以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一の構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
以下では、実施形態に係る画像処理装置を備える画像形成システムを例に説明する。
[第1の実施形態]
<第1の実施形態に係る画像処理装置を備える画像形成システムの構成>
図1は、本実施形態に係る画像処理装置5を備える画像形成システム100の構成の一例を説明する図である。図1に示すように、画像形成システム100は、クラウドストレージサーバ2と、屋内測位システム3と、スマートフォン4と、画像処理装置5と、印刷装置9とを備え、これらは、インターネット等のネットワーク1を介して、相互に通信可能に接続されている。また、無線による通信の手段又は有線による通信の手段をそれぞれが備えている。
クラウドストレージサーバ2は、画像ファイルを蓄積するクラウドサーバである。クラウドストレージサーバ2は、一般的なOS(Operating System)等が搭載されたコンピュータ等により実現することができる。また、クラウドストレージサーバ2は、送信要求に応じて、蓄積した画像ファイルのうちの所定の画像ファイルを、画像処理装置5に送信する。
屋内測位システム3は、オフィス等の屋内に配置されたビーコン等の専用装置がGPS(Global Positioning System)と互換性のある信号を送受信することで、屋内における計測対象の位置を計測(測位)可能とするIMES(Indoor MEssaging System)である。なお、IMESについては、特開2014-075783号公報や特開2014-057273号公報等に開示された技術を適用できるため、ここでは、詳細な説明を省略する。
情報端末の一例としてのスマートフォン4は、プリンタドライバがインストールされ、スマートフォン4のユーザの指示に応じて、クラウドストレージサーバ2に蓄積された画像ファイルの印刷処理を指示する印刷ジョブを、ネットワーク1を介して画像処理装置5に送信する。
また、スマートフォン4は、スマートフォン4の備えるBluetooth(登録商標)又はマイクを活用して、屋内測位システム3が備えるビーコン等の専用装置が発信する信号を受信し、スマートフォン4の現在位置の座標情報を取得する。そして、取得した座標情報を、ネットワーク1を介して画像処理装置5に送信する。なお、情報端末はスマートフォン4に限定されるものではない。プリンタドライバがインストールされ、また、ビーコン等の専用装置が発信する信号に基づいて現在位置の座標情報を取得する機能を備えるものであれば、携帯電話やノートPC(Personal Computer)等であっても良い。
画像処理装置5は、一般的なOS等が搭載されたコンピュータ等により実現することができる。画像処理装置5は、スマートフォン4から印刷ジョブを取得し、印刷ジョブが指定する画像ファイルの送信をクラウドストレージサーバ2に要求する。そして、クラウドストレージサーバ2から取得した画像ファイルに含まれる画像データに対し、所定の画像処理を実行して、画像処理後の画像データを含む画像ファイルを、印刷装置9に送信する。
ここで、画像処理装置5が実行する画像処理機能には、画像データの解像度変換処理、変倍処理、画像ファイルの圧縮処理、又はPostScript変換処理の少なくとも何れか1つが含まれる。
印刷装置9は、MFP(Multifunction Peripheral/Product/Printer)等の印刷機能を有する装置である。印刷装置9は、画像処理装置5から受信した画像ファイルに含まれる画像処理後の画像データに基づいて、用紙等の記録媒体に画像形成を行う。なお、図1の例では、一例として印刷装置9が一台である例を示しているが、画像形成システム100は、複数台の印刷装置を備えていても良い。
また、印刷装置9は、通信機能を備えた装置であれば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であっても良い。
さらに、図1に示す画像形成システム100の構成は、一例であって他の構成であっても良い。
<実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成>
次に、画像処理装置5のハードウェア構成を説明する。図2は、実施形態に係る画像処理装置5のハードウェア構成の一例を説明するブロック図である。
画像処理装置5は、コンピュータによって構築されている。図2に示すように、画像処理装置5は、CPU(Central Processing Unit)501と、ROM(Read Only Memory)502と、RAM(Random Access Memory)503と、HD(Hard Disk)504と、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505とを備えている。また、画像処理装置5は、ディスプレイ506と、外部機器接続I/F(Interface)508と、ネットワークI/F509と、データバス510と、キーボード511と、ポインティングデバイス512と、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514と、メディアI/F516と、タイマー517とを備えている。
これらのうち、CPU501は、画像処理装置5全体の動作を制御する。ROM502は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。
HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像等の各種情報を表示する。
外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。この場合の外部機器は、例えば、印刷装置9やUSB(Universal Serial Bus)メモリ等である。ネットワークI/F509は、ネットワーク1を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。データバス510は、図2に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行う入力手段の一種である。
DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であっても良い。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
タイマー517は、現在時刻の取得や、時間の計測を行うことができる。
実施形態に係る画像処理装置5は、図2に示したハードウェア構成、及びCPU501による所定のプログラムの実行により、後述する各種機能を実現することができる。
