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JP7363603B2 - 熱転写システムおよび熱転写方法 - Google Patents

熱転写システムおよび熱転写方法 Download PDF

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JP7363603B2
JP7363603B2 JP2020042330A JP2020042330A JP7363603B2 JP 7363603 B2 JP7363603 B2 JP 7363603B2 JP 2020042330 A JP2020042330 A JP 2020042330A JP 2020042330 A JP2020042330 A JP 2020042330A JP 7363603 B2 JP7363603 B2 JP 7363603B2
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Description

本開示は、熱転写システムおよび熱転写方法に関する。
インクリボンを用いて、カードなどの被転写体に文字や画像などの情報を印画する転写システムが、広く普及している。インクリボンは、帯状に延びるリボン(基材層)と、リボン上に形成され、昇華性染料等を含んだ昇華性インク層と、顔料等を含んだ熱溶融性インク層とを有している。インクリボンを用いた印画においては、印画されるべき所望の像に対応したパターンで、インクが被転写体に転写される。この場合、インク転写済のインクリボンには、被転写体への転写によりインクが抜けた部分が、印画された像に対応したパターンで存在している。このため、インク転写済のインクリボンから、印画された像を特定することが可能である。従って、インクリボンを用いて、被転写体に顔写真や住所等のID情報などの秘匿すべき情報を印画する場合、インク転写済のインクリボンの取り扱いに注意が必要となる。
このような問題に対応するため、例えば特許文献1において、巻取部に巻き取られた最外周のインクリボンを加熱体で加熱して、最外周のインクリボンの内側に位置するインクリボンに接着させる熱転写システムが提案されている。特許文献1に記載の熱転写システムによれば、巻取部に巻き取られたインク転写済のインクリボンを一体化させることができ、これによって、インク転写済のインクリボンから、印画された文字情報や画像情報が漏洩するのを防ぐことができる。
特許第5521946号公報
ところで、巻取部に巻き取られたインクリボンの巻き径が変化すると、加熱体が最外周のインクリボンを押圧する押圧位置が変化する。このような押圧位置の変化によらずに、インクが抜けた部分を攪乱できるインクリボン上の位置を加熱体で適切に押圧すると共に加熱体からインクリボンに十分な熱エネルギを付与することで、秘匿すべき情報の漏洩を適切に防止することが求められる。
本開示は、このような点を解決するためになされたものであり、秘匿すべき情報の漏洩を適切に防止することができる熱転写システムおよび熱転写方法を提供することを目的とする。
本開示による熱転写システムは、
支持層および前記支持層上のインク層を有するインクリボンを送り出す送出部と、
前記送出部の下流において前記支持層側から前記インクリボンを第1パターンで加熱して被転写体に前記第1パターンで前記インク層のインクを転写し、所定送り出し量のインクリボンが送り出される度に前記第1パターンでのインクの転写を繰り返す第1加熱体と、
前記第1加熱体の下流においてインク転写済のインクリボンをその支持層がインク層より外側に位置するように巻き取って一時的に停止し、前記所定送り出し量に相当する巻き取り量の前記インク転写済のインクリボンを巻き取る度に前記停止を繰り返す巻取部と、
前記巻取部の停止時毎に、前記巻取部で巻き取られた前記インク転写済のインクリボンを前記支持層側から押圧して前記第1パターンと異なる第2パターンで加熱し、前記インク転写済のインクリボンの支持層をその内側に位置するインクリボンの支持層に転写、または溶着させる第2加熱体と、
前記巻取部で巻き取られた前記インク転写済のインクリボンの巻き径の変化にともなう前記第2加熱体の押圧位置の変化に応じて、前記第1加熱体から前記押圧位置までの前記インク転写済のインクリボンの長さを調整する調整部と、を備える。
本開示による熱転写システムにおいて、
前記調整部は、前記第1加熱体から前記押圧位置までの前記インク転写済のインクリボンの長さを、前記第2加熱体が前記押圧位置において前記第1パターンのインク抜け部分を押圧するような長さに調整してもよい。
本開示による熱転写システムにおいて、
前記調整部は、前記第1加熱体から前記押圧位置までの前記インク転写済のインクリボンの長さを、前記押圧位置の変化の前後において同一の長さに調整してもよい。
本開示による熱転写システムにおいて、
前記調整部は、前記巻き径、前記巻取部の角速度または前記被転写体の使用枚数を検出した検出結果に基づいて前記第1加熱体から前記押圧位置までの前記インク転写済のインクリボンの長さを調整してもよい。
本開示による熱転写システムにおいて、
前記調整部は、
前記第1加熱体の下流であって前記押圧位置の上流において前記インク転写済のインクリボンの走行をガイドする第1ガイドローラと、
前記第1ガイドローラの下流であって前記押圧位置の上流において前記インク転写済のインクリボンの走行をガイドする第2ガイドローラと、
前記第1ガイドローラの下流であって前記第2ガイドローラの上流において前記インク転写済のインクリボンの走行をガイドし、前記巻き径の変化に応じて揺動する揺動ローラと、を有していてもよい。
本開示による熱転写システムにおいて、
前記揺動ローラは、
前記巻き径が第1の巻き径であるときに、前記第1ガイドローラから前記第2ガイドローラまでの前記インク転写済のインクリボンの長さを第1の長さに調整し、
前記巻き径が前記第1の巻き径よりも大きい第2の巻き径であるときに、前記第1ガイドローラから前記第2ガイドローラまでの前記インク転写済のインクリボンの長さを前記第1の長さよりも前記所定送り出し量の整数倍短い第2の長さに調整してもよい。
本開示による熱転写システムにおいて、
前記調整部は、
前記巻取部で巻き取られた前記インク転写済のインクリボンに接触し、前記巻き径の変化に応じて変位する変位ローラと、
