JP7019147B2 - 防水コネクタ及び機器ケースの防水構造 - Google Patents

Description

本発明は、防水コネクタ及び機器ケースの防水構造に関する。

特許文献１には、ケース内に配置される回路基板に接続される防水コネクタが開示されている。この防水コネクタは、ケースの蓋パネルに形成されたコネクタ取付孔を介して一部がケース外に突出するコネクタ本体を備えている。このコネクタ本体を蓋パネルに組み付けるためのカバー部材が、コネクタ本体の外周に沿って蓋パネルの表側に配置されており、このカバー部材は、蓋パネルの裏側に配置されたバックプレートを介して蓋パネルに係合されている。

また、特許文献１の防水コネクタは、カバー部材と蓋パネルとの間を封止する第１シール部材と、コネクタ本体とカバー部材との間を封止する第２シール部材とを備えている。第１シール部材は、カバー部材の裏面に開口する環状の保持溝に保持され、蓋パネルの表面に接触している。第２シール部材は、カバー部材の内周に配置された保持部と、コネクタ本体のハウジングのベースの外周との間の隙間に、弾性的に圧縮された状態で収容されている。

特開２０１４－１５００１７号公報

しかしながら、組立時において、第１シール部材と第２シール部材という２つのシール部材を組み付ける作業が必要であるため、組立性が悪い。また、ケース、回路基板、コネクタ本体等の各部品の組付位置のばらつきの影響で、第２シール部材が収容される隙間の間隔が変化すると、防水性が低下するおそれがある。
本発明の目的は、組立性が良く且つ防水性に優れた防水コネクタ及び機器ケースの防水構造を提供することである。

請求項１に記載の発明は、挿通孔（８２）が形成された壁部（８１）を含む機器ケース（８０）内に固定される回路基板（９０）の表面（９０ａ）に実装され、前記壁部の表面（８１ａ）と直交するコネクタ接続方向（Ｘ）に前記挿通孔を介して相手側コネクタと接続される防水コネクタ（１；１Ｐ）であって、前記相手側コネクタと電気的に接続されるコンタクト（２）と、前記コンタクトを保持し前記挿通孔に挿通される挿通部（３１）を含み、前記挿通部が、前記壁部の前記表面に対して面一又は段差を設けて配置される環状面（３７）を含む絶縁性のハウジング（３）と、前記挿通部の前記環状面及び前記壁部の前記表面の何れか一方に形成された環状溝（３８；８５）に嵌合される環状の第１シール部（４１；４１Ｐ）と、前記第１シール部から前記挿通部の前記環状面及び前記壁部の前記表面の何れか他方側へ直交状に延び前記挿通部の外周面（３６）と前記挿通孔の内周面（８２ａ）との隙間（Ｇ１）を跨ぐように覆う環状の覆い部（４２；４２Ｐ）であって第２シール部（４３；４３Ｐ）を有する覆い部と、を含む弾性のシール部材（４；４Ｐ）と、前記他方に固定され、前記他方との間に前記シール部材の前記覆い部を挟み込むカバー部材（５；５Ｐ）と、を備え、前記第２シール部が、前記シール部材の前記覆い部において前記カバー部材と前記他方とに挟まれる部分によって形成される、防水コネクタを提供する。

なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
請求項２に記載の発明のように、請求項１において、前記カバー部材が前記シール部材よりも硬質であり、前記シール部材と前記カバー部材とを含む単一のユニット（Ｕ；ＵＰ）が形成されていてもよい。

請求項３に記載の発明のように、請求項２において、前記カバー部材は、前記覆い部と連結される本体部（５１）と、前記本体部から延設され前記第１シール部を保持する保持部（５４）とを含んでいてもよい。
請求項４に記載の発明のように、請求項１～３の何れか一項において、前記シール部材と前記カバー部材との間に、ラビリンス隙間（ＬＣ１；ＬＣ２）が形成されていてもよい。

請求項５に記載の発明のように、請求項１～４の何れか１項において、前記壁部の前記表面に、前記第２シール部と対向する環状のシール面（８３ａ）が形成され、前記第２シール部が、前記シール面に対して接触して環状のシール領域（Ａ）を形成し、前記挿通部の前記外周面と前記挿通孔の前記内周面との前記隙間の間隔をＳ１とし、前記第２シール部の前記シール領域の径方向幅であるシール幅をＳ３とし、前記シール面の径方向幅をＳ４としたとき、Ｓ１＜（Ｓ４－Ｓ３）／２の関係としていてもよい。

請求項６に記載の発明のように、請求項１～５の何れか１項において、前記カバー部材に、前記ハウジングの前記挿通部が挿通される挿通孔（５２）が形成され、前記カバー部材の前記挿通孔の内周面（５２ａ）が、前記ハウジングに設けられて前記第１シール部が嵌合された前記環状溝における径方向内側の内壁面（３８ｃ）より、径方向内側に配置されていてもよい。

請求項７に記載の発明のように、請求項１～６の何れか１項において、前記壁部の表面には、前記第２シール部に対向する平坦なシール面（８３ａ）を端面に有するボス部（８３）が、前記壁部の前記挿通孔の周縁に沿って形成され、前記カバー部材は、前記壁部の前記表面に対向する裏面（５１ｂ）と、前記裏面から突出し前記ボス部の径方向外側を取り囲む環状の外側フランジ（５５）と、を含み、前記壁部の前記表面から前記シール面までの距離をＨ１とし、前記壁部の前記表面から前記外側フランジまでの距離をＨ２としたとき、Ｈ１＞Ｈ２の関係としていてもよい。

