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JP2007250214A - 電極触媒とその製造方法 - Google Patents

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JP2007250214A
JP2007250214A JP2006068250A JP2006068250A JP2007250214A JP 2007250214 A JP2007250214 A JP 2007250214A JP 2006068250 A JP2006068250 A JP 2006068250A JP 2006068250 A JP2006068250 A JP 2006068250A JP 2007250214 A JP2007250214 A JP 2007250214A
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Masaki Ono
正樹 小野
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Abstract

【課題】燃料欠乏が発生するとアノード側で水電解やカーボン腐食が起こりアノード触媒の劣化が進む問題を解決するために、水素吸蔵材を用いてプロトン濃度を一定に保ち発電性能を維持する電極触媒を提供する。
【解決手段】触媒成分および水素吸蔵材が導電性担体表面に担持されており、下記の式1:
Figure 2007250214

ただし、S:導電性担体比表面積(cm/g)、m:導電性担体1gあたりの触媒成分担持量(g)、d:触媒成分平均粒径(cm)、ρ:触媒成分の比重(g/cm)、m:導電性担体1gあたりの水素吸蔵材担持量(g)、d:水素吸蔵材平均粒径(cm)、ρ:水素吸蔵材の比重(g/cm)、によって定義される粒子占有パラメータαが、0.01<α<2.0である電極触媒。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電池用電極触媒、特に燃料電池用の電極触媒に関し、より詳細には水素吸蔵能力に優れた電極触媒、特に燃料電池用の電極触媒に関する。
近年、エネルギー・環境問題を背景とした社会実情を鑑みると、常温でも作動し高出力密度が得られる固体高分子型燃料電池の実用化への要求が高まってきている。かような固体高分子型燃料電池は、電極触媒により、アノードでは燃料の水素ガスをプロトンに変え、カソードでは酸素を還元して電解質層を通ってきたプロトンと結びつき水となる。このようにして、固体高分子型燃料電池は、化学反応により得られた反応エネルギーから電気エネルギーを直接得るものである。しかし、固体高分子型燃料電池への実用化は、技術面およびコスト面などで多くの問題が散在しているのが現状である。
技術面の大きな課題として、固体高分子型燃料電池にはPtなどの貴金属触媒や、高分子電解質が使用されるが、酸素などの吸着によって触媒および高分子電解質が劣化し、しいては発電効率の低下という問題が存在する。一方、金属の種類によって水素を取り込む性質のものが存在することは古くから知られており、この特性を利用した電池の研究がこれまでされている。
特許文献1では、負極側に酸素吸着可能な耐食性の優れた水素吸蔵合金を最外側負極板に集中的に配置し、これによって低下する最外側負極の活性を耐食性よりも、十分な電気化学的反応性のほうがより必要とされる内側負極板に活性を高めた合金を集中的には位置することで補おうとする発明について開示している。特許文献1に係る発明では、負極が高電位にさらされた場合、電気化学的腐食反応そのものは抑制していないため、負極劣化抑制効果が長期間得られないという問題があった。
特開2003−168422号公報
そこで、本発明は、発電中にアノード側において水素などの燃料欠乏が発生するとカソード側にプロトンを供給するためアノード側で下記の反応式に示すような水電解やカーボン腐食が起こりアノード触媒の劣化が進み、燃料電池の発電効性能が低下するという問題を解決するために、水素吸蔵材を用いることでプロトン濃度の急激な減少を抑制でき、触媒および高分子電解質膜の劣化を抑制・防止できて、さらには燃料電池の発電性能を維持する電極触媒を提供する目的である。
Figure 2007250214
上記課題を解決するために、本発明は、触媒成分および水素吸蔵材が導電性担体表面に担持されてなり、下記の式1:
Figure 2007250214
ただし、式中において、S:導電性担体比表面積(cm/g)、m:導電性担体1gあたりの触媒成分担持量(g/(g))、d:触媒成分平均粒径(cm)、ρ:触媒成分の比重(g/cm)、m:導電性担体1gあたりの水素吸蔵材担持量(g/(g))、d:水素吸蔵材平均粒径(cm)、ρ:水素吸蔵材の比重(g/cm)、
によって定義される粒子占有パラメータαが、0.01<α<2.0であることを特徴とする電極触媒を提供する。
アノード側で水素などの燃料欠乏が発生し、電位が上昇すると同時にPdに吸蔵されていた水素が放出され、不足分の水素が供給されることにより瞬間的な燃料欠乏を緩和してアノード触媒の劣化を抑制することが出来る。また電極面内の極小領域の局部的な燃料欠乏が発生した場合でも、その局所的な領域だけでPdから吸蔵水素の放出がされて燃料欠乏を緩和できる。
本発明に係る電極触媒は、触媒成分および水素吸蔵材が導電性担体表面に担持されてなり、下記の式1:
Figure 2007250214
(式1)
ただし、式中において、S:導電性担体比表面積(cm/g)、m:導電性担体1gあたりの触媒成分担持量(g/(g))、d:触媒成分平均粒径(cm)、ρ:触媒成分の比重(g/cm)、m:導電性担体1gあたりの水素吸蔵材担持量(g/(g))、d:水素吸蔵材平均粒径(cm)、ρ:水素吸蔵材の比重(g/cm)、
によって定義される粒子占有パラメータαが、0.01<α<2.0であることが好ましい。
前記粒子占有パラメータは、上記式1により定義されるが、このパラメータ値は導電性担体表面に担持された触媒成分と水素吸蔵材との面積占有率を示した値である。つまり、粒子占有パラメータ値が大きいほど担体表面における触媒成分と水素吸蔵材との面積占有率が高く、燃料酸化電極触媒材と水素吸蔵材がより近接していることを示している。
粒子占有パラメータαは、0.01〜2.0が好ましく、0.02〜1.5がより好ましく、0.03〜1.2がさらに好ましく、0.05〜1.0が特に好ましい。
粒子占有パラメータαが、0.01<α<2.0である場合は、水素が、水素吸蔵材から放出された後、触媒表面で反応(プロトン生成)することによって、水素吸蔵材から電極触媒への水素の供給が効率的に行われるため、プロトンの生成濃度が急激に減少することを抑制・防止することができる。その結果、水電解やカーボン腐食反応を生じさせないため、電極の腐食および触媒の劣化を抑制・防止することができる。
