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JP7348829B2 - 巻上機及びエレベーター - Google Patents

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Description

本発明は、乗りかごや釣合おもり等の昇降体を昇降動作させる巻上機及び、この巻上機を備えたエレベーターに関するものである。
従来の巻上機としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、ハウジングの前面に開口した凹所に支持軸を突設し、支持軸に回転体を枢着してハウジングの凹所に嵌合状態に配置することが記載されている。また、特許文献1には、ハウジングの凹所の開口側と同側に開口した回転体の凹部に制動機を設け、また支持軸の突出端、すなわちハウジングの前面側に駆動綱車を設けることが記載されている。
特開2006-36438号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、主軸を示す支持軸の軸方向の一端部にステータを支持するハウジングを固定し、支持軸の軸方向の他端部に回転子を支持する回転体を回転可能に支持している。そのため、特許文献1に記載された技術では、主軸の軸方向の長さが長くなり、巻上機全体の小型化を図ることが困難なものとなっていた。
さらに、巻上機では、駆動する際に生じるトルクリプルや、駆動を停止した際に生じるコギングトルク等のトルクの変動が発生していたが、特許文献1では、このようなトルクの変動を低減することは図られていなかった。
本目的は、上記の問題点を考慮し、小型化を図り、かつトルクの変動を低減することができる巻上機及びエレベーターを提供することにある。
上記課題を解決し、目的を達成するため、巻上機は、主軸と、主軸に着脱可能に取り付けられる巻上機ユニットと、を備えている。
巻上機ユニットは、軸部と、第1支持部材と、第1固定子と、第2支持部材と、第2固定子と、回転体と、第1回転子と、第2回転子と、綱車と、を有している。
軸部は、主軸が挿入される筒孔を有し、主軸に固定される。第1支持部材は、軸部の軸方向の一端部に配置される。第1固定子は、第1支持部材に固定される。第2支持部材は、軸部の軸方向の他端部に配置される。第2固定子は、第2支持部材に固定される。回転体は、軸部に回転可能に支持される。第1回転子は、回転体に固定され、第1固定子と対向し、第1固定子と共に第1モータを構成する。第2回転子は、回転体に固定され、第2固定子と対向し、第2固定子と共に第2モータを構成する。綱車は、回転体の半径方向の外側の外周面に取り付けられる。そして、第2固定子又は第2回転子は、第1固定子又は第1回転子に対して周方向に機械的に所定の位相差をもってずらして配置される。
また、エレベーターは、昇降路内を昇降する昇降体と、昇降体に接続されるロープと、ロープを巻き掛けることにより昇降体を昇降させる巻上機と、を備えている。また、巻上機は、上述した巻上機が用いられる。
上記構成の巻上機及びエレベーターによれば、小型化を図り、かつトルクの変動を低減することができる。
第1の実施の形態例にかかるエレベーターを示す概略構成図である。 第1の実施の形態例にかかる巻上機を示す側面図である。 第1の実施の形態例にかかる巻上機を示す断面図である。 第1の実施の形態例にかかる巻上機における巻上機ユニットを示す側面図である。 第1の実施の形態例にかかる巻上機における巻上機ユニットの他の例を示す側面図である。 第1の実施の形態例にかかる巻上機における巻上機ユニットのさらに別の例を示す側面図である。 第1の実施の形態例にかかる巻上機における第1モータを示す側面図である。 第1の実施の形態例にかかる巻上機における回転子及び固定子の他の例を示す側面図である。 第1の実施の形態例にかかる巻上機における回転子及び固定子のさらに別の例を示す側面図である。 第1の実施の形態例にかかる巻上機における第1モータと第2モータの周方向の位置関係を示す斜視図である。 第1の実施の形態例にかかる巻上機における第1モータと第2モータの周方向の位置関係の別の例を示す斜視図である。 第1の実施の形態例にかかるモータの位相差に対する各種コギングトルク及びトルクリプルの変動の一例を示す図である。 第1の実施の形態例にかかるモータの回転子と固定子の配置図である。 図13に示す第1モータのコイルの鎖交磁束ベクトルを示す図である。 第1モータと第2モータにおけるコイルの鎖交磁束ベクトルを示す図である。 第1の実施の形態例にかかる巻上機における固定子の結線状態を示すもので、図16Aは第1モータを示し、図16Bは第2モータを示している。 第1の実施の形態例にかかる巻上機と比較例とを比較したもので、図17Aはトルク変動を示す図、図17Bは循環電流の大きさを示す図である。 変形例にかかるモータの位相差に対する各種コギングトルク及びトルクリプルの変動を示す図である。 図18に示す巻上機と比較例とを比較したもので、図19Aはトルク変動を示す図、図19Bは循環電流の大きさを示す図である。 第2の実施の形態例にかかる巻上機を示す断面図である。 第2の実施の形態例にかかる巻上機における各モータの周方向の位置関係を示す斜視図である。
以下、巻上機及びエレベーターの実施の形態例について、図1~図21を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
1.第1の実施の形態例
1-1.エレベーターの構成
まず、第1の実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかるエレベーターの構成について、図1を参照して説明する。
図1は、エレベーターを示す概略構成図である。
図1に示すように、エレベーター100は、昇降路150内を昇降する乗りかご110と、巻上機10と、釣合おもり130と、主ロープ140とを備えている。主ロープ140の一端は、昇降体の一例を示す乗りかご110に接続され、主ロープ140の他端は、昇降体の他の例を示す釣合おもり130に接続される。そして、主ロープ140は、巻上機10の綱車5(図1参照)に巻き掛けられる。巻上機10が駆動することで、主ロープ140が移動し、乗りかご110及び釣合おもり130が昇降路150内を昇降する。
巻上機10は、昇降路150の頂部に設けられた機械室151に設置される。また、機械室151には、巻上機10における綱車5の回転を制動する複数(本例では、2つ)のブレーキ機構160と、綱車5の回転速度を検出する速度センサ170が配置されている。
ブレーキ機構160、160及び速度センサ170は、後述する巻上機10における綱車5の外周部に配置されている。2つのブレーキ機構160、160のうち一つのブレーキ機構160は、架台1の一側に配置され、他方のブレーキ機構160は、架台1の他側に配置されている。また、速度センサ170は、綱車5の外周部において上下方向の下端部に配置されている。そして、速度センサ170は、綱車5の外周部に当接し、綱車5の回転速度を検出する。
なお、2つのブレーキ機構160、160の配置は、これに限定されるものではなく、2つのブレーキ機構160、160を架台1の一側にまとめて配置してよい。ブレーキ機構160及び速度センサ170は、巻上機10の外周部において任意の位置に設置できるものである。ブレーキ機構160及び速度センサ170は、巻上機10の主軸3よりも上下方向の下方に配置されることが好ましい。
また、昇降体として釣合おもり130を乗りかご110としてもよい。
1-2.巻上機の構成
次に、図2から図4を参照して巻上機10の構成について説明する。
図2は、巻上機10を示す断面図、図3は、巻上機10を示す側面図である。
