JP7281997B2 - 冷凍積層パン生地用品質向上剤、パン類の製造方法およびパン類の品質向上方法 - Google Patents
冷凍積層パン生地用品質向上剤、パン類の製造方法およびパン類の品質向上方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7281997B2 JP7281997B2 JP2019149455A JP2019149455A JP7281997B2 JP 7281997 B2 JP7281997 B2 JP 7281997B2 JP 2019149455 A JP2019149455 A JP 2019149455A JP 2019149455 A JP2019149455 A JP 2019149455A JP 7281997 B2 JP7281997 B2 JP 7281997B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bread
- frozen
- bread dough
- quality
- dough
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Description
<1> (A)ヘミセルラーゼと、(B)α-アミラーゼと、(C)乳化剤として(C1)グリセリン脂肪酸エステルおよび(C2)有機酸モノグリセリドとを含有することを特徴とする冷凍積層パン生地用品質向上剤である。
<2> 小麦粉を主体とする穀粉原料100gに対して、(A)ヘミセルラーゼ20~250Uおよび(B)α-アミラーゼ20~250Uで用いられる前記<1>に記載の冷凍積層パン生地用品質向上剤である。
<3> (C2)有機酸モノグリセリドがジアセチル酒石酸モノグリセリドであり、小麦粉を主体とする穀粉原料に対して、前記ジアセチル酒石酸モノグリセリドが0.05~1.0質量%で用いられる前記<1>または<2>に記載の冷凍積層パン生地用品質向上剤である。
<4> (C1)グリセリン脂肪酸エステルが脂肪酸モノグリセリドであり、小麦粉を主体とする穀粉原料に対して、前記脂肪酸モノグリセリドが0.03~0.5質量%で用いられる前記<1>~<3>のいずれかに記載の冷凍積層パン生地用品質向上剤である。
<5> (C2)有機酸モノグリセリドと(C1)グリセリン脂肪酸エステルとの質量比((C2):(C1))が1:2~3:1である前記<1>~<4>のいずれかに記載の冷凍積層パン生地用品質向上剤である。
<6> さらに(D)焙煎小麦粉を含有し、前記(D)焙煎小麦粉が、小麦粉を主体とする穀粉原料100gに対して、20~500mgで用いられる前記<1>~<5>のいずれかに記載の冷凍積層パン生地用品質向上剤である。
<7> さらに(E)アスコルビン酸もしくはその塩を含有し、前記(E)アスコルビン酸もしくはその塩が、小麦粉を主体とする穀粉原料に対して、20~400ppmで用いられる前記<1>~<6>のいずれかに記載の冷凍積層パン生地用品質向上剤である。
<8> 前記<1>~<7>のいずれかに記載の冷凍積層パン生地用品質向上剤を用いることを特徴とするパン類の製造方法である。
<9> 冷凍生地に前記<1>~<7>のいずれかに記載の冷凍積層パン生地用品質向上剤を用いることを特徴とするパン類の品質向上方法である。
本発明の冷凍積層パン生地用品質向上剤は、(A)ヘミセルラーゼと、(B)α-アミラーゼと、(C)乳化剤として(C1)グリセリン脂肪酸エステルおよび(C2)有機酸モノグリセリドとを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
本発明の冷凍積層パン生地用品質向上剤は、冷凍積層パン生地を用いるパン類の製造方法のうち、積層パン生地を成型後に冷凍する方法に好適であり、特に成型後にホイロ工程を行わない方法でも、製造されるパン類のボリュームが大きく、且つパン製品の外観、食感にも優れるパン類を容易に製造することができる。
前記ヘミセルラーゼとしては、飲食品用途に使用できるもの(グレード)であれば、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、アスペルギウス属、トリコデルマ属等の微生物由来のヘミセルラーゼ、大麦や小麦など穀物由来のヘミセルラーゼなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ヘミセルラーゼは、例えば、天野エンザイム株式会社の「アマノ」90、三菱ケミカルフーズ株式会社のスクラーゼX、ディー・エス・エムジャパン株式会社のベイクザイム HS2000、ベイクザイム BXP5001、ベイクザイム Real-X、ノボザイム社のペントパン500 BGなどの市販品を適宜使用することができる。
前記ヘミセルラーゼの前記冷凍積層パン生地用品質向上剤における含有量としては、特に制限はなく、その使用量や活性などに応じて適宜選択することができる。
