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JP7066178B2 - Iii族窒化物半導体素子の製造装置および製造方法ならびに半導体ウエハの製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物半導体素子の製造装置および製造方法ならびに半導体ウエハの製造方法 Download PDF

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Description

本明細書の技術分野は、プラズマを用いたIII 族窒化物半導体素子の製造装置および製造方法ならびに半導体ウエハの製造方法に関する。
GaNに代表されるIII 族窒化物半導体では、その組成を変化させることにより、バンドギャップが0.6eVから6eVまで変化する。そのため、III 族窒化物半導体は、近赤外から深紫外までの広い範囲の波長に相当する発光素子や、レーザーダイオード、受光素子等に応用されている。
また、III 族窒化物半導体は、高い破壊電界強度と、高い融点とを備えている。そのため、III 族窒化物半導体は、GaAs系半導体に代わる、高出力、高周波、高温用の半導体デバイスの材料として期待されている。それにともなって、HEMT素子などが研究開発されている。
III 族窒化物半導体をエピタキシャル成長させる方法として、例えば、有機金属化学気相成長法(MOCVD法)がある。MOCVD法では、大量のアンモニアガスを用いる。そのため、MOCVD炉にアンモニアを除外する除害装置を設ける必要がある。また、アンモニアのランニングコストも高い。そして、有機金属ガスとアンモニアとの反応により半導体層を形成する。この反応を起こすために、基板温度を高温にする必要がある。基板温度が高いと、In濃度の高いInGaN層を高品質に成長させることは難しい。また、成長基板と半導体層との熱膨張差の違いにより、そりが発生しやすい。
また、III 族窒化物半導体をエピタキシャル成長させる方法として、例えば、分子線エピタキシー法(MBE法)が挙げられる。MBE法では、低い成長温度でIII 族窒化物半導体を成長させることができる。しかし、ラジカルソースを用いるRF-MBE法では、成長速度が遅い。すなわち、RF-MBE法は、量産に向かない。アンモニアガスを用いるMBE法では、大量のアンモニアガスを使用するため、製造コストが高い。
特開2015-99866号公報
そのため、本発明者らは、III 族金属を含む有機金属ガスをプラズマ化せずに窒素原子を含むガスをプラズマ化して成長基板に供給するREMOCVD(Radical Enhanced Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を開発した(特許文献1)。特許文献1の技術では、GaN等を低温成長させることができる。そのため、熱膨張係数差に起因する応力を抑制することができる。
ところで、III 族窒化物半導体を成長させるために、III 族有機金属ガスを用いることが多い。III 族有機金属ガスは、炭素原子(例えば、メチル基)を有する。そのため、III 族窒化物半導体の結晶にIII 族有機金属ガスの炭素原子が混入することがある。III 族窒化物半導体の結晶性の観点から、炭素原子がIII 族窒化物半導体に混入しないことが好ましい。成長温度が低いほど、多くの炭素原子がIII 族窒化物半導体に混入する傾向にある。つまり、特許文献1の技術では、基板の歪や応力を緩和することができるが、炭素原子がIII 族窒化物半導体に比較的多く混入するおそれがある。
本明細書の技術は、前述した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。その課題とは、比較的低温で成長させることができるとともにIII 族窒化物半導体への炭素原子の混入を抑制することのできるIII 族窒化物半導体素子の製造装置および製造方法ならびに半導体ウエハの製造方法を提供することである。
第1の態様におけるIII 族窒化物半導体素子の製造装置は、III 族窒化物半導体をエピタキシャル成長させるためのものである。この製造装置は、第1の電極と、第1の電極に電位を付与する電位付与部と、成長基板を支持するための基板支持部と、基板支持部に第1のガスとしてIII 族金属を含む有機金属ガスを供給する第1のガス供給管と、基板支持部に第2のガスとして窒素ガスを含むガスを供給する第2のガス供給管と、第1の電極と基板支持部との間の位置に配置された金属メッシュ部材と、を有する。第1のガス供給管は、少なくとも1以上の第1のガス噴出口を有する。第1のガス噴出口は、基板支持部と金属メッシュ部材との間の位置に配置されている。第2のガス供給管は、第2のガスを第1の電極と金属メッシュ部材との間の空間を通過させる。第1のガス供給管および電位付与部は、第1の期間と第2の期間とを交互に繰り返す。第1のガス供給管は、第1の期間に第1のガスを供給し、第2の期間に第1のガスを供給しない。電位付与部は、第1の期間に第1の出力でプラズマを発生させ、第2の期間に第1の出力より小さい第2の出力でプラズマを発生させる。
このIII 族窒化物半導体素子の製造装置は、成長基板の上にIII 族窒化物半導体をエピタキシャル成長させる。この製造装置は、第1のガスをプラズマ発生領域に通過させないで成長基板に供給し、第2のガスをプラズマ発生領域に通過させた後に成長基板に供給する。この製造装置は、第1の期間と第2の期間とを交互に繰り返す。第1の期間では、第1のガスを流すとともに、プラズマ発生装置の出力を大きくする。第2の期間では、第1のガスを流さず、プラズマ発生装置の出力を小さくする。これにより、第1の期間でIII 族窒化物半導体を成膜し、第2の期間でIII 族窒化物半導体から炭素原子を離脱させる。したがって、この製造装置は、炭素原子の含有量の小さいIII 族窒化物半導体を製造することができる。
