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JP6951900B2 - 内燃機関用の点火装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関用の点火装置に関する。
点火装置は、自動車等の内燃機関における点火手段として用いられる。点火装置として、互いに磁気結合された一次コイル及び二次コイルを備える点火コイルと、二次コイルに接続されるとともに、放電ギャップにおいて火花を生じさせる点火プラグと、を備えるものがある。かかる点火装置は、一次コイルに流れる一次電流を遮断することにより、二次コイルに高圧の二次電圧を生じさせる。そして、この二次電圧が点火プラグに印加されることにより、点火プラグに放電が生じる。点火プラグの放電により生じた放電火花が、燃焼室内の混合気に接触することにより、混合気に着火することができる。
かかる点火装置においては、点火プラグに生じた放電火花が、燃焼室内の混合気の気流により引き伸ばされて吹き消えること(以後、単に「吹き消え」ということもある。)が懸念される。そこで、吹き消えを防止しようとする技術が開示されている。例えば、特許文献1に記載の点火装置は、放電開始後において二次コイルに流れる二次電流の値を、所定値以上にするよう制御している。これにより、特許文献1に記載の点火装置は、点火プラグにおける放電を維持しようとしている。
特開2016−217320号公報
しかしながら、特許文献1に記載の点火装置においては、放電火花が、混合気の気流の下流側に過度に膨らむように引き伸ばされることが懸念される。放電火花が過度に膨らむよう引き伸ばされた場合、放電火花は、放電ギャップから遠い部位(すなわち、放電火花が引き伸ばされる側)においては、火花の一部と他の一部との間隔が広がりやすく、火花間での放電火花の短絡が生じにくくなり、放電ギャップに近い部位においては、遠い部位よりも前記間隔が狭くなりやすいため放電火花の短絡が生じやすくなる。これに起因して、短絡の発生による火花放電の位置の変動が大きくなり、混合気への過熱箇所がばらつき、混合気への着火性が悪くなることが懸念される。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、着火性を向上させやすい内燃機関用の点火装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、一次電流が流通する一次コイル(21)、及び前記一次電流の増減により二次電流が発生する二次コイル(22)、を有する点火コイル(2)と、
前記二次コイルに生じる二次電圧を印加されて放電を発生させる点火プラグ(3)と、
前記点火プラグの点火動作を制御する点火制御部(4)と、を備え、
前記点火制御部は、
前記二次電圧値を取得する二次電圧値取得部と、
各サイクルにおいて、前記放電の開始後に前記二次電流の値を調整する二次電流調整部(41)と、
前記放電の伸び量を検出する伸び量検出部と、
前記二次電圧値取得部による前記二次電圧値の取得結果に基づいて、前記放電に短絡が発生したか否かを判定する短絡判定部と、を有し、
前記点火制御部は、各サイクルにおいて、前記伸び量検出部による前記伸び量の検出値が予め設定した設定伸び量以上となった時、前記二次電流の値を減少させる第一ステップ(S4、S5)と、前記短絡判定部によって前記放電の短絡が発生したと判断された時、前記二次電流の電流値を上昇させる第二ステップ(S6、S2)と、を繰り返すよう前記二次電流調整部を制御し、
前記第一ステップにおいては、予め設定した下限設定電流値以下とならないように前記二次電流の値を減少させる、内燃機関用の点火装置(1)にある。
前記態様の内燃機関用の点火装置において、点火制御部は、前記第一ステップと前記第二ステップとを繰り返すよう前記二次電流調整部を制御する。
前記第一ステップにより、放電火花の伸び量が設定伸び量以上となった後は二次電流の値を減少させることにより、放電火花がそれ以上過度に膨らむよう引き伸ばされることを抑制する。これにより、過度に火花が引き伸ばされて放電ギャップから遠い位置での短絡の発生を抑制する結果、火花放電の位置変動を抑制することができ、混合気への着火性を向上させることができる。また、第一ステップにおいては、下限設定電流値以下とならないように二次電流の値を減少させるため、二次電流値が過度に低くなることに起因して放電火花が吹き消えることを防止しやすい。
また、前記第二ステップにより、放電火花に短絡が生じた後は、二次電流の値を増大することにより、放電火花の伸び量を増大しやすくなるようにする。これにより、放電火花の伸び量を確保することができ、混合気への着火性を向上させることができる。そして、第一ステップ及び第二ステップを繰り返すことにより、放電火花の伸び量の変動を抑制しやすい。これにより、放電の長さの変動が大きくなることに起因して混合気の過熱箇所がばらついて混合気への着火性が悪化することを防止することができる。
