JP7342576B2

JP7342576B2 - 電装部品支持構造

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Publication number: JP7342576B2
Application number: JP2019178364A
Authority: JP
Inventors: 章裕小原; 惇三島
Original assignee: Suzuki Motor Corp
Current assignee: Suzuki Motor Corp
Priority date: 2019-09-30
Filing date: 2019-09-30
Publication date: 2023-09-12
Anticipated expiration: 2039-09-30
Also published as: JP2021054212A; HUP2000321A1; HU231307B1; DE102020125555A1

Description

本発明は、電装部品支持構造に関する。

自動車等の車両にあっては、フロアパネルと座席シートとの間にバッテリ等の電装部品を搭載する場合がある。このような車両において、電装部品は、フロントシートの下方のフロアパネル上であって、車幅方向中央部に設けられたトンネル部と車幅方向外側端部に設けられたサイドシルとの間に載置される。

従来のこの種の車両として特許文献１に記載された技術が知られている。特許文献１に記載のものは、電池パックを空調された空気が供給される車室内に配置している。また、電池パックは、座席シートの下方のフロアパネルの車幅方向の車両中央側にオフセットして配置されている。また、電池パックは、フロアパネルに固定され、位置決め部材によって前後方向に位置決めされている。これにより、特許文献１に記載のものは、電池パックの冷却性能を確保でき、外部からの衝撃に対して電池パックの損傷を抑制することができる。

特開２００８－７４１５９号公報

しかしながら、特許文献１に記載のものは、電池パックが外部からの衝撃によってフロアパネルから外れた場合、電池パックが位置決め部材を支点に大きく回動し、回動により持ち上がった電池パックの端部が座席の下部と強く干渉するおそれがあった。

本発明は、上記のような事情に着目してなされたものであり、所定方向からの衝撃によって電装部品が回動して他の部材と接触し、他の部材に衝撃エネルギーが伝達されることを抑制できる電装部品支持構造を提供することを目的とするものである。

本発明は、電装部品をブラケットを介して車体に支持する電装部品支持構造であって、前記ブラケットは前記電装部品の下面に固定され、前記車体は、前記車体の床面を形成する平坦部と、前記平坦部から隆起する隆起部と、を有し、前記隆起部は、前記平坦部に沿う所定方向で前記ブラケットと対面する第１対面部を有し、前記ブラケットは、前記所定方向で前記第１対面部と対面する第２対面部と、前記第２対面部から前記所定方向の前記隆起部と反対側に延びる第１支持部と、前記第２対面部から前記所定方向の前記隆起部側に延び、前記車体に固定される固定部と、を有し、前記第１対面部と前記第２対面部との間に隙間が形成されていることを特徴とする。

このように上記の本発明によれば、所定方向からの衝撃によって電装部品が回動して他の部材と接触し、他の部材に衝撃エネルギーが伝達されることを抑制できる。

図１は、本発明の一実施例に係る電装部品支持構造の平面図である。図２は、図１に示す電装部品支持構造のＩＩ－ＩＩ方向矢視断面図である。図３は、図１に示す電装部品支持構造のＩＩＩ－ＩＩＩ方向矢視断面図である。図４は、本発明の一実施例に係る電装部品支持構造の左側面図である。図５は、本発明の一実施例に係る電装部品支持構造の斜視図である。図６は、本発明の一実施例に係る電装部品支持構造のブラケットの正面図である。図７は、本発明の一実施例に係る電装部品支持構造のブラケットの外力による変形態様を示す正面図である。

本発明の一実施の形態に係る電装部品支持構造は、電装部品をブラケットを介して車体に支持する電装部品支持構造であって、車体は、車体の床面を形成する平坦部と、平坦部から隆起する隆起部と、を有し、隆起部は、平坦部に沿う所定方向でブラケットと対面する第１対面部を有し、ブラケットは、所定方向で第１対面部と対面する第２対面部と、第２対面部から所定方向の隆起部と反対側に延びる第１支持部と、第２対面部から所定方向の隆起部側に延び、車体に固定される固定部と、を有し、第１対面部と第２対面部との間に隙間が形成されていることを特徴とする。これにより、本発明の一実施の形態に係る電装部品支持構造は、所定方向からの衝撃によって電装部品が回動して他の部材と接触し、他の部材に衝撃エネルギーが伝達されることを抑制できる。

