本発明の新規の特徴は、特に添付の特許請求の範囲に記載される。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が活用されている例示的な実施形態について記載している以下の詳細な説明、および添付の図面を参照することによって得られる。
図1は、HEK293細胞における、野生型ATP7B(配列番号1)の発現レベルの、2つのコドン最適化バリアント(バリアント2(配列番号4)およびバリアント3(配列番号5))と比較した場合の比較を示す。
図2は、マウス肝臓における、野生型ATP7B(配列番号1)の発現レベルの、2つのコドン最適化バリアント(バリアント2(配列番号4)およびバリアント3(配列番号5))と比較した場合の比較を示す。
図3Aは、異なる調節エレメント(例えば、配列番号19および配列番号20)を含むプラスミドの標準化ルシフェラーゼ値を示し、調節エレメントが有したHEK293T細胞におけるルシフェラーゼの発現に対する効果を実証している。例えば、配列番号21(最小CMV(minCMV)プロモーターと組み合わされた配列番号19を含む)は、minCMVプロモーター単独によって駆動された発現の約1.4倍大きく、かつSCPプロモーターによって駆動された発現の約60倍大きいレベルでルシフェラーゼの発現を駆動した。
図3Bは、HEK293T細胞における、SCP、minCMV、およびCAGと比較した、各調節エレメント(例えば、配列番号21および配列番号22)のサイズ標準化活性(標準化ルシフェラーゼ活性を塩基対での調節エレメントの長さで割ることにより計算される)を示す。配列番号22(minCMVプロモーターと連結した配列番号20を含む)は、minCMVプロモーター単独の約3.5倍大きく、かつSCPプロモーターの約140倍大きいレベルでのサイズ標準化活性を生じた。
図3Cは、陰性対照および陽性対照(配列番号22)と比較した、調節エレメント配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、および配列番号39の標準化ルシフェラーゼ発現を示す。調節エレメントの全ては、配列番号22によって駆動された発現のレベルに匹敵する高レベルの標準化ルシフェラーゼ発現を生じた。
図3Dは、HEK293T細胞における、陰性対照、陽性対照(配列番号22)、CMV+CMVe、およびCMV単独と比較した、調節エレメント配列番号34、配列番号36、配列番号32、または配列番号33の標準化ルシフェラーゼ発現を示す。各調節エレメントは、CMV単独およびCMV+CMVeより高いルシフェラーゼ発現を駆動した。
図3Eは、HEK293T細胞における、陰性対照と比較した、調節エレメント配列番号28、配列番号29、配列番号40、配列番号41、配列番号42、および配列番号43の標準化ルシフェラーゼ発現を示す。試験された各調節エレメントは、陰性対照より高いルシフェラーゼ発現を駆動した。
図4は、1E10(または1010)の、マウスあたりゲノムコピー数(gc/マウス)、1E11(または1011)gc/マウス、または1E12(または1012)gc/マウスの用量で、配列番号23の配列を有する調節エレメントを含む発現カセットで処置されたマウスにおけるATP7Bの相対的発現(Log2)を示す。データは、配列番号23を含む発現カセットの用量とin vivoでのATP7Bの発現との間の正相関を示した。
図5は、配列番号26、27、23、25、22、33、または24の配列を有する調節エレメントを含む発現カセットで処置され、かつ5E11(または5×1011)gc/マウスの用量で投与されたマウスにおけるEGFPの相対的発現(Log10)を示す。データは、それらの調節エレメントが、in vivoでのマウスの肝臓において、RNA転写物により測定された場合、EGFP発現のレベルの上昇を生じたことを示している。
図6は、配列番号26、27、23、25、22、33、または24の配列を有する調節エレメントを含む発現カセットで処置され、かつ5E11(または5×1011)gc/マウスの用量で投与されたマウスにおける、GFPを発現する肝細胞のパーセンテージを示す。データは、試験された調節エレメントの多くが、マウスにおいて高いパーセンテージの肝細胞で発現し、配列番号24が、80%より多くの肝細胞において発現した。
図7は、AAV ITR-LおよびITR-R、ならびに大きい導入遺伝子、例えば、ATP7Bのコドン最適化バリアントに作動可能に連結した、本開示の1つまたは複数の比較的短いヒト由来調節エレメント(例えば、配列番号23~43)を含む、本開示の例示的な発現カセット、ベクター、またはプラスミドを示す。そのようなrAAVベクターは、遺伝子治療処置に使用することができる。
図8は、AAV8ウイルスまたはPBS対照で処置されたマウスの肝臓における相対的mRNA発現を示すグラフである。AAV8ウイルスは、いくつかのプロモーターエレメントの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を、ラベルされた濃度で含有した。
図9Aおよび9Bは、AAV8ウイルスまたはPBS対照で処置された、雄(パネルA)および雌(パネルB)の野生型およびATP7B KOマウスの肝臓における相対的タンパク質発現を示すウェスタンブロット分析である。AAV8ウイルスは、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図10Aおよび10Bは、雄(パネルA)および雌(パネルB)マウスにおける、AAV8ウイルスまたはPBS対照で処置された、野生型およびATP7B KOマウスの肝臓における相対的タンパク質発現を示すMSD-ELISA分析を示すグラフである。AAV8ウイルスは、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図11は、AAV8ウイルスまたはPBS対照で処置された、野生型およびATP7B KOマウスにおける、二倍体ゲノムあたりのベクターコピー数を示すグラフである。AAV8ウイルスは、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図12は、AAV8ウイルスまたはPBS対照で処置された、野生型およびATP7B KOマウスにおけるアラニントランスアミナーゼ(ALT)活性を示すグラフである。AAV8ウイルスは、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。統計検定を、ATP7B KO+PBS群とATP7B KO+ウイルス群との間で実施した(*=p<0.05、****=p<1E-5)。
図13は、AAV8ウイルスまたはPBS対照で処置された、野生型およびATP7B KOマウスにおけるアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)活性を示すグラフである。AAV8ウイルスは、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。統計検定を、ATP7B KO+PBS群とATP7B KO+ウイルス群との間で実施した(**=p<0.01、***=p<0.001)。
図14A~14Cは、AAV8ウイルスまたはPBS対照で処置された、WTおよびATP7B KOマウスにおける肝臓傷害および代謝機能の血清化学分析を示す一連のグラフである。(A)ALP、ALT、およびAST;(B)ALB/Glob、アルブミン、抱合型ビリルビン、および総ビリルビン;ならびに(C)コレステロールおよびグルコース。AAV8ウイルスは、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図14A~14Cは、AAV8ウイルスまたはPBS対照で処置された、WTおよびATP7B KOマウスにおける肝臓傷害および代謝機能の血清化学分析を示す一連のグラフである。(A)ALP、ALT、およびAST;(B)ALB/Glob、アルブミン、抱合型ビリルビン、および総ビリルビン;ならびに(C)コレステロールおよびグルコース。AAV8ウイルスは、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図15は、AAV8ウイルスまたはPBS対照で処置された、WTおよびATP7B KOマウスにおけるTIMP1タンパク質レベルを示すグラフである。AAV8ウイルスは、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図16は、AAV8ウイルスまたはPBS対照での処置から21週間後の、野生型およびATP7B KOマウスにおける尿銅濃度を示すグラフである。AAV8ウイルスは、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図17は、AAV8ウイルスまたはPBS対照で処置された、WTおよびATP7B KOマウスにおける最終血清銅レベルを示すグラフである。AAV8ウイルスは、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図18は、AAV8ウイルスまたはPBS対照で処置された、野生型およびATP7B KOマウスにおける脳銅レベル(乾燥重量)を示すグラフである。AAV8ウイルスは、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図19は、AAV8ウイルスまたはPBS対照で処置された、野生型およびATP7B KOマウスにおける肝臓ローダミン染色を示すグラフである。AAV8ウイルスは、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図20A~20Cは、AAV8ウイルスまたはPBS対照で処置された、野生型およびATP7B KOマウスにおける、炎症、線維症、および大細胞変化のスコアを示す一連のグラフである。(A):炎症スコア;(B):線維症スコア、および(C):大細胞変化スコア。AAV8ウイルスは、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図20A~20Cは、AAV8ウイルスまたはPBS対照で処置された、野生型およびATP7B KOマウスにおける、炎症、線維症、および大細胞変化のスコアを示す一連のグラフである。(A):炎症スコア;(B):線維症スコア、および(C):大細胞変化スコア。AAV8ウイルスは、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図20A~20Cは、AAV8ウイルスまたはPBS対照で処置された、野生型およびATP7B KOマウスにおける、炎症、線維症、および大細胞変化のスコアを示す一連のグラフである。(A):炎症スコア;(B):線維症スコア、および(C):大細胞変化スコア。AAV8ウイルスは、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図21Aおよび21Bは、AAV8ウイルスまたはPBS対照で処置された、野生型およびATP7B KOマウスにおける免疫細胞浸潤を示す。AAV8ウイルスは、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。白色矢印は、ATP7B KOマウスにおける免疫細胞浸潤を示す。黒色矢印は、PBSで処置されたATP7B KOマウスの肝臓組織における線維症の結果としてのコラーゲン線維を示す。
図22は、AAV8ウイルスまたはPBS対照で処置された、WTおよびATP7B KOマウスにおけるアルファ-SMA染色を示す。AAV8ウイルスは、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。白色矢印は、PBSで処置されたATP7B KOマウスにおいて観察された肝星細胞の活性化を示す。
図23A(雄)および図23B(雌)は、AAV8ウイルスまたはPBS対照で処置された、WTおよびATP7B KOマウスにおける遺伝子の示差的な遺伝子発現を示すグラフである。AAV8ウイルスは、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図24は、異なる濃度のAAV5、AAV8、またはPBS対照で処置されたマウスにおけるATP7B発現レベルを示すグラフである。AAV5およびAAV8ウイルスは、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図25は、異なる濃度のAAV5もしくはAAV8ウイルス、またはPBS対照で処置された野生型マウスにおける二倍体ゲノムあたりのベクターコピー数を示すグラフである。AAV5およびAAV8ウイルスは、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図26は、異なる濃度のAAV5もしくはAAV8ウイルス、またはPBS対照で処置された野生型マウスにおけるATP7Bタンパク質濃度を示すグラフである。AAV5およびAAV8ウイルスは、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図27は、AAV8ウイルスまたはPBS対照で処置された、野生型およびATP7B KOマウスにおけるセルロプラスミン活性を示すグラフである。AAV8ウイルスは、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図28は、AAV5ウイルスまたはPBS対照で処置された、野生型およびATP7B KOマウスにおけるセルロプラスミン活性を示すグラフである。AAV5ウイルスは、ラベルされているように、配列番号67または配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図29は、AAV8ウイルスまたはPBS対照で処置された、野生型およびATP7B KOマウスにおけるアラニントランスアミナーゼ(ALT)活性を示すグラフである。AAV8ウイルスは、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図30は、AAV8ウイルスまたはPBS対照で処置された、野生型およびATP7B KOマウスにおけるアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)活性を示すグラフである。AAV8ウイルスは、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図31は、AAV5ウイルスまたはPBS対照で処置された、野生型およびATP7B KOマウスにおけるアラニントランスアミナーゼ(ALT)活性を示すグラフである。AAV5ウイルスは、ラベルされているように、配列番号67または配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図32は、AAV5ウイルスまたはPBS対照で処置された、野生型およびATP7B KOマウスにおけるアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)活性を示すグラフである。AAV5ウイルスは、ラベルされているように、配列番号67または配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図33は、異なる濃度のAAV5ウイルス、またはPBS対照で処置された、野生型およびATP7B KOマウスにおけるアラニントランスアミナーゼ(ALT)活性を示すグラフである。AAV5ウイルスは、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図34は、異なる濃度のAAV5ウイルス、またはPBS対照で処置された、野生型およびATP7B KOマウスにおけるアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)活性を示すグラフである。AAV5ウイルスは、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図35は、AAV8ウイルスまたはPBS対照で処置された、WTおよびATP7B KOマウスにおけるTIMP1タンパク質レベルを示すグラフである。AAV8ウイルスは、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図36は、AAV8ウイルスまたはPBS対照で処置された、WTおよびATP7B KOマウスにおける尿銅レベルを示すグラフである。尿試料を、ウイルスが注射されてから3週間後に採取した。AAV8ウイルスは、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図37は、AAV5ウイルスまたはPBS対照で処置された、WTおよびATP7B KOマウスにおける尿銅レベルを示すグラフである。尿試料を、ウイルスが注射されてから16週間後に採取した。AAV5ウイルスは、ラベルされているように、配列番号67または配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図38は、異なる濃度のAAV5ウイルス、またはPBS対照で処置された、WTおよびATP7B KOマウスにおける尿銅レベルを示すグラフである。尿試料を、ウイルスが注射されてから4週間後に採取した。AAV5ウイルスは、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図39は、異なる濃度のAAV5ウイルス、またはPBS対照で処置された、野生型およびATP7B KOマウスにおける用量依存性ATP7B発現を示すグラフである。RNAを、ウイルスが注射されてから8週間後に測定した。AAV5ウイルスは、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図40は、AAV5ウイルスまたはPBS対照で処置された、野生型およびATP7B KOマウスにおけるATP7Bタンパク質濃度を示すグラフである。AAV5ウイルスは、ラベルされているように、配列番号67または配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図41は、異なる濃度のAAV5ウイルス、またはPBS対照で処置された、野生型およびATP7B KOマウスにおけるATP7Bタンパク質濃度を示すグラフである。タンパク質を、ウイルスが注射されてから4週間後または8週間後に測定した。AAV5ウイルスは、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
図42Aおよび42Bは、AAV5ウイルスまたはPBS対照で処置された、雌(パネルA)および雄(パネルB)の野生型およびATP7B KOマウスの肝臓における相対的タンパク質発現を示すウェスタンブロット分析である。AAV5ウイルスは、ラベルされているように、配列番号67または配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有した。
開示の詳細な説明
ATP7Bバリアントヌクレオチド配列、そのような配列を含むベクター、ならびに種々の疾患および障害、特にウィルソン病の処置におけるそれらの使用が本明細書で提供される。
定義
本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「この(the)」は、文脈が明らかに他を示さない限り、複数形も同様に含むことを意図する。さらに、用語「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」またはそれらの異形が詳細な説明および/または特許請求の範囲のいずれかにおいて使用される限りにおいて、かかる用語は、用語「含む(comprising)」と同様の様式で包括的であることを意図する。本明細書に記載される実施形態のいずれにおいても、「含む」は「実質的に~からなる」または「~からなる」で置き換えることができる。
用語「AAV」は、アデノ随伴ウイルスの略称であり、ウイルス自体またはその誘導体を指すために使用し得る。用語は、他が要求される場合を除いて、全ての血清型、サブタイプ、ならびに天然に存在する形態および組換え形態の両方をカバーする。略称「rAAV」は、組換えアデノ随伴ウイルスを指す。用語「AAV」は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、rh10、およびそれらのハイブリッド、トリAAV、ウシAAV、イヌAAV、ウマAAV、霊長類AAV、非霊長類AAVならびにヒツジAAVを含む。種々の血清型のAAVのゲノム配列、ならびにネイティブの末端反復(TR)、Repタンパク質およびカプシドサブユニットの配列は、当該分野で公知である。かかる配列は、文献中またはGenBankなどの公的データベースにおいて見出すことができる。「rAAVベクター」は、本明細書で使用される場合、AAV起源のものではないポリヌクレオチド配列(即ち、AAVに対して異種のポリヌクレオチド)、典型的には、細胞の遺伝子形質転換のための目的の配列を含むAAVベクターを指す。一般に、異種ポリヌクレオチドには、少なくとも1つの、一般には2つのAAV逆位末端反復配列(ITR)が隣接する。rAAVベクターは、一本鎖(ssAAV)または自己相補的(scAAV)のいずれかであり得る。「AAVウイルス」または「AAVウイルス粒子」は、少なくとも1つのAAVカプシドタンパク質およびカプシド封入されたポリヌクレオチドrAAVベクターから構成されるウイルス粒子を指す。粒子が異種ポリヌクレオチド(即ち、野生型AAVゲノム以外のポリヌクレオチド、例えば、哺乳動物細胞中に送達される導入遺伝子)を含む場合、これは、典型的には、「rAAVウイルス粒子」または単に「rAAV粒子」と呼ばれる。
用語「約」または「およそ」は、その値が測定または決定される方法、即ち、測定システムの制限に一部依存する、当業者によって決定される特定の値について許容される誤差範囲内であることを意味する。例えば、「約」は、当該分野の実務に従って、1標準偏差以内または1よりも大きい標準偏差以内であることを意味し得る。あるいは、「約」は、所与の値の最大で20%、最大で15%、最大で10%、最大で5%または最大で1%)の範囲を意味し得る。
用語「決定する」、「測定する」、「評価する(evaluating)」、「評価する(assessing)」、「アッセイする」、「分析する」およびそれらの文法的等価物は、任意の形態の測定を指すために本明細書で相互交換可能に使用し得、エレメントが存在するかしないかを決定すること(例えば、検出)を含む。これらの用語は、定量的決定および/または定性的決定の両方を含み得る。評価は、相対的または絶対的であり得る。
用語「発現」は、核酸配列もしくはポリヌクレオチドがDNA鋳型から(例えば、mRNAまたは他のRNA転写物へと)転写されるプロセス、および/または転写されたmRNAがペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質へと引き続いて翻訳されるプロセスを指す。転写物およびコードされたポリペプチドは、集合的に「遺伝子産物」と呼ばれ得る。ポリヌクレオチドがゲノムDNAに由来する場合、発現は、真核生物細胞におけるmRNAのスプライシングを含み得る。
「発現カセット」は、発現のためのコーディング配列(例えば遺伝子)に作動可能に連結した1つまたは複数の調節エレメントを含む核酸分子を指す。
用語「有効量」または「治療有効量」は、以下に定義される疾患処置が含まれるがこれに限定されない意図した適用に影響を与えるのに十分な、本明細書に記載される組成物の量を指す。治療有効量は、当業者によって容易に決定することができる、意図した処置適用(細胞内またはin vivo)、または処置されている対象および疾患状態、例えば、対象の体重および年齢、疾患状態の重症度、投与の様式などに依存して変動し得る。この用語は、標的細胞において特定の応答を誘導する用量にも当てはまる。具体的な用量は、選択された特定の組成物、従うべき投与レジメン、他の化合物と組み合わせて投与されるかどうか、投与のタイミング、それが投与される組織、およびそれを運搬する物理的送達系に依存して変動する。
ヌクレオチドまたはペプチドの配列の「断片」は、「完全長」の配列と考えられるもの未満である配列を指すことを意味している。
DNAまたはタンパク質の配列の「機能的断片」は、完全長もしくは参照のDNAまたはタンパク質の配列より短いが、完全長もしくは参照のDNAまたはタンパク質の配列の生物活性と実質的に類似した少なくとも1つの生物活性(機能的または構造的のいずれか)を保持している配列の生物学的に活性な断片を指す。
用語「宿主細胞」、「宿主細胞株」、および「宿主細胞培養」は相互交換可能に用いられ、その中に外因性の核酸が導入された細胞を指し、そのような細胞の子孫を含む。宿主細胞は「トランスフォーマント」および「形質転換された細胞」を含み、これらは初代形質転換細胞および継代数に関わらずこれから誘導された子孫を含む。子孫は核酸含量において親細胞と完全に同一でなくてよいが、変異を含んでよい。元の形質転換された細胞においてスクリーニングされまたは選択されたものと同じ機能または生物活性を有する変異子孫は、本明細書に含まれる。
用語「in vitro」は、対象の身体の外側で起こる事象を指す。例えば、in vitroアッセイは、対象の外側で実行される任意のアッセイを包含する。in vitroアッセイは、生きた細胞または死んだ細胞が使用される、細胞に基づくアッセイを包含する。in vitroアッセイは、インタクトな細胞が使用されない無細胞アッセイもまた包含する。
用語「in vivo」は、対象の身体において起こる事象を指す。
「単離された」核酸は、その天然の環境の成分から分離された核酸分子を指す。単離された核酸は、核酸分子を通常含む細胞の中に含まれる核酸分子を含むが、その核酸分子は染色体の外に、天然の染色体位置とは異なる染色体位置に存在し、またはコーディング配列のみを含む。
本明細書で使用される場合、「作動可能に連結した」、「作動可能な連結」、「作用的に連結した」またはそれらの文法的等価物は、遺伝エレメント、例えば、プロモーター、エンハンサー、ポリアデニル化配列などの並置であって、それらのエレメントが、予測された様式でそれらを作動させる関係にある並置を指す。例えば、プロモーターおよび/またはエンハンサー配列を含み得る調節エレメントは、その調節エレメントがコード配列の転写を開始することを助ける場合、コード領域に作用的に連結されている。この機能的関係が維持される限り、調節エレメントとコード領域との間に介在する残基が存在してもよい。
「薬学的に許容される担体」は、対象に対して非毒性の、医薬製剤または組成物中の活性成分以外の成分を指す。薬学的に許容される担体は、緩衝剤、賦形剤、安定剤、または保存剤を含むが、これらに限定されない。
用語「医薬製剤」または「医薬組成物」は、その中に含まれる活性成分の生物活性が効果的であることを許容する形態であって、その製剤が投与される対象に対して許容できないほど毒性の追加の成分を含まない調製物を指す。
一般に、相互交換可能に使用し得る「配列同一性」または「配列相同性」は、それぞれ2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列のヌクレオチド毎またはアミノ酸毎の正確な対応を指す。2つまたはそれより多い配列(ポリヌクレオチドまたはアミノ酸)は、「パーセント相同性」とも呼ばれるその「パーセント同一性」を決定することによって比較することができる。参照配列(例えば核酸またはアミノ酸の配列)に対するパーセント同一性は、参照配列の長さによって除算し100を乗算した、2つの最適にアラインされた配列間の正確なマッチの数として計算することができる。配列同一性のマッチの数を決定する場合に、保存的置換はマッチとして考慮しない。第1の配列(A)の長さが第2の配列(B)の長さと等しくない場合、A:B配列のパーセント同一性はB:A配列のパーセント同一性とは異なることが認識される。例えばパーセント同一性を評価する目的のための配列アラインメントは、Needleman-Wunschアルゴリズム(例えばワールドワイドウェブebi.ac.uk/Tools/psa/emboss_needle/で入手可能なEMBOSS Needleアライナーを参照)、BLASTアルゴリズム(例えばワールドワイドウェブblast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgiで入手可能なBLASTアラインメントツールを参照)、Smith-Watermanアルゴリズム(例えばワールドワイドウェブebi.ac.uk/Tools/psa/emboss_water/で入手可能なEMBOSS Waterアライナーを参照)、およびClustal Omegaアラインメントプログラム(例えばワールドワイドウェブclustal.org/omega/およびF. Sievers et al., Mol Sys Biol. 7: 539 (2011)を参照)を含むがこれらに限定されない任意の好適なアラインメントアルゴリズムまたはプログラムによって実施することができる。BLASTプログラムは、Karlin and Altschul, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2264-2268 (1990)のアラインメント法に基づき、Altschul, et al., J. Mol. Biol. 215:403-410 (1990);Karlin and Altschul, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-5877 (1993);およびAltschul et al., Nucleic Acids Res. 25:3389-3402 (1997)で議論されるとおりである。