粒子占有パラメータ値が0.01以下の場合とは、水素吸蔵材が少ない状態または触媒成分と水素吸蔵材との距離が大きい状態を示すが、この場合は、水素欠乏発生時において瞬時に吸蔵水素の放出による十分な量の水素供給を触媒成分に行うことができないため十分な効果が得られない。一方、粒子占有パラメータ値が2以上の場合、触媒成分と水素吸蔵材との重なりが多くなりすぎ、例えば上記のように完全合金化してしまい水素原子が出入りできないため水素吸蔵能力を低下させたり、触媒活性が十分に得られなくなる。
なお、上記式1の各パラメータの定義やその測定方法などについて以下に説明する。
「S:導電性担体比表面積(cm/g)」とは、BET法による比表面積測定結果から算出されるものであり、導電性担体比表面積(cm/g)は、好ましくは1×10〜1.6×10(cm/g)、より好ましくは2×10〜1.2×10(cm/g)、さらに好ましくは5×10〜1×10(cm/g)である。
「m:導電性担体1gあたりの触媒成分担持量(g/(g))」は、ICP(誘導結合プラズマ発光分光分析法の測定結果から算出されるものであり、好ましくは0.1〜4(g)、より好ましくは0.2〜2.5(g)、さらに好ましくは0.4〜1.5(g)である。
「d:触媒成分平均粒径(cm)」は、TEM(透過電子顕微鏡)像の観察あるいはXRD(X線回折)により求められる結晶子径を用いて測定するものであり、好ましくは2×10−7〜5×10−6(cm)、より好ましくは2×10−7〜2×10−6(cm)、さらに好ましくは2×10−7〜1×10−6(cm)である。
「触媒成分の比重(g/cm)」は、材料の室温の真比重であり、公知の真比重測定法を用いることが出来る。触媒成分の比重(g/cm)の範囲は、好ましくは2〜22(g/cm)、より好ましくは5〜22(g/cm)、さらに好ましくは10〜22(g/cm)である。
「m:導電性担体1gあたりの水素吸蔵材担持量(g/(g))」は、ICP(誘導結合プラズマ発光分光分析法)の測定結果から算出するものであり、好ましくは0.01〜2(g)、より好ましくは0.02〜1.5(g)、さらに好ましくは0.05〜1(g)である。
「d:水素吸蔵材平均粒径(cm)」は、TEM(透過電子顕微鏡)像の観察あるいはXRD(X線回折)により求められる結晶子径を用いる。水素吸蔵材平均粒径(cm)の範囲は、好ましくは2×10−7〜5×10−6(cm)、より好ましくは2×10−7〜2×10−6(cm)、さらに好ましくは2×10−7〜1×10−6(cm)である
「ρ:水素吸蔵材の比重(g/cm)」は、材料の室温の真比重であり、公知の真比重測定法を用いることができる。ρH:水素吸蔵材の比重(g/cm)の範囲は、好ましくは2〜22(g/cm)、より好ましくは5〜18(g/cm)、さらに好ましくは10〜15(g/cm)である。
本発明に係る「触媒成分」とはアノード極に供給される水素などの燃料を電気化学的に酸化してプロトンを生成する反応に対して触媒活性を示す成分のことである。
本発明に係る電極触媒に用いられる触媒成分として、カソード触媒では、酸素の還元反応に触媒作用を有するものであれば特に制限はなく公知の触媒が同様にして使用できる。また、アノード触媒に用いられる触媒成分もまた、水素の酸化反応に触媒作用を有するものであれば特に制限はなく公知の触媒が同様にして使用できる。具体的には、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属、及びそれらの合金等などから選択される。これらのうち、触媒活性、一酸化炭素等に対する耐被毒性、耐熱性などを向上させるために、少なくとも白金(Pt)を含むものが好ましく用いられる。また、Ptは高い酸化活性を示すからである。
前記合金の組成は、合金化する金属の種類にもよるが、白金が30〜90原子%、合金化する金属が10〜70原子%とするのがよい。カソード触媒をして合金を使用する場合の合金の組成は、合金化する金属の種類などによって異なり、当業者が適宜選択できるが、白金が30〜90原子%、合金化する他の金属が10〜70原子%とすることが好ましい。なお、合金とは、一般に金属元素に1種以上の金属元素または非金属元素を加えたものであって、金属的性質をもっているものの総称である。なお、触媒成分からパラジウムだけは除く。
合金の組織には、成分元素が別個の結晶となるいわば混合物である共晶合金、成分元素が完全に溶け合い固溶体となっているもの、成分元素が金属間化合物または金属と非金属との化合物を形成しているものなどがあり、本願ではいずれであってもよい。この際、カソード触媒に用いられる触媒成分及びアノード触媒に用いられる触媒成分は、上記の中から適宜選択できる。以下の説明では、特記しない限り、カソード触媒及びアノード触媒用の触媒成分についての説明は、両者について同様の定義であり、一括して、「触媒成分」と称する。しかしながら、カソード触媒及びアノード触媒用の触媒成分は同一である必要はなく、上記したような所望の作用を奏するように、適宜選択される。
Ptを基体としたPt合金触媒、貴金属−卑金属混合物触媒も高い活性を示す。そのため電極触媒として十分な酸化活性と耐久性を有する高性能アノード極を提供することができる。
触媒成分の形状や大きさは、特に制限されず公知の触媒成分と同様の形状及び大きさが使用できるが、触媒成分は、粒状であることが好ましい。この際、電極触媒に用いられる触媒成分の平均粒子径は、小さいほど電気化学反応が進行する有効電極面積が増加するため酸素還元活性も高くなり好ましいが、実際には平均粒子径が小さすぎると却って酸素還元活性が低下する現象が見られる。従って、電極触媒に含まれる触媒成分の平均粒子径は、2〜50nm、より好ましくは2〜20nm、さらにより好ましくは2〜10nm、特に好ましくは2〜8nmの粒状であることが好ましい。
電極触媒に含まれる触媒成分の平均粒子径が2nm未満では、シンタリングが発生しやすいなど耐久性が低く、一方電極触媒に含まれる触媒成分の平均粒子径が50nm超では、触媒比表面積が低くなり、使用する触媒成分の量に対して得られる電極性能が低くなるため、一定の性能を得るためには電極がコスト高になる。なお、本発明における「触媒成分の平均粒径」は、X線回折における触媒成分の回折ピークの半値幅より求められる結晶子径あるいは透過型電子顕微鏡像より調べられる触媒成分の粒子径の平均値により測定することができる。
また、本発明に係る触媒成分の比重(g/cm)は、好ましくは2〜22(g/cm)、より好ましくは5〜22(g/cm)、さらに好ましくは10〜22(g/cm)である。本発明に係る触媒成分の比重が、2〜22(g/cm)の範囲だと、薄い電極触媒層においても必要量の触媒成分を含有することが可能である。つまり、触媒成分の比重が小さい場合には必要な触媒量を使用するために電極触媒層の厚さが著しく厚くなり、反応物の物質移動、電子伝導抵抗の増大、セル厚の増大などの点で不利である。
