JP2018146635A - 電子写真装置用無端ベルト、画像形成装置、及び、無端ベルトユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】外周面の変形の発生が抑制され、耐屈曲性に優れた電子写真用無端ベルトを提供すること。【解決手段】ウレア系溶剤、アルコキシ基含有アミド系溶剤、及びエステル基含有アミド系溶剤よりなる溶剤群Aから選択された少なくとも1種の溶剤と、ポリイミド樹脂と、を含む最内層と、ポリアミドイミド樹脂を含む最外層と、を有する電子写真装置用無端ベルト。【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真装置用無端ベルト、画像形成装置、及び、無端ベルトユニットに関する。
電子写真方式の画像形成装置(「電子写真装置」ともいう。)は、感光体上に電荷を形成し、変調した画像信号をレーザ光などで静電荷像を形成した後、帯電したトナーにより静電荷像を現像してトナー像とする。次いで、このトナー像を直接、又は中間転写体を介して、紙などの記録媒体に転写し、その記録媒体上に定着させることにより画像を得る装置である。
ここで、感光体上のトナー像を中間転写体に一次転写し、次いで中間転写体上のトナー像を紙などの記録媒体へ二次転写する方法、いわゆる中間転写方式を採用した画像形成装置が知られている。
このような中間転写体として用いられる中間転写ベルト(単に「転写ベルト」ともいう。)等の電子写真装置用無端ベルト(単に、「無端ベルト」ともいう。)には、機械強度、耐熱性などが要求されるため、例えば、高い機械強度と耐熱性とを併せ持つポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等が材料として好ましく用いられる。
このような中間転写体として用いられる中間転写ベルト(単に「転写ベルト」ともいう。)等の電子写真装置用無端ベルト(単に、「無端ベルト」ともいう。)には、機械強度、耐熱性などが要求されるため、例えば、高い機械強度と耐熱性とを併せ持つポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等が材料として好ましく用いられる。
特許文献1には、「有機極性溶媒にカーボンブラックを均一に分散させてなるカーボンブラック分散液に、芳香族テトラカルボン酸ジエステルと芳香族ジアミンとを略等モル量を溶解することを特徴とする半導電性高濃度ポリイミド前駆体組成物の製造方法」が記載されている。
特許文献2には、「芳香族ポリイミドとPH4以下の揮発性酸成分を主とする揮発分10〜25%を含有する導電性カ−ボンブラックとよりなることを特徴とする無端管状半導電性芳香族ポリイミドフイルム」が記載されている。
特許文献3には、「一般式(1)で表わされる繰り返し単位を含むポリイミド前駆体と、溶剤と、pH5.0以下の酸性カーボンブラックと、を含むポリイミド前駆体組成物。」が記載されている。
特許文献2には、「芳香族ポリイミドとPH4以下の揮発性酸成分を主とする揮発分10〜25%を含有する導電性カ−ボンブラックとよりなることを特徴とする無端管状半導電性芳香族ポリイミドフイルム」が記載されている。
特許文献3には、「一般式(1)で表わされる繰り返し単位を含むポリイミド前駆体と、溶剤と、pH5.0以下の酸性カーボンブラックと、を含むポリイミド前駆体組成物。」が記載されている。
従来のポリイミド樹脂を含む単層の無端ベルトは、例えば、ポリイミド樹脂の前駆体を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解した塗布液(樹脂組成物)を用いて形成される。具体的には、例えば、上記塗布液を金型に塗布し、NMPの少なくとも一部を除去した後に、必要に応じて加熱することにより、塗布液の硬化物を含む樹脂層を有する無端ベルトが得られる。なお、上記樹脂層は、塗布液に用いられるNMP等の溶剤の一部を含む。
しかし、このような溶剤としてNMPのみを含む塗布液を用いて製造された単層の無端ベルトにおいては、駆動ローラ等との接触により無端ベルトの内周面に傷が発生し、前記傷により無端ベルトの外周面が凹凸に変形する場合があった。
また、従来のポリアミドイミド樹脂により形成された単層の無端ベルトは、耐屈曲性が低く、曲げ荷重等の曲げ負荷に対して破断を生じる場合があった。
しかし、このような溶剤としてNMPのみを含む塗布液を用いて製造された単層の無端ベルトにおいては、駆動ローラ等との接触により無端ベルトの内周面に傷が発生し、前記傷により無端ベルトの外周面が凹凸に変形する場合があった。
また、従来のポリアミドイミド樹脂により形成された単層の無端ベルトは、耐屈曲性が低く、曲げ荷重等の曲げ負荷に対して破断を生じる場合があった。
本発明の課題は、ポリイミド樹脂を含み、かつ、含まれる溶剤がNMPのみである単層の無端ベルト、又は、ポリアミドイミド樹脂を含み、かつ、含まれる溶剤がNMPのみである単層の無端ベルトに比して、外周面の変形の発生が抑制され、耐屈曲性に優れた電子写真用無端ベルトを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
請求項1に係る発明は、
ウレア系溶剤、アルコキシ基含有アミド系溶剤、及びエステル基含有アミド系溶剤よりなる溶剤群Aから選択された少なくとも1種の溶剤と、ポリイミド樹脂と、を含む最内層と、
ポリアミドイミド樹脂を含む最外層と、を有する
電子写真装置用無端ベルト。
ウレア系溶剤、アルコキシ基含有アミド系溶剤、及びエステル基含有アミド系溶剤よりなる溶剤群Aから選択された少なくとも1種の溶剤と、ポリイミド樹脂と、を含む最内層と、
ポリアミドイミド樹脂を含む最外層と、を有する
電子写真装置用無端ベルト。
請求項2に係る発明は、
ウレア系溶剤、アルコキシ基含有アミド系溶剤、及びエステル基含有アミド系溶剤よりなる溶剤群Aから選択された少なくとも1種の溶剤と、ポリイミド樹脂前駆体と、を含有する樹脂組成物の硬化物である最内層と、
溶剤と、ポリアミドイミド樹脂と、を含有する樹脂組成物の硬化物である最外層と、を有する
電子写真装置用無端ベルト。
ウレア系溶剤、アルコキシ基含有アミド系溶剤、及びエステル基含有アミド系溶剤よりなる溶剤群Aから選択された少なくとも1種の溶剤と、ポリイミド樹脂前駆体と、を含有する樹脂組成物の硬化物である最内層と、
溶剤と、ポリアミドイミド樹脂と、を含有する樹脂組成物の硬化物である最外層と、を有する
電子写真装置用無端ベルト。
請求項3に係る発明は、
前記溶剤群Aが、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、及び3−nブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドからなる溶剤群である請求項1又は請求項2に記載の電子写真装置用無端ベルト。
前記溶剤群Aが、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、及び3−nブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドからなる溶剤群である請求項1又は請求項2に記載の電子写真装置用無端ベルト。
請求項4に係る発明は、
前記溶剤群Aから選ばれる溶剤が、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである、請求項1又は請求項2記載の電子写真装置用無端ベルト。
前記溶剤群Aから選ばれる溶剤が、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである、請求項1又は請求項2記載の電子写真装置用無端ベルト。
請求項5に係る発明は、
前記最内層及び前記最外層が、導電性粒子を含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子写真装置用無端ベルト。
前記最内層及び前記最外層が、導電性粒子を含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子写真装置用無端ベルト。
請求項6に係る発明は、
前記導電性粒子が、カーボンブラックである、請求項5に記載の電子写真装置用無端ベルト。
前記導電性粒子が、カーボンブラックである、請求項5に記載の電子写真装置用無端ベルト。
請求項7に係る発明は、
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電子写真装置用無端ベルトを備える画像形成装置。
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電子写真装置用無端ベルトを備える画像形成装置。
請求項8に係る発明は、
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電子写真装置用無端ベルトと、前記電子写真装置用無端ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、を備える無端ベルトユニット。
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電子写真装置用無端ベルトと、前記電子写真装置用無端ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、を備える無端ベルトユニット。
請求項1に係る発明によれば、ポリイミド樹脂を含み、かつ、含まれる溶剤がNMPのみである単層の無端ベルト、又は、ポリアミドイミド樹脂を含み、かつ、含まれる溶剤がNMPのみである単層の無端ベルトに比して、外周面の変形の発生が抑制され、耐屈曲性に優れた無端ベルトが提供される。
請求項2に係る発明によれば、溶剤としてNMPのみを含み、かつ、ポリイミド樹脂前駆体を含む樹脂組成物の硬化物である単層の無端ベルト、又は、溶剤としてNMPのみを含み、かつ、ポリアミドイミド樹脂を含む樹脂組成物の硬化物である単層の無端ベルトに比して、外周面の変形の発生が抑制され、耐屈曲性に優れた無端ベルトが提供される。
請求項3又は請求項4に係る発明によれば、最内層に含まれる溶剤がNMPのみである場合に比して、外周面の変形の発生が抑制され、耐屈曲性に優れた無端ベルトが提供される。
請求項5に係る発明によれば、最内層及び最外層が導電性粒子を含まない場合に比して、導電性を有する無端ベルトが提供される。
請求項6に係る発明によれば、導電性粒子が金属粒子である場合に比して、付与される電気抵抗のムラが抑制される無端ベルトが提供される。
請求項7に係る発明によれば、ポリイミド樹脂を含み、かつ、含まれる溶剤がNMPのみである単層の無端ベルト、又は、ポリアミドイミド樹脂を含み、かつ、含まれる溶剤がNMPのみである単層の無端ベルトに比して、外周面の変形の発生が抑制され、耐屈曲性に優れた無端ベルトを備える画像形成装置が提供される。
請求項8に係る発明によれば、ポリイミド樹脂を含み、かつ、含まれる溶剤がNMPのみである単層の無端ベルト、又は、ポリアミドイミド樹脂を含み、かつ、含まれる溶剤がNMPのみである単層の無端ベルトに比して、外周面の変形の発生が抑制され、耐屈曲性に優れた無端ベルトを備える無端ベルトユニットが提供される。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
<電子写真装置用無端ベルト>
第一の実施形態に係る電子写真装置用無端ベルトは、ウレア系溶剤、アルコキシ基含有アミド系溶剤、及びエステル基含有アミド系溶剤よりなる溶剤群Aから選択された少なくとも1種の溶剤(以下、「特定溶剤」ともいう。)と、ポリイミド樹脂と、を含む最内層と、ポリアミドイミド樹脂を含む最外層と、を有する。
上記最内層は、例えば、特定溶剤と、ポリイミド樹脂前駆体と、を含有する樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。例えば、樹脂組成物中の、溶剤群Aから選択された少なくとも1種の溶剤の少なくとも一部を除去した後、加熱等により上記前駆体からポリイミド樹脂を形成することにより、硬化物が得られる。
上記最外層は、例えば、溶剤と、ポリアミドイミド樹脂と、を含有する樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。例えば、樹脂組成物中の、溶剤の少なくとも一部を除去することにより、硬化物が得られる。
上記最内層及び上記最外層のいずれの層においても、樹脂層中の溶剤は完全に除去されず、それぞれの樹脂組成物に含まれる溶剤を含有する最内層(ポリイミド樹脂層)又は最外層(ポリアミドイミド樹脂層)が得られる。
第一の実施形態に係る電子写真装置用無端ベルトは、ウレア系溶剤、アルコキシ基含有アミド系溶剤、及びエステル基含有アミド系溶剤よりなる溶剤群Aから選択された少なくとも1種の溶剤(以下、「特定溶剤」ともいう。)と、ポリイミド樹脂と、を含む最内層と、ポリアミドイミド樹脂を含む最外層と、を有する。