以下、本発明の実施例に係る電装部品支持構造について、図面を用いて説明する。図１から図７において、上下前後左右方向は、車両搭載状態における上下前後左右方向としている。図１から図７は、本発明の一実施例に係る電装部品支持構造を示す図である。

図１において、車両１は車体１Ａの床面を形成するフロアパネル２を備えている。フロアパネル２は本発明における平坦部を構成する。フロアパネル２は、車両１の車幅方向の両端部の間の全体にわたって設けられている。図１は、フロアパネル２のうち、車幅方向の中央部から右端部の間の部分を表わしている。フロアパネル２の車幅方向外側端部（右端部）には、車両前後方向に延びるサイドシル４が設けられている。フロアパネル２の車幅方向中央部には、車両前後方向に延びるトンネル部３が設けられている。

図４において、車両１は、トンネル部３の近傍でフロアパネル２から隆起する隆起部８を有している。言い換えれば、隆起部８は、トンネル部３の右方のフロアパネル２における左端部側に設けられている。隆起部８は車両前後方向に延びている。

車両１は、フロアパネル２におけるサイドシル４とトンネル部３との間に設けられる座席シート２２と、座席シート２２の下方のフロアパネル２に設けられる電装部品１０と、を備えている。座席シート２２は本発明における車載部材を構成している。座席シート２２は電装部品１０の上方に配置されている。電装部品１０は、電装部品１０の左方でフロアパネル２から隆起する隆起部８に対してブラケット２０を介して支持および固定されている。ブラケット２０は、金属製の平板をプレス加工したものからなる。

図１、図５において、電装部品１０は、電装部品本体１１と、電装部品本体１１を覆うケース部材１２と、を有している。電装部品本体１１は、全体として直方体の形状を有するバッテリから構成されている。電装部品本体１１は、バッテリに限定されるものではなく、例えば、インバータ等の電装部品であってもよい。ケース部材１２には、電装部品本体１１を冷却する空気が通過できるように、複数の開口部が形成されている。

図１、図２、図３において、座席シート２２の下部には、車両前後方向に延びるスライドレール２９Ｌ、２９Ｒが設けられており、座席シート２２は、このスライドレール２９Ｌ、２９Ｒによって車両前後方向にスライド自在に支持されている。スライドレール２９Ｌ、２９Ｒは本発明におけるフレーム部材を構成している。スライドレール２９Ｌは、電装部品１０よりも車幅方向の隆起部８側、かつ、電装部品１０よりも高い位置に配置されている。本実施例における車幅方向は、本発明における所定方向に相当する。

車両１は、第１クロスメンバ５と第２クロスメンバ６とを備えている。第１クロスメンバ５は本発明における第１車体フレームを構成し、第２クロスメンバ６は本発明における第２車体フレームを構成している。第１クロスメンバ５は、電装部品１０の前方に隣接し、車幅方向に延びている。第２クロスメンバ６は、第１クロスメンバ５との間で電装部品１０を挟むように、電装部品１０の後方に隣接し、車幅方向に延びている。

第１クロスメンバ５の両端部には、スライドレール２９Ｌ、２９Ｒの前端部を支持する前側支持部５Ｌ、５Ｒが設けられており、前側支持部５Ｌ、５Ｒは、第１クロスメンバ５の両端部から上方に延びている。

第２クロスメンバ６の両端部には、スライドレール２９Ｌ、２９Ｒの後端部を支持する後側支持部６Ｌ、６Ｒが設けられており、後側支持部６Ｌ、６Ｒは、第２クロスメンバ６の両端部から上方に延びている。

このように、スライドレール２９Ｌ、２９Ｒを前側支持部５Ｌ、５Ｒおよび後側支持部６Ｌ、６Ｒを介して第１クロスメンバ５および第２クロスメンバ６に支持させることにより、スライドレール２９Ｌ、２９Ｒおよび座席シート２２をフロアパネル２の上方の所望の高さ位置に配置でき、かつ、電装部品１０と座席シート２２との間に隙間を確保できる。

