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JP7609705B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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JP7609705B2 JP2021086805A JP2021086805A JP7609705B2 JP 7609705 B2 JP7609705 B2 JP 7609705B2 JP 2021086805 A JP2021086805 A JP 2021086805A JP 2021086805 A JP2021086805 A JP 2021086805A JP 7609705 B2 JP7609705 B2 JP 7609705B2
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Description

本開示は、電力変換装置に関する。
特許文献1には、三相誘導電動機などを駆動するオープン巻線システムが開示されている。このオープン巻線システムは、直流電源の直流電力を交流電力に変換する第1及び第2のインバータと、第1インバータと第2インバータの交流出力端子の間に接続されたオープン巻線とを備えている。当該オープン巻線システムの制御装置は、第1及び第2インバータの各スイッチング素子の損失が等しくなるように各スイッチング素子の制御を行うものである。
特開2017-093077号公報
特許文献1に記載のオープン巻線システムのように各相のコイル(巻線)をHブリッジインバータで駆動する構成を有する電力変換装置(便宜上、「Hブリッジモータドライブシステム」とも称する)において、コストと効率のバランスに鑑み、損失特性の異なるスイッチング素子を混合して使用することが考えられる。このような構成を採用した場合、第1及び第2インバータの各スイッチング素子の損失が等しくなるように各スイッチング素子の制御を行うという手法では、各スイッチング素子を有効に使い切ることは困難である。
本開示は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、損失特性の異なるスイッチング素子を組み合わせたHブリッジモータドライブシステムにおいて、低損失素子を有効活用できるようにすることを目的とする。
本開示の第1の態様に係る電力変換装置は、複数相のコイルを有するオープン巻線の回転電機に向けて直流電源から供給される電力を変換するものであって、第1インバータと、第2インバータと、制御装置と、を備える。第1インバータは、直流電源と並列接続され、回転電機の相毎に、第1高電位点とコイルの一端との間、及び、コイルの一端と第1低電位点との間をそれぞれ開閉可能な複数の第1スイッチング素子を含む。第2インバータは、直流電源と並列接続され、回転電機の相毎に、第2高電位点とコイルの他端との間、及び、コイルの他端と第2低電位点との間をそれぞれ開閉可能な複数の第2スイッチング素子を含む。制御装置は、第1及び第2インバータを制御する。複数の第1スイッチング素子と複数の第2スイッチング素子は、互いに異なる損失特性を有するように構成されている。複数の第1スイッチング素子及び複数の第2スイッチング素子のうちで損失が小さい方を低損失素子と称し、損失が大きい方を高損失素子と称したとき、制御装置は、低損失素子を用いる側のインバータに該当する第1及び第2インバータの一方のスイッチング回数が、高損失素子を用いる側のインバータに該当する第1及び第2インバータの他方のスイッチング回数よりも多くなるように第1及び第2インバータを制御する。
複数相のコイルのそれぞれを流れる電流は、第1インバータの側から第2インバータの側に流れる向きを正とする。制御装置は、複数相の相毎に、複数の第1スイッチング素子及び複数の第2スイッチング素子のそれぞれの制御信号を生成する制御信号生成部を含む。制御信号生成部は、回転電機の駆動指令に基づく各相の電圧指令の基本変調波が0以上の場合には、基本変調波と0から1の間で変動する第1キャリア信号とを比較して第1インバータの上アーム及び下アームをそれぞれ構成する第1スイッチング素子の制御信号を生成しつつ、第2インバータの上アーム及び下アームをそれぞれ構成する第2スイッチング素子の制御信号をそれぞれオフ及びオンとし、基本変調波が0未満の場合には、基本変調波に1を加えて得られる第1補正変調波と第1キャリア信号とを比較して第1インバータの上アーム及び下アームをそれぞれ構成する第1スイッチング素子の制御信号を生成しつつ、第2インバータの上アーム及び下アームをそれぞれ構成する第2スイッチング素子の制御信号をそれぞれオン及びオフとする
本開示の第2の態様に係る電力変換装置は、複数相のコイルを有するオープン巻線の回転電機に向けて直流電源から供給される電力を変換するものであって、第1インバータと、第2インバータと、制御装置と、を備える。第1インバータは、直流電源と並列接続され、回転電機の相毎に、第1高電位点とコイルの一端との間、及び、コイルの一端と第1低電位点との間をそれぞれ開閉可能な複数の第1スイッチング素子を含む。第2インバータは、直流電源と並列接続され、回転電機の相毎に、第2高電位点とコイルの他端との間、及び、コイルの他端と第2低電位点との間をそれぞれ開閉可能な複数の第2スイッチング素子を含む。制御装置は、第1及び第2インバータを制御する。複数の第1スイッチング素子と複数の第2スイッチング素子は、互いに異なる損失特性を有するように構成されている。複数の第1スイッチング素子及び複数の第2スイッチング素子のうちで損失が小さい方を低損失素子と称し、損失が大きい方を高損失素子と称したとき、制御装置は、低損失素子を用いる側のインバータに該当する第1及び第2インバータの一方のスイッチング回数が、高損失素子を用いる側のインバータに該当する第1及び第2インバータの他方のスイッチング回数よりも多くなるように第1及び第2インバータを制御する。
