JPH11108818A - センサおよびそのセンサの製造方法並びにそのセンサを用いた計測システム - Google Patents
センサおよびそのセンサの製造方法並びにそのセンサを用いた計測システムInfo
- Publication number
- JPH11108818A JPH11108818A JP9271816A JP27181697A JPH11108818A JP H11108818 A JPH11108818 A JP H11108818A JP 9271816 A JP9271816 A JP 9271816A JP 27181697 A JP27181697 A JP 27181697A JP H11108818 A JPH11108818 A JP H11108818A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sensor
- double bond
- piezoelectric vibrator
- rubber
- sensitive film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 一つのベース材料だけで感応膜を形成してセ
ンサを簡単容易に構成できるようにするとともに、その
製造も容易にして低価格を図った。 【解決手段】 水晶振動子11の表面には電極12が形
成される。この電極12を除いた部分の水晶振動子11
の表面には、1,2ポリブタジエン(以下1,2PBと称す)等
の二重結合を持つゴム系材料で構成した同一種類(また
は少数の種類)の感応膜13を形成する。上記1,2PBの
分子構造式の基本構造式は、モノマー単位で一個の二重
結合を持ち、機能性分子が結合される。機能性分子とし
ては、例えば、臭素Brが結合される。このように、二重
結合を持つゴム系材料では、官能基を付与することが可
能である。しかも、この官能基は、溶液浸透あるいは雰
囲気ガスに晒すという簡単な処理で置換できる利点があ
る。
ンサを簡単容易に構成できるようにするとともに、その
製造も容易にして低価格を図った。 【解決手段】 水晶振動子11の表面には電極12が形
成される。この電極12を除いた部分の水晶振動子11
の表面には、1,2ポリブタジエン(以下1,2PBと称す)等
の二重結合を持つゴム系材料で構成した同一種類(また
は少数の種類)の感応膜13を形成する。上記1,2PBの
分子構造式の基本構造式は、モノマー単位で一個の二重
結合を持ち、機能性分子が結合される。機能性分子とし
ては、例えば、臭素Brが結合される。このように、二重
結合を持つゴム系材料では、官能基を付与することが可
能である。しかも、この官能基は、溶液浸透あるいは雰
囲気ガスに晒すという簡単な処理で置換できる利点があ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、気体や液体に含
まれる微量な成分や有害物質を定量的に検出するセンサ
およびそのセンサの製造方法並びにそのセンサを用いた
計測システムに関する。
まれる微量な成分や有害物質を定量的に検出するセンサ
およびそのセンサの製造方法並びにそのセンサを用いた
計測システムに関する。
【0002】
【従来の技術】気体や液体に含まれる微量な成分や有害
物質を定量的に検出する手段としては、水晶振動子を利
用したQCM(Quartz Crystal Micro Balance)が広く
用いられている。
物質を定量的に検出する手段としては、水晶振動子を利
用したQCM(Quartz Crystal Micro Balance)が広く
用いられている。
【0003】図7はQCMの構成説明図で、図7におい
て、1は水晶振動子で、この水晶振動子1は、一般に温
度安定性や経時変化に優れているため、発振回路を付加
することにより、極めて安定した周波数発振が可能であ
る。2は水晶振動子1の両表面に付着された電極であ
る。3は水晶振動子1の電極2に接続された発振回路
で、この発振回路3の発振出力は、周波数カウンタ4で
計数される。周波数カウンタ4で計数される周波数は、
周波数変化検出部5に供給される。この検出部5は、水
晶振動子1の表面(電極表面)に分子吸着により質量負
荷がおこると共振周波数が変化するときの周波数と、分
子吸着が生じないときの共振周波数との周波数変化を検
出するものである。この検出された周波数変化の差に応
じて水晶振動子1表面の物質の吸着量を定量的に評価部
6で評価する。
て、1は水晶振動子で、この水晶振動子1は、一般に温
度安定性や経時変化に優れているため、発振回路を付加
することにより、極めて安定した周波数発振が可能であ
る。2は水晶振動子1の両表面に付着された電極であ
る。3は水晶振動子1の電極2に接続された発振回路
で、この発振回路3の発振出力は、周波数カウンタ4で
計数される。周波数カウンタ4で計数される周波数は、
周波数変化検出部5に供給される。この検出部5は、水
晶振動子1の表面(電極表面)に分子吸着により質量負
荷がおこると共振周波数が変化するときの周波数と、分