以上のごとく、前記態様によれば、着火性を向上させやすい内燃機関用の点火装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、点火制御部において実施される制御を説明するためのフローチャート。 実施形態1における、初期の放電火花が形成された様子を示す、点火プラグ先端部周辺の拡大正面図。 実施形態1における、初期の放電火花が引き伸ばされた様子を示す、点火プラグ先端部周辺の拡大正面図。 実施形態1における、放電火花が短絡したときの、放電火花の先端位置の変動を示すための、点火プラグ先端部周辺の拡大正面図。 実施形態1における、時間と二次電圧との関係、時間と二次電流との関係、及び、時間別の放電火花の様子、を示す説明図。 実施形態1における、内燃機関用の点火装置の回路図。 実施形態1における、放電火花の伸び量を説明するための、点火プラグ先端部周辺の拡大正面図。 実施形態1における、二次電圧と放電火花の伸び量との関係を示す線図。 比較形態における、放電火花が短絡したときの、放電火花の先端位置の変動を示すための、点火プラグ先端部周辺の拡大正面図。 実験例における、放電先端位置ばらつきΔxと、IMEPとの関係を示す線図。 実施形態2における、点火制御部において実施される制御を説明するためのフローチャート。 実施形態2における、時間と二次電圧との関係、時間と二次電流との関係、及び、時間別の放電火花の様子、を示す説明図。 実施形態3における、時間と二次電圧との関係、時間と二次電流との関係、及び、時間別の放電火花の様子、を示す説明図 実施形態6における、内燃機関の点火装置の回路図。 実施形態7における、内燃機関の点火装置の回路図。
(実施形態1)
内燃機関用の点火装置の実施形態につき、図1〜図9を用いて説明する。
本実施形態の内燃機関用の点火装置1は、図6に示すごとく、点火コイル2と点火プラグ3と点火制御部4とを有する。点火コイル2は、一次電流が流通する一次コイル21、及び一次電流の増減により二次電流が発生する二次コイル22、を有する。点火プラグ3は、二次コイル22に生じる二次電圧を印加されて放電を発生させる。点火制御部4は、点火プラグ3の点火動作を制御する。
点火制御部4は、二次電圧値を取得する二次電圧値取得部を有する。また、点火制御部4は、各サイクルにおいて、放電の開始後に二次電流の値を調整する二次電流調整部41を有する。また、点火制御部4は、放電の伸び量を検出する伸び量検出部を有する。また、点火制御部4は、二次電圧値取得部による二次電圧値の取得結果に基づいて、放電に短絡が発生したか否かを判定する短絡判定部を有する。
そして、図1に示すごとく、点火制御部4は、各サイクルにおいて、後述の第一ステップと第二ステップとを繰り返すよう二次電流制御部を制御する。第一ステップ(図1における、ステップS4からステップS5に至るステップ)は、伸び量検出部による伸び量の検出値が予め設定した設定伸び量以上となった時、二次電流の値を減少させる。このとき、点火制御部は、第一ステップにおいて、二次電流値を、予め設定した下限設定電流値以下とならないよう減少させる。第二ステップ(図1における、ステップS6からステップS2に至るステップ)は、短絡判定部によって放電の短絡が発生したと判断された場合、二次電流の電流値を上昇させる。以後、本実施形態の点火装置1につき詳説する。
点火装置1は、車両用エンジン等の内燃機関において、混合気への着火手段として用いられる。まず、点火装置1の基本構造につき、説明する。
図6に示すごとく、点火コイル2は、互いに磁気結合された一次コイル21及び二次コイル22を有する。点火コイル2の二次コイル22の一端は、点火プラグ3に電気的に接続されている。
図2〜図4に示すごとく、点火プラグ3は、その先端部が内燃機関の燃焼室10に曝されるように、内燃機関に取り付けられる。以後、点火プラグ3の軸方向を、プラグ軸方向Zという。また、プラグ軸方向Zにおいて、点火プラグ3が燃焼室10に挿入される側を先端側、その反対側を基端側という。
点火プラグ3は、筒状のハウジング31と、ハウジング31の内側に保持された筒状の絶縁碍子32と、絶縁碍子32の内側に挿入配置された中心電極33と、中心電極33に対してプラグ軸方向Zに対向する接地電極34とを有する。そして、プラグ軸方向Zにおける中心電極33と接地電極34との間に、放電ギャップ35が形成されている。
中心電極33は、中心母材331と中心チップ332とを有する。中心母材331の先端部は、絶縁碍子32の先端側に露出している。そして、中心母材331の先端面に、中心チップ332が配されている。
接地電極34は、接地母材341と接地チップ342を有する。接地母材341は、ハウジング31からプラグ軸方向Zに形成された立設部341aと、立設部341aの先端側から内周側に延設された内向部341bとを有する。そして、接地チップ342は、内向部341bにおける中心電極33の中心チップ332とプラグ軸方向Zに対向する部位に接合されている。
次に、点火制御部4による点火プラグ3の点火動作の制御につき、説明する。
まず、点火制御部4は、一次コイル21への通電を遮断することにより、二次コイル22に高圧の二次電圧を発生させる。これにより、図2に示すごとく、二次コイル22に電気的に接続された点火プラグ3の中心電極33と、接地された接地電極34との間に電圧が印加されて放電ギャップ35に火花放電が生じるよう構成されている。
図1に示すごとく、点火制御部4は、ステップS1において、予め設定した初期の設定伸び量を読み込む。
そして、図1、図5に示すごとく、ステップS2において、放電開始後、点火制御部4の二次電流調整部41によって、二次電流I2を一定の電流値に調整する。これにより、放電火花の形成が維持される。ここで、図2、図3に示すごとく、放電火花Sは、燃焼室10内の混合気の気流Fによって下流側に引き伸ばされる。