請求項８に記載の発明のように、請求項１～７の何れか１項において、前記環状溝（３８）が、前記ハウジングの前記環状面（３７）に形成され、前記ハウジングの前記挿通部の前記外周面が、前記カバー部材に形成された挿通孔の内周面と間隔Ｓ２を有する隙間（Ｇ２）を隔てて対向する第１外周面（３５）を含み、前記第１シール部の先端の内側および外側の少なくとも一方に、面取り部（４１ｃ，４１ｄ）が設けられ、前記第１シール部の内周面（４１ａ）と外周面（４１ｂ）との間の厚み幅から前記面取り部の面取り幅を差し引いた幅をＳ５とし、前記環状溝の幅をＳ６としたとき、Ｓ２＜（Ｓ６－Ｓ５）／２の関係としていてもよい。

請求項９に記載の発明のように、請求項８において、前記ハウジングの前記挿通部の前記外周面が、前記壁部の前記挿通孔の前記内周面と間隔Ｓ１を有する隙間（Ｇ１）を隔てて対向する第２外周面（３５）を含み、前記カバー部材を前記機器ケースに締結するための固定ねじ（６）の外径をＳ７とし、前記固定ねじが挿通されるねじ孔（８４ａ）のねじ孔径をＳ８としたとき、Ｓ１＜（Ｓ８－Ｓ７）／２の関係としていてもよい。

請求項１０に記載の発明のように、請求項１～７の何れか１項において、前記環状溝（８５）が、前記壁部（８１）の前記表面（８１ａ）に形成され、前記ハウジング（３）の前記挿通部（３１）の前記外周面が、前記カバー部材（５Ｐ）に形成された挿通孔（５２）の内周面（５２ａ）と第２隙間（Ｇ２）を隔てて対向する第１外周面（３５）と、前記壁部の前記挿通孔（８２）の前記内周面（８２ａ）と第１隙間（Ｇ１）を隔てて対向する第２外周面（３６）と、を含み、前記第１隙間の間隔をＳ１とし、前記第２隙間の間隔をＳ２としたとき、Ｓ１＜Ｓ２の関係としていてもよい。

請求項１１に記載の発明は、挿通孔が形成された壁部を含み、回路基板が固定された機器ケースと、請求項１～１０の何れか一項に記載の防水コネクタと、を含む機器ケースの防水構造（１０；１０Ｐ）を提供する。

請求項１記載の発明では、シール部材が第１シール部と第２シール部とを有しているので、各シール部が別々の部材で構成される場合と比較して、組立時において、シール部材の組み付け作業が容易であり、組立性が良い。また、挿通孔の内周面とハウジングの挿通部の外周面との隙間の間隔が変化しても、該隙間を跨ぐように覆う覆い部による封止性能に影響しない。このため、優れた防水性を得ることができる。

請求項２に記載の発明では、シール部材とシール部材よりも硬質のカバー部材とが単一のユニットとして一体的に取り扱い可能である。このため、組立時において、シール部材単体で組み付ける場合と比較して、組み付け易くなり、組立性が向上する。
請求項３に記載の発明では、ユニットにおいてシール部材の第１シール部がカバー部材の保持部によって保持されている。このため、ユニットを組み付けるときに、第１シール部を環状溝に挿入し易くなり、組立性がより向上する。

請求項４に記載の発明では、カバー部材とシール部材との間を通して外部から水分等が侵入することを抑制することができる。
請求項５に記載の発明では、機器ケースと防水コネクタとの相対位置のずれが大きくても、相対位置のずれ量に拘らず、優れた防水性を確保することができる。
請求項６に記載の発明では、高圧水が防水コネクタに掛かっても、第１シール部が直接被水しない構造であるため、優れた防水性を確保することができる。

請求項７に記載の発明では、高圧水が防水コネクタに掛かっても、シール面が直接被水しない構造であるため、優れた防水性を確保することができる。また、仮に、前記壁部がアルミダイキャストである場合、塩水を被水すると壁部の表面が腐食するおそれがあるのに対して、本発明では、平坦なシール面に塩水が直接掛からず、また、シール面が壁部の表面から一段高い位置にあって、シール面側への塩水の流れ込みを防止できる構造であるため、優れた耐塩水性を確保することができる。

請求項８に記載の発明では、カバー部材とシール部材を事前に組み付けたユニットをコネクタおよび機器ケースに組み付ける際に、カバー部材の挿通孔の内周面が、防水コネクタの挿通部の外周面にガイドされる。このため、第１シール部の先端が環状溝にアライメントされた状態で第１シール部を環状溝に挿入することができるため、組立性が向上し、ひいては自動組立に対応可能となり、組立コストを低減することができる。

請求項９に記載の発明では、機器ケースと防水コネクタの相対位置のずれが大きくても、カバー部材およびシール部材が移動するため、相対位置のずれ量に拘らず、優れた防水性を確保することができる。
請求項１０に記載の発明では、機器ケースと防水コネクタの相対位置のずれが大きくても、相対位置のずれ量に拘らず、優れた防水性を確保することができる。

請求項１１に記載の発明では、組立性が良く且つ優れた防水性を有する、機器ケースの防水構造を実現することができる。

図１は、本発明の第１実施形態に係る防水コネクタを含む機器ケースの防水構造の一部破断斜視図である。 図２は、機器ケースの防水構造の平面図である。 図３は、機器ケースの防水構造の分解斜視図である。 図４Ａは、機器ケースの防水構造の概略断面図である。 図４Ｂは、図４ＡのＩＶＢ部を拡大した拡大断面図である。 図５Ａは、コンタクトを保持するハウジングの斜視図である。 図５Ｂは、図５Ａとは別角度のハウジングの斜視図である。 図６Ａは、シール部材の斜視図である。 図６Ｂは、図６Ａとは別角度のシール部材の斜視図である。 図７Ａは、シール部材の平面図である。 図７Ｂは、シール部材の側面図である。 図８はシール部材の断面図であり、図７ＡのＶＩＩＩ－ＶＩＩＩ断面図に相当する。 図９Ａは、カバー部材の斜視図である。 図９Ｂは、図９Ａとは別角度からのカバー部材の斜視図である。 図１０Ａは、本発明の第２実施形態に係る防水コネクタを含む機器ケースの防水構造の概略断面図である。 図１０Ｂは、図１０ＡのＸＢ部を拡大した拡大断面図である。