複数相のコイルのそれぞれを流れる電流は、第1インバータの側から第2インバータの側に流れる向きを正とする。制御装置は、複数相の相毎に、複数の第1スイッチング素子及び複数の第2スイッチング素子のそれぞれの制御信号を生成する制御信号生成部を含む。制御信号生成部は、回転電機の駆動指令に基づく各相の電圧指令の基本変調波が0未満の場合には、基本変調波と-1から0の間で変動する第2キャリア信号とを比較して第2インバータの上アーム及び下アームをそれぞれ構成する第2スイッチング素子の制御信号を生成しつつ、第1インバータの上アーム及び下アームをそれぞれ構成する第1スイッチング素子の制御信号をそれぞれオフ及びオンとし、基本変調波が0以上の場合には、基本変調波に-1を加えて得られる第2補正変調波と第2キャリア信号とを比較して第2インバータの上アーム及び下アームをそれぞれ構成する第2スイッチング素子の制御信号を生成しつつ、第1インバータの上アーム及び下アームをそれぞれ構成する第1スイッチング素子の制御信号をそれぞれオン及びオフとする
電力変換装置は、第1インバータと第2インバータとの間に配置され、電流の導通状態と遮断状態とを切り替えるスイッチをさらに備えてもよい。そして、第1インバータに含まれる複数の第1スイッチング素子は、低損失素子であってもよい。
複数の第1スイッチング素子と複数の第2スイッチング素子とは、素材の相違により、互いに異なる損失特性を有するように構成されていてもよい。
複数の第1スイッチング素子と複数の第2スイッチング素子とは、チップ面積の相違により、互いに異なる損失特性を有するように構成されていてもよい。
本開示に係る電力変換装置によれば、損失特性の異なるスイッチング素子をインバータ単位で組み合わせたHブリッジモータドライブシステムにおいて、低損失素子を用いる側のインバータに該当する第1及び第2インバータの一方のスイッチング回数が、高損失素子を用いる側のインバータに該当する第1及び第2インバータの他方のスイッチング回数よりも多くなるように第1及び第2インバータが制御される。これにより、低損失素子を有効活用してインバータ損失を低減することができる。
実施の形態1に係る電力変換装置の構成を概略的に示す図である。 一般的なスイッチング制御(比較例)における制御信号の生成手法を表したタイムチャート(A)と、実施の形態1に係る特徴的なスイッチング制御における制御信号の生成手法を表したタイムチャート(B)である。 比較例における変調波と接続点U1及びU2のオンオフ状態との関係をまとめて表した図である。 実施の形態1に係る制御信号生成部による制御信号の生成の手順を示すフローチャートである。 第2インバータ側の第2スイッチング素子SW2のスイッチング回数を増加させる際の制御信号の生成手法を表したタイムチャートである。 図2(A)に示す比較例に対する実施の形態1の効果を説明するための図である。 実施の形態2に係る電力変換装置の構成を概略的に示す図である。 Y結線駆動時の電力変換装置の制御状態を示す図である。 実施の形態2の第1変形例に係る電力変換装置の構成を概略的に示す図である。 実施の形態2の第2変形例に係る電力変換装置の構成を概略的に示す図である。 5相の回転電機に適用された電力変換装置の構成を概略的に示す図である。
以下に説明される各実施の形態において、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略又は簡略する。また、以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、本開示に係る技術思想が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態において説明する構造やステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、本開示に係る技術思想に必ずしも必須のものではない。
1.実施の形態1
1-1.電力変換装置の構成
図1は、実施の形態1に係る電力変換装置100の構成を概略的に示す図である。図1には、電力変換装置100とともに、電動機1、直流電源2(例えば、バッテリ)、及び平滑コンデンサ3が表されている。電力変換装置100は、直流電源2から電動機1に向けて供給される電力を変換するように構成されている。
電動機1は、例えば、電気自動車又はハイブリッド自動車等の電動車両に搭載され、電動車両の図示しない駆動輪を駆動するためのトルクを発生させる。電動機1は、本開示に係る「回転電機」の一例である。回転電機は、電動機に限らず、例えば、発電機であってもよいし、あるいは、電動機としての機能と発電機としての機能とを有するモータジェネレータであってもよい。
電動機1は、オープン巻線の3相の電動機であって、3つのコイル4(U相コイル4U、V相コイル4V、及びW相コイル4W)を有する。すなわち、電動機1は、各相のコイル4の両端が解放された構成を有する。
電力変換装置100は、第1インバータ10と、第2インバータ30と、制御装置60とを備えている。第1インバータ10及び第2インバータ30は、それぞれ、直流電源2と並列接続されている。より詳細には、第1インバータ10は、第2インバータ30と比べて直流電源2に近い側に配置されている。上述の平滑コンデンサ3は、直流電源2と第1インバータ10との間に接続されている。
1-1-1.第1及び第2インバータ
第1インバータ10は、各相のコイル4の通電を切り替える3相インバータである。第1インバータ10は、電動機1の相毎に、第1インバータ10の第1高電位点H1とコイル4の一端との間、及び、コイル4の一端と第1インバータ10の第1低電位点L1との間をそれぞれ開閉(オンオフ)可能な複数の第1スイッチング素子12、14、16、18、20、及び22を備えている。本実施形態では、第1スイッチング素子12、14、16、18、20、及び22を総称するときは、「第1スイッチング素子SW1」という。
より詳細には、第1インバータ10は、U相コイル4Uに対応して、第1高電位点H1と接続点U1との間に設けられた第1スイッチング素子12と、接続点U1と第1低電位点L1との間に設けられた第1スイッチング素子14と、を備えている。これらのU相の第1スイッチング素子12及び14の間の接続点U1には、U相コイル4Uの一端が接続されている。
また、第1インバータ10は、V相コイル4Vに対応して、第1高電位点H1と接続点V1との間に設けられた第1スイッチング素子16と、接続点V1と第1低電位点L1との間に設けられた第1スイッチング素子18と、を備えている。これらのV相の第1スイッチング素子16及び18の間の接続点V1には、V相コイル4Vの一端が接続されている。
