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JP7351853B2 - 植物の非生物的ストレス抵抗力を増加させるための大環状テトラピロール化合物、組成物及び方法 - Google Patents

植物の非生物的ストレス抵抗力を増加させるための大環状テトラピロール化合物、組成物及び方法 Download PDF

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Description

本技術分野は、一般に植物の非生物的ストレス抵抗力又は耐性を増加させるための大環状テトラピロール化合物及びその組成物に関する。より詳しくは、大環状テトラピロール化合物は、ポルフィリン化合物、又は還元されたポルフィリン化合物であってもよい。
生長している植物は、本明細書において非生物的ストレスと称される、非生物学的起源の様々な環境ストレスを受ける。非生物的ストレスの非限定的な例は、寒冷ストレス、熱ストレス、干ばつストレス、過剰水ストレス、光酸化ストレス、及び過剰塩曝露によって引き起こされるストレスを含む。植物が非生物的ストレスに曝されると、ストレス状況に対処しようとし、植物は生物学的な防衛機構に対してエネルギーを転用するので、生長が抑制され得る。これらのストレスの1つ又はすべては、植物の健康、品質及び/又は成長を衰弱させる作用があり、作物収量及び/又は品質を損なうことがある。非生物的ストレス要因の影響は、それが気候変動に関係があるので、植物及び栽培者が予期しない新しい又は拡大された非生物的ストレス条件に対処するために早く適応しなければならないので特に重要である。
植物の非生物的ストレス抵抗力を増加させるのを援助することができる化合物、組成物及び/又は組み合わせに対する必要性がなお存在する。
Hazen, J.L. Weed Technology 14:773-784(2000) S. R. Colby, "Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combinations", Weeds 15, 20-22 (1967)
一態様において、1種又は複数の非生物的ストレスに対する植物の抵抗力を増加させるための方法であって、ポルフィリン、還元されたポルフィリン及びその混合物からなる群から選択される大環状テトラピロール化合物;並びに鉱油、植物油及びその混合物からなる群から選択されるオイルを含む組み合わせを植物に適用する工程を含む方法が提供される。
別の態様において、1種又は複数の非生物的ストレスに対する植物の抵抗力を増加させるための組成物であって、ポルフィリン、還元されたポルフィリン及びその混合物からなる群から選択される大環状テトラピロール化合物;並びに鉱油、植物油及びその混合物からなる群から選択されるオイルを含む組成物が提供される。
別の態様において、1種又は複数の非生物的ストレスに対する植物の抵抗力を増加させるための方法であって、ポルフィリン、還元されたポルフィリン及びその混合物からなる群から選択される大環状テトラピロール化合物を植物の種子及び苗の少なくとも1つに適用する工程を含む方法が提供される。
別の態様において、1種又は複数の非生物的ストレスに対する植物の抵抗力を増加させるための方法であって、ポルフィリン、還元されたポルフィリン及びその混合物からなる群から選択される大環状テトラピロール化合物;及びキレート剤を含む組み合わせを植物に適用する工程を含む方法が提供される。
別の態様において、1種又は複数の非生物的ストレスに対する植物の抵抗力を増加させるための組成物であって、ポルフィリン、還元されたポルフィリン及びその混合物からなる群から選択される大環状テトラピロール化合物;及びキレート剤を含む組成物が提供される。
別の態様において、1種又は複数の非生物的ストレスに対する植物の抵抗力を増加させるための方法であって、ポルフィリン、還元されたポルフィリン及びその混合物からなる群から選択される大環状テトラピロール化合物;並びに鉱油、植物油及びその混合物からなる群から選択されるオイルを含む組み合わせを植物に適用する工程を含み;ここで、大環状テトラピロール化合物及びオイルは、1種又は複数の非生物的ストレスの少なくとも1つに対する植物の抵抗力を増加させるのに相乗効果的な量で存在する方法が提供される。
別の態様において、1種又は複数の非生物的ストレスに対する植物の抵抗力を増加させるための組成物であって、ポルフィリン、還元されたポルフィリン及びその混合物からなる群から選択される大環状テトラピロール化合物;並びに鉱油、植物油及びその混合物からなる群から選択されるオイルを含み;ここで、大環状テトラピロール化合物及びオイルは、1種又は複数の非生物的ストレスの少なくとも1つに対する植物の抵抗力を増加させるのに相乗効果的な量で存在する組成物が提供される。
別の態様において、1種又は複数の非生物的ストレスに対する植物の抵抗力を増加させるための方法であって、ポルフィリン、還元されたポルフィリン及びその混合物からなる群から選択される大環状テトラピロール化合物;及びアミノカルボン酸化合物又はその塩を含むキレート剤を含む組み合わせを植物に適用する工程を含み、ここで、大環状テトラピロール化合物及びキレート剤は、1種又は複数の非生物的ストレスの少なくとも1つに対する植物の抵抗力を増加させるのに相乗効果的な量で存在する方法が提供される。
別の態様において、1種又は複数の非生物的ストレスに対する植物の抵抗力を増加させるための組成物であって、ポルフィリン、還元されたポルフィリン及びその混合物からなる群から選択される大環状テトラピロール化合物;及びアミノカルボン酸化合物又はその塩を含むキレート剤を含み、ここで、大環状テトラピロール化合物及びキレート剤は、1種又は複数の非生物的ストレスの少なくとも1つに対する植物の抵抗力を増加させるのに相乗効果的な量で存在する組成物が提供される。
別の態様において、1種又は複数の非生物的ストレスに対する植物の抵抗力を増加させるための方法であって、ポルフィリン、還元されたポルフィリン及びその混合物からなる群から選択される大環状テトラピロール化合物;鉱油、植物油及びその混合物からなる群から選択されるオイル;及びアミノカルボン酸化合物又はその塩を含むキレート剤を含む組み合わせを植物に適用する工程を含み、ここで、大環状テトラピロール化合物及びキレート剤は、1種又は複数の非生物的ストレスの少なくとも1つに対する植物の抵抗力を増加させるのに相乗効果的な量で存在する方法が提供される。
別の態様において、1種又は複数の非生物的ストレスに対する植物の抵抗力を増加させるための組成物であって、ポルフィリン、還元されたポルフィリン及びその混合物からなる群から選択される大環状テトラピロール化合物;鉱油、植物油及びその混合物からなる群から選択されるオイル;及びアミノカルボン酸化合物又はその塩を含むキレート剤を含み、ここで、大環状テトラピロール化合物及びキレート剤は、1種又は複数の非生物的ストレスの少なくとも1つに対する植物の抵抗力を増加させるのに相乗効果的な量で存在する組成物が提供される。
本明細書において記載の化合物、組み合わせ及び配合物は、1種又は複数の非生物的ストレスによって引き起こされる障害に対する植物の抵抗力を増加させるための大環状テトラピロール化合物の使用に関する。大環状テトラピロール化合物は、単独で、又はオイル、キレート剤及び/又は界面活性剤等の他の添加剤と合同で使用することができる。
本明細書において使用される用語「非生物的ストレス」は、作物及び他の植物の生長、成長、収量及び/又は種子品質に負の影響を与える、適正水準以下の環境条件を指す。非生物的ストレスの非限定的な例は、例えば、光酸化条件、干ばつ(水分欠乏)、過剰の散水(洪水及び水没)、極端な温度(冷温、凍結、暑気)、極端な水準の光(高・低)、照射(UV-B及びUV-A)、過剰のNa+(ナトリウム度)による塩分、化学的な因子(例えば、pH)、鉱物(金属及びメタロイド)毒性、必須栄養素の不足又は過剰、ガス状汚染物質(オゾン、二酸化硫黄)、風、機械的因子、及び他のストレス要因を含む。
本明細書において使用される場合、「ストレス抵抗力を増加させる」(等)という用語は、植物がストレス条件において残存又は成育する能力の増加を指す。高められた抵抗力又は耐性は、特定のストレス要因例えば、干ばつ、過剰水、栄養不足、塩、低温、陰若しくは暑気、又は多数のストレス要因について特異的であってもよい。幾つかのシナリオにおいて、1種又は複数の非生物的ストレスに対して増加した抵抗力は、同一のストレスを受けた未処置の植物と比較して植物の品質の劣化の減少によって例示することができる。他のシナリオにおいて、同一のストレス受けた未処置の植物と比較して、1種又は複数の非生物的ストレスに対して増加した抵抗力は、維持又は改善された植物品質によって例示することができる。
本明細書において使用される場合、木、芝、作物又は植物の強壮性は、低温、暑気、干ばつ、洪水、陰、土壌栄養素の過不足及び風等の不都合な環境(非生物的)条件を生き延びる能力を指す。所与の不都合な非生物的条件に対する自然抵抗力は、属、種及び栽培品種によって様々であり得る。例えば、ある種類の果樹は、温度が5℃に低下する冬季に生き延びることができない。したがって、冬季温度が平均10℃の気候の栽培者は、異常に寒い冬は著しく作物を減らし、潜在的に果樹園を破壊し得ると恐れて初めての種類の果樹を植えるのに躊躇し得る。同様に、宅地での野菜栽培者は、陰及び日光曝露の量を基準にして庭の構想を計画して、日当たりがよい位置に暑気に丈夫な植物及び陰の区域に陰に丈夫な植物を植えることができる。
気候条件が経時的に変わるにつれて、1種又は複数の予想される又は予期しない非生物的ストレスを基づいて経済的損失のリスクを最小限にするために、植物、芝、木又は作物の強壮性を上げようと、栽培者は望むことができる。更に、栽培者は、それらの地理的な帯域及び現地の土壌条件において成育するとは予想されない作物の栽培を試みようと望むことができる。これらの状況において、栽培者は、通常、これらの条件が植物又は作物の収量の喪失につながる場合があるリスクを緩和する環境条件を注意深くモニターするように促される。例えば、寒冷気候の栽培者は、冬季の間、植物又は潅木を覆うことができ、肥料又は他の化学薬品を用いて不十分な土壌品質を補ってもよく、又は、風遮壁を構築してもよい。一般に植物の非生物的ストレス要因に対する耐性を改善する方法によって、栽培者がそのような工程を回避又は限定することが可能になり、栽培者がその生まれた地理的な位置に共通の条件を超えて環境条件の自然の限界を広げることが可能になる。
植物、例えば、潅木、芝、果実又は野菜の植物、花、木、つる植物又は作物(一般に本明細書において植物と称される)に対する、化合物又は化合物を含む組成物の適用によって、植物の強壮性を改善することができ、植物がその植物にとって本来の生長条件の範囲外にある生長条件に耐えることを可能にすることができる。そのような条件は非生物的ストレス要因であると考えられる。特異的な非生物的ストレス条件の例は以下に記載される。
非生物的ストレスに耐える植物の能力は、本明細書において記載の大環状テトラピロール化合物の適用により高めることができる。大環状テトラピロール化合物は、光活性又は光不活性であってもよく、金属化され又は金属化されていなくてもよい。大環状テトラピロール化合物は、スタンドアロンの化合物として、又は他の添加剤と合同で、又は他の添加剤を含む組成物の一部として添加することができる。他の添加剤は、オイル、キレート剤、界面活性剤、水又はその組み合わせを含むことができる。大環状テトラピロール化合物及び添加剤はまた、以下に記述される。
大環状テトラピロール化合物
本明細書において、非生物的ストレス抵抗力を高める化合物は大環状テトラピロール化合物である。大環状テトラピロール化合物は、一緒に連結した4個の窒素を有するヘテロ環式環を含むことができる。幾つかの実施例において、窒素を有するヘテロ環式環は、ピロール及びピロリンからなる群から選択されて、メチン基(すなわち、=CH-基)によって一緒に連結されテトラピロールを形成する。大環状テトラピロール化合物、例えばポルフィリン化合物(メチン基によって一緒に連結した4個のピロール基)、クロリン化合物(メチン基によって一緒に連結した3個のピロール基及び1個のピロリン基)、バクテリオクロリン化合物又はイソバクテリオクロリン化合物(メチン基によって一緒に連結した2個のピロール基及び2個のピロリン基)、又は、複素環式芳香環核若しくは部分的芳香環核(すなわち、環の全周辺を通しては芳香族でない環核)を有する官能基同等物を含むことができる。また、本明細書において使用される用語「還元されたポルフィリン」は、クロリン、バクテリオクロリン、イソバクテリオクロリン及びコロール、コリン及びコルフィン等の他の種類の還元されたポルフィリンからなる群を指すことは理解されるに違いない。大環状テトラピロール化合物が金属錯体(例えば、Mgポルフィリン)又は非金属大員環(例えば、クロリンE6、プロトポルフィリンIX又はテトラフェニルポルフィリン)であってもよいことは理解されなければならない。大環状テトラピロール化合物は、抽出された天然の化合物、又は合成化合物であってもよい。