本明細書では、比較的低温で成長させることができるとともにIII 族窒化物半導体への炭素原子の混入を抑制することのできるIII 族窒化物半導体素子の製造装置および製造方法ならびに半導体ウエハの製造方法が提供されている。
第1の実施形態の半導体ウエハの構造を示す図である。 第1の実施形態における製造装置の概略構成を示す図である。 第1のガスの供給とRF電源がシャワーヘッド電極に付与する高周波電位の出力との関係を示すタイミングチャートである。 従来のパルス形式のCVD法を説明するタイミングチャートである。 第2の実施形態のMIS型半導体素子の構造を示す図である。 第3の実施形態の発光素子の構造を示す図である。 実施例1および比較例1における二次イオン質量分析法(SIMS)による解析結果を示すグラフである。 実施例1におけるGaNの断面を示すSEM写真である。 実施例1におけるGaNの表面を示すSEM写真である。 比較例1におけるGaNの断面を示すSEM写真である。 比較例1におけるGaNの表面を示すSEM写真である。 GaN層の表面をエリプソメーターで測定した場合の位相差Δの温度依存性を示すグラフ(その1)である。 GaN層の表面をエリプソメーターで測定した場合の位相差Δの温度依存性を示すグラフ(その2)である。
以下、具体的な実施形態について、III 族窒化物半導体素子の製造装置および製造方法ならびに半導体ウエハの製造方法を例に挙げて図を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
1.半導体ウエハ
図1は、本実施形態の半導体ウエハWa1の構造を示す図である。半導体ウエハWa1は、基板Sa1と半導体層F1とを有する。基板Sa1は成長基板である。半導体層F1はIII 族窒化物半導体から成る単結晶の半導体層である。このように、半導体ウエハWa1は、ウエハの主面にIII 族窒化物半導体をエピタキシャル成長させたものである。
2.III 族窒化物半導体素子の製造装置
図2は、本実施形態におけるIII 族窒化物半導体素子の製造装置1000の概略構成図である。製造装置1000は、III 族窒化物半導体をエピタキシャル成長させるためのものである。製造装置1000は、チャンバーの内部にプラズマ発生領域を生成するプラズマ発生装置である。製造装置1000は、III 族金属を含む有機金属ガス(第1のガス)をプラズマ発生領域に通過させずに成長基板に供給し、窒素原子を含むガス(第2のガス)をプラズマ発生領域に通過させてから成長基板に供給する。
製造装置1000は、炉本体1001と、シャワーヘッド電極1100と、サセプター1200と、加熱器1210と、第1のガス供給管1300と、ガス導入室1410と、第2のガス供給管1420と、金属メッシュ1500と、RF電源1600と、マッチングボックス1610と、プラズマ電力パルス制御部1620と、第1のガス供給部1810と、第2のガス供給部1710と、ガス容器1910、1920、1930と、恒温槽1911、1921、1931と、マスフローコントローラー1720、1820、1830、1840と、パルスバルブ1850と、を有している。また、製造装置1000は、排気口(図示せず)を有している。
シャワーヘッド電極1100は、周期的な電位を付与される第1の電極である。シャワーヘッド電極1100は、例えば、ステンレス製である。もちろん、これ以外の金属であってもよい。シャワーヘッド電極1100は、平板形状の電極である。そして、シャワーヘッド電極1100には、表面から裏面に貫通する複数の貫通孔(図示せず)が設けられている。そして、これらの複数の貫通孔は、ガス導入室1410および第2のガス供給管1420と連通している。このため、ガス導入室1410から炉本体1001の内部に供給される第2のガスは、好適にプラズマ化される。
RF電源1600は、シャワーヘッド電極1100に高周波電位を付与する電位付与部である。プラズマ電力パルス制御部1620は、シャワーヘッド電極1100に高周波のパルスを付与するための装置である。
サセプター1200は、基板Sa1を支持するための基板支持部である。サセプター1200の材質は、例えば、グラファイトである。また、これ以外の導電体であってもよい。ここで、基板Sa1は、III 族窒化物半導体を成長させるための成長基板である。
第1のガス供給管1300は、サセプター1200に第1のガスを供給するためのものである。実際には、サセプター1200に支持された基板Sa1に第1のガスを供給することとなる。ここで、第1のガスとは、III 族金属を含む有機金属ガスである。また、その他のキャリアガスを含んでいてもよい。第1のガス供給管1300は、リング状のリング部1310を有している。そして、第1のガス供給管1300のリング部1310には、12個の貫通孔(図示せず)がリング部1310の内側に設けられている。このように第1のガス供給管1300は、少なくとも1以上の貫通孔を有する。これらの貫通孔は、第1のガスが噴出する噴出口である。そのため、第1のガスは、リング部1310の内側に向けて、噴出することとなる。また、これらの貫通孔は、サセプター1200と金属メッシュ1500との間の位置に配置されている。そのため、第1のガス供給管1300は、プラズマ発生領域から離れた位置に位置している。