本発明に係る「水素吸蔵材」とは、その材料表面に水素を吸着できるだけでなく、固体内部に吸収して蓄えることが出来る材料である。
本発明に係る電極触媒に用いられる水素吸蔵材として、カソード電極触媒層およびアノード電極触媒層のいずれにおいても、その材料表面に水素を吸着できるだけでなく、固体内部に吸収して蓄えることが出来る材料であれば、特に制限はなく公知の材料が同様にして使用できる。例えば、電解質を用いた燃料電池のアノード極の使用環境において水素吸蔵放出特性を好適に保つことが出来る材料であれば利用可能である。具体的には、チタン、マンガン、ジルコニウム、ニッケルなどの遷移金属、およびそれらの合金であって、かつラーべス相のような六方晶の構造を有するような合金や、希土類元素、ニオブ、ジルコニウム1に対して遷移金属5を含む合金、バナジウムおよびバナジウム系合金であって体心立方晶の合金や、マグネシウム、およびマグネシウム系合金や、パラジウム(Pd)、パラジウム基合金などが挙げられる。これらのうち、自己体積の935倍もの水素吸蔵能力を有するパラジウム(Pd)、パラジウム基合金が好ましい。
前記パラジウム基合金とは、例えばPd−Ni、Pd−V、Pd−Co、Pd−Fe、Pd−Ag、Pd−Cr、Pd−Mn、Pd−Pt、Pd−Zrなどの合金(Pdを50原子%以上含有する)が挙げられる。
例えば、本発明に係る発明を燃料電池に使用した場合、アノード極の通常作動電位範囲である0V付近でPdは水素を吸蔵する。この状態から水素などの燃料欠乏によってアノード極の電位が通常作動時より高くなると、Pdから吸蔵水素が放出される。また、触媒成分と水素吸蔵材とは近接しているため、速やかに放出水素は触媒成分に到達し、水素などの燃料欠乏状態を緩和することができる。したがって、水素吸蔵材としてPd系材料を用いることが本発明の目的に対して最も適合していると考えられる。水素吸蔵特性を有する材料としてはPdのほかにTiCoFe系、LaNi系などが公知であるが、本発明で使用する強酸性・高電位環境では溶解するため使用が困難である場合がある。
また、本発明に係る電極触媒における水素吸蔵材は、前記水素吸蔵材中の水素が放出される際に起因する電流ピーク電位が、0〜1.0Vであることが好ましく、より好ましくは0〜0.5V、さらに好ましくは0〜0.2Vである。
水素吸蔵材中の水素が放出される際に起因する電流ピーク電位が、0〜1.0Vの範囲だと、アノード極で水素などの燃料欠乏が起こった場合に、カーボン腐食が顕著になる電位領域までアノード極電位が上昇する前に水素放出が起こるからである。これにより、アノード極で水素などの燃料欠乏が起こった場合、カーボン腐食が顕著になる電位になる前に水素放出が起こり、燃料欠乏を緩和することができる。
水素吸蔵材の吸蔵水素の放出に起因する電流ピーク電位の測定は、サイクリックボルタンメトリによって行う。具体的には、固体高分子型燃料電池の場合、室温(20〜30℃)において水素吸蔵材を含んだアノード極に加湿窒素を流し、カソード極に加湿水素を流通させた状態でカソード極を参照電極としてアノード極の電位−電流特性の測定を行う。このとき、参照電極として用いる加湿水素流通カソード極の絶対電位(V vs. 標準水素電極)は既知でなければならない。
水素吸蔵材の形状は、粒状であることが好ましく、電極触媒に用いられる水素吸蔵材の平均粒子径は、従って、電極触媒に含まれる水素吸蔵材の平均粒子径は、2〜50nm、より好ましくは2〜40nm、さらにより好ましくは2〜30nm、特に好ましくは2〜20nmの粒状であることが好ましい。
水素吸蔵材の粒径が2nm未満では各水素吸蔵材粒子の表面の割合が多すぎるため、使用する水素吸蔵材量に対してバルクに吸蔵される水素量が少なくなる。50nm超では担体表面に分散度が十分でなく、使用する水素吸蔵材量に対して得られる抑制効果が低くなるため、一定の性能を得るためには電極がコスト高になる。水素吸蔵材の粒径も触媒成分と同様にX線回折により得られるプロファイルのピークの半値幅から求められる結晶子径や透過型電子顕微鏡像から見積もられる粒径から求めることができる。
また、本発明に係る電極触媒におけるPd含有量は、触媒成分に対して10〜80原子%であることが好ましい。例えば、触媒成分がPtであって、水素吸蔵材がPdのときは、Pt100原子に対してPdが10〜80原子%存在することが好ましい。なお、前記Pd含有量は、より好ましくは触媒成分に対して20〜70原子%、さらに好ましくは触媒成分に対して30〜60原子%である。
Pd使用量が、触媒成分に対して10%未満の場合、最適な粒径であっても十分な抑制効果が得られない。一方、触媒成分に対して80%超の場合、Pdが触媒成分を被覆してしまい、アノード極の酸化活性が低下してしまう。
また、本発明に係る水素吸蔵材の比重(g/cm)は、好ましくは2〜22(g/cm)、より好ましくは5〜18(g/cm)、さらに好ましくは10〜15(g/cm)である。水素吸蔵材の比重(g/cm)が、2〜22(g/cm)の範囲だと薄い電極触媒層においても必要量の触媒成分を含有することが可能である。つまり、触媒成分の比重が小さい場合には必要な触媒量を使用するために電極触媒層の厚さが著しく厚くなり、反応物の物質移動、電子伝導抵抗の増大、セル厚の増大などの点で不利である。
本発明に係る導電性担体は、触媒成分を所望の分散状態で担持させるための比表面積を有し、集電体として十分な電子導電性を有しているものであれば本発明に使用することができ、主成分が炭素材であるのが好ましい。本発明に係る導電性担体に炭素材を用いることで、電気抵抗ロス、物質拡散ロスの少ない高性能アノード極を得ることが出来る。具体的には、カーボンブラック、活性炭、コークス、天然黒鉛、人造黒鉛などからなるカーボン粒子が挙げられる。また、かようなカーボン材料として、より具体的には、アセチレンブラック、バルカン、ケッチェンブラック、ブラックパール、黒鉛化アセチレンブラック、黒鉛化バルカン、黒鉛化ケッチェンブラック、黒鉛化カーボン、黒鉛化ブラックパール、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、及びカーボンフィブリルから選ばれる少なくとも一種を主成分として含むものなどが挙げられる。なお、本発明において「主成分がカーボンである」とは、主成分として炭素原子を含むことをいい、炭素原子のみからなる、実質的に炭素原子からなる、の双方を含む概念である。場合によっては、燃料電池の特性を向上させるために、炭素原子以外の元素が含まれていてもよい。なお、実質的に炭素原子からなるとは、2〜3質量%程度以下の不純物の混入が許容されることを意味する。導電性担体に、上記に挙げた炭素材を本発明に係る電極に使用することによって、ロスの少ない高性能アノード極が得られる。