ポルフィリン又は還元されたポルフィリン化合物が金属化された実施例において、金属化大環状テトラピロール化合物が活性酸素種(ROS)を発生するように金属を選ぶことができ、金属化大環状テトラピロール化合物がROSを発生しないか、又は一重項酸素種を発生しないような、及び/又は非感光性であるような金属を選ぶことができる。金属の非限定的な例としては、Mg、Zn、Pd、Sn、Al、Pt、Si、Ge、Ga、In、Ni、Cu、Co、Fe及びMnが含まれる。金属種が酸化度なしで挙げられる場合、金属種の適切な酸化状態はすべて当業者によって理解されるのと同じように考えられることにするものと理解されたい。他の実施例において、金属は、Mg、Zn、Pd、Sn、Al、Pt、Si、Ge、Ga及びInからなる群から選択され、又はMg(II)、Zn(II)、Pd(II)、Sn(IV)、Al(III)、Pt(II)、Si(IV)、Ge(IV)、Ga(III)及びIn(III)からなる群から選択される。なお他の実施例において、金属は、Cu、Co、Fe及びMnからなる群から選択され、又はCu(II)、Co(II)、Co(III)、Fe(II)、Fe(III)、Mn(II)及びMn(III)からなる群から選択される。
本明細書の方法及び組成物において使用される大環状テトラピロール化合物はまた、ヒトに対する毒性を基準にして、又は環境に対する影響を基準にして選択することができることを理解されたい。例えば、ポルフィリン及び還元されたポルフィリンは、フタロシアニン等の他の種類の大環状テトラピロール化合物と比較した場合、ヒトに対する毒性が低く、その上環境での生分解性が高いという傾向がある。
以下の式は、大環状テトラピロール化合物の幾つかの非限定的な例を説明する:
Figure 0007351853000001
銅クロロフィリン(本明細書において、CuChln又はCuChlとも称される)及びマグネシウムクロロフィリン(本明細書においてMgChln又はMgChlとも称される)等の大環状テトラピロール化合物は、Organic Herb Inc., Sigma Aldrich又はFrontier Scientific等の様々な化学薬品供給業者から得ることができる。幾つかのシナリオにおいて、大環状テトラピロール化合物は100%の純度でなく、有機酸及びカロテン等の他の成分を含んでもよい。他のシナリオにおいて、大環状テトラピロール化合物は高水準の純度を有することができる。
添加剤
幾つかの実施例において、大環状テトラピロール化合物は、1種又は複数の農業的に適切なアジュバントと合同で植物に適用することができる。1種又は複数の農業的に適切なアジュバントのそれぞれは、独立して1種又は複数の活性剤アジュバント(例えば、1種又は複数の界面活性剤;例えば、1種又は複数のオイルアジュバント、例えば、1種又は複数の浸透剤)及び1種又は複数のユーティリティアジュバント(例えば、1種又は複数の湿潤薬又は展着剤)1種又は複数の湿潤剤;1種又は複数の乳化剤;1種又は複数のドリフト抑制剤;1種又は複数の増粘剤;1種又は複数の堆積剤;1種又は複数の水質調節剤;1種又は複数の緩衝液;1種又は複数の抗発泡剤;1種又は複数のUV遮蔽剤;1種又は複数の抗酸化剤;1種又は複数の肥料、栄養素、及び/又は微量養素;及び/又は1種又は複数の除草剤安全化剤からなる群から選択することができる。例示のアジュバントは、Hazen, J.L. Weed Technology 14:773-784 (2000)において提供され、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる
幾つかの実施例において、大環状テトラピロール化合物はオイルと合同で植物に適用することができる。オイルは、鉱油(例えば、パラフィン系石油)、植物油、精油、及びその混合物からなる群から選択することができる。幾つかのシナリオにおいて、大環状テトラピロール化合物をオイルと組み合わせると、植物に接したときに、大環状テトラピロール化合物の溶解性を改善する場合がある。オイルは、水等の担持流体が存在する場合又は存在しない場合、大環状テトラピロール化合物と共に又は別々に添加することができる。
植物油の非限定的な例は、中位鎖トリグリセリド(MCT)、ナットから抽出されたオイルを含むオイルを含む。植物油の他の非限定的な例は、ヤシ油、キャノーラ油、ダイズ油、ナタネ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、ラッカセイ油、綿実油、パーム油、コメヌカ油又はその混合物を含む。鉱油の非限定的な例は、パラフィン油、分岐パラフィン油、ナフテン油、芳香油又はその混合物を含む。
パラフィン油の非限定的な例は、様々なグレードのポリアルファオレフィン(PAO)を含む。例えば、パラフィン油は、HT60(商標)、HT100(商標)、High Flash Jet, LSRD(商標)及びN65DW(商標)を含むことができる。パラフィン油は、約12~約50又は約16~35の範囲の炭素原子数を有するパラフィンを含むことができる。幾つかのシナリオにおいて、パラフィンは平均23の炭素原子数を有することができる。幾つかの実施例において、オイルは少なくとも80質量%、又は少なくとも90質量%、又は少なくとも99質量%のパラフィン含有率を有することができる。
大環状テトラピロール化合物及びオイルは、順次又は同時に添加することができる。同時に添加された場合、大環状テトラピロール化合物及びオイルは、同一組成物の一部として又は、2つの別々の組成物の一部として添加することができる。幾つかの実施例において、大環状テトラピロール化合物及びオイルは水中油型乳剤中に組み合わせることができる。すなわち、組み合わせは、大環状テトラピロール化合物が水中油型乳剤として配合されるようにオイル及び水と組み合わせた大環状テトラピロール化合物を含むことができる。水中油型乳剤はまた、キレート剤、界面活性剤又はその組み合わせ等の他の添加剤を含むことができる。
本明細書において使用される場合、用語「水中油型乳剤」は、オイル(例えば、パラフィン油)及び水の一つが、他方(例えば、水)中の小滴として分散した混合物を指す。幾つかの実施例において、水中油型乳剤は、パラフィン油、水、及び他の任意の成分及びパラフィン油を合わせる工程、並びに乳剤が得られるまで剪断を加える工程を含む方法によって調製される。他の実施例において、水中油型乳剤は、撹拌槽中でパラフィン油、水、及び他の任意の成分を合わせる工程、並びに噴霧ガンのノズルを通して噴霧する工程を含む方法によって調製される。
幾つかの実施例において、大環状テトラピロール化合物は担持流体を含む組成物の一部である。適切な担持流体は、担持流体中で組成物の成分の安定な溶液、懸濁液及び/又は乳剤を得ることを可能にすることができる。幾つかの実施例において、担持流体は水である。他の実施例において、担持流体は、水及び他の溶媒、又は水中で混和しないか、又は部分的にのみ可溶のオイルの混合物である。
幾つかの実施例において、大環状テトラピロール化合物及びオイルの組み合わせは、非生物的ストレスに対する植物の抵抗力を増加させるために使用することができる。植物に送達するための水中油型乳剤中で分散して大環状テトラピロール化合物が維持されるように、界面活性剤が選択される組み合わせを水中油型乳剤にすることができる。
組み合わせは、界面活性剤(乳化剤又は表面活性剤とも称される)を含むことができる。典型的には界面活性剤は、疎水基及び親水基(すなわち、両親媒性構造)を含む特徴的な分子構造を有する。疎水基は長鎖炭化水素であってもよく、親水基は、典型的にはイオン性基又は高極性基である。親水基の性質に応じて、界面活性剤は、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性及び両性として分類することができる。本記述の組み合わせは、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性及び両性界面活性剤の少なくとも1つを含むことができる。界面活性剤は様々な種類の疎水基及び親水基を含むことができる。疎水基の非限定的な例は、C8~C20直鎖状又は分岐状アルキル鎖、C8~C20アルキルベンゼン残基、C8~C20直鎖状又は分岐状エトキシ化鎖、C8~C20アルキルフェノール残基、C8~C20アミノプロピルアミン残基を含む。親水基の非限定的な例は、カルボキシラート基、スルホナート基、スルファート基、テトラアルキルアンモニウム基、PEG基、PEGエステル基、PEGフェノールエステル基、PEGアミン基、グルコース基又は他のサッカライド、アミノ酸両性基を含む。
幾つかの実施例において、界面活性剤は、エトキシ化アルコール、ポリマーの界面活性剤、脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、エトキシ化アルキルアルコール、モノグリセリド、アルキルモノグリセリド及びその混合物からなる群から選択することができる。例えば、脂肪酸エステルはソルビタン脂肪酸エステルであってもよい。界面活性剤は植物の葉の被覆を助けるアジュバントとして存在することができる。界面活性剤は、許容されるポリソルベート型界面活性剤(例えば、Tween 80)、非イオン性界面活性剤ブレンド(例えば、Atlox(商標)3273)、又は別の適切な界面活性剤であってもよい。幾つかの実施例において、ポリエチレングリコールは、式:
R1-O-(CH2CH2O)f-R2
のポリエチレングリコールを含むことができる[式中、R1=H、CH2=CH-CH2又はCOCH3;R2=H、CH2=CH-CH2又はCOCH3;及びf≧1である。]。
組み合わせはまたキレート剤を含むことができる。幾つかの実施例において、キレート剤は少なくとも1個のカルボキシル基、少なくとも1個のヒドロキシル基、少なくとも1個のフェノール基及び/又は少なくとも1個のアミノ基若しくはその農業的に許容される塩を含むことができる。幾つかの実施例において、キレート剤はアミノカルボン酸化合物又はその農業的に許容される塩を含むことができる。アミノカルボン酸又はその農業的に許容される塩は、アミノポリカルボン酸又はその農業的に許容される塩を含むことができる。例えば、アミノポリカルボン酸は、2個のアミノ基、及び各アミノ基に結合した2個のアルキルカルボキシル基を含むことができる。アルキルカルボキシル基はメチルカルボキシル基であってもよい。
幾つかの実施例において、キレート剤は、アミノポリカルボン酸、芳香族若しくは脂肪族カルボン酸、アミノ酸、ホスホン酸、及びヒドロキシカルボン酸、又はその農業的に許容される塩からなる群から選択される。
幾つかの実施例において、本明細書に記載の方法及び組成物は1種又は複数のアミノポリカルボン酸キレート剤を含む。アミノポリカルボン酸キレート剤の例は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、及びエチレンジアミン二コハク酸(EDDS)、シクロヘキサンジアミン四酢酸(CDTA)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA)、アラニンジアセチン酸(ADA)、アルコイルエチレンジアミン三酢酸(例えば、ラウロイルエチレンジアミン三酢酸(LED3A))、アスパラギン酸ジアセチン酸(ASDA)、アスパラギン酸モノ酢酸、ジアミノシクロヘキサン四酢酸(CDTA)、1,2-ジアミノプロパン四酢酸(DPTA-OH)、l,3-ジアミノ-2-プロパノール四酢酸(DTPA)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DTPMP)、ジグリコール酸、ジピコリン酸(DPA)、エタノールアミンジアセチン酸、エタノールジグリシン(EDG)、エチレンジアミンジグルタル酸(EDDG)、エチレンジアミンジ(ヒドロキシフェニル酢酸)(EDDHA)、エチレンジアミンジプロピオン酸(EDDP)、エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)、エチレンジアミンモノコハク酸(EDMS)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン四プロピオン酸(EDTP)、及びエチレングリコールアミノエチルエステル四酢酸(EGTA)及びその農業的に許容される塩類(例えば、ナトリウム塩、カルシウム塩及び/又はカリウム塩)を含むがこれらに限定されない。
キレート剤の1つの非限定的な例は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)又はその農業的に許容される塩である。アミノカルボン酸塩は、例えばナトリウム又はカルシウム塩であってもよい。
キレート剤の別の非限定的な例は、一般に以下のように表すことができるポリアスパラギン酸ナトリウム等のポリアスパラギン酸又はその塩(すなわち、ポリアスパルタート)である。ポリアスパラギン酸塩の分子量は、例えば2,000から3,000の間にあってもよい。
キレート剤は、このように、ポリアスパラギン酸塩において見られるアスパラギン酸単位、カルボキシル基、及び他の特徴を含むことができる高分子化合物であってもよい。ポリアスパルタートは、様々な比率であってもよいアルファ及びベータ連結(例えばポリマー鎖に沿って任意に分布した、30%のアルファ、70%のベータ)を有するコポリマーであってもよい。ポリアスパラギン酸ナトリウムの1つの非限定的な例は、Baypure(登録商標)DS 100である。
