱水)を実行している状態を示す。また、動作状態は、例えば、洗濯機100が洗濯工程のうちのどの段階にあるかを示してもよい。更に、蓋体102の開閉を示す情報は、例えば、蓋体102が開いていることを示す情報、又は、蓋体102が閉じていることを示す情報を含む。また、蓋体102の開閉を示す情報は、例えば、蓋体102の開閉が行われたことを示す情報を含んでいてもよい。
報知部23は、洗濯機100の状態情報を報知する。具体的には、報知部23は、通信部9、ネットワークNW、及び、サーバー400を介して、洗濯機100の状態情報をユーザー端末TMに送信することで、ユーザー端末TMにおいて洗濯機100の状態情報を報知する。なお、報知部23は、サーバー400を介することなく、洗濯機100の状態情報をユーザー端末TMに送信してもよい。また、報知部23は、操作表示部5によって洗濯機100の状態情報を報知してもよい。さらに、報知部23は、サーバー400に対して、状態情報を報知してもよい。つまり、報知部23は、サーバー400に状態情報を送信してもよい。この場合、サーバー400は、洗濯機100の状態情報を処理して、処理結果を、ユーザー端末TM又は監視端末200に送信してもよい。
通信部9はネットワークNWに接続される。報知部23は、洗濯機100の状態情報をサーバー400に送信するように通信部9を制御する。その結果、通信部9は、洗濯機100の状態情報を、ネットワークNWを介してサーバー400に送信する。サーバー400は、「外部装置」の一例に相当する。
具体的には、通信部9は通信機である。通信部9は、ネットワークNWを介して、サーバー400及びユーザー端末TMと通信する。通信部9は、例えば、ネットワークインタフェースコントローラーを含む。また、通信部9は、例えば、近距離無線通信を実行する無線通信モジュールを含んでいてもよい。また、通信部9は、例えば、携帯電話の通信規格に準拠した通信を行う無線通信モジュールを含んでいてもよい。
以上、図1及び図2を参照して説明したように、実施形態1では、既存の洗濯機100に、後付けで監視端末200を取り付けるだけで、洗濯機100の状態を監視できる。従って、監視端末200と同様の機能を洗濯機100に組み込む場合と比較して、開発コストを低減できる。また、既存の洗濯機100が通信機能を有していない場合でも、既存の洗濯機100に、後付けで監視端末200を取り付けるだけで、洗濯機100の情報をサーバー400に送信できる。
また、実施形態1では、1つの検知部7(1つのセンサー70)によって、洗濯機100の振動と、蓋体102の開閉とを検知できる。
更に、実施形態1では、監視端末200の全体が蓋体102に配置される。つまり、制御部1、記憶部3、操作表示部5、検知部7、及び、通信部9を収容する筐体11が蓋体102に配置される。従って、検知部7が、他の要素(制御部1、記憶部3、操作表示部5、及び、通信部9)と別個に配置される場合と異なり、有線又は無線による接続手段を省略できる。
次に、図3を参照して、監視端末200に固定される座標系(以下、「センサー座標系」と記載)を説明する。以下では、一例として、センサー70が加速度センサーである例を説明する。従って、以下の説明において、センサー70を「加速度センサー70」と記載する。センサー座標系は、検知部7の加速度センサー70に固定される。図3は、監視端末200を模式的に示す斜視図である。図3では、監視端末200の形状を直方体によって近似することで、監視端末200を模式的に示している。
図3に示すように、センサー座標系は、互いに直交するax軸、ay軸、及び、az軸を有する。具体的には、ax軸、ay軸、及び、az軸は、加速度センサー70の3つの加速度軸を示す。従って、加速度センサー70は、ax軸方向の加速度ax#、ay軸方向の加速度ay#、及び、az軸方向の加速度az#を検知する。また、本実施形態において、ax軸の回りの回転角度を「α」で示す。ay軸の回りの回転角度を「β」で示す。az軸の回りの回転角度を「γ」で示す。それぞれの回転角度は軸の正の方向に向って右ネジが進む方向が正の向きとする。
なお、ワールド座標系は洗濯機100に固定されていないが、説明の便宜のために、ワールド座標系のAx軸、Ay軸、及び、Az軸を、それぞれ、洗濯機100のAx軸、Ay軸、及び、Az軸と記載する場合がある。
次に、図4及び図5を参照して、監視端末200を利用した洗濯機100の監視方法を説明する。図4は、洗濯機システム300を模式的に示す斜視図である。図4では、洗濯機100の形状を縦長の直方体によって近似することで、洗濯機100を模式的に示している。また、重力Gの方向が矢印によって示される。