前記α-アミラーゼとしては、飲食品用途に使用できるもの(グレード)であれば、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、アスペルギウス・オリゼ(Aspergillus oryzae)等のアスペルギウス属、バチルス・サブチリス(Bacillus subtillis)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)等のバチルス属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属等の微生物由来のα-アミラーゼ、大麦や小麦など穀物由来のα-アミラーゼなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記α-アミラーゼは、例えば、新日本化学工業株式会社のスミチームAS、三菱ケミカルフーズ株式会社のコクラーゼ、ノボザイム社のノバミル 10000 BG、ノバミル 3D BG、ディー・エス・エムジャパン株式会社のベイクザイム P500、ベイクザイム AN301、天野エンザイム株式会社のビオザイムAなどの市販品を適宜使用することができる。
前記α-アミラーゼの前記冷凍積層パン生地用品質向上剤における含有量としては、特に制限はなく、その使用量や活性などに応じて適宜選択することができる。
前記乳化剤は、(C1)グリセリン脂肪酸エステルと、(C2)有機酸モノグリセリドとを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の乳化剤を含む。
前記グリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンの持つ3つのヒドロキシ基のうち1つまたは2つに脂肪酸がエステル結合した構造を有する。
前記脂肪酸としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の炭素数8~22の飽和又は不飽和の脂肪酸が挙げられる。これらの中でも、風味の観点から、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸を主成分とする脂肪酸が好ましい。
これらの中でも、(C2)の有機酸モノグリセリドとの相乗効果が奏されるという点で、脂肪酸モノグリセリドが好ましく、炭素数12~20の脂肪酸モノグリセリドがより好ましい。
前記グリセリン脂肪酸エステルの前記冷凍積層パン生地用品質向上剤における含有量としては、特に制限はなく、その使用量などに応じて適宜選択することができる。
前記有機酸モノグリセリドは、グリセリン1分子に対し脂肪酸1分子と有機酸1分子または2分子が結合した構造を有する。
前記有機酸としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、コハク酸、クエン酸、酒石酸、ジアセチル酒石酸、リンゴ酸、アジピン酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。これらの中でも、食品用途に使用されるコハク酸、クエン酸、ジアセチル酒石酸が好ましく、ジアセチル酒石酸がより好ましい。
前記脂肪酸としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸等の炭素数8~22の飽和又は不飽和の脂肪酸が挙げられる。これらの中でも、風味の観点から、パルミチン酸、ステアリン酸を主成分とする脂肪酸が好ましい。
これらの中でも、(C1)のグリセリン脂肪酸エステルとの相乗効果が奏される点で、ジアセチル酒石酸モノグリセリドが好ましい。
前記有機酸モノグリセリドの前記冷凍積層パン生地用品質向上剤における含有量としては、特に制限はなく、その使用量などに応じて適宜選択することができる。
前記その他の乳化剤としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、レシチン、酵素処理レシチン等の天然乳化剤、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の合成乳化剤などが挙げられる。
前記その他の乳化剤は、市販品を適宜選択することができる。
前記その他の乳化剤の前記冷凍積層パン生地用品質向上剤における含有量としては、特に制限はなく、その使用量などに応じて適宜選択することができる。
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、(D)焙煎小麦粉;(E)アスコルビン酸もしくはその塩;グルテン、小麦粉、コーンスターチ等の食品素材;システインもしくはその塩;パン類の製造に用いられる成分などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、製造されるパン類のボリューム、外観および食感がより向上するため、(D)焙煎小麦粉、(E)アスコルビン酸もしくはその塩を含有させることが好ましい。
前記その他の成分の前記冷凍積層パン生地用品質向上剤における含有量としては、特に制限はなく、適宜選択することができる。
前記焙煎小麦粉は、焙焼小麦粉、ローストフラワーとも称され、小麦粉を乾式下に高温(通常、品温90~160℃)で熱処理することにより得られる。
前記焙煎小麦粉としては、製パンや製菓に従来用いられているものを適宜選択して用いることができ、例えば、熱処理されていない通常の小麦粉を品温95~150℃の条件下で10~40分間焙焼して得られる焙煎小麦粉などが挙げられる。また、市販品を適宜選択することもできる。