また、クラウドストレージサーバ2も同様にコンピュータにより構築される。クラウドストレージサーバ2のハードウェア構成も、図2を参照して説明したものと同様であるため、重複した説明を省略する。
<スマートフォンのハードウェア構成>
次に、スマートフォン4のハードウェア構成を説明する。図3は、スマートフォン4のハードウェア構成の一例を説明するブロック図である。
図3に示すように、スマートフォン4は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、EEPROM404と、CMOSセンサ405と、撮像素子I/F406と、加速度・方位センサ407と、メディアI/F409と、GPS受信部411とを備えている。
これらのうち、CPU401は、スマートフォン4全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401やIPL等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。
EEPROM404は、CPU401の制御に従って、スマートフォン用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ405は、CPU401の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。
撮像素子I/F406は、CMOSセンサ405の駆動を制御する回路である。加速度・方位センサ407は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F409は、フラッシュメモリ等の記録メディア408に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部411は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
また、スマートフォン4は、遠距離通信回路412と、CMOSセンサ413と、撮像素子I/F414と、マイク415と、スピーカ416と、音入出力I/F417と、ディスプレイ418と、外部機器接続I/F(Interface)419と、近距離通信回路420と、近距離通信回路420のアンテナ420aと、タッチパネル421とを備えている。
これらのうち、遠距離通信回路412は、ネットワーク1を介して、他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ413は、CPU401の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F414は、CMOSセンサ413の駆動を制御する回路である。
マイク415は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ416は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F417は、CPU401の制御に従ってマイク415及びスピーカ416との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ418は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段の一種である。
外部機器接続I/F419は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。近距離通信回路420は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth等の通信回路である。タッチパネル421は、利用者がディスプレイ418を押下することで、スマートフォン4を操作する入力手段の一種である。
また、スマートフォン4は、バスライン410を備えている。バスライン410は、図3に示されているCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
<印刷装置のハードウェア構成>
次に、印刷装置9のハードウェア構成を説明する。図4は、印刷装置9のハードウェア構成の一例を説明するブロック図である。
図4に示すように、印刷装置9は、コントローラ910と、近距離通信回路920と、エンジン制御部930と、操作パネル940と、ネットワークI/F950とを備えている。
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901と、システムメモリ(MEM-P)902と、ノースブリッジ(NB)903と、サウスブリッジ(SB)904と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906と、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907と、HDDコントローラ908と、記憶部であるHD909とを備え、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
これらのうち、CPU901は、印刷装置9の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを備える。
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902aと、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリ等として用いるRAM902bとを備える。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。
このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM-C907を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジック等により画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとを備える。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインタフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインタフェースを接続するようにしても良い。
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
HD909は、CPU901の制御に従ってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931及びプリンタ部932によって構成されている。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル940bを備えている。コントローラ910は、印刷装置9全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
