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JP7613757B2 - 電極材料、並びにこれを使用した電極、膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池 - Google Patents

電極材料、並びにこれを使用した電極、膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、固体高分子形燃料電池の電極に好適な電極材料及びこれを使用した電極、膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池に関する。
固体高分子形燃料電池(PEFC)は、これを動力源とする燃料電池自動車(FCV)が既に市販され、今後トラックやバス、船舶などへの用途拡大と普及展開が期待されている。PEFCは、一般的に、固体高分子電解質膜の両面に一対の電極を配置させた膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly(MEA)を、ガス流路が形成されたセパレータで挟持した構造を有する。燃料電池用電極(特にはPEFC用電極)は、一般に、電極触媒活性を有する電極材料及び高分子電解質からなる電極触媒層と、ガス通気性と電子伝導性を兼ね備えたガス拡散層とから構成される。
現在普及しているPEFC用電極材料として、炭素系担体に電極触媒微粒子(典型的にはPt又はPt合金微粒子)を分散させて担持した電極材料が用いられている。また、近年、メソポーラスカーボンを触媒担体の骨格にし、メソポーラスカーボンの細孔(メソ孔)内に、Pt微粒子を担持した電極材料が注目されている(例えば、特許文献1、2)。メソポーラスカーボンは、導電性に優れ、ガス拡散もしやすく、且つ高表面積を有するため、これを固体高分子形燃料電池の電極触媒の担体として使用すると、優れた発電性能を有する電極を得ることができる。
特許第6969996号公報 特許第6931808号公報
ところで、PEFCの電解質膜は酸性(pH=0~3)であるため、PEFCの電極材料は酸性雰囲気下で使用されることになる。また、通常運転しているときのセル電圧は0.4~1.0Vであるが、起動停止時にはセル電圧が1.5Vまで上昇することが知られている。このようなPEFCの運転条件でのカソード及びアノードの状態は、カソードにおいては担体である炭素系材料が二酸化炭素(CO2)として分解する領域である。そのため、カソードでは、炭素系担体が電気化学的に酸化されてCO2に分解する反応が起こり、結果として炭素系担体が腐食されて(カーボン腐食)、触媒活性成分であるPt粒子の凝集・脱落等を引き起し、燃料電池の性能低下原因となる。また、カソードだけでなく、アノードにおいても運転初期などに燃料ガスが不足すると、その部分での電圧低下、あるいは濃度分極が生じて局部的に通常と反対の電位となり、炭素の電気化学的酸化分解反応が起こることがある。
特許文献1,2で開示されているメソポーラスカーボンの細孔(メソ孔)内にPt微粒子を担持した電極材料は、Pt微粒子の凝集が起こりづらいとされているが、Pt微粒子が直接メソポーラスカーボンの細孔壁面に接触して担持されるため、カーボン腐食を避けることができず、長期間発電すると、カーボン腐食に起因するPt粒子の凝集・脱落等を防止することはできないという課題があった。
かかる状況下、本発明の目的は、優れた電極性能及び耐久性を有する燃料電池用電極を与える電極材料、並びにこれを使用した電極、膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 以下の電極材料(A)又は電極材料(B)のいずれかの電極材料。
電極材料(A):メソポーラスカーボンからなる担体骨格と、前記メソポーラスカーボンの細孔内表面及び細孔外表面のうち少なくとも細孔内表面に固着した担体金属とからなる多孔質複合担体と、前記多孔質複合担体に担持された電極触媒粒子と、を含み、
前記電極触媒粒子の一部又は全部が、前記メソポーラスカーボンの細孔内に、前記担体金属を介して担持されてなる電極材料。
電極材料(B):メソポーラスカーボンからなる担体骨格と、前記メソポーラスカーボンの細孔内表面及び細孔外表面のうち少なくとも細孔内表面に固着した電極触媒複合体とを含み、
前記電極触媒複合体は、電極触媒粒子と担体金属とを含み、前記担体金属は、前記電極触媒粒子の間を埋めるように存在する電極材料。
<2> 前記担体金属が、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)及びスズ(Sn)から選択されるいずれかの金属、及びこれらの金属を主成分として含む合金である<1>に記載の電極材料。
<3> 前記担体金属が、タンタル(Ta)またはタンタル合金である<1>または<2>に記載の電極材料。
<4> 前記メソポーラスカーボンが、メソ孔領域の細孔の一部又は全部が隣接するメソ孔領域の細孔と相互に連通している連通孔を有する<1>から<3>のいずれかに記載の電極材料。
<5> 前記メソポーラスカーボンの細孔径が3nm以上40nm以下である<1>から<4>のいずれかに記載の電極材料。
<6> 前記電極触媒粒子が、PtまたはPtを含む合金からなる粒子である<1>から<5>のいずれかに記載の電極材料。
<7> <1>から<6>のいずれかに記載の電極材料とプロトン伝導性電解質材料とを含む電極。
<8> 固体高分子電解質膜と、前記固体高分子電解質膜の一方面に接合されたカソードと、前記固体高分子電解質膜の他方面に接合されたアノードと、を有する膜電極接合体であって、前記アノードまたはカソードのいずれか一方又は両方が、<7>に記載の電極である膜電極接合体。
<9> <8>に記載の膜電極接合体を備えてなる固体高分子形燃料電池。
本発明によれば、優れた電極性能及び耐久性を有する燃料電池用電極を与える電極材料、並びにこれを使用した電極、膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池が提供される。