前記変位ローラの変位に応じて前記揺動ローラが揺動するように前記変位ローラと前記揺動ローラとを接続するリンク機構と、を更に有していてもよい。
本開示による熱転写システムにおいて、
前記第2加熱体は、前記巻取部による前記インク転写済のインクリボンの巻き取り動作時に、前記インク転写済のインクリボンを押圧しなくてもよい。
本開示による熱転写システムにおいて、
前記第2加熱体は、前記巻取部の停止時に温度が上昇してもよい。
本開示による熱転写方法は、
支持層および前記支持層上のインク層を有するインクリボンを送り出す工程と、
第1加熱体によって、前記送り出されたインクリボンを前記支持層側から第1パターンで加熱して被転写体に前記第1パターンで前記インク層のインクを転写し、所定送り出し量のインクリボンが送り出される度に前記第1パターンでのインクの転写を繰り返す工程と、
巻取部によって、インク転写済のインクリボンをその支持層がインク層より外側に位置するように巻き取り、前記巻取部を一時的に停止させる工程と、
前記所定送り出し量に相当する巻き取り量の前記インク転写済のインクリボンが巻き取られる度に前記巻取部の停止を繰り返す工程と、
前記巻取部の停止時毎に、第2加熱体によって、前記巻取部で巻き取られた前記インク転写済のインクリボンを前記支持層側から押圧して前記第1パターンと異なる第2パターンで加熱し、前記インク転写済のインクリボンの支持層をその内側に位置するインクリボンの支持層に転写、または溶着させる工程と、
調整部によって、前記巻取部で巻き取られた前記インク転写済のインクリボンの巻き径の変化にともなう前記第2加熱体の押圧位置の変化に応じて、前記第1加熱体から前記押圧位置までの前記インク転写済のインクリボンの長さを調整する工程と、を備える。
本開示による熱転写方法において、
前記第1パターンは、人間の顔画像に対応するパターンであってもよい。
本開示によれば、秘匿すべき情報の漏洩を適切に防止することができる。
第1の実施形態による熱転写システムを示す図。 第1の実施形態による熱転写システムにおいてインクリボンを示す平面図。 図2AのインクリボンのIIB-IIB断面図。 第1の実施形態による熱転写システムにおいて巻取部を示す拡大図。 インクが転写された被転写体を示す平面図。 第1パターンでのインク転写済みのインクリボンを示す平面図。 図4BのインクリボンのIVC-IVC断面図。 第1の実施形態による熱転写システムの動作例において第2パターンでの支持層の溶着を示す平面図。 図5AのVB-VB断面図。 第1の実施形態による熱転写システムの動作例において巻取部での巻き径の変化にともなう第2加熱体の押圧位置の変化を示す図。 比較例による熱転写システムの動作例において、巻き径が小さいときの押圧位置および溶着パターンと巻き径が大きいときの押圧位置および溶着パターンとを示す図。 第1の実施形態による熱転写システムの動作例において、巻き径が小さいときの押圧位置および溶着パターンと巻き径が大きいときの押圧位置および溶着パターンとを示す図。 第2の実施形態による熱転写システムを示す図。 第3の実施形態による熱転写システムを示す図。
(第1の実施形態)
以下、図1乃至図8を参照して、本開示の第1の実施形態について説明する。はじめに図1を参照して、熱転写システム10の全体構造について説明する。
図1に示す熱転写システム10は、支持層11と支持層11の一方の表面上のインク層12とを有するインクリボン13を用いて被転写体14に所望のパターンでインクを転写する。熱転写システム10に用いるインクリボン13は、昇華性染料インクを有する熱昇華型のインクリボン13である。
(インクリボン13)
ここで、熱転写システム10の構成を具体的に説明する前にインクリボン13の構成例について説明する。図2Aは、第1の実施形態による熱転写システム10においてインクリボン13を示す平面図である。図2Bは、図2Aのインクリボン13のIIB-IIB断面図である。図2Bに示すように、インクリボン13は、略透明な材料で構成された支持層11と、支持層11上に設けられたインク層12すなわち染料層と、を有している。このうちインク層12は、図2Aおよび図2Bに示すように、長手方向に沿って支持層11上に周期的に並べられた複数色の昇華性インク層31,32,33と、各昇華性インク層31,32,33間に設けられた検知マーク34とによって構成されている。
支持層11としては、熱転写に耐え得る耐熱性と強度を有する種々の樹脂フィルムを用いることができる。支持層11の具体的な材質としては、例えば特許第6443600号に記載されている基材層の材質を好適に用いることができる。
複数色の昇華性インク層31,32,33は、イエローのY昇華性インク31aを含むY昇華性インク層31と、マゼンダのM昇華性インク32aを含むM昇華性インク層32と、シアンのC昇華性インク33aを含むC昇華性インク層33とによって構成されている。そして、これら3種の昇華性インク31a,32a,33aを用いることにより、被転写体にカラー画像を印画することが可能となっている。なお上述の「長手方向」とは、帯状のインクリボン13が延びている方向のことである。また、用いられる昇華性インクの種類が3種類に限られることはなく、1種類のみ、2種類のみ、または4種類以上の昇華性インクが用いられてもよい。なお「昇華性インク」とは、ヘッド発熱体からの熱により昇華する特性を有するインクのことである。昇華性インクの場合、気体となった昇華性インクが被転写体のインク受容層に受容されることにより、昇華性インクが被転写体上に定着する。
インク層12は、熱移行性染料を任意のバインダーによって担持した層である。インク層12のインクとしては、熱によって昇華移行する各種の昇華性染料インクを用いることができる。熱溶融性インクが印字に適しているのに対して、熱昇華性インクは、印画に適している。インク層12の具体的な材質としては、例えば特許第6443600号に記載されている材質を好適に用いることができる。また、インクリボン13は、特許第6443600号に記載されている背面層を更に備えていてもよい。
インク層12は、例えば、適当な溶剤中にインクおよびバインダーと、必要に応じてシランカップリング剤等の添加剤を加えて、各成分を溶解または分散させて塗工液を調製し、その後、この塗工液を支持層11の上に塗布、乾燥させることで形成してもよい。塗工液の塗布方法は、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等であってもよい。
