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JP7127383B2 - 化粧シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、化粧シートの製造方法に関する。
従来、2枚の薄葉紙を熱可塑性樹脂層を介して接着してなる化粧シートが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の化粧シートでは、熱可塑性樹脂層を介した2枚の薄葉紙の接着後に、化粧シートを加熱して熱可塑性樹脂層を再溶融させてから、化粧シートにエンボス加工を施して、化粧シート表面にエンボス凹部を設けている。
特開平8-132582号公報
このような化粧シートでは、触感等の特性のさらなる特性向上が求められている。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、触感等の特性をさらに向上させた化粧シートの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、(a)第1の紙基材層及び第2の紙基材層と、(b)第1の紙基材層及び第2の紙基材層の間に配置され、第1の紙基材層及び第2の紙基材層を接着する熱可塑性樹脂層と、(c)第1の紙基材層の表面側に形成された絵柄模様層と、(d)絵柄模様層の表面側に形成された表面保護層とを備え、(e)表面保護層の表面側には、複数のエンボス凹部が形成され、(f)化粧シートの中央部に位置する前記エンボス凹部の最大深さと、化粧シートの端部に位置する前記エンボス凹部の最大深さとの比率が、1.0:1.1~1.1:1.0の範囲内である化粧シートであることを要旨とする。
また、本発明の他の態様は、(a)第1の紙基材、絵柄模様層及び表面保護層による積層体と、第2の紙基材層との間に、Tダイから押し出された溶融した樹脂による熱可塑性樹脂層を挟んでなる化粧シートを第1のプレスロールと第2のプレスロールとの間を通過させて、積層体と第2の紙基材層とを熱可塑性樹脂層を介して接着する化粧シートの製造方法であって、(b)第1のプレスロール及び第2のプレスロールの片方または両方に、外周面に凸部が形成されたエンボスロールを用いて、化粧シートが第1のプレスロール及び第2のプレスロールの間を通過する際に、表面保護層が形成されている化粧シートの表面に複数のエンボス凹部を設ける化粧シートの製造方法であることを要旨とする。
本発明によれば、化粧シート全面に均一にエンボス凹部を設けられる。そのため、触感の均一性を向上でき、触感等の特性をさらに向上させた化粧シート及びその製造方法、並びに化粧板を提供することができる。
本発明の実施形態に係る化粧シートを示す断面図である。 変形例に係る化粧シートを示す断面図である。 貼り合わせ装置の概略構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る化粧板を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る化粧シート及び化粧板について、図面を参照しつつ説明する。本発明は、以下に記載する実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識を基に設計の変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も、本発明の範囲に含まれるものである。また、各図面は、理解を容易にするため適宜誇張して表現している。
(構成)
図1に示すように、化粧シート10は、第1の紙基材層1及び第2の紙基材層2と、第1の紙基材層1及び第2の紙基材層2の間に配置され、第1の紙基材層1及び第2の紙基材層2を接着する熱可塑性樹脂層3とを備えている。また、第1の紙基材層1の表面1a側に形成された絵柄模様層4と、絵柄模様層4の表面4a側に形成された表面保護層5とを備えている。すなわち、化粧シート10には、第2の紙基材層2、熱可塑性樹脂層3、第1の紙基材層1、絵柄模様層4及び表面保護層5がこの順に積層されている。化粧シート10は、第1の紙基材層1、絵柄模様層4及び表面保護層5による積層体7と、第2の紙基材層2とをTダイから押し出した熱可塑性樹脂層3を介して、接着して形成される。