子吸着が生じないときの共振周波数との周波数変化を検
出するものである。この検出された周波数変化の差に応
じて水晶振動子1表面の物質の吸着量を定量的に評価部
6で評価する。
【0004】上記のように構成されたQCMにおいて
は、水晶振動子1の表面への物質の吸着量を定量的に評
価するものであるが、上記水晶振動子1の表面に特定物
質のみ選択的に吸着する感応膜を形成すると、所望の吸
着物質を選択的に検出することができるようになる。
は、水晶振動子1の表面への物質の吸着量を定量的に評
価するものであるが、上記水晶振動子1の表面に特定物
質のみ選択的に吸着する感応膜を形成すると、所望の吸
着物質を選択的に検出することができるようになる。
【0005】このようなQCMを用いると、比較的簡単
な構成で特定物質を高い精度で分析できる利点がある。
しかし、臭いや味などの複雑な対象の混合物質の分析、
ppbオーダの微量分析など更に高機能、高精度な物質
の計測には、単体の感応膜を形成したQCMでは検出が
困難である。
な構成で特定物質を高い精度で分析できる利点がある。
しかし、臭いや味などの複雑な対象の混合物質の分析、
ppbオーダの微量分析など更に高機能、高精度な物質
の計測には、単体の感応膜を形成したQCMでは検出が
困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このため、臭いや味な
どの多種な物質により構成される複雑な混合物を定量的
に分析するために、個々の検出物質に対して選択的に物
質が吸着する感応膜を設けた水晶振動子センサを並列に
多数個配置し、各水晶振動子からの発振周波数を観測す
ることにより、物質の種類と量を検出する試みがなされ
るようになって来た。すなわち、これらの各センサから
得られた情報を元に、統計的な解析手法や神経回路網的
な手法を用いて上記物質を分析して、それらを判定する
ことが行われるなってきている。
どの多種な物質により構成される複雑な混合物を定量的
に分析するために、個々の検出物質に対して選択的に物
質が吸着する感応膜を設けた水晶振動子センサを並列に
多数個配置し、各水晶振動子からの発振周波数を観測す
ることにより、物質の種類と量を検出する試みがなされ
るようになって来た。すなわち、これらの各センサから
得られた情報を元に、統計的な解析手法や神経回路網的
な手法を用いて上記物質を分析して、それらを判定する
ことが行われるなってきている。
【0007】上記のようなセンサを用いる装置では、各
水晶振動子センサに対して複数の異なる吸着特性の感応
膜を別々に設けなくてはならない。このように水晶振動
子センサに吸着特性に応じた感応膜を別個にそれぞれ設
けなくてはならないため、センサの製造に手間がかか
り、コストの増加を招く問題があった。
水晶振動子センサに対して複数の異なる吸着特性の感応
膜を別々に設けなくてはならない。このように水晶振動
子センサに吸着特性に応じた感応膜を別個にそれぞれ設
けなくてはならないため、センサの製造に手間がかか
り、コストの増加を招く問題があった。
【0008】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
ので、一つのベース材料だけで感応膜を形成してセンサ
を簡単容易に構成できるようにするとともに、その製造
も容易にして低価格を図ったセンサおよびそのセンサの
製造方法並びにそのセンサを用いた計測システムを提供
することを課題とする。
ので、一つのベース材料だけで感応膜を形成してセンサ
を簡単容易に構成できるようにするとともに、その製造
も容易にして低価格を図ったセンサおよびそのセンサの
製造方法並びにそのセンサを用いた計測システムを提供
することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を達成するために、第1発明は、圧電振動子の両面に、
二重結合を持つゴム系材料により感応膜を形成したこと
を特徴とするものである。
を達成するために、第1発明は、圧電振動子の両面に、
二重結合を持つゴム系材料により感応膜を形成したこと
を特徴とするものである。
【0010】第2発明は、前記前記圧電振動子に代えて
弾性表面波素子を使用したものである。
弾性表面波素子を使用したものである。
【0011】第3発明、前記感応膜は、溶液浸透あるい
は雰囲気ガスの処理により種々の機能分子を付与し、官
能基の種類を変えて吸着特性を異なるように形成したも
のである。
は雰囲気ガスの処理により種々の機能分子を付与し、官
能基の種類を変えて吸着特性を異なるように形成したも
のである。
【0012】第4発明、二重結合を持つゴム系材料を圧
電振動子の両面に塗布した後、その塗布面に溶液浸透あ
るいは雰囲気ガスの処理を施して種々の機能分子を付与
し、官能基の種類を変えて吸着特性の異なる感応膜を生
成したことを特徴とするものである。
電振動子の両面に塗布した後、その塗布面に溶液浸透あ
るいは雰囲気ガスの処理を施して種々の機能分子を付与
し、官能基の種類を変えて吸着特性の異なる感応膜を生