用語「対象」および「個体」は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトを指すために、本明細書で相互交換可能に使用される。本明細書に記載される方法は、ヒト治療、獣医学適用、および/または疾患もしくは状態の動物モデルにおける前臨床研究において有用であり得る。
本明細書で使用される場合、用語「処置する」、「処置」、「治療」などは、疾患もしくは障害の進行を軽減、遅延もしくは遅くすること、疾患もしくは障害の影響もしくは症状を低減すること、疾患もしくは障害の開始を予防すること、疾患もしくは障害の再発を予防すること、疾患もしくは障害の開始を阻止し改善すること、疾患、障害、もしくは病態に関して有益なまたは所望の結果、例えば治療上の有益性および/または予防上の有益性を得ることを含むがこれらに限定されない所望の薬学的および/または生理学的な効果を得ることを指す。「処置」は、本明細書で使用される場合、哺乳動物、特にヒトにおける疾患のあらゆる処置を包含し、(a)疾患に罹患しやすい、または疾患に罹患する危険があるが罹患したとはまだ診断されていない対象において疾患が生じることを防止すること、(b)疾患を阻止すること、即ちその進行を阻むこと、および(c)疾患を緩和すること、即ち疾患の退行を惹起することを含む。治療利益には、処置されている根底にある障害の根絶または軽快が含まれる。また、治療利益は、対象が根底にある障害になおも苦しんでいる場合があるにもかかわらず、対象において改善が観察されるような、根底にある障害に関連する生理学的症状の1つまたは複数の根絶または軽快で達成される。一部の場合には、予防利益のために、組成物が、特定の疾患を発達させるリスクがある対象、または疾患の生理学的症状の1つもしくは複数を報告する対象に、この疾患の診断がなされていない場合であっても、投与され得る。本開示の方法は、任意の哺乳動物で使用し得る。一部の場合には、処置は、症状の減少または休止を生じ得る。予防効果には、疾患もしくは状態の出現を遅延もしくは排除すること、疾患もしくは状態の症状の開始を遅延もしくは排除すること、疾患もしくは状態の進行を遅くする、停止させる、もしくは逆転させること、またはそれらの任意の組合せが含まれる。
ヌクレオチド配列の「バリアント」は、最も一般的な野生型DNA配列(例えばそのGenBank受託番号によって参照されるcDNAまたは配列)または特定された参照配列と比較して遺伝的改変または変異を有する配列を指す。
「ベクター」は、本明細書で使用される場合、それが連結された別の核酸分子の、その核酸分子が複製されまたは発現されることができる細胞への送達を媒介するために用いることができる核酸分子を指す。この用語は自己複製型核酸構造としてのベクター、ならびにそれが導入された宿主細胞のゲノムに組み込まれたベクターを含む。ある種のベクターは、それらが作動可能に連結した核酸の発現を指令することができる。そのようなベクターは本明細書で「発現ベクター」と称する。その他のベクターの例には、プラスミドおよびウイルスベクターが含まれる。
他に示さない限り、本明細書で使用される全ての用語は、当業者にとってそれらが有するのと同じ意味を有し、本発明の実施は、当業者の知識の範囲内の分子生物学、微生物学および組換えDNAテクノロジーの従来技術を使用する。
ATP7Bバリアント
銅輸送ATPアーゼ2またはATPアーゼ銅輸送ベータ(ATP7B)は、銅を細胞外に搬出することによって機能するP型カチオン輸送ATPアーゼである。ATP7Bは、胆汁への排泄と機能的セルロプラスミンの合成のためのアポセルロプラスミンへの組み込みの両方のための分泌経路への、細胞内シャペロンタンパク質からの銅の輸送に関与している。ATP7Bに媒介される銅の輸送には、その細胞質N末端ドメインを介する銅と、ヌクレオチド結合ドメインを介するATPとの結合が関与している。次いでATPが加水分解され、ATP7BはPドメインに位置する残基D1027で一時的にリン酸化される。引き続く脱リン酸化によって、膜を通して銅を輸送するために必要なエネルギーが放出される。ヒト酵素をコードする遺伝子は染色体13に位置している(染色体位置13ql4.3、遺伝子名ATP7B)。選択的スプライシングによって産生される5つのアイソフォームがATP7Bについて記載されている。アイソフォーム1(1465アミノ酸長さ)が最長のアイソフォームであり、本明細書でカノニカルまたは野生型配列と称する(NCBI参照配列:NP_000044.2、配列番号1は野生型ヌクレオチド配列であり、配列番号2は本明細書において使用する野生型アミノ酸配列である)。さらなる4つのアイソフォームは、NCBI参照配列NP_001005918.1、NP_001230111.1、NP_001317507.1、NP_001317508.1である。
ATP7Bは銅転位のための細胞膜を通る経路を形成する8個の膜貫通ドメインを有している。ATP7BにはP型ATPアーゼタンパク質ファミリーに特徴的ないくつかの保存されたモチーフが存在する。これらのモチーフはATP触媒に必要であり、ATP結合部位を含むヌクレオチド結合ドメイン(N-ドメイン)、保存されたアスパラギン酸残基を含むリン酸化ドメイン(P-ドメイン)、およびホスファターゼドメインを含むアクチュエータードメイン(A-ドメイン)を含む。高度に保存されたシグネチャー残基、即ちN-ドメインにおけるSEHPL、P-ドメインにおけるDKTG、およびA-ドメインにおけるTGEがこれらのモチーフの中に存在する。タンパク質はまた、膜を通る銅転位に必要な膜内CPCモチーフを含む。ATP7Bはまた、それぞれがほぼ70個のアミノ酸および高度に保存された金属結合モチーフGMxCxxC(ここでxは任意のアミノ酸である)を含む6個の金属結合ドメイン(MBD)(金属結合部位(MBS)または重金属関連(HMA)部位とも呼ばれる)を有する大きなN末端を有する。これらのMBDは、MBD1個あたりCu(I)1原子の化学量論でCu(I)に結合する。ATP7Bのこれらのアミノ末端MBDは、銅転位、キュプロエンザイムへの銅の組み込み、ATPアーゼの活性、局在化および輸送、ならびにタンパク質-タンパク質の相互作用を含むその機能のいくつかの態様と関連している。MDB部位はアミノ末端から開始して、ドメインMBD1(野生型配列におけるアミノ酸59~125)、MBD2(アミノ酸144~210)、MBD3(258~327)、MBD4(360~426)、MBD5(489~555)、およびMBD6(565~631)として同定される。
一態様では、本出願は、機能的ATP7Bタンパク質またはATP7Bタンパク質の機能的断片をコードするバリアントATP7Bヌクレオチド配列を提供する。ATP7Bタンパク質またはその断片が機能的であるか否かを判定するために任意の好適な方法が使用できる。ある特定の実施形態では、機能的ATP7Bタンパク質またはその機能的断片は、野生型タンパク質の1つまたは複数の活性、例えば触媒活性および/または銅輸送活性をin vitroまたはin vivoアッセイで呈することができるものである。ある特定の実施形態では、機能的ATP7Bタンパク質またはその機能的断片は、野生型ATP7Bと比較して少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%の活性を有する。ATP7B活性を測定するためのin vitroアッセイの1つの例には、その中で内因性銅輸送ATPアーゼCCC2が欠失し、そのため分泌コンパートメントへの銅の輸送が妨害され、銅依存性フェロキシダーゼFet3が不活性になっている酵母の株が含まれる。そのような株における機能的ATP7Bタンパク質または機能的断片の発現により、Fet3活性が回復する。R. Tsivkovskii et al., J. Biol. Chem 77(2): 976-983 (2002)、J.R. Forbes et al., Am J Hum Genet. 63: 1663-1674 (1998)、G. Hsi et al., Hum Mutat 29: 491-501 (2008)、およびL.M. Luoma et al., Hum Mutat 31: 569-577 (2010)を参照されたい。ATP7B活性を測定するための別の例示的なin vitroアッセイには、Sf9細胞におけるバキュロウイルス発現システムを用いてATP7Bまたはそのバリアントを発現させ、次いで触媒活性およびベシクルへの銅(64Cu)の輸送を測定することが含まれる。例えばR. Tsivkovskii et al., J. Biol. Chem 77(2): 976-983 (2002)およびD. Huster et al., Gastroenterology 142(4): 947-956 (2012)を参照されたい。例示的な実施形態では、機能的ATP7Bタンパク質またはその機能的断片は、in vivoアッセイ(例えば以下に記載するウィルソン病のマウスモデル)において野生型タンパク質を置換することができるものである。バリアントATP7Bが機能的であるか否かを判定するために、例えば非セルロプラスミン結合型銅(NCCまたは「遊離銅」または銅インデックス)、血清トランスアミナーゼレベル(ALT)、血清銅レベル、24時間尿銅、肝臓の銅レベルの測定、ならびに食事の銅耐性、肝臓の炎症、胆管の増殖、および肝線維症等の種々の因子の臨床評価を含む種々のエンドポイントを用いることができる。ATP7Bバリアントが機能的であるか否かを評価するための例示的なin vivoアッセイには、例えばATP7B遺伝子に大きな欠失を有するLong Evans Cinnamonラット(K. Terada et al. Pediatr Int. 41(4):414-8(1999))、ATP7Bコーディング配列に点変異を有するJacksonの毒性ミルクマウス(E.A. Roberts et al. Mol Genet Metab. 93(l):54-65 (2008))、およびATP7Bマウス(D. Huster D et al. Am J Pathol. 168(2):423-34 (2006))を含むウィルソン病のための種々の動物モデルが含まれる。マウスにおけるATP7B活性を分析するためには標準的な方法が使用できる。例えば、(i)血清トランスアミナーゼ(ALT)レベルは、Hitachi 747 Clinical Analyzer(Hitachi、Tokyo、Japan)を用いるDGKC法(Roche Diagnostics、Mannheim、Germany)によって決定され得、(ii)血清セルロプラスミン活性はSchosinsky et al., Clinical Chemistry 20(12): 1556-1563 (1974)によって記載されたように基質としてo-ジアニシジン二塩酸塩(dihydrochloridc)(4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメトキシ-ビフェニル)(Sigma-Aldrich、San Louis、MO、United States)を用いて分光光度計によって540nmの吸光度を測定することによって決定され得、(iii)尿の銅含量は原子吸光分光法(SIMAA 6000、Perkin-Elmer GmbH、Bodenseewerk)によって決定され得る。犠牲死の後、組織学的判定、ならびに銅の含量、炎症、胆管の増殖、および線維化の分析のために、肝臓を切除することができる。(i)肝臓の銅含量は、原子吸光分光法(SIMAA 6000、Perkin-Eimer GmbH、Bodenseewerk)によって、およびTimmの硫化物銀染色(G. Danscher and J. Zimmer, Histochemistry 55(1): 27-40 (1978))によって、乾燥肝組織で決定することができ、(ii)肝臓の構造はヘマトキシリン(hematozylin)およびエオシンで染色した切片で評価することができ、(iii)抗マウスCD45抗体(例えばBioLegend、San Diego、USA;カタログ番号103102)を用いる免疫組織化学を用いて肝臓における炎症性浸潤を検出することができ、(iv)抗マウスPanCk抗体(例えばInvitrogen/Life Technologies、18-0132、クローンAE1/AE3)を用いる免疫組織化学を用いて胆管細胞を検出することができ、(v)コラーゲンを検出するためのSirius Red染色を用いて線維化を判定することができる。例えばWO2016/097218、WO2017/103624、およびWO2018/126116を参照されたい。一般に、ウィルソン病のATP7Bノックアウトマウスモデルには肝疾患に繋がる肝臓における重篤な銅の蓄積が関与し、血清銅レベルが上昇し、最終的に尿銅レベルがヘテロ接合マウスで観察されるレベルより高くに増加する。これらのin vitroおよびin vivoアッセイにおけるATP7Bバリアントの効果を野生型ATP7B対照と比較して、所望の効果およびそれによる機能活性を探索することができる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、発現を増加させるためにコドン最適化されている。例示的な実施形態では、そのようなバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、特定の細胞または組織型、例えば肝臓または肝臓細胞における発現を増加させるためにコドン最適化されている。ある特定の実施形態では、コドン最適化されているバリアントATP7B配列は、コドン最適化されていないヌクレオチド配列からの同じ機能的ATP7Bタンパク質の発現と比較して少なくとも約2倍、5倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、40倍、50倍、100倍、またはそれより多く、機能的ATP7B配列の発現を増加させる。一実施形態では、コドン最適化されているバリアントATP7B配列は、コドン最適化されていないヌクレオチド配列(例えば配列番号1)からの完全長のATP7Bタンパク質の発現と比較して少なくとも約2倍、5倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、40倍、50倍、100倍、またはそれより多く、完全長のATP7B配列(例えば配列番号2)の発現を増加させる。例示的な実施形態では、コドン最適化されているバリアントATP7B配列は、肝臓または肝臓細胞における機能的ATP7B配列の発現を増加させる。コドン最適化されている配列とコドン最適化されていない配列の発現レベルを比較する場合には、比較は標準的条件、例えば同じまたは類似の発現ベクター、細胞型、培養条件等を用いて行うべきである。ある特定の実施形態では、本明細書で開示されるコドン最適化されているバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型ATP7Bヌクレオチド配列(例えば配列番号1)に対して99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、79%、78%、77%、76%、75%、74%、73%、72%、71%、または70%未満の配列同一性を有する配列を含み、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して少なくとも90%、90.5%、91%、91.5%、92%、92.5%、93%、93.5%、94%、94.5%、95%、95.5%、96%、96.5%、97%、97.5%、98%、98.5%、99%、99.5%、または100%同一の配列を有するタンパク質をコードする。例示的な実施形態では、本明細書で開示されるコドン最適化されているバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型ATP7Bヌクレオチド配列(例えば配列番号1)に対して80%未満の配列同一性を有する配列を含み、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して100%同一のATP7Bタンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、本明細書で開示されるコドン最適化されているバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型ATP7Bヌクレオチド配列(例えば配列番号1)に対して約60~70%、60~75%、60~80%、60~85%、60~90%、60~95%、65~70%、65~75%、65~80%、65~85%、65~90%、65~95%、70~75%、70~80%、70~85%、70~90%、70~95%、75~80%、75~85%、75~90%、75~95%の配列同一性を有する配列を含み、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して少なくとも90%、90.5%、91%、91.5%、92%、92.5%、93%、93.5%、94%、94.5%、95%、95.5%、96%、96.5%、97%、97.5%、98%、98.5%、99%、99.5%、または100%同一の配列を有するタンパク質をコードする。例示的な実施形態では、本明細書で開示されるコドン最適化されているバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型ATP7Bヌクレオチド配列(例えば配列番号1)に対して70~80%の配列同一性を有する配列を含み、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して100%同一のATP7Bタンパク質をコードする。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型配列(例えば配列番号1)の同じ位置に存在するコドンと比較して改変された、少なくとも350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、859、875、900、925、950、975、1000、025、1050、1075、1100、1125、1150、1175、1200、1225、1250、1275、1300、1325、1350、1375、1400、1425、もしくは1450、または約350~1200、350~1100、350~900、350~750、450~1200、450~1100、450~900、450~750、750~1100、750~1200、750~900、900~1200、もしくは900~1100個のコドンを有する。ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型配列(例えば配列番号1)の同じ位置に存在するコドンと比較して改変された、少なくとも20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、もしくは95%、または約20~90%、20~80%、20~70%、20~60%、20~50%、20~40%、30~90%、30~80%、30~70%、30~60%、30~50%、40~90%、40~80%、40~70%、40~60%、40~50%、50~90%、50~80%、50~70%、50~60%、60~90%、60~80%、もしくは60~79%のコドンを有する。例示的な実施形態では、本明細書で開示されるコドン最適化されているバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型配列(例えば配列番号1)の同じ位置に存在するコドンと比較して改変された約500~1100個のコドンを有する配列を含み、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して100%同一のATP7Bタンパク質をコードする。例示的な実施形態では、本明細書で開示されるコドン最適化されているバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型配列(例えば配列番号1)の同じ位置に存在するコドンと比較して改変された約40~70%のコドンを有する配列を含み、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して100%同一のATP7Bタンパク質をコードする。
ATP7B配列は、当技術分野で公知の任意の方法を用いてコドン最適化することができる。例えば、コドン最適化されているATP7B配列は、オンラインで利用可能な方法(例えばIntegrated DNA Technologies(IDT)を参照)、ワールドワイドウェブidtdna.comで利用可能なコドン最適化ツール、またはワールドワイドウェブcs.ubc.ca)で利用可能なCodon Optimizerソフトウェアを用いて、公開された方法(例えばSM Richardson et al., Genome Research 16:550-556 (2006)、A. Villalobos et al., BMC Bioinformatics 7:285 (2006)、W. Gao et al., Biotechnology Progress 20:443-448 (2004)、S. Jayaraj et al., Nucleic Acids Research 33:3011-3016 (2005)、G. Wu et al., Protein Expr Purif. 47:441-445 (2006)、M. Bode et al., Nucleic Acids Research. 37:W214-221 (2009)、D. Raab et al., Systems and Synthetic Biology 4:215-225 (2010)、P. Gaspar et al., Bioinformatics 28:2683-2684 (2012)、E. Angov et al., PloS One 3:e2189 (2008)、A. Fuglsang, Protein Expr Purif. 31:247-249 (2003)、W. Qian et al., PLoS Genetics. 8:e1002603 (2012)、GW Hatfield and DA Roth, Biotechnology Annual Review 13:27-42 (2007)、VP Mauro and SA Chappell, Trends Mol. Med. 20(11): 604-613 (2014)、WO2015/-12924、US2014/0032186、およびUS2006/0136184を参照)を用いて、またはコドン最適化サービスを提供する会社(例えばワールドワイドウェブatum.bioのATUM、またはワールドワイドウェブgenscript.comのGenScriptを参照)を用いて、産生することができる。ある特定の実施形態では、ATP7Bをコードする核酸配列の一部がコドン最適化されている。例示的な実施形態では、ATP7Bをコードする全体の配列がコドン最適化されている。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、ATP7Bの機能的断片またはドメインをコードするように短縮されている。そのような短縮されたATP7Bバリアントヌクレオチド配列は、約5kb未満のパッキング容量を有する遺伝子治療ベクターを構築するために有用であり、それにより完全長のATP7B遺伝子はベクターのパッキング容量に近くなるか、それを超える。例えば、AAVベクターは約4.7kbのパッキング容量を有し、完全長のATP7B遺伝子は約4.4kbであるので、AAVベクターのパッキング容量に近い。ある特定の実施形態では、ATP7Bバリアントヌクレオチド配列は、少なくとも100bp、200bp、300bp、400bp、500bp、600bp、700bp、800bp、900bp、1000bp、1100bp、1200bp、1300bp、1400bp、1500bp、1600bp、1700bp、1800bp、1900bp、もしくは2000bp、または約100~2000bp、100~1500bp、100~1000bp、100~500bp、200~2000bp、200~1500bp、200~100bp、200~500bp、500~2000bp、500~1500bp、500~1000bp、750~2000bp、750~1500bp、750~1000bp、1000~1500bp、もしくは1200~1500bpだけ短縮されている。ある特定の実施形態では、そのようなバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、N末端で、C末端で、N末端もしくはC末端を包含しないATP7Bタンパク質の内部の位置で、またはN末端およびC末端において部分的に短縮された機能的ATP7Bタンパク質をコードする。例示的な実施形態では、バリアントATP7Bヌクレオチド配列は、N末端で短縮された機能的ATP7Bタンパク質をコードする。
ある特定の実施形態では、本明細書で開示されるバリアントATP7Bヌクレオチド配列はコドン最適化されかつ短縮されており、ATP7Bタンパク質の機能的断片をコードする。一実施形態では、バリアントATP7B配列は少なくとも100bp、200bp、300bp、400bp、500bp、600bp、700bp、800bp、900bp、1000bp、1100bp、1200bp、1300bp、1400bp、1500bp、1600bp、1700bp、1800bp、1900bp、もしくは2000bp、または約100~2000bp、100~1500bp、100~1000bp、100~500bp、200~2000bp、200~1500bp、200~1000bp、200~500bp、500~2000bp、500~1500bp、500~1000bp、750~2000bp、750~1500bp、750~1000bp、1000~1500bp、もしくは1200~1500bpだけ短縮されており、ATP7Bの機能的断片をコードし、そのようなバリアント配列は、機能的ATP7B断片の発現を、コドン最適化されていないヌクレオチド配列(例えば配列番号1の断片)からの等価のATP7Bタンパク質断片の発現と比較して少なくとも約2倍、5倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、40倍、50倍、100倍、またはそれより多く増加させるように、コドン最適化されている。例示的な実施形態では、本明細書で開示されるバリアントATP7B配列は、N末端において1~1000bpだけ短縮されており、機能的ATP7B断片をコードし、肝臓または肝臓細胞における発現を、コドン最適化されていない等価のATP7B断片の発現と比較して少なくとも5倍増加させるようにコドン最適化されている。
ある特定の実施形態では、本明細書で開示されるバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、配列番号1~18のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性を有する配列を含む。例示的な実施形態では、そのようなバリアントATP7Bヌクレオチド配列は機能的ATP7Bタンパク質またはその断片をコードする。例示的な実施形態では、本明細書で提供されるバリアントATP7Bヌクレオチド配列は天然に存在しない配列である。