さらに、第1インバータ10は、W相コイル4Wに対応して、第1高電位点H1と接続点W1との間に設けられた第1スイッチング素子20と、接続点W1と第1低電位点L1との間に設けられた第1スイッチング素子22と、を備えている。これらのW相の第1スイッチング素子20及び22の間の接続点W1には、W相コイル4Wの一端が接続されている。
第2インバータ30も、第1インバータ10と同様に、各相のコイル4の通電を切り替える3相インバータである。第2インバータ30は、電動機1の相毎に、第2インバータ30の第2高電位点H2とコイル4の他端との間、及び、コイル4の他端と第2インバータ30の第2低電位点L2との間をそれぞれ開閉(オンオフ)可能な複数の第2スイッチング素子32、34、36、38、40、及び42を備えている。本実施形態では、第2スイッチング素子32、34、36、38、40、及び42を総称するときは、「第2スイッチング素子SW2」という。
より詳細には、第2インバータ30は、U相コイル4Uに対応して、第2高電位点H2と接続点U2との間に設けられた第2スイッチング素子32と、接続点U2と第2低電位点L2との間に設けられた第2スイッチング素子34と、を備えている。これらのU相の第2スイッチング素子32及び34の間の接続点U2には、U相コイル4Uの他端が接続されている。
また、第2インバータ30は、V相コイル4Vに対応して、第2高電位点H2と接続点V2との間に設けられた第2スイッチング素子36と、接続点V2と第2低電位点L2との間に設けられた第2スイッチング素子38と、を備えている。これらのV相の第2スイッチング素子36及び38の間の接続点V2には、V相コイル4Vの他端が接続されている。
さらに、第2インバータ30は、W相コイル4Wに対応して、第2高電位点H2と接続点W2との間に設けられた第2スイッチング素子40と、接続点W2と第2低電位点L2との間に設けられた第2スイッチング素子42と、を備えている。これらのW相の第2スイッチング素子40及び42の間の接続点W2には、V相コイル4Wの他端が接続されている。
第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2のオンオフは、制御装置60によって制御される。第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2では、オンとされたときに高電位側から低電位側への通電が許容され、オフとされたときに通電が遮断される。
第1インバータ10の第1高電位点H1は、直流電源2の正極に接続されている。第1高電位点H1と、第2インバータ30の第2高電位点H2との間は、高電位側接続線50によって接続されている。また、第1インバータ10の第1低電位点L1は、直流電源2の負極に接続されている。第1低電位点L1と、第2インバータ30の第2低電位点L2との間は、低電位側接続線52によって接続されている。
以上のように、第1インバータ10と第2インバータ30とは、第1及び第2インバータ10、30の各相が電動機1の各相を介してHブリッジ構成で接続されている(すなわち、Hブリッジインバータとして構成されている)。以下の説明では、3相の各相のコイル4のそれぞれを流れる電流は、第1インバータ10の側から第2インバータ30の側に流れる向きを正とする。この構成では、第1インバータ10と第2インバータ30のスイッチング状態によって、コイル4の両端にかかる電圧を正の電源電圧Vdc、あるいは負の電源電圧Vdc、あるいは0とすることができる。
1-1-2.第1及び第2スイッチング素子の損失特性
本実施形態では、第1インバータ10側の第1スイッチング素子SW1と第2インバータ30側の第2スイッチング素子SW2とは、素材の相違により、互いに異なる損失特性を有するように構成されている。
具体的には、第1スイッチング素子SW1は、一例として、ダイオード(還流ダイオード)24を伴う絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)である。IGBTの素材は、例えばSi(シリコン)である。ダイオード24は低電位側から高電位側への通電を許容する。一方、第2スイッチング素子SW2は、一例として、SiC(シリコンカーバイド)を素材とする金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)である。MOSFETは、ダイオード(寄生ダイオード)44を含む。本実施形態では、このようにインバータ単位でSi製のIGBTとSiC製のMOSFETとを混合させることによって、第1スイッチング素子SW1と第2スイッチング素子SW2とが、互いに異なる損失特性を有するように構成されている。
1-1-3.制御装置
制御装置60は、上述のように構成された第1及び第2インバータ10、30を制御する。制御装置60は、第1インバータ10及び第2インバータ30とともに、電流検出器62、電圧検出器64、及び回転角センサ(図示省略)に接続されている。制御装置60は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、及び不揮発性の記憶部を含んでおり、各種の演算処理を行う。制御装置60における演算処理は、予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理で実現されてもよいし、専用の電子回路によるハードウェア処理で実現されてもよい。
電流検出器62は、例えば、ホール素子等の電流検出素子を電動機1の相毎に備えており、各コイル4を流れる電流を検出する。電圧検出器64は、電源電圧(平滑コンデンサ3の両端の直流電圧)Vdcを検出する。また、上記回転角センサは、電動機1の出力軸の回転電気角θを検出する。
制御装置60は、制御信号生成部60aを含む。制御信号生成部60aは、第1及び第2インバータ10、30を制御するために、第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2のオンオフを制御する制御信号(PWM(Pulse Width Modulation)信号)を生成する。PWM信号は、電動機1の回転電気角θ、各相の電流値、及びトルク指令値に基づいて生成される各相の電圧指令値に基づいて、電動機1の相毎に生成される。そして、制御装置60は、生成したPWM信号に応じて、第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2のオンオフを制御するゲート信号を生成して出力する。第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2がPWM信号に応じてオンオフされることで、直流電源2からの直流電力が交流電力に変換され、電動機1に供給される。より詳細には、各相のコイル4に電圧が印加される。これにより、電動機1が駆動される。