以下、本発明を具体化した実施形態を図面に従って説明する。
（第１実施形態）
図１は、本発明の第１実施形態の防水コネクタ１を含む機器ケースの防水構造１０（以下では、単に防水構造１０とも言う）の一部破断斜視図である。図２は、防水構造１０の平面図である。図３は、防水構造１０の分解斜視図である。図４Ａは、防水構造１０の概略断面図であり、図４Ｂは、図４ＡのＩＶＢ部を拡大した拡大断面図である。

図１、図２、図３及び図４Ａに示すように、防水構造１０は、壁部８１を含む機器ケース８０と、機器ケース８０内に固定される回路基板９０の実装面９０ａに実装される雄コネクタである防水コネクタ１とを含む。防水コネクタ１は、雌コネクタである相手側コネクタ（図示せず）に対してコネクタ接続方向Ｘに接続される。機器ケース８０の壁部８１の表面８１ａと回路基板９０の実装面９０ａとはコネクタ接続方向Ｘと直交している。

図３及び図４Ｂに示すように、機器ケース８０の壁部８１には、挿通孔８２が形成されている。壁部８１の表面８１ａには、当該表面８１ａに平行な平坦なシール面８３ａを端面に有するボス部８３が、挿通孔８２の周縁に沿って形成されている。また、図３に示すように、壁部８１の表面８１ａには、ねじ孔８４ａを有する円筒突起状の複数のねじボス部８４が、挿通孔８２を取り囲むように、例えば四角環状に配置されている。

図３及び図４Ａに示すように、防水コネクタ１は、相手側コネクタに対してコネクタ接続方向Ｘに接続される複数のコンタクト２と、コンタクト２を保持し相手側コネクタと嵌合される絶縁性のハウジング３と、弾性のシール部材４と、カバー部材５とを備えている。シール部材４とカバー部材５とは、一体的に取り扱うことのできる単一のユニットＵとして形成されている。カバー部材５は、シール部材４よりも硬質の材料（例えば、樹脂又は金属）により構成されている。

次いで、ハウジング３について説明する。図５Ａ及び５Ｂは、シール部材４を取り外した状態の防水コネクタ１を互いに別角度から見た斜視図である。図４Ａ及び図４Ｂ並びに図５Ａ及び図５Ｂに示すように、ハウジング３は、コンタクト２を支持する略板状の支持部３１と、支持部３１から突出する筒状部３２と、支持部３１から筒状部３２とは反対側に突出し回路基板９０の実装面９０ａに固定される複数の脚部３３と、支持部３１から筒状部３２内へ突出する複数のリブ３９とを備える。

筒状部３２は平面視で略矩形に形成されている。支持部３１は、平面視で筒状部３２の外郭よりも大きい長円形に形成されている。支持部３１は、機器ケース８０の壁部８１の挿通孔８２内に挿通されており、挿通部を構成している。
図４Ｂ及び図５Ａに示すように、挿通部としての支持部３１は、筒状部３２よりも外側に配置される環状の表面３４と、表面３４と交差する第１外周面３５と、第１外周面３５よりも大径の第２外周面３６と、第１外周面３５と第２外周面３６とを接続する環状段部である環状面３７とを含む。

図４Ｂに示すように、第２外周面３６が、機器ケース８０の壁部８１の挿通孔８２内に挿通されている。支持部３１の第２外周面３６が、壁部８１の挿通孔８２の内周面８２ａに対して間隔Ｓ１を有する第１隙間Ｇ１を設けて対向している。第１隙間Ｇ１によって、挿通孔８２の内周面８２ａに対して支持部３１（挿通部）がコネクタ接続方向Ｘと直交する直交方向Ｖに対して所定量、位置ずれすることが許容されている。

環状面３７は、コネクタ接続方向Ｘと直交している。環状面３７は、機器ケース８０の壁部８１の表面８１ａに対して段差を設けて配置されている。ただし、環状面３７と壁部８１の表面８１ａとは面一に配置されていてもよい。環状面３７には、第１外周面３５を取り囲む環状溝３８が形成されている。環状溝３８は、底面３８ａと、径方向外側の内壁面３８ｂと、径方向内側の内壁面３８ｃとにより区画されている。

図４Ａに示すように、コンタクト２は、支持部３１に形成されたコンタクト挿通孔を挿通し、一端２ａが筒状部３２内に配置され、他端２ｂが回路基板９０の導体部（図示せず）と接続される。
次いで、シール部材４について説明する。図６Ａおよび図６Ｂは、シール部材４を互いに別角度から見た斜視図である。図７Ａはシール部材４の平面図であり、図７Ｂはシール部材４の正面図である。図８はシール部材４の断面図であり、図７ＡのＶＩＩＩ－ＶＩＩＩ断面図に相当する。

図４Ｂ、図６Ａ、図６Ｂ、図７Ａ、図７Ｂ及び図８に示すように、シール部材４は、第１シール部４１と、覆い部４２と、第２シール部４３と、複数の第１連結突起４４と、複数の第２連結突起４５とを含む。また、シール部材４は、ハウジング３の支持部３１（挿通部）が挿通される挿通孔４６を形成している。
第１シール部４１は、環状溝３８に嵌合される短い筒状の部分であり、コネクタ接続方向Ｘに延びる。図４Ｂに示すように、覆い部４２は、第１シール部４１の一端から壁部８１の表面８１ａ側へ直交状に延び、支持部３１の第２外周面３６と挿通孔８２の内周面８２ａとの間の第１隙間Ｇ１を跨ぐように覆う環状板状の部分である。