成したことを特徴とするものである。
【0013】第5発明、前記圧電振動子に代えて弾性表
面波素子を使用したものである。
面波素子を使用したものである。
【0014】第6発明、二重結合を持つゴム系材料から
なり、かつ種々の機能分子を付与した吸着特性の異なる
感応膜を有する圧電振動子からなる複数のセンサを被測
定物質中に設け、個々のセンサから得られる発振周波
数、位相特性、振幅特性、時間応答性を検出部で検出
し、検出された値から統計的な解析手法や神経回路網的
な手法を用いて吸着物質を特定する識別部を設けたこと
を特徴とするものである。
なり、かつ種々の機能分子を付与した吸着特性の異なる
感応膜を有する圧電振動子からなる複数のセンサを被測
定物質中に設け、個々のセンサから得られる発振周波
数、位相特性、振幅特性、時間応答性を検出部で検出
し、検出された値から統計的な解析手法や神経回路網的
な手法を用いて吸着物質を特定する識別部を設けたこと
を特徴とするものである。
【0015】第7発明、前記圧電振動子に代えて弾性表
面波素子を使用したものである。
面波素子を使用したものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の第1形態
を示すQCMセンサの拡大断面図で、図1において、1
1は水晶振動子で、この水晶振動子11の表面には電極
12が形成される。この電極12を除いた部分の水晶振
動子11の表面には、詳細を後述する1,2ポリブタジエ
ン(以下1,2PBと称す)等の二重結合を持つゴム系材料
で構成した同一種類(または少数の種類)の感応膜13
を形成する。
に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の第1形態
を示すQCMセンサの拡大断面図で、図1において、1
1は水晶振動子で、この水晶振動子11の表面には電極
12が形成される。この電極12を除いた部分の水晶振
動子11の表面には、詳細を後述する1,2ポリブタジエ
ン(以下1,2PBと称す)等の二重結合を持つゴム系材料
で構成した同一種類(または少数の種類)の感応膜13
を形成する。
【0017】上述した1,2PBの分子構造式の基本構造式
は図2Aに示すように、モノマー単位で一個の二重結合
を持つ。また、機能性分子結合時の基本的な化学構造式
を示すと図2Bのようになる。図2Cは機能性分子とし
て臭素Brが結合された例である。図2A〜Cに示した化
学式で表されるように、二重結合を持つゴム系材料で
は、官能基を付与することが可能である。しかも、この
官能基は、溶液浸透あるいは雰囲気ガスに晒すという簡
単な処理で置換でき、工業的な利点が極めて高い特徴が
ある。
は図2Aに示すように、モノマー単位で一個の二重結合
を持つ。また、機能性分子結合時の基本的な化学構造式
を示すと図2Bのようになる。図2Cは機能性分子とし
て臭素Brが結合された例である。図2A〜Cに示した化
学式で表されるように、二重結合を持つゴム系材料で
は、官能基を付与することが可能である。しかも、この
官能基は、溶液浸透あるいは雰囲気ガスに晒すという簡
単な処理で置換でき、工業的な利点が極めて高い特徴が
ある。
【0018】次に上記二重結合を持つゴム系材料で構成
された感応膜が形成された水晶振動子を図7に示すQC
Mに使用して、有機系のガスの検出を行った結果につい
て述べる。
された感応膜が形成された水晶振動子を図7に示すQC
Mに使用して、有機系のガスの検出を行った結果につい
て述べる。
【0019】図3Aは水晶振動子表面に1,2PBの感応膜
を、図3Bは水晶振動子表面に1,2PBに機能性分子とし
てヨウ素Iを結合したPB Iの感応膜を塗布し、3種類の
ガス(シクロヘキサン、酢酸エチル、エタノール)に晒
したときの周波数時間応答波形の特性図で、横軸に時間
(s)、縦軸に周波数変化量ΔF(Hz)を取ったもの
である。
を、図3Bは水晶振動子表面に1,2PBに機能性分子とし
てヨウ素Iを結合したPB Iの感応膜を塗布し、3種類の
ガス(シクロヘキサン、酢酸エチル、エタノール)に晒
したときの周波数時間応答波形の特性図で、横軸に時間
(s)、縦軸に周波数変化量ΔF(Hz)を取ったもの
である。
【0020】図3A、Bより明らかなように、感応膜の
機能性分子の結合により同じガスに対しても周波数時間
応答波形が異なってしことが判る。また、これらの時間
波形を信号処理すれば、被測定ガスの蒸発速度の違いか
らもガスの分類を行うことが可能である。
機能性分子の結合により同じガスに対しても周波数時間
応答波形が異なってしことが判る。また、これらの時間
波形を信号処理すれば、被測定ガスの蒸発速度の違いか
らもガスの分類を行うことが可能である。
【0021】さらに、水晶振動子を収納した反応部のセ
ルを開放して大気を導入することにより、周波数変化量
が反応前の初期値である零に戻っている。これよりガス
に対する周波数変化は可逆的であり、センサ素子を製造
した場合、繰り返し使用が可能である。
ルを開放して大気を導入することにより、周波数変化量