前記導電性担体のBET比表面積は、触媒成分を高分散担持させるのに十分な比表面積であればよいが、好ましくは10〜1600m/g、より好ましくは20〜1200m/g、さらに好ましくは50〜1000m/gとするのがよい。前記比表面積が、10m/g未満であると前記導電性担体への触媒成分および高分子電解質の分散性が低下して十分な発電性能が得られない恐れがあり、1600m/gを超えると触媒成分および高分子電解質の有効利用率が却って低下する恐れがある。
また、前記導電性担体の大きさは、特に限定されないが、担持の容易さ、触媒利用率、電極触媒層の厚みを適切な範囲で制御するなどの観点からは、平均1次粒子径が10〜100nm、好ましくは15〜60nm、より好ましくは15〜40nm程度とするのがよい。
本発明に係る電極触媒は、触媒成分および水素吸蔵材を担持した導電性担体を含む電極である。また、前記触媒成分および前記水素吸蔵材は、導電性担体の表面上に分散させて担持させることが好ましい。
発電における反応は、アノード側で水素が酸化されてプロトン化されるが、水素吸蔵材が分散して導電性担体の表面に存在するため、燃料不足時には水素吸蔵材から水素が放出されて、水素の量の急激な減少を抑制・防止することができる。これにより、例えば、発電中に局所的に水素が欠乏すると、カソード側にプロトンを供給するためにアノード側で水電解やカーボン腐食が起こり、アノード電極性能が低下することを抑制・防止するだけではなく、水電解により生じた酸素による電極の腐食および触媒の劣化を抑制・防止することができる。
以上の点から鑑みて、本発明に係る触媒成分および水素吸蔵材を担持した導電性担体を含む電極は、アノード側およびカソード側の両方、またアノード側またはカソード側のいずれか一方に設けられても良いが、好ましくは水素をプロトンに酸化させる反応であるアノード側が好ましい。
本発明に係る電極触媒の成分である触媒成分、水素吸蔵材、および導電性担体の割合(質量比)は、導電性担体を1gとした場合、触媒成分担持量(g)は、好ましくは0.1〜4(g)、より好ましくは0.2〜2.5(g)、さらに好ましくは0.4〜1.5(g)であり、水素吸蔵材担持量(g)は、好ましくは0.01〜2(g)、より好ましくは0.02〜1.5(g)、さらに好ましくは0.05〜1(g)である。
触媒成分担持量は少なすぎると不十分な電極性能しか得られず、多すぎると十分な電極性能が得られるものの、高コストになる。水素吸蔵材についても同様に、担持量は少なすぎると電極あたりの水素吸蔵量が少なくなるため、燃料不足時の水素供給量が不十分となり、十分な劣化抑制効果が得られず、多すぎると十分な劣化抑制効果が得られるものの、高コストになる上、触媒表面を覆ってしまい、通常発電時の水素酸化反応の進行を阻害するため電極性能がむしろ低下する。
前記水素吸蔵材は前記触媒成分の近傍に存在していることが好ましい。なぜなら、発電中に水素が少なくなった際、拡散や電位などに起因して水素原子が水素吸蔵材から放出された水素は吸着水素原子の表面拡散やあるいは水素分子の状態で気相拡散あるいは電解質中を溶解拡散することにより触媒表面に達すると考えられるが、水素吸蔵材と前記触媒成分との距離が大きすぎると、このような過程では水素を触媒表面にまで効果的に供給できなくなるからである。
水素吸蔵材の原理を踏まえてより詳細に説明すると、水素吸蔵は、固溶現象と化学結合の2つに大別される。「固溶現象」とは、固体結晶中に他の元素が入り込み、結晶を構成する原子間または結晶を構成する原子と置換する形態で安定な位置を占めることをいう。特に前者を侵入型固溶、後者を置換型固溶と称するが、水素と合金などでは侵入型固溶体を形成させると考えられている。また、水素を吸蔵するということは、その逆である水素の放出をも考慮に入れる必要があり、この水素の放出と吸蔵とを両立させるためには、まず水素吸蔵材の結晶構造中に水素を入れる空隙があり、この空隙内において水素原子が準安定状態として存在することができ、かつこの空隙から水素が出れなければならない。さらに水素吸蔵材から放出された水素が、なんら制限をうけずに水素吸蔵材の近傍に存在する触媒成分と衝突(反応)しなければ、結果としてプロトンを効果的に供給できなくなり、水電解やカーボンの腐食が起こる原因となる。
したがって、触媒成分と水素吸蔵材とを熱などにより溶着させるような完全合金化させ、触媒成分および水素吸蔵材の結晶構造が変化する場合は、前記空隙に水素原子が出入りできないため好ましくないと考えられる。しかし、触媒成分と水素吸蔵材との一部を合金化して接合するような場合は、結晶構造中に水素が出入りできる空隙が十分にあるため、水素吸蔵能が期待できる。
触媒成分と水素吸蔵材との合金化の割合を明確に数字で表すことは困難ではあるが、触媒成分と水素吸蔵材と合計の質量に対して1〜20%、より好ましくは1〜10%の範囲であれば、十分な結晶構造中に水素が出入りできる空隙を有するため、本発明の効果を十分期待することができる。なお、本発明に係る電極触媒は、アノード側電極触媒およびカソード側電極触媒を総称するものである。また本発明において電極触媒は、触媒成分および水素吸蔵材が導電性担体に担持されてなるものである。
本発明に係る電極触媒は、触媒成分および水素吸蔵材が、導電性担体表面に担持された電極触媒の製造方法において、
前記導電性担体に前記触媒成分を分散担持させる触媒を担持させる工程と、
前記導電性担体に前記水素吸蔵材を分散担持させる工程と、
さらに触媒成分と水素吸蔵材が担持した導電性担体を焼成する工程と、を含む製造方法によって得られる。
導電性担体に触媒成分および水素吸蔵材を担持させる工程は、導電性担体にそれぞれの材料を高分散に担持させなければならない。導電性担体への担持方法としては、液相中で金属塩もしくは金属錯体を還元剤で還元させる液相化学還元法、金属塩もしくは金属錯体を用いた含浸法などの湿式担持法、CVD、またはスプレー熱分解法を利用するような乾式担持法を利用することができる。好ましくは、触媒成分や水素吸蔵材を低コストで高分散担持可能な液相化学還元法が用いられる。
導電性担体に触媒成分および水素吸蔵材を担持させる順序は、触媒成分を先に担持させてもよく、または水素吸蔵材を先に担持させてもよい。また、導電性担体への担持工程は、触媒成分と水素吸蔵材とをそれぞれ別々に行ってもよく、同時に担持させても良い。
前記焼成工程は、触媒成分と水素吸蔵材粒子とを近接させると共に、触媒成分と水素吸蔵材とに含まれる金属成分、特にPd成分を一部合金化させることにより水素吸蔵材の耐久性をさらに向上させる効果があり、この工程によって、所望の粒径、担持形態の燃料極触媒を得ることができる。
前記焼成工程における焼成温度は200〜800℃であることが好ましく、300〜700℃がさらに好ましく、400〜600℃がより好ましい。
200℃未満だと、触媒成分と水素吸蔵材とが接着しづらく耐久性の効果が得られなく、800℃超だと合金化が進み、金属成分、特にPdの水素吸蔵放出特性が失われてしまう。