キレート剤の他の非限定的な例は、EDDS(エチレンジアミン-N,N'-二コハク酸)、IDS(イミノ二コハク酸(N-1,2-ジカルボキシエチル)-D,L-アスパラギン酸)、イソプロピルアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、水酸化アンモニウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサミン、GLDA(L-グルタミン酸N,N-ジアセチン酸)、又はその農業的に許容される塩類を含む。キレート剤は、金属化されていてもよいが金属化されていなくてもよい。幾つかの実施例において、IDSは、IDSの四ナトリウム塩(例えば、イミノ二コハク酸四ナトリウム)として使用することができ、これはBaypure(登録商標)CX100であってもよい。幾つかの実施例において、EDDSは、EDDSの三ナトリウム塩として使用することができる。幾つかの実施例において、GLDAは、GLDAの四ナトリウム塩として使用することができる。
幾つかの実施例において、キレート剤は1種又は複数のアミノ酸キレート剤を含むことができる。アミノ酸キレート剤の例は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン、バリン、又は塩(例えば、ナトリウム塩、カルシウム塩、及び/又は、カリウム塩)及びその組み合わせを含むがこれらに限定さない。
幾つかの実施例において、キレート剤は1種又は複数の芳香族又は脂肪族カルボン酸キレート剤を含むことができる。芳香族又は脂肪族カルボン酸キレート剤の例は、シュウ酸、コハク酸、ピルビン酸、リンゴ酸、マロン酸、サリチル酸、及びアントラニル酸、及びその塩(例えば、ナトリウム塩、カルシウム塩、及び/又はカリウム塩)を含むがこれらに限定されない。幾つかの実施例において、本明細書に記載の方法及び組成物は1種又は複数のポリフェノールキレート剤を含む。ポリフェノールキレート剤の1つの非限定的な例は、タンニン酸等のタンニンである。
幾つかの実施例において、キレート剤は、1種又は複数のヒドロキシカルボン酸キレート剤を含むことができる。ヒドロキシカルボン酸型キレート剤の例は、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸、ヘプトン酸、酒石酸及びその塩(例えば、ナトリウム塩、カルシウム塩及び/又はカリウム塩)を含むがこれらに限定されない。
遊離酸として、農業的に許容される塩、又はその組み合わせとして1種又は複数のキレート剤を提供することができることは理解されよう。幾つかの実施例において、1種又は複数のキレート剤のそれぞれは遊離酸として適用される。他の実施例において、キレート剤は塩として適用することができる。例示の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミド塩及びその組み合わせが含まれる。なお、他の実施例において、複数のキレート剤が存在する場合、キレート剤の少なくとも1つは遊離酸として適用され、キレート剤の少なくとも1つは塩として適用される。
また、大環状テトラピロール化合物及び他の試剤(例えば、キレート剤、オイル、界面活性剤等)が、植物に対して別々に又は同一組成物の一部として一緒に用意することができることは理解されなければならない。幾つかの実施例において、組成物の成分は担持流体なしで濃縮形で包装することができ、担持流体(例えば水)は、次に組成物を植物に適用することができる作業者が直接に添加して組成物を形成することができる。
成分が単一組成物の一部として用意される場合、組成物は、成分のある濃度及び相対的な比率を有するように用意することができる。例えば組成物は、約100nMから約50mMの間、約5マイクロモルから約100mMの間、約5マイクロモルから約50mMの間、約5マイクロモルから約10mMの間、約1マイクロモルから約1000マイクロモルの間、約5マイクロモルから約200マイクロモルの間の大環状テトラピロール化合物、約10マイクロモルから約150マイクロモルの間の大環状テトラピロール化合物、約25マイクロモルから約100マイクロモルの間の大環状テトラピロール化合物、又は約50マイクロモルから約75マイクロモルの間の大環状テトラピロール化合物を有することができる。
例えば、組成物はまた約2マイクロモルから約10,000マイクロモルの間のキレート剤、約5マイクロモルから約5,000マイクロモルの間のキレート剤、約10マイクロモルから約1,000マイクロモルの間のキレート剤、約25マイクロモルから約500マイクロモルの間のキレート剤、約50マイクロモルから約100マイクロモルの間のキレート剤を含むことができるがこれらに限定されない。
例えば、組成物中の大環状テトラピロール化合物とキレート剤の相対的な質量比率は、約50:1から約1:1000の間、約20:1から約1:500の間、約10:1から約1:100の間、又は約1:1から約1:10の間であってもよいがこれらに限定されない。
例えば、大環状テトラピロール化合物及びオイルは、約50:1から約1:1000の間、約20:1から約1:500の間、約10:1から約1:100の間、又は約1:1から約1:10の間の相対的な質量比率で適用することができるがこれらに限定されない。
適用の様式
大環状テトラピロール化合物は非生物的ストレスに耐える能力を上げるために植物に適用することができる。化合物は、他の添加剤と共に同時に又は別々に植物に適用することができる。例えば、大環状テトラピロール化合物及び、オイル、キレート剤、及び/又は、界面活性剤等の他の任意選択の添加剤、並びに水又は水-油乳剤等の送達流体を含む、組成物を調製することができる。
本明細書において記載の大環状テトラピロール化合物又は組成物は、植物の葉、種子、根及び/又は茎に適用することができる。化合物又は組成物は、種子浸漬若しくはコーティング、根浸漬、苗根浸漬、土壌潅注、ピペット使用、潅漑、噴霧、霧吹き、散布、注入、葉への噴霧、植物の根元での噴霧によって、又は他の任意の適切な方法によって植物に適用することができる。
幾つかの実施例において、大環状テトラピロール化合物は種子又は苗を処置するために使用することができる。幾つかのシナリオにおいて、種子又は苗の処置は発芽及び生長、を刺激することができ、及び/又は、非生物的ストレスに対する植物の抵抗力を増加させることができる。幾つかの実施例において、種子又は苗は、生長培地へ植えられる前に大環状テトラピロール化合物を用いて処置することができる。幾つかの実施例において、種子又は苗は、生長培地へ植えられた後に大環状テトラピロール化合物を用いて処置することができる。
大環状テトラピロール化合物は、直接に種子、苗根又は苗葉(苗への葉面適用)の上に表面被覆することができる。幾つかの実施例において、大環状テトラピロール化合物を含む溶液又は乳剤は、種子又は苗へ直接に噴霧することができる。幾つかの実施例において、種子又は苗は、大環状テトラピロール化合物を含む溶液又は乳剤に浸漬することができる。幾つかの実施例において、苗の根は大環状テトラピロール化合物を含む溶液又は乳剤に浸漬することができる。幾つかの実施例において、種子は容器に入れることができ、大環状テトラピロール化合物を含む溶液を容器へ導入することができる。次いで、容器は、溶液が種子と接触するように適正時期の間(例えば約1分から数分の間)振盪することができる。次いで、振盪された種子は、植えられる前に乾燥することができる(例えば乾燥空気)。
大環状テトラピロール化合物は、様々な様式の適用を使用して種子又は苗に対して1回又は2回以上適用することができる。例えば、種子は生長培地へ植えられた後に処置することができる。別の例において、種子及び/又は苗は、植えられる前に、及び植えられた後に、処置することができる(例えば、畝間処置及び/又は葉面適用)。なお別の例において、種子は植えられる前に及び/又は植えられた後に処置することができ、続いてできる苗を更に処置することができる(例えば、根処置及び/又は葉処置)。
樹脂を含むコーティング組成物
幾つかの実施例において、ポルフィリン化合物又は還元されたポルフィリン化合物及び樹脂を含む水系組成物は、種子又は苗のコーティングのために使用することができる。樹脂は、水性担持媒体中で分散性である任意の適切なポリマー種を含むことができる。例えば、樹脂は、アクリル(例えば、メタクリル)、ポリウレタン、ウレタンアクリル、ポリエステル及びウラルキドからなる群から選択することができる。
樹脂の化学構造又は組成物は所望のコーティング性を得るために変更することができることは理解されたい。例えば、樹脂の親水性及び疎水性を制御すると、コーティングの透水性を変更することができる。様々なポリマー相(例えば樹脂が多数の相のポリマーであるとき)のガラス転移温度(Tg)の調整によって、コーティングの硬度及び接着性を制御することができる。種子又は苗へのコーティングの接着性を調整するために、追加の官能基(例えば、(ポリ)アミン、アミド、環状ウレイド、酸、ヒドロキシル、アセトアセトキシ、第三級アミン)を樹脂に導入することができる。幾つかのシナリオにおいて、樹脂を含むコーティング組成物はフィルム形成することができる。
幾つかの実施形態において、コーティング組成物は、約30質量%~約60質量%の間の水、約0.001質量%~約40質量%の間のポルフィリン化合物又は還元されたポルフィリン化合物、及び約5質量%~約30質量%の間の樹脂を含むことができる。例えば、コーティング組成物は、約50質量%の水、約40質量%のポルフィリン化合物又は還元されたポルフィリン化合物及び約10質量%の樹脂を含むことができる。
植物の種類
本記述の組み合わせは、非生物的ストレスによって影響を受ける様々な種類の植物に使用されてもよい。植物は、非木本の作物植物、木本植物又は芝草であってもよい。植物は、作物植物、果実植物、野菜植物、豆果植物、穀物植物、飼料植物、油種子植物、草地植物、園芸植物、温室植物、室内植物、花植物、芝植物、芝草、果樹等の木、及び非生物的ストレスによって影響を受け得る他の植物からなる群から選択することができる。
幾つかの実施例において、植物は、サトウキビ、コムギ、イネ、コーン(トウモロコシ)、ジャガイモ、サトウダイコン、オオムギ、サツマイモ、キャッサバ、ダイズ、トマト、及び豆果(豆及びエンドウ)からなる群から選択される作物植物である。
他の実施例において、植物は、落葉樹及び常緑樹からなる群から選択される木である。木の例は、カエデ、柑橘類の木、リンゴの木及び西洋ナシの木等の果樹、オークの木、アッシュの木、松の木、及びトウヒの木を含むがこれらに限定されない。
なお他の実施例において、植物は潅木である。
なお他の実施例において、植物は果実又はナットの植物である。そのような植物の非限定的な例は次のものを含む:アセロラ(バルバドスチェリー)、アテモヤ、ゴレンシ(スターフルーツ)、ランブータン、アーモンド、アプリコット、サクランボ、ネクタリン、モモ、ピスタチオ、リンゴ、アボカド、バナナ、プランテン、ブルーベリー、ブッシュベリー、ケインベリー、ラズベリー、イチジク、ブドウ、マンゴー、オリーブ、パパイア、西洋ナシ、パイナップル、プラム、イチゴ、グレープフルーツ、レモン、ライム、オレンジ(例えば、ネーブル及びバレンシア)、タンジェロ、タンジェリン、ミカン。
他の実施例において、植物は野菜植物である。そのような植物の非限定的な例は次のものを含む:アスパラガス、豆、ビート、ブロッコリ、中国ブロッコリ、ブロッコリラーブ(raab)、芽キャベツ、キャベツ、カリフラワー、白菜(例えば、パクチョイ及びナパ(napa))、カラシナ(ガイチョイ(gai choy))、カバロ(cavalo)ブロッコリ、コラード、ケール、コールラビ、ミズナ、マスタード、カラシホウレンソウ、ナタネ菜、セロリ、ハヤトウリ、中国冬瓜、シトロンメロン、キュウリ、ガーキン、ヒョウタン、ククッザ(cucuzza)、ヘチマ、中国オクラ、ツルレイシ、ニガウリ、ゴーヤ、中国キュウリ、カンタロープ(true cantaloupe)、カンタロープ、カサバメロン、クレンショウメロン、ゴールデンパーショウメロン(golden pershaw melon)、ハニーデューメロン、ハニーゴール(honey gall)、マンゴーメロン、ペルシャメロン、パンプキン、ペポカボチャ、冬カボチャ、スイカ、サトイモ(タロイモ)、ナス、ショウガ、チョウセンニンジン、ハーブ及びスパイス(例えば、巻き葉バジル、西洋ヤマハッカ、コリアンダー、メキシコオリガノ、ミント)、日本ハツカダイコン(大根)、レタス、オクラ、コショウ、ジャガイモ、ハツカダイコン、サツマイモ、チョロギ芋(日本アーティチョーク)、コーン及びトマト。
他の実施例において、植物は、バラ等の花成植物、花成潅木又は観賞植物である。そのような植物の非限定的な例は次のものを含む:バラ及び他の花成潅木、観葉植物及び花壇用植物、リンゴ、チェリー、モモ及び西洋ナシの木等の果樹、実の成らない木、緑陰樹、装飾的な木、及び潅木(例えば、針葉樹、落葉樹及び常緑広葉樹及び木本観賞植物)を含む花成植物及び葉物。
幾つかの実施例において、植物は室内植物である。そのような植物の非限定的な例はキク、ディーフェンバッキア、センネンボク、シダ、クチナシ、ゼラニウム、ベンケイソウ、シュロ、フィロデンドロン、及びシェフレラを含む。
幾つかの実施例において、植物は温室で栽培される植物である。そのような植物の非限定的な例は次のものを含む:カッコウアザミ、トウダイグサ、ディーフェンバッキア、ハナミズキ、センネンボク、シダ、クワ、西洋ヒイラギ、トルコギキョウ、モクレン、ラン、シュロ、ツクバネアサガオ、ポインセチア、シェフレラ、ヒマワリ、アグラオネマ(aglaonema)、アスター、ツツジ、ベゴニア、ブロワリア(browallia)、ツバキ、カーネーション、ケイトウ(celosia)、キク、コリウス、コスモス、サルスベリ、シロタエギク、イースターリリー、フクシャ、クチナシ、センボンヤリ、ムギワラギク、ハイビスカス葉、アジサイ、インパチエンス、ベンケイソウ、キンセンカ、ニューギニア・インパチエンス、ハナタバコ、フィロデンドロン、スベリヒユ、リーガーベゴニア、キンギョソウ、及びヒャクニチソウ。
