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JP2015200257A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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JP2015200257A
JP2015200257A JP2014080660A JP2014080660A JP2015200257A JP 2015200257 A JP2015200257 A JP 2015200257A JP 2014080660 A JP2014080660 A JP 2014080660A JP 2014080660 A JP2014080660 A JP 2014080660A JP 2015200257 A JP2015200257 A JP 2015200257A
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JP2014080660A
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陽介 中川
Yosuke Nakagawa
陽介 中川
覚 中山
Satoru Nakayama
覚 中山
金千代 寺田
Kanechiyo Terada
金千代 寺田
香 土井
Kaori Doi
香 土井
和田 純一
Junichi Wada
純一 和田
竹田 俊一
Shunichi Takeda
俊一 竹田
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Abstract

【課題】気流速を適切に推定可能な内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】制御部80は、点火コイル40、イグナイタ部44、および、二次電流検出回路69を有する点火装置30を備えるエンジンシステム10を制御する。流速判定回路85は、二次電流I2に基づき、燃焼室17における気流の速度である気流速を推定する。ECU81は、流速判定回路85にて推定された気流速に基づき、エンジン13の運転条件を調整する。二次電流I2に基づいて気流速を推定するので、気流方向のばらつきや火花のショートカット等の影響を受けにくく、高い精度で気流速を推定することができる。また、二次電流I2に基づき、気筒毎に気流速を推定可能である。気筒毎に推定される気流速に基づいてエンジン13の運転条件を調整することで、気筒間の燃焼状態のばらつきを低減することができる。【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
従来、内燃機関の制御装置において、燃焼室内の気流速度を推定することが知られている。例えば特許文献1では、点火プラグの点火開始から放電の吹き消えによる放電二次電圧の変動が生じるまでの時間(放電維持時間)に基づき、気流速度と正の相関関係のある筒内乱れ強度を推定している。
特開2012−219627号公報
しかしながら、特許文献1では、吹き消えが発生しない場合は、気流速度を推定することができない。また、放電維持時間の検出に用いられる放電二次電圧は、変動幅が大きいため、キロボルト(kV)オーダーの検出が難しい。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、気流速を適切に推定可能な内燃機関の制御装置を提供することにある。
本発明は、点火装置を備える内燃機関システムを制御する内燃機関の制御装置である。
点火装置は、点火コイル、イグナイタ部、および、二次電流検出部を有する。
点火コイルは、直流電源から供給される一次電流が流れる一次コイル、および、内燃機関の燃焼室において混合気に点火する点火プラグの電極に接続され一次電流の通電および遮断によって発生する二次電圧が印加され二次電流が流れる二次コイルを有し、内燃機関の気筒毎に設けられる。
イグナイタ部は、点火スイッチを有し、点火コイル毎に設けられる。点火スイッチは、一次コイルの直流電源と反対側である接地側に接続され、一次電流の通電および遮断を切り替える。
二次電流検出部は、二次電流を検出する。
内燃機関の制御装置は、流速推定部と、運転調整部と、を備える。
流速推定部は、二次電流に基づき、燃焼室における気流の速度である気流速を推定する。
運転調整部は、流速推定部にて推定された気流速に基づき、内燃機関の運転条件を調整する。
本発明では、二次電流に基づいて気流速を推定するので、気流方向のばらつきや火花のショートカット等の影響を受けにくく、高い精度で気流速を推定することができる。また、二次電流に基づいて気筒毎の気流速を推定することができる。
また、気流速に基づき、内燃機関の運転条件を適切に調整可能である。特に、気流速を気筒毎に推定し、内燃機関の運転条件を気筒毎に調整することで、気筒間の燃焼状態のばらつきを低減可能であり、内燃機関の回転変動や振動等を抑制することができる。
点火装置にて二次電流に基づくフィードバック制御を行っている場合等、点火装置が二次電流を検出するための二次電流検出回路を有している場合、気流速推定のための別途の構成を追加することなく、或いは、最小限の構成を追加することで、気流速を推定可能であり、例えば筒内圧センサ等を省略することができる。
本発明の第1実施形態によるエンジンシステムの構成を示す概略構成図である。 本発明の第1実施形態による点火装置の構成図である。 本発明の第1実施形態による点火装置の基本動作を説明するタイムチャートである。 本発明の第1実施形態による気流速が大きい場合の二次電圧、二次電流および放電スイッチのスイッチング状態を説明するタイムチャートである。 本発明の第1実施形態による点火プラグの電極間における火花の状態を説明する模式図である。 本発明の第1実施形態による気流速と放電スイッチのオンデューティ比との関係を説明する説明図である。 本発明の第1実施形態による点火時期の調整を説明する説明図である。 本発明の第1実施形態によるエネルギ投入期間の調整を説明する説明図である。 本発明の第1実施形態による空燃比およびEGR量の調整を説明する説明図である。 本発明の第2実施形態による通常点火における気流速の推定を説明する説明図である。