焼成工程は、触媒成分と水素吸蔵材とを近接させると共に、触媒成分および水素吸蔵材に含まれる金属成分、特にPd成分を一部合金化させることにより水素吸蔵材の耐久性をさらに向上させる効果があるが、熱処理温度が高すぎると合金化が進みすぎて、触媒成分および水素吸蔵材が共に巨大化するばかりでなく、結晶構造が合金化することにより変化し、前述した水素が出入りできる空隙が消失したりして金属成分、特にPdの水素吸蔵放出特性が失われてしまうため、水電解による電極の腐食および触媒の劣化を抑制・防止などの効果が得られなくなる。したがって、本発明の第2はセルに関する。
本発明は、高分子電解質膜の両側に、本発明に係る触媒成分および水素吸蔵材が、導電性担体表面に担持された電極触媒を含む電極触媒層を挟持し、さらに前記電極触媒層の両側にガス拡散基材を含むガス拡散層を挟持してなる膜電極接合体(MEA)を提供することができる。
本発明に係る電極触媒は、アノード側電極触媒およびカソード側電極触媒を総称するものであり、燃料電池などの電極に使用される場合は、層を形成して使用されることが好ましい。この場合、本発明に係る電極触媒層は、電極触媒、プロトン伝導性高分子、必要により撥水材料を含む。また本発明において電極触媒は、触媒成分および水素吸蔵材が導電性担体に担持されてなるものである。
本発明に用いられる触媒成分、水素吸蔵材および導電性担体については、上記で説明した触媒成分、水素吸蔵材および導電性担体と同様であるのでここでは省略する。
本発明に係る電極触媒層におけるプロトン伝導性高分子は、特に限定されず公知のものを用いることができるが、後述する高分子電解質に用いられたものと同様の材料が挙げられ、少なくとも高いプロトン伝導性を有する材料であればよい。本発明のカソード電極触媒層/アノード電極触媒層(以下、単に「電極触媒層」または「触媒層」とも称する)には、電極触媒の他に、高分子電解質が含まれる。この際使用できる高分子電解質は、高分子骨格の全部又は一部にフッ素原子を含むフッ素系電解質と、高分子骨格にフッ素原子を含まない炭化水素系電解質とに大別される。
前記フッ素系電解質として、具体的には、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)等のパーフルオロカーボンスルホン酸系高分子、ポリトリフルオロスチレンスルフォン酸系高分子、パーフルオロカーボンホスホン酸系高分子、トリフルオロスチレンスルホン酸系高分子、エチレンテトラフルオロエチレン−g−スチレンスルホン酸系高分子、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリビニリデンフルオリド−パーフルオロカーボンスルホン酸系高分子などが好適な一例として挙げられる。
前記炭化水素系電解質として、具体的には、ポリスルホンスルホン酸、ポリアリールエーテルケトンスルホン酸、ポリベンズイミダゾールアルキルスルホン酸、ポリベンズイミダゾールアルキルホスホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリエーテルエーテルケトンスルホン酸、ポリフェニルスルホン酸等が好適な一例として挙げられる。
高分子電解質は、耐熱性、化学的安定性などに優れることから、フッ素原子を含むのが好ましく、なかでも、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)などのフッ素系電解質が好ましく挙げられる。
また、導電性担体への触媒成分の担持は公知の方法で行うことができる。例えば、含浸法、液相還元担持法、蒸発乾固法、コロイド吸着法、噴霧熱分解法、逆ミセル(マイクロエマルジョン法)などの公知の方法が使用できる。または、電極触媒は、市販品を用いてもよい。
尚、高分子電解質膜と電極層とで用いる高分子電解質は、異なってもよいが、膜と電極の接触抵抗などを考慮すると同じものを用いるのが好ましい。
前記高分子電解質は、接着の役割をする高分子として電極触媒を被覆しているのが好ましい。これにより、電極の構造を安定に維持できるとともに、電極反応が進行する三相界面を十分に確保して、高い触媒活性を得ることができる。電極中に含まれる前記固体高分子電解質の含有量は、特に限定されないが、導電性担体の全量に対して30〜70質量%とするのがよい。
前記電極触媒層の空孔率は、30〜70%が好ましく、より好ましくは40〜60%である。空孔率が30%未満では、ガスの拡散が十分ではなく、高電流域でのセル電圧が低下する。また、空孔率が70%超では、電極触媒層の強度が十分ではなく、転写プロセスにおいて空孔率が低下する。
本発明に係る撥水性を有する材料としては、公知のものを使用することができるが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが挙げられ、これらのうち、なかでも、撥水性、電極反応時の耐食性などに優れることから、PTFEがより好ましく使用される。
本発明に係る電極触媒を含む電極の構成比は、触媒成分、水素吸蔵材、導電性担体、プロトン伝導性高分子、および必要に応じて撥水材、溶剤がそれぞれ、10質量部〜30質量部、5質量部〜20質量部、10質量部〜30質量部、5質量部〜20質量部、0質量部〜5質量部が好ましい。
本発明に係る電極触媒を含む電極触媒層の厚さは、1〜50μmが好ましく、1〜20μmがより好ましい。
本発明において使用する高分子電解質膜は、特に限定されず公知のものを用いることができるが、電極触媒層に用いられたものと同様の材料が挙げられ、少なくとも高いプロトン伝導性を有する材料であればよい。また、また本発明において用いられる「電解質」とは、高いプロトン伝導性を有する液体、固体、ゲル状材料などが利用可能で、リン酸、硫酸などの液体の強酸、アンチモン酸、スズ酸、ヘテロポリ酸などの固体酸、パーフルオロスルホン酸ポリマーなどに代表される高分子電解質、リン酸などの無機酸を炭化水素系高分子化合物やにドープさせたもの、一部がプロトン導電性の官能基で置換された有機/無機ハイブリッドポリマー、高分子マトリックスにリン酸溶液や硫酸溶液を含浸させたゲル状プロトン導電性などが例示される。プロトン導電性部材は電子導電性を同時に有する混合導電体も利用できる。
この際使用できる高分子電解質は、高分子骨格の全部又は一部にフッ素原子を含むフッ素系電解質と、高分子骨格にフッ素原子を含まない炭化水素系電解質とに大別される。
前記フッ素系電解質として、具体的には、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)等のパーフルオロカーボンスルホン酸系高分子、ポリトリフルオロスチレンスルフォン酸系高分子、パーフルオロカーボンホスホン酸系高分子、トリフルオロスチレンスルホン酸系高分子、エチレンテトラフルオロエチレン−g−スチレンスルホン酸系高分子、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリビニリデンフルオリド−パーフルオロカーボンスルホン酸系高分子などが好適な一例として挙げられる。