なお、印刷装置9は、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
また、ネットワークI/F950は、ネットワーク1を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
<第1の実施形態に係る画像処理装置の機能構成>
次に、第1の実施形態に係る画像処理装置5の機能構成を説明する。図5は、画像処理装置5の機能構成の一例を説明するブロック図である。図5に示すように、画像処理装置5は、送受信部201と、印刷ジョブ取得部202と、画像データ取得部203と、実行時間出力部204と、目的時刻取得部205と、端末位置取得部206と、目的地位置取得部207とを備える。また、画像処理装置5は、印刷装置位置格納部208と、目的地到着予定時刻取得部209と、画像処理部210と、画像ファイル送信部211とを備える。
これらのうち、印刷ジョブ取得部202、画像データ取得部203、実行時間出力部204、目的時刻取得部205、端末位置取得部206、目的地位置取得部207、画像処理装置5、目的地到着予定時刻取得部209、及び画像処理部210は、図2のCPU501が所定のプログラムを実行すること等により実現される。
送受信部201は、図2のネットワークI/F509等により実現され、各種データの送受信を行う。
印刷ジョブ取得部202は、画像データに基づく印刷処理を指示する印刷ジョブを、送受信部201を介してスマートフォン4から取得し、印刷ジョブ情報を画像データ取得部203及び実行時間出力部204に出力する。ここで、印刷ジョブは、印刷処理を実行する印刷装置9を特定する識別情報を含んでいる。
画像データ取得部203は、印刷ジョブ取得部202から印刷ジョブ情報を入力し、印刷処理を行う画像データが含まれる画像ファイルの送信要求を、送受信部201を介してクラウドストレージサーバ2に送信する。また、画像データ取得部203は、送信要求に応じた画像ファイルを、送受信部201を介してクラウドストレージサーバ2から受信する。そして、受信した画像ファイルを画像処理部210に出力する。
実行時間出力部204は、印刷ジョブ取得部202から入力した印刷ジョブ情報に基づき、印刷装置9による印刷処理の実行時間t1を予測して、目的時刻取得部205に出力する。より具体的には、実行時間出力部204は、印刷ジョブが指示する印刷処理の印刷色や、印刷部数、後処理の有無等と、印刷装置9による用紙等の記録媒体1枚当たりの標準的な印刷処理時間等から、印刷ジョブが指示する印刷処理の実行時間t1を予測する。印刷装置9による用紙等の記録媒体1枚当たりの標準的な印刷処理時間は、予め定められ、図2のHD504等に格納されている。実行時間出力部204は、印刷装置9の識別情報に基づき、HD504等を参照して、記録媒体1枚当たりの標準的な印刷処理時間を取得することができる。
また、印刷ジョブを送信するスマートフォン4のユーザが、印刷装置9の位置に到着した後、IDカード等を用いてユーザの認証動作を行う標準的な時間と、印刷装置9における操作パネル940の印刷開始ボタンを押して印刷を開始させる動作の標準的な時間を予め定めておき、これらの時間を印刷処理の実行時間t1に追加しても良い。
目的時刻取得部205は、目的時刻として、印刷ジョブが指示する印刷処理を印刷装置9が実行した場合における印刷処理の終了予定時刻(印刷終了予定時刻)を取得する。目的時刻取得部205は、図2のタイマー517が取得した現在時刻T0に、実行時間出力部204から入力した印刷処理の実行時間t1を加算して、印刷終了予定時刻T0+t1を取得する。目的時刻取得部205は、取得した印刷終了予定時刻T0+t1の情報を画像処理部210に出力する。
なお、目的時刻取得部205は、タイマー517が取得した現在時刻に代えて、スマートフォン4が印刷ジョブとともに送信した印刷ジョブの送信時刻情報を、送受信部201を介して受信し、これを現在時刻として取得しても良い。また、以下において、タイマー517が取得した現在時刻を用いる場合が他にもあるが、これらの場合でも同様に、タイマー517が取得した現在時刻に代えて、スマートフォン4が印刷ジョブとともに送信した印刷ジョブの送信時刻が現在時刻として取得されても良い。
端末位置取得部206は、スマートフォン4が送信したスマートフォン4の現在位置の座標情報を、送受信部201を介して取得し、これを目的地位置取得部207及び目的地到着予定時刻取得部209に出力する。
目的地位置取得部207は、目的地の位置情報として、印刷ジョブが指示する印刷処理を実行する印刷装置9の設置位置の情報を取得する。目的地位置取得部207は、印刷装置9の識別情報に基づき、印刷装置位置格納部208を参照して印刷装置9の設置位置の情報を取得することができる。印刷装置位置格納部208は、図2のHD504等により実現され、印刷装置9が含まれる複数の印刷装置のそれぞれの設置位置情報を格納している。目的地位置取得部207は、取得した印刷装置9の設置位置情報を目的地到着予定時刻取得部209に出力する。
目的地到着予定時刻取得部209は、端末位置取得部206から取得したスマートフォン4の位置情報と、目的地位置取得部207から取得した印刷装置9の設置位置情報とに基づき、スマートフォン4のユーザが、目的地である印刷装置9の設置位置に到着する目的地到着予定時刻を取得する。
より詳しくは、目的地到着予定時刻取得部209は、端末位置取得部206から取得したスマートフォン4の位置情報と、目的地位置取得部207から取得した印刷装置9の設置位置情報とから、印刷ジョブ送信時のスマートフォン4の位置から印刷装置9の設置位置までの距離を取得する。そして、この距離を予め定められた標準的な歩行速度で除算して、印刷ジョブ送信時のスマートフォン4の位置から印刷装置9の設置位置までのユーザの移動時間(スマートフォン4の移動時間)t2を取得する。目的地到着予定時刻取得部209は、図2のタイマー517が取得した現在時刻T0に、この移動時間t2を加算して、目的地到着予定時刻T0+t2を取得することができる。
但し、目的地到着予定時刻取得部209による目的地到着予定時刻T0+t2の取得方法は、これに限定されるものではない。例えば、他の例として、位置に応じた標準的な移動経路を予め定め、HD504等に予め格納しておく。目的地到着予定時刻取得部209は、HD504等を参照して、印刷ジョブ送信時のスマートフォン4の位置から印刷装置9の設置位置までの標準的な移動経路を取得し、標準的な移動経路に沿った距離を標準的な歩行速度で除算することで、移動時間t2を取得しても良い。
目的地到着予定時刻取得部209は、取得した目的地到着予定時刻T0+t2の情報を画像処理部210に出力する。