以下、本発明による内燃機関の制御装置を図面に基づいて説明する。以下、複数の実施形態において、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による内燃機関の制御装置を図1〜図9に基づいて説明する。
[エンジンシステムの構成]
まず、エンジンシステムの概略構成について図1を参照して説明する。図1に示すように、内燃機関システムとしてのエンジンシステム10は、火花点火式の内燃機関としてのエンジン13、および、点火装置30等を備える。
エンジン13は、例えば4気筒等の多気筒エンジンであり、図1では第1の気筒の断面を示す。以下に説明する構成は、図示しない他の気筒にも同様に設けられる。
エンジン13は、スロットル弁14を通じて吸気マニホールド15から供給される空気とインジェクタ16から噴射される燃料との混合気を燃焼室17内で燃焼させ、その燃焼時の爆発力によりピストン18を往復運動させる。ピストン18の往復運動は、クランクシャフト19により回転運動に変換されて出力される。燃焼により生じた燃焼ガスは、排気マニホールド70を経由して大気中に放出される。
すなわち本実施形態のエンジン13は、所謂「ポート噴射エンジン」であるが、燃料を燃焼室17に直接噴射する所謂「直噴エンジン」としてもよい。
排気マニホールド70には、排気中のCO、HC、NOx等を浄化するための三元触媒等の触媒71が設けられる。触媒71の上流側には、排気中の酸素濃度を検出するフロントO2センサ72が設けられる。また、触媒71の下流側には、触媒71により浄化された排気中の酸素濃度を検出するリアO2センサ73が設けられる。
本実施形態では、排気の一部をEGRガスとして吸気側に導入する排気還流装置(以下、「EGR装置」という。)75が設けられる。EGR装置75は、EGR配管76、および、EGR弁77を有する。EGR配管76は、排気マニホールド70の触媒71の上流側と、吸気マニホールド15とを連通する。EGR弁77は、EGR配管76の途中に設けられ、EGR弁77の開度を調整することで、燃焼室17に導入する排気還流量としてのEGR量を調整する。
燃焼室17の入口であるシリンダヘッド21の吸気ポートには、吸気弁22が設けられる。また、燃焼室17の出口であるシリンダヘッド21の排気ポートには、排気弁23が設けられる。吸気弁22および排気弁23は、バルブ駆動機構24により開閉駆動される。なお、吸気弁22および排気弁23の少なくとも一方のバルブ駆動機構24にバルブタイミングを調整する可変バルブ機構を設けてもよい。
燃焼室17の混合気への点火は、点火装置30により行われる。具体的には、点火装置30により点火プラグ7の電極間での放電による火花Fを発生させ、発生した火花Fにより燃焼室17の混合気に点火される。
[点火装置の構成]
点火装置30は、点火回路ユニット31、および、点火コイル40を備える。
点火装置30の回路構成を図2に基づいて説明する。図2では、気筒毎に設けられる点火プラグ7、および、点火コイル40等は、2気筒分の構成を記載する。エンジン13の気筒数が3気筒以上である場合の3気筒目以降については記載を省略しているが、気筒毎に設けられる構成は、気筒数に応じ、同様の構成が並列接続される。
図2中において、気筒毎に設けられる構成については、3ケタで付番し、上2ケタが同一である場合は同様の構成であることを意味し、下1ケタが対応する気筒の番号であるものとする。したがって、図1では第1の気筒について説明したため、図1中の点火プラグ7は第1点火プラグ701に対応し、燃焼室17は第1燃焼室171に対応する。
点火プラグ7は、第1の気筒に設けられる第1点火プラグ701、および、第2の気筒に設けられる第2点火プラグ702から構成される。第1点火プラグ701は、エンジン13の第1の気筒の第1燃焼室171で所定のギャップを隔てて対向する一対の電極を有する。第1点火プラグ701の電極間に放電電圧が印加されると、電極間のギャップに放電が発生する。放電電圧とは、電極間の絶縁を破壊し、放電が発生しうる程度の高電圧をいう。
第2点火プラグ702は、第1点火プラグ701と同様であって、エンジン13の第2の気筒の燃焼室172で所定のギャップを隔てて対向する一対の電極を有する。以下、第1の気筒に対応する構成と第2の気筒に対応する構成とが同様である場合、第1の気筒に対応する構成について説明し、第2の気筒に対応する構成に関する説明を省略する。点火制御を含むエンジン制御についても同様、第1の気筒を中心に説明する。
点火コイル40は、第1点火コイル401および第2点火コイル402から構成される。第1点火コイル401は、一次コイル411、二次コイル421、および、整流素子431を有し、公知の昇圧トランスを構成している。
一次コイル411は、一端が直流電源としてのバッテリ6の正極に接続され、他端が点火スイッチ451を経由して接地される。以下、一次コイル411のバッテリ6と反対側を「接地側」或いは「低電圧側」という。
二次コイル421は、一次コイル411と磁気的に結合されており、一端が第1点火プラグ701の一対の電極を経由して接地され、他端が整流素子431および二次電流検出抵抗47を経由して接地される。
以下、一次コイル411に流れる電流を一次電流I1といい、二次コイル421に流れる電流を二次電流I2とする。また、図2中に矢印で示すように、一次電流I1は、一次コイル411から点火スイッチ451に向かう方向の電流を正とし、二次電流I2は、二次コイル421から第1点火プラグ701に向かう方向の電流を正とする。また、二次コイル421の第1点火プラグ701側の電圧を二次電圧V2という。
整流素子431は、ダイオードで構成され、二次電流I2を整流する。
第1点火コイル401は、一次コイル411を流れる電流の変化に応じた電磁誘導の相互誘導作用により、二次コイル421に高電圧を発生させ、この高電圧を第1点火プラグ701に印加する。
第2点火コイル402は、一次コイル412、二次コイル422、および、整流素子432を有し、詳細は第1点火コイル401と同様である。