本実施例では、電装部品１０と座席シート２２との隙間は、車両１の右方からの側面衝突によって電装部品１０が上方に変位した場合に、電装部品１０が座席シート２２に強く干渉しないような十分な大きさに設定されている。

電装部品１０は、第１クロスメンバ５に固定される第１固定部材２５と、第２車体フレームに固定される第２固定部材２６とを有している。

図５において、第１固定部材２５は電装部品側第１固定部２５Ａを有しており、この電装部品側第１固定部２５Ａは、電装部品１０の前端側の第１クロスメンバ５と対面する側面に固定されている。第１固定部材２５は車体フレーム側第１固定部２５Ｂを有しており、この車体フレーム側第１固定部２５Ｂは、電装部品１０の前端側で第１クロスメンバ５の上面に固定されている。

図４において、第２固定部材２６は、車幅方向と交差する交差方向としての前後方向の一端側（後端側）で、電装部品１０の下面に固定される電装部品側第２固定部２６Ａと、電装部品側第２固定部２６Ａの他端側における車体フレーム側第１固定部２５Ｂより低い位置で、第２クロスメンバ６に固定される車体フレーム側第２固定部２６Ｂと、を有している。

図５において、電装部品１０の車幅方向の隆起部８側の側面には、車幅方向への衝撃を吸収する衝撃吸収部１２Ｊがケース部材１２と一体で設けられている。衝撃吸収部１２Ｊは、Ｌ字断面形状に形成されており、ケース部材１２から左方に突出している。衝撃吸収部１２Ｊは、車両１の右方からの側面衝突によって電装部品１０が左方に移動してトンネル部３に衝突した場合、変形することによって衝撃を吸収するようになっている。また、衝撃吸収部１２Ｊは、図示しない電力用のハーネスを保持する保持部材としても機能している。

図６において、隆起部８は第１対面部８Ｂを有しており、第１対面部８Ｂは、フロアパネル２に沿う車幅方向で、後述するブラケット２０と対面している。

ブラケット２０は、車幅方向で第１対面部８Ｂと対面する第２対面部２０Ｂと、第２対面部２０Ｂから車幅方向の隆起部８と反対側に延びる第１支持部２０Ｃと、第２対面部２０Ｂから所定方向の隆起部８側に延び、隆起部８に固定される固定部２０Ａと、を有している。また、第１対面部８Ｂと第２対面部２０Ｂとの間には隙間が形成されている。

第１支持部２０Ｃは、フロアパネル２と平行に直線状に延びている。固定部２０Ａは、隆起部８の上面８Ａに沿って直線状に延びており、固定点Ｆ１において図示しないボルト等によって隆起部８の上面８Ａに固定されている。なお、ブラケット２０の固定部２０Ａを隆起部８の更に左方（車幅方向中央部側であるトンネル部３側）に延ばし、隆起部８より左方側のフロアパネル２に固定部２０Ａを固定するようにしてもよい。

第１対面部８Ｂおよび第２対面部２０Ｂは、車幅方向の隆起部８側ほど高くなるように傾斜している。言い換えれば、第１対面部８Ｂおよび第２対面部２０Ｂは、それぞれ図６の紙面上で右上がりの姿勢となるように傾斜している。

ブラケット２０は第２支持部２０Ｄを有しており、この第２支持部２０Ｄは、第１支持部２０Ｃとは上下方向で異なる高さで、第１支持部２０Ｃから隆起部８と反対方向に延びている。本実施例では、第２支持部２０Ｄは、第１支持部２０Ｃより高い位置で、フロアパネル２と平行に第１支持部２０Ｃから右方に直線状に延びている。

第２支持部２０Ｄは、固定点Ｆ２において、図示しないボルト等によって電装部品１０の下面と固定されている。第１支持部２０Ｃの車幅方向（所定方向）の寸法Ｘは、第２対面部２０Ｂの上下方向の寸法Ｙよりも大きく設定されている。