また、化粧シート10の表面保護層5の表面10a側には、複数のエンボス凹部6が形成されている。各エンボス凹部6は、例えば、絵柄模様層4の絵柄が木目である場合には、木目に沿って長手方向に延びる溝状に形成されている。化粧シート10の中央部に位置するエンボス凹部6の最大深さと、化粧シート10の端部に位置するエンボス凹部6の最大深さとの比率は、1.0:1.1~1.1:1.0の範囲内であることが好ましい。化粧シート10の端部とは、原反状の化粧シート10の、原反幅方向端面から0cm以上10cm以下の範囲内の部分である。より好ましくは、原反幅方向端面から1cm以上5cm以下の範囲内の部分を採用できる。また、化粧シート10の中央部とは、上記した端部以外の部分である。1.0:1.1~1.1:1.0の範囲外である場合には、化粧シート10全面において、エンボス凹部6が不均一となるため、触感の均一性が低下する。
また、化粧シート10の裏面10bには、複数のエンボス凹部8が形成されている。各エンボス凹部8も、エンボス凹部6と同様に、長手方向に延びる溝状に形成されている。裏面10b側のエンボス凹部8は、表面10a側のエンボス凹部6の形成箇所とは積層方向における位置が異なるようにずれて形成されていることが好ましいが、エンボス凹部6が形成される箇所とは積層方向における位置が同じになるように形成されていてもよい。
また、エンボス凹部6、8それぞれは、積層体7及び第2の紙基材層2をTダイから押し出した熱可塑性樹脂層3を介して接着する際に、エンボスユニットとしても機能する一対のプレスロールを通過することにより、その表面10aと裏面10bとに形成される。
(第1の紙基材層、第2の紙基材層)
第1の紙基材層1及び第2の紙基材層2としては、例えば、セルロース繊維を50%以上含有する各種の紙材を用いることができる。第1の紙基材層1及び第2の紙基材層2の厚さ、つまり、第1の紙基材層1及び第2の紙基材層2を構成する紙材の厚さは、例えば、15μm以上60μm未満であることが好ましく、25μm以上35μm以下であることがより好ましい。第1の紙基材層1及び第2の紙基材層2に用いる紙材の厚さが15μmよりも薄い場合には、強度において印刷および後加工に適さない。一方、紙材の厚さが60μm以上である場合には、エンボス適性が低く、エンボス加工が困難となる、若しくは深いエンボス加工が難しくなるといったことが生じることがある。
また、第1の紙基材層1及び第2の紙基材層2を構成する紙材の厚みとして、第1の紙基材層1及び第2の紙基材層2に用いる紙材それぞれの厚みが互いに同じであってもよい。或いは、第1の紙基材層1に用いる紙材の方が第2の紙基材層2に用いる紙材よりも厚くなる、つまり、第2の紙基材層2の紙材の方が第1の紙基材層1の紙材よりも薄くなるように設定してもよいし、その逆でもよい。但し、第2の紙基材層2の紙材の方を薄くした場合、エンボス加工が施される表面10a側において、紙材の破損等が抑制される。
また、第2の紙基材層2の紙材を薄くすることで、化粧シート10全体の総厚をより薄くすることができるため、第2の紙基材層2の紙材の厚みを第1の紙基材層1の紙材の厚みよりも薄くしておくことが好ましい。なお、このように第1の紙基材層1を構成する紙材の方が第2の紙基材層2を構成する紙材よりも厚いことで、第1の紙基材層1への印刷がし易くなる。言い換えると、第1の紙基材層1の印刷適性が良くなる。
(熱可塑性樹脂層)
熱可塑性樹脂層3は、第1の紙基材層1及び第2の紙基材層2の間に積層され、第1の紙基材層1及び第2の紙基材層2を互いに接着するための層である。また、熱可塑性樹脂層3は、エンボス加工をされた際に変形しその形状を保持固定するための層でもある。熱可塑性樹脂層3は、その厚さは限定されるものではないが、例えば、20μm以上70μm以下であることが好ましく、35μm以上55μm以下であることがより好ましく、45μm以上55μm以下であることがより一層好ましい。また、熱可塑性樹脂層3は、その厚みが第1の紙基材層1を構成する紙材及び第2の紙基材層2を構成する紙材よりも厚いことが好ましい。特に、熱可塑性樹脂層3が第2の紙基材層2を構成する紙材よりも厚いこと、つまり、第2の紙基材層2の紙材が熱可塑性樹脂層3よりも薄いことが好ましい。このような熱可塑性樹脂層3は、例えば、Tダイを用いて熱可塑性樹脂層3を形成し、第1の紙基材層1及び第2の紙基材層2を貼り合せるといったことにより設けられる。
熱可塑性樹脂層3は、例えば、100℃以上200℃以下融点を有する熱可塑性樹脂によって構成されることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン12、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、スチレン・アクリルニトリル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアセタール、ポリメチルメタクリレート、変成アクリル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ニトロセルロース、プロピオン酸セルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリウレタン等を用いることができる。