図2に示すように、巻上機10は、一対の架台1、1と、主軸3と、巻上機ユニット50と、を有している。また、巻上機10は、第1モータ7を構成する複数の第1固定子14Aと、複数の第1回転子15Aと、第2モータ8を構成する複数の第2固定子14Bと、複数の第2回転子15Bと、を有している。
図2及び図3に示すように、一対の架台1、1は、主軸3の軸方向の一端部と他端部に対向して配置されている。また、架台1には、主軸3を支持する支持部4が設けられている。以下、主軸3の軸方向と平行をなす方向を第1の方向X、第1の方向Xと直交し、かつ鉛直方向(上下方向)とも直交する方向を第2の方向Yとする。また、第1の方向X及び第2の方向Yと直交する方向、すなわち上下方向を第3の方向Zとする。
支持部4は、主軸3の第1の方向Xの端部を支持する。また、支持部4には、主軸3を固定するキープレート4aが設けられている。主軸3は、キープレート4aにより回転及び第1の方向Xへの移動が規制される。主軸3には、固定部材17を介して巻上機ユニット50が着脱可能に取り付けられる。
[巻上機ユニット]
巻上機ユニット50は、筐体2と、綱車5と、回転体6と、を有している。筐体2は、第1支持部材11と、第2支持部材12と、軸部13と、を有している。第1支持部材11と軸部13は、一体に形成されている。軸部13は、略円筒状に形成されている。軸部13の筒孔13aには、主軸3が挿入される。軸部13の第1の方向Xの一端部には、取付凹部22が形成され、軸部13の第1の方向Xの他端部には、第2支持部材12が固定ボルト16を介して固定されている。また、軸部13の第1の方向Xの他端部には、軸側位置決め穴13cが形成されている。
取付凹部22は、略円筒状に形成された凹部であり、主軸3の第1の方向Xの一端部側が開口している。取付凹部22の外径は、軸部13の外径よりも大きく形成されている。そして、取付凹部22は、主軸3の第1の方向Xの一端部における外周面を囲む。
取付凹部22と主軸3の第1の方向Xの一端部との間には、固定部材17が介在される。固定部材17は、断面形状がくさび状に形成された2つの円筒部17aと、締結ボルト17bから構成されている。そして、締結ボルト17bを締め付けることで、円筒部17aの外周面が取付凹部22の内面22aに圧接し、円筒部17aの内周面が主軸3の外周面に圧接する。これにより、筐体2と主軸3が固定部材17を介して強固に結合され、筐体2における回転及び第1の方向Xへの移動が規制される。
固定部材17としては、上述した構成に限定されるものではなく、その他各種の固定部材が適用される。
また、軸部13及び取付凹部22の外周面には、第1支持部材11が連続して形成されている。第1支持部材11は、側面部23と、第1固定子支持部24と、を有している。側面部23は、取付凹部22の第1の方向Xの一端部から略垂直に半径方向の外側に向けて延在している。また、側面部23は、略円板状に形成されている。側面部23における取付凹部22とは反対側の端部には、第1固定子支持部24が形成されている。
第1固定子支持部24は、取付部25と、側壁部26とを有している。取付部25は、略円筒状に形成されており、側面部23から主軸3の第1の方向Xの他端部に向けて略垂直に突出している。取付部25は、軸部13及び取付凹部22と同心円状に配置される。取付部25の外周面25aには、複数の第1固定子14Aが固定される。そして、複数の第1固定子14Aは、取付部25の周方向に沿って環状に配置される。
また、外周面25aには、複数の第1固定子14Aの周方向の位置決めを行う第1位置決め部27が形成されている。第1位置決め部27及び第1固定子14Aの詳細な構成については、後述する。
側壁部26は、取付部25の外周面25aにおける第1の方向Xの一端部から略垂直に半径方向の外側に向けて突出している。また、側壁部26は、略円板状に形成され、取付部25に固定された複数の第1固定子14Aにおける第1の方向Xの一端部を覆う。
第2支持部材12は、側面部33と、第2固定子支持部34と、を有している。側面部33は、略円板状に形成されている。側面部33の半径方向の中心には、円形の開口部33aが形成されている。開口部33aには、主軸3の第1の方向Xの他端部及び軸部13の第1の方向Xの他端部が挿入される。そして、側面部33は、軸部13の外周面13bから半径方向の外側に向けて延在している。
図4は、巻上機ユニット50を示す側面図である。
図4に示すように、側面部33には、主軸3及び軸部13の同心円上に複数の固定孔33bが形成されている。図2及び図4に示すように、固定孔33bには、固定ボルト16が挿入される。これにより、第2支持部材12が軸部13に固定される。
また、図2及び図4に示すように、側面部33には、筐体側位置決め孔33cが形成されている。図2に示すように、筐体側位置決め孔33cは、軸側位置決め穴13cと対向する。そして、筐体側位置決め孔33c及び軸側位置決め穴13cには、位置決めピン19が挿入される。この筐体側位置決め孔33c、軸側位置決め穴13c及び位置決めピン19により第2支持部材12の位置決めを行う位置決め機構が構成される。
これにより、軸部13に対する第2支持部材12の周方向の位置決めを容易に行うことができる。その結果、第1モータ7が配置される第1支持部材11と、第2モータ8が配置される第2支持部材12との周方向の位相を所定の位置に設定することができ、第1固定子14Aと第2固定子14Bの周方向の位相を所定の位置に設定することができる。
なお、第2支持部材12の位置決めを行う位置決め機構は、上述した位置決めピン19を用いた構成に限定されるものではない。
図5は、巻上機ユニットの他の例を示す側面図である。
図5に示す巻上機ユニット51では、軸部13Aに軸部キー溝13dが形成されており、第2支持部材12Aの開口部33aに筐体側キー溝33dが形成されている。そして、軸部キー溝13dと筐体側キー溝33dには、位置決めキー19Aが挿入される。これにより、軸部13に対する第2支持部材12Aの周方向の位置決めを容易に行うことができ、第1支持部材11と第2支持部材12Aの周方向の位相を所定の位置に設定することができる。その結果、第1固定子14Aと第2固定子14Bの周方向の位相を所定の位置に設定することができる。
図6は、巻上機ユニットのさらに別の例を示す側面図である。
図6に示すように、巻上機ユニット52の第2支持部材12Bには、主軸3及び軸部13の同心円上に複数の固定孔33eが形成されている。固定孔33eは、軸部13の周方向の延びる長孔である。この固定孔33eには、固定ボルト16が挿入される。そして、図6に示す巻上機ユニット52では、軸部13を中心に、第2支持部材12Bを回転させて、第1支持部材11と第2支持部材12Bの周方向の位相を、調整することができる。これにより、第1固定子14Aと第2固定子14Bの周方向の位相を所定の位置に設定することができる。
なお、上述した例では、第2支持部材の位置を調整することで、第1支持部材11と第2支持部材12の周方向の位相を所定の位置に設定する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1支持部材11を軸部13と別部材とし、第1支持部材11の位置を調整することで、第1支持部材11と第2支持部材12の周方向の位相を調整してもよい。
図2に戻り示すように、第2支持部材12の側面部33は、第1支持部材11の側面部23と間隔を空けて対向する。そして、第1支持部材11の側面部23と第2支持部材12の側面部33により、収納空間が形成される。この収納空間には、後述する回転体6の軸受ハウジング41が配置される。
