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JP7438867B2 - Me元素置換有機酸バリウムチタニル、その製造方法及びチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末の製造方法 - Google Patents

Me元素置換有機酸バリウムチタニル、その製造方法及びチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末の製造方法 Download PDF

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JP7438867B2 JP2020115142A JP2020115142A JP7438867B2 JP 7438867 B2 JP7438867 B2 JP 7438867B2 JP 2020115142 A JP2020115142 A JP 2020115142A JP 2020115142 A JP2020115142 A JP 2020115142A JP 7438867 B2 JP7438867 B2 JP 7438867B2
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Description

本発明は、誘電体、圧電体、オプトエレクトロニクス材、半導体、センサー等の機能性セラミックの原料として有用なバリウム元素の一部を他の元素で置換した有機酸バリウムチタニル及びその製造方法に関するものである。
積層セラミックチップコンデンサ(MLCC) の誘電体層は、主原料であるチタン酸バリウムと微量の添加剤とから構成される多成分系の形をとることが一般的である。例えば、カルシウムは添加剤としてよく使用される成分であるが、チタン酸バリウムにおけるバリウムサイトへ置換固溶することで、誘電体の比誘電率の温度特性をなめらかにするディプレッサーとしての効果、あるいは焼結助剤となるガラスの成分として使用されることなどが知られている。
前記した多成分系の形をとるチタン酸バリウムは、従来から知られている固相法、シュウ酸塩法、水熱合成法、アルコキシド法等を用いて、微量成分を添加することにより得られる。これらのうち、シュウ酸塩法は、湿式合成されたシュウ酸塩前駆体を熱処理し、脱シュウ酸することでチタン酸バリウムを合成する製法である。そして、シュウ酸塩法の最大の特徴は、前駆体結晶におけるバリウムとチタンの組成比(Ba/Ti)から高品位で化学量論的なチタン酸バリウムが得られることである。
シュウ酸塩法には、いくつかのプロセスが報告されているが、工業的には、塩化チタンと塩化バリウムの混合液をシュウ酸水溶液に添加して反応を行う方法が一般的である。このシュウ酸塩法を用いてバリウム元素の一部を他の金属元素で置換したシュウ酸バリウムチタニルを製造する方法が提案されている。
例えば、特許文献1では、塩化チタン、塩化バリウムの混合液に、置換する他のアルカリ土類金属化合物を含有させて、これをシュウ酸水溶液に添加して行う方法が記載されている。しかし、定量的に反応が進みにくいため工業的に有利でない欠点がある。
そこで、定量的に反応を進めるために、特許文献2では、四塩化チタンとシュウ酸を含有する溶液を、バリウム化合物と、置換する他の元素を含む化合物を含有する溶液に添加して反応を行うと、反応性が向上し、バリウムと置換する他の元素の置換率が高いシュウ酸バリウムチタニルが得られることが記載されている。
また、特許文献3には、シュウ酸とチタンを含む第1の水溶液を、アンモニアとカルシウム、バリウム及びストロンチウムから選ばれる少なくとも1種とを含む第2の水溶液に滴下、混合することにより、バリウム、カルシウムといったアルカリ土類金属及びチタンの分散性が良好で、均一性に優れたセラミックス原料微粉末が得られることが記載されている。
特開2003-212543号公報 特開2006-188469号公報 特開平4-292455号公報
しかし、引用文献2に記載の方法では、バリウムサイトにカルシウムなどの他の元素を高い確率で置換させることができるが、反応性が高過ぎるため、シュウ酸バリウムチタニル全体に均一に置換元素を分布させることが困難となる問題があった。
また、引用文献3の実施例によると、仕込み組成に応じた組成の生成物が得られることが記載されているが、均一性に関する評価はなく、また、アンモニアを用いてpH調整を行うこともあり、工業的に有利な方法であるとはいえない。
従って、本発明の目的は、Baサイトの一部が他の元素(Me元素)で置換されている有機酸バリウムチタニル及びチタン酸バリウムであって、置換元素が偏析せずに、有機酸バリウムチタニル粉末全体又はチタン酸バリウム粉末全体に、均一に分布しているMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末及びチタン酸バリウム粉末を提供すること、及び該有機酸バリウムチタニル又は該チタン酸バリウム粉末を工業的に有利に製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、有機酸バリウムチタニルのTiに対するBa及びMe元素の合計のモル比を1より少し小さい範囲の0.980~0.999とし、且つ、Baに対するMe元素のモル比の範囲を0.001~0.200とすることにより、偏析が少ない有機酸バリウムチタニル粉末が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明(1)は、Baサイトの一部がMe元素(Meは、Ca、Sr及びMgから選ばれる少なくとも1種を示す。)に置換されているMe元素置換有機酸バリウムチタニルであり、
Tiに対するBaとMe元素の合計のモル比((Ba+Me)/Ti)が0.980以上0.999未満であり、Baに対するMe元素のモル比(Me/Ba)が0.001以上0.250以下であること、
を特徴とするMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末を提供するものである。
また、本発明(2)は、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)分析において、前記Me元素置換有機酸バリウムチタニル粉末を焼成して得られるMe元素置換チタン酸バリウム粉末の粒子に、前記Me元素が均一に分布していることを特徴とする(1)のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末を提供するものである。
また、本発明(3)は、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)分析を用いて、前記Me元素置換有機酸バリウムチタニル粉末を焼成して得られるMe元素置換チタン酸バリウムの圧粉体の表面上を、一辺が205μmの正方形の範囲となるように0.8μm間隔で縦横256点のマッピング分析して得られる画像解析において、CaのCV値(標準偏差/平均値)が0.4以下であることを特徴とする(1)のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末を提供するものである。
また、本発明(4)は、バリウム化合物、Me元素化合物及びチタン化合物を水に混合して得られる水溶液(A液)を、有機酸水溶液(B液)に添加することにより、Me元素置換有機酸バリウムチタニルを得るMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法であり、
該A液中、原子換算で、Baに対するMe元素のモル比(Me/Ba)が0.020以上5.000以下であり、Tiに対するBaのモル比(Ba/Ti)が0.300以上1.200以下であり、且つ、A液とB液の混合温度が10~50℃であること、
を特徴とするMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法を提供するものである。
また、本発明(5)は、前記バリウム化合物が、塩化バリウム、炭酸バリウム及び水酸化バリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(4)のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法を提供するものである。
また、本発明(6)は、前記Me元素化合物が、Me元素の塩化物、Me元素の炭酸塩及びMe元素の水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(4)又は(5)のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法を提供するものである。