そして、図1に示すごとく、ステップS3において、伸び量検出部により、放電火花の伸び量xを検出する。ここで、点火プラグ3において放電が形成されている間、点火制御部4は、二次電圧値V2を取得しており、点火制御部4の伸び量検出部は、二次電圧値V2の値に基づき、放電火花の伸び量を算出している。なお、図7に示すごとく、放電火花の伸び量xは、放電ギャップ35におけるプラグ軸方向Zの中心と、放電火花Sとの間の最長の長さである。図8に示すごとく、伸び量検出部は、二次電圧値V2が、放電火花Sの伸び量xに比例して大きくなることを利用し、二次電圧値V2に基づいて放電火花の伸び量を算出している。
そして、図1に示すごとく、ステップS4において、伸び量検出部により検出された放電火花の伸び量が、予め設定した設定伸び量以上か否かを判定する。放電火花の伸び量が、設定伸び量未満であると判断された場合は、ステップS3工程に戻る。一方、図1、図5に示すごとく、放電火花の伸び量が設定伸び量以上となった時、ステップS5において、点火制御部4は二次電流I2を徐々に減少させるよう二次電流調整部41を制御する。ステップS4からステップS5に至る工程が、前述の第一ステップである。なお、このとき、点火制御部4は、二次電流値が、予め設定した下限設定電流値以下とならないよう制御する。また、図5において、符号a1や符号a3の概略図は、放電火花の伸び量が設定伸び量となったときの放電火花の様子を表している。
ステップS5の後にステップS6を行う。ステップS6において、点火制御部4の短絡判定部により、放電の短絡発生の有無を判断する。ここで、図5に示すごとく、放電に短絡が生じた時、二次電圧値V2の値は急激に減少する。これは、放電が短絡することにより、放電経路が急激に短くなり、放電を含めた通電経路の抵抗値が急激に減少するからである。そして、短絡判定部は、二次電圧値V2の値が急激に減少した場合は、放電に短絡が生じたものと判定する。なお、図4においては、短絡した直後の放電火花Sを実線で、短絡する直前の放電火花Sを破線で表している。また、図5において、符号a2や符号a4の概略図に示すごとく、短絡した直後の放電火花を実線で、短絡する直前の放電火花を破線で表している。符号a2及び符号a4の図は、図4と同様である。また、放電の短絡とは、放電経路の一部と他の一部とが導通することによる短絡をいう。
図1に示すごとく、短絡判定部により放電の短絡が発生したと判定された場合、ステップS2に戻る。すなわち、二次電流の減少をやめ、二次電流を増加させて一定値に戻す。ステップS6からステップS2に至る工程が、前述の第二ステップである。一方、放電の短絡が発生したと判定されない場合、ステップS5に戻る。
以上のような制御を、各サイクルにおいて繰り返す。
次に、図6を用いて本実施形態の点火装置1の回路構成につき説明する。
点火制御部4は、エンジンコントロールユニット(以後、ECU40という。)を有する。内燃機関の運転状態は、ECU40によって制御されている。ECU40は、各種センサから取得したエンジンパラメータから把握されるエンジンの運転状態に基づいて、最適なエンジン燃焼状態となるよう、エンジン各部を制御する。ECU40は、点火制御部4を構成する。
点火コイル2は、一次コイル21と二次コイル22とイグナイタ23とを有する。一次コイル21は、その一端側においてバッテリ11の正極側に電気接続されており、その他端側において後述のイグナイタ23を介して接地されている。点火コイル2は、イグナイタ23がオン状態のとき、一次コイル21に一次電流が通電されるよう構成されている。以後、このときの一次電流の向き、すなわちバッテリ11から一次コイル21に向かう向き、を正とする。そして、二次コイル22は、一次コイル21への正の一次電流の通電を遮断することにより、二次コイル22に高圧の二次電圧が発生するよう構成されている。
二次コイル22は、その一端側において点火プラグ3に接続されており、その他端側においてダイオード12、シャント抵抗13を介して接地されている。ダイオード12は、二次電流の向きを点火プラグ3から二次コイル22に向かう向きに制限する役割を有する。ダイオード12のアノード側は二次コイル22に接続されている。また、二次コイル22と点火プラグ3との間には、二次電圧検出回路14が接続されている。二次電圧検出回路14は、二次電圧の情報を、ECU40に送っている。このように、本実施形態において、二次電圧値取得部は、二次コイル22に発生する電圧を測定することにより、二次電圧値を取得する。
イグナイタ23は、IGBT(すなわち、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)等のスイッチング素子を備える。イグナイタ23は、そのコレクタ側において一次コイル21に接続されており、そのエミッタ側において接地されている。そして、イグナイタ23は、そのゲートに入力された信号に基づいてスイッチング動作する。
二次電流調整部41は、一次コイル21と並列に、バッテリ11に接続されている。二次電流調整部41は、一次コイル21に対して、負の向きの一次電流を通電できるよう構成されている。二次電流調整部41は、昇圧回路410と、補助スイッチ419と、補助ドライバ416と、補助ダイオード417とを有する。二次電流調整部41は、昇圧回路410によってバッテリ11の電圧を昇圧してコンデンサ411にエネルギを蓄積し、当該蓄積されたエネルギを、一次コイル21の接地側へ重畳的に投入することができるよう構成されている。そして、点火装置1は、二次コイル22に発生した二次電圧を点火プラグ3に印加して放電させ、その放電期間中に、二次電流調整部41からさらにエネルギを投入して、二次コイル22に流れる二次電流を増加させることができるよう構成されている。
