JP6798153B2 - 無端ベルト、画像形成装置、及び無端ベルトユニット - Google Patents
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Description
また、記録媒体などを搬送するための搬送ベルトにも無端状ベルトが使用される。
また、特許文献6には、ポリイミド等の樹脂又はその前駆体と、有機溶媒中にアセチレンアルコール及びカーボンブラックを分散したベース樹脂を含む中間転写体塗工液から製膜した製膜層を少なくとも有する中間転写体が開示されている。
そこで、本発明の課題は、溶媒を含むポリイミド樹脂層を有する無端ベルトにおいて、ポリイミド樹脂層に含まれる溶媒として、溶媒群Aの溶媒の含有量が50ppm未満である場合、又はγ−ブチロラクトンのみ含有する場合に比べて、無端ベルトに屈曲部を有したまま保管した場合であっても、無端ベルトの屈曲部において、永久変形の発生が抑制される無端ベルトを提供することである。
ウレア系溶媒、アルコキシ基含有アミド系溶媒、及びエステル基含有アミド系溶媒からなる溶媒群Aより選択された少なくとも1種の溶媒の含有量が50ppm以上2000ppm以下であるポリイミド樹脂層を有する無端ベルトである。
前記溶媒群Aが、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、及び3−nブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドからなる溶媒群である請求項1に記載の無端ベルトである。
請求項3に係る発明は、
前記溶媒群Aが、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである請求項1又は請求項2に記載の無端ベルトである。
前記ポリイミド樹脂層が、さらに、導電性粒子を含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の無端ベルトである。
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の無端ベルトを備える画像形成装置である。
請求項6に係る発明は、
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の無端ベルトと、前記無端ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、を備える無端ベルトユニットである。
請求項4に係る発明によれば、ポリイミド樹脂層に含まれる溶媒として、溶媒群Aの溶媒の含有量が50ppm未満である場合、又はγ−ブチロラクトンのみ含有する場合に比べて、無端ベルトに屈曲部を有したまま保管した場合であっても、無端ベルトの屈曲部において、永久変形の発生が抑制される、導電性粒子を含有するポリイミド樹脂層を有する無端ベルトが提供される。
請求項5、又は6に係る発明によれば、溶媒を含むポリイミド樹脂層を有する無端ベルトにおいて、ポリイミド樹脂層に含まれる溶媒として、溶媒群Aの溶媒の含有量が50ppm未満である場合、又はγ−ブチロラクトンのみ含有する場合に比べて、無端ベルトに屈曲部を有したまま保管した場合であっても、無端ベルトの屈曲部において、永久変形の発生が抑制される無端ベルトを備えた画像形成装置、又は無端ベルトユニットが提供される。
本実施形態に係る無端ベルトは、ウレア系溶媒、アルコキシ基含有アミド系溶媒、及びエステル基含有アミド系溶媒からなる溶媒群Aより選択された少なくとも1種の溶媒を含有するポリイミド樹脂層を有する。そして、溶媒群Aから選択された1種以上の溶媒の含有量が質量基準で50ppm以上2000ppm以下である。
画像形成装置に用いられる無端ベルトは、例えば、転写装置(転写手段の一例)の転写ベルト(中間転写ベルト含む)、用紙(記録媒体の一例)等の記録媒体搬送装置の搬送ベルト、及び定着装置(定着手段の一例)の定着ベルト(例えば、加熱ベルトおよび加圧ベルトの少なくとも一方)等の無端ベルトとして用いられている。
画像形成装置に用いられる無端ベルトの要求特性の一つとしては、例えば、無端ベルトが屈曲状態におかれた場合の永久変形に対する耐性が求められる。
画像形成装置の小型化に伴い、無端ベルトを掛け渡すロールの直径が小さくなっており、またロールの本数も少なくなっている。このために、ロールによって張力が掛かった状態で掛け渡されている無端ベルトは、曲率が大きい屈曲部を有する。その結果、曲率が大きい屈曲部を有する状態で無端ベルトを保管すると、無端ベルトの屈曲部において、永久変形(屈曲部の形状が保持される状態)が発生しやすくなる。
そのため、ポリイミド樹脂では、溶媒群Aの溶媒を上記範囲の量で含有していることで、ポリイミド樹脂の分子鎖と溶媒群Aの溶媒の分子との間で安定したスタッキング構造を有している。
よって、溶媒群Aの溶媒を含んでいるポリイミド樹脂では、ポリイミド樹脂の分子鎖と溶媒群Aの溶媒の分子との間で、より安定したスタッキング構造を有していると考えられる。
また、溶媒群Aの溶媒を上記範囲の量で含有しているポリイミド樹脂は、上記のように、従来の溶媒の極性基とポリイミド樹脂の極性基との相互作用よりも強いために、ポリイミド樹脂の可撓性が増大していると考えられる。