幾つかの実施例において、植物は芝草である。本明細書において使用される場合、用語「芝草」は、地被植物をもたらす栽培芝、例えば一貫した高さを維持するように周期的に切ったり刈られたりする芝生又は芝地を指す。芝はイネ科(ポアケアエ(Poaceae))に属し、イネ科は6種類の亜科に細分され、その内の3種類として、一般的な芝草である寒地型芝草のウシノケグサ(フェストゥコイデアエ(Festucoideae))亜科;暖地型芝草のキビ(パニコイデアエ(Panicoideae))亜科及びスズメガヤ(エラグロストイデアエ(Eragrostoideae))亜科が挙げられる。通常、均一な土壌被覆を形成し、芝刈りや人の往来に耐えるという基準を満たす限られた数の品種が芝草として広く使用されている。一般に、芝草は、生長点を切断せずに芝刈りを容易にする平坦な冠を有している。本文脈において、「芝草」という用語は、同一種の異なる栽培品種の組み合わせである混合種、或いは異なる種及び/又は栽培品種の組み合わせである混合物を含む1種又は複数の芝種が栽培されて、比較的均一な土壌被覆が形成されている領域を包む。
耐寒性
非生物的ストレスが寒冷ストレスである場合、大環状テトラピロール化合物の、単独で、又は、油、界面活性剤及び/若しくはキレート剤等の添加剤と合同での適用は、植物の耐寒性を改善することができる。すなわち、大環状テトラピロール化合物の適用は、典型的には植物の最適又は本来の生長条件で経験するより低い温度条件に植物が耐えることを可能にすることができる。様々な種類の寒冷ストレスには、予期しない霜(例えば健康な作物、果実、穀物、種子又は葉が植物になお存在するときの初秋の霜、又は春植物の生長が始まった後出現する遅霜)、平均生長季より涼冷、本来の冬季条件より低温、極小の冬季積雪、氷蓄積等の可能性がある。
1つの植物についての寒冷ストレス条件を構成するものが別の植物について寒冷ストレス条件でない場合もあることは注目されるべきである。USDA帯域地図に関して、帯域9の植物についての寒冷ストレス条件は、実際、帯域8の植物について本来の生長条件であることもある。同様に、1つの種類の植物の生存のために必要とする積雪の深さは、第2の種類の植物には必要にならないこともある。したがって、様々な種類の寒冷ストレスが問題の植物の種類に応じて、可能であることは理解される。
本明細書において記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせは、木本植物、非木本植物及び芝草を含む植物を霜害から保護するために使用されてもよい。霜は、例えば収穫の前、収穫後かつ休眠前に早霜になり得る。霜は、例えば出芽の後に晩霜になり得る。寒冷障害はまた冬季温度によって引き起こされる冬枯れになり得、生存可能な枝又は苗条の喪失に帰着し、植物の枯れ死の原因となり得る。本明細書において記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせによって処置される植物は、経済的に又は審美的にかなりの程度で霜、凍結又は寒冷障害又は損傷に生来影響されやすい、霜又は寒冷に敏感な植物であり得る。
寒冷ストレスに対する抵抗力を増加させることは休眠の遅い開始によって例示することができる。植物の休眠は、ドロップイン温度、例えば、寒冷ストレスの開始が引き金となり得る。寒冷ストレスに対する植物の抵抗力を増加させることによって、温度のさらなる低下が引き金となるまで、植物の休眠を遅らせることができる。
本明細書において記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせは、周期的に(例えば休眠を破る時点で春から始まる2又は3週間の間隔で)及び/又は1つ又は複数の処置(例えば秋に2回)の適用により使用してある植物の休眠期間を短縮又は遅らせる反応を提供することができる。
本明細書において使用される場合、用語「休眠期間の短縮」は、対照、例えば、処置されていない植物と比較して、休眠期間が短縮した、又は生育期が延長した植物を指す。
幾つかの実施例において、本明細書において記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は介在期間の間に植物に対する寒冷ストレスの影響を弱めるのに更に効果的な活性剤との組み合わせの最後の適用の後、収穫工程は、1週、1か月、2か月以上実行されてもよい。
幾つかのシナリオにおいて、寒冷ストレスに対する抵抗力は、早霜若しくは晩霜、又は冬季障害に対する抵抗力を含む。幾つかのシナリオにおいて、本明細書に記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせは、温度の変動(例えば早春)の間に寒さから初期生育を保護するために使用することができる。幾つかのシナリオにおいて、本明細書に記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせは、寒い月(例えば冬季)の間に寒さから植物を保護するために使用することができる。
幾つかのシナリオにおいて、本明細書に記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせは、低温曝露の始め又は前に(例えば、木に健康で元気のよい十分な葉がある場合の晩秋)土壌潅注及び/又は葉面適用(例えば水がはけるまでの噴霧)によって適用することができる。幾つかのシナリオにおいて、本明細書に記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせは、晩秋及び冬季の間に土壌潅注及び/又は葉面適用(例えば水がはけるまでの噴霧)によって適用することができる。幾つかのシナリオにおいて、本明細書に記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせは、最大の強壮性に達するように、晩秋に土壌潅注によって、次に冬季に葉面適用(例えば水がはけるまでの噴霧)によって適用することができる。
幾つかのシナリオにおいて、本明細書に記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせは、1~6か月間隔で(例えば2~3か月毎に)1~4回(例えば、2~4)適用することができる。さらなる処置は、次の寒冷ストレス条件に対する抵抗力を改善するために春及び/又は生長季の間に適用されてもよい。幾つかのシナリオにおいて、本明細書に記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせは、ある種類の植物(例えば、リンゴの木)について11月、1月、2月及び3月に及び他の種類の植物(例えば、桃木)について11月及び1月に適用することができる。
耐熱姓
非生物的ストレスが熱ストレスである場合、本明細書に記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせの適用は、生長季の間に高温に対する耐性を改善することができる。すなわち、本明細書に記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせの適用は、典型的には植物の最適又は本来の生長条件で経験するより高い温度条件に植物が耐えることを可能にすることができる。熱ストレスには、典型的には陰の生長条件を必要とする植物のための陰の欠如、又は普通より高い夏の温度等の様々な原因があり得る。
1つの植物についての熱ストレス条件を構成するものが別の植物について熱ストレス条件でない場合もあることは注目されるべきである。
光酸化耐性
非生物的ストレスが光酸化のストレスである場合、本明細書に記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせの適用は、活性酸素種の増加した生成の期間の間にストレスの多い光条件に対する耐性を改善することができる。すなわち、本明細書に記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせの適用は、典型的には植物の最適又は本来の生長条件で経験するより強い光曝露条件(例えば、紫外線照射条件)に植物が耐えることを可能にすることができる。光酸化ストレスには、遊離基の形成を誘発する強い光条件又はある種類の照明等の様々な原因があり得る。
1つの植物についての光酸化ストレス条件を構成するものが別の植物について光酸化ストレス条件でない場合もあることは注目されるべきである。
耐陰性
陰ストレス、又は「微光(LL)ストレス」は植物の生長及び品質に影響を及ぼす問題であり得る。非生物的ストレスが陰ストレスである場合、本明細書に記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせの適用は、植物の陰耐性を改善することができる。すなわち、本明細書に記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせの適用は、最適又は本来の生長条件が典型的には部分的又は十分な日光曝露を必要とする植物のための陰の条件に植物が耐えることを可能にすることができる。様々な種類の陰ストレスには、長期間の曇天、植物へ陰を作る過度に生長した近傍の植物若しくは木、又は日当たりがよい植付位置の利用可能性の欠如等の可能性がある。
陰は周期的な問題であり得る。例えば、1年のある数か月間、植物の近くに位置する建造物は、植物に陰を作り、陰ストレスの原因となり得る。地球が1年の進路を移動するにつれて、建造物は、もはや別の連続数か月間は植物に陰を作らず、次いで、状況は次年の周期で繰り返すことがある。そのような事例において、本明細書に記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせは、陰ストレスの期間の開始より前に植物に適用することができ、また陰ストレスの期間の間に適用することができる。典型的には陰ストレスの期間のために生じる植物に対する障害は予防又は短縮することができる。
幾つかの植物がそれらの最適な生長条件の一部として陰を必要としているので、陰条件は、多くの種類の植物に関しては非生物的ストレス条件であると考えられない。1つの植物についての陰ストレス条件を構成するものが別の植物について陰ストレス条件でない場合もあることは注目されるべきである。
干ばつ耐性
干ばつは、土壌水分を使い尽くし、植物を傷つけるのに十分な期間の間の降雨又は潅漑の欠如として定義することができる。植物からの水分損失が、植物の根が水を吸収する能力を越える場合、及び/又は、植物の含水率が普通の植物過程を妨害するのに十分に減少する場合、干ばつストレスは生じる。植物の水に対する必要性が植物の種類、植物の年齢、根の深さ、土壌品質等によって様々であり得るので、干ばつ条件の影響の厳しさは植物間で様々であり得る。
本明細書に記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせは、干ばつの開始前及び/又は干ばつの間に植物に適用することができる。本明細書に記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせの適用は、干ばつストレスに対する植物の抵抗力を増加させることができる。抵抗力を増加させると、同じ干ばつストレスにかかった未処置の植物と比較して植物の品質の維持又は向上を含むことができる。抵抗力を増加させると、同じ干ばつストレスにかかった未処置の植物と比較して植物の品質の劣化の減少を含むことができる。植物が適切な降雨や潅漑を受けないと、他のすべての環境ストレスが結合したより、結果として起きる干ばつストレスは生長を縮小しかねない。
1つの植物について干ばつストレス条件を構成するものが別の植物について干ばつストレス条件でないことがあることもまた注目されるべきである。
塩害の防止
塩は、植物の生長環境中に天然に存在し得る。植物が塩性沼沢において、又は他の過度に塩性の条件下で生長している場合、塩分ストレスは、植物に働く浸透力を指す。例えば、塩水の集まり近くで生長する植物は、空気中に又は植物に給水するために使用される水中に存在する塩にさらされ得る。別の例において、冬季の間に運転状況の改善のために道路、歩道及び自動車道表面に施される塩は、近接して生長する植物の土壌へ移動及び/又は浸出することがある。植物の生長環境で塩分含有量がそのように上がった場合、塩分ストレスをもたらし、植物を損なう場合がある。
本明細書に記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせの、植物に対する適用は、塩分ストレスに対する植物の抵抗力を増加させることができ、未処置なら出現する植物の品質の劣化を予防又は低減することができる。組み合わせは、塩分ストレスの期間より前、又はその期間の間に適用することができる。
1つの植物についての塩ストレス条件を構成するものが別の植物について塩ストレス条件でない場合もあることは注目されるべきである。
移植ショック耐性