ここで、ブラケット２０における固定点Ｆ１と固定点Ｆ２の間の部分は、他の部材に固定されていないため、車両１の側面衝突の衝撃によって変形しうる部分である。特に、第１支持部２０Ｃ、および第２支持部２０Ｄにおける固定点Ｆ２よりも第１支持部２０Ｃ側の部分は、直線状に延びる形状であるため、曲げ加工等による硬化や剛性向上がされておらず、相対的に脆弱であり変形しやすい部位である。

図７を参照し、車両１が右方から側面衝突の衝撃を受けた場合のブラケット２０の変形態様について説明する。図７において、状態Ａから状態Ｄは、車両１の側面衝突の進行に従ってブラケット２０が変形するときの、各段階におけるブラケット２０の形状および位置を表わしたものである。なお、状態Ａから状態Ｄが示す線は、ブラケット２０の下面の位置を表わしている。

車両１の側面衝突の直後は、ブラケット２０は、状態Ａで示すように、第２対面部２０Ｂの左端部を中心に第２対面部２０Ｂが変形してフロアパネル２と平行に隆起部８側に移動する。ここで、第２対面部２０Ｂの左端部とは、固定部２０Ａにおける第２対面部２０Ｂとの境界部分である。さらに、ブラケット２０は、第２対面部２０Ｂの一部が隆起部８の第１対面部８Ｂと接触して、固定部２０Ａに対する第２対面部２０Ｂの変形が規制されて第１対面部８Ｂの下端部と第２対面部２０Ｂの下端部とが接触する。

その後、ブラケット２０は、状態Ｂに示すように、第１支持部２０Ｃの左端部を中心として谷状に湾曲するように変形し、第２支持部２０Ｄが上昇する。ここで、第１支持部２０Ｃの左端部とは、第１支持部２０Ｃにおける第２対面部２０Ｂとの境界部分である。この状態では、第２支持部２０Ｄのうち固定点Ｆ２よりも第１支持部２０Ｃ側の部分は、車幅方向で隆起部８側に突状となるように湾曲する。ここで、ブラケット２０のこれらの部分的な変形（湾曲）は、部分的な回動と捉えることができる。例えば、谷状に湾曲する変形は、図７の紙面上で時計回りの部分的な回動と捉えることができる。一方、第２支持部２０Ｄのうち固定点Ｆ２よりも第１支持部２０Ｃと反対側の部分は、変形することなく、フロアパネル２と平行の姿勢を維持したまま、上方かつ車幅方向で隆起部８側に移動している。

その後、ブラケット２０は、状態Ｃに示すように、第２対面部２０Ｂがその上端部を中心として変形しつつ、第１支持部２０Ｃと第２支持部２０Ｄの変形がさらに進行する。この状態では、第２支持部２０Ｄのうち固定点Ｆ２よりも第１支持部２０Ｃと反対側の部分は、変形することなく、フロアパネル２と平行の姿勢を維持したまま、上方かつ車幅方向で隆起部８側にさらに移動している。

その後、ブラケット２０は、状態Ｄに示すように、第１支持部２０Ｃと第２支持部２０Ｄの変形がさらに進行する。この状態では、隆起部８の上面８Ａに第１支持部２０Ｃと第２支持部２０Ｄの境界を含む部分が乗り上げた状態となる。また、第２支持部２０Ｄのうち固定点Ｆ２よりも第１支持部２０Ｃと反対側の部分は、変形することなく、フロアパネル２と平行の姿勢を維持したまま、下方かつ車幅方向で隆起部８側に移動している。

このように、車両１が右方から側面衝突の衝撃を受けた場合、ブラケット２０は、隆起部８側に平行に移動した後、隆起部８の上面８Ａに第１支持部２０Ｃと第２支持部２０Ｄの境界を含む部分が乗り上げた状態となるように変形するが、第２支持部２０Ｄに支持されている電装部品１０は、その姿勢を維持したままフロアパネル２と平行に車幅方向の隆起部８側および上方に移動する。このため、電装部品１０が回動するように姿勢を変化させてその一部が大きく上方に持ち上がることはない。