一実施形態では、本明細書で開示されるバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、配列番号3に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する配列を含む。例示的な実施形態では、そのような配列はコドン最適化されており、完全長のATP7Bタンパク質(例えば配列番号2を有する)をコードする。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化配列は、ATP7Bタンパク質の発現を、コドン最適化されていないヌクレオチド配列(例えば配列番号1)からの等価のATP7Bタンパク質の発現と比較して少なくとも約2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、20倍、25倍、30倍、40倍、50倍、100倍、またはそれより多く増加させる。別の実施形態では、本明細書で開示されるバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、ATP7Bの機能的断片をコードする配列番号3の短縮を含む。例えば、ある特定の実施形態では、配列番号3は約100bp、200bp、300bp、400bp、500bp、600bp、700bp、800bp、900bp、1000bp、1100bp、1200bp、1300bp、1400bp、1500bp、1600bp、1700bp、1800bp、1900bp、もしくは2000bp、または約100~2000bp、100~1500bp、100~1000bp、100~500bp、200~2000bp、200~1500bp、200~100bp、200~500bp、500~2000bp、500~1500bp、500~1000bp、750~2000bp、750~1500bp、750~1000bp、1000~1500bp、もしくは1200~1500bpだけ短縮され得、得られる短縮された配列はATP7Bの機能的断片をコードする。一実施形態では、バリアントATP7B配列はN末端において1~1000bpだけ短縮された配列番号3を含み、機能的ATP7B断片をコードし、肝臓または肝臓細胞における発現をコドン最適化されていない等価のATP7B断片の発現と比較して少なくとも5倍増加させるようにコドン最適化されている。例示的な実施形態では、本明細書で開示されるバリアントATP7B配列は、配列番号3を含む。
一実施形態では、本明細書で開示されるバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、配列番号4に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する配列を含む。例示的な実施形態では、そのような配列はコドン最適化されており、完全長のATP7Bタンパク質(例えば配列番号2を有する)をコードする。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化配列は、ATP7Bタンパク質の発現を、コドン最適化されていないヌクレオチド配列(例えば配列番号1)からの等価のATP7Bタンパク質の発現と比較して少なくとも約2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、20倍、25倍、30倍、40倍、50倍、100倍、またはそれより多く増加させる。別の実施形態では、本明細書で開示されるバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、ATP7Bの機能的断片をコードする配列番号4の短縮を含む。例えば、ある特定の実施形態では、配列番号4は約100bp、200bp、300bp、400bp、500bp、600bp、700bp、800bp、900bp、1000bp、1100bp、1200bp、1300bp、1400bp、1500bp、1600bp、1700bp、1800bp、1900bp、もしくは2000bp、または約100~2000bp、100~1500bp、100~1000bp、100~500bp、200~2000bp、200~1500bp、200~100bp、200~500bp、500~2000bp、500~1500bp、500~1000bp、750~2000bp、750~1500bp、750~1000bp、1000~1500bp、もしくは1200~1500bpだけ短縮され得、得られる短縮された配列はATP7Bの機能的断片をコードする。一実施形態では、バリアントATP7B配列はN末端において1~1000bpだけ短縮された配列番号4を含み、機能的ATP7B断片をコードし、肝臓または肝臓細胞における発現をコドン最適化されていない等価のATP7B断片の発現と比較して少なくとも5倍増加させるようにコドン最適化されている。例示的な実施形態では、本明細書で開示されるバリアントATP7B配列は、配列番号4を含む。
一実施形態では、本明細書で開示されるバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、配列番号5に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する配列を含む。例示的な実施形態では、そのような配列はコドン最適化されており、完全長のATP7Bタンパク質(例えば配列番号2を有する)をコードする。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化配列は、ATP7Bタンパク質の発現を、コドン最適化されていないヌクレオチド配列(例えば配列番号1)からの等価のATP7Bタンパク質の発現と比較して少なくとも約2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、20倍、25倍、30倍、40倍、50倍、100倍、またはそれより多く増加させる。別の実施形態では、本明細書で開示されるバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、ATP7Bの機能的断片をコードする配列番号5の短縮を含む。例えば、ある特定の実施形態では、配列番号5は約100bp、200bp、300bp、400bp、500bp、600bp、700bp、800bp、900bp、1000bp、1100bp、1200bp、1300bp、1400bp、1500bp、1600bp、1700bp、1800bp、1900bp、もしくは2000bp、または約100~2000bp、100~1500bp、100~1000bp、100~500bp、200~2000bp、200~1500bp、200~100bp、200~500bp、500~2000bp、500~1500bp、500~1000bp、750~2000bp、750~1500bp、750~1000bp、1000~1500bp、もしくは1200~1500bpだけ短縮され得、得られる短縮された配列はATP7Bの機能的断片をコードする。一実施形態では、バリアントATP7B配列はN末端において1~1000bpだけ短縮された配列番号5を含み、機能的ATP7B断片をコードし、肝臓または肝臓細胞における発現をコドン最適化されていない等価のATP7B断片の発現と比較して少なくとも5倍増加させるようにコドン最適化されている。例示的な実施形態では、本明細書で開示されるバリアントATP7B配列は、配列番号5を含む。
一実施形態では、本明細書で開示されるバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、配列番号6に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する配列を含む。例示的な実施形態では、そのような配列はコドン最適化されており、完全長のATP7Bタンパク質(例えば配列番号2を有する)をコードする。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化配列は、ATP7Bタンパク質の発現を、コドン最適化されていないヌクレオチド配列(例えば配列番号1)からの等価のATP7Bタンパク質の発現と比較して少なくとも約2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、20倍、25倍、30倍、40倍、50倍、100倍、またはそれより多く増加させる。別の実施形態では、本明細書で開示されるバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、ATP7Bの機能的断片をコードする配列番号6の短縮を含む。例えば、ある特定の実施形態では、配列番号3は約100bp、200bp、300bp、400bp、500bp、600bp、700bp、800bp、900bp、1000bp、1100bp、1200bp、1300bp、1400bp、1500bp、1600bp、1700bp、1800bp、1900bp、もしくは2000bp、または約100~2000bp、100~1500bp、100~1000bp、100~500bp、200~2000bp、200~1500bp、200~100bp、200~500bp、500~2000bp、500~1500bp、500~1000bp、750~2000bp、750~1500bp、750~1000bp、1000~1500bp、もしくは1200~1500bpだけ短縮され得、得られる短縮された配列はATP7Bの機能的断片をコードする。一実施形態では、バリアントATP7B配列はN末端において1~1000bpだけ短縮された配列番号6を含み、機能的ATP7B断片をコードし、肝臓または肝臓細胞における発現をコドン最適化されていない等価のATP7B断片の発現と比較して少なくとも5倍増加させるようにコドン最適化されている。例示的な実施形態では、本明細書で開示されるバリアントATP7B配列は、配列番号6を含む。
ある特定の実施形態では、本明細書で開示される調節エレメントに関連して用いられ得るバリアントATP7B配列はWO2017/103624に開示されたコドン最適化されているATP7B配列を含む。そのような実施形態では、バリアントATP7Bヌクレオチド配列は、配列番号7に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する配列を含む。例示的な実施形態では、そのような配列はコドン最適化されており、完全長のATP7Bタンパク質をコードする。別の実施形態では、本明細書で開示されるバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、ATP7Bの機能的断片をコードする配列番号7の短縮を含む。例えば、ある特定の実施形態では、配列番号7は約100bp、200bp、300bp、400bp、500bp、600bp、700bp、800bp、900bp、1000bp、1100bp、1200bp、1300bp、1400bp、1500bp、1600bp、1700bp、1800bp、1900bp、もしくは2000bp、または約100~2000bp、100~1500bp、100~1000bp、100~500bp、200~2000bp、200~1500bp、200~100bp、200~500bp、500~2000bp、500~1500bp、500~1000bp、750~2000bp、750~1500bp、750~1000bp、1000~1500bp、もしくは1200~1500bpだけ短縮され得、得られる短縮された配列はATP7Bの機能的断片をコードする。一実施形態では、バリアントATP7B配列はN末端において1~1000bpだけ短縮された配列番号7を含み、機能的ATP7B断片をコードする。例示的な実施形態では、本明細書で開示される調節配列に関連して用いることができるコドン最適化されているバリアントATP7B配列は配列番号7を含む。
ある特定の実施形態では、本明細書で開示される調節エレメントに関連して用いられ得るバリアントATP7B配列はWO2018/126116に開示されたコドン最適化されているATP7B配列を含む。そのような実施形態では、バリアントATP7Bヌクレオチド配列は、配列番号8に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する配列を含む。例示的な実施形態では、そのような配列はコドン最適化されており、完全長のATP7Bタンパク質をコードする。別の実施形態では、本明細書で開示されるバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、ATP7Bの機能的断片をコードする配列番号8の短縮を含む。例えば、ある特定の実施形態では、配列番号8は約100bp、200bp、300bp、400bp、500bp、600bp、700bp、800bp、900bp、1000bp、1100bp、1200bp、1300bp、1400bp、1500bp、1600bp、1700bp、1800bp、1900bp、もしくは2000bp、または約100~2000bp、100~1500bp、100~1000bp、100~500bp、200~2000bp、200~1500bp、200~100bp、200~500bp、500~2000bp、500~1500bp、500~1000bp、750~2000bp、750~1500bp、750~1000bp、1000~1500bp、もしくは1200~1500bpだけ短縮され得、得られる短縮された配列はATP7Bの機能的断片をコードする。一実施形態では、バリアントATP7B配列はN末端において1~1000bpだけ短縮された配列番号8を含み、機能的ATP7B断片をコードする。WO2018/126116に記載された例示的なコドン最適化され短縮されたバリアントATP7B配列は、最初の2つの金属結合ドメインを除去するように短縮されたコドン最適化バリアントATP7B配列(配列番号9)、最初の4つの金属結合ドメインを除去するように短縮されたコドン最適化バリアントATP7B配列(配列番号10)、最初の5つの金属結合ドメインを除去するように短縮されたコドン最適化バリアントATP7B配列(配列番号11)、第1の金属結合ドメインを除去するように短縮されたコドン最適化バリアントATP7B配列(配列番号12)、第2の金属結合ドメインを除去するように短縮されたコドン最適化バリアントATP7B配列(配列番号13)、および第3の金属結合ドメインを除去するように短縮されたコドン最適化バリアントATP7B配列(配列番号14)を含む。例示的な実施形態では、本明細書で開示される調節配列に関連して用いることができるコドン最適化されているバリアントATP7B配列は配列番号8を含む。例示的な実施形態では、本明細書で開示される調節配列に関連して用いることができるコドン最適化され短縮されたバリアントATP7B配列は配列番号9~14のいずれか1つを含む。
他の実施形態では、本明細書で開示される調節配列に関連して用いることができるコドン最適化され短縮されたバリアントATP7B配列は、最初の3つの金属結合ドメイン(WO2018/126116を参照)または金属結合ドメイン1~4および6(例えばCarter et al., Biochem J. 380: 805-813 (2004)、Gourdon et al., Biol. Chem. 393(4): 205-216 (2012)、Lutsenko et al., Physiological Reviews 87(3): 1011-1046 (2013)、およびUS2015/0045284を参照)を除去するように短縮されたATP7B配列を含む。
ある特定の実施形態では、本明細書で開示される調節配列に関連して用いられ得るバリアントATP7B配列は、WO2016/097218またはWO2016/097219に開示されたコドン最適化ATP7B配列を含む。そのような実施形態では、バリアントATP7Bヌクレオチド配列は、配列番号15に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する配列を含む。例示的な実施形態では、そのような配列はコドン最適化されており、完全長のATP7Bタンパク質をコードする。別の実施形態では、本明細書で開示されるバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、ATP7Bの機能的断片をコードする配列番号15の短縮を含む。例えば、ある特定の実施形態では、配列番号15は約100bp、200bp、300bp、400bp、500bp、600bp、700bp、800bp、900bp、1000bp、1100bp、1200bp、1300bp、1400bp、1500bp、1600bp、1700bp、1800bp、1900bp、もしくは2000bp、または約100~2000bp、100~1500bp、100~1000bp、100~500bp、200~2000bp、200~1500bp、200~100bp、200~500bp、500~2000bp、500~1500bp、500~1000bp、750~2000bp、750~1500bp、750~1000bp、1000~1500bp、もしくは1200~1500bpだけ短縮され得、得られる短縮された配列はATP7Bの機能的断片をコードする。一実施形態では、バリアントATP7B配列はN末端において1~1000bpだけ短縮された配列番号15を含み、機能的ATP7B断片をコードする。WO2016/097219に記載された例示的なコドン最適化され短縮されたバリアントATP7B配列は、金属結合部位または重金属関連(HMA)ドメインの1つまたは複数が除去された、コドン最適化され短縮されたバリアントを含む(例えば、HMA1は野生型ATP7B配列のアミノ酸59~125を含み、HMA2は野生型ATP7B配列のアミノ酸144~210を含み、HMA3は野生型ATP7B配列のアミノ酸258~327を含み、HMA4は野生型ATP7B配列のアミノ酸360~426を含み、HMA5は野生型ATP7B配列のアミノ酸489~555を含み、HMA6は野生型ATP7B配列のアミノ酸565~631を含む)。例示的な実施形態では、バリアントATP7B配列は最初の4つの金属結合ドメインが除去されたタンパク質をコードするように短縮されている。例示的な実施形態では、本明細書で開示される調節配列に関連して用いることができるコドン最適化バリアントATP7B配列は配列番号15を含む。例示的な実施形態では、本明細書で開示される調節配列に関連して用いることができるコドン最適化され短縮されたバリアントATP7B配列は配列番号17を含む。別の実施形態では、本明細書で開示される調節配列に関連して用いることができるバリアントATP7B配列は、配列番号16または18を含む短縮されコドン最適化されていない配列である。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるバリアントATP7B核酸分子は、改変された塩基を何ら含まない。ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるバリアントATP7B核酸分子はDNA分子である。ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるバリアントATP7B核酸分子は、改変された塩基を何ら含まないDNA分子である。
核酸構築物
ある特定の実施形態では、本明細書で開示されるバリアントATP7B構築物は、バリアントATP7B配列に加えて1つまたは複数の調節エレメントを含む核酸構築物の一部である。例示的な実施形態では、本明細書で開示されるバリアントATP7B構築物は、細胞においてバリアントATP7B配列の発現を駆動することが可能なようにATP7B構築物の上流に置かれたプロモーターを含む核酸構築物の一部である。
一実施形態では、本明細書で開示される核酸構築物は、(2)本明細書で開示されるバリアントATP7B配列のいずれか1つ、例えば(i)配列番号1~18(以下の表1に示す)のいずれか1つ、(ii)配列番号1~18のいずれか1つに対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)その機能的断片もしくはバリアントを含むバリアントATP7B配列に作動可能に連結した、(1)(i)配列番号23~43、48~55、もしくは66~70(下の表2および表3に示す)のいずれか1つ、(ii)配列番号23~43、48~55、もしくは66~70のいずれか1つに対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を有するプロモーターを含む。
一実施形態では、本明細書で開示される核酸構築物は、本明細書で開示されるバリアントATP7B配列のいずれか1つ、例えば配列番号1~18(下の表1に示す)のいずれか1つを含むバリアントATP7B配列またはその機能的断片に作動可能に連結した配列番号23~43、48~55、もしくは66~70(下の表2および表3に示す)のいずれか1つを有するプロモーターを含む。別の実施形態では、本明細書で開示される核酸構築物は、本明細書で開示されるバリアントATP7B配列のいずれか1つ、例えば配列番号1~18(下の表1に示す)のいずれか1つを含むバリアントATP7B配列またはその機能的断片に作動可能に連結した配列番号19~43または66~68(下の表2に示す)のいずれか1つのうち2つもしくはそれより多い(例えば2つもしくはそれより多い、3つもしくはそれより多い、4つもしくはそれより多い、5つもしくはそれより多い、または2つ、3つ、4つ、もしくは5つの)組合せを有する調節エレメントを含む。
ある特定の実施形態では、本明細書で開示される核酸構築物は、本明細書で開示されるバリアントATP7B配列のいずれか1つ、例えば配列番号1~18(下の表1に示す)のいずれか1つを含むバリアントATP7B配列またはその機能的断片に作動可能に連結した配列番号23~43もしくは66~68(下の表2に示す)のいずれか1つを有するプロモーターを含む。ある特定の実施形態では、プロモーター配列は、哺乳動物細胞中でCMVプロモーターからの同じバリアントATP7B配列の発現のレベルと比較して少なくとも5倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、もしくは75倍、または少なくとも20~90倍、20~80倍、20~70倍、20~60倍、30~90倍、30~80倍、30~70倍、30~60倍、40~90倍、40~80倍、40~70倍、40~60倍、50~90倍、50~80倍、50~70倍、50~60倍、60~90倍、60~80倍、60~70倍、70~90倍、70~80倍、80~90倍大きなバリアントATP7B配列の発現を生じる。ある特定の実施形態では、プロモーター配列は、高いパーセンテージの肝細胞、例えばバリアントATP7B構築物を発現する核酸構築物を含む少なくとも20%、25%、30%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくはそれより多く、または少なくとも20~90%、20~80%、20~70%、30~90%、30~80%、30~70%、40~90%、40~80%、40~70%、50~90%、50~80%、50~70%、60~90%、60~80%、60~70%、70~90%、70~80%、80~100%、80~95%、80~90%、90~100%、もしくは90~95%の肝細胞におけるバリアントATP7B配列の発現を駆動する。
一実施形態では、本明細書で開示される核酸構築物は、(i)配列番号3~6のいずれか1つ、(ii)配列番号3~6のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むコドン最適化されているバリアントATP7B配列に作動可能に連結した配列番号23~43、48~55、もしくは66~70のいずれか1つを有するプロモーターを含む。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して少なくとも90%、95%、98%、99%、または100%同一の配列を有するタンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7B配列は、例えば配列番号2を有する完全長のATP7Bタンパク質をコードする。
一実施形態では、本開示の核酸構築物は、(i)配列番号3~6のいずれか1つ、(ii)配列番号3~6のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むコドン最適化されているバリアントATP7B配列に作動可能に連結した配列番号22を有するプロモーターを含む。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して少なくとも90%、95%、98%、99%、または100%同一の配列を有するタンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7B配列は、例えば配列番号2を有する完全長のATP7Bタンパク質をコードする。
一実施形態では、本開示の核酸構築物は、(i)配列番号3~6のいずれか1つ、(ii)配列番号3~6のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むコドン最適化されているバリアントATP7B配列に作動可能に連結した配列番号33を有するプロモーターを含む。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して少なくとも90%、95%、98%、99%、または100%同一の配列を有するタンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7B配列は、例えば配列番号2を有する完全長のATP7Bタンパク質をコードする。
一実施形態では、本開示の核酸構築物は、(i)配列番号3~6のいずれか1つ、(ii)配列番号3~6のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むコドン最適化されているバリアントATP7B配列に作動可能に連結した配列番号24を有するプロモーターを含む。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して少なくとも90%、95%、98%、99%、または100%同一の配列を有するタンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7B配列は、例えば配列番号2を有する完全長のATP7Bタンパク質をコードする。
例示的な実施形態では、本開示の核酸構築物は、(i)配列番号4、(ii)配列番号4に対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むコドン最適化されているバリアントATP7B配列に作動可能に連結した配列番号33を有するプロモーターを含む。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して少なくとも90%、95%、98%、99%、または100%同一の配列を有するタンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7B配列は、例えば配列番号2を有する完全長のATP7Bタンパク質をコードする。
例示的な実施形態では、本開示の核酸構築物は、(i)配列番号5、(ii)配列番号5に対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むコドン最適化されているバリアントATP7B配列に作動可能に連結した配列番号33を有するプロモーターを含む。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して少なくとも90%、95%、98%、99%、または100%同一の配列を有するタンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7B配列は、例えば配列番号2を有する完全長のATP7Bタンパク質をコードする。
例示的な実施形態では、本開示の核酸構築物は、(2)(i)配列番号5、(ii)配列番号5に対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むコドン最適化されているバリアントATP7B配列に作動可能に連結した、(1)(i)配列番号24、(ii)配列番号24に対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むプロモーターを含む。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して少なくとも90%、95%、98%、99%、または100%同一の配列を有するタンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7B配列は、例えば配列番号2を有する完全長のATP7Bタンパク質をコードする。
例示的な実施形態では、本開示の核酸構築物は、(i)配列番号4、(ii)配列番号4に対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むコドン最適化されているバリアントATP7B配列に作動可能に連結した配列番号24を有するプロモーターを含む。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して少なくとも90%、95%、98%、99%、または100%同一の配列を有するタンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7B配列は、例えば配列番号2を有する完全長のATP7Bタンパク質をコードする。