が反応前の初期値である零に戻っている。これよりガス
に対する周波数変化は可逆的であり、センサ素子を製造
した場合、繰り返し使用が可能である。
【0022】図4A〜Cは機能性分子の相違による吸着
特性の変化を示す特性図で、この図4A〜Cは水晶振動
子表面に、1,2PBに機能性分子を官能基として付けた感
応膜を塗布したときのアルコール系ガスに対する周波数
変化量を取ったものである。なお、図中で、(イ):PB
Brは臭素を、(ロ):PB Iはヨウ素を、(ハ):PB Cl
は塩素を機能性分子として付けたものであり、(ニ)は
1.2PBを示す。1,2PBに対する変化量を基準とすると、2-
プロパノール、エタノール、メタノールに対する各素子
の反応比率は次のようになっている。
特性の変化を示す特性図で、この図4A〜Cは水晶振動
子表面に、1,2PBに機能性分子を官能基として付けた感
応膜を塗布したときのアルコール系ガスに対する周波数
変化量を取ったものである。なお、図中で、(イ):PB
Brは臭素を、(ロ):PB Iはヨウ素を、(ハ):PB Cl
は塩素を機能性分子として付けたものであり、(ニ)は
1.2PBを示す。1,2PBに対する変化量を基準とすると、2-
プロパノール、エタノール、メタノールに対する各素子
の反応比率は次のようになっている。
【0023】 PB Br:PB I:PB Cl:1,2PB=0.38:0.84:2.23:1 PB Br:PB I:PB Cl:1,2PB=0.95:1.94:3.69:1 PB Br:PB I:PB Cl:1,2PB=4.61:0.63:0.74:1 上記の結果より、機能性分子の種類によりガスに対する
反応比率が顕著に異なっている。このことにより、従来検
出が困難とされて来た同系等のガス(アルコール系)にお
いても、分類が可能である。 図5A,Bは機能性分子の結合量の相違による吸着特性
の変化を示す特性図で、この図5A,Bは機能性分子の
結合量の違いによる各種ガスに対する周波数変化量を取
ったものである。図5Aは、1,2PBとヨウ素を20分間
不可逆反応させた感応膜を使用して測定したときの応答
特性であり、図5Bは、同じく40分間不可逆反応させ
たときの応答特性である。図5A,Bよりメタノールを
基準とする2-ブタノン:シクロヘキサン:エタノール:
メタノールの関係は、それぞれ次のようになる。
反応比率が顕著に異なっている。このことにより、従来検
出が困難とされて来た同系等のガス(アルコール系)にお
いても、分類が可能である。 図5A,Bは機能性分子の結合量の相違による吸着特性
の変化を示す特性図で、この図5A,Bは機能性分子の
結合量の違いによる各種ガスに対する周波数変化量を取
ったものである。図5Aは、1,2PBとヨウ素を20分間
不可逆反応させた感応膜を使用して測定したときの応答
特性であり、図5Bは、同じく40分間不可逆反応させ
たときの応答特性である。図5A,Bよりメタノールを
基準とする2-ブタノン:シクロヘキサン:エタノール:
メタノールの関係は、それぞれ次のようになる。
【0024】図5Aにおいては、4.31:4.66:1.17:1
であり、図5Bにおいては、1.46:2.40:1.51:1であ
る。
であり、図5Bにおいては、1.46:2.40:1.51:1であ
る。
【0025】これらの結果より、機能性分子の結合量を
変化させることでもガスの識別が可能である。
変化させることでもガスの識別が可能である。
【0026】図6は、この発明の実施の第2形態を示す
多種な物質により構成される複雑な混合物を定量的に分
析するためのガス識別システムの概略構成図で、図6に
おいて、14a〜14eはQCMセンサで、これらセン
サ14a〜14eで使用される感応膜は、二重結合を持
つゴム系材料で構成された1つのベース材料からなり、
この感応膜に前述したような種々な機能性分子を官能基
として付けたもので構成される。すなわち、吸着特性の
異なる感応膜を持ったセンサからなる。
多種な物質により構成される複雑な混合物を定量的に分
析するためのガス識別システムの概略構成図で、図6に
おいて、14a〜14eはQCMセンサで、これらセン
サ14a〜14eで使用される感応膜は、二重結合を持
つゴム系材料で構成された1つのベース材料からなり、
この感応膜に前述したような種々な機能性分子を官能基
として付けたもので構成される。すなわち、吸着特性の
異なる感応膜を持ったセンサからなる。
【0027】これらセンサ14a〜14eは、被測定ガ
ス中に配置される。15は、センサ14a〜14eに接
続された発振回路で、この発振回路15は、センサ毎に
設けられる。発振回路15の出力は、周波数カウンタ1
6に入力される。周波数カウンタ16は、予め各センサ
の周波数を測定しておき、被測定ガスを供給したとき
に、図4A〜Cおよび図5A,Bに示すような吸着特性
の変化から識別システム17で吸着物質を特定する。
ス中に配置される。15は、センサ14a〜14eに接
続された発振回路で、この発振回路15は、センサ毎に
設けられる。発振回路15の出力は、周波数カウンタ1