上記最内層は、例えば、特定溶剤と、ポリイミド樹脂前駆体と、を含有する樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。例えば、樹脂組成物中の、溶剤群Aから選択された少なくとも1種の溶剤の少なくとも一部を除去した後、加熱等により上記前駆体からポリイミド樹脂を形成することにより、硬化物が得られる。
上記最外層は、例えば、溶剤と、ポリアミドイミド樹脂と、を含有する樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。例えば、樹脂組成物中の、溶剤の少なくとも一部を除去することにより、硬化物が得られる。
上記最内層及び上記最外層のいずれの層においても、樹脂層中の溶剤は完全に除去されず、それぞれの樹脂組成物に含まれる溶剤を含有する最内層(ポリイミド樹脂層)又は最外層(ポリアミドイミド樹脂層)が得られる。
第二の実施形態に係る電子写真装置用無端ベルトは、ウレア系溶剤、アルコキシ基含有アミド系溶剤、及びエステル基含有アミド系溶剤よりなる溶剤群Aから選択された少なくとも1種の溶剤と、ポリイミド樹脂前駆体と、を含有する樹脂組成物(以下、「最内層用樹脂組成物」ともいう。)の硬化物である最内層と、溶剤と、ポリアミドイミド樹脂と、を含有する樹脂組成物(以下、「最外層用樹脂組成物」ともいう。)の硬化物である最外層と、を有する。
上記第一の実施形態又は第二の実施形態に係る発明によれば、ポリイミド樹脂を含み、かつ、含まれる溶剤がNMPのみである単層の無端ベルト、又は、ポリアミドイミド樹脂を含み、かつ、含まれる溶剤がNMPのみである単層の無端ベルトに比して、外周面の変形の発生が抑制され、耐屈曲性に優れた無端ベルトが提供される。
以下、「第一の実施形態又は第二の実施形態に係る無端ベルト」を、まとめて「本実施形態に係る無端ベルト」とも記載する。
上記効果が得られる詳細なメカニズムは不明であるが、下記のように推測される。
以下、「第一の実施形態又は第二の実施形態に係る無端ベルト」を、まとめて「本実施形態に係る無端ベルト」とも記載する。
上記効果が得られる詳細なメカニズムは不明であるが、下記のように推測される。
従来のポリイミド樹脂を含む単層の無端ベルトは、例えば、ポリイミド樹脂の前駆体を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解した塗布液(樹脂組成物)を用いて形成される。具体的には、例えば、上記塗布液を金型に塗布し、NMPの少なくとも一部を除去した後に、必要に応じて加熱することにより、塗布液の硬化物を含む樹脂層を有する無端ベルトが得られる。
しかし、このような溶剤としてNMPのみを含む塗布液を用いて製造された単層の無端ベルトは、耐屈曲性には優れているものの、駆動ローラ等との接触により無端ベルトの最内層の表面に傷が発生し、発生した傷により無端ベルトの最外層の表面が凹凸に変形する場合があった。
これは、樹脂とNMPとの間の水素結合性が小さいことにより、樹脂層中のポリイミド樹脂が樹脂層内で動きやすく、樹脂層の表面に傷が発生しやすいためであると推測される。
また、従来のポリアミドイミド樹脂を含む単層の無端ベルトは、上述のような最外層の表面の変形は起こりにくいものの、耐屈曲性が低く、曲げ荷重等の曲げ負荷に対して破断又は変形を生じる場合があった。これは、ポリアミドイミド樹脂自体の耐屈曲性が低いためであると推測される。
しかし、このような溶剤としてNMPのみを含む塗布液を用いて製造された単層の無端ベルトは、耐屈曲性には優れているものの、駆動ローラ等との接触により無端ベルトの最内層の表面に傷が発生し、発生した傷により無端ベルトの最外層の表面が凹凸に変形する場合があった。
これは、樹脂とNMPとの間の水素結合性が小さいことにより、樹脂層中のポリイミド樹脂が樹脂層内で動きやすく、樹脂層の表面に傷が発生しやすいためであると推測される。
また、従来のポリアミドイミド樹脂を含む単層の無端ベルトは、上述のような最外層の表面の変形は起こりにくいものの、耐屈曲性が低く、曲げ荷重等の曲げ負荷に対して破断又は変形を生じる場合があった。これは、ポリアミドイミド樹脂自体の耐屈曲性が低いためであると推測される。
これに対し、本実施形態に係る無端ベルトにおいては、上記構成により、無端ベルトの外周面の変形の発生が抑制され、耐屈曲性に優れる。
最内層が溶剤としてNMPよりも水素結合性が大きい溶剤である特定溶剤を含むことにより、ポリイミド樹脂が最内層内で動きにくくなり、駆動ローラ等との接触により無端ベルトの内周面の表面に傷が発生することが抑制されるため、外周面の変形の発生が抑制され、耐屈曲性に優れた無端ベルトが得られると推測される。
また、ポリアミドイミド樹脂よりも耐屈曲性に優れたポリイミド樹脂を最内層に有することにより、ポリイミド樹脂を単層で有する場合よりも、耐屈曲性に優れた無端ベルトが得られると推測される。
最内層が溶剤としてNMPよりも水素結合性が大きい溶剤である特定溶剤を含むことにより、ポリイミド樹脂が最内層内で動きにくくなり、駆動ローラ等との接触により無端ベルトの内周面の表面に傷が発生することが抑制されるため、外周面の変形の発生が抑制され、耐屈曲性に優れた無端ベルトが得られると推測される。
また、ポリアミドイミド樹脂よりも耐屈曲性に優れたポリイミド樹脂を最内層に有することにより、ポリイミド樹脂を単層で有する場合よりも、耐屈曲性に優れた無端ベルトが得られると推測される。
更に、上記のように傷が発生しやすいため、ポリイミド樹脂を含む単層の無端ベルトの製造において、樹脂組成物が含む溶剤としてNMPのみを使用した場合には、無端ベルトと用紙又は他部材との接触摩擦に起因する表面摩耗又は引っ掻き傷による転写不良又はクリーニング不良が発生する場合があった。
しかし、本実施形態に係る無端ベルトにおいては、クリーニング維持性に優れた無端ベルトが得られやすい。これは、ポリイミド樹脂と比べて硬度の高いポリアミドイミド樹脂を最外層に含むことにより、上述の無端ベルトと用紙又は他部材との接触摩擦に起因する表面摩耗又は引っ掻き傷の発生が抑制されるためであると推測される。
以下、まずは本実施形態に係る電子写真装置用無端ベルトにおける各成分について説明する
しかし、本実施形態に係る無端ベルトにおいては、クリーニング維持性に優れた無端ベルトが得られやすい。これは、ポリイミド樹脂と比べて硬度の高いポリアミドイミド樹脂を最外層に含むことにより、上述の無端ベルトと用紙又は他部材との接触摩擦に起因する表面摩耗又は引っ掻き傷の発生が抑制されるためであると推測される。
以下、まずは本実施形態に係る電子写真装置用無端ベルトにおける各成分について説明する
(最内層)
本実施形態に係る電子写真装置用無端ベルトが有する最内層は、ウレア系溶剤、アルコキシ基含有アミド系溶剤、及びエステル基含有アミド系溶剤よりなる溶剤群Aから選択された少なくとも1種の溶剤と、ポリイミド樹脂と、を含む。
本実施形態に係る電子写真装置用無端ベルトが有する最内層は、ウレア系溶剤、アルコキシ基含有アミド系溶剤、及びエステル基含有アミド系溶剤よりなる溶剤群Aから選択された少なくとも1種の溶剤と、ポリイミド樹脂と、を含む。
〔特定溶剤〕
特定溶剤は、ウレア系溶剤、アルコキシ基含有アミド系溶剤、及びエステル基含有アミド系溶剤よりなる溶剤群Aから選択された少なくとも1種の溶剤である。
本実施形態に係る無端ベルトは、最内層に含まれる特定溶剤の量が、最内層の全質量に対して0.05質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上1.0質量%以下であることがより好ましく、0.2質量%以上0.9質量%以下であることが更に好ましい。
なお、特定溶剤を複数種含有する場合、上記含有量は、特定溶剤の合計量である。
特定溶剤は、ウレア系溶剤、アルコキシ基含有アミド系溶剤、及びエステル基含有アミド系溶剤よりなる溶剤群Aから選択された少なくとも1種の溶剤である。
本実施形態に係る無端ベルトは、最内層に含まれる特定溶剤の量が、最内層の全質量に対して0.05質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上1.0質量%以下であることがより好ましく、0.2質量%以上0.9質量%以下であることが更に好ましい。
なお、特定溶剤を複数種含有する場合、上記含有量は、特定溶剤の合計量である。
ここで、本実施形態に係る無端ベルトを構成する最内層に含まれる特定溶剤の量を上記範囲に制御する方法としては、例えば、後述する無端ベルトの製造方法において、樹脂組成物の塗膜を乾燥した後の乾燥皮膜を加熱する条件(加熱温度および加熱時間)を調整することによって制御する方法が挙げられる。
無端ベルトを構成する樹脂層に含有する溶剤(残留溶剤)は、測定対象となる無端ベルトの最内層から測定用試料を採取し、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)などで測定される。具体的には、測定対象となる無端ベルトの樹脂層から測定用試料0.40mgを精確に秤量し、落下型の熱分解装置(フロンティアラボ社製:PY−2020D)を設置したガスクロマトグラフ質量分析計(島津製作所社製:GCMS QP−2010)により、下記の条件で測定を行う。
熱分解温度:400℃
ガスクロマト導入温度: 280℃
Inject方法: スプリット比1:50
カラム: フロンティアラボ社製 Ultra ALLOY−5 0.25μm、0.25μm ID、30m
ガスクロマト温度プログラム: 40℃⇒20℃/min⇒280℃−10min保持
マスレンジ: EI、m/z=29−600
ガスクロマト導入温度: 280℃
Inject方法: スプリット比1:50
カラム: フロンティアラボ社製 Ultra ALLOY−5 0.25μm、0.25μm ID、30m
ガスクロマト温度プログラム: 40℃⇒20℃/min⇒280℃−10min保持
マスレンジ: EI、m/z=29−600
以下、特定溶剤の詳細について説明する。
−ウレア系溶剤−
ウレア系溶剤とは、ウレア基(N−C(=O)−N)を有する溶剤である。具体的には、ウレア系溶剤は、「*−N(Ra1)−C(=O)−N(Ra2)−*」構造を有する溶剤がよい。ここで、Ra1、及びRa2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、フェニル基、又はフェニルアルキル基を示す。2つのN原子の両末端*は、それぞれ独立に、他の原子団との結合部位を示す。ウレア系溶剤は、2つのN原子の両末端*同士が、例えば、アルキレン、−O−、−C(=O)−、又はこれらの組み合わせからなる連結基を介して連結した環構造を有する溶剤であってもよい。
ウレア系溶剤とは、ウレア基(N−C(=O)−N)を有する溶剤である。具体的には、ウレア系溶剤は、「*−N(Ra1)−C(=O)−N(Ra2)−*」構造を有する溶剤がよい。ここで、Ra1、及びRa2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、フェニル基、又はフェニルアルキル基を示す。2つのN原子の両末端*は、それぞれ独立に、他の原子団との結合部位を示す。ウレア系溶剤は、2つのN原子の両末端*同士が、例えば、アルキレン、−O−、−C(=O)−、又はこれらの組み合わせからなる連結基を介して連結した環構造を有する溶剤であってもよい。
Ra1、及びRa2を示すアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。アルキル基の具体例としては、炭素数1以上6以下(好ましくは1以上4以下)のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基など)が挙げられる。
アルキル基の置換基としては、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ケトン基、エステル基、アルキルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
ケトン基の具体例としては、メチルカルボニル基(アセチル基)、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基などが挙げられる。エステル基の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、アセトキシ基などが挙げられる。アルキルカルボニルオキシ基の具体例としては、メチルカルボニルオキシ基(アセチルオキシ基)、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基などが挙げられる。
アルキル基の置換基としては、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ケトン基、エステル基、アルキルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