第2のガス供給管1420は、サセプター1200に第2のガスを供給するためのものである。実際には、第2のガスをシャワーヘッド電極1100と金属メッシュ1500との間の空間に供給し、サセプター1200に支持された基板Sa1に第2のガスを供給することとなる。ここで、第2のガスは、窒素ガスを含むガスである。第2のガスは、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスであってもよい。
ガス導入室1410は、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを一旦収容するとともに、シャワーヘッド電極1100の貫通孔にこの混合ガスを供給するためのものである。
金属メッシュ1500は、荷電粒子を捕獲するための金属メッシュ部材である。金属メッシュ1500は、例えば、ステンレス製である。もちろん、これ以外の金属であってもよい。金属メッシュ1500は、シャワーヘッド電極1100とサセプター1200との間の位置に配置されている。そのため、金属メッシュ1500は、後述するようにプラズマ発生領域で発生した荷電粒子が、サセプター1200に支持されている成長基板Sa1に向かうのを抑制することができる。また、金属メッシュ1500は、シャワーヘッド電極1100と第1のガス供給管1300のリング部1310との間の位置に配置されている。そのため、荷電粒子が、第1のガス供給管1300のリング部1310から噴出されるIII 族金属を含む有機金属分子に衝突するのを抑制することができる。また、金属メッシュ1500は、多数枚のメッシュを少しずつずらして重ねあわされている。つまり、第1のメッシュの開口部の位置に第2のメッシュの線状部を配置している。そのため、直線的に進行する光は、金属メッシュ1500を透過できない。つまり、金属メッシュ1500は、電子、イオン、光を通過させないが、中性のラジカルを通過させる。
炉本体1001は、少なくとも、シャワーヘッド電極1100と、サセプター1200と、第1のガス供給管1300のリング部1310と、金属メッシュ1500と、を内部に収容している。炉本体1001は、例えば、ステンレス製である。炉本体1001は、上記以外の導電体であってもよい。
炉本体1001と、金属メッシュ1500と、第1のガス供給管1300とは、導電性の部材であり、いずれも接地されている。そのため、シャワーヘッド電極1100に電位が付与されると、シャワーヘッド電極1100と、炉本体1001および金属メッシュ1500と、の間に電圧が印加されることとなる。そして、炉本体1001と金属メッシュ1500との少なくとも1つ以上と、シャワーヘッド電極1100と、の間に放電が生じると考えられる。シャワーヘッド電極1100の直下では、高周波かつ高強度の電界が形成される。そのため、シャワーヘッド電極1100の直下の位置は、プラズマ発生領域である。
ここで、第2のガスは、このプラズマ発生領域においてプラズマ化されることとなる。そして、プラズマ発生領域でプラズマ生成物が発生する。この場合におけるプラズマ生成物とは、例えば、窒素ラジカルと、水素ラジカルと、窒化水素系の化合物と、電子と、その他のイオン等である。ここで、窒化水素系の化合物とは、NHと、NH2 と、NH3 と、これらの励起状態と、その他のものとを含む。
また、シャワーヘッド電極1100と、サセプター1200とは、十分に離れている。シャワーヘッド電極1100と、サセプター1200との間の距離は、40mm以上200mm以下である。より好ましくは、40mm以上150mm以下である。シャワーヘッド電極1100とサセプター1200との間の距離が短いと、プラズマ発生領域がサセプター1200の箇所にまで広がるおそれがある。シャワーヘッド電極1100とサセプター1200との間の距離が40mm以上であれば、プラズマ発生領域がサセプター1200の箇所にまで広がるおそれがほとんどない。そのため、荷電粒子が基板Sa1に到達することを抑制できる。また、シャワーヘッド電極1100とサセプター1200との間の距離が大きいと、窒素ラジカルや、窒化水素系の化合物等が、サセプター1200の保持する基板Sa1に到達しにくくなるからである。なお、これらの距離は、プラズマ発生領域の大きさと、その他のプラズマ条件にも依存する。
シャワーヘッド電極1100は、サセプター1200からみて第1のガス供給管1300のリング部1310の貫通孔よりも遠い位置に配置されている。シャワーヘッド電極1100と、第1のガス供給管1300のリング部1310の貫通孔との間の距離は、30mm以上190mm以下である。より好ましくは、30mm以上140mm以下である。荷電粒子が、第1のガスに混入することを抑制するとともに、窒素ラジカルや、窒化水素系の化合物等が、基板Sa1に到達しやすくするためである。このため、プラズマ化された第2のガスと、プラズマ化されない第1のガスとにより、基板Sa1に半導体層が積層されることとなる。なお、これらの距離は、プラズマ発生領域の大きさと、その他のプラズマ条件にも依存する。
加熱器1210は、サセプター1200を介して、サセプター1200に支持される基板Sa1を加熱するためのものである。