上記のように、本実施形態の無端ベルトを構成するポリイミド樹脂層では、溶媒群Aの溶媒を上記範囲の量で含有しているため、これらの作用を有していると考えられる。その結果、本実施形態の無端ベルトは、無端ベルトの屈曲部において、保管後の永久変形の発生が抑制されると考えられる。
これに対し、本実施形態に係る無端ベルトを転写ベルトに適用した場合、無端ベルトの屈曲部において、永久変形の発生が抑制されるため、クリーニング性の低下、及びトナー画像の転写性の低下が抑制されやすくなる。また、無端ベルトを定着ベルトに適用した場合、永久変形の発生が抑制されるため、定着装置を用紙が通過するときに用紙の搬送性の低下が抑制されやすくなる。
以下、無端ベルトを構成するポリイミド樹脂層を得るためのポリイミド前駆体組成物について説明する。
ポリイミド前駆体組成物は、一般式(I)で示される繰り返し単位を有する樹脂(以下、「ポリイミド前駆体」と称する)と、ウレア系溶媒、アルコキシ基含有アミド系溶媒、及びエステル基含有アミド系溶媒からなる溶媒群Aより選択された少なくとも1種の溶媒とを含むポリイミド前駆体組成物である。なお、必要に応じて、後述する導電性粒子、その他の添加剤を含んでもよい。
ポリイミド前駆体は、一般式(I)で表される繰り返し単位を有する樹脂(ポリアミック酸)が挙げられる。
一方、Bが表す2価の有機基としては、原料となるジアミン化合物から2つのアミノ基を除いたその残基である。
また、2種以上を組み合わせて併用する場合、芳香族テトラカルボン酸二無水物、又は脂肪族テトラカルボン酸を各々併用しても、芳香族テトラカルボン酸二無水物と脂肪族テトラカルボン酸二無水物とを組み合わせてもよい。
具体的には、ポリイミド前駆体としては、例えば、一般式(I−1)、一般式(I−2)及び一般式(I−3)で表される繰り返し単位を有する樹脂が挙げられる。
lは1以上の整数を示し、m及びnは、各々独立に0又は1以上の整数を示す。
イミド化率をこの範囲にすることで、特定ポリイミド前駆体のゲル化や析出分離を引き起こすことが抑制される。
・ポリイミド前駆体試料の作製
(i)測定対象となるポリイミド前駆体組成物を、シリコーンウェハー上に、膜厚1μm以上10μm以下の範囲で塗布して、塗膜試料を作製する。
(ii)塗膜試料をテトラヒドロフラン(THF)中に20分間浸漬させて、塗膜試料中の溶媒をテトラヒドロフラン(THF)に置換する。浸漬させる溶媒は、THFに限定されることなく、ポリイミド前駆体を溶解せず、ポリイミド前駆体組成物に含まれている溶媒成分と混和し得る溶媒より選択できる。具体的には、メタノール、エタノールなどのアルコール溶媒、ジオキサンなどのエーテル化合物が使用できる。
(iii)塗膜試料を、THF中より取り出し、塗膜試料表面に付着しているTHFにN2ガスを吹き付け、取り除く。10mmHg以下の減圧下、5℃以上25℃以下の範囲にて12時間以上処理して塗膜試料を乾燥させ、ポリイミド前駆体試料を作製する。
(iv)上記(i)と同様に、測定対象となるポリイミド前駆体組成物をシリコーンウェハー上に塗布して、塗膜試料を作製する。
(v)塗膜試料を380℃にて60分間加熱してイミド化反応を行い、100%イミド化標準試料を作製する。
(vi)フーリエ変換赤外分光光度計(堀場製作所製FT−730)を用いて、100%イミド化標準試料、ポリイミド前駆体試料の赤外吸光スペクトルを測定する。100%イミド化標準試料の1500cm−1付近の芳香環由来吸光ピーク(Ab’(1500cm−1))に対する、1780cm−1付近のイミド結合由来の吸光ピーク(Ab’(1780cm−1))の比I’(100)を求める。
(vii)同様にして、ポリイミド前駆体試料について測定を行い、1500cm−1付近の芳香環由来吸光ピーク(Ab(1500cm−1))に対する、1780cm−1付近のイミド結合由来の吸光ピーク(Ab(1780cm−1))の比I(x)を求める。
・式: ポリイミド前駆体のイミド化率=I(x)/I’(100)
・式: I’(100)=(Ab’(1780cm−1))/(Ab’(1500cm−1))
・式: I(x)=(Ab(1780cm−1))/(Ab(1500cm−1))
特定ポリイミド前駆体は、末端にアミノ基を有するポリイミド前駆体(樹脂)を含むことがよく、好ましくは全ての末端にアミノ基を有するポリイミド前駆体とすることがよい。
ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物とのモル当量の比が0.9以上であれば、分子末端のアミノ基の効果が大きく、良好な分散性が得られ易いる。また、モル当量の比が0.9999以下であれば、得られるポリイミド前駆体の分子量が大きく、例えば、ポリイミド樹脂の成形体としたときに、十分な強度(引裂き強度、引張り強度)が得られ易い。
特定ポリイミド前駆体の数平均分子量を上記範囲とすると、組成物中のポリイミド前駆体の溶解性と製膜後の膜の機械特性が良好になる。
なお、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とのモル当量の比を、調整することで、目的とする数平均分子量の特定ポリイミド前駆体が得られる。