(a)は本発明の電極材料の一例の概念模式図であり、(b)は細孔近傍の拡大模式図(担体金属が分散固着)、(c)は細孔近傍の拡大模式図(担体金属が連続固着(被覆))である。 (a)は、本発明の電極材料の他の一例の概念模式図であり、(b)は細孔近傍の拡大模式図である。 本発明の膜電極接合体の断面模式図である。 本発明の固体高分子形燃料電池の代表的な構成を示す概念図である。 実験例の電極材料(Ta/MC,電極触媒未担持)の作製手順のフローチャートである。 実験例の電極材料(Pt/Ta/MC)の作製手順のフローチャートである。 実施例1の電極材料(電極触媒未担持、還元処理300℃,4h)のFESEM像及びSTEM像である。 実施例2の電極材料(電極触媒未担持、還元処理500℃,2h)のFESEM像及びSTEM像である。 実施例3の電極材料(電極触媒未担持、還元処理600℃,2h)のSTEM像である。 実施例2の電極材料(Pt/Ta/MC)及び比較例の電極材料(Pt/MC)のサイクリックボルタモグラム(CV)である。 実施例2の電極材料(Pt/Ta/MC)及び比較例の電極材料(Pt/MC)の電気化学的有効表面積(ECSA)を示す図である。 実施例2の電極材料(Pt/Ta/MC)及び比較例の電極材料(Pt/MC)のリニアスイープボルタモグラム(LSV,1600rpm)である。 実施例2の電極材料(Pt/Ta/MC)及び比較例の電極材料(Pt/MC)のMass Activity(0.9VRHE)を示す図である。 起動停止サイクル試験の条件を示す図である。 実施例2の電極材料(Pt/Ta/MC)及び比較例の電極材料(Pt/MC)における起動停止サイクル試験回数と電気化学的有効表面積(ECSA)の関係を示す図である(実施例2:Pt/Ta/MC、比較例:Pt/MC)。 負荷変動サイクル試験の条件を示す図である。 実施例2の電極材料(Pt/Ta/MC)における負荷変動サイクル試験回数と電気化学的有効表面積(ECSA)の関係を示す図である。 負荷変動サイクル試験前後の実施例2の電極材料(Pt/Ta/MC)のLSV(1600rpm)である。
以下、本発明について例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下の例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。なお、本明細書において、「~」とはその前後の数値又は物理量を含む表現として用いるものとする。
なお、本明細書において、「細孔」とは、例えば径が150nm以下の孔(特に径が100nm以下の孔)を包含するものとする。「メソ孔領域の細孔」とは径が2nm~50nmの細孔を意味するものとする。また、本明細書において「マイクロ孔領域の細孔」とは径が2nm未満の細孔を意味し、「マクロ孔領域の細孔」とは径が50nm超150nm以下の細孔を意味するものとする。
<1.電極材料>
本発明は、以下の電極材料(A)及び電極材料(B)に関する。
なお、電極材料(A)を本発明の電極材料(第1の態様)、電極材料(B)を本発明の電極材料(第2の態様)を称する場合がある。また、これらを総称して、「本発明の電極材料」と称する場合がある。
電極材料(A):
メソポーラスカーボンからなる担体骨格と、前記メソポーラスカーボンの細孔内表面及び細孔外表面のうち少なくとも細孔内表面に固着した担体金属とからなる多孔質複合担体と、前記多孔質複合担体に担持された電極触媒粒子と、を含み、
前記電極触媒粒子の一部又は全部が、前記メソポーラスカーボンの細孔内に、前記担体金属を介して担持されてなる電極材料。
電極材料(B):
メソポーラスカーボンからなる担体骨格と、前記メソポーラスカーボンの細孔内表面及び細孔外表面のうち少なくとも細孔内表面に固着した電極触媒複合体とを含み、
前記電極触媒複合体は、電極触媒粒子と担体金属とを含み、前記担体金属は、前記電極触媒粒子の間を埋めるように存在する電極材料。
なお、本明細書において、「固着」は、担体骨格であるメソポーラスカーボンの細孔内表面及び細孔外表面に、担体金属(電極触媒(A)の場合)または電極触媒複合体(電極触媒(B)の場合)が、容易に脱離(剥離)しない程度に固定されていることを意味する。
電極材料(A)において、担体金属はメソポーラスカーボンにおけるメソ孔領域の細孔内表面の一部または全部を被覆するように固着され、電極触媒粒子は当該担体金属に担持されている。すなわち、電極触媒粒子は、メソポーラスカーボンのメソ孔領域の細孔内に、前記担体金属を介して担持されている。なお、電極材料(A)において、電極触媒粒子は、メソ孔領域の細孔の内部のみならず、メソ孔領域の細孔以外の細孔や外表面にも担体金属を介して電極触媒粒子が担持されていてもよい。
固着した担体金属の形態は、本発明の目的を損なわない限り、粒子状、島状、薄膜状等のいずれの形態であってもよい。「島状」とは数個の粒子状の担体金属が固まりになり、それぞれが分離した状態であり、「膜状」とは担体金属が連続してつながり薄膜を形成した状態を意味する。
電極材料(B)において、電極触媒粒子と担体金属とからなる電極触媒複合体は、メソポーラスカーボンにおけるメソ孔領域の細孔内表面の一部または全部を被覆するように固着されている。なお、電極材料(B)において、電極触媒複合体は、メソ孔領域の細孔の内部のみならず、メソ孔領域の細孔以外の細孔や外表面にも固着されていてもよい。
固着した電極触媒複合体の形態は、本発明の目的を損なわない限り、粒子状、島状、薄膜状等のいずれの形態であってもよい。「島状」とは数個の粒子状の担体金属が固まりになり、それぞれが分離した状態であり、「膜状」とは担体金属が連続してつながり薄膜を形成した状態を意味する。
本発明の電極材料の第1態様(電極材料(A))及び第2態様(電極材料(B))は、「メソポーラスカーボンを母体となる担体骨格とし、当該メソポーラスカーボンの細孔内に電極触媒粒子及び担体金属が存在する」という点で共通する特徴を有する。
そして、電極材料(A)では「電極触媒粒子の一部又は全部が、メソポーラスカーボンの細孔内に、担体金属を介して担持されている」のに対し、電極材料(B)では「電極触媒粒子の一部又は全部が、電極触媒複合体として、メソポーラスカーボンの細孔内に固着している」という点で異なる特徴を有する。
本発明の電極材料は、固体高分子形燃料電池用電極に用いる電極材料として好適であるが、これ以外の用途(例えば、固体高分子形水電解用電極)に使用することも可能である。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下において、本発明の電極材料を固体高分子形燃料電池(PEFC)用電極に使用することを想定して説明する。
<電極材料(A)>
以下、本発明の電極材料の第1の態様である電極材料(A)について説明する。
図1(a)は本発明の電極材料(A)の代表的な構成を示す模式図であり、図1(b)及び図1(c)は細孔近傍の拡大模式図である。
図1(a)に示すように、本発明に係る電極材料1Aは、担体骨格であるメソポーラスカーボン2と、メソポーラスカーボン2(細孔内表面2a及び外表面2b)に固着された粒子状の担体金属3aと、からなる多孔質複合担体と、担体金属3aに担持された電極触媒粒子3bによって構成される。
なお、図1(a)に示す電極材料1Aは、外表面2bにも担体金属3a及びこれに分散担持された電極触媒粒子3bを有しているが、担体金属3a及び電極触媒粒子3bは、細孔内表面2aのみに存在していてもよい。
電極材料1Aの担体骨格であるメソポーラスカーボン2(以下、「本発明に係るメソポーラスカーボン」と称す場合がある。)は、メソ孔領域の細孔を多数有する多孔質炭素である。
メソポーラスカーボン2として、メソ孔領域(2~50nm)の細孔を有する多孔質炭素が使用できるが、好適には細孔径3nm以上40nm以下である。この範囲であれば、細孔の内壁に、担体金属や電極触媒を固着(担持)した場合でも細孔内部への物質拡散が著しく阻害されることなく、スムーズに行われる。
