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JP7203665B2 - ガスセンサ及びガス検出システム - Google Patents

ガスセンサ及びガス検出システム Download PDF

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JP7203665B2
JP7203665B2 JP2019067015A JP2019067015A JP7203665B2 JP 7203665 B2 JP7203665 B2 JP 7203665B2 JP 2019067015 A JP2019067015 A JP 2019067015A JP 2019067015 A JP2019067015 A JP 2019067015A JP 7203665 B2 JP7203665 B2 JP 7203665B2
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Description

本発明は、ガスセンサ及びガス検出システムに関する。
例えば特許文献1には、複数のQCM素子が設けられたセンサアレイが用いられた嗅覚システムが開示されている。このセンサアレイでは、特定の物質分子に対して特異的に作用するセンサの数及びその配列やセンサの種類を、作用した時のアレイ全体における反応パターンを任意にデザインした上で決めることが可能である。そして、その反応パターンをあらかじめ情報格納部に格納しておくことで、匂い要因に対するセンサアレイにおける反応と照合して複数の匂い原因物質の集合体を識別している。
国際公開第2016/031080号
このようなガスを検出するガスセンサにおいては、高感度のガス検出が望まれている。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、高感度にガスを検出することができるガスセンサ及びガス検出システムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るガスセンサは、複数の検出素子を具備する。
上記検出素子は、検出対象ガスが通過するガス通路に配置される。
上記検出素子は、ガスを吸着する細孔を有する金属有機構造体からなる感応膜を備える。
複数の上記検出素子は、上記ガス通路に、上記検出対象ガスの流れ方向に沿って上流側から下流側に向かって上記細孔が大きくなるように配置される。
本発明のこのような構成によれば、上流側から下流側に向かって順に細孔が大きくなるように複数の検出素子を配置しているので、細孔径サイズによる分子ふるいをかけながらガスを検出することができ、高感度のガス検出が可能となる。
複数の上記検出素子それぞれの感応膜が選択的に吸着するガスの分子サイズは、上記記ガス通路の上流側から下流側に向かって大きくなってもよい。
本発明の一形態に係るガス検出システムは、上記ガスセンサと、演算装置を具備する。
上記検出素子は上記ガスの吸着により共振周波数変化を生じる。
上記演算装置は、上記検出素子の共振周波数変化に基づいて上記検出素子の検出ターゲットのガスを検出する。
上記演算装置は、上記検出素子の共振周波数変化量が設定値以上であるか否かにより、上記検出素子の検出ターゲットのガスの検出、未検出を判定してもよい。
以上述べたように、本発明によれば、高感度にガスを検出することができる。
本発明の実施形態に係るガスセンサの構成を示す概略図である。 上記ガスセンサに含まれる検出素子の正面図である。 上記ガスセンサを用いたシミュレーション結果である。 演算装置におけるガス検出方法を説明するフロー図である。 比較例としてのガスセンサの部分構成を示す概略図である。 比較例のガスセンサを用いたシミュレーション結果である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図1に示すように、ガス検出システム1は、ガスセンサ2と、演算装置4と、表示装置5とを具備する。