以上説明したように、本実施形態の電力変換装置100は、電動機1の各相のコイル4をHブリッジインバータで駆動する構成を有する(Hブリッジモータドライブシステム)。このような構成では、第1及び第2インバータ10、30の各相のスイッチングを適切に制御することで、電動機1の各相に印加される電圧を適切に制御し、電動機1を駆動することができる。
1-2.スイッチング制御の特徴部
ここで、第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2のうちで損失が小さい方を「低損失素子」と称し、損失が大きい方を「高損失素子」と称する。ここでいう損失は、典型的には、スイッチング損失及び導通損失である。
本実施形態における第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2のスイッチング制御は、次のような特徴を有する。すなわち、制御装置60は、低損失素子を用いる側のインバータに該当する第1及び第2インバータ10、30の一方のスイッチング回数が、高損失素子を用いる側のインバータに該当する第1及び第2インバータ10、30の他方のスイッチング回数よりも多くなるように第1及び第2インバータ10、30を制御する。
なお、本実施形態では、図4を参照して後述されるように、第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2のどちらが低損失素子に該当するかは、一律ではなく、電動機1の動作点に応じて変化する各スイッチング素子SW1、SW2の電流量に応じて異なる例を想定している。
図2(A)は、一般的なスイッチング制御(比較例)における制御信号(PMW信号)の生成手法を表したタイムチャートであり、図2(B)は、実施の形態1に係る特徴的なスイッチング制御における制御信号(PWM信号)の生成手法を表したタイムチャートである。なお、図2では、U相を例に挙げてPWM信号の生成手法を説明するが、他のV相及びW相についても同様である。また、比較例は、電力変換装置の回路構成においては実施の形態1の電力変換装置100と同じであり、PWM信号の生成手法において実施の形態1と相違しているものとする。
まず、図2(A)を参照して比較例について説明する。図2(A)に示すU相変調波Vu(一例として正弦波)は、電動機1の駆動指令(例えば、トルク指令)に基づくU相電圧指令値を電源電圧Vdcの1/2で正規化して得られるものである。第1キャリア信号C1及び第2キャリア信号C2(搬送波)は、一例として三角波である。第1キャリア信号C1は0から1の範囲で変動し、第2キャリア信号C2は-1から0の範囲で変動するように生成されている。
比較例における制御信号生成部は、U相変調波Vuと第1キャリア信号C1とを比較して、第1インバータ10側の第1スイッチング素子12及び14のPWM信号を生成する。具体的には、U相変調波Vuが第1キャリア信号C1より大きいときには、制御信号生成部は、第1インバータ10の接続点U1(図1参照)をオンとする(すなわち、上アームを構成する第1スイッチング素子12をオンとし、下アームを構成する第1スイッチング素子14をオフとする)。一方、U相変調波Vuが第1キャリア信号C1より小さいときには、制御信号生成部は、接続点U1をオフとする(すなわち、上アームを構成する第1スイッチング素子12をオフとし、下アームを構成する第1スイッチング素子14をオンとする)。
また、比較例における制御信号生成部は、U相変調波Vuと第2キャリア信号C2とを比較して、第2インバータ30側の第2スイッチング素子32及び34のPWM信号を生成する。具体的には、U相変調波Vuが第2キャリア信号C2より大きいときには、制御信号生成部は、第2インバータ30の接続点U2(図1参照)をオフとする(すなわち、上アームを構成する第2スイッチング素子32をオフとし、下アームを構成する第2スイッチング素子34をオンとする)。一方、U相変調波Vuが第2キャリア信号C2より小さいときには、制御信号生成部は、接続点U2をオンとする(すなわち、上アームを構成する第2スイッチング素子32をオンとし、下アームを構成する第2スイッチング素子34をオフとする)。
図3は、比較例における変調波と接続点U1及びU2のオンオフ状態との関係をまとめて表した図である。図2(A)を参照して上述したように、比較例によれば、U相変調波Vuが第1キャリア信号C1より大きい場合には、接続点U1はオンとされ、接続点U2はオフとされる。U相変調波Vuが第1キャリア信号C1と第2キャリア信号C2との間にある場合には、接続点U1及びU2は共にオフとされる。また、U相変調波Vuが第2キャリア信号C2より小さい場合には、接続点U1はオフとされ、接続点U2はオンとされる。
以上説明した図2(A)に示す比較例によれば、第1インバータ10及び第2インバータ30のスイッチング回数が同等となるように第1及び第2インバータ10、30が制御される。
次に、図2(B)を参照して本実施形態の制御信号生成部60aの動作について説明する。ここでは、第1インバータ10のスイッチング回数を第2インバータ30のそれよりも増加させる手法について説明する。第1インバータ10のスイッチング回数を増加させるために、制御信号生成部60aは、図2(B)に示すように0から1の振幅範囲内に収まるように変調波(U相変調波Vu及び第1補正変調波Vu_new1)を設定する。具体的には、U相変調波Vu(電圧指令の基本変調波)が0以上の場合(実線)には、制御信号生成部60aは、U相変調波Vu(基本変調波)をそのまま使用する。一方、U相変調波Vu(基本変調波)が0未満の場合(破線)には、基本変調波に1を加えて得られる第1補正変調波Vu_new1を設定する。