前記炭化水素系電解質として、具体的には、ポリスルホンスルホン酸、ポリアリールエーテルケトンスルホン酸、ポリベンズイミダゾールアルキルスルホン酸、ポリベンズイミダゾールアルキルホスホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリエーテルエーテルケトンスルホン酸、ポリフェニルスルホン酸等が好適な一例として挙げられる。
高分子電解質は、耐熱性、化学的安定性などに優れることから、フッ素原子を含むのが好ましく、なかでも、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)などのフッ素系電解質が好ましく挙げられる。
本発明に係るガス拡散基材に用いられる材料としては、カーボンペーパ、不織布、炭素製の織物、紙状抄紙体、フェルトなどからなるシート状材料が提案されている。ガス拡散基材が優れた電子伝導性を有していると、発電反応により生じた電子の効率的な運搬が達成され、燃料電池の性能が向上する。またガス拡散基材が優れた撥水性を有していると、生成した水が効率的に排出される。
尚、高い撥水性を確保するために、ガス拡散基材を構成する材料を撥水処理することによりガス拡散層を形成する技術も提案されている。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂を含む溶液中にカーボンペーパなどのガス拡散基材を構成する材料を含浸させ、大気中または窒素などの不活性ガス中に乾燥させる。場合によっては、親水化処理がガス拡散基材を構成する材料に施されてもよい。
以下、本発明に係る実施態様について作製方法を説明する。
本発明の電極触媒は、例えばカーボンブラックなどの導電性担体に、白金などの触媒成分およびパラジウムなどの水素吸蔵材を含むイオン水溶液に加えて、ホモジナイザなどで分散させた後還元担持させる。次いで、加熱および乾燥させた後、200℃〜800℃で熱処理を行って作製する。その後、触媒成分および水素吸蔵材を担持させた導電性担体、ならびにナフィオンなどのプロトン伝導性高分子を、必要に応じて水またはアルコールなどの溶剤に添加して、触媒スラリーを調整する。
本発明の触媒スラリーを転写用台紙上に塗布・乾燥して、電極触媒層を形成する。この際、転写用台紙としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シート、PET(ポリエチレンテレフタレート)シート、ポリエステルシートなどの公知のシートが使用できる。なお、転写用台紙は、使用する触媒スラリー(特にインク中のカーボン等の導電性担体)の種類に応じて適宜選択される。また、上記工程において、電極触媒層の厚みは、水素の酸化反応(アノード側)及び酸素の還元反応(カソード側)の触媒作用が十分発揮できる厚みであれば特に制限されず、従来と同様の厚みが使用できる。具体的には、電極触媒層の厚みは、1〜50μm、より好ましくは1〜20μmである。
転写用台紙上への触媒スラリーは、特に制限されず、スクリーン印刷法、沈積法、あるいはスプレー法などの公知の方法が同様にして適用できる。また、塗布された電極触媒層乾燥条件もまた、電極触媒層から極性溶剤を完全に除去できる条件であれば特に制限されない。具体的には、触媒スラリーの塗布層(電極触媒層)を真空乾燥機内にて、室温〜100℃、より好ましくは50〜80℃で、30〜60分間、乾燥する。この際、触媒層の厚みが十分でない場合には、所望の厚みになるまで、上記塗布・乾燥工程を繰り返す。次に下記の工程に進む。
すなわち、このようにして作製された固体高分子電解質膜を挟持した後、当該積層についてホットプレスを行なう。この際、ホットプレス条件は、電極触媒層及び固体高分子電解質膜が十分密接に接合できる条件であれば特に制限されないが、100〜170℃、より好ましくは100〜150℃で、電極面に対して1〜5MPaのプレス圧力で行なうのが好ましい。これにより固体高分子電解質膜および電極触媒層との接合性を高めることができる。
ホットプレスを行なった後、転写用台紙を剥がすことにより、電極触媒層および固体高分子電解質膜を含む電極を得ることができる。
次いで、ガス拡散層の作製は、必要に応じてカーボンペーパまたはカーボン不織布またはカーボンクロスを、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂を含む溶液中含浸させ、大気中または窒素などの不活性ガス中に乾燥させた後、ガス拡散層作製する。
そして、上記に作製したガス拡散層2枚を用いて電極触媒層および固体高分子電解質膜を含む電極を挟持することにより膜電極接合体を作製する。
本発明の触媒スラリーには、電極触媒、プロトン伝導性高分子、及び溶剤に加えて、必要があればポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体といった撥水性高分子、増粘剤などが含まれてもよい。これにより、得られる電極触媒層の撥水性を高めることができ、発電時に生成した水などを速やかに排出することができる。
増粘剤の使用は、触媒スラリーなどが転写用台紙上にうまく塗布できない場合などに有効である。この際使用できる増粘剤は、特に制限されず、公知の増粘剤が使用できるが、例えば、グリセリン、(EG(エチレングリコール)、PVA(ポリビニルアルコール))などが挙げられる。増粘剤を使用する際の、増粘剤の添加量は、本発明の上記効果を妨げない程度の量であれば特に制限されないが、触媒スラリーの全質量に対して、好ましくは0.1〜10質量%である。さらに、本発明で使用される触媒スラリーを構成する溶剤としては、特に制限されず、触媒層を形成するのに使用される通常の溶剤が同様にして使用できる。具体的には、水、シクロヘキサノールやエタノールや2−プロパノール等の低級アルコールが使用できる。
本発明の触媒スラリーは、カソード側電極触媒層またはアノード側電極触媒層のいずれか一方のみに使用されてもあるいは双方に使用されてもよいが、カソード側は特に出力変動による生成水量の変化により乾湿の変化を受けて、初期状態における電極触媒層の多孔構造が崩れ、空隙率が低下して、電極触媒層への反応ガス供給量が低下する危険性が高いため、少なくともアノード側電極触媒層に使用されることが好ましい。
本発明は、第3発明である膜電極接合体を燃料電池に用いたものである。
本発明に係る電極を用いた前記燃料電池は、下記に詳述されるように、一般的にガス拡散層をさらに有しており、この際、ガス拡散層は、上記方法において、転写用台紙を剥がし、得られた接合体をさらにガス拡散層で挟持することによって、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接合後にさらに各電極触媒層に接合することが好ましい。または、電極触媒層を予めガス拡散層表面上に形成して電極触媒層−ガス拡散層接合体を製造した後、上記したのと同様にして、この電極触媒層−ガス拡散層接合体で固体高分子電解質膜をホットプレスにより挟持・接合することもまた好ましい。前記のホットプレス方法以外に、ガス拡散層上に逐次塗布により電極触媒層−高分子電解質膜−電極触媒層−ガス拡散層を積層する方法を用いても良い。
