以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付す。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るネットワークシステム2000の構成を示す図である。ネットワークシステム2000は、複数のネットワークを備えるシステムである。具体的には、ネットワークシステム2000は、空調ネットワーク1000Aと、空調ネットワーク1000Bとを備える。なお、空調ネットワーク1000は、空調ネットワーク1000Aと空調ネットワーク1000Bとの総称である。
空調ネットワーク1000は、ビル、マンション、アパート、工場等の内部の空気を調和するためのネットワークである。空調ネットワーク1000は、室外機100と、複数の室内機200と、室外機100と複数の室内機200とを相互に接続する配線群4と、室外機100と複数の室内機200とを相互に接続する一対の冷媒配管6とを備える。
具体的には、空調ネットワーク1000Aは、室外機100Aと、室内機200AAと、室内機200ABと、室内機200ACと、配線3AAと、配線3ABと、配線3ACと、冷媒配管5AAと、冷媒配管5ABとを備える。配線3AAは、室外機100Aと室内機200AAとを接続する配線である。配線3ABは、室内機200AAと室内機200ABとを接続する配線である。配線3ACは、室内機200ABと室内機200ACとを接続する配線である。冷媒配管5AAと冷媒配管5ABとは、室外機100Aから室内機200AAと室内機200ABと室内機200ACとに分岐した配管である。冷媒配管5AAは、例えば、冷房時に、室外機100から室内機200に向けて冷媒が流れる配管である。冷媒配管5ABは、例えば、冷房時に、室内機200から室外機100に向けて冷媒が流れる配管である。
また、空調ネットワーク1000Bは、室外機100Bと、室内機200BAと、室内機200BBと、室内機200BCと、配線3BAと、配線3BBと、配線3BCと、冷媒配管5BAと、冷媒配管5BBとを備える。配線3BAは、室外機100Bと室内機200BAとを接続する配線である。配線3BBは、室内機200BAと室内機200BBとを接続する配線である。配線3BCは、室内機200BBと室内機200BCとを接続する配線である。冷媒配管5BAと冷媒配管5BBとは、室外機100Bから室内機200BAと室内機200BBと室内機200BCとに分岐した配管である。冷媒配管5BAは、例えば、冷房時に、室外機100から室内機200に向けて冷媒が流れる配管である。冷媒配管5BBは、例えば、冷房時に、室内機200から室外機100に向けて冷媒が流れる配管である。
室外機100は、室外機100Aと室外機100Bとの総称である。室内機200は、室内機200AAと室内機200ABと室内機200ACと室内機200BAと室内機200BBと室内機200BCとの総称である。配線3は、配線3AAと配線3ABと配線3ACと配線3BAと配線3BBと配線3BCとの総称である。以下、適宜、配線3AAと配線3ABと配線3ACとをまとめて配線群4Aといい、配線3BAと配線3BBと配線3BCとをまとめて配線群4Bという。配線群4は、配線群4Aと配線群4Bとの総称である。冷媒配管5は、冷媒配管5AAと冷媒配管5ABと冷媒配管5BAと冷媒配管5BBとの総称である。以下、適宜、冷媒配管5AAと冷媒配管5ABとをまとめて一対の冷媒配管6Aといい、冷媒配管5BAと冷媒配管5BBとをまとめて一対の冷媒配管6Bという。一対の冷媒配管6は、一対の冷媒配管6Aと一対の冷媒配管6Bとの総称である。
室外機100は、室内の空気を調和する設備機器のうち室外に設置される設備機器である。室内の空気を調和することは、室内の空気の温度、湿度、空気清浄度等を調整することである。室外機100は、配線群4を介して、複数の室内機200と通信する。室外機100は、一対の冷媒配管6を介して、複数の室内機200との間で冷媒を循環させる。
室内機200は、室内の空気を調和する設備機器のうち室内に設置される設備機器である。室内機200は、調和空気を室内に吹き出す。調和空気は、室内の空気を調和するための空気であり、基本的に、暖房空気又は冷房空気である。暖房空気は、室内を暖房するための空気であり、室内の空気の温度よりも高い温度を有する空気である。冷房空気は、室内を冷房するための空気であり、室内の空気の温度よりも低い温度を有する空気である。
室外機100と室内機200とは、空気と冷媒との間で熱交換をさせることにより、室内の空気を調和する。例えば、冷房時において、室外機100は、冷媒配管5を介して室内機200から供給された低温・低圧の気体の冷媒を、圧縮機を用いて、高温・高圧の気体の冷媒に変化させる。室外機100は、高温・高圧の気体の冷媒を、凝縮器を用いて、中温・高圧の液体の冷媒に変化させる。室外機100は、中温・高圧の液体の冷媒を、冷媒配管5を介して室内機200に供給する。室内機200は、冷媒配管5を介して室外機100から供給された中温・高圧の液体の冷媒を、膨張弁を用いて、低温・低圧の液体の冷媒に変化させる。室内機200は、低温・低圧の液体の冷媒を、蒸発器を用いて、低温・低圧の気体の冷媒に変化させる。このとき、室内機200は、室内の空気の熱を冷媒に移動させて、部屋の空気の温度を下げる。
ここで、空調ネットワーク1000Aが備える配線3と空調ネットワーク1000Bが備える配線3とが近接して並列に配置されると、一方の配線3から他方の配線3に信号が伝播するクロストークが生じる可能性がある。クロストークの原因としては、浮遊容量による容量結合と、相互インダクタンスによる誘導結合とがある。図1には、配線3ABと配線3BBとが近接して配列に配置されることにより、浮遊容量である容量7が発生した様子を示している。
ここで、クロストークの発生が問題となるのは、主に、ネットワーク構成の認識処理の段階である。以下、空調ネットワーク1000Aにおける認識処理を例にしてこの理由を説明する。
例えば、空調ネットワーク1000Aにおける認識処理では、空調ネットワーク1000Aに属する室外機100Aが、室内機200AAと室内機200ABと室内機200ACとが空調ネットワーク1000Aに属することを確認する。この場合、室外機100Aは、空調ネットワーク1000Aに属する室内機200が接続された配線群4Aに、ブロードキャストで認識用信号を送信する。室内機200AAと室内機200ABと室内機200ACとは、認識用信号を受信したことに応答して、自己のアドレスを含む応答信号を、配線群4Aを介して室外機100Aに送信する。室外機100Aは、応答信号を送信した室内機200AAと室内機200ABと室内機200ACとが空調ネットワーク1000Aに属すると見做す。
ここで、例えば、クロストークにより認識用信号が配線群4Aと配線群4Bとを介して室内機200BBに伝達された場合を想定する。この場合、室内機200BBは、自己のアドレスを含む応答信号を配線群4Bに出力する。すると、クロストークによりこの応答信号が、配線群4Bと配線群4Aとを介して室外機100Aに伝達される場合がある。この場合、室外機100Aは、応答信号を返信した室内機200BBが空調ネットワーク1000Aに属すると誤認識する。このように、認識処理の段階でクロストークが発生すると、ネットワーク構成の誤認識が発生する可能性がある。
これに対して、ネットワーク構成の認識処理の後の段階では、仮にクロストークが発生した場合であっても、問題にならないようにすることが可能である。例えば、室外機100Aが室内機200ABに向けて送信した通信フレームがクロストークにより室内機200BBに伝達された場合を想定する。この場合、室内機200BBは、通信フレームに含まれる送信元アドレスが示す室外機100Aが、室内機200BBが属する空調ネットワーク1000Bに属さないと判別し、この通信フレームを破棄することができる。又は、室内機200BBは、通信フレームに含まれる宛先アドレスが示す室内機200ABが室内機200BBではないと判別し、この通信フレームを破棄することができる。
そこで、ネットワーク構成の認識処理の段階において低周波通信用の通信回路を用いてクロストークを抑制する方法がある。しかしながら、ネットワーク構成の認識処理の後の段階においても低周波通信用の通信回路を用いると、通信速度が低いため好ましくない。また、ネットワーク構成の認識処理の後の段階において高周波通信用の通信回路を用いると、低周波通信用の通信回路と高周波通信用の通信回路とが必要となり、コストが高い。
そこで、本実施の形態では、ネットワーク構成の認識処理の段階において、仮にクロストークが発生したとしてもネットワーク構成の誤認識が抑制される方法を採用する。本実施の形態では、ネットワークに固有の情報、つまり、給電が開始されたタイミングが考慮されてネットワーク構成が認識される。本実施の形態では、室外機100Aが給電を開始するタイミングと室外機100Bが給電を開始するタイミングとを異なるタイミングに設定した上で、室内機200が空調ネットワーク1000Aに属するか否かを判別する。