マスフローコントローラー1720、1820、1830、1840は、各々のガスの流量を制御するためのものである。パルスバルブ1850は、高周波電位のパルスと同期させて、III 族金属を含む有機金属ガスを供給するためのものである。恒温槽1911、1921、1931には、不凍液1912、1922、1932が満たされている。また、ガス容器1910、1920、1930は、III 族金属を含む有機金属ガスを収容するための容器である。ガス容器1910、1920、1930には、それぞれ、トリメチルガリウムと、トリメチルインジウムと、トリメチルアルミニウムとが、収容されている。もちろん、トリエチルガリウム等、その他のIII 族金属を含む有機金属ガスであってもよい。
3.製造装置の製造条件
製造装置1000における製造条件を表1に示す。表1で挙げた数値範囲は、あくまで目安であり、必ずしもこの数値範囲である必要はない。RFパワーは、100W以上1000W以下の範囲内である。RF電源1600がシャワーヘッド電極1100に付与する周期的な電位の周波数は、30MHz以上300MHz以下の範囲内である。基板温度は、0℃以上900℃以下の範囲内である。好ましくは、400℃以上900℃以下である。製造装置1000の内圧は、1Pa以上10000Pa以下の範囲内である。
[表1]
RFパワー 100W以上 1000W以下
周波数 30MHz以上 300MHz以下
基板温度 0℃以上 900℃以下
内圧 1Pa以上 10000Pa以下
4.第1のガスの供給および電位付与部(RF電源)
図3は、第1のガスの供給とRF電源1600がシャワーヘッド電極1100に付与する高周波電位の出力との関係を示すタイミングチャートである。図3の横軸は、時刻である。図3の上図の縦軸はトリメチルガリウム(TMG)の流量である。図3の下図の縦軸はRFパワーである。
図3に示すように、第1のガスの供給およびRF電源1600によるパワーの供給は、一定時間おきに繰り返されている。図3に示すように、製造装置1000は、第1の期間T1と第2の期間T2とを交互に繰り返しながら成膜する。
4-1.第1の期間
図3に示すように、第1の期間T1には、第1のガス供給管1300は、サセプター1200に第1のガスを供給し、RF電源1600は、第1の出力W1でプラズマを発生させる。このため、第1の期間T1には、III 族元素および窒素原子(ラジカルおよび励起状態を含む)がサセプター1200の基板Sa1に供給される。したがって、第1の期間T1においては、III 族窒化物半導体が成膜される。
4-2.第2の期間
図3に示すように、第2の期間T2には、第1のガス供給管1300は、サセプター1200に第1のガスを供給せずに、RF電源1600は、第2の出力W2でプラズマを発生させる。このため、第2の期間T2には、窒素原子(ラジカルおよび励起状態を含む)がサセプター1200の基板Sa1に供給されるが、III 族元素は基板Sa1に供給されない。したがって、第2の期間T2においては、III 族窒化物半導体は成膜されない。
4-3.第1の期間および第2の期間の出力
第1の期間T1における第1の出力W1は、例えば、600W以上1000W以下である。第2の期間T2における第2の出力W2は、例えば、200W以上500W以下である。第2の出力W2に対する第1の出力W1の比(W1/W2)は、1.5以上5以下である。より好ましくは、1.6以上4以下である。RF電源1600は、第1の期間T1に第1の出力W1でプラズマを発生させ、第2の期間T2に第2の出力W2でプラズマを発生させる。前述のように、第2の出力W2は第1の出力W1よりも小さい。
4-4.第1の期間および第2の期間の時間
第1の期間T1は、例えば、5秒以上60秒以下である。第2の期間T2は、例えば、0.5秒以上5秒以下である。これらの数値範囲は例示であり、上記以外の数値であってもよい。
4-5.第1の期間および第2の期間の効果
このように製造装置1000は、第1の期間T1においてはIII 族窒化物半導体を成膜し、第2の期間T2においてはIII 族窒化物半導体を成膜しない。第2の期間T2の期間内には、III 族窒化物半導体が成膜されないため、炭素原子がIII 族窒化物半導体の表面から離脱すると考えられる。したがって、III 族窒化物半導体に混入する炭素原子の数は減少する。
前述のように、第1の出力W1は、第2の出力W2よりも大きい。また、第2の出力W2は0より大きい。そのため、第1の期間T1および第2の期間T2の両方において、プラズマが生成される。そして、第2の期間T2のプラズマの第2のプラズマ密度は、第1の期間T1のプラズマの第1のプラズマ密度よりも小さい。このように、高出力および低出力のプラズマが交互に発生する。
第1の期間T1におけるプラズマは、成膜に用いられる窒素原子に由来する粒子を生成する。第2の期間T2におけるプラズマは、第1の期間T1と同様に窒素原子に由来する粒子を生成する。第2の期間T2においては、この窒素原子に由来する粒子は、成膜に用いられるわけではなく、成膜された半導体層から窒素原子が脱離することを防止すると考えられる。このように、第2の期間T2においては、半導体層から炭素原子を蒸発させるようにするとともに、窒素原子を蒸発させないようにする。そのため、第2の期間T2においては、窒素原子の脱離を防止する程度の窒素ラジカルが基板Sa1もしくは半導体層F1の表面に到達すればよい。
5.従来技術との違い
図4は、従来のパルス形式のCVD法を説明するタイミングチャートである。図4に示すように、図4に示すように、従来においては、第3の期間T3と第4の期間T4とを交互に実施する。つまり、高出力なプラズマを発生させることと、TMG等の原料ガスを供給することとを、交互に実施する。このように、高出力なプラズマを発生させるときには、原料ガスを供給する本実施形態の技術とは異なっている。