熱可塑性樹脂層3を構成する樹脂の融点を100℃以上200℃以下の範囲とすることで、紙の熱劣化を招くことなく、且つ、ラインスピード等生産性を損なうことなくエンボス加工を行なうことができる。熱可塑性樹脂層3を構成する熱可塑性樹脂は、融点を考慮して適宜選択することができるが、樹脂価格や溶融時の流動性等を考慮して、例えば高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等を用いることが好ましい。
(絵柄模様層)
絵柄模様層4は、化粧シート10に絵柄等を付与するための層である。絵柄模様層4は、例えば、インキ等によって構成されることが好ましい。絵柄としては、例えば、木目等を用いることができる。このような絵柄模様層4を設ける印刷の方法としては、例えば、既知の印刷方法や印刷装置を用いることができる。その方法は特に限定されるものではないが、例えば、生産性の観点等から、グラビア印刷法を用いることができる。絵柄模様層4を構成する印刷インキについては、特に限定されるものではなく、水性インキ又は溶剤タイプのインキを用いることができ、装置との適合性、化粧シート10や化粧板に求められる性能を考慮して適宜選択することができる。インキに含まれる着色剤は、化粧シートや化粧板の場合には、一般に耐光性を考慮して、顔料タイプを用いることが好ましい。
(表面保護層)
表面保護層5は、化粧シート10に耐磨耗性等の表面物性を付与するための層である。また、表面保護層5は、化粧シート10の表面10aの光沢を調節し、好ましい意匠性を得るための層でもある。これにより、凹凸感を視覚的に作りだして、エンボス凹部6と組み合わせてより高度な意匠性を表現することも可能である。例えば、木目の導管部分のような光沢の差を部分的に設け、より硬度な意匠性を表現できる。表面保護層5は、例えば、透明樹脂等によって構成されることが好ましい。このような表面保護層5を設ける方法としては、例えば、既知のコーティング装置、グラビア印刷装置を用いることができる。表面保護層5を構成する透明樹脂については、特に限定されるものではなく、例えば2液硬化型のウレタン樹脂に光沢調整のためのシリカを分散したものを用いることができる。
また、表面保護層5には、表面保護層5の表面から一部が突出するように、粒子5aが含有されている。これにより、化粧シート10の表面10aからは、粒子5aが表出されている。粒子5aとしては、例えば、無機粒子、合成樹脂粒子を用いることができる。
(その他の層)
図2に示すように、絵柄模様層4と表面保護層5との間には、さらに艶消し層9を設けることも可能である。艶消し層9は、化粧シート10の表面10aの光沢を調整するための層である。また、艶消し層9は、艶消し層9と表面保護層5との間に、JIS Z-8741に準じた鏡面光沢度測定法により測定された60°入射の光沢値で、1以上30以下の範囲内で艶差を設けるための層でもある。艶消し層9の厚さは、例えば、20μm以上55μm以下の範囲内が好ましい。艶消し層9は、例えば、艶消し剤が添加された透明な樹脂等から構成されることが好ましい。透明な樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂等、透明熱可塑性樹脂層等を用いることができる。また、艶消し剤は、マット剤や艶調整剤とも呼称され、化粧シート10の表面10aに与える艶(光沢)に応じて添加される。
また、艶消し剤としては、例えば、無機物や有機物(樹脂)の微粒子を用いることができる。無機物としては、例えば、シリカ、アルミナ(α-アルミナ等)、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリナイト、アルミノシリケート等を用いることができる。また、有機物(樹脂)としては、例えば、ポリカーボネート、ナイロン、ウレタン樹脂等を用いることができる。艶消し剤としては、特に、シリカが好ましい。艶消し剤の平均粒径は、1μm以上10μm以下の範囲が好適である。また、艶消し剤の添加量は、所望の光沢に応じて適宜選択するが、通常は、艶消し層9を構成する樹脂100質量部に対し、粒径が10μm以下の粒子で、20質量部以上30質量部以下の範囲内で添加される。なお、艶消し層9には、適宜、公知の紫外線吸収剤等の添加剤を添加するようにしてもよい。
(エンボス加工方法)