検知マーク34とは、各色の昇華性インク層31,32,33の境界部に設けられるマークであり、インクリボン13と後述する第1加熱体との位置関係や、昇華性インク層31,32,33の色を識別するために設けられたマークである。この検知マーク34は、設けられる位置によって異なる特徴(長さ、厚み、パターンなど)を有している。このため、後述する第1加熱体が被転写体に所定の色の昇華性インクを転写する際、第1加熱体が検知マーク34から得られる情報に基づいて所定の色の昇華性インクを含む昇華性インク層を加熱することができる。なお、色センサ等の検知マーク34以外の昇華性インク層31,32,33の色を識別する手段を用いる場合には、検知マーク34を省略することも可能である。
(熱転写システム10)
次に、熱転写システム10の具体的な構成について説明する。図1に示すように、熱転写システム10は、インクリボン13の送り出し方向の上流側から順に、送出部16と、複数の送出側ガイドローラ15と、第1転写装置18と、調整部19と、巻取部20と、第2転写装置21とを有する。第1転写装置18は、第1加熱体22と、プラテンローラ23とを有する。調整部19は、第1ガイドローラ191と、第2ガイドローラ192と、揺動ローラ193と、巻き径検出部195とを有する。第2転写装置21は、第2加熱体211を有する。また、熱転写システム10は、制御部24を有する。
(送出部16)
送出部16は、図1の矢印Rで示す方向に回転して、支持層11および支持層11上のインク層12を有するインクリボン13を下流側に送り出す。
複数の送出側ガイドローラ15は、インクリボン13の搬送方向に間隔を空けて配置されている。各送出側ガイドローラ15は、送出部16から送り出されたインクリボン13の下流側への搬送をガイドする。
(第1加熱体22)
第1加熱体22は、送出部16の下流において支持層11側からインクリボン13を第1パターンで加熱する。これにより、第1加熱体22は、被転写体14に第1パターンでインク層12のインクを転写する。また、第1加熱体22は、所定送り出し量のインクリボン13が送出部16から送り出される度に、被転写体14への第1パターンでのインクの転写を繰り返す。所定送り出し量は、例えば、隣り合う検知マーク34同士の間隔に相当する一定の送り出し量である。なお、後述する図4Bには、所定送り出し量の具体例として、顔画像14aに対応するパターンの転写ピッチPが示されている。
図1に示される例において、第1加熱体22は、送出側ガイドローラ15の下流のインクリボン13を挟んでプラテンローラ23と互いに対向するように設けられている。プラテンローラ23は、インク層12側においてインクリボン13に対向する。プラテンローラ23は、インク層12とプラテンローラ23との間に搬送された被転写体14を支持する。第1加熱体22は、支持層11側においてインクリボン13に対向する。第1加熱体22は、インクリボン13を支持層11側から加熱する。第1加熱体22は、例えば、通電によって発熱する発熱素子を有するサーマルヘッドである。インクリボン13を加熱することで、第1加熱体22は、インク層12の昇華性染料インクを被転写体14に第1パターンで転写し、昇華性染料の転写量変化による色階調表現を実現する。第1パターンは、例えば、免許証、社員証、パスポートの写真などの身分証明書すなわちIDカードに転写される人物の顔を示す画像パターンである。また被転写体14は、昇華性染料インクを受容する機能を有する。
第1パターンでインクを転写することで、インクリボン13には、第1パターンのインク抜け部分が生じる。第1パターンのインク抜け部分の具体例は、後述の動作例で説明する。
(巻取部20)
図3は、第1の実施形態による熱転写システム10において巻取部20を示す拡大図である。巻取部20は、例えば、ロール状のコア本体である。巻取部20は、モータ等の不図示の駆動源の動力によって図1および図3の矢印Rで示す方向に回転する。回転することで、巻取部20は、巻取部20の上流側から搬送されたインク転写済のインクリボン13を、そのインク層12が内側に位置するように巻き取る。すなわち、巻取部20は、第1加熱体22の下流においてインク転写済のインクリボン13をその支持層11がインク層12より外側に位置するように巻き取る。インク転写済のインクリボン13の巻き取りを進行する過程で、巻取部20は一時的に回転を停止する。具体的には、巻取部20は、前回の回転の一次的な停止から既述した所定送り出し量に相当する巻き取り量のインク転写済のインクリボン13を巻き取る度に、一時的な回転を繰り返す。このような巻取部20の一次的な回転の停止は、それぞれの停止期間における第2パターンでの支持層11の溶着が終了するタイミングで都度解除される。
(第2加熱体211)
第2加熱体211は、巻取部20の停止時毎に、巻取部20で巻き取られたインク転写済のインクリボン13を支持層11側から押圧して第1パターンと異なる第2パターンで加熱する。これにより、第2加熱体211は、インク転写済のインクリボン13の支持層11をその内側に位置するインクリボンの支持層11に第2パターンで溶着させる。第2加熱体211は、インク転写済のインクリボン13の支持層11をその内側に位置するインクリボンの支持層11に第2パターンで転写させてもよい。
図3に示される例において、第2加熱体211は、巻取部20の上方近傍に配置されている。第2加熱体211は、モータ等の不図示の駆動源の動力によって、図3の矢印Rに示される方向すなわち巻取部20に対して近接または離間する方向に回転する。第2加熱体211は、巻取部20の停止時に巻取部20に対して近接する方向に回転することで、巻取部20に巻き取られたインク転写済みのインクリボン13のうち最外周に位置する外側インクリボン13Aを、その支持層11側から押圧し、かつ、加熱する。第2加熱体211は、外側インクリボン13Aの支持層11が巻取部20に巻き取られたインクリボン13のうち外側インクリボン13Aに内側において隣接する内側インクリボン13Bの支持層11に溶着する程度の発熱温度で外側インクリボン13Aを加熱する。第2加熱体211は、例えば、通電によって発熱する発熱素子を有するサーマルヘッドである。第2加熱体211は、サーマルベッド以外の発熱体であってもよい。