点火回路ユニット31は、イグナイタ部44、二次電流検出抵抗47、エネルギ投入部50、および、二次電流検出部としての二次電流検出回路69を有する。
イグナイタ部44は、気筒毎に設けられる第1イグナイタ部441および第2イグナイタ部442から構成される。第1イグナイタ部441は、点火スイッチ451、および、整流素子461を有する。
点火スイッチ451は、例えばIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)で構成され、コレクタが一次コイル411の接地側に接続され、エミッタが接地され、ゲートが後述のECU81に接続される。点火スイッチ451のエミッタは、整流素子461を経由して、コレクタに接続される。
点火スイッチ451は、ゲートに入力される点火信号IGTに応じてオンオフが切り替えられる。詳しくは、点火スイッチ451は、第1の気筒制御に係る点火信号IGTの立ち上がり時にオンとなり、立ち下がり時にオフとなる。一次電流I1は、点火スイッチ451により点火信号IGTに従って導通および遮断が切り替えられる。
第2イグナイタ部442は、点火スイッチ452、および、整流素子462を有し、詳細は第1イグナイタ部441と同様である。
エネルギ投入部50は、DCDCコンバータ51、コンデンサ56、放電スイッチ57、放電用ドライバ回路58、気筒分配部60、デューティ検出抵抗66、および、デューティ検出回路67を有する。コンデンサ56は、複数の気筒に対して共通で1つ設けられる。放電スイッチ57、および、放電用ドライバ回路58は、気筒数に応じ、1つまたは複数設けられる。
DCDCコンバータ51は、エネルギ蓄積コイル52、充電スイッチ53、充電用ドライバ回路54、および、整流素子55から構成され、バッテリ6の電圧を昇圧してコンデンサ56に供給する。DCDCコンバータ51は、必要に応じ1組または複数組設けられる。
エネルギ蓄積コイル52は、一端がバッテリ6に接続され、他端が充電スイッチ53を経由して接地される。
充電スイッチ53は、例えばMOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)で構成されており、ドレインがエネルギ蓄積コイル52に接続され、ソースが接地され、ゲートが充電用ドライバ回路54に接続される。充電用ドライバ回路54は、充電スイッチ53のオンオフを切り替える充電スイッチ信号SWcを充電スイッチ53のゲートに出力する。
整流素子55は、ダイオードで構成され、コンデンサ56からエネルギ蓄積コイル52および充電スイッチ53側への電流の逆流を防止する。
コンデンサ56は、正極が整流素子55を経由してエネルギ蓄積コイル52と充電スイッチ53との接続点に接続され、負極が接地される。コンデンサ56は、DCDCコンバータ51から供給された電荷を蓄える。
充電スイッチ53のオンオフは、後述するエネルギ投入期間信号IGWがオフとなっている間に行われる。充電スイッチ53がオンしたとき、エネルギ蓄積コイル52に誘起電流が流れ、電気エネルギが蓄積される。また、充電スイッチ53がオフしたとき、エネルギ蓄積コイル52に蓄積された電気エネルギがバッテリ6の直流電圧に重畳してコンデンサ56側に放出される。これにより、コンデンサ56の電圧は比較的高い電圧(例えば、100[V]から数百[V])に昇圧され充電される。
放電スイッチ57は、例えばMOSFETで構成され、ドレインがコンデンサ56の正極側に接続され、ソースが気筒分配部60に接続され、ゲートが放電用ドライバ回路58に接続される。放電用ドライバ回路58は、放電スイッチ57のオンオフを切り替える放電スイッチ信号SWdを放電スイッチ57のゲートに出力する。
気筒分配部60は、気筒毎に設けられる第1気筒分配部601、および、第2気筒分配部602から構成される。第1気筒分配部601は、気筒分配スイッチ611、気筒分配用ドライバ回路621、および、整流素子631を有する。
気筒分配スイッチ611は、例えばMOSFETで構成され、ドレインが放電スイッチ57のソースに接続され、ソースが整流素子631に接続され、ゲートが気筒分配用ドライバ回路621に接続される。気筒分配スイッチ611は、一次コイル411の接地側にエネルギを投入するエネルギ投入期間にオンされるように制御される。
気筒分配用ドライバ回路621は、気筒分配スイッチ611のオンオフを切り替える信号を気筒分配スイッチ611のゲートに出力する。
整流素子631は、ダイオードで構成され、一次コイル411および点火スイッチ451側から気筒分配スイッチ611側への電流の逆流を防止する。
第2気筒分配部602は、気筒分配スイッチ612、気筒分配用ドライバ回路622、および、整流素子632を有し、詳細は第1気筒分配部601と同様である。
デューティ検出抵抗66は、コンデンサ56とグランドとの間に設けられる。
デューティ検出回路67は、コンデンサ56とデューティ検出抵抗66との接続点の電圧に基づき、放電スイッチ57のデューティを検出する。また、デューティ検出回路67は、検出された放電スイッチ57のデューティに係る情報であるデューティ情報を流速判定回路85に出力する。
二次電流検出回路69は、放電スイッチ57と同数設けられる二次電流検出抵抗47の両端電圧に基づき、二次電流I2を気筒毎に検出する。二次電流検出回路69は、二次電流I2を所定範囲内にする電流フィードバック回路として機能し、二次電流I2が下限値I2_Lと上限値I2_Uとの間となるようなフィードバック信号Sfbを放電用ドライバ回路58に出力する。以下適宜、下限値I2_Lと上限値I2_Uとで規定される所定範囲を、「(二次電流I2の)設定値」という。
二次電流検出回路69は、例えば所謂ヒステリシスコンパレータを用い、二次電流I2の絶対値が所定値である下限値I2_Lになると放電スイッチ57をオンし、所定値である上限値I2_Uになると放電スイッチ57をオフする信号をフィードバック信号Sfbとして出力するように構成することで、比較的簡単なアナログ回路にて構成可能である。
以下適宜、二次電流検出回路69により検出された二次電流I2の検出値を、単に「二次電流I2」という。