図4に示すように、振動Vxは、洗濯機100の振動のうち、Ax軸に略平行な振動成分(左右方向の振動成分)を示す。振動Vxは、主に、洗濯物を収容した回転槽106の回転に起因する。例えば、振動Vxは、回転中の回転槽106の内部で洗濯物が偏っていることに起因する。振動Vyは、洗濯機100の振動のうち、Ay軸に略平行な振動成分(前後方向の振動成分)を示す。振動Vyは、主に駆動部107(モーター)の動作に起因する。振動Vzは、洗濯機100の振動のうち、Az軸に略平行な振動成分(鉛直方向の振動成分)を示す。洗濯機100では、振動Vzは比較的小さい。振動Vzの大きさは、例えば、床面FLの材質に起因する。
なお、蓋体102は、ヒンジHGの回動軸AXを中心として回動することで開閉する。
図5は、監視端末200を利用する監視方法を示すフローチャートである。図5に示すように、監視方法は、ステップS1~ステップS8を含む。
図4及び図5に示すように、まず、ステップS1において、監視端末200が洗濯機100の所定領域ARに配置される。
具体的には、加速度センサー70のax軸が、洗濯機100のAx軸に沿うように、監視端末200(筐体11)が所定領域ARに配置される。例えば、ax軸の正方向とAx軸の正方向とのなす角度が約10度以内になるように、監視端末200が所定領域ARに配置される。好ましくは、ax軸がAx軸に略平行になるように、監視端末200が所定領域ARに配置される。
ax軸の正方向とAx軸の正方向とのなす角度が約10度以内の場合、式(1)、式(2)、及び、式(3)が精度良く成立する。ax軸がAx軸に略平行である場合、つまり、ax軸の正方向とAx軸の正方向とのなす角度が約ゼロ度の場合、式(1)、式(2)、及び、式(3)の精度が最も良い。「*」は乗算を示す。「Ax#」は、ワールド座標系におけるAx軸方向の加速度を示す。加速度Ax#は、ワールド座標系における洗濯機100の振動Vxを表す。「Ay#」は、ワールド座標系におけるAy軸方向の加速度を示す。加速度Ay#は、ワールド座標系における洗濯機100の振動Vyを表す。「Az#」は、ワールド座標系におけるAz軸方向の加速度を示す。加速度Az#は、ワールド座標系における洗濯機100の振動Vzを表す。
次に、ステップS2において、監視端末200の制御部1における演算部21は、洗濯機100が非稼働状態であるときに、加速度センサー70から、加速度ax0、加速度ay0、及び、加速度az0の情報を取得する。つまり、加速度ax0、加速度ay0、及び、加速度az0は、それぞれ、洗濯機100が非稼働状態であるときに加速度センサー70によって検出された加速度ax#、加速度ay#、及び、加速度az#を示す。
次に、ステップS3において、演算部21は、加速度ax0、加速度ay0、及び、加速度az0に基づいて、洗濯機100が非稼働状態であるときの回転角度α、βを補正して、補正後の回転角度α0、β0を記憶部3に記憶する。
具体的には、演算部21は、式(3)の「ax#」、「ay#」、及び、「az#」に、それぞれ、加速度ax0、加速度ay0、及び、加速度az0を代入して、式(4)を導出する。
演算部21は、式(4)において、「α」及び「β」をそれぞれ0度から360度まで変化させ、「Az#」が最大値になるときの「α」及び「β」を探索する。「Az#」が最大値になるときの「α」及び「β」を、それぞれ、「α0」及び「β0」と記載する。最大値になるときの「Az#」の値は、√(ax02+ay02+az02)=1G(重力加速度)と論理的に同じ値になる。例えば図4の例では、ほぼα0=270度、ほぼβ0=0度回転した時に最大となる。演算部21は、補正後の回転角度α0、β0を記憶部3に記憶する。
演算部21は、式(1)、式(2)、及び、式(3)の回転角度α、βに対して、それぞれ、回転角度α0、β0を代入することで、式(5)、式(6)、及び、式(7)を導出する。演算部21は、式(5)、式(6)、及び、式(7)を記憶部3に記憶する。
次に、ステップS4において、演算部21は、加速度センサー70から、加速度ax#、加速度ay#、及び、加速度az#の情報を取得する。この場合、洗濯機100が稼働状態である場合には、演算部21は、洗濯機100の稼働中に加速度センサー70によって検知された加速度ax#、ay#、az#の情報を取得する。
次に、ステップS5において、演算部21は、式(5)に、加速度センサー70から取得した加速度ax#、ay#、az#を代入して、加速度Ax#を算出する。蓋体102が閉じた状態において加速度ax#、ay#、az#が洗濯機100の稼働中に加速度センサー70によって検知された加速度である場合は、加速度Ax#は、洗濯機100のAx軸方向の振動成分Vxを示す。