外側インクリボン13Aを加熱することで、外側インクリボン13Aの支持層11が内側インクリボン13Bの支持層11に溶着すなわち接着する。第2加熱体211が第2パターンで外側インクリボン13Aを加熱することで、内側インクリボン13Bの支持層11には、外側インクリボン13Aの支持層11が第2パターンで溶着される。
第1パターンと異なる第2パターンで外側インクリボン13Aの支持層11を内側インクリボン13Bの支持層11に溶着させることで、外側インクリボン13Aに、第1パターンのインク抜け部分を攪乱すなわち破壊する第2パターンの溶着部を形成できる。第1パターンのインク抜け部分を攪乱できるので、第1パターンに示される顔画像などの個人情報が漏洩することを防止できる。
なお、巻取部20では、インク転写済のインクリボン13の巻き取りが進むにつれて、巻き取られたインクリボン13で構成されるロール体の外径すなわちインクリボン13の巻き径が増加していく。このようなインクリボン13の巻き径の増加に応じて、第2加熱体211が外側インクリボン13Aを押圧する押圧位置が上方に変化する。
(調整部19)
調整部19は、巻取部20で巻き取られたインク転写済のインクリボン13の巻き径の変化にともなう第2加熱体211の押圧位置の変化に応じて、第1加熱体22から第2加熱体211の押圧位置までのインク転写済のインクリボン13の長さを調整する。より詳しくは、調整部19は、第1加熱体22から押圧位置までのインク転写済のインクリボン13の長さを、第2加熱体211が押圧位置において第1パターンのインク抜け部分を押圧するような長さに調整する。さらに詳しくは、調整部19は、第1加熱体22から押圧位置までのインク転写済のインクリボン13の長さを、押圧位置の変化の前後において同一の長さに調整する。
調整部19の第1ガイドローラ191は、第1加熱体22の下流であって第2加熱体211の押圧位置の上流に回転自在に配置されている。図1に示される例において、第1ガイドローラ191は、第1加熱体22とほぼ同じ高さの位置に配置されている。第1ガイドローラ191は、第1加熱体22の下流であって第2加熱体211の押圧位置の上流においてインク転写済のインクリボン13の走行すなわち搬送をガイドする。
第2ガイドローラ192は、第1ガイドローラ191の下流であって第2加熱体211の押圧位置の上流に回転自在に配置されている。図1に示される例において、第2ガイドローラ192は、第1ガイドローラ191の上方に配置されている。第2ガイドローラ192は、第1ガイドローラ191の下流であって第2加熱体211の押圧位置の上流においてインク転写済のインクリボン13の走行をガイドする。
揺動ローラ193は、第1ガイドローラ191の下流であって第2ガイドローラ192の上流に回転自在および揺動可能に配置されている。図1に示される例において、揺動ローラ193は、第1ガイドローラ191の上方であって第2ガイドローラ192の下方に配置されている。また、図1に示される例において、揺動ローラ193は、図1の矢印Dに示される方向、すなわち第1ガイドローラ191と第2ガイドローラ192との間のインク転写済のインクリボン13を押し込む方向または当該押し込みを解除する方向に揺動する。揺動ローラ193の揺動は、例えば、モータ等の不図示の駆動源と、ギア、レバー、カム等の駆動源の動力を揺動ローラ193に伝達させる伝達機構とによって実現することができる。
揺動ローラ193は、第1ガイドローラ191の下流であって第2ガイドローラ192の上流においてインク転写済のインクリボン13の走行をガイドする。また、揺動ローラ193は、巻取部20におけるインク転写済のインクリボン13の巻き径の変化に応じて揺動する。揺動ローラ193が巻き径の変化に応じて揺動することで、調整部19は、第1加熱体22から押圧位置までのインク転写済のインクリボン13の長さを、第2加熱体211が押圧位置において第1パターンのインク抜け部分を押圧するような長さであって巻き径の変化前の長さと同一の長さに調整する。図1に示される例において、調整部19は、巻き径検出部195による巻き径の検出結果に基づいて第1加熱体22から押圧位置までのインク転写済のインクリボン13の長さを調整する。例えば、揺動ローラ193は、巻き径が第1の巻き径であるときに、第1ガイドローラ191から第2ガイドローラ192までのインク転写済のインクリボン13の長さを第1の長さに調整し、巻き径が第1の巻き径よりも大きい第2の巻き径であるときに、第1ガイドローラ191から第2ガイドローラ192までのインク転写済のインクリボン13の長さを第1の長さよりも既述した所定送り出し量の整数倍短い第2の長さに調整してもよい。
なお、調整部19は、巻取部20の角速度や被転写体14の使用枚数などの巻き径の検出結果以外の検出結果に基づいて第1加熱体22から第2加熱体211の押圧位置までのインク転写済のインクリボン13の長さを調整してもよい。
(制御部24)
制御部24は、第1加熱体22、第2加熱体211、巻取部20および調整部19を制御する。例えば、制御部24は、第1加熱体22、第2加熱体211、巻取部20および調整部19のそれぞれを駆動する駆動部に対して制御信号を出力することで、第1加熱体22、第2加熱体211、巻取部20および調整部19の駆動を制御する。
具体的には、制御部24は、支持層11側からインクリボン13を第1パターンで加熱して被転写体14に第1パターンでインク層12のインクを転写し、所定送り出し量のインクリボン13が送り出される度に第1パターンでのインクの転写を繰り返すように第1加熱体22を制御する。
また、制御部24は、インク転写済のインクリボン13の巻き取りを進行する過程で一時的に停止し、前回の一次的な停止から所定送り出し量に相当する巻き取り量のインク転写済のインクリボン13を巻き取る度に一時的な停止を繰り返すように巻取部20を制御する。
