JP7133955B2 - 熱硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および、電子部品 - Google Patents
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Description
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂を含む。(A)エポキシ樹脂は、エポキシ基を有する樹脂であり、従来公知のものをいずれも使用できる。分子中にエポキシ基を2個有する2官能性エポキシ樹脂、分子中にエポキシ基を多数有する多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。なお、水素添加された2官能エポキシ樹脂であってもよい。また、(A)エポキシ樹脂は、固形エポキシ樹脂、半固形エポキシ樹脂、液状エポキシ樹脂の何れであってもよい。本明細書において、固形エポキシ樹脂とは40℃で固体状であるエポキシ樹脂をいい、半固形エポキシ樹脂とは20℃で固体状であり、40℃で液状であるエポキシ樹脂をいい、液状エポキシ樹脂とは20℃で液状のエポキシ樹脂をいう。液状の判定は、危険物の試験及び性状に関する省令(平成元年自治省令第1号)の別紙第2の「液状の確認方法」に準じて行う。例えば、特開2016-079384の段落23~25に記載の方法にて行なう。エポキシ樹脂の中でも、半固形エポキシ樹脂を含むことが好ましく、ドライフィルム化した場合に保存安定性が良好となる。また、エポキシ樹脂として、半固形エポキシ樹脂を含むと、液状エポキシ樹脂を含む場合よりも沈降と凝集の抑制に効果がある。
半固形状エポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂およびフェノールノボラック型エポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。半固形状エポキシ樹脂を含むことにより、硬化物のガラス転移温度(Tg)が高く、CTEが低くなり、クラック耐性に優れる。半固形エポキシ樹脂を含むことで、ドライフィルムの保存安定性に優れ、割れや剥がれを防止することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(B)硬化剤として、フェノール性水酸基を有する化合物、活性エステル基を有する化合物、シアネートエステル基を有する化合物、および、マレイミド基を有する化合物の少なくともいずれか3種を含む。本発明においては、このような3種の硬化剤を含むことによって、熱硬化温度を下げることができる。硬化剤のうち、いずれか1種は活性エステル基を有する化合物であることが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、無機フィラー成分として(C)シリカを含有する。シリカは、熱硬化性組成物の硬化物の硬化収縮を抑制し、より低CTEとなり、また、密着性、硬度などの特性を向上させる。本発明の熱硬化性樹脂組成物が含有する(C)シリカは、平均粒子径が0.1~6μmのシリカ(以下、「大径シリカ」ともいう)と、平均粒子径が0.01~0.5μmのシリカ(以下、「小径シリカ」ともいう)との混合物であり、かつ、前記平均粒子径が0.1~6μmのシリカと前記平均粒子径が0.01~0.5μmのシリカの粒子径分布測定におけるピーク間の差が0.05μm以上である。詳しいメカニズムは明らかではないが、このような大径シリカと小径シリカとの組み合わせによって、大径シリカが沈降しにくくなる。その結果、分散安定性に優れ、凝集が抑制される。また、デスミア時のシリカの脱落による粗面化を防ぐことができる。大径シリカおよび小径シリカはそれぞれ2種以上含まれていてもよい。シリカは特に限定されず、例えば、溶融シリカ、球状シリカ、無定形シリカ、結晶性シリカなどが挙げられる。シリカは、球状粒子であることが好ましい。なお、本明細書において、シリカの平均粒子径(メディアン径、D50)は、一次粒子の粒径だけでなく、二次粒子(凝集体)の粒径も含めた平均粒子径である。平均粒子径およびピーク値は、レーザー回折式粒子径分布測定装置により求めることができる。レーザー回折法による測定装置としては、日機装社製Nanotrac waveなどが挙げられる。なお、シリカを3種以上含む場合は、平均粒子径が0.01~0.5μmの範囲内の最小径のシリカを前記小径シリカとし、それ以外のシリカで平均粒子径が0.1~6μmの範囲内にあって、前記最小径のシリカとの粒子径分布測定におけるピーク間の差が0.05μm以上あるものは全て前記大径シリカに該当するものとする。