また、本発明(7)は、前記チタン化合物が、四塩化チタン及び乳酸チタンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(4)~(6)いずれかのMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法を提供するものである。
また、本発明(8)は、前記有機酸がシュウ酸、クエン酸、マロン酸及びコハク酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(4)~(7)いずれかのMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法を提供するものである。
また、本発明(9)は、(1)~(3)いずれかのMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末を焼成することにより、Me元素置換チタン酸バリウムを得ることを特徴とするチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末の製造方法を提供するものである。
また、本発明(10)は、(4)~(8)いずれかのMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法を行い得られるMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末を焼成することにより、Me元素置換チタン酸バリウム粉末を得ることを特徴とするチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、Baサイトの一部が他の元素(Me元素)で置換されている有機酸バリウムチタニル及びチタン酸バリウムであって、置換元素が偏析せずに、有機酸バリウムチタニル粉末全体又はチタン酸バリウム粉末全体に、均一に分布しているMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末及びチタン酸バリウム粉末を提供すること、及び該有機酸バリウムチタニル又は該チタン酸バリウム粉末を工業的に有利に製造する方法を提供することができる。
実施例1で得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末のEPMAによるCa原子のマッピング分析結果である。 実施例1~5及び比較例1~2で得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニルのXRD分析結果である。 実施例2で得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末のEPMAによるCa原子のマッピング分析結果である。 実施例3で得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末のEPMAによるCa原子のマッピング分析結果である。 実施例4で得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末のEPMAによるCa原子のマッピング分析結果である。 実施例5で得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末のEPMAによるCa原子のマッピング分析結果である。 比較例1で得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末のEPMAによるCa原子のマッピング分析結果である。 比較例2で得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末のEPMAによるCa原子のマッピング分析結果である。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末は、Baサイトの一部がMe元素(Meは、Ca、Sr及びMgから選ばれる少なくとも1種を示す。)に置換されているMe元素置換有機酸バリウムチタニルであり、
Tiに対するBaとMe元素の合計のモル比((Ba+Me)/Ti)が0.980以上0.999未満であり、Baに対するMe元素のモル比(Me/Ba)が0.001以上0.250以下であること、
を特徴とするMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末である。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末は、粉末状であり、Baサイトの一部がMe元素で置換された有機酸バリウムチタニルの粒子の集合物である。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末において、有機酸バリウムチタニルのBaサイトの一部を置換しているMe元素は、Ca、Sr及びMgから選ばれる少なくとも1種の元素であり、好ましくはCa、Srであり、特に好ましくはCaである。Meは、1種であっても、2種以上であってもよい。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末中、有機酸は、シュウ酸、クエン酸、マロン酸及びコハク酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくはシュウ酸、クエン酸であり、特に好ましくはシュウ酸である。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末中のTiに対するBaとMe元素の合計のモル比((Ba+Me)/Ti)は、0.980以上0.999未満であり、好ましくは0.983以上0.998以下、特に好ましくは0.985以上0.997以下である。(Ba+Me)/Tiが上記範囲にあることにより、Me元素が粉末全体に均一に分布しており、Me元素の偏析が少ない、Me元素置換有機酸バリウムチタニル粉末が得られ、且つ、焼成により、Me元素が粉末全体に均一に分布しており、Me元素の偏析が少ない、Me元素置換チタン酸バリウム粉末が得られる。一方、(Ba+Me)/Tiが上記範囲未満だと、所望の特性を有するMe元素置換チタン酸バリウムが得られ難く、また、上記範囲を超えると、Me元素の偏析が起こり易くなる。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末中のBaに対するMe元素のモル比(Me/Ba)が0.001以上0.250以下であり、好ましくは0.005以上0.150以下である。Me/Baが上記範囲にあることにより、Me元素が粉末全体に均一に分布しており、Me元素の偏析の少ない、Me元素置換有機酸バリウムチタニルが得られ、且つ、焼成により、Me元素が粒子全体に均一に分布しており、Me元素の偏析の少ない、Me元素置換チタン酸バリウムが得られる。一方、Me/Baが上記範囲未満だと、所望の特性を有するMe元素置換チタン酸バリウムが得られ難く、また、上記範囲を超えると、Me元素の偏析が起こり易くなる。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末のうち、有機酸がシュウ酸であるものとしては、例えば、下記一般式(1):
(Ba1-pMeTiO(C・nHO (1)
(式中、Meは、Ca、Sr及びMgから選ばれる少なくとも1種の元素を表し、pが、0.001≦p≦0.200であり、qが、0.980≦q<0.999であり、nは、1~8の整数である。)
で表されるMe元素置換シュウ酸バリウムチタニル粉末が挙げられる。
一般式(1)中、Meは、Ca、Sr及びMgから選ばれる少なくとも1種の元素であり、好ましくはCa、Srであり、特に好ましくはCaである。Meは、1種であっても、2種以上であってもよい。つまり、一般式(1)で表されるMe元素置換シュウ酸バリウムチタニル粉末は、Baサイトの一部が、Ca、Sr及びMgから選ばれる1種又は2種以上で置換されている。
一般式(1)中、qの値は、原子換算のTiに対するBaとMe元素の合計のモル比((Ba+Me)/Ti)に相当する。qは、0.980以上0.999未満であり、好ましくは0.983以上0.998以下、特に好ましくは0.985以上0.997以下である。qが上記範囲にあることにより、Me元素が粉末全体に均一に分布しており、Me元素の偏析が少ない、Me元素置換シュウ酸バリウムチタニル粉末が得られ、且つ、焼成により、Me元素が粉末全体に均一に分布しており、Me元素の偏析が少ない、Me元素置換チタン酸バリウム粉末が得られる。一方、qが上記範囲未満だと、所望の特性を有するMe元素置換チタン酸バリウムが得られ難く、また、上記範囲を超えると、Me元素の偏析が起こり易くなる。