具体的には、室外機100Aは、空調ネットワーク1000Aに固有のタイミングで、給電を開始する。そして、室外機100Aは、室内機200が受電を開始してから室内機200が認識用信号を受信するまでの経過時間が、室外機100Aが給電を開始してから室外機100Aが認識用信号を送信するまでの待機時間と一致する場合、室内機200が空調ネットワーク1000Aに属すると判別する。空調ネットワーク1000Bにおけるネットワーク構成の認識処理は、基本的に、空調ネットワーク1000Aにおけるネットワーク構成の認識処理と同様である。
次に、図2を参照して、室外機100の構成について説明する。図2に示すように、室外機100は、制御部11と、記憶部12と、第1通信部13と、第2通信部14と、給電部15と、空調機構部16と、温度測定部17とを備える。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、RTC(Real Time Clock)等を備える。CPUは、中央処理装置、中央演算装置、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)等とも呼び、室外機100の制御に係る処理及び演算を実行する中央演算処理部として機能する。制御部11において、CPUは、ROMに格納されているプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、室外機100を統括制御する。RTCは、例えば、計時機能を有する集積回路である。なお、CPUは、RTCから読み出される時刻情報から現在日時を特定可能である。
記憶部12は、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等の不揮発性の半導体メモリを備えており、いわゆる補助記憶装置としての役割を担う。記憶部12は、制御部11が各種処理を実行するために使用するプログラム及びデータを記憶する。また、記憶部12は、制御部11が各種処理を実行することにより生成又は取得するデータを記憶する。
第1通信部13は、制御部11による制御に従って、配線群4を介して、複数の室内機200と通信する。第1通信部13は、各種の伝送方式で室内機200と通信する。例えば、第1通信部13は、振幅変調、位相変調等により信号が重畳されたキャリアを伝送するキャリア伝送方式で室内機200と通信する。キャリア伝送方式としては、例えば、互いに干渉しない複数の周波数スペクトルを有するサブキャリアに信号を重畳するマルチキャリア伝送方式が想定される。キャリアが使用する周波数帯域は、例えば、10kHz~450kHzと、2MHz~30MHzとが想定される。マルチキャリア伝送方式としては、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式がある。
キャリア伝送方式は、一般的に、ベースバンド伝送方式に比べ、用いる周波数が高いため、配線の結合容量により信号が伝播しやすい。また、キャリア伝送方式は、ベースバンド伝送方式に比べ、ダイナミックレンジが大きく、小さな信号レベルの信号を受信しやすい。このため、キャリア伝送方式は、ベースバンド伝送方式に比べ、クロストークにより他のネットワークから伝播してきた小さな信号レベルの信号を受信する可能性が高い。このため、キャリア伝送方式が採用されている場合、クロストークに対する対策を講じる意義は大きい。なお、接地電位に設定される接地線が配線3と並列に配置されていてもよい。第1通信部13は、例えば、10kHz以上の周波数帯域を用いて通信するための高周波通信用の通信回路を備える。
第2通信部14は、制御部11による制御に従って、配線群(図示せず)を介して制御装置(図示せず)と通信する。第2通信部14は、配線群(図示せず)を介して制御装置(図示せず)と通信するための通信回路を備える。
給電部15は、制御部11による制御に従って、配線群4を介して、複数の室内機200に給電する。例えば、給電部15は、室外機100に接続された配線3に、直流電圧又は100Hz未満の周波数の交流電圧を印加する。本実施の形態では、給電部15は、室外機100に接続された配線3に直流電圧を印加する。このように、配線3は、通信のための通信線としての機能と、給電のための給電線としての機能とを有する。
空調機構部16は、空調に関する機構を有する部分である。空調機構部16には、一対の冷媒配管6が接続される。空調機構部16は、制御部11による制御に従って、一対の冷媒配管6に空調設定に応じた状態の冷媒を流す。空調機構部16は、例えば、圧縮機(図示せず)と凝縮器(図示せず)と蒸発器(図示せず)とを備える。
温度測定部17は、冷媒配管5を流れる冷媒の温度を測定する。なお、冷媒配管5の温度は、冷媒配管5を流れる冷媒の温度に対応する。従って、温度測定部17は、冷媒の温度を直接測定してもよいし、冷媒が流れる冷媒配管5の温度から冷媒の温度を求めてもよい。また、冷媒の温度は、冷媒配管5の部位毎に異なる。従って、温度測定部17は、冷媒配管5の部位毎に冷媒の温度を測定することが好適である。本実施の形態では、温度測定部17は、冷媒配管5における冷房時に室外機100から冷媒が排出される部分の温度を測定する。温度測定部17は、熱電対、測温抵抗体、サーミスタ等を備える。
次に、図3を参照して、室内機200の構成について説明する。図3に示すように、室内機200は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、受電部24と、空調機構部25と、温度測定部26とを備える。
制御部21は、CPU、ROM、RAM、RTC等を備える。CPUは、室内機200の制御に係る処理及び演算を実行する中央演算処理部として機能する。制御部21において、CPUは、ROMに格納されているプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、室内機200を統括制御する。RTCは、例えば、計時機能を有する集積回路である。
記憶部22は、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性の半導体メモリを備えており、いわゆる補助記憶装置としての役割を担う。記憶部22は、制御部21が各種処理を実行するために使用するプログラム及びデータを記憶する。また、記憶部22は、制御部21が各種処理を実行することにより生成又は取得するデータを記憶する。
通信部23は、制御部21による制御に従って、配線3を介して、室外機100と通信する。通信部23は、各種の伝送方式で室外機100と通信する。例えば、通信部23は、キャリア伝送方式で室外機100と通信する。通信部23は、例えば、10kHz以上の周波数帯域を用いて通信するための高周波通信用の通信回路を備える。
受電部24は、配線3を介して、室外機100から電力の供給を受ける。受電部24は、室内機200に接続された配線3を介して室外機100から供給された電力を各部に供給する。なお、受電部24が受電した電力の用途は、適宜、調整することができる。例えば、受電部24が受電した電力は、室内機200全体の駆動電力として用いられてもよいし、通信部23の駆動電力として用いられてもよいし、室内機200が備えるセンサ(図示せず)の駆動電力として用いられてもよい。
空調機構部25は、空調に関する機構を有する部分である。空調機構部25には、一対の冷媒配管6が接続される。空調機構部25は、制御部21による制御に従って、一対の冷媒配管6に空調設定に応じた状態の冷媒を流す。空調機構部25は、例えば、膨張弁(図示せず)と凝縮器(図示せず)と蒸発器(図示せず)とを備える。
温度測定部26は、冷媒配管5を流れる冷媒の温度を測定する。温度測定部26は、冷媒の温度を直接測定してもよいし、冷媒が流れる冷媒配管5の温度から冷媒の温度を求めてもよい。温度測定部26は、冷媒配管5の部位毎に冷媒の温度を測定することが好適である。本実施の形態では、温度測定部26は、冷媒配管5における冷房時に室外機100から冷媒が流入する部分の温度を測定する。温度測定部26は、熱電対、測温抵抗体、サーミスタ等を備える。
次に、ネットワークシステム2000の構成の概要について説明する。ネットワークシステム2000は、第1ネットワークと第2ネットワークとを備える。
第1ネットワークは、第1配線を介して第1受電装置に給電し、第1配線を介して第1受電装置と通信する第1給電装置と、第1受電装置と、第1配線と、を備える。より詳細には、第1ネットワークは、第1配線と第1冷媒配管とにより第1室内機と相互に接続され、第1給電装置である第1室外機と、第1受電装置である第1室内機と、第1配線と、第1冷媒配管と、を備える第1空調ネットワークである。