また、本実施形態では、基板温度を高い温度とすることなく、III 族窒化物半導体を成長させることができる。そのため、基板温度が高いと結晶成長が困難な高In濃度のInGaN層等を成長させるのに好適である。また、大量のアンモニアガスを流す必要がない。そのため、アンモニアガスを除去する除害装置を設ける必要はない。そのため、製造装置そのもののコストが低い。また、ランニングコストを抑制することもできる。
6.半導体ウエハの製造方法
本実施形態の半導体ウエハの製造方法は、REMOCVD(Radical Enhanced Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により半導体層を成長させる。すなわち、本実施形態の製造装置1000を用いてウエハの主面にIII 族窒化物半導体をエピタキシャル成長させる。
6-1.基板のクリーニング
ここで、本実施形態の製造装置1000を用いた半導体ウエハの製造方法について説明する。まず、基板Sa1を準備する。基板Sa1として、例えば、c面サファイア基板を用いることができる。また、その他の基板を用いてもよい。基板Sa1を、製造装置1000の内部のサセプター1200に配置し、水素ガスを供給しながら基板温度を900℃程度まで上昇させる。これにより、基板Sa1の表面を還元するとともに、基板Sa1の表面をクリーニングする。基板温度をこれ以上の温度にしてもよい。
6-2.半導体層形成工程
次に、第1のガスおよび第2のガスを炉本体1001の内部に供給するとともに、RF電源1610をONにする。この際に、前述したように、プラズマ電力パルス制御部1620を用いて、第1の期間T1と第2の期間T2とを交互に繰り返す。
第1のガス供給部1810は、第1のガス供給管1300から第1のガスを炉本体1001の内部に供給する。第1のガス供給管1300のリング部1310の貫通孔はプラズマ発生領域の外にある。そのため、第1のガスはプラズマ発生領域を通過せずに、基板Sa1に供給される。つまり、第1のガス供給管1300は、第1のガスとしてIII 族金属を含む有機金属ガスをプラズマ発生領域に通過させずに基板Sa1に供給する。
第2のガス供給部1710は、第2のガス供給管1420から第2のガスを炉本体1001の内部に供給する。第2のガスはシャワーヘッド電極1100から炉本体1001の内部に供給される。シャワーヘッド電極1100の直下はプラズマ発生領域である。第2のガス供給管1420は、第2のガスをシャワーヘッド電極1100と金属メッシュ1500との間の空間を通過させる。つまり、第2のガス供給管1420は、第2のガスをプラズマ発生領域に通過させた後に基板Sa1に供給する。
このようにRF電源1610は、第1の期間T1に高出力(第1の出力W1)でプラズマを発生させ、第2の期間T2に低出力(第2の出力W2)でプラズマを発生させる。
第1の期間T1には、プラズマ発生領域で窒素ラジカル等の窒素原子に由来する粒子が生成される。また、第2のガスが水素ガスを含む場合には、水素ラジカルと窒化水素系の化合物が生成される。また、電子やその他の荷電粒子も生成される。電子などの電荷を有する粒子は金属メッシュ1500に衝突することにより消滅する。そのため、窒素原子もしくは水素原子とこれらに由来する窒化水素系の化合物が金属メッシュ1500を通過する。
金属メッシュ1500を通過してきた粒子は、第1のガスとともに基板Sa1に供給される。なお、第1のガスはプラズマ発生領域を通過せずに基板Sa1に供給されることとなる。そして、窒素原子に由来する粒子と、III 族金属を含む有機金属ガスとが、基板Sa1上で反応してIII 族窒化物半導体が成膜される。
第2の期間T2においては、第1のガスは基板Sa1に供給されず、第2のガスのみが基板Sa1に供給される。第2のガスは低出力のプラズマでプラズマ化されている。そのため、窒素ラジカル等が基板Sa1に降り注ぐ。これにより、半導体層F1の表面から窒素原子が脱離しにくいと考えられる。
この第2の期間T2においては、半導体層F1の表面上には成膜されない。半導体層F1の表面から窒素原子が脱離せず、半導体層F1の表面から炭素原子が脱離すると考えられる。
6-3.半導体ウエハ
こうして、基板Sa1の主面に半導体層F1をエピタキシャル成長させる。これにより、半導体ウエハWa1が製造される。半導体層F1には炭素原子がほとんど含まれていないので、この半導体ウエハWa1におけるIII 族窒化物半導体の結晶性はよい。
7.変形例
7-1.リング部の貫通孔
本実施形態では、第1のガス供給管1300は、リング部1310の内側に貫通孔を有することとした。しかし、この貫通孔の位置を、リングの内側でかつ下向きにしてもよい。リング部1310を含む面と、貫通孔の開口部の方向とのなす角の角度は、例えば45°である。この角の角度は、例えば、0°以上60°以下の範囲内で変えてもよい。この角度は、もちろん、リング部1310の径や、リング部1310とサセプター1200との間の距離にも依存する。また、貫通孔の数は、1以上であればよい。もちろん、リング部1310に、等間隔で貫通孔が形成されていることが好ましい。
8.本実施形態のまとめ
本実施形態の製造装置1000は、成長基板の上にIII 族窒化物半導体をエピタキシャル成長させる。第1の期間T1には、第1のガスを供給するとともに第2のガスを高出力のプラズマ発生領域に通過させる。そして、基板Sa1の上に半導体層F1を成膜する。一方、第2の期間T2には、第1のガスを供給せず第2のガスを低出力のプラズマ発生領域に通過させる。半導体層F1を成膜することなく、その表面から炭素原子を離脱させる。したがって、この製造装置は、炭素原子の少ない半導体層を成膜することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態について説明する。本実施形態の半導体デバイスは、III 族窒化物半導体層を有するMIS型半導体素子である。