1つの生長環境から他への、例えば鉢から花壇又は庭への移植にさらされる植物は、風、直射日光又は新しい土壌条件等の新しい環境条件への曝露の結果として、移植ショックストレスを受けることがある。本明細書に記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせの、植物の根に対する適用は、移植によって引き起こされた植物への影響を低減することができる。幾つかのシナリオにおいて、移植された植物の植物生長及び/又は成長を妨げるのを、本明細書に記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせの適用は、低減又は予防することができる。
1つの植物についての移植ショックストレス条件を構成するものが別の植物について移植ショックストレス条件でない場合もあることは注目されるべきである。
過剰水又は洪水耐性
植物は健康な植物の生長及び成長のためにある量の水を必要とするが、水の過剰量に対する植物の曝露(「水ストレス」)は、植物を損なう場合がある。本明細書に記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせの、過剰水条件の開始前の植物に対する適用は、植物の水ストレスに対する抵抗力を増加させることができる。本明細書に記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせは、水ストレスの間に適用することができるが、しかし、本明細書に記載の大環状テトラピロール化合物、組成物又は組み合わせの希釈が、過剰水のために起こり得る。したがって、過剰水の期間に先立つ前処置はより効果的になり得る。
1つの植物についての過剰水ストレス条件を構成するものが別の植物について過剰水ストレス条件でない場合もあることは注目されるべきである。
組み合わせの相乗効果
幾つかの実施例において、組み合わせは、植物中の1種又は複数の非生物的ストレスに対する抵抗力又は耐性を上げるために相乗的な反応を示す場合がある。本明細書において使用される場合、用語「相乗作用」又は「相乗的な」は、それらの組み合わせた効果がそれらの個々の効果の合計より高いような、組み合わせ(又は組成物)の2つ以上の成分の相互作用を指し、これは、本記述の文脈においては、大環状テトラピロール剤、オイル及びキレート剤の2つ以上の作用を含んでもよいことは理解されたい。幾つかのシナリオにおいて、大環状テトラピロール剤及びオイルは、相乗効果的な量で存在することができる。幾つかのシナリオにおいて、大環状テトラピロール剤及びキレート剤は、相乗効果的な量で存在することができる。幾つかのシナリオにおいて、オイル及びキレート剤は、相乗効果的な量で存在することができる。幾つかのシナリオにおいて、大環状テトラピロール剤、オイル及びキレート剤は、相乗効果的な量で存在することができる。
幾つかのシナリオにおいて、S. R. Colby, "Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combinations", Weeds 15, 20-22 (1967)に述べられている手法は、相乗作用を評価するために使用することができる。予期された有効性、Eは、次のように表現されてもよい:E=X+Y(100-X)/100、式中、Xは、組み合わせの第1の成分の未処置の対照の%で表現された有効性であり、Yは、組み合わせの第2の成分の未処置の対照の%で表現された有効性である。2つの成分は、観察された有効性が予期された有効性より高い場合に、相乗効果的な量で存在すると言う。
実施例及び実験作業
(実施例1)
塩ストレス下のシロイヌナズナ(Arabidopsis)苗の主根長への処置の効果
主根長を測定することによって塩ストレス処置した苗への、金属化クロリン化合物の効果を評価するために実験を行った。銅クロロフィリン(CuChln)を、シロイヌナズナ(アラビドプシス・タリアーナ(Arabidopsis thaliana))種子が発芽した培地に補った。これらの植物が未処置の植物より耐塩性のあることを示した。
シロイヌナズナ種子は、50%の漂白剤中で振盪しながら12分間表面殺菌し、滅菌水を用いて5回洗浄した。KOHを用いてバッファーでpH5.7にした0.8%の寒天及び1%のスクロースを含む、1/2力価のMurashige及びSkoog(MS)培地に種子を蒔いた。塩への曝露のために、100mM NaClを含むように培地を調節した。CuChlnへの曝露に関しては、水中の1mMストックとしてCuChlnを調製し、10μM CuChln最終濃度に培地に添加した。種子を4℃に2日間暗所に階層化した。シロイヌナズナ苗は、24±1℃の温度でLED光(PAR 24μmol m-2/s-1)及び16時間:8時間の明:暗の光周期の下で垂直に生長した。
主根長の減少を求めることにより塩ストレス耐性を測定した。発芽の10日後に根長(mm)を、Image J(商標)ソフトウェアを用いる画像の分析によって測定した。以下のTable 1(表1)に結果を要約する。
Figure 0007351853000002
18~20苗/条件を表す平均値±標準誤差として結果を表現する。
結果は、CuChlnを補った植物が未処置の植物より耐塩性のあることを示した。結果は、また10μM CuChlnの適用が対照実験の根長に影響を及ぼさなかったことを示した。
(実施例2)
塩ストレスが引き金となる植物の老化への処置の効果。
この実施例において、金属化クロリン化合物及び様々な添加剤の、塩ストレスが引き金となるシロイヌナズナの老化への効果は、葉の進行性老化徴候を反映する視覚的な等級尺度によって測定した。特に、CuChlnが、塩ストレスが引き金となる老化からの保護を提供することを示した。また、オイル、特にポリアルファオレフィン(PAO)、キレート剤又はその組み合わせの添加が、更に保護を高めることを示した。
苗条における塩ストレスに対する長期曝露の後、Na+蓄積が細胞傷害効果をもたらし、それによって最も顕著な徴候が葉の老化及び枯れ死による黄変、続いて葉の乾燥である。葉の進行性老化徴候を反映する視覚的な得点付けによって葉の老化を評価することができる。
Figure 0007351853000003
この実験で、種子を直接土壌に蒔き、鉢に給水し、25℃±3℃の温度及び65%の相対湿度でLED光(PAR 24μmol m-2 s-1)及び16時間:8時間の明:暗の光周期の下に置いた。14日後に、苗を処置して潅漑し、24時間後に100mM NaCl、続いて4日後に200mM NaCl、最後に実験の終了まで4日毎に300mM NaClで最大限に給水した。下の表2Bに配合物及び結果を提示する。表中の百分率の値はすべて組成物全体の質量%である。
Figure 0007351853000004
これらの結果は、CuChlnが、塩ストレスが引き金となる植物の老化からの保護を提供することを示した。CuChlnに対して、オイル又はキレート化剤の添加は、20~70%の間の植物保護を高めたが、オイル及びキレート化剤のみでは塩ストレスが引き金となる老化に対する抵抗力を有意には高めなかった。CuChln及びオイルの組み合わせを適用する場合、並びにCuChln及びキレート剤の組み合わせを適用する場合、結果もまた相乗効果を示す。
(実施例3)
塩ストレス下のシロツメクサ(Trifolium repens)苗の主根長への処置の効果。
この実施例において、苗の塩ストレスに対する感度へのポルフィリン化合物の効果を評価した。特に、塩ストレス条件下のプロトポルフィリン-IX(PP9)、亜鉛プロトポルフィリン-IX(ZnPP9)及び亜鉛テトラフェニルポルフィリン(ZnTPP)で処置したシロツメクサ(Trifolium repens)苗の効果を評価した。
シロツメクサ(Trifolium repens)種子を50%の漂白剤中で振盪しながら12分間表面殺菌し、滅菌水を用いて5回洗浄した。種子は、水10ml中室温でLED光(PAR 24μmol m-2/s-1)及び16時間:8時間の明:暗の光周期の下で発芽した。
塩に対する曝露に関しては、100mM NaClを含むように水を調節した。ジメチルスルホキシド(DMSO)中の0.1%のストックとしてポルフィリン化合物を調製した。アッセイのためにストックから0.01% v/vの最終濃度にポルフィリン化合物を添加した。
Image J(商標)ソフトウェアを用いる画像の分析によって、主根長の減少を求めることにより塩ストレス耐性を測定した。発芽の7日後に根長(mm)を測定した。以下のTable 3(表4)は結果を要約する。
Figure 0007351853000005
これらの結果は、試験したポルフィリン化合物がすべてシロツメクサ苗の塩ストレスに対する感度を減少させることを示した。
(実施例4)
塩ストレスに対するKentuckyブルーグラス耐性への処置の効果。
この実施例において、金属化クロリン化合物及び配合物の効果をKentuckyブルーグラス栽培品種「Granit」について試験した。温室で実験を行った。塩ストレスに対する芝耐性への化合物の活性を求めるために試験を行った。
実験では、Kentuckyブルーグラス栽培品種「Granit」を、専門的な土壌ミックス(Sunshine LC 1, Sun Gro Horticulture Canada Ltd.)を充填した6インチのプラスチック鉢に播種した。7~10日間霧槽に鉢を置いて均一な植物の発生及び生長を促し、次いで4~6週間温室条件を維持した。規則的に4~5cmの高さに植物を摘み、肥料入り水を用いて規則的に潅漑した。携帯型噴霧瓶を使用して均一に被覆した下の表に提示する異なる配合物の1つの葉面適用を用いてKentuckyブルーグラス植物を処置した。最初の噴霧の24時間後に、飽和するまで170mM塩化ナトリウム溶液に鉢を沈めることにより、塩分ストレスに植物を曝し、次いで、温室ベンチに移した。塩づけは実験の継続期間内で5~7日の間隔で適用した。この期間の間に、塩ストレス耐性についてKentuckyブルーグラスを評価し、芝地品質について毎週等級付けした。The National Turfgrass Evaluation Program (NTEP)からの手引きに従って芝地品質(TQ)を目視で1~9の修正した尺度(植物の生長力、色度、老化、密度、葉組織及びサイズ及び均一性を基準にして)を使用して評価した。等級1の植物は、完全に乾燥し完全に芝地天蓋が枯れた。9の等級は、濃緑、はね上がった葉身及び高密度の芝地天蓋の健康な植物を表す。6の等級を最小の許容されるTQS(芝地品質得点)と考えた。未処置のストレス対照(塩対照)を各等級の照合のためにそれぞれ使用した。各処置につき4回の反復を含めた完全無作為化法を使用して、実験を行った。以下のTables 4A(表5)、4B(表6)及び4C(表7)に結果を要約する。
Figure 0007351853000006
結果は、銅クロロフィリンの効果を上げて、塩ストレスに対するKentuckyブルーグラス耐性を高めるために様々な植物油及び様々な鉱油を使用してもよいことを示した。
Figure 0007351853000007
結果は、塩ストレスに対するKentuckyブルーグラス耐性を高めるために鉱油と共に様々な金属化クロロフィリンを使用してもよいことを示す。
Figure 0007351853000008
結果は、塩ストレスに対するKentuckyブルーグラス耐性を上げるために鉱油と共に様々な金属化クロロフィリンを使用してもよいことを示す。
(実施例5)
塩ストレスに対するイチゴ植物(フラガリアxアナナッサ)(Fragaria x ananassa)耐性への処置の効果。
この実施例において、クロリン化合物及び配合物の効果をイチゴ植物(フラガリアxアナナッサ)栽培品種Basket Pinkで試験した。温室で実験を実行した。試験は、塩ストレスに対するイチゴ植物耐性への化合物の活性を求めるように設計した。
実験において、イチゴ植物の苗を専門的な土壌ミックス(Sunshine LC 1, Sun Gro Horticulture Canada Ltd.)を充填した5インチのプラスチック鉢で栽培し、肥料入り水を用いて規則的に潅漑した。異なる配合物の4つの葉面適用を用いて携帯型噴霧瓶を使用して均一に被覆し4~5葉の段階でイチゴ植物を処置した。7日毎に植物に噴霧した。最初の噴霧、の24時間後に、25mM塩化ナトリウム溶液を用いてそれらに給水することにより塩分ストレスに植物を曝した。徐々に塩分水準を50mM NaClに増やし、5~7日の間隔スケジュールで食塩水を適用した。完全無作為化法で実験を設定し、各処置につき4回反復した。以下のTable 5(表8)に結果を要約する。
Figure 0007351853000009
葉面適用処置は、植物バイオマス蓄積を高め、塩ストレスに対するイチゴ植物の耐性を高めた。
(実施例6)
光酸化条件下の顔料含有率への処置の効果。
この実施例において、光酸化条件下で栽培した苗の顔料含有率へのクロリン化合物の効果を評価した。特に、光酸化条件下で栽培したシロイヌナズナ苗の顔料含有率へのCuChlnの効果を評価した。そうするために、顔料を抽出し、定量した。CuChlnを補った植物がこの種のストレスの下で顔料をより多く保持することを示した。
光酸化条件に対するシロイヌナズナの曝露によって、顔料含有率の減少が進行した。この実験において、顔料含有率に対するCuChlnの効果を求めるために、発芽の1週間後LED光(PAR 142μmol m-2 s-1)植物を移したという点を除いて実施例1のように苗を栽培した。次いで、14日齢の苗を収穫し、秤量した。液体窒素中で組織を粉砕した。100%のメタノール中4℃の温度で顔料を終夜抽出した。顔料濃度を分光測光法で求めて、当業者に公知の下記式を使用して計算した。(すなわち、Sumantaら、2014)Ch-a=16.72A665.2-9.16A652.(クロロフィルaについて);Ch-b=34.09A652.-15.28A665(クロロフィルbについて);Cx+c=(1000A470-1.63Ca-104.96Cb)/221(カロテノイドについて)及びA530-(1/4×A657)(アントシアニンについて)(A=吸光度)。以下のTable 6(表9)に結果を要約する。データは平均値±標準誤差として結果を表現する。