・カラム:東ソーTSKgelα−M(7.8mm I.D×30cm)
・溶離液:DMF(ジメチルホルムアミド)/30mMLiBr/60mMリン酸
・流速:0.6mL/min
・注入量:60μL
・検出器:RI(示差屈折率検出器)
まず、ポリイミド樹脂層に含有する溶媒群Aの溶媒の含有量について説明する。
本実施形態に係る無端ベルトは、無端ベルトを構成するポリイミド樹脂層に、ウレア系溶媒、アルコキシ基含有アミド系溶媒、及びエステル基含有アミド系溶媒からなる溶媒群Aより選択された少なくとも1種の溶媒を質量基準で50ppm以上2000ppm以下の範囲で含有する。無端ベルトの屈曲部において、永久変形の発生が抑制される点で、溶媒群Aの溶媒の含有量は、好ましくは、70ppm以上1500ppm以下、より好ましくは100ppm以上1000ppm以下である。
なお、溶媒群Aから選択された少なくとも1種の溶媒の含有量は、溶媒群Aの溶媒の合計量を表し、ポリイミド樹脂層全体に対する含有量である。
送風乾燥する場合は、例えば、送風スピードを制御する;無端ベルトを回転させ、その回転スピードを制御する;などの方法が挙げられる。また、金型を用いる場合は、金型の厚さを変更し、熱容量を制御する;金型の温度を制御する;などの方法が挙げられる。
無端ベルトを構成するポリイミド樹脂層に含有する溶媒は、ポリイミド樹脂層から測定用試料0.40mgを精確に秤量し、熱分解温度400℃で測定する。
熱分解装置:フロンティアラボ社製:PY−2020D
ガスクロマトグラフ質量分析計:島津社製GCMS QP−2010
熱分解温度:400℃
ガスクロマト導入温度:280℃
Inject方法:スプリット比1:50
カラム:フロンティアラボ社製:Ultra ALLOY−5,0.25μm、0.25μm ID、30m
ガスクロマト温度プログラム:40℃⇒20℃/min⇒280℃−10min保持
マスレンジ:EI、m/z=29−600
なお、前記表面抵抗率の常用対数値は、導電性粒子の種類、及び導電性粒子の添加量により制御される。
ウレア系溶媒とは、ウレア基(N−C(=O)−N)を有する溶媒である。具体的には、ウレア系溶媒は、「*−N(Ra1)−C(=O)−N(Ra2)−*」構造を有する溶媒がよい。ここで、Ra1、及びRa2は、各々独立に、水素原子、アルキル基、フェニル基、又はフェニルアルキル基を示す。2つのN原子の両末端*は、前記構造の他の原子団との結合部位を示す。ウレア系溶媒は、2つのN原子の両末端*同士が、例えば、アルキレン、−O−、−C(=O)−、又はこれらの組み合わせからなる連結基を介して連結した環構造を有する溶媒であってもよい。
アルキル基の置換基としては、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、水酸基、ケトン基、エステル基、アルキルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
ケトン基の具体例としては、メチルカルボニル基(アセチル基)、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基などが挙げられる。エステル基の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、アセトキシ基などが挙げられる。アルキルカルボニルオキシ基の具体例としては、メチルカルボニルオキシ基(アセチルオキシ基)、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基などが挙げられる。
これらの中でも、ポリイミド樹脂の成形体の割れの発生抑制、及び室温及び冷蔵での保管安定性の向上の点から、ウレア系溶媒としては、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素が好ましく、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素が最も好ましい。
アルコキシ基含有アミド系溶媒は、アルコキシ基とアミド基とを有する溶媒である。一方、エステル基含有アミド系溶媒は、エステル基とアミド基とを有する溶媒である。アルコキシ基、エステル基としては、ウレア系溶媒で説明において、「Ra1、及びRa2を示すアルキル基の置換基」として例示したアルコキシ基、エステル基と同様な基が挙げられる。なお、アルコキシ基含有アミド系溶媒がエステル基を有していてもよいし、エステル基含有アミド系溶媒はアルコキシ基を有していてもよい。
Rb1〜Rb6を示すアルキル基は、ウレア系溶媒の説明で記載した「Ra1、及びRa2を示すアルキル基」と同義である。
Rb7を示すアルコキシ基及びエステル基は、ウレア系溶媒の説明において、「Ra1、及びRa2を示すアルキル基の置換基」として例示したアルコキシ基、エステル基と同義である。
Rc1〜Rc8を示すアルキル基は、ウレア系溶媒の説明で記載した「Ra1、及びRa2を示すアルキル基」と同義である。
Rc9を示すアルコキシ基及びエステル基は、ウレア系溶媒の説明において、「Ra1、及びRa2を示すアルキル基の置換基」として例示したアルコキシ基、エステル基と同義である。