そのうえで、U相変調波Vu(基本変調波)が0以上の場合(実線)には、制御信号生成部60aは、第1インバータ10側の上アーム及び下アームをそれぞれ構成する第1スイッチング素子12及び14のPWM信号については、比較例と同様にU相変調波Vuと第1キャリア信号C1との比較により生成する。また、基本変調波が0以上の場合には、制御信号生成部60aは、第2インバータ30の接続点U2をオフとする(すなわち、上アームを構成する第2スイッチング素子32をオフとし、下アームを構成する第2スイッチング素子34をオンとする)。
一方、U相変調波Vu(基本変調波)が0未満の場合(破線)には、制御信号生成部60aは、第1補正変調波Vu_new1と第1キャリア信号C1とを比較して第1インバータ10側の上アーム及び下アームをそれぞれ構成する第1スイッチング素子12及び14のPWM信号を生成する。具体的には、制御信号生成部60aは、第1補正変調波Vu_new1が第1キャリア信号C1より大きいときには接続点U1をオンとし、第1補正変調波Vu_new1が第1キャリア信号C1より小さいときには接続点U1をオフとする。また、基本変調波が0未満の場合には、制御信号生成部60aは、第2インバータ30の接続点U2をオンとする。
図2(B)を参照して説明したPWM信号の生成手法によれば、電動機1の印加電圧を比較例と同等としつつ、第1インバータ10のスイッチング回数を第2インバータ30のそれよりも増加させることができる。より詳細には、本手法によれば、U相変調波Vu(基本変調波)が0未満の場合(破線)には、第2インバータ30の接続点U2を継続的にオンとしつつ第1補正変調波Vu_new1と第1キャリア信号C1との比較により第1インバータ10側のPWM信号を生成することで、図2(A)に示す比較例と同等の電圧を電動機1に印加できるようになる。このように、本手法によれば、第1インバータ10の側にスイッチングの発生を偏らせたPWM信号を簡易に生成できる。
次に、図4は、実施の形態1に係る制御信号生成部60aによる制御信号(PWM信号)の生成の手順を示すフローチャートである。
図4では、制御信号生成部60a(制御装置60)は、まずステップS100において、現在の電動機1の動作点を抽出(取得)する。この動作点は、例えば、電動機1のトルクと回転数とによって特定される。その後、処理はステップS102に進む。
ステップS102では、制御信号生成部60aは、第1インバータ10と第2インバータ30のどちらのスイッチング回数を増加させるかを決定する。具体的には、どちらのインバータのスイッチング回数を増加させるか(換言すると、どちらのインバータの損失を増加させるか)は、一例として、現在の電動機1の動作点に応じて変化する各スイッチング素子SW1、SW2の電流量に応じて決定される。より詳細には、第1スイッチング素子SW1が低損失素子に該当する電流量範囲では、以下のステップS104~S114の処理により、第1スイッチング素子SW1のスイッチング回数は増やされ、第2スイッチング素子SW2のスイッチング回数は減らされる。一方、第2スイッチング素子SW2が低損失素子に該当する電流量範囲では、以下のステップS116~S126の処理により、第2スイッチング素子SW2のスイッチング回数は増やされ、第1スイッチング素子SW1のスイッチング回数は減らされる。
第1スイッチング素子SW1のスイッチング回数を増加させると決定した場合(ステップS102;Yes)には、制御信号生成部60aは、ステップS104において、電流指令の変調波Vxが0以上であるか否かを判定する。「変調波Vx」は、x相の変調波を示しており、3相の例では、xはU、V、及びWの3つの変数をとる。ステップS104に続くステップS106及びS108の処理、並びにステップS110~S114の処理は、上述の図2(B)に示す例と対応している。
ステップS104において変調波Vx(本開示に係る「基本変調波」に相当)が0以上の場合(図2(B)中の実線)には、制御信号生成部60aは、ステップS106において、変調波Vxを第1キャリア信号C1と比較して第1インバータ10の制御信号(すなわち、上述のPWM信号)を生成する。続くステップS108では、制御信号生成部60aは、第2インバータ30のx相の接続点X2(U2、V2、及びW2)をオフに設定する。
一方、ステップS104において変調波Vx(基本変調波)が0未満の場合(図2(B)中の破線)には、制御信号生成部60aは、ステップS110において、第1補正変調波Vx_new1を設定する。第1補正変調波Vx_new1は、変調波Vx(基本変調波)に1を加えることにより得られる。
ステップS110に続くステップS112では、制御信号生成部60aは、第1補正変調波Vx_new1を第1キャリア信号C1と比較して第1インバータ10の制御信号(PWM信号)を生成する。続くステップS114では、制御信号生成部60aは、第2インバータ30のx相の接続点X2をオンに設定する。
また、第2スイッチング素子SW2のスイッチング回数を増加させると決定した場合(ステップS102;No)には、制御信号生成部60aは、ステップS116において、変調波Vxが0未満であるか否かを判定する。ステップS116に続くステップS118及びS120の処理、並びにステップS122~S126の処理について、図5を参照しながら説明する。
図5は、第2インバータ30側の第2スイッチング素子SW2のスイッチング回数を増加させる際の制御信号(PWM信号)の生成手法を表したタイムチャートである。図5に示す手法では、第2インバータ30のスイッチング回数を増加させるために、変調波(変調波Vx及び第2補正変調波Vx_new2)は、図5に示すように、-1から0の振幅範囲内に収まるように設定される。
ステップS116において変調波Vx(基本変調波)が0未満の場合(図5中の実線)には、制御信号生成部60aは、ステップS118において、変調波Vx(基本変調波)を第2キャリア信号C2と比較して第2インバータ30の制御信号(PWM信号)を生成する。より詳細には、図5に示すように、変調波Vxが第2キャリア信号C2より大きいときには、制御信号生成部60aは、第2インバータ30の接続点X2をオフとする(すなわち、上アームを構成する第2スイッチング素子SW2をオフとし、下アームを構成する第2スイッチング素子SW2をオンとする)。一方、変調波Vxが第2キャリア信号C2より小さいときには、制御信号生成部60aは、接続点X2をオンとする(すなわち、上アームを構成する第2スイッチング素子SW2をオンとし、下アームを構成する第2スイッチング素子SW2をオフとする)。