昇圧回路410は、チョークコイル412と、昇圧スイッチ413と、昇圧ドライバ414と、昇圧ダイオード415と、コンデンサ411と、を有する。昇圧回路410は、ECU40からハイ状態の点火信号IGtが与えられている間、バッテリ11の電圧を昇圧してコンデンサ411を充電するよう構成されている。
チョークコイル412は、一端側がバッテリ11に接続されており、他端側が昇圧スイッチ413を介して接地されている。昇圧スイッチ413は、MOSFET(すなわち、電界効果型トランジスタ)を備える。昇圧スイッチ413は、ドレインがチョークコイル412に接続され、ソースが接地されている。そして、昇圧スイッチ413は、昇圧ドライバ414からゲートへ入力される信号に基づきスイッチング動作する。昇圧ドライバ414は、ECU40からハイ状態の点火信号IGtが入力されている間、昇圧スイッチ413を所定周期で繰り返しオンオフするよう構成されている。チョークコイル412は、昇圧スイッチ413がオン状態のとき、電流が流れてエネルギを蓄積する。昇圧ダイオード415は、アノード側がチョークコイル412と昇圧スイッチ413との間に接続されており、カソード側がコンデンサ411に接続されている。そして、コンデンサ411は、昇圧ダイオード415と反対側が接地されている。コンデンサ411は、昇圧スイッチ413、及び補助スイッチ419がともにオフ状態のとき、エネルギを蓄積する。
補助スイッチ419は、MOSFETを備える。補助スイッチ419は、ドレインにおいて昇圧ダイオード415とコンデンサ411との間に接続されており、ソースにおいて一次コイル21とイグナイタ23との間に、補助ダイオード417を介して接続されている。補助ダイオード417は、アノードにおいて補助スイッチ419のソースに接続されており、カソードにおいて一次コイル21とイグナイタ23との間に接続されている。補助スイッチ419は、オン状態のとき、二次電流調整部41から一次コイル21側への電流の流れを許容し、オフ状態のとき、二次電流調整部41から一次コイル21側への電流の流れを遮断する。補助スイッチ419は、補助ドライバ416からゲートへ入力される信号に基づきスイッチング動作する。
補助ドライバ416は、信号生成部418からハイ状態の放電継続信号IGwが入力されている間、補助スイッチ419を所定周期で繰り返しオンオフするよう構成されている。これにより、二次電流調整部41が、一次コイル21に対して、負の向きの一次電流を通電できる。なお、信号生成部418には、二次電流及び二次電圧の情報が入力され、信号生成部418は、これらの情報を基に放電継続信号IGwを生成する。
次に、本実施形態の作用効果につき説明する。
本実施形態の内燃機関用の点火装置1において、点火制御部4は、各サイクルにおいて、伸び量検出部による伸び量の検出値が設定伸び量以上となった時、二次電流の値を下限設定電流値以下とならないよう減少させる第一ステップを実行する。この第一ステップにより、放電火花の伸び量が設定伸び量以上となった後は二次電流の値を減少させることにより、放電火花がそれ以上過度に膨らむよう引き伸ばされることを抑制する。これにより、過度に放電火花が引き伸ばされて放電ギャップから遠い位置での短絡の発生を抑制する結果火花放電の位置変動を抑制することができ、混合気への着火性を向上させることができる。このことにつき、以下詳説する。
まず、図9を用いて、本実施形態とは異なり、放電火花Sが過度に膨らむよう引き伸ばされた場合につき説明する。なお、図9において、吹き消える直前の放電火花Sを破線で表しており、再放電した直後の放電火花Sを実線で表している。また、吹き消える直前の放電火花Sの伸び量と、再放電した放電火花Sの伸び量との差をΔx2で表している。
図9に示すごとく、放電火花Sの接地電極34側の起点が、気流に押される等によって移動することで、放電火花Sが過度に膨らむよう引き伸ばされた場合、放電火花の最も下流側の部位である折返し部Stの曲率は大きくなり難い。それゆえ、放電火花の折返し部に隣接する部位Saは、近付き難く、短絡し難いため、放電火花は、吹き消えるまで下流側に過度に引き伸ばされる。
そして、下流側に過度に引き伸ばされた放電火花Sは、やがて吹き消えて、中心電極33の中心チップ332と接地電極34の接地チップ342との間において、再放電が生じる。そして、その後は、放電火花Sの両起点間の部位の引き伸ばし、吹き消え、再放電が繰り返される。
このように、放電火花が下流側に過度に引き伸ばされた場合、放電火花の吹き消え、再放電が生じやすい。そのため、図9に示すごとく前述の差Δx2が、比較的大きくなりやすい。つまり、放電火花Sの下流側端部の位置が変動しやすい。そのため、放電火花Sから燃焼室10内の混合気へ熱の移動が効率的に行われない。それゆえ、混合気への着火性を向上させにくい。また、再放電の頻度が増加することに伴い、放電開始時の容量性の放電回数が増えることで電極消耗が増加しやすく、その結果、放電ギャップ35の拡大を招きやすい。