Figure 0007351853000010
これらの結果は、CuChlnで処置した植物が光酸化条件下で未処置の植物より多くの顔料を保持することを示した。
(実施例7)
干ばつストレスに対するKentuckyブルーグラス耐性への処置の効果。
この実施例において、Kentuckyブルーグラス植物(栽培品種「Wildhorse」)への、塩素化合物及び配合物の効果を試験した。干ばつストレスに対するKentuckyブルーグラス(栽培品種「Wildhorse」)耐性への化合物の活性を求めるために試験を設計した。
実験において、成熟したKentuckyブルーグラス(栽培品種「Wildhorse」)のプラグ(10cmの直径、5cmの深さ)を原地から集め、10%のピートを含むUSGA仕様の砂を充填した鉢(15cmの直径、14cmの深さ、底部に8つの穴がある)へ移植した。砂が浸出するのを予防するために鉢の底に1個のプラスチック遮壁を置いた。昼間に22℃及び夜間18℃の温度、70%の相対湿度、LED光(PAR 400μmol m-2/s-1)及び12時間の光周期にて栽培室で芝を栽培した。窒素を移植期に2gm-2(0.4lbs N/1000ft2)(微量養素N-P-Kを含む28-8-18の完全配合物肥料)、次いで、試験の終了まで2週毎に1gm-2を適用した。7cmで芝を摘み、圃場容水量に対して1週当たり2回潅漑した。
芝を次の2つの土壌水分水準にさらした:干ばつのない(ストレスのない対照、十分な給水-WW)及び潅漑不足(干ばつ)、最初の適用の24時間後に開始。潅漑用水の量は、一日おきに鉢を秤量することによって蒸発散(ET)消失を基準にして求め、50%~25% ET消失を償うように潅漑を供給した。実験はストレス誘発の28日後に完了した。葉試料を0、4(3日間のストレス)、7、14、21及び28日に集め、液体Nを用いて冷凍し、代謝物含有率の分析のために-80℃に保管した。生理学の測定は、規格サンプリングとして同時に行った。
実験計画法は4回の反復を含む完全乱塊法であった。試料採取に使用するために更に2つの適用を含んでいた。
分散分析を用いてデータを分析し、0.05の確率水準(SAS Institute, 2010)でFisherの保護最小有意差(LSD)試験を用いて平均値の分離を実施した。以下の表7A~7Hに結果を要約する。
Figure 0007351853000011
Figure 0007351853000012
Figure 0007351853000013
Figure 0007351853000014
Figure 0007351853000015
Figure 0007351853000016
Figure 0007351853000017
Figure 0007351853000018
(実施例8)
干ばつストレスに対するイチゴ植物(Fragaria x ananassa)耐性への処置の効果。
この実施例において、イチゴ植物(Fragaria x ananassa)栽培品種Basket Pinkへのクロロフィリン化合物及び配合物の効果を試験した。温室で実験を実行した。干ばつストレスに対する、イチゴ植物耐性への化合物の活性を求めるために試験を設計した。
実験において、専門的な土壌ミックス(Sunshine LC 1, Sun Gro Horticulture Canada Ltd.)を充填した5インチのプラスチック鉢にイチゴ植物の苗を栽培し、肥料入り水を用いて規則的に潅漑した。4~5葉の段階のイチゴ植物を異なるSuncor配合物の4つの葉面適用で携帯型噴霧瓶を使用して処置し、均一に被覆した。7日毎に植物を噴霧した。最初の葉の処置の後及び実験継続期間に、イチゴ植物をしおれる時点(20~30%土壌容水量- SMC)まで縮小給水方式(干ばつストレス)に曝し、50%のSMCまで給水した。集中的に実を結ぶ時期に、50~60%のSMCまで植物に給水した。完全無作為化法で実験を設定し、各処置につき5回反復した。
Figure 0007351853000019
葉面適用処置は、長期の干ばつストレスに対するイチゴ植物耐性を高め、植物バイオマス生産を押し上げ収量が増加した。
(実施例9)
干ばつストレスに対するトマト植物耐性への処置の効果。
この実施例において、トマト植物栽培品種Tumbling Tomへのクロリン化合物及び配合物の効果を試験した。温室で実験を実行した。干ばつストレスに対するトマト植物耐性への化合物の活性を求めるために試験を設計した。
実験において、農業用土壌ミックスLC1(Sunshine LC 1, Sun Gro Horticulture Canada Ltd.)を含有する1ガロンの鉢に、トマト植物栽培品種Tumbling Tomを移した。4~5葉の段階で、試験溶液を用いて(水がはけるまで葉に噴霧)植物を処置し、生育期中の長期の干ばつストレスに曝した。7日の間隔で葉の処置を3回適用した。1回の処置当たり5回の反復を使用した。
Figure 0007351853000020
Figure 0007351853000021
Figure 0007351853000022
(実施例10)
長期にわたる干ばつストレスに対するトマト植物耐性への多数の葉面適用の処置の効果。
この実施例において、トマト植物栽培品種Tumbling Tomへのクロリン化合物及び配合物の効果を試験した。温室で実験を実行した。長期にわたる干ばつストレスに対するトマト植物耐性への化合物の活性を求めるために試験を設計した。
トマト移植物を6インチの鉢で5~6葉の段階に栽培した。植物を4つの群に分け、7日の間隔で1回、2回、3回及び4回処置した。最初の葉の処置後に、トマト植物を長期にわたる干ばつストレスにさらした。最初の処置の6週間後に、植物を収穫し、乾燥した植物質量を記録した。
Figure 0007351853000023
CuChln 0.11%+PAO 7395* 0.5%の配合物の2~4つの葉面適用がトマト植物バイオマスを増加させることを示した。
(実施例11)
熱ストレスに対するKentuckyブルーグラス耐性への処置の効果。
この実施例において、Kentuckyブルーグラス栽培品種「Granit」にクロリン化合物及び配合物の効果を試験した。温室で実験を行った。熱ストレスに対する芝の耐性への化合物の活性を求めるために試験を設計した。
実験において、Kentuckyブルーグラス栽培品種「Granit」を、専門的な土壌ミックス(Sunshine LC 1, Sun Gro Horticulture Canada Ltd.)を充填した6インチのプラスチック鉢に播種した。均一な植物発生及び生長を促進するために7~10日間霧槽に鉢を置き、次いで4~6週間温室で維持した。規則的に4~5cmの高さまで植物を摘み、肥料入り水を用いて規則的に潅漑した。Kentuckyブルーグラス植物をSuncor配合物の1つの葉面適用で携帯型噴霧瓶を使用して処置し、均一に被覆した。葉の噴霧の24時間後に、栽培室に植物を入れ、熱ストレスに曝露した。栽培室を28℃(16時間昼/8時間夜の光周期、PAR350μmol.m-2s-1)及び75%の湿度に置いた。日中の毎日、植物を36℃の熱ストレスに徐々に8時間曝した。水分欠乏を回避するために規則的にKentuckyブルーグラス植物に給水した。芝地品質について毎週等級付けすることにより熱ストレス耐性のためにKentuckyブルーグラスを評価した。修正NTEP Turfgrass Evaluation Guidelinesを使用する芝地品質、植物生長力、色度、老化、密度、葉身体格を基準にした尺度1~9について目視で芝を評価した。等級1の芝地は、完全に乾燥し完全に芝地天蓋が枯れた。等級9は、濃緑、はね上がった葉身及び健康な芝地天蓋の健康な植物を表す。6の等級を最小の許容されるTQと考えた。未処置の熱ストレス対照(熱対照)を各等級の照合のためにそれぞれ使用した。完全無作為化法で実験を設定し、各処置につき4回反復した。
Figure 0007351853000024
Figure 0007351853000025
Figure 0007351853000026
(実施例12)
ダイズ種子の発生、生長、収量及び品質への処置の効果。
砂質土壌について圃場試験を行った。幾つかの処置は、未処置の対照と比較して発生時に多くの群落数、及び生長季中に先進的な植物生長をもたらした。より良好な群落をもたらしたすべての処置は、また未処置の対照より高い収量、種子タンパク質含有量及び大きな種子サイズをもたらした。植付の前に種子処置として種子に処置し、植付での畝間、及び葉の噴霧として処置を適用した。
John Deere 7000 4列、無耕コーン点播機で5月23日にダイズを植えた。小地面に、3mの小道を含む少なくとも6mの長さになるように繰り返し植え、長さ6mとなる収穫前に小地面を最終的に刈り取った。肥料は、5月30日に広く適用した。
植付の前に、種子処置を受けた種子を種子倉庫床の上でプラスチックシートに広げ、噴霧瓶を使用して好適な処置にて霧で覆い、転がし、もう一度霧で覆った。その後、乾かし、次いで点播機の種子ホッパーに挿入した。処置で流れ始めるまで種子を噴霧し、次いで転がし、もう一度噴霧した。全体の割合はおよそ30ml/kgの種子だった。
畝間処置適用の間に植えられた種子のちょうど上に液体を加えた。種子列の1メートル当たりの液体畝間処置が10mLを加えるように、各点播機ユニットを較正した。
Wintersteiger Elite小地面コンバインを使用して、9月24日、ダイズを収穫した。以下のTable 12A(表26)に処置リストを提示する。
Figure 0007351853000027
発生の時間から、処置の間で目に見える違いがあった。発生時の群落数への処置効果(植付の11日後、発生の14日後にもう一度植物を数えた)を下記のTables 12B(表27)及び12C(表28)において示す。
Figure 0007351853000028
Figure 0007351853000029
V3植物生長段階(4つのこぶに葉がある)で、1つの列から5つ連続する代表植物を掘りだし、根粒の成長について各植物の根を評価した。1つの植物当たりの根粒数及び乾燥質量をTable 12D(表29)に提示する。
Figure 0007351853000030
段階V3(3つの三小葉の葉)で、処置3、4、6及び7は、対照より有意に多くの根粒が得られた。それは次のことを示した、これらの4つの処置は、良好な群落及び良好な生長力を有し、他のすべての処置より根粒をより支援していた。どの処置においても、根粒乾燥質量は、対照の根粒乾燥質量と有意に異なることはなかった。最大の質量は処置3、4及び7のものであった。
R1(開花)及びR4(満ちた鞘)での、植物高さ、色度等級及びSPAD読取り
Figure 0007351853000031
ダイズ生長のR1花段階で、発生及び初期生育において改善を示した処置で処置した植物は、対照小地面からの植物よりすべて有意に高かった。
R1において、すべての処置が対照小地面からの植物より高い色度等級得点をもたらした。
また、R1において、処置3及び4は、対照より有意に高いSPAD読取りがあった。SPAD読取りの結果は、処置2、3、4、6及び7ではより高いクロロフィル含有率を有することを示した。
成長(満ちた鞘)のR4段階によって、SPAD読取りのどれも対照とは異なっていなかった。
ダイズ収穫種子収量及び水分
Figure 0007351853000032
収量は、対照と処置の間で有意差を示した。13%の水分補正を基準にして収量を計算した。
ダイズ種子タンパク質及びオイル含有率、並びに100粒の種子質量への処置の効果をTable 12G(表32)に提示する。
Figure 0007351853000033
高収量の小地面では、すべて対照よりタンパク質含有量が高かった。オイル含有率は、すべての高収量の処置でわずかに低かった。タンパク質含有量がより高いと、オイル含有率が低くなることはダイズにおいて正常である。100粒の種子質量値は、高収量の小地面が対照からのダイズ植物より大きな種子を一貫して有していたことを示す。
まとめ
処置は、各小地面の最初の植物群落を改善した。効果は6回の反復すべてにわたって非常に一貫していた。これらの処置は、またR1で未処置の対照より高い植物をもたらした。また、それらは収穫時、より高収量、より高いタンパク質含有量及びより大きな種子を有していた。
(実施例13)
長期にわたる干ばつストレスに対するリンゴ苗耐性への処置の効果。
この実施例において、リンゴ植物(Malus pumila)栽培品種Northern spyへのクロロフィリン化合物及び配合物の効果を試験した。温室で実験を実行した。干ばつストレスに対するリンゴ苗耐性への化合物の有効性を求めるために試験を設計した。
実験において、リンゴ種子(栽培品種Northern spy)からリンゴ苗を増殖し、専門的な土壌ミックス(Sunshine LC 1, Sun Gro Horticulture Canada Ltd.)を含む6インチのプラスチック鉢に移植し、肥料入り水を用いて規則的に潅漑した。
40~43cmの高さのリンゴ苗を、下表に提示した異なる配合物の葉面適用で携帯型噴霧瓶(Continental E-Z噴霧器)を用いて処置し、完全に均一な被覆を供給した。7日の間隔で植物に2回噴霧した。