図４Ｂ及び図８に示すように、第１シール部４１は、内周面４１ａと、外周面４１ｂと、外周シールリップ６１と、内周シールリップ６２と、内周段部６３とを含む。第１シール部４１の先端の内側および外側に、面取り部４１ｃ，４１ｄが形成されている。面取り部４１ｃ，４１ｄは、第１シール部４１を環状溝３８に挿入するときに、挿入を容易にする機能を果たす。面取り部としては、内側の面取り部４１ｃおよび外側の面取り部４１ｄの少なくとも一方が設けられればよい。

第１シール部４１の内周面４１ａが、シール部材４の挿通孔４６の内周面４６ａに相当する。シール部材４の挿通孔４６に、ハウジング３の支持部３１（挿通部）が挿通される。
外周シールリップ６１は、外周面４１ｂに形成された環状のシールリップである。外周シールリップ６１は、環状溝３８の外側の内壁面３８ｂに弾性的に圧縮された状態で接触する。内周シールリップ６２は、内周面４１ａに形成された環状のシールリップである。内周シールリップ６２は、環状溝３８の径方向内側の内壁面３８ｃに弾性的に圧縮された状態で接触する。内周段部６３は、内周面４１ａに形成された環状の段部である。

図４Ｂに示すように、第２シール部４３は、壁部８１のシール面８３ａに対向している。第２シール部４３は、覆い部４２においてカバー部材５と壁部８１のシール面８３ａとに挟まれる部分により形成される。第２シール部４３は、カバー部材５と壁部８１のシール面８３ａとの間を封止する。
覆い部４２は、相手側コネクタ側に向く環状の表面４２ａと、表面４２ａの反対側の面である裏面４２ｂとを含む。覆い部４２の表面４２ａ及び裏面４２ｂは、コネクタ接続方向Ｘと略直交するように配置される。覆い部４２の裏面４２ｂ（シール部材４の裏面に相当）は、機器ケース８０の壁部８１の表面８１ａと、支持部３１（挿通部）の環状面３７と、第１隙間Ｇ１とに対向する。

図４Ｂ及び図８に示すように、第２シール部４３は、覆い部４２の表面４２ａに形成されてカバー部材５と接触する外側シールリップ６４と内側シールリップ６５とを有している。また、第２シール部４３は、覆い部４２の裏面４２ｂに形成されて壁部８１のシール面８３ａと接触する外側シールリップ６６と内側シールリップ６７とを有している。
図４Ｂに示すように、第２シール部４３は、シール面８３ａに対して接触して、環状のシール領域Ａを形成する。環状のシール領域Ａは、シール面８３ａに対する外側シールリップ６６の環状の接触領域の外縁と、シール面８３ａに対する内側シールリップ６７の環状の接触領域の内縁との間の領域である。シール領域Ａの径方向幅であるシール幅Ｓ３は、シール面８３ａに対して外側シールリップ６６が接触する環状の接触領域の外縁と、シール面８３ａに対して内側シールリップ６７が接触する環状の接触領域の内縁との間の径方向幅に相当する。

ハウジング３の支持部３１（挿通部）の第２外周面３６と、壁部８１の挿通孔８２の内周面８２ａとの隙間である第１隙間Ｇ１の間隔Ｓ１と、第２シール部４３のシール領域Ａの径方向幅であるシール幅Ｓ３と、シール面８３ａの径方向幅Ｓ４とは、下記の不等式（１）の関係を満たす。
Ｓ１＜（Ｓ４－Ｓ３）／２ …（１）
また、図３に示すように、カバー部材５を機器ケース８０に締結するための固定ねじ６の外径をＳ７とし、固定ねじ６が挿通されるねじ孔８４ａのねじ孔径をＳ８としたとき、第１隙間Ｇ１の間隔Ｓ１と外径Ｓ７とねじ孔径Ｓ８とは、下記の不等式（２）の関係を満たす。

Ｓ１＜（Ｓ８－Ｓ７）／２ …（２）
図６Ａに示すように、第１連結突起４４は、覆い部４２の表面４２ａから突出するフック状の突起であり、周方向に間隔を隔てて環状に配置されている。第２連結突起４５は、覆い部４２の外周面４２ｃから外向きに突出する外向突起であり、周方向に間隔を隔てて配置されている。図４Ｂに示すように、各第１連結突起４４及び各第２連結突起４５は、カバー部材５の対応する部分にそれぞれ連結される。

次いで、カバー部材５について説明する。図３並びに図４Ａ及び図４Ｂに示すように、カバー部材５は、シール部材４の覆い部４２を挟んで機器ケース８０の壁部８１に固定ねじ６により固定される。カバー部材５は、樹脂または金属により形成される。
図９Ａ及び図９Ｂは、カバー部材５を互いに別角度から見た斜視図である。図４Ｂ、図９Ａ及び図９Ｂに示すように、カバー部材５は、挿通孔５２及び複数のねじ挿通孔５３が形成された本体部５１と、保持部としての内側フランジ５４と、外側フランジ５５と、リブ構造部５６とを含む。

本体部５１は、矩形板状をなし、表面５１ａと、裏面５１ｂとを有している。複数のねじ挿通孔５３は、本体部５１の四隅に配置されている。カバー部材５の挿通孔に相当する、本体部５１の挿通孔５２には、ハウジング３の支持部３１（図４Ｂを参照）が挿通される。図４Ｂに示すように、カバー部材５の挿通孔５２の内周面５２ａが、シール部材４の挿通孔４６の内周面４６ａより、径方向内側に配置されている。カバー部材５の裏面に相当する、本体部５１の裏面５１ｂは、壁部８１の表面８１ａに対向している。