次に、図4に示すごとく、本実施形態において、放電火花Sは、下流側に引き伸ばされるものの、本実施形態における制御によって下流側に過度に膨らむよう引き伸ばされはしない。本実施形態において、放電火花Sは、その両起点間の部位が、下流側に鋭く引き伸ばされる。これにより、放電火花Sが下流側に引き伸ばされるにつれて、放電火花の折返し部Stの曲率が大きくなる。そのため、放電火花の両起点間の部位が引き伸ばされるにつれて、放電火花における折返し部Stの両側に隣接する部位Sa同士が近付き、やがて短絡する。そして、その後は、放電火花Sの引き伸ばしと短絡が繰り返される。なお、図4において、放電火花Sが短絡する直前の放電火花Sの伸び量と、短絡した放電火花Sの伸び量との差をΔx1で表している。
このように、放電火花Sが下流側に過度に引き伸ばされることを防止した場合、短絡の発生による放電火花Sの位置変動を抑制することができ、混合気への着火性を向上させることができる。また、再放電を抑制できることにより、電極消耗による放電ギャップ35の拡大を抑制することができる。
また、点火制御部4は、短絡判定部によって放電の短絡が発生したと判断された時、二次電流の電流値を上昇させる第二ステップを実行する。この第二ステップにより、放電火花に短絡が生じた後は、二次電流の値が増大することにより、放電火花の伸び量を増大しやすくなるようにする。これにより、放電火花の伸び量を確保することができ、混合気への着火性を向上させることができる。そして、第一ステップ及び第二ステップを繰り返すことにより、放電火花の伸び量の変動を抑制しやすい。これにより、放電の長さの変動が大きくなることに起因して混合気の過熱箇所がばらついて混合気への着火性が悪化することを防止することができる。
また、二次電圧値取得部は、二次コイル22に発生する電圧を測定することにより、二次電圧値を取得する。すなわち、二次電圧値取得部は、二次電圧を直接的に測定することにより、二次電圧値を取得している。それゆえ、二次電圧値を正確に得ることができる。
以上のごとく、本実施形態によれば、着火性を向上させやすい内燃機関用の点火装置を提供することができる。
(実験例)
本例は、図10に示すごとく、実施形態1の点火装置1(本例においては試験装置1と呼ぶ)と、実施形態1の制御を有さない点火装置1(本例においては試験装置2と呼ぶ)とにおいて、放電先端位置ばらつきと、図示平均有効圧(IMEP)との関係を比較したものである。試験装置1は、ステップ1とステップ2とを繰り返す制御を実施しており、試験装置2はステップ1及びステップ2の制御を有さない。そして、試験装置1の制御と試験装置2の制御とは、前述のようにステップ1とステップ2とを繰り返す制御の有無以外については同様の制御を行っている。ここで、放電先端位置ばらつきとは、放電火花の短絡直前の放電火花の伸び量と、放電火花の短絡直後の放電火花の伸び量との差であり、実施形態1におけるΔx1やΔx2がこれに相当する。また、図示平均有効圧は、その値が高いほど着火性がよいことを示す。
なお、図10において、試験装置1での結果を菱形のプロットで表しており、試験装置2での結果を白抜きの四角形のプロットで表している。また、試験装置1での結果の回帰直線をRL1、試験装置RL2での結果の回帰直線をL2で表している。
試験条件は、いずれの点火装置1においても、同様とした。具体的には、いずれの点火装置1も、2.5Lのエンジンとし、エンジン回転数を1200rpm、A/Fを27.0とした。結果を図10に示す。
図10から分かるように、試験装置1での結果は、試験装置2での結果と比べて、放電先端位置ばらつきを抑制できていることが分かる。すなわち、ステップ1とステップ2とを繰り返す制御を実施することにより、放電先端位置のばらつきを抑制できることが分かる。また、試験装置1での結果は、試験装置2での結果と比べて、IMEPが向上していることが分かる。すなわち、ステップ1とステップ2とを繰り返す制御を実施することにより、着火性が向上する。
(実施形態2)
本実施形態は、図11、図12に示すごとく、基本構成を実施形態1と同様とし、点火制御部4が、更に、二次電圧値取得部による二次電圧値の取得結果に基づいて、放電の起点の移動がチップ(すなわち中心チップ332、接地チップ342)から母材(すなわち中心母材331、接地母材341)に移動したか否かを判定する起点移動判定部を有する実施形態である。そして、点火制御部4は、各サイクルにおいて、起点移動判定部による判定結果に基づいて、設定伸び量を修正する。なお、図12において、符号b1や符号b3の概略図は、放電火花の伸び量が設定伸び量となったときの放電火花の様子を表している。また、符号b2や符号b4の概略図は、短絡した直後の放電火花を実線で、短絡する直前の放電火花を破線で表している。
まず、図11に示すごとく、本実施形態においても、実施形態1と同様、ステップS1において、予め設定した初期の設定伸び量を読み込む。
そして、本実施形態においては、ステップSaにおいて、起点移動判定部において、前回のサイクルにおいて放電火花の起点が、接地チップ342から接地母材341に移動したか否かを判断する。図12に示すごとく、起点の移動が生じた直後の放電経路は、起点移動が生じる直前の放電経路よりも短くなるため、二次電圧値V2が一瞬低下する。この二次電圧値V2の一瞬の低下を検出したとき、放電火花の起点移動が生じたと判断する。
次いで、ステップSaで、前回サイクルにおいて起点移動があると判断された場合、ステップSbにおいて、設定伸び量を初期値よりも増大させ、ステップS2に進む。一方、ステップSaで、前回サイクルにおいて起点移動がないと判断された場合、そのままステップS2に進む。以降、実施形態1と同様に、ステップS2からステップS6を行う。ここで、ステップS6において、短絡があると判定された場合は、ステップSaに戻る。