前記焙煎小麦粉は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記焙煎小麦粉の前記冷凍積層パン生地用品質向上剤における含有量としては、特に制限はなく、その使用量などに応じて適宜選択することができる。
前記アスコルビン酸もしくはその塩としては、飲食品用途に使用できるもの(グレード)であれば、特に制限はなく、市販品を適宜選択することができる。
前記塩としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩などが挙げられる。前記塩は、1種の塩を用いてもよいし、2種以上の塩を併用してもよい。
前記アスコルビン酸もしくはその塩の前記冷凍積層パン生地用品質向上剤における含有量としては、特に制限はなく、その使用量などに応じて適宜選択することができる。
前記冷凍積層パン生地用品質向上剤は、前記(A)ヘミセルラーゼと、前記(B)α-アミラーゼと、前記(C1)グリセリン脂肪酸エステルと、前記(C2)有機酸モノグリセリドと、必要に応じて前記その他の成分とを同一の包材に含む態様であってもよいし、前記各成分の1つまたは複数を別々の包材に入れ、使用時に各成分を混合して穀粉原料に添加する態様であってもよいし、前記各成分をそれぞれ穀粉原料に添加する態様であってもよい。
前記冷凍積層パン生地用品質向上剤の使用量としては、特に制限はなく、後述する各成分の使用量に応じて、適宜選択することができ、例えば、小麦粉を主体とする穀粉原料(以下、単に「穀粉原料」と称することがある。)に対して、0.1~5質量%の範囲などが挙げられる。
前記ヘミセルラーゼの使用量としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、小麦粉を主体とする穀粉原料100gに対して、通常20~250U(「U」は活性単位(ユニット)を表す。以下同様。)の範囲であり、50~200Uの範囲が好ましく、80~160Uの範囲がより好ましい。前記ヘミセルラーゼの使用量が、20U未満であると十分な添加効果が得られないことがあり、250Uを超えるとパン類のボリュームや外観および食感に悪影響が生じるおそれがある。
基質(キシラン10mg/mL)1mLに0.1N酢酸緩衝液(pH4.5)3mLを加え、攪拌後、40℃で10分間予熱する。その後、酵素液1mLを加え40℃で30分間反応する。反応後、ソモギー溶液2mLを加えて振り混ぜ、沸騰水中で20分間加熱する。冷却後、ヒ素モリブデン酸アンモニウム溶液1mLを加えて振り混ぜ、水で全量を25mLとし、遠心分離(3000rpm、10分間)した後、波長500nmの吸光度を測定する。上記条件下において、1分間に100mgのキシロースに相当する還元糖を生成するのに要する酵素量を100単位(U)とする。
前記α-アミラーゼの使用量としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、小麦粉を主体とする穀粉原料100gに対して、通常20~250Uの範囲であり、40~180Uの範囲が好ましく、80~140Uの範囲がより好ましい。前記α-アミラーゼの使用量が、20U未満であると十分な添加効果が得られないことがあり、250Uを超えるとパン類のボリュームや外観および食感に悪影響が生じるおそれがある。
-(C1)グリセリン脂肪酸エステル-
前記グリセリン脂肪酸エステルの使用量としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、小麦粉を主体とする穀粉原料に対して、通常0.03~0.5質量%の範囲であり、0.05~0.4質量%の範囲が好ましい。前記使用量が好ましい範囲内であると、製造されるパン類のボリューム、外観および食感がより良好である点で、有利である。
前記有機酸モノグリセリドの使用量としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、小麦粉を主体とする穀粉原料に対して、通常0.05~1.0質量%の範囲であり、0.1~0.5質量%の範囲が好ましい。前記使用量が好ましい範囲内であると、製造されるパン類のボリューム、外観および食感がより良好である点で、有利である。
前記焙煎小麦粉を使用する場合の使用量としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、小麦粉を主体とする穀粉原料100gに対して、20~500mgの範囲が好ましく、50~200mgの範囲がより好ましい。前記使用量が好ましい範囲内であると、製造されるパン類のボリューム、外観および食感がより良好である点で、有利である。
前記アスコルビン酸もしくはその塩を使用する場合の使用量としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、小麦粉を主体とする穀粉原料に対して、20~400ppmの範囲が好ましく、50~250ppmの範囲がより好ましい。前記使用量が好ましい範囲内であると、製造されるパン類のボリューム、外観および食感がより良好である点で、有利である。