「内燃機関の制御装置」としての制御部80は、複数の気筒に対して共通で1つ設けられ、「運転調整部」としての電子制御ユニット(以下、「ECU」という。)81、および、「流速推定部」としての流速判定回路85を有する。
ECU81は、CPU、ROM、RAMおよび入出力ポート等からなるマイクロコンピュータにより構成される。ECU81は、クランク角センサ35、カム角センサ36、水温センサ37、スロットル開度センサ38、吸気圧センサ39、フロントO2センサ72、および、リアO2センサ73等の各種センサからの信号が入力される。ECU81は、これらの各種センサからの検出信号、および、流速判定回路85からの流速情報に基づき、スロットル弁14、インジェクタ16、EGR弁77、および、点火回路ユニット31等を制御することで、エンジン13の運転条件を気筒毎に制御する。
ECU81は、クランク角センサ35等の各種センサから取得したエンジン13の運転情報に基づき、点火信号IGT、および、エネルギ投入期間信号IGWを生成し、点火回路ユニット31に出力する。
点火信号IGTは、気筒毎に生成される信号であり、点火スイッチ451、452のゲート、および、充電用ドライバ回路54に入力される。点火スイッチ451は、点火スイッチ451に係る点火信号IGTがハイレベルである期間、オンとなり、点火スイッチ452は、点火スイッチ452に係る点火信号IGTがハイレベルである期間、オンとなる。充電用ドライバ回路54は、点火信号IGTが入力されている期間、充電スイッチ53のゲートに対し、充電スイッチ53をオンオフ制御する充電スイッチ信号SWcを繰り返し出力する。
エネルギ投入期間信号IGWは、気筒毎に対応するタイミングをずらしたパルスにより構成される1または複数の信号であり、放電用ドライバ回路58に入力される。放電用ドライバ回路58は、例えばAND回路および増幅回路により構成され、エネルギ投入期間信号IGWおよび二次電流検出回路69から出力されるフィードバック信号Sfbがハイレベルであるとき、放電スイッチ57をオンする放電スイッチ信号SWdを、放電スイッチ57のゲートに対して出力する。本実施形態では、エネルギ投入期間信号IGWがハイレベルである期間が、「エネルギ投入期間」に対応する。
流速判定回路85では、デューティ検出回路67から出力されたデューティ情報に基づき、燃焼室17の気流の速度である気流速を気筒毎に判定する。気筒毎の気流速に係る流速情報は、ECU81に出力される。流速判定回路85における気流速の推定については、後述する。
本実施形態では、二次電流I2に基づく電流フィードバック制御により、放電スイッチ57のオンオフを制御しており、放電スイッチ57のデューティは、二次電流I2に基づいて決定される。したがって、デューティ情報に基づいて気流速を推定することは、「二次電流に基づいて気流速を推定する」という概念に含まれるものとする。
[点火装置の作動]
点火装置30の作動について図3のタイムチャートを参照して説明する。以下の説明では、第1の気筒に係る制御を中心に説明する。図3のタイムチャートは、共通時間軸を横軸とし、縦軸に上から順に、点火信号IGT、エネルギ投入期間信号IGW、コンデンサ電圧Vdc、一次電流I1、二次電流I2、投入エネルギP、充電スイッチ信号SWc、放電スイッチ信号SWdを示している。
ここで、コンデンサ電圧Vdcは、コンデンサ56の電圧を意味する。また、投入エネルギPは、コンデンサ56から放出され、一次コイル41の接地側端子から点火コイル40に供給されるエネルギを意味し、1回のエネルギ投入期間におけるエネルギ供給開始からの積算値を示す。なお、エネルギ投入期間におけるエネルギ供給開始タイミングは、最初の放電スイッチ信号SWdが立ち上がる時間t3である。
一次電流I1および二次電流I2は、図2の矢印方向の電流を正の値とし、矢印と反対方向の電流を負の値とする。以下の説明において、負の電流の大小に言及する場合、電流の絶対値を基準として大小を表す。すなわち、負の電流については、電流値がゼロから離れ絶対値が大きくなるほど「電流が増加する(または上昇する)」といい、ゼロに近づき絶対値が小さくなるほど「電流が減少する(または低下する)」という。電圧についても同様とする。
図3中の時間t1にて点火信号IGTがハイレベル(図3中では「H」で示す。)になると、点火スイッチ451がオンされ、一次電流I1が一次コイル411に通電され、時間の経過に伴って一次電流I1が増加する。これにより、点火信号IGTがハイレベルである時間t1から時間t2の間に、一次コイル411には電磁エネルギが蓄積される。
このとき、エネルギ投入期間信号IGWはローレベル(図3中では「L」で示す。)であり、放電スイッチ57はオフされている。
また、点火信号IGTがハイレベルである期間、矩形波パルス状の充電スイッチ信号SWcが充電スイッチ53のゲートに入力される。すると、充電スイッチ53のオン後のオフ期間に、コンデンサ電圧Vdcがステップ状に上昇し、コンデンサ56が充電される。なお、コンデンサ56の充電は、点火信号IGTの発信に同期して開始する必要は必ずしもなく、エネルギ投入期間信号IGWが立ち上がる前に十分な電気エネルギが蓄積されていればよい。また、コンデンサ電圧Vdc(すなわちコンデンサ56のエネルギ蓄積量)は、充電スイッチ信号SWcのオンデューティ比およびオンオフ回数により制御可能である。
時間t2において、点火信号IGTがローレベルとなり、点火スイッチ451がオフされると、一次コイル411に通電されていた一次電流I1が急激に遮断され、一次電流I1により形成されていた磁界が消失する。すると、一次コイル411に形成されていた磁界を打ち消すように、二次コイル421に磁界が誘導され、二次コイル421に大きな二次電圧V2が生じる、二次電圧V2が放電電圧に達すると、第1点火プラグ701の電極間に火花放電が生じ、二次コイル421に二次電流I2(放電電流)が流れる。これにより、燃焼室17の混合気に点火される。
時間t2において、火花放電を発生させた後にエネルギ投入を行わない場合、二次電流I2は、破線で示すように、時間経過とともにゼロに近づき、放電を維持できない程度まで減衰すると放電が終了する。本実施形態では、一次電流I1の遮断により生じるエネルギにより点火する点火方式を「通常点火」という。通常点火では、火花放電を発生させた後にエネルギ投入を行わない。