例示的な実施形態では、本開示の核酸構築物は、(i)配列番号5、(ii)配列番号5に対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むコドン最適化されているバリアントATP7B配列に作動可能に連結した配列番号24を有するプロモーターを含む。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して少なくとも90%、95%、98%、99%、または100%同一の配列を有するタンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7B配列は、例えば配列番号2を有する完全長のATP7Bタンパク質をコードする。
例示的な実施形態では、本開示の核酸構築物は、(i)配列番号1~18のいずれか1つ、(ii)配列番号1~18のいずれか1つに対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むコドン最適化されているバリアントATP7B配列(2)に作動可能に連結した、(i)配列番号66~68のいずれか1つ、(ii)配列番号66~68のいずれか1つに対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むプロモーター(1)を含む。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して少なくとも90%、95%、98%、99%、または100%同一の配列を有するタンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7B配列は、例えば配列番号2を有する完全長のATP7Bタンパク質をコードする。
例示的な実施形態では、本開示の核酸構築物は、(i)配列番号4、(ii)配列番号4に対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むコドン最適化されているバリアントATP7B配列(2)に作動可能に連結した、(i)配列番号66、(ii)配列番号66に対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むプロモーター(1)を含む。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して少なくとも90%、95%、98%、99%、または100%同一の配列を有するタンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7B配列は、例えば配列番号2を有する完全長のATP7Bタンパク質をコードする。
例示的な実施形態では、本開示の核酸構築物は、(i)配列番号5、(ii)配列番号5に対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むコドン最適化されているバリアントATP7B配列(2)に作動可能に連結した、(i)配列番号66、(ii)配列番号66に対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むプロモーター(1)を含む。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して少なくとも90%、95%、98%、99%、または100%同一の配列を有するタンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7B配列は、例えば配列番号2を有する完全長のATP7Bタンパク質をコードする。
例示的な実施形態では、本開示の核酸構築物は、(i)配列番号4、(ii)配列番号4に対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むコドン最適化されているバリアントATP7B配列(2)に作動可能に連結した、(i)配列番号67、(ii)配列番号67に対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むプロモーター(1)を含む。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して少なくとも90%、95%、98%、99%、または100%同一の配列を有するタンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7B配列は、例えば配列番号2を有する完全長のATP7Bタンパク質をコードする。
例示的な実施形態では、本開示の核酸構築物は、(i)配列番号5、(ii)配列番号5に対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むコドン最適化されているバリアントATP7B配列(2)に作動可能に連結した、(i)配列番号67、(ii)配列番号67に対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むプロモーター(1)を含む。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して少なくとも90%、95%、98%、99%、または100%同一の配列を有するタンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7B配列は、例えば配列番号2を有する完全長のATP7Bタンパク質をコードする。
例示的な実施形態では、本開示の核酸構築物は、(i)配列番号4、(ii)配列番号4に対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むコドン最適化されているバリアントATP7B配列(2)に作動可能に連結した、(i)配列番号68、(ii)配列番号68に対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むプロモーター(1)を含む。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して少なくとも90%、95%、98%、99%、または100%同一の配列を有するタンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7B配列は、例えば配列番号2を有する完全長のATP7Bタンパク質をコードする。
例示的な実施形態では、本開示の核酸構築物は、(i)配列番号5、(ii)配列番号5に対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むコドン最適化されているバリアントATP7B配列(2)に作動可能に連結した、(i)配列番号68、(ii)配列番号68に対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むプロモーター(1)を含む。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して少なくとも90%、95%、98%、99%、または100%同一の配列を有するタンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7B配列は、例えば配列番号2を有する完全長のATP7Bタンパク質をコードする。
一実施形態では、本明細書で開示される核酸構築物は、(i)配列番号3~6のいずれか1つ、(ii)配列番号3~6のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むコドン最適化されているバリアントATP7B配列に作動可能に連結した、サイロキシン結合グロブリン(TBG)プロモーター、改変されたサイロキシン結合グロブリン(TBG-S1)プロモーター、肝特異的トランスサイレチン(TTR)プロモーター、改変されたトランスサイレチン(mTTR)プロモーター、アルファ1アンチトリプシン(A1AT)プロモーター、ヒトアルブミン(humAlb)プロモーター、肝特異的プロモーター(LSP)、およびB型肝炎コアプロモーター(例えばWO2018/126116、Miyatake et al., J. Virol. 71: 5124-32 (1997)、およびSandig et al., Gene Ther. 3: 1002-9 (1996)を参照)からなる群から選択されるプロモーターを含む。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して少なくとも90%、95%、98%、99%、または100%同一の配列を有するタンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7B配列は、例えば配列番号2を有する完全長のATP7Bタンパク質をコードする。
一実施形態では、本明細書で開示される核酸構築物は、(i)配列番号7~18のいずれか1つ、(ii)配列番号7~18のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する配列、または(iii)上記のいずれかの機能的断片を含むバリアントATP7B配列に作動可能に連結した、配列番号21~43または66~68のいずれか1つを有するプロモーターを含む。ある特定の実施形態では、そのようなバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、野生型ATP7Bタンパク質配列(例えば配列番号2)に対して少なくとも90%、95%、98%、99%、または100%同一の配列を有するタンパク質をコードするコドン最適化配列である。ある特定の実施形態では、そのようなコドン最適化バリアントATP7B配列は、(i)配列番号7、8、もしくは15のいずれか1つ、または(ii)配列番号7、8、もしくは15のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する配列を含んでよく、そのようなコドン最適化バリアントATP7B配列は、例えば配列番号2を有する完全長のATP7Bタンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、本明細書で開示される核酸構築物は、ATP7Bタンパク質の機能的断片をコードするように短縮されたコドン最適化バリアントATP7Bヌクレオチド配列を含む。例示的なコドン最適化され短縮されたATP7Bヌクレオチド配列は、(i)配列番号9~14または17のいずれか1つ、または(ii)配列番号9~14または17のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する配列を含んでよく、そのようなコドン最適化され短縮されたバリアントATP7Bヌクレオチド配列は、ATP7Bの機能的断片をコードする。ある特定の実施形態では、本明細書で開示される核酸構築物は、ATP7Bタンパク質の機能的断片をコードするように短縮されたバリアントATP7Bヌクレオチド配列を含む。例示的な短縮されたATP7Bヌクレオチド配列は、(i)配列番号16もしくは18のいずれか1つ、または(ii)配列番号16もしくは18のいずれか1つに対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する配列を含んでよく、そのような短縮されたバリアントATP7Bヌクレオチド配列はATP7Bの機能的断片をコードする。
別の態様では、本出願は、配列番号66~68のいずれか1つに対して少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含む調節エレメントを含む核酸構築物を提供する。ある特定の実施形態では、そのような調節エレメントは、配列番号66~68のいずれか1つに対して少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する。ある特定の実施形態では、調節エレメントは、150bp、140bp、130bp、125bp、120bp、119bp、118bp、117bp、116bp、115bp、114bp、113bp、112bp、111bp、110bp、105bp、100bp、99bp、98bp、97bp、96bp、95bp、94bp、93bp、92bp、91bp、90bp、85bp、80bp、または75bp未満のbpを有する。ある特定の実施形態では、調節エレメントは、約75~150bp、75~140bp、75~130bp、75~120bp、75~110bp、75~100bp、75~90bp、80~150bp、80~140bp、80~130bp、80~120bp、80~110bp、80~100bp、80~90bp、85~150bp、85~140bp、85~130bp、85~120bp、85~110bp、85~100bp、85~90bp、90~150bp、90~140bp、90~130bp、90~120bp、90~110bp、90~100bp、95~150bp、95~140bp、95~130bp、95~120bp、95~110bp、95~100bp、100~150bp、100~140bp、100~130bp、100~120bp、または100~110bpを有する。ある特定の実施形態では、そのような調節エレメントは、哺乳動物細胞中で、例えばCMV、mTTR、またはアルファ1アンチトリプシンプロモーター等の対照プロモーターからの同じ導入遺伝子配列の発現のレベルと比較して少なくとも5倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、もしくは75倍、または少なくとも20~90倍、20~80倍、20~70倍、20~60倍、30~90倍、30~80倍、30~70倍、30~60倍、40~90倍、40~80倍、40~70倍、40~60倍、50~90倍、50~80倍、50~70倍、50~60倍、60~90倍、60~80倍、60~70倍、70~90倍、70~80倍、80~90倍大きな導入遺伝子の発現を生じる。ある特定の実施形態では、そのような調節エレメントは、高いパーセンテージの肝細胞、例えば導入遺伝子配列を発現する核酸構築物を含む少なくとも20%、25%、30%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくはそれより多く、または少なくとも20~90%、20~80%、20~70%、30~90%、30~80%、30~70%、40~90%、40~80%、40~70%、50~90%、50~80%、50~70%、60~90%、60~80%、60~70%、70~90%、70~80%、80~100%、80~95%、80~90%、90~100%、もしくは90~95%の肝細胞における導入遺伝子配列の発現を駆動する。ある特定の実施形態では、そのような調節エレメントは、例えばATPアーゼ銅輸送アルファ(ATP7A)、ATPアーゼ銅輸送ベータ(ATP7B)、ATPアーゼリン脂質輸送8B1(ATP8B1)、ATP結合カセットサブファミリーBメンバー4(ABCB4)、ATP結合カセットサブファミリーBメンバー4(ABCB11)、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)、コンタクチン随伴タンパク質様2(CNTNAP2)、亜鉛フィンガーE-ボックス結合ホメオボックス2(ZEB2)、第V因子、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子、第XI因子、もしくは第XII因子、またはそれらのバリアントもしくは機能的断片等の治療用導入遺伝子に作動可能に連結している。ある特定の実施形態では、治療用導入遺伝子は、第VIII因子またはそのバリアントもしくは機能的断片をコードする。ある特定の実施形態では、治療用導入遺伝子は、ATP7Bまたはそのバリアントもしくは機能的断片をコードする。ある特定の実施形態では、治療用導入遺伝子は、例えば肝臓等の特定の細胞または組織型における発現のためにコドン最適化されている。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される核酸構築物は、プロモーターに加えて、例えば転写の開始または終止に関連する配列、エンハンサー配列、および効率的なRNAプロセシングシグナル等の、別の調節エレメントを含む。例示的な調節エレメントには、例えば、イントロン、エンハンサー、UTR、安定性エレメント、WPRE配列、Kozakコンセンサス配列、翻訳後応答エレメントもしくはポリアデニル化(ポリA)配列、またはそれらの組合せが含まれる。調節エレメントは、遺伝子発現の転写段階、転写後段階または翻訳段階において遺伝子発現をモジュレートするように機能し得る。RNAレベルにおいて、調節は、翻訳(例えば、翻訳のためにmRNAを安定化する安定性エレメント)、RNA切断、RNAスプライシングおよび/または転写終結のレベルにおいて生じ得る。種々の実施形態では、調節エレメントは、コード領域に、目的の細胞型における遺伝子発現選択性を増加させる、RNA転写物が産生される速度を増加させる、産生されたRNAの安定性を増加させる、および/またはRNA転写物からのタンパク質合成の速度を増加させる転写因子を動員し得る。
一実施形態では、本明細書に記載される核酸構築物は、エンハンサー配列をさらに含む。例示的なエンハンサー配列には、例えばEn34エンハンサー(ヒトアポリポタンパク質肝変制御領域からの34bpコアエンハンサー)、EnTTRエンハンサー(トランスサイレチンからの100bpエンハンサー配列)、α1-ミクログロブリン/ビクニン前駆体エンハンサー、ABPSエンハンサー(α1-ミクログロブリン/ビクニン前駆体からの100bpの遠位エンハンサーの42bpへの短縮バージョン)、またはApoEエンハンサーが含まれる。例えばWO2018/126116およびWu et al., Mol Therapy 16(2): 280-289 (2008)を参照されたい。別の実施形態では、好適なエンハンサー配列は、配列番号19または配列番号20を含むイントロン性配列である。ある特定の実施形態では、エンハンサー配列は、本明細書に記載される核酸構築物において導入遺伝子およびプロモーターの上流、またはプロモーターと導入遺伝子との間に位置する。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される核酸構築物は、ポリA配列をさらに含む。適切なポリA配列には、例えば、約75bp長である人工ポリA(PA75)(例えば、WO2018/126116を参照のこと)、ウシ成長ホルモンポリA、SV40初期ポリAシグナル、SV40後期ポリAシグナル、ウサギベータグロビンポリA、HSVチミジンキナーゼポリA、プロタミン遺伝子ポリA、アデノウイルス5 EIbポリA、成長ホルモンポリAまたはPBGDポリAが含まれる。ある特定の実施形態では、ポリA配列は、本明細書に記載される核酸構築物において導入遺伝子の下流に位置する。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される核酸分子に従う使用に適した調節エレメントは、500bp、450bp、400bp、350bp、300bp、250bp、225bp、200bp、175bp、150bp、145bp、140bp、135bp、130bp、125bp、120bp、115bp、110bp、105bp、100bp、95bp、90bp、85bp、80bp、もしくは75bp未満のbp、または約80~300bp、80~275bp、80~250bp、80~200bp、80~150bp、80~125bp、80~120bp、80~115bp、80~110bp、80~105bp、80~100bp、85~300bp、85~275bp、85~250bp、85~200bp、85~150bp、85~125bp、85~120bp、85~115bp、85~110bp、85~105bp、85~100bp、90~300bp、90~275bp、90~250bp、90~200bp、90~150bp、90~125bp、90~120bp、90~115bp、90~110bp、90~105bp、90~100bp、95~300bp、95~275bp、95~250bp、95~200bp、95~150bp、95~125bp、95~120bp、95~115bp、95~110bp、95~105bp、95~100bp、100~300bp、100~275bp、100~250bp、100~200bp、100~150bp、100~125bp、100~120bp、100~115bp、100~110bp、もしくは100~105bpを含む。例示的な実施形態では、本明細書に記載される核酸分子に従う使用に適した調節エレメントは、約100~120bp、約117bp、または約100bpを含む。
ある特定の実施形態では、ATP7B核酸配列および調節エレメントを含む本明細書に記載される核酸構築物はAAVベクターでのパッケージングに適しており、例えば約4.7Kb未満からなる。ある特定の実施形態では、ATP7B核酸配列および調節エレメントを含む本明細書に記載される核酸構築物は、約4,450~4,550bp、4,450~4,540bp、4,450~4,530bp、4,450~4,520bp、4,450~4,510bp、4,450~4,500bp、4,460~4,550bp、4,460~4,540bp、4,460~4,530bp、4,460~4,520bp、4,460~4,510bp、4,460~4,500bp、4,470~4,550bp、4,470~4,540bp、4,470~4,530bp、4,470~4,520bp、4,470~4,510bp、4,470~4,500bp、4,480~4,550bp、4,480~4,540bp、4,480~4,530bp、4,480~4,520bp、4,480~4,510bp、4,480~4,500bp、4,490~4,550bp、4,490~4,540bp、4,490~4,530bp、4,490~4,520bp、4,490~4,510bp、もしくは4,490~4,500bpからなり、または約4,498bpもしくは約4,515bpからなる。例示的な実施形態では、そのような核酸構築物は、完全長のATP7Bタンパク質、例えば配列番号2を有するATP7Bタンパク質をコードする。
発現ベクター
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されたバリアントATP7Bヌクレオチド配列または発現構築物は、発現ベクターに組み込まれ得る。
発現ベクターは、トランスフェクションまたは形質導入を介して標的細胞に核酸分子を送達するために使用し得る。ベクターは、組み込みまたは非組み込みベクターであり得、これは、宿主細胞のゲノム中に発現カセットまたは導入遺伝子を組み込むベクターの能力を指す。発現ベクターの例には、以下が含まれるがこれらに限定されない:(a)非ウイルスベクター、例えば、直鎖状オリゴヌクレオチドおよび環状プラスミドを含む核酸ベクター;人工染色体、例えば、ヒト人工染色体(HAC)、酵母人工染色体(YAC)および細菌人工染色体(BACまたはPAC);エピソームベクター;トランスポゾン(例えば、PiggyBac);ならびに(b)ウイルスベクター、例えば、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクターおよびアデノ随伴ウイルスベクター。
発現ベクターは、直鎖状オリゴヌクレオチドまたは環状プラスミドであり得、物理的方法および化学的方法を含む種々のトランスフェクション法を介して、細胞に送達し得る。物理的方法は、一般に、遺伝子材料の細胞内送達を促進するにあたって、細胞膜障壁に対抗するために物理的力を使用する送達の方法を指す。物理的方法の例には、針の使用、弾道DNA(ballistic DNA)、電気穿孔、ソノポレーション(sonoporation)、フォトポレーション(photoporation)、マグネトフェクションおよびハイドロポレーション(hydroporation)が含まれる。化学的方法は、一般に、化学的担体が核酸分子を細胞に送達する方法を指し、これには、無機粒子、脂質に基づくベクター、ポリマーに基づくベクターおよびペプチドに基づくベクターが含まれ得る。
一部の実施形態では、発現ベクターは、無機粒子を使用して標的に投与される。無機粒子は、細網内皮系から回避するように、または捕捉された分子を分解から保護するために様々なサイズ、形状、および/または多孔度について操作されているナノ粒子などのナノ粒子を指し得る。無機ナノ粒子は、金属(例えば、鉄、金、および銀)、無機塩、またはセラミックス(例えば、カルシウム、マグネシウム、またはケイ素のリン酸塩または炭酸塩)から調製することができる。これらのナノ粒子の表面は、DNA結合または標的化遺伝子送達を促進するためにコーティングすることができる。磁性ナノ粒子(例えば、超磁性酸化鉄)、フラーレン(例えば、可溶性炭素分子)、炭素ナノチューブ(例えば、円柱状フラーレン)、量子ドット、および超分子系もまた使用され得る。
一部の実施形態では、発現ベクターは、カチオン性脂質(例えば、カチオン性リポソーム)を使用して、標的細胞に投与される。種々の型の脂質が、遺伝子送達、例えば、脂質ナノエマルジョン(例えば、これは、乳化剤によって安定化した別の不混和性液体中の1つの不混和性液体の分散物である)または固体脂質ナノ粒子などについて調査されている。
一部の実施形態では、発現ベクターは、ペプチドに基づく送達ビヒクルを使用して、標的細胞に投与される。ペプチドに基づく送達ビヒクルは、送達される遺伝子材料を保護する、特異的細胞受容体を標的化する、エンドソーム膜を破壊する、および遺伝子材料を核中に送達するという利点を有し得る。一部の実施形態では、発現ベクターは、ポリマーに基づく送達ビヒクルを使用して、標的細胞に投与される。ポリマーに基づく送達ビヒクルは、天然のタンパク質、ペプチドおよび/もしくは多糖または合成ポリマーを含み得る。一実施形態では、ポリマーに基づく送達ビヒクルは、ポリエチレンイミン(PEI)を含む。PEIは、アニオン性細胞表面残基に結合しエンドサイトーシスを介して細胞中に持ち込まれる正に荷電した粒子へと、DNAを凝縮させ得る。他の実施形態では、ポリマーに基づく送達ビヒクルは、ポリ-L-リシン(PLL)、ポリ(DL-乳酸)(PLA)、ポリ(DL-ラクチド-コ-グリコシド)(PLGA)、ポリオルニチン、ポリアルギニン、ヒストン、プロタミン、デンドリマー、キトサン、デキストランの合成アミノ誘導体、および/またはカチオン性アクリルポリマーを含み得る。ある特定の実施形態では、ポリマーに基づく送達ビヒクルは、ポリマー、例えば、PEGおよびPLLなどの混合物を含み得る。
ある特定の実施形態では、発現ベクターは、遺伝子治療に適切なウイルスベクターであり得る。ウイルス遺伝子治療ベクターまたは遺伝子送達ベクターの好ましい特徴には、再現性よく安定に繁殖および高い力価まで精製される能力;標的化された送達を媒介する能力(例えば、他の場所での広いベクター散在なしに目的の組織または臓器に導入遺伝子を特異的に送達する能力);ならびに有害な副作用を誘導することなしに遺伝子送達および導入遺伝子発現を媒介する能力が含まれ得る。
いくつかの型のウイルス、例えば、アデノ随伴ウイルスと呼ばれる非病原性パルボウイルスが、ウイルス感染経路を利用し、但し複製および毒性をもたらし得るウイルス遺伝子の引き続く発現を回避することによって、遺伝子治療を目的として操作により作製されている。かかるウイルスベクターは、ウイルスゲノムからコード領域の全てまたは一部を欠失させるが、機能、例えば、ウイルスカプシド中へのベクターゲノムのパッケージングまたは宿主クロマチン中へのベクター核酸(例えば、DNA)の組み込みのために必要であり得るインタクトな配列(例えば、末端反復配列)を残すことによって得ることができる。
種々の実施形態では、適切なウイルスベクターには、レトロウイルス(例えば、A型、B型、C型およびD型ウイルス)、アデノウイルス、パルボウイルス(例えば、アデノ随伴ウイルス即ちAAV)、コロナウイルス、マイナス鎖RNAウイルス、例えば、オルソミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)、ラブドウイルス(例えば、狂犬病および水疱性口内炎ウイルス)、パラミクソウイルス(例えば、麻疹およびセンダイ)、プラス鎖RNAウイルス、例えば、ピコルナウイルスおよびアルファウイルス、ならびにアデノウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス1型および2型、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス)およびポックスウイルス(例えば、ワクシニア、鶏痘およびカナリアポックス)を含む二本鎖DNAウイルスが含まれる。レトロウイルスの例には、トリ白血症肉腫ウイルス、ヒトTリンパ球向性ウイルス1型(HTLV-1)、ウシ白血病ウイルス(BLV)、レンチウイルスおよびスプーマウイルスが含まれる。他のウイルスには、例えば、ノーウォークウイルス、トガウイルス、フラビウイルス、レオウイルス、パポバウイルス、ヘパドナウイルスおよび肝炎ウイルスが含まれる。ウイルスベクターは、宿主ゲノム中に組み込まれるそれらの能力に従って、2つの群 - 組み込みおよび非組み込みに分類され得る。オンコレトロウイルス(oncoretrovirus)およびレンチウイルスは、宿主細胞クロマチン中に組み込まれ得るが、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルスおよびヘルペスウイルスは、細胞核中で染色体外エピソームとして優勢に存続する。