また、演算部21は、式(6)に、加速度センサー70から取得した加速度ay#、az#を代入して、加速度Ay#を算出する。蓋体102が閉じた状態において加速度ay#、az#が洗濯機100の稼働中に加速度センサー70によって検知された加速度である場合は、加速度Ay#は、洗濯機100のAy軸方向の振動成分Vyを示す。
更に、演算部21は、式(7)に、加速度センサー70から取得した加速度ax#、ay#、az#を代入して、加速度Az#を算出する。蓋体102が閉じた状態において加速度ax#、ay#、az#が洗濯機100の稼働中に加速度センサー70によって検知された加速度である場合は、加速度Az#は、洗濯機100のAz軸方向の振動成分Vzを示す。
なお、ステップS4、S5は、継続して実行される。
次に、ステップS6において、制御部1の推定部22は、加速度Ax#、Ay#、Az#に基づいて、洗濯機100の動作状態を推定する。例えば、推定部22は、合成加速度Axyzに基づいて洗濯機100の動作状態を推定してもよい。ここで、Axyz=√(Ax#2+Ay#2+Az#2)、で定義される。例えば、推定部22は、合成加速度Axyzの振幅が所定範囲RG1内に収まっている場合に、洗濯機100が非稼働状態であると推定する。例えば、推定部22は、合成加速度Axyzの振幅が所定範囲RG1を超えている場合に、洗濯機100が稼働状態であると推定する。なお、例えば、推定部22は、加速度Ax#、加速度Ay#、及び、加速度Az#の各々の振幅が、所定範囲RG2内に収まっている場合に、洗濯機100が非稼働状態であると推定してもよい。例えば、推定部22は、加速度Ax#、加速度Ay#、及び、加速度Az#の各々の振幅が、所定範囲RG2を超えている場合に、洗濯機100が稼働状態であると推定してもよい。
次に、ステップS7において、推定部22は、加速度Ax#、Ay#、Az#に基づいて、蓋体102の開閉を推定する。例えば、推定部22は、合成加速度Axyzに基づいて蓋体102の開閉を推定する。
具体的には、推定部22は、合成加速度Axyzを、時間によって2回だけ積分することで、蓋体102の開閉に起因する監視端末200(検知部7)の移動距離、つまり、開閉(回動)に伴う蓋体102(所定領域AR)の変位量Lを算出する。変位量Lは距離を示す。そして、推定部22は、蓋体102の変位量Lが閾値THA以上の場合に、蓋体102が開閉されたと推定する。また、例えば、推定部22は、加速度Ax#、Ay#、Az#の正負の符号に基づいて、蓋体102が閉状態から開状態に変化したこと、又は、蓋体102が開状態から閉状態に変化したことを推定してもよい。
なお、洗濯機100が稼働中で細かく振動している場合には、合成加速度Axyzの2回積分値は、略ゼロである。よって、洗濯機100の稼働中の振動と、蓋体102の開閉とを容易に判別できる。
次に、ステップS8において、報知部23は、洗濯機100の状態を示す状態情報を報知する。なお、報知部23は、通信部9によって、加速度Ax#、Ay#、Az#の情報、つまり、洗濯機100の振動又は蓋体102の開閉を示す情報をサーバー400に送信してもよい。そして、処理はステップS4に進む。
以上、図4及び図5を参照して説明したように、実施形態1によれば、加速度センサー70の3軸ax、ay、azのうちの1軸であるax軸(つまり、特定軸)が、洗濯機100が配置されるワールド座標系のAx軸(つまり、基準軸)に沿うように、筐体11は、所定領域ARに配置される。従って、式(1)~式(7)の近似式の精度が良い。その結果、演算部21は、加速度Ax#、Ay#、Az#を精度良く算出できる。
ここで、「基準軸」は、ワールド座標系の3軸Ax、Ay、Azのうち、所定領域ARに対する監視端末200の位置合わせのための基準となる軸を示す。「基準軸」は、例えば、監視端末200を配置する所定領域ARに略平行である。「基準軸」は、例えば、鉛直方向に略直交である。「特定軸」は、加速度センサー70の3軸ax、ay、azのうち、「基準軸」に合わせることが要求される軸を示す。「特定軸」は、例えば、加速度センサー70の3軸ax、ay、azのうち、監視端末200を配置する所定領域ARに交差する軸と異なる軸である。好ましくは、例えば、「特定軸」は、加速度センサー70の3軸ax、ay、azのうち、監視端末200を配置する所定領域ARに略直交する軸と異なる軸である。