本発明では、熱処理を従来公知の方法と同様の方法によって電極(膜電極接合体)が製造できる。例えば、調製された触媒スラリーを所望の厚さで転写用台紙上に塗布・乾燥することによって、カソード側及びアノード側の電極触媒層を形成し、さらにこの電極触媒層が内側にくるように高分子電解質膜を上記電極触媒層で挟持してホットプレス等により接合した後、転写用台紙を剥がすことによって、電解質膜に触媒層を取り付けた。
このようにして作製した触媒層コート済の電解質膜の触媒層側およびガス拡散層(カーボン層コート済のカーボンペーパのカーボン層側を貼り合わせて電極(MEA:膜電極接合体)を作製した。
前記燃料電池の種類としては、特に限定されず、上記した説明中では高分子電解質型燃料電池を例に挙げて説明したが、この他にも、アルカリ型燃料電池、リン酸型燃料電池に代表される酸型電解質の燃料電池、ダイレクトメタノール型燃料電池、マイクロ燃料電池などが挙げられる。なかでも小型かつ高密度・高出力化が可能であるから、固体高分子電解質型燃料電池が好ましく挙げられる。また、前記燃料電池は、搭載スペースが限定される車両などの移動体用電源の他、定置用電源などとして有用であるが、特にシステムの起動/停止や出力変動が頻繁に発生する自動車用途で特に好適に使用できる。
前記高分子電解質型燃料電池は、定置用電源の他、搭載スペースが限定される自動車などの移動体用電源などとして有用である。なかでも、比較的長時間の運転停止後に高い出力電圧が要求されることによるカーボン担体の腐食、および、運転時に高い出力電圧が取り出されることにより高分子電解質の劣化が生じやすい自動車などの移動体用電源として用いられるのが特に好ましい。
前記燃料電池の構成としては、特に限定されず、従来公知の技術を適宜利用すればよいが、一般的には電極(膜電極接合体)をセパレータで挟持した構造を有する。
前記セパレータとしては、緻密カーボングラファイト、炭素板等のカーボン製や、ステンレス等の金属製のものなど、従来公知のものであれば制限なく用いることができる。セパレータは、空気と燃料ガスとを分離する機能を有するものであり、それらの流路を確保するための流路溝が形成されてもよい。セパレータの厚さや大きさ、流路溝の形状などについては、特に限定されず、得られる燃料電池の出力特性などを考慮して適宜決定すればよい。
また、各触媒層に供給されるガスが外部にリークするのを防止するために、ガスケット層上の触媒層が形成されていない部位にさらにガスシール部が設けられてもよい。前記ガスシール部を構成する材料としては、フッ素ゴム、シリコンゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリイソブチレンゴム等のゴム材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系の高分子材料、ポリオレフィンやポリエステル等の熱可塑性樹脂などが挙げられる。また、ガスシール部の厚さとしては、2mm〜50μm、望ましくは1mm〜100μm程度とすればよい。
さらに、燃料電池が所望する電圧等を得られるように、セパレータを介して電極(膜電極接合体)を複数積層して直列に繋いだスタックを形成してもよい。燃料電池の形状などは、特に限定されず、所望する電圧などの電池特性が得られるように適宜決定すればよい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されることはない。また、当該実施例において、「%」は特記しない限り質量百分率を表わすものとする。
(1)Pt担持カーボンの調製
カーボンブラック粉末1.0g(Cabot社製、Vulcan XC−72:比表面積250m/g)を0.4%の白金を含有する塩化白金酸水溶液250g中にホモジナイザを用いて十分に分散させた後、これにクエン酸ナトリウム3gを加え、還流反応装置を使用して85℃、6時間加熱し、白金の還元担持を行った。そして、室温まで放冷した後、白金が担持されたカーボンを濾別し、純水で十分に洗浄することにより、Pt担持カーボン粉末を得た。このPt担持カーボンの平均Pt粒子径は透過型電子顕微鏡観察の結果から約3.1nmであった。また、Pt担持量を誘導結合プラズマ発光分光法によって調べた結果、48.6%のPtが担持されていることが確認された。
(2)Pt−Pd担持カーボン(1)の調製
上記(1)の方法により調製したPt担持カーボン1.0gに0.1%のパラジウムを含有する塩化パラジウム酸水溶液100g中にホモジナイザを用いて十分に分散させた後、これにクエン酸ナトリウム2gを加え、還流反応装置を使用して85℃、6時間加熱し、水素吸蔵材としてのパラジウムの還元担持を行った。そして、室温まで放冷した後、濾別・洗浄することにより、Pt−Pd担持カーボン粉末を得た。さらにこのPt−Pd担持カーボン粉末を窒素気流中700℃で4時間焼成した。このPt−Pd担持カーボン(1)の透過型電子顕微鏡による透過電子線像と特性X線の面分析を組み合わせた観察の結果から、平均Pt粒径は5.2nm、平均Pd粒径は7.6nmと見積もられた。また、PtおよびPd担持量を誘導結合プラズマ発光分光法によって定量した結果、Pt:44.6%、Pd:8.3%であった。
なお、各パラメータについて以下に記載する。
:導電性担体比表面積(cm/g)=2.5×10:導電性担体1gあたりの触媒成分担持量(g/(g))=0.947、d:触媒成分平均粒径(cm)=5.2nm、ρ:触媒成分の比重(g/cm)=21.45、m:導電性担体1gあたりの水素吸蔵材担持量(g/(g))=0.176、d:水素吸蔵材平均粒径(cm)=7.6nm、ρ:水素吸蔵材の比重(g/cm)=12.16。
このPt−Pd担持カーボンの粒子占有パラメータαは0.06であった。
(3)Pt−Pd担持カーボン(2)の調製
担体カーボンとしてケッチェンブラックEC(比表面積800m/g)を用いたこと以外は上記(1)(2)と同様の調製方法により調製した。このPt−Pd担持カーボン(2)の透過型電子顕微鏡による透過電子線像と特性X線の面分析を組み合わせた観察の結果から、平均Pt粒径は7.2nm、平均Pd粒径は9.6nmと見積もられた。また、PtおよびPd担持量を誘導結合プラズマ発光分光法によって定量した結果、Pt:28.3%、Pd:5.7%であった。このPt−Pd担持カーボンの粒子占有パラメータαは0.007であった。
なお、各パラメータについて以下に記載する。
:導電性担体比表面積(cm/g)=8.0×10:導電性担体1gあたりの触媒成分担持量(g/(g))=0.429、d:触媒成分平均粒径(cm)=7.2nm、ρ:触媒成分の比重(g/cm)=21.45、m:導電性担体1gあたりの水素吸蔵材担持量(g/(g))=0.086、d:水素吸蔵材平均粒径(cm)=9.6nm、ρ:水素吸蔵材の比重(g/cm)=12.16。
(MEAの作製)