側面部33における軸部13とは反対側の端部には、第2固定子支持部34が形成されている。第2固定子支持部34は、取付部35と、側壁部36とを有している。取付部35は、略円筒状に形成されており、側面部33から主軸3の第1の方向Xの一端部に向けて略垂直に突出している。取付部35は、軸部13と同心円状に配置される。取付部35の外周面35aには、複数の第2固定子14Bが固定される。そして、複数の第2固定子14Bは、取付部35の周方向に沿って環状に配置される。
また、外周面35aには、第1支持部材11と同様に、複数の第2固定子14Bの周方向の位置決めを行う第1位置決め部27が形成されている。第1位置決め部27及び第1固定子14Aの詳細な構成については、後述する。
側壁部36は、取付部35の外周面35aにおける第1の方向Xの一端部から略垂直に半径方向の外側に向けて突出している。側壁部36は、略円板状に形成され、取付部35に固定された複数の第2固定子14Bにおける第1の方向Xの一端部を覆う。また、第2支持部材12の側壁部36は、第1支持部材11の側壁部26と間隔を空けて対向する。この第2支持部材12の側壁部36と第1支持部材11の側壁部26との間には、回転体6が配置される。
次に、回転体6について説明する。回転体6は、略円板状に形成されている。回転体6は、軸受ハウジング41と、接続部42と、回転子支持部43とを有している。
軸受ハウジング41は、回転体6の半径方向の中心部に形成されている。軸受ハウジング41は、円筒状に形成されており、第1の方向Xの一端から他端にかけて貫通する支持孔41aが形成されている。支持孔41aの内壁には、軸受46が設けられている。また、軸受ハウジング41は、第1支持部材11の側面部23と第2支持部材12の側面部33の間に形成された収納空間に配置される。そして、回転体6は、軸受46を介して筐体2の軸部13の外周面13bに回転可能に支持されている。
接続部42は、軸受ハウジング41の外周面から略垂直に突出している。接続部42は、略円板状に形成されている。接続部42は、第1支持部材11と第2支持部材12の間に配置される。接続部42における軸受ハウジング41とは反対側の端部、すなわち半径方向の外側の端部は、第1支持部材11に固定された複数の第1固定子14A及び第2支持部材12に固定された複数の第2固定子14Bよりも半径方向の外側に配置される。そして、接続部42の半径方向の外側の端部は、第1支持部材11の側壁部26と第2支持部材12の側壁部36の間に配置される。この接続部42の半径方向の外側の端部には、回転子支持部43が設けられている。
回転子支持部43は、略円筒状に形成されており、接続部42の端部から第1の方向Xの両側に向けて突出している。また、回転子支持部43は、第1支持部材11及び第2支持部材12に取付部25、35よりも半径方向の外側に配置される。そして、回転子支持部43の内壁面43aは、第1支持部材11の取付部25の外周面25a及び第2支持部材12の取付部35の外周面35aと対向する。
また、回転子支持部43の内壁面43aには、複数の第1回転子15Aと複数の第2回転子15Bが固定されている。複数の第1回転子15Aは、回転子支持部43における第1の方向Xの一端部側に配置されて、複数の第1固定子14Aと対向する。複数の第2回転子15Bは、回転子支持部43における第1の方向Xの他端部側に配置されて、複数の第2固定子14Bと対向する。
また、内壁面43aには、複数の第1回転子15A及び第2回転子15Bの周方向の位置決めを行う第2位置決め部47が形成されている。第2位置決め部47及び第1回転子15A、第2回転子15Bの詳細な構成については後述する。
回転子支持部43の外周面43bは、筐体2よりも半径方向の外側に配置されている。回転子支持部43の外周面43bには、綱車5が固定されている。綱車5は、円環状に形成されている。この綱車5には、エレベーターにおける乗りかごや釣合おもり等の昇降体に接続されたロープが巻き掛けられる。そして、巻上機10が駆動することで、綱車5が回転し、綱車5に巻き掛けられたロープが移動する。
本例の巻上機10によれば、回転子15A、15Bが固定された回転体6を筐体2によって回転可能に支持している。これにより、巻上機10に加わる荷重を支持する主軸3の第1の方向Xの長さを短くすることができ、巻上機10全体の小型化を図ることができる。
さらに、1つの巻上機10に第1モータ7と第2モータ8の2つのモータを構成することができ、薄型で大きなトルクを得ることができる。
ここで、従来の巻上機では、筐体及び回転体を主軸から取り外すと、筐体と回転体が分離し、固定子と回転子も分離していた。そのため、従来の巻上機では、固定子と回転子との位置合わせ作業が煩雑なものとなっていた。さらに、分解状態での搬送作業が困難なものとなっていた。
これに対して、本例の巻上機10では、筐体2から主軸3を分解しても、筐体2と回転体6は分離しない。そのため、固定子14A、14Bと回転子15A、15Bが対向した状態で主軸3の着脱作業を行うことができ、巻上機10の組立作業を容易に行うことができる。
また、巻上機ユニット50の回転要素である回転体6における第1の方向Xの両側には、固定要素である筐体2における第1支持部材11と第2支持部材12が配置されている。これにより、巻上機ユニット50の第1の方向Xの両側に他の部材を配置しても、回転体6の回転動作に影響を与えることがない。その結果、巻上機ユニット50から主軸3を取り外した状態で、巻上機ユニット50を容易に搬送することができる。
1-3.固定子及び回転子の位置決めの構成例
次に、固定子14A、14B及び回転子15A、15Bの位置決めの構成について図7を参照して説明する。
図7は、第1モータを示す側面図である。
図7に示すように、第1固定子14Aは、複数のコイル61と、円環状の固定子コア62とを有している。複数のコイル61は、固定子コア62に周方向に沿って配置され、固定子コア62に固定されている。固定子コア62としては、鉄損低減の観点から積層鋼板等で構成される。
固定子コア62には、複数の固定子側位置決め部62aと、複数の固定用のボルト挿通穴62bが形成されている。複数の固定子側位置決め部62aは、固定子コア62の内壁面に形成された凹部である。そして、複数の固定子側位置決め部62aは、固定子コア62の周方向に沿って所定の間隔を空けて形成されている。固定子側位置決め部62aは、取付部25の外周面25aに形成された第1位置決め部27と嵌合する。これにより、固定子コア62における取付部25に対する周方向への移動が規制される。
第1位置決め部27は、取付部25の外周面25aから突出する凸部である。また、第1位置決め部27は、取付部25の周方向に沿って所定の間隔を空けて複数設けられている。第1位置決め部27と固定子側位置決め部62aを嵌合させることで、取付部25に対する第1固定子14Aの周方向の位相が所定の位置に設定される。そして、ボルト挿通穴62bに固定ボルトを挿入することで、第1固定子14Aが第1支持部材11の取付部25に固定される。
なお、第2固定子14B及び第2支持部材12の第1位置決め部27の構成も同一であるため、その説明は省略する。
第1回転子15Aは、複数の磁石71と、円環状の回転子コア72とを有している。複数の磁石71は、回転子コア72の内壁面に固定されている。また、複数の磁石71は、回転子コア72の周方向に沿って所定の間隔を空けて固定されている。回転子コア72としては、固定子コア62と同様に、鉄損低減の回転から積層鋼板等で構成される。
回転子コア72には、複数の回転子側位置決め部72aと、複数の固定用のボルト挿通穴72bが形成されている。複数の回転子側位置決め部72aは、回転子コア72の外周面に形成された凹部である。そして、複数の子側位置決め凹部72aは、回転子コア72の周方向に沿って所定の間隔を空けて形成されている。回転子側位置決め部72aは、回転子支持部43の内壁面43aに形成された第2位置決め部47と嵌合する。これにより、回転子コア72における回転子支持部43に対する周方向への移動が規制される。