なお、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンは、1分子中にアミド基の窒素原子を2つ有している。そのため、例えば、従来の溶媒として用いられる、1分子中にアミド基の窒素原子を1つしか有さないN−メチルピロリドンに比べて、ポリアミドイミド樹脂との相互作用が生じやすくなる。さらに、1,3−ジメチルイミダゾリジノンは環状構造であり立体配座が安定しているため、例えば、非環状であるテトラメチル尿素と比べて、ポリアミドイミド樹脂との相互作用が生じやすくなり、より好適な溶媒であると推測される。
溶媒群Aの溶媒(上記特定の溶媒群Aの各溶媒)の沸点は、例えば、100℃以上350℃以下が好ましく、120℃以上300℃以下がより好ましく、150℃以上250℃以下が更に好ましい。溶媒群Aの溶媒の沸点を100℃以上350℃以下にすると、無端ベルトに残留する溶媒群Aの溶媒の量が、質量基準で50ppm以上2000ppm以下の範囲に制御され易くなる。
本実施形態に係る無端ベルトを構成するポリイミド樹脂層には、必要に応じて、導電性付与のため添加される導電性粒子を含んでいてもよい。導電性粒子としては、導電性(例えば体積抵抗率107Ω・cm未満、以下同様である)もしくは半導電性(例えば体積抵抗率107Ω・cm以上1013Ω・cm以下、以下同様である)のものが挙げられ、使用目的により選択される。
導電性粒子としては、例えば、カーボンブラック、金属(例えばアルミニウムやニッケル等)、金属酸化物(例えば酸化イットリウム、酸化錫等)、イオン導電性物質(例えばチタン酸カリウム、LiCl等)、
これら導電性粒子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。導電性粒子の一次粒径は10μm未満(好ましくは1μm以下)の粒子であることがよい。
酸性カーボンブラックとしては、表面が酸化処理されたカーボンブラック、例えば、表面にカルボキシル基、キノン基、ラクトン基、水酸基等を付与して得られたカーボンブラックが挙げられる。
酸性カーボンブラックとしては、得られるポリイミド樹脂の成形体が、例えば、ポリイミド樹脂の成形体をポリイミド樹脂層として有する転写ベルトに適用される場合、電気抵抗の経時での安定性及び転写電圧による電界集中を抑制する電界依存性の観点から、pH4.5以下のカーボンブラックが望ましく、より望ましくはpH4.0以下の酸性カーボンブラックである。
なお、酸性カーボンブラックのpHは、JIS Z8802(2011)規定のpH測定方法によって測定される値である。
本実施形態に係る無端ベルトを構成するポリイミド樹脂層には、機械強度などの各種機能を付与することを目的として、各種フィラーなどを含んでもよい。また、イミド化反応促進のための触媒や、製膜品質向上のためのレベリング材などを含んでもよい。
ポリイミド前駆体組成物の製造方法は特に限定されるものではない。例えば、溶媒群Aより選択された少なくとも1種の有機溶媒を含有する溶媒中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを重合してポリイミド前駆体を得る方法が挙げられる。
なお、ポリイミド前駆体の重合反応時の時間は、反応温度により1時間以上24時間以下の範囲とすることがよい。
本実施形態に係る無端ベルトは、上記のポリイミド前駆体組成物を無端ベルト形成用の塗布液として、被塗物に塗布した後、乾燥し焼成することで得られたポリイミド樹脂層を有するものである。無端ベルトの製造方法は、具体的には、例えば、以下の方法が挙げられる。
ポリイミド前駆体組成物を脱泡する方法としては、減圧状態にする方法、遠心分離する方法などが挙げられるが、減圧状態とする脱泡が簡便で脱泡能が大きいため適している。
イミド化処理の加熱条件としては、例えば150℃以上400℃以下(好ましくは200℃以上300℃以下)で、20分間以上60分間以下加熱することで、イミド化反応が起こり、ポリイミド樹脂の成形体が形成される。加熱反応の際、加熱の最終温度に達する前に、温度を段階的、又は一定速度で徐々に上昇させて加熱することがよい。イミド化の温度は、例えば原料として用いたテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの種類によって異なり、イミド化が不充分であると機械的特性及び電気的特性に劣るため、イミド化が完結する温度に設定する。
その後、円筒状の基材から、ポリイミド樹脂の成形体を取り外し、無端ベルトを得る。
本実施形態に係る無端ベルトは、例えば、電子写真方式の画像形成装置用の無端ベルトとして利用し得る。電子写真方式の画像形成装置用の無端ベルトとしては、例えば、中間転写ベルト、転写ベルト(記録媒体搬送ベルト)、定着ベルト(加熱ベルト、加圧ベルト)、搬送ベルト(記録媒体搬送ベルト)等が挙げられる。なお、本実施形態に係る無端ベルトは、画像形成装置用の無端ベルト以外にも、例えば、搬送ベルト、駆動ベルト、ラミネートベルト、電気絶縁材、配管被覆材、電磁波絶縁材、熱源絶縁体、電磁波吸収フィルム等のベルト状部材にも利用し得る。