画像処理部210は、目的時刻取得部205から入力した印刷終了予定時刻T0+t1の情報と、目的地到着予定時刻取得部209から入力した目的地到着予定時刻T0+t2の情報とに基づき、実行する画像処理を決定する。そして、決定した画像処理を、画像データ取得部203から入力した画像ファイルに含まれる画像データに対して実行する。なお、この画像処理には、上述したように、画像データの解像度変換処理、変倍処理、画像ファイルの圧縮処理、又はPostScript変換処理の少なくとも何れか1つが含まれている。
より詳しく説明すると、画像処理部210は、判定部220を備える。判定部220は、印刷終了予定時刻T0+t1と、目的地到着予定時刻T0+t2を比較して、印刷終了予定時刻T0+t1が目的地到達予定時刻T0+t2より早い時刻であるか否かを判定する。そして、印刷終了予定時刻T0+t1が目的地到達予定時刻T0+t2より早い時刻であると判定された場合には、画像処理部210は、印刷ジョブの指示に応じた画質優先の画像処理を実行する。
画質優先の画像処理は、一例として、画像ファイルに含まれる画像データの解像度を600dpi(dots per inch)から1200dpiに変換して解像度を上げる解像度変換処理や、JPEG画像の圧縮率を低下させる圧縮処理、或いは非圧縮のTIFF画像にする処理等である。これらの処理により、画質を向上させたり(画像ファイルのサイズを大きくする)、ユーザの好みに応じて文字を大きく印刷されるように記録媒体のサイズを変えたりすることができ、印刷装置9のユーザビリティを向上させることができる。
一方、印刷終了予定時刻T0+t1が目的地到達予定時刻T0+t2より早い時刻でないと判定された場合には、画像処理部210は、印刷速度優先の画像処理を実行する。印刷速度優先の画像処理は、一例として、画像ファイルに含まれる画像データの解像度を1200dpiから600dpiに変換して解像度を下げる解像度変換処理や、画像ファイルのサイズを小さくする圧縮処理等である。これらの処理により、印刷装置9が画像処理装置5から画像ファイルを受信(ダウンロード)する時間や印刷処理を実行する時間を短縮し、印刷終了予定時刻T0+t1を目的地到達予定時刻T0+t2より早くすることができる。
画像処理部210は、上述した画像処理後の画像データを含む画像ファイルを、画像ファイル送信部211に出力する。
画像ファイル送信部211は、図2のネットワークI/F509等により実現され、画像処理部210から入力した画像ファイルを印刷装置9に送信する。
なお、上述した例では、印刷ジョブは、印刷処理を実行する印刷装置9を特定する識別情報を含み、目的地位置取得部207は、識別情報に応じた印刷装置9の位置情報を取得する場合を説明したが、これに限定されるものではない。
他の例として、画像形成システム100は、異なる場所に設置された複数の印刷装置を備える。目的地位置取得部207は、端末位置取得部206から入力したスマートフォン4の現在位置の座標情報に基づき、印刷装置位置格納部208を参照して、スマートフォン4の現在位置から最も近い位置にある印刷装置を特定し、その位置情報を目的地到着予定時刻取得部209に出力しても良い。このようにすることで、ユーザは、現在位置から最も近い位置にある印刷装置に、印刷ジョブの指示する印刷処理を実行させることができる。
<第1の実施形態に係る画像処理装置による処理>
次に、本実施形態に係る画像処理装置5による処理を説明する。図6は、本実施形態に係る画像処理装置5による処理の一例を示すフローチャートである。
先ず、ステップS61において、印刷ジョブ取得部202は、画像データに基づく印刷処理を指示する印刷ジョブを、送受信部201を介してスマートフォン4から取得し、印刷ジョブ情報を画像データ取得部203及び実行時間出力部204に出力する。
続いて、ステップS62において、画像データ取得部203は、印刷処理を行う画像データが含まれる画像ファイルの送信要求を、送受信部201を介してクラウドストレージサーバ2に送信する。また、画像データ取得部203は、送信要求に応じた画像ファイルを、送受信部201を介してクラウドストレージサーバ2から受信する。そして、受信した画像ファイルを画像処理部210に出力する。
続いて、ステップS63において、実行時間出力部204は、印刷ジョブ情報に基づき、印刷装置9による印刷処理の実行時間t1を予測し、目的時刻取得部205に出力する。
続いて、ステップS64において、目的時刻取得部205は、図2のタイマー517が取得した現在時刻に、実行時間出力部204から入力した印刷処理の実行時間t1を加算して、印刷終了予定時刻T0+t1を取得する。目的時刻取得部205は、取得した印刷終了予定時刻T0+t1の情報を画像処理部210に出力する。
続いて、ステップS65において、端末位置取得部206は、スマートフォン4が送信したスマートフォン4の現在位置の座標情報を、送受信部201を介して取得し、これを目的地位置取得部207及び目的地到着予定時刻取得部209に出力する。
続いて、ステップS66において、目的地位置取得部207は、印刷ジョブが指示する印刷処理を実行する印刷装置9の識別情報に基づき、印刷装置位置格納部208を参照して印刷装置9の設置位置の情報を、目的地の位置情報として取得する。そして、目的地位置取得部207は、取得した印刷装置9の設置位置の情報を、目的地到着予定時刻取得部209に出力する。
続いて、ステップS67において、目的地到着予定時刻取得部209は、端末位置取得部206から取得したスマートフォン4の位置情報と、目的地位置取得部207から取得した印刷装置9の設置位置情報とに基づき、スマートフォン4のユーザが、目的地である印刷装置9の設置位置に到着する目的地到着予定時刻T0+t2を取得する。目的地到着予定時刻取得部209は、取得した目的地到着予定時刻T0+t2の情報を画像処理部210に出力する。
続いて、ステップS68において、画像処理部210に含まれる判定部220は、目的時刻取得部205から入力した印刷終了予定時刻T0+t1の情報と、目的地到着予定時刻取得部209から入力した目的地到着予定時刻T0+t2の情報とを比較して、印刷終了予定時刻T0+t1が目的地到達予定時刻T0+t2より早い時刻であるか否かを判定する。
ステップS68で、印刷終了予定時刻T0+t1が目的地到達予定時刻T0+t2より早い時刻であると判定された場合(ステップS68、Yes)、ステップS69に移行し、画像処理部210は、画質優先の画像処理を実行する。そして、画像処理部210は、画像処理後の画像データを含む画像ファイルを、画像ファイル送信部211に出力する。
一方、ステップS68で、印刷終了予定時刻T0+t1が目的地到達予定時刻T0+t2より早い時刻でないと判定された場合(ステップS68、No)、ステップS70に移行し、画像処理部210は、印刷速度優先の画像処理を実行する。そして、画像処理部210は、画像処理後の画像データを含む画像ファイルを、画像ファイル送信部211に出力する。