以上説明したように、本実施例では、電装部品１０はブラケット２０を介して車体１Ａに支持されている。車体１Ａは、車体１Ａの床面を形成する平坦部としてのフロアパネル２と、フロアパネル２から隆起する隆起部８と、を有している。また、隆起部８は、平坦部に沿う所定方向でブラケット２０と対面する第１対面部８Ｂを有している。ブラケット２０は、所定方向で第１対面部８Ｂと対面する第２対面部２０Ｂと、第２対面部２０Ｂから所定方向の隆起部８と反対側に延びる第１支持部２０Ｃと、を有している。

これにより、車両１の側面衝突時に、ブラケット２０がフロアパネル２と平行に所定方向に移動し、第１対面部８Ｂと第２対面部２０Ｂとが接触する。その後、ブラケット２０は、第１対面部８Ｂの下端部を支点に部分的に回動するように変形する。このため、電装部品１０に伝達された衝撃エネルギーを効率的に変形エネルギーとして消費して衝撃を吸収できる。また、ブラケット２０の変形の過程で、電装部品１０が弧状軌跡を描いて車両中心側へ移動するので、電装部品１０の上下方向への移動量を抑制できる。

これに加え、本実施例では、ブラケット２０は、第２対面部２０Ｂから所定方向の隆起部８側に延び、車体１Ａに固定される固定部２０Ａを有し、第１対面部８Ｂと第２対面部２０Ｂとの間に隙間が形成されている。

これにより、衝撃を受けたときに隙間の距離だけ第２対面部２０Ｂが対１対面部８Ｂ側に変形して第２対面部２０Ｂが第１対面部８Ｂ側に移動しやすくなり、電装部品１０に伝達された衝撃エネルギーを効率的に変形エネルギーとして消費して衝撃を吸収することができる。

また、第２対面部２０Ｂが第１対面部８Ｂ側に移動して第２対面部２０Ｂと接触したときに、ブラケット２０を、接触による反力で第１支持部２０Ｃにおいて部分的に回動するように変形させることができる。

したがって、電装部品１０自体が大きく回動してその上方に配置される他の部品と接触することを抑制できる。また、電装部品１０と他の部品とが接触した場合であっても、電装部品１０からその上方の他の部品に伝達される衝撃エネルギーを小さくすることができる。

この結果、所定方向からの衝撃によって電装部品１０が回動して他の部材と接触し、他の部材に衝撃エネルギーが伝達されることを抑制できる。

本実施例では、第１対面部８Ｂおよび第２対面部２０Ｂは、所定方向の隆起部８側ほど高くなるように傾斜している。

これにより、第２対面部２０Ｂの部分的な回動部位が第１対面部８Ｂに沿って隆起部８側に変位しやすくなり、第２対面部２０Ｂが第１対面部８Ｂに沿いながら部分的に回動および変形する範囲を広げることができるので、衝撃エネルギーを一層多く変形エネルギーとして消費できる。

本実施例では、ブラケット２０は、第１支持部２０Ｃとは上下方向で異なる高さで、第１支持部２０Ｃから隆起部８と反対方向に延び、電装部品１０に固定される第２支持部２０Ｄを有している。また、第１支持部２０Ｃの所定方向の寸法Ｘは、第２対面部２０Ｂの上下方向の寸法Ｙよりも大きく設定されている。

これにより、車両１の側面衝突時に、ブラケット２０が第２対面部２０Ｂと第１支持部２０Ｃとの２箇所で部分的に回動しながら変形するので、より一層衝撃エネルギーを変形エネルギーとして消費して衝撃を吸収できる。また、電装部品１０がその姿勢を保ったまま略楕円の弧状軌跡を描いて車幅方向中心側へ移動するので、電装部品１０の上下方向への移動量を抑制することができる。

本実施例では、電装部品１０の上方に、車体１Ａに搭載される車載部材としての座席シート２２が設けられている。また、車体１Ａは、座席シート２２の下部で所定方向と交差する交差方向に延び、座席シートを交差方向にスライド自在に支持するフレーム部材としてのスライドレール２９Ｌ、２９Ｒを有し、このスライドレール２９Ｌは、電装部品１０よりも所定方向の隆起部８側、かつ、電装部品１０よりも高い位置に配置されている。