本実施形態に係る画像形成装置は、上記の無端ベルトを有する。無端ベルトが、中間転写ベルト、転写ベルト、搬送ベルト(記録媒体搬送ベルト)等のベルトに適用される場合、本実施形態に係る画像形成装置としては、例えば、以下に示す画像形成装置が挙げられる。
像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナーを含む現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、トナー画像を本実施形態に係る無端ベルトを介して記録媒体の表面に転写する転写手段と、とを備えるものが挙げられる。
なお、転写手段は、後述する無端ベルトユニットを有していてもよい。
像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナーを含む現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、トナー画像を、トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、トナー像を記録媒体に定着する定着手段と、を備える。そして定着手段としては、第1回転体と、第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、を備え、第1回転体及び前記第2回転体の少なくとも一方が、本実施形態の無端ベルトである定着装置が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図1に示すように、例えば、いわゆるタンデム方式であり、電子写真感光体からなる4つの像保持体101a〜101dの周囲に、その回転方向に沿って順次、帯電装置102a〜102d、露光装置114a〜114d、現像装置103a〜103d、一次転写装置(一次転写ロール)105a〜105d、像保持体クリーニング装置104a〜104dが配置されている。尚、転写後の像保持体101a〜101dの表面に残留している残留電位を除去するために除電器を備えていてもよい。
像保持体101a〜101dとしては、公知の電子写真感光体が広く適用される。電子写真感光体としては、感光層が無機材料で構成される無機感光体や、感光層が有機材料で構成される有機感光体などが用いられる。有機感光体においては、露光により電荷を発生する電荷発生層と、電荷を輸送する電荷輸送層を積層する機能分離型有機感光体や、電荷を発生する機能と電荷を輸送する機能を果たす単層型有機感光体が好適に用いられる。また、無機感光体においては、感光層がアモルファスシリコンにより構成されているものが、好適に用いられる。
帯電装置102a〜102dとしては、特に制限はなく、例えば、導電性(ここで、帯電装置における「導電性」とは例えば体積抵抗率が107Ωcm未満を意味する。)または半導電性(ここで、帯電装置における「半導電性」とは例えば体積抵抗率が107Ωcm以上1013Ωcm以下を意味する。)のローラ、ブラシ、フィルム、またはゴムブレード等を用いた接触型帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器など、公知の帯電器が広く適用される。これらの中でも接触型帯電器が望ましい。
露光装置114a〜114dとしては、特に制限はなく、例えば、像保持体101a〜101dの表面に、半導体レーザ光、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)光、または液晶シャッタ光等の光源、またはこれらの光源からポリゴンミラーを介して定められた像様に露光し得る光学系機器など、公知の露光装置が広く適用される。
現像装置103a〜103dとしては、目的に応じて選択され。例えば、一成分系現像剤または二成分系現像剤をブラシ、またはローラ等を用い接触または非接触で現像する公知の現像器などが挙げられる。
一次転写ロール105a〜105dは単層または多層のいずれでもよい。例えば、単層構造の場合は、発泡または無発泡のシリコーンゴム、ウレタンゴム、またはEPDM等にカーボンブラック等の導電性粒子が適量配合されたロールで構成される。
像保持体クリーニング装置104a〜104dは、一次転写工程後の像保持体101a〜101dの表面に付着する残存トナーを除去するためのものであり、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、またはロールクリーニング等が用いられる。これらの中でもクリーニングブレードを用いることが望ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、またはシリコーンゴム等が挙げられる。
二次転写ロール109の層構造は、特に限定されるものではないが、例えば、三層構造の場合、コア層と中間層とその表面を被覆する塗布層により構成される。コア層は導電性粒子を分散したシリコーンゴム、ウレタンゴム、またはEPDM等の発泡体で、中間層はこれらの無発泡体で構成される。塗布層の材料としては、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、またはパーフルオロアルコキシ樹脂などが挙げられる。二次転写ロール109の体積抵抗率は107Ωcm以下であることが望ましい。また、中間層を除いた2層構造としてもよい。