また、後述するように燃料電池用電極を作製するにあたり、本発明の電極材料と、プロトン伝導性電解質材料(イオノマー)とを混合するが、プロトン伝導性電解質材料(イオノマー)は、大きさ数十nmであるため、細孔径の小さいメソ孔内には浸入できないため、メソポーラスカーボンの細孔内に、前記担体金属を介して担持された電極触媒粒子に対するイオノマー由来の被毒を抑制することができる。
本発明に係るメソポーラスカーボンは、メソ孔領域(2nm~50nm)の細孔以外の領域(マイクロ孔領域、マクロ細孔)を含んでいてもよいが、メソ孔領域の細孔の割合が多い方が好ましい。
メソポーラスカーボンの細孔の構造(細孔径、形状等)は、電子顕微鏡で観察することにより確認できる。電子顕微鏡としては、例えば、電界放出形走査電子顕微鏡(FESEM)、走査透過電子顕微鏡(STEM)が挙げられる。
メソポーラスカーボン2におけるメソ孔領域の細孔は、他の細孔とは独立した単独孔の他、メソ孔領域の細孔の一部又は全部が隣接するメソ孔領域の細孔と相互に連通している連通孔を有しており、三次元的な網目構造を有することが好ましい。連通孔の存在により、メソポーラスカーボンの細孔内部の物質の拡散が促進される。
電極材料1Aの大きさや形状は、その骨格材料であるメソポーラスカーボンの大きさや形状に依存する。メソポーラスカーボンの大きさや形状は、燃料電池用電極を形成したときに電極材料が連続的に接触でき、かつ燃料電池用電極内の水素や酸素などのガス拡散及び水(蒸気)の排出がスムーズに行える程度の空間を形成できる範囲で決定される。
本発明の電極材料に使用されるメソポーラスカーボンは、適宜合成して使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、MgOを鋳型とするメソポーラスカーボンである東洋炭素株式会社製のCNovelシリーズ(設計メソ孔径:5~150nm)が挙げられる。
(担体金属)
図1に示すように、本実施形態の燃料電池用電極材料1Aでは、担体金属3aは、メソポーラスカーボン2におけるメソ孔領域の細孔の内表面2aに固着している。また、本実施形態の燃料電池用電極材料1では、担体金属3aは、メソポーラスカーボン2の外表面にも固着されているが、外表面の担体金属は必ずしも必須ではない。
担体金属の固着量は、粒径(薄膜状の場合は膜厚)や表面積等の担体金属の物性、担体金属の製造方法によっても最適値が変わるため、十分な量の電極触媒粒子が担持できる範囲で適宜決定される。
細孔内の担体金属の大きさは、メソポーラスカーボン2の細孔を閉塞せず、ガスなどの物質移動を阻害しない範囲で決定される。メソポーラスカーボン2の細孔径にもよるが、細孔の内表面に固着される担体金属の大きさは、好適には粒径0.5nm以上3nm以下である。
外表面の担体金属3aは、メソ孔の閉塞に実質的に関与しないため、細孔内の担体金属より大きくてもよいが、電気抵抗を小さくするため、電極触媒粒子3bが分散担持することができる範囲内で粒径が小さい方が好ましい。外表面の担体金属を有する場合、その大きさは、好適には0.5nm以上10nm以下である。
なお、「粒子状担体金属の平均粒径」は、電子顕微鏡像より調べられる任意の粒子状担体金属(20個)の粒子径の平均値により得ることができる。
なお、図1(a),(b)では、担体金属3aは、メソポーラスカーボン2に分散固着された粒子状担体金属であるがこれに限定されず、担体金属3aはメソポーラスカーボン2に固着されていればよい。例えば、図1(c)のように粒子状の担体金属3aが分散せずに、連続してメソポーラスカーボン2の表面(特には細孔内表面)を薄膜状に被覆するように固着していてもよい。
担体金属3aを構成する担体金属としては、PEFCのアノード条件、カソード条件の少なくともいずれか一方で十分な耐久性と電子伝導性を併せ持つものであればよい。
なお、PEFCのカソード条件とは、PEFCの通常運転時のカソードにおける条件であり、温度が室温~150℃程度、空気等の酸素を含むガスが供給される条件(酸化雰囲気)を意味し、アノード条件とは、PEFCの通常運転時のアノードにおける条件であり、温度が室温~150℃程度、水素を含む燃料ガスが供給される条件(還元雰囲気)を意味する。
担体金属として使用される材料としては、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)及びスズ(Sn)等の金属種、及びこれらの金属種を主成分として含む合金が挙げられる。なお、電極材料に固着された際に、これらの金属の最表面は酸化されて酸化物層を形成する場合があるが、本発明においては最表面に酸化物層を有する場合も担体金属とみなすものとする。
なお、担体金属において、「主成分とする合金」とは、「主成分となる金属種とそれ以外の金属からなる合金で、主成分となる金属種を50質量%以上含む合金」を意味する。担体金属において、主成分となる金属種と合金化させる「それ以外の金属」は特に限定されないが、Co,Ni,Ti,W,Ta,Nb,Snを好適な例として挙げることができる(但し、主成分となる金属種と異なる元素である。)。これらを1種類あるいは2種類以上を使用してもよい。また、分相した状態で主成分となる金属種及びそれ以外の金属を含む合金を使用してもよい。
担体金属の好適例は、タンタル(Ta)、タングステン(W)及びニオブ(Nb)から選択されるいずれかの金属、及びこれらの金属を主成分として含む合金であり、特にタンタル(Ta)またはタンタル合金が好適である。
担体金属の担持量は、使用する金属種、メソポーラスカーボンの物性(細孔分布、比表面積等)等を考慮して適宜決定される。担体金属が少なすぎると、これに担持する電極触媒の担持量が少なくなり、電極性能が不十分となり、多すぎるとメソポーラスカーボンの細孔外に多く固着し、凝集して性能が低下する場合がある。
なお、担体金属の固着量は、例えば、誘導結合プラズマ発光分析(ICP)によって調べることができる。
(電極触媒粒子)
電極触媒粒子3bは、担体金属3aに分散担持されている。担体金属に担持された電極触媒粒子の割合は、評価対象となる燃料電池用電極材料を電子顕微鏡で観察した任意の電極触媒粒子(100個以上)を選出し、そのうち、担体金属に担持された個数と、メソポーラスカーボンに担持された個数とをカウントすることにより、評価することができる。
電極触媒粒子3bは、酸素の還元(及び水素の酸化)に対する電気化学的触媒活性を有するものであれば、貴金属系触媒、非貴金属系触媒のいずれでもよいが、好適には、Pt,Ru,Ir,Pd,Rh,Os,Au,Ag等の貴金属、及びこれらの貴金属を含む合金から選択される。なお、「貴金属を含む合金」とは「上記の貴金属のみからなる合金」と、「上記の貴金属とそれ以外の金属からなる合金で上記の貴金属を10質量%以上含む合金」を含む。貴金属と合金化させる上記「それ以外の金属」は、特に限定されないが、Co,Niを好適な例として挙げることができ、これらを1種類あるいは2種類以上を使用してもよい。また、分相した状態で2種類以上の上記貴金属及び貴金属を含む合金を使用してもよい。なお、本明細書において、上記貴金属、及びこれらの貴金属を含む合金を以下、「電極触媒金属」と呼ぶ場合がある。