また、実施形態1では、演算部21は、洗濯機100が非稼働状態にあるときに検知部7の加速度センサー70が検知した3軸ax、ay、azそれぞれの加速度ax0、ay0、az0に基づいて、洗濯機100の非稼働状態において3軸ax、ay、azのうちの所定領域ARに交差する軸azと異なる2軸ax、ayの回りの回転角度α、βを補正して、補正後の回転角度α0、β0を取得する。そして、演算部21は、補正後の回転角度α0、β0と、洗濯機100が稼働状態にあるときに検知部7の加速度センサー70が検知した加速度ax#、ay#、az#とに基づいて、ワールド座標系における洗濯機100の振動成分Vx、Vy、Vz、つまり、加速度Ax#、Ay#、Az#を算出する。すなわち、演算部21は、簡素な演算によって、洗濯機100の振動成分Vx、Vy、Vzを表す加速度Ax#、Ay#、Az#を精度良く算出できる。
換言すれば、本実施形態では、式(5)~式(7)のような簡素な数式によって、洗濯機100の振動及び蓋体102の開閉を示す加速度Ax#、Ay#、Az#を算出できる。従って、比較的処理能力の低い制御部1であっても、容易に加速度Ax#、Ay#、Az#を算出できる。同様の理由により、制御部1の消費電力の増加を抑制できる。
ここで、ステップS1において、加速度センサー70のay軸が、洗濯機100のAx軸に沿うように、監視端末200が所定領域ARに配置されてもよい。例えば、ay軸とAx軸とのなす角度が約10度以内になるように、監視端末200が所定領域ARに配置される。好ましくは、ay軸がAx軸に略平行になるように、監視端末200が所定領域ARに配置される。
また、図4に示す加速度センサー70のax軸、ay軸、及び、az軸の配置は一例であり、ax軸、ay軸、及び、az軸と、Ax軸、Ay軸、及び、Az軸とが、上記と同様の関係を有する場合は、式(1)~式(7)に示す回転変換式の各軸および符号を加速度センサー70の配置に合わせて置換することで、同様の回転変換式が成立する。
なお、図5を参照して説明した実施形態では、洗濯機100が非稼働状態における加速度センサー70の値ax0、ay0、az0に基づいて、補正後の回転角度α0、β0を取得した。ただし、次のようにして、補正後の回転角度α0、β0を取得することもできる。
すなわち、稼働中の振動は、非稼働状態で測定される加速度値を中間値としてプラスマイナスほぼ一定の値で変動する加速度によって表される。従って、稼働中の加速度センサー70の値の平均値をax0、ay0、az0とすることができる。このようにして導出されたax0、ay0、az0に基づいて、式(4)を導出することで、補正後の回転角度α0、β0を取得する。
次に、図6及び図7を参照して、監視端末200の一例を説明する。図6は、監視端末200の一例を示す斜視図である。図6に示すように、監視端末200は、筐体11を備える。また、監視端末200の操作表示部5は、スイッチ51、52及び表示灯53、54を含む。表示灯53、54は、例えば、LEDを含む。スイッチ51は、監視端末200の初期設定の実行、並びに、ネットワークNW及びサーバー400への接続の実行を、制御部1に指示する指示信号を生成する。制御部1は、スイッチ51が押下されると、指示信号に従って、監視端末200の初期設定を実行するとともに、通信部9をネットワークNW及びサーバー400に接続する。そして、制御部1は、表示灯53を点灯する。スイッチ52は、監視端末200の電源のオン/オフを実行する。制御部1は、スイッチ52によって電源がオンになると、表示灯54を点灯する。
また、監視端末200は、単数又は複数の両面テープ55を更に備える。両面テープ55によって、監視端末200を蓋体102に容易に配置できる。
図7は、監視端末200の一例を示す分解斜視図である。図7に示すように、監視端末200の筐体11は、第1筐体部111と、第2筐体部112とを含む。第1筐体部111は第2筐体部112に取り付けられる。また、監視端末200は、回路基板15を更に備える。検知部7は回路基板15に配置される。なお、図7では、図面の簡略化のために、回路基板15に配置される各種回路、制御部1、記憶部3、及び、通信部9を省略している。第1筐体部111は、回路基板15を覆うように第2筐体部112に取り付けられる。監視端末200は、例えば、端子17を備えていてもよい。端子17は、例えば、電源供給用端子である。
端子17には、商用電源や洗濯機100などから電源が供給される。これにより、監視端末200に電池などを内蔵しなくても稼働することができる。また、端子17は、例えば、USB等の通信機能を有した端子としてもよい。この場合は、端子17に情報機器を接続して、監視端末200のシステムアップデート等を実行することができる。また、端子17に別の検知部を接続して、隣接する洗濯機100の振動情報を取得したり、洗濯機100の特定の箇所の振動情報を取得することができる。