対向ロール108は、二次転写ロール109の対向電極を形成する。対向ロール108の層構造は、単層または多層のいずれでもよい。例えば単層構造の場合は、シリコーンゴム、ウレタンゴム、またはEPDM等にカーボンブラック等の導電性粒子が適量配合されたロールで構成される。二層構造の場合は、上記のゴム材料で構成される弾性層の外周面を高抵抗層で被覆したロールから構成される。
定着装置110としては、例えば、熱ローラ定着器、加圧ローラ定着器、またはフラッシュ定着器など公知の定着器が広く適用される。
中間転写ベルトクリーニング装置112および113としては、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、またはロールクリーニング等が用いられる、これらの中でもクリーニングブレードを用いることが望ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、またはシリコーンゴム等が挙げられる。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。図2に示す画像形成装置は、上記本実施形態に係る無端ベルトを記録媒体搬送体(用紙搬送ベルト)に適用した画像形成装置である。
以上により用紙上に目的とする画像が形成される。
以下、本実施形態に係る無端ベルトが定着ベルト(加熱ベルト、加圧ベルト)として適用された定着装置について説明する。
本実施形態に係る定着装置としては、種々の構成があり、例えば、第1回転体と、第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、を備える。そして、第1回転体及び第2回転体の少なくとも一方として、本実施形態に係る定着部材が適用される。
なお、定着装置は、第1及び第2の態様に限られず、加熱ロール又は加熱ベルトと加圧ベルトとを備えた定着装置であってよい。そして、本実施形態に係る無端ベルトは、加熱ベルト及び加圧ベルトのいずれにも適用され得る。
また、定着装置は、第1及び第2の態様に限られず、電磁誘導加熱方式の定着装置であってもよい。
第1の態様に係る定着装置について説明する。図3は、第1の態様に係る定着装置の一例を示す概略図である。
なお、押圧パッド64は、例えば、加圧ベルト62と加熱ロール61とが相対的に加圧されていればよい。従って、加圧ベルト62側が加熱ロール61に加圧されてもよく、加熱ロール61側が加熱ロール61に加圧されてもよい。
押圧パッド64は、例えば、幅の広い挟込領域Nを確保するための前挟込部材64aを挟込領域Nの入口側に配置し、加熱ロール61に歪みを与えるための剥離挟込部材64bを挟込領域Nの出口側に配置している。
なお、摺動部材68は、例えば、その摺動面が加圧ベルト62の内周面と接するように設けられており、加圧ベルト62との間に存在するオイルの保持・供給に関与する。
第2の態様に係る定着装置について説明する。図4は、第2の態様に係る定着装置の一例を示す概略図である。
定着ベルトモジュール86は、例えば、加熱ベルト84の外側に配置されてその周回経路を規定する支持ロール92と、加熱押圧ロール89から支持ロール90までの加熱ベルト84の姿勢を矯正する姿勢矯正ロール94と、加熱ベルト84(定着ベルトモジュール86)と加圧ロール88とが接触する領域である挟込領域Nの下流側において加熱ベルト84を内周面から張力を付与する支持ロール98とが設けられている。
摺動部材82は、例えば、その摺動面が加熱ベルト84の内周面と接するように設けられており、加熱ベルト84との間に存在するオイルの保持・供給に関与する。
ここで、摺動部材82は、例えば、その両端が支持部材96により支持された状態で設けられている。
支持ロール90の両端部には、例えば、加熱ベルト84を外側に押圧するバネ部材(不図示)が配設されている。
支持ロール92の離型層は、例えば、加熱ベルト84の外周面からのトナーや紙粉が支持ロール92に堆積するのを防止するために形成されるものである。
支持ロール92の内部には、例えば、ハロゲンヒータ92A(加熱源の一例)が配設されており、加熱ベルト84を外周面側から加熱するようになっている。
姿勢矯正ロール94には、例えば、端部位置測定機構の測定結果に応じて加熱ベルト84の軸方向における当り位置を変位させる軸変位機構(不図示)が配設され、加熱ベルト84の蛇行を制御するように構成されている。
本実施形態に係る無端ベルトユニットとしては、本実施形態に係る無端ベルトと、無端ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、を備えるものが挙げられる。
図5は、本実施形態に係る無端ベルトユニットを示す概略斜視図である。
本実施形態に係る無端ベルトユニット130は、図5に示すように、上記本実施形態に係る無端ベルト30を備えており、例えば、無端ベルト30は対向して配置された駆動ロール131および従動ロール132により張力がかかった状態で掛け渡されている。