前記小麦粉を主体とする穀粉原料とは、強力粉、準強力粉、中力粉、デュラム小麦粉等の小麦粉を主として含有するものであり、これら各種小麦粉を組み合わせたものでもよい。また、小麦粉として全粒粉を用いてもよいが、この場合、全粒粉に含まれる小麦ふすま部分は、ふすまとして換算する。当該穀粉は、小麦粉の他に、大麦粉、ライ麦粉、ライ小麦粉、そば粉、米粉、オーツ麦粉を含んでいてもよい。
本発明のパン類の製造方法は、パン類の製造工程において、少なくとも本発明の冷凍積層パン生地用品質向上剤を用い、必要に応じて更にその他の成分を用いる。
前記パン類の製造方法における生地の冷凍の時期としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、積層パン生地を成型後に冷凍する方法が好適に挙げられる。本発明のパン類の製造方法によれば、特に成型後にホイロ工程を行わない方法でも、製造されるパン類のボリュームが大きく、且つパン製品の外観、食感にも優れるパン類を容易に製造することができる。
また、前記パン類の製造方法は、必要に応じてパン生地の調製工程に冷蔵(リタード)工程を設けてもよい。前記パン生地の冷蔵工程は、小麦粉を主体とする穀粉原料とイースト、塩、水とその他の原料を混合・混捏してパン生地を製造した後であればいずれの段階に設定してもよく、例えばフロアタイム後、折込工程前~途中~後、成型後等が挙げられる。
前記解凍および焼成の条件としては、特に制限はなく、対象のパン類の種類や大きさなどに応じて適宜選択することができる。
本発明のパン類の製造方法によれば、冷凍状態のパン生地をそのまま焼成した場合であっても、冷凍状態のパン生地を解凍した後に焼成した場合であっても、製造されるパン類のボリュームが大きく、且つパン製品の外観、食感にも優れるパン類を容易に製造することができる。
前記パン類の製造方法における本発明の冷凍積層パン生地用品質向上剤の使用量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、上記した本発明の(冷凍積層パン生地用品質向上剤)の<使用量>の項目に記載した量とすることができる。
前記冷凍積層パン生地用品質向上剤は、通常、パン生地の製造時に、添加・配合する。
本発明のパン類の品質向上方法は、パン類の製造工程において、冷凍生地に少なくとも本発明の冷凍積層パン生地用品質向上剤を用い、必要に応じて更にその他の成分を用いる。
前記パン類の品質向上方法は、上述した本発明のパン類の製造方法と同様にして行うことができる。
下記の表1-1の配合により、対照、実施例1および比較例1~4の冷凍積層パン生地用品質向上剤を製造した。なお、各冷凍積層パン生地用品質向上剤は、食品素材(グルテン)の量を適宜変更し、全量が1.0gになるように調整した。
なお、使用した成分の詳細は、以下の通りである。
・ ヘミセルラーゼ:製品名「ベイクザイム BXP5001」、ディー・エス・エムジャパン株式会社製
・ α-アミラーゼ:製品名「ビオザイムA」、天野エンザイム株式会社製
・ グリセリン脂肪酸エステル:「脂肪酸モノグリセリド」(製品名「エマルジーMS」)、理研ビタミン株式会社製
・ 有機酸モノグリセリド:「ジアセチル酒石酸モノグリセリド」(製品名「ポエムW-90VP」)、理研ビタミン株式会社製
・ 焙煎小麦粉:製品名「ローストフラワーRD」、フレッシュ・フード・サービス株式会社製
上記実施例1、比較例1~4または対照の冷凍積層パン生地用品質向上剤を用いて、下記の配合・工程によりクロワッサンを製造した。
<配合>
・ 小麦粉(強力粉) 100.0質量部
・ 冷凍積層パン生地用品質向上剤 1.0質量部
・ 生イースト 6.0質量部
・ 砂糖 8.0質量部
・ 食塩 1.8質量部
・ 油脂(マーガリン) 5.0質量部
・ 水 56.0質量部
〔※ ロールイン油脂 45.0質量部(対生地)〕
<工程>
・ ミキシング ↓(油脂)低速3分中速12分
・ 捏上温度 18℃
・ フロア時間 -5℃、30分
・ 折込条件 3つ折り、3回
・ 最終圧延(生地厚) 2.5~3.0mm
・ 分割重量 50g
・ 成型 クロワッサン成型
・ 凍結条件 -40℃、20分
・ 保存条件 -20℃
・ 焼成条件 凍結状態で焼成(120℃、10分→160℃、8分→185℃、8分→200℃、2分)
製造したクロワッサンの外観(パン容積と形状の安定性)と食感(歯切れ、口溶け)について、下記の評価基準に従って10名で評価した。得られた結果の平均点を下記の表1-2に示す。
5点 : ボリュームが大きく、形の均整が取れている。
4点 : ボリュームが大きく、形の均整がやや取れている。
3点 : ボリュームはやや大きいが、形の均整にやや欠ける。
2点 : ボリュームがやや小さく、形の均整にやや欠ける。
1点 : ボリュームが小さく、形の均整に欠ける。
5点 : 歯切れ、口溶けのいずれにも優れる。
4点 : 歯切れがよく、口溶けもよい
3点 : やや歯切れがよく、口溶けもややよい。
2点 : やや弾きがあり、ややくちゃつきがある。
1点 : 弾きがあり、くちゃつきがある。
<冷凍積層パン生地用品質向上剤の製造>
下記の表2の配合により、対照および試験例2-1~2-7の冷凍積層パン生地用品質向上剤を製造した。なお、各冷凍積層パン生地用品質向上剤は、食品素材(グルテン)の量を適宜変更し、全量が1.5gになるように調整した。
なお、使用した成分の詳細は、上記実施例1および比較例1~4において使用したものと同様である。