1.MIS型半導体素子
図5は、本実施形態のMIS型半導体素子100の構造を示す概略構成図である。図5に示すように、MIS型半導体素子100は、基板110と、バッファ層120と、GaN層130と、AlGaN層140と、絶縁膜150と、ソース電極S1と、ゲート電極G1と、ドレイン電極D1と、を有している。ソース電極S1およびドレイン電極D1は、AlGaN層140の上に形成されている。ゲート電極G1と、AlGaN層140の溝141との間には、絶縁膜150がある。
2.MIS型半導体素子の製造方法
本実施形態のMIS型半導体素子100の製造方法は、REMOCVD(Radical Enhanced Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により半導体層を成長させる。すなわち、第1の実施形態の製造装置1000を用いて半導体層を成長させる。
2-1.半導体層形成工程
第1の実施形態の製造装置1000を用いて、基板110の上にIII 族窒化物半導体層を形成する。ここで用いる条件は、第1の実施形態で説明した半導体ウエハの製造方法とほぼ同様である。基板110の上に、バッファ層120と、GaN層130と、AlGaN層140と、を形成する。上記の各半導体層を形成するために、適宜原料ガスを切り替えればよい。
2-2.凹部形成工程
次に、ICP等のエッチングにより、AlGaN層140に溝141を形成する。
2-3.絶縁膜形成工程
次に、溝141に、絶縁膜150を形成する。
2-4.電極形成工程
次に、AlGaN層140の上にソース電極S1およびドレイン電極D1を形成する。また、溝141の箇所に、絶縁膜150を介してゲート電極G1を形成する。なお、ソース電極S1およびドレイン電極D1については、絶縁膜150を形成する前に形成してもよい。以上により、MIS型半導体素子100が製造される。
(第3の実施形態)
第3の実施形態について説明する。本実施形態の半導体デバイスは、III 族窒化物半導体層を有する半導体発光素子である。
1.半導体発光素子
図6は、本実施形態の発光素子200の構造を示す概略構成図である。図6に示すように、発光素子200は、III 族窒化物半導体層を有する。発光素子200は、基板210と、バッファ層220と、n-GaN層230と、発光層240と、p-AlGaN層250と、p-GaN層260と、p電極P1と、n電極N1と、を有する。発光層240は、井戸層と障壁層とを有する。井戸層は、例えば、InGaN層を有している。障壁層は、例えば、AlGaN層を有している。これらの積層構造は、例示であり、上記以外の積層構造であってもよい。
2.半導体発光素子の製造方法
本実施形態の発光素子200の製造方法は、REMOCVD(Radical Enhanced Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により半導体層を成長させる。すなわち、第1の実施形態の製造装置1000を用いて半導体層を成長させる。
2-1.半導体層形成工程
第1の実施形態の製造装置1000を用いて、基板210の上にIII 族窒化物半導体層を形成する。ここで用いる条件は、第1の実施形態で説明した半導体ウエハの製造方法とほぼ同様である。基板210の上に、バッファ層220と、n-GaN層230と、発光層240と、p-AlGaN層250と、p-GaN層260と、を形成する。上記の各半導体層を形成するために、適宜原料ガスを切り替えればよい。
2-2.凹部形成工程
次に、ICP等のエッチングにより、p-GaN層260からn-GaN層230の途中まで達する凹部を形成する。これより、n-GaN層230の露出部が露出する。
2-3.電極形成工程
次に、n-GaN層230の露出部の上にn電極N1を形成する。また、p-GaN層260の上にp電極P1を形成する。
2-4.その他の工程
アニール工程や、絶縁膜を形成する工程等、その他の工程を実施してもよい。
1.実施例1
本実験では、図2に示す製造装置1000を用いて実験を行った。プラズマガスとして、窒素ガス750sccmと、水素ガス250sccmと、を混合した混合ガスを供給した。つまり、混合ガスにおける水素ガスの体積流量比は、25%であった。製造装置1000の内圧は、300Paであった。成長基板として、8mm角、厚さ400μmのGaN/Si基板を用いた。
まず、GaN/Si基板を800℃まで昇温した後に、通常の成膜条件でGaNを1時間成膜した。次に、第1の実施形態のようにGaNを2時間にわたってパルス成長させた。第1の期間T1は25秒であった。第2の期間T2は1秒であった。第1の期間T1における第1の出力W1は700Wであった。第2の期間T2における第2の出力W2は400Wであった。第2の出力W2に対する第1の出力W1の比W1/W2は1.75である。第1の期間T1では、TMGを0.1sccm供給した。第2の期間T2では、TMGを供給しなかった。
2.比較例1
比較例1では、実施例1とほぼ同様の条件でGaNを成膜した。実施例1と異なる点は、パルス成長を実施しなかったことである。つまり、RFパワーを700Wとしたまま、GaNを6時間成長させた。
3.SIMS