ここで、第1の紙基材層1、絵柄模様層4及び表面保護層5による積層体7と、第2の紙基材層2とをTダイ20から押し出した熱可塑性樹脂層3を介して接着する際にエンボス加工を施す方法について、図3を参照して説明する。なお、積層体7を構成する方法については、従来の公知の構成方法を用いることができるため、その説明を省略する。
まず、積層体7を準備する。積層体7の総厚Dは、例えば、60μm~160μmであり、より好ましくは、80μm~120μmである。なお、積層体7を形成する際、圧をかけて積層するため、第1の紙基材層1を構成する紙材等の厚みが多少は縮められる。
そして、図3に示すように、貼り合わせ装置21を用いて、積層体7と第2の紙基材層2とを、熱可塑性樹脂層3を介して張り合わせる(接着)とともに、張り合わせてなる積層体にエンボス加工を施す。貼り合わせ装置21は、第1のプレスロール22、第2のプレスロール23、駆動ロール24、バックロール25及び剥離ロール26を備えている。
第1のプレスロール22及び第2のプレスロール23は、円筒形を呈し、中心軸線回りに回転可能であり、互いに外周が接している。また、第1のプレスロール22の外周面には、絵柄模様層4が付与する絵柄等に応じたエンボス凹部6を形成するための、凸部が形成されている。すなわち、第1のプレスロール22として、外周面に凸部が形成されたエンボスロールが用いられている。貼り合わせ装置21に供給された積層体7は、第1のプレスロール22の外周に巻き付いて進行する。そして、第1の紙基材層1に第2の紙基材層2を貼り合わせる。その際、積層体7と第2の紙基材層2との間に、Tダイ20から押し出された溶融した樹脂による熱可塑性樹脂層3を挟んでなる化粧シート10を、第1のプレスロール22と第2のプレスロール23との間を通過させて、積層体7と第2の紙基材層2とを熱可塑性樹脂層3を介して接着する。また化粧シート10が、第1のプレスロール22及び第2のプレスロール23の間を通過する際に、エンボス加工を施し、表面保護層5が形成されている化粧シート10の表面10aに複数のエンボス凹部6を設ける。
駆動ロール24は、円筒形を呈し、中心軸線回りに回転可能であり、第2のプレスロール23と駆動ロール24とに架け渡されたテフロンテープ27(テフロンは登録商標)を介して、第2のプレスロール23を回転駆動させる。また、バックロール25は、第2のプレスロール23と互いに外周が接していて、第2のプレスロール23を第1のプレスロール22側に押圧する。
剥離ロール26は、第1のプレスロール22及び第2のプレスロール23の下流側に配置され、エンボス加工を施された化粧シート10を、貼り合わせ装置21から排出する。
なお、本実施形態に係る化粧シート10の製造方法では、第1のプレスロール22のみをエンボスロールとする例を示したが、例えば、第1のプレスロール22及び第2のプレスロール23の片方又は両方に、外周面に凸部を有するエンボスロールを用いればよい。
第1のプレスロール22の凸部の高さは、例えば、15μm以上が好ましい。これは、エンボス凹部6が意匠的に凹凸感を持ち効果的に視覚に感知できるのが、仕上がりの化粧シート10又は化粧板においてエンボス凹部6の深さが15μm以上であることによる。
また、第2のプレスロール23は、その硬度が50°以上90°以下のものを用いるのが好ましい。特に、50°以上70°以下のものが最も好適である。なお、硬度が95°より高い場合には、エンボス意匠が劣ってしまう場合がある。これらの硬度は、例えば、ISO 7619、JIS K 6301 A型、JIS K 6253に準拠して測定する。
また、第2のプレスロール23の硬度は、通常のゴムバックロールの硬度よりも低めとなっている。それゆえ、第1のプレスロール22と第2のプレスロール23との挟み込みにより、第1のプレスロール22により化粧シート10の表面10a側にエンボス凹部6が形成されると同時に、裏面10b側にエンボス凹部8が互い違いに形成される。
次に、エンボス加工前の化粧シート10の総厚Dと、表面10a側のエンボス凹部6の深さD1(最大深さとも記す)との関係について説明する。
本実施形態に係る化粧シート10では、上述したエンボス加工方法を採用しているため、従来よりも深いエンボス凹部6を化粧シート10に施すことができる。そこで、本実施形態に係る化粧シート10では、エンボス凹部6の深さD1が化粧シート10のエンボス加工前の総厚(エンボス凹部6が設けられていない領域における化粧シート10の厚み)Dに対して115%以上の比率となるようになっている。より好ましくは、エンボス凹部6の深さD1が化粧シート10のエンボス加工前の総厚Dに対して10%より大きく200%以下の比率である。エンボス凹部6がこのような深い凹部(溝)であることから、化粧シート10の意匠性、例えば、より自然な木目調のシートを形成することができる。