空調ネットワーク1000Aは、第1ネットワークの一例であり、第1空調ネットワークの一例である。室外機100Aは、第1給電装置の一例であり、第1室外機の一例である。室内機200AA、室内機200AB、室内機200ACのそれぞれは、第1受電装置の一例であり、第1室内機の一例である。配線3AA、配線3AB、配線3ACのそれぞれは、第1配線の一例である。冷媒配管5AA、冷媒配管5ABのそれぞれは、第1冷媒配管の一例である。
第2ネットワークは、第2配線を介して第2受電装置に給電し、第2配線を介して第2受電装置と通信する第2給電装置と、第2受電装置と、第2配線と、を備える。より詳細には、第2ネットワークは、第2配線と第2冷媒配管とにより第2室内機と相互に接続され、第2給電装置である第2室外機と、第2受電装置である第2室内機と、第2配線と、第2冷媒配管と、を備える第2空調ネットワークである。
空調ネットワーク1000Bは、第2ネットワークの一例であり、第2空調ネットワークの一例である。室外機100Bは、第2給電装置の一例であり、第2室外機の一例である。室内機200BA、室内機200BB、室内機200BCのそれぞれは、第2受電装置の一例であり、第2室内機の一例である。配線3BA、配線3BB、配線3BCのそれぞれは、第2配線の一例である。冷媒配管5BA、冷媒配管5BBのそれぞれは、第2冷媒配管の一例である。
空調ネットワーク1000Aが備える、室外機100Aと室内機200AAと室内機200ABと室内機200ACとには、一対の冷媒配管6Aを介して、同一の冷媒が循環して流れる。従って、室外機100Aと室内機200AAと室内機200ABと室内機200ACとは同一の冷媒系統に属する。また、空調ネットワーク1000Bが備える、室外機100Bと室内機200BAと室内機200BBと室内機200BCとには、一対の冷媒配管6Bを介して、同一の冷媒が循環して流れる。従って、室外機100Bと室内機200BAと室内機200BBと室内機200BCとは同一の冷媒系統に属する。そして、空調ネットワーク1000Aと空調ネットワーク1000Bとは異なる冷媒系統である。
次に、図4を参照して、空調ネットワーク1000の機能について説明する。空調ネットワーク1000が備える室外機100は、機能的には、通信制御部101と、給電制御部102と、時間決定部103と、時間測定部104と、認識部105とを備える。これらの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、ROM又は記憶部12に格納される。そして、CPUが、ROM又は記憶部12に記憶されたプログラムを実行することによって、これらの各機能を実現する。
また、空調ネットワーク1000が備える室内機200は、機能的には、通信制御部201と、時間測定部202とを備える。これらの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、ROM又は記憶部12に格納される。そして、CPUが、ROM又は記憶部12に記憶されたプログラムを実行することによって、これらの各機能を実現する。
通信制御部101は、第1通信部13を制御して、室内機200と通信する。具体的には、通信制御部101は、給電部15が給電を開始してから待機時間が経過したときに、室内機200に向けて認識用信号を送信するように第1通信部13を制御する。待機時間は、空調ネットワーク1000毎に固有の時間であってもよいし、複数の空調ネットワーク1000で共通の時間であってもよい。
室外機100Aが出力する認識用信号(以下、適宜「第1認識用信号」という。)は、第1受電装置の認識に用いる信号、つまり、空調ネットワーク1000Aに属する室内機200の認識に用いる信号である。室外機100Bが出力する認識用信号(以下、適宜「第2認識用信号」という。)は、第2受電装置の認識に用いる信号、つまり、空調ネットワーク1000Bに属する室内機200の認識に用いる信号である。通信制御部101は、第1給電装置が備える通信制御手段の一例である。第1通信部13は、第1給電装置が備える通信手段の一例である。
給電制御部102は、給電部15を制御して、室内機200に給電する。具体的には、室外機100Aが備える給電制御部102は、配線群4Aを介して、室内機200AAと室内機200ABと室内機200ACとに給電する。また、室外機100Bが備える給電制御部102は、配線群4Bを介して、室内機200BAと室内機200BBと室内機200BCとに給電する。
給電制御部102は、空調ネットワーク1000に固有に対応付けられた給電開始タイミングで、室内機200に給電を開始する。具体的には、室外機100Aが備える給電制御部102は、空調ネットワーク1000Aに固有に対応付けられた第1給電開始タイミングで、室内機200Aに給電を開始する。そして、室外機100Bが備える給電制御部102は、空調ネットワーク1000Bに固有に対応付けられた第2給電開始タイミングで、室内機200Bに給電を開始する。
本実施の形態では、給電制御部102は、室外機100の電源が投入されてから空調ネットワーク1000に固有に対応付けられた遅延時間が経過したときに、室内機200に給電を開始する。より詳細には、室外機100Aが備える給電制御部102は、室外機100Aの電源が投入されてから空調ネットワーク1000Aに固有に対応付けられた第1遅延時間が経過したときに、室内機200Aに給電を開始する。また、室外機100Bが備える給電制御部102は、室外機100Bの電源が投入されてから空調ネットワーク1000Bに固有に対応付けられた第2遅延時間が経過したときに、室内機200Bに給電を開始する。
時間決定部103は、室外機100に固有に対応付けられた識別情報に基づいて遅延時間を決定する。この識別情報は、記憶部12に記憶されている。室外機100Aが備える記憶部12に記憶された識別情報は、室外機100Aに固有に対応付けられた識別情報(以下、適宜「第1識別情報」という。)である。室外機100Bが備える記憶部12に記憶された識別情報は、室外機100Bに固有に対応付けられた識別情報(以下、適宜「第2識別情報」という。)である。第1識別情報と第2識別情報とは異なる。識別情報は、例えば、室外機100の製造番号、室外機100が備える第1通信部13のMAC(Media Access Control)アドレス、又は、乱数発生器が生成した乱数である。
時間決定部103は、例えば、識別情報に対応する数値をハッシュ関数に引き渡すことにより得られるハッシュ値に対応する遅延時間を決定する。第1識別情報から求められるハッシュ値(以下、適宜「第1ハッシュ値」という。)と第2識別情報から求められるハッシュ値(以下、適宜「第2ハッシュ値」という。)とは異なる。このため、第1ハッシュ値に対応する第1遅延時間と第2ハッシュ値に対応する第2遅延時間とは異なる。なお、第1遅延時間と第2遅延時間との差は、認識用信号の伝播時間、経過時間の測定誤差等の影響を受けない程度に大きいことが好適である。つまり、遅延時間は、ある程度大きな単位(例えば、1秒単位)で決定されることが好適である。
なお、時間決定部103は、待機時間を決定してもよい。より詳細には、室外機100Aが備える時間決定部103は、空調ネットワーク1000Aに対応付けられる第1待機時間を決定してもよい。また、室外機100Bが備える時間決定部103は、空調ネットワーク1000Bに対応付けられる第2待機時間を決定してもよい。第1待機時間と第2待機時間とは、同じでもよいし異なっていてもよい。なお、時間決定部103は、識別情報から求められるハッシュ値を用いて待機時間を決定することにより、空調ネットワーク1000に固有の待機時間を決定することができる。遅延時間を示す情報と待機時間を示す情報とは、例えば、記憶部12に記憶される。時間決定部103は、時間決定手段の一例である。記憶部12は、記憶手段の一例である。
時間測定部104は、各種の時間を測定する。例えば、時間測定部104は、室外機100に電源が投入されてから経過した時間が遅延時間に至るまで、この時間を測定する。また、時間測定部104は、給電部15が給電を開始してから経過した時間が待機時間に至るまで、この時間を測定する。また、時間測定部104は、第1通信部13が認識用信号を出力してから経過した時間が規定時間と一致するまで、この時間を測定する。規定時間は、室外機100が認識用信号を出力してから、室外機100が属する空調ネットワーク1000に属する全ての室内機200から応答信号を受信するのに要する時間よりも少し長い時間に設定される。
通信制御部201は、通信部23を制御して、室外機100と通信する。なお、室内機200AA、室内機200AB、室内機200ACが備える通信部23は、配線群4Aを介して室外機100Aと通信する。また、室内機200BA、室内機200BB、室内機200BCが備える通信部23は、配線群4Bを介して室外機100Bと通信する。通信制御部201は、受信装置が備える通信制御手段の一例である。通信部23は、受信装置が備える通信手段の一例である。受信装置は、認識用信号を受信する装置であり、第1受電装置又は第2受電装置である。つまり、受信装置は、何れかの室内機200である。