ケトン基の具体例としては、メチルカルボニル基(アセチル基)、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基などが挙げられる。エステル基の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、アセトキシ基などが挙げられる。アルキルカルボニルオキシ基の具体例としては、メチルカルボニルオキシ基(アセチルオキシ基)、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基などが挙げられる。
Ra1、及びRa2を示すフェニル基及びフェニルアルキル基のフェニル骨格には、置換基を有していてもよい。フェニル骨格の置換基としては、上記アルキル基の置換基と同じものが挙げられる。
なお、ウレア系溶剤が上記2つのN原子の両末端*が連結した環構造を有する場合、その環員数としては5または6がよい。
ウレア系溶剤としては、例えば、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素、1,3−ジフェニル尿素、1,3−ジシクロへキシル尿素、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、2−イミダゾリジノン、プロピレン尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素などが挙げられる。
これらの中でも、無端ベルトの外周面の変形の発生の抑制の観点から、ウレア系溶剤としては、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素が好ましく、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素がより好ましく、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが更に好ましい。
これらの中でも、無端ベルトの外周面の変形の発生の抑制の観点から、ウレア系溶剤としては、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素が好ましく、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素がより好ましく、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが更に好ましい。
−アルコキシ基含有アミド系溶剤、エステル基含有アミド系溶剤−
アルコキシ基含有アミド系溶剤は、アルコキシ基とアミド基とを有する溶剤である。一方、エステル基含有アミド系溶剤は、エステル基とアミド基とを有する溶剤である。アルコキシ基、エステル基としては、ウレア系溶剤で説明において、「Ra1、及びRa2を示すアルキル基の置換基」として例示したアルコキシ基、エステル基と同様な基が挙げられる。なお、アルコキシ基含有アミド系溶剤がエステル基を有していてもよいし、エステル基含有アミド系溶剤はアルコキシ基を有していてもよい。
アルコキシ基含有アミド系溶剤は、アルコキシ基とアミド基とを有する溶剤である。一方、エステル基含有アミド系溶剤は、エステル基とアミド基とを有する溶剤である。アルコキシ基、エステル基としては、ウレア系溶剤で説明において、「Ra1、及びRa2を示すアルキル基の置換基」として例示したアルコキシ基、エステル基と同様な基が挙げられる。なお、アルコキシ基含有アミド系溶剤がエステル基を有していてもよいし、エステル基含有アミド系溶剤はアルコキシ基を有していてもよい。
以下、アルコキシ基含有アミド系溶剤、及びエステル基含有アミド系溶剤の双方を「アルコキシ基又はエステル基含有アミド系溶剤」と称して説明する。
アルコキシ基又はエステル基含有アミド系溶剤としては、特に限定されないが、具体的には、下記一般式(Am1)で示されるアミド系溶剤、下記一般式(Am2)で示されるアミド系溶剤等が好適に挙げられる。
(一般式(Am1)中、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4、Rb5、及びRb6は、各々独立に、水素原子、又はアルキル基を示す。Rb7は、アルコキシ基、又はエステル基を示す。
Rb1乃至Rb6を示すアルキル基は、ウレア系溶剤の説明で記載した「Ra1、及びRa2を示すアルキル基」と同義である。
Rb7を示すアルコキシ基及びエステル基は、ウレア系溶剤の説明において、「Ra1、及びRa2を示すアルキル基の置換基」として例示したアルコキシ基、エステル基と同義である。
Rb1乃至Rb6を示すアルキル基は、ウレア系溶剤の説明で記載した「Ra1、及びRa2を示すアルキル基」と同義である。
Rb7を示すアルコキシ基及びエステル基は、ウレア系溶剤の説明において、「Ra1、及びRa2を示すアルキル基の置換基」として例示したアルコキシ基、エステル基と同義である。
以下、一般式(Am1)で示されるアミド系溶剤の具体例を示すが、これらに限られるわけではない。
なお、一般式(Am1)で示されるアミド系溶剤の具体例において、Me=メチル基、Et=エチル基、nPr=n−プロピル基、nBu=n−ブチル基である。
(一般式(Am2)中、Rc1、Rc2、Rc3、Rc4、Rc5、Rc6、Rc7、及びRc8は、各々独立に、水素原子、又はアルキル基を示す。Rc9は、アルコキシ基、又はエステル基を示す。
Rc1乃至Rc8を示すアルキル基は、ウレア系溶剤の説明で記載した「Ra1、及びRa2を示すアルキル基」と同義である。
Rc9を示すアルコキシ基及びエステル基は、ウレア系溶剤の説明において、「Ra1、及びRa2を示すアルキル基の置換基」として例示したアルコキシ基、エステル基と同義である。
Rc1乃至Rc8を示すアルキル基は、ウレア系溶剤の説明で記載した「Ra1、及びRa2を示すアルキル基」と同義である。
Rc9を示すアルコキシ基及びエステル基は、ウレア系溶剤の説明において、「Ra1、及びRa2を示すアルキル基の置換基」として例示したアルコキシ基、エステル基と同義である。
以下、一般式(Am2)で示されるアミド系溶剤の具体例を示すが、これに限られるわけではない。
なお、一般式(Am2)で示されるアミド系溶剤の具体例において、Me=メチル基、Et=エチル基、nPr=n−プロピル基である。
これらの中でも、無端ベルトの外周面の変形の発生の抑制の観点から、アルコキシ基又はエステル基含有アミド系溶剤としては、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(例示化合物B−4)、3−nブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(例示化合物B−7)、5−ジメチルアミノ−2−メチル−5−オキソ−ペンタン酸メチル(例示化合物C−3)が好ましく、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(例示化合物B−4)がより好ましい。
−特定溶剤の好ましい態様−
上記溶剤群Aは、無端ベルトの外周面の変形の発生の抑制の観点から、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、及び3−nブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドからなる溶剤群であることが好ましい。
これらの溶剤には、窒素原子が2つ以上有するか、又は、1つの窒素原子とアルコキシ基とを有し、かつ、窒素原子に結合したメチル基又はエチル基が合計2つ以上存在することにより、1分子中にアミド基の窒素原子を1つしか有さないN−メチル−2−ピロリドンに比べて、ポリイミド樹脂に対する水素結合性が高いと考えられる。そのため、これらの溶剤を使用した場合には、最内層に傷が発生しにくくなり、無端ベルトの変形がより抑制されると推測される。
また、無端ベルトの外周面の変形の発生の抑制の観点から、前記溶剤群Aから選ばれる溶剤が、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンであることが好ましい。1,3−ジメチルイミダゾリジノンは環状構造であり立体配座が安定しているため、例えば、非環状であるテトラエチル尿素等と比べて、樹脂との水素結合性がさらに高く、より好適な溶剤であると推測される。
上記溶剤群Aは、無端ベルトの外周面の変形の発生の抑制の観点から、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、及び3−nブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドからなる溶剤群であることが好ましい。
これらの溶剤には、窒素原子が2つ以上有するか、又は、1つの窒素原子とアルコキシ基とを有し、かつ、窒素原子に結合したメチル基又はエチル基が合計2つ以上存在することにより、1分子中にアミド基の窒素原子を1つしか有さないN−メチル−2−ピロリドンに比べて、ポリイミド樹脂に対する水素結合性が高いと考えられる。そのため、これらの溶剤を使用した場合には、最内層に傷が発生しにくくなり、無端ベルトの変形がより抑制されると推測される。
また、無端ベルトの外周面の変形の発生の抑制の観点から、前記溶剤群Aから選ばれる溶剤が、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンであることが好ましい。1,3−ジメチルイミダゾリジノンは環状構造であり立体配座が安定しているため、例えば、非環状であるテトラエチル尿素等と比べて、樹脂との水素結合性がさらに高く、より好適な溶剤であると推測される。
−特定溶剤の沸点−
特定溶剤(溶剤群Aの各溶剤)の沸点は、例えば、100℃以上350℃以下が好ましく、120℃以上300℃以下がより好ましく、150℃以上250℃以下が更に好ましい。
特定溶剤の沸点が100℃以上であると、樹脂層が含有する溶剤が、無端ベルトの使用中に低減していくことが抑制される。
一方、特定溶剤の沸点を350℃以下(特に250℃以下)にすると、無端ベルト作製後の最内層中に含有する特定溶剤の量が制御されやすくなる。
特定溶剤(溶剤群Aの各溶剤)の沸点は、例えば、100℃以上350℃以下が好ましく、120℃以上300℃以下がより好ましく、150℃以上250℃以下が更に好ましい。
特定溶剤の沸点が100℃以上であると、樹脂層が含有する溶剤が、無端ベルトの使用中に低減していくことが抑制される。
一方、特定溶剤の沸点を350℃以下(特に250℃以下)にすると、無端ベルト作製後の最内層中に含有する特定溶剤の量が制御されやすくなる。
−特定溶剤以外の有機溶剤−
最内層は、特定溶剤以外の有機溶剤を含有してもよい。特定溶剤以外の有機溶剤としては、特に制限はなく、公知の溶剤(例えば、特定溶剤以外の非プロトン性極性溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、炭化水素系溶剤など)が挙げられる。
特定溶剤以外の有機溶剤は、具体的には、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン、γ−ブチロラクトン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレンなどの等の特定溶剤以外の非プロトン性極性溶剤;アセトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸nブチル、酢酸nペンチル、乳酸エチルなどのエステル系溶剤;ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶剤などが挙げられる。
最内層は、特定溶剤以外の有機溶剤を含有してもよい。特定溶剤以外の有機溶剤としては、特に制限はなく、公知の溶剤(例えば、特定溶剤以外の非プロトン性極性溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、炭化水素系溶剤など)が挙げられる。
特定溶剤以外の有機溶剤は、具体的には、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン、γ−ブチロラクトン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレンなどの等の特定溶剤以外の非プロトン性極性溶剤;アセトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸nブチル、酢酸nペンチル、乳酸エチルなどのエステル系溶剤;ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶剤などが挙げられる。
〔ポリイミド樹脂〕
ポリイミド樹脂としては、特に制限なく公知のポリイミド樹脂を使用することが可能であるが、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン化合物との縮合物であるポリアミック酸樹脂を、イミド化反応(脱水閉環反応)させることにより得られたポリイミド樹脂が好適に挙げられる。
上記テトラカルボン酸二無水物における酸無水物基は、アルコール化合物等との反応によりハーフエステル化していてもよい。