ある特定の実施形態では、適切なウイルスベクターは、レトロウイルスベクターである。レトロウイルスは、レトロウイルス科のウイルスを指す。レトロウイルスの例には、オンコレトロウイルス、例えば、マウス白血病ウイルス(MLV)、およびレンチウイルス、例えば、ヒト免疫不全ウイルス1(HIV-1)が含まれる。レトロウイルスゲノムは、一本鎖(ss)RNAであり、シスまたはトランスで提供され得る種々の遺伝子を含む。例えば、レトロウイルスゲノムは、遺伝子発現、逆転写および宿主染色体中への組み込みのためのエレメントと共に、シス作用性配列、例えば、2つの長い末端反復(LTR)を含み得る。他の成分には、新たに形成されたビリオン中への特異的RNAパッケージングのためのパッケージングシグナル(プサイ即ちψ)、および逆転写の間のプラス鎖DNA合成の開始の部位であるポリプリントラクト(PPT)が含まれる。さらに、レトロウイルスゲノムは、gag、polおよびenv遺伝子を含み得る。gag遺伝子は、構造タンパク質をコードし、pol遺伝子は、ssRNAに付随しウイルスRNAのDNAへの逆転写を実行する酵素をコードし、env遺伝子は、ウイルスエンベロープをコードする。一般に、gag、polおよびenvは、ウイルスの複製およびパッケージングのためにトランスで提供される。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるレトロウイルスベクターは、レンチウイルスベクターであり得る。少なくとも5つの血清群または血清型のレンチウイルスが認識されている。異なる血清型のウイルスは、ある特定の細胞型および/または宿主に示差的に感染し得る。レンチウイルスには、例えば、霊長類レトロウイルスおよび非霊長類レトロウイルスが含まれる。霊長類レトロウイルスには、HIVおよびサル免疫不全ウイルス(SIV)が含まれる。非霊長類レトロウイルスには、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)、ウシ免疫不全ウイルス(BIV)、ヤギ関節炎脳炎ウイルス(CAEV)、ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)およびビスナウイルスが含まれる。レンチウイルスまたはレンチベクターは、静止状態の細胞を形質導入することが可能であり得る。オンコレトロウイルスベクターと同様、レンチベクターの設計は、シス作用性配列およびトランス作用性配列の分離に基づき得る。
ある特定の実施形態では、本出願は、最適化された治療的レトロウイルスベクターによる送達のために設計された発現ベクターを提供する。レトロウイルスベクターは、左(5’)LTR;ウイルスのパッケージングおよび/または核インポートを補助する配列;プロモーター;必要に応じて1つまたは複数のさらなる調節エレメント(例えば、エンハンサーまたはポリA配列など);必要に応じてレンチウイルス逆応答エレメント(RRE);バリアントATP7B導入遺伝子;必要に応じてインスレーター;ならびに右(3’)レトロウイルスLTRを含むレンチウイルスであり得る。
例示的な実施形態では、本明細書で提供されるウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)である。AAVは、ヒトおよび一部の他の霊長類種に感染する小さい複製欠損非エンベロープ型動物ウイルスである。AAVは、ヒト疾患を引き起こさないことが公知であり、軽度の免疫応答を誘導する。AAVベクターはまた、宿主細胞ゲノム中に組み込まれることなしに、分裂細胞および静止状態の細胞の両方に感染できる。
AAVゲノムは、約4.7kb長の直鎖状一本鎖DNAからなる。ゲノムは、約145bp長の逆位末端反復(ITR)配列が隣接する2つのオープンリーディングフレーム(ORF)からなる。ITRは、パリンドローム配列を含む5’末端におけるヌクレオチド配列(5’ITR)および3’末端に位置するヌクレオチド配列(3’ITR)からなる。これらのITRは、相補的塩基対合によって、第2鎖合成のためのDNA複製の開始の間にプライマーとして機能するT字型ヘアピン構造を形成するように折り畳まれることによって、シスで機能する。2つのオープンリーディングフレームは、ビリオンの複製およびパッケージングに関与するrep遺伝子およびcap遺伝子をコードする。例示的な実施形態では、本明細書で提供されるAAVベクターは、rep遺伝子もcap遺伝子も含まない。かかる遺伝子は、以下にさらに記載されるように、ビリオンを産生するためにトランスで提供され得る。
ある特定の実施形態では、AAVベクターは、スタッファー核酸を含み得る。一部の実施形態では、スタッファー核酸は、緑色蛍光タンパク質またはカナマイシンもしくはアンピシリンなどの抗生物質耐性遺伝子をコードし得る。ある特定の実施形態では、スタッファー核酸は、ITR配列の外側に配置してよい(例えば、5’ITR配列と3’ITR配列との間に位置するバリアントATPB導入遺伝子配列および調節配列と比較して)。
AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12およびAAV13を含む種々の血清型のAAVが存在する。これらの血清型は、それらのトロピズム、またはそれらが感染する細胞の型が異なる。AAVは、複数の血清型由来のゲノムおよびカプシドを含み得る(例えば、シュードタイプ)。例えば、AAVは、血清型5または血清型8由来のカプシド中にパッケージングされた血清型2のゲノム(例えば、ITR)を含み得る。シュードタイプは、形質導入効率を改善し得るだけでなく、トロピズムを変更させ得る。
一部の実施形態では、AAVベクターまたはAAVウイルス粒子もしくはビリオンが、バリアントATP7B導入遺伝子を細胞、細胞型、または組織に送達するために使用され得、in vivo、ex vivo、またはin vitroのいずれかで行われ得る。例示的な実施形態では、そのようなAAVベクターは、複製欠損性である。一部の実施形態では、AAVウイルスは、それが、ヘルパー因子の存在下でのみ、複製し、ビリオンを産生することができるように操作または遺伝子改変される。
例示的な実施形態では、本出願は、AAVによる送達のために設計された発現ベクターを提供する。AAVは、任意の血清型、例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV3b、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV-DJ、またはキメラ、ハイブリッドもしくはバリアントAAVであり得る。AAVはまた、自己相補的AAV(scAAV)であり得る。ある特定の実施形態では、AAVによる送達のために設計された発現ベクターは、5’ITRおよび3’ITRを含む。ある特定の実施形態では、AAVによる送達のためにデザインされた発現ベクターは、5’ITR、プロモーター、ATP7B導入遺伝子、および3’ITRを含む。ある特定の実施形態では、AAVによる送達のためにデザインされた発現ベクターは、5’ITR、エンハンサー、プロモーター、ATP7B導入遺伝子、ポリA配列、および3’ITRを含む。例示的な実施形態では、AAVによる送達のためにデザインされた発現ベクターは、5’ITR、配列番号21~55のいずれか1つまたはそのバリアントもしくは機能的断片を含むプロモーター、配列番号1~18のいずれか1つまたはそのバリアントもしくは機能的断片を含むATP7B導入遺伝子、および3’ITRを含む。一実施形態では、AAVによる送達のためにデザインされた発現ベクターは、5’ITR、配列番号21~55のいずれか1つまたはそのバリアントもしくは機能的断片を含むプロモーター、配列番号3~6のいずれか1つまたはそのバリアントもしくは機能的断片を含むATP7B導入遺伝子、および3’ITRを含む。別の実施形態では、AAVによる送達のためにデザインされた発現ベクターは、5’ITR、配列番号15~17のいずれか1つまたはそのバリアントもしくは機能的断片を含むプロモーター、配列番号4または5のいずれか1つを含むATP7B導入遺伝子、および3’ITRを含む。別の実施形態では、AAVによる送達のためにデザインされた発現ベクターは、5’ITR、配列番号21~47のいずれか1つまたはそのバリアントもしくは機能的断片を含むプロモーター、配列番号7~18のいずれか1つを含むATP7B導入遺伝子、および3’ITRを含む。別の実施形態では、AAVによる送達のためにデザインされた発現ベクターは、5’ITR、配列番号23~43のいずれか1つまたはそのバリアントもしくは機能的断片を含むプロモーター、配列番号7、8、または15のいずれか1つを含むATP7B導入遺伝子、および3’ITRを含む。
宿主細胞
別の態様では、本発明は、本発明のバリアントATP7B配列を含む核酸分子または発現ベクターを含む宿主細胞に関する。宿主細胞は、細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞または哺乳動物細胞であり得る。例示的な実施形態では、宿主細胞は、目的のウイルスによる感染に対して感受性であり、in vitroでの培養に適した任意の細胞系を指す。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される宿主細胞は、ex vivo遺伝子治療を目的として使用し得る。かかる実施形態では、細胞に、本発明のバリアントATP7B配列を含む核酸分子または発現ベクターをトランスフェクトし、患者または対象中に引き続いて移植する。移植された細胞は、自家、同種または異種の起源を有し得る。臨床使用のために、細胞単離は、一般に、優良医薬品製造基準(GMP)条件下で実施される。移植前に、細胞の品質、および微生物もしくは他の夾雑物の非存在が、典型的にはチェックされ、放射線および/または免疫抑制処理などによる肝臓プレコンディショニングが実施され得る。さらに、宿主細胞は、細胞の増殖および/または分化を刺激するために、肝細胞増殖因子(HGF)などの成長(増殖)因子と一緒に移植され得る。
ある特定の実施形態では、宿主細胞は、肝臓へのex vivo遺伝子治療に使用し得る。好ましくは、この細胞は、真核生物細胞、例えば、哺乳動物細胞であり、これらには、ヒト、非ヒト霊長類、例えば、類人猿;チンパンジー;サルおよびオランウータン、イヌおよびネコを含む飼い慣らされた動物、ならびに家畜、例えば、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジおよびヤギ、またはマウス、ラット、モルモット、ウサギ、ハムスターが含まれるがこれらに限定されない他の哺乳動物種などが含まれるがこれらに限定されない。当業者は、移植される患者または対象に従って、より適切な細胞を選択する。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される宿主細胞は、自己再生特性および多能性特性を有する細胞、例えば、幹細胞または人工多能性幹細胞であり得る。幹細胞は、好ましくは、間葉系幹細胞である。間葉系幹細胞(MSC)は、骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞または筋細胞の少なくとも1つへと分化することが可能であり、任意の型の組織から単離され得る。一般に、MSCは、骨髄、脂肪組織、臍帯または末梢血から単離される。それを得るための方法は、当業者に周知である。人工多能性幹細胞(iPS細胞またはiPSCとしても公知)は、成体細胞から直接生成され得る多能性幹細胞の型である。Yamanakaらは、Oct3/4、Sox2、Klf4およびc-Myc遺伝子をマウスおよびヒトの線維芽細胞中に移入し、細胞にそれらの遺伝子を発現させることによって、iPS細胞を誘導した(WO2007/069666)。Thomsonらは、引き続いて、Klf4およびc-Mycの代わりにNanogおよびLin28を使用してヒトiPS細胞を産生した(WO2008/118820)。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される宿主細胞は、肝細胞であり得る。細胞単離およびその後のヒトまたはマウスレシピエントへの移植を含む肝細胞移植手順は、例えば、Filippi and Dhawan, Ann NY Acad Sci. 2014, 1315 50-55;Yoshida et al., Gastroenterology 1996, 111: 1654-1660;Irani et al. Molecular Therapy 2001, 3:3, 302-309;およびVogel et al. J Inherit Metab Dis 2014, 37:165-176に記載されている。ウイルスベクターの肝細胞へのex vivo形質導入のための方法は、例えば、Merle et al., Scandinavian Journal of Gastroenterology 2006, 41:8, 974-982に記載されている。
例示的な実施形態では、本明細書で提供される宿主細胞は、パッケージング細胞である。この細胞は、接着細胞または浮遊細胞であり得る。パッケージング細胞、およびヘルパーベクターまたはウイルスまたはDNA構築物(複数可)は、ウイルスベクターの完全な複製およびパッケージングに必要とされる全ての欠けた機能をトランスで一緒に提供する。
好ましくは、このパッケージング細胞は、真核生物細胞、例えば、サル、ヒト、イヌおよびげっ歯類の細胞を含む哺乳動物細胞である。ヒト細胞の例は、PER.C6細胞(WO01/38362)、MRC-5(ATCC CCL-171)、WI-38(ATCC CCL-75)、HEK-293細胞(ATCC CRL-1573)、HeLa細胞(ATCC CCL2)および胎仔アカゲザル肺細胞(ATCC CL-160)である。非ヒト霊長類細胞の例は、Vero細胞(ATCC CCL81)、COS-1細胞(ATCC CRL-1650)またはCOS-7細胞(ATCC CRL-1651)である。イヌ細胞の例は、MDCK細胞(ATCC CCL-34)である。げっ歯類細胞の例は、ハムスター細胞、例えば、BHK21-F、HKCC細胞またはCHO細胞である。
哺乳動物供給源の代替として、本発明における使用のための細胞系は、トリ供給源、例えば、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、ウズラまたはキジに由来し得る。トリ細胞系の例には、トリ胚性幹細胞(WO01/85938およびWO03/076601)、不死化アヒル網膜細胞(WO2005/042728)、およびニワトリ細胞(WO2006/108846)またはアヒル細胞、例えば、EB66細胞系(WO2008/129058およびWO2008/142124)を含むトリ胚性幹細胞由来細胞が含まれる。
別の実施形態では、この宿主細胞は、昆虫細胞、例えば、SF9細胞(ATCC CRL-1711)、Sf21細胞(IPLB-Sf21)、MG1細胞(BTI-TN-MG1)またはHigh Five(商標)細胞(BTI-TN-5B1-4)である。
ある特定の実施形態では、(例えば、バリアントATP7B核酸配列を含む)本発明の組換えAAVベクター/ゲノムを有する核酸構築物(例えば、プラスミド)を含む本明細書で提供される宿主細胞は、1つまたは複数の追加の核酸構築物、例えば、(i)repおよびcap遺伝子をコードするがITR配列を有しない核酸構築物(例えば、AAVヘルパープラスミド)、ならびに/または(ii)AAV複製に必要なアデノウイルス機能を提供する核酸構築物(例えば、プラスミド)をさらに含み得る。例示的な実施形態では、本明細書で提供される宿主細胞は、以下を含む:i)本発明のバリアントATP7B配列を含む核酸構築物または発現ベクター(すなわち、組換えAAVゲノム);ii)ITR配列を有しない、AAV repおよびcap遺伝子をコードする核酸構築物;ならびにiii)(下記でさらに記載されているような)アデノウイルスヘルパー遺伝子を含む核酸構築物。
ある特定の実施形態では、rep、cap、およびアデノウイルスヘルパー遺伝子は、単一のプラスミド上で組み合わせることができる(Blouin V et al. J Gene Med. 2004; 6(suppl): S223-S228;Grimm D. et al. Hum. Gene Ther. 2003; 7: 839-850)。したがって、別の例示的な実施形態では、本明細書で提供される宿主細胞は、以下を含む:i)本発明のバリアントATP7B配列を含む核酸分子または発現ベクター(すなわち、組換えAAVゲノム);ならびにii)ITR配列を有しない、AAV repおよびcap遺伝子をコードし、アデノウイルスヘルパー遺伝子をさらに含む、プラスミド。
別の実施形態では、本明細書で提供される宿主細胞は、以下を含む:a)本発明のバリアントATP7B配列を含む核酸構築物または発現ベクター(すなわち、組換えAAVゲノム);b)ITR配列を有しない、AAV repおよびcap遺伝子をコードするプラスミド;ならびにc)アデノウイルスヘルパー遺伝子E2a、E4、およびVA RNAを含むプラスミド;ここで、共トランスフェクションは、HEK-293細胞(ATCC CRL-1573)のような、アデノウイルスE1遺伝子を構成的に発現し、トランス補完する(transcomplement)細胞、好ましくは、哺乳動物細胞において実施される。
ある特定の実施形態では、AAVベクターの大規模産生に適切な宿主細胞は、組換えバキュロウイルスの組合せが感染し得る昆虫細胞である(Urabe et al. Hum. Gene Ther. 2002; 13: 1935-1943)。例えば、SF9細胞を、パッケージングされるAAV rep、AAV capおよびAAVベクターをそれぞれが発現する3つのバキュロウイルスベクターで共感染させ得る。これらの組換えバキュロウイルスベクターは、ウイルスの複製および/またはパッケージングに必要とされるウイルスヘルパー遺伝子機能を提供する。
本発明に従う遺伝子治療のためのビリオンの構築および産生のためのさらなるガイダンスは、Viral Vectors for Gene Therapy, Methods and Protocols. Series: Methods in Molecular Biology, Vol. 737. Merten and Al-Rubeai (Eds.); 2011 Humana Press (Springer);Gene Therapy. M. Giacca. 2010 Springer-Verlag;Heilbronn R. and Weger S. Viral Vectors for Gene Transfer: Current Status of Gene Therapeutics. In: Drug Delivery, Handbook of Experimental Pharmacology 197; M. Schafer-Korting (Ed.). 2010 Springer-Verlag; pp. 143-170;Adeno-Associated Virus: Methods and Protocols. R. O. Snyder and P. Moulllier (Eds). 2011 Humana Press (Springer);Bunning H. et al. Recent developments in adeno-associated virus technology. J. Gene Med. 2008; 10:717-733;およびAdenovirus: Methods and Protocols. M. Chillon and A. Bosch (Eds.); Third. Edition. 2014 Humana Press (Springer)において見出され得る。
ビリオンおよびビリオンを産生する方法
ある特定の実施形態では、本出願は、本発明のバリアントATP7B配列を含むウイルスベクターを含むウイルス粒子を提供する。用語「ウイルス粒子」および「ビリオン」は、本明細書で相互交換可能に使用され、カプシド内、場合によっては、例えば、レトロウイルスについては、カプシドを取り囲む脂質エンベロープ内にパッケージングされたウイルスゲノム(例えば、ウイルス発現ベクター)を含む感染性の、典型的には複製欠損性のウイルス粒子に関する。「カプシド」は、ウイルスゲノムが中にパッケージングされる構造を指す。カプシドは、タンパク質でできた数個のオリゴマー構造サブユニットからなる。例えば、AAVは、3つのカプシドタンパク質:VP1、VP2およびVP3の相互作用によって形成された正二十面体カプシドを有する。一実施形態では、本明細書で提供されるビリオンは、本明細書に記載されるバリアントATP7B配列を含むAAVベクターをタンパク質シェル中にパッケージングすることによって得られた、組換えAAVビリオン即ちrAAVビリオンである。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される組換えAAVビリオンは、同じ特定の血清型のAAVに対応する天然のCapタンパク質によって形成されるウイルス粒子中に、特定のAAV血清型に由来するAAVゲノムをカプシド封入することによって調製され得る。他の実施形態では、本明細書で提供されるAAVウイルス粒子は、異なる血清型由来のタンパク質中にパッケージングされた所与のAAV血清型のITR(複数可)を含むウイルスベクターを含む。例えば、Bunning H et al. J Gene Med 2008; 10: 717-733を参照のこと。例えば、所与のAAV血清型由来のITRを有するウイルスベクターは、以下へとパッケージングされ得る:a)同じもしくは異なるAAV血清型に由来するカプシドタンパク質から構成されるウイルス粒子(例えば、AAV2のITRおよびAAV5のカプシドタンパク質;AAV2のITRおよびAAV8のカプシドタンパク質;など);b)異なるAAV血清型もしくは変異体由来のカプシドタンパク質の混合物から構成されるモザイクウイルス粒子(例えば、AAV1およびAAV5のカプシドタンパク質と共にAAV2のITR);c)異なるAAV血清型もしくはバリアント間でのドメイン交換によって短縮されたカプシドタンパク質から構成されるキメラウイルス粒子(例えば、AAV3ドメインを有するAAV5のカプシドタンパク質と共にAAV2のITR);またはd)標的細胞特異的受容体とのストリンジェントな相互作用を可能にする選択的結合ドメインを呈するように操作された標的化されたウイルス粒子(例えば、ペプチドリガンドの挿入によって遺伝的に短縮されたAAV2のカプシドタンパク質と共にAAV4のITR;またはカプシド表面へのペプチドリガンドのカップリングによって非遺伝的に改変されたAAV2のカプシドタンパク質)。
当業者は、本明細書で提供されるAAVビリオンが、任意のAAV血清型のカプシドタンパク質を含み得ることを認識しているであろう。一実施形態では、ウイルス粒子は、肝臓細胞への送達により適している、AAV1、AAV5、AAV7、AAV8、およびAAV9からなる群から選択されるAAV血清型由来のカプシドタンパク質を含む(Nathwani et al. Blood 2007; 109: 1414-1421;Kitajima et al. Atherosclerosis 2006; 186:65-73)。特定の実施形態では、ウイルス粒子は、核酸構築物の5’ITRおよび3’ITR配列がAAV2血清型であり、かつカプシドタンパク質がAAV8血清型である、本発明の核酸構築物を含む。
トランスフェクション、安定な細胞系産生、ならびにアデノウイルス-AAVハイブリッド、ヘルペスウイルス-AAVハイブリッド(Conway, J E et al., (1997) J. Virology 71(11):8780-8789)およびバキュロウイルス-AAVハイブリッドを含む感染性ハイブリッドウイルス産生系を含む多数の方法が、rAAVビリオンの産生のために当該分野で公知である。rAAVウイルス粒子の産生のためのrAAV産生培養は、全て以下を必要とする;1)例えば、ヒト由来細胞系、例えば、HeLa、A549もしくは293細胞、または昆虫由来細胞系、例えば、バキュロウイルス産生系の場合にはSF-9を含む、適切な宿主細胞;2)野生型もしくは変異体アデノウイルス(例えば、温度感受性アデノウイルス)、ヘルペスウイルス、バキュロウイルス、またはヘルパー機能を提供するプラスミド構築物によって提供される、適切なヘルパーウイルス機能;3)AAVのrepおよびcapの遺伝子および遺伝子産物;4)AAV ITR配列が隣接する導入遺伝子(例えば、本明細書に記載されるバリアントATP7B配列);ならびに5)rAAV産生を支持するための適切な培地および培地成分。
種々の実施形態では、本明細書に記載される宿主細胞は、以下の3つの成分を含む:(1)rep遺伝子およびcap遺伝子、(2)ヘルパー機能を提供する遺伝子、ならびに(3)導入遺伝子(例えば、プロモーターの制御下でかつITRが隣接する本明細書に開示されるバリアントATP7B配列)。AAV rep遺伝子、AAV cap遺伝子、およびヘルパー機能を提供する遺伝子は、これらの遺伝子をベクター、例えば、プラスミドなどの中に組み入れ、このベクターを宿主細胞中に導入することによって、細胞中に導入され得る。rep、capおよびヘルパー機能遺伝子は、同じプラスミドまたは異なるプラスミド中に組み入れ得る。好ましい実施形態では、AAVのrep遺伝子およびcap遺伝子は、1つのプラスミド中に組み入れ、ヘルパー機能を提供する遺伝子は、別のプラスミド中に組み入れる。ビリオン産生のための宿主細胞の創製のための種々のプラスミド(例えば、AAVのrep遺伝子およびcap遺伝子、ヘルパー機能、または導入遺伝子を含む)は、当該分野で周知の任意の適切な方法を使用することによって、細胞中に導入され得る。トランスフェクション法の例には、リン酸カルシウムによる共沈、DEAE-デキストラン、ポリブレン、電気穿孔、マイクロインジェクション、リポソーム媒介性融合、リポフェクション、レトロウイルス感染および遺伝子銃トランスフェクションが含まれるがこれらに限定されない。ある特定の実施形態では、rep遺伝子およびcap遺伝子、ヘルパー機能ならびに導入遺伝子(例えば、プロモーターの制御下でかつITRが隣接する本明細書で開示されるバリアントATP7B配列)を提供するプラスミドは、細胞中に同時に導入され得る。別の実施形態では、rep遺伝子およびcap遺伝子ならびにヘルパー機能を提供するプラスミドは、導入遺伝子を含むプラスミドの導入の前または後に、細胞中に導入され得る。例示的な実施形態では、細胞に、以下の3つのプラスミドを同時にトランスフェクトする(例えば、三重トランスフェクション法):(1)導入遺伝子(例えば、プロモーターの制御下でかつITRが隣接する本明細書で開示されるバリアントATP7B配列)を含むプラスミド、(2)AAVのrep遺伝子およびcap遺伝子を含むプラスミド、ならびに(3)ヘルパー機能を提供する遺伝子を含むプラスミド。例示的な宿主細胞は、293、A549またはHeLa細胞であり得る。
他の実施形態では、(1)AAVのrep遺伝子およびcap遺伝子、(2)ヘルパー機能を提供する遺伝子、ならびに(3)導入遺伝子、のうち1つまたは複数は、エピソームとして、および/またはパッケージング細胞のゲノム中に組み込まれて、パッケージング細胞によって保有され得る。一実施形態では、宿主細胞は、AAVのrep遺伝子およびcap遺伝子ならびにヘルパー機能が宿主細胞中で安定に維持されるパッケージング細胞であり得、宿主細胞に、導入遺伝子(例えば、プロモーターの制御下でかつITRが隣接する本明細書で開示されるバリアントATP7B配列)を含むプラスミドを一過的にトランスフェクトする。別の実施形態では、宿主細胞は、AAVのrep遺伝子およびcap遺伝子が宿主細胞中で安定に維持されるパッケージング細胞であり、宿主細胞に、導入遺伝子(例えば、プロモーターの制御下でかつITRが隣接する本明細書で開示されるバリアントATP7B配列)を含むプラスミドおよびヘルパー機能を含むプラスミドを一過的にトランスフェクトする。別の実施形態では、宿主細胞は、ヘルパー機能が宿主細胞中で安定に維持されるパッケージング細胞であり得、宿主細胞に、導入遺伝子(例えば、プロモーターの制御下でかつITRが隣接する本明細書で開示されるバリアントATP7B配列)を含むプラスミドならびにrep遺伝子およびcap遺伝子を含むプラスミドを一過的にトランスフェクトする。別の実施形態では、宿主細胞は、rep遺伝子およびcap遺伝子、ヘルパー機能ならびに導入遺伝子配列(例えば、プロモーターの制御下でかつITRが隣接する本明細書で開示されるバリアントATP7B配列)で安定にトランスフェクトした産生細胞系であり得る。例示的なパッケージング細胞および産生細胞は、293、A549またはHeLa細胞に由来し得る。