時間測定部202は、受電部24が受電を開始してから通信部23が認識用信号を受信するまでの経過時間を測定する。時間測定部202は、受信装置が備える時間測定手段の一例である。
通信制御部201は、時間測定部202が測定した経過時間を含む応答信号を室外機100に向けて送信するように、室内機200が備える通信部23を制御する。このように、通信制御部201は、室外機100から認識用信号を受信した場合、上記経過時間を含む応答信号を室外機100に送信する。例えば、室外機100Aが室内機200AAと室内機200ABと室内機200ACとに向けて第1認識用信号を送信した場合、室内機200AAと室内機200ABと室内機200ACとは第1認識用信号を受信したことに応答して上記経過時間を含む応答信号を室外機100Aに送信する。この場合において、例えば、クロストークにより室内機200BBが第1認識用信号を受信した場合、室内機200BBも第1認識用信号を受信したことに応答して上記経過時間を含む応答信号を室外機100Aに送信する。
認識部105は、室内機200が認識用信号を受信した場合において、室内機200が受電を開始してから室内機200が認識用信号を受信するまでの経過時間が待機時間と一致する場合、この室内機200が室外機100と同一の空調ネットワーク1000に属する室内機200であると認識する。つまり、認識部105は、応答信号に含まれる経過時間が待機時間と一致する場合、この室内機200が室外機100と同一の空調ネットワーク1000に属する室内機200であると認識する。
具体的には、室外機100Aが備える認識部105は、応答信号に含まれる経過時間が第1待機時間と一致する場合、応答信号を送信した室内機200が空調ネットワーク1000Aに属する室内機200であると認識する。また、室外機100Bが備える認識部105は、応答信号に含まれる経過時間が第2待機時間と一致する場合、応答信号を送信した室内機200が空調ネットワーク1000Bに属する室内機200であると認識する。認識部105は、同一の空調ネットワーク1000に属すると認識した全ての室内機200のアドレスをアドレスリストに追加する。認識部105は、生成したアドレスリストを記憶部12に保存する。
空調ネットワーク1000Aでは、室外機100Aが給電を開始してから室外機100Aが第1認識用信号を出力するまでの時間は第1待機時間である。従って、空調ネットワーク1000Aでは、室内機200AAと室内機200ABと室内機200ACとが室外機100Aに送信する応答信号に含まれる経過時間は第1待機時間と一致する。これに対して、例えば、クロストークにより室内機200BBが第1認識用信号を受信した場合、基本的には、室内機200BBが室外機100Aに送信する応答信号に含まれる経過時間は第1待機時間と一致しない。この理由は、室内機200BBは、室外機100Aからではなく室外機100Bから受電されるため、室外機100Aが給電を開始する第1給電開始タイミングと室外機100Bが給電を開始する第2給電開始タイミングとが一致しない限り、経過時間が第1待機時間と一致しないためである。
なお、本実施の形態では、第1遅延時間と第2遅延時間とが異なるため、第1給電開始タイミングと第2給電開始タイミングとが一致しない可能性が高い。つまり、本実施の形態では、室外機100Aと室外機100Bとに同時に電源が投入される場合には、第1給電開始タイミングと第2給電開始タイミングとが一致しない。また、本実施の形態では、室外機100Aと室外機100Bとに同時に電源が投入されない場合においても、第1給電開始タイミングと第2給電開始タイミングとが一致する可能性は低い。
また、空調ネットワーク1000Bでは、室外機100Bが給電を開始してから室外機100Bが第2認識用信号を出力するまでの時間は第2待機時間である。従って、空調ネットワーク1000Bでは、室内機200BAと室内機200BBと室内機200BCとが室外機100Bに送信する応答信号に含まれる経過時間は第2待機時間と一致する。これに対して、例えば、クロストークにより室内機200ABが第2認識用信号を受信した場合、基本的には、室内機200ABが室外機100Bに送信する応答信号に含まれる経過時間は第2待機時間と一致しない。
なお、給電される電力は、直流電力又は100Hz未満の交流電力である。従って、クロストークのように、容量結合又は誘導結合により電力が伝達される可能性は低い。例えば、容量7を介して室外機100Aから空調ネットワーク1000Bが備える室内機200に電力が伝達される可能性は低い。このように、本実施の形態では、空調ネットワーク1000に固有の情報、つまり、空調ネットワーク1000において給電が開始されたタイミングが考慮されて、クロストークによるネットワーク構成の誤認識が抑制される。認識部105は、認識手段の一例である。
次に、図5のフローチャートを参照して、室外機100が実行する認識処理について説明する。室外機100は、例えば、認識処理実行モードで室外機100の電源が投入されたことに応答して、認識処理の実行を開始する。
まず、室外機100が備える制御部11は、室外機100の識別情報から遅延時間を決定する(ステップS101)。例えば、制御部11は、ハッシュ関数を用いて室外機100の識別情報からハッシュ値を求め、求めたハッシュ値に対応する遅延時間を決定する。制御部11は、ステップS101の処理を完了すると、ステップS101で決定した遅延時間分待機する(ステップS102)。制御部11は、ステップS102の処理を完了すると、給電を開始する(ステップS103)。つまり、制御部11は、給電部15を制御して、配線群4に接続された全ての室内機200に給電を開始する。
制御部11は、ステップS103の処理を完了すると、待機時間分待機する(ステップS104)。なお、待機時間を示す情報は、記憶部12に予め記憶されている。制御部11は、ステップS104の処理を完了すると、室内機200に認識用信号を送信する(ステップS105)。例えば、制御部11は、第1通信部13を制御して、配線群4に接続された全ての室内機200にブロードキャストで認識用信号を送信する。この認識用信号は、認識用信号を送信した室外機100のアドレスを含む通信フレームに対応する信号である。制御部11は、ステップS105の処理を完了すると、室内機200から応答信号を受信したか否かを判別する(ステップS106)。
制御部11は、室内機200から応答信号を受信したと判別すると(ステップS106:YES)、応答信号が含む経過時間が待機時間と一致するか否かを判別する(ステップS107)。なお、経過時間が待機時間と一致することは、認識用信号を送信した室外機100が給電を開始したタイミングと、認識用信号を受信した室内機200が受電を開始したタイミングとが一致することを意味する。つまり、経過時間が待機時間と一致することは、認識用信号を送信した室外機100と認識用信号を受信した室内機200とが同一の空調ネットワーク1000に属することを意味する。
これに対し、経過時間が待機時間と一致しないことは、認識用信号を送信した室外機100が給電を開始したタイミングと、認識用信号を受信した室内機200が受電を開始したタイミングとが一致しないことを意味する。つまり、経過時間が待機時間と一致しないことは、認識用信号を送信した室外機100と認識用信号を受信した室内機200とが同一の空調ネットワーク1000に属さないことを意味する。
制御部11は、応答信号が含む経過時間が待機時間と一致すると判別すると(ステップS107:YES)、応答信号を送信した室内機200のアドレスをアドレスリストに追加する(ステップS108)。制御部11は、記憶部12に記憶されているアドレスリストを更新する。制御部11は、室内機200から応答信号を受信していないと判別した場合(ステップS106:NO)、応答信号が含む経過時間が待機時間と一致しないと判別した場合(ステップS107:NO)、又は、ステップS108の処理を完了した場合、認識用信号の送信から規定時間が経過したか否かを判別する(ステップS109)。
この規定時間は、室外機100が同一ネットワーク上における全ての室内機200から応答信号を受信し終えるまでの応答待ち時間である。この規定時間は、空調ネットワーク1000で許容される室内機200の最大接続台数の室内機200から応答信号を受信し終えるために十分な時間であることが好適である。制御部11は、認識用信号の送信から規定時間が経過していないと判別すると(ステップS109:NO)、ステップS106に処理を戻す。