一般式(1)中、pは、原子換算のBaに対するMe元素のモル比(Me/Ba)に相当する。pは、0.001以上0.200以下であり、好ましくは0.005以上0.150以下である。pが上記範囲にあることにより、Me元素が粉末全体に均一に分布しており、Me元素の偏析の少ない、Me元素置換シュウ酸バリウムチタニルが得られ、且つ、焼成により、Me元素が粒子全体に均一に分布しており、Me元素の偏析の少ない、Me元素置換チタン酸バリウムが得られる。一方、pが上記範囲未満だと、所望の特性を有するMe元素置換チタン酸バリウムが得られ難く、また、上記範囲を超えると、Me元素の偏析が起こり易くなる。
一般式(1)中、nは、1~8の整数である。nは、3~7の整数が好ましい。
なお、一般式(1)で表されるMe元素置換シュウ酸バリウムチタニル中のTi、Ba、Meの各原子のモル比については、蛍光X線分析装置(株式会社リガク製、ZSX100e)の測定値に基づいて算出することができる。また、一般式(1)で表されるMe元素置換シュウ酸バリウムチタニル中のTi、Ba、Meの各原子のモル比については、Me元素置換シュウ酸バリウムチタニルを焼成して得られるMe元素置換チタン酸バリウムを、蛍光X線分析装置(株式会社リガク製、ZSX100e)で測定して得られた値に基づいて算出することもできる。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の平均粒子径は、特に制限されないが、好ましくは0.1~300μm、特に好ましくは0.5~200μmである。なお、本発明において、Me元素置換有機酸バリウムチタニルの平均粒子径は、レーザ回折・散乱法により求められる粒度分布における体積積算50%の粒子径(D50)を指す。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末を600~1200℃、好ましくは650~1100℃で焼成して得られる焼成物は、チタン系ペロブスカイト型複合酸化物であり、Baサイトの一部がMe元素で置換されたチタン酸バリウムである。つまり、本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の焼成物は、下記一般式(2):
(Ba1-xMeTiO (2)
で表されるMe元素置換チタン酸バリウム粉末である。一般式(2)中、Meは、Ca、Sr及びMgから選ばれる少なくとも1種である。xは、0.001≦x≦0.200であり、好ましくは0.010≦x≦0.150である。また、yは、0.980≦y<0.999であり、好ましくは0.983≦y≦0.998、特に好ましくは0.985≦y≦0.997である。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末を、600~1200℃、好ましくは650~1100℃で焼成することにより得られるMe元素置換チタン酸バリウム粉末では、各粒子において、Me元素が粒子に均一に分布している。なお、本発明において、Me元素置換チタン酸バリウムの粒子に、Me元素が均一に分布していることは、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)分析を用いて、Me元素置換チタン酸バリウムの圧粉体の表面上を、一辺が205μmの正方形の範囲となるように0.8μm間隔で縦横256点のマッピング分析して得られる画像解析において、CaのCV値(標準偏差/平均値)を算出し、この値が0.4以下であることを差す。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法は、バリウム化合物、Me元素化合物(Meは、Ca、Sr及びMgから選ばれる少なくとも1種を示す。)及びチタン化合物を水に混合して得られる水溶液(A液)を、有機酸水溶液(B液)に添加することにより、Me元素置換有機酸バリウムチタニルを得るMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法であり、
該A液中、原子換算で、Baに対するMe元素のモル比(Me/Ba)が0.020以上5.000以下であり、原子換算のTiに対するBaのモル比(Ba/Ti)が0.300以上1.200以下であり、且つ、A液のB液への添加速度が2.0ml/分以上であること、
を特徴とするMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法である。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法は、先ず、反応容器に反応に用いるB液の全量を入れておき、次いで、反応容器にA液を供給して、A液をB液に添加することにより、Me元素で置換された有機酸バリウムチタニルの生成反応を行うMe元素置換有機酸バリウムチタニルの製造方法である。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニルの製造方法に係るA液は、バリウム化合物、Me元素化合物及びチタン化合物を水に混合して得られる水溶液である。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニルの製造方法に係るバリウム化合物としては、特に制限されず、塩化バリウム、炭酸バリウム、水酸化バリウム、酢酸バリウム、硝酸バリウム等が挙げられる。バリウム化合物は、1種であっても、2種以上の併用であってもよい。バリウム化合物としては、塩化バリウム、炭酸バリウム及び水酸化バリウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニルの製造方法に係るMe元素化合物としては、特に制限されず、Ca、Sr及びMgからなる群から選択される1種又は2種以上の元素を含む塩化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩等が挙げられる。Me元素化合物は、1種であっても、2種以上の併用であってもよい。Me元素化合物としては、Me元素の塩化物、Me元素の炭酸塩及びMe元素の水酸化物からなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニルの製造方法に係るチタン化合物としては、特に制限されず、四塩化チタン、乳酸チタン等が挙げられる。チタン化合物は、1種であっても、2種以上の併用であってもよい。チタン化合物としては、四塩化チタンが好ましい。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニルの製造方法に係る有機酸としては、シュウ酸、クエン酸、マロン酸及びコハク酸等が挙げられる。有機酸は、1種であっても、2種以上の併用であってもよい。有機酸としては、シュウ酸が好ましい。
そして、本発明においては、バリウム化合物として塩化バリウムを用い、Me元素化合物としてMe元素の塩化物を用い、チタン化合物として四塩化チタンを用い、有機酸としてシュウ酸を用いることが、反応性が高くなり、且つ、安定した品質のものが、高収率で得られる点で好ましい。
A液中、原子換算のBaに対するMe元素のモル比(Me/Ba)は、0.020以上5.000以下、好ましくは0.050以上4.000以下である。A液中の原子換算のBaに対するMe元素のモル比(Me/Ba)が、上記範囲にあることにより、Me元素が粉末全体に均一に分布しており、Me元素の偏析が少ないMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末が得られ、焼成により、Me元素が粉末全体に均一に分布しており、Me元素の偏析が少ないMe元素置換チタン酸バリウム粉末が得られる。一方、A液中の原子換算のTiに対するBaのモル比(Ba/Ti)が上記範囲未満だと、Me元素の置換が進み難く、また、上記範囲を超えると、Me元素の偏析が起こり易くなる。
A液中、原子換算のTiに対するBaのモル比(Ba/Ti)は、0.300以上1.200以下、好ましくは0.350以上1.150以下である。A液中の原子換算のTiに対するBaのモル比(Ba/Ti)が、上記範囲にあることにより、Me元素が粒子全体に均一に分布しており、Me元素の偏析が少ないMe元素置換有機酸バリウムチタニルが得られ、焼成により、Me元素が粒子全体に均一に分布しており、Me元素の偏析が少ないMe元素置換チタン酸バリウムが得られる。一方、A液中の原子換算のTiに対するBaのモル比(Ba/Ti)が、上記範囲未満だと、Me元素の置換が進み難く、また、上記範囲を超えると、Me元素の偏析が起こり易くなる。