これにより、車両１の側面衝突時の衝撃により電装部品１０が所定方向の隆起部８側に移動したとき、スライドレール２９Ｌの下方に電装部品１０が潜り込む。このため、ブラケット２０が部分的に回動するように変形したことにより電装部品１０が上方に移動したときに、電装部品１０が座席シート２２より先にスライドレール２９Ｌに接触し、上方への更なる移動が規制される。このため、電装部品１０が座席シート２２に強く干渉することを防止することができる。

本実施例では、電装部品１０の所定方向の隆起部８側の側面に、所定方向の衝撃を吸収する衝撃吸収部１２Ｊが設けられている。

これにより、電装部品１０の所定方向の隆起部８側に、衝撃吸収部１２Ｊと対面して他の部材が配置されている場合、衝撃により電装部品１０が他の部品側へ移動したときに、衝撃吸収部１２Ｊと他の部材が最初に接触し、衝撃吸収部１２Ｊが衝撃エネルギーを吸収するので、電装部品１０が他の部材と接触して破損することを抑制できる。

本実施例では、車体１Ａは、電装部品１０の所定方向と交差する交差方向（前後方向）に隣接し所定方向に延びる第１クロスメンバ５を有し、電装部品１０は、第１クロスメンバ５に固定される第１固定部材２５を有している。また、第１固定部材２５は、電装部品１０の車体と対面する側面に固定される電装部品側第１固定部２５Ａと、第１クロスメンバ５の上面に固定される車体フレーム側第１固定部２５Ｂとを有する。

これにより、第１固定部材２５によって、電装部品１０の上方への移動を規制できる。また、第１固定部材２５の電装部品側第１固定部２５Ａの固定面と車体フレーム側第１固定部２５Ｂの固定面とが交差しているので、車両１の側面衝突時の衝撃によって第１固定部材２５を変形しやすくすることができ、衝撃エネルギーを第１固定部材２５の変形エネルギーとして消費しやすくすることができる。

本実施例では、車体１Ａは、第１クロスメンバ５との間で電装部品１０を挟むように、電装部品１０の交差方向（前後方向）に隣接し所定方向に延びる第２クロスメンバ６を有している。電装部品１０は、第２クロスメンバ６に固定される第２固定部材２６を有し、この第２固定部材２６は、電装部品１０の下面に固定される電装部品側第２固定部２６Ａと、第１固定部材２５の車体フレーム側第１固定部２５Ｂより低い位置で、第２クロスメンバ６に固定される車体フレーム側第２固定部２６Ｂと、を有する。

これにより、電装部品１０が第１固定部材２５と第２固定部材２６の両方によって車体１Ａに固定されるので、電装部品１０の上方への移動を一層規制できる。

本実施例では、第１支持部２０Ｃおよび第２支持部２０Ｄは、フロアパネル２と平行に直線状に延びている。

これにより、第１支持部２０Ｃ、および第２支持部２０Ｄにおける固定点Ｆ２よりも第１支持部２０Ｃ側の部分は、直線状に延びる形状であるため、曲げ加工等による硬化や剛性向上がされておらず、相対的に脆弱であり変形しやすくすることができる。このため、第１支持部２０Ｃおよび第２支持部２０Ｄの変形によって、車両１の側面衝突時の衝突エネルギーの多くを変形エネルギーに変換させることができる。

本実施例において、第１対面部８Ｂと第２対面部２０Ｂとの間に隙間を形成しているが、この隙間はなくしてもよい。つまり、第１対面部８Ｂと第２対面部２０Ｂとを予め接触させておくことで、電装部品１０を車両中心側に配置して外部からの衝撃を受けにくくしてもよい。

この場合、第１対面部８Ｂと第２対面部２０Ｂとを溶接したり、ボルト締結するなどして固定することにより、ブラケット２０の第１支持部２０Ｃが第２対面部２０Ｂに対して回動しやすくなる。

さらに、第１対面部８Ｂと第２対面部２０Ｂとを一体化つまり、ブラケット２０と隆起部８とを一体化した部材として形成し、この部材を車体１Ａの床面（フロアパネル２）に固定して、第１支持部２０Ｃを第２対面部２０Ｂ（または第１対面部８Ｂ）に対して回動するように変形させてもよい。