第2位置決め部47は、回転子支持部43の内壁面43aから突出する凸部である。また、第2位置決め部47は、回転子支持部43の周方向に沿って所定の間隔を空けて複数設けられている。第2位置決め部47と回転子側位置決め部72aを嵌合させることで、回転体6に対する第1回転子15Aの周方向の位相が所定の位置に設定される。そして、ボルト挿通穴72bに固定ボルトを挿入することで、第1回転子15Aが回転子支持部43に固定される。
なお、第2回転子15Bの構成も同一であるため、その説明は省略する。
また、第1位置決め部27及び第2位置決め部47を凸部として、固定子側位置決め部62a及び回転子側位置決め部72aを凹部としたが、これに限定されるものではない。例えば、第1位置決め部27及び第2位置決め部47を凹部として、固定子側位置決め部62a及び回転子側位置決め部72aを凸部としてもよい。
なお、固定子14A、14B及び回転子15A、15Bの周方向の位置決めは、上述した構成に限定されるものではない。例えば、下記に示す図8及び図9に示す第1モータのような構成を適用してもよい。
図8は、第1モータの他の例を示す側面図である。
図8に示すように、固定子コア62Aには、複数の固定子側位置決め部62cと、複数の固定用のボルト挿通穴62bが形成されている。複数の固定子側位置決め部62cは、固定子コア62Aの内壁面に形成されたキー溝である。そして、複数の固定子側位置決め部62cは、固定子コア62Aの周方向に沿って所定の間隔を空けて形成されている。
また、取付部25Aの外周面25aには、複数の第1位置決め部27Aが形成されている。複数の第1位置決め部27Aは、取付部25の周方向に沿って所定の間隔を空けて形成されている。また、第1位置決め部27Aは、固定子側位置決め部62cと同様に、キー溝である。
複数の固定子側位置決め部62cと複数の第1位置決め部27Aを対向させ、固定子側位置決め部62cと第1位置決め部27Aにキーピン63を挿入することで、取付部25に対する第1固定子14Aの周方向の位相が所定の位置に設定される。
また、回転子コア72Aには、複数の回転子側位置決め部72cと、複数の固定用のボルト挿通穴72bが形成されている。複数の回転子側位置決め部72cは、回転子コア72Aの内壁面に形成されたキー溝である。そして、複数の回転子側位置決め部72cは、回転子コア72Aの周方向に沿って所定の間隔を空けて形成されている。
また、回転子支持部43Aの内壁面43aには、複数の第2位置決め部47Aが形成されている。複数の第2位置決め部47Aは、回転子支持部43の周方向に沿って所定の間隔を空けて形成されている。また、第2位置決め部47Aは、回転子側位置決め部72cと同様に、キー溝である。
複数の回転子側位置決め部72cと複数の第2位置決め部47Aを対向させ、回転子側位置決め部72cと第2位置決め部47Aにキーピン73を挿入することで、回転子支持部43Aに対する第1回転子15Aの周方向の位相が所定の位置に設定される。
図9は、第1モータの他の例を示す側面図である。
図9に示すように、固定子コア62Bには、複数の第1固定子側位置決め部62dと、複数の第2固定子側位置決め部62eと、複数の固定用のボルト挿通穴62bが形成されている。
複数の第1固定子側位置決め部62d及び第2固定子側位置決め部62eは、固定子コア62Bの内壁面に形成された凹部である。また、第1固定子側位置決め部62dと第2固定子側位置決め部62eは、固定子コア62Bの周方向に所定の角度θscを空けて配置されている。
第1固定子側位置決め部62dと第2固定子側位置決め部62eを1組として、固定子コア62Bの内壁面には、複数組の第1固定子側位置決め部62dと第2固定子側位置決め部62eが周方向に所定の間隔を空けて形成されている。第1固定子側位置決め部62d及び第2固定子側位置決め部62eのうち一方に、第1位置決め部27が嵌合する。
また、回転子コア72Bには、複数の第1回転子側位置決め部72dと、複数の第2回転子側位置決め部72eと、複数の固定用のボルト挿通穴72bが形成されている。
複数の第1回転子側位置決め部72d及び第2回転子側位置決め部72eは、回転子コア72Bの外周面に形成された凹部である。また、第1回転子側位置決め部72dと第2回転子側位置決め部72eは、回転子コア72Bの周方向に所定の角度θrcを空けて配置されている。
第1回転子側位置決め部72dと第2回転子側位置決め部72eを1組として、回転子コア72Bの外周面には、複数組の第1回転子側位置決め部72dと第2回転子側位置決め部72eが周方向に所定の間隔を空けて形成されている。第1回転子側位置決め部72d及び第2回転子側位置決め部72eのうち一方に、第2位置決め部47が嵌合する。
また、複数の固定用のボルト挿通穴62b、72bも、1組の固定子側位置決め部62d、62e及び回転子側位置決め部72d、72eの数に合わせて、2つずつ形成されている。これにより、取付部25や回転子支持部43に固定用ねじ穴を2つ並べて形成する必要がなく製造性が向上する。
なお、図9に示す例では、1組の固定子側位置決め部及び回転側位置決め部の数を2つとした例を説明したが、これに限定されるものではない。1組の固定子側位置決め部及び回転側位置決め部の数は、3つ以上でもよい。そして、1組のボルト挿通穴62b、72bの数は、1組の固定子側位置決め部及び回転側位置決め部の数に合わせて形成される。
1-4.第1モータの第2モータの周方向の位置関係
次に、上述した構成を有する第1モータ7及び第2モータ8の位置関係について図10及び図11を参照して説明する。
図10は、第1モータ7及び第2モータ8の周方向の位置関係を示す斜視図、図11は、第1モータ7及び第2モータ8の周方向の位置関係の他の例を示す斜視図である。
図10に示すように、第1モータ7の固定子側位置決め部62aと、第2モータ8の固定子側位置決め部62aにおける周方向の位相は等しく設定されている。そのため、第1固定子14Aと第2固定子14Bを第1支持部材11及び第2支持部材12に取り付けた際、第1固定子14Aと第2固定子14Bの周方向の位相は等しくなる。
これに対して、第1モータ7の回転子側位置決め部72aと、第2モータ8の回転子側位置決め部72aは、周方向に対して角度θmだけずれて形成されている。そのため、第1回転子15Aと第2回転子15Bを回転子支持部43に取り付けた際に、第1回転子15Aと第2回転子15Bには、周方向に対して機械角的な位相差(以下、機械的位相差と称す)θmが生じる。
また、図11に示す例では、第1モータ7の回転子側位置決め部72aと、第2モータ8の回転子側位置決め部72aにおける周方向の位相は等しく設定されている。そのため、第1回転子15Aと第2回転子15Bを回転子支持部43に取り付けた際、第1回転子15Aと第2回転子15Bの周方向の位相は等しくなる。
これに対して、第1モータ7の固定子側位置決め部62aと、第2モータ8の固定子側位置決め部62aは、周方向に対して角度θmだけずれて形成されている。そのため、第1固定子14Aと第2固定子14Bを第1支持部材11及び第2支持部材12に取り付けた際に、第1固定子14Aと第2固定子14Bには、周方向に対して機械的位相差θmが生じる。
なお、図10及び図11に示す例では、固定子14A、14Bと回転子15A、15Bのうち片側だけ機械的位相差θmを設ける例を説明したが、これに限定されるものではなく、固定子14A、14Bと回転子15A、15Bの両方向に位相差を設けてもよい。すなわち、第1固定子14Aと第2固定子14Bの位相差と、第1回転子15Aと第2回転子15Bの位相差の差によって、固定子14A、14Bと回転子15A、15B間の相対的な機械的位相差θmが決定される。