制御部11は、認識用信号の送信から規定時間が経過したと判別すると(ステップS109:YES)、室内機200にアドレスリストを送信する(ステップS110)。つまり、制御部11は、第1通信部13を制御して、アドレスリストにある全ての室内機200に向けてアドレスリストを送信する。制御部11は、アドレスリストにある全ての室内機200のそれぞれを送信先としてユニキャストでアドレスリストを送信してもよい。又は、制御部11は、アドレスリストにある全ての室内機200を1つ又は複数のグループにグルーピングし、グループ毎にマルチキャストでアドレスリストを送信してもよい。アドレスリストは、認識用信号を送信した室外機100のアドレスとアドレスリストとを含む通信フレームにより送信される。制御部11は、ステップS110の処理を完了すると、認識処理を完了する。
次に、図6のフローチャートを参照して、室内機200が実行する時間測定処理について説明する。室内機200は、例えば、時間測定処理の開始指示をユーザから受け付けたことに応答して、時間測定処理の実行を開始する。
まず、室内機200が備える制御部21は、室外機100による給電が開始されたか否かを判別する(ステップS201)。例えば、制御部21は、受電部24が受電を開始したか否かを判別する。制御部21は、室外機100による給電が開始されていないと判別すると(ステップS201:NO)、ステップS201に処理を戻す。制御部21は、室外機100による給電が開始されたと判別すると(ステップS201:YES)、給電開始からの経過時間の測定を開始する(ステップS202)。
制御部21は、ステップS202の処理を完了すると、室外機100から認識用信号を受信したか否かを判別する(ステップS203)。例えば、制御部21は、通信部23が配線群4を介して室外機100から認識用信号を受信したか否かを判別する。
制御部21は、室外機100から認識用信号を受信したと判別すると(ステップS203:YES)、測定した経過時間を含む応答信号を室外機100に送信する(ステップS204)。この応答信号は、認識用信号を受信した室内機200のアドレスと受電開始から識別用信号の受信までの経過時間とを含む通信フレームに対応する信号である。この応答信号は、認識用信号を送信した室外機100を送信先としてユニキャストで送信されてもよいし、ブロードキャストで送信されてもよい。
制御部21は、室外機100から認識用信号を受信していないと判別した場合(ステップS203:NO)、又は、ステップS204の処理を完了した場合、室外機100からアドレスリストを受信したか否かを判別する(ステップS205)。例えば、制御部21は、通信部23が配線群4を介して室外機100からアドレスリストを含む通信フレームを受信したか否かを判別する。制御部21は、室外機100からアドレスリストを受信していないと判別すると(ステップS205:NO)、ステップS203に処理を戻す。
制御部21は、室外機100からアドレスリストを受信したと判別すると(ステップS205:YES)、アドレスリストを保存する(ステップS206)。例えば、制御部21は、室外機100から受信したアドレスリストを記憶部22に保存する。制御部21は、ステップS206の処理を完了すると、時間測定処理を完了する。認識処理と時間測定処理とが完了した後、室外機100と室内機200とは、アドレスリストに登録された機器のみを通信対象として通信する。
本実施の形態では、ネットワークに固有の情報、つまり、給電が開始されたタイミングが考慮されてネットワーク構成が認識される。具体的には、室外機100が給電を開始してから室外機100が認識用信号を送信するまでの待機時間と、室内機200が受電を開始してから室内機200が識別用信号を受信するまでの経過時間とが一致する場合、室外機100と室内機200とが同一の空調ネットワーク1000に属すると認識される。従って、本実施の形態によれば、クロストークによるネットワーク構成の誤認識を低コストで抑制することができる。
また、本実施の形態では、室外機100が、待機時間と経過時間とを比較する処理を含む認識処理を実行する。従って、本実施の形態によれば、効率的に認識処理を実行することができる。
また、本実施の形態では、室外機100は、基本的に、空調ネットワーク1000に固有に対応付けられた給電開始タイミングで室内機200に給電を開始する。従って、本実施の形態によれば、クロストークによるネットワーク構成の誤認識を抑制することができる。
また、本実施の形態では、室外機100に固有に対応付けられた識別情報に基づいて、室外機100の電源が投入されてから室外機100が室内機200に給電を開始するまでの遅延時間が決定される。従って、本実施の形態によれば、基本的に、空調ネットワーク1000に固有に対応付けられる給電開始タイミングを適切に決定することができる。
また、本実施の形態では、複数の室外機100は、直流又は100Hz未満の周波数の交流で給電する。従って、本実施の形態によれば、室内機200が受電を開始してから室内機200が識別用信号を受信するまでの経過時間を適切に求めることができる。
また、本実施の形態では、ネットワークシステム2000は、それぞれが、室外機100が室内機200に給電する複数の空調ネットワーク1000を備える。従って、本実施の形態によれば、室外機100が室内機200に給電することを利用して、クロストークによるネットワーク構成の誤認識を適切に抑制することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、室外機100が空調ネットワーク1000に固有の遅延時間を決定し、室外機100が空調ネットワーク1000に固有の給電開始タイミングを決定する例について説明した。本実施の形態では、制御装置300が空調ネットワーク1100に固有の給電開始タイミングを決定する例について説明する。以下、実施の形態1と同様の構成及び機能については、適宜、説明を省略又は簡略化する。
図7に示すように、本実施の形態に係るネットワークシステム2100は、制御装置300と、空調ネットワーク1100Aと、空調ネットワーク1100Bとを備える。空調ネットワーク1100Aは、室外機100Aに代えて室外機110Aを備える点を除き、空調ネットワーク1000Aと同様の構成である。室外機110Aは、制御装置300と通信する点を除き、室外機100Aと同様の構成である。空調ネットワーク1100Bは、室外機100Bに代えて室外機110Bを備える点を除き、空調ネットワーク1000Bと同様の構成である。室外機110Bは、制御装置300と通信する点を除き、室外機100Bと同様の構成である。なお、空調ネットワーク1100は、空調ネットワーク1100Aと空調ネットワーク1100Bとの総称である。室外機110は、室外機110Aと室外機110Bとの総称である。
制御装置300は、空調ネットワーク1100Aと空調ネットワーク1100Bとを制御する装置である。本実施の形態では、制御装置300は、空調ネットワーク1100Aに固有に対応付けられる第1給電開始タイミングと、空調ネットワーク1100Bに固有に対応付けられる第2給電開始タイミングとを決定する。第1給電開始タイミングは、室外機110Aが室内機200Aに給電を開始するタイミングである。第2給電開始タイミングは、室外機110Bが室内機200Bに給電を開始するタイミングである。以下、適宜、第1給電開始タイミングと第2給電開始タイミングとを単に給電開始タイミングという。
制御装置300は、配線群9を介して室外機110Aと室外機110Bとに接続される。配線群9は、制御装置300と室外機110Aとを接続する配線8Aと、室外機110Aと室外機110Bとを接続する配線8Bと、室外機110Bと他の室外機(図示せず)とを接続する配線8Cとを含む。以下、適宜、配線8Aと配線8Bと配線8Cとを総称して、配線8という。なお、接地電位に設定される接地線が配線8と並列に配置されていてもよい。
以下、図8を参照して、制御装置300の構成について説明する。図8に示すように、制御装置300は、制御部31と、記憶部32と、通信部33とを備える。
制御部31は、CPU、ROM、RAM、RTC等を備える。CPUは、制御装置300の制御に係る処理及び演算を実行する中央演算処理部として機能する。制御部31において、CPUは、ROMに格納されているプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、制御装置300を統括制御する。RTCは、例えば、計時機能を有する集積回路である。
記憶部32は、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性の半導体メモリを備えており、いわゆる補助記憶装置としての役割を担う。記憶部32は、制御部31が各種処理を実行するために使用するプログラム及びデータを記憶する。また、記憶部32は、制御部31が各種処理を実行することにより生成又は取得するデータを記憶する。
