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JP7533127B2 - 内燃機関の制御方法及び内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御方法及び内燃機関の制御装置 Download PDF

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JP7533127B2 JP2020181000A JP2020181000A JP7533127B2 JP 7533127 B2 JP7533127 B2 JP 7533127B2 JP 2020181000 A JP2020181000 A JP 2020181000A JP 2020181000 A JP2020181000 A JP 2020181000A JP 7533127 B2 JP7533127 B2 JP 7533127B2
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Description

本発明は、内燃機関の制御方法及び内燃機関の制御装置に関する。
燃料タンク内で発生した蒸発燃料は、キャニスタに吸着される。キャニスタに吸着した燃料は、パージ処理により脱離させられて吸気通路に導入される。
例えば、特許文献1には、パージ処理中、吸入空気量に対するパージガスの流量の比率に応じて燃料噴射量を補正し、内燃機関の空燃比フィードバック制御における空燃比変動を抑制する技術が開示されている。
空燃比フィードバック制御は、排気中の空燃比が理論空燃比を中心として所定の狭い範囲(ウィンドウ)で振れるようにする。
特開2007-309119号公報
しかしながら、特許文献1においては、空燃比フィードバック制御における補正値学習をどのような頻度で実施するのか考慮されていない。
空燃比フィードバック制御は、実空燃比と目標空燃比の差分を見ながら、実空燃比が目標空燃比に近づくように連続的に制御されるので、ロバスト性を向上させるためには、補正値学習を頻繁に実施することが望ましい。
一方、空燃比フィードバック制御は、補正値学習を頻繁に実施すると、目標空燃比が頻繁に変化し、内燃機関の排気性能が悪化してしまう虞がある。
つまり、空燃比フィードバック制御中にキャニスタのパージ処理を行うにあたっては、空燃比フィードバック制御のロバスト性向上と内燃機関の排気性能向上との両立を図る上で更なる改善の余地がある。
本発明の内燃機関は、排気系に配置された排気浄化触媒の上流側に配置された空燃比センサの検出値である実空燃比を吸気系に導入された蒸発燃料を考慮して設定された目標空燃比で除して得られる学習値の学習頻度を変更するものであり、空燃比フィードバック制御中の燃料噴射量を補正する上記学習値の学習頻度を上記キャニスタに吸着した蒸発燃料量が多くなるほど高くなるよう変更することを特徴とする
本発明によれば、キャニスタに吸着した蒸発燃料量に応じて空燃比フィードバック制御における空燃比学習値の学習頻度が変更されるので、空燃比フィードバック制御におけるロバスト性向上と、内燃機関の排気性能向上とを両立させることができる。
本発明が適用される内燃機関のシステム構成を模式的に示した説明図。 キャニスタの吸着割合とVapor濃度との相関を模式的に示した特性線図。 キャニスタの吸着割合と学習値の学習周期との相関を模式的に示した特性線図。 燃料噴射量補正比、排気空燃比及び排気触媒装置の酸素ストレージ量のパージ中の変化を示すタイミングチャート。 パージ中に内燃機関を空燃比フィードバック制御した際の空燃比変動と排気性能の相関を示すタイミングチャート。 内燃機関の制御の流れを示すフローチャート。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される内燃機関10のシステム構成を模式的に示した説明図である。