1-5.モータに生じるトルク変動成分
次に、モータに生じるトルクについて説明する。モータのトルク変動成分には、コイルに電流が流れていないとき、すなわちモータがトルクを発生していないときに生じるコギングトルクと、モータがトルクを発生するときに生じるトルクリプルがある。一般的に、コギングトルクは、モータの極数(磁石の磁極の数)Pと、ステータ数(コイルの数)Sの最小公倍数Cとした際に、機械角C次(電気角2C/P次)成分とその倍数次が主となる。これをスロットコンビネーションによるコギングトルクと呼ぶ。
そのほかにも、回転子磁石の配置や残留磁束密度のばらつきによって生じる機械角S次(電気角2S/P次)成分と、固定子の先端形状のばらつきによって生じる機械角P次(電気角2次)成分などが生じる。
また、トルクリプルは、永久磁石の起磁力によりコイルに鎖交する磁束の高調波成分によって電気角6次の倍数で発生する。
また、エレベーターで用いられる巻上機では、昇降機の乗り心地の悪化を防ぐためにトルク変動成分を小さくすることが求められている。特に低次のトルク変動成分は昇降機の系全体の共振を引き起こしやすい。
したがって、コギングトルクの次数が電気角12次と比較的高く、かつ永久磁石の利用率を示す巻線係数が0.933と他の組み合わせよりも高いP:S=10:12または14:12系列がよく用いられる。そのほか、コギングトルクの次数が電気角18次であり、巻線係数が0.945となるP:S=8:9または10:9系列もよく用いられている。
また、極数Pとスロット数Sを多くすることで回転子不整による機械角S次、固定子不整による機械角P次の次数を高めることができる。さらに、極数Pとスロット数Sを増やすことで、磁石71の厚みを薄くしても減磁耐力を向上できる効果がある。そのため、極数Pとスロット数Sは、できるだけ大きくすることが望ましいが、大きくしすぎると組み立てコストが増大するため、コストと性能のバランスをもって極数Pとスロット数Sを選択することが望ましい。
1-5.位相差θmの設定例
次に、位相差θmの設定例について図12を参照して説明する。
第1モータ7と第2モータ8の電気的な位相差(以下、電気的位相差と称す)θeは、機械的位相差θmから、θe=P/2×θmである。また、電気角K次のトルク変動についてθe=(180+360m)/Kとすると(ここで、mを任意の整数である)、トルク変動成分の位相が第1モータ7と第2モータ8で180°ずれるため、トルク脈動を低減することができる。したがって、機械的位相差θmを適切に設定することで、任意の次数のトルク変動を選択的に消去できる。
例えば、各成分において、トルク変動の低減をθe=0°の場合と比較して、50%以下に設定する場合、電気的位相差θeが(30+60m)度(mは、任意の整数)に対して、±5度以内とすれば電気角6次トルクリプルを低減することができる。また、電気角θeが(90+180m)度に対して±15度以内であれば、固定子不整によるコギングトルクを低減することができる。
さらに、電気的位相差θeが{(180+360m)/(2S/P)}度に対して±{180/(2S/P)/6}度以内であれば、回転子不整によるコギングトルクを低減することができる。また、電気角θeが{(180+360m)/(2C/P)}度に対して±{180/(2C/P)/6}度以内であれば、スロットコンビネーションによるコギングトルクを低減できる。
しかしながら、上述した通りトルク脈動には、複数の次数の成分が含まれるため、一つのトルク変動成分を低減した場合、他のトルク変動成分が増加するおそれがある。そのため、これらを考慮した位相差θm(θe)を選択する必要がある。
図12は、電気的位相差θeに対する各種コギングトルク及びトルクリプルの変動を示す図である。
図12に示す横軸は、電気的位相差θe=P/2×θmを示し、縦軸は各種コギングトルク及びトルクリプルの変動の大きさを示しており、θe=0°のときのトルクの大きさを1としている。また、図12に示す図では、極数P:スロット数S=10:12のモータのトルク変動成分を示している。トルクリプルTR1は発生する6の倍数次のうち最も低次である電気角6次を示している。極数Pとスロット数Sの最小公倍数Cは60であるため、スロットコンビネーションによるコギングトルクTc1は電気角12次、回転子不整によるコギングトルクTa1は電気角2.4次、固定子不整によりコギングトルクTB1は、電気角2次となる。
そして、図12に示す図から、電気的位相差θeが75°<θe<85°の範囲であれば、トルクリプルTR1とスロットコンビネーションによるコギングトルクTC1のどちらかを半分の50%以下にすることができる。また、回転子不整によるコギングトルクTA1と固定子不整によるコギングトルクTB1の両方を30%以下にすることができる。この設定した電気的位相差θeに基づいて、固定子14A、14Bと回転子15A、15B間の相対的な機械的位相差θmを設定する。
1-6.位相差によるトルク低下の抑制
次に、固定子14A、14Bと回転子15A、15B間の相対的な電気的位相差θe(θm)によるトルク低下の抑制方法について図13から16Bを参照して説明する。
図13は、極数P:スロット数S=10:12である第1モータ7のコイル61と磁石71の配置例を示す図である。図13に示す矢印や、磁石71の磁極の方向を示している。また、図14は、図13に示す第1モータ7のコイル61の鎖交磁束ベクトルを示す図である。
図13に示すように、複数の磁石71は、回転子コア72の周方向に沿って、N極とS極が交互に配置される。図14に示すように、極数Pとスロット数Sの比が10:12であるモータでは、ティースの極ピッチが180×P/S=150°である。したがって、#1コイル61に対して、#2コイル61の位相は150°進んでいる。すなわち、隣り合うコイル61に対して位相が150°ずつ進んでいる。
コイル61は、下記式1で算出される間隔θcを空けて配置されている。
[式1]
θc=360×D/S=30°Dは、極対数P/2とスロット数Sの最大公約数である。
そして、コイル61の鎖交磁束ベクトルの位相間隔もθc=30°ずつ空いている。
また、#1~#12までのコイル61は、鎖交磁束ベクトルの位相が隣り合うコイル61、61同士を直列に結線することで、互いに位相が120°ずれたU相、V相、W相の三相巻線を構成している。図13及び図14に示すように、例えば、#1コイル61と#8コイル61をU+、#2コイル61と#7コイルをU-、#3コイル61と#10コイル61をV-、#4コイル61と#9コイル61をV+とする。そして、#5コイル61と#12コイルをW+、#6コイル61と#11コイルをW-とする。なお、#13以降のコイル61は、#1~#12のコイルの繰り返しとなる。
図15は、第1モータ7と第2モータ8におけるコイル61の鎖交磁束のベクトルを示す図である。図15に示す例では、第1モータ7と第2モータ8の電気的位相差θeを80°として場合を示している。そして、第1モータ7のコイル61の鎖交磁束ベクトルを実線で示し、第2モータ8のコイル61の鎖交磁束ベクトルを破線で示している。
ここで、第1モータ7と第2モータ8の両方のコイル61における#1コイル61と#8コイル61をU1、#2コイル61と#7コイルをU-、#3コイル61と#10コイル61をV-に結線する。また、#4コイル61と#9コイル61をV+、#5コイル61と#12コイルをW+、#6コイル61と#11コイルをW-に結線する。この場合、第1モータ7と第2モータ8のUVW各相の鎖交磁束ベクトルの位相は、80°異なる。
また、第1モータ7と第2モータ8を別々の電源で駆動した場合、第1モータ7と第2モータ8にそれぞれに流す電流に位相差θs=θeをつけることで、電気的にコイル61の位相をずらすことができ、トルクの低下を抑えることができる。しかしながら、2台の電源が必要となるため、コストが増加する。