固定ねじ６は、本体部５１のねじ挿通孔５３を挿通して、機器ケース８０の壁部８１のねじ孔８４ａ（図３を参照）にねじ結合される。リブ構造部５６は、周方向に延びるリブと放射方向に延びるリブとを組み合わせて構成されている。
図４Ｂに示すように、カバー部材５の本体部５１の裏面５１ｂと機器ケース８０の壁部８１の表面８１ａとの間に、シール部材４の覆い部４２（第２シール部４３）が挟持される。

シール部材４の覆い部４２の表面４２ａの外側シールリップ６４と内側シールリップ６５とが、カバー部材５の本体部５１の裏面５１ｂに弾性的に圧縮された状態で接触する。シール部材４の覆い部４２の裏面４２ｂの外側シールリップ６６と内側シールリップ６７とが、機器ケース８０の壁部８１のシール面８３ａに弾性的に圧縮された状態で接触する。

内側フランジ５４及び外側フランジ５５は、本体部５１の裏面５１ｂから突出形成された環状のフランジである。外側フランジ５５は、内側フランジ５４の外側に離隔して配置されている。カバー部材５の環状の外側フランジ５５は、壁部８１のボス部８３の径方向外側を取り囲む。
図４Ｂに示すように、壁部８１の表面８１ａから平坦なシール面８３ａまでの距離をＨ１とし、壁部８１の表面８１ａから外側フランジ５５までの距離をＨ２としたとき、距離Ｈ１と距離Ｈ２とは、下記の不等式（３）の関係を満たす。

Ｈ１＞Ｈ２ …（３）
図４Ｂ、図９Ａ及び図９Ｂに示すように、本体部５１において内側フランジ５４と外側フランジ５５との間の部分に、シール部材４のフック状の各第１連結突起４４がそれぞれ嵌合される複数の嵌合孔５７が形成されている。嵌合孔５７は、本体部５１をコネクタ接続方向Ｘに貫通している。

図４Ｂ及び図９Ｂに示すように、外側フランジ５５は、内周面５５ａと、外周面５５ｂと、端面５５ｃとを有している。外側フランジ５５の内周面５５ａには、シール部材４の各第２連結突起４５が嵌合される嵌合孔５８が形成されている。嵌合孔５８は、コネクタ接続方向Ｘと直交する直交方向Ｖに深さを有する有底の孔である。
図４Ｂ及び図９Ａに示すように、本体部５１には、表面５１ａに開口し嵌合孔５８と直交状に連通する視認孔５９が形成されている。視認孔５９は、カバー部材５の嵌合孔５８に、シール部材４の第２連結突起４５が嵌合されているか否かを視認するための孔である。ユニットＵの組立時において、視認孔５９を通しての視認により、カバー部材５に対するシール部材４の組付け不良を抑制することができる。

図４Ｂに示すように、シール部材４の各連結突起４４，４５がカバー部材５の対応する嵌合孔５７，５８に嵌合されることで、シール部材４の覆い部４２が、カバー部材５に強固に連結される。特に、シール部材４の第１連結突起４４がフック状に形成されているため、カバー部材５の嵌合孔５７から抜け難い。
また、嵌合孔５８に嵌合される第２連結突起４５が、シール部材４の覆い部４２の外周面４２ｃに設けられた外向突起であって、コネクタ接続方向Ｘと直交する直交方向Ｖ延びている。このため、第２連結突起４５によって、カバー部材５の本体部５１の裏面５１ｂとシール部材４の覆い部４２の表面４２ａとが、コネクタ接続方向Ｘ離隔されることが効果的に抑制される。

図４Ｂ及び図９Ｂに示すように、内側フランジ５４は、内周面５４ａと、外周面５４ｂと、端面５４ｃとを有している。内側フランジ５４の内周面５４ａは、挿通孔５２の内周面５２ａから連続して延びている。カバー部材５の挿通孔５２の内周面５２ａおよび内側フランジ５４の内周面５４ａと、支持部３１の第１外周面３５との間には、間隔Ｓ２を有する第２隙間Ｇ２が設けられている。

図４Ｂに示すように、第１シール部４１の内周面４１ａと外周面４１ｂとの間の厚み幅から面取り部４１ｃ，４１ｄの面取り幅を差し引いた幅をＳ５とし、環状溝３８の幅をＳ６としたとき、第２隙間Ｇ２の間隔Ｓ２と幅Ｓ５と幅Ｓ６とは、下記の不等式（４）の関係を満たす。
Ｓ２＜（Ｓ６－Ｓ５）／２ …（４）
図４Ｂに示すように、カバー部材５の内側フランジ５４の外周面５４ｂが、シール部材４の第１シール部４１の内周面４１ａに略沿わされ、内側フランジ５４の端面５４ｃが、シール部材４の第１シール部４１の内周面４１ａの内周段部６３に略沿わされている。これにより、カバー部材５の内側フランジ５４とシール部材４の第１シール部４１との間に、外部からの水の侵入を抑制するラビリンス隙間ＬＣ１が形成されている。カバー部材５の内側フランジ５４は、第１シール部４１を保持する保持部として機能し、組立時において、第１シール部４１を環状溝３８に挿入し易くする機能を果たす。

本実施形態によれば、シール部材４が第１シール部４１と第２シール部４３を有しているので、各シール部が別々の部材で構成される場合と比較して、組立時において、シール部材４の組み付け作業が容易であり、組立性が良い。また、壁部８１の挿通孔８２の内周面８２ａとハウジング３の支持部３１（挿通部）の第２外周面３６との間の第１隙間Ｇ１の間隔Ｓ１が、部品の組付け精度のばらつきによって変化しても、第１隙間Ｇ１を跨ぐように覆う覆い部４２による封止性能は影響を受けない。このため、優れた防水性を得ることができる。

壁部８１とハウジング３の支持部３１（挿通部）との、コネクタ接続方向Ｘの相対位置がばらついても、そのばらつきは、環状溝３８への第１シール部４１の挿入量が変化することで吸収される。また、壁部８１とハウジング３の支持部３１（挿通部）との、直交方向Ｖの相対位置がばらついても、そのばらつきは、第２シール部４３を含む覆い部４２が壁部８１に対して直交方向Ｖに変位することで吸収される。このため、前記の位置のばらつきに拘らず、優れた防水性を確保することができる。