本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。

１Ａ...車体、２...フロアパネル（平坦部）、５...第１クロスメンバ（第１車体フレーム）、６...第２クロスメンバ（第２車体フレーム）、８...隆起部、８Ｂ...第１対面部、１０...電装部品、１２Ｊ...衝撃吸収部、２０...ブラケット、２０Ａ...固定部、２０Ｂ...第２対面部、２０Ｃ...第１支持部、２０Ｄ...第２支持部、２２...座席シート（車載部材）、２５...第１固定部材、２５Ａ...電装部品側第１固定部、２５Ｂ...車体フレーム側第１固定部、２６...第２固定部材、２６Ａ...電装部品側第２固定部、２６Ｂ...車体フレーム側第２固定部、２９Ｌ，２９Ｒ...スライドレール（フレーム部材）

Claims

電装部品をブラケットを介して車体に支持する電装部品支持構造であって、
前記ブラケットは前記電装部品の下面に固定され、
前記車体は、前記車体の床面を形成する平坦部と、前記平坦部から隆起する隆起部と、を有し、
前記隆起部は、前記平坦部に沿う所定方向で前記ブラケットと対面する第１対面部を有し、
前記ブラケットは、
前記所定方向で前記第１対面部と対面する第２対面部と、
前記第２対面部から前記所定方向の前記隆起部と反対側に延びる第１支持部と、
前記第２対面部から前記所定方向の前記隆起部側に延び、前記車体に固定される固定部と、を有し、
前記第１対面部と前記第２対面部との間に隙間が形成されていることを特徴とする電装部品支持構造。
前記第１対面部および前記第２対面部は、前記所定方向の前記隆起部側ほど高くなるように傾斜していることを特徴とする請求項１に記載の電装部品支持構造。
前記ブラケットは、前記第１支持部とは上下方向で異なる高さで、前記第１支持部から前記隆起部と反対方向に延び、前記電装部品に固定される第２支持部を有し、
前記第１支持部の前記所定方向の寸法は、前記第２対面部の上下方向の寸法よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項１または請求項２に記載の電装部品支持構造。
前記電装部品の上方に、前記車体に搭載される車載部材が設けられ、
前記車体は、前記車載部材の下部で前記所定方向と交差する交差方向に延びるフレーム部材を有し、
前記フレーム部材は、前記電装部品よりも前記所定方向の前記隆起部側、かつ、前記電装部品よりも高い位置に配置されていることを特徴とする請求項１から請求項３の何れか１項に記載の電装部品支持構造。
前記車載部材が座席シートからなり、
前記フレーム部材は、前記座席シートを前記交差方向にスライド自在に支持するスライドレールからなることを特徴とする請求項４に記載の電装部品支持構造。
前記電装部品の前記所定方向の前記隆起部側の側面に、前記所定方向の衝撃を吸収する衝撃吸収部が設けられていることを特徴とする請求項１から請求項５の何れか１項に記載の電装部品支持構造。
前記車体は、前記電装部品に前記所定方向と交差する交差方向に隣接し前記所定方向に延びる第１車体フレームを有し、
前記電装部品は、前記第１車体フレームに固定される第１固定部材を有し、
前記第１固定部材は、前記電装部品の前記第１車体フレームと対面する側面に固定される電装部品側第１固定部と、前記第１車体フレームの上面に固定される車体フレーム側第１固定部とを有することを特徴とする請求項１から請求項６の何れか１項に記載の電装部品支持構造。
前記車体は、前記第１車体フレームとの間で前記電装部品を挟むように、前記電装部品の前記交差方向に隣接し前記所定方向に延びる第２車体フレームを有し、
前記電装部品は、前記第２車体フレームに固定される第２固定部材を有し、
前記第２固定部材は、前記電装部品の下面に固定される電装部品側第２固定部と、前記車体フレーム側第１固定部より低い位置で、前記第２車体フレームに固定される車体フレーム側第２固定部と、を有することを特徴とする請求項７に記載の電装部品支持構造。
前記第１支持部および前記第２支持部は、前記平坦部と平行に直線状に延びていることを特徴とする請求項３に記載の電装部品支持構造。