一方、一つの同じ電源で第1モータ7と第2モータ8を駆動した場合、電流の位相差をモータ7、8ごとに制御することができない。そのため、2つのモータ7、8の誘起電圧と、電流の位相を同時に揃えることができず、トルクが低下する。特に、低次のトルク変動を低減する場合、上述した図12に示すように、電気的位相差θeを大きくする必要があるため、トルクが大幅に低下する。
また、第1モータ7と第2モータ8を並列結線し、一つの同じ電源で駆動する場合、誘起電圧の位相差によって第1モータ7と第2モータ8の間を循環する電流が発生し、モータ効率が悪化する。第1モータ7と第2モータ8を直列結線する場合、循環電流は原理上流れなくなる。しかしながら、第1モータ7及び第2モータ8のうちいずれか一方で、電源接続用の口出線の3本に加え、他のモータへの接続用の口出線がさらに3本必要となる。その結果、第1モータ7と第2モータ8とで結線作業が異なり、かつ口出線の本数が増加するため、巻上機10の組立性が悪化する。
次に、一つの電源で第1モータ7と第2モータ8を駆動し、かつ電気的位相差θeを大きく設定した場合でも、トルク減少の抑制と並列結線次の循環電流の増加を低減する方法について説明する。
上述したように、モータ7、8のコイル61の間隔θcは、θc=(360×D/S)°で等間隔に配置されている。そのため、UVWの各相に割り当てるコイル61の位置を変更することで、コイル61の鎖交磁束ベクトルの位相を電気的に、θs=(360n×D/S)°(nは任意の整数)だけずらすことができる。
したがって、電気的位相差θeに対して、第1モータ7のコイル61と、第2モータ8のコイル61の位相差θsが最も近くなるnを選択し、UVW相に結線する第2モータ8のコイル61を変更する。これにより、電気的位相差θeによるトルクの減少と循環電流の増加を低減することができる。
図16A及び図16Bは、第2モータ8のコイルの位相を位相差θs=90°だけずらした際の、第1モータ7及び第2モータ8の配置と結線状態を示すもので、図16Aは第1モータ7を示し、図16Bは第2モータ8を示している。図15、図16A及び図16Bに示す例では、n=3を選択し、位相差θsを90°に設定している。
図15、図16A及び図16Bに示すように、第2モータ8の#1コイル61及び#6コイル61は、第1モータ7の#4コイル61及び#9コイル61と同じV+に結線される。また、第2モータ8の#2コイル61及び#9コイル61は、第1モータ7の#5コイル61及び#12コイル61と同じW+に結線される。第2モータ8の#3コイル61及び#8コイル61は、第1モータ7の#6コイル61及び#11コイルと同じW-に結線される。
また、第2モータ8の#4コイル61及び#11コイル61は、第1モータ7の#7コイル及び#2コイル61と同じU-に結成され、第2モータ8の#5コイル61及び#10コイル61は、第1モータ7の#8コイル61及び#1コイル61と同じU+に結線される。また、第2モータ8の#7コイル61及び#12コイル61は、第1モータ7の#3コイル61及び#10コイル61と同じV-に結線される。
また、図15に示すように、第1モータ7においてV+に結線される#4コイル61及び#9コイル61の鎖交磁束ベクトルと、第2モータ8においてV+に結線される#1コイル61及び#6コイル61の鎖交磁束ベクトルの位相は、θs-θeとなる。ここで、位相差θs=90°、電気的位相差θe=80°であるため、コイル61の鎖交磁束ベクトルの位相差は、10°となる。なお、他の相でも同様であるため、第1モータ7と第2モータ8間のUVW各相におけるコイル61の鎖交磁束ベクトルの位相差をθe=80°から10°まで低減することができる。
上述したように、任意の電気的位相差θeに対して、UVW各相における鎖交磁束ベクトルの位相差を最小にする位相差θsを求めることで、トルクの低減を抑制することができる。すなわち、第2モータ8のコイル61を、第1モータ7のコイル61のうち鎖交磁束ベクトルが最も近いコイル61と同じ相に結線させる。また、結線の変更による鎖交磁束ベクトルの位相は、コイル61の間隔θc=(360×D/S)°の範囲で設定される。そのため、第1モータ7と第2モータ8のUVW各相における鎖交磁束ベクトルの位相差は、θc/2以下となる。
[比較]
次に、上述した方法により第2モータ8のコイル61の結線を変更した本例の巻上機10と、コイル61の結線を変更していない巻上機(比較例)とのトルク変動及び循環電流の大きさを違いについて図17A及び図17Bを参照して説明する。なお、図17A及び図17Bは、極数とスロット数の比が10:12であるモータである。
図17Aはトルク変動を示し、図17Bは第1モータ7と第2モータ8を並列結線した場合の循環電流の大きさを示す図である。また、図17A及び図17Bに示す横軸は、電気的位相差θeを示す。そして、図17Aに示す縦軸は、トルク変動の大きさを示しており、θe=0°のときのトルクの大きさを1としている。図17Bに示す縦軸は、循環電流の大きさを示し、循環電流が最大となるθe=180°のときを1としている。
コイル61の結線を変更しない場合(比較例)、電気的位相差θeに対してトルクは、下記式2により算出される
[式2]
T=|cos(θe/2)|
また、コイル61の結線を変更しない比較例における、並列結線時の循環電流の大きさIcは、下記式3で表される。
[式3]
Ic=|sin(θe/2)|
これに対して、コイル61の結線をθsがθeに最も近くなるように変更した本例の巻上機10の場合、第1モータ7と第2モータ8の鎖交磁束ベクトルの位相差θdは下記の式4で表される。
[式4]
θd=mod(θe,θc)-θc/2
ただし、mod(A,B)はAをBで除算した際の余りである。よって、コイル61の結線を最適に選んだ場合のθeに対するトルクは、下記式5で表される。
[式5]
T=|cos(mod(θe,θc)-θc/2)|
また、コイルの結線をθsがθeに最も近くなるように変更した本例の巻上機10における並列結線時の循環電流の大きさIcは、下記式6で表される。
[数6]
Ic=|sin(mod(θe,θc)-θc/2)|
図17Aに示すように、比較例N1は、θe=80°の場合、θe=0°と比較して、トルクが約23%低下する。また、図17Bに示すように、比較例N2は、θe=80°の場合、最大値となるθe=180°に対して、循環電流が約64%まで増加する。
これに対して、図17Aに示すように、本例M1は、θe=80°の場合、θe=0°と比較して、トルクの低下が約1.5%に抑制されている。さらに、図17Bに示すように、本例M2は、θe=80°の場合、最大値となるθe=180°に対して、循環電流は約17%程度に抑制されている。
さらに、図17A及び図17Bに示すように、例えば、電気的位相差θeを90°に設定した場合、本例の巻上機10では、トルクの低下率及び循環電流を0%とすることができる。さらに、図12に示すように、本例の巻上機10は、6次トルクリプルTR1と固定子不整によるコギングトルクTB1を0%にすることができ、回転子不整によるコギングトルクTA1を40%以下にすることができる。
1-7.変形例
次に、モータの極数Pとスロット数Sの比を8:9に設定した変形例にかかる巻上機について図18、図19A及び図19Bを参照して説明する。
図18は、変形例にかかるモータの位相差に対する各種コギングトルク及びトルクリプルの変動を示す図である。図12と同様に、図18に示す横軸は、電気的位相差θe=P/2×θmを示し、縦軸は各種コギングトルク及びトルクリプルの変動の大きさを示しており、θe=0°のときのトルクの大きさを1としている。