図7は、実施例1および比較例1における二次イオン質量分析法(SIMS)による解析結果を示すグラフである。図7の横軸は表面からの深さである。つまり、表面からの距離を示している。図7の縦軸は各元素の濃度である。図7において、実線は実施例1を示し、破線は比較例1を示している。
実施例1における第1の期間T1および第2の期間T2を設けた表面付近における炭素原子の濃度は、2.4×1018cm-3程度である。第1の期間T1および第2の期間T2を設けなかった領域における炭素原子の濃度は、4.2×1020cm-3程度である。パルス成長の半導体層の炭素原子の濃度は、通常成長の半導体層の炭素原子の濃度より2桁程度小さい。
比較例1では、GaNの表面から奥にかけて、炭素原子の濃度は4.2×1020cm-3程度である。このように、パルス成長を実施しなかった半導体層においては、炭素原子の濃度が一様に高いままである。
4.SEM写真
図8は、実施例1におけるGaNの断面を示すSEM写真である。図9は、実施例1におけるGaNの表面を示すSEM写真である。図9に示すように、この場合において、GaNの表面は十分に平坦である。
図10は、比較例1におけるGaNの断面を示すSEM写真である。図11は、比較例1におけるGaNの表面を示すSEM写真である。図11に示すように、比較例においては、GaNの表面は荒れている。
5.第1の期間
第1の期間T1については、10秒、18秒として実験を行った。これらの場合においても、同様に比較的平坦な表面状態のGaNが得られた。
6.トリメチルガリウムの分解温度
基板温度を変えながら、GaN層の表面をエリプソメーターで測定した。位相差Δは、s偏光とp偏光との位相差である。この位相差Δは、GaN層の表面における光の反射により変化する。つまり、GaN層の表面状態に応じて、位相差Δは変化する。
基板はSi(111)基板であった。プラズマガスとして、窒素ガス750sccmと、水素ガス250sccmと、を混合した混合ガスを供給した。TMGの供給量は0.1sccmであった。
図12は、GaN層の表面をエリプソメーターで測定した場合の位相差Δの温度依存性を示すグラフ(その1)である。図13は、GaN層の表面をエリプソメーターで測定した場合の位相差Δの温度依存性を示すグラフ(その2)である。図13は、図12を拡大したグラフである。
図12に示すように、300℃から400℃の間において、GaN層の表面状態が変化していることが分かる。
図13に示すように、328℃程度でトリメチルガリウムはモノメチルガリウムに分解されると考えられる。400℃程度でモノメチルガリウムはガリウムに分解されると考えられる。
7.実験のまとめ
上記のように、実施例1においては、パルス成長させたGaNの領域で炭素原子の濃度が低い。比較例1においては、パルス成長させていないため、炭素原子の濃度が一様に高いままである。また、図9および図11に示すように、GaNの表面付近で炭素原子の濃度が比較的高いことと、GaNの表面が荒れることとは、ある程度の相関があることが推測される。
図12および図13に示すように、基板温度が300℃以下の場合には、トリメチルガリウムのGaが半導体層の表面の窒素と結合し、メチル基が時間の経過とともに脱離していくと考えられる。基板温度が400℃以上の場合には、トリメチルガリウムのGaが半導体層の表面の窒素と結合した途端に、熱分解によりメチル基が瞬時に脱離していくと考えられる。したがって、基板温度は400℃以上900℃以下であることが好ましい。
A.付記
第1の態様におけるIII 族窒化物半導体素子の製造装置は、III 族窒化物半導体をエピタキシャル成長させるためのものである。この製造装置は、第1の電極と、第1の電極に電位を付与する電位付与部と、成長基板を支持するための基板支持部と、基板支持部に第1のガスとしてIII 族金属を含む有機金属ガスを供給する第1のガス供給管と、基板支持部に第2のガスとして窒素ガスを含むガスを供給する第2のガス供給管と、第1の電極と基板支持部との間の位置に配置された金属メッシュ部材と、を有する。第1のガス供給管は、少なくとも1以上の第1のガス噴出口を有する。第1のガス噴出口は、基板支持部と金属メッシュ部材との間の位置に配置されている。第2のガス供給管は、第2のガスを第1の電極と金属メッシュ部材との間の空間を通過させる。第1のガス供給管および電位付与部は、第1の期間と第2の期間とを交互に繰り返す。第1のガス供給管は、第1の期間に第1のガスを供給し、第2の期間に第1のガスを供給しない。電位付与部は、第1の期間に第1の出力でプラズマを発生させ、第2の期間に第1の出力より小さい第2の出力でプラズマを発生させる。
第2の態様におけるIII 族窒化物半導体素子の製造装置においては、電位付与部は、第2の出力に対する第1の出力の比を1.5以上5以下とする。
第3の態様におけるIII 族窒化物半導体素子の製造方法は、III 族窒化物半導体をエピタキシャル成長させる方法である。この方法では、プラズマ発生領域を生成するプラズマ発生装置を用いる。第1のガスとしてIII 族金属を含む有機金属ガスをプラズマ発生領域に通過させずに成長基板に供給するとともに、第2のガスとして窒素ガスを含むガスをプラズマ発生領域に通過させた後に成長基板に供給する。第1の期間と第2の期間とを交互に繰り返しながら成膜を行う。第1のガスを供給する際には、第1の期間に第1のガスを供給し、第2の期間に第1のガスを供給しない。プラズマ発生装置は、第1の期間に第1の出力でプラズマを発生させ、第2の期間に第1の出力より小さい第2の出力でプラズマを発生させる。