通信部33は、制御部31による制御に従って、配線8を介して、室外機110と通信する。例えば、通信部33は、制御装置300に接続された配線8に印加する電圧をHレベルとLレベルとの間で切り替えることにより、室外機110に電圧信号を送信する。また、例えば、通信部33は、室外機110に接続された配線8に印加された電圧を検出することにより、室外機110から電圧信号を受信する。通信部33は、例えば、ベースバンド伝送方式で通信するための通信回路を備える。
制御装置300は、機能的には、室外機110Aと室外機110Bとを検知した後、第1給電開始タイミングと第2給電開始タイミングとを決定するタイミング決定部301を備える。タイミング決定部301は、例えば、制御部31が記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより実現する。タイミング決定部301は、タイミング決定手段の一例である。タイミング決定部301は、空調ネットワーク1100に固有の給電開始タイミングが割り当てられるように各給電開始タイミングを決定する。つまり、タイミング決定部301は、第1給電開始タイミングと第2給電開始タイミングとが異なるように、第1給電開始タイミングと第2給電開始タイミングとを決定する。
制御装置300は、第1給電開始タイミングを含む通信フレームを、配線8を介して室外機110Aに送信する。また、制御装置300は、第2給電開始タイミングを含む通信フレームを、配線8を介して室外機110Bに送信する。給電開始タイミングは、標準時に代表される時刻で指定されてもよい。又は、給電開始タイミングは、基準時刻からの経過時間で指定されてもよい。例えば、給電開始タイミングは、通信フレームの送信時刻からの経過時間で指定されてもよい。
室外機110Aは、室外機110Aの電源が投入された後、第1給電開始タイミングにおいて、室内機200Aへの給電を開始する。そして、室外機110Aは、室内機200Aに給電を開始してから第1待機時間が経過した後、室内機200Aに第1認識用信号を送信する。室外機110Bは、室外機110Bの電源が投入された後、第2給電開始タイミングにおいて、室内機200Bへの給電を開始する。そして、室外機110Bは、室内機200Bに給電を開始してから第2待機時間が経過した後、室内機200Bに第2認識用信号を送信する。
本実施の形態では、制御装置300が給電開始タイミングを決定する。従って、本実施の形態によれば第1給電開始タイミングと第2給電開始タイミングとが一致しないように第1給電開始タイミングと第2給電開始タイミングと決定することができる。その結果、本実施の形態によれば、クロストークによるネットワーク構成の誤認識を確実に抑制することができる。
(実施の形態3)
実施の形態1では、給電が開始されたタイミングが考慮されてネットワーク構成が認識される例について説明した。本実施の形態では、冷媒の温度が考慮されてネットワーク構成が認識される例について説明する。以下、実施の形態1,2と同様の構成及び機能については、適宜、説明を省略又は簡略化する。
まず、図9を参照して、本実施の形態に係る空調ネットワーク1200の機能について説明する。空調ネットワーク1200が備える室外機120は、機能的には、通信制御部101と、時間測定部104と、認識部105と、温度決定部106と、温度制御部107とを備える。これらの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、ROM又は記憶部12に格納される。そして、CPUが、ROM又は記憶部12に記憶されたプログラムを実行することによって、これらの各機能を実現する。
また、空調ネットワーク1200が備える室内機220は、機能的には、通信制御部201を備える。これらの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、ROM又は記憶部12に格納される。そして、CPUが、ROM又は記憶部12に記憶されたプログラムを実行することによって、これらの各機能を実現する。
通信制御部101は、第1通信部13を制御して、室内機220と通信する。時間測定部104は、各種の時間を測定する。例えば、時間測定部104は、第1通信部13が認識用信号を出力してから経過した時間が規定時間と一致するまで、この時間を測定する。認識部105は、空調ネットワーク1200に属する室内機200を認識する。
温度決定部106は、室外機120に固有に対応付けられた識別情報に基づいて、室内機220に供給される冷媒の目標温度を決定する。この識別情報は、室外機120の製造番号、室外機120が備える第1通信部13のMACアドレス、又は、乱数発生器が生成した乱数である。一方の空調ネットワーク1200が備える室外機120が備える記憶部12に記憶された第1識別情報と、他方の空調ネットワーク1200が備える室外機120が備える記憶部12に記憶された第2識別情報とは異なる。一方の空調ネットワーク1200が備える室外機120が備える温度決定部106は、第1識別情報に基づいて第1目標温度を決定する。他方の空調ネットワーク1200が備える室外機120が備える温度決定部106は、第2識別情報に基づいて第2目標温度を決定する。
目標温度は、空調ネットワーク1200に固有に対応付けられる温度である。従って、第1目標温度と第2目標温度とは異なる。なお、第1目標温度と第2目標温度との差は、冷媒または冷媒配管5の温度変化特性、温度の測定誤差等の影響を受けない程度に大きいことが好適である。つまり、目標温度は、ある程度大きな単位(例えば、1度単位)で決定されることが好適である。温度決定部106は、第1室外機が備える温度決定手段の一例である。
温度制御部107は、通信制御部101が認識用信号を室内機220に送信するときに、室内機220に供給される冷媒の温度が空調ネットワーク1200に固有に対応付けられた目標温度になるように冷媒の温度を制御する。温度制御部107は、室内機220に供給される冷媒の温度が目標温度になるように、温度測定部17が測定する温度を参照しながら空調機構部16の動作を制御する。
なお、本実施の形態では、室内機220に供給される冷媒の温度は、室外機120が供給する冷媒の温度と一致する。つまり、本実施の形態では、室外機120が、室外機120から排出される冷媒の温度を目標温度にする場合、室内機220が検出する、室内機220に流入する冷媒の温度は目標温度である。温度制御部107は、温度制御手段の一例である。
通信制御部101は、室外機120から排出される冷媒の温度が目標温度であるときに、室内機220に向けて認識用信号を送信するように第1通信部13を制御する。温度測定部26は、室内機220に供給された冷媒の温度を測定する。例えば、温度測定部26は、冷媒配管5における室内機220との2つの接続部分のうち室内機220に冷媒が流入する方の接続部分の温度、又は、この接続部分を流れる冷媒の温度を測定する。温度測定部26は、温度測定手段の一例である。
通信制御部201は、通信部23が識別用信号を受信した場合、温度測定部26が測定した温度を含む応答信号を室外機120に向けて送信するように通信部23を制御する。つまり、通信制御部201は、識別用信号の受信時における冷媒の温度を含む応答信号を室外機120に送信する。
認識部105は、室内機220が認識用信号を受信した場合において、室内機220が認識用信号を受信したときに室内機220に供給された冷媒の温度が目標温度と一致する場合、室内機220が空調ネットワーク1200に属する室内機220であると認識する。つまり、認識部105は、応答信号に含まれる温度が目標温度と一致する場合、応答信号を送信した室内機220が空調ネットワーク1200に属する室内機220であると認識する。
かかる構成によれば、クロストークによるネットワーク構成の誤認識を抑制することができる。以下、この理由について例を挙げて説明する。空調ネットワーク1200として、室外機120に対応する第1室外機と室内機220に対応する第1室内機とを備える第1空調ネットワークと、室外機120に対応する第2室外機と室内機220に対応する第2室内機とを備える第2空調ネットワークとが存在する場合を想定する。
第1室外機は、ネットワーク構成の認識処理において、第1室内機に供給される冷媒の温度を第1目標温度に設定した後、第1室内機に向けて第1認識用信号を送信する。第1室内機は、第1認識用信号を受信すると、第1室内機に供給された冷媒の温度を含む第1応答信号を第1室外機に向けて送信する。第1室外機は、第1応答信号に含まれる温度が第1目標温度と一致すると判別し、第1室内機が第1空調ネットワークに属すると認識する。
また、第2室外機は、ネットワーク構成の認識処理において、第2室内機に供給される冷媒の温度を第2目標温度に設定した後、第2室内機に向けて第2認識用信号を送信する。第2室内機は、第2認識用信号を受信すると、第2室内機に供給された冷媒の温度を含む第2応答信号を第2室外機に向けて送信する。第2室外機は、第2応答信号に含まれる温度が第2目標温度と一致すると判別し、第2室内機が第2空調ネットワークに属すると認識する。