上記で製造した試験例2-1~2-7または対照の冷凍積層パン生地用品質向上剤を小麦粉100.0質量部に対して1.5質量部用いたこと以外は、試験例1の配合・工程と同様にしてクロワッサンを製造した。また、製造したクロワッサンの外観および食感を試験例1と同様の評価基準に従って評価した。得られた結果を下記の表2に示す。
<冷凍積層パン生地用品質向上剤の製造>
下記の表3の配合により、対照および試験例3-1~3-3の冷凍積層パン生地用品質向上剤を製造した。なお、各冷凍積層パン生地用品質向上剤は、食品素材(小麦粉)の量を適宜変更し、全量が2.0g(試験例3-3のみ2.5g)になるように調整した。
なお、使用した成分の詳細は、上記実施例1および比較例1~4において使用したものと同様である。
上記で製造した試験例3-1~3-3または対照の冷凍積層パン生地用品質向上剤を小麦粉100.0質量部に対して2.0質量部(試験例3-3のみ2.5質量部)用いたこと並びに凍結し-20℃で保存した後に、下記の条件で解凍し、次いで焼成を行ったこと以外は、試験例1の配合・工程によりクロワッサンを製造した。また、製造したクロワッサンの外観および食感を試験例1と同様の評価基準に従って評価した。得られた結果を下記の表3に示す。
・ 解凍条件 4℃、約16時間
・ 焼成条件 180℃、23分
Claims (7)
- (A)ヘミセルラーゼと、(B)α-アミラーゼと、(C)乳化剤として(C1)グリセリン脂肪酸エステルおよび(C2)有機酸モノグリセリドと、(D)焙煎小麦粉とを含有し、
小麦粉を主体とする穀粉原料100gに対して、(A)ヘミセルラーゼ20~250U、(B)α-アミラーゼ20~250U、(C1)グリセリン脂肪酸エステル0.03~0.5質量%、(C2)有機酸モノグリセリド0.05~1.0質量%で用いられ、
(C2)有機酸モノグリセリドと(C1)グリセリン脂肪酸エステルとの質量比((C2):(C1))が1:2~3:1であることを特徴とする冷凍積層パン生地用品質向上剤。 - (C2)有機酸モノグリセリドがジアセチル酒石酸モノグリセリドである請求項1に記載の冷凍積層パン生地用品質向上剤。
- (C1)グリセリン脂肪酸エステルが脂肪酸モノグリセリドである請求項1または2に記載の冷凍積層パン生地用品質向上剤。
- (D)焙煎小麦粉が、小麦粉を主体とする穀粉原料100gに対して、20~500mgで用いられる請求項1~3のいずれかに記載の冷凍積層パン生地用品質向上剤。
- さらに(E)アスコルビン酸もしくはその塩を含有し、前記(E)アスコルビン酸もしくはその塩が、小麦粉を主体とする穀粉原料に対して、20~400ppmで用いられる請求項1~4のいずれかに記載の冷凍積層パン生地用品質向上剤。
- 請求項1~5のいずれかに記載の冷凍積層パン生地用品質向上剤を用いることを特徴とするパン類の製造方法。
- 冷凍生地に請求項1~5のいずれかに記載の冷凍積層パン生地用品質向上剤を用いることを特徴とするパン類の品質向上方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019149455A JP7281997B2 (ja) | 2019-08-16 | 2019-08-16 | 冷凍積層パン生地用品質向上剤、パン類の製造方法およびパン類の品質向上方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019149455A JP7281997B2 (ja) | 2019-08-16 | 2019-08-16 | 冷凍積層パン生地用品質向上剤、パン類の製造方法およびパン類の品質向上方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021029118A JP2021029118A (ja) | 2021-03-01 |
JP7281997B2 true JP7281997B2 (ja) | 2023-05-26 |
Family
ID=74674055
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019149455A Active JP7281997B2 (ja) | 2019-08-16 | 2019-08-16 | 冷凍積層パン生地用品質向上剤、パン類の製造方法およびパン類の品質向上方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7281997B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024202818A1 (ja) * | 2023-03-31 | 2024-10-03 | 株式会社カネカ | 多加水パン用生地、多加水パン、及びこれらの製造方法 |
Citations (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000253816A (ja) | 1999-03-10 | 2000-09-19 | Asahi Denka Kogyo Kk | ロールイン用油脂組成物及びこれを用いたペストリー |