ガスセンサ2は、収容室20と、第1の検出素子としての第1のQCMセンサ素子(以下、第1のQCMと称す)10aと、第2の検出素子としての第2のQCMセンサ素子(以下、第2のQCMと称す)10bと、第3の検出素子としての第3のQCMセンサ素子(以下、第3のQCMと称す)10cと、第4の検出素子としての第4のQCMセンサ素子(以下、第4のQCMと称す)10dと、温湿度センサ30と、第1の周波数カウンタ回路31aと、第2の周波数カウンタ回路31bと、第3の周波数カウンタ回路31cと、第4の周波数カウンタ回路31dを具備する。
収容室20は、第1のQCM10aと、第2のQCM10bと、第3のQCM10cと、第4のQCM10dと、温湿度センサ30を収容する。
収容室20は、外部から検出対象ガス23を吸気する吸気口21と、吸気口23から収容室20内に導入された検出対象ガス23を収容室20から外部に排気する排気口22とを有する。
吸気口21、収容室20、排気口22は検出対象ガス23が通過するガス通路を形成する。検出対象ガス23は、吸気口21から排気口22へ向かう方向へ流れる。この検出対象ガス23の流れ方向に沿って、複数のQCM(本実施形態においては、第1のQCM10a、第2のQCM10b、第3のQCM10c、第4のQCM10d)が配置される。
温湿度センサ30は、収容室20内の雰囲気の温度、湿度を検出するものである。温湿度センサ30により検出された温度、湿度情報は、演算装置4へ出力される。感応膜の種類によっては、雰囲気の温度又は湿度の変化により検出される共振周波数が大きく変動する。
演算装置4により、温湿度センサ30により検出された温度を基に、各QCM10a~10dそれぞれで検出された共振周波数は、温度、湿度による共振周波数変化をキャンセルするように補正されてもよい。これにより、温度、湿度の影響のない検出対象ガスの吸着による共振周波数変化のみを検出することができる。
温湿度センサ30には、例えばセンシリオン社製のデジタル温湿度センサ(型番:SHT21)を用いることができる。
第1のQCM10aと、第2のQCM10bと、第3のQCM10cと、第4のQCM10dは、いずれも振動子としての水晶振動子と、該水晶振動子上に設けられた特定のガスを吸着する感応膜を備えた構成を有しており、感応膜の種類が異なるのみで基本構造は同じである。以下、第1のQCM10a、第2のQCM10b、第3のQCM10c、第4のQCM10dを特に区別する必要がない場合は、QCM10と称して説明する場合がある。
同様に、第1の周波数カウンタ回路31aと、第2の周波数カウンタ回路31bと、第3の周波数カウンタ回路31c、第4の周波数カウンタ回路31dを特に区別する必要がない場合は、周波数カウンタ回路31と称して説明する場合がある。
図2に示すように、QCM10は、水晶振動子13と、電極11と、感応膜12と、リードランド16Aと、リードランド16Bと、リード14Aと、リード14Bと、ピン端子19Aと、ピン端子19Bと、ホルダ18とを有する。水晶振動子13は、ATカットの水晶板である。
QCM10の水晶振動子13の共振周波数は感応膜12に吸着したガスの重量に比例して減少するので、水晶振動子毎に共振周波数の変化量を算出し、この算出結果を基に、検出対象ガスに、検出ターゲットとなるガスが含まれているか否かを検出することができる。
本実施形態においては、検出素子に共振周波数が9MHzの水晶振動子を用いるが、これに限定されない。例えば、水晶振動子以外にセラミック振動子、表面弾性波素子、カンチレバー、ダイヤフラムなどを用いることもでき、感応膜のガス吸着による重量増加、膨張応力増加等の物理変化を検出し、電気信号に変換できるものであれば適用できる。
以下、第1のQCM10aが備える感応膜を第1の感応膜12aと称し、第2のQCM10bが備える感応膜を第2の感応膜12bと称し、第3のQCM10cが備える感応膜を第3の感応膜12cと称し、第4のQCM10dが備える感応膜を第4の感応膜12dと称する。
電極11は、水晶振動子13の両面にそれぞれ形成され、感応膜12は水晶振動子13の一方の面に形成された電極11上に形成される。リードランド16Aは一方の面に形成された電極11と一体形成されてなり、リードランド16Bは他方の面に形成された電極11と一体形成されてなる。
リード14A及びリード14Bは金属バネ材からなり、互いに平行に配置される。