また、制御部24は、巻取部20の停止時毎に、外側インクリボン13Aを支持層11側から押圧して第1パターンと異なる第2パターンで加熱し、外側インクリボン13Aの支持層11を内側インクリボン13Bの支持層11に溶着させるように第2加熱体211を制御する。外側インクリボン13Aの支持層11を内側インクリボン13Bの支持層11に溶着させるため、制御部24は、第2加熱体211が第1加熱体22に対して1より大きい所定倍の温度で発熱するように加熱体21、22の発熱温度を制御する。制御すべき発熱温度としては、例えば、予め行った実験結果に基づいた好適な発熱温度を設定してもよい。また、制御部24は、巻取部20によるインク転写済のインクリボン13の巻き取り動作時すなわち回転時に、インク転写済のインクリボン13を押圧しないように第2加熱体211を制御してもよい。この場合、巻取部20の回転時に、第2加熱体211は、外側インクリボン13Aから離間して位置される。また、制御部24は、巻取部20が停止した時に所定の温度に上昇し、巻取部20の回転時に任意の温度となるように第2加熱体211を制御してもよい。
また、制御部24は、巻取部20で巻き取られたインク転写済のインクリボン13の巻き径の変化にともなう第2加熱体211の押圧位置の変化に応じて、第1加熱体22から第2加熱体211の押圧位置までのインク転写済のインクリボン13の長さを調整するように調整部19を制御する。
(動作例)
次に、以上のように構成された熱転写システム10の動作例について説明する。先ず、不図示の被転写体14の搬送装置は、第1加熱体22とプラテンローラ23との間に被転写体14を搬送する。一方、送出部16は、図1のR方向に回転して、下流側にインクリボン13を送り出し、巻取部20は、図1のR方向に回転して、インクリボン13を巻き取る。送出部16から送り出されたインクリボン13は、複数の送出側ガイドローラ15を経由して第1加熱体22とプラテンローラ23との間に到達する。
第1加熱体22は、第1加熱体22とプラテンローラ23との間に到達したインクリボン13を、プラテンローラ23上の被転写体14に押し付ける。このとき、制御部24が第1パターンにしたがって第1加熱体22を発熱させる制御を行うことで、第1加熱体22は、インクリボン13のインク層12のうち、一部のインクを第1パターンにしたがって被転写体14に転写する。
図4Aは、インクが転写された被転写体14を示す平面図である。図4Bは、第1パターンでのインク転写済みのインクリボン13を示す平面図である。図4Cは、図4BのインクリボンのIVC-IVC断面図である。
第1パターンでのインク転写の具体例について説明すると、まず、熱転写システム10に備えられた不図示の検知ユニットは、Y昇華性インク層31が第1加熱体22とプラテンローラ23との間に到達したことを示す検知マーク34を検知する。Y昇華性インク層31の到達が検知されると、制御部24の制御により、第1加熱体22は、Y昇華性インク層31を第1パターンの一例である図4Aに示される人間の顔画像14aに対応するパターンで加熱しながら被転写体14に対して押し付ける。これによって、インクリボン13のY昇華性インク層31のY昇華性インク31aが被転写体14上に転写される。
Y昇華性インク31aが被転写体14上に転写された後、Y昇華性インク31aが転写された被転写体14が、第1加熱体22とプラテンローラ23との間の位置まで上流側に戻される。インクリボン13は、送出部16および巻取部20によって更に下流側に搬送される。そして、M昇華性インク層32が第1加熱体22とプラテンローラ23との間に到達したことを示す検知マーク34が検知ユニットによって検知されると、制御部24の制御により、第1加熱体22は、M昇華性インク層32を、人間の顔画像14aに対応するパターンで加熱しながら被転写体14に対して押し付ける。これによって、インクリボン13のM昇華性インク層32のM昇華性インク32aが被転写体14上に転写される。すなわち、所定送り出し量のインクリボン13の一例として、隣り合う検知マーク34の間隔に相当する図4Bに示される一定の転写ピッチPのインクリボン13が送り出されたタイミングで、顔画像14aに対応するパターンでのインクの転写が繰り返される。
M昇華性インク32aが被転写体14上に転写された後、Y昇華性インク31aおよびM昇華性インク32aが転写された被転写体14が、第1加熱体22とプラテンローラ23との間の位置まで上流側に戻される。インクリボン13は、送出部16および巻取部20によって更に下流側に搬送される。そして、C昇華性インク層33が第1加熱体22とプラテンローラ23との間に到達したことを示す検知マーク34が検知ユニットによって検知されると、制御部24の制御により、第1加熱体22は、C昇華性インク層33を、人間の顔画像14aに対応するパターンで加熱しながら被転写体14に対して押し付ける。これによって、インクリボン13のC昇華性インク層33のC昇華性インク33aが被転写体14上に転写される。すなわち、転写ピッチPのインクリボン13が送り出される度に、顔画像14aに対応するパターンでのインクの転写が繰り返される。
このようにして、図4Aに示すように、各昇華性インク31a,32a,33aからなる顔画像14aが被転写体14上に形成される。この際に、図4Bおよび図4Cに示すように、昇華性インク転写済のインクリボン13の各昇華性インク層31,32,33には、第1パターンのインク抜け部分の一例として、昇華性インク31a,32a,33aが抜けた昇華性インク抜け部分31b,32b,33bが形成される。
図5Aは、第1の実施形態による熱転写システム10の動作例において第2パターンでの支持層11の溶着を示す平面図である。図5Bは、第1の実施形態による熱転写システム10の動作例において第2パターンでの支持層11の溶着を示す断面図である。
第1パターンでのインク転写済のインクリボン13は、第1加熱体22の下流側に搬送され、調整部19の第1ガイドローラ191、揺動ローラ193および第2ガイドローラ192を順に経由して巻取部20に巻き取られる。巻取部20において、インク転写済のインクリボン13は、インク層12が内側に位置し、支持層11が外側に位置するように巻取部20の外周に巻き付けられる。このようにインクリボン13が巻き付けられることで、第2加熱体211には、外側インクリボン13Aの支持層11が面し、内側インクリボン13Bの支持層11には、外側インクリボン13Aのインク層12が接触する。