最初の葉の処置の後及び実験継続期間に、リンゴ苗を、しおれる時点(20~30%土壌容水量- SMC)まで縮小給水方式(長期にわたる干ばつストレス)に曝し、50%のSMCまで再給水した。水制限方式は実験の終了まで続けた。
多因子実験計画法を実験に使用した。完全無作為化法で実験を行い、各処置につき6回反復した。
Figure 0007351853000034
これらの結果は、CuChln及びPAO 7395の茎薬処置がリンゴ植物苗条生長を高め、長期にわたる干ばつストレスに対するリンゴ苗耐性を改善したことを示す。
(実施例14)
長期にわたる干ばつストレスに対するブドウのつる苗耐性への茎薬処置の効果。
この実施例において、クロロフィリン化合物及び配合物の効果をブドウのつる(Vitis vinifera)栽培品種Rieslingで試験した。温室で実験を実行した。干ばつストレスに対するブドウのつる苗耐性への化合物の活性を求めるために試験を設計した。
実験において、台木材料から、Pixieブドウ苗を増殖し、温室で栽培した。専門的な土壌ミックス(Sunshine LC 1, Sun Gro Horticulture Canada Ltd.)を含む1ガロンのプラスチック鉢に植物を移植し、肥料入り水を用いて規則的に潅漑した。均一性を与えるために苗を3つの苗条に刈り取った。
各苗条に5~8の葉を形成したら、7日の間隔でブドウのつる苗をクロロフィリン配合物で3回処置した。ブドウのつる苗を、下表に提示した異なる配合物の葉面適用で携帯型噴霧瓶(Continental E-Z噴霧器)を使用して処置し、完全に均一な被覆を行った。
最初の葉の処置の後に、長期にわたる干ばつストレス(しおれる時点(20~25%土壌容水量- SMC)まで給水制限)に植物を曝し曝し、その時点で50%のSMCまで再給水した。水制限方式は実験の終了まで続けた。最後の処置の3か月後にブドウのつる植物を収穫した。
完全無作為化法で実験を行い、各処置につき6回反復した。
Figure 0007351853000035
Figure 0007351853000036
Figure 0007351853000037
結果は、処置が干ばつ対照植物と比較してブドウのつる植物生長を高めたことを示した。処置適用は、より大きな苗条、葉バイオマス(生体重及び乾燥質量)及びブドウ生産をもたらし、長期にわたる干ばつストレスに対する植物耐性を増加させた。
(実施例15)
塩分ストレスに対するブドウのつる耐性への茎薬処置の効果。
この実施例において、ブドウのつるPixieブドウ(Vitis vinifera)栽培品種Cabernet Francでクロロフィリン化合物及び配合物の効果を試験した。温室で実験を実行した。塩分ストレスに対するブドウのつる苗耐性への化合物の活性を求めるために試験を設計した。
実験において、温室の台木材料から、ブドウのつる苗を増殖した。専門の土壌ミックス(Sunshine LC 1, Sun Gro Horticulture Canada Ltd.)を含む1ガロンのプラスチック鉢へ植物を植え、肥料入り水を用いて規則的に潅漑した。3つの苗条に植物をすべて刈り取った。各苗条で5~6の葉を形成したら、ブドウのつる植物を7日の間隔でCuChln配合物で3回処置した。下表に提示した配合物を、携帯型噴霧瓶(Continental E-Z噴霧器)を使用し葉の噴霧として適用し、完全に均一な植物被覆を与えた。
最初の処置の後にNaCl溶液を50mM(2回)から100mM(1回)に給水することによって徐々に増加した塩ストレスに植物を曝し、その後、50mMのNaClの規則的な塩づけを維持した。
Figure 0007351853000038
Figure 0007351853000039
結果は、葉のCuChln系の処置が植物生長力を高め、塩分ストレスが緩和されたことを示した。最も良好な配合物はPAO 7395を含む、CuChln及びMgChlnのミックスであった。CuChlnに対して0.1%のCa2EDTAを添加すると植物生長力を高め、植物バイオマスを増加した。
(実施例16)
寒冷ストレス条件下のダイズ植物発生へのダイズ種子の処置の効果。
この実施例において、ダイズにクロロフィリン化合物及び配合物の効果を試験した。制御した条件の栽培室(Conviron、Canada)において実験を実行した。寒冷ストレス下のダイズ植物発生への化合物の活性を求めるために試験を設計した。
この実験において、ダイズ種子栽培品種Pioneer P06T28Rを、下記に列挙した処置で処置し、20粒の種子(処置)を、湿った専門的土壌ミックス(Sunshine LC 1, Sun Gro Horticulture Canada Ltd.)を含むプラスチック小室へ2cmの深さに蒔いた。16/8時間の明/暗の光周期、15℃の温度及び65%の相対湿度の下に設定した栽培室に小室を置いた。毎日朝及び夕方(処置後の日、DAT)に植物発生(子葉曝露)を評価し、発生した苗の数を記録した。種子処置:プラスチック袋に100gの種子を入れ、種子に2mlの処置溶液を導入し、1分間種子を振盪し、その後、空気乾燥した。以下のTable 16A(表39)及びTable 16B(表40)に配合物及び結果を提示する。
Figure 0007351853000040
Figure 0007351853000041
これらの結果は、クロロフィリン配合物がダイズ種子発芽を刺激し、寒冷ストレス条件下でより早いダイズ苗発生をもたらすことを示した。オイル(PAO)の添加はより早い種子発芽及び植物発生を促進した。
(実施例17)
塩ストレスに対するイチゴ植物(Fragaria x ananassa)耐性への処置の効果
この実施例において、イチゴ植物(Fragaria x ananassa)栽培品種Temptation (Ball Seeds, USA)でクロリン化合物及び配合物の効果を試験した。温室で実験を実行した。塩ストレスに対するイチゴ植物耐性への化合物の活性を求めるために試験を設計した。
実験において、イチゴ植物の苗を、専門的な土壌ミックス(Sunshine LC 1, Sun Gro Horticulture Canada Ltd.)を充填した5インチのプラスチック鉢で栽培し、肥料入り水を用いて規則的に潅漑した。4-5葉の段階でイチゴ植物を、携帯型噴霧瓶(Continental E-Z sprayer)を使用して異なるSuncor配合物の4つの葉面適用で処置し、均一な被覆を与えた。7日毎に植物を噴霧した。最初の噴霧の24時間後に、5~7日の間隔スケジュールにて25mM塩化ナトリウム溶液で給水することによって塩分ストレスに植物を曝した。完全無作為化法で実験を設定し、各処置につき6回反復した。以下のTable 17(表41)に結果を要約する。
Figure 0007351853000042
結果は、塩ストレスに対するイチゴ植物耐性を増加させるために鉱油及びキレート化合物と共に、様々な金属化クロロフィリンを使用してもよいことを示す。PAO 7395及びキレート化合物をクロロフィリンに添加することによって、塩ストレスに対する植物耐性を高めた。
(実施例18)
干ばつストレスに対するイチゴ植物(Fragaria x ananassa)耐性への処置の効果
この実施例において、イチゴ植物(Fragaria x ananassa)栽培品種Temptation (Ball Seeds, USA)でクロロフィリン化合物及び配合物の効果を試験した。温室で実験を実行した。干ばつストレスに対するイチゴ植物耐性への化合物の活性を求めるために試験を設計した。
実験において、専門的な土壌ミックス(Sunshine LC 1, Sun Gro Horticulture Canada Ltd.)を充填した5インチのプラスチック鉢でイチゴ植物の苗を栽培し、肥料入り水を用いて規則的に潅漑した。4~5葉の段階でイチゴ植物を、携帯型噴霧瓶(Continental E-Z噴霧器)を使用して異なるSuncor配合物の2つの葉面適用で処置し均一な被覆率を与えた。7日の間隔で植物を噴霧した。最初の葉の処置の後及び実験継続期間中に、干ばつストレス(縮小給水方式)にしおれる時点(20~30%土壌容水量- SMC)までイチゴ植物を曝した。次いで、50%のSMCまで給水した。完全無作為化法で実験を設定し、各処置につき6回反復した。最後の葉の噴霧の3週後、イチゴ植物を収穫し、植物バイオマスを記録した。以下のTable 18(表42)に結果を要約する。
Figure 0007351853000043
(実施例19)
熱ストレスに対するトマト植物耐性への処置の効果
この実施例において、トマト栽培品種「Tiny Tim」(Stokes seeds, Ontario, Canada)でクロリン化合物及び配合物の効果を試験した。温室及び栽培室で幾つかの実験を行った。熱ストレスに対するトマト植物耐性への化合物の活性を求めるために試験を設計した。
実験において、専門的土壌ミックスで充填した6インチのプラスチック鉢で、トマト移植物を温室で22℃~25℃、8時間暗/16時間明の光周期でそれぞれ5~6葉の段階に栽培した。処置の前に、100%の土壌ミックス容量(SMC)に対して植物に給水した。トマト植物を異なる配合物の2つの葉面適用で処置し携帯型噴霧瓶(Continental E-Z噴霧器)を使用して均一な被覆(水がはけるまで)を与えた。
化合物で植物を7日の間隔で2回処置した。最初の葉の噴霧の24時間後に、植物を栽培室に入れ、10日間の温度ストレス(熱ストレス)に曝した。第2の処置の前に、2日間25℃にトマト植物を維持し、100%のSMCにまで給水した。第2の葉の噴霧の後に、第2の時間のあいだ栽培室に植物を入れ、更に10日間の温度ストレス(熱ストレス)に曝した。水分欠乏を回避するために規則的にトマト植物に給水した。
栽培室を16時間の明/8時間暗光周期、明の光周期の間300μmol.m-2s-1で照射及び70%の相対湿度に設定した。暗の間には、栽培室の温度方式を25℃に設定した。日中(明)の間、25℃から38℃まで4時間の間に温度を徐々に上げ温度ストレスに、次いで38℃に8時間熱ストレスに植物を曝し、その後、38℃から25℃まで温度を4時間で徐々に下げた。
栽培室から温室に植物を移動し、収穫前に4日間温室で維持した。最初の処置の27日後、植物は収穫し、バイオマスを記録した。未処置の植物(熱ストレス対照)を各測定についての参照としてそれぞれ使用した。完全無作為化法で実験を設定し、各処置につき6回反復した。以下のTables 19A(表43)、19B(表44)及び19C(表45)に実験からの結果を要約する。
Figure 0007351853000044
Figure 0007351853000045
Figure 0007351853000046
PAO 7395(0.15% CuChln + 0.5% PAO7395)及びキレート化合物(0.15% CuChln + 0.5% PAO + 0.05% Ca2EDTA)を含む銅クロロフィリン配合物の葉面適用は、熱ストレスに対して、植物バイオマスの新鮮及び乾燥物質(葉、苗条、根)の蓄積及び耐性を有意に増加させた。
(実施例20)
干ばつストレスに対するトマト植物耐性への処置の効果
この実施例において、トマト栽培品種「Tiny Tim」 (Stokes seeds, Ontario, Canada)でクロリン化合物及び配合物の効果を試験した。栽培室において実験を行った。制御可能な条件の干ばつストレスに対するトマト植物耐性への化合物の活性を求めるために試験を設計した。
実験において、専門的土壌ミックス(Sunshine LC 1, Sun Gro Horticulture Canada Ltd.)で充填した6インチのプラスチック鉢に温室で、22℃~25℃で8時間暗/16時間明の光周期でそれぞれトマト移植物を4~5葉の段階まで栽培した。処置の前に、100%のSMCに植物に給水した。化合物で植物を7日の間隔で2回処置した。携帯型噴霧瓶(Continental E-Z噴霧器)を使用し均一な被覆(水がはけるまで葉の噴霧)を与えた。最初の葉の噴霧の20時間後に、10日間栽培室に植物を入れ、干ばつストレスに曝した。25℃、16時間明/8時間暗の光周期、明の光周期中は300μmol.m-2s-1で照射、70%の相対湿度に栽培室を設定した。しおれる時点(20~30%のSMC)でトマト植物に50%のSMCまで給水した。第2の処置の前に、100%の圃場容水量までトマト植物に給水した。第2の葉の噴霧の後に、栽培室に植物を入れ、更に10日間の干ばつストレスに曝した。
次いで、栽培室から温室に植物を移し、収穫の前に4日間温室で維持した。最初の処置の25日後、植物は収穫し、植物の生体重及び乾燥質量(バイオマス)を記録した。未処置の植物-参照としての干ばつストレス対照を各測定についてそれぞれ使用した。完全無作為化法で実験を設定し、各処置につき6回反復した。以下のTable 20(表46)に結果を要約する。
Figure 0007351853000047
結果は、鉱油及びキレート化合物と共にクロロフィリンを使用してもよいことを示した。クロロフィリンにPAO 7395及びキレート化合物を添加すると、干ばつストレスに対する植物耐性を高め、植物バイオマス生産を増加させた。
(実施例21)
干ばつストレスに対するトマト植物耐性への処置の効果
この実施例において、トマト植物栽培品種「Tiny Tim」(Stokes seeds, Ontario, Canada)でクロリン化合物及び配合物の効果を試験した。温室で実験を実行した。干ばつストレスに対するトマト植物耐性への化合物の活性を求めるために試験を設計した。