ここで、本実施形態に係る無端ベルトユニット130は、無端ベルト30を中間転写体として適用させる場合、無端ベルト30を支持するロールとして、感光体(像保持体)表面のトナー像を無端ベルト30上に1次転写させるためのロールと、無端ベルト30上に転写されたトナー像をさらに記録媒体に二次転写させるためのロールが配置されていてもよい。
なお、無端ベルト30を支持するロールの数は限定されず、使用態様に応じて配置すればよい。上記構成の無端ベルトユニット130は、装置に組み込まれて使用され、駆動ロール131、従動ロール132の回転に伴って無端ベルト30も支持した状態で回転する。
基準である。
(ポリイミド前駆体組成物(A−1)の作製)
攪拌棒、温度計、滴下ロートを取り付けたフラスコに、テトラメチル尿素(TMU)200gを充填した。ここに、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)20.02gを添加し、20℃で10分間攪拌して分散させた。この溶液にピロメリット酸二無水物(PMDA)21.38gを添加し、反応温度40℃に保持しながら、24時間攪拌して溶解、反応を行い、ポリイミド前駆体A−1を含むポリイミド前駆体組成物(A−1)を得た。
ポリイミド前駆体組成物(A−1)中に、カーボンブラック(SPECIAL Black 4、オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を、ポリイミド前駆組成物(A−1)中に含まれるポリイミド前駆体A−1に対し、固形分質量比で4質量%となるように投入し、ジェトミル分散機(ジーナス社製:GeanusPY)で分散処理(200N/mm2、5パス)を行い、カーボンブラック分散ポリイミド前駆体組成物を得た。
得られたカーボンブラック分散ポリイミド前駆体組成物を、ステンレス製20μmメッシュに通過させて、異物及びカーボンブラック凝集物を取り除いた。更に、攪拌しながら真空脱泡を15分間行い、無端ベルト形成用塗布液として調製した。
調製した無端ベルト形成用塗布液をアルミニウム製円筒状の金型(基材)の外面に塗布し、150℃で30分間回転乾燥した。次いで、この金型を325℃のオーブンに20rpmで回転させながら1時間乾燥させた後、オーブンから取り出した。この金型の外周面に形成されたポリイミド樹脂の成形体を金型から抜き取り、厚さ0.08mmのポリイミド樹脂層を有する無端ベルトを得た。
既述の方法により、溶剤の残留溶媒量(含有量)をGC−MSで測定した結果、残留量は400ppm(質量基準)であった。
得られた無端ベルトの内側に、二本の直径5mmのシャフトSを装着し、一方のシャフトに5kgの荷重Fをかけて吊り下げた状態で、60℃、90%RHの条件下で、1週間放置して保管テストを実施した。その後、二本のシャフトを取り除いて、23℃、50%RHの条件で1時間および24時間放置した後、目視にて外観を観察した(図6参照)。
−評価基準−
A:1時間放置後および24時間放置後ともに、形状変化はほとんど見られない。
B:1時間放置後はシャフトがあたっていた部位に部分的(50%以下)に形状変化が見られるものの、24時間放置後は形状変化がほとんど見られない。
C:24時間放置後でもシャフトがあたっていた部位に部分的(50%以下)に形状変化が見られる。
D:24時間放置後でもシャフトがあたっていた部位に全面的に形状変化が見られる。
得られた無端ベルトを富士ゼロックス社製Apeos Port−III C4400に搭載し、画像濃度100%の未転写画像をA3用紙縦方向に2枚分形成した後、無端ベルト上にクリーニングされずに残ったトナーをテープで採取し、クリーニング性の評価を目視で実施した。
−評価基準−
A:目視では筋が1本も確認されない。
B:目視にて筋が1本以上5本以下確認される。
C:目視にて筋が6本以上確認される。
クリーニングテスト同様、得られた無端ベルトを富士ゼロックス社製Apeos Port−III C4400に搭載し、30℃、80%RHにてプリントテストを実施した。
−評価基準−
保管テストでシャフトが接していた部分の軸方向において、
A:画像のかすれが全くない。
B:画像のかすれが5%未満の領域で見られる。
C:画像のかすれが5%以上50%未満の領域で見られる。
D:画像のかすれが50%以上の領域で見られる。
溶媒の種類を変更し、溶媒の含有量が表1に示す量となるように調整した以外は実施例1と同様にして、ポリイミド前駆体組成物及び無端ベルトを作製し、上記の各評価を実施した。
[ポリイミド前駆体組成物(B−13)の作製]
攪拌棒、温度計、滴下ロートを取り付けたフラスコに、テトラメチル尿素(TMU)200gを充填した。ここに、p−フェニレンジアミン(PDA)10.81gを添加し、20℃で10分間攪拌して分散させた。この溶液に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)28.83gを添加し、反応温度20℃に保持しながら、24時間攪拌して溶解、反応を行い、ポリイミド前駆体B−13を含むポリイミド前駆体組成物(B−13)を得た。