リード14Aは、一端がリードランド16Aを介して一方の面に形成された電極11と電気的に接続し、他端がピン端子19Aに接続する。リード14Bは一端がリードランド16Bを介して他方の面に形成された電極11と電気的に接続し、他端がピン端子19Bに接続する。
ピン端子19Aと、ピン端子19Bは、基板上に設けられたホルダ18に支持され、ホルダ18によって水晶振動子13は振動自在に支持される。
QCM10a(10b、10c、10d)のピン端子19A及び19Bは図示しない発振回路に接続され、QCM10a(10b、10c、10d)に駆動電圧が印加される。QCM10a(10b、10c、10d)は、駆動電圧が印加されると、水晶振動子13は固有の共振周波数(本例では9MHz)で振動する。
そして、感応膜12がガスを吸着することにより質量が変化し、その吸着量に応じて水晶振動子13の発振周波数は低下する。このように、QCM10では、ガス吸着による重量変化を周波数変化としてガス検出を行う。また、周波数の変化量に応じてガス濃度を定量することができる。
第1のQCM10a、第2のQCM10b、第3のQCM10c、第4のQCM10dは、それぞれ、共振周波数測定部である第1の周波数カウンタ回路31a、第2の周波数カウンタ回路31b、第3の周波数カウンタ回路31c、第4の周波数カウンタ回路31dに接続される。
第1の周波数カウンタ回路31a(第2の周波数カウンタ回路31b、第3の周波数カウンタ回路31c、第4の周波数カウンタ回路31d)は、第1のQCM10a(第2のQCM10b、第3のQCM10c、第4のQCM10d)の第1の感応膜12a(第2の感応膜12b、第3の感応膜12c、第4の感応膜12d)の共振周波数を測定する。各周波数カウンタ回路31a~31dで測定された共振周波数の電気信号は演算装置4に出力される。
感応膜12は、多孔質の金属有機構造体(MOF:Metal Organic Frameworks)からなる。金属有機構造体は、有機配位子と金属イオンとが結合してできる三次元構造を有し、複数の細孔を有する。
金属有機構造体は、検出対象ガスを物理的な結合により捕捉する。
構成要素である金属イオンや有機配位子の種類、修飾する官能基によって、金属有機構造体からなる感応膜の細孔径(細孔サイズ)や極性を任意のものとすることが可能である。このように、感応膜として金属有機構造体を用いることにより、感応膜の設計範囲が広くなる。
本実施形態では、金属有機構造体の種類によって感応膜12に選択的に吸着するガスの種類が制御され、更に、細孔サイズを調節することにより、感応膜12に吸着するガスの分子サイズが制御される。
感応膜12は、ディップ、スピン、スプレーなどの既知のコート方法で、電極11上に塗布されて形成される。
第1の感応膜12a、第2の感応膜12b、第3の感応膜12c及び第4の感応膜12dは、それぞれ、異なる種類の金属有機構造体からなり、それぞれの感応膜が有する細孔サイズが異なっている。
本実施形態において、第1の感応膜12aは、金属イオンがTi4+、有機配位子が1,4-ベンゼンジカルボン酸の感応膜であり、細孔径は60nmである。
第2の感応膜12bは、金属イオンがZr4+、有機配位子が1,4-ベンゼンジカルボン酸の感応膜であり、細孔径は75nmである。
第3の感応膜12cは、金属イオンがNi2+、有機配位子が1,4-ベンゼンジカルボン酸の感応膜であり、細孔径は100nmである。
第4の感応膜12dは、金属イオンがZr4+、有機配位子がビフェニル-4,4´-ジカルボン酸の感応膜であり、細孔径は120nmである。
4つのQCM10a~10dは、ガス通路に、検出対象ガス23の流れ方向に沿って上流側から下流側に向かって細孔が徐々に大きくなるように配置される。
尚、各QCMの感応膜の具体的な材料、細孔径はこれらに限定されず、ガス通路において上流側から下流側に向かって徐々に細孔径が大きくなるように各感応膜を構成すればよい。
第1のQCM10aは、細孔径が60nmの孔を複数有する第1の感応膜12aを備えており、分子径が60nm以下のガスを検出ターゲットとする。
本実施形態において、第1のQCM10aは、例えば第1のガスとしてのアンモニアを検出ターゲットとしており、アンモニアをより選択的に吸着する第1の感応膜12aを有する。アンモニアの分子径は38nmである。
第2のQCM10bは、細孔径が75nmの孔を複数有する第2の感応膜12bを備えており、分子径が60nm以下のガスを検出ターゲットとする。
第2のQCM10bは、例えば第2のガスとしてのトルエンを検出ターゲットとしており、トルエンをより選択的に吸着する第2の感応膜12bを有する。トルエンの分子径は70nmである。
第2のQCM10bは、第1のQCM10aよりも下流側に位置しているため、収容室20に導入される検出対象ガスのうち、第1の感応膜12aにより吸着されなかったガスであって、分子径が60nm以下のガスを吸着する。
第3のQCM10cは、細孔径が100nmの孔を複数有する第3の感応膜12cを備えており、分子径が100nm以下のガスを検出ターゲットとする。
第3のQCM10cは、例えば第3のガスとしてのトリブチルアミンを検出ターゲットとしており、トリブチルアミンをより選択的に吸着する第3の感応膜12cを有する。トリブチルアミンの分子径は81nmである。
第3のQCM10cは、第1のQCM10a及び第2のQCM10bよりも下流側に位置しているため、収容室20に導入される検出対象ガスのうち、第1の感応膜12a及び第2の感応膜12bにより吸着されなかったガスであって、分子径が100nm以下のガスを吸着する。
第4のQCM10dは、細孔径が120nmの孔を複数有する第4の感応膜12dを備えており、分子径が120nm以下のガスを検出対象とする。
第4のQCM10dは、例えば第4のガスとしてのトリフルオロブチルアミンを検出ターゲットとしており、トリフルオロブチルアミンをより選択的に吸着する第4の感応膜12dを有する。トリブチルアミンの分子径は100nmである。
第4のQCM10dは、第1のQCM10a、第2のQCM10b及び第3のQCM10cよりも下流側に位置しているため、収容室20に導入される検出対象ガスのうち、第1の感応膜12a、第2の感応膜12b及び第3の感応膜12cにより吸着されなかったガスであって、分子径が120nm以下のガスを吸着する。
このように、各QCMの検出ターゲットのガスの分子サイズは、検出対象ガスの流れ方向における上流側から下流側に向かって順に大きくなっている。
本実施形態において、検出対象ガスの流れ方向における上流側から下流側に向かって順に細孔が大きくなるように複数のQCMを配置しているので、細孔径サイズによる分子ふるいをかけながらガスを検出することができ、高感度のガス検出が可能となる。
図3は、検出対象ガスとして、アンモニア、トルエン、トリブチルアミン、トリフルオロブチルアミンの混合ガスを用い、図1に示す本実施形態のガスセンサ2でガスを検出したシミュレーション結果を示す。
図5は、比較例としてのガスセンサ102の部分構成を示す概略図である。図6は、検出対象ガスとして、アンモニア、トルエン、トリブチルアミン、トリフルオロブチルアミンの混合ガスを用い、図5に示すガスセンサ102でガスを検出したシミュレーション結果を示す。尚、図5において、ガスセンサ2と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
図5に示すように、比較例であるガスセンサ102において、収容室120には、ガスセンサ2と同様に、複数のQCM10a~10dと温湿度センサ30が配置される。ガスセンサ102は、ガスセンサ2と比較して、吸気口121と排気口122の位置が異なる点で相違する。
これにより、比較例のガスセンサ102では、図5に示すように、検出ガスの流れ方向に対して並列に複数のQCM10が配置される。一方、本実施形態におけるガスセンサ2では、図1に示すように、検出対象ガスの流れ方向に沿って直列に複数のQCM10が配置される。
図5に示すように、比較例のガスセンサ102では、検出対象ガスの流れ方向に対して並列に複数のQCM10a~10dが配置されるため、いずれのQCM10にも同様に検出対象ガスが達する。