別の実施形態では、産生細胞系は、Repタンパク質およびCapタンパク質を提供するバキュロウイルス発現ベクターを感染させた昆虫細胞系(典型的にはSf9細胞)である。この系は、アデノウイルスヘルパー遺伝子を必要としない(Ayuso E, et al., Curr. Gene Ther. 2010, 10:423-436)。
用語「capタンパク質」は、本明細書で使用される場合、ネイティブAAV Capタンパク質(例えば、VP1、VP2、VP3)の少なくとも1つの機能的活性を有するポリペプチドを指す。capタンパク質の機能的活性の例には、カプシドの形成を誘導する能力、一本鎖DNAの蓄積を促進する能力、カプシド中へのAAV DNAのパッケージング(即ち、カプシド封入)を促進する能力、細胞受容体に結合する能力、および宿主細胞中へのビリオンの進入を促進する能力が含まれる。原則として、任意のCapタンパク質が、本発明の文脈において使用し得る。
capタンパク質は、AAVウイルスの宿主トロピズム、細胞、組織または臓器特異性、受容体の使用法、感染効率および免疫原性に対して影響を有することが報告されている。従って、rAAVにおける使用のためのAAV capは、例えば、対象の種(例えば、ヒトまたは非ヒト)、対象の免疫学的状態、長期もしくは短期処置への対象の適性、または特定の治療的適用(例えば、特定の疾患もしくは障害の処置、または特定の細胞、組織もしくは臓器への送達)を考慮して選択され得る。ある特定の実施形態では、capタンパク質は、AAV2、AAV5、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10およびAAVrh10血清型からなる群のAAVに由来する。例示的な実施形態では、capタンパク質は、AAV8に由来する。
一部の実施形態では、本発明の方法における使用のためのAAV Capは、上述のAAV capまたはそのコード核酸のうち1つの変異誘発(即ち、挿入、欠失または置換による)によって生成され得る。一部の実施形態では、AAV capは、上述のAAV capのうち1つまたは複数に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%もしくは99%のまたはそれより高い類似性がある。
一部の実施形態では、AAV capは、上述のAAV capのうち2個、3個、4個またはそれよりも多くに由来するドメインを含むキメラである。一部の実施形態では、AAV capは、2個もしくは3個の異なるAAVまたは組換えAAVに由来するVP1、VP2およびVP3モノマーのモザイクである。一部の実施形態では、rAAV組成物は、上述のcapのうち1つよりも多くを含む。
一部の実施形態では、rAAVビリオンにおける使用のためのAAV capは、異種配列または他の改変を含むように操作される。例えば、選択的標的化または免疫回避を付与するペプチドまたはタンパク質配列が、capタンパク質中に操作により導入され得る。あるいは、またはさらに、capは、rAAVの表面がポリエチレングリコール化(即ち、ペグ化)されるように化学的に改変され得、これにより、免疫回避を促進し得る。capタンパク質はまた、(例えば、その天然の受容体結合を除去するために、または免疫原性エピトープをマスクするために)変異誘発され得る。
用語「repタンパク質」は、本明細書で使用される場合、ネイティブAAV repタンパク質(例えば、rep 40、52、68、78)の少なくとも1つの機能的活性を有するポリペプチドを指す。repタンパク質の機能的活性の例には、AAVのDNA複製起点の認識、結合およびニック形成を介してDNAの複製を促進すること、ならびにDNAヘリカーゼ活性を含む、タンパク質の生理学的機能に関連する任意の活性が含まれる。さらなる機能には、AAV(または他の異種)プロモーターからの転写のモジュレーション、および宿主染色体中へのAAV DNAの部位特異的組み込みが含まれる。特定の実施形態では、AAV rep遺伝子は、血清型AAV1、AAV2、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10またはAAVrh10由来;より好ましくは、AAV2、AAV5、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10およびAAVrh10からなる群から選択されるAAV血清型由来であり得る。
一部の実施形態では、本発明の方法における使用のためのAAV repタンパク質は、上述のAAV repまたはそのコード核酸のうち1つの変異誘発(即ち、挿入、欠失または置換による)によって生成され得る。一部の実施形態では、AAV repは、上述のAAV repのうち1つまたは複数と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%もしくは99%のまたはそれより高い類似性がある。
表現「ヘルパー機能」または「ヘルパー遺伝子」は、本明細書で使用される場合、複製のためにAAVが依存するウイルスタンパク質を指す。ヘルパー機能には、AAV遺伝子転写の活性化、ステージ特異的AAV mRNAスプライシング、AAV DNA複製、cap発現産物の合成、およびAAVカプシドアセンブリに関与するタンパク質が含まれるがこれらに限定されない、AAV複製に必要とされるタンパク質が含まれる。ウイルスに基づくアクセサリー機能は、公知のヘルパーウイルス、例えば、アデノウイルス、ヘルペスウイルス(単純ヘルペスウイルス1型以外)およびワクシニアウイルスのいずれかに由来し得る。ヘルパー機能には、アデノウイルスE1、E2a、VAおよびE4またはヘルペスウイルスUL5、ULB、UL52およびUL29、ならびにヘルペスウイルスポリメラーゼが含まれるがこれらに限定されない。好ましい実施形態では、複製のためにAAVが依存するタンパク質は、アデノウイルスに由来する。
一部の実施形態では、本発明の方法における使用のための、複製のためにAAVが依存するウイルスタンパク質は、上述のウイルスタンパク質またはそのコード核酸のうち1つの変異誘発(即ち、挿入、欠失または置換による)によって生成され得る。一部の実施形態では、ウイルスタンパク質は、上述のウイルスタンパク質のうち1つまたは複数に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%もしくは99%のまたはそれより高い類似性がある。
複製のためにAAVが依存するcapタンパク質、repタンパク質およびウイルスタンパク質の機能をアッセイするための方法は、当該分野で周知である。
目的の導入遺伝子(例えば、バリアントATP7B配列)を発現させるための宿主細胞を、AAVビリオンのアセンブリに適切な条件下で成長させることができる。ある特定の実施形態では、宿主細胞は、AAVビリオンのアセンブリおよび培地中へのビリオンの放出を促進するために、適切な期間にわたって成長させる。一般に、細胞を、約24時間、約36時間、約48時間、約72時間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間または最大で約10日間にわたって成長させることができる。約10日後(または使用する培養条件および特定の宿主細胞に依存して、より早く)、産生のレベルは、一般に、有意に減少する。一般に、培養の時間は、ウイルス産生の観点から測定される。例えば、AAVの場合、ウイルス産生は、一般に、本明細書に記載されるように、適切な宿主細胞においてヘルパーウイルス機能を供給すると開始する。一般に、細胞は、ヘルパーウイルス感染の(またはウイルス産生が開始した)約48~約100時間後、好ましくは約48~約96時間後、好ましくは約72~約96時間後、好ましくは約68~約72時間後に回収される。
rAAV産生培養物は、利用されている特定の宿主細胞に適切な種々の条件(広い温度範囲にわたって、様々な期間にわたって、など)下で成長させることができる。rAAV産生培養物には、適切な接着依存性容器(attachment-dependent vessel)、例えば、ローラーボトル、ホローファイバーフィルター、マイクロキャリア、および充填床または流動床バイオリアクターなどにおいて培養することができる接着依存性培養物が含まれる。rAAVベクター産生培養物には、例えば、スピナーフラスコ、撹拌タンクバイオリアクター、および使い捨てシステム、例えば、Waveバッグシステムを含む種々の方法で培養することができる、浮遊に適応させ浮遊に適応されたた宿主細胞、例えば、HeLa、293およびSF-9細胞もまた含まれ得る。
当該分野で公知の適切な培地が、rAAVビリオンの産生のために使用し得る。これらの培地には、改変イーグル培地(MEM)、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を含む、Hyclone LaboratoriesおよびJRHにが生産する培地が含まれるがこれらに限定されず、これらの各々は、その全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の実施形態では、rAAV産生培養培地には、0.5%~20%(v/vまたはw/v)のレベルの血清または血清由来組換えタンパク質が補充され得る。あるいは、rAAVベクターは、動物由来産物を含まない培地とも呼ばれ得る、無血清条件で産生され得る。
AAVビリオン産生を可能にするために宿主細胞を培養した後、得られたビリオンを、回収および精製することができる。ある特定の実施形態では、AAVビリオンは、(1)宿主細胞の溶解によって産生培養物の宿主細胞から、および/または(2)トランスフェクション後一定期間の後、好ましくは72時間後のこれらの細胞の培養培地から、得ることができる。rAAVビリオンは、産生培養物由来の使用済みの培地から回収され得るが、ただし、細胞は、インタクトな細胞から培地中へのrAAVビリオンの放出を引き起こす条件下で培養される(例えば、米国特許第6,566,118号を参照のこと)。細胞を溶解させる適切な方法もまた、当該分野で公知であり、これには、例えば、複数回の凍結/解凍サイクル、超音波処理、マイクロ流体化、ならびに化学物質、例えば、界面活性剤および/またはプロテアーゼによる処理が含まれる。
回収後、rAAVビリオンを、精製することができる。用語「精製した」は、本明細書で使用される場合、rAAVビリオンが天然に存在する場所またはそれらが当初そこから調製された場所にこれもまた存在し得る他の成分の少なくとも一部を欠くrAAVビリオンの調製物を含む。従って、例えば、精製したrAAVビリオンは、供給源混合物、例えば、培養溶解物または産生培養物上清からそれを富化するための単離技術を使用して調製され得る。富化は、例えば、溶液中に存在するDNase耐性粒子(DRP)もしくはゲノムコピー(gc)の割合で、または感染力によるなどの種々の方法で測定し得、あるいは供給源混合物中に存在する第2の潜在的に干渉性の物質、例えば、ヘルパーウイルス、培地成分などを含む産生培養夾雑物もしくは工程内夾雑物を含む夾雑物に関連して測定し得る。
ある特定の実施形態では、rAAV産生培養回収物は、宿主細胞デブリを除去するために清澄化され得る。一部の実施形態では、産生培養回収物は、種々の標準的な技術、例えば、遠心分離、または0.2μmもしくはそれよりも大きいポアサイズのフィルター(例えば、酢酸セルロースフィルターまたは一連のデプスフィルター)を介した濾過を使用して、清澄化され得る。
ある特定の実施形態では、rAAV産生培養回収物は、産生培養物中に存在する任意の高分子量DNAを消化するために、Benzonase(商標)でさらに処理される。一部の実施形態では、Benzonase(商標)消化は、標準的な条件、例えば、30分間~数時間の期間にわたって周囲~37℃の範囲の温度で1~2.5単位/mlの最終濃度のBenzonase(商標)の下で実施される。
ある特定の実施形態では、rAAVビリオンを、以下の精製ステップの1つまたは複数を使用して単離または精製することができる:平衡遠心分離;フロースルーアニオン交換濾過;rAAV粒子を濃縮するための接線流濾過(TFF);アパタイトクロマトグラフィーによるrAAV捕捉;ヘルパーウイルスの熱不活性化;疎水性相互作用クロマトグラフィーによるrAAV捕捉;サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)による緩衝液交換;ナノ濾過;およびアニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィーまたは親和性クロマトグラフィーによるrAAV捕捉。これらのステップは、単独で、種々の組合せで、または異なる順序で使用し得る。rAAV粒子を精製するための方法は、例えば、Xiao et al., (1998) Journal of Virology 72:2224-2232;米国特許第6,989,264号および同第8,137,948号;ならびにWO2010/148143において見出される。
ある特定の実施形態では、精製したAAVビリオンは、PBSに対して透析し、濾過し、-80℃で貯蔵することができる。ウイルスゲノムの力価は、検量線として線状化プラスミドDNAを使用する定量的PCRによって決定することができる(例えば、Lock M, et al., Hum. Gene Ther. 2010; 21:1273-1285を参照のこと)。
医薬組成物
ある特定の実施形態では、本出願は、バリアントATP7B配列および薬学的に許容される担体を含む組成物を提供する。他の実施形態では、本出願は、バリアントATP7B配列を含むビリオンおよび薬学的に許容される担体を提供する。例示的な実施形態では、かかる組成物は、遺伝子治療適用に適切である。医薬組成物は、好ましくは、製造および貯蔵の条件下で、無菌かつ安定である。無菌の溶液は、例えば、無菌の濾過メンブレンを介した濾過によって達成され得る。
医薬組成物中の許容される担体および賦形剤は、好ましくは、使用される投与量および濃度においてレシピエントにとって非毒性である。許容される担体および賦形剤には、バッファ、例えば、ホスフェート、シトレート、HEPESおよびTAE、抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸およびメチオニン、防腐剤、例えば、塩化ヘキサメトニウム、塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム(octadecyldimethylbenzyl ammonium chloride)、レゾルシノールおよび塩化ベンザルコニウム、タンパク質、例えば、ヒト血清アルブミン、ゼラチン、デキストランおよび免疫グロブリン、親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、ヒスチジンおよびリシン、ならびに炭水化物、例えば、グルコース、マンノース、スクロースおよびソルビトールが含まれ得る。本開示の医薬組成物は、注射可能な製剤の形態で非経口投与され得る。注射のための医薬組成物は、無菌の溶液または任意の薬学的に許容される液体をビヒクルとして使用して製剤化され得る。薬学的に許容されるビヒクルには、無菌の水および生理的食塩水が含まれるがこれらに限定されない。
本開示の医薬組成物は、マイクロカプセル、例えば、ヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン-マイクロカプセル、およびポリメチルメタクリレートマイクロカプセル中で調製され得る。本開示の医薬組成物は、他の薬物送達系、例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル中でも調製され得る。遺伝子治療のための医薬組成物は、許容される希釈剤中にあってよく、または遺伝子送達ビヒクルが埋め込まれた徐放性マトリックスを含んでよい。
本明細書で提供される医薬組成物は、非経口投与、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、髄腔内投与、または腹腔内投与のために製剤化され得る。医薬組成物はまた、経鼻、スプレー、経口、エアロゾル、直腸もしくは膣投与のために製剤化され得、またはそれを介して投与され得る。一実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、間質経路により、すなわち、組織の間隙への、またはその間隙の中への注射により、投与される。組織標的は、例えば肝臓組織に特異的であり得、またはそれは、いくつかの組織、例えば、筋肉および肝臓組織の組合せであり得る。例示的な組織標的には、肝臓、骨格筋、心筋、脂肪沈着物、腎臓、肺、血管内皮、上皮、および/または造血細胞が挙げられ得る。好ましい実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、肝臓内注射、すなわち、肝臓組織の間質腔の中への注射により投与される。これらの方法の1つまたは複数が、本開示の医薬組成物を投与するために使用され得る。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、「有効量」または「治療有効量」を含む。本明細書で使用される場合、そのような量は、所望の治療結果、例えば、ATP7B発現のレベルを増加させること、ならびに/または銅転位活性が上昇し、それにしたがって、胆汁中の銅を増加させ、血清、肝臓、脳、および尿中の銅を低減することを達成するのに必要な投薬量および期間における有効な量を指す。
本開示の医薬組成物の投与量は、投与の経路、処置される疾患、および対象の肉体的特徴(例えば、年齢、体重、全体的健康)を含む因子に依存する。投与量は、最適な治療応答を提供するために調整され得る。典型的には、投与量は、顕著な毒性を誘導することなしに、疾患を有効に処置する量であり得る。一実施形態では、本明細書で提供されるAAVベクターは、5×1011~1×1014gc/kg(患者体重の1キログラムあたりのゲノムコピー数(gc/kg))の範囲内の量または用量で、ATP7B欠損症(例えば、ウィルソン病が挙げられる)の処置のために患者に投与することができる。より特定の実施形態では、AAVベクターは、約5×1011gc/kg~約3×1013gc/kgもしくは約1×1012~約1×1014gc/kgもしくは約1×1012~約1×1013gc/kgの範囲内に含まれる量、または約5×1011gc/kg、1×1012gc/kg、1.5×1012gc/kg、2.0×1012gc/kg、2.5×1012gc/kg、3×1012gc/kg、3.5×1012gc/kg、4×1012gc/kg、4.5×1012gc/kg、5×1012gc/kg、5.5×1012gc/kg、6×1012gc/kg、6.5×1012gc/kg、7×1012gc/kg、7.5×1012gc/kg、8×1012gc/kg、8.5×1012gc/kg、9×1012gc/kgもしくは9.5×1012gc/kgの量で投与される。gc/kgは、例えば、qPCRまたはデジタル液滴PCR(ddPCR)によって決定することができる(例えば、M. Lock et al, Hum Gene Ther Methods. 2014 Apr;25(2): 115-25を参照のこと)。別の実施形態では、本明細書で提供されるAAVベクターは、1×109~1×1011iu/kg(ベクターの感染単位(iu)/対象または患者の体重(kg))の範囲内の量または用量で、ATP7B欠損(例えば、ウィルソン病を含む)の処置のために、患者に投与され得る。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、必要に応じて単位用量で形成され得る。かかる単一の投与単位は、約1×109gc~約1×1015gcを含み得る。
本開示の医薬組成物は、それを必要とする対象に、例えば、1または複数回(例えば、1~10回またはそれよりも多く)、毎日、毎週、毎月、年に2回、毎年、または医学的に必要な場合、投与され得る。例示的な実施形態では、単回投与で十分である。一実施形態では、医薬組成物は、ヒト対象における使用に適しており、静脈内に投与される。一実施形態では、医薬組成物は、ボーラス注射によって末梢静脈を介して送達される。他の実施形態では、医薬組成物は、約10分間(±5分間)にわたる、約20分間(±5分間)にわたる、約30分間(±5分間)にわたる、約60分間(±5分間)にわたるまたは約90分間(±10分間)にわたる注入によって、末梢静脈を介して送達される。
別の態様では、本出願は、1つまたは複数のコンテナ中に本明細書に記載される核酸分子、ベクター、宿主細胞、ビリオンまたは医薬組成物を含むキットをさらに提供する。キットは、キット内に含まれる核酸分子、ベクター、宿主細胞またはビリオンを患者に投与する方法を記載する指示または包装材料を含み得る。キットのコンテナは、任意の適切な材料、例えば、ガラス、プラスチック、金属などのもの、および任意の適切なサイズ、形状または構成のものであり得る。ある特定の実施形態では、キットは、適切な液体または溶液形態で核酸分子、ベクター、宿主細胞、ビリオンまたは医薬組成物を含む1つまたは複数のアンプルまたはシリンジを含み得る。
処置の方法
別の態様では、本出願は、本明細書に記載されているようなバリアントATP7B核酸配列を含む核酸分子、発現ベクター、宿主細胞、医薬組成物、またはビリオンを投与することにより、細胞、組織、もしくは対象においてATP7B発現を増加させ、対象においてATP7B発現の減少もしくはATP7B機能の欠損に関連する疾患もしくは障害を処置する、またはウィルソン病を処置する方法を提供する。目的の細胞、組織、または対象において、バリアントATP7B導入遺伝子のin vitro、in vivo、またはex vivo発現を与えまたは誘導するために、目的の細胞にバリアントATP7B核酸配列を送達するのに任意の公知の技術を使用することができる。
一実施形態では、本出願は、本明細書に記載されているようなバリアントATP7B核酸配列を含む核酸分子、発現ベクター、宿主細胞、医薬組成物、またはビリオンを使用して、細胞、組織、または対象においてATP7B発現のレベルを増加させるための方法を提供する。ある特定の実施形態では、細胞、組織、または対象におけるATP7B発現のレベルは、バリアントATP7B核酸配列を含む核酸分子、発現ベクター、宿主細胞、医薬組成物、またはビリオンの投与前の細胞、組織、または対象におけるATP7Bの発現のレベルと比較して、少なくとも約1倍、1.5倍、2倍、5倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、もしくは50倍、または少なくとも約2%、5%、10%、20%、25%、50%、75%、80%、90%、100%、125%、150%、もしくは200%、増加する。対象由来の細胞、組織、または試料におけるATP7B発現のレベルを決定するために様々な方法が使用され得、その方法には、例えば、qPCR、ノーザンブロット、ウェスタンブロット、ELISAアッセイなどが挙げられる。ある特定の実施形態では、処置されるべき細胞、組織、または対象は、結果としてATP7Bの発現のレベルが減少し、および/または機能的ATP7Bの発現のレベルが減少する、内因性ゲノムATP7Bにおける突然変異を含む。ある特定の実施形態では、細胞、組織、または対象は、ATP7Bについてハプロ不全である。例示的な実施形態では、本出願は、対象においてATP7B発現を増加させるための方法であって、プロモーターに作動可能に連結した本明細書に記載されているようなバリアントATP7B核酸配列を含むAAVビリオンを、それを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。
別の実施形態では、本出願は、対象において、ATP7B発現の減少、ATP7B機能の欠損に関連する疾患もしくは障害、またはATP7B発現および/もしくは活性の上方制御が治療利益を生じ得る任意の他の障害を処置するための方法であって、本明細書に記載されているようなバリアントATP7B核酸配列を含む核酸分子、発現ベクター、宿主細胞、医薬組成物、またはビリオンを、それを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。ATP7B発現および/または機能の増加が有益であり得る障害の例には、例えば、ATP7B依存性リソソームエキソサイトーシスの減少およびリソソームにおける銅の蓄積に関連する障害、例えば、胆汁うっ滞性(choleostatic)障害、アルツハイマー病、および/またはがんが挙げられる(例えば、Polishchuck et al., Dev Cell. 29(6), 686-700 (2014);Gupta and Lutsenko, Future Med. Chem. 1:1125-1142 (2009)参照)。ある特定の実施形態では、対象は、結果としてATP7Bの発現のレベルが減少し、および/または機能的ATP7Bの発現のレベルが減少する、内因性ゲノムATP7Bにおける突然変異を含む。ある特定の実施形態では、対象はATP7Bについてハプロ不全である。ある特定の実施形態では、対象は、疾患を引き起こすATPBバリアントタンパク質を有する。例示的な実施形態では、本出願は、対象において、ATP7B発現の減少、ATP7B機能の欠損に関連する疾患もしくは障害、またはATP7B発現および/もしくは活性の上方制御が治療利益を生じ得る任意の他の障害を処置するための方法であって、プロモーターに作動可能に連結した本明細書に記載されているようなバリアントATP7B核酸配列を含むAAVビリオンを、それを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。
別の実施形態では、本出願は、ウィルソン病を処置するための方法であって、本明細書に記載されているようなバリアントATP7B核酸配列を含む核酸分子、発現ベクター、宿主細胞、医薬組成物、またはビリオンを、それを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。ウィルソン病は、銅が、肝臓においてセルロプラスミンに取り込まれることができず、肝臓から胆汁へ排泄され得ない、銅代謝の常染色体性劣性遺伝障害である。銅は、肝臓に蓄積し、その後、脳および腎臓に蓄積する。その疾患は、神経学的症状発現および肝硬変の徴候により特徴付けられる。ウィルソン病は、主に、銅輸送P型ATPアーゼをコードするATP7B遺伝子における突然変異によって引き起こされる、代謝の遺伝性エラーである。ATP7Bは、胆汁への排泄と、機能的セルロプラスミンの合成のためのアポ型セルロプラスミンへの取り込みの両方のために、銅を細胞内シャペロンタンパク質から分泌経路へ輸送することを担う。ウィルソン病の発症は、冒された組織における銅の蓄積による(例えば、EASL Clinical Practice Guidelines: Wilson's disease, EASL Journal of Hepatology, 2012, 56(671-85)およびWD, Online Mendelian Inheritance in Man catalog accession number OMIN 277900;ワールドワイドウェブ上でomim.org/entry/277900において入手可能;参照)。ウィルソン病を有する一部または全部の患者に存在する、hATP7B遺伝子における様々な突然変異および/または生じるタンパク質は公知である。ウィルソン病に寄与する既知の突然変異の完全なリストは、ワールドワイドウェブ上でuniprot.org/uniprot/P35670において見出すことができる。
ウィルソン病の臨床上の顕著な特徴は、カイザーフライシャー輪であり、それは、神経学的症状を有する患者の95%、および神経学的症状をもたない患者の半分をやや超える割合に存在する。神経学的徴候は多様であり、最も多いのは、振戦、運動失調、およびジストニアである。ウィルソン病を有する患者において、何らかの型の肝臓疾患に遭遇し得る。臨床的に明らかな肝臓疾患は、神経学的症状発現に10年間も先行し得、神経学的症状を有するほとんどの患者は、診察時に、ある程度の肝臓疾患を有する。肝臓疾患の主症状は、非常に多様であり得、生化学的異常のみを有する無症候性から、全てのその合併症を有する明白な肝硬変まで様々であり得る。ウィルソン病はまた、急性肝不全として現れる場合があり、時々、クームス陰性溶血性貧血および急性腎不全を伴う場合もある。例えば、EASL Clinical Practice Guidelines: Wilson's disease, EASL Journal of Hepatology, 2012, 56(671-85)参照。