電極触媒金属の中でも、Pt及びPtを含む合金(Pt合金)は、固体高分子形燃料電池の作動温度である80℃付近の温度域において、酸素の還元(及び水素の酸化)に対する電気化学的触媒活性が高いため、特に好適に使用することができる。
Pt合金におけるPt以外の金属種は、合金を形成できる限り特に制限されないがコバルト(Co)であることが好ましい。
電極触媒粒子3bの形状は、特に制限されず公知の電極触媒粒子と同様の形状のものが使用できる。具体的な形状として球形、楕円形、多面体、コアシェル構造等が挙げられる。また、電極触媒粒子3bの構造は、結晶に限定されず、非晶質であってよく、結晶と非晶質の混合体であってもよい。
電極触媒粒子3bの大きさは、小さいほど電気化学反応が進行する有効表面積が増加するため、電気化学的触媒活性が高くなる傾向がある。しかし、その大きさが小さすぎると、電気化学的反応活性が低下する。従って、電極触媒粒子3bの大きさは、平均粒径として0.5~4nmであることが好ましい。
なお、本発明における「電極触媒粒子の平均粒径」は、電子顕微鏡像より調べられる電極触媒粒子(20個)の粒子径の平均値により得ることができる。電子顕微鏡像による平均粒径算出時は、微粒子の形状が、球形以外の場合は、粒子における最大長を示す方向の長さをその粒径とする。
電極触媒粒子の担持量は、触媒の種類、担体金属の大きさ(厚み)等の条件を考慮して適宜決定される。触媒担持量が少なすぎると電極性能が不十分となり、多すぎると電極触媒粒子が凝集して性能が低下する場合がある。なお、電極触媒粒子の担持量は、例えば、誘導結合プラズマ発光分析(ICP)によって調べることができる。
上述した電極材料(A)の製造方法は特に限定されず、電極材料(A)を構成するメソポーラスカーボン、担体金属、電極触媒粒子の種類に応じて適宜好適な方法を選択すればよく、通常、メソポーラスカーボンに担体金属を担持した後に、担体金属に電極触媒粒子を担持する方法が採用される。
なお、後述する実施例で採用した方法であれば、担体骨格であるメソポーラスカーボンの細孔内を、サブナノオーダーの担体金属を固着させることができる。
また、担体金属への電極触媒前駆体又は電極触媒粒子の担持方法としては公知の金属担持方法を採用することができる。好適な一例は、実施例で採用した電極触媒前駆体に貴金属アセチルアセトナートを使用する方法(貴金属アセチルアセトナート法)が挙げられる。アセチルアセトナート法では、貴金属アセチルアセトナートをジクロロメタンなどの適当な溶媒に溶解させた溶液に担体金属を担持したメソポーラスカーボンを分散し、それを撹拌及び溶媒の留去を行うことにより、ナノサイズの粒径分布の揃った電極触媒粒子を担体金属へ分散性よく担持することができる。
<電極材料(B)>
以下、本発明の電極材料の第2の態様である電極材料(B)について説明する。なお、以下の説明において電極材料(A)と重複する内容は適宜省略して記載する。
図2(a)は本発明の電極材料(B)(第2の態様)の代表的な構成を示す概念模式図であり、図2(b)は細孔近傍の拡大模式図である。
本発明の電極材料(第2の態様)では、メソポーラスカーボンに固着される、電極触媒粒子が担体金属と電極触媒構造体を形成していることに特徴がある。
図2(a)に示すように、本発明に係る電極材料1B(第2の態様)は、担体骨格であるメソポーラスカーボン2と、メソポーラスカーボン(細孔内表面2a及び細孔内外表面2b)に固着された電極触媒複合体3によって構成される。なお、図2(a)に示す電極材料1Bは、外表面2bにも電極触媒複合体3を有しているが、電極触媒複合体3は、細孔内表面2aのみに存在していてもよい。
すなわち、電極材料1Bにおいて、電極触媒複合体3はメソポーラスカーボン2におけるメソ孔領域の細孔内表面の一部または全部に担持されている。
電極材料1Bにおいて、メソ孔領域の細孔の内部のみならず、メソ孔領域の細孔以外の細孔や外表面にも電極触媒複合体3が担持されていてもよい。
電極材料(B)において、メソポーラスカーボン2は、電極触媒複合体を固着(担持)させる担体としての機能と、電極を形成した際に電子伝導性を向上させる役割を有し、かつ、電極の骨格としての役割を有する。メソポーラスカーボンについては電極材料(A)と同じメソポーラスカーボンを使用することができるため説明を省略する。
電極材料(B)において、電極触媒複合体3は、担体金属3a及び電極触媒粒子3bを含み、担体金属3aは、電極触媒粒子3bの間を埋めるように存在することに特徴がある。電極触媒複合体3は、このように電極触媒粒子3bの間の間隙を埋めるように担体金属3aが存在することによって、電極触媒粒子3bが凝集して肥大化することを抑制することができる。また、電極触媒複合体3もメソポーラスカーボン表面(特に細孔内表面)に固着されることにより、電極触媒複合体自体の凝集を抑制することができる。
なお、図2においては、電極触媒粒子の間に存在する担体金属の形態は粒子であるが、担体金属の形態は電極触媒粒子の間に存在するのであれば粒子に限定されず、不定形であってもよい。また、担体金属は、結晶であっても非晶質体であってもよいが、その一部が結晶であること(すなわち、結晶と非晶質の混合体)が好ましく、全部が結晶であることがより好ましい。
電極材料(B)において、電極の骨格としての役割を、メソポーラスカーボンが担うため、電極触媒複合体3の粒径を小さくすることができる。
なお、「電極触媒複合体の大きさ」は、電子顕微鏡像より調べられる任意の電極触媒複合体(20個)の大きさの平均値により得ることができる。電極触媒複合体の形状が球形以外の場合は、最大長を示す方向の長さを電極触媒複合体の大きさとする。
電極材料(B)において、電極触媒複合体の一部又は全部がメソポーラスカーボンの細孔内に存在していてもよい。この場合、電極触媒複合体の大きさは、メソポーラスカーボンの細孔の径より小さいことが必要であり、メソポーラスカーボンの細孔径(例えば、3~40nm)に対応して、2~30nmの大きさである。
メソポーラスカーボンの細孔内の電極触媒複合体の割合は、電極触媒複合体の全数(細孔外及び細孔内の電極触媒複合体の合計)を100%としたときに、好適には50%以上、より好適には80%以上、さらに好適には90%以上(100%含む)である。
メソポーラスカーボンの細孔内の電極触媒複合体の個数は、高角度散乱暗視野走査透過電子顕微鏡(HAADF-STEM)を使用して確認することができる。
細孔内の電極触媒複合体の大きさは、メソポーラスカーボンの細孔を閉塞せず、ガスなどの物質移動を阻害しない範囲で決定される。メソポーラスカーボンの細孔径にもよるが、細孔の内表面に固着される電極触媒複合体の大きさは、好適には粒径0.5nm以上15nm以下である。