内燃機関10は、ピストン(図示せず)の往復直線運動をクランクシャフト(図示せず)の回転運動に変換して動力として取り出すいわゆるレシプロ式の内燃機関である。内燃機関10は、吸気通路11と排気通路12とを有している。
吸気通路11には、コントロールユニット13からの制御信号によって開度が制御される電動のスロットル弁14が設けられている。スロットル弁14は、吸入空気量を制御する。
吸気通路11(吸気系)には、燃料タンク15で発生した蒸発燃料を導入する蒸発燃料処理システムが接続されている。
蒸発燃料処理システムは、吸気通路11に接続されたパージ通路16と、パージ通路16に設けられたパージコントロール弁17と、燃料タンク15で発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタ18と、を有している。パージ通路16は、スロットル弁14の下流側で吸気通路11に接続されている。パージ通路16には、パージコントロール弁17とキャニスタ18が設けられている。パージコントロール弁17は、キャニスタ18の下流側(キャニスタ18と吸気通路11の間)に配置されている。
排気通路12(排気系)には、排気浄化触媒としての排気触媒装置21が設けられている。排気触媒装置21は、例えば三元触媒からなる排気浄化用の触媒である。
三元触媒は、理論空燃比を中心とする所定の狭い範囲(ウィンドウ)に空燃比がある場合に最大の転化効率をもって排気中のNOx、HC、COを同時に浄化できるものである。
排気触媒装置21の上流側には、空燃比センサとしてのA/Fセンサ31が配置されている。A/Fセンサ31は、排気空燃比に応じたほぼリニアな出力特性を有するいわゆる広域型空燃比センサである。
排気触媒装置21の下流側には、酸素センサ32が配置されている。酸素センサ32は、理論空燃比付近の狭い範囲で出力電圧がON/OFF(リッチ、リーン)的に変化して、空燃比のリッチ、リーンのみを検知するセンサである。
また、この内燃機関10は、過給機としてのターボ過給機35を有している。ターボ過給機35は、吸気通路11に設けられたコンプレッサ36と排気通路12に設けられた排気タービン37とを同軸上に備えたものである。
コンプレッサ36は、スロットル弁14の上流側に配置されている。コンプレッサ36は、図示せぬエアフローメータよりも下流側に配置されている。排気タービン37は、排気触媒装置21よりも上流側に配置されている。コンプレッサ36は、排気タービン37によって駆動可能となっている。
排気通路12には、排気タービン37を迂回して排気タービン37の上流側と下流側とを接続する排気バイパス通路41が接続されている。排気バイパス通路41の下流側端は、排気触媒装置21よりも上流側の位置で排気通路12に接続されている。排気バイパス通路41には、排気バイパス通路41内の排気流量を制御する電動のウエストゲート弁42が配置されている。ウエストゲート弁42は、排気タービン37に導かれる排気ガスの一部を排気タービン37の下流側にバイパスさせることが可能であり、内燃機関10の過給圧を制御可能なものである。
コントロールユニット13は、CPU、ROM、RAM及び入出力インターフェースを備えた周知のデジタルコンピュータである。
コントロールユニット13には、上述したA/Fセンサ31、酸素センサ32の検出信号のほか、キャニスタ18内の圧力状態を検出するエバポ圧力センサ43、クランクシャフトのクランク角を検出するクランク角センサ44等の各種センサ類の検出信号が入力されている。クランク角センサ44は、内燃機関10の機関回転数を検出可能なものである。
コントロールユニット13は、スロットル弁14、パージコントロール弁17及びウエストゲート弁42の開度を制御する。
コントロールユニット13は、エバポ圧力センサ43の検出値を用いてキャニスタ18に吸着した蒸発燃料量を推定可能である。換言すれば、コントロールユニット13は、キャニスタ18の吸着割合を推定可能である。つまり、コントロールユニット13は、蒸発燃料吸着量検出部(吸着割合検出部)に相当とする。