A液中のBa濃度は、特に制限されないが、原子換算で、好ましくは0.05~1.00mol/L、特に好ましくは0.10~0.90mol/Lである。
A液中のMe元素濃度は、特に制限されないが、原子換算で、好ましくは0.002~6.50mol/L、特に好ましくは0.10~6.00mol/Lである。
A液中のTi濃度は、特に制限されないが、原子換算で、好ましくは0.05~1.35mol/L、特に好ましくは0.10~1.30mol/Lである。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニルの製造方法に係るB液は、有機酸を水に溶解して得られる有機酸水溶液である。
B液中の有機酸イオンのモル数に対するA液中の原子換算のBa、Me元素及びTiの合計モル数の比は0.800以上1.400以下、好ましくは0.850以上1.300以下、特に好ましくは0.900以上1.250以下である。B液中の有機酸イオンのモル数に対するA液中の原子換算のBa、Me元素及びTiの合計モル数の比が、上記範囲にあることにより、Me元素が粒子全体に均一に分布しており、Me元素の偏析の少ない、Me元素置換有機酸バリウムチタニルが得られる。
B液中の有機酸イオンの濃度は、特に制限されないが、好ましくは0.10~5.00mol/L、特に好ましくは0.50~3.00mol/Lである。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニルの製造方法では、先ず、反応容器にB液の全量を入れておき、次いで、反応容器にA液を供給して、B液にA液を添加することにより、反応容器内で、Me元素置換有機酸バリウムチタニルの生成反応を行う。
B液にA液を添加するときのA液の添加速度は、実施する規模にもよるが、例えば0.5Lスケールの実験室レベルでは、2.0ml/分以上、特に3.0ml/分以上であることが好ましい。前記添加速度でB液にA液を添加することで、Me元素が粒子全体に均一に分布しており、Me元素の偏析の少ない、Me元素置換有機酸バリウムチタニルが得られる。なお、上記添加速度を満たしていれば上限は特に制限されない。
B液にA液を添加するときの混合温度、すなわち、反応容器にA液を添加するときのA液及び反応容器内の反応液(又はB液)の温度は、通常10~50℃、好ましくは15~45℃である。前記混合温度でB液にA液を添加することで、Me元素が粒子全体に均一に分布しており、Me元素の偏析の少ない、Me元素置換有機酸バリウムチタニルが得られる。
B液にA液の全量を添加した後、直ちに、反応液を冷却することにより、あるいは、ろ過等で反応液を除去することにより、反応を終了させてもよいし、あるいは、B液にA液の全量を添加した後、反応液を所定の温度で一定時間維持する熟成を行ってもよい。熟成を行う場合、熟成温度は、好ましくは10℃以上、特に好ましくは20~80℃であり、熟成時間は、好ましくは0.1時間以上、特に好ましくは0.2時間以上である。
B液にA液を添加しているときは、反応液(又はB液)を撹拌しながらB液へのA液の添加を行うことが好ましい。また、B液にA液の全量を添加した後、熟成を行う場合、反応液を撹拌しながら熟成を行うことが好ましい。撹拌速度は、特に制限されないが、B液へのA液の添加開始からA液の全量添加終了まで、熟成を行う場合は、熟成の終了までの間、生成するMe元素置換有機酸バリウムチタニルを含む反応液が、常に流動する状態となる撹拌速度であればよい。
B液へA液を全量添加した後、熟成を行う場合は、熟成終了後、常法により反応液の固液分離を行い、次いで、固形分を水洗する。水洗方法としては、特に制限されないが、リパルプ等で洗浄を行うことが、洗浄効率が高い点で好ましい。洗浄後、固形分を乾燥し、必要に応じて、粉砕して、Me元素置換有機酸バリウムチタニル、すなわち、Baサイトの一部がMe元素で置換されている有機酸バリウムチタニルを得る。
このようにして、本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法を行い得られるMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末は、Baサイトの一部がMe元素で置換されている有機酸バリウムチタニルであり、Tiに対するBaとMe元素の合計のモル比((Ba+Me)/Ti)が0.980以上0.999未満であり、Baに対するMe元素のモル比(Me/Ba)が0.001以上0.250以下である。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法を行い得られるMe元素置換有機酸バリウムチタニルにおいて、Me元素は、Ca、Sr及びMgから選ばれる少なくとも1種の元素を表し、好ましくはCa、Srであり、特に好ましくはCaであり、Tiに対するBaとMe元素の合計のモル比((Ba+Me)/Ti)は、0.980以上0.999未満、好ましくは0.983以上0.998以下、特に好ましくは0.985以上0.997以下であり、Baに対するMe元素のモル比(Me/Ba)は、0.001以上0.250以下であり、好ましくは0.005以上0.150以下である。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法を行い得られるMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の平均粒径は、特に制限されないが、好ましくは0.1~300μm、特に好ましくは0.5~200μmである。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法では、Me元素が粉末全体に均一に分布しており、Me元素の偏析が少ないMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末が得られる。なお、Me元素がMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末全体に均一に分布しており、Me元素の偏析が少ないことは、本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法を行い得られるMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末を、600~1200℃で焼成し、得られるMe元素置換チタン酸バリウムを、EPMAでマッピング分析を行うことにより、確認される。
また、本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法を行い得られるMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末を、600~1200℃、好ましくは650~1100℃で焼成することにより得られるMe元素置換チタン酸バリウムでは、粒子表面にMe元素が均一に分布している。また、本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法を行い得られるMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末では、粒子の深さ方向に、Me元素が均一に分布している。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末、及び本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法を行い得られるMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末を焼成して得られるMe元素置換チタン酸バリウム粉末は、誘電体セラミック材料のチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末として好適に用いられる。つまり、本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末、又は本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法を行い得られるMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末を、600~1200℃、好ましくは650~1100℃で焼成することにより、チタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末を得ることができる。