MEA(膜電極接合体)の作製についてはいずれについても以下のように行った。
触媒担持カーボン粉末の質量に対して5倍量の精製水を加えた後、0.5倍量のイソプロピルアルコールを加え、さらにはナフィオン(Nafion、登録商標)の質量が0.8倍量になるようにナフィオン(Nafion、登録商標)溶液(Aldrich社製5wt.%Nafion含有)を加えた。混合スラリーを超音波ホモジナイザでよく分散させ、それに続いて減圧脱泡操作を加えることによって触媒スラリーを作製した。これをテフロンシートの片面にスクリーン印刷法によって所定のPt量になるように触媒スラリーを印刷し、60℃で3時間乾燥させた後、電極触媒層を塗布した面を電解質膜に合わせて130℃、1.5MPaで10分間ホットプレスを行うことにより電解質膜に触媒層を取り付けた。
これらのMEAは、Pt使用量を見かけの電極面積1cmあたりアノード側では0.3mgカソード側では0.5mgとし、電極面積は25cmとした。また、高分子電解質膜としてナフィオン(Nafion、登録商標)112(厚さ:約50μm)を用いた。
実施例では、アノード極:Pt−Pd担持カーボン1)を使用し、カソード極:(1)により調製したPt担持カーボンを使用した。
比較例1では、アノード極:(1)により調製したPt担持カーボンを使用し、カソード極:(1)により調製したPt担持カーボンを使用した。
(比較例2)では、アノード極:Pt−Pd担持カーボン2)を使用し、カソード極:(1)により調製したPt担持カーボンを使用した。
〔評価方法〕
(単セル評価)
作製したMEAを用いて燃料電池単セルを構成し、水素燃料欠乏に対するアノード極の性能劣化を以下のような方法で評価した。
燃料電池のアノード極には燃料として水素を供給し、カソード極側には空気を供給した。両ガスとも供給圧力は大気圧とし、燃料電池本体の温度は70℃に設定し、水素利用率は67%、アノード供給ガス露点は70℃、空気利用率は40%、カソード供給ガス露点は50℃として、電流密度0.5 A/cm2定電流密度で発電を行った。定電流密度での発電運転中に5分毎に1秒間アノード極への水素の供給をカットし、アノード極において燃料欠乏状態を模擬的に発生させた。このようなアノード極における燃料欠乏サイクルを100回発生させた。この試験によるアノード極の劣化度合いを評価するために試験前および試験後にアノード極のPtの電気化学的有効Pt表面積を求めるためにサイクリックボルタンメトリを行った。なお、サイクリックボルタンメトリ測定はセル温度を室温にし、カソード極側に室温露点の水素を100cc/min、アノード極側には室温露点の窒素を200cc/minで流通させながらカソード極電位を参照としたアノード極電位を0〜1.1 Vの範囲で一定掃引速度で走査することにより行った。この測定により観察される水素吸着波の電気量からアノード極の電気化学的有効Pt表面積を求めた。
Figure 2007250214
表1は、水素欠乏運転によるアノード極の電気化学有効Pt面積の変化を示している。比較例1および2の電極触媒を用いた場合には、水素欠乏発生によってアノード極の触媒成分担体カーボンの腐食が進むことによる電気化学有効Pt面積の低下が著しく見られた。これに対し、本発明における実施例の触媒成分および水素吸蔵剤を用いた場合には同様の運転に対しても電気化学有効Pt面積の低下量が著しく減少しており、本発明による電極触媒をアノード極に用いることによって水素などの燃料欠乏耐性の高いアノード極を得ることが出来ることがわかった。

Claims (12)

  1. 触媒成分および水素吸蔵材が導電性担体表面に担持されてなり、下記の式1:
    Figure 2007250214
    ただし、式中において、S:導電性担体比表面積(cm/g)、m:導電性担体1gあたりの触媒成分担持量(g/(g))、d:触媒成分平均粒径(cm)、ρ:触媒成分の比重(g/cm)、m:導電性担体1gあたりの水素吸蔵材担持量(g/(g))、d:水素吸蔵材平均粒径(cm)、ρ:水素吸蔵材の比重(g/cm)、
    によって定義される粒子占有パラメータαが、0.01<α<2.0であることを特徴とする電極触媒。
  2. 前記電極の触媒成分は、少なくともPtを含む、請求項1に記載の電極触媒。
  3. 前記触媒成分の粒子は、平均粒径2〜50nmの粒状である、請求項1または2に記載の電極触媒。
  4. 前記水素吸蔵材は、PdまたはPd基合金である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極触媒。
  5. 前記水素吸蔵材の平均粒子径は、2〜50nmの粒状である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極触媒。
  6. 水素吸蔵材は、PdまたはPd基合金であり、かつ水素吸蔵材中のPd含有量は触媒成分に対して10〜80原子%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極触媒。
  7. 前記導電性担体とは炭素材を主成分として含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電極触媒。
  8. 前記水素吸蔵材中の水素が放出される際に起因する電流ピーク電位が、0〜1.0Vである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電極触媒。
  9. 触媒成分および水素吸蔵材が、導電性担体表面に担持された電極触媒の製造方法において、
    前記導電性担体に前記触媒成分を分散担持させる触媒を担持させる工程と、
    前記導電性担体に前記水素吸蔵材を分散担持させる工程と、
    さらに触媒成分と水素吸蔵材が担持した導電性担体を焼成する工程と、を含むことを特徴とする電極触媒の製造方法。
  10. 前記焼成工程における焼成温度は200〜800℃である、請求項9に記載の電極触媒の製造方法。
  11. 請求項1〜8に記載の前記電極触媒を用いた膜電極接合体。
  12. 請求項11に記載の膜電極接合体を用いてなる固体高分子型燃料電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007237170A (ja) * 2006-03-03 2007-09-20 Korea Inst Of Energ Res 化学気相蒸着法によるカーボンナノチューブ担持白金触媒の製造方法
JP2011047874A (ja) * 2009-08-28 2011-03-10 Yamatake Corp 水素ガスセンサ及び酸素濃度センサ
CN116239077A (zh) * 2023-03-09 2023-06-09 中国电力科学研究院有限公司 一种负载杂多酸催化剂的镁基储氢材料及其制备方法

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