このとき、第2加熱体211の上流側近傍に設けられた図示しない検知手段により、外側インクリボン13Aの検知マーク34が検知される。外側インクリボン13Aの検知マーク34が検知されると、制御部24は、第2加熱体211による押圧位置に昇華性インク層31,32,33の昇華性インク抜け部分31b,32b,33bが到達したと判断して巻取部20の回転を一時的に停止させる。そして、巻取部20が回転を停止した状態において、第2加熱体211は、制御部24の制御によって外側インクリボン13Aの押圧位置まで移動して支持層11側から昇華性インク層31,32,33を押圧する。昇華性インク層31,32,33を押圧しながら、第2加熱体211は、第2パターンの一例として、顔画像14aに対応するパターンと異なる図5Aおよび図5Bに示される棒状の攪乱パターン35で外側インクリボン13Aを加熱する。なお、攪乱パターン35の態様は、図5Aおよび図5Bの態様に限定されない。第2加熱体211が外側インクリボン13Aを攪乱パターン35で加熱することで、外側インクリボン13Aの支持層11が内側インクリボン13Bの支持層11に攪乱パターン35で溶着される。攪乱パターン35で支持層11を溶着させた後、制御部24は、巻取部20の回転停止を解除して巻取部20の回転を再開させる。その後、新たな検知マーク34が検知されると、制御部24は、巻取部20を再停止させ、第2加熱体211による攪乱パターン35での支持層11の溶着を繰り返させる。
このようにして、巻取部20は、所定送り出し量に相当する巻き取り量の一例として、顔画像14aの転写ピッチPに相当する図5Aの攪乱パターン35の転写ピッチPのインク転写済のインクリボン13を巻き取る度に、一時的な停止を繰り返す。また、第2加熱体211は、巻取部20の停止時毎に、外側インクリボン13Aを支持層11側から押圧して攪乱パターン35で加熱し、外側インクリボン13Aの支持層11を内側インクリボン13Bの支持層11に攪乱パターン35で溶着させる。
図6は、第1の実施形態による熱転写システム10の動作例において巻取部20での巻き径の変化にともなう第2加熱体211の押圧位置の変化を示す図である。図7は、比較例による熱転写システム10の動作例において、巻き径が小さいときの押圧位置および溶着パターンと巻き径が大きいときの押圧位置および溶着パターンとを示す図である。図8は、第1の実施形態による熱転写システム10の動作例において、巻き径が小さいときの押圧位置および溶着パターンと巻き径が大きいときの押圧位置および溶着パターンとを示す図である。
ここで、図6に示すように、外側インクリボン13Aに対する第2加熱体211の押圧位置は、巻取部20におけるインク転写済のインクリボン13の巻き径に応じて変化する。図6に示される例において、インク転写済のインクリボン13の巻き径が大きくなるほど、第2加熱体211の押圧位置は上方側に変化し、ローラ軸15から加熱体211までの長さが増加する。ここで、もし、図7に示すように揺動ローラ193を備えない場合、例えば、巻き径が小さいときの押圧位置P1では、第2加熱体211が昇華性インク抜け部分31b,32b,33bを押圧できるものの、巻き径が大きいときの押圧位置P2では、第2加熱体211が昇華性インク抜け部分31b,32b,33bを押圧できず、昇華性インク抜け部分31b,32b,33bからずれた位置を押圧する虞がある。この場合、図7に示すように、巻き径が小さいときの押圧位置P1では、第2加熱体211が昇華性インク抜け部分31b,32b,33bを攪乱する攪乱パターン35P1で支持層11を溶着できるが、巻き径が大きいときの押圧位置P2では、攪乱パターン35P2が昇華性インク抜け部分31b,32b,33bからずれてしまうことで昇華性インク抜け部分31b,32b,33bを攪乱するように支持層11を溶着することができない。
これに対して、第1の実施形態による熱転写システム10は、巻取部20におけるインク転写済のインクリボン13の巻き径の変化に応じた第2加熱体211の押圧位置の変化にかかわらず、第2加熱体211が昇華性インク抜け部分31b,32b,33bを攪乱する攪乱パターン35で支持層11を溶着するように動作する。
具体的には、調整部19は、インク転写済のインクリボン13の巻き径の変化にともなう第2加熱体211の押圧位置の変化に応じて、第1加熱体22から押圧位置までのインク転写済のインクリボン13の長さを、第2加熱体211が押圧位置において昇華性インク抜け部分31b,32b,33bを押圧するような長さに調整する。調整部19は、第1加熱体22から第2加熱体211の押圧位置までのインク転写済のインクリボン13の長さを、押圧位置の変化の前後において同一の長さに調整してもよい。図8に示される例において、調整部19は、巻き径検出部195による巻き径の検出結果に基づいて、第1加熱体22から第2加熱体211の押圧位置までのインク転写済のインクリボン13の長さを調整する。
例えば、揺動ローラ193は、巻き径が第1の巻き径であるときに、図8の実線部に示すように第1ガイドローラ191および第2ガイドローラ192に対して右方に位置して第1ガイドローラ191と第2ガイドローラ192との間のインク転写済のインクリボン13を右方に押し込んだ状態となることで、第1ガイドローラ191から第2ガイドローラ192までのインク転写済のインクリボン13の長さを第1の長さに調整する。一方、揺動ローラ193は、巻き径が第1の巻き径よりも大きい第2の巻き径であるときに、図8の破線部に示すように左方に揺動して第1ガイドローラ191と第2ガイドローラ192との間のインク転写済のインクリボン13の押込みを解除することで、第1ガイドローラ191から第2ガイドローラ192までのインク転写済のインクリボン13の長さを第1の長さよりも既述した所定送り出し量の整数倍短い第2の長さに調整する。これにより、巻き径が小さいときの押圧位置P1において第2加熱体211が昇華性インク抜け部分31b,32b,33bを押圧することができ、さらに、巻き径が大きいときの押圧位置P2においても第2加熱体211が昇華性インク抜け部分31b,32b,33bを押圧することができる。
これにより、インク転写済のインクリボン13の巻き径の変化に応じた第2加熱体211の押圧位置の変化にかかわらず、第2加熱体211が常に昇華性インク抜け部分31b,32b,33bを攪乱する攪乱パターン35で支持層11を溶着することができる。例えば、図8に示すように、巻き径が小さいときの押圧位置P1においては、第2加熱体211が昇華性インク抜け部分31b,32b,33bを攪乱する攪乱パターン35P1で支持層11を溶着することができ、さらに、巻き径が大きいときの押圧位置P2においても、第2加熱体211が昇華性インク抜け部分31b,32b,33bを攪乱する攪乱パターン35P2で支持層11を溶着することができる。