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、得られる硬化膜の機械的強度を向上させるために、さらに熱可塑性樹脂を含有することができる。熱可塑性樹脂は、溶剤に可溶であることが好ましい。溶剤に可溶である場合、ドライフィルム化した場合に柔軟性が向上し、クラックの発生や粉落ちを抑制できる。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリヒドロキシポリエーテル樹脂や、エピクロルヒドリンと各種2官能フェノール化合物の縮合物であるフェノキシ樹脂或いはその骨格に存在するヒドロキシエーテル部の水酸基を各種酸無水物や酸クロリドを使用してエステル化したフェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ブロック共重合体等が挙げられる。熱可塑性樹脂は1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。耐熱性の観点からフェノキシ樹脂が好ましい。デスミア後の硬化物表面の粗度を小さくする観点から、ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じてゴム状粒子を含有することができる。このようなゴム状粒子としては、ポリブタジエンゴム、ポリイソプロピレンゴム、ウレタン変性ポリブタジエンゴム、エポキシ変性ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基または水酸基で変性したアクリロニトリルブタジエンゴム、およびそれらの架橋ゴム粒子、コアシェル型ゴム粒子等が挙げられ、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのゴム状粒子は、得られる硬化膜の柔軟性を向上させたり、クラック耐性が向上したり、酸化剤による表面粗化処理を可能とし、銅箔等との密着強度を向上させるために添加される。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、硬化促進剤を含有することができる。硬化促進剤は、熱硬化反応を促進させるものであり、密着性、耐薬品性、耐熱性等の特性をより一層向上させるために使用される。このような硬化促進剤の具体例としては、イミダゾールおよびその誘導体;アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類;ジアミノジフェニルメタン、m-フェニレンジアミン、m-キシレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、メラミン、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類;これらの有機酸塩および/またはエポキシアダクト;三フッ化ホウ素のアミン錯体;エチルジアミノ-S-トリアジン、2,4-ジアミノ-S-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-キシリル-S-トリアジン等のトリアジン誘導体類;トリメチルアミン、トリエタノールアミン、N,N-ジメチルオクチルアミン、N-ベンジルジメチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、ヘキサ(N-メチル)メラミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノフェノール)、テトラメチルグアニジン、m-アミノフェノール等のアミン類;ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノールノボラック等のポリフェノール類;トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス-2-シアノエチルホスフィン等の有機ホスフィン類;トリ-n-ブチル(2,5-ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩類;ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;前記多塩基酸無水物;ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボロエート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、2,4,6-トリフェニルチオピリリウムヘキサフルオロホスフェート等の光カチオン重合触媒;スチレン-無水マレイン酸樹脂;フェニルイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物や、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物、金属触媒等の従来公知の硬化促進剤が挙げられる。硬化促進剤の中でも、BHAST耐性が得られることから、ホスホニウム塩類が好ましい。反応性と保存安定性の両立の観点からDSCによる反応のピーク温度が100℃以上のイミダゾールまたはイミダゾール誘導体が好ましい。なお、DSCによる反応のピーク温度とは、本発明の熱硬化性樹脂組成物10mgをアルミパンに入れ室温から10℃/分で300℃まで昇温したとき生じるピーク温度をいう。