一方、時間t2後のタイミングである時間t3において、エネルギ投入期間信号IGWがハイレベルになると、放電スイッチ信号SWdがハイレベルとなる。また、二次電流検出回路69から出力されるフィードバック信号Sfbがハイレベルとなると、放電スイッチ57がオンされる。放電スイッチ57がオンされると、コンデンサ56に蓄えられていたエネルギが放出され、一次コイル411の接地側に投入される。これにより、一次コイル411には、投入エネルギPに起因する一次電流I1が通電される。投入エネルギPにより一次コイル411の接地側から一次電流I1が通電されると、時間t2での一次電流I1の遮断により通電される二次電流I2に対し、投入エネルギPによる一次電流I1の通電に伴う追加分が同じ極性で重畳される。
エネルギ投入期間信号IGWが出力されている時間t3から時間t4までの期間は、フィードバック信号Sfbに応じ、放電スイッチ57のオンオフが繰り返される。本実施形態では、二次電流I2が減少して下限値I2_Lとなったときに放電スイッチ57をオンしてエネルギ投入部50から一次コイル411の接地側にエネルギを投入することで二次電流I2を増加させる。また、二次電流I2が増加して上限値I2_Uとなったとき、放電スイッチ57をオフする。なお、点火コイル401へのエネルギ投入により、コンデンサ電圧Vdcは低下するが、二次電流I2が上限値I2_Uに到達するまでは、放電スイッチ57をオンし、エネルギ投入を継続する。
下限値I2_Lおよび上限値I2_Uは、点火状態を良好に維持可能な程度の値に設定される。また、下限値I2_Lと上限値I2_Uとの間隔は、二次電流検出回路69の回路定数に応じたヒステリシスとなる。
これにより、二次電流I2には、放電スイッチ57がオンされる毎に、投入エネルギPによる一次電流I1の通電に伴う追加分が重畳される。すなわち、放電スイッチ信号SWdがオンになる毎にコンデンサ56の蓄積エネルギにより一次電流I1が順次追加され、これに対応して二次電流I2が順次追加される。これにより、二次電流I2は、下限値I2_Lと上限値I2_Uとで規定される所定範囲内となるように制御される。ここで、エネルギ投入部50から供給される投入エネルギPによる一次電流I1についても、「直流電源から供給される一次電流」の概念に含まれるものとする。
時間t4において、エネルギ投入期間信号IGWがローレベルになると、放電スイッチ信号SWdがオフ信号となり、放電スイッチ57のオンオフ作動が停止し、一次電流I1および二次電流I2がゼロとなる。
本実施形態では、点火スイッチ451のオフによる放電後、一次コイル411の接地側(すなわち低電圧側)から第1点火コイル401にエネルギを投入することにより、一次コイル411のバッテリ6側または二次コイル421の第1点火プラグ701と反対側から第1点火コイル401にエネルギを投入する場合と比較し、最低限のエネルギを効率よく投入し、点火状態を持続させることができる。ここで「点火状態」とは、燃焼室711にて燃焼が継続されていることを意味し、例えば二次電流I2が一時的にゼロになったとしても、燃焼室711にて燃焼が継続していれば、「点火状態が継続されている」とみなす。
以下、一次コイル411、412の接地側からエネルギの投入を行う点火方式を「エネルギ投入点火」という。
ここで、流速判定回路85における気流速の推定方法について説明する。以下、第1の気筒について説明するが、他の気筒についても同様である。
図4は、共通時間軸を横軸とし、縦軸に上から順に、気流速が大きい場合の二次電圧V2、二次電流I2、および、放電スイッチ57のオンオフ状態を示しており、時間t2、t3、t4は、図3と同様とする。
また、図5は、点火プラグ701の電極間における火花Fの状態を示しており、(a)が図4中の時間t2に対応し、(b)が時間t2から時間taの期間および時間taから時間tbの期間に対応し、(c)が時間taおよび時間tbに対応する。また、図5中において、気流方向を矢印にて示す。
図5(a)に示すように、時間t2にて第1点火プラグ701の電極間で放電が生じる。放電が生じた後、第1燃焼室171の気流速が大きいと、図5(b)に示すように、気流にのって火花Fが伸びる。また、火花Fが伸びると、図5(c)に示すように、場合によっては成り行きで火花Fの途中でショートカットが生じる。
気流速が大きく、気流にのって火花Fが伸びると、図4に示すように、二次電圧V2が上昇する。また、時間ta、tbにて火花Fのショートカットが生じると、二次電圧V2が急減する。このように、気流速が大きいと、火花Fの伸びやショートカット等により二次電圧V2が変動するが、本実施形態では、エネルギ投入部50からのエネルギ投入により、二次電流I2を所定範囲内に保っている。
ここで気流速が大きい場合の放電スイッチ57のオンオフ切り替えについて説明する。上述した通り、放電スイッチ57は、二次電流I2が下限値I2_Lとなったときにオンされ、上限値I2_Uとなったときにオフされる。
気流速が大きく、放電を維持するために要する電圧である放電維持電圧Vmが大きくなると、二次電流I2は減衰しやすくなる。すなわち、放電維持電圧Vmが大きくなると、二次電流I2は増加しにくくなり、放電スイッチ57がオンされたときの二次電流I2の傾きであるオン勾配が小さくなる。また、放電維持電圧Vmが大きくなると、二次電流I2は減少しやすくなり、放電スイッチ57がオフされたときの二次電流I2の傾きであるオフ勾配が大きくなる。
そのため、気流速が大きく、放電維持電圧Vmが大きくなると、放電スイッチ57のオン期間が長くなる。
そこで本実施形態では、流速判定回路85は、デューティ検出回路67から出力されるデューティ情報に基づき、気流速を気筒毎に推定する。詳細には、所定期間に占める放電スイッチ57がオンされている期間の割合であるオンデューティ比に基づき、気流速を推定し、推定した気流速に係る流速情報をECU81に出力する。図6にて実線L1で示すように、オンデューティ比が大きいほど、気流速が大きいと推定される。ここで、「所定期間」は、点火制御の1周期におけるエネルギ投入期間の全体としてもよいし、エネルギ投入期間の一部としてもよい。例えば、所定期間をエネルギ投入期間の途中までの期間として気流速の推定を行うことで、より早期に気流速に応じた制御を行うことができる。