6に入力される。周波数カウンタ16は、予め各センサ
の周波数を測定しておき、被測定ガスを供給したとき
に、図4A〜Cおよび図5A,Bに示すような吸着特性
の変化から識別システム17で吸着物質を特定する。
【0028】なお、第2形態では、個々のセンサから得
られる発振周波数を用いてガスの識別を行うようにした
が、位相特性、振幅特性、時間応答特性等を検出して識
別システムにてガスの識別を行うようにしても良い。ま
た、識別システム17は、統計的な解析手法や神経回路
網的な手法を用いて構成される。
られる発振周波数を用いてガスの識別を行うようにした
が、位相特性、振幅特性、時間応答特性等を検出して識
別システムにてガスの識別を行うようにしても良い。ま
た、識別システム17は、統計的な解析手法や神経回路
網的な手法を用いて構成される。
【0029】上記実施の第1、第2形態では、水晶振動
子に上述した感応膜を形成した例を示したが、圧電振動
子に同様の感応膜を形成しても同様の作用効果が得られ
る。また、水晶基板を使用した弾性表面波素子の表面に
も同様な感応膜を形成することにより同様な作用効果が
得られる。この場合、水晶基板を使用したことにより優
れた温度特性が得られ、高感度な検出が行える。なお、
水晶基板に代えて圧電基板を使用しても良い。
子に上述した感応膜を形成した例を示したが、圧電振動
子に同様の感応膜を形成しても同様の作用効果が得られ
る。また、水晶基板を使用した弾性表面波素子の表面に
も同様な感応膜を形成することにより同様な作用効果が
得られる。この場合、水晶基板を使用したことにより優
れた温度特性が得られ、高感度な検出が行える。なお、
水晶基板に代えて圧電基板を使用しても良い。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
以下に述べるような種々の効果が得られる。 1,2PB等を代表とする二重結合を持つゴム系材料は、
官能基にあたる二重結合部に他の機能性分子を容易に結
合させることが可能である。これにより、一つのベース
材料を使用しているにも関わらず、種々物質(例えば、
臭素、ヨウ素など)を不可逆的に反応させることにより
機能性の官能基が生成し、種々の吸着特性の異なる感応
膜が構成可能となる利点がある。
以下に述べるような種々の効果が得られる。 1,2PB等を代表とする二重結合を持つゴム系材料は、
官能基にあたる二重結合部に他の機能性分子を容易に結
合させることが可能である。これにより、一つのベース
材料を使用しているにも関わらず、種々物質(例えば、
臭素、ヨウ素など)を不可逆的に反応させることにより
機能性の官能基が生成し、種々の吸着特性の異なる感応
膜が構成可能となる利点がある。
【0031】 ゴム系材料は、多孔質であるため小さ
い面積でも表面積を多くとることができる。このため、
実際の吸着表面積が大きくなり、小型の素子であって
も、高感度で検出が可能である。
い面積でも表面積を多くとることができる。このため、
実際の吸着表面積が大きくなり、小型の素子であって
も、高感度で検出が可能である。
【0032】 圧電基板および電極材料に対して密着
性が高く、化学的にも物理的にも安定である。このた
め、安定な発振周波数が可能であり、結果として高感度
な検出が可能となる。
性が高く、化学的にも物理的にも安定である。このた
め、安定な発振周波数が可能であり、結果として高感度
な検出が可能となる。
【0033】 有機溶剤に溶解させ、スピンコート等
により任意の膜厚にて塗布が可能である。また、酸素プ
ラズマや化学的なエッチング処理により任意の形状にパ
ターニングが可能である。これらの優れた加工性により
高機能なセンサ素子が構成できる。
により任意の膜厚にて塗布が可能である。また、酸素プ
ラズマや化学的なエッチング処理により任意の形状にパ
ターニングが可能である。これらの優れた加工性により
高機能なセンサ素子が構成できる。
【0034】 ガス検出時の感応膜での反応は可逆的
な吸脱着作用によるものである。すなわち、検出物質を
吸着した感応膜でも、周辺雰囲気が元に戻ることによ
り、初期の状態に戻る。このため、センサ素子として使
用した場合でも、再利用が可能である。
な吸脱着作用によるものである。すなわち、検出物質を
吸着した感応膜でも、周辺雰囲気が元に戻ることによ
り、初期の状態に戻る。このため、センサ素子として使
用した場合でも、再利用が可能である。
【0035】 二重結合を持つゴム系材料は、安価で
容易に入手でき、しかも人体に対する影響が極めて少な
い利点もある。
容易に入手でき、しかも人体に対する影響が極めて少な
い利点もある。
【図1】この発明の実施の第1形態を示すQCMセンサ
の拡大断面図。
の拡大断面図。
【図2】1,2PBの化学構造式を示す説明図で、Aは基本的
な化学構造式、Bは機能分子結合時の基本的な化学構造
式、CはBrが結合したときの化学構造式。
な化学構造式、Bは機能分子結合時の基本的な化学構造
式、CはBrが結合したときの化学構造式。
【図3】感応膜の違いによる周波数時間応答波形を示す