外表面の電極触媒複合体は、メソ孔の閉塞に実質的に関与しないため、細孔内の電極触媒複合体より大きくてもよいが、好適には典型的には平均粒径10~500nmである。「電極触媒複合体の平均粒径」は、電子顕微鏡像より調べられる任意の電極触媒複合体(20個)の粒子径の平均値により得ることができる。
また、電極触媒複合体の担持量は、電極として十分な量の電極触媒金属が含まれるような範囲で適宜決定される。電極触媒金属の活性は、電極触媒金属の種類、結晶性、粒径等及び複合化させる担体金属の種類、結晶性、粒径等に依存するため、この点を考慮して電極触媒複合体の担持量が決定される。
以下、電極材料(B)の電極触媒複合体を構成する担体金属及び電極触媒金属について詳述する。
電極触媒複合体を構成する担体金属は、上述した電極材料(A)で説明した担体金属と同じものが使用されるため詳細な説明は割愛し、以下簡略に説明する。
電極触媒複合体を構成する担体金属は、PEFCカソード条件及び/又はPEFCアノード条件で十分な耐久性と電子伝導性を併せ持つ。
担体金属の形態は、本発明の目的を損なわない限り、任意であり、例えば、粒子状、島状、膜状等が挙げられる。また、担体金属は、結晶に限定されず、非晶質であってよく、結晶と非晶質の混合体であってもよいが、より優れた電子伝導性を高めるためには、担体金属は結晶であることが好ましい。
担体金属として使用される材料としては、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)及びスズ(Sn)等の金属種、及びこれらの金属種を主成分として含む合金が挙げられる。なお、電極材料に固着された際に、これらの金属の最表面は酸化されて酸化物層を形成する場合があるが、本発明においては最表面に酸化物層を有する場合も担体金属とみなすものとする。
担体金属の好適例は、タンタル(Ta)、タングステン(W)及びニオブ(Nb)から選択されるいずれかの金属、及びこれらの金属を主成分として含む合金であり、特にタンタル(Ta)またはタンタル合金が好適である。
上述の通り、本発明における電極触媒複合体において、担体金属は電極触媒粒子の間を埋めるように存在することによって、電極触媒粒子の凝集を阻害するものであり、担体金属は、この目的を達成できるような形態で含まれていればよい。
電極触媒複合体における担体金属の割合は、担体金属の種類や大きさ、結晶性、並びに複合化される電極触媒金属の種類、量や大きさに応じて適宜決定される。
なお、本発明の電極材料では、担体金属は、電極触媒複合体において電極触媒粒子の間を充填させるものであり担体金属を小さくできるので、これに起因する電気抵抗を小さくできる。そのため、担体金属が結晶である場合のみならず、非晶質体であってもよい。但し、電気抵抗をより小さくするためには、担体金属の少なくとも一部は結晶であることが好ましく、全部が結晶であることが好ましい。
担体金属の量は、担体金属の種類や、電極触媒複合体を構成する電極触媒粒子の種類、大きさ、メソポーラスカーボンの物性(細孔分布、比表面積等)等を考慮して適宜決定される。担体金属が少なすぎると、電極触媒複合体における電極触媒の凝集を抑制できなくなり、多すぎるとメソポーラスカーボンの細孔外に多く固着し、凝集して性能が低下する場合がある。なお、担体金属の固着量は、例えば、誘導結合プラズマ発光分析(ICP)によって調べることができる。
電極触媒複合体を構成する電極触媒粒子は、上述した電極材料(A)で説明した電極触媒粒子と同じものが使用されるため詳細な説明は割愛し、以下簡略に説明する。
電極触媒粒子は、酸素の還元(及び水素の酸化)に対する電気化学的触媒活性を有するものであればよいが、好適には、Pt,Ru,Ir,Pd,Rh,Os,Au,Ag等の貴金属、及びこれらの貴金属を含む合金から選択される電極触媒金属が好ましい。
電極触媒金属の中でも、Pt及びPtを含む合金(Pt合金)は、固体高分子形燃料電池の作動温度である80℃付近の温度域において、酸素の還元(及び水素の酸化)に対する電気化学的触媒活性が高いため、特に好適に使用することができる。
Pt合金におけるPt以外の金属種は、合金を形成できる限り特に制限されないがコバルト(Co)であることが好ましい。
また、電極触媒金属は結晶があることが好ましいが、結晶と非晶質の混合体であってもよい。
すなわち、電極触媒(B)における電極触媒金属の好適な態様の一つは、前記電極触媒金属が、平均粒子径1~10nmの貴金属(好適にはPt及びPtを含む合金)からなる粒子である。
電極触媒金属の量は、目的とする電極触媒活性と、複合化させる担体金属の種類や量を考慮して決定される。なお、電極触媒金属の担持量は、例えば、誘導結合プラズマ発光分析(ICP)によって調べることができる。
電極触媒活性の観点からは、電極材料の全重量に対して、好ましくは0.1~60質量%、より好ましくは0.5~30質量%とすると、単位質量あたりの触媒活性に優れ、担持量に応じた所望の電極反応活性を得ることができる。
上述した電極材料(B)の製造方法は特に限定されず、電極材料を構成するメソポーラスカーボン、担体金属、電極触媒金属の種類に応じて適宜好適な方法を選択すればよい。
電極材料(B)の製造方法の一例は、水性有機溶媒に、メソポーラスカーボンを分散させた分散液に、電極触媒金属前駆体のアセチルアセトナート化合物と、担体金属前駆体のアセチルアセトナート化合物とを溶解させ、撹拌及び溶媒の留去を行うことにより、電極触媒金属前駆体と担体金属前駆体とが担持された担体骨格を得る工程(1)と、工程(1)で得られた電極触媒金属前駆体と担体金属前駆体とが担持された担体骨格を、不活性ガス雰囲気で熱処理することによって、電極触媒複合体を形成する工程(2)と、を含む製造方法が挙げられる。
<2.電極>
本発明の電極は、上述の本発明の電極材料とプロトン伝導性電解質材料を含む。本発明の電極において、本発明の電極材料が互いに接触して導電パスを形成している。
以下に、本発明の電極材料を用いて形成した燃料電池用電極について説明する。具体的には、上述の電極材料をPEFCにおける電極として用いたケースについて説明する。
この燃料電池用電極は、上述の電極材料のみから構成されていてもよいが、通常、燃料電池の電解質に使用されるプロトン伝導性電解質材料(以下、「プロトン伝導性電解質材料」、または単に「電解質材料」と記載する場合がある。)を含む。電極材料と共に燃料電池の電極に含まれる電解質材料は、燃料電池用電解質膜に使用される電解質材料と同じであってもよく、異なってもよい。燃料電池用電極と電解質膜の密着性を向上させる観点から、同じものを用いることが好ましい。
PEFCの電極と電解質膜とに使用される電解質材料としては、プロトン伝導性電解質材料が挙げられる。このプロトン伝導性電解質材料は、ポリマー骨格の全部または一部にフッ素原子を含むフッ素系電解質材料と、ポリマー骨格にフッ素原子を含まない炭化水素系電解質材料に大別され、この両者を電解質材料として使用することができる。