ECU81は、図7に実線L2で示すように、トルク狙い値の許容範囲内において、気流速が大きい気筒の点火時期を遅角し、気流速が小さい気筒の点火時期を進角する。
また、ECU81は、図8に実線L3で示すように、気流速が小さい気筒のエネルギ投入期間を長くなるように、エネルギ投入期間信号IGWを調整する。
ECU81では、図9(a)に実線L4で示すように、気流速に応じ、気流速が大きいほど、空燃比(A/F比)を大きくするように、スロットル弁14の開度およびインジェクタ16からの燃料噴射量を調整する。また、図9(b)に実線L5示すように、気流速に応じ、気流速が大きいほど、還流されるEGR量が多くなるように、EGR弁77の開度を調整する。
本実施形態では、放電スイッチ57のオンデューティ比に基づいて気流速を気筒毎に推定し、筒内圧のピーク位置(燃焼重心)が揃うように、エンジン13の運転条件を気流速に応じて気筒毎に調整する。これにより、気筒毎の燃焼状態のばらつきを低減可能であるので、エンジン13の回転変動や振動等を抑制することができる。また、A/F限界やEGR限界の向上を実現可能である。
以上詳述したように、制御部80は、点火装置30を備えるエンジンシステム10を制御するものである。
点火装置30は、点火コイル401、402、イグナイタ部441、442、および、二次電流検出回路69を有する。
第1点火コイル401は、バッテリ6から供給される一次電流I1が流れる一次コイル411、および、エンジン13の燃焼室17において混合気に点火する第1点火プラグ701の電極に接続され一次電流I1の通電および遮断によって発生する二次電圧V2が印加され二次電流I2が流れる二次コイル421を有する。詳細には、二次コイル421には、一次電流I1の遮断によって発生する二次電圧V2の放電によって、二次電流I2が流れる。また、第2点火コイル402も同様、一次コイル412および二次コイル422を有する。第1点火コイル401および第2点火コイル402は、エンジン13の気筒毎に設けられる。
第1イグナイタ部441は、点火スイッチ451を有する。点火スイッチ451は、一次コイル411のバッテリ6と反対側である接地側に接続され、一次電流I1の通電および遮断を切り替える。第2イグナイタ部442も同様、点火スイッチ452を有する。第1イグナイタ部441および第2イグナイタ部442は、点火コイル401、402毎に設けられる。
二次電流検出回路69は、二次電流I2を検出する。
制御部80は、流速判定回路85と、ECU81と、を備える。
流速判定回路85は、二次電流I2に基づき、燃焼室17における気流の速度である気流速を推定する。
ECU81は、流速判定回路85にて推定された気流速に基づき、エンジン13の運転条件を調整する。
本実施形態では、二次電流I2に基づいて気流速を推定するので、気流方向のばらつきや火花Fのショートカット等の影響を受けにくく、高い精度で気流速を推定することができる。また、二次電流I2に基づいて気筒毎の気流速を推定することができる。
また、気流速に基づき、エンジン13の運転条件を適切に調整可能である。特に、気流速を気筒毎に推定し、エンジン13の運転条件を気筒毎に調整することで、気筒間の燃焼状態のばらつきを低減可能であり、エンジン13の回転変動や振動等を抑制することができる。
本実施形態では、点火装置30にて二次電流I2に基づくフィードバック制御を行っており、点火装置30が二次電流I2を検出するための二次電流検出回路69を有しているので、気流速推定のための別途の構成を追加することなく、或いは、最小限の構成を追加することで気流速を推定可能であり、例えば筒内圧センサ等を省略することができる。
点火装置30は、エネルギ投入部50をさらに備える。エネルギ投入部50は、点火スイッチ451、452により一次電流I1を遮断し当該遮断による電圧により点火プラグ701、702にて放電が発生した後のエネルギ投入期間において、エネルギを投入する。詳細には、エネルギ投入部50は、エネルギ投入期間において、点火状態を継続可能なエネルギを同じ放電電流の極性のままで投入する。これにより、例えば筒内の気流の乱れ等による失火を抑制することができる。
エネルギ投入部50は、一次コイル411、412の接地側から点火コイル40にエネルギを投入する。これにより、一次コイル411、412のバッテリ6側または二次コイル421、422の点火プラグ701、702と反対側からエネルギを投入する場合と比較し、最低限のエネルギを効率よく投入することができる。
エネルギ投入部50は、エネルギ投入期間における二次電流I2が所定範囲内となるように二次電流I2に基づいてフィードバック制御される放電スイッチ57を有する。
流速判定回路85は、放電スイッチ57のデューティ比に基づいて気流速を推定する。放電スイッチ57のデューティ比に基づいて気流速を推定することで、気流速を適切に推定することができる。
ECU81は、運転条件として、エネルギ投入部50からのエネルギ投入を行う期間であるエネルギ投入期間を調整する。
また、ECU81は、運転条件として、点火プラグ701、702にて放電を発生させるタイミングである点火時期を調整する。
さらにまた、ECU81は、運転条件として、空燃比およびEGR量を調整する。
これにより、気流速に応じて、エンジン13の運転条件を適切に調整することができる。特に、気筒毎に推定された気流速に基づき、エネルギ投入期間、点火時期、空燃比およびEGR量を気筒毎に調整することにより、気筒間の燃焼状態のばらつきを低減することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図10に基づいて説明する。
本実施形態では、気流速の推定方法が異なる。
上記実施形態では、点火方式がエネルギ投入点火であるとき、放電スイッチ57のオンデューティ比に基づいて気流速を推定する。本実施形態では、点火方式が通常点火であるときの気流速の推定方法について説明する。ここでも、第1の気筒について説明するが、他の気筒についても同様である。