続いて、画像ファイル送信部211は、画像処理部210から入力した画像ファイルを、ネットワーク1を介して印刷装置9に送信する。
このようにして、画像処理装置5は、印刷ジョブに応じ、クラウドストレージサーバ2に蓄積された画像ファイルに含まれる画像データに所定の画像処理を実行し、印刷装置9は、画像処理後の画像データに基づく印刷処理を実行することができる。
<第1の実施形態に係る画像処理装置の作用効果>
次に、本実施形態に係る画像処理装置5の作用効果について説明する。
画像ファイルを蓄積するクラウドストレージサーバと印刷装置を連携させ、スマートフォン等の情報端末で指定された画像ファイルを印刷装置に印刷させる技術が知られている。
また、情報端末のユーザの移動経路及び移動時間と、印刷装置による印刷時間に基づいて、所望のタイミングで印刷物を出力できる場所に設置された印刷装置を印刷物の出力先として決定し、ユーザが印刷装置の位置に到着後、印刷が完了するまでの印刷待ち時間を短縮する技術が開示されている。
しかしながら、これらの従来の技術では、印刷処理の実行前に、印刷処理の対象となる画像データに対して、解像度変換やファイル圧縮、PostScript変換等の画像処理が実行される場合に、これらの画像処理の実行時間によって、印刷待ち時間が生じる場合があった。
本実施形態では、目的地到着予定時刻取得部209は、スマートフォン4の位置情報と、印刷装置9の位置情報とに基づき、スマートフォン4のユーザが印刷装置9の位置に到着する目的地到着予定時刻T0+t2を取得する。また、目的時刻取得部205は、目的時刻として、印刷ジョブが指示する印刷処理を印刷装置9が実行した場合における印刷終了予定時刻T0+t1を取得する。
そして、目的地到着予定時刻T0+t2と印刷終了予定時刻T0+t1とを比較する。印刷終了予定時刻T0+t1が目的地到着予定時刻T0+t2より早い時刻である場合は、スマートフォン4のユーザが印刷を指示後、印刷装置9の設置位置に到着した時には、指示した印刷は終了しているため、印刷待ち時間が生じることはない。そのため、画像処理部210は、画質優先の画像処理を実行し、これにより、印刷装置9のユーザビリティを向上させることができる。
一方、印刷終了予定時刻T0+t1が目的地到達予定時刻T0+t2より早い時刻でない場合、ユーザが印刷装置9の設置位置に到着した時に、指示した印刷はまだ終了しないため、このままでは印刷待ち時間が生じる。そのため、画像処理部210は、印刷終了時刻T0+t1を早めるために、印刷速度優先の画像処理を実行する。これにより、印刷終了予定時刻T0+t1を目的地到着予定時刻T0+t2より早くすることができ、ユーザが印刷装置9の設置位置に到着するまでに印刷処理を終了させることができる。その結果、印刷の待ち時間が生じないようにすることができる。このようにして、印刷待ち時間を生じさせない画像処理装置を提供することができる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る画像処理装置について説明する。なお、既に説明した実施形態と同一の構成部についての説明を省略する。
<第2の実施形態に係る画像処理装置を備える画像形成システムの構成>
図7は、本実施形態に係る画像処理装置5aを備える画像形成システム100aの構成の一例を説明する図である。図7に示すように、画像形成システム100aは、画像処理装置5aと、スケジュール管理サーバ6とを備えている。
スケジュール管理サーバ6は、スマートフォン4のユーザのスケジュール情報を管理するクラウドサーバである。スケジュール管理サーバ6は、一般的なOS等が搭載されたコンピュータ等により実現することができ、無線による通信の手段又は有線による通信の手段を備えている。また、スケジュール管理サーバ6は、送信要求に応じ、管理するスケジュール情報のうちの所定のスケジュール情報を、画像処理装置5aに送信する。なお、スケジュール管理サーバ6は、スマートフォン4のユーザ以外のスケジュール情報を管理することもできる。
スケジュール管理サーバ6は、第1の実施形態で説明した画像処理装置5と同様にコンピュータにより構築されている。スケジュール管理サーバ6のハードウェア構成も、図2を参照して説明したものと同様であるため、ここでは重複した説明を省略する。
<第2の実施形態に係る画像処理装置の機能構成>
次に、本実施形態に係る画像処理装置5aの機能構成を説明する。図8は、画像処理装置5aの機能構成の一例を説明するブロック図である。図8に示すように、画像処理装置5aは、実行時間出力部204aと、印刷装置位置取得部212と、目的時刻取得部205aと、目的地位置取得部207aと、目的地到着予定時刻取得部209aと、画像処理部210aとを備える。
実行時間出力部204aは、印刷ジョブ取得部202から入力した印刷ジョブ情報に基づき、印刷装置9による印刷処理の実行時間t1を予測し、予測した実行時間t1を目的地到着予定時刻取得部209aに出力する。
目的時刻取得部205aは、目的時刻として、スマートフォン4のユーザが参加する会議の開始時刻T1を取得して画像処理部210aに出力する。目的時刻取得部205aは、スマートフォン4のユーザの識別番号に基づき、送受信部201及びネットワーク1を介してスケジュール管理サーバ6を参照し、スマートフォン4のユーザが出席する会議の開始時刻T1を取得することができる。ここで、スマートフォン4のユーザが参加する会議の開始時刻T1は、「イベントの開始時刻」の一例である。
印刷装置位置取得部212は、印刷ジョブが指示する印刷処理を実行する印刷装置9の設置位置の情報を取得する。印刷装置位置取得部212は、印刷装置9の識別情報に基づき、印刷装置位置格納部208を参照して印刷装置9の設置位置の情報を取得することができる。印刷装置位置取得部212は、取得した印刷装置9の設置位置情報を目的地到着予定時刻取得部209aに出力する。
目的地位置取得部207aは、目的地の位置情報として、スマートフォン4のユーザが参加する会議の開催場所の情報を取得する。目的地位置取得部207aは、スマートフォン4のユーザの識別番号に基づき、送受信部201及びネットワーク1を介してスケジュール管理サーバ6を参照し、スマートフォン4のユーザが参加する会議の開催場所の情報を取得することができる。ここで、スマートフォン4のユーザが参加する会議の開催場所は、「イベントの開催場所」の一例である。目的地位置取得部207aは、会議の開催場所の情報を目的地到着予定時刻取得部209aに出力する。
目的地到着予定時刻取得部209aは、端末位置取得部206から入力したスマートフォン4の位置情報と、目的地位置取得部207aから入力した会議の開催場所情報と、実行時間出力部204aから入力した実行時間t1と、印刷装置位置取得部212から入力した印刷装置9の設置位置情報と、に基づき、目的地である会議の開催場所に、ユーザが到着する目的地到着予定時刻を取得する。