続くステップS120では、制御信号生成部60aは、第1インバータ10のx相の接続点X1(U1、V1、及びW1)をオフに設定する。
一方、ステップS116において変調波Vx(基本変調波)が0以上の場合(図5中の破線)には、制御信号生成部60aは、ステップS122において、第2補正変調波Vx_new2を設定する。第2補正変調波Vx_new2は、変調波Vx(基本変調波)に-1を加えることにより得られる。
ステップS122に続くステップS124では、制御信号生成部60aは、第2補正変調波Vx_new2を第2キャリア信号C2と比較して第2インバータ30の制御信号(PWM信号)を生成する。より詳細には、図5に示すように、第2補正変調波Vx_new2が第2キャリア信号C2より大きいときには、制御信号生成部60aは、接続点X2をオフとする。一方、第2補正変調波Vx_new2が第2キャリア信号C2より小さいときには、制御信号生成部60aは、接続点X2をオンとする。
続くステップS126では、制御信号生成部60aは、第1インバータ10のx相の接続点X1をオンに設定する。
付け加えると、図5を参照して説明したPWM信号の生成手法(ステップS116~S126)によれば、電動機1の印加電圧を比較例(図2(A)参照)と同等としつつ、第2インバータ30のスイッチング回数を第1インバータ10)のそれよりも増加させることができる。より詳細には、本手法によれば、変調波Vx(基本変調波)が0以上の場合(破線)には、第1インバータ10の接続点X1を継続的にオンとしつつ第2補正変調波Vu_new2と第2キャリア信号C2との比較により第2インバータ30側のPWM信号を生成することで、上記比較例と同等の電圧を電動機1に印加できるようになる。このように、本手法によれば、第2インバータ30の側にスイッチングの発生を偏らせたPWM信号を簡易に生成できる。
1-3.効果
以上説明したように、実施の形態1に係る電力変換装置100によれば、Hブリッジモータドライブシステムにおいて、素材の相違を利用して損失特性が異なるスイッチング素子がインバータ単位で混合して使用されている。そして、低損失素子を用いる側のインバータに該当する第1及び第2インバータ10、30の一方のスイッチング回数が、高損失素子を用いる側のインバータに該当する第1及び第2インバータ10、30の他方のスイッチング回数よりも多くなるように第1及び第2インバータ10、30が制御される。これにより、低損失素子を有効活用してインバータ損失(スイッチング損失及び導通損失)を低減することができる。
図6を参照して、インバータ損失の低減効果についてより詳しく説明する。図6は、図2(A)に示す比較例に対する実施の形態1の効果を説明するための図である。図6に示す効果の一例は、第1スイッチング素子SW1が高損失素子に該当し、第2スイッチング素子SW2が低損失素子に該当する例におけるシミュレーション結果を示している。本実施形態のスイッチング制御は、一方のインバータ(この例では、第2インバータ30)に(すなわち、低損失素子側に)スイッチングの発生を集中させる(偏らせる)制御である。このため、図6に示すように、高損失素子(第1スイッチング素子SW1)のスイッチング回数の減少により、第1インバータ10側のスイッチング損失が比較例と比べて大きく低減している。付け加えると、スイッチングの集中により第2インバータ30側のスイッチング損失は比較例と比べて増加するが、低損失素子側であるため、その増加量は低く抑えられている。そして、第2インバータ30の導通損失についても、比較例に対する低減が見られる。これらにより、インバータ全体での損失では、比較例と比べて14%低減するという結果が得られた。また、本実施形態のスイッチング制御を行っても電動機1の印加電圧は比較例と同等であるため、電動機1の損失(モータ損失)は同等となる。したがって、本実施形態に係る電力変換装置100によれば、電動機1の損失を含めたHブリッジモータドライブシステムにおけるトータル損失を低減できる。
以上のように、本実施形態によれば、損失特性の異なるスイッチング素子を組み合わせたHブリッジモータドライブシステムにおいて、低損失素子を有効活用できるようになる。より詳細には、コスト低減のために低損失素子の使用を減らしつつ低損失素子を有効活用してHブリッジモータドライブシステムの損失を低減できる。このことは、Hブリッジモータドライブシステムを搭載する電動車両の電費向上につながる。
1-4.異なる損失特性の他の構成例
上述した実施の形態1においては、第1スイッチング素子SW1と第2スイッチング素子SW2は、素材の相違により、互いに異なる損失特性を有するように構成されている。しかしながら、このような素材の相違を利用した例に代え、本開示に係る「複数の第1スイッチング素子」と「複数の第2スイッチング素子」は、チップ面積の相違により、互いに異なる損失特性を有するように構成されていてもよい。
2.実施の形態2
図7は、実施の形態2に係る電力変換装置200の構成を概略的に示す図である。電力変換装置200は、以下に説明される点において、実施の形態1に係る電力変換装置100と相違している。
具体的には、電力変換装置200は、第1及び第2インバータ10、30に代え、第1及び第2インバータ210、230を備えている。本実施形態では、第1インバータ210側の第1スイッチング素子SW1(212、214、216、218、220、及び222)は、図1に示す例とは逆に、SiC製のMOSFETである。また、第2インバータ230側の第2スイッチング素子SW2(232、234、236、238、240、及び242)は、図1に示す例とは逆に、Si製のIGBTである。
また、電力変換装置200は、電力変換装置100とは異なり、スイッチ202を備えている。スイッチ202は、高電位側接続線50に配置されている。スイッチ202のオンオフは制御装置60によって行われる。スイッチ202は、例えば、半導体スイッチ(一例として、IGBT)である。あるいは、スイッチ202は、例えば、リレー等の機械式スイッチであってもよい。このように、電力変換装置200は、第1インバータ210と第2インバータ230との間に配置され、電流の導通状態と遮断状態とを切り替えるスイッチ202を備えている。