図10は、共通時間軸を横軸とし、縦軸に上から順に二次電圧V2および二次電流I2を示す。図10中では、気流速が小さい場合を実線、気流速が大きい場合を破線で示し、放電が発生した時間をt0とする。
実線で示すように、気流速が小さい場合、放電発生から終了までの二次電圧V2である放電維持電圧Vmは、略一定となる。ここで、放電が発生してから二次電流I2がゼロになるまでの期間である減衰期間Daは、以下の式(1)により表される。
Figure 2015200257
式中の記号は、以下の通りである。
L2:二次コイル421のインダクタンス
R2:二次コイル421の抵抗
Vm:放電維持電圧
I2d:放電時の二次電流
また、破線で示す気流速が大きい場合、実線で示す気流速が小さい場合と比較して、放電維持電圧Vmが大きくなり、二次電流I2の減衰が大きくなる。そのため、気流速が大きい場合、気流速が小さい場合に二次電流I2がゼロとなる時間tsよりも早い時間tfにて二次電流I2がゼロとなり、減衰期間Daが短くなり、減衰期間Daにおける二次電流I2の傾きが大きくなる。
そこで本実施形態では、流速判定回路85は、減衰期間Daにおける二次電流I2の傾きに基づいて気流速を推定する。
点火回路ユニット31の構成について言及しておくと、本実施形態では、デューティ検出抵抗66およびデューティ検出回路67を省略可能である。エネルギ投入部50全体を省略してもよい。また、二次電流検出回路69にて検出された二次電流I2に係る二次電流情報を流速判定回路85に出力する。
流速判定回路85は、二次電流情報に基づき、二次電流I2の傾きを演算する。二次電流I2の傾きは、放電時の二次電流I2dおよび減衰期間Daに基づく減衰期間Da全体における傾きとしてもよいし、減衰期間Da中の所定期間における二次電流I2の瞬時値の時間微分の平均値としてもよい。所定期間は、減衰期間Da全体としてもよいし、減衰期間Daの一部としてもよい。
これにより、点火方式が通常点火であるときや、エネルギ投入部50を備えないシステムであっても、二次電流I2に基づき、高い精度で気流速を推定することができる。
また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
(他の実施形態)
(ア)流速推定部
第1実施形態では、点火方式がエネルギ投入点火であるとき、放電スイッチのオンデューティ比に基づいて気流速を推定する。他の実施形態では、オンデューティ比に替えて、所定期間におけるオフ期間の割合に基づいて気流速を推定してもよい。また、フィードバック信号を使用してデューティ比を判定し、当該デューティ比に基づいて気流速を推定してもよい。
また、第2実施形態にて説明したように、気流速が大きいと、二次電流の傾きが大きい。他の実施形態では、点火方式がエネルギ投入点火である場合においても、二次電流の傾きに基づいて気流速を推定してもよい。この場合、エネルギ投入期間の一部または全部における二次電流の瞬時値の時間微分値に基づき、二次電流の傾きを演算することが望ましい。また、放電スイッチのオン期間の二次電流の傾き、または、放電スイッチのオフ期間の二次電流の傾きに基づいて気流速を推定してもよい。
また、例えば跳ね返りの一次電圧に対してコンデンサ電圧が十分に大きい場合、エネルギ投入点火におけるエネルギの投入がスムーズになされるので、気流速に応じたオン勾配の変化が小さくなる。このような状況において、気流速が大きく、二次電流の傾き、特にオフ勾配が大きいと、放電スイッチのスイッチング周波数が大きくなる。そこで他の実施形態では、流速推定部は、放電スイッチのスイッチング周波数に基づいて気流速を推定するように構成してもよい。上記実施形態でも説明したとおり、放電スイッチのオンオフは、エネルギ投入期間における二次電流値が所定範囲内となるように制御するフィードバック制御により二次電流に応じて決定されているので、放電スイッチのスイッチング周波数に基づいて気流速を推定することは、「二次電流に基づいて気流速を推定する」という概念に含まれるものとする。
このように構成しても、気流方向のばらつきや、火花のショートカット等の影響を受けにくく、高い精度で気流速を推定することができる。
他の実施形態では、流速推定部は、二次電流に基づいて、どのように気流速を推定してもよい。
上記実施形態では、流速推定部は流速判定回路により構成される。他の実施形態では、流速推定部は、ECUにより構成してもよい。また、二次電流の設定値に係る二次電流検出回路の制御値を変更する機能を追加してもよい。更には、二次電流の設定値を変化させるシステムにおいて、設定値を一定期間毎に設定するようにして実施してもよい。
(イ)運転調整部
上記実施形態では、気流速に基づき、内燃機関の運転条件として、点火時期、エネルギ投入期間、空燃比、および、EGR量を気流速に基づいて調整する。他の実施形態では点火時期、エネルギ投入期間、空燃比、および、EGR量の一部の調整を省略してもよい。また、他の運転条件を気流速に基づいて調整してもよい。
(ウ)EGR装置
上記実施形態では、EGR配管は、触媒の上流側と吸気マニホールドとを連通する。他の実施形態では、例えば触媒の下流側からEGRガスを吸気側に還流する等、EGR配管の取り回しは、どのように構成してもよい。
また上記実施形態では、EGR装置により、燃焼により生じた排気の一部をEGRガスとして吸気側に還流して燃焼室に供給する、所謂「外部EGR」である。他の実施形態では、EGR装置を省略し、排気弁の開閉駆動を制御することにより排気の一部を燃焼室に戻す、所謂「内部EGR」としてもよい。また、排気還流を行わなくてもよい。
(エ)エネルギ投入部
上記実施形態では、エネルギ投入部は、点火状態を継続可能なエネルギを一次コイルの接地側から投入する。他の実施形態では、エネルギ投入部は、点火状態を継続可能なエネルギを投入可能であればどのようなものであってもよく、従来の多重放電方式や、例えば特開2012−167665号公報に開示された「DCO方式」としてもよい。例えば、DCO方式を採用する場合、2つの点火コイルのうちの主放電を開始する方を「点火コイル」とみなし、主放電後の点火動作を「エネルギ投入部」とみなしてコイル電源を制御して二次電流を制御したり点火継続時間を制御したりすればよい。