フッ素系電解質材料としては、具体的には、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)などが好適な一例として挙げられる。
炭化水素系電解質材料としては、具体的には、ポリスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリールエーテルケトンスルホン酸、ポリフェニルスルホン酸、ポリベンズイミダゾールスルホン酸、ポリベンズイミダゾールホスホン酸、ポリイミドスルホン酸等のポリマーや、これらにアルキル基等の側鎖を有するポリマーが好適な一例として挙げられる。
上記電極材料と電極材料と混合する電解質材料との質量比は、これらの材料を用いて形成される電極内の良好なプロトン伝導性を付与し、かつ電極内のガス拡散及び水蒸気の排出をスムーズに行えるように適宜決定すればよい。ただし、電極材料に混合する電解質材料の量が多すぎるとプロトン伝導性はよくなるが、ガスの拡散性は低下する。逆に混合する電解質材料の量が少なすぎるとガス拡散性はよくなるが、プロトン伝導性は低下する。そのため、上記電極材料に対する電解質材料の質量比率は、10~50質量%が好適な範囲である。この質量比率が10質量%より小さい場合は、プロトン伝導性を有する材料の連続性が悪くなり、燃料電池用電極として十分なプロトン伝導性が確保できない。逆に50質量%より大きい場合は電極材料の連続性が悪くなり、燃料電池用電極として十分な電子伝導性を有することができなくなる場合がある。さらには電極内部でのガス(酸素、水素、水蒸気)の拡散性が低下する場合がある。
本発明の燃料電池用電極は、本発明の目的を損なわない範囲で、上述の電極材料やプロトン伝導性材料以外の成分を含んでいてもよい。
例えば、上述の電極材料に含まれるメソポーラスカーボン以外の導電材(以下、「他の導電材」と記載する。)を含んでいてもよい。他の導電材を含むことにより、電極材料をつなぐ導電パスが増加し、電極全体としての導電性が向上する場合がある。
他の導電材としては、燃料電池用電極に使用される公知の導電材を使用することができる。典型的には炭素系の導電材であり、例えば、カーボンブラック、活性炭などの粒子状炭素(鎖状連結炭素粒子も含む)、カーボンファイバーやカーボンナノチューブ(CNT)等の繊維状炭素などが挙げられる。また、未担持のメソポーラスカーボンを他の導電材として使用することもできる。
なお、本発明の電極材料を含む燃料電池用電極として、PEFC用電極について説明したが、PEFC以外にもアルカリ形燃料電池、リン酸形燃料電池などの各種燃料電池における電極として用いることができる。また、PEFCと同様な高分子電解質膜を使用した水の電解装置用の電極としても好適に使用することができる。
なお、本発明の電極材料を含む燃料電池用電極は、酸素の還元、水素の酸化に対する優れた電気化学的触媒活性を有するため、カソード及びアノードとして使用することができる。特に酸素還元の電気化学的触媒活性に優れ、燃料電池の運転条件で担体である導電性材料の電気化学的酸化分解が起こらないことから、特にカソードとして好適に使用することができる。
また、本発明の燃料電池用電極は、PEFC以外にもアルカリ形燃料電池、リン酸形燃料電池などの各種燃料電池における電極として用いることができる。また、PEFCと同様な固体高分子電解質膜を使用した水の電解装置用の電極としても好適に使用することができる。
<3.膜電極接合体(MEA)>
本発明の膜電極接合体は、固体高分子電解質膜と、前記固体高分子電解質膜の一方面に接合されたカソードと、前記固体高分子電解質膜の他方面に接合されたアノードと、を有する膜電極接合体であって、前記カソードとアノードのいずれか一方又は両方が、上記本発明の電極であることを特徴とする。
本発明の好適な実施形態として、本発明の電極材料を含む燃料電池用電極をカソードに使用した膜電極接合体について説明する。
図3は本発明の実施形態に係る膜電極接合体の断面構造を模式的に示したものである。図3に示すように膜電極接合体10は、カソード4及びアノード5が固体高分子電解質膜6に対面して配置された構造を有する。
カソード4は、電極触媒層4aとガス拡散層4bで構成される。
ガス拡散層4bとしては従来公知のガス拡散層を使用することができる。例えば、従来PEFCのガス拡散層として使用されている、100nm~90μm程度の細孔径分布を有する導電性の炭素系シート状部材が挙げられ、好適には撥水処理が施されたカーボンペーパー、カーボンクロス、カーボン不織布等を用いることができる。また、ステンレススチール等の炭素系材料以外のシート状部材でもよい。このようなガス拡散層4bの厚みは特に制限はないが、通常、50μm~1mm程度である。また、ガス拡散層4bは、その片面に平均粒径10~100nm程度の炭素微粒子の集合体及び撥水材からなるマイクロポーラス層を有していてもよい。
アノード5は、電極触媒層5aとガス拡散層5bで構成される。アノード5としては、本発明の燃料電池用電極のほか、その他の公知のアノードも同様に使用できる。例えば、グラファイト、カーボンブラック、活性炭、カーボンナノチューブ、グラッシーカーボンなどの炭素系材料からなる導電性担体の表面上に、触媒である貴金属粒子を担持した電極材料と、燃料電池の電解質材料との分散液を塗布・乾燥して製造された電極触媒層5aを、ガス拡散層5b上に形成した電極が挙げられる。アノード5のガス拡散層5bは、カソード4で説明したガス拡散層4bと同様のものが使用できる。
固体高分子電解質膜6としては、プロトン伝導性を有し、化学的安定性及び熱的安定性を有するものであれば公知のPEFC用電解質膜を用いればよい。なお、図3では厚みを強調して図示しているが、電気抵抗を小さくするため固体高分子電解質膜6の厚みは通常0.007~0.05mm程度である。
固体高分子電解質膜6を構成する電解質材料としては、フッ素系電解質材料、炭化水素系電解質材料が挙げられる。特にフッ素系電解質材料で形成されている電解質膜が、耐熱性、化学的安定性などに優れているため好ましい。具体的には、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)などが好適例として挙げられる。
以上、図面を参照して本発明のMEAの実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
<4.固体高分子形燃料電池>
本発明の固体高分子形燃料電池(単セル)は、本発明の膜電極接合体を備え、通常、膜電極接合体をガス流路が形成されたセパレータで挟持した構造を有する。
図4は本発明の固体高分子形燃料電池の代表的な構成を示す概念図である。図4に示すように、固体高分子形燃料電池20においてアノード5には水素が供給され、(反応1)2H2 → 4H++4e-によって、生成したプロトン(H+)は固体高分子電解質膜6を介してカソード4に供給され、また、生成した電子は外部回路21を介してカソードへ供給され、(反応2)O2+4H++4e-→2H2Oによって、酸素と反応して水を生成する。