JP2001161258A (ja) | 1999-12-09 | 2001-06-19 | Japan Tobacco Inc | パン類食品用改良剤 |
JP2011036133A (ja) | 2009-08-06 | 2011-02-24 | Nisshin Oillio Group Ltd | 層状膨化食品用ホイロ後冷凍生地 |
JP2012029575A (ja) | 2010-07-28 | 2012-02-16 | Nisshin Flour Milling Inc | 電子レンジ加熱に適したパン類およびそのためのパン類用穀粉組成物 |
US20130316044A1 (en) | 2011-07-28 | 2013-11-28 | Mark Licency International, S.L. | Bread having improved texture and taste and method for producing same |
JP2014117237A (ja) | 2012-12-18 | 2014-06-30 | Nisshin Flour Milling Inc | パン類または焼き菓子類の製造方法 |
WO2014157577A1 (ja) | 2013-03-28 | 2014-10-02 | オリエンタル酵母工業株式会社 | パン品質改良剤及びパン類の製造方法 |
JP2017127270A (ja) | 2016-01-21 | 2017-07-27 | オリエンタル酵母工業株式会社 | 冷凍又は冷蔵生地用パン類の品質改良剤、冷凍又は冷蔵パン類生地の製造方法、及び冷凍又は冷蔵生地を用いたパン類の製造方法 |
JP2018183114A (ja) | 2017-04-27 | 2018-11-22 | ミヨシ油脂株式会社 | ベーカリー製品用改質剤とそれを用いたベーカリー生地およびベーカリー製品の製造方法 |
JP2018186811A (ja) | 2017-05-02 | 2018-11-29 | ミヨシ油脂株式会社 | 製パン用生地改良剤とそれを用いた製パン生地およびパンの製造方法 |
JP2019092458A (ja) | 2017-11-24 | 2019-06-20 | 株式会社Adeka | 水中油型乳化油脂組成物 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07170904A (ja) * | 1993-10-29 | 1995-07-11 | Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd | 冷凍パン生地用改良剤 |
JP3490521B2 (ja) * | 1994-12-26 | 2004-01-26 | ミヨシ油脂株式会社 | 水中油型乳化油脂組成物 |
JPH08196200A (ja) * | 1995-01-27 | 1996-08-06 | Showa Sangyo Co Ltd | 冷凍生地改良剤およびそれを用いる冷凍生地の製造方法 |
-
2019
- 2019-08-16 JP JP2019149455A patent/JP7281997B2/ja active Active
Patent Citations (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000253816A (ja) | 1999-03-10 | 2000-09-19 | Asahi Denka Kogyo Kk | ロールイン用油脂組成物及びこれを用いたペストリー |
JP2001161258A (ja) | 1999-12-09 | 2001-06-19 | Japan Tobacco Inc | パン類食品用改良剤 |
JP2011036133A (ja) | 2009-08-06 | 2011-02-24 | Nisshin Oillio Group Ltd | 層状膨化食品用ホイロ後冷凍生地 |
JP2012029575A (ja) | 2010-07-28 | 2012-02-16 | Nisshin Flour Milling Inc | 電子レンジ加熱に適したパン類およびそのためのパン類用穀粉組成物 |
US20130316044A1 (en) | 2011-07-28 | 2013-11-28 | Mark Licency International, S.L. | Bread having improved texture and taste and method for producing same |
JP2014117237A (ja) | 2012-12-18 | 2014-06-30 | Nisshin Flour Milling Inc | パン類または焼き菓子類の製造方法 |
WO2014157577A1 (ja) | 2013-03-28 | 2014-10-02 | オリエンタル酵母工業株式会社 | パン品質改良剤及びパン類の製造方法 |
JP2017127270A (ja) | 2016-01-21 | 2017-07-27 | オリエンタル酵母工業株式会社 | 冷凍又は冷蔵生地用パン類の品質改良剤、冷凍又は冷蔵パン類生地の製造方法、及び冷凍又は冷蔵生地を用いたパン類の製造方法 |