有機溶剤としては、特に制限はないが、例えば、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などが挙げることができる。より具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのエステル類;エタノール、プロパノール、2-メトキシプロパノール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等の他、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラクロロエチレン、テレビン油等が挙げられる。また、丸善石油化学社製スワゾール1000、スワゾール1500、スタンダード石油大阪発売所社製ソルベッソ100、ソルベッソ150、三共化学社製ソルベント#100、ソルベント#150、シェルケミカルズジャパン社製シェルゾールA100、シェルゾールA150、出光興産社製イプゾール100番、イプゾール150番等の有機溶剤を用いてもよい。有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等の従来公知の着色剤、アスベスト、オルベン、ベントン、微紛シリカ等の従来公知の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤および/またはレベリング剤、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等の密着性付与剤、難燃剤、チタネート系、アルミニウム系の従来公知の添加剤類を用いることができる。
本発明のドライフィルムは、キャリアフィルム上に、本発明の熱硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥して、乾燥塗膜としての樹脂層を形成することにより、製造することができる。樹脂層上には、必要に応じて、保護フィルムをラミネートすることができる。
下記表中の実施例、参考例および比較例に記載の溶剤を容器に入れ、50℃に加温しながら撹拌し、ついでそれぞれ表中のフィラー成分以外を全てを加えた。各成分が溶解したことを確認したのちに、フィラー成分を加え十分に撹拌をおこなった。その後、3本ロールミルにて混練して熱硬化性樹脂組成物を調整した。なお、表中の数値は、質量部を示す。また、溶剤以外は固形分量を示す。
調整した熱硬化性樹脂組成物を透明な硝子スクリュー管に入れ、30℃に設定した恒温倉庫に24時間保管エージング処理した。熱硬化性樹脂組成物は、スクリュー管の底部から50mm仕込んだ。その後、熱硬化性樹脂組成物を取り出し側面より目視にて観察を行い沈降状態を確認した。評価基準は以下のとおり。
◎:沈降はみられない。
〇:組成物の上部より、1mm未満の透明な上澄み液が確認された。
△:組成物の上部より、1mm以上10mm未満程度の透明な上澄み液が確認された。
×:組成物の上部より、10mm以上の透明な上澄み液が確認された。沈降物をグラインドメーターにて確認したところ、凝集粒が確認された。
熱硬化性樹脂組成物をアルミパンに詰め、DSC-7000(日立ハイテクサイエンス社製)にて反応のピーク温度を確認した。測定条件は、室温から300℃まで、昇温法10℃/minにて行った。評価基準は以下のとおり。尚、DSCによるピーク温度が低いと低温硬化性に優れる。また、基板焼け防止の指標にもなる。
〇:反応のピーク温度が185℃未満。
△:反応のピーク温度が185℃以上195℃未満。
×:反応のピーク温度が195℃以上。
上記条件でエージング処理した熱硬化性樹脂組成物を、粘度0.5~20dPa・s(回転粘度計5rpm、25℃)になるように溶剤の量を調整して、それぞれバーコーターを用いて、樹脂層の膜厚が乾燥後40μmになるようにキャリアフィルム(PETフィルム;東レ社製ルミラー38R75,厚さ38μm)に塗布した。次いで、熱風循環式乾燥炉にて樹脂層の残留溶剤が0.5~2.5質量%となるように70~120℃(平均100℃)にて5~10分間乾燥し、キャリアフィルム上に樹脂層を形成した。