その他は、実施形態1と同様である。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
本実施形態においては、放電火花の下流側(すなわち引き伸ばされた側)の位置を、放電ギャップ35から遠い位置に維持しやすい。すなわち、放電火花の起点移動が生じた場合、放電火花の両起点間の、プラグ軸方向Zの長さが大きくなる。そのため、放電火花が下流側に大きく引き伸ばされた場合であっても、放電火花は鋭利に引き伸ばされやすく、大きく膨らむようには引き伸ばされ難い。そのため、起点移動が生じた場合、放電火花が下流側に大きく引き伸ばされた場合であっても、放電火花の短絡が発生しやすい。そのため、本実施形態においては、放電火花が、放電ギャップ35から遠い位置において、引き伸ばし、短絡を繰り返す。それゆえ、放電火花から混合気に着火されることにより生じる初期の火炎を、放電ギャップ35から遠ざけることができ、火炎が電極により熱を奪われる消炎作用により初期の火花が消失することを防止しやすい。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態3)
本実施形態は、図13に示すごとく、基本構成を実施形態1と同様としつつ、下限設定電流値を、放電の吹き消えが発生しない二次電流の値の最小値である吹消閾値とした実施形態である。吹消閾値は、内燃機関の運転条件、点火プラグ3の形状等に基づいて、予め記憶したマップ等を参照して算出される。例えば図13に示すごとく、ステップS5において二次電流値I2を減少させているときに二次電流値I2が吹消閾値に達しそうになった場合、二次電流値I2の減少をやめ、二次電流値I2を、吹消閾値を超える値で維持する。
その他は、実施形態1と同様である。
本実施形態においては、放電の吹消が発生することを一層防止しやすい。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態4)
本実施形態は、基本構成を実施形態1と同様としつつ、点火制御部4による二次電流調整部41の新たな制御を加えた実施形態である。本実施形態においても、実施形態2と同様、点火制御部4は、起点移動判定部を有する。そして、本実施形態において、点火制御部4は、各サイクルにおいて、起点移動判定部によって放電の起点の移動が発生したと判断された場合、点火プラグ3に投入する点火エネルギを予め設定された上限エネルギ以下とするよう二次電流調整部41を制御する。上限エネルギは、各サイクルにおいて、点火コイル2から点火プラグ3に投入されるエネルギが、混合気への着火のために要求される点火エネルギ(以後、要求エネルギということもある。)を過剰に超えないような値に設定される。要求エネルギは、例えば、各種センサから取得したエンジンパラメータから把握される運転状況に基づいて算出される。
点火制御部4は、例えば、あるサイクルにおいて、起点の移動が検出された場合、その次のサイクルにおいて点火エネルギが上限エネルギ以下となるよう二次電流値を減少させる。なお、点火エネルギは、二次電流値と二次電圧値と放電時間との積である。
その他は、実施形態1と同様である。
本実施形態においては、各サイクルにおける点火エネルギが、各サイクルにおいて、要求エネルギに比べて過剰に大きくなることを防止しやすい。すなわち、放電火花の起点の移動が発生した場合、放電火花が比較的伸びて放電火花と混合気との接触面積を稼ぎやすいため、比較的に要求エネルギが小さくなる。そのため、本実施形態のように、放電火花の起点の移動が検出された場合、点火プラグ3に投入する点火エネルギを上限エネルギ以下にすることにより、無駄なエネルギ消費を抑えることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態5)
本実施形態は、点火制御部4が、点火プラグ3に投入されるエネルギを予め設定した下限エネルギ以上とするよう、下限設定電流値の値を修正する実施形態である。下限エネルギは、例えば、各種センサから取得したエンジンパラメータから把握される運転状況に基づいて算出される、各サイクルの要求エネルギよりも若干大きい値に設定される。そして、点火制御部4は、例えば、各サイクルの要求エネルギが比較的高い場合、下限設定電流値を初期値よりも大きくするよう修正する。
その他は、実施形態1と同様である。
本実施形態においては、点火エネルギを、各サイクルの要求エネルギ以上に保ちやすい。これによっても、混合気への着火性を向上させることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態6)
本実施形態は、実施形態1〜5に対して、二次電圧値取得部を変更した実施形態である。本実施形態において、二次電圧値取得部は、二次電圧値と相関のある一次電圧を測定し、そこから二次電圧値を算出することにより二次電圧値を取得している。
図14に示すごとく、一次コイル21は、バッテリ11に対して並列に接続された主一次コイル211及び副一次コイル212を有する。点火制御部4は、主一次コイル211の電圧を測定する主一次電圧測定部42を有する。二次電流調整部41は、副一次コイル212に流れる電流を調整することにより、二次電流の値を調整するよう構成されている。二次電圧値取得部は、放電の開始後に、主一次電圧測定部42によって測定される主一次コイル211の電圧値を基に、二次電圧値を算出するよう構成されている。