より詳しくは、目的地到着予定時刻取得部209aは、端末位置取得部206から入力したスマートフォン4の位置情報と、印刷装置位置取得部212から入力した印刷装置9の設置位置情報とから、印刷ジョブ送信時のスマートフォン4の位置から印刷装置9の設置位置までの距離を取得する。そして、この距離を予め定められた標準的な歩行速度で除算して、印刷ジョブ送信時のスマートフォン4の位置から印刷装置9の設置位置までのユーザの移動時間(スマートフォン4の移動時間)t2を取得する。
また、目的地到着予定時刻取得部209aは、印刷装置位置取得部212から入力した印刷装置9の設置位置情報と、目的地位置取得部207aから入力した会議の開催場所情報とから、印刷装置9の設置位置から会議の開催場所までの距離を取得する。そして、この距離を予め定められた標準的な歩行速度で除算して、印刷装置9の設置位置から会議の開催場所までのユーザの移動時間(スマートフォン4の移動時間)t3を取得する。
換言すると、目的地到着予定時刻取得部209aは、ユーザがスマートフォン4で印刷ジョブを送信した位置から印刷装置9の設置位置まで移動し、印刷装置9が出力した印刷物を入手し、印刷物を持って会議の開催場所まで移動する時間を取得することができる。
目的地到着予定時刻取得部209aは、図2のタイマー517が取得した現在時刻T0にこの移動時間t2及びt3と、実行時間t1とを加算して、目的地到着予定時刻T0+t1+t2+t3を取得することができる。
但し、目的地到着予定時刻取得部209aによる目的地到着予定時刻T0+t1+t2+t3の取得方法は、これに限定されるものではない。例えば、他の例として、位置に応じた標準的な移動経路を予め定め、HD504等に予め格納しておく。目的地到着予定時刻取得部209aは、HD504等を参照して、印刷ジョブ送信時のスマートフォン4の位置から印刷装置9の設置位置までの標準的な移動経路、及び印刷装置9の設置位置から会議の開催場所までの標準的な移動経路を取得し、標準的な移動経路に沿った距離を予め定められた標準的な歩行速度で除算することで、移動時間t2及びt3を取得しても良い。
目的地到着予定時刻取得部209aは、取得した目的地到着予定時刻T0+t1+t2+t3の情報を画像処理部210aに出力する。
画像処理部210aは、目的時刻取得部205aから入力した会議の開始時刻T1の情報と、目的地到着予定時刻取得部209aから入力した目的地到着予定時刻T0+t1+t2+t3の情報とに基づき、実行する画像処理を決定する。そして、決定した画像処理を、画像データ取得部203から入力した画像ファイルに含まれる画像データに対して実行する。
より詳しく説明すると、画像処理部210aは、判定部220aを備える。判定部220aは、会議の開始時刻T1と、目的地到着予定時刻T0+t1+t2+t3を比較して、目的地到達予定時刻T0+t1+t2+t3が会議の開始時刻T1より早い時刻であるか否かを判定する。そして、目的地到達予定時刻T0+t1+t2+t3が会議の開始時刻T1より早い時刻であると判定された場合には、画像処理部210aは、画質優先の画像処理を実行する。
一方、目的地到達予定時刻T0+t1+t2+t3が会議の開始時刻T1より早い時刻でないと判定された場合には、画像処理部210aは、印刷速度優先の画像処理を実行する。これにより、印刷装置9が画像処理装置5から画像ファイルを受信(ダウンロード)する時間や印刷する時間を短縮し、目的地到達予定時刻T0+t1+t2+t3を会議の開始時刻T1より早くすることができる。
画像処理部210aは、上述した画像処理後の画像データを含む画像ファイルを、画像ファイル送信部211に出力する。
<第2の実施形態に係る画像処理装置による処理>
次に、本実施形態に係る画像処理装置5aによる処理を説明する。図9は、本実施形態に係る画像処理装置5aによる処理の一例を示すフローチャートである。なお、図9におけるステップS91~S92の処理は、図6におけるステップS61~S62の処理と同様であり、図9におけるステップS100~S102の処理は、図6におけるステップS69~S71の処理と同様であるため、それぞれ重複した説明は省略する。
ステップS93において、実行時間出力部204aは、印刷ジョブ取得部202から入力した印刷ジョブ情報に基づき、印刷装置9による印刷処理の実行時間t1を予測し、目的地到着予定時刻取得部209aに出力する。
続いて、ステップS94において、目的時刻取得部205aは、目的時刻として、スマートフォン4のユーザが参加する会議の開始時刻T1を取得し、画像処理部210aに出力する。
続いて、ステップS95において、端末位置取得部206は、スマートフォン4が送信したスマートフォン4の現在位置の座標情報を、送受信部201を介して取得し、これを目的地位置取得部207a及び目的地到着予定時刻取得部209aに出力する。
続いて、ステップS96において、印刷装置位置取得部212は、印刷装置9の位置情報を取得し、目的地到着予定時刻取得部209aに出力する。
続いて、ステップS97において、目的地位置取得部207aは、会議の開催場所の情報を取得し、目的地到着予定時刻取得部209aに出力する。
続いて、ステップS98において、目的地到着予定時刻取得部209aは、端末位置取得部206から入力したスマートフォン4の位置情報と、印刷装置位置取得部212から入力した印刷装置9の設置位置情報と、目的地位置取得部207aから入力した会議の開催場所情報と、実行時間出力部204aから入力した実行時間t1とに基づき、ユーザが、目的地である会議の開催場所に到着する目的地到着予定時刻T0+t1+t2+t3を取得する。目的地到着予定時刻取得部209aは、取得した目的地到着予定時刻T0+t1+t2+t3の情報を画像処理部210aに出力する。
続いて、ステップS99において、画像処理部210aに含まれる判定部220aは、目的時刻取得部205aから入力した会議の開始時刻T1の情報と、目的地到着予定時刻取得部209aから入力した目的地到着予定時刻T0+t1+t2+t3の情報とを比較して、目的地到達予定時刻T0+t1+t2+t3が会議の開始時刻T1より早い時刻であるか否かを判定する。
ステップS99で、目的地到達予定時刻T0+t1+t2+t3は会議の開始時刻T1より早い時刻であると判定された場合(ステップS99、Yes)は、ステップS100に移行し、目的地到達予定時刻T0+t1+t2+t3は会議の開始時刻T1より早い時刻でないと判定された場合(ステップS99、No)は、ステップS101に移行する。
このようにして、画像処理装置5aは、印刷ジョブに応じ、クラウドストレージサーバ2に蓄積された画像ファイルに含まれる画像データに所定の画像処理を実行し、印刷装置9は、画像処理後の画像データに基づく印刷処理を実行することができる。