なお、キャニスタ18の吸着割合は、キャニスタ18の吸着容量に対するキャニスタ18に吸着した蒸発燃料量の吸着量の比率である。従って、キャニスタ18の吸着割合が高いとは、キャニスタ18に吸着した蒸発燃料量が多いことを意味する。
内燃機関10は、内燃機関10の運転中に、パージコントロール弁17を開いてキャニスタ18に吸着した蒸発燃料をパージし、吸気通路11に導入する。
コントロールユニット13は、排気触媒装置21の三元触媒が最大の転化効率をもって排気中のNOx、HC、COを同時に浄化できるように、内燃機関10の空燃比が理論空燃比を中心とする所定の狭い範囲(ウィンドウ)となるように、空燃比フィードバック制御を実施する。
内燃機関10の空燃比フィードバック制御においては、空燃比が基準空燃比(基準となる空燃比であり、例えば理論空燃比)よりもリッチ側にあると目標空燃比を基準空燃比よりもリーン側の値に設定し、空燃比が基準空燃比よりもリーン側にあると目標空燃比を基準空燃比よりもリッチ側の値に設定する。
空燃比フィードバック制御中、パージによりキャニスタ18に吸着した蒸発燃料が吸気通路11に導入されると、吸気通路11に導入される蒸発燃料量を考慮して目標空燃比が設定される。
図2は、キャニスタ18の吸着割合(キャニスタ18に吸着した蒸発燃料量)と、キャニスタ18をパージした際に吸気通路11に導入される蒸発燃料を含んだガス(パージガス)の濃度(Vapor濃度)との相関を模式的に示した特性線図である。
図2に示す特性線は、ある特定の大気圧、ある特定の温度、ある一定量のパージガス、という条件下におけるキャニスタ18の吸着割合とVapor濃度の関係を示している。
Vapor濃度は、キャニスタ18の吸着割合が高いほど(キャニスタ18に吸着した蒸発燃料量が多くなるほど)高くなる。
そのため、図2に示す特性線に対するずれ量が同じ±X%のずれであっても、キャニスタ18の吸着割合が高いとき(吸着割合がAのとき)と、キャニスタ18の吸着割合が低いとき(吸着割合がBのとき)とでは、推定されるVapor濃度のずれの影響度に違いがでる。ここで、A>Bとする。
つまり、吸気通路11に導入される蒸発燃料量の推定値は、キャニスタ18に吸着した蒸発燃料量(キャニスタ18の吸着割合)に対するばらつきの割合が一定であっても、キャニスタ18に吸着した蒸発燃料量(キャニスタ18の吸着割合)に対するばらつきの量が変化する。詳述すると、キャニスタ18の吸着割合がAのときにおけるVapor濃度の推定値のばらつき幅は、キャニスタ18の吸着割合がBのときにおけるVapor濃度の推定値のばらつき幅よりも大きくなる。
例えば、内燃機関10の空燃比を「14.5」を中心に燃料噴射による目標空燃比の振り幅を「±1.2」に設定(リッチ空燃比制御時の目標空燃比を「13.3」、リーン空燃比制御時の目標空燃比を「15.7」)して空燃比フィードバック制御を実施する場合を考える。
排気触媒装置21の雰囲気がリッチ(排気触媒装置21の下流側の空燃比がリッチ)のとき、目標空燃比を「+1.2」の「15.7」にして排気触媒装置21の雰囲気をリーンへ戻す。このとき、空燃比をリッチ側へ「-1.0」シフトさせる濃度のパージガスが吸気通路11に導入されても、内燃機関10は、目標空燃比が「15.7」であれば、排気触媒装置21の雰囲気をリーンへ戻すことが可能である。
排気触媒装置21の雰囲気がリーン(排気触媒装置21の下流側の空燃比がリーン)のとき、目標空燃比を「-1.2」の「13.3」にして排気触媒装置21の雰囲気をリッチへ戻す。このとき、空燃比をリーン側へ「+1.0」シフトさせる濃度のパージガスが吸気通路11に導入されても、内燃機関10は、目標空燃比が「13.3」であれば、排気触媒装置21の雰囲気をリッチへ戻すことが可能である。
つまり、パージガスの導入による空燃比の変動幅が「1.0」であれば、内燃機関10の空燃比を「14.5」を中心に「±1.2」の振り幅で空燃比フィードバック制御(パータベーション制御)することができる。