なお、エンボス凹部6の深さD1は、具体的には、例えば、15μm以上であり、より好ましくは30μm以上であり、更に好ましくは45μm以上であり、また更に好ましくは70μm以上である。エンボス凹部6の深さD1が深くなるに従って、化粧シート10の意匠性をより高めることができるとともに、手触り及び質感を向上させることができ、さらに、第1の紙基材層1及び第2の紙基材層2のそれぞれと熱可塑性樹脂層3との密着強度を高めることができる。また、エンボス凹部6の深さD1は、200μm以下であると好ましく、この場合、化粧シート10に優れた防湿性を付与することができる。
なお、化粧シート10は、裏面10b側、つまり、化粧シート10を基材等に貼り付ける側にも、複数の溝状のエンボス凹部8を備えている。そのため、基材等への貼付強度を容易に向上できる。また、裏面10b側にエンボス凹部8を設けることにより、化粧シート10を貼り合せる際の皺寄りも抑制できる。また、このような化粧シート10は、例えば、図4に示すように、接着剤11を用いて基材12の少なくとも一方の面(図4では、基材12の表面12a)に貼り合わせて化粧板13として用いることも可能である。化粧板13に用いられる基材12としては、例えば、木質系のMDF、合板、又はパーティクルボード、無機質系であれば石膏ボードや金属板等を用いることができる。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る化粧シート10は、第1の紙基材層1及び第2の紙基材層2と、第1の紙基材層1及び第2の紙基材層2の間に配置され、第1の紙基材層1及び第2の紙基材層2を接着する熱可塑性樹脂層3とを備えるようにした。さらに、第1の紙基材層1の表面1a側に形成された絵柄模様層4と、絵柄模様層4の表面4a側に形成された表面保護層5とを備えるようにした。そして、表面保護層5の表面10a側には、複数のエンボス凹部6が形成され、化粧シートの中央部に位置するエンボス凹部6の最大深さと、化粧シートの端部に位置するエンボス凹部6の最大深さとの比率を、1.0:1.1~1.1:1.0の範囲内とした。それゆえ、化粧シート10全面に均一にエンボス凹部6を設けられる。そのため、触感の均一性を向上でき、触感等の特性をさらに向上させた化粧シート10及び化粧板13を提供することができる。
また、本発明の実施形態に係る化粧シート10は、エンボス凹部6の最大深さが、45μmとなるようにした。それゆえ、化粧シート10に、より深い凹凸形状を設けられる。そのため、意匠性や触感をより一層向上できる。
さらに、本発明の実施形態に係る化粧シート10は、第1の紙基材層1及び第2の紙基材層2の厚さをそれぞれ、15μm以上且つ60μm未満とした。それゆえ、強度の面から印刷や後加工に適し、また、エンボス適性を向上することができる。
また、本発明の実施形態に係る化粧シート10は、第1の紙基材層1の厚さを第2の紙基材層2の厚さよりも厚くしたため、第1の紙基材層1の印刷適性を向上できる。
さらに、本発明の実施形態に係る化粧シート10の製造方法では、第1の紙基材層1、絵柄模様層4及び表面保護層5による積層体7と、第2の紙基材層2との間に、Tダイ20から押し出された溶融した樹脂による熱可塑性樹脂層3を挟んでなる化粧シート10を第1のプレスロール22と第2のプレスロール23との間を通過させて、積層体7と第2の紙基材層2とを熱可塑性樹脂層3を介して接着する。そして、第1のプレスロール22及び第2のプレスロール23の片方又は両方に、外周面に凸部が形成されたエンボスロールを用いて、化粧シート10が第1のプレスロール22及び第2のプレスロール23の間を通過する際に、表面保護層5が形成されている化粧シート10の表面10aに複数のエンボス凹部6を設けるようにした。それゆえ、化粧シート10により深い凹凸形状を設けることができ、意匠性や触感をより一層高めた化粧シートを提供することができる。
また、例えば、化粧シート10を加熱して熱可塑性樹脂層3を再溶融させた後、化粧シート10にエンボス加工を施す方法と異なり、熱ムラによる熱可塑性樹脂層3の溶融の不均一を防止でき、化粧シート10全面に均一にエンボス凹部6を付与することができる。
さらに、積層体7及び第2の紙基材層2の接着と、化粧シート10のエンボス加工とを一度に行えるため、生産工程を減らすことができ、さらに収率を向上することができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの例にのみ限定されるものではない。