以上述べたように、第1の実施形態によれば、調整部19が、巻取部20で巻き取られたインク転写済のインクリボン13の巻き径の変化にともなう第2加熱体211の押圧位置の変化に応じて、第1加熱体22から押圧位置までのインク転写済のインクリボン13の長さを第2加熱体211が押圧位置において第1パターンのインク抜け部分を押圧するような長さに調整する。これにより、インク転写済のインクリボン13の巻き径の変化にともなう第2加熱体211の押圧位置の変化にかかわらず、第1パターンのインク抜け部分に対応する位置において外側インクリボン13Aを内側インクリボン13Bに第2パターンで溶着させることができる。これにより、第1パターンのインク抜け部分を適切に攪乱して秘匿すべき情報の漏洩を適切に防止することができる。
また、第1の実施形態によれば、巻取部20の停止時に第2加熱体211で外側インクリボン13Aを加熱することで、外側インクリボン13Aに十分に大きな熱エネルギを付与することができるので、外側インクリボン13Aを内側インクリボン13Bにより適切に溶着させることができる。
また、調整部19が、第1加熱体22から第2加熱体211までのインク転写済のインクリボン13の長さを第2加熱体211の押圧位置の変化の前後において同一の長さに調整する場合、より確実に、第2加熱体211の押圧位置の変化にかかわらず第1パターンのインク抜け部分に対応する位置において外側インクリボン13Aを内側インクリボン13Bに第2パターンで溶着させることができる。
また、巻き径、巻取部20の角速度または被転写体14の使用枚数を検出した検出結果に基づいて第1加熱体22から第2加熱体211の押圧位置までのインク転写済のインクリボン13の長さを調整することで、簡便な手法によって第1パターンのインク抜け部分を適切に攪乱するように外側インクリボン13Aを内側インクリボン13Bに溶着させることができる。
また、第1の実施形態によれば、第1ガイドローラ191、第2ガイドローラ192および揺動ローラ193によって調整部19を簡易に構成することができる。
また、巻き径が第1の巻き径であるときに、第1ガイドローラ191から第2ガイドローラ192までのインク転写済のインクリボン13の長さを第1の長さに調整し、巻き径が第1の巻き径よりも大きい第2の巻き径であるときに、第1ガイドローラ191から第2ガイドローラ192までのインク転写済のインクリボン13の長さを第1の長さよりも所定送り出し量の整数倍短い第2の長さに調整することで、簡便な手法によって、第1パターンのインク抜け部分を適切に攪乱するように外側インクリボン13Aを内側インクリボン13Bに溶着させることができる。
また、第2加熱体211が巻取部20によるインク転写済のインクリボン13の巻き取り動作時に外側インクリボン13Aを押圧しないように構成することで、第2加熱体211が外側インクリボン13Aを押圧しながらインクリボン13を巻き取ることによって生じる巻き取りの遅れにともなうインクリボン13の弛みを防止することができる。インクリボン13の弛みを防止することで、弛みが解消されたときの反動でインクリボン13に衝撃が加わってインクリボン13に筋や破れが生じることを防止することができる。
また、第2加熱体211が巻取部20によるインク転写済のインクリボン13の巻き取り動作時に巻取部20の停止時よりも発熱温度が低下するように構成することで、第2加熱体211の発熱に要する消費電力を削減することができる。
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態による熱転写システム10を示す図である。第2の実施形態においては、調整部19の構成が第1の実施形態と異なる。具体的には、調整部19は、第1ガイドローラ191、第2ガイドローラ192および揺動ローラ193に加えて、変位ローラ194とリンク機構196とを更に備える。
変位ローラ194は、第2加熱体211と干渉しない位置において外側インクリボン13Aに接触し、巻き径の変化に応じて変位する。リンク機構196は、変位ローラ194の変位に応じて揺動ローラ193が揺動するように変位ローラ194と揺動ローラ193とを接続している。図9に示される例において、リンク機構196は、インクリボン13に干渉しないようにインクリボン13に対してリボン幅方向の外側に配置され、長手方向の一端に変位ローラ194を回転自在に支持し、長手方向の他端に揺動ローラ193を回転自在に支持している。また、リンク機構196は、長手方向の一端と長手方向の他端との間を支点として回転可能であり、コイルばね等の弾性部材によって、変位ローラ194が外側インクリボン13Aに押圧する方向であって、揺動ローラ193がインクリボン13を押し込む方向に弾性力を付与されている。ただし、リンク機構196は図9の構成に限定されない。停止位置は正確でなくても、ある程度の範囲に収まっていれば所望の効果を得られることは言うまでもなく、リンク機構は簡易的な構造であってもよい。
第2の実施形態によれば、巻き径に応じた揺動ローラ193の動作制御を、センサを用いずに機械的に行うことができるので、電力消費量をさらに削減することができる。
(第3の実施形態)
図10は、第3の実施形態による熱転写システム10を示す図である。これまでは、インクリボン13が支持層11上に周期的に並べられた複数色の昇華性インク層31,32,33を有する例について説明した。本開示は、複数色のインク層31,32,33を有するインクリボン13を用いてカラー画像の転写を行う構成に限定されず、図10に示すように、互いに異なる単数色のインク層を有する複数のインクリボン13Y,13M,13Cを用いてカラー画像の転写を行う構成に適用することもできる。
図10の構成では、インクリボン13Y,13M,13Cのそれぞれに対応する熱転写システム10が、被転写体14の搬送方向に沿って配置されている。図10に示される構成において、各インクリボン13Y,13M,13Cのそれぞれに対応する熱転写システム10ごとに、調整部19が、巻取部20で巻き取られたインク転写済のインクリボン13の巻き径の変化にともなう第2加熱体211の押圧位置の変化に応じて、第1加熱体22から押圧位置までのインク転写済のインクリボン13の長さを第2加熱体211が押圧位置において第1パターンのインク抜け部分を押圧するような長さに調整する。