様々な実施形態では、任意の重症度のウィルソン病を有する対象が、本明細書で提供される方法に従って処置され得る。ある特定の実施形態では、ウィルソン病を有する対象は、以下の特性の1つまたは複数を有し得る:血清ビリルビンレベルの上昇(例えば、約100μmol/Lより高い)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)レベルの上昇(例えば、約100U/Lより高い)、国際標準化比(INR)レベルの上昇(例えば、約1.3より高い)、白血球(WBC)数の上昇(例えば、約6.8×109/Lより高い)、および/またはアルブミンレベルの減少(例えば、約44g/L未満)。ウィルソン病を有する患者を同定するために使用することができる他の適切な検査には、例えば、非セルロプラスミン結合型銅(NCC;「遊離銅」または銅インデックスとも呼ばれる)、24時間尿銅、肝銅、および遺伝的突然変異検査が挙げられる(例えば、銅レベルの測定のための例示的な方法について、McMillin et al, Am J Clin Pathol. 2009; 131(2): 160-165 (2009)参照)。
様々な実施形態では、バリアントATP7B配列の投与を含む、本明細書で提供される方法は、ホロセルロプラスミン(holoceruplasmin)合成、セルロプラスミンオキシダーゼ活性、および/もしくは胆汁における銅排泄を増加させおよび/もしくは回復すること(それにしたがって、血清、肝臓、脳、および尿中の銅蓄積を低減すること)を含む、ウィルソン病の1つもしくは複数の症状の重症度を軽減し、寛解させ、もしくは低減し得、ならびに/または腹痛、疲労、黄疸、不随意運動の頻度、筋硬直、言語障害、嚥下障害、もしくは身体的協調障害の重症度を軽減し、寛解させ、もしくは低減し得る。ある特定の実施形態では、バリアントATP7B配列の投与を含む本明細書で提供される方法は、結果として、以下の結果の1つまたは複数を生じ得る:25%またはそれより多い血清銅レベルの低減、24時間あたり3~8μmolまたはそれ未満の尿中銅排泄、血清非セルロプラスミン結合型銅(NCC)の正常化(<150μg/L)、血清アミノトランスフェラーゼの正常化(肝臓生化学、ALT/AST)、尿中Cuの正常化(正常の<40μg/24時間(0.6μmol/24時間)上限)、血清セルロプラスミンの正常化(>200mg/L)、臨床全般印象(Clinician Global Impression)(CGI)尺度の向上。様々な実施形態では、結果の評価は、非セルロプラスミン結合型銅、24時間尿銅、もしくは肝銅レベルを測定することにより、および/または食事性銅許容度の臨床評価により、評価され得る。ある特定の実施形態では、バリアントATP7B配列の投与を含む本明細書で提供される方法は、結果として、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、またはそれより多い、血清銅レベルの低減を生じ得る。
例示的な実施形態では、本出願は、ウィルソン病を処置するための方法であって、プロモーターに作動可能に連結した本明細書に記載されているようなバリアントATP7B核酸配列を含むAAVビリオンを、それを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。
ある特定の実施形態では、バリアントATP7B核酸配列を含む核酸分子、発現ベクター、宿主細胞、医薬組成物、またはビリオンを投与することを含む、本明細書で提供される方法は、1つまたは複数の追加の治療剤の投与をさらに含み得る。例えば、ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、D-ペニシラミンおよびトリエンチンなどのキレート剤での処置、ならびに/またはジメルカプトコハク酸ナトリウム、ジメルカプトコハク酸、亜鉛、およびテトラチオモリブデートなどの他の作用物質での処置を含み得る。他の実施形態では、本明細書で提供される方法は、ダイエット中で銅が低い対象を処置することを含み得る。様々な実施形態では、追加の治療剤は、本明細書に記載されたバリアントATP7B核酸と同時にまたは逐次的に投与され得る。例えば、追加の治療剤は、本明細書に記載されているようなバリアントATP7B核酸配列を含む核酸分子、発現ベクター、宿主細胞、医薬組成物、またはビリオンの投与の前、後、および/または前と後に投与され得る。他の実施形態では、追加の治療剤は、本明細書に記載されているようなバリアントATP7B核酸配列を含む核酸分子、発現ベクター、宿主細胞、医薬組成物、またはビリオンと同時に投与され得る。
様々な実施形態では、本明細書に記載された方法に従って処置することができる対象は、哺乳動物、例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、アレチネズミ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ロバ、ウマ、イヌ、ネコ、ラマ、サル(例えば、アカゲザルまたはカニクイザルなどのマカク)、またはヒトである。例示的な実施形態では、対象はヒトである。
これらの実施例は、例証のためのみ提供され、本明細書で提供される特許請求の範囲を限定するためではない。
(実施例1)
HEK293細胞におけるATP7Bコドン最適化バリアントの発現
HEK293細胞を、標準方法により培養し、6ウェルプレートのウェルにつき3ugのプラスミドをトランスフェクト(PEI)した。トランスフェクションから72時間後、細胞を採取し、カラム上でのDNアーゼ処理を含めて、RNeasy Miniキット(Qiagen)を使用して、製造会社のプロトコールに従って、RNAを単離した。RNA(3ug)を、Superscript IV(Invitrogen)で、OligoDTプライマーを使用して、逆転写した(65℃ 5分間、55℃ 10分間、85℃ 10分間)。ATP7Bのコドン最適化バリアントに特異的なプライマーを、信頼性を試験するために標準曲線により試験し、cDNAを、以下の条件:(98℃ 2分間、40×[98℃ 10秒間、58℃ 30秒間、92℃ 15秒間])下でのqPCR(Phusion、SYBR Green)に使用した。
WT ATP7B(配列番号1)、ATP7BバリアントNo.2(配列番号4)、およびATP7BバリアントNo.3(配列番号5)に対するプライマーは、ほぼ100%の同等の増幅効率を示した(データ未呈示)。ATP7B発現を、GAPDHに対して標準化し、デルタ-デルタCt法を使用して、ベースラインに対する変化倍率として表した。
結果は図1に示されている。HEK293細胞におけるATP7Bバリアント2(配列番号4)の発現のレベルは、野生型ATP7B(配列番号1)の発現のレベルの約2.5倍大きく、HEK293細胞におけるATP7Bバリアント3(配列番号5)の発現のレベルは、野生型ATP7B(配列番号1)の発現のレベルの約5.5倍大きかった。
(実施例2)
マウス肝臓におけるATP7Bコドン最適化バリアントの発現
C57BL/6マウス(条件あたりn=10マウス)に、尾静脈を介して、配列番号24を有するプロモーターの制御下の野生型ATP7B(配列番号1)またはコドン最適化ATP7Bバリアント2もしくは3(それぞれ、配列番号4および5)を含有するAAV8ベクター(1E12gc/マウス)を注射した。ウイルス送達から2週間後、肝臓を回収した。左肝葉をRNA later(Invitrogen、AM7020M)中に一晩保存し、RT-qPCRによるヒトATP7B RNA分析のためにRNA later除去後、-80℃に移した。
表5および図2に示されているように、マウス肝臓におけるATP7Bバリアント2(配列番号4)の発現のレベルは、野生型ATP7B(配列番号1)の発現のレベルの約5倍大きく、マウス肝臓におけるATP7Bバリアント3(配列番号5)の発現のレベルは、野生型ATP7B(配列番号1)の発現のレベルの約7.8倍大きかった。
(実施例3)
HEK293T細胞における短いプロモーターからの高発現
HEK293T細胞に、いくつかの異なる調節エレメント、すなわち、プロモーター制御なし、SCP、CMV、配列番号21(minCMVに作動可能に連結した配列番号19)、配列番号22(minCMVに作動可能に連結した配列番号20)、およびCAGのうちの1つの制御下でのルシフェラーゼ遺伝子を含有するプラスミドDNAをトランスフェクトした。各構築物からの標準化ルシフェラーゼ値は図3Aに示されている。各構築物からのサイズ標準化活性値は図3Bに示されている。本明細書で使用される調節エレメントおよびプロモーターの配列は、上記の表2および表3に提供されている。minCMVプロモーターに連結した調節エレメント配列番号19、およびminCMVプロモーターに連結した調節エレメント配列番号20は、minCMV単独およびSCP単独より高いレベルのルシフェラーゼ発現を駆動した。minCMVプロモーターに連結した場合の配列番号19および配列番号20のどちらも、調節エレメント(すなわち、配列番号19または20)を含まない、対照、SCP、またはminCMVプロモーターと比較して、HEK293T腎臓細胞においてルシフェラーゼの高い発現を駆動した。
類似した標準化ルシフェラーゼ発現実験を、図3C、図3D、および図3Eに示されているように、追加の対照および制御配列を用いて行った。ホタル発現もまた、試験された全ての試料における類似したトランスフェクション効率を保証するためにアッセイした。図3Cにおいて、調節エレメント配列番号22、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、および配列番号39の標準化ルシフェラーゼ発現を、2つの陰性対照(すなわち、いかなる発現も駆動しないことが知られた配列)と比較した。試験された調節エレメントのそれぞれは、陰性対照と比較して、ルシフェラーゼ発現の高いレベル、例えば、少なくとも10倍、50倍、もしくは100倍、またはそれより大きい倍数のレベルを生じた。
図3Dにおいて、調節エレメント配列番号22、配列番号34、配列番号36、配列番号32、または配列番号33を含むプラスミドからの標準化ルシフェラーゼ発現を、陰性対照、およびルシフェラーゼに作動可能に連結した、CMVeに連結したCMVまたはCMVのいずれかを含む類似したプラスミドと比較した。試験された各調節エレメント(すなわち、配列番号22、配列番号34、配列番号36、配列番号32、および配列番号33)は、陰性対照、CMV単独、およびCMV+CMVeより高いルシフェラーゼ発現を生じた。試験された比較的短い調節エレメントは、ルシフェラーゼに連結したCMVプロモーターまたはCMV+CMVeを含むプラスミドと比較して、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、または50倍より大きい標準化ルシフェラーゼ発現を示した。
図3Eにおいて、ルシフェラーゼに作動可能に連結した調節エレメント配列番号28、配列番号29、配列番号40、配列番号41、配列番号42、または配列番号43を含むプラスミドからの標準化ルシフェラーゼ発現を、陰性対照(すなわち、発現活性を有しないことが公知の配列)と比較した。各調節エレメント(すなわち、配列番号28、29、および40~43)は、陰性対照より高いルシフェラーゼ発現を駆動し、一方、配列番号41は、陰性対照より102倍より大きい標準化ルシフェラーゼ発現、または少なくとも100倍大きいルシフェラーゼ発現を駆動した。
(実施例4)
短いプロモーターからの肝臓における野生型ATP7B発現
C57BL6/Jマウスに、配列番号23の制御下の野生型ATP7Bを含有するAAV8ベクターを静脈内に注射した。ウイルス送達から2週間後、肝臓を回収した。肝臓パンチを破壊し、10ul/mLベータ-メルカプトエタノールを追加したRLTの600ul中にホモジナイズし、カラム上でのDNアーゼ処理を含めて、RNeasy Miniキット(Qiagen)を使用して、製造会社のプロトコールに従って、RNAを抽出した。各試料について、RNA(3ug)を、Superscript IV(Invitrogen)で、OligoDTプライマーを使用して、逆転写した(65℃ 5分間、55℃ 10分間、85℃ 10分間)。ヒトATP7Bに対するプライマー(5’-CATTCCAGGACTGTCCATTCT-3’(配列番号64);5’-GGCCTGAACGTAGAAGTACCA-3’(配列番号65)),およびGAPDHに対するプライマー(5’ACCACAGTCCATGCCATCAC-3’(配列番号44);5’-TCCACCACCCTGTTGCTGTA-3’(配列番号45))を、信頼性を保証するために標準曲線で検証し、以下の増幅条件:(98℃ 2分間、40×[98℃ 10秒間、67℃ 30秒間、92℃ 15秒間])下でのqPCR(Phusion、SYBR Green)に使用した。ATP7B発現を、GAPDHに対して標準化し、デルタ-デルタCt法を使用して、ベースラインに対する変化倍率として表した。図4および表6に示されているように、配列番号23は、3つの異なる用量において、肝臓でATP7Bの発現を駆動し、最高のウイルス用量が最高のATP7B発現を生じるという、用量応答を示した。
実施例4は、ATP7B導入遺伝子に作動可能に連結した、本明細書に開示された1つまたは複数の調節エレメントを含む発現カセットが、それを必要とする動物、哺乳動物、またはヒト対象において、ATP7B欠損に関連する障害または状態、例えば、ウィルソン病を処置するために使用し得ることを例証している。さらに、そのような発現カセットは、rAAv8を使用して、例えば、静脈内注射または注入により、in vivoで全身性に送達することができる。
(実施例5)
肝臓における高EGFP転写
C57BL6/Jマウスに、様々な調節エレメント:配列番号22、23、24、25、26、27、および33の制御下のEGFPを含有するAAV8ベクターを静脈内に注射した。各AAV8ベクターを、5×1011gc/マウスの用量で投与した。ウイルス送達から2週間後、肝臓を回収した。肝臓パンチを破壊し、10ul/mLベータ-メルカプトエタノールを追加したRLTの600ul中にホモジナイズし、カラム上でのDNアーゼ処理を含めて、RNeasy Miniキット(Qiagen)を使用して、製造会社のプロトコールに従って、RNAを抽出した。各試料について、RNA(3ug)を、Superscript IV(Invitrogen)で、OligoDTプライマーを使用して、逆転写した(65℃ 5分間、55℃ 10分間、85℃ 10分間)。EGFPに対するプライマー(5’-GCTACCCCGACCACATGAAG-3’(配列番号46);5’-TCTTGTAGTTGCCGTCGTCC-3’(配列番号47))およびGAPDHに対するプライマー(配列番号44および配列番号45)を、以下の増幅条件:(98℃ 2分間、40×[98℃ 10秒間、65℃ 30秒間、92℃ 15秒間])下でのqPCR(Phusion、SYBR Green)に使用した。EGFP発現を、GAPDHに対して標準化し、デルタ-デルタCt法を使用して、ベースラインに対する変化倍率として表した(図5)。図5に示されているように、試験された調節エレメントのそれぞれは、肝臓において、RNA転写物により測定された場合、EGFP発現を増加させた。さらに、配列番号22、配列番号33、および配列番号24は、EGFPの同等のレベルを生じた。
実施例5は、本開示の比較的短い調節エレメントが、RNA転写物により測定された場合、肝臓において導入遺伝子発現の高いレベルを生じ得ることを例証している。
(実施例6)
高いパーセンテージの肝細胞がEGFPを発現する
野生型(C57Bl6/J)マウスに、候補調節エレメントの制御下の、KASH核テザリングドメインと融合したEGFP(EGFP-KASH)を含有するAAV8(5×1011gc/マウス)またはPBS対照を静脈内(尾静脈)に注射した。注射から4週間後、動物を屠殺し、4mmの肝臓パンチを、肝臓右側葉から採取し、RNAlater中に保存した。
肝臓パンチ(N=5、動物あたり1個)を、溶解緩衝液中でダウンス(dounce)して、核を遊離させた。粗核調製物を、遠心分離により得、核完全性を確認するためにDAPIで染色した。核を、フローサイトメトリー(LSRIIフローサイトメーター)によりGFP発現について分析し、ゲーティングストラテジーを確定するためにPBS注射された対照を使用した。試料ごとに、10,000個の事象を記録し、データを、FlowJoソフトウェアを使用して分析した。GFP+核およびGFP-核が決定され、対照試料の<99.5%がGFP陽性とみなされた。データは、GFP+として検出された、総DAPI+事象に占めるパーセンテージとして表されている(図6)。図6に示されているように、試験された調節エレメントの多くが、マウスにおいて、高パーセンテージの肝細胞で発現し、配列番号24は、80%より多くの肝細胞において発現した。
(実施例7)
マウスモデルにおけるウィルソン病の処置
本明細書に記載された核酸構築物を使用する、ウィルソン病および/またはその症状の処置は、ATP7Bタンパク質の欠損を生じる、ATP7B遺伝子における300bp欠失を有するLong Evans Cinnamonラット(K. Terada et al. Pediatr Int. 41(4):414-8(1999));ATP7Bコード化タンパク質の第2の推定膜貫通ドメインに対応するATP7Bコード配列におけるGly712Aspミスセンス変異を有し、結果として機能障害性ATP7Bタンパク質を生じる、Jacksonの毒性ミルクマウス(txj)(E.A. Roberts et al. Mol Genet Metab. 93(l):54-65 (2008));ATP7Bエクソン2の一部分の逆の転写フレームで配向したネオマイシンカセットでの置換を操作することによってマウスATP7B mRNAにおいて早期終止コドンを導入することにより作製された、ATP7Bノックアウトマウス(ATP7B KO、ATP7B-/-またはWDマウス)(Buikova O.I. et al. Human Molecular Genetics 8(9): 1665-1671 (1999));およびATP7Bマウス(D. Huster D et al. Am J Pathol. 168(2):423-34 (2006))系統などの様々なマウス系統において試験することができる。ATP7Bノックアウトマウスは、肝臓におけるATP7B発現を示さず、尿中の高いCu排泄、血清中の低いホロセルロプラスミンレベル、高いトランスアミナーゼレベル、肝臓における高いCu濃度、および病的な肝臓組織像を示す。これらのマウスは、神経学的疾患を除く、ヒトウィルソン病の典型的な生化学的特性を示す(Lutsenko S. Biochemical Society Transactions 36(Pt 6): 1233-1238 (2008))。
AAV遺伝子治療およびそのような遺伝子治療を使用する処置を含む、本明細書に記載されたATP7Bバリアント組成物を試験するために、上記のマウス系統のそれぞれのウィルソン病モデルマウスおよび対照マウス(例えば、野生型ATP7B遺伝子を有するマウス)に、対照(例えば、PBS、空AAV、またはeGFPもしくは別のレポーター遺伝子のいずれかを発現するAAV)、またはバリアントATP7B配列(例えば、上記の表1に記載されたバリアントATP7B配列のいずれか1つ)を含む発現カセットを注射する(例えば、静脈内注射により投与する)。いくつかのAAVは、上記の表2に記載された1つまたは複数の調節エレメント配列をさらに含み得る。
AAV注射後、以下の測定値のうちの1つまたは複数を、経時的に定期的にモニターする:血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、血清アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、および血清総ビリルビンレベル、血清Cuレベル、血清セルロプラスミン活性、ならびに/または尿Cuレベル。
血清ALT、AST、および/またはビリルビンレベルは、例えば、血液試料を採取し、Antech Diagnostics(Irvine、CA、USA)により、またはHitachi 747 Clinical Analyzer(Hitachi、Tokyo、Japan)を使用するDGKC方法(Roche Diagnostics、Mannheim、Germany)により分析することによって、決定され得る。血清セルロプラスミン活性は、例えば、Schosinsky(Clinical Chemistry 1974; 20(12): 1556-1563)により記載されているように、基質としてo-ジアニシジンジヒドロクロリド(4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメトキシ-ビフェニル)(Sigma-Aldrich、San Louis、MO、United States)を用いて、分光光度計において540nmにおける吸光度を測定することにより決定され得る。血清および尿中の銅含有量は、例えば、原子吸光分析(SIMAA 6000、Perkin-Elmer GmbH、Bodenseewerk製)により、誘導結合プラズマ質量分析により、またはExova(Edinburgh、UK)により、決定され得る。加えて、血液試料は、セルロプラスミンの銅結合型と非銅結合型の両方のレベルについて、ウェスタンブロットにより評価され得る。
加えて、マウスのAAVでの処置後、ATP7B AAVでの処置が結果として、ATP7B発現の増加を生じ得ることを示すために、ATP7Bの発現レベルが、様々なPCRおよび/またはシーケンシング方法を使用して、経時的にモニターされ得る。ノーザンブロット分析およびインサイチューハイブリダイゼーションもまた、ATP7B発現をin vivoで分析するために使用することができる。ATP7B mRNA発現の増加がATP7Bタンパク質の増加と相関することを示すために、ATP7Bタンパク質のレベルもまた、処置後、モニターされ得る。ATP7Bタンパク質は、様々な方法を使用してアッセイすることができ、その方法には、ウェスタンブロット分析、免疫組織化学法、免疫蛍光組織化学法、および/またはELISAアッセイが挙げられるが、それらに限定されない。
動物は、ベクター投与後6~7ヶ月目に屠殺され、肝臓が、組織学的分析のために切除され得る。肝臓の銅含有量は、乾燥した肝臓組織において、例えば、原子吸光分析(SIMAA 6000、Perkin-Elmer GmbH、Bodenseewerk製)により、およびTimmの硫化銀染色(Danscher G. and Zimmer J. Histochemistry 1978; 55(1): 27-40)により、決定され得る。肝臓構造は、例えば、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色された切片において、評価され得る。抗マウスCD45抗体(BioLegend、San Diego、USA;カタログ番号103102)での免疫組織化学法は、肝臓において炎症性浸潤を検出するために実施され得る。加えて、抗マウスPanCk抗体(Invitrogen/Life Technologies、18-0132、クローンAE1/AE3)での免疫組織化学法もまた、胆管細胞を検出するために実施され得る。肝線維症は、コラーゲン決定のための方法としての通常のシリウスレッド染色を使用して決定され得る。
発現カセットを含むAAVの異なる用量もまた、各遺伝子治療処置の安全性および有効性プロファイルを決定するためにマウスへ投与され得る。これらの前臨床研究はまた、ウィルソン病を処置するために使用するための遺伝子治療の最適な用量についての情報を提供し得る。
(実施例8)
AAV8により送達されるATP7Bの肝臓発現
ATP7Bヌルマウスを、マウスATP7Bのコード領域のエクソン2へ停止コドンを挿入することにより作製した(ATP7B KO)。AAV8ウイルスを、三重トランスフェクションを使用する接着性HEK293T細胞の一過性トランスフェクションにより、産生し、AAV5カプシドタンパク質でシュードタイプ化させた。組換えベクターを、超遠心およびカラムクロマトグラフィーにより精製し、その後、バイアル化の前に滅菌濾過した。C57BL6雄マウス(およそ8週齢)に、様々な調節エレメント(配列番号24、66、67、68、69、および70)の制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有する、1×1011gc/マウスまたは2×1011gc/マウスの濃度でAAV8を、尾静脈を介して静脈内に注射した。ウイルス送達から4週間後、肝臓を回収した。4ミリメートルの肝臓パンチを、肝臓右側葉から採取し、RNA試料をこれらの試料から採取した。ATP7B導入遺伝子発現のレベルを確立するためにRNA試料を使用して、QPCR分析を実施した。簡単に述べれば、RNeasyキットを使用して、肝臓試料からRNAを抽出し、SuperScript IVファーストストランド合成システム(first-strand synthesis system)を使用して、入力RNA試料からcDNAを生成した。QPCR反応を、KAPA SYBR Fast qPCRマスターミックスを使用して、製造会社のプロトコールに従って、設定し、Roche LightCycler 96システムにおいて実施した。発現レベルを、内部対照としてGAPDHを使用して、標準化した。注射されたウイルスの濃度について標準化した場合、配列番号24および配列番号67候補を有するプロモーター候補が、全ての試験された候補の中で最も高いレベルのATP7B発現を示すことが観察された(図8)。PBS処理された動物由来の肝臓試料を使用して、hATP7B RNAの検出可能なレベルは、観察されなかった。
ATP7Bタンパク質発現をまた、ウェスタンブロット分析により測定した。ATP7B KOマウス(およそ4~6週齢)に、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有する、1×1011gc/マウスの濃度でのAAV8、またはPBS対照を、尾静脈を介して静脈内に注射した。ウイルス送達から5ヶ月後、肝臓を回収した。4ミリメートルの肝臓パンチを、肝臓右側葉から採取し、液体窒素中に凍結させた。肝臓パンチ(動物あたり1個)を、溶解緩衝液中に浸して、タンパク質を遊離させ、可溶化した。可溶化液を遠心分離して、透明にした後、ウェスタンブロッティング分析を実行してATP7B発現を測定した。全タンパク質のおよそ15マイクログラムを、ウェスタンブロッティングのためにゲルに添加し、ATP7Bタンパク質の検出のためにAbcam組換え抗ATP7B抗体(EPR6793、カタログ番号ab131208)を使用した。ウイルス処置は、ATP7B KO雄と雌の両方においてロバストかつ持続的なATP7B発現をもたらした(図9)。カスパーゼ3タンパク質存在量にも切断にも明らかな差は観察されなかった。各レーンは、ラベルされた群における個々の動物由来の試料を表した。
ATP7Bタンパク質発現をまた、MSD-ELISA分析により測定した。ATP7B KOマウス(およそ4~6週齢)に、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有する、1×1011gc/マウスの濃度でのAAV8、またはPBS対照を、尾静脈を介して静脈内に注射した。ウイルス送達から5ヶ月後、肝臓を回収した。4ミリメートルの肝臓パンチを、肝臓右側葉から採取し、液体窒素中に凍結させた。肝臓パンチ(動物あたり1個)を、溶解緩衝液中に浸して、タンパク質を遊離させ、可溶化した。可溶化液を遠心分離して、透明にした後、MSD-ELISA分析を実行してATP7B発現を測定した。研究試料を、抗ATP7B mAb(Sigma-Aldrich、St.Louis、MO)コーティング化MSDプレート上に標準曲線と並べてプレーティングし、サンドイッチELISA形式で二次抗ATP7B pAb(Sigma-Aldrich、St.Louis、MO)を使用して、検出した。その後、SULFOTAGレポーター抗体(Meso Scale Diagnostics、Rockville、MD)をプレートに加えた。1×読み取り緩衝液を加えた時点に、読み出しが起こり、プレートをMSD機械上で読み取った。ATP7Bの試料濃度は、標準曲線に対して電気化学発光シグナルを逆算することにより得られた。ウイルス処置は、雄と雌の両方のATP7B KOマウスにおいてロバストかつ持続的なATP7B発現をもたらした(図10Aおよび10B)。