(実施例1~9、比較例1)
表1に示すように、第1の紙基材層1の厚さ、第2の紙基材層2の厚さ、エンボス凹部6がない部分のシート総厚、エンボス圧を設定して、実施例1~8、比較例1の化粧シート10を作製した。その際、実施例1~7では、第1の紙基材層1及び第2の紙基材層2を熱可塑性樹脂層3を介して接着する際に、少なくとも一方のプレスロール(第1のプレスロール22)としてエンボスロールを用いて、化粧シート10にエンボス加工を行った。一方、比較例1では、第1の紙基材層1と第2の紙基材層2とを熱可塑性樹脂層3で接着した後に、エンボスロールを用いて化粧シート10にエンボス加工を行った。
Figure 0007127383000001
なお、表1中の意匠性・触感・触感の均一性の項目において、視覚及び触覚による評価を行い、より意匠性・触感・触感の均一性の優れている順に、「優」、「良」、「可」とした。「優」及び「良」を合格とし、「可」を不合格とした。また、表1中のエンボスの項目において、エンボス加工が容易であった場合を「良好」とし、エンボス加工が容易ではないものの可能であった場合を「可」とした。さらに、表1中のラミネートの項目において、良好な凹凸意匠性を有する化粧板13を作製できた場合を「良好」とした。
上記の表1から明らかなように、実施例1~9の化粧シート10のように、化粧シート10の中央部に位置するエンボス凹部6の最大深さと、化粧シート10の端部に位置するエンボス凹部6の最大深さとの比率が、1.0:1.1~1.1:1.0の範囲内であれば、比較例1のように範囲外のものに比べ、触感の均一性が高くなることを確認できた。
また、実施例1~7及び9の化粧シート10のように、表面保護層5の表面10a側のエンボス凹部6の最大深さが45μm以上であれば、比較例1のように、エンボス凹部6の最大深さが45μm未満のものに比べ、意匠性・触感が高くなることを確認できた。
さらに、実施例1~7及び9の化粧シート10のように、第1の紙基材層1及び前記第2の紙基材層の厚さが、15μm以上且つ60μm未満の範囲内であれば、実施例8のように範囲外のものに比べ、意匠性・触感が高く、エンボス適性が高いことを確認できた。
また、実施例1~8の化粧シート10のように、第1の紙基材層1の厚さが第2の紙基材層2の厚さよりも厚ければ、実施例9のように厚くないものに比べ、意匠性・触感が高く、印刷が適切に行われており、第1の紙基材層1の印刷適性が高いことを確認できた。
また、実施例1~9の化粧シート10のように、第1の紙基材層1及び第2の紙基材層2を熱可塑性樹脂層3を介して接着する際に、第1のプレスロール22として、エンボスロールを用いる方法によれば、比較例1の化粧シート10のように、第1の紙基材層1と第2の紙基材層2とを熱可塑性樹脂層3で接着した後に、エンボスロールを用いて化粧シート10にエンボス加工を行う方法に比べ、触感の均一性が高まることを確認することができた。また、エンボス・ラミネートが良好になることを確認することができた。
1…第1の紙基材層、1a…表面、2…第2の紙基材層、3…熱可塑性樹脂層、4…絵柄模様層、4a…表面、5…表面保護層、5a…粒子、6…エンボス凹部、7…積層体、8…エンボス凹部、9…艶消し層、10…化粧シート、10a…表面、10b…裏面、11…接着剤、12…基材、12a…表面、13…化粧板、20…Tダイ、21…貼り合わせ装置、22…第1のプレスロール、23…第2のプレスロール、24…駆動ロール、25…バックロール、26…剥離ロール、27…テフロンテープ

Claims (1)

  1. 第1の紙基材、絵柄模様層及び表面保護層による積層体と、第2の紙基材層との間に、Tダイから押し出された溶融した樹脂による熱可塑性樹脂層を挟んでなる化粧シートを第1のプレスロールと第2のプレスロールとの間を通過させて、前記積層体と前記第2の紙基材層とを前記熱可塑性樹脂層を介して接着する前記化粧シートの製造方法であって、
    前記第1のプレスロール及び前記第2のプレスロールの片方または両方に、外周面に凸部が形成されたエンボスロールを用いて、前記化粧シートが前記第1のプレスロール及び前記第2のプレスロールの間を通過する際に、前記表面保護層が形成されている前記化粧シートの表面に複数のエンボス凹部を設けるとともに、
    前記第1の紙基材層及び前記第2の紙基材層の厚さがそれぞれ、15μm以上且つ60μm未満であり、
    前記積層体の総厚が、80μm~120μmであることを特徴とする化粧シートの製造方法。
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