このアノードとカソードの電気化学反応によって両電極間に電位差を発生させる。本発明の固体高分子形燃料電池において、本発明の膜電極接合体以外の構成要素は、公知の固体高分子形燃料電池と同様であるため、詳細な説明を省略する。
実際には、本発明の固体高分子形燃料電池(単セル)が発電性能に応じた基数だけ積層された燃料電池スタックが形成され、ガス供給装置、冷却装置などその他付随する装置を組み立てることにより使用される。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.電極材料の作製
以下の実施例と比較例の電極材料を製造した。
使用した多孔質炭素、貴金属前駆体化合物、電子伝導性酸化物は以下の通りである。
<多孔質炭素>
多孔質炭素として、下記メソポーラスカーボン(MC)(東洋炭素(株)製、「多孔質炭素CNovel MJ(4)010(グレード名)」)を使用した。
設計細孔径:10nm
比表面積:1100m2/g
全細孔容積:2.0mL/g
ミクロ孔容積:0.4mL/g
粒径:100mesh pass(粉砕して使用)
<Ta原料化合物>
Ta原料化合物として、タンタルエトキシド(Ta(OC254,(株)高純度化学研究所)を使用した。
<貴金属前駆体化合物>
貴金属前駆体化合物として、Ptアセチルアセトナート(Pt(C5722、Platinum(II) acetylacetonate,97%,Sigma Aldrich)を使用した。なお、Ptアセチルアセトナートを、以下、Pt前駆体(Pt(acac)2)と記載する場合がある。
<実施例1~3>
図5に示すフローチャートの通り、水蒸気加水分解法によって実施例の電極材料(電極触媒未担持)を作製した。
まず、担体骨格材である上記メソポーラスカーボン(MC)50mgを、ボールミルで、1μm程度の粒径になるまで粉砕を施した後、有機溶媒(容積比2:1のアセチルアセトンとトルエンの混合液)に分散させて、MCを含む分散液を得た。次いで、タンタルエトキシド試薬を有機溶媒(エタノール)に溶解し、Taが35wt%となるよう調製した金属エトキシド溶液を準備し、この金属エトキシド溶液を、MCを含む分散液に加え、溶媒総量50mLになるよう調製してから、超音波撹拌をしながら減圧し、有機溶媒を蒸発させることで、MC表面(細孔内表面及び外表面)に金属エトキシド試薬を均一に吸着させた乾燥粉末を得た。
得られた乾燥粉末を粉砕後、30℃の水蒸気窒素雰囲気(3%加湿N雰囲気)中で1時間保持することで金属エトキシド試薬の水蒸気加水分解を進行させたのち、窒素雰囲気中で400℃に昇温して2時間保持し、更に窒素雰囲気中で800℃まで昇温して30分間保持した。その後、水素雰囲気中において所定温度で所定時間保持し還元処理することで、実施例1~3の電極材料(Ta/MC、電極触媒未担持)を作製した。
実施例1~3の電極材料(Ta/MC)の作製時の水素雰囲気中の条件を表1に示す。
次いで、図6に示すフローチャートの通り、実施例2の電極材料(電極触媒未担持)に、白金アセチルアセトナート法により、電極触媒粒子であるPt触媒粒子を担持した。Pt前駆体(Pt(acac)2)の量は、Ptが32wt%になるようにした。
ナスフラスコに、タンタルを担持したMCからなる実施例2の電極材料(電極触媒未担持)およびPt前駆体を加え、さらにアセトンを加え溶解させた。次いで、ナスフラスコを氷冷しながら、超音波撹拌装置にて、溶媒が全て揮発するまで撹拌して、乾燥粉末を得た。次いで、得られた乾燥粉末をN2雰囲気下で、210℃で3時間、240℃で3時間還元処理を施すことで、実施例2の電極材料(Pt/Ta/MC)を得た。
<比較例>
比較例として、金属エトキシド溶液を使用しないこと以外は、実施例1と同様にして比較例の電極材料(Pt/MC)を得た。
<参考例>
参考例として、市販の白金担持カーボンブラック触媒(Pt/C、(田中貴金属工業社製、TEC10E50E)を使用した。
2.物性評価(微細構造観察)
(1)電極材料(電極触媒未担持)
図7に実施例1の電極材料(電極触媒未担持)のFESEM像及びSTEM像、図8に実施例2の電極材料(電極触媒未担持)のFESEM像及びSTEM像、図9に実施例3の電極材料(電極触媒未担持)のSTEM像を示す。なお、以下の残留酸素はエネルギー分散型X線分光法(EDS)で測定された値である。
図7~9の通り、実施例1~3のいずれの電極材料(電極触媒未担持)においても、Ta粒子が均一に担持されていることが確認された。また、実施例1(水素雰囲気下300℃、4時間)は残留酸素が8~10%であり、実施例2(水素雰囲気下500℃、2時間)及び、実施例3(水素雰囲気下600℃、2時間)は残留酸素が4~5%であったことから、水素雰囲気下500℃以上の熱処理で、Ta前駆体からTaへの還元がより進行したと判断した。また、図9から実施例3(水素雰囲気下600℃、2時間)は細孔の中にTaの単原子の部分と10個程度の原子層の部分がそれぞれ存在していると判断した。
3.電気化学的評価(ハーフセル)
3-1.サイクリックボルタンメトリー(CV)の評価
実施例2(Pt/Ta/MC)及び参考例(Pt/C)の電極材料について、サイクリックボルタンメトリー(CV)による評価を行った。CVから求めた水素吸着量から電気化学的表面積(ECSA)を算出した。なお、ECSAは、電極材料に含まれるPtの有効表面積に相当する。
評価用の燃料電池電極は、以下の手順で作製した。
まず、超純水19mLと2-プロパノール6mLの混合溶液を、電極材料粉末の入ったサンプル瓶に加え、続けて5%Nafion分散液100μLを加えた後、氷水にサンプル瓶を浸した状態で超音波撹拌を30分間行って電極材料分散液とした。なお、電極材料粉末の量は、電極上に電極材料の分散液10μLを滴下した際に、電極上の単位面積当たりのPt質量が17.3μg-Pt/cm2となるようにした。調製した電極材料分散液10μLを、マイクロピペットを用いてAuディスク電極上に滴下し、恒温器に入れて60℃で約15分間乾燥を行うことで、Nafion膜を形成させて電極材料をAu電極上に固定し、評価用の燃料電池電極(作用極)を得た。
CVの測定条件は以下の通りである。なお、1原子のPtに付き1原子のHが吸着すると仮定すると210μC/cm2の電気量となる。

測定:三電極式セル(作用極:評価用の燃料電池電極、対極:Pt、参照極:Ag/AgCl)
電解液:0.1M HClO4(pH:約1)
測定電位範囲:0.05~1.2V(可逆水素電極基準)
走査速度 :50 mV/s
水素吸着量:0.05~0.4Vの水素吸着を示すピーク面積から算出
電気化学的表面積(ECSA):下記式より算出

ECSA=(水素吸着量)[μC] / 210[μC/cm2]
図10に実施例2及び参考例の電極材料のサイクリックボルタモグラムを示す。図10の通り、実施例2の電極材料(Pt/Ta/MC)を使用した電極は、Ptに由来する水素の吸脱着に由来するピーク(0.05~0.4V)が観察され、燃料電池用電極として機能することが確認された。