具体的には、ポリイミド樹脂は、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを1:1のモル比で混合し、有機極性溶剤中で重合反応した後、ポリアミック酸をイミド化反応させて得られたポリイミド樹脂が挙げられる。
なお、後述する最内層用樹脂組成物は、ポリイミド樹脂の前駆体であるイミド化反応前のポリアミック酸を含有し、金型等に樹脂組成物を塗布した後に、ポリアミック酸をイミド化反応して、ポリイミド樹脂を形成する。
ポリイミド樹脂としては、特に制限なく公知のポリイミド樹脂を使用することが可能であるが、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン化合物との縮合物であるポリアミック酸樹脂を、イミド化反応(脱水閉環反応)させることにより得られたポリイミド樹脂が好適に挙げられる。
上記テトラカルボン酸二無水物における酸無水物基は、アルコール化合物等との反応によりハーフエステル化していてもよい。
具体的には、ポリイミド樹脂は、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを1:1のモル比で混合し、有機極性溶剤中で重合反応した後、ポリアミック酸をイミド化反応させて得られたポリイミド樹脂が挙げられる。
なお、後述する最内層用樹脂組成物は、ポリイミド樹脂の前駆体であるイミド化反応前のポリアミック酸を含有し、金型等に樹脂組成物を塗布した後に、ポリアミック酸をイミド化反応して、ポリイミド樹脂を形成する。
−ポリアミック酸の製造方法−
ポリアミック酸の製造方法は特に限定されるものではない。例えば、特定溶剤を含有する溶剤中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを重合してポリアミック酸を得る方法が挙げられる。
ポリアミック酸の製造方法は特に限定されるものではない。例えば、特定溶剤を含有する溶剤中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを重合してポリアミック酸を得る方法が挙げられる。
ポリアミック酸の重合反応時の反応温度は、例えば、0℃以上70℃以下であることがよく、好ましくは10℃以上60℃以下、より好ましくは20℃以上55℃以下である。この反応温度を0℃以上とすることで、重合反応の進行を促進し、反応に要する時間が短時間化され、生産性が向上し易くなる。一方、反応温度を70℃以下とすると、生成したポリアミック酸の分子内で生じるイミド化反応の進行が抑制され、ポリアミック酸の溶解性低下に伴う析出、又はゲル化が抑制され易くなる。
なお、ポリアミック酸の重合反応時の時間は、反応温度により1時間以上24時間以下の範囲とすることがよい。
なお、ポリアミック酸の重合反応時の時間は、反応温度により1時間以上24時間以下の範囲とすることがよい。
−テトラカルボン酸二無水物−
テトラカルボン酸二無水物としては、特に制限はなく、芳香族系、脂肪族系いずれの化合物が挙げられる。
芳香族系テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物等を挙げられる。
テトラカルボン酸二無水物としては、特に制限はなく、芳香族系、脂肪族系いずれの化合物が挙げられる。
芳香族系テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物等を挙げられる。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族又は脂環式テトラカルボン酸二無水物;1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン等の芳香環を有する脂肪族テトラカルボン酸二無水物等を挙げられる。
テトラカルボン酸二無水物としては、芳香族系テトラカルボン酸二無水物が望ましく、さらに、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、が最も望ましい。
これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独で又は2種以上組み合わせて用いる。
テトラカルボン酸二無水物としては、芳香族系テトラカルボン酸二無水物が望ましく、さらに、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、が最も望ましい。
これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独で又は2種以上組み合わせて用いる。
−ジアミン化合物−
ジアミン化合物は、分子構造中に2つのアミノ基を有するジアミン化合物であれば特に限定されない。
ジアミン化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノ−3’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,5−ジアミノ−4’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,7−ジアミノフルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジアミン;ジアミノテトラフェニルチオフェン等の芳香環に結合された2個のアミノ基と当該アミノ基の窒素原子以外のヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソフォロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミン及び脂環式ジアミン等を挙げられる。
ジアミン化合物は、分子構造中に2つのアミノ基を有するジアミン化合物であれば特に限定されない。
ジアミン化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノ−3’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,5−ジアミノ−4’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,7−ジアミノフルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジアミン;ジアミノテトラフェニルチオフェン等の芳香環に結合された2個のアミノ基と当該アミノ基の窒素原子以外のヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソフォロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミン及び脂環式ジアミン等を挙げられる。
ジアミン化合物としては、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、が望ましい。
これらのジアミン化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて用いる。
ポリイミド樹脂の数平均分子量は、10000以上45000以下とすることが好ましい。数平均分子量が10000以上であると、成膜性が良好となる。また、45000以下であると、導電性粒子の分散性、無端ベルトとしての成形性、厚み精度等が向上し得る。
なお、ポリイミド樹脂の数平均分子量は、樹脂合成時にサンプリングして、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリエチレンの検量線を用いて測定し、目的の数平均分子量になるまで合成を継続することにより上記範囲に制御される。
これらのジアミン化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて用いる。
ポリイミド樹脂の数平均分子量は、10000以上45000以下とすることが好ましい。数平均分子量が10000以上であると、成膜性が良好となる。また、45000以下であると、導電性粒子の分散性、無端ベルトとしての成形性、厚み精度等が向上し得る。
なお、ポリイミド樹脂の数平均分子量は、樹脂合成時にサンプリングして、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリエチレンの検量線を用いて測定し、目的の数平均分子量になるまで合成を継続することにより上記範囲に制御される。
〔導電性粒子〕
本実施形態に係る無端ベルトの最内層は、必要に応じて、導電性付与のために添加される導電性粒子を含んでいてもよい。導電性粒子としては、導電性(例えば体積抵抗率107Ω・cm未満、以下同様である)もしくは半導電性(例えば体積抵抗率107Ω・cm以上1013Ω・cm以下、以下同様である)のものが挙げられ、使用目的により選択される。
導電性粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、金属、金属酸化物、導電性高分子、カーボンブラック等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用しても良い。2種以上を組み合わせて用いる場合には、単に混合しても良いし、固溶体や融着の形にしても良い。
なお、導電性粒子の平均粒径としては、0.3μm以下(好ましくは0.1μm以下)であることがよい。平均粒径が過度に大きいと、分散不良を生じ、画像欠陥を生じる場合がある。
本実施形態に係る無端ベルトの最内層は、必要に応じて、導電性付与のために添加される導電性粒子を含んでいてもよい。導電性粒子としては、導電性(例えば体積抵抗率107Ω・cm未満、以下同様である)もしくは半導電性(例えば体積抵抗率107Ω・cm以上1013Ω・cm以下、以下同様である)のものが挙げられ、使用目的により選択される。
導電性粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、金属、金属酸化物、導電性高分子、カーボンブラック等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用しても良い。2種以上を組み合わせて用いる場合には、単に混合しても良いし、固溶体や融着の形にしても良い。
なお、導電性粒子の平均粒径としては、0.3μm以下(好ましくは0.1μm以下)であることがよい。平均粒径が過度に大きいと、分散不良を生じ、画像欠陥を生じる場合がある。
また、上記金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀及びステンレス等、またはこれらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したもの等が挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズおよびアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等が挙げられる。更に、導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリチオフェン等が挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズおよびアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等が挙げられる。更に、導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリチオフェン等が挙げられる。
これらの中でも、ポリイミド樹脂に対する分散性に優れ、より安定した貯蔵安定性(例えば3日以上の放置でも安定した分散状態を保つ)が得られ、しかも、付与される電気抵抗のムラが抑制され得る等の理由から、カーボンブラックが好ましく用いられる。
カーボンブラックとしては市販品を用いてもよい。例えば、具体的には、ファーネスブラックとしては、オリオンエンジニアドカーボンズ社製の「SpecialBlack550」、「SpecialBlack350」、「SpecialBlack250」、「SpecialBlack100」、「Printex35」、「Printex25」;三菱化学社製の「MA7」、「MA77」、「MA8」、「MA11」、「MA100」、「MA100R」、「MA220」、「MA230」;キャボット社製の「MONARCH1300」、「MONARCH1100」、「MONARCH1000」、「MONARCH900」、「MONARCH880」、「MONARCH800」、「MONARCH700」、「MOGULL」、「REGAL400R」、「VULCANXC−72R」等が挙げられる。