主一次コイル211の一方側は、バッテリ11に接続されており、他方側は、イグナイタ23を介して接地されている。
副一次コイル212の一方側は、重畳電流急減抑制手段13及び副スイッチ部15を介してバッテリ11と接続されている。重畳電流急減抑制手段13は、副スイッチ部15がオフ状態となることで副一次コイル212への給電が急峻に遮断されることを抑制する。すなわち、重畳電流急減抑制手段13は、副一次コイル212の重畳電流を緩やかに低減させる機能を有する。副一次コイル212の他方側は接地されている。副一次コイル212は、主一次コイル211よりも導線の巻回数が少ない。副スイッチ部15は、ECU40によって制御され、スイッチング動作可能に構成されている。
本実施形態の点火装置1においては、まず、イグナイタ23をオン状態、副スイッチ部15をオフ状態として、主一次コイル211に主一次電流I1を流す。そして、この状態から所定時間経過後、イグナイタ23をオン状態からオフ状態に変えることで、主一次コイル211に流れる主一次電流I1が遮断され、二次コイル22に二次電圧が生じ、点火プラグ3に放電が生じる。
そして、主一次コイル211への通電を遮断した遮断タイミング以降に、副スイッチ部15をオン状態とすることにより、副一次コイル212に副一次電流I2が流れる。これにより、二次コイル22に発生する放電エネルギを増加させる。これにより、主一次コイル211への通電を遮断した遮断タイミング以降に、副スイッチ部15のスイッチング動作を行うことにより、放電エネルギを重畳的に増加させることができる。
主一次コイル211とイグナイタ23との間には、前述の主一次電圧測定部42が接続されている。主一次電圧測定部42は、主一次電圧の情報を、ECU40に送っている。そして、二次電圧値取得部は、各サイクルにおいて、放電開始後の主一次コイル211の電圧値と二次コイル22の電圧値との相関関係を基に、主一次コイル211の電圧値から二次コイル22の二次電圧値を算出している。
なお、その他は、国際公開第2017/060935号に記載されているものと同様であるため、詳細な説明を省略する。
その他、本実施形態においても、実施形態1〜5のいずれかと同様の制御が行われる。
本実施形態においては、比較的低圧である一次電圧側の電圧値を測定することにより、間接的に二次電圧値を取得することができる。これにより、二次電圧を直接測定する場合と比べて、二次電圧を検出するための回路を低電圧設計とでき、小型で安価な点火装置1を実現できる。
その他、実施形態1〜5と同様の作用効果を有する。
(実施形態7)
本実施形態も実施形態6と同様、二次電圧値取得部は、二次電圧の値と相関のある一次電圧を測定し、そこから二次電圧を算出することにより二次電圧値を取得している形態である。
本実施形態においても、バッテリ11に対して並列に接続された主一次コイル211及び副一次コイル212を有する。主一次コイル211と副一次コイル212とは直列接続されている。主一次コイル211と副一次コイル212との間には、中間タップ51が設けられており、中間タップ51は、一次側スイッチング素子52を介してバッテリ11に接続されている。一次側スイッチング素子52はMOSFETであり、そのゲートに入力された信号に基づいてスイッチング動作する。一次側スイッチング素子52が閉状態となった場合には、バッテリ11から中間タップ51に、所定の電圧が印加されることとなる。
主一次コイル211における中間タップ51と反対側は、イグナイタ23を介して接地されている。
副一次コイル212における中間タップ51と反対側は、ダイオード53、及び副スイッチング素子54を介して接地されている。ダイオード53は、アノード側が副一次コイル212に接続されており、カソード側が副スイッチング素子54に接続されている。副スイッチング素子54は、MOSFETであり、そのゲートに入力された信号に基づいてスイッチング動作する。一次側スイッチング素子52、副スイッチング素子54、イグナイタ23のゲートは、ECU40からの点火信号を受信する点火制御回路55に接続されている。
本実施形態の点火装置1においては、まず、一次側スイッチング素子52、及びイグナイタ23をオン状態とし、副スイッチング素子54をオフ状態とすることで、主一次コイル211に主一次コイル211が流れる。そして、この状態から所定時間経過後、イグナイタ23をオン状態からオフ状態に変えることで、主一次コイル211に流れる主一次電流I1が遮断され、二次コイル22に二次電圧が生じ、点火プラグ3に放電が生じる。
そして、主一次コイル211への主一次電流I1を遮断した遮断タイミング以降に、副スイッチング素子54をオン状態とすることにより、副一次コイル212に副一次電流I2が流れる。これにより、二次コイル22に発生する放電エネルギを増加させる。これにより、主一次コイル211への通電を遮断したタイミング以降に、副スイッチング素子54のスイッチング動作を行うことにより、放電エネルギを重畳的に増加させることができる。
主一次コイル211とイグナイタ23との間には、主一次電圧測定部42が接続されている。主一次電圧測定部42は、主一次コイル211の電圧の情報を、点火制御回路55に送っている。そして、二次電圧値取得部は、各サイクルにおいて、放電開始後の主一次コイル211の電圧値と二次コイル22の電圧値との相関関係を元に、主一次コイル211の電圧値から二次コイル22の二次電圧値を算出している。
