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JP7260786B2 - 焼結原料の配合方法及び焼結鉱の製造方法 - Google Patents

焼結原料の配合方法及び焼結鉱の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、焼結原料を配合する方法と、この配合方法によって得られた焼結原料を用いて焼結鉱を製造する方法に関する。
焼結鉱の原料として、ピソライト鉄鉱石が用いられている。特許文献1では、Al含有量が1.5質量%以下である低Al含有ピソライト鉄鉱石を、ピソライト鉄鉱石中で50質量%以上用いることが記載されている。また、特許文献2には、ピソライト鉱石として、アルミナ含有量が2.5mass%以上のピソライト鉱石と、アルミナ含有量が1.5mass%以下のピソライト鉱石を併用することが記載されている。
特開2001-279334号公報 特開平10-121154号公報
特許文献1,2によれば、ピソライト鉄鉱石を、Al含有量が低いものと、Al含有量が高いものとに区別している。一方、特許文献1,2では、鉄鉱石の粒度については着目していない。
本願発明者によれば、鉄鉱石のAl含有量及び粒度に関する座標系において、複数種類の鉄鉱石を分類し、所定の分類に属する鉄鉱石を所定の配合割合で配合することにより、焼結鉱の生産率を向上させることが分かり、本発明を完成するに至った。
本発明は、下記式(1),(2)の条件を満たすように複数種類の鉄鉱石を配合することを特徴とする焼結原料の配合方法である。
74≦(Wb+Wc) ・・・(1)
100×Wb/(Wb+Wc)≧50 ・・・(2)
Wbは、焼結原料に含まれるすべての鉄鉱石に対して、第1分類に属する鉄鉱石が占める質量の割合である。Wcは、焼結原料に含まれるすべての鉄鉱石に対して、第2分類に属する鉄鉱石が占める質量の割合である。第1分類及び第2分類は、全鉄含有量に対するアルミナ含有量の質量比Al/T.Feと、直径が0.25mm以下である粒子の全粒子に対する質量比率D-0.25とを座標軸とした座標系において、下記条件によって区画される領域である。
<第1分類の条件>
CB2_AT<質量比Al/T.Fe<CB1_AT 及び
質量比率D-0.25<CB_Dr
<第2分類の条件>
CB2_AT<質量比Al/T.Fe<CB1_AT 及び
CB_Dr<質量比率D-0.25
CB1_AT、CB2_AT及びCB_Drのそれぞれは、下記範囲内の値である。
0.035<CB1_AT≦0.045
0.020<CB2_AT≦0.023
10≦CB_Dr≦20
上記式(2)の代わりに、下記式(3)を用いることができる。
100×Wb/(Wb+Wc)≧70 ・・・(3)
第1焼結機での焼結鉱の製造においては、上記式(1),(2)の条件を満たすように複数種類の鉄鉱石を配合することができる。一方、第1焼結機とは異なる第2焼結機での焼結鉱の製造においては、下記式(4),(5)の条件を満たすように複数種類の鉄鉱石を配合することができる。
(Wb+Wc)<10 ・・・(4)
Wa<43 ・・・(5)
Waは、焼結原料に含まれるすべての鉄鉱石に対して、第3分類に属する鉄鉱石が占める質量の割合である。第3分類は、上述した座標系において、下記条件によって区画される領域である。
<第3分類の条件>
CB1_AT<質量比Al/T.Fe 及び
質量比率D-0.25<CB_Dr
本発明の配合方法によって得られた焼結原料を用いて焼結鉱を製造することができる。ここで、上記式(1),(2)の条件を満たすように複数種類の鉄鉱石を配合したときには、第1焼結機において焼結鉱を製造することができる。一方、上記式(4),(5)の条件を満たすように複数種類の鉄鉱石を配合したときには、第1焼結機とは異なる第2焼結機において焼結鉱を製造することができる。
本発明によれば、焼結鉱の生産率を向上させることができる。
複数種類の鉄鉱石の分類を説明する図である。 所定の鉄鉱石の配合割合の合計(Wb+Wc)と、焼結鉱におけるAlの含有量との関係を示す図である。 所定の鉄鉱石の配合割合の合計(Wb+Wc)と、直径が0.25mm以下である粒子(鉄鉱石)の割合との関係を示す図である。 所定の鉄鉱石の配合割合の合計(Wb+Wc)と、焼結鉱の生産率との関係を示す図である。 分類座標系において、各分類の領域と、各鉄鉱石の位置関係を示す図である。
本実施形態は、焼結鉱製造用の原料(以下、焼結原料という)のうち、鉄鉱石を配合する方法であり、以下に説明するように複数種類の鉄鉱石を分類し、所定の分類に属する鉄鉱石を所定の配合割合で配合するものである。このように配合された焼結原料を用いて焼結鉱を製造することにより、焼結鉱の生産率を向上させることができる。
(鉄鉱石の分類方法)
複数種類の鉄鉱石の分類方法について説明する。この分類方法では、鉄鉱石を分類するための座標系(以下、分類座標系という)を規定しており、分類座標系は、2つの座標軸によって表される。一方の座標軸は、鉄鉱石について、全鉄(T.Fe)の含有量に対するAlの含有量の質量比(以下、質量比Al/T.Feという)[-]である。他方の座標軸は、鉄鉱石(粒子)について、直径が0.25mm以下である粒子の全粒子に対する質量比率(以下、質量比率D-0.25という)[質量%]である。
質量比Al/T.Feは、Alの含有量をT.Feの含有量で除算した値である。質量比率D-0.25は、直径が0.25mm以下である粒子の質量を、鉄鉱石を構成するすべての粒子の質量で除算し、この除算値に100を乗算した値である。
本実施形態では、上述したように質量比Al/T.Fe及び質量比率D-0.25に着目している。この理由について、以下に説明する。
焼結鉱の品質を左右する鉄鉱石の化学成分としては、SiOやAlが挙げられる。ここで、SiOは、鉄鉱石に含まれる成分だけでなく、珪石や橄欖岩などの副原料の添加によっても調整される。Alについては、焼成中に生成する融液の量と粘度、表面張力への影響度合いがSiOと同等であり、Alは、鉄鉱石にのみ由来する。この点を考慮すると、鉄鉱石を分類する上では、SiOではなく、Alに着目することが好ましい。
一方、鉄鉱石に含まれる結晶水は、焼成時の加熱によって取り除かれ、融液が生成する温度域では、結晶水が取り除かれた後の成分が支配的となる。この点を考慮すると、Alだけに着目するのではなく、T.Feの含有量に対するAlの含有量の割合(すなわち、質量比Al/T.Fe)に着目することが好ましい。
鉄鉱石の粒度は、焼成時の通気性に影響を与え、通気性が良好であるほど、焼成速度(すなわち、FFS:Flame Front Speed)が高くなる。したがって、焼結鉱の生産率を向上させる上では、鉄鉱石の粒度が重要な因子となる。本実施形態において、鉄鉱石の粒度については、過去の操業実績を考慮して、直径が0.25mm以下である粒子に着目している。
分類座標系では、質量比Al/T.Fe及び質量比率D-0.25のそれぞれについて、分類のための境界(以下、分類境界という)が設定される。具体的には、質量比Al/T.Feについては、2つの分類境界が設定され、質量比率D-0.25については、少なくとも1つの分類境界が設定される。
質量比Al/T.Feに関する第1分類境界CB1_ATは、ローブリバー鉱及びヤンディクージナ鉱を区別するための分類境界(質量比Al/T.Fe)であり、0.035[-]よりも高く、0.045[-]以下の範囲内の任意の値に設定される。例えば、第1分類境界CB1_ATを0.040[-]とすることができる。
質量比Al/T.Feに関する第2分類境界CB2_ATは、豪州系鉄鉱石及び南米系鉄鉱石を区別するための分類境界(質量比Al/T.Fe)であり、0.020[-]よりも高く、0.023[-]以下の範囲内の任意の値に設定される。第2分類境界CB2_ATは、第1分類境界CB1_ATよりも低く、例えば、第2分類境界CB2_ATを0.023とすることができる。
質量比率D-0.25に関する分類境界CB_Drは、ピソライト鉄鉱石と、ピソライト鉄鉱石以外の鉄鉱石とを区別するための分類境界(質量比率D-0.25)であり、10[質量%]以上であって、20[質量%]以下の範囲内の任意の値に設定される。例えば、分類境界CB_Drを15[質量%]とすることができる。
質量比率D-0.25に関する補足的な分類境界CB_Dsを設定することができる。分類境界CB_Dsは、選鉱が行われた鉄鉱石と、選鉱が行われていない鉄鉱石とを区別するための分類境界(質量比率D-0.25)であり、30[質量%]以上であって、40[質量%]以下の範囲内の任意の値に設定することができる。例えば、分類境界CB_Dsを35[質量%]とすることができる。
本実施形態では、上述した質量比Al/T.Fe及び質量比率D-0.25の分類境界に基づいて、分類CL1~CL5を規定する。具体的には、分類CL1~CL5は、下記条件(I)~(V)によってそれぞれ規定される。図1には、分類座標系において、分類CL1~CL5の位置関係を示す。なお、分類CL2は本発明の第1分類に相当し、分類CL3は本発明の第2分類に相当し、分類CL1は本発明の第3分類に相当する。
<分類CL1の条件(I)>
CB1_AT<質量比Al/T.Fe 及び
質量比率D-0.25<CB_Dr
<分類CL2の条件(II)>
CB2_AT<質量比Al/T.Fe<CB1_AT 及び
質量比率D-0.25<CB_Dr
<分類CL3の条件(III)>
CB2_AT<質量比Al/T.Fe<CB1_AT 及び
CB_Dr<質量比率D-0.25
(又は、CB_Dr<質量比率D-0.25<CB_Ds)
<分類CL4の条件(IV)>
質量比Al/T.Fe<CB2_AT 及び
CB_Dr<質量比率D-0.25<CB_Ds
<分類CL5の条件(V)>
質量比Al/T.Fe<CB2_AT 及び
CB_Ds<質量比率D-0.25
鉄鉱石が分類CL1~CL5のいずれに属するかを決定するためには、鉄鉱石について、質量比Al/T.Fe及び質量比率D-0.25を求め、上記条件(I)~(V)のいずれに該当するかを判断すればよい。質量比Al/T.Feについては、鉄鉱石の化学分析(JIS M8202)によって、T.Fe及びAlの含有量をそれぞれ測定すればよい。質量比率D-0.25については、直径が0.25mm以下である粒子を篩い分けし(JIS M8706)、篩い分け前の鉄鉱石(すべての粒子)の質量と、直径が0.25mm以下である粒子の質量とを測定すればよい。
(鉄鉱石の配合条件)
次に、焼結鉱を製造するために、複数種類の鉄鉱石を配合するときの配合条件について説明する。ここで、分類CL1に属する鉄鉱石の配合割合をWa[質量%]、分類CL2に属する鉄鉱石の配合割合をWb[質量%]、分類CL3に属する鉄鉱石の配合割合をWc[質量%]とする。配合割合Wa,Wb,Wcのそれぞれは、配合されるすべての鉄鉱石の質量に対して、各分類に属する鉄鉱石の質量の割合である。
分類CL2に属する鉄鉱石と、分類CL3に属する鉄鉱石については、下記の式(1)及び式(2)の条件を満足するように配合する。
74≦(Wb+Wc) ・・・(1)
100×Wb/(Wb+Wc)≧50 ・・・(2)
上記式(1),(2)に関して、配合割合Wcは0[質量%]であってもよく、分類CL3に属する鉄鉱石を省略することもできる。上記式(1),(2)の条件を満足するように、分類CL2及び分類CL3に属する鉄鉱石を配合することにより、焼結鉱の生産率を向上させることができる。この理由について、以下に説明する。
図2には、焼結鉱におけるAlの含有量[質量%]と、「Wb+Wc」との関係を示す。なお、図2に示す黒丸は、通常の操業条件に相当する値であり、本実施形態では、Alの含有量の基準とする。ここで、Alの含有量が低いほど、焼結鉱の歩留が向上しやすくなる。
図2において、「Wb+Wc」が74[質量%]以上であるとき、配合割合Wb,Wcの大小関係に応じて、Alの含有量の挙動が変化する。配合割合Wb,Wcが互いに等しかったり、配合割合Wbが配合割合Wcよりも低かったりするとき、「Wb+Wc」が変化しても、焼結鉱のAlの含有量はほぼ変わらない。一方、配合割合Wbが配合割合Wcよりも高いとき、「Wb+Wc」が74[質量%]から増加するほど、焼結鉱のAlの含有量が低下する。
図3には、質量比率D-0.25及び「Wb+Wc」の関係を示す。なお、図3に示す黒丸は、通常の操業条件に相当する値であり、本実施形態では、質量比率D-0.25の基準とする。ここで、質量比率D-0.25が低いほど、焼成時における通気性が向上しやすくなる。
図3において、「Wb+Wc」が74[質量%]以上であるとき、配合割合Wb,Wcの大小関係に応じて、質量比率D-0.25の挙動が変化する。配合割合Wbが配合割合Wcよりも低いとき、「Wb+Wc」が74[質量%]から増加するほど、質量比率D-0.25が上昇する。配合割合Wb,Wcが互いに等しかったり、配合割合Wbが配合割合Wcよりも高かったりするとき、「Wb+Wc」が74[質量%]から増加するほど、質量比率D-0.25が低下する。
図4には、焼結鉱の生産率及び「Wb+Wc」の関係を示す。なお、図4に示す黒丸は、通常の操業条件に相当する値であり、本実施形態では、生産率の基準とする。ここで、焼結鉱の生産率は、上述した歩留及び通気性に依存する。具体的には、歩留及び通気性の相互作用によって、焼結鉱の生産率が決定される。例えば、歩留及び通気性が共に向上すれば、焼結鉱の生産率が向上し、歩留及び通気性が共に悪化すれば、焼結鉱の生産率が低下する。
図4において、「Wb+Wc」が74[質量%]以上であるとき、配合割合Wb,Wcの大小関係に応じて、生産率の挙動が変化する。以下、配合割合Wb,Wcの大小関係について、場合分けをして説明する。
図4に示すように、配合割合Wbが配合割合Wcよりも低いとき、言い換えれば、「100×Wb/(Wb+Wc)」が50未満であるとき、「Wb+Wc」が74[質量%]から増加するほど、生産率が低下する。配合割合Wbが配合割合Wcよりも低いとき、図2に示すようにAlの含有量(言い換えれば、焼結鉱の歩留)が変化しにくいとともに、図3に示すように質量比率D-0.25が上昇して通気性が悪化しやすくなる。ここで、通気性の悪化効果が顕著になるため、歩留及び通気性の相互作用の結果として、図4に示すように、「Wb+Wc」が74[質量%]から増加するほど、生産率が低下することになる。
図4に示すように、配合割合Wb,Wcが互いに等しいとき、言い換えれば、「100×Wb/(Wb+Wc)」が50であるとき、「Wb+Wc」が74[質量%]から増加するほど、生産率が向上する。配合割合Wb,Wcが互いに等しいとき、図2に示すようにAlの含有量(言い換えれば、焼結鉱の歩留)が変化しにくいとともに、図3に示すように質量比率D-0.25が低下して通気性が向上しやすくなる。ここで、通気性の向上効果が顕著になるため、歩留及び通気性の相互作用の結果として、図4に示すように、「Wb+Wc」が74[質量%]から増加するほど、生産率が向上することになる。
図4に示すように、配合割合Wbが配合割合Wcよりも高いとき、言い換えれば、「100×Wb/(Wb+Wc)」が50よりも高いとき、「Wb+Wc」が74[質量%]から増加するほど、生産率が向上する。配合割合Wbが配合割合Wcよりも高いとき、図2に示すようにAlの含有量が低下して焼結鉱の歩留が向上しやすくなるとともに、図3に示すように質量比率D-0.25が低下して通気性が向上しやすくなる。ここで、歩留及び通気性が共に向上するため、歩留及び通気性の相互作用の結果として、図4に示すように、「Wb+Wc」が74[質量%]から増加するほど、生産率が向上することになる。ここで、「Wb+Wc」が同一の値であるとき、配合割合Wbが配合割合Wcよりも高いときの生産率は、配合割合Wb,Wcが互いに等しいときの生産率よりも高くなる。
上述した理由により、上記式(1),(2)の条件を満足するように、分類CL2及び分類CL3に属する鉄鉱石を配合すれば、焼結鉱の生産率を向上させることができる。
一方、上記式(2)の条件に関しては、下記式(3)の条件とすることが好ましい。
100×Wb/(Wb+Wc)≧70 ・・・(3)
上記式(1)及び上記式(3)の条件を満足するように鉄鉱石を配合することにより、焼結鉱におけるリンの含有量を低減することができる。リンの含有量を低減すれば、製鋼における脱リン処理の負荷を低減することができる。
次に、上記式(1)に示すように、「Wb+Wc」を74[質量%]以上としたときには、分類CL2,CL3に属する鉄鉱石が積極的に用いられ、他の分類CL1,CL4,CL5に属する鉄鉱石が余りやすくなってしまう。そこで、上記式(1),(2)の条件を満足するように鉄鉱石を配合する一方で、下記式(4),(5)の条件を満足するように鉄鉱石を配合することができる。また、焼結原料となる複数種類の鉄鉱石が、上記式(1),(2)の条件を満足していないとともに、下記式(4),(5)の条件を満足していなくても、これらの鉄鉱石を、上記式(1),(2)の条件を満足する複数種類の鉄鉱石と、下記式(4),(5)の条件を満足する複数種類の鉄鉱石とに振り分けることができる。
(Wb+Wc)<10 ・・・(4)
Wa<43 ・・・(5)
上記式(5)について、配合割合Waは0[質量%]であってもよく、分類CL1に属する鉄鉱石を省略することもできる。上記式(4),(5)の条件を満足するように、分類CL1,CL2,CL3に属する鉄鉱石を配合することにより、焼結鉱の生産率を向上させることができる。以下、この理由について説明する。
図2において、「Wb+Wc」が10[質量%]未満であるとき、配合割合Waに応じて、Alの含有量の挙動が変化する。配合割合Waが43[質量%]であったり、配合割合Waが43[質量%]よりも低かったりするとき、「Wb+Wc」が10[質量%]から減少するほど、Alの含有量が低下する。一方、配合割合Waが43[質量%]よりも高いとき、「Wb+Wc」が10[質量%]から減少するほど、Alの含有量が上昇する。
図3において、「Wb+Wc」が10[質量%]未満であるとき、配合割合Waに応じて、質量比率D-0.25の挙動が変化する。配合割合Waが43[質量%]であったり、配合割合Waが43[質量%]よりも低かったりするとき、「Wb+Wc」が10[質量%]から減少するほど、質量比率D-0.25が上昇する。一方、配合割合Waが43[質量%]よりも高いとき、「Wb+Wc」が10[質量%]から減少するほど、質量比率D-0.25が低下する。
図4において、「Wb+Wc」が10[質量%]未満であるとき、配合割合Waに応じて、生産率の挙動が変化する。以下、配合割合Waについて、場合分けをして説明する。
図4に示すように、配合割合Waが43[質量%]よりも高いとき、「Wb+Wc」が10[質量%]から減少するほど、生産率が低下する。配合割合Waが43[質量%]よりも高いとき、図2に示すようにAlの含有量が上昇して焼結鉱の歩留が低下しやすくなる一方で、図3に示すように質量比率D-0.25が低下して通気性が向上しやすくなる。ここで、歩留の低下効果が通気性の向上効果よりも高くなるため、歩留及び通気性の相互作用の結果として、図4に示すように、「Wb+Wc」が10[質量%]から減少するほど、生産率が低下することになる。
図4に示すように、配合割合Waが43[質量%]であるとき、「Wb+Wc」が変化しても、生産率は変化しにくい。配合割合Waが43[質量%]であるとき、図2に示すようにAlの含有量が低下して焼結鉱の歩留が向上しやすくなる一方で、図3に示すように質量比率D-0.25が上昇して通気性が悪化しやすくなる。ここで、歩留の向上効果と通気性の悪化効果が相殺されるため、歩留及び通気性の相互作用の結果として、図4に示すように、「Wb+Wc」が変化しても、生産率が変化しにくくなる。
図4に示すように、配合割合Waが43[質量%]よりも低いとき、「Wb+Wc」が10[質量%]から減少するほど、生産率が向上する。配合割合Waが43[質量%]よりも低いとき、図2に示すようにAlの含有量が低下して焼結鉱の歩留が向上しやすくなる一方で、図3に示すように質量比率D-0.25が上昇して通気性が悪化しやすくなる。ここで、歩留の向上効果が通気性の悪化効果よりも高くなるため、歩留及び通気性の相互作用の結果として、図4に示すように、「Wb+Wc」が10[質量%]から減少するほど、生産率が向上することになる。
上述した理由により、上記式(4),(5)の条件を満足するように、分類CL1~CL3に属する鉄鉱石を配合すれば、焼結鉱の生産率を向上させることができる。
複数種類の鉄鉱石A~Lを用意した。各鉄鉱石A~Lの化学成分及び粒度分布を下記表1に示す。
Figure 0007260786000001
鉄鉱石A~Lの化学成分に関して、T.Fe、SiO、Al、CW及びPは、JIS M8202の規定に従って測定した。質量比Al/T.Feは、T.Fe及びAlの測定結果から算出した。
粒度分布については、直径が1mm以下である粒子の全粒子に対する質量比率D-1と、直径が0.25mm以下である粒子の全粒子に対する質量比率D-0.25とを測定した。直径が1mm以下である粒子の質量や、直径が0.25mm以下である粒子の質量は、JIS M8706の規定に従って測定した。
各鉄鉱石A~Lについて、質量比Al/T.Fe及び質量比率D-0.25を求めることにより、上記条件(I)~(V)に基づいて、各鉄鉱石A~Lが属する分類を決めた。上記表1には、各鉄鉱石A~Lが属する分類も示している。また、図5には、分類座標系において、分類CL1~CL5の領域と、各鉄鉱石A~Lの位置関係を示している。本実施例では、第1分類境界CB1_ATを0.040[-]とし、第2分類境界CB2_ATを0.023[-]とし、分類境界CB_Drを15[質量%]とし、分類境界CB_Dsを35[質量%]とした。
下記表2には、焼結原料(鉄鉱石、石灰石及び橄欖岩)と、この焼結原料の配合割合を示す。実施例1~3、比較例1~4および参考例1~2では、鉄鉱石A~Lの配合割合が異なっており、石灰石及び橄欖岩の配合割合は同一としている。なお、下記表2に示す焼結原料に加えて、15[質量%](外数)の返鉱と、4.5[質量%](外数)の炭材を配合した。
Figure 0007260786000002
実施例1~3、比較例1~4および参考例1~2について、焼結鍋試験を行った。焼結鍋試験では、まず、任意の直径及び高さを有する円筒形状の焼結鍋に焼結原料を充填した。ここで、焼結鉱(2.0kg)を床敷として焼結鍋にセットした後、床敷上に焼結原料を充填した。そして、焼結鍋内の焼結原料層の表面を点火するとともに、焼結鍋の下部に設置された風箱からブロワによって空気を吸引した。これにより、焼結原料層での焼結プロセスをシミュレートすることができる。
本実施例では、直径が300mmであり、高さが500mmである焼結鍋を用いた。9.8kPaの負圧で空気を吸引しながら、焼結鍋内の焼結原料層の表面をバーナによって1分間点火することにより、焼結を開始した。風箱に設置した温度センサによって排ガスの温度を測定し続け、排ガスの温度が最大値に到達したタイミングから3分が経過したときに焼結を終了した。焼結鉱を製造した後、焼結鉱に含まれる化学成分(SiO,Al,P)を測定するとともに、焼結鉱の生産率、歩留及びFFSを求めた。
焼結鉱の生産率は、成品である焼結鉱の重量を焼結時間で除算し、この除算値を焼結鍋の鍋底面積で除算した値である。ここで、焼結時間は、焼結原料層の表面の点火を開始した時刻から、排ガスの温度が最大値に到達した時刻までの時間とした。
焼結鉱の歩留については、以下のように算出した。焼結後のケーキを、2.0mの高さから4回落下させた後、落下物を篩(直径5mm)で分級し、篩上の重量から床敷の重量(2.0kg)を減算した値を焼結鉱の重量とした。この焼結鉱の重量を、ケーキの重量から床敷の重量(2.0kg)を減算した値で除算した値を歩留とした。
FFSは、焼結鍋に焼結原料を充填したときの焼結原料層の層厚(焼結鍋の高さ方向のサイズ)を、焼結時間で除算した値である。
下記表3には、実施例1~3、比較例1~4および参考例1~2について、焼結鉱中の化学成分(SiO,Al,P)、焼結鉱の生産率、歩留及びFFSを示す。また、下記表3には、上記式(1)~(3)における「Wb+Wc」、「100×Wb/(Wb+Wc)」及びWaを示すとともに、質量比率D-0.25を示す。
Figure 0007260786000003
上記表3に示す結果によれば、実施例1~3については、比較例1~4よりも生産率が向上した。
比較例1,2について、「Wb+Wc」を47.6[質量%]から68.3[質量%]に増加させると、焼結鉱中のAlが上昇して歩留が低下した。一方、比較例1,2では、質量比率D-0.25が21.3[質量%]から17.5[質量%]に低下することによりFFSが上昇した。ここで、FFSの影響よりも歩留の影響が大きかったため、比較例2の生産率は、比較例1の生産率よりも低下した。
上述したように、「Wb+Wc」を47.6[質量%]から68.3[質量%]に増加させると、焼結鉱中のAlが上昇するが、比較例3及び実施例1~3によれば、「Wb+Wc」が74[質量%]以上になると、焼結鉱中のAlが減少に転じることが分かった。特に、「Wb+Wc」が90[質量%]以上になると、比較例3及び実施例2,3から分かるように、焼結鉱中のAlが低下しやすくなり、歩留が改善された。
「Wb+Wc」が74[質量%]以上であっても、「100×Wb/(Wb+Wc)」が50以上であるか否かに応じて、生産率が変化する。比較例3では、上記式(1)の条件を満たすが、上記式(2)の条件を満たしていなく、生産率が28.1[t/d/m]であった。実施例2,3では、上記式(1),(2)の両方の条件を満たしており、生産率が30.5[t/d/m]となり、比較例3よりも生産率が大幅に上昇した。比較例4では、上記式(1),(2)の両方の条件を満たしていなく、生産率が22.6[t/d/m]となり、最も生産率が低くなった。
実施例1,2は、上記式(1),(2)の両方の条件を満たすが、実施例3は、上記条件(1),(3)の両方の条件を満たす。実施例3によれば、「100×Wb/(Wb+Wc)」を70以上とすることにより、実施例1,2と比べて、焼結鉱に含まれるリンを低減することができた。これにより、製鋼における脱リン処理の負荷を低減することができる。
「Wb+Wc」が10[質量%]未満であるとき、Waが43[質量%]未満であるか否かに応じて、生産率が変化する。参考例2では、上記式(4)の条件を満たすが、上記式(5)の条件を満たしていなく、生産率が26.5[t/d/m]であった。参考例1では、上記式(4),(5)の両方の条件を満たしており、生産率が28.9[t/d/m]となり、参考例2よりも生産率が大幅に上昇した。
以上の結果より、2機の焼結機を有する製鉄所において、その原料構成が上記式(1)及び上記式(2)の条件を満たさないとともに、上記式(4)及び上記式(5)の条件を満たさない場合であっても、第1焼結機で上記式(1),(2)、又は、上記式(1),(3)の条件を満たすように複数種類の鉄鉱石を配合する一方、第1焼結機とは異なる第2焼結機で上記式(4),(5)の条件を満たすように複数種類の鉄鉱石を配合することで、2機の焼結機で使用される焼結原料をともに同じ原料構成とする場合に比較して、生産性が向上することが明らかである。

Claims (5)

  1. 下記式(1),(2)の条件を満たすように複数種類の鉄鉱石を配合することを特徴とする焼結原料の配合方法。
    74≦(Wb+Wc) ・・・(1)
    100×Wb/(Wb+Wc)≧50 ・・・(2)
    Wbは、焼結原料に含まれるすべての鉄鉱石に対して、第1分類に属する鉄鉱石が占める質量の割合であり、
    Wcは、焼結原料に含まれるすべての鉄鉱石に対して、第2分類に属する鉄鉱石が占める質量の割合であり、
    前記第1分類及び前記第2分類は、全鉄含有量に対するアルミナ含有量の質量比Al/T.Feと、直径が0.25mm以下である粒子の全粒子に対する質量比率D-0.25とを座標軸とした座標系において、下記条件によって区画される領域である。
    <第1分類の条件>
    CB2_AT<質量比Al/T.Fe<CB1_AT 及び
    質量比率D-0.25<CB_Dr
    <第2分類の条件>
    CB2_AT<質量比Al/T.Fe<CB1_AT 及び
    CB_Dr<質量比率D-0.25
    CB1_AT、CB2_AT及びCB_Drのそれぞれは、下記範囲内の値である。
    0.035<CB1_AT≦0.045
    0.020<CB2_AT≦0.023
    10≦CB_Dr≦20
  2. 下記式(3)の条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の焼結原料の配合方法。
    100×Wb/(Wb+Wc)≧70 ・・・(3)
  3. 第1焼結機での焼結鉱の製造においては、前記式(1),(2)の条件を満たすように複数種類の鉄鉱石を配合し、
    前記第1焼結機とは異なる第2焼結機での焼結鉱の製造においては、下記式(4),(5)の条件を満たすように複数種類の鉄鉱石を配合することを特徴とする請求項1又は2に記載の焼結原料の配合方法。
    (Wb+Wc)<10 ・・・(4)
    Wa<43 ・・・(5)
    Waは、焼結原料に含まれるすべての鉄鉱石に対して、第3分類に属する鉄鉱石が占める質量の割合であり、
    前記第3分類は、前記座標系において、下記条件によって区画される領域である。
    <第3分類の条件>
    CB1_AT<質量比Al/T.Fe 及び
    質量比率D-0.25<CB_Dr
  4. 請求項1又は2に記載の配合方法によって得られた焼結原料を用いて焼結鉱を製造することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  5. 請求項3に記載の配合方法によって得られた焼結原料を用いて、前記第1焼結機及び前記第2焼結機のそれぞれにおいて焼結鉱を製造することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
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