極数Pとスロット数Sの比を8:9のモータにおける上記式1より複数のコイル61の間隔θcは、上記式1より40°であり、コイル61の鎖交磁束ベクトルの位相間隔もθc=40°ずつ空いている。
また、極数Pとスロット数Sの最小公倍数Cは72であるため、スロットコンビネーションによるコギングトルクTC2は電気角18次、回転子不整によるコギングトルクTA2は電気角2.25次、固定子不整によりコギングトルクTB2は、電気角2次となる。トルクリプルTR2は発生する6の倍数次のうち最も低次である電気角6次を示している。
図18に示すように、電気的位相差θeを80°<θe<100°の範囲に設定すれば、トルクリプルTR2及びスロットコンビネーションによるコギングトルクTC2を半分の50%以下に低減することができる。また、回転子不整によるコギングトルクTA2及び固定子不整によるコギングトルクTB2も半分の50%以下に低減することができ、すなわち全てのトルク変動を50%以下に低減することができる。
次に、コイル61の結線を変更した変形例にかかる巻上機と、コイル61の結線を変更していない比較例にかかる巻上機とのトルク変動及び循環電流の大きさを違いについて図19A及び図19Bを参照して説明する。
図19Aは、トルク変動を示す図である。図19Bは第1モータ7と第2モータ8を並列結線した場合の循環電流の大きさを示す図である。また、図19A及び図19Bに示す横軸は、電気的位相差θeを示す。そして、図19Aに示す縦軸は、トルク変動の大きさを示しており、θe=0°のときのトルクの大きさを1としている。図19Bに示す縦軸は、循環電流の大きさを示し、循環電流が最大となるθe=180°のときを1としている。
図19Aに示すように、比較例N3は、θe=90°の場合、θe=0°と比較して、トルクが約29%低下している。また、図19Bに示すように、比較例N4は、θe=90°の場合、最大値となるθe=180°に対して、循環電流が約71%まで増加している。
これに対して、図19Aに示すように、変形例M3は、θe=90°の場合、θe=0°と比較して、トルクの低下が約3.5%に抑制されている。さらに、図19Bに示すように、変形例M4は、θe=90°の場合、最大値となるθe=180°に対して、循環電流は約26%程度に抑制されている。
さらに、図19A及び図19Bに示すように、例えば、電気的位相差θeを80°に設定した場合、変形例にかかる巻上機は、トルクの低下率及び循環電流を0%とすることができる。さらに、図18に示すように、変形例にかかる巻上機は、6次トルクリプルTR2を40%以下、固定子不整によるコギングトルクTB2を30%以下にすることができ、回転子不整によるコギングトルクTA2を0%にすることができる。
2.第2の実施の形態例
次に、図20から図21を参照して第2の実施の形態例にかかる巻上機について説明する。
図20は、第2の実施の形態例にかかる巻上機を示す断面図、図21は、第2の実施の形態例にかかる巻上機における各モータの位置関係を示す斜視図である。
この第2の実施の形態例にかかる巻上機が、第1の実施の形態例にかかる巻上機10と異なる点は、巻上機ユニットを複数設けた点である。なお、第1の実施の形態例にかかる巻上機10と共通する部分には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図20に示すように、巻上機220は、一対の架台221、221と、主軸223と、3つの巻上機ユニット50A、50B、50Cとを有している。なお、3つの巻上機ユニット50A、50B、50Cは、それぞれ第1の実施の形態例にかかる巻上機ユニット50と同一の構成を有している。
一対の架台221、221は、主軸223の第1の方向Xの一端部と他端部に対向して配置されている。また、架台1には、主軸223を支持する支持部224が設けられている。支持部224は、主軸223の第1の方向Xの端部を支持する。また、支持部224には、主軸223を固定するキープレート224aが設けられている。主軸223は、キープレート224aにより回転及び第1の方向Xへの移動が規制される。
第1巻上機ユニット50Aは、主軸223の第1の方向Xの一端部側に配置され、第3巻上機ユニット50Cは、主軸223の第1の方向Xの他端部側に配置されている。そして、第2巻上機ユニット50Bは、第1巻上機ユニット50Aと第3巻上機ユニット50Cの間に配置されている。
3つの巻上機ユニット50A、50B、50Cを主軸223の第1の方向Xに沿って並べて配置した際、各巻上機ユニット50A、50B、50Cの軸部13の筒孔13aが主軸223の第1の方向Xと平行に直線状に連通する。主軸223は、3つの巻上機ユニット50A、50B、50Cの軸部13の筒孔13aに挿入される。そして、巻上機ユニット50A、50B、50Cの筐体2は、固定部材17A、17B、17Cにより共通する一つの主軸223に固定される。
ここで、上述したように、巻上機ユニット50は、回転要素である回転体6は、固定要素である筐体2における第1支持部材11と第2支持部材12で挟まれている。そして、巻上機ユニット50の第1の方向Xの両側は、固定要素である第1支持部材11及び第2支持部材12であるため、巻上機ユニット50の第1の方向Xの両側に他の部材を配置しても、回転体6の回転動作に影響を与えることがない。
これにより、第1巻上機ユニット50Aと第2巻上機ユニット50Bを近接して配置することができ、第2巻上機ユニット50Bと第3巻上機ユニット50Cを近接して配置することができる。これにより、3つの巻上機ユニット50A、50B、50Cを貫通する主軸223の第1の方向Xの長さを短くすることができ、巻上機220全体の小型化を図ることができる。
また、第1巻上機ユニット50Aの第2支持部材12と第2巻上機ユニット50Bの第1支持部材11は、筐体結合部材311により結合されている。そして、第1巻上機ユニット50Aの回転体6と、第2巻上機ユニット50Bの回転体6は、筐体2から露出している回転子支持部43において、回転体結合部材312により結合されている。
さらに、第2巻上機ユニット50Bの第2支持部材12と第3巻上機ユニット50Cの第1支持部材11は、筐体結合部材313により結合されている。そして、第2巻上機ユニット50Bの回転体6と、第3巻上機ユニット50Cの回転体6は、筐体2から露出している回転子支持部43において、回転体結合部材314により結合されている。これにより、3つの巻上機ユニット50A、50B、50Cの回転体6は、一体となって回転する。
3つの巻上機ユニット50A、50B、50Cの回転体6を結合することで、巻上機310のトルクを容易に増加させることができる。さらに、巻上機ユニット50の数は、3つに限定されるものではなく、要求されるトルクや昇降体の積載量、荷重に応じて適宜設定される。
図21は、各巻上機ユニット50A、50B、50Cのモータ7A、8A、7B、8B、7C、8Cの周方向の位置関係を示す斜視図である。
図21に示すように、第1巻上機ユニット50Aにおける第1モータ7Aと第2モータ8Aは、周方向に機械的にモータ間位相差θmを設けて配置されている。なお、第2巻上機ユニット50Bにおける第1モータ7Bと第2モータ8B、第3巻上機ユニット50Cにおける第1モータ7Cと第2モータ8Cも周方向にモータ間位相差θmを設けて配置されている。
さらに、第1巻上機ユニット50Aの第1モータ7Aと第2巻上機ユニット50Bの第1モータ7Bは、周方向に機械的にユニット間位相差θhを設けて配置されている。同様に、第2巻上機ユニット50Bの第1モータ7Bと第3巻上機ユニット50Cの第1モータ7Cは、周方向に機械的にユニット間位相差θhを設けて配置されている。
モータ間位相差θmとユニット間位相差θhの角度は、等しくてもよく、あるいは異なっていてもよい。なお、トルク変動の抑制の観点から、モータ間位相差θmとユニット間位相差θhは、異なる角度に設定することが好ましい。