このため、図6に示すように、いずれのQCM10においても、アンモニア、トルエン、トリブチルアミン、トリフルオロブチルアミンの4種類のガスが検出される。例えば第1のQCM10aは、他のQCMよりも、より多くのアンモニアを検出してはいるが、その差は大きくはない。同様に、第2のQCM10bは、他のQCMよりも、より多くのトルエンを検出してはいるが、その差は大きくはない。第3のQCM10cは、他のQCMよりも、より多くのトリブチルアミンを検出してはいるが、その差は大きくはない。第4のQCM10dは、他のQCMよりも、より多くのトリフルオロブチルアミンを検出してはいるが、その差は大きくはない。
このように、並列に複数のQCM10a~10dが配置されたガスセンサ102では、分子ふるいが行われないまま各QCMに検出対象ガスが達するため、検出感度及びガスの識別精度が低下する。
これに対して、本実施形態のガスセンサ2では、検出対象ガスの流れ方向に沿って、上流側から下流側にむかって徐々に感応膜12の細孔サイズが大きくなるように直列にQCM10a~10dが配置される。これにより、検出対象ガスのうち、サイズの小さい分子から順に各感応膜12に吸着されていき、サイズの大きい分子を有するガスは下流側に位置する細孔サイズの大きい第4の感応膜12dに吸着される。このように、ガスセンサ2では、分子ふるいにかけながらサイズの小さい分子のガスから順に分離していき、小さいガス分子から順に検出することができる。このように、分子ふるいをかけながらガスの検出を行うことにより、各QCMが検出ターゲットとするガスが効率よく対応するQCMに達することになるため、高感度でガスを検出することができ、また、ガスの識別精度が向上する。
例えば、図3に示すように、第1のQCM10aは、他のQCMよりもおよそ4倍以上の感度でアンモニアを検出する。同様に、第2のQCM10bは、他のQCMよりもおよそ3倍以上の感度でトルエンを検出する。第3のQCM10cは、他のQCMよりもおよそ3倍以上の感度でトリブチルアミンを検出する。第4のQCM10dは、他のQCMよりもおよそ4倍以上の感度でトリフルオロブチルアミンを検出する。
このように、直列に複数のQCM10a~10dが配置されたガスセンサ2では、検出感度及び匂いの識別精度が向上する。
演算装置4は、取得部41と、判定部42と、出力部43を備える。
取得部41は、各周波数カウンタ回路31a~31dで検出された第1のQCM10aの共振周波数の電気信号、第2のQCM10bの共振周波数の電気信号、第3のQCM10dの共振周波数の電気信号、第4のQCM10dの共振周波数の電気信号、及び、温湿度センサ30で検出された温度及び湿度情報を取得する。
判定部42は、取得部41で取得された各QCM10a~10dの共振周波数の電気信号及び温度、湿度の情報を基に、各QCM10a~10dの周波数変化量を算出し、アンモニア、トルエン、トリブチルアミン、トリフルオロブチルアミン、それぞれのガスの検出、未検出を判定する。これによりガスの検出、識別が行われる。また、判定部42により、周波数変化量に基づいてガスの定量分析を行うこともできる。
出力部43は、取得部41で取得された各QCM10a~10dの共振周波数、判定部42により判定された検出ガスの識別結果や定量分析結果を表示装置5へ出力する。
このように、演算装置4により検出ガスの識別やガス濃度測定が行われる。
表示装置5は表示部を有し、演算装置4から出力された検出ガスの識別結果やガス濃度等を表示部に表示する。ユーザは、表示部を確認することによりガス検出結果を把握することができる。
次に、演算装置4で行われるガス検出方法について図4のフロー図を用いて説明する。
図4に示すように、取得部41により、各周波数カウンタ回路31a~31dで検出された各QCM10a~10dの共振周波数の電気信号が取得される(St1)。
次に、判定部42により、取得部41で取得された電気信号を基に、各QCM10a~10dの周波数変化量が算出され、この周波数変化量がQCM10a~10d毎に予め設定された設定値以上か否かが判定される(St2)。
次に、判定部42により、周波数変化量が設定値以上であると、QCM10の検出ターゲットのガスが検出されたと判定され(St3)、設定値未満であるとガスは未検出であると判定される(St4)。
この判定は、QCM10a~10d毎に個別に行われる。