JP2018183114A (ja) | 2017-04-27 | 2018-11-22 | ミヨシ油脂株式会社 | ベーカリー製品用改質剤とそれを用いたベーカリー生地およびベーカリー製品の製造方法 |
JP2018186811A (ja) | 2017-05-02 | 2018-11-29 | ミヨシ油脂株式会社 | 製パン用生地改良剤とそれを用いた製パン生地およびパンの製造方法 |
JP2019092458A (ja) | 2017-11-24 | 2019-06-20 | 株式会社Adeka | 水中油型乳化油脂組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021029118A (ja) | 2021-03-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2467572C2 (ru) | Композиция теста, содержащая ржаную муку, глютен и, возможно, усилитель глютена, инкапсулированный подкислитель или эмульгатор, и выпеченные продукты, полученные из указанной композиции теста | |
JP5249884B2 (ja) | 酵素含有油中水型乳化油脂組成物 | |
JP7422174B2 (ja) | ベーカリー用油脂組成物 | |
JP6616197B2 (ja) | 冷凍又は冷蔵生地用パン類の品質改良剤、冷凍又は冷蔵パン類生地の製造方法、及び冷凍又は冷蔵生地を用いたパン類の製造方法 | |
AU2007200362A1 (en) | Dough compositions and related methods | |
CN104430679A (zh) | 一种手撕面包改良剂及其制备方法与应用 | |
JP2017176122A (ja) | 製パン用油脂組成物および製パン用穀粉生地 | |
JP7281997B2 (ja) | 冷凍積層パン生地用品質向上剤、パン類の製造方法およびパン類の品質向上方法 | |
JP7616874B2 (ja) | 冷凍パン生地及びその製造方法 | |
JP2014113101A (ja) | 冷凍パン生地 | |
JP7103732B2 (ja) | 水中油型乳化油脂組成物 | |
JP2009539393A (ja) | 改善されたベーカリー製品、ベーカリー製品及びベーキング材料を改善する方法、及びベーキングにおいてベタインを使用する方法。 | |
JP7245715B2 (ja) | パン類用品質向上剤、パン類の品質向上方法およびパン類の製造方法 | |
JP3770923B2 (ja) | 生地改良剤 | |
US20060233935A1 (en) | Rhamnolipids in bakery products | |
JP2018038366A (ja) | パンケーキの製造方法、及びそれに用いるパンケーキ用生地 | |
JP6606130B2 (ja) | 小麦粉膨化食品の製造方法 | |
JP2022085208A (ja) | 冷凍パン生地及びその製造方法 | |
JP7427406B2 (ja) | イースト含有冷凍生地用小麦粉組成物及びイースト含有冷凍生地 | |
JP7160071B2 (ja) | 製パン用油脂組成物および製パン用穀粉生地 | |
CA2660863C (en) | Dough comprising rye flour and gluten | |
JP2019068745A (ja) | ホイロ後冷凍パン生地 | |
JP7124369B2 (ja) | 製パン用油脂組成物および製パン用穀粉生地 | |
JP6471040B2 (ja) | ベーカリー食品用組成物 | |
JP2023114992A (ja) | ベーカリー用油脂組成物、ベーカリー生地、ベーカリー製品、並びに、ベーカリー製品のボリューム、食感の改良方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220107 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20220523 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20221108 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221122 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230112 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230425 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230516 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7281997 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |