JP7153614B2 - カット野菜の製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献2には、殺菌処理されたカット野菜が包装容器に詰められた容器詰めカット野菜の製造方法であって、原料野菜が、収穫後12時間以内に収穫時の切断面を殺菌液で殺菌処理を施したものであり、前記殺菌処理後、カット前及び/又はカット後にアルカリ殺菌液で殺菌処理を施す容器詰めカット野菜の製造方法が開示されている。
特許文献3には、殺菌処理されたカット野菜が包装容器に詰められた容器詰めカット野菜であって、原料野菜が、収穫後12時間以内に収穫時の切断面を殺菌液で殺菌処理を施したものであり、容器詰めカット野菜を温度0~15℃で製造後1日間保存して包装容器から取り出したカット野菜の表面に付着している有機物の量が、該カット野菜50gを水500mLで浸漬洗浄することにより得られる洗浄水のCODとして40ppm以下である容器詰めカット野菜及びその製造方法が開示されている。
特許文献4には、殺菌処理されたカット野菜が包装容器に詰められた容器詰めカット野菜の製造方法において、原料野菜が、収穫後12時間以内に収穫時の切断面を殺菌液で殺菌処理を施したものであり、野菜を容器詰めする大きさにカットする前に殺菌液で殺菌処理を施す容器詰めカット野菜の製造方法が開示されている。
工程A:収穫された野菜を、収穫時の分離部分の近傍で切断して、新たな切断面を露出させる工程
工程B:工程Aの後、野菜の新たな切断面に、(a)殺菌剤(以下、(a)成分という)及び水を含む処理液Iを接触させる工程
工程C:工程Bの後、野菜を喫食サイズにカットする工程
工程D:工程Cの後、カット野菜を(a)成分及び水を含む処理液IIを用いて洗浄する工程
本発明のカット野菜の製造方法が、保存後においてもカット野菜に付着する生菌数の増殖及びカット野菜の変色を抑制することができる理由は必ずしも定かではないが以下のように推定される。
本発明者らは、現在流通するカット野菜の菌の増殖や変色の原因が、カット野菜の表面に付着する菌だけではなく、カット野菜の道管等から内部に入った菌にも由来していることを見出した。製品のカット野菜の内部に存在する菌は、野菜のカット時、その後の殺菌洗浄やすすぎ時などに設備や洗浄水から野菜の道管等を経て侵入したものと考えられる。また、製品となったカット野菜表面や切断面に付着した菌が、保存時にカット野菜の内部に移動する場合もあると考えられる。実際、殺菌洗浄の後に水によるすすぎ時間が長くなればカット野菜の菌の増殖や変色がより進むことはしばしば見受けられる。本発明においては、収穫された野菜を新たに切断し、特に道管部分を含む新しい切断面を形成し、殺菌剤を含む処理液を接触させることによって野菜内部にあらかじめ殺菌剤を浸透させておくことで、野菜のカット時やそれ以降野菜のカット面から内部に侵入してくる菌を殺菌することができる。とりわけ、収穫時の分離部分の近傍で切断して新たな切断面を露出させて、殺菌剤を含む処理液を接触させることで顕著な効果が得られる。その結果、本発明の前処理の後、従来のカット野菜の製造プロセスで作業したとしても、製品として出来上がったカット野菜の初期の菌数を著しく低減することができ、保存における菌の増殖も少ないレベルに維持できたものと考えられる。尚、収穫された野菜の収穫時の切断/分離部分は、カットする前の野菜の流通過程で乾燥や野菜自身の分泌物質で道管を詰まらせていることがほとんどであるため、野菜内に殺菌剤を効率よく浸透させるためには、カットする前に新たな切断面を露出させる必要があるものと考えられる。
尚、本発明の作用機構は、これらに制限されるものではない。
工程Aは、収穫された野菜を、収穫時の分離部分の近傍で切断して、新たな切断面を露出させる工程である。
収穫された野菜は、カット野菜の製造工場に搬入されるまでに時間を要する場合が多いため、野菜の収穫時に形成された分離面は変色し、分泌物質等によって汚染されてしまう。また空気乾燥により該野菜の分離面にある道管の断面は閉塞してしまい、工程Aを行わずにそのまま工程Bにおいて収穫時の分離面に処理液Iと接触させても、処理液I中の(a)成分が野菜の内部に浸透せず、本発明の効果は得られない。そのため、工程Aでは、野菜の収穫時の分離部分の近傍で切断して、新たな切断面を露出させて、該野菜の1か所以上の道管の断面を新たに露出させることが好ましい。なお野菜の収穫時の分離部分及び新たな切断面は、例えば、野菜の生育時に土壌と接していた部位、土壌の近傍にあった部位から選択して形成することができる。また、前記分離部分及び切断面は、道管の集まる部位、道管につながる部位から選択して形成することができる。新たな切断面の位置は野菜の種類等により適宜設定できるが、一例として、新たな切断面は、収穫時の分離部分から、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1mm以上、そして、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下、離れた場所に露出させることが好ましい。
新たに野菜に切断面を露出させる際には、収穫時の分離面を残さないで切除するのが好ましい。また、新たに切断面を露出させる際には、その新たな切断面が葉等の可食部にかからないことが好ましい。
新たに野菜に切断面を露出させる方法としては、菌による汚染を防止する観点から、刃物を用いて切断する、切り込みを入れる、などの方法が好ましい。更に、切除、更に、清潔な包丁やナイフ等の刃物を用いた切除が好ましい。刃物を清潔にする方法としては、殺菌剤で消毒する方法がある。殺菌剤としては、エタノール、塩素酸塩水溶液などを用いることが出来る。
工程Aでは、工程Bにおいて処理液Iを新たな分離面に効率的に接触及び浸透させる観点から、野菜の収穫時の分離部分を含む近傍部分を切除して、新たな分離面を露出させることがより好ましい。
工程Bは、工程Aの後、野菜の新たな切断面に、(a)成分及び水を含む処理液Iを接触させる工程である。工程Bは、工程Aにより形成された野菜の新たな切断面に処理液Iを接触させることにより、処理液I中に含まれる(a)成分を、野菜の道管を通して、野菜の内部全体に浸透させる工程であってよい。
殺菌剤としては、塩素系殺菌剤、酸素系殺菌剤が挙げられる。(a)成分は、具体的には、次亜塩素酸又はその塩、有機過酸、オゾン、過酸化水素が挙げられる。入手容易性及び殺菌性の観点から、次亜塩素酸塩は、ナトリウム塩などのアルカリ金属塩が好ましい。有機過酸としては、炭素数2以上12以下の有機過酸が挙げられ、入手容易性及び殺菌性の観点から、過酢酸、過ラウリン酸、過オクタン酸が好ましい。また、過酸化水素も好適に用いることができる殺菌剤である。(a)成分は、入手容易性及び殺菌性の観点から、次亜塩素酸又はその塩が好ましい。
処理液Iaは、(a)成分を、殺菌性向上及び保存後の変色抑制の観点から、好ましくは10ppm以上、より好ましくは50ppm以上、そして、匂い及び外観への影響の観点から、好ましくは500ppm以下、より好ましくは250ppm以下含有する。
処理液Ibは、(a)成分を、殺菌性向上及び保存後の変色抑制の観点から、好ましくは0.1ppm以上、より好ましくは0.5ppm以上、更に好ましくは1ppm以上、より更に好ましくは2ppm以上、より更に好ましくは5ppm以上、そして、匂い及び外観への影響の観点から、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、更に好ましくは30ppm以下、より更に好ましくは25ppm以下含有する。
なお、(a)成分が塩である場合は、その酸型の化合物に換算した量に基づいてこの含有量を算出する。後述の質量比など、(a)成分が関与する量比についても同様である。
ソルビタン脂肪酸エステルを用いる場合は、平均エステル化度は、殺菌性向上及び保存後の変色抑制の観点から、好ましくは0.8以上、より好ましくは1以上、そして、好ましくは3以下、より好ましくは1.5以下であり、更に好ましくは1、すなわちモノエステルである。脂肪酸の炭素数は殺菌性向上及び保存後の変色抑制の観点から、好ましくは8以上、より好ましくは12以上、更に好ましくは16以上、そして、好ましくは20以下、より好ましくは18以下である。脂肪酸は、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸であり、不飽和脂肪酸が好ましい。
(b)成分は、更に殺菌性向上及び保存後の変色抑制の観点から、グリセリン脂肪酸エステル、及びソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上が好ましい。
処理液Iは、(b)成分として、グリセリン脂肪酸エステルを含有することが好ましい。
処理液IbのpHは、殺菌性向上、保存後の変色抑制、安全性及び外観への影響の観点から、好ましくは4以上、より好ましくは5以上、そして、好ましくは8未満、より好ましくは7以下である。
工程Cは、工程Bの後、野菜を喫食サイズにカットする工程である。工程Cは、工程Bにより(a)成分が浸透した野菜を喫食サイズにカットする工程であってよい。
注水処理液として、処理液Iを用いる場合、(a)成分の濃度は、殺菌性向上、保存後の変色抑制の観点から、好ましくは0.1ppm以上、より好ましくは0.5ppm以上、そして、工程Cの時間短縮と低泡の観点から、好ましくは500ppm以下、より好ましくは250ppm以下である。
注水処理液として、処理液Iaを用いる場合、(a)成分の濃度は、殺菌性向上及び保存後の変色抑制の観点から、好ましくは10ppm以上、より好ましくは50ppm以上、そして、匂い及び外観への影響の観点から、好ましくは500ppm以下、より好ましくは250ppm以下である。
注水処理液として、処理液Ibを用いる場合、(a)成分の濃度は、殺菌性向上及び保存後の変色抑制の観点から、好ましくは0.1ppm以上、より好ましくは0.5ppm以上、更に好ましくは1ppm以上、より更に好ましくは2ppm以上、より更に好ましくは5ppm以上、そして、匂い及び外観への影響の観点から、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、更に好ましくは30ppm以下、より更に好ましくは25ppm以下である。
工程Dは、工程Cの後、カット野菜を(a)成分及び水を含む処理液IIを用いて洗浄する工程である。工程Dは、工程Bにより(a)成分が浸透したカット野菜を、更に処理液IIで洗浄することで、カット野菜の外表面の殺菌、及び保存後におけるカット野菜に付着する生菌数の増殖及びカット野菜の変色を抑制することができる。
処理液IIaは、(a)成分を、殺菌性向上及び保存後の変色抑制の観点から、好ましくは10ppm以上、より好ましくは50ppm以上、そして、匂い及び外観への影響の観点から、好ましくは500ppm以下、より好ましくは250ppm以下含有する。
処理液IIbは、(a)成分を、殺菌性向上及び保存後の変色抑制の観点から、好ましくは0.1ppm以上、より好ましくは0.5ppm以上、更に好ましくは1ppm以上、より更に好ましくは2ppm以上、より更に好ましくは5ppm以上、そして、匂い及び外観への影響の観点から、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、更に好ましくは30ppm以下、より更に好ましくは25ppm以下含有する。
処理液IIbのpHは、殺菌性向上、保存後の変色抑制、安全性及び外観への影響の観点から、好ましくは4以上、より好ましくは5以上、そして、好ましくは8以下、より好ましくは7以下である。
本発明のカット野菜の洗浄方法は、野菜に付着していた異物や汚れ成分の除去及びそれらを溶解分散した処理液Iや処理液IIの除去の観点から、下記工程Eを含むことが好ましい。
工程E:工程Dの後、カット野菜を、水又は次亜塩素酸又はその塩、及び水を含有する中性ないし弱酸性の処理液(以下、まとめて水処理液という)に晒す工程
工程Eにおいて使用する水処理液の水としては、水道水、清水が望ましい。水処理液は、殺菌力が弱い殺菌剤の水溶液、例えば、亜塩素酸塩(好ましくはナトリウム塩)、オゾン、酢酸、エタノールなどを含む水溶液、及び電解次亜水を使用してもよく、殺菌性向上及び保存後の変色抑制の観点から、水、又は次亜塩素酸又はその塩、及び水を含有する中性ないし弱酸性の処理液、更に前記した処理液IbないしIIbを使用することが好ましい。処理液IbないしIIbの具体例及び好ましい例は前記の通りである。
(1)処理液a
水道水(pH7.5、硬度2.1°dH)を原料として、ピュアスター ミュークリーンII(微酸性電解水生成装置、森永乳業(株)製)を用いて、電解次亜水15ppmを得た(次亜塩素酸ナトリウムの濃度が15ppm)。これを用いて、(b)成分として、グリセリン脂肪酸エステル(サンソフトNo.700H、太陽化学(株)製)を20ppmとなるように添加して処理液aを調製した(質量比(a)/(b)=0.75)。処理液aの温度は20℃に調整した。なお、電解次亜水及び次亜塩素酸ナトリウムの濃度は酸型の化合物に換算した濃度である。
水道水(pH7.5、硬度2.1°dH)を原料として、ピュアスター ミュークリーンII(微酸性電解水生成装置、森永乳業(株)製)を用いて電解次亜水15ppmを得た(次亜塩素酸ナトリウムの濃度が15ppm)。これを処理液bとして用いた。処理液bの温度は20℃に調整した。なお、電解次亜水及び次亜塩素酸ナトリウムの濃度は酸型の化合物に換算した濃度である。
実施例1-1
収穫されたレタスの非可食部分である外葉を数枚除去した。収穫時に芯部に形成された分離部分を含む近傍部分を包丁で道管に対してほぼ垂直に切除して、芯部に新たな分離面を露出させた(工程A)。次に、20mlビーカーの上面まで処理液aを入れ、レタスの芯部に形成された新たな分離面に処理液aが接触するようにレタスの芯部を処理液aに10分間浸漬させた(工程B)。浸漬後、レタスの芯部を除き、包丁で約3cm角にカットした(工程C)。カットしたレタス30gを、1.8リットルの処理液aが入った手付き3Lビーカー(SUS304製、アズワン(株)製)に入れ、バブリング操作(60リットル/分の割合でエアー噴射する操作)を5分間行うことで洗浄し、ザルを用いて洗浄したレタスを引き上げた(工程D)。洗浄したレタスをサラダスピナーのカゴに入れ、水1800gが入ったボウルに3秒間浸してから引き上げることによりすすぎを行った(工程E)。すすぎの水には、水道水(pH7.5、硬度2.1°dH、20℃)を使用した。すすぎ後、サラダスピナーを回転させてレタスを30秒間脱水させた。
脱水したレタスを20g秤量し、チャック付ポリ袋(ユニパックH-4、(株)生産日本社製)に入れ、10℃で3日間保存した。
工程Bで、処理液aに替えて処理液bを用いた以外は、実施例1-1と同様の方法でカットレタスを製造し、保存した。
工程A、工程Bを行わなかった以外は、実施例1-1と同様の方法でカットレタスを製造し、保存した。
工程Aを行わなかった以外は、実施例1-1と同様の方法でカットレタスを製造し、保存した。
工程Bを行わなかった以外は、実施例1-1と同様の方法でカットレタスを製造し、保存した。
工程Bで、処理液aに替えて水道水(pH7.5、硬度2.1°dH、20℃)を用いた以外は、実施例1-1と同様の方法でカットレタスを製造し、保存した。
工程Dを行わなかった以外は、実施例1-1と同様の方法でカットレタスを製造し、保存した。
工程Aと工程Bの順番を逆にした以外は、実施例1-1と同様の方法でカットレタスを製造し、保存した。
保存前と3日間保存後のレタスをそれぞれ10g秤量し、ストマッカー用検体袋(サニスペック フィルター付 テストバック、アズワン株式会社)に入れ、10gの生理食塩水を添加して、ホモジナイザ(SH-II M、株式会社エルメックス)を用いて60秒間破砕処理を行い、抽出液を採取した。その後、寒天平板表面塗抹法により標準寒天培地に播種し、37℃において48時間培養後に生菌数を測定した。また基準として、収穫されたレタスの非可食部分である外葉を数枚除去し、芯部を除き、包丁で3cm角にカットしただけのレタス(工程Cのみで工程A、B、D、Eを実施せず)(基準カットレタスともいう)の生菌数についても上記と同様の方法で測定した。
それぞれ得られた生菌数の値と前記基準カットレタスの生菌数の値との差を一般生菌数として表1に示す。一般生菌数は、基準カットレタスとの差であり、その値がマイナス値で、且つより小さくなる方(絶対値が大きくなる)が、生菌数の増殖抑制の点で好ましい。基準カットレタスの生菌数の絶対値は、保存前で4.8~5.9(logcfu/g)である。
3日間保存後のレタスの変色具合について、下記の基準で評価した。結果を表1に示す。レタスの場合、2以上が好ましい。尚、評価点は、野菜の鮮度に関する研究を5年以上行っている3名の研究員が下記の基準で点数をつけ平均値を四捨五入した値である。
5:変色が全く無かった。
4:変色(ピンク)していた。
3:変色(赤)していた。
2:変色(褐色)していた。
1:腐敗していた。
実施例2-1
収穫されたレタスの非可食部分である外葉を数枚除去した。収穫時に芯部に形成された分離部分を含む近傍部分を包丁で切除して、芯部に新たな分離面を露出させた(工程A)。次に、30リットル寸胴鍋(SUS製)に、処理液aを13リットル入れ、芯部に新たな分離面を露出させたレタスをホール状態で5玉(約1.3kg)入れ、レタスの芯部に形成された新たな分離面に処理液aが接触するようにし、錘を乗せた蓋をして10分間レタスを浸漬させた(工程B)。浸漬後、レタスを包丁で4分割にカットし、芯部を除き、フードスライサー(ECD-702(株)エムラ販売製)で約3cm角にカットした(工程C)。カットしたレタス1.3kgを、80リットルの処理液aが入った100L寸胴鍋(SUS製)に入れ、バブリング操作(60リットル/分の割合でエアー噴射する操作)を5分間行い、ザルを用いて洗浄したレタスを引き上げた(工程D)。洗浄したレタスを、水75リットルが入ったポリプロピレン製90リットルバケツに3秒間浸し、ザルを用いてレタスを引き上げることによりすすぎを行った(工程E)。すすぎの水には、水道水(pH7.5、硬度2.1°dH、20℃)を使用した。すすぎ後、食品用高速脱水機(TDS-FZ(株)エムラ販売製)を用いてレタスを30秒間脱水させた。
脱水したレタスを20g秤量し、チャック付ポリ袋(ユニパックH-4、(株)生産日本社製)に入れ、10℃で3日間保存した。
工程Eで、すすぎ時間(浸漬時間)1分間とした以外は、実施例2-1と同様の方法でカットレタスを製造し、保存した。
工程Eで、水道水に代えて処理液bを用いて、1分間すすぎを行った以外は、実施例2-1と同様の方法でカットレタスを製造し、保存した。
収穫されたレタスの非可食部分である外葉を数枚除去した。レタス7玉(約1.3kg)を、1玉につき包丁で4分割にカットし、芯部を除き、フードスライサー(ECD-702(株)エムラ販売製)で3cm角にカットした。その際、刃(葉菜角切り円板30×30mm)に処理液bをかけ流しながらカットした(機械に接続するホース用の穴有り)。カットしたレタス1.3kgを、26リットルの処理液(ソフタノール EP7045(株式会社日本触媒製)の10ppm水溶液)が入った45リットルバケツ(ポリプロピレン製)に入れて5分間浸漬し、ザルを用いて洗浄したレタスを引き上げた。洗浄したレタスを、80リットルの水が入った90リットルバケツ(ポリプロピレン製)に入れ、バブリング操作(60リットル/分の割合でエアー噴射する操作)を10分間行い、ザルを用いてレタスを引き上げることによりすすぎを行った。すすぎ後のレタスを、80リットルの処理液bが入った90リットルバケツ(ポリプロピレン製)に入れ、バブリング操作(60リットル/分の割合でエアー噴射する操作)を10分間行い、ザルを用いてレタスを引き上げることにより殺菌を行った。殺菌したレタスを、80リットルの水道水(pH7.5、硬度2.1°dH、20℃)が入った90リットルバケツ(ポリプロピレン製)に入れて5分間浸漬し、ザルを用いてレタスを引き上げることによりすすぎを行った。すすぎ後、食品用高速脱水機(TDS-FZ(株)エムラ販売製)を用いてレタスを30秒間脱水させた。
脱水したレタスを20g秤量し、チャック付ポリ袋(ユニパックH-4、(株)生産日本社製)に入れ、10℃で3日間保存した。
実施例1、比較例1に記載した[生菌数の測定]と同様の方法で保存前と3日間保存後のレタスの生菌数の測定を行った。結果を表2に示す。
実施例1、比較例1に記載した[変色評価]と同様の基準で、3日間保存後のレタスの変色具合を評価した。結果を表2に示す。
実施例3-1
収穫されたキャベツの非可食部分である外葉を数枚除去した。収穫時に芯部に形成された分離部分を含む近傍部分を包丁で切除して、芯部に新たな分離面を露出させた(工程A)。次に、30リットル寸胴鍋(SUS製)に、処理液aを13リットル入れ、芯部に新たな分離面を露出させたキャベツをホール状態で5玉(約1.3kg)入れ、キャベツの芯部に形成された新たな分離面に処理液aが接触するようにし、錘を乗せた蓋をして10分間キャベツを浸漬させた(工程B)。浸漬後、キャベツを包丁で十字に4分割にカットし、芯部を除き、スライサーで1.3mm幅にカットした(工程C)。カットしたキャベツ60gを、2.7リットルの処理液aが入った手付き3リットルビーカー(SUS304製、アズワン(株)製)に入れ、バブリング操作(60リットル/分の割合でエアー噴射する操作)を5分間行い、ザルを用いて洗浄したキャベツを引き上げた(工程D)。洗浄したレタスをサラダスピナーのカゴに入れ、水2.7Lが入ったボウルに3秒間浸してから引き上げることによりすすぎを行った(工程E)。すすぎの水には、水道水(pH7.5、硬度2.1°dH、20℃)を使用した。すすぎ後、サラダスピナーを回転させてレタスを30秒間脱水させた。
脱水したレタスを20g秤量し、チャック付ポリ袋(ユニパックH-4、(株)生産日本社製)に入れ、10℃で3日間保存した。
収穫されたキャベツの非可食部分である外葉を数枚除去した。キャベツ2玉を、1玉につき包丁で4分割にカットし、芯部を除き、スライサーで1.3mm幅にカットした。その際、刃に処理液bをかけ流しながらカットした。カットしたキャベツ60gを、900mlの処理液(ソフタノール EP7045(株式会社日本触媒製)の10ppm水溶液)が入った1リットルカップ(ポリプロピレン製)に入れて5分間浸漬し、ザルを用いて洗浄したキャベツを引き上げた。洗浄したキャベツを、2.7リットルの水が入ったポリプロピレン製5リットルバケツに入れ、バブリング操作(60リットル/分の割合でエアー噴射する操作)を10分間行い、ザルを用いてキャベツを引き上げることによりすすぎを行った。すすぎ後のキャベツを、2.7リットルの処理液bが入った5リットルバケツ(ポリプロピレン製)に入れ、バブリング操作(60リットル/分の割合でエアー噴射する操作)を10分間行い、ザルを用いてキャベツを引き上げることにより殺菌を行った。殺菌したキャベツを、2.7リットルの水が入った5リットルバケツ(ポリプロピレン製)に入れて5分間浸漬し、ザルを用いてキャベツを引き上げることによりすすぎを行った。すすぎ後のキャベツをサラダスピナーのカゴに入れ、サラダスピナーを回転させてキャベツを30秒間脱水させた。
脱水したキャベツを20g秤量し、チャック付ポリ袋(ユニパックH-4、(株)生産日本社製)に入れ、10℃で3日間保存した。
保存前と3日間保存後のキャベツをそれぞれ10g秤量し、ストマッカー用検体袋(サニスペック フィルター付 テストバック、アズワン株式会社)に入れ、10gの生理食塩水を添加して、ホモジナイザ(SH-II M、株式会社エルメックス)を用いて60秒間破砕処理を行い、抽出液を採取した。その後、寒天平板表面塗抹法により標準寒天培地に播種し、37℃において48時間培養後に生菌数を測定した。また基準として、収穫されたキャベツの非可食部分である外葉を数枚除去し、芯部を除き、スライサーで1.3mm幅にカットしただけのキャベツ(工程Cのみで工程A、B、D、Eを実施せず)(基準カットキャベツともいう)の生菌数についても上記と同様の方法で測定した。
それぞれ得られた生菌数の値と、基準カットキャベツの生菌数の値との差を一般生菌数として表3に示す。一般生菌数は、基準カットキャベツの生菌数の値との差がマイナス値で、且つより小さくなる方が、生菌数の増殖抑制の点で好ましい。基準カットキャベツの生菌数の絶対値は、保存前で5.4~5.8(log cfu/g)である。