また、他の実施形態では、エネルギ投入部を省略してもよい。
(オ)点火回路ユニット
点火回路ユニットは、電子制御ユニットを収容するハウジング内に収容してもよい。また、点火回路ユニットは、点火コイルを収容するハウジング内に収容してもよい。
点火スイッチおよびエネルギ投入部は、別々のハウジング内に収容してもよい。例えば、点火コイルを収容するハウジング内に点火スイッチが収容され、電子制御ユニットを収容するハウジング内にエネルギ投入部が収容されてもよい。
上記実施形態では、二次電流検出部としての二次電流検出回路がアナログ回路により構成される例を説明した。他の実施形態では、二次電流検出部は、二次電流を検出可能であれば、どのように構成してもよく、例えばECUにより構成してもよい。
(カ)点火スイッチ、充電スイッチ、放電スイッチ、気筒分配スイッチ
上記実施形態では、点火スイッチはIGBTにより構成される。他の実施形態では、点火スイッチは、IGBTに限らず、比較的耐圧の高い他のスイッチング素子により構成してもよい。
また、上記実施形態では、充電スイッチ、放電スイッチ、および、気筒分配スイッチは、MOSFETで構成される。他の実施形態では、充電スイッチ、放電スイッチ、および、気筒分配スイッチの少なくとも1つは、MOSFETに限らず、IGBT等の他のスイッチング素子により構成してもよい。
(キ)直流電源
上記実施形態では、直流電源はバッテリにより構成される。他の実施形態では、直流電源は、バッテリに限らず、例えば交流電源をスイッチングレギュレータ等により安定化した直流安定化電源等により構成してもよい。
また、直流電源が、例えばハイブリッド車両や電気自動車の主機バッテリ等、出力電圧が高い場合、DCDCコンバータを省略して出力電圧をそのまま用いたり、或いは、出力電圧を降圧して用いたりしてもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
6・・・バッテリ(直流電源)
7・・・点火プラグ
10・・・エンジンシステム(内燃機関システム)
17・・・燃焼室
30・・・点火装置
40・・・点火コイル
44・・・イグナイタ部
80・・・制御部(内燃機関の制御装置)
81・・・ECU(運転調整部)
85・・・流速判定回路(流速推定部)

Claims (9)

  1. 直流電源(6)から供給される一次電流が流れる一次コイル(411、412)、および、内燃機関(13)の燃焼室(171、172)において混合気に点火する点火プラグ(701、702)の電極に接続され前記一次電流の通電および遮断によって発生する二次電圧が印加され二次電流が流れる二次コイル(421、422)を有し、前記内燃機関の気筒毎に設けられる点火コイル(401、402)、
    前記一次コイルの前記直流電源と反対側である接地側に接続され前記一次電流の通電および遮断を切り替える点火スイッチ(451、452)を有し、前記点火コイル毎に設けられるイグナイタ部(441、442)、
    および、前記二次電流を検出する二次電流検出部(69)、
    を有する点火装置(30)を備える内燃機関システム(10)を制御する内燃機関の制御装置(80)であって、
    前記二次電流に基づき、前記燃焼室における気流の速度である気流速を推定する流速推定部(85)と、
    前記流速推定部にて推定された前記気流速に基づき、前記内燃機関の運転条件を調整する運転調整部(81)と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記点火装置は、前記点火スイッチにより前記一次電流を遮断し当該遮断による電圧により前記点火プラグにて放電が発生した後のエネルギ投入期間において、エネルギを投入するエネルギ投入部(50)をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記エネルギ投入部は、前記一次コイルの接地側から前記点火コイルにエネルギを投入することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記運転調整部は、前記運転条件として、前記エネルギ投入部からのエネルギ投入を行う期間であるエネルギ投入期間を調整することを特徴とする請求項2または3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記エネルギ投入部は、前記エネルギ投入期間における前記二次電流が所定範囲内となるように前記二次電流に基づいてフィードバック制御される放電スイッチ(57)を有し、
    前記流速推定部は、前記放電スイッチのデューティ比に基づいて前記気流速を推定することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記エネルギ投入部は、前記エネルギ投入期間における前記二次電流が所定範囲内となるように前記二次電流に基づいてフィードバック制御される放電スイッチ(57)を有し、
    前記流速推定部は、前記放電スイッチのスイッチング周波数に基づいて前記気流速を推定することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記流速推定部は、前記二次電流の傾きに基づいて前記気流速を推定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記運転調整部は、前記運転条件として、前記点火プラグにて放電を発生させるタイミングである点火時期を調整することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記運転調整部は、前記運転条件として、空燃比および排気還流量の少なくとも一方を調整することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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