また、監視端末200の筐体11は、加速度センサー70の3軸ax、ay、azのうちの特定軸(図6の例ではax軸)を、ワールド座標系の3軸Ax、Ay、Azのうちの基準軸(図6の例ではAx軸)に合わせるための監視端末マーカー部13を有する。監視端末マーカー部13は、加速度センサー70の3軸ax、ay、azのうちの特定軸に沿った方向を示す。従って、ユーザーは、監視端末マーカー部13を目印として、加速度センサー70の特定軸がワールド座標系の基準軸に沿うように、監視端末200を蓋体102の所定領域ARに配置し易い。
監視端末マーカー部13は、例えば、筐体11に刻印されていてもよいし、ステッカーであってもよいし、塗装であってもよい。
次に、図8及び図9を参照して、実施形態1の第1変形例及び第2変形例を説明する。以下の説明では、第1変形例及び第2変形例について、図1~図7を参照して説明した監視端末200と異なる部分を主に説明する。
(第1変形例)
図8を参照して、実施形態1の第1変形例を説明する。第1変形例では、洗濯機100が第1洗濯機マーカー部109を備える例を説明する。図8は、第1変形例に係る洗濯機100の蓋体102を模式的に示す部分斜視図である。図8に示すように、洗濯機100の蓋体102は、蓋体102において、加速度センサー70の3軸ax、ay、azのうちの特定軸(図8の例ではax軸)を、ワールド座標系の3軸Ax、Ay、Azのうちの基準軸(図8の例ではAx軸)に合わせるための第1洗濯機マーカー部109を備える。第1洗濯機マーカー部109は、「電気機器マーカー部」の一例に相当する。
第1洗濯機マーカー部109は、蓋体102に設けられる。具体的には、第1洗濯機マーカー部109は、所定領域ARの近傍又は所定領域ARに設けられる。第1洗濯機マーカー部109は、洗濯機100の基準軸(Ax軸)に沿った方向を示す。従って、ユーザーは、第1洗濯機マーカー部109及び監視端末マーカー部13を目印として、加速度センサー70の特定軸(ax軸)が洗濯機100の基準軸(Ax軸)に沿うように、監視端末200を蓋体102の所定領域ARに配置し易い。つまり、ユーザーは、第1洗濯機マーカー部109と監視端末マーカー部13とが略平行になるように、監視端末200を蓋体102に配置することで、所定領域ARにおいて、加速度センサー70の特定軸(ax軸)と洗濯機100の基準軸(Ax軸)とを略平行に設定できる。
第1洗濯機マーカー部109は、例えば、本体筐体101に刻印されていてもよいし、ステッカーであってもよいし、塗装であってもよい。なお、監視端末200は、監視端末マーカー部13を備えていなくてもよい。
なお、例えば、監視端末200を把持部HDに沿うように配置することで、所定領域ARにおいて、加速度センサー70の特定軸(ax軸)と洗濯機100の基準軸(Ax軸)とを略平行に設定してもよい。把持部HDは、例えば、基準軸(Az軸)に略平行に延びるため、監視端末200の特定軸(ax軸)に直交するay軸に平行な面を把持部HDに沿わせることで、加速度センサー70の特定軸(ax軸)と洗濯機100の基準軸(Ax軸)とを略平行に配置できる。
(第2変形例)
図9を参照して、実施形態1の第2変形例を説明する。第2変形例では、洗濯機100Aが縦型洗濯機である例を説明する。図9は、第2変形例に係る洗濯機システム300を示す斜視図である。図9に示すように、洗濯機システム300は、洗濯機100Aと、監視端末200とを備える。洗濯機100Aは、本発明の「電気機器」の一例に相当する。
図9では、一例として、監視端末200は、蓋体102の所定領域ARに配置される。換言すれば、監視端末200の筐体11は、蓋体102の所定領域ARに配置される。更に換言すれば、検知部7(センサー70)は、所定領域ARに配置される。所定領域ARは、蓋体102の外面上の領域であり、蓋体102を開閉するヒンジHGに対して反対側の領域を示す。つまり、所定領域ARは、蓋体102のうち、ヒンジHGよりも把持部HDの近くの領域を示す。図9の例では、所定領域ARは、把持部HDに隣接する。つまり、所定領域ARは、蓋体102の上面前側の領域である。
洗濯機100Aは、洗濯物を洗濯する。洗濯機100Aは、縦型洗濯機である。洗濯機100Aにおいて、回転槽106及び水槽105の各々は、筒体の一端部を閉塞した形状を有する。回転槽106及び水槽105は、鉛直方向に延びる。従って、振動Vx及び振動Vyは、洗濯物を収容した回転槽106の回転に起因する。例えば、振動Vx及び振動Vyは、回転中の回転槽106の内部で洗濯物が偏っていることに起因する。
(第3変形例)
図3、図4、及び、図10を参照して、本発明の第3変形例を説明する。第3変形例では、図3の監視端末200のセンサー70がジャイロセンサーである例を説明する。以下、センサー70を「ジャイロセンサー70」と記載する。ax軸、ay軸、az軸は、ジャイロセンサー70の3軸である。ジャイロセンサー70は、ax軸の回りの角速度gx#、ay軸の回りの角速度gy#、及び、az軸の回りの角速度gz#を検知する。