一方、例えば、内燃機関10の空燃比を「14.5」を中心に燃料噴射による目標空燃比の振り幅を「±0.5」に設定(リッチ空燃比制御時の目標空燃比を「14.0」、リーン空燃比制御時の目標空燃比を「15.0」)して空燃比フィードバック制御を実施する場合を考える。
排気触媒装置21の雰囲気がリッチ(排気触媒装置21の下流側の空燃比がリッチ)のとき、目標空燃比を「+0.5」の「15.0」にして排気触媒装置21の雰囲気をリーンへ戻す。このとき、空燃比をリッチ側へ「-1.0」シフトさせる濃度のパージガスが吸気通路11に導入されると、内燃機関10は、目標空燃比を「15.0」としても排気触媒装置21の雰囲気をリーンへ戻すことができない。
そのため、内燃機関10は、排気触媒装置21の雰囲気が継続してリッチとなり、HC、CO排出量が悪化する(排気性能が悪化する)。
つまり、内燃機関10を空燃比フィードバック制御する場合には、基準空燃比に対する目標空燃比の振り幅が大きいほどロバスト性が高くなる。ただし、空燃比フィードバック制御における空燃比の振り幅を大きくすると、空燃比のリッチからリーンあるいはリーンからリッチの切替えが頻繁となり、またリッチ判定時における排気中の燃料量が一層多くなるため、HC、COの排出量が増えて排気エミッションが悪化する虞がある。
そこで、キャニスタ18のパージによる空燃比変動が、例えば「±0.3」程度と予想される場合は、空燃比フィードバック制御における目標空燃比の基準空燃比に対する振り幅を例えば「±0.5」のように小さくする。また、キャニスタ18のパージによる空燃比変動が、例えば「±1.0」程度と予想される場合は、空燃比フィードバック制御における目標空燃比の基準空燃比に対する振り幅を例えば「±1.5」のように大きくする。
つまり、制御部としてのコントロールユニット13は、キャニスタ18に吸着した蒸発燃料量(キャニスタ18の吸着割合)、換言すればキャニスタ18の脱離特性に応じて、内燃機関10の空燃比フィードバック制御における目標空燃比の基準空燃比に対する振り幅を変更する。
すなわち、コントロールユニット13は、キャニスタ18の吸着割合が高いとき、内燃機関10の空燃比フィードバック制御における目標空燃比の基準空燃比に対する振り幅が大きくなるように設定し、キャニスタ18の吸着割合が低いとき、内燃機関10の空燃比フィードバック制御における目標空燃比の基準空燃比に対する振り幅が小さくなるよう設定する。詳述すると、コントロールユニット13は、キャニスタ18の吸着割合が高いほど、内燃機関10の空燃比フィードバック制御における目標空燃比の基準空燃比に対する振り幅が大きくなるように設定する。
内燃機関10の空燃比フィードバック制御における目標空燃比の基準空燃比に対する振り幅は、キャニスタ18の吸着割合が高いとき(例えば吸着割合がAのとき)に大きく、キャニスタ18の吸着割合が低いとき(例えば吸着割合がBのとき)に小さくなっている。
また、キャニスタ18の吸着割合がAのときにおけるVapor濃度の推定値のばらつき幅は、キャニスタ18の吸着割合がBのときにおけるVapor濃度の推定値のばらつき幅よりも大きくなる。
そこで、制御部としてのコントロールユニット13は、キャニスタ18に吸着した蒸発燃料量(キャニスタ18の吸着割合)、換言すればキャニスタ18の脱離特性に応じて、空燃比フィードバック制御に用いる学習値の学習頻度を変更する。
キャニスタ18の吸着割合が高いほどVapor濃度の推定値のばらつき幅も大きくなるので、キャニスタ18の吸着割合が高い領域では、空燃比フィードバック制御に用いる学習値の学習頻度を短くすることで、空燃比フィードバック制御の精度(基準空燃比に対する実空燃比の追従性)を向上させることができる。