第4の態様におけるIII 族窒化物半導体素子の製造方法においては、プラズマ発生装置は、第2の出力に対する第1の出力の比を1.5以上5以下とする。
第5の態様におけるウエハの製造方法は、ウエハの主面にIII 族窒化物半導体をエピタキシャル成長させる方法である。この方法では、プラズマ発生領域を生成するプラズマ発生装置を用いる。第1のガスとしてIII 族金属を含む有機金属ガスをプラズマ発生領域に通過させずに成長基板に供給するとともに、第2のガスとして窒素ガスを含むガスをプラズマ発生領域に通過させた後に成長基板に供給する。第1の期間と第2の期間とを交互に繰り返しながら成膜を行う。第1のガスを供給する際には、第1の期間に第1のガスを供給し、第2の期間に第1のガスを供給しない。プラズマ発生装置は、第1の期間に第1の出力でプラズマを発生させ、第2の期間に第1の出力より小さい第2の出力でプラズマを発生させる。
1000…製造装置
1001…炉本体
1100…シャワーヘッド電極
1200…サセプター
1210…加熱器
1300…第1のガス供給管
1410…ガス導入室
1420…第2のガス供給管
1500…金属メッシュ
1600…RF電源
1610…マッチングボックス

Claims (5)

  1. III 族窒化物半導体をエピタキシャル成長させるIII 族窒化物半導体素子の製造装置において、
    第1の電極と、
    前記第1の電極に電位を付与する電位付与部と、
    成長基板を支持するための基板支持部と、
    前記基板支持部に第1のガスとしてIII 族金属を含む有機金属ガスを供給する第1のガス供給管と、
    前記基板支持部に第2のガスとして窒素ガスを含むガスを供給する第2のガス供給管と、
    前記第1の電極と前記基板支持部との間の位置に配置された金属メッシュ部材と、
    を有し、
    前記第1のガス供給管は、
    少なくとも1以上の第1のガス噴出口を有し、
    前記第1のガス噴出口は、
    前記基板支持部と前記金属メッシュ部材との間の位置に配置されており、
    前記第2のガス供給管は、
    前記第2のガスを前記第1の電極と前記金属メッシュ部材との間の空間を通過させ、
    前記第1のガス供給管および前記電位付与部は、
    第1の期間と第2の期間とを交互に繰り返し、
    前記第1のガス供給管は、
    前記第1の期間に前記第1のガスを供給し、
    前記第2の期間に前記第1のガスを供給せず、
    前記電位付与部は、
    前記第1の期間に第1の出力でプラズマを発生させ、
    前記第2の期間に前記第1の出力より小さい第2の出力でプラズマを発生させること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体素子の製造装置。
  2. 請求項1に記載のIII 族窒化物半導体素子の製造装置において、
    前記電位付与部は、
    前記第2の出力に対する前記第1の出力の比を
    1.5以上5以下とすること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体素子の製造装置。
  3. III 族窒化物半導体をエピタキシャル成長させるIII 族窒化物半導体素子の製造方法において、
    プラズマ発生領域を生成するプラズマ発生装置を用い、
    第1のガスとしてIII 族金属を含む有機金属ガスをプラズマ発生領域に通過させずに成長基板に供給するとともに、
    第2のガスとして窒素ガスを含むガスをプラズマ発生領域に通過させた後に前記成長基板に供給し、
    第1の期間と第2の期間とを交互に繰り返しながら成膜を行い、
    前記第1のガスを供給する際には、
    前記第1の期間に前記第1のガスを供給し、
    前記第2の期間に前記第1のガスを供給せず、
    前記プラズマ発生装置は、
    前記第1の期間に第1の出力でプラズマを発生させ、
    前記第2の期間に前記第1の出力より小さい第2の出力でプラズマを発生させること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体素子の製造方法。
  4. 請求項3に記載のIII 族窒化物半導体素子の製造方法において、
    前記プラズマ発生装置は、
    前記第2の出力に対する前記第1の出力の比を
    1.5以上5以下とすること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体素子の製造方法。
  5. ウエハの主面にIII 族窒化物半導体をエピタキシャル成長させる半導体ウエハの製造方法において、
    プラズマ発生領域を生成するプラズマ発生装置を用い、
    第1のガスとしてIII 族金属を含む有機金属ガスをプラズマ発生領域に通過させずに成長基板に供給するとともに、
    第2のガスとして窒素ガスを含むガスをプラズマ発生領域に通過させた後に前記成長基板に供給し、
    第1の期間と第2の期間とを交互に繰り返しながら成膜を行い、
    前記第1のガスを供給する際には、
    前記第1の期間に前記第1のガスを供給し、
    前記第2の期間に前記第1のガスを供給せず、
    前記プラズマ発生装置は、
    前記第1の期間に第1の出力でプラズマを発生させ、
    前記第2の期間に前記第1の出力より小さい第2の出力でプラズマを発生させること
    を特徴とする半導体ウエハの製造方法。
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