また、チャンネルブラックとしては、オリオンエンジニアドカーボンズ社製の「ColorBlackFW200」、「ColorBlackFW2」、「ColorBlackFW2V」、「ColorBlackFW1」、「ColorBlackFW18」、「SpecialBlack6」、「ColorBlackS170」、「ColorBlackS160」、「SpecialBlack5」、「SpecialBlack4」、「SpecialBlack4A」、「Printex150T」、「PrintexU」、「PrintexV」、「Printex140U」、「Printex140V」等が挙げられる。これらのカーボンブラックは1種単独、又は2種以上を併用してもよい。
また、チャンネルブラックとしては、オリオンエンジニアドカーボンズ社製の「ColorBlackFW200」、「ColorBlackFW2」、「ColorBlackFW2V」、「ColorBlackFW1」、「ColorBlackFW18」、「SpecialBlack6」、「ColorBlackS170」、「ColorBlackS160」、「SpecialBlack5」、「SpecialBlack4」、「SpecialBlack4A」、「Printex150T」、「PrintexU」、「PrintexV」、「Printex140U」、「Printex140V」等が挙げられる。これらのカーボンブラックは1種単独、又は2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックとしては、本実施形態の無端ベルトにおける表面抵抗率の常用対数値の差をより低くし得る点で、酸化処理されたカーボンブラックであることが好ましい。
ここで、酸化処理されたカーボンブラックのpH値としては、pH5.0以下であることが好ましく、pH4.5以下であることがより好ましく、pH4.0以下であることが更に好ましい。pH5.0以下の酸化処理カーボンは、表面にカルボキシル基、水酸基、キノン基、ラクトン基などの酸素含有官能基があるので、樹脂中への分散性がよく、良好な分散安定性が得られ、半導電性ベルトの抵抗バラツキを小さくすることができるとともに、電界依存性も小さくなり、転写電圧による電界集中が発生し難くなる。
ここで、酸化処理されたカーボンブラックのpH値としては、pH5.0以下であることが好ましく、pH4.5以下であることがより好ましく、pH4.0以下であることが更に好ましい。pH5.0以下の酸化処理カーボンは、表面にカルボキシル基、水酸基、キノン基、ラクトン基などの酸素含有官能基があるので、樹脂中への分散性がよく、良好な分散安定性が得られ、半導電性ベルトの抵抗バラツキを小さくすることができるとともに、電界依存性も小さくなり、転写電圧による電界集中が発生し難くなる。
カーボンブラックを2種以上用いる場合、それらは実質的に、互いに導電性の異なるものが好ましい。そのようなカーボンブラックについては、例えば酸化処理の度合い、DBP吸油量、窒素吸着を利用したBET法による比表面積等の物性が異なるものを用いることができる。2種類以上の導電粉を含有させることによって混合性や分散性を高められる効果が得られやすい。
ここで、導電性の異なる2種類以上の導電粉を添加する場合には、例えば、高い導電性を発現する導電粉を優先的に添加した後、導電率の低い導電粉を添加して表面抵抗率を調整してもよい。
ここで、導電性の異なる2種類以上の導電粉を添加する場合には、例えば、高い導電性を発現する導電粉を優先的に添加した後、導電率の低い導電粉を添加して表面抵抗率を調整してもよい。
また、使用するカーボンブラックを精製してもよい。精製とは、製造工程で混入した不純物、例えば残余の酸化剤、処理剤や副生成物等の不純物、その他の無機不純物や有機不純物を除去することである。
精製を行う方法としては、例えば、不活性ガス又は真空中で500℃以上1000℃以下程度にする高温加熱処理、二硫化炭素又はトルエン等の有機溶媒処理、水スラリーのミキシング(撹拌)又は有機酸水溶液中のミキシング処理等の各処理によって不純物を除去する方法を採用し得る。粉体の加熱処理は、製造工程上の取り扱い点、エネルギーの消費が大きい点から、有機溶媒による処理又は水を主体とした処理が精製方法として好ましい。精製方法は、特に、水を主体とした処理が好ましい。なお、精製に用いる水は、特に不純物が混入することを抑制するため、例えば、イオン交換水、超純水、蒸留水、及び限外濾過水を使用することが好ましい。
精製を行う方法としては、例えば、不活性ガス又は真空中で500℃以上1000℃以下程度にする高温加熱処理、二硫化炭素又はトルエン等の有機溶媒処理、水スラリーのミキシング(撹拌)又は有機酸水溶液中のミキシング処理等の各処理によって不純物を除去する方法を採用し得る。粉体の加熱処理は、製造工程上の取り扱い点、エネルギーの消費が大きい点から、有機溶媒による処理又は水を主体とした処理が精製方法として好ましい。精製方法は、特に、水を主体とした処理が好ましい。なお、精製に用いる水は、特に不純物が混入することを抑制するため、例えば、イオン交換水、超純水、蒸留水、及び限外濾過水を使用することが好ましい。
また、本実施形態に係る無端ベルトにおいて、ポリイミド樹脂に半導電性を付与する観点から、各種ポリマーをグラフトしたカーボンブラックを用いてもよい。カーボンブラックは、カーボンブラック表面の官能基と反応し得る反応性基を有し、カーボンブラック表面との親和性が良好なセグメントと、その他のセグメントとを有する共重合体をグラフトしたカーボンブラックが好ましい。このようなグラフト化カーボンブラックについては、例えば、特開平10−120935号公報に詳細が記載されている。また、カーボンブラックを均一に混合・分散する観点より、親水性ポリマーをグラフトしたカーボンブラックが好ましい。当該親水性ポリマーとしては、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(N,N’−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(N−ビニルホルムアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルフタルアミド)、ポリ(N−ビニルコハク酸アミド)、ポリ(N−ビニル尿素)、ポリ(N−ビニルピペリドン)、ポリ(N−ビニルカプロラクタム)、ポリ(N−ビニルオキサゾリドン)等が挙げられる。また、当該カーボンブラックとしては、親水性ポリマーをカーボンブラックにグラフトする際、カーボンブラック表面との親和性が良好なセグメントを介在させたもの(ブロック共重合体等)でもよい。
上記カーボンブラックの含有量としては、樹脂固形分に対して10質量%以上30質量%以下(好ましくは18質量%以上30質量%以下)であることがよい。含有量がこの範囲であると、予め定められた表面抵抗率が得られ易く、半導電性ベルトの表面抵抗率の面内バラツキを抑制し得る。特に、カーボンブラックを18質量%以上30質量%以下の範囲で含有させることにより、表面抵抗率の面内ムラや電界依存性をより向上させ得る。
本実施形態の無端ベルトの最内層は、ポリイミド樹脂中の導電性粒子の分散性を向上させる点で、必要に応じて、高分子分散剤を含んでいてもよい。高分子分散剤としては、導電性粒子をポリイミド樹脂中により良好に分散させる観点から、分子構造中に窒素原子を有する高分子分散剤が好適である。この高分子分散剤としては、具体的には、例えば、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(N,N’−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(N−ビニルホルムアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルフタルアミド)、ポリ(N−ビニルコハク酸アミド)、ポリ(N−ビニル尿素)、ポリ(N−ビニルピペリドン)、ポリ(N−ビニルカプロラクタム)、ポリ(N−ビニルオキサゾリドン)等を挙げることができ、中でも、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(N,N’−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルピペリドン)が挙げられる。これらの高分子分散剤は、1種単独、又は2種以上を併用してもよい。
高分子分散剤の配合量としては、導電性粒子の分散性等の点で、導電性粒子10質量部に対し、0.01質量部以上3.0質量部以下(好ましくは0.05質量部以上2質量部以下)であることがよい。
〔その他の添加剤〕
本実施形態に係る無端ベルトを構成する最内層には、機械強度などの各種機能を付与することを目的として、各種フィラーなどを含んでもよい。また、イミド化反応促進のための触媒、製膜品質向上のためのレベリング材などを含んでもよい。
本実施形態に係る無端ベルトを構成する最内層には、機械強度などの各種機能を付与することを目的として、各種フィラーなどを含んでもよい。また、イミド化反応促進のための触媒、製膜品質向上のためのレベリング材などを含んでもよい。
機械強度向上のため添加されるフィラーとしては、シリカ粉、アルミナ粉、硫酸バリウム粉、酸化チタン粉、マイカ、タルクなどの粒子状材料が挙げられる。また、ポリイミド樹脂層の表面の撥水性、離型性改善のためには、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などのフッ素樹脂粉末などを添加してもよい。
(最外層)
本実施形態に係る電子写真装置用無端ベルトが有する最外層は、ポリアミドイミド樹脂を含む。
本実施形態に係る電子写真装置用無端ベルトが有する最外層は、ポリアミドイミド樹脂を含む。
〔ポリアミドイミド樹脂〕
ポリアミドイミド樹脂としては、特に制限なく公知のポリアミドイミド樹脂を使用することが可能であるが、ポリアミドイミド樹脂を得るための原料としては、一般に酸無水物基を有する3価のカルボン酸成分(トリカルボン酸成分)と、ジイソシアネート又はジアミンとの縮合物が好ましい。トリカルボン酸成分における酸無水物基は、アルコール化合物等との反応により、ハーフエステル化していてもよい。
ポリアミドイミド樹脂としては、特に制限なく公知のポリアミドイミド樹脂を使用することが可能であるが、ポリアミドイミド樹脂を得るための原料としては、一般に酸無水物基を有する3価のカルボン酸成分(トリカルボン酸成分)と、ジイソシアネート又はジアミンとの縮合物が好ましい。トリカルボン酸成分における酸無水物基は、アルコール化合物等との反応により、ハーフエステル化していてもよい。
ポリアミドイミド樹脂を得るための原料としては、一般に酸無水物基を有する3価のカルボン酸成分(トリカルボン酸成分)と、ジイソシアネート又はジアミンが使用される。3価のカルボン酸成分としては、屈曲性、貯蔵安定性およびコストの点でトリメリット酸無水物が好ましい。また、該トリメリット酸無水物と、その他のイソシアネート基又はアミノ基と反応する酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体が併用される。好ましい構造としては、以下の式(1)で表されるものが挙げられる。
式(1)中、Rは水素、炭素数1以上10以下のアルキル基、フェニル基を示し、Xは−CH2−、−CO−、−SO2−、又は、−O−を示す。
また、これらの他に、必要に応じて、テトラカルボン酸二無水物(ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、4,4'−スルホニルジフタル酸二無水物、m−ターフェニル−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物、4,4'−オキシジフタル酸二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス[4−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス[4−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ−[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等)、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、ダイマー酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、オキシジ安息香酸等)などが併用される。
ジイソシアネートとしては、3,3'−ジメチルビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジメチルビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、ビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、ビフェニル−3,3'−ジイソシアネート、ビフェニル−3,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジエチルビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジエチルビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジメトキシビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジメトキシビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート等を使用することができる。また、ジアミンとしては、前記ジイソシアネートと同様の構造を有し、イソシアナト基の代わりにアミノ基が置換した化合物が使用される。