一方、キャニスタ18の吸着割合が低いほどVapor濃度の推定値のばらつき幅が小さくなるので、キャニスタ18の吸着割合が低い領域では、空燃比フィードバック制御に用いる学習値の学習頻度を長くしても空燃比フィードバック制御の精度(基準空燃比に対する実空燃比の追従性)は確保される。
図3は、キャニスタ18の吸着割合(キャニスタ18に吸着した蒸発燃料量)と、学習値の学習周期との相関を示す脱離特性を模式的に示した特性線図である。
キャニスタ18の吸着割合が低い領域で過剰な学習頻度による空燃比のばらつきを避けるため、学習値の学習の周期(頻度)は、キャニスタ18の吸着割合が高くなるほど短く(低く)、キャニスタ18の吸着割合が低くなるほど長く(高く)なるよう、連続的に可変させる。
これによって、空燃比フィードバック制御におけるロバスト性向上と排気性能向上とを両立させることができる。
また、内燃機関10は、空燃比フィードバック制御におけるロバスト性の向上により、空燃比フィードバック制御における目標空燃比の基準空燃比に対する振り幅を精度良く制御することができる。
内燃機関10は、空燃比フィードバック制御中にパージによりキャニスタ18に吸着した蒸発燃料が吸気通路11に導入されても、排気性能の悪化を抑制(回避)することができる。
学習値は、排気通路12(排気系)に配置された排気触媒装置21の上流側における空燃比である実空燃比を目標空燃比で除して得られる。すなわち、学習値は、A/Fセンサ31の検出値である実空燃比を吸気通路11に導入される蒸発燃料量を考慮して設定された目標空燃比で除して得られる。
吸気通路11に導入される蒸発燃料量の推定値のばらつき(誤差)は、実空燃比と目標空燃比が乖離するほど大きくなる。
これによって、コントロールユニット13は、学習された学習値から吸気通路11に導入される蒸発燃料量(蒸発燃料の濃度)の推定値のばらつきを検出することができる。
また、空燃比フィードバック制御中の燃料噴射量は、学習値に所定のPゲイン(比例ゲイン)を乗じたものである補正学習値を用いて補正される。
吸気通路11に導入される蒸発燃料量の推定値のばらつき(誤差)は、実空燃比と目標空燃比が乖離するほど大きくなる。
これによって、コントロールユニット13は、吸気通路11に導入される蒸発燃料量(蒸発燃料の濃度)の推定値のばらつきによる燃料の過不足を学習して、実空燃比と目標空燃比との乖離を抑制することができる。
学習値の学習は、キャニスタ18のパージにより燃料噴射弁からの燃料噴射量がある程度補正された状態で、さらに学習時に実空燃比や目標空燃比が急変することがないようなタイミングで実施する。すなわち、学習値の学習は、Vapor濃度に応じて設定されるパージ燃料補正比が所定値以下で、排気触媒装置21の酸素ストレージ量が所定範囲(例えば30~70%)にあるときに実施する。パージ燃料補正比は、燃料噴射弁の燃料噴射量を決定する際に用いられるパラメータである。パージ燃料補正比は、Vapor濃度に応じて設定され、Vapor濃度が高いほど小さくなるよう設定される。
これにより、学習値は、確実に学習できるタイミングで学習可能となり、誤学習を抑制することができる。
空燃比フィードバック制御中における燃料噴射弁からの燃料噴射量は、燃料噴射量補正比を用いて算出される。燃料噴射量補正比は、補正学習値にパージ燃料補正比を乗じたものである。
燃料噴射量補正比は、キャニスタ18の吸着割合に応じて変化し、キャニスタ18の吸着割合が低いほど大きな値となる。キャニスタ18の吸着割合が高いほどキャニスタ18のパージにより吸気通路11に導入される蒸発燃料量は多くなるので、補正学習値は、キャニスタ18の吸着割合が高くなるほど燃料噴射弁の燃料噴射量が減量されるように設定される。
なお、燃料噴射量補正比は、学習値を学習するタイミングでステップ的に変化する。また、学習値は、キャニスタ18の吸着割合が高い領域では、キャニスタ18の吸着割合が低い領域に比べて学習の周期が短くなっている。