また、シール部材４とシール部材４よりも硬質のカバー部材５とが単一のユニットＵとして一体的に取り扱い可能である。このため、組立時において、シール部材４を単体で組み付ける場合と比較して、組み付け易くなり、組立性が向上する。
また、シール部材４とカバー部材５とを含むユニットＵにおいて、シール部材４の第１シール部４１がカバー部材５の内側フランジ５４（保持部）によって保持されている。このため、ユニットＵを組み付けるときに、第１シール部４１を環状溝３８に挿入し易く、組立性がより向上する。

また、シール部材４の第１シール部４１とカバー部材５の内側フランジ５４との間に、ラビリンス隙間ＬＣ１が形成される。このため、カバー部材５とシール部材４との間を通して外部から水分等が侵入することを抑制することができる。
また、第１隙間Ｇ１の間隔Ｓ１と、第２シール部４３の前記シール領域のシール幅Ｓ３と、シール面８３ａの径方向幅Ｓ４とが、Ｓ１＜（Ｓ４－Ｓ３）／２の関係を満たすので、機器ケース８０と防水コネクタ１との相対位置のずれが大きくても、相対位置のずれ量に拘らず、優れた防水性を確保することができる。

また、カバー部材５の挿通孔５２の内周面５２ａが、ハウジング３に設けられて第１シール部４１が嵌合された環状溝３８における径方向内側の内壁面３８ｃより、径方向内側に配置されていて、高圧水が防水コネクタ１に掛かっても、第１シール部４１が直接被水しない構造であるため、優れた防水性を確保することができる。
また、壁部８１の表面８１ａから平坦なシール面８３ａまでの距離Ｈ１と、壁部８１の表面８１ａからカバー部材５の外側フランジ５５までの距離Ｈ２とが、Ｈ１＞Ｈ２の関係を満たす。このため、高圧水が防水コネクタ１に掛かっても、シール面８３ａが直接被水しないため、優れた防水性を確保することができる。

仮に、壁部８１がアルミダイキャストである場合、塩水を被水すると壁部８１の表面８１ａが腐食するおそれがあるのに対して、本実施形態では、平坦なシール面８３ａに塩水が直接掛からず、また、シール面８３ａが壁部８１の表面８１ａから一段高い位置にあって、シール面８３ａ側への塩水の流れ込みを防止できる構造であるため、優れた耐塩水性を確保することができる。

また、支持部３１（挿通部）の第１外周面３５と、カバー部材５の挿通孔５２の内周面５２ａとの隙間である第２隙間Ｇ２の間隔Ｓ２と、第１シール部４１の内周面４１ａと外周面４１ｂとの間の厚み幅から面取り部４１ｃ，４１ｄの面取り幅を差し引いた幅Ｓ５と、環状溝３８の幅Ｓ６とが、Ｓ２＜（Ｓ６－Ｓ５）／２の関係を満たす。
したがって、下記の効果を奏する。すなわち、カバー部材５とシール部材４を事前に組み付けたユニットＵを防水コネクタ１および機器ケース８０に組み付ける際に、カバー部材５の挿通孔５２の内周面５２ａが、防水コネクタ１の支持部３１（挿通部）の外周面（第１外周面３５）にガイドされる。すなわち、第１シール部４１の先端が環状溝３８にアライメントされた状態で第１シール部４１を環状溝３８に挿入することができるため、組立性が向上し、組立コストを低減することができる。ひいては自動組立に対応可能となり、組立コストを一層低減することができる。

また、第１隙間Ｇ１の間隔Ｓ１と、カバー部材５を機器ケース８０に締結するための固定ねじ６の外径Ｓ７と、ねじ孔８４ａのねじ孔径Ｓ８とが、Ｓ１＜（Ｓ８－Ｓ７）／２の関係を満たす。このため、機器ケース８０と防水コネクタ１の相対位置のずれが大きくても、カバー部材５およびシール部材４が移動するため、相対位置のずれ量に拘らず、優れた防水性を確保することができる。

また、組立性が良く且つ優れた防水性を有する防水構造１０を実現することができる。（第２実施形態）
図１０Ａは、本発明の第２実施形態の防水コネクタ１Ｐを含む機器ケースの防水構造１０Ｐの概略断面図である。図１０Ｂは、図１０ＡのＸＢ部を拡大した拡大断面図である。図１０Ａ及び図１０Ｂの第２実施形態の防水コネクタ１Ｐが、図４Ａ及び４Ｂの第１実施形態の防水コネクタ１と主に異なるのは、下記である。

壁部８１の表面８１ａに環状溝８５が形成されている。シール部材４Ｐとカバー部材５Ｐとによって、一体的に取り扱い可能な単一のユニットＵＰが構成されている。シール部材４Ｐが、第１シール部４１Ｐと、第２シール部４３Ｐを有する覆い部４２Ｐと、連結突起４４Ｐとを含む。第１シール部４１Ｐは、壁部８１の表面８１ａの環状溝８５に嵌合される。覆い部４２Ｐは、第１シール部４１Ｐから支持部３１（挿通部）の環状面３７側へ直交状に延びている。

カバー部材５Ｐが、本体部５１Ｐと、本体部５１Ｐの裏面５１Ｐｂから突出する保持部としてのフランジ５５Ｐと、本体部５１Ｐの表面５１Ｐａに設けられたリブ構造部５６とを含む。カバー部材５Ｐの本体部５１Ｐは、支持部３１（挿通部）の環状面３７に固定ねじ（図示せず）を用いて固定される。カバー部材５Ｐは、環状面３７との間に、シール部材４Ｐの覆い部４２Ｐを挟み込む。シール部材４Ｐの覆い部４２Ｐにおいて、カバー部材５と環状面３７とに挟まれる部分によって、第２シール部４３Ｐが形成される。