実験において、トマト植物栽培品種Tiny Timを農業用土壌ミックス(Sunshine LC 1, Sun Gro Horticulture Canada Ltd.)を含む6インチのプラスチック鉢に移植し、温室に維持した。5~6葉の段階で、100%の土壌ミックス容量(SMC)に植物に給水し、携帯型噴霧霧瓶(Continental E-Z噴霧器)を使用して、試験溶液で処置した(水がはけるまで葉に噴霧)。次いで、生育期の間に長期の干ばつストレスに植物をかけた。しおれる時点(20-30%のSMC)で、50%のSMCまで植物に給水した。葉の処置を7日の間隔で2回適用した。温室で植物を栽培し、完全無作為化法で1つの処置当たり6回の反復の計画をした。第2の葉の処置の3週後に、トマト植物を収穫し、植物バイオマス(果実、苗条)を評価した。以下のTable 21(表47)に結果を要約する。
Figure 0007351853000048
(実施例22)
ダイズ種子の発生、生長、収量及び品質への処置の効果。
砂質土壌で圃場試験を行った。幾つかの処置は生長季の間に、未処置の対照と比較して植物生長が進み、1000粒の種子質量がより大きく、高収量をもたらした。植付前に種子処置として、植付時に畝間に、並びにV3、R1及びR3のダイズ植物段階で葉への噴霧として種子に処置を適用した。
John Deere 7000 4列、無耕コーン点播機を使用してダイズ栽培品種Asgrow AG33X8を植えた。4回の反復を含む完全乱塊法によって小地面を配置した。各小地面は、ブロック間にダイズ4列及び3mの経路で長さ6mであった。植付前に肥料を広く施した。
植付前に、種子は種子処置を受けた。大きな袋に種子を入れ、均一な種子被覆に必要な量の処置スラリーを袋へ導入した。数分間袋を振盪し、次いで、種子は倉庫床のプラスチックシート上で風乾した。
畝間処置の間に、植えた種子のちょうど上に液体を加えた。種子列の1メートル当たりの液体畝間処置が10mLを加えるように、各点播機ユニットを較正した。Kinkaid *XP小地面コンバインを使用して、ダイズを収穫した。13%の含水量にダイズ収量データを調節した。以下のTable 22A(表48)に処置リストを提示する。
Figure 0007351853000049
発生の時間から、処置間で目に見える違いがあった。種子及び畝間処置の植物生長力への効果を等級尺度1~9(植付後3週で、1=激しく障害を受けた植物、3=許容される植物、9=健康な植物)を使用して評価した。Table 22B(表49)に結果を要約する。収量データを以下のTable 22C(表50)に集め、示した。
Figure 0007351853000050
Figure 0007351853000051
収量は、対照と処置の間の違いを示した。すべての処置は収率の増加をもたらした。
(実施例23)
長期にわたる干ばつストレスに対する、土壌潅注及び葉面適用の処置のトマト植物耐性への効果
この検討は、オイルを含む、及びオイルを含まないクロリン化合物の葉面適用の効果を、長期の干ばつ下のトマトの生理学的適合性に対して評価した。
ポッティングミックスで充填した小室にトマト'Tiny Tim'を植え、等しい量の土壌/鉢の一般的な温室土壌ミックス(表土:細砂、2:1 v/v)で充填した1ガロンの鉢に移した。48時間105℃で乾かすことにより土壌水分を求めた。土壌水分は14.6%(50%の容量で)及び100%の容量で29.2%であった。移植した後に、不足量潅漑(50%の容量)で植物を干ばつストレスに曝した。葉の噴霧として処置を適用した。最初の葉面適用は、移植7日後、第2の葉面適用は移植後14日(最初の適用の7日後)に行った。葉に処置を手回し噴霧機(1つの鉢当たり~5mL)によってちょうど水がはけるまで一様に適用した。
トマト植物の苗条及び根バイオマスを処置の最初の適用の2か月後に測定した。Table 23A(表51)に結果を示す。
Figure 0007351853000052
長期の干ばつ下で、両処置とも、未処置の対照と比較して、バイオマスを増加させた。更に、PAO及び界面活性剤とのCuChlnの組み合わせは、界面活性剤単独を含むCuChlnよりバイオマスを更に改善した。
試験の間の葉プロリン含有率を測定した。手短に言えば、葉(50)を、1.8mL 3%のスルホサリチル酸で均質化し、10分間100℃で沸騰し、1mLの酢酸及び1mLの酸性ニンヒドリンと上澄み1mLを混合し、40分間100℃で加熱し、冷却後に2mLのトルエンで反応混合物を抽出し、520nmで吸光度を読んだ。ストレスを受けた植物中のプロリン蓄積は保護機能を有する。干ばつ及び塩ストレスに対して抵抗力のある植物が高いプロリン含有率を示すことは公知であった。高いプロリン含有率は小室に対して浸透圧保護を提供し、ストレス下の細胞ホメオスタシスを安定させ、その結果、ストレスの間、細胞膜及び仕組みをそれほど損なわない。更に、より高い細胞のプロリン含有率は、ストレスからの回復を助けることを示した。
Table 23B(表52)にプロリン含有率の結果を示す。この実施例は、オイルを含むクロリン化合物の適用がより高いプロリン蓄積を活性化し、干ばつストレス下の浸透圧適応を誘発したことを示した。
Figure 0007351853000053
(実施例24)
シロイヌナズナ塩ストレスへの異なるオイルの効果
実験のプロトコルは実施例2のそれと同じである。
この実施例において、塩ストレスが引き金となるシロイヌナズナの老化への金属化クロリン化合物及び様々なオイルの効果を葉の進行性老化徴候を反映する視覚的な得点付けによって測定した。特に、CuChlnが、塩ストレスが引き金となる老化からの保護を提供することを示した。また、オイルの添加が更に保護を高めることを示した。
苗条における塩ストレスに対する長期曝露の後、Na+蓄積が細胞傷害効果をもたらし、それによって最も顕著な徴候が葉の老化及び枯れ死による、黄変、続いて葉の乾燥である。葉の進行性老化徴候を反映する視覚的な得点付けによって葉の老化を評価することができる
塩ストレスが引き金となる植物の老化へのCuChlの効果を求めるために、種子を直接土壌に蒔き、鉢に給水し、16/8時間の光周期、PAR 24マイクロモル/m2/s、25℃+/-3温度及び65%の相対湿度の下に置いた。14日後に1/2力価の配合物で苗を潅漑し、24時間後に100mM NaClで最大限に、続いて4日後に200mM NaCl、最後に、実験の終了まで4日毎に300mM NaClを給水した。%改善は2つの独立した実験の平均である。以下のTables 24A(表53)及び24B(表54)に結果を要約する。
Figure 0007351853000054
Figure 0007351853000055

Claims (30)

1種又は複数の非生物的ストレスに対する植物の抵抗力を増加させるための組成物であって、
プロトポルフィリン-9、亜鉛プロトポルフィリン-9、亜鉛テトラフェニルポルフィリン、銅クロロフィリン、マグネシウムクロロフィリン及びその混合物からなる群から選択される大環状テトラピロール化合物
鉱油、植物油、スクアレン及びその混合物からなる群から選択されるオイル;並びに
アミノポリカルボン酸化合物又はその塩であるキレート剤
を含み、
前記鉱油は、パラフィン油、分岐パラフィン油、ナフテン油、芳香油及びその混合物からなる群から選択され、
前記植物油は、ヤシ油、キャノーラ油、ダイズ油、ナタネ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、ラッカセイ油、綿実油、パーム油、コメヌカ油及びその混合物から選択される、組成物。
1種又は複数の非生物的ストレスが寒冷ストレス、熱ストレス、水ストレス、移植ショックストレス、微光ストレス、光酸化ストレス、干ばつストレス及び塩分ストレスからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
非生物的ストレスの開始時又はその前に植物に適用するためのものである、請求項1又は2に記載の組成物。
非生物的ストレスの開始後に植物に適用するためのものである、請求項1又は2に記載の組成物。
オイルがポリアルファオレフィン(PAO)を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の組成物。
アミノポリカルボン酸化合物がエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン-N,N'-二コハク酸(EDDS)、イミノ二コハク酸(IDS)、ポリアスパラギン酸、及びその塩からなる群から選択される、請求項1からのいずれか一項に記載の組成物。
アミノポリカルボン酸化合物がEDTAナトリウム又はEDTAカルシウム塩を含む、請求項に記載の組成物。
キレート剤が金属化されている、請求項からのいずれか一項に記載の組成物。
キレート剤が金属化されていない、請求項からのいずれか一項に記載の組成物。
組成物が界面活性剤を更に含む、請求項からのいずれか一項に記載の組成物。
界面活性剤が、エトキシ化アルコール、ポリマーの界面活性剤、脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、エトキシ化アルキルアルコール、モノグリセリド、アルキルモノグリセリド及びその混合物からなる群から選択される、請求項10に記載の組成物。
界面活性剤が、エトキシ化アルコール及びアルキルモノグリセリドの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の組成物。
大環状テトラピロール化合物及びオイルが質量で50:1から1:5000の間の相対割合で存在する、請求項12に記載の組成物。
大環状テトラピロール化合物が5μMから100mMの間の濃度で用意される、請求項13に記載の組成物。
植物が非木本作物植物、木本植物又は芝草である、請求項14に記載の組成物。
1種又は複数の非生物的ストレスに対する植物の抵抗力を増加させるための方法であって、
プロトポルフィリン-9、亜鉛プロトポルフィリン-9、亜鉛テトラフェニルポルフィリン、銅クロロフィリン、マグネシウムクロロフィリン及びその混合物からなる群から選択される大環状テトラピロール化合物
鉱油、植物油、スクアレン及びその混合物からなる群から選択されるオイル;並びに
アミノポリカルボン酸化合物又はその塩であるキレート剤
を含む組み合わせ物を植物に適用する工程を含み、
前記鉱油は、パラフィン油、分岐パラフィン油、ナフテン油、芳香油及びその混合物からなる群から選択され、
前記植物油は、ヤシ油、キャノーラ油、ダイズ油、ナタネ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、ラッカセイ油、綿実油、パーム油、コメヌカ油及びその混合物から選択される、方法。
1種又は複数の非生物的ストレスが寒冷ストレス、熱ストレス、水ストレス、移植ショックストレス、微光ストレス、光酸化ストレス、干ばつストレス及び塩分ストレスからなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
オイルがポリアルファオレフィン(PAO)を含む、請求項16又は17に記載の方法。
アミノポリカルボン酸化合物がエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン-N,N'-二コハク酸(EDDS)、イミノ二コハク酸(IDS)、ポリアスパラギン酸、及びその塩からなる群から選択される、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
アミノポリカルボン酸化合物がEDTAナトリウム塩又はEDTAカルシウム塩を含む、請求項19に記載の方法。
キレート剤が金属化されている、請求項16から20のいずれか一項に記載の方法。
キレート剤が金属化されていない、請求項16から20のいずれか一項に記載の方法。
組成物が界面活性剤を更に含む、請求項16から22のいずれか一項に記載の方法。
界面活性剤が、エトキシ化アルコール、ポリマーの界面活性剤、脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、エトキシ化アルキルアルコール、モノグリセリド、アルキルモノグリセリド及びその混合物からなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
界面活性剤が、エトキシ化アルコール及びアルキルモノグリセリドの少なくとも1つを含む、請求項23に記載の方法。
大環状テトラピロール化合物及びオイルが質量で50:1から1:5000の間の相対割合で存在する、請求項16から25のいずれか一項に記載の方法。
大環状テトラピロール化合物が5μMから100mMの間の濃度で用意される、請求項16から26のいずれか一項に記載の方法。
植物が非木本作物植物、木本植物又は芝草である、請求項16から27のいずれか一項に記載の方法。
前記組み合わせ物を、土壌潅注、ピペット使用、潅漑、噴霧、霧吹き、散布、注入、葉への噴霧及び植物の根元での噴霧の少なくとも1つによって植物に適用する、請求項16から28のいずれか一項に記載の方法。
前記組み合わせ物を、葉への噴霧によって植物に適用する、請求項29に記載の方法。
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