上述した構成を有する電力変換装置200によれば、スイッチ202を継続してオンとすることにより、実施の形態1の電力変換装置100と同様に、Hブリッジ構成でのオープン結線駆動を行うことができる。そして、電力変換装置200を対象として図4に示すフローチャートの処理を同様に実行することにより、低損失素子を有効活用してインバータ損失(スイッチング損失及び導通損失)を低減できる。
また、電力変換装置200によれば、所望のY結線駆動領域において、Y結線駆動を行うこともできる。図8は、Y結線駆動時の電力変換装置200の動作状態を示す図である。Y結線駆動を行う場合には、制御装置60は、スイッチ202を継続してオフとする。また、制御装置60は、第2インバータ230の上アームを構成する第2スイッチング素子232、236、及び240のそれぞれを継続してオンとし、かつ、第2インバータ230の下アームを構成する第2スイッチング素子234、238、及び242のそれぞれを継続してオフとする。これにより、第2インバータ230を電動機1の各コイル4の中性点として動作させることができる。
そのうえで、電力変換装置200では、低損失素子としてのSiC製のMOSFETが第1インバータ210側に配置されている。このため、SiC製のMOSFETが低損失素子として機能する駆動領域においてY結線駆動を行うようにすることで、Y結線駆動時に低損失素子のみでスイッチングを行えるようになる。これにより、更なるインバータ損失の低減を図ることが可能となる。
図9は、実施の形態2の第1変形例に係る電力変換装置300の構成を概略的に示す図である。電力変換装置300は、スイッチ302を追加的に備える点において、実施の形態2に係る電力変換装置200と相違している。
具体的には、スイッチ302は、低電位側接続線52に配置されている。スイッチ302は、スイッチ202と同様に、例えば半導体スイッチ(一例としてIGBT)である。スイッチ302のオンオフは制御装置60によって行われる。なお、スイッチ302も、本開示に係る「スイッチ」の一例に相当する。
高電位側及び低電位側の双方にスイッチ202及び302をそれぞれ備える電力変換装置300においても、例えば、次のような手法でY結線駆動を行うことができる。すなわち、制御装置60は、スイッチ202及び302のそれぞれを継続してオフとする。また、制御装置60は、第2インバータ230の上アームを構成する第2スイッチング素子232、236、及び240のそれぞれを継続してオフとし、かつ、第2インバータ230の下アームを構成する第2スイッチング素子234、238、及び242のそれぞれを継続してオンとする。これにより、第2インバータ230を電動機1の各コイル4の中性点として動作させることができる。あるいは、制御装置60は、上アームを構成する第2スイッチング素子232、236、及び240のそれぞれを継続してオンとし、かつ、下アームを構成する第2スイッチング素子234、238、及び242のそれぞれを継続してオフとすることにより、各コイル4の中性点として動作させてもよい。
図10は、実施の形態2の第2変形例に係る電力変換装置400の構成を概略的に示す図である。電力変換装置400は、スイッチ202に代えてスイッチ402及び404を備える点において、実施の形態2に係る電力変換装置200と相違している。
具体的には、スイッチ402及び404は、それぞれ、高電位側接続線50及び低電位側接続線52に配置されている。これらのスイッチ402及び404は、例えば半導体スイッチであり、双方向の電流の導通/遮断を制御可能に構成されている。スイッチ402及び404のオンオフは、制御装置60によって行われる。Y結線駆動を可能とするための本開示に係る「スイッチ」の他の例として、このような双方向スイッチ402及び404が用いられてもよい。
3.他の実施の形態
上述した実施の形態1及び2においては、3相の電動機1に適用された電力変換装置100等を例に挙げて説明を行った。しかしながら、本開示に係る「回転電機」は、例えば、5相の回転電機であってもよい。
図11は、5相の回転電機に適用された電力変換装置500の構成を概略的に示す図である。電力変換装置500は、以下に説明する点において、実施の形態1に係る電力変換装置100と相違している。
具体的には、図11には、5相の回転電機の一例として、オープン巻線の5相の電動機5が表されている。この電動機5は5相のコイル6を有する。電力変換装置500は、第1及び第2インバータ10、30に代え、第1及び第2インバータ510、520を備えている。
第1インバータ510及び第2インバータ520は、それぞれ、各相のコイル6の通電を切り替える5相インバータである。第1インバータ510は、電動機5の相毎に、第1高電位点H1とコイル6の一端との間、及び、コイル6の一端と第1低電位点L1との間をそれぞれ開閉(オンオフ)可能な複数の第1スイッチング素子SW1を備えている。これらの第1スイッチング素子SW1は、例えば、Si製のIGBTである。第2インバータ520は、電動機5の相毎に、第2高電位点H2とコイル6の他端との間、及び、コイル6の他端と第2低電位点L2との間をそれぞれ開閉(オンオフ)可能な複数の第2スイッチング素子SW2を備えている。これらの第2スイッチング素子SW2は、例えば、SiC製のMOSFETである。
また、本開示に係る「電力変換装置」は、上述した3相及び5相の例に限られず、6相又は9相等のn相のコイルを有する回転電機に同様に適用されてもよい。付け加えると、実施の形態2で説明された電力変換装置200、300、及び400のそれぞれについても、5相等のn相のコイルを有する回転電機に同様に適用されるように変形されてもよい。
1、5 電動機(回転電機)
2 直流電源
3 平滑コンデンサ
4、6 電動機のコイル
10、210、510 第1インバータ
12、14、16、18、20、22、212、214、216、218、220、222、SW1 第1スイッチング素子
24、44 ダイオード
30、230、520 第2インバータ
32、34、36、38、40、42、232、234、236、238、240、242、SW2 第2スイッチング素
50 高電位側接続線
52 低電位側接続線
60 制御装置
60a 制御装置の制御信号生成部
62 電流検出器
64 電圧検出器
100、200、300、400、500 電力変換装置
202、302、402、404 スイッチ
H1 第1高電位点
H2 第2高電位点
L1 第1低電位点
L2 第2低電位点
U1、V1、W1 第1インバータへの各相コイルの一端の接続点