本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末、及び本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法を行い得られるMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末を焼成して得られるMe元素置換チタン酸バリウム粉末は、下記一般式(2):
(Ba1-xMeTiO (2)
で表されるMe元素置換チタン酸バリウム粉末である。一般式(2)中、Meは、Ca、Sr及びMgから選ばれる少なくとも1種である。xは、0.001≦x≦0.200であり、好ましくは0.005≦x≦0.150である。また、yは、0.980≦y<0.999であり、好ましくは0.983≦y≦0.998、特に好ましくは0.985≦y≦0.997である。
上記焼成を行う前に、必要により、微細で且つ低温域で焼成を行っても結晶性の高いチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末が得られるように、Me元素置換有機酸バリウムチタニルの平均粒径が、好ましくは4μm以下、特に好ましくは0.02~0.5μmとなるように、ボールミル、ビーズミル等で、Me元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の湿式粉砕処理を行ってもよい。この場合、湿式粉砕処理で用いる溶媒としては、Me元素置換有機酸バリウムチタニルに対して不活性であるものが用いられ、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、トルエン、キシレン、アセトン、塩化メチレン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド及びジエチルエーテル等が挙げられる。この中、湿式粉砕処理用の溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、トルエン、キシレン、アセトン、塩化メチレン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド及びジエチルエーテル等の有機溶媒で且つBa元素、Ti元素及びMe元素の溶出が少ないものが、結晶性の高いチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末を得ることができる点で好ましい。
本発明のチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末の製造方法は、本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末、又は本発明のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法を行い得られるMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末を焼成することにより、Me元素置換チタン酸バリウムを得ることを特徴とするチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末の製造方法である。
Me元素置換有機酸バリウムチタニル粉末に含まれる有機酸由来の有機物は、材料の誘電体特性を損なうとともに、セラミック化のための熱工程における挙動の不安定要因となるため好ましくない。従って、本発明のチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末の製造方法で、Me元素置換有機酸バリウムチタニル粉末を焼成することにより、Me元素含有有機酸バリウムチタニルを熱分解して、目的とするチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末であるMe元素置換チタン酸バリウムを得ると共に、有機酸由来の有機物を除去する。
本発明のチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末の製造方法において、焼成する際の焼成温度は、600~1200℃ 、好ましくは650~1100℃である。焼成温度が、上記範囲未満だと、単一相のチタン系ペロブスカイト型セラミック粉末が得られ難く、また、上記範囲を超えると、粒径のバラツキが大きくなる。本発明のチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末の製造方法において、焼成する際の焼成時間は、好ましくは0.2~30時間、特に好ましくは0.5~20時間である。本発明のチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末の製造方法において、焼成する際の焼成の雰囲気は、特に制限されず、大気雰囲気下又は不活性ガス雰囲気下の何れであってもよい。
本発明のチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末の製造方法では、焼成を1回だけ行ってもよいし、必要に応じて、2回以上繰り返し行ってもよい。焼成を繰り返す場合、粉体特性を均一にするために、1度焼成したものを粉砕した後に、次の焼成を行ってもよい。
本発明のチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末の製造方法では、焼成後、適宜冷却し、必要に応じて粉砕することにより、チタン系ペロブスカイト型複合酸化物であり、チタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末として好適な、Me元素置換チタン酸バリウム粉末を得る。なお、必要に応じて行われる粉砕は、焼成して得られるMe元素置換チタン酸バリウム粉末がもろく結合したブロック状のものである場合等に、適宜行うものであり、Me元素置換チタン酸バリウム粉末の粒子自体は、特定の平均粒径、BET比表面積を有するものである。すなわち、本発明のチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末の製造方法を行い得られるMe元素置換チタン酸バリウム粉末は、走査型電子顕微鏡(SEM)により求められる平均粒径が、0.01~4μm、好ましくは0.02~0.5μmであり、BET比表面積が、0.25~100m/g、好ましくは2~50m/gであり、組成のバラツキが少ないものである。なお、本発明において、Me元素置換チタン酸バリウム粉末の平均粒子径については、走査型電子顕微鏡(SEM)写真により、任意に200個の粒子を測定し、その平均値を平均粒子径とした。
なお、本発明のチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末の製造方法を行い得られるチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末には、必要により、誘電特性や温度特性を調製する目的で、副成分元素含有化合物を、該チタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末に添加し含有させることができる。用いることができる副成分元素含有化合物としては、例えば、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの希土類元素、Li、Bi、Zn、Mn、Al、Si、Co、Ni、Cr、Fe、Ti、V、Nb、Mo、W及びSnからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物が挙げられる。
副成分元素含有化合物は、無機物又は有機物のいずれであってもよく、例えば、上記元素を含む酸化物、水酸化物、塩化物、硝酸塩、シュウ酸塩、カルボン酸塩及びアルコキシド等が挙げられる。なお、副成分元素含有化合物がSi元素を含有する化合物である場合は、上記酸化物等に加えて、シリカゾルや珪酸ナトリウム等も用いることができる。上記副成分元素含有化合物は、1種又は2種以上適宜組み合わせて用いられ、その添加量や添加化合物の組み合わせは目的に応じて、適宜選択される。
チタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末に、副成分元素を含有させる方法は、例えば、本発明のチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末の製造方法を行い得られるチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末と副成分元素含有化合物を均一混合後、焼成を行う方法、あるいは、本発明の有機酸バリウムチタニル粉末又は本発明の有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法を行い得られる本発明の有機酸バリウムチタニル粉末と副成分元素含有化合物を均一混合後、焼成する方法が挙げられる。
本発明のチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末の製造方法を行い得られるチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末を、例えば、副成分元素を含め、従来公知の添加剤、有機系バインダ、可塑剤、分散剤等の配合剤と共に、適当な溶媒中に混合分散させてスラリー化し、シート成形を行うことにより、積層セラミックコンデンサの製造に用いられるセラミックシートを得ることができる。
セラミックシートから積層セラミックコンデンサを作製するには、まず、セラミックシートの一面に内部電極形成用導電ペーストを印刷し、乾燥後、複数枚のセラミックシートを積層し、厚み方向に圧着することにより積層体とする。次に、この積層体を加熱処理して脱バインダ処理を行い、焼成して焼成体を得る。さらに、燒結体にNiペースト、Agペースト、ニッケル合金ペースト、銅ペースト、銅合金ペースト等を塗布して焼き付ければ、積層セラミックコンデンサを得ることができる。
また、例えば、本発明のチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末の製造方法を行い得られるチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末を、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂に配合して、樹脂シート、樹脂フィルム、接着剤等とすると、プリント配線板や多層プリント配線板等の材料として好適に用いることができ、また、内部電極と誘電体層との収縮差を抑制するための共材、電極セラミック回路基板、ガラスセラミックス回路基板、回路周辺材料及び無機EL用等の誘電体材料としても用いることができる。
また、本発明のチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末の製造方法を行い得られるチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末を、排ガス除去、化学合成等の反応時に使用される触媒や、帯電防止、クリーニング効果を付与する印刷トナーの表面改質材としても、好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例においては、以下の方法による特性を測定した。
(1)Ba原子、Ca原子及びTi原子のモル比
各原子のモル比を、蛍光X線分析装置(株式会社リガク製、ZSX100e)の測定値に基づいて算出した。
(2)Me元素置換シュウ酸バリウムチタニル粉末の平均粒子径
マイクロトラックベル社製のMT3000を用いて、レーザ回折・散乱法により、粒度分布を測定し、該粒度分布における体積積算50%の粒子径(D50)を平均粒子径とした。
(3)Me元素置換チタン酸バリウムの平均粒子径
日立ハイテクノロジーズ社製のS4800を用いて、走査型電子顕微鏡(SEM)写真により、任意に200個の粒子を測定し、その平均値を平均粒子径とした。
(4)EPMAによるCa原子マッピング分析
電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)(日本電子株式会社製、JXA8500F)を用いて、Ca原子をマッピング分析した。
(5)Me元素置換シュウ酸バリウムチタニル粉末のX線回折分析
株式会社リガク社製のUltimaIVを用いて、X線回折分析を行った。
(実施例1)
塩化バリウム2水塩50.0g、塩化カルシウム2水塩10.0g及び四塩化チタン120.0gを純水500mlに溶解して、混合水溶液を調製し、これをA液とした。なお、A液中の各元素のモル比を表1に示す。
次いで、シュウ酸70.0gを30℃の温水500mlに溶解して、シュウ酸水溶液を調製し、これをB液とした。
次いで、B液(滴下開始後は反応液)を30℃に保持しながら、撹拌下に120分かけてA液を4.2ml/分の速度で添加し、更に30℃で60分間撹拌下に熟成した。冷却後、ろ過してシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末を回収した。
次いで、回収したシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末を、蒸留水でリパルプして洗浄した。次いで、80℃で乾燥してシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末を得た。得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末の物性値は、表1の通りであった。また、得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末を800℃で焼成し、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末を電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)(日本電子株式会社製、JXA8500F)を用いて、Ca原子をマッピング分析した。その結果を図1に示す。図1の結果から、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末では、Ca原子の偏析は見られず、均一にCaが分散していることが分かった。また、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末の元素分析を行った結果、Ca/Baが0.020で、(Ba+Ca)/Tiが0.994であった。
なお、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末の元素分析結果及びA液をB液に添加して得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニルのX線回折分析から、本実施例1で得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニルは、(Ba0.080Ca0.0200.994TiO(C・4HOであると認められた。X線回折分析の結果を図2に示す。
(実施例2)
塩化バリウム2水塩40.0g、塩化カルシウム2水塩20.0g及び四塩化チタン120.0gを純水500mlに溶解して、混合水溶液を調製し、これをA液とした。なお、A液中の各元素のモル比を表1に示す。
次いで、シュウ酸70.0gを30℃の温水500mlに溶解して、シュウ酸水溶液を調製し、これをB液とした。
次いで、B液(滴下開始後は反応液)を30℃に保持しながら、撹拌下に120分かけてA液を4.2ml/分の速度で添加し、更に30℃で60分間撹拌下に熟成した。
以後の操作は実施例1と同じ方法で行なった。得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末の物性値は、表1の通りであった。また、得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末を焼成し、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末をEPMAを用いて、Ca原子のマッピング分析を行った。その結果を図3に示す。図3の結果から、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末では、Ca原子の偏析は見られず、均一にCaが分散していることが分かった。また、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末の元素分析を行った結果、Ca/Baが0.05で、(Ba+Ca)/Tiが0.998であった。
なお、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末の元素分析結果及びA液をB液に添加して得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニルのX線回折分析から、本実施例2で得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニルは、(Ba0.08Ca0.050.998TiO(C・4HOであると認められた。X線回折分析の結果を図2に示す。