例えば、第1のQCM10aでの周波数変化量が設定値以上である場合、検出対象ガス23中に、第1のQCM10aの検出ターゲットのガスであるアンモニアが検出されたと判定され、設定値未満である場合、アンモニアは未検出と判定される。
同様に、第2のQCM10bでの周波数変化量が設定値以上である場合、検出対象ガス23中に、第2のQCM10bの検出ターゲットのガスであるアンモニアトルエンが検出されたと判定され、設定値未満である場合、トルエンは未検出と判定される。
第3のQCM10cでの周波数変化量が設定値以上である場合、検出対象ガス23中に、第3のQCM10cの検出ターゲットのガスであるトリブチルアミンが検出されたと判定され、設定値未満である場合、トリブチルアミンは未検出と判定される。
第4のQCM10dでの周波数変化量が設定値以上である場合、検出対象ガス23中に、第4のQCM10dの検出ターゲットのガスであるトリフルオロブチルアミンが検出されたと判定され、設定値未満である場合、トリフルオロブチルアミンは未検出と判定される。
各QCM10の吸着機構は物理吸着によるものであり、検出処理終了後は、収容室20内にクリーンエアを流すことによりキャリブレーションを行うことができる。或いは、加熱によってキャリブレーションを行っても良い。
以上のように本実施形態においては、高感度なガスの検出が可能となる。
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上述の実施形態においては、複数の検出素子として4つのQCMを用いる場合について説明したが、検出素子は2つ以上あればよい。また、検出素子の数が増えることにより、より多くの種類のガスを識別することができる。
また、上述の実施形態においては、各QCMの周波数変化量が設定値以上か否かでガスの検出、未検出を判定する例をあげたが、これに限定されない。例えば、各種のガス毎の各QCMにおける検出データを予めデータベースに格納しておき、予め格納していた検出データと、実際にガスセンサ2により取得した検出データとを照合し、検出ガスの種類、濃度を判定してもよい。
また、上述の実施形態においては、検出素子として、ガス吸着による周波数変化を検出するQCMを例あげて説明したが、これに限定されず、例えば、導電性を有するMOFを用いて、ガス分子吸着により電気的特性の変化を検出する半導体方式であってもよい。
2…ガスセンサ
4…演算装置
10a…第1のQCM(検出素子)
10b…第2のQCM(検出素子)
10c…第3のQCM(検出素子)
10d…第4のQCM(検出素子)
12a…第1の感応膜(感応膜)
12b…第2の感応膜(感応膜)
12c…第3の感応膜(感応膜)
12d…第4の感応膜(感応膜)
13a…第1の振動子(振動子)
13b…第2の振動子(振動子)
13c…第3の振動子(振動子)
13d…第4の振動子(振動子)

Claims (4)

  1. 検出対象ガスが通過するガス通路に配置された複数の検出素子を具備し、
    前記検出素子は、ガスを吸着する細孔を有する金属有機構造体からなる感応膜を備え、
    複数の前記検出素子は、前記ガス通路に、前記検出対象ガスの流れ方向に沿って上流側から下流側に向かって前記細孔が大きくなるように配置される
    ガスセンサ。
  2. 請求項1に記載のガスセンサであって、
    複数の前記検出素子それぞれの感応膜が選択的に吸着するガスの分子サイズは、前記ガス通路の上流側から下流側に向かって大きくなる
    ガスセンサ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のガスセンサと、
    前記検出素子は前記ガスの吸着により共振周波数変化を生じ、前記検出素子の共振周波数変化に基づいて前記検出素子の検出ターゲットのガスを検出する演算装置
    を具備するガス検出システム。
  4. 請求項3に記載のガス検出システムであって、
    前記演算装置は、前記検出素子の共振周波数変化量が設定値以上であるか否かにより、前記検出素子の検出ターゲットのガスの検出、未検出を判定する
    ガス検出システム。
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