特性図で、Aは1,2PBの場合の特性図、BはPB Iの場合
の特性図。
特性図で、Aは1,2PBの場合の特性図、BはPB Iの場合
の特性図。
【図4】機能性分子の相違による吸着特性の変化を示す
特性図で、Aは2-プロパノールの場合、Bはエタノール
の場合、Cはメタノールの場合の特性図。
特性図で、Aは2-プロパノールの場合、Bはエタノール
の場合、Cはメタノールの場合の特性図。
【図5】機能性分子の結合量の相違による吸着特性の変
化を示す特性図で、Aはヨウ素と20分間反応させたと
きの応答パターン、Bはヨウ素と40分間反応させたと
きの応答パターン。
化を示す特性図で、Aはヨウ素と20分間反応させたと
きの応答パターン、Bはヨウ素と40分間反応させたと
きの応答パターン。
【図6】この発明の実施の第2形態を示すガス識別シス
テムの概略構成図。
テムの概略構成図。
【図7】QCMの構成説明図。
11…水晶振動子 12…電極 13…感応膜 14a〜14e…QCMセンサ
Claims (7)
- 【請求項1】 圧電振動子の両面または片面に、二重結
合を持つゴム系材料により感応膜を形成したことを特徴
とするセンサ。 - 【請求項2】 前記前記圧電振動子に代えて弾性表面波
素子を使用した請求項1記載のセンサ。 - 【請求項3】 前記感応膜は、溶液浸透あるいは雰囲気
ガスの処理により種々の機能分子を付与し、官能基の種
類を変えて吸着特性を異なるように形成したことを含む
請求項1または2記載のセンサ。 - 【請求項4】 二重結合を持つゴム系材料を圧電振動子
の両面または片面に塗布した後、その塗布面に溶液浸透
あるいは雰囲気ガスの処理を施して種々の機能分子を付
与し、官能基の種類を変えて吸着特性の異なる感応膜を
生成したことを特徴とするセンサの製造方法。 - 【請求項5】 前記圧電振動子に代えて弾性表面波素子
を使用した請求項4記載のセンサの製造方法。 - 【請求項6】 二重結合を持つゴム系材料からなり、か
つ種々の機能分子を付与した吸着特性の異なる感応膜を
有する圧電振動子からなる複数のセンサを被測定物質中
に設け、個々のセンサから得られる発振周波数、位相特
性、振幅特性、時間応答性を検出部で検出し、検出され
た値から統計的な解析手法や神経回路網的な手法を用い
て吸着物質を特定する識別部を設けたことを特徴とする
センサを用いた計測システム。 - 【請求項7】 前記圧電振動子に代えて弾性表面波素子
を使用した請求項6記載のセンサを用いた計測システ
ム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9271816A JPH11108818A (ja) | 1997-10-06 | 1997-10-06 | センサおよびそのセンサの製造方法並びにそのセンサを用いた計測システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9271816A JPH11108818A (ja) | 1997-10-06 | 1997-10-06 | センサおよびそのセンサの製造方法並びにそのセンサを用いた計測システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11108818A true JPH11108818A (ja) | 1999-04-23 |
Family
ID=17505254
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9271816A Pending JPH11108818A (ja) | 1997-10-06 | 1997-10-06 | センサおよびそのセンサの製造方法並びにそのセンサを用いた計測システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11108818A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005510693A (ja) * | 2001-10-01 | 2005-04-21 | ロッキード・マーチン・コーポレイション | 化学兵器物質センサー用ラム空気試料捕集装置 |
JP2018025418A (ja) * | 2016-08-09 | 2018-02-15 | 太陽誘電株式会社 | ガスセンサ |
-
1997
- 1997-10-06 JP JP9271816A patent/JPH11108818A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005510693A (ja) * | 2001-10-01 | 2005-04-21 | ロッキード・マーチン・コーポレイション | 化学兵器物質センサー用ラム空気試料捕集装置 |
JP2018025418A (ja) * | 2016-08-09 | 2018-02-15 | 太陽誘電株式会社 | ガスセンサ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10436737B2 (en) | Gas sensor with humidity correction | |