作製したドライフィルムを、23℃に設定した恒温倉庫に24時間保管エージング処理した。その後、JISK5600-5-1(ISO1519)に準拠し、BYK-Gardner社製円筒形マンドレル屈曲試験機を用いて、各実施例、参考例および比較例のドライフィルムの割れおよびキャリアフィルムからの剥がれが起こり始めるマンドレルの最小直径から、ドライフィルムの硬度を評価した。評価基準は以下のとおり。
◎:直径φ2mm未満で、割れ、剥がれなし。
〇:直径φ2mm未満で、わずかに樹脂の割れが確認された。
△:直径φ2mm~5mm未満で、樹脂の割れ、粉落ちが確認された。
×:直径5mm以上で樹脂の割れ、粉落ちが確認された。
作製したドライフィルムを、電解銅箔の光沢面(GTS-MP-18、古河サーキットフォイル社製)上に、真空ラミネーターMVLP-500(名機製作所社製)を用い、ドライフィルムを張りあわせた。条件は、温度80~110℃、圧力0.5MPaにて行った。その後、キャリアフィルムを剥離後、熱風循環式乾燥炉にて材料を硬化させた。条件は、100℃×30分+180℃×60分にておこなった。続いて、得られた硬化物を銅箔より剥がした。その後、硬化物から測定サイズ(3mm×10mmのサイズ)にサンプルを切り出し、セイコーインスツル社製のTMA6100を用いて、測定を行った。TMA測定は、試験加重5gにて、サンプルを10℃/分の昇温速度で室温より昇温し、連続して2回測定した。2回目における30℃から100℃の平均の熱膨張係数(CTE(α1))として評価した(単位はppm)。
銅厚15μmで回路が形成されている板厚0.4mmの両面プリント配線板を用意し、メック社製CZ-8100を使用して、前処理を行った。その後、作製したドライフィルムを、回路基板上へ2チャンバー式真空ラミネーターCVP-600(ニチゴーモートン社製)を用い、ドライフィルムを張りあわせた。条件は、ラミネート、プレスそれぞれ、温度80~110℃、圧力0.5MPaにて行った。ついで、キャリアフィルムを剥離し、その後熱風循環式乾燥炉にて材料を硬化させた。条件は、100℃×30min+180℃×60minにて行った。得られた基板について、アトテックジャパン社製の粗化液(スウェリング・ディップ・セキュリガンスP(膨潤)、コンセントレート・コンパクトCP(酸化)、リダクションソリューション・セキュリガントP(中和))を用いて、膨潤60℃×5分、酸化80℃×20分、中和40℃×5分の順で処理を行った。その後、デスミア処理されたプリント配線板について、レーザー顕微鏡VK-8500(キーエンス社製、測定倍率2000倍、Z軸方向測定ピッチ10nm)により、それぞれの表面粗度Raを測定した。Ra値は、全測定範囲の10点の平均値とした。評価基準は以下のとおり。
◎:Raが150nm未満。
〇:Raが150nm以上、250nm未満。
×:Raが250nm以上。
銅厚15μm、板厚0.4mmの銅張基板を用意し、メック社CZ-8100を使用して、前処理を行った。その後、作製した樹脂層の厚み40umのドライフィルムを、銅張基板上へ2チャンバー式真空ラミネーターCVP-600(ニチゴーモートン社製)を用い、ドライフィルムを貼り合せた。その後、100℃×30min+180℃×60minで加熱して銅張基板上に硬化膜を形成しキャリアフィルムを剥離した。次いで、硬化膜に、CO2レーザー加工機(日立ビアメカニクス社製)を用いて、トップ径65μm、ボトム径50μmになるようにビア形成を行い、下記に従いレーザー加工性を評価した。ついで、アトテックジャパン社製の粗化液(スウェリング・ディップ・セキュリガンスP(膨潤)、コンセントレート・コンパクトCP(酸化)、リダクションソリューション・セキュリガントP(中和))を用いて、膨潤60℃×5分、酸化80℃×20分、中和40℃×5分の順で処理を行った。得られた基板について、ビアのボトムサイズをレーザー顕微鏡にて、ビア壁面の状態観察をSEMにて観察した。ビアの形成条件および評価基準は以下のとおりである。
アパチャー(マスク径):3.1mm/パルス幅:20μsec/出力:2W/周波数:5kHz/バーストモード
〇:ショット数3回にて、狙い加工径との差が±2μm以上±5μm未満。ビア底スミアなし。
△:狙い加工径との差が±5μm以上。デスミア後、壁面からフィラーの凝集脱落が確認された。
レーザー加工後の基板について、<デスミア後の粗度>に記載の方法にてビア底のクリーニングを行った。次いで、無電解銅めっき(スルカップPEA、上村工業社製)、電解銅めっき処理の順に処理を行い、レーザービアが形成された樹脂層上に銅厚み25μm、ビア部分をフィルドするように銅めっき処理を施した。次いで熱風循環式乾燥炉にて190℃で60分間硬化を行い、完全硬化させた銅めっき処理を施した試験基板を得た。得られた試験用基板を-65℃で30分、150℃で30分を1サイクルとして熱履歴を加えた。2000サイクル経過後、ビア底や壁面の状態を光学顕微鏡により観察するために、ビア中心部分を精密切断機で裁断、研磨し断面状態の観察を行った。評価基準は以下のとおり。観察ビア数は100穴とした。