その他の制御は、実施形態1〜5のいずれかと同様である。
本実施形態においても、実施形態6と同様の作用効果を有する。
本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。実施形態1〜5において、伸び量検出部は、放電火花の伸び量を、二次電圧に基づき検出したが、二次電圧と相関が取れる一次コイルの一次電圧に基づき、検出することも可能である。放電火花の伸び量を一次電圧で検出する場合には、二次電流調整部からの電流投入を停止させた期間の一次コイル電圧を検出することで、一次コイルと二次コイルの巻数比分の電圧が検出できる。これにより検出回路の低電圧設計が可能となり、小型で安価な点火装置を供給できる。
また、本発明の火花短絡検出、放電起点移動判定は、二次電圧値の変化で説明したが、エンジンによる試験を繰り返し、検出タイミングや判定期間の限定などを各現象で二次電圧値の変化を求めて、種々判定パラメータを加える、等してもよい。
1 点火装置
2 点火コイル
21 一次コイル
22 二次コイル
3 点火プラグ
4 点火制御部
41 二次電流調整部

Claims (7)

  1. 一次電流が流通する一次コイル(21)、及び前記一次電流の増減により二次電流が発生する二次コイル(22)、を有する点火コイル(2)と、
    前記二次コイルに生じる二次電圧を印加されて放電を発生させる点火プラグ(3)と、
    前記点火プラグの点火動作を制御する点火制御部(4)と、を備え、
    前記点火制御部は、
    前記二次電圧値を取得する二次電圧値取得部と、
    各サイクルにおいて、前記放電の開始後に前記二次電流の値を調整する二次電流調整部(41)と、
    前記放電の伸び量を検出する伸び量検出部と、
    前記二次電圧値取得部による前記二次電圧値の取得結果に基づいて、前記放電に短絡が発生したか否かを判定する短絡判定部と、を有し、
    前記点火制御部は、各サイクルにおいて、前記伸び量検出部による前記伸び量の検出値が予め設定した設定伸び量以上となった時、前記二次電流の値を減少させる第一ステップ(S4、S5)と、前記短絡判定部によって前記放電の短絡が発生したと判断された時、前記二次電流の電流値を上昇させる第二ステップ(S6、S2)と、を繰り返すよう前記二次電流調整部を制御し、
    前記第一ステップにおいては、予め設定した下限設定電流値以下とならないように前記二次電流の値を減少させる、内燃機関用の点火装置(1)。
  2. 前記点火プラグの電極は、母材(331、341)と前記母材に接合されるとともに初期の放電火花の起点となるチップ(332、342)を有し、前記点火制御部は、前記二次電圧値取得部による前記二次電圧値の取得結果に基づいて、前記放電の起点が前記チップから前記母材に移動したか否かを判定する起点移動判定部を有し、前記点火制御部は、各サイクルにおいて、前記起点移動判定部による判定結果に基づいて、前記設定伸び量を修正する、請求項1に記載の内燃機関用の点火装置。
  3. 前記点火制御部は、更に、前記二次電圧値取得部による前記二次電圧値の取得結果に基づいて、前記放電の起点の移動が発生したか否かを判定する起点移動判定部を有し、前記点火制御部は、各サイクルにおいて、前記起点移動判定部によって前記放電の起点の移動が発生したと判定された場合、前記点火プラグに投入する点火エネルギを予め設定した上限エネルギ以下とするよう前記二次電流調整部を制御する、請求項1又は2に記載の内燃機関用の点火装置。
  4. 前記下限設定電流値は、前記放電の吹き消えが発生しない前記二次電流の値の最小値である吹消閾値である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関用の点火装置。
  5. 前記点火制御部は、各サイクルにおいて、前記点火プラグに投入されるエネルギの下限エネルギ、運転状況に基づく要求エネルギよりも大きい値となるように予め設定し、前記点火プラグに投入されるエネルギを前記下限エネルギ以上とするよう、前記下限設定電流値の値を、予め設定した初期値から前記要求エネルギに応じた値に修正する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関用の点火装置。
  6. 前記二次電圧値取得部は、前記二次コイルに発生する電圧を測定することにより、前記二次電圧値を取得する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関用の点火装置。
  7. 前記一次コイルは、バッテリ(11)に対して並列に接続された主一次コイル(211)及び副一次コイル(212)を有し、前記点火制御部は、前記主一次コイルの電圧を測定する主一次電圧測定部(42)を有し、前記二次電流調整部は、前記副一次コイルに流れる電流を調整することにより、前記二次電流の値を調整するよう構成されており、前記二次電圧値取得部は、前記放電の開始後に、前記主一次電圧測定部によって測定される前記主一次コイルの電圧値を基に、前記二次電圧値を算出するよう構成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関用の点火装置。
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