フランジ５５Ｐは、第１シール部４１Ｐの外周面４１Ｐｂに略沿っており、第１シール部４１Ｐを保持する保持部として機能する。カバー部材５Ｐのフランジ５５Ｐの内周面５５Ｐａが、第１シール部４１Ｐの外周面４１Ｐｂに略沿わされている。また、フランジ５５Ｐの内周面５５Ｐａに形成された内周段部７１と第１シール部４１Ｐの外周面４１Ｐｂに形成された外周段部７２とが略沿わされている。これにより、カバー部材５Ｐのフランジ５５Ｐとシール部材４Ｐの第１シール部４１Ｐとの間に、ラビリンス隙間ＬＣ２が形成されている。

また、支持部３１（挿通部）の第１外周面３５が、カバー部材５Ｐの挿通孔５２の内周面５２ａに対して、間隔Ｓ２を有する第２隙間Ｇ２を隔てて対向している。支持部３１の第２外周面３６が、壁部８１の挿通孔８２の内周面８２ａに対して、間隔Ｓ１を有する第１隙間Ｇ１を隔て対向している。第２隙間Ｇ２によって、機器ケース８０の壁部８１に固定されたカバー部材５Ｐに対して、ハウジング３の支持部３１（挿通部）がコネクタ接続方向Ｘと直交する直交方向Ｖに所定量、位置ずれすることが許容されている。第１隙間Ｇ１の間隔Ｓ１と第２隙間Ｇ２の間隔Ｓ２とは、Ｓ１＜Ｓ２の関係を満たしている。

なお、図１０Ａ及び図１０Ｂにおける構成要素において、図４Ａ及び図４Ｂにおける構成要素と同じ構成要素には、共通の参照符号を付すか又は共通の参照符号に枝番号Ｐを付加したものを付してある。
本実施形態によれば、シール部材４Ｐが第１シール部４１Ｐと第２シール部４３Ｐを有しているので、各シール部が別々の部材で構成される場合と比較して、組立時において、シール部材４Ｐの組み付け作業が容易であり、組立性が良い。また、壁部８１の挿通孔８２の内周面８２ａとハウジング３の支持部３１（挿通部）の第２外周面３６との間の第１隙間Ｇ１の間隔Ｓ１が変化しても、第１隙間Ｇ１を跨ぐように覆う覆い部４２Ｐによる封止性能に影響しない。このため、優れた防水性を得ることができる。

また、シール部材４Ｐとシール部材４Ｐよりも硬質のカバー部材５Ｐとが一体的に取り扱い可能な単一のユニットＵＰに形成されているため、組立性が向上する。
また、第１隙間Ｇ１の間隔Ｓ１よりも第２隙間Ｇ２の間隔Ｓ２が大きくされている（Ｓ１＜Ｓ２）。このため、機器ケース８０の壁部８１に固定されたカバー部材５Ｐが、機器ケース８０とハウジング３の支持部３１（挿通部）との相対位置のずれ量を制限することがない。可及的に、機器ケース８０と防水コネクタ１の相対位置のずれが大きくても、相対位置のずれ量に拘らず、優れた防水性を確保することができる。

また、ユニットＵＰにおいて、シール部材４Ｐの第１シール部４１Ｐが、カバー部材５Ｐのフランジ５５Ｐ（保持部）によって保持されている。このため、ユニットＵＰを組み付けるときに、第１シール部４１Ｐを壁部８１の環状溝８５に挿入し易くなり、組立性がより向上する。
また、シール部材４Ｐの第１シール部４１Ｐとカバー部材５Ｐのフランジ５５Ｐとの間に、ラビリンス隙間ＬＣ２が形成される。このため、カバー部材５Ｐとシール部材４Ｐとの間を通して外部から水分等が侵入することを抑制することができる。

また、組立性が良く且つ優れた防水性を有する防水構造１０Ｐを実現することができる。
本発明は、各前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、挿通部は、支持部３１に限らず、ハウジング３において、筒状部３２よりも外側へ突出する環状部（図示せず）で構成されていればよい。また、ユニットＵを構成するシール部材４；４Ｐとカバー部材５；５Ｐとは、二色成形により形成されてもよい。

また、シール部材４；４Ｐとカバー部材５；５ＰとがユニットＵ；ＵＰに構成されておらず、順次に組み付けられるものであってもよい。また、カバー部材５；５Ｐを壁部８１又は支持部３１（挿通部）に固定する構造として、固定ねじ６の他、公知のロック構造等の他の固定構造を採用することができる。その他、本発明は、特許請求の範囲記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。

１；１Ｐ 防水コネクタ
２ コンタクト
３ ハウジング
４；４Ｐ シール部材
５；５Ｐ カバー部材
１０；１０Ｐ （機器ケースの）防水構造
３１ 支持部（挿通部）
３６ 第２外周面
３７ 環状面
３８ 環状溝
４１；４１Ｐ 第１シール部
４１ｃ，４１ｄ 面取り部
４２；４２Ｐ 覆い部
４３；４３Ｐ 第２シール部
４６ 挿通孔
４６ａ 内周面
５１；５１Ｐ 本体部
５２ 挿通孔
５２ａ 内周面
５４ 内側フランジ（保持部）
５５Ｐ フランジ（保持部）
８０ 機器ケース
８１ 壁部
８１ａ 表面
８２ 挿通孔
８２ａ 内周面
８５ 環状溝
９０ 回路基板
９０ａ 実装面
Ａ シール領域
Ｇ１ 第１隙間
Ｇ２ 第２隙間
Ｈ１，Ｈ２ 距離
ＬＣ１；ＬＣ２ ラビリンス隙間
Ｓ１，Ｓ２ 間隔
Ｓ３ （第２シール部の）シール幅
Ｓ４ （シール面の）径方向幅
Ｓ５，Ｓ６ 幅
Ｓ７ （固定ねじの）外径
Ｓ８ ねじ孔径
Ｕ：ＵＰ ユニット
Ｖ （コネクタ接続方向と直交する）直交方向
Ｘ コネクタ接続方向