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本開示の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された本開示とその均等の範囲に含まれるものである。
10 熱転写システム、11 支持層、12 インク層、13 インクリボン、14 被転写体、16 送出部、19 調整部、22 第1加熱体、20 巻取部、21 第2加熱体

Claims (11)

  1. 支持層および前記支持層上のインク層を有するインクリボンを送り出す送出部と、
    前記送出部の下流において前記支持層側から前記インクリボンを第1パターンで加熱して被転写体に前記第1パターンで前記インク層のインクを転写し、所定送り出し量のインクリボンが送り出される度に前記第1パターンでのインクの転写を繰り返す第1加熱体と、
    前記第1加熱体の下流においてインク転写済のインクリボンをその支持層がインク層より外側に位置するように巻き取って一時的に停止し、前記所定送り出し量に相当する巻き取り量の前記インク転写済のインクリボンを巻き取る度に前記停止を繰り返す巻取部と、
    前記巻取部の停止時毎に、前記巻取部で巻き取られた前記インク転写済のインクリボンを前記支持層側から押圧して前記第1パターンと異なる第2パターンで加熱し、前記インク転写済のインクリボンの支持層をその内側に位置するインクリボンの支持層に転写、または溶着させる第2加熱体と、
    前記巻取部で巻き取られた前記インク転写済のインクリボンの巻き径の変化にともなう前記第2加熱体の押圧位置の変化に応じて、前記第1加熱体から前記押圧位置までの前記インク転写済のインクリボンの長さを調整する調整部と、を備える熱転写システム。
  2. 前記調整部は、前記第1加熱体から前記押圧位置までの前記インク転写済のインクリボンの長さを、前記第2加熱体が前記押圧位置において前記第1パターンのインク抜け部分を押圧するような長さに調整する、請求項1に記載の熱転写システム。
  3. 前記調整部は、前記第1加熱体から前記押圧位置までの前記インク転写済のインクリボンの長さを、前記押圧位置の変化の前後において同一の長さに調整する、請求項1又は2に記載の熱転写システム。
  4. 前記調整部は、前記巻き径、前記巻取部の角速度または前記被転写体の使用枚数を検出した検出結果に基づいて前記第1加熱体から前記押圧位置までの前記インク転写済のインクリボンの長さを調整する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱転写システム。
  5. 前記調整部は、
    前記第1加熱体の下流であって前記押圧位置の上流において前記インク転写済のインクリボンの走行をガイドする第1ガイドローラと、
    前記第1ガイドローラの下流であって前記押圧位置の上流において前記インク転写済のインクリボンの走行をガイドする第2ガイドローラと、
    前記第1ガイドローラの下流であって前記第2ガイドローラの上流において前記インク転写済のインクリボンの走行をガイドし、前記巻き径の変化に応じて揺動する揺動ローラと、を有する、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の熱転写システム。
  6. 前記揺動ローラは、
    前記巻き径が第1の巻き径であるときに、前記第1ガイドローラから前記第2ガイドローラまでの前記インク転写済のインクリボンの長さを第1の長さに調整し、
    前記巻き径が前記第1の巻き径よりも大きい第2の巻き径であるときに、前記第1ガイドローラから前記第2ガイドローラまでの前記インク転写済のインクリボンの長さを前記第1の長さよりも前記所定送り出し量の整数倍短い第2の長さに調整する、請求項5に記載の熱転写システム。
  7. 前記調整部は、
    前記巻取部で巻き取られた前記インク転写済のインクリボンに接触し、前記巻き径の変化に応じて変位する変位ローラと、
    前記変位ローラの変位に応じて前記揺動ローラが揺動するように前記変位ローラと前記揺動ローラとを接続するリンク機構と、を更に有する、請求項5又は請求項6に記載の熱転写システム。
  8. 前記第2加熱体は、前記巻取部による前記インク転写済のインクリボンの巻き取り動作時に、前記インク転写済のインクリボンを押圧しない、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の熱転写システム。
  9. 前記第2加熱体は、前記巻取部の停止時に温度が上昇する、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の熱転写システム。
  10. 支持層および前記支持層上のインク層を有するインクリボンを送り出す工程と、
    第1加熱体によって、前記送り出されたインクリボンを前記支持層側から第1パターンで加熱して被転写体に前記第1パターンで前記インク層のインクを転写し、所定送り出し量のインクリボンが送り出される度に前記第1パターンでのインクの転写を繰り返す工程と、
    巻取部によって、インク転写済のインクリボンをその支持層がインク層より外側に位置するように巻き取り、前記巻取部を一時的に停止させる工程と、
    前記所定送り出し量に相当する巻き取り量の前記インク転写済のインクリボンが巻き取られる度に前記巻取部の停止を繰り返す工程と、
    前記巻取部の停止時毎に、第2加熱体によって、前記巻取部で巻き取られた前記インク転写済のインクリボンを前記支持層側から押圧して前記第1パターンと異なる第2パターンで加熱し、前記インク転写済のインクリボンの支持層をその内側に位置するインクリボンの支持層に転写、または溶着させる工程と、
    調整部によって、前記巻取部で巻き取られた前記インク転写済のインクリボンの巻き径の変化にともなう前記第2加熱体の押圧位置の変化に応じて、前記第1加熱体から前記押圧位置までの前記インク転写済のインクリボンの長さを調整する工程と、を備える熱転写方法。
  11. 前記第1パターンは、人間の顔画像に対応するパターンである、請求項10に記載の熱転写方法。
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