アルミニウム製円筒状金型(基材)の表面をブラスト処理により粗面化し、さらに、この金型の外周面にシリコーン系離型剤(商品名:KS−700、信越化学工業社製)を塗布して、300℃で1時間、焼き付け処理をし、表面粗さRaが0.8μmで、表面にシリコーン系離型剤を焼き付けた金型を用意した。次に、用意した金型の中央部470mmに、フローコーティング(螺旋塗布)法により、粘度120Pa・sに調整したポリイミド前駆体組成物(B−1)を塗布した。次いで、金型を100℃で50分間回転しながら塗布液を乾燥して、平滑化されたポリイミド前駆体の塗膜を得た。
次に、フッ素樹脂(PFA)分散溶液(商品名:710CL、三井・デュポンフロロケミカル社製)に、カーボンブラック(ケッチェンブラック分散溶液、ライオン株式会社製)を、固形分中の割合が2質量%となるように配合した溶液を、上記のポリイミド前駆体の塗膜上に、スプレー塗布法により塗布した。その後、30rpmで回転させながら380℃まで150分で昇温した後、380℃で40分間保持し、塗膜を焼成した。次いで、室温(25℃)に冷却後、金型から焼成後の塗膜(皮膜)を取り外し、膜厚70μmのポリイミド樹脂の成形体の外周面に膜厚30μmのPFA層が形成されたポリイミド樹脂層を有する無端ベルトを得た。
既述の方法により、溶剤の残留溶媒量(含有量)をGC−MSで測定した結果、残留量は500ppm(質量基準)であった。
実施例1と同様にして、保管テストを実施した。
得られた無端ベルトを富士ゼロックス社製Apeos Port−III C4400に搭載し、10℃、40%の環境下にて、A3用紙の長手方向に370mmの間隔P、短手方向に250mmの長さLで、2本の1ドットラインが形成された画像Aを、A3用紙の縦方向に出力した。出力した後の画像Bにおいて、2本の1ドットラインの間隔の最大値aと、2本の1ドットラインの間隔の最小値bとを計測し、aとbとの差を算出し、下記評価基準で、用紙搬送性を評価した(図7参照)。
−評価基準−
A:aとbとが370±0.5mmかつ、aとbの差が1mm未満である。
B:aとbとの差が1mm未満である。
C:aとbとの差が1mm以上1.5mm未満である。
D:aとbとの差が1.5mm以上である。
クリーニングテスト同様、得られた無端ベルトを富士ゼロックス社製Apeos Port−III C4400に搭載し、10℃、40%RHの環境下にてプリントテストを実施した。
−評価基準−
保管テストでシャフトが接していた部分の軸方向において、
A:画像のかすれが全くない。
B:画像のかすれが5%未満の領域で見られる。
C:画像のかすれが5%以上10%未満の領域で見られる。
D:画像のかすれが10%以上の領域で見られる。
溶媒の種類を変更し、溶媒の含有量が表2に示す量となるように調整した以外は実施例13と同様にして、ポリイミド前駆体組成物及び無端ベルトを作製し、上記の各評価を実施した。
・TMU: テトラメチル尿素
・TEU: テトラエチル尿素
・DMPU: N,N’−ジメチルプロピレン尿素
・DMI: 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
・B−4: 例示化合物B−4 (3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド)
・B−7: 例示化合物B−7 (3−nブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド)
・C−3: 例示化合物C−3 (5−ジメチルアミノ−2−メチル−5−オキソ−ペンタン酸メチル)
・GBL:γ−ブチロラクトン
・NMP:N−メチルピロリドン
Claims (6)
- ウレア系溶媒、アルコキシ基含有アミド系溶媒、及びエステル基含有アミド系溶媒からなる溶媒群Aより選択された少なくとも1種の溶媒の含有量が50ppm以上2000ppm以下であるポリイミド樹脂層を有する無端ベルト。
- 前記溶媒群Aが、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、及び3−nブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドからなる溶媒群である請求項1に記載の無端ベルト。
- 前記溶媒群Aが、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである請求項1又は請求項2に記載の無端ベルト。
- 前記ポリイミド樹脂層が、さらに、導電性粒子を含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の無端ベルト。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の無端ベルトを備える画像形成装置。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の無端ベルトと、前記無端ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、を備える無端ベルトユニット。
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