は、燃料噴射量補正比、排気空燃比及び排気触媒装置21の酸素ストレージ量のキャニスタ18のパージ中の変化を示すタイミングチャートである。図中の時刻t1は、キャニスタ18のパージ開始のタイミングである。図中の時刻t2~t6は、それぞれ学習値の学習タイミングである。図中の時刻t7は、キャニスタ18のパージ終了のタイミングである。
排気触媒装置21の酸素ストレージ量は、目標空燃比(実空燃比)が基準空燃比よりリーン側にあると増加し、目標空燃比(実空燃比)が基準空燃比よりもリッチ側にあると減少する。図中に実線で示す特性線R1は、目標空燃比の変化を示している。図中に破線で示す特性線R2は、実空燃比の変化を示している。
学習値の学習は、排気触媒装置21の酸素ストレージ量が100%となりリーン側の目標空燃比からリッチ側の目標空燃比に切り替わってから排気触媒装置21の酸素ストレージ量が最初に70%になったタイミング、及び排気触媒装置21の酸素ストレージ量が0%となりリッチ側の目標空燃比からリーン側の目標空燃比に切り替わってから排気触媒装置21の酸素ストレージ量が最初に30%になったタイミングで実施される。
つまり、学習値の学習は、目標空燃比がリーンからリッチ、またはリッチからリーンに切り替わってから、排気触媒装置21の酸素ストレージ量が所定範囲内(例えば30%~70%)に最初に到達するタイミング(時刻t2、t3、t4、t5、t6)で実施される。学習値は、時刻t2においては、時刻t2における実空燃比と目標空燃比から算出される。
燃料噴射量補正比は、学習値が更新(学習)されるタイミングでステップ的に変化する。
は、パージ中に内燃機関10を空燃比フィードバック制御した際の空燃比変動と排気性能の相関を示すタイミングチャートである。
キャニスタ18に吸着した蒸発燃料量(キャニスタ18の吸着割合)は、パージが進行すると(パージ開始からのパージ継続時間が長くなるほど)小さくなる。
中の特性線P1は、上述した実施例のように、キャニスタ18の吸着割合に応じて内燃機関10の空燃比フィードバック制御における目標空燃比の基準空燃比に対する振り幅と空燃比フィードバック制御に用いる学習値の学習頻度を変更した場合の空燃比変動を示している。
中の特性線P2は、キャニスタ18の吸着割合に応じて内燃機関10の空燃比フィードバック制御における目標空燃比の基準空燃比に対する振り幅を変化させた場合の空燃比変動を示している。
上述した実施例においては、特性線P1で示されるように、目標空燃比の基準空燃比に対する振り幅を一層小さくすることができる。
そして、上述した実施例においては、特性線Q1で示されるように、NOx及びCO2の排出量を一層抑制することができる。
中の特性線Q1は、空燃比フィードバック制御における目標空燃比の基準空燃比に対する振り幅を図中の特性線P1のように制御した場合のNOx及びCO2の排出量を示している。また、図中の特性線Q2は、空燃比フィードバック制御における目標空燃比の基準空燃比に対する振り幅を図中の特性線P2のように制御した場合のNOx及びCO2の排出量を示している。
は、上述した実施例の内燃機関10の制御の流れを示すフローチャートである。
ステップS1では、学習値の学習頻度を算出する。学習値の学習頻度は、例えば、上述した図3に示すような脱離特性を用いて算出する。
ステップS2では、パージ燃料補正比が予め設定された所定値以下であるか否かを判定する。パージ燃料補正比が所定値以下であれば、ステップS3へ進む。
パージ燃料補正比が所定値以下でなければ今回のルーチンを終了する。パージ燃料補正比が所定値以下であれば、キャニスタ18のパージによりある程度の蒸発燃料が吸気通路11に導入され、燃料噴射弁からの燃料噴射量がある程度補正された状態となっている。
ステップS3では、排気触媒装置21の酸素ストレージ量が予め設定された所定範囲内(例えば30~70%)にあるか否かを判定する。酸素ストレージ量が予め設定された所定範囲内にあり、かつ、前回学習を行ってからステップS1で設定した学習頻度(学習周期)に対応する経過時間が経過していればステップS4へ進む。酸素ストレージ量が予め設定された所定範囲内にないか、または、上記の経過時間が経過していなければ今回のルーチンを終了する。排気触媒装置21の酸素ストレージ量が所定範囲内(例えば30~70%)にあれば、学習時に実空燃比や目標空燃比が急変することがないようなタイミングとなっている。