<第2の実施形態に係る画像処理装置の作用効果>
次に、本実施形態に係る画像処理装置5aの作用効果について説明する。
会議で使用する説明資料を印刷する場合、スケジュール管理サーバ6に登録されている会議の開始時刻までに説明資料の等の印刷物の印刷を終了させ、印刷物を必要な部数だけ持って会議開催場所に到着したい場合がある。
この場合に、解像度変換やファイル圧縮、PostScript変換等の画像処理が実行されると、これらの画像処理の実行時間に応じて生じる印刷待ち時間により、印刷された説明資料を持って、会議の開始時刻までに会議開催場所に到着できなくなる場合があった。
本実施形態では、目的地到着予定時刻取得部209aは、スマートフォン4の位置情報と、印刷装置9の位置情報と、会議の開催場所の情報と、印刷処理の実行時間t1とに基づき、スマートフォン4のユーザが印刷装置9の位置に到着する目的地到着予定時刻T0+t1+t2+t3を取得する。また、目的時刻取得部205aは、目的時刻として、会議の開始時刻T1を取得する。
そして、目的地到着予定時刻T0+t1+t2+t3と会議の開始時刻T1とを比較し、目的地到着予定時刻T0+t1+t2+t3が会議の開始時刻T1より早い時刻である場合は、印刷された説明資料を持って、会議の開始時刻までに会議開催場所に到着することができる。そのため、画像処理部210aは、画質優先の画像処理を実行し、これにより、印刷装置9のユーザビリティを向上させることができる。
一方、目的地到着予定時刻T0+t1+t2+t3が会議の開始時刻T1より早い時刻でない場合は、このままでは印刷された説明資料を持って、会議の開始時刻までに会議開催場所に到着することができない。そのため、画像処理部210aは、印刷速度優先の画像処理を実行する。これにより、目的地到着予定時刻T0+t1+t2+t3を会議の開始時刻T1より早くすることができ、ユーザは、印刷された説明資料を持って、会議の開始時刻までに会議開催場所に到着することができる。
なお、これ以外の効果は、第1の実施形態で説明したものと同様であるため、重複した説明を省略する。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態に係る画像処理装置5bについて説明する。図10は、本実施形態に係る画像処理装置5bの機能構成の一例を説明するブロック図である。図10に示すように、画像処理装置5bは、ユーザ選択情報取得部213と、画像処理部210bとを備える。
ユーザ選択情報取得部213は、図2のCPU501が所定のプログラムを実行することで実現される。ユーザ選択情報取得部213は、画像処理を変更した場合の特徴情報を、送受信部201を介して、スマートフォン4等に送信し、図3のディスプレイ418等に表示させる。この特徴情報は、画質優先の画像処理、印刷速度優先の画像処理、印刷完了予定時刻、又は目的地到着予定時刻等に関する情報である。
ユーザ選択情報取得部213は、ディスプレイ418等に表示させた特徴情報に応じてユーザが選択した画像処理に対する指示を、送受信部201を介して取得し、これを画像処理部210bに出力する。
画像処理部210bは、ユーザ選択情報取得部213から入力したユーザが選択した画像処理に対する指示に応じて、画像処理を実行する。
図11は、本実施形態に係る画像処理装置5bによる処理の一例を示すフローチャートである。なお、図11におけるステップS111~S119の処理は、図9におけるステップS91~S99の処理と同様である。また、図11におけるステップS123~S125の処理は、図9におけるステップS100~S102の処理と同様である。そのため、ここでは重複した説明を省略する。
ステップS120において、ユーザ選択情報取得部213は、画像処理部210bによる画像処理を変更した場合の特徴情報を、送受信部201を介して、スマートフォン4等に送信し、図3のディスプレイ418等に表示させる。
続いて、ステップS121において、ユーザ選択情報取得部213は、ユーザが選択した画像処理に対する指示を取得したか否かを判定する。
ステップS121で、ユーザが選択した画像処理に対する指示を取得していない場合(ステップS121、No)は、ステップS121に戻り、ユーザが選択した画像処理に対する指示を取得するまでステップS121の処理が繰り返される。
ステップS121で、ユーザが選択した画像処理に対する指示を取得した場合(ステップS121、Yes)は、ステップS122に移行する。
ステップS122において、ユーザ選択情報取得部213は、ユーザが選択した画像処理に対する指示が、画質を優先する指示であるか否かを判定する。
ステップS122で、ユーザが選択した画像処理に対する指示が画質を優先する指示である場合(ステップS122、Yes)は、ステップS123に移行し、ユーザが選択した画像処理に対する指示が画質を優先する指示でない場合(ステップS122、No)は、ステップS124に移行する。
このようにして、本実施形態では、ユーザが選択した画像処理に対する指示を、画像処理部210bによる画像処理に反映させることができる。
なお、これ以外の効果は、第1及び第2の実施形態で説明したものと同様であるため、重複した説明を省略する。
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態に係る画像処理装置5cについて説明する。図12は、本実施形態に係る画像処理装置5cの機能構成の一例を説明するブロック図である。図12に示すように、画像処理装置5cは、参加者情報取得部214と、設定情報格納部215と、画像処理部210cとを備える。
参加者情報取得部214は、図2のCPU501が所定のプログラムを実行することで実現される。参加者情報取得部214は、スマートフォン4のユーザの識別番号に基づき、送受信部201及びネットワーク1を介してスケジュール管理サーバ6を参照し、スマートフォン4のユーザが参加する会議の他の参加者の識別情報を取得する。ここで、スマートフォン4のユーザが参加する会議の他の参加者は、「イベントの参加者」の一例である。
また、参加者情報取得部214は、会議の参加者の識別情報に基づき、設定情報格納部215を参照して、設定情報を取得する。ここで、設定情報格納部215は、図2のHD504等により実現され、参加者に対応付けられた設定情報を格納している。
この設定情報は、印刷装置9による印刷処理に関する設定情報であり、具体的には、画像データに含まれる文字を大きくして見やすくする設定や、紙サイズを大きくする設定等の情報である。設定情報は、参加者のそれぞれの好みに応じて変化するため、設定情報格納部215は、参加者に対応付けられた設定情報が参加者により変更された場合には、設定情報をその都度更新し、最新の設定情報を格納することが好適である。これにより、参加者の直近の好みを印刷処理に反映させることができる。参加者情報取得部214は、取得した設定情報を画像処理部210cに出力する。