3日間保存後のキャベツの変色具合について、下記の基準で評価した。結果を表3に示す。キャベツの場合、5が好ましい。尚、評価点は、野菜の鮮度に関する研究を5年以上行っている3名の研究員が下記の基準で点数をつけ平均値を四捨五入した値である。
5:変色が全く無かった。
4:変色(緑が退色)していた。
3:変色(薄い黄色)していた。
2:変色(茶色)していた。
1:変色(こげ茶色)していた。
0:腐敗していた。
Claims (12)
- 下記の工程A~Dを含む、カット野菜の製造方法であって、
下記の(a)成分が次亜塩素酸又はその塩であり、
下記の処理液I及び処理液IIは、(a)成分を1ppm以上100ppm以下含有し、且つ、pHが5以上11以下であり、
野菜が、キャベツ、レタス、白菜、サラダ菜、グリーンリーフ、サニーレタス、ホウレン草、ミズナ、小松菜、春菊、及び玉葱から選ばれる1種以上の葉茎菜である、
カット野菜の製造方法。
工程A:収穫された野菜を、収穫時の分離部分である芯部の近傍で切断して、芯部に新たな切断面を露出させる工程
工程B:工程Aの後、野菜の芯部に新たに形成された切断面に、(a)殺菌剤(以下、(a)成分という)及び水を含む処理液Iを60秒以上接触させて前記野菜に前記処理液Iを浸透させる工程
工程C:工程Bの後、野菜を喫食サイズにカットする工程
工程D:工程Cの後、カット野菜を(a)成分及び水を含む処理液IIを用いて洗浄する工程 - 工程Aが、収穫された野菜を、収穫時の分離部分である芯部の近傍で切除して、新たな分離面を露出させる工程である、請求項1記載のカット野菜の製造方法。
- 工程Aが、野菜の収穫時の分離部分である芯部を含む近傍部分を切除して、新たな分離面を露出させる工程である、請求項2に記載のカット野菜の製造方法。
- 工程Aが、野菜の1か所以上の道管の断面を新たに露出させるものである、請求項1~3の何れか1項に記載のカット野菜の製造方法。
- 工程Bにおいて、野菜の新たな切断面に処理液Iを接触させる時間が180秒以上である、請求項1~4の何れか1項に記載のカット野菜の製造方法。
- 工程Bが、少なくとも野菜の新たな切断面に処理液Iが接触するように、野菜を処理液Iに浸漬させる工程である、請求項1~5の何れか1項に記載のカット野菜の製造方法。
- 工程Bにおいて、野菜を処理液Iに浸漬させる時間が60秒以上である、請求項6に記載のカット野菜の製造方法。
- 工程Bが、(a)成分を、野菜の道管を通して、野菜の内部全体に浸透させる工程である、請求項1~7の何れか1項に記載のカット野菜の製造方法。
- 工程Cにおいて、工程Bにより(a)成分が浸透した野菜を喫食サイズにカットする、請求項1~8の何れか1項に記載のカット野菜の製造方法。
- 処理液Iが、更に(b)界面活性剤(以下、(b)成分という)を含有する、請求項1~9の何れか1項に記載のカット野菜の製造方法。
- 処理液IIが、更に(b)成分を含有する、請求項1~10の何れか1項に記載のカット野菜の製造方法。
- (b)成分が、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、及びショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種以上である、請求項10又は11に記載のカット野菜の製造方法。
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小野 朋子, 弱酸性次亜塩素酸水溶液の殺菌効果の基礎的検討および食品・畜産分野への適用に関する研究, 鳥取大学学位論文, [online], 2014, [検索日:2021.10.19], <URL: https://repository.lib.tottori-u.ac.jp/ja/4858> |
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