図10は、第3変形例に係る監視端末200を利用する監視方法を示すフローチャートである。図4及び図10に示すように、まず、ステップS11において、監視端末200(筐体11)が蓋体102の所定領域ARに配置される。
具体的には、ジャイロセンサー70のax軸が、洗濯機100のAx軸に沿うように、監視端末200(筐体11)が蓋体102の所定領域ARに配置される。この点は、加速度センサーの場合と同様である。
ax軸の正方向とAx軸の正方向とのなす角度が約10度以内の場合、式(8)~式(10)が精度良く成立する。ax軸の正方向がAx軸の正方向に略平行である場合、式(8)~式(10)の精度が最も良い。「*」は乗算を示す。「Gx#」は、ワールド座標系におけるAx軸の回りの角速度を示す。「Gy#」は、ワールド座標系におけるAy軸の回りの角速度を示す。「Gz#」は、ワールド座標系におけるAz軸の回りの角速度を示す。
次に、ステップS12において、演算部21は、洗濯機100が非稼働状態であるときの回転角度α0、β0を記憶部3に記憶する。回転角度α0、β0の導出方法は、前述のように加速度センサーの情報を使用できる。また、水準器などから情報を取得してもよい。
演算部21は、式(8)~式(10)の回転角度α、βに対して、それぞれ、回転角度α0、β0を代入することで、式(11)~式(13)を導出する。制御部1は、式(11)~式(13)を記憶部3に記憶する。
次に、ステップS13において、演算部21は、ジャイロセンサー70から、角速度gx#、角速度gy#、及び、角速度gz#の情報を取得する。この場合、洗濯機100が稼働状態である場合には、演算部21は、洗濯機100の稼働中にジャイロセンサー70によって検知された角速度gx#、gy#、gz#の情報を取得する。
次に、ステップS14において、演算部21は、式(11)に、ジャイロセンサー70から取得した角速度gx#、gy#、gz#を代入して、角速度Gx#を算出する。また、演算部21は、式(12)に、ジャイロセンサー70から取得した角速度gy#、gz#を代入して、角速度Gy#を算出する。更に、演算部21は、式(13)に、ジャイロセンサー70から取得した角速度gx#、gy#、gz#を代入して、角速度Gz#を算出する。蓋体102が閉じた状態において角速度gx#、gy#、gz#が洗濯機100の稼働中にジャイロセンサー70によって検知された角速度である場合は、角速度Gx#、Gy#、Gz#は、洗濯機100の振動を示す。
次に、ステップS15において、推定部22は、角速度Gx#、Gy#、Gz#に基づいて、洗濯機100の動作状態を推定する。
次に、ステップS16において、推定部22は、角速度Gx#、Gy#、Gz#に基づいて、蓋体102の開閉を推定する。
具体的には、推定部22は、角速度Gx#、Gy#、Gz#を、時間によって1回だけ積分することで、蓋体102の開閉に起因する監視端末200(検知部7)の回動角度、つまり、開閉(回動)に伴う蓋体102(所定領域AR)の変位量Laを算出する。この場合、変位量Laは蓋体102の回動角度を示す。そして、推定部22は、蓋体102の変位量Laが閾値THB以上の場合に、蓋体102が開閉されたと推定する。また、例えば、推定部22は、角速度Gx#、Gy#、Gz#の正負の符号に基づいて、蓋体102が閉状態から開状態に変化したこと、又は、蓋体102が開状態から閉状態に変化したことを推定してもよい。
なお、洗濯機100が稼働中で細かく振動している場合には、角速度Gx#、Gy#、Gz#の1回積分値は、略ゼロである。よって、洗濯機100の稼働中の振動と、蓋体102の開閉とを容易に判別できる。
次に、ステップS17において、報知部23は、洗濯機100の状態を示す状態情報を報知する。なお、報知部23は、通信部9によって、角速度Gx#、Gy#、Gz#の情報、つまり、洗濯機100の振動又は蓋体102の開閉を示す情報をサーバー400に送信してもよい。
以上、図3、図4、及び、図10を参照して説明したように、第3変形例によれば、ジャイロセンサー70の3軸ax、ay、azのうちの1軸であるax軸(つまり、特定軸)が、洗濯機100が配置されるワールド座標系のAx軸(つまり、基準軸)に沿うように、筐体11は、蓋体102の所定領域ARに配置される。
また、第3変形例では、演算部21は、補正後の回転角度α0、β0と、洗濯機100が稼働状態にあるときに検知部7のジャイロセンサー70が検知した角速度gx#、gy#、gz#とに基づいて、ワールド座標系における洗濯機100の角速度Gx#、Gy#、Gz#(振動成分)を算出する。本変形例では、洗濯機100の角速度から振動成分を算出するため、洗濯機100の「稼働状態」に起因する振動か、蓋体102の開閉状態かを正確に検知することもできる。