画像処理部210cは、参加者情報取得部214から入力した設定情報に応じて、画像処理を実行する。
図13は、本実施形態に係る画像処理装置5cによる処理の一例を示すフローチャートである。なお、図13におけるステップS131~S141の処理は、図11におけるステップS111~S121の処理と同様である。また、図13におけるステップS145~S147の処理は、図11におけるステップS123~S125の処理と同様である。そのため、ここでは重複した説明を省略する。
ステップS142において、ユーザ選択情報取得部213は、ユーザが選択した画像処理に対する指示が、画質を優先する指示であるか否かを判定する。
ステップS142で、ユーザが選択した画像処理に対する指示が画質を優先する指示である場合(ステップS142、Yes)は、ステップS145に移行し、ユーザが選択した画像処理に対する指示が画質を優先する指示でない場合(ステップS142、No)は、ステップS143に移行する。
ステップS143において、参加者情報取得部214は、スマートフォン4のユーザの識別番号に基づき、スケジュール管理サーバ6を参照して、スマートフォン4のユーザが参加する会議の他の参加者の識別情報を取得する。そして、参加者の識別情報に基づき、設定情報格納部215を参照して、参加者の設定情報があるか否かを判定する。
ステップS143で、参加者の設定情報があると判定された場合(ステップS143、Yes)は、参加者情報取得部214は、設定情報を画像処理部210cに出力する。そして、画像処理部210cは、設定情報に応じた画像処理を実行する。一方、参加者の設定情報がないと判定された場合(ステップS143、No)は、ステップS146に移行する。
このようにして、会議の参加者の設定情報を、画像処理部210cによる画像処理に反映させることができる。
会議の参加者には、小さい字が読めない人等が含まれる場合がある。この場合に、印刷速度を優先して画像ファイルのサイズを小さくすると、会議の参加者は印刷物を適切に利用することができなくなる。本実施形態では、参加者情報取得部214が会議の参加者の設定情報の有無を確認し、ある場合は設定情報を取得して画像処理に反映させる。これにより、会議の参加者は印刷物を適切に利用することが可能となる。
なお、これ以外の効果は、第1~3の実施形態で説明したものと同様であるため、重複した説明を省略する。
[第5の実施形態]
次に、第5の実施形態に係る画像処理装置5dについて説明する。図14は、本実施形態に係る画像処理装置5dの機能構成の一例を説明するブロック図である。図14に示すように、画像処理装置5dは、参加者リスト作成部216と、画像処理部210dとを備える。
参加者リスト作成部216は、図2のCPU501が所定のプログラムを実行することで実現される。参加者リスト作成部216は、スマートフォン4のユーザの識別番号に基づき、スケジュール管理サーバ6を参照して、スマートフォン4のユーザが参加する会議の他の参加者の氏名を取得し、参加者名のテキストファイルを作成する。そして、参加者リスト作成部216は、参加者の氏名のテキストファイルを画像処理部210dに出力する。
画像処理部210dは、ファイル合成部221を備える。ファイル合成部221は、参加者リスト作成部216から入力した参加者名のテキストファイルと、画像データ取得部203から入力した画像ファイルとを論理和で合成する。そして、合成後の画像ファイルを、画像ファイル送信部211を介して、印刷装置9に送信する。
図15は、本実施形態に係る画像処理装置5dによる処理の一例を示すフローチャートである。なお、図15におけるステップS151~S161の処理は、図11におけるステップS111~S121の処理と同様である。また、図15におけるステップS163~S166の処理は、図11におけるステップS122~S125の処理と同様である。そのため、ここでは重複した説明を省略する。
ステップS162において、参加者リスト作成部216は、スマートフォン4のユーザの識別番号に基づき、スケジュール管理サーバ6を参照して、スマートフォン4のユーザが参加する会議の他の参加者の氏名情報を取得し、参加者の氏名のテキストファイルを作成する。そして、参加者リスト作成部216は、参加者の氏名のテキストファイルを画像処理部210dに出力する。
画像処理部210dに含まれるファイル合成部221は、参加者リスト作成部216から入力した参加者の氏名のテキストファイルと、画像データ取得部203から入力した画像ファイルとを論理和で合成する。そして、合成後の画像ファイルを、画像ファイル送信部211を介して、印刷装置9に送信する。
本実施形態では、このようにすることで、参加者毎の印刷設定に応じて画像処理を変えることができ、参加者の誰向けの印刷物なのかが分かるように印刷することができる。
なお、これ以外の効果は、第1~第3の実施形態で説明したものと同様であるため、重複した説明を省略する。
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
また、実施形態は、画像処理方法も含む。例えば、画像処理方法は、画像データに基づく印刷処理を指示する印刷ジョブを取得する印刷ジョブ取得工程と、前記印刷ジョブに基づき予測した前記印刷処理の実行時間の予測値を出力する実行時間出力工程と、目的時刻を取得する目的時刻取得工程と、情報端末の位置情報を取得する端末位置取得工程と、目的地の位置情報を取得する目的地位置取得工程と、前記情報端末の位置情報と、前記目的地の位置情報と、に基づき、前記情報端末のユーザが前記目的地に到着する目的地到着予定時刻を取得する目的地到着予定時刻取得工程と、前記目的時刻と、前記目的地到着予定時刻と、に基づき決定した画像処理を、前記画像データに対して実行する画像処理工程と、を含む。このような画像処理方法により、上述した画像処理装置と同様の効果を得ることができる。
さらに、実施形態は、プログラムも含む。例えば、プログラムは、コンピュータを、
画像データに基づく印刷処理を指示する印刷ジョブを取得する印刷ジョブ取得部、前記印刷ジョブに基づき予測した前記印刷処理の実行時間の予測値を出力する実行時間出力部、目的時刻を取得する目的時刻取得部、情報端末の位置情報を取得する端末位置取得部、目的地の位置情報を取得する目的地位置取得部、前記情報端末の位置情報と、前記目的地の位置情報と、に基づき、前記情報端末のユーザが前記目的地に到着する目的地到着予定時刻を取得する目的地到着予定時刻取得部、及び前記目的時刻と、前記目的地到着予定時刻と、に基づき決定した画像処理を、前記画像データに対して実行する画像処理部として機能させる。このようなプログラムにより、上述した画像処理装置と同様の効果を得ることができる。
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。