ここで、仮に、クロストークにより第2室内機が第1認識信号を受信した場合を想定する。この場合、第2室内機は、第2室内機に供給された冷媒の温度を含む第2応答信号を送信する。ここで、クロストークにより第1室外機が第2応答信号を受信する可能性がある。しかしながら、第2室内機に供給された冷媒の温度は、第1目標温度ではなく第2目標温度である。従って、第1室外機は、第2応答信号に含まれる温度が第1目標温度と一致しないと判別し、第2室内機が第1空調ネットワークに属さないと認識する。
次に、図10のフローチャートを参照して、室外機120が実行する認識処理について説明する。室外機120は、例えば、認識処理の開始指示をユーザから受け付けたことに応答して、認識処理の実行を開始する。
まず、室外機120が備える制御部11は、室外機120の識別情報から目標温度を決定する(ステップS301)。例えば、制御部11は、ハッシュ関数を用いて室外機100の識別情報からハッシュ値を求め、求めたハッシュ値に対応する目標温度を決定する。制御部11は、ステップS301の処理を完了すると、冷媒の温度制御を開始する(ステップS302)。つまり、制御部11は、室内機220に供給される冷媒の温度が目標温度になるように空調機構部16を制御する。
制御部11は、ステップS302の処理を完了すると、冷媒の温度が目標温度になるまで待機する(ステップS303)。制御部11は、ステップS303の処理を完了すると、室内機220に認識用信号を送信する(ステップS304)。例えば、制御部11は、第1通信部13を制御して、配線群4に接続された全ての室内機220にブロードキャストで認識用信号を送信する。制御部11は、ステップS304の処理を完了すると、室内機200から応答信号を受信したか否かを判別する(ステップS305)。
制御部11は、室内機220から応答信号を受信したと判別すると(ステップS305:YES)、応答信号が含む測定温度が目標温度と一致するか否かを判別する(ステップS306)。なお、測定温度が目標温度と一致することは、認識用信号を送信した室外機120と認識用信号を受信した室内機220とが同一の冷媒配管5で接続されていることを意味する。つまり、測定温度が目標温度と一致することは、認識用信号を送信した室外機120と認識用信号を受信した室内機220とが同一の空調ネットワーク1200に属することを意味する。
これに対し、測定温度が目標温度と一致しないことは、認識用信号を送信した室外機100と認識用信号を受信した室内機200とが同一の冷媒配管5で接続されていないことを意味する。つまり、測定温度が目標温度と一致しないことは、認識用信号を送信した室外機100と認識用信号を受信した室内機200とが同一の空調ネットワーク1200に属さないことを意味する。
制御部11は、応答信号が含む測定温度が目標温度と一致すると判別すると(ステップS306:YES)、応答信号を送信した室内機220のアドレスをアドレスリストに追加する(ステップS307)。制御部11は、室内機220から応答信号を受信していないと判別した場合(ステップS305:NO)、応答信号が含む測定温度が目標温度と一致しないと判別した場合(ステップS306:NO)、又は、ステップS307の処理を完了した場合、認識用信号の送信時から規定時間が経過したか否かを判別する(ステップS308)。制御部11は、認識用信号の送信時から規定時間が経過していないと判別すると(ステップS308:NO)、ステップS305に処理を戻す。
制御部11は、認識用信号の送信時から規定時間が経過したと判別すると(ステップS308:YES)、室内機220にアドレスリストを送信する(ステップS309)。つまり、制御部11は、第1通信部13を制御して、アドレスリストにある全ての室内機220に向けてアドレスリストを送信する。制御部11は、ステップS309の処理を完了すると、認識処理を完了する。
次に、図11のフローチャートを参照して、室内機220が実行する温度測定処理について説明する。室内機220は、例えば、温度測定処理の開始指示をユーザから受け付けたことに応答して、温度測定処理の実行を開始する。
まず、室内機220が備える制御部21は、冷媒の温度の測定を開始する(ステップS401)。制御部21は、ステップS401の処理を完了すると、室外機120から認識用信号を受信したか否かを判別する(ステップS402)。
制御部21は、室外機120から認識用信号を受信したと判別すると(ステップS402:YES)、測定した冷媒の温度である測定温度を含む応答信号を室外機120に送信する(ステップS403)。制御部21は、室外機120から認識用信号を受信していないと判別した場合(ステップS402:NO)、又は、ステップS403の処理を完了した場合、室外機120からアドレスリストを受信したか否かを判別する(ステップS404)。制御部21は、室外機120からアドレスリストを受信していないと判別すると(ステップS404:NO)、ステップS402に処理を戻す。
制御部21は、室外機120からアドレスリストを受信したと判別すると(ステップS404:YES)、アドレスリストを保存する(ステップS405)。例えば、制御部21は、室外機120から受信したアドレスリストを記憶部22に保存する。制御部21は、ステップS405の処理を完了すると、温度測定処理を完了する。認識処理と温度測定処理とが完了した後、室外機120と室内機220とは、アドレスリストに登録された機器のみを通信対象として通信する。
本実施の形態では、ネットワークに固有の情報、つまり、冷媒の温度が考慮されてネットワーク構成が認識される。具体的には、室内機220が認識用信号を受信したときに室内機220に供給された冷媒の温度が、室外機120が設定した目標温度と一致する場合、室内機220が空調ネットワーク1200に属する室内機220であると認識する。従って、本実施の形態によれば、クロストークによるネットワーク構成の誤認識を低コストで抑制することができる。
また、本実施の形態では、室外機120が、目標温度と測定温度とを比較する処理を含む認識処理を実行する。従って、本実施の形態によれば、効率的に認識処理を実行することができる。
また、本実施の形態では、室外機120に固有に対応付けられた識別情報に基づいて目標温度が決定される。従って、本実施の形態によれば、空調ネットワーク1000に固有に対応付けられる目標温度を適切に決定することができる。
(実施の形態4)
実施の形態1では、給電が開始されたタイミングが考慮されてネットワーク構成が認識される例について説明した。また、実施の形態3では、冷媒の温度が考慮されてネットワーク構成が認識される例について説明した。本実施の形態では、給電が開始されたタイミングと冷媒の温度とが考慮されてネットワーク構成が認識される例について説明する。以下、実施の形態1-3と同様の構成及び機能については、適宜、説明を省略又は簡略化する。
以下、図12を参照して、本実施の形態に係る室外機130の機能について説明し、図13を参照して、本実施の形態に係る室内機230の機能について説明する。室外機130は、機能的には、通信制御部101と、給電制御部102と、時間決定部103と、時間測定部104と、認識部105と、温度決定部106と、温度制御部107とを備える。これらの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、ROM又は記憶部12に格納される。そして、CPUが、ROM又は記憶部12に記憶されたプログラムを実行することによって、これらの各機能を実現する。
また、室内機230は、機能的には、通信制御部201と、時間測定部202とを備える。これらの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、ROM又は記憶部22に格納される。そして、CPUが、ROM又は記憶部22に記憶されたプログラムを実行することによって、これらの各機能を実現する。
通信制御部101は、第1通信部13を制御して、室内機230と通信する。給電制御部102は、給電部15を制御して、室内機230に給電する。時間決定部103は、室外機130に固有に対応付けられた識別情報に基づいて遅延時間を決定する。時間測定部104は、各種の時間を測定する。例えば、時間測定部104は、室外機130に電源が投入されてから経過した時間が遅延時間と一致するまで、この時間を測定する。また、時間測定部104は、給電部15が給電を開始してから経過した時間が待機時間と一致するまで、この時間を測定する。
認識部105は、室外機130が属する空調ネットワークに属する室内機230を認識する。温度決定部106は、室外機130に固有に対応付けられた識別情報に基づいて、室内機230に供給される冷媒の目標温度を決定する。温度制御部107は、通信制御部101が認識用信号を室内機230に送信するときに、室内機230に供給される冷媒の温度が、室内機230が属する空調ネットワークに固有に対応付けられた目標温度になるように、冷媒の温度を制御する。