なお、ステップS11において、ジャイロセンサー70のay軸が、洗濯機100のAx軸に沿うように、監視端末200(筐体11)が所定領域ARに配置されてもよい。この点は、加速度センサーの場合と同様である。また、図3に示すジャイロセンサー70のax軸、ay軸、及び、az軸の配置は一例であり、ax軸、ay軸、及び、az軸と、Ax軸、Ay軸、及び、Az軸とが、上記と同様の関係を有する場合は、式(8)~式(13)に示す回転変換式の各軸および符号をジャイロセンサー70の配置に合わせて置換することで、同様の回転変換式が成立する。
(実施形態2)
図11及び図12を参照して、本発明の実施形態2に係る洗濯機システム300を説明する。実施形態2の監視端末200Aが分割されている点で、実施形態2は実施形態1と主に異なる。以下、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
図11は、本発明の実施形態2に係る洗濯機システム300を模式的に示す斜視図である。
図11に示すように、監視端末200Aは、検知ユニット201と、監視端末本体202と、ケーブルCBとを備える。ケーブルCBは、検知ユニット201と監視端末本体202とを電気的に接続する。検知ユニット201は蓋体102に配置される。具体的には、検知ユニット201は蓋体102の所定領域ARに配置される。監視端末本体202は、検知ユニット201に対して離隔して配置される。監視端末本体202は、洗濯機100の本体筐体101に配置される。図11の例では、監視端末本体202は、本体筐体101の側面上部に配置される。
具体的には、検知ユニット201は第1筐体211を含む。第1筐体211は蓋体102の所定領域ARに配置される。監視端末本体202は第2筐体212を含む。第2筐体212は、第1筐体211に対して離隔して配置される。第2筐体212は本体筐体101に配置される。
図12は、実施形態2に係る監視システムSYSを示すブロック図である。図12に示すように、監視端末200Aにおいて、監視端末本体202は、制御部1、記憶部3、操作表示部5、インタフェース8、及び、通信部9を含む。第2筐体212は、制御部1、記憶部3、操作表示部5、インタフェース8、及び、通信部9を含む。
検知ユニット201は検知部7を含む。第1筐体211は、検知部7を収容する。検知ユニット201の検知部7は、ケーブルCB及びインタフェース8を介して制御部1に接続される。従って、検知部7が検知した物理量を示す検知信号は、ケーブルCB及びインタフェース8を介して、制御部1に出力される。
以上、図11及び図12を参照して説明したように、実施形態2によれば、検知ユニット201が監視端末本体202から分離して構成される。従って、検知ユニット201を小型化できる。その結果、蓋体102における検知ユニット201の占有領域を小さくできる。
(変形例)
図13を参照して、本発明の実施形態2の変形例に係る洗濯機システム300を説明する。変形例では、洗濯機100Aが縦型洗濯機である例を説明する。以下、変形例が図11及び図12の実施形態2と異なる点を主に説明する。図13は、実施形態2の変形例に係る洗濯機システム300を示す斜視図である。図13に示すように、洗濯機システム300は、洗濯機100Aと、監視端末200Aとを備える。洗濯機100Aは、本発明の「電気機器」の一例に相当する。
図12に示すように、監視端末200Aの検知ユニット201(第1筐体211)は蓋体102の所定領域ARに配置される。監視端末200Aの監視端末本体202(第2筐体212)は洗濯機100Aの本体筐体101に配置される。検知ユニット201と監視端末本体202とはケーブルCBによって電気的に接続される。
なお、図11~図13の実施形態2及び変形例において、検知ユニット201と監視端末本体202とは、無線によって接続されていてもよい。例えば、検知ユニット201と監視端末本体202とは、近距離無線通信を行う。
ここで、実施形態2及び変形例において、図2に示す監視端末200が図12に示す検知ユニット201と接続されていてもよい。この場合、例えば、検知ユニット201は蓋体102の所定領域ARに配置され、監視端末本体202は、洗濯機100の本体筐体101に配置される。なお、例えば、図2の監視端末200は、図12のインタフェース8を備える。