Claims (11)

1. 挿通孔が形成された壁部を含む機器ケース内に固定される回路基板の表面に実装され、前記壁部の表面と直交するコネクタ接続方向に前記挿通孔を介して相手側コネクタと接続される防水コネクタであって、
   前記相手側コネクタと電気的に接続されるコンタクトと、
   前記コンタクトを保持し前記挿通孔に挿通される挿通部を含み、前記挿通部が、前記壁部の前記表面に対して面一又は段差を設けて配置される環状面を含む絶縁性のハウジングと、
   前記挿通部の前記環状面及び前記壁部の前記表面の何れか一方に形成された環状溝に嵌合される環状の第１シール部と、前記第１シール部から前記挿通部の前記環状面及び前記壁部の前記表面の何れか他方側へ直交状に延び前記挿通部の外周面と前記挿通孔の内周面との隙間を跨ぐように覆う環状の覆い部であって第２シール部を有する覆い部と、を含む弾性のシール部材と、
   前記他方に固定され、前記他方との間に前記シール部材の前記覆い部を挟み込むカバー部材と、を備え、
   前記第２シール部が、前記シール部材の前記覆い部において前記カバー部材と前記他方とに挟まれる部分によって形成される、防水コネクタ。
2. 請求項１に記載の防水コネクタにおいて、前記カバー部材が前記シール部材よりも硬質であり、
   前記シール部材と前記カバー部材とを含む単一のユニットが形成されている、防水コネクタ。
3. 請求項２に記載の防水コネクタにおいて、前記カバー部材が、前記覆い部と連結される本体部と、前記本体部から延設され前記第１シール部を保持する保持部とを含む、防水コネクタ。
4. 請求項１～３の何れか１項に記載の防水コネクタにおいて、前記シール部材と前記カバー部材との間に、ラビリンス隙間が形成されている、防水コネクタ。
5. 請求項１～４の何れか１項に記載の防水コネクタにおいて、前記壁部の前記表面に、前記第２シール部と対向する環状のシール面が形成され、
   前記第２シール部が、前記シール面に対して接触して環状のシール領域を形成し、
   前記挿通部の前記外周面と前記挿通孔の前記内周面との前記隙間の間隔をＳ１とし、前記第２シール部の前記シール領域の径方向幅であるシール幅をＳ３とし、前記シール面の径方向幅をＳ４としたとき、Ｓ１＜（Ｓ４－Ｓ３）／２の関係としている、防水コネクタ。
6. 請求項１～５の何れか１項に記載の防水コネクタにおいて、前記カバー部材に、前記ハウジングの前記挿通部が挿通される挿通孔が形成され、
   前記カバー部材の前記挿通孔の内周面が、前記ハウジングに設けられて前記第１シール部が嵌合された前記環状溝における径方向内側の内壁面より、径方向内側に配置されている、防水コネクタ。
7. 請求項１～６の何れか１項に記載の防水コネクタにおいて、前記壁部の表面には、前記第２シール部に対向する平坦なシール面を端面に有するボス部が、前記壁部の前記挿通孔の周縁に沿って形成され、
   前記カバー部材は、前記壁部の前記表面に対向する裏面と、前記裏面から突出し前記ボス部の径方向外側を取り囲む環状の外側フランジと、を含み、
   前記壁部の前記表面から前記シール面までの距離をＨ１とし、前記壁部の前記表面から前記外側フランジまでの距離をＨ２としたとき、Ｈ１＞Ｈ２の関係としている、防水コネクタ。
8. 請求項１～７の何れか１項に記載の防水コネクタにおいて、前記環状溝が、前記ハウジングの前記環状面に形成され、
   前記ハウジングの前記挿通部の前記外周面が、前記カバー部材に形成された挿通孔の内周面と間隔Ｓ２を有する隙間を隔てて対向する第１外周面を含み、
   前記第１シール部の先端の内側および外側の少なくとも一方に、面取り部が設けられ、 前記第１シール部の内周面と外周面との間の厚み幅から前記面取り部の面取り幅を差し引いた幅をＳ５とし、前記環状溝の幅をＳ６としたとき、Ｓ２＜（Ｓ６－Ｓ５）／２の関係としている、防水コネクタ。
9. 請求項８に記載の防水コネクタにおいて、前記ハウジングの前記挿通部の前記外周面が、前記壁部の前記挿通孔の前記内周面と間隔Ｓ１を有する隙間を隔てて対向する第２外周面を含み、
   前記カバー部材を前記機器ケースに締結するための固定ねじの外径をＳ７とし、前記固定ねじが挿通されるねじ孔のねじ孔径をＳ８としたとき、Ｓ１＜（Ｓ８－Ｓ７）／２の関係としている、防水コネクタ。
10. 請求項１～７の何れか１項に記載の防水コネクタにおいて、前記環状溝が、前記壁部の前記表面に形成され、
    前記ハウジングの前記挿通部の前記外周面が、前記カバー部材に形成された挿通孔の内周面と第２隙間を隔てて対向する第１外周面と、前記壁部の前記挿通孔の前記内周面と第１隙間を隔てて対向する第２外周面と、を含み、
    前記第１隙間の間隔をＳ１とし、前記第２隙間の間隔をＳ２としたとき、Ｓ１＜Ｓ２の関係としている、防水コネクタ。
11. 挿通孔が形成された壁部を含み、回路基板が固定された機器ケースと、請求項１～１０の何れか一項に記載の防水コネクタと、を含む機器ケースの防水構造。

Images