(実施例3)
塩化バリウム2水塩40.0g、塩化カルシウム2水塩7.5g及び四塩化チタン120.0gを純水500mlに溶解して、混合水溶液を調製し、これをA液とした。なお、A液中の各元素のモル比を表1に示す。
次いで、シュウ酸70.0gを30℃の温水500mlに溶解して、シュウ酸水溶液を調製し、これをB液とした。
次いで、B液(滴下開始後は反応液)を30℃に保持しながら、撹拌下に120分かけてA液を4.2ml/分の速度で添加し、更に30℃で60分間撹拌下に熟成した。
以後の操作は実施例1と同じ方法で行なった。得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末の物性値は、表1の通りであった。また、得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末を焼成し、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末をEPMAを用いて、Ca原子のマッピング分析を行った。その結果を図4に示す。図4の結果から、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末では、Ca原子の偏析は見られず、均一にCaが分散していることが分かった。また、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末の元素分析を行った結果、Ca/Baが0.02で、(Ba+Ca)/Tiが0.991であった。
なお、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末の元素分析結果及びA液をB液に添加して得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニルのX線回折分析から、本実施例3で得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニルは、(Ba0.08Ca0.020.991TiO(C・4HOであると認められた。X線回折分析の結果を図2に示す。
(実施例4)
炭酸バリウム52.0g、炭酸カルシウム4.7g及び四塩化チタン120.0gを純水420mlに溶解して、混合水溶液を調製し、これをA液とした。なお、A液中の各元素のモル比を表1に示す。
次いで、シュウ酸70.0gを30℃の温水420mlに溶解して、シュウ酸水溶液を調製し、これをB液とした。
次いで、B液(滴下開始後は反応液)を30℃に保持しながら、撹拌下に120分かけてA液を3.5ml/分の速度で添加し、更に30℃で60分間撹拌下に熟成した。冷却後、ろ過してシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末を回収した。
次いで、回収したシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末を、蒸留水でリパルプして洗浄した。次いで、80℃で乾燥してシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末を得た。得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末の物性値は、表1の通りであった。また、得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末を800℃で焼成し、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末を電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)(日本電子株式会社製、JXA8500F)を用いて、Ca原子をマッピング分析した。その結果を図5に示す。図5の結果から、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末では、Ca原子の偏析は見られず、均一にCaが分散していることが分かった。また、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末の元素分析を行った結果、Ca/Baが0.026で、(Ba+Ca)/Tiが0.998であった。
なお、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末の元素分析結果及びA液をB液に添加して得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニルのX線回折分析から、本実施例4で得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニルは、(Ba0.08Ca0.030.998TiO(C・4HOであると認められた。X線回折分析の結果を図2に示す。
(実施例5)
塩化バリウム2水塩360.0g、塩化カルシウム2水塩72.0g及び四塩化チタン864.0gを純水3600mlに溶解して、混合水溶液を調製し、これをA液とした。なお、A液中の各元素のモル比を表1に示す。
次いで、シュウ酸504.0gを30℃の温水3600mlに溶解して、シュウ酸水溶液を調製し、これをB液とした。
次いで、B液(滴下開始後は反応液)を30℃に保持しながら、撹拌下に120分かけてA液を30ml/分の速度で添加し、更に30℃で60分間撹拌下に熟成した。冷却後、ろ過してシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末を回収した。
次いで、回収したシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末を、蒸留水でリパルプして洗浄した。次いで、80℃で乾燥してシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末を得た。得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末の物性値は、表1の通りであった。また、得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末を800℃で焼成し、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末を電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)(日本電子株式会社製、JXA8500F)を用いて、Ca原子をマッピング分析した。その結果を図6に示す。図6の結果から、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末では、Ca原子の偏析は見られず、均一にCaが分散していることが分かった。また、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末の元素分析を行った結果、Ca/Baが0.025で、(Ba+Ca)/Tiが0.994であった。
なお、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末の元素分析結果及びA液をB液に添加して得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニルのX線回折分析から、本実施例5で得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニルは、(Ba0.08Ca0.020.994TiO(C・4HOであると認められた。X線回折分析の結果を図2に示す。
(比較例1)
塩化バリウム2水塩150.0g、塩化カルシウム2水塩10.0g及び四塩化チタン120.0gを純水500mlに溶解し、混合水溶液を調製し、これをA液とした。なお、A液中の各元素のモル比を表1に示す。
次に、シュウ酸70.0gを30℃の温水500mlに溶解しシュウ酸水溶液を調製し、これをB液とした。
次いで、B液を30℃に保持しながら、撹拌下に120分かけてA液を4.2ml/分の速度で添加し、更に30℃で60分間撹拌下に熟成した。冷却後、ろ過してシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末を回収した。