以上、図1~図13では、監視端末200、200Aが洗濯機100、100Aに配置される例を説明した。ただし、監視端末200、200Aが配置される電気機器は、洗濯機100、100Aに限定されない。つまり、監視端末200、200Aは、稼働中に継続して振動を発生する電気機器に配置されることが可能である。また、監視端末200、及び、監視端末200Aの検知ユニット201は、開閉する蓋体を有する電気機器において、蓋体に配置される。具体的には、監視端末200、及び、監視端末200Aの検知ユニット201は、電気機器の蓋体の所定領域に配置される。この場合の「所定領域」の定義は「所定領域AR」の定義と同様である。
[監視システムSYS]
図2を参照して、監視システムSYSを説明する。監視端末200は、サーバー400に、洗濯機100の情報(例えば、動作情報、開閉情報)を送信する。サーバー400は、洗濯機100の情報を処理して、処理結果をユーザー端末TM又は監視端末200に送信する。また、サーバー400は、ユーザー端末TMから情報を受信する。そして、サーバー400は、ユーザー端末TMから受信した情報を処理して、処理結果を監視端末200に送信する。
例えば、監視端末200は、既存の電気機器(例えば、洗濯機100)に後付けで取り付けて、電気機器の運転状態、故障状態をサーバー400に送信し、サーバー400は電気機器を遠隔監視する。監視端末200には、センサー70だけでなく、様々なセンサーが内蔵されていてもよい。センサーは、例えば、電流センサー、又は、環境センサー(温度、湿度、気圧、照度、ガス、ホコリ、人感センサーなど)である。
例えば、監視端末200には人工知能を搭載することも可能であり、各種センサーからの情報を組み合わせて、(1)電気機器に関する情報(運転状態、運転履歴、故障予知など)、(2)電気機器が置かれた状態・周辺の状況を示す情報、(3)電気機器を使用するユーザーの状態を示す情報を、推測して生成することが可能である。
例えば、監視端末200にはサーバー400との通信部9が備わっていて、上記の各種センサー情報やそれらからの推測情報をサーバー400に通知する。通信部9は、WiFi、光回線、モバイル回線、LPWAなどに準拠している。
例えば、監視端末200は報知装置を有することも可能である。報知装置は、上記の各種センサー情報やそれらからの推測情報、さらにはサーバー400から通知情報をユーザーに報知する。報知装置は、LCD、LEDなどのディスプレイ、スピーカーなどの音声出力部などである。
例えば、監視端末200は入力表示部を有することも可能であり、(1)監視端末200の設定、登録操作に関する指示、(2)サーバー400からの通知情報に関する確認応答を行うことができる。
例えば、監視端末200の電源は5V電源入力にすることも可能であり、ACアダプターやUSB電源、モバイルバッテリーなど様々な電源供給に対応可能である。
例えば、監視端末200は、監視端末200を制御するファームウェアの動作を、通信部9(有線又は無線)を使って外部から切り替えることが可能であり、取り付ける電気機器の動作状態を監視するのに適した制御内容に変更することが可能である。
例えば、監視端末200は、監視端末200を制御するファームウェアを、通信部9(有線又は無線)を使って外部から書き換えることが可能であり、取り付ける電気機器の動作状態を監視するのに適した制御内容に変更することが可能である。
例えば、サーバー400は、監視端末200からの通知された情報を記憶する記憶部3を有する。
例えば、サーバー400には人工知能を搭載することも可能であり、監視端末200から通知された情報や、その他のサーバーからの関連情報なども組み合わせて、(1)電気機器に関する情報(運転状態、運転履歴、故障予知など)、(2)電気機器が置かれた状態・周辺の状況を示す情報、(3)電気機器を使用するユーザーの状態を示す情報を、推測して生成することが可能である。
例えば、サーバー400に蓄積された情報や、サーバー400にて推測生成された情報を以下の様な手法にてユーザーが見ることができたり、プッシュ通知されることができたりする。WEBコンテンツやSNSコンテンツ上に数字、文字、図などにより表示する。メールやSMS、notificationなどの手段により、ユーザーにプッシュ通知する。
例えば、サーバー400は、監視端末200を制御する制御部401を有しており、以下の様なコマンド指示を監視端末200に対して送信して遠隔制御することができる。コマンドは、ユーザー端末TMからの遠隔操作コマンド、サーバー400内の推測情報に基づいて動作する端末制御コマンドである。
なお、図12に示す監視端末200Aを含む監視システムSYSもまた、上記と同様に動作可能である。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、または、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。