なお、第1モータ7A、7B、7Cと、第2モータ8A、8B、8Cの形状は、すべて等しく形成されている。また、第1モータ7A、7B、7Cと、第2モータ8A、8B、8Cの極数Pとスロット数Sの比が10:12である場合、モータ間位相差θmを90°とすることで、6次トルクリプルと固定子不整によるコギングトルクを0%にすることができる。さらに、ユニット間位相差θhを75°とすることで、スロットコンビネーションによるコギングトルクと回転子不整によるコギングトルクを0%にすることができる。
また、各巻上機ユニット50A、50B、50Cにおけるモータ間位相差θmをそれぞれ異なる角度に設定してもよい。さらに、第1巻上機ユニット50Aの第1モータ7Aと第2巻上機ユニット50Bの第1モータ7Bのユニット間位相差θhと、第2巻上機ユニット50Bの第1モータ7Bと第3巻上機ユニット50Cの第1モータ7Cのユニット間位相差θhを異なる角度に設定してもよい。
また、各巻上機ユニット50A、50B、50Cのモータ7A、8A、7B、8B、7C、8Cのコイル61は、電気的に位相差θsだけずらして配置されて、コイル61の結線が所定の位置に変更されている。
その他の構成は、第1の実施の形態例にかかる巻上機10と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する巻上機310によっても、上述した第1の実施の形態例にかかる巻上機10と同様の作用効果を得ることができる。
なお、上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
なお、本明細書において、「平行」及び「直交」等の単語を使用したが、これらは厳密な「平行」及び「直交」のみを意味するものではなく、「平行」及び「直交」を含み、さらにその機能を発揮し得る範囲にある、「略平行」や「略直交」の状態であってもよい。
1…架台、 2…筐体、 3…主軸、 4…支持部、 4a…キープレート、 5…綱車、 5a…第1制動面、 5b…第2制動面、 6…回転体、 7…第1モータ、 8…第2モータ、 10…巻上機、 11…第1支持部材、 12…第2支持部材、 13…軸部、 13a…筒孔、 13b…外周面、 13c…軸側位置決め穴、 14、14A…固定子、 15、15B…回転子、 17…固定部材、 19…位置決めピン、 22…取付凹部、 22a…内面、 23、33…側面部、 24…第1固定子支持部、 25、35…取付部、 25a、35a…外周面、 26…側壁部、 27…第1位置決め部、 33c…筐体側位置決め孔、 34…第2固定子支持部、 41…軸受ハウジング、 41a…支持孔、 42…接続部、 43…回転子支持部、 43a…内壁面、 43b…外周面、 46…軸受、 47…第2位置決め部、 50、50A、50B、50C…巻上機ユニット、 61…コイル、 62…固定子コア、 71…磁石、 72…回転子コア、 100、200…エレベーター、 110…乗りかご(昇降体)、 130…釣合おもり(昇降体)、 140…主ロープ、 170…速度センサ、 311、312、313、314…結合部材、 θm…機械的位相差・モータ間位相差、 θe、θs…電気的位相差、 θh…ユニット間位相差

Claims (8)

  1. 主軸と、
    前記主軸に着脱可能に取り付けられる巻上機ユニットと、を備え、
    前記巻上機ユニットは、
    前記主軸が挿入される筒孔を有し、前記主軸に固定される軸部と、
    前記軸部の軸方向の一端部に配置される第1支持部材と、
    前記第1支持部材に固定された第1固定子と、
    前記軸部の軸方向の他端部に配置される第2支持部材と、
    前記第2支持部材に固定された第2固定子と、
    前記軸部に回転可能に支持される回転体と、
    前記回転体に固定され、前記第1固定子と対向し、前記第1固定子と共に第1モータを構成する第1回転子と、
    前記回転体に固定され、前記第2固定子と対向し、前記第2固定子と共に第2モータを構成する第2回転子と、
    前記回転体の半径方向の外側の外周面に取り付けられる綱車と、
    を有し、
    前記第2固定子又は前記第2回転子は、前記第1固定子又は第1回転子に対して周方向に機械的に所定の位相差をもってずらして配置される
    巻上機。
  2. 前記第1支持部材及び前記第2支持部材は、前記第1固定子及び前記第2固定子が固定される円筒状の取付部を有し、
    前記取付部には、前記第1固定子及び前記第2固定子の周方向の位置決めを行う第1位置決め部がそれぞれ形成され、
    前記回転体には、前記第1回転子及び前記第2回転子の周方向の位置決めを行う第2位置決め部が形成される
    請求項1に記載の巻上機。
  3. 前記第2支持部材は、前記軸部に固定され、
    前記軸部及び前記第2支持部材には、前記第1支持部材に対する前記第2支持部材の位置決めを行う位置決め機構が形成されている
    請求項1に記載の巻上機。
  4. 前記第1固定子及び前記第2固定子は、
    複数のコイルと、
    前記複数のコイルが固定された円環状の固定子コアと、を有し、
    前記第1モータの極数をP、スロット数をS、極対数P/2とスロット数Sの最大公約数をDとした場合、
    前記第1固定子の前記複数のコイルと前記第2固定子の前記複数のコイルとの電気的な位相差は(360n×D/S)°(nは任意の整数)となる
    請求項1に記載の巻上機。
  5. 前記第2固定子の前記複数のコイルは、前記第1固定子の前記複数のコイルのうち鎖交磁束ベクトルが最も近いコイルと同じ相に結線する
    請求項4に記載の巻上機。
  6. 前記第1モータと前記第2モータは、一つの同じ電源で駆動する
    請求項4に記載の巻上機。
  7. 前記主軸には、その軸方向に沿って複数の前記巻上機ユニットが取り付けられ、
    前記主軸は、複数の前記巻上機ユニットにおける前記軸部の前記筒孔を貫通し、
    複数の前記巻上機ユニットの前記第1モータ及び前記第2モータは、隣り合う前記巻上機ユニットの前記第1モータ及び前記第2モータに対して、周方向に沿って機械的にユニット間位相差を設けて配置されている
    請求項1に記載の巻上機。
  8. 昇降路を昇降する昇降体と、
    前記昇降体に接続される主ロープと、
    前記主ロープを巻き掛けることにより前記昇降体を昇降させる巻上機と、を備え、
    前記巻上機は、
    主軸と、
    前記主軸に着脱可能に取り付けられる巻上機ユニットと、を備え、
    前記巻上機ユニットは、
    前記主軸が挿入される筒孔を有し、前記主軸に固定される軸部と、
    前記軸部の軸方向の一端部に配置される第1支持部材と、
    前記第1支持部材に固定された第1固定子と、
    前記軸部の軸方向の他端部に配置される第2支持部材と、
    前記第2支持部材に固定された第2固定子と、
    前記軸部に回転可能に支持される回転体と、
    前記回転体に固定され、前記第1固定子と対向し、前記第1固定子と共に第1モータを構成する第1回転子と、
    前記回転体に固定され、前記第2固定子と対向し、前記第2固定子と共に第2モータを構成する第2回転子と、
    前記回転体の半径方向の外側の外周面に取り付けられ、前記主ロープが巻き掛けられる綱車と、
    を有し、
    前記第2固定子又は前記第2回転子は、前記第1固定子又は第1回転子に対して周方向に機械的に所定の位相差をもってずらして配置される
    エレベーター。
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