なお、これらの複数のジイソシアネートを併用すると、画像形成時の濃度ムラ低減の観点から好適である。
なお、これらの複数のジイソシアネートを併用すると、画像形成時の濃度ムラ低減の観点から好適である。
上記原料を用いてポリアミドイミド樹脂を形成する(重合反応を行う)際に用いる溶剤としては、特定溶剤又はNMPを含む溶剤を用いることがよい。特定溶剤又はNMPを含む溶剤とは、例えば、特定溶剤のみの溶剤、NMPのみの溶剤、特定溶剤又はNMPと特定溶剤以外の有機溶剤とを含む溶剤が挙げられる。
特定溶剤又はNMP以外の有機溶剤を用いる場合、特定溶剤又はNMPと特定溶剤以外の有機溶剤との比率に制限はないが、特定溶剤又はNMPの比率を、30質量%以上(好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上)とすることがよい。特定溶剤又はNMPの比率をこの範囲とすることで、最外層に含む溶剤の含有量を制御し易くなる。
なお、特定溶剤、及び特定溶剤以外の有機溶剤の詳細については、後述する。
特定溶剤又はNMP以外の有機溶剤を用いる場合、特定溶剤又はNMPと特定溶剤以外の有機溶剤との比率に制限はないが、特定溶剤又はNMPの比率を、30質量%以上(好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上)とすることがよい。特定溶剤又はNMPの比率をこの範囲とすることで、最外層に含む溶剤の含有量を制御し易くなる。
なお、特定溶剤、及び特定溶剤以外の有機溶剤の詳細については、後述する。
ジイソシアネート又はジアミンと、トリカルボン酸成分との配合割合としては、酸成分のカルボキシ基及び酸無水物基の総数に対するイソシアネート基又はアミノ基の総数比として、例えば、0.6以上1.4以下(好ましくは0.7以上1.3以下、より好ましくは0.8以上1.2以下)であることがよい。
ポリアミドイミド樹脂を形成する方法としては、例えば次の製造法が挙げられる。
(1)ジイソシアネートを用いる場合、ジイソシアネート成分とトリカルボン酸成分とを一度に使用し、反応させてポリアミドイミド樹脂を得る方法。
(2)ジイソシアネート成分の過剰量と酸成分を反応させて末端にイソシアネート基を有するアミドイミドオリゴマーを合成した後、トリカルボン酸成分を追加し反応させてポリアミドイミド樹脂を得る方法。
(3)トリカルボン酸成分の過剰量とイソシアネート成分を反応させて末端にカルボン酸又は酸無水物基を有するアミドイミドオリゴマーを合成した後、該酸成分とジイソシアネート成分を追加し反応させてポリアミドイミド樹脂を得る方法。
(1)ジイソシアネートを用いる場合、ジイソシアネート成分とトリカルボン酸成分とを一度に使用し、反応させてポリアミドイミド樹脂を得る方法。
(2)ジイソシアネート成分の過剰量と酸成分を反応させて末端にイソシアネート基を有するアミドイミドオリゴマーを合成した後、トリカルボン酸成分を追加し反応させてポリアミドイミド樹脂を得る方法。
(3)トリカルボン酸成分の過剰量とイソシアネート成分を反応させて末端にカルボン酸又は酸無水物基を有するアミドイミドオリゴマーを合成した後、該酸成分とジイソシアネート成分を追加し反応させてポリアミドイミド樹脂を得る方法。
ジアミンを用いる場合も、上記に示したジイソシアネートを用いた場合と同様の製造法で得ることができ、その他にジアミンと、酸成分として三塩基酸無水物モノクロライドを低温で数時間反応させることにより得られる。
このようにして得られたポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は、10000以上45000以下とすることが好ましい。数平均分子量が10000以上であると、成膜性が良好となる。また、45000以下であると、導電性粒子の分散性、無端ベルトとしての成形性、厚み精度等が向上し得る。
なお、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は、樹脂合成時にサンプリングして、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリエチレンの検量線を用いて測定し、目的の数平均分子量になるまで合成を継続することにより上記範囲に制御される。
なお、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は、樹脂合成時にサンプリングして、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリエチレンの検量線を用いて測定し、目的の数平均分子量になるまで合成を継続することにより上記範囲に制御される。
〔溶剤〕
本実施形態に係る最外層は、溶剤を含有することが好ましい。
溶剤としては、上述の特定溶剤、及び、上述の特定溶剤以外の有機溶剤が挙げられ、特定溶剤及びNMPよりなる群から選ばれた少なくとも1種の溶剤であることが好ましい。
最外層における溶剤の含有量は、最外層の全質量に対して0.05質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上1.0質量%以下であることがより好ましく、0.2質量%以上0.9質量%以下であることが更に好ましい。
なお、溶剤を複数種含有する場合、上記含有量は、溶剤の合計量である。
本実施形態に係る最外層は、溶剤を含有することが好ましい。
溶剤としては、上述の特定溶剤、及び、上述の特定溶剤以外の有機溶剤が挙げられ、特定溶剤及びNMPよりなる群から選ばれた少なくとも1種の溶剤であることが好ましい。
最外層における溶剤の含有量は、最外層の全質量に対して0.05質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上1.0質量%以下であることがより好ましく、0.2質量%以上0.9質量%以下であることが更に好ましい。
なお、溶剤を複数種含有する場合、上記含有量は、溶剤の合計量である。
〔導電性粒子〕
本実施形態に係る無端ベルトの最外層は、必要に応じて、導電性付与のために添加される導電性粒子を含んでいてもよい。
最内層が導電性粒子を含む場合、最外層も導電性粒子を含むことが好ましく、最内層と最外層が同じ種類の導電性粒子を含むことがより好ましい。
最外層が導電性粒子としてカーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量としては、樹脂固形分に対して10質量%以上30質量%以下(好ましくは18質量%以上30質量%以下)であることがよい。含有量がこの範囲であると、予め定められた表面抵抗率が得られ易く、半導電性ベルトの表面抵抗率の面内バラツキを抑制し得る。特に、カーボンブラックを18質量%以上30質量%以下の範囲で含有させることにより、表面抵抗率の面内ムラや電界依存性をより向上させ得る。
本実施形態に係る無端ベルトの最外層は、必要に応じて、導電性付与のために添加される導電性粒子を含んでいてもよい。
最内層が導電性粒子を含む場合、最外層も導電性粒子を含むことが好ましく、最内層と最外層が同じ種類の導電性粒子を含むことがより好ましい。
最外層が導電性粒子としてカーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量としては、樹脂固形分に対して10質量%以上30質量%以下(好ましくは18質量%以上30質量%以下)であることがよい。含有量がこの範囲であると、予め定められた表面抵抗率が得られ易く、半導電性ベルトの表面抵抗率の面内バラツキを抑制し得る。特に、カーボンブラックを18質量%以上30質量%以下の範囲で含有させることにより、表面抵抗率の面内ムラや電界依存性をより向上させ得る。
本実施形態に係る無端ベルトを構成する最外層は、上述のその他の添加剤等を更に含んでもよい。
(その他の層)
本実施形態に係る無端ベルトは、最外層と最内層の間に、更にその他の層を有していてもよいが、その他の層を有しないことが好ましい。
本実施形態に係る無端ベルトは、最外層と最内層の間に、更にその他の層を有していてもよいが、その他の層を有しないことが好ましい。
(樹脂組成物)
第一の実施形態における最内層の形成に用いられる樹脂組成物、及び、第二の実施形態に係る最内層用樹脂組成物は、特定溶剤と、ポリイミド樹脂前駆体とを含有し、導電性粒子を更に含有することが好ましい。
上記樹脂組成物又は最内層用樹脂組成物は、特定溶剤を、樹脂組成物の全質量に対し、50質量%以上95質量%以下含むことが好ましく、75質量%以上85質量%以下含むことがより好ましい。
上記樹脂組成物に含まれる、特定溶剤、ポリイミド樹脂前駆体、及び、導電性粒子は、上述の本実施形態に係る最内層における特定溶剤、ポリイミド樹脂前駆体、及び、導電性粒子と同義であり、好ましい態様も同様である。
また、上記樹脂組成物は、上述の最内層に含まれるその他の添加剤を更に含有してもよい。
第一の実施形態における最内層の形成に用いられる樹脂組成物、及び、第二の実施形態に係る最内層用樹脂組成物は、特定溶剤と、ポリイミド樹脂前駆体とを含有し、導電性粒子を更に含有することが好ましい。
上記樹脂組成物又は最内層用樹脂組成物は、特定溶剤を、樹脂組成物の全質量に対し、50質量%以上95質量%以下含むことが好ましく、75質量%以上85質量%以下含むことがより好ましい。
上記樹脂組成物に含まれる、特定溶剤、ポリイミド樹脂前駆体、及び、導電性粒子は、上述の本実施形態に係る最内層における特定溶剤、ポリイミド樹脂前駆体、及び、導電性粒子と同義であり、好ましい態様も同様である。
また、上記樹脂組成物は、上述の最内層に含まれるその他の添加剤を更に含有してもよい。
第一の実施形態における最外層の形成に用いられる樹脂組成物、及び、第二の実施形態に係る最外層用樹脂組成物は、ポリアミドイミド樹脂を含み、溶剤を更に含むことが好ましく、溶剤及び導電性粒子を更に含むことがより好ましい。
上記樹脂組成物又は最外層用樹脂組成物は、溶剤を、樹脂組成物の全質量に対し、50質量%以上95質量%以下含むことが好ましく、75質量%以上85質量%以下含むことがより好ましい。
上記樹脂組成物に含まれる、溶剤、ポリアミドイミド樹脂、及び、導電性粒子は、上述の本実施形態に係る最外層における溶剤、ポリアミドイミド樹脂前駆体、及び、導電性粒子と同義であり、好ましい態様も同様である。
また、上記樹脂組成物は、上述の最外層に含まれるその他の添加剤を更に含有してもよい。
上記樹脂組成物又は最外層用樹脂組成物は、溶剤を、樹脂組成物の全質量に対し、50質量%以上95質量%以下含むことが好ましく、75質量%以上85質量%以下含むことがより好ましい。
上記樹脂組成物に含まれる、溶剤、ポリアミドイミド樹脂、及び、導電性粒子は、上述の本実施形態に係る最外層における溶剤、ポリアミドイミド樹脂前駆体、及び、導電性粒子と同義であり、好ましい態様も同様である。
また、上記樹脂組成物は、上述の最外層に含まれるその他の添加剤を更に含有してもよい。
(無端ベルトの特性)
〔厚み〕
本実施形態に係る無端ベルトの最内層は、無端ベルトのクリーニング維持性及び耐屈曲性の向上の観点から、厚みが0.001mm以上0.3mm以下であることが好ましく、0.002mm以上0.2mm以下であることがより好ましく、0.003mm以上0.1mm以下であることが更に好ましい。
本実施形態に係る無端ベルトの最外層は、無端ベルトのクリーニング維持性及び屈曲体制の観点から、厚みが0.001mm以上0.3mm以下であることが好ましく、0.002mm以上0.2mm以下であることがより好ましく、0.003mm以上0.1mm以下であることが更に好ましい。
また、本実施形態に係る無端ベルトは、総厚みが0.05mm以上0.5mm以下であることが好ましく、0.06mm以上0.30mm以下であることがより好ましく、0.06mm以上0.15mm以下であることが更に好ましい。
ベルトの総厚みが0.05mm以上0.5mm以下の範囲であると、無端ベルトとしての機械的強度を確保し、かつ、ロール屈曲部での変形によって、ベルト表面の応力が集中することによるひび割れの発生が抑制され得る。
〔厚み〕
本実施形態に係る無端ベルトの最内層は、無端ベルトのクリーニング維持性及び耐屈曲性の向上の観点から、厚みが0.001mm以上0.3mm以下であることが好ましく、0.002mm以上0.2mm以下であることがより好ましく、0.003mm以上0.1mm以下であることが更に好ましい。