さらに、実施例2の電極材料(Pt/Ta/MC)は、参考例の電極材料(Pt/C,TEC10E50E)と比較して同程度であり、図11に示す通り、電気化学的表面積(ECSA)が同等であることが確認された(ECSA 実施例2:78.5m2/g、参考例:73.8m2/g)。
3-2.ORR活性の評価
実施例2及び参考例の電極材料について、ORR活性を評価した。
ORR活性は、回転ディスク電極法(RDE法)でリニアスイープボルタンメトリー(LSV)を行い、得られる活性化支配電流(ik)を基に算出するMass activity(単位Pt重量当たりの活性)を指標とした。

Mass activity = i / 電極上のPt質量

活性化支配電流(ik)は、回転電極測定によって得られた電流-電位曲線について、任意の電位においてi-1とω-1/2でプロットして得られるKoutecky-Levichプロットを作成し、得られた直線を外挿することによって切片から求めた。
具体的な手順として、まず、O2を50mL/分で30分間バブリングした後、0.2VRHEから貴な方向に向けて10mV/sで1.20VRHEまで電位を走査し、測定を行った。なお、測定中は常にO2を50mL/分でパージした。なお、VRHEは可逆水素電極(RHE)基準の電位である。
図12に実施例2及び参考例の電極材料のリニアスイープボルタモグラム(1600rpm)、図13にORR測定で得られた実施例2の電極材料の0.9VRHE時のMass activityは179.2A/g_Ptであり、参考例には及ばないものの比較的高い初期活性を示した。金属Taが持つ導電性によって導電パスが確保され、高い活性となったことと判断した。
3-3.起動停止サイクル試験
実施例2及び比較例の電極材料について燃料電池実用化推進協議会(FCCJ)が推奨する方法(固体高分子形燃料電池の目標・研究開発課題と評価方法の提案、平成23年1月発行)で起動停止サイクル試験を行った。起動停止サイクル試験は、カーボン腐食を促進させるサイクル試験であり、具体的には図14に示す1.0~1.5VRHEの短形波を、1サイクル当たり2秒印加することを繰り返し、サイクル試験後の電極触媒の劣化挙動をECSA変化として評価する。
図15に起動停止サイクル試験(2万サイクル迄)における実施例2及び比較例の電極材料を使用した電極のECSA変化を示す。
図15の通り、実施例2(Pt/Ta/MC)のECSAは、5000サイクルまでは比較例(Pt/MC)より若干小さかったが、5000サイクルを超えると逆転し、実施例2の方が、比較例より大きくなった。
3-4.負荷変動サイクル試験
実施例2及び比較例の電極材料について、負荷変動サイクル耐久性試験を行った。負荷変動サイクル試験は、燃料電池実用化推進協議会(FCCJ)が推奨する方法(固体高分子形燃料電池の目標・研究開発課題と評価方法の提案、平成23年1月発行)にて、負荷変動を模擬した電位サイクルを印加することによって行った。図16に示す負荷変動サイクルは,触媒自体の溶解・再析出などを伴う劣化を促進させるサイクルであり、0.6~1.0 VRHEの短形波を用いて1サイクル当たり3秒ずつの6秒印加することで実験を行い、負荷変動サイクル試験前後のECSA変化、LSV変化を測定した。
負荷変動サイクル試験後(40万サイクル)のECSA保持率を図17に示す。負荷変動サイクル試験後(40万サイクル)のECSA保持率は、実施例2の電極材料(Pt/Ta/MC)が43%であった。
負荷変動サイクル試験前後(40万サイクル)における実施例2の電極材料のLSV変化を図18に示す。LSV曲線のネガティブシフトがある程度抑えられており、40万サイクル後も活性を維持できていることが分かる。
本発明の電極材料によれば、優れた電極触媒活性、電子伝導性、ガス拡散性、及び優れた耐久性を有する燃料電池用電極を供することができ、自動車、電力、ガス、家電業界で使用される固体高分子形燃料電池の電極構成部材として有望である。特に、負荷変動が激しい燃料電池自動車(乗用車及び商用車)向けに使用されることが期待される
1A,1B 電極材料
2 メソポーラスカーボン
2a 細孔内表面
2b 外表面
3 電極触媒複合体
3a 担体金属
3b 電極触媒粒子
4 燃料電池用電極(カソード)
4a 電極触媒層(カソード)
4b ガス拡散層
5 燃料電池用電極(アノード)
5a 電極触媒層(アノード)
5b ガス拡散層
6 固体高分子電解質膜
10 膜電極接合体(MEA)
20 固体高分子形燃料電池
21 外部回路
P 細孔(メソ孔)

Claims (10)

  1. 以下の電極材料(A)である電極材料。
    電極材料(A):
    メソポーラスカーボンからなる担体骨格と、前記メソポーラスカーボンの細孔内表面及び細孔外表面のうち少なくとも細孔内表面に固着した担体金属とからなる多孔質複合担体と、前記担体金属に担持された電極触媒粒子と、を含み、
    前記電極触媒粒子の一部又は全部が、前記メソポーラスカーボンの細孔内に、前記担体金属を介して担持されてなることを特徴とする電極材料。
  2. 以下の電極材料(B)である電極材料。
    電極材料(B):
    メソポーラスカーボンからなる担体骨格と、前記メソポーラスカーボンの細孔内表面及び細孔外表面のうち少なくとも細孔内表面に固着した電極触媒複合体とを含み、
    前記電極触媒複合体は、電極触媒粒子と担体金属とを含み、前記担体金属は、前記電極触媒粒子の間を埋めるように存在することを特徴とする電極材料。
  3. 前記担体金属が、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)及びスズ(Sn)から選択されるいずれかの金属、及びこれらの金属を主成分として含む合金である請求項1または2に記載の電極材料。
  4. 前記担体金属が、タンタル(Ta)またはタンタル合金である請求項に記載の電極材料。
  5. 前記メソポーラスカーボンが、メソ孔領域の細孔の一部又は全部が隣接するメソ孔領域の細孔と相互に連通している連通孔を有する請求項1または2に記載の電極材料。
  6. 前記メソポーラスカーボンの細孔径が3nm以上40nm以下である請求項1または2に記載の電極材料。
  7. 前記電極触媒粒子が、PtまたはPtを含む合金からなる粒子である請求項1または2に記載の電極材料。
  8. 請求項1または2に記載の電極材料とプロトン伝導性電解質材料とを含むことを特徴とする電極。
  9. 固体高分子電解質膜と、前記固体高分子電解質膜の一方面に接合されたカソードと、前記固体高分子電解質膜の他方面に接合されたアノードと、を有する膜電極接合体であって、前記アノードまたはカソードのいずれか一方又は両方が、請求項に記載の電極である膜電極接合体。
  10. 請求項に記載の膜電極接合体を備えてなる固体高分子形燃料電池。
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