以後の操作は実施例1と同じ方法で行なった。得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末の物性値は表1の通りであった。また、得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末を焼成し、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末をEPMAを用いて、Ca原子のマッピング分析を行った。その結果を図7に示す。図7の結果から、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末では、Ca原子が偏析していることが分かった。また、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末の元素分析を行った結果、Ca/Baが0.020で、(Ba+Ca)/Tiが1.000であった。
なお、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末の元素分析結果及びA液をB液に添加して得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニルのX線回折分析から、本比較例1で得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニルは、(Ba0.080Ca0.0201.000TiO(C・4HOであると認められた。
(比較例2)
塩化バリウム2水塩27.0g、塩化カルシウム2水塩5.4g及び四塩化チタン64.1gを純水180mlに溶解し、混合水溶液を調製し、これをA液とした。なお、A液中の各元素のモル比を表1に示す。
次に、シュウ酸32.5gを55℃の温水140mlに溶解しシュウ酸水溶液を調製し、これをB液とした。
次いで、B液を55℃に保持しながら、撹拌下に120分かけてA液を1.5ml/分の速度で添加し、更に55℃で60分間撹拌下に熟成した。冷却後、ろ過してシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末を回収した。
以後の操作は実施例1と同じ方法で行なった。得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末の物性値は表1の通りであった。また、得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニル粉末を焼成し、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末をEPMAを用いて、Ca原子のマッピング分析を行った。その結果を図8に示す。図8の結果から、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末では、Ca原子が偏析していることが分かった。また、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末の元素分析を行った結果、Ca/Baが0.020で、(Ba+Ca)/Tiが0.999であった。
なお、得られたチタン酸バリウムカルシウム粉末の元素分析結果及びA液をB液に添加して得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニルのX線回折分析から、本比較例2で得られたシュウ酸バリウムカルシウムチタニルは、(Ba0.080Ca0.0200.999TiO(C・4HOであると認められた。
Figure 0007438867000001
表1及び図1~8の結果から、実施例のシュウ酸バリウムカルシウムチタニルから得られたチタン酸バリウムカルシウムは、比較例のシュウ酸バリウムカルシウムチタニルから得られたチタン酸バリウムカルシウムと比べて、カルシウム原子が偏析せず、均一に分布していることが判った。

Claims (10)

  1. Baサイトの一部がMe元素(Meは、Ca、Sr及びMgから選ばれる少なくとも1種を示す。)に置換されているMe元素置換有機酸バリウムチタニルであり、
    Tiに対するBaとMe元素の合計のモル比((Ba+Me)/Ti)が0.980以上0.999未満であり、Baに対するMe元素のモル比(Me/Ba)が0.001以上0.250以下であること、
    を特徴とするMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末。
  2. 電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)分析において、前記Me元素置換有機酸バリウムチタニル粉末を焼成して得られるMe元素置換チタン酸バリウム粉末の粒子に、前記Me元素が均一に分布していることを特徴とする請求項1記載のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末。
  3. 電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)分析を用いて、前記Me元素置換有機酸バリウムチタニル粉末を焼成して得られるMe元素置換チタン酸バリウムの圧粉体の表面上を、一辺が205μmの正方形の範囲となるように0.8μm間隔で縦横256点のマッピング分析して得られる画像解析において、CaのCV値(標準偏差/平均値)が0.4以下であることを特徴とする請求項1記載のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末。
  4. バリウム化合物、Me元素化合物(Meは、Ca、Sr及びMgから選ばれる少なくとも1種を示す。)及びチタン化合物を水に混合して得られる水溶液(A液)を、有機酸水溶液(B液)に添加することにより、Me元素置換有機酸バリウムチタニルを得るMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法であり、
    該A液中、原子換算で、Baに対するMe元素のモル比(Me/Ba)が0.020以上5.000以下であり、Tiに対するBaのモル比(Ba/Ti)が0.300以上1.200以下であり、且つ、A液とB液の混合温度が10~50℃であること、
    を特徴とするMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法。
  5. 前記バリウム化合物が、塩化バリウム、炭酸バリウム及び水酸化バリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4記載のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法。
  6. 前記Me元素化合物が、Me元素の塩化物、Me元素の炭酸塩及びMe元素の水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4又は5記載のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法。
  7. 前記チタン化合物が、四塩化チタン及び乳酸チタンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4~6いずれか1項記載のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法。
  8. 前記有機酸がシュウ酸、クエン酸、マロン酸及びコハク酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4~7いずれか1項記載のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法。
  9. 請求項1~3いずれか1項記載のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末を焼成することにより、Me元素置換チタン酸バリウムを得ることを特徴とするチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末の製造方法。
  10. 請求項4~8いずれか1項記載のMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末の製造方法を行い得られるMe元素置換有機酸バリウムチタニル粉末を焼成することにより、Me元素置換チタン酸バリウム粉末を得ることを特徴とするチタン系ペロブスカイト型セラミック原料粉末の製造方法。
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