CN101641584B (zh) | 传感器 | |
US20100288014A1 (en) | Gas sensor and method thereof | |
JPH01244335A (ja) | 匂検出用の化学センサ | |
Cunningham et al. | Design, fabrication and vapor characterization of a microfabricated flexural plate resonator sensor and application to integrated sensor arrays | |
US20150177196A1 (en) | Differential Humidity Sensor | |
Penza et al. | SAW chemical sensing using poly-ynes and organometallic polymer films | |
Holloway et al. | Impedance analysis of the thickness shear mode resonator for organic vapour sensing | |
JPH07190916A (ja) | 匂いセンサと匂い測定装置 | |
Vasagiri et al. | A survey of MEMS cantilever applications in determining volatile organic compounds | |
Di Nucci et al. | A measurement system for odor classification based on the dynamic response of QCM sensors | |
US6526828B1 (en) | Sensitive and selective method and device for the detection of trace amounts of a substance | |
Hartmann et al. | Using the quartz crystal microbalance principles for gas detection with reversible and irreversible sensors | |
Mirmohseni et al. | Analysis of transient response of single quartz crystal nanobalance for determination of volatile organic compounds | |
JPH11108818A (ja) | センサおよびそのセンサの製造方法並びにそのセンサを用いた計測システム | |
Mirmohseni et al. | Application of a quartz crystal nanobalance to the molecularly imprinted recognition of phenylalanine in solution | |
US6881585B1 (en) | Method and apparatus for rapid screening of volatiles | |
JP2023027408A (ja) | ガスセンサ及びガス検出システム | |
Sujatha et al. | Advances in electronic-nose technologies | |
Hauptmann et al. | Artificial electronic tongue in comparison to the electronic nose. State of the art and trends | |
LT6821B (lt) | Dujų jutiklis su talpinio mikromontuojamo ultragarso keitiklio struktūra ir funkciniu polimero sluoksniu | |
KR20070072224A (ko) | 초소형 마이크로 브리지 질량 센서를 이용한 인체바이오마커 센서 및 모듈 | |
JPH11507729A (ja) | 統合センサ | |
JPH04218B2 (ja) | ||
RU2390765C1 (ru) | Способ определения бензола |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041125 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041214 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050412 |