本実施形態に係る無端ベルトの最外層は、無端ベルトのクリーニング維持性及び屈曲体制の観点から、厚みが0.001mm以上0.3mm以下であることが好ましく、0.002mm以上0.2mm以下であることがより好ましく、0.003mm以上0.1mm以下であることが更に好ましい。
また、本実施形態に係る無端ベルトは、総厚みが0.05mm以上0.5mm以下であることが好ましく、0.06mm以上0.30mm以下であることがより好ましく、0.06mm以上0.15mm以下であることが更に好ましい。
ベルトの総厚みが0.05mm以上0.5mm以下の範囲であると、無端ベルトとしての機械的強度を確保し、かつ、ロール屈曲部での変形によって、ベルト表面の応力が集中することによるひび割れの発生が抑制され得る。
次に、本実施形態に係る無端ベルトを、中間転写ベルトに適用した場合の各種物性の好適な範囲、及びその測定方法について述べる。
〔表面抵抗率〕
一般に、設計自由度の大きいベルト形状の中間転写体を用い、感光体と一次転写ロールとをオフセットさせて配置することで、一次転写時の感光体表面電位への影響を少なくすることができる。特に高速印刷を行なう画像形成装置では、短時間の電場印加となり、ベルト抵抗の立ちあがりの差が強調されて画質上の濃度ムラになる場合がある。そして、このときの電気抵抗は、表面抵抗と関係がある。
中間転写ベルトにおいては、ベルト表面抵抗率の立ちあがりを小さくする、つまり電圧印加の10sec後の表面抵抗率の常用対数値と30msec後の表面抵抗率の常用対数値との差(以下、「表面抵抗率の常用対数値差」という場合がある。)として、絶対値で1.0(LogΩ/□)以下(好ましくは、0.7(LogΩ/□)以下、より好ましくは、0.05(LogΩ/□)以下)の値を有することがよい。このような範囲とすることにより、高速機で発生する濃度ムラを抑えると共に、高速印刷以外の印刷速度にも対応でき、装置の適用範囲の広い中間転写ベルトとなり得る。
尚、表面抵抗率の常用対数値差は、上述したカーボンブラックの種類、及びカーボンブラックの分散方法により、制御される。
一般に、設計自由度の大きいベルト形状の中間転写体を用い、感光体と一次転写ロールとをオフセットさせて配置することで、一次転写時の感光体表面電位への影響を少なくすることができる。特に高速印刷を行なう画像形成装置では、短時間の電場印加となり、ベルト抵抗の立ちあがりの差が強調されて画質上の濃度ムラになる場合がある。そして、このときの電気抵抗は、表面抵抗と関係がある。
中間転写ベルトにおいては、ベルト表面抵抗率の立ちあがりを小さくする、つまり電圧印加の10sec後の表面抵抗率の常用対数値と30msec後の表面抵抗率の常用対数値との差(以下、「表面抵抗率の常用対数値差」という場合がある。)として、絶対値で1.0(LogΩ/□)以下(好ましくは、0.7(LogΩ/□)以下、より好ましくは、0.05(LogΩ/□)以下)の値を有することがよい。このような範囲とすることにより、高速機で発生する濃度ムラを抑えると共に、高速印刷以外の印刷速度にも対応でき、装置の適用範囲の広い中間転写ベルトとなり得る。
尚、表面抵抗率の常用対数値差は、上述したカーボンブラックの種類、及びカーボンブラックの分散方法により、制御される。
また、中間転写ベルトの、電圧印加の30msec後の表面抵抗率の常用対数値としては、9(LogΩ/□)以上13(LogΩ/□)以下(好ましくは、10(LogΩ/□)以上12(LogΩ/□)以下)であることがよい。電圧印加の30msec後の表面抵抗率の常用対数値が13(LogΩ/□)を超えると、二次転写時に記録媒体と中間転写ベルトとが静電吸着し、記録媒体の剥離ができなくなる場合がある。一方、電圧印加の30msec後の表面抵抗率の常用対数値が9(LogΩ/□)未満であると、中間転写ベルトに一次転写されたトナー像の保持力が不足し画質の粒状性又は像乱れが発生する場合がある。尚、前記電圧印加の30msec後の表面抵抗率の常用対数値は、上述したカーボンブラックの種類、及びカーボンブラックの添加量を選定することにより制御される。
表面抵抗率は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製、ハイレスターIPの「URプローブ」)を用い、JIS K6911(1995年)に従って測定することができる。表面抵抗率の測定方法を、図を用いて説明する。図1は、円形電極の一例を示す概略平面図(A)及び概略断面図(B)である。
図1に示す円形電極は、第一電圧印加電極Aと板状絶縁体Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cと、該円柱状電極部Cの外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部Cを一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部Dとを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと板状絶縁体Bとの間に測定対象Tを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(1)により、測定対象Tの表面抵抗率ρs(Ω/□)を算出することができる。ここで、下記式(1)中、d(mm)は円柱状電極部Cの外径を示し、D(mm)はリング状電極部Dの内径を示す。本実施形態においては、電圧V(V)の印加10sec後及び30msec後の電流I(A)を測定する。
式(1)ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
図1に示す円形電極は、第一電圧印加電極Aと板状絶縁体Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cと、該円柱状電極部Cの外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部Cを一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部Dとを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと板状絶縁体Bとの間に測定対象Tを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(1)により、測定対象Tの表面抵抗率ρs(Ω/□)を算出することができる。ここで、下記式(1)中、d(mm)は円柱状電極部Cの外径を示し、D(mm)はリング状電極部Dの内径を示す。本実施形態においては、電圧V(V)の印加10sec後及び30msec後の電流I(A)を測定する。
式(1)ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
表面抵抗率の測定条件として、より具体的には、以下の条件である。
使用電極:円形電極(三菱油化(株)製、ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)。
測定環境:22℃/55%RH。
電圧:100V。
使用電極:円形電極(三菱油化(株)製、ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)。
測定環境:22℃/55%RH。
電圧:100V。
〔体積抵抗率〕
中間転写ベルトは、体積抵抗率の常用対数値が8(LogΩcm)以上13(LogΩcm)以下であることがよい。前記体積抵抗率の常用対数値が8(LogΩcm)未満であると、像保持体から中間転写ベルト16に転写された未定着トナー像の電荷を保持する静電的な力が働きにくくなることがある。そのため、トナー同士の静電的反発力や画像エッジ付近のフリンジ電界の力によって、画像の周囲にトナーが飛散してしまい、ノイズの大きい画像が形成される場合がある。一方、前記体積抵抗率の常用対数値が13(LogΩcm)を超えると、電荷の保持力が大きいために、一次転写での転写電界で中間転写ベルトの表面が帯電する場合がある。
なお、前記の体積抵抗率の常用対数値は、上述してカーボンブラックの種類、及びカーボンブラックの添加量により制御される。
中間転写ベルトは、体積抵抗率の常用対数値が8(LogΩcm)以上13(LogΩcm)以下であることがよい。前記体積抵抗率の常用対数値が8(LogΩcm)未満であると、像保持体から中間転写ベルト16に転写された未定着トナー像の電荷を保持する静電的な力が働きにくくなることがある。そのため、トナー同士の静電的反発力や画像エッジ付近のフリンジ電界の力によって、画像の周囲にトナーが飛散してしまい、ノイズの大きい画像が形成される場合がある。一方、前記体積抵抗率の常用対数値が13(LogΩcm)を超えると、電荷の保持力が大きいために、一次転写での転写電界で中間転写ベルトの表面が帯電する場合がある。
なお、前記の体積抵抗率の常用対数値は、上述してカーボンブラックの種類、及びカーボンブラックの添加量により制御される。
本実施形態において、体積抵抗率は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製、ハイレスターIPのURプローブ)を用い、JIS K6911(1995年)に従って測定することができる。測定は表面抵抗率と同一の装置で測定できる。
円形電極は、第一電圧印加電極Aと表面抵抗率測定時の板状絶縁体に代えて第二電圧印加電極Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cと第二電圧印加電極Bとの間に測定対象Tを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cと第二電圧印加電極Bとの間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(2)により、測定対象Tの体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出することができる。ここで、下記式(2)中、tは、測定対象Tの厚さを示す。
式(2)ρv=πd2/4t×(V/I)
円形電極は、第一電圧印加電極Aと表面抵抗率測定時の板状絶縁体に代えて第二電圧印加電極Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cと第二電圧印加電極Bとの間に測定対象Tを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cと第二電圧印加電極Bとの間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(2)により、測定対象Tの体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出することができる。ここで、下記式(2)中、tは、測定対象Tの厚さを示す。
式(2)ρv=πd2/4t×(V/I)
〔ヤング率〕
中間転写ベルト16は、ヤング率が1000MPa以上であることが好ましく、1500MPa以上がより好ましい。
中間転写ベルト16は、ヤング率が1000MPa以上であることが好ましく、1500MPa以上がより好ましい。
ヤング率Eは、単位断面積にかかる力ΔSと単位長さでの伸びΔaを測定することにより下記式(3)より算出することができる。
式(3)E=ΔS/Δa
ここで、ΔSは、負荷Fとサンプルの膜厚t、サンプル幅wより、ΔS=F/(w×t)で表され、Δaは、サンプル基準長さL、負荷印加時のサンプル伸びΔLより、Δa=ΔL/Lで表され、例えば、以下のようにして測定される。
式(3)E=ΔS/Δa
ここで、ΔSは、負荷Fとサンプルの膜厚t、サンプル幅wより、ΔS=F/(w×t)で表され、Δaは、サンプル基準長さL、負荷印加時のサンプル伸びΔLより、Δa=ΔL/Lで表され、例えば、以下のようにして測定される。
まず、測定対象Tを80mm×5mmに切り出す。10回のヤング率の測定を行ない、平均値を測定データとする。測定機は、アイコーエンジニアリング社製引張試験機MODEL−1605Nを使用し、測定条件は22℃、55%RH環境で引張り速度を20mm/minで行う。尚、ベルト断面積算出に必要なベルト膜厚は、サンコー電子社製渦電流式膜厚計CTR−1500Eにより5回測定した平均値を使用する。
〔表面微小硬度〕
中間転写ベルト16は、バイアスローラの押圧力によって中間転写ベルト16の転写面の変形が起こり、転写面の硬度が、ライン画像の中抜け(ホロキャラクター)に影響するため、転写面の硬度が、表面微小硬度で30以下(好ましくは、25以下)であることがよい。
中間転写ベルト16は、バイアスローラの押圧力によって中間転写ベルト16の転写面の変形が起こり、転写面の硬度が、ライン画像の中抜け(ホロキャラクター)に影響するため、転写面の硬度が、表面微小硬度で30以下(好ましくは、25以下)であることがよい。
前記表面微小硬度とは、圧子が試料にどれだけ侵入したかを測定する方法によって求めることができる。試験荷重P(mN)、圧子の試料への侵入量(押し込み深さ)D(μm)としたとき、表面微小硬度DHは下記式(4)で定義される。