◎◎:クラック発生なし。
◎:ビア底を起点に、材料内部へのクラック発生率1%以上~5%未満。
〇:ビア底を起点に、材料内部へのクラック発生率5%以上~10%未満。
△:ビア底を起点に、材料内部へのクラック発生率10%以上~20%未満。
×:ビア底を起点に、材料内部へのクラック発生率20%以上。
*2:DIC社製エピクロンN-740,フェノールノボラック型エポキシ樹脂,エポキシ当量182g/eq、半固形
*3:日本化薬社製NC-3000H、ビフェニルノボラック型エポキシ化合物、エポキシ当量290g/eq
*4:ロンザジャパン社製プリマセットPT-30、ノボラック型シアネート樹脂、シアネート当量124g/eq、固形
*5:DIC社製エピクロンHPC-8000、活性エステル樹脂、活性当量223g/eq、固形
*6:DIC社製LA-3018、ATN含有クレゾールノボラック樹脂、水酸基当量151g/eq、固形
*7:明和化成社製HF-1M、フェノールノボラック樹脂、水酸基当量104~108g/eq
*8:大和化成工業製BMI-2300、フェニルメタンビスマレイミド、マレイミド当量187g/eq、固形
*9:新日鉄住金化学社製FX-293、フェノキシ樹脂、重量平均分子量40,000~50,000、Tg158℃
*10:積水化学社製KS-10 H30、ポリビニルアセタール、KS-10をシクロヘキサノンで溶解、固形分30%
*11:四国化成社製2PHZ、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール
*12:東京化成工業社製CO(II)コバルト(II)アセチルアセトナート、粉末
*13:アドマテックス社製SO-C2、球状シリカ、平均粒子径(D50)=0.5μm(粒子径分布測定におけるピーク値と同じ。)
*14:アドマテックス社製SO-C1、球状シリカ、平均粒子径(D50)=200nm(粒子径分布測定におけるピーク値と同じ。)
*15:アドマテックス社製YA050SV2、ビニルシランKBM-1003にて1質量%で処理された球状シリカ、平均粒子径(D50)=50nm(粒子径分布測定におけるピーク値と同じ。)
*16:龍森社製MUF-1BV、球状シリカ、平均粒子径(D50)=3μm(粒子径分布測定におけるピーク値と同じ。)
*17:アドマテックス社製SO-C5、球状シリカ、平均粒子径(D50)=1.5μm(粒子径分布測定におけるピーク値と同じ。)
*18:デンカ社製ASFP-20、アルミナ、平均粒子径(D50)=0.3μm(粒子径分布測定におけるピーク値と同じ。)
*19:信越シリコーン社製KBM-403、エポキシシランカップリング剤
*20:メチルエチルケトン
Claims (6)
- (A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤と、(C)シリカと、ポリビニルアセタール樹脂と、を含む樹脂組成物であって、
前記(B)硬化剤として、フェノール性水酸基を有する化合物および活性エステル基を有する化合物を含み、さらに、シアネートエステル基を有する化合物およびマレイミド基を有する化合物の少なくともいずれか1種を含み、
前記(C)シリカが、平均粒子径が0.1~6μmである大径シリカと、平均粒子径が0.01~0.5μmである小径シリカとの混合物であり、かつ、前記大径シリカと前記小径シリカのそれぞれの粒子径分布測定におけるピーク値の差が0.05μm以上であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。 - 前記大径シリカの平均粒子径が0.1~3μmであり、前記小径シリカの平均粒子径が0.01~0.1μmであることを特徴とする請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記(C)シリカを、組成物の固形分全量に対し50質量%以上含むことを特徴とする請求項1または2記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1~3のいずれか一項記載の熱硬化性樹脂組成物をフィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするドライフィルム。
- 請求項1~3のいずれか一項記載の熱硬化性樹脂組成物、または、請求項4記載のドライフィルムの樹脂層を硬化して得られることを特徴とする硬化物。
- 請求項5記載の硬化物を有することを特徴とする電子部品。
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