U2、V2、W2 第2インバータへの各相コイルの他端の接続点

Claims (5)

  1. 複数相のコイルを有するオープン巻線の回転電機に向けて直流電源から供給される電力を変換する電力変換装置であって、
    前記直流電源と並列接続され、前記回転電機の相毎に、第1高電位点と前記コイルの一端との間、及び、前記コイルの一端と第1低電位点との間をそれぞれ開閉可能な複数の第1スイッチング素子を含む第1インバータと、
    前記直流電源と並列接続され、前記回転電機の相毎に、第2高電位点と前記コイルの他端との間、及び、前記コイルの他端と第2低電位点との間をそれぞれ開閉可能な複数の第2スイッチング素子を含む第2インバータと、
    前記第1及び第2インバータを制御する制御装置と、
    を備え、
    前記複数の第1スイッチング素子と前記複数の第2スイッチング素子は、互いに異なる損失特性を有するように構成され、
    前記複数の第1スイッチング素子及び前記複数の第2スイッチング素子のうちで損失が小さい方を低損失素子と称し、損失が大きい方を高損失素子と称したとき、前記制御装置は、前記低損失素子を用いる側のインバータに該当する前記第1及び第2インバータの一方のスイッチング回数が、前記高損失素子を用いる側のインバータに該当する前記第1及び第2インバータの他方のスイッチング回数よりも多くなるように前記第1及び第2インバータを制御し、
    前記複数相のコイルのそれぞれを流れる電流は、前記第1インバータの側から前記第2インバータの側に流れる向きを正とし、
    前記制御装置は、前記複数相の相毎に、前記複数の第1スイッチング素子及び前記複数の第2スイッチング素子のそれぞれの制御信号を生成する制御信号生成部を含み、
    前記制御信号生成部は、
    前記回転電機の駆動指令に基づく各相の電圧指令の基本変調波が0以上の場合には、前記基本変調波と0から1の間で変動する第1キャリア信号とを比較して前記第1インバータの上アーム及び下アームをそれぞれ構成する第1スイッチング素子の制御信号を生成しつつ、前記第2インバータの上アーム及び下アームをそれぞれ構成する第2スイッチング素子の制御信号をそれぞれオフ及びオンとし、
    前記基本変調波が0未満の場合には、前記基本変調波に1を加えて得られる第1補正変調波と前記第1キャリア信号とを比較して前記第1インバータの上アーム及び下アームをそれぞれ構成する第1スイッチング素子の制御信号を生成しつつ、前記第2インバータの上アーム及び下アームをそれぞれ構成する第2スイッチング素子の制御信号をそれぞれオン及びオフとする
    ことを特徴とする電力変換装置。
  2. 複数相のコイルを有するオープン巻線の回転電機に向けて直流電源から供給される電力を変換する電力変換装置であって、
    前記直流電源と並列接続され、前記回転電機の相毎に、第1高電位点と前記コイルの一端との間、及び、前記コイルの一端と第1低電位点との間をそれぞれ開閉可能な複数の第1スイッチング素子を含む第1インバータと、
    前記直流電源と並列接続され、前記回転電機の相毎に、第2高電位点と前記コイルの他端との間、及び、前記コイルの他端と第2低電位点との間をそれぞれ開閉可能な複数の第2スイッチング素子を含む第2インバータと、
    前記第1及び第2インバータを制御する制御装置と、
    を備え、
    前記複数の第1スイッチング素子と前記複数の第2スイッチング素子は、互いに異なる損失特性を有するように構成され、
    前記複数の第1スイッチング素子及び前記複数の第2スイッチング素子のうちで損失が小さい方を低損失素子と称し、損失が大きい方を高損失素子と称したとき、前記制御装置は、前記低損失素子を用いる側のインバータに該当する前記第1及び第2インバータの一方のスイッチング回数が、前記高損失素子を用いる側のインバータに該当する前記第1及び第2インバータの他方のスイッチング回数よりも多くなるように前記第1及び第2インバータを制御し、
    前記複数相のコイルのそれぞれを流れる電流は、前記第1インバータの側から前記第2インバータの側に流れる向きを正とし、
    前記制御装置は、前記複数相の相毎に、前記複数の第1スイッチング素子及び前記複数の第2スイッチング素子のそれぞれの制御信号を生成する制御信号生成部を含み、
    前記制御信号生成部は、
    前記回転電機の駆動指令に基づく各相の電圧指令の基本変調波が0未満の場合には、前記基本変調波と-1から0の間で変動する第2キャリア信号とを比較して前記第2インバータの上アーム及び下アームをそれぞれ構成する第2スイッチング素子の制御信号を生成しつつ、前記第1インバータの上アーム及び下アームをそれぞれ構成する第1スイッチング素子の制御信号をそれぞれオフ及びオンとし、
    前記基本変調波が0以上の場合には、前記基本変調波に-1を加えて得られる第2補正変調波と前記第2キャリア信号とを比較して前記第2インバータの上アーム及び下アームをそれぞれ構成する第2スイッチング素子の制御信号を生成しつつ、前記第1インバータの上アーム及び下アームをそれぞれ構成する第1スイッチング素子の制御信号をそれぞれオン及びオフとする
    ことを特徴とする電力変換装置。
  3. 前記電力変換装置は、前記第1インバータと前記第2インバータとの間に配置され、電流の導通状態と遮断状態とを切り替えるスイッチをさらに備え、
    前記第1インバータに含まれる前記複数の第1スイッチング素子は、前記低損失素子である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力変換装置。
  4. 前記複数の第1スイッチング素子と前記複数の第2スイッチング素子とは、素材の相違により、互いに異なる損失特性を有するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1~の何れか1つに記載の電力変換装置。
  5. 前記複数の第1スイッチング素子と前記複数の第2スイッチング素子とは、チップ面積の相違により、互いに異なる損失特性を有するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1~の何れか1つに記載の電力変換装置。
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