給電制御部102は、室外機130に電源が投入されてから室外機130が属する空調ネットワークに固有の遅延時間が経過したときに、室内機230への給電を開始する。通信制御部101は、室外機130が給電を開始してから待機時間が経過したときに認識用信号を室内機230に送信する。認識部105は、室内機230が認識用信号を受信した場合において、室内機230が受電を開始してから室内機230が認識用信号を受信するまでの経過時間が待機時間と一致し、且つ、室内機230が認識用信号を受信したときに室内機230に供給された冷媒の温度が目標温度と一致する場合、室内機230が、室外機130が属する空調ネットワークに属する室外機130であると認識する。
本実施の形態では、給電が開始されたタイミングと冷媒の温度とが考慮されてネットワーク構成が認識される。従って、本実施の形態によれば、クロストークによるネットワーク構成の誤認識を確実に抑制することが期待できる。
(実施の形態5)
実施の形態3では、室外機120が温度決定部106を備え、室外機120が空調ネットワーク1200に固有の目標温度を決定する例について説明した。本実施の形態では、制御装置340が、空調ネットワーク1400Aに固有の第1目標温度と、空調ネットワーク1400Bに固有の第2目標温度とを決定する例について説明する。以下、実施の形態1-4と同様の構成及び機能については、適宜、説明を省略又は簡略化する。
図14に示すように、本実施の形態に係るネットワークシステム2400は、制御装置340と、空調ネットワーク1400Aと、空調ネットワーク1400Bとを備える。空調ネットワーク1400Aは、室外機110Aに代えて室外機140Aを備える点を除き、空調ネットワーク1100Aと同様の構成である。室外機140Aは、室外機110Aが備える構成と室外機120が備える構成とを備える。空調ネットワーク1400Bは、室外機110Bに代えて室外機140Bを備える点を除き、空調ネットワーク1100Bと同様の構成である。室外機140Bは、室外機110Bが備える構成と室外機120が備える構成とを備える。なお、空調ネットワーク1400は、空調ネットワーク1400Aと空調ネットワーク1400Bとの総称である。室外機140は、室外機140Aと室外機140Bとの総称である。
制御装置340は、空調ネットワーク1400Aと空調ネットワーク1400Bとを制御する装置である。本実施の形態では、制御装置340は、空調ネットワーク1400Aに固有に対応付けられる第1目標温度と、空調ネットワーク1400Bに固有に対応付けられる第2目標温度とを決定する。制御装置340は、配線群9を介して室外機110Aと室外機110Bとに接続される。なお、制御装置340の構成は、物理的には、制御装置300の構成と同様である。つまり、制御装置340は、制御部31と、記憶部32と、通信部33とを備える。
制御装置340は、機能的には、室外機140Aと室外機140Bとを検知した後、第1目標温度と第2目標温度とを決定する温度決定部302を備える。温度決定部302は、例えば、制御部31が記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより実現する。温度決定部302は、ネットワークシステムが備える温度決定手段の一例である。温度決定部302は、空調ネットワーク1400に固有の目標温度が割り当てられるように各目標温度を決定する。つまり、温度決定部302は、第1目標温度と第2目標温度とが異なるように、第1目標温度と第2目標温度とを決定する。
制御装置340は、第1目標温度を含む通信フレームを、配線8を介して室外機140Aに送信する。また、制御装置340は、第2目標温度を含む通信フレームを、配線8を介して室外機140Bに送信する。室外機140Aは、空調ネットワーク1400Aが備える室内機200に供給される冷媒の温度が第1目標温度になるように、空調機構部16の動作を制御する。室外機140Bは、空調ネットワーク1400Bが備える室内機200に供給される冷媒の温度が第2目標温度になるように、空調機構部16の動作を制御する。
本実施の形態では、制御装置340が目標温度を決定する。従って、本実施の形態によれば第1目標温度と第2目標温度とが一致しないように第1目標温度と第2目標温度と決定することができる。その結果、本実施の形態によれば、クロストークによるネットワーク構成の誤認識を確実に抑制することができる。
(変形例)
以上、本開示の実施の形態を説明したが、本開示を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能である。本開示において、上記実施の形態において説明した構成、機能、動作のどの部分を採用するのかは任意である。また、本開示において、上述した構成、機能、動作のほか、更なる構成、機能、動作が採用されてもよい。また、上記実施の形態において説明した構成、機能、動作は、自由に組み合わせることができる。
実施の形態1では、室外機が認証処理を実行する例について説明した。認証処理を実行する装置は、室外機に限定されない。例えば、3つの室内機のうち何れかの室内機が認証処理を実行してもよい。又は、室外機及び室内機ではない制御装置が認証処理を実行してもよい。
実施の形態1では、同一の空調ネットワーク内の機器が認証処理後にアドレスリストを用いてデータ通信をする例について説明した。同一の空調ネットワーク内の機器が認証処理後にデータ通信する方法は、アドレスリストを用いた方法に限定されない。例えば、同一の空調ネットワーク内の機器の間で、空調ネットワークに固有の識別子を共有し、認証処理後に、この識別子を通信フレームに含めてデータ通信する方法が採用されてもよい。この方法では、この識別子を含まない通信フレームは、他の空調ネットワークに属する機器が送信した通信フレームと見做されて破棄される。
実施の形態1では、空調ネットワークが1つの室外機と3つの室内機とを備える例について説明した。空調ネットワークが備える室内機の個数は、2個以下でもよいし、4個以上でもよい。実施の形態1では、ネットワークシステムが2つの空調ネットワークを備える例について説明した。ネットワークシステムは、3つ以上の空調ネットワークを備えていてもよい。また、ネットワークシステムが備えるネットワークは、空調ネットワークに限定されない。ネットワークシステムが備えるネットワークとしては、配線を介して受電装置に給電し、配線を介して受電装置と通信する給電装置と、受電装置とを備える各種のネットワークが考えられる。
上記実施の形態では、制御部11,21において、CPUがROM又は記憶部12,22に記憶されたプログラムを実行することによって、図4,9,12,13に示した各部として機能した。しかしながら、本開示において、制御部11,21は、専用のハードウェアであってもよい。専用のハードウェアとは、例えば単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらの組み合わせ等である。制御部11,21が専用のハードウェアである場合、各部の機能それぞれを個別のハードウェアで実現してもよいし、各部の機能をまとめて単一のハードウェアで実現してもよい。
また、各部の機能のうち、一部を専用のハードウェアによって実現し、他の一部をソフトウェア又はファームウェアによって実現してもよい。このように、制御部11は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又は、これらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
本開示に係る室外機100,110,120,130,140又は室内機200,220,230の動作を規定する動作プログラムを既存のパーソナルコンピュータ又は情報端末装置等のコンピュータに適用することで、当該コンピュータを、本開示に係る室外機100,110,120,130,140又は室内機200,220,230として機能させることも可能である。また、このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD-ROM(Compact Disk ROM)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical Disk)、又は、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、インターネット等の通信ネットワークを介して配布してもよい。
本開示は、本開示の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。すなわち、本開示の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして特許請求の範囲内及びそれと同等の開示の意義の範囲内で施される様々な変形が、この開示の範囲内とみなされる。