ステップS4では、目標空燃比を算出する。空燃比フィードバック制御中、目標空燃比は、吸気通路11に導入される蒸発燃料量を考慮して設定される。
ステップS5では、学習値を算出する。学習値は、実空燃比を目標空燃比で除した値である。
ステップS6では、補正学習値を算出する。補正学習値は、学習値に所定のPゲイン(比例ゲイン)を乗じたものである。
ステップS7では、燃料噴射量補正比を算出する。燃料噴射量補正比は、補正学習値にパージ燃料補正比を乗じたものである。
ステップS8では、燃料噴射弁の燃料噴射パルス幅を算出する。燃料噴射パルス幅は、基本噴射パルス幅に、目標燃料過剰比とパージ燃料補正比と振幅増加比とを乗じることで算出される。
基本噴射パルス幅は、内燃機関の運転状態(例えば負荷)に応じて算出される。目標燃料過剰比は、予め設定された定数(固定値)である。
以上、本発明の具体的な実施例を説明してきたが、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、コントロールユニット13は、キャニスタ18の吸着割合(キャニスタ18に吸着した蒸発燃料量)に替えてパージガスの積算流量を代用して、空燃比フィードバック制御における学習値の学習頻度(学習周期)を変更するようにしてもよい。すなわち、内燃機関10は、パージガスの積算流量が少ないほど、空燃比フィードバック制御における学習値の学習頻度(学習周期)を高く(短く)してもよい。
また、本発明は、過給機を具備しない内燃機関に対しても適用可能である。
上述した実施例は、内燃機関の制御方法及び内燃機関の制御装置に関するものである。
10…内燃機関
11…吸気通路
12…排気通路
13…コントロールユニット
15…燃料タンク
16…パージ通路
17…パージコントロール弁
18…キャニスタ
21…排気触媒装置
31…A/Fセンサ
32…酸素センサ
43…エバポ圧力センサ

Claims (3)

  1. 燃料タンクからの蒸発燃料を吸着するキャニスタと、
    上記キャニスタに吸着した蒸発燃料を吸気系に導入する蒸発燃料処理システムと、を有する内燃機関の制御方法であって、
    排気系に配置された排気浄化触媒の上流側に配置された空燃比センサの検出値である実空燃比を吸気系に導入された蒸発燃料を考慮して設定された目標空燃比で除して得られる学習値の学習頻度を変更するものであり、
    燃比フィードバック制御中の燃料噴射量を補正する上記学習値の学習頻度をとある時点における上記キャニスタに吸着した蒸発燃料量が多くなるほど高くなるよう変更することを特徴とする内燃機関の制御方法。
  2. 上記学習値の学習は、当該学習値の値が急変することのないタイミング、すなわち排気系に配置された排気浄化触媒の酸素ストレージ量が所定範囲にあるときに実施することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御方法。
  3. 燃料タンクからの蒸発燃料を吸着するキャニスタと、
    上記キャニスタに吸着した蒸発燃料を吸気系に導入する蒸発燃料処理システムと、
    排気系に配置された排気浄化触媒の上流側に配置された空燃比センサの検出値である実空燃比を吸気系に導入された蒸発燃料を考慮して設定された目標空燃比で除して得られる学習値の学習頻度を変更する制御部と、を有し、
    上記制御部は、空燃比フィードバック制御中の燃料噴射量を補正する上記学習値の学習頻度を上記キャニスタに吸着した蒸発燃料量が多くなるほど高くなるよう変更することを特徴とする内燃機関の制御装置。
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