最後に、in vivo肝臓ベクターコピー数を測定した。ATP7B KOマウス(およそ4~6週齢)に、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有する、1×1011gc/マウスの濃度でのAAV8、またはPBS対照を、尾静脈を介して静脈内に注射した。ウイルス送達から5ヶ月後、肝臓を回収し、上記のように、肝臓パンチを採取し、処理して、ゲノムDNA調製物を作製した。ウイルスDNA含有量を、生じたゲノムDNA調製物において定量化した。マウス肝臓DNAを、DNeasy血液&組織キット(Qiagen)で単離した。DNA量を、UV分光光度計を使用して決定し、標準化した。20ngの肝臓DNAを、ddPCR Super Mix for Probes(no dUTP)(Bio-Rad)ならびにATP7Bコドン最適化配列の領域に対して方向づけられたTaqManプライマーおよびプローブと共に20μl反応物に加えた。液滴を発生させ、鋳型を自動液滴発生装置(Bio-Rad)およびサーモサイクラー(Bio-Rad)を使用して増幅した。PCR後、試料を、QX2000液滴リーダーに添加し、それにより読み取って、肝臓におけるベクターコピー数を決定した。マウスゲノムTfrc(Tfrc)配列(Thermo Fisher Scientific)は、ゲノムDNA含有量を標準化するための内部対照としての役割を果たし、同じ反応において増幅された。ウイルス処置は、ATP7B KO雄と雌の両方の動物の肝臓においてロバストかつ持続的なウイルス含有量をもたらした(図11)。TaqMan(商標)コピー数参照アッセイ、マウス、Tfrc;カタログ番号:4458367(Thermo Fisher Scientific)を、コピー数分析に使用した。
(実施例9)
ATP7Bのウイルス投与がATP7B KO動物において肝毒性を減らす
ATP7B動物における肝損傷を評価するために、アラニントランスアミナーゼ(ALT)活性を測定した。ALT活性は、一般に使用される、肝臓傷害についての血清バイオマーカーであり、ALT活性の増加が進行中の肝損傷を示唆する。ATP7B KOマウス(およそ4~6週齢)に、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有する、1×1011gc/マウスの濃度でのAAV8、またはPBS対照を、尾静脈を介して静脈内に注射した。血清試料を、ウイルス注射後3週間ごとに、注射後の最初の3ヶ月間、採取した。最終血清試料もまた、剖検手順中に採取した。ALT測定を、血清試料に関して実行した。ALT活性を、製造会社のマニュアルに従って臨床アナライザーを使用して、測定した。ウイルス処置は、ATP7B KO動物においてALTの誘導を有意に減らし、ATP7B KOモデルにおける肝臓傷害の正常化を示唆した(図12)。
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)は、別の一般に使用される、動物における肝臓傷害についての血清バイオマーカーであり、AST活性の増加が進行中の肝損傷を示唆する。ATP7B動物において肝損傷を評価するためにAST活性を測定した。ATP7B KOマウス(およそ4~6週齢)に、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有する、1×1011gc/マウスの濃度でのAAV8、またはPBS対照を、尾静脈を介して静脈内に注射した。血清試料を、ウイルス注射後3週間ごとに、注射後の最初の3ヶ月間、採取した。最終血清試料もまた、剖検手順中に採取した。AST測定を、血清試料に関して実行した。ALT活性を、製造会社のマニュアルに従って臨床アナライザーを使用して、測定した。ウイルス処置は、ATP7B KO動物においてASTの誘導を有意に減らし、ATP7B KOモデルにおける肝臓傷害の正常化を示唆した(図13)。
野生型およびATP7B KOマウス肝臓をまた、炎症、線維症、および大細胞変化について評価した。マウスを、上記のように、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有するAAV8、またはPBS対照で処置した。最終血清試料を、ウイルス注射から5ヶ月後、採取した。最終血清試料を、ALP、ALT、AST、アルブミン、ビリルビン、コレステロール、およびグルコースのレベル測定を含む、肝臓傷害および代謝機能を測定するための包括的血清化学パネル分析に供した。血清化学パネル分析を、製造会社のマニュアルに従って臨床アナライザーを使用して実施した。広範囲の生化学的変化が、ATP7B KO動物において観察された。ATP7Bバリアント3を含有するAAV8での処置は、これらの変化をWTレベルへ戻して、完全に正常化した(図14)。
TIMP1タンパク質存在量についてのELISA分析もまた、最終血清試料にマウスTIMP1 ELISAキット(Sigma RAB0468-1KT)を使用して、製造会社の使用説明書に基づき、実施した。TIMP1は、肝臓線維症についての血清に基づいたバイオマーカーである。血清TIMP1の有意な増加が、PBSで処置されたATP7B KO動物において観察され、進行中の肝臓線維症と一致した。ウイルス処置は、ATP7B KO動物において血清TIMP1レベルをWTレベルへ戻して、完全に正常化した(図15)。
(実施例10)
ATP7Bのウイルス投与が、ATP7B KO動物における銅濃度の増加を減らす
ATP7B KOマウス(およそ4~6週齢)に、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有する、1×1011gc/マウスの濃度でのAAV8、またはPBS対照を、尾静脈を介して静脈内に注射した。尿試料を、ウイルス注射から21週間後、採取した。銅濃度を、PerkinElmer Sciex Elan 6000 ICP質量分析計を用いて、製造会社のマニュアルに従い、誘導結合型プラズマ質量分析により測定した。ATP7B KO動物由来の尿銅濃度は、WT動物と比較して、有意に増加した。しかしながら、ウイルス処置は、ATP7B KOマウスで観察された尿中銅濃度の増加を実質的に減らした(図16)。
銅濃度をまた、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有するAAV8、またはPBS対照を注射されたATP7B KOマウスの最終血清および脳試料において測定した。最終の血清および脳試料を、ウイルス注射から5ヶ月後、採取し、銅測定を実施した。ATP7B KO動物は、血清と脳の両方において銅レベルの増加を示した。しかしながら、ウイルス処置は、ATP7B KO動物で観察された銅含有量の増加を正常化した(図17および18)。
WTおよびATB7B KOマウスにおいて銅沈着レベルを評価するために、肝臓組織をまた、ローダニン(rhodanine)色素で染色した。ローダニンは、組織切片におけるタンパク質性銅沈着に対する強い親和性を有するキレート試薬であり、ウィルソン病患者試料において銅沈着を検出するために一般に使用される。WTおよびATP7B KOマウスにおける肝臓組織を、ウイルス注射から5ヶ月後、組織像分析のために処理した。組織を回収し、24時間、ホルマリン固定し、その後、パラフィン包埋し、5um厚さ切片に切断した。パラフィン切片を脱パラフィンし、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)、ピクロシリウスレッド(PSR)、ローダニン、および抗アルファSMAで染色した。日常的な組織診断を、J.A. Keirnan, Histological and Histochemical Methods 5th Edition、H&E 149~50ページ、PSR 190~1ページ、およびローダニン 331ページにおける手順に従って実施した。免疫組織化学法について、脱パラフィン後、組織を、pH6 クエン酸緩衝液中、95℃で熱賦活し、その後、抗アルファSMA(abcam ab5694)で染色し、それを抗ウサギ-HRP(Thermo A16110)、続いて、Akoya TSA-Fitcを使用して検出した。組織を、Akoya Polarisにおいて20×倍率で画像化した。DAPI染色は、CellProfilerにおける核セグメンテーションおよび計数を可能にし、アルファSMA染色のエリアを定量化し、核計数に対して標準化した。ローダニン染色は、WT動物由来の肝臓組織と比較して、PBSで処置されたATP7B KO動物由来の肝臓組織が、銅沈着の有意な増加を示し、銅蓄積が、ウィルソン病肝臓の主な特徴であるという事実と一致した。しかしながら、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有するAAV8ウイルスでの処置は、ATP7b KOマウスの肝臓における銅沈着を減らした(図19)。
野生型およびATP7B KOマウス肝臓をまた、炎症、線維症、および大細胞変化について評価した。マウスを、上記のように、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有するAAV8、またはPBS対照で処置した。WTおよびATP7B KOマウスにおける肝臓組織を、ウイルス注射から5ヶ月後、組織像分析のために処理した。独立した病理学者による盲検病理評価により、PBSで処置されたATP7B KO動物における肝臓炎症の増加、線維症の増加、および大細胞変化が浮き彫りにされた。ウイルス処置は、これらの変化をWTレベルへ戻して、完全に正常化した。肝臓炎症のスコアリングは、0から4までの昇順スケール:0(存在なし)、1(軽度)、2(中程度)、3(顕著)、および4(重度)を使用する、この研究(Brunt, Hepatology 31(1): 241-246 (2000))に基づいたスコアリングシステムに従っている。肝臓線維症のスコアリングは、0から4までの昇順スケールを使用する、この研究(T. Gilat et al., Hepatology 38(2): 436-442 (2003))に基づいたスコアリングシステムに従っている。大細胞変化のスコアリングは、0から4までの昇順スケールを使用する、この研究(B. Thoolen et al., Toxicologic Pathology 38(7): 5S-81S (2010))に基づいたスコアリングシステムに従っている。図における各ドットは、個々の動物についてのスコアリングを表す(図20)。
(実施例11)
ATP7Bのウイルス投与はATP7B KO動物における肝臓傷害を減らす
ATP7B KOマウス(およそ4~6週齢)に、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有する、1×1011gc/マウスの濃度でのAAV8、またはPBS対照を、尾静脈を介して静脈内に注射した。注射から5ヶ月後、上記のように、肝臓組織を組織像分析のために処理した。ウイルス処置は、ATP7B KO動物における免疫細胞浸潤の誘導を有意に減らした(図21A)。
肝臓組織をまた、ピクロシリウスレッド(PSR)で、PSR染色キット(Abcam ab150681)に記載された標準染色手順を使用して、染色した。PSR染色は、WT動物由来の肝臓組織と比較して、PBSで処置されたATP7B KO動物由来の肝臓組織が線維症(黒色矢印)の有意な増加を示すことを示した。しかしながら、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有するAAV8ウイルスでのウイルス処置が、ATP7B KO動物における免疫細胞浸潤の誘導を正常化した(図21B)。
肝臓組織をさらに、アルファ-SMA染色分析に供した。アルファ-SMAは、活性化肝星細胞についてのマーカーであり、陽性シグナルは、進行中の肝臓傷害/線維性応答を示唆する。肝星細胞の顕著な活性化が、PBSで処置されたATP7B KO動物において観察され(白色矢印により示されている)、進行中の肝臓線維症および免疫浸潤と一致した。配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有するAAV8ウイルスでのウイルス処置は、これらの変化をWTレベルへ戻して完全に正常化した(図22)。
(実施例12)
ATP7B KO動物におけるトランスクリプトーム分析
ATP7B KOマウス(およそ4~6週齢)に、配列番号24を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有する、1×1011gc/マウスの濃度でのAAV8、またはPBS対照を、尾静脈を介して静脈内に注射した。RNA試料を肝臓試料から採取し、全トランスクリプトーム分析を実施した。ポリアデニル化RNAシーケンシングライブラリを、Illumina TruSeq stranded mRNA試料調製キットを使用して、製造会社のマニュアルに従って作製し、NextSeq 500システム上でシーケンシングした。各試料について約2千万個のリードが生成された。リードマッピング、トランスクリプトームアセンブリ、および遺伝子発現分析を、Hisat2、StringTie、およびDEseq2を用いて、それらのそれぞれのマニュアルに従って実施した。WT動物とPBSで処置されたATP7B KO動物を比較して、複数の生物学的経路において有意な変化が同定された。ウイルス処置は、ATP7B KO動物における自然免疫経路および肝臓代謝経路のトランスクリプトームレベル変化をWTレベルへ戻して有意に正常化した。
主成分分析(Principle component analysis)(PCA)もまた、トランスクリプトームデータセットに関して実施した。PCA分析は、高次元のデータセットの類似度および分散を説明するために使用され、RNAシーケンシング試料の類似度を定義するための、すなわち、サブグループまたは異常値を同定するための、一般に使用される方法である。PCA分析を、DESeq2 package in Rを使用して、ユーザーマニュアルに従って実施した。WT動物と比較して、PBSで処置されたATP7B KO動物についてのトランスクリプトームシグネチャにおいて大きな変化が同定された。ウイルス処置は、ATP7B KO動物におけるトランスクリプトームシグネチャをWTレベルへ戻して正常化した。
RNA試料を、トランスクリプトーム分析において発現差異を示す重要な遺伝子を確証するためにQPCR分析にさらに供した。例には、Col1A1、Col3A1、Col4A1、Col16A1が挙げられ、それらの全ては、コラーゲン合成および肝臓線維症について重要なコンポーネントをコードする遺伝子である。MMP2は、細胞外マトリックスリモデリングにとって重要なメタロプロテイナーゼであり、肝臓線維症における線維形成促進性機能を有する。IL6は、炎症を制御するサイトカインであり、HMGCRは、肝臓におけるコレステロール生合成に関与する重要な酵素である。QPCR確証とトランスクリプトームプロファイリングデータの間で高い一貫性が観察され、ATP7B KO動物は、肝臓線維症に関与するコラーゲン遺伝子および炎症促進性遺伝子の顕著な誘導、ならびにHMGCRなどの代謝遺伝子の低下を示した。ウイルス処置は、ATP7B KO動物における遺伝子発現プロファイルをWTレベルへ戻して正常化した(図23)。
(実施例13)
AAV5およびAAV8マウスにおけるATP7Bの肝臓発現
C57BL6雄マウス(およそ8週齢)に、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有する、1×1011gc/マウス、5×1011gc/マウス、または2.5×1012gc/マウスの濃度でのAAV8またはAAV5を、尾静脈を介して静脈内に注射した。ウイルス送達から4週間後、肝臓を回収した。4ミリメートルの肝臓パンチを、肝臓右側葉から採取し、RNA試料をこれらの試料から採取した。ATP7B導入遺伝子発現のレベルを確立するためにRNA試料を使用して、QPCR分析を実施した。簡単に述べれば、RNeasyキットを使用して、肝臓試料からRNAを抽出し、SuperScript IVファーストストランド合成システムを使用して、入力RNA試料からcDNAを生成した。QPCR反応を、KAPA SYBR Fast qPCRマスターミックスを使用して、マニュアルに従って、設定し、Roche LightCycler 96システムにおいて実施した。発現レベルを、内部対照としてGAPDHを使用して標準化した。本発明者らは、AAV8ウイルス投与が、最高レベルのATP7B発現をもたらし、一方、AAV5ウイルス投与もまた、ATP7B発現の増加を示すことを観察した(図24)。PBSで処置された動物由来の肝臓試料を使用して、検出可能なレベルのhATP7B RNAは観察されなかった。ATP7B構築物およびGAPDHについてのこの研究に使用されたフォワードプライマーおよびリバースプライマーは、上記の表7に列挙されている。
1×1011gc/マウス、5×1011gc/マウス、または2.5×1012gc/マウスの濃度での、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント#3(配列番号5)を含有するAAV8またはAAV5ウイルスを注射されたマウスにおいて、in vivo肝臓ベクターコピー数を測定した。ウイルス送達から4週間後、肝臓を回収し、上記のように処理して、ゲノムDNA調製物を作製した。生じたゲノムDNA調製物においてウイルスDNA含有量を定量化した。マウス肝臓DNAを、DNeasy血液&組織キット(Qiagen)を用いて単離した。DNA量を、UV分光光度計を使用して、決定し、標準化した。20ngの肝臓DNAを、ddPCR Super Mix for Probes(no dUTP)(Bio-Rad)ならびにATP7Bコドン最適化配列の領域に対して方向づけられたTaqManプライマーおよびプローブと共に20μl反応物に加えた。液滴を発生させ、鋳型を自動液滴発生装置(Bio-Rad)およびサーモサイクラー(Bio-Rad)を使用して増幅した。PCR後、試料を、QX2000液滴リーダーに添加し、それにより読み取って、肝臓におけるベクターコピー数を決定した。マウスゲノムTfrc(Tfrc)配列(Thermo Fisher Scientific)は、ゲノムDNA含有量を標準化するための内部対照としての役割を果たし、同じ反応において増幅された。ウイルス処置は、WT動物の肝臓においてロバストかつ持続的なウイルス含有量をもたらした(図25)。TaqMan(商標)コピー数参照アッセイ、マウス、Tfrc;カタログ番号:4458367(Thermo Fisher Scientific)を、コピー数分析に使用した。
ATP7Bタンパク質発現もまた、上記のようにMSD-ELISA分析により測定した。C57BL6雄マウス(およそ8週齢)に、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有するAAV8もしくはAAV5、またはPBS対照を、尾静脈を介して、異なる濃度で静脈内に注射した。ウイルス送達から4週間後、肝臓を処理し、ATP7B発現を測定するために、MSD-ELISA分析を実行した。ウイルス処置は、WT動物において、用量依存性ATP7B発現をもたらした(図26)。
(実施例14)
ATP7 KO動物におけるセルロプラスミン活性
セルロプラスミン活性は、肝臓ATP7B活性についてのバイオマーカーであり、肝臓における正常な銅輸送/代謝に大きく依存する。ATP7B KOマウス(およそ4~6週齢)に、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有する、5×1011gc/マウスの濃度でのAAV8、またはPBS対照を、尾静脈を介して静脈内に注射した。血清試料を、ウイルス注射後3週間ごとに採取した。セルロプラスミン活性を、セルロプラスミン比色活性キット(Arbor assays K035-H1)を使用して、製造会社のマニュアルに従って測定した。PBSで処置されたATP7B KO動物は、WT動物と比較して有意により低いセルロプラスミン活性を示した。ウイルス処置は、ATP7B KO動物におけるセルロプラスミン活性欠損を正常化し、ATP7B KOモデルにおける銅代謝の正常化を示した(図27)。
配列番号24、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3を含有するAAV5(5×1012gc/マウス)またはPBS対照を静脈内(尾静脈)に注射された週齢4~6週間ATP7B KOマウスにおいて、セルロプラスミン活性を同様に測定した。血清試料を、ウイルス注射後3週間ごとに採取し、セルロプラスミン活性を上記のように測定した。PBSで処置されたATP7B KO動物は、WT動物と比較して有意により低いセルロプラスミン活性を示し、一方、ウイルス処置は、ATP7B KO動物におけるセルロプラスミン活性欠損を正常化した。これは、AAV5ウイルスを投与されたATP7B KOマウスについての銅代謝の正常化を確認した(図28)。
(実施例15)
ATP7Bのウイルス投与はATP7B KO動物における肝毒性を減らす
配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3を含有するAAV8(5×1011gc/マウス)またはPBS対照を静脈内(尾静脈)に注射された週齢4~6週間ATP7B KOマウスにおいて、ALTおよびAST活性を測定した。血清試料を、ウイルス注射後3週間ごとに、注射後の最初の3ヶ月間、採取した。最終血清試料もまた、剖検手順中に採取した。ALTおよびAST測定を、上記で論じられているように血清試料に関して実行した。ウイルス処置は、ATP7B KO動物においてALTおよびASTの誘導を有意に減らし、ATP7B KOモデルにおける肝臓傷害の正常化を示唆した(図29および30)。
配列番号24、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3を含有するAAV5(5×1012gc/マウス)またはPBS対照を静脈内(尾静脈)に注射された週齢4~6週間ATP7B KOマウスにおいて、ALTおよびAST活性を同様に測定した。血清試料を、ウイルス注射後3週間ごとに、注射後の最初の3ヶ月間、採取した。最終血清試料もまた、剖検手順中に採取した。ALTおよびAST測定を、上記で論じられているように血清試料に関して実行した。ウイルス処置は、ATP7B KO動物においてALTおよびASTの誘導を有意に減らし、ATP7B KOモデルにおける肝臓傷害の正常化を示唆した(図31および32)。
次に、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3を含有するAAV5(2×1012gc/マウスまたは5×1012gc/マウス)またはPBS対照を静脈内(尾静脈)に注射された4~6週齢ATP7B KOマウスにおいて、ALTおよびAST活性を測定した。血清試料を、ウイルス注射後3~4週間ごとに採取した。ALTおよびAST測定を、上記で論じられているように血清試料に関して実行した。ウイルス処置は、ATP7B KO動物においてALTおよびASTの誘導を有意に減らし、ATP7B KOモデルにおける肝臓傷害の正常化をさらに確認した(図33および34)。
TIMP1タンパク質存在量についてのELISA分析もまた、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3を含有するAAV8(5×1011gc/マウス)またはPBS対照を静脈内(尾静脈)に注射されたATP7B KOマウス由来の血清試料に実施した。マウスTIMP1 ELISAキット(Sigma RAB0468-1KT)を、製造会社のマニュアルに従って使用した。TIMP1は、肝臓線維症についての血清に基づいたバイオマーカーである。血清TIMP1の有意な増加が、PBSで処置されたATP7B KO動物において観察され、進行中の肝臓線維症と一致した。ウイルス処置は、ATP7B KO動物において血清TIMP1レベルをWTレベルへ戻して、完全に正常化した(図35)。
(実施例16)
ATP7Bのウイルス投与はATP7B KO動物における銅濃度の増加を減らす
ATP7B KOマウス(およそ4~6週齢)に、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有する、5×1011gc/マウスの濃度でのAAV8、またはPBS対照を、尾静脈を介して静脈内に注射した。尿試料を、ウイルス注射から3週間後、採取した。銅濃度を、PerkinElmer Sciex Elan 6000 ICP質量分析計を用いて、製造会社のマニュアルに従って、誘導結合型プラズマ質量分析により測定した。ATP7B KO動物由来の尿銅濃度は、WT動物と比較して、有意に増加した。しかしながら、ウイルス処置は、ATP7B KOマウスで観察された尿中銅濃度の増加を実質的に減らした(図36)。
尿銅濃度をまた、AAV5ウイルスを注射されたマウスにおいて測定した。ATP7B KOマウス(およそ4~6週齢)に、配列番号24、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有する、5×1012gc/マウスの濃度でのAAV5、またはPBS対照を、尾静脈を介して静脈内に注射した。尿試料を、注射から16週間後、採取した。銅濃度を、上記のように測定した。ATP7B KO動物由来の尿銅濃度は、WT動物と比較して、有意に増加し、ウイルス処置は、尿中銅濃度を有意に正常化した(図37)。
その後、ATP7B KOマウス(およそ週齢4~6週間)に、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有する、2×1012gc/マウスまたは5×1012gc/マウスの濃度でのAAV5、またはPBS対照を、尾静脈を介して静脈内に注射した。尿試料を、注射から4週間後、採取した。銅濃度を、上記のように測定した。ATP7B KO動物由来の尿銅濃度は、WT動物と比較して、有意に増加し、ウイルス処置は、尿中銅濃度を有意に正常化した(図38)。
(実施例17)
AAV5マウスにおけるATP7Bの肝臓発現
ATP7Bノックアウト(KO)マウス(およそ週齢4~6週間)に、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有するAAV5(2×1012gc/マウスまたは5×1012gc/マウス)、またはPBS対照を、静脈内(尾静脈)に注射した。ウイルス送達から8週間後、肝臓を処理し、RNAlater試薬中に保存した。保存された肝臓試料からRNA試料を精製し、ATP7Bバリアント3についての転写物存在量を、上記のようにQPCRにより定量化した。ウイルス処置は、ATP7B KO動物において用量依存性ATP7B発現をもたらした(図39)。
ATP7Bタンパク質発現を、上記のようにMSD-ELISA分析により測定した。ATP7B KOマウス(およそ4~6週齢)に、配列番号24、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有する、5×1012gc/マウスの濃度でのAAV5、またはPBS対照を、尾静脈を介して静脈内に注射した。ウイルス送達から5ヶ月後、肝臓を上記のように処理し、ATP7B発現を測定するためにMSD-ELISA分析を実行した。ウイルス処置は、ATP7B KO動物においてロバストかつ持続的なATP7B発現をもたらした(図40)。
ATP7Bタンパク質発現もまた、5×1012gc/マウスまたは2×1012gc/マウスの濃度でのAAV5を投与されたマウスにおいて、MSD-ELISA分析により測定した。ATP7Bノックアウト(KO)マウス(およそ4~6週齢)に、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有するAAV5、またはPBS対照を、静脈内(尾静脈)に注射した。ウイルス送達から4週間または8週間後、肝臓を上記のように処理し、ATP7B発現を測定するために、前に記載されているようにMSD-ELISA分析を実行した。ウイルス処置は、ATP7B KO動物において用量依存性ATP7B発現をもたらした(図41)。
ATP7Bタンパク質発現をまた、ウェスタンブロット分析により測定した。ATP7B KOマウス(およそ4~6週齢)に、配列番号24、配列番号67を有するプロモーターの制御下のATP7Bバリアント3(配列番号5)を含有する、5×1012gc/マウスの濃度でのAAV5、またはPBS対照を、尾静脈を介して静脈内に注射した。ウイルス送達から5ヶ月後、肝臓を回収した。4ミリメートルの肝臓パンチを、肝臓右側葉から採取し、液体窒素中に凍結させた。肝臓パンチ(動物あたり1個)を、溶解緩衝液中に浸して、タンパク質を遊離させ、可溶化した。可溶化液を遠心分離して、透明にした後、ATP7B発現を測定するためにウェスタンブロッティング分析を実行した。全タンパク質のおよそ15ugを、ウェスタンブロッティングのためにゲルに添加し、ATP7Bタンパク質の検出のためにAbcam組換え抗ATP7B抗体(EPR6793、カタログ番号ab131208)を使用した。ウイルス処置は、ATP7B KO雄と雌の両方においてロバストかつ持続的なATP7B発現をもたらした(図42)。
本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され、かつ記載されているが、そのような実施形態が例としてのみ提供されていることは当業者に明らかであろう。多数のバリエーション、変化、および置換が今、本発明から逸脱することなく、当業者の頭に浮かぶであろう。本明細書に記載された本発明の実施形態の様々な代替物が、本発明を実践するのに用いられ得ることは理解されるべきである。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義すること、ならびにこれらの特許請求の範囲内の方法と構造およびそれらの等価物がそれらにより包含されることが意図される。