式(4)DH≡αP/D2
ここで、αは圧子形状による定数で、α=3.8584(使用圧子:三角錐圧子の場合)である。
式(4)DH≡αP/D2
ここで、αは圧子形状による定数で、α=3.8584(使用圧子:三角錐圧子の場合)である。
なお、中間転写ベルトの表面微小硬度は、下記の方法によって求められる。中間転写ベルトを5mm角程度に切り、その小片を瞬間接着剤で硝子版に固定する。この試料の表面の表面微小硬度を超微小硬度計DUH−201S(島津製作所社製)を用いて測定する。
測定条件は、以下の通りである。
測定環境:22℃、55%RH
使用圧子:三角錐圧子
試験モード:3(軟質材料試験)
試験荷重:0.70gf
負荷速度:0.0145gf/sec
保持時間:5sec
測定条件は、以下の通りである。
測定環境:22℃、55%RH
使用圧子:三角錐圧子
試験モード:3(軟質材料試験)
試験荷重:0.70gf
負荷速度:0.0145gf/sec
保持時間:5sec
中間転写ベルトは、例えば、高速印刷可能な画像形成装置に適用しうる。印刷の速度は、画像形成装置内に使用される各部材、つまり、装置内でトナー像を像保持体、中間転写ベルト、記録媒体へと転写し、印刷を行うことに係わる各部材の搬送速度が相俟って決定される。中間転写ベルトは、これらの各部材の搬送速度が200mm/sec以上のような速度となる場合にも、濃度ムラ、斑点状欠陥を低減し得る。搬送速度が200mm/sec未満であっても良好に画像形成できる。
また、感光体から中間転写ベルトへの一次転写が最終画像の品質を決定しうる。一次転写の転写効率や転写時点の像乱れが抑制される点で、転写電流値が高いことが望ましい。上記、中間転写ベルトの搬送速度が200mm/sec以上の場合、一次転写電流値は25μA以上であることが好ましく、30μA以上であることがより好ましい。
なお、本実施形態に係る無端ベルトは、後述するカラー画像を形成し得る画像形成装置の他、様々な態様の画像形成装置に用いることができ、例えば、電子写真複写機、レーザプリンター、ファクシミリ、これらの複合OA機器等の画像形成装置に用いることが可能である。
(無端ベルトの使用例)
本実施形態に係る無端ベルトは、電子写真方式の画像形成装置用の無端ベルトとして利用し得る。電子写真方式の画像形成装置用の無端ベルトとしては、例えば、中間転写ベルト、転写ベルト、搬送ベルト等が挙げられる。なお、本実施形態に係る無端ベルトは、画像形成装置用の無端ベルト以外にも、例えば、搬送ベルト、駆動ベルト、ラミネートベルト等のベルト状部材にも利用し得る。
本実施形態に係る無端ベルトは、電子写真方式の画像形成装置用の無端ベルトとして利用し得る。電子写真方式の画像形成装置用の無端ベルトとしては、例えば、中間転写ベルト、転写ベルト、搬送ベルト等が挙げられる。なお、本実施形態に係る無端ベルトは、画像形成装置用の無端ベルト以外にも、例えば、搬送ベルト、駆動ベルト、ラミネートベルト等のベルト状部材にも利用し得る。
<無端ベルトの製造方法>
次に、本実施形態に係る無端ベルトの製造方法について説明する。
無端ベルトの製造方法としては、例えば、
上記の最内層用樹脂組成物を被塗物に塗布する第一の塗布工程と、
塗布された最内層用樹脂組成物に含まれる特定溶剤の少なくとも一部を除去し、樹脂被膜を作製する第一の乾燥工程と、
上記の最外層用樹脂組成物を前記樹脂被膜上に塗布する第二の塗布工程と、
塗布された最外層用樹脂組成物に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去する第二の乾燥工程と、
得られた乾燥樹脂被膜を加熱する第二の加熱工程と、を含む。
次に、本実施形態に係る無端ベルトの製造方法について説明する。
無端ベルトの製造方法としては、例えば、
上記の最内層用樹脂組成物を被塗物に塗布する第一の塗布工程と、
塗布された最内層用樹脂組成物に含まれる特定溶剤の少なくとも一部を除去し、樹脂被膜を作製する第一の乾燥工程と、
上記の最外層用樹脂組成物を前記樹脂被膜上に塗布する第二の塗布工程と、
塗布された最外層用樹脂組成物に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去する第二の乾燥工程と、
得られた乾燥樹脂被膜を加熱する第二の加熱工程と、を含む。
(第一の塗布工程)
〔被塗物〕
被塗物としては、特に限定されないが、例えば、円筒状の基材が挙げられる。最内層用樹脂組成物を上記円筒状の基材の内面又は外面に塗布することにより、塗膜が形成される。
円筒状の基材としては、例えば、円筒状の金属製基材が好適に用いられる。金属製の代わりに、樹脂製、ガラス製、セラミック製など、他の素材の基材を用いてもよい。また、基材の表面にガラスコート、セラミックコート等を設けてもよく、シリコーン系、フッ素系等の剥離剤を塗布してもよい。
〔被塗物〕
被塗物としては、特に限定されないが、例えば、円筒状の基材が挙げられる。最内層用樹脂組成物を上記円筒状の基材の内面又は外面に塗布することにより、塗膜が形成される。
円筒状の基材としては、例えば、円筒状の金属製基材が好適に用いられる。金属製の代わりに、樹脂製、ガラス製、セラミック製など、他の素材の基材を用いてもよい。また、基材の表面にガラスコート、セラミックコート等を設けてもよく、シリコーン系、フッ素系等の剥離剤を塗布してもよい。
〔塗布方法〕
円筒状の基材の表面に最内層用樹脂組成物を塗布する方法としては、例えば、最内層用樹脂組成物をノズルから吐出させながら、回転する円筒状の基材を回転軸方向に移動させることによって、円筒状の基材の外周面に組成物を塗布する方法、円筒状の基材を樹脂組成物に浸漬して引き上げる浸漬環状塗布法等が挙げられる。
円筒状の基材の表面に最内層用樹脂組成物を塗布する方法としては、例えば、最内層用樹脂組成物をノズルから吐出させながら、回転する円筒状の基材を回転軸方向に移動させることによって、円筒状の基材の外周面に組成物を塗布する方法、円筒状の基材を樹脂組成物に浸漬して引き上げる浸漬環状塗布法等が挙げられる。
−脱泡−
また、最内層用樹脂組成物を精度よく塗布するには、塗布する前に、最内層用樹脂組成物を脱泡する工程を実施することがよい。最内層用樹脂組成物を脱泡することで、塗布時の泡かみ及び塗膜の欠陥発生が抑制される。
最内層用樹脂組成物を脱泡する方法としては、減圧状態にする方法、遠心分離する方法などが挙げられるが、減圧状態とする脱泡が簡便で脱泡能が大きいため適している。
また、最内層用樹脂組成物を精度よく塗布するには、塗布する前に、最内層用樹脂組成物を脱泡する工程を実施することがよい。最内層用樹脂組成物を脱泡することで、塗布時の泡かみ及び塗膜の欠陥発生が抑制される。
最内層用樹脂組成物を脱泡する方法としては、減圧状態にする方法、遠心分離する方法などが挙げられるが、減圧状態とする脱泡が簡便で脱泡能が大きいため適している。
(第一の乾燥工程)
樹脂の塗膜が形成された円筒状の基材を、加熱又は真空環境に置いて、塗膜を乾燥し、乾燥膜を形成する。乾燥工程においては、含有溶剤の30質量%以上、好ましくは50質量%以上を揮発させる。
乾燥条件は、特定溶剤の含有量を目的とする量に制御し得るように設定すればよい。
第一の乾燥工程により、イミド化前のポリアミック酸樹脂を含む樹脂被膜が形成される。
樹脂の塗膜が形成された円筒状の基材を、加熱又は真空環境に置いて、塗膜を乾燥し、乾燥膜を形成する。乾燥工程においては、含有溶剤の30質量%以上、好ましくは50質量%以上を揮発させる。
乾燥条件は、特定溶剤の含有量を目的とする量に制御し得るように設定すればよい。
第一の乾燥工程により、イミド化前のポリアミック酸樹脂を含む樹脂被膜が形成される。
(第二の塗布工程)
〔塗布工程〕
前記樹脂被膜が形成された円筒状の基材の、樹脂被膜表面に最外層用樹脂組成物を塗布する方法としては、例えば、最外層用樹脂組成物をノズルから吐出させながら、開店する円筒金型を回転軸方向に移動させることによって、樹脂被膜表面に組成物を塗布する方法、円筒金型を最外層用樹脂組成物に浸漬して引き上げる浸漬環状塗布法等が挙げられる。 また、最内層と最外層との密着性の向上のため、最内層表面に接着用樹脂を含む組成物を塗布した後に最外層用塗布液を塗布してもよい。
前記接着用樹脂を含む組成物は、接着用樹脂と、溶剤とを含むことが好ましい。
前記接着用樹脂としては、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、シアノアクリレート、等が挙げられる。
前記溶剤としては、アルコール、メタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、n-へプタン、等が挙げられる。
接着用樹脂の塗布方法は、特に限定されず、上述の最外層用樹脂組成物を塗布する方法と同様の方法が用いられる。
接着用樹脂は、前述の最外層用樹脂組成物に溶解することが好ましい。上記態様によれば、接着用樹脂による明確な層は形成されず、最内層と最外層の密着性に優れた無端ベルトが得られる。
〔塗布工程〕
前記樹脂被膜が形成された円筒状の基材の、樹脂被膜表面に最外層用樹脂組成物を塗布する方法としては、例えば、最外層用樹脂組成物をノズルから吐出させながら、開店する円筒金型を回転軸方向に移動させることによって、樹脂被膜表面に組成物を塗布する方法、円筒金型を最外層用樹脂組成物に浸漬して引き上げる浸漬環状塗布法等が挙げられる。 また、最内層と最外層との密着性の向上のため、最内層表面に接着用樹脂を含む組成物を塗布した後に最外層用塗布液を塗布してもよい。
前記接着用樹脂を含む組成物は、接着用樹脂と、溶剤とを含むことが好ましい。
前記接着用樹脂としては、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、シアノアクリレート、等が挙げられる。
前記溶剤としては、アルコール、メタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、n-へプタン、等が挙げられる。
接着用樹脂の塗布方法は、特に限定されず、上述の最外層用樹脂組成物を塗布する方法と同様の方法が用いられる。
接着用樹脂は、前述の最外層用樹脂組成物に溶解することが好ましい。上記態様によれば、接着用樹脂による明確な層は形成されず、最内層と最外層の密着性に優れた無端ベルトが得られる。
−脱泡−
第二の塗布工程において、最外層用樹脂組成物を塗布する前に、最外層用樹脂組成物を脱泡してもよい。脱泡の方法としては、特に制限されないが、上述の最内層用樹脂組成物と同様の方法により行うことが可能である。
第二の塗布工程において、最外層用樹脂組成物を塗布する前に、最外層用樹脂組成物を脱泡してもよい。脱泡の方法としては、特に制限されないが、上述の最内層用樹脂組成物と同様の方法により行うことが可能である。
(第二の乾燥工程)
樹脂の塗膜が形成された円筒状の基材を、加熱又は真空環境に置いて、塗布膜を乾燥し、乾燥膜を形成する。乾燥工程においては、含有溶剤の30質量%以上、好ましくは50質量%以上を揮発させる。
乾燥条件は、溶剤の含有量を目的とする量に制御し得るように設定すればよい。
樹脂の塗膜が形成された円筒状の基材を、加熱又は真空環境に置いて、塗布膜を乾燥し、乾燥膜を形成する。乾燥工程においては、含有溶剤の30質量%以上、好ましくは50質量%以上を揮発させる。
乾燥条件は、溶剤の含有量を目的とする量に制御し得るように設定すればよい。
(第二の加熱工程)
基材上に上記乾燥膜を形成させた後、形成された乾燥膜を更に高い温度で加熱する。
さらに高い温度で加熱することにより、最内層用樹脂組成物に含まれるポリイミド樹脂前駆体がイミド化され、ポリイミド樹脂被膜が形成される。
また、ポリアミドイミド樹脂の乾燥膜において、更に溶剤が揮発されて、樹脂を含む樹脂被膜(成形体)が形成される。
加熱条件としては、例えば150℃以上400℃以下(好ましくは200℃以上300℃以下)で、20分間以上60分間以下加熱することで、イミド化反応が起こり、ポリイミド樹脂の成形体が形成される。加熱反応の際、加熱の最終温度に達する前に、温度を段階的、又は一定速度で徐々に上昇させて加熱することがよい。イミド化の温度は、例えば原料として用いたテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの種類によって異なり、イミド化が不十分であると機械的特定及び電気的特千恵に劣るため、イミド化が完結する温度に設定する。
なお、特定溶剤の含有量を制御する点で、加熱温度は、特定溶剤の沸点以上の温度とすることがよい。加熱時間は、特定溶剤の含有量を目的とする量に制御し得るように設定すればよい。
基材上に上記乾燥膜を形成させた後、形成された乾燥膜を更に高い温度で加熱する。
さらに高い温度で加熱することにより、最内層用樹脂組成物に含まれるポリイミド樹脂前駆体がイミド化され、ポリイミド樹脂被膜が形成される。
また、ポリアミドイミド樹脂の乾燥膜において、更に溶剤が揮発されて、樹脂を含む樹脂被膜(成形体)が形成される。
加熱条件としては、例えば150℃以上400℃以下(好ましくは200℃以上300℃以下)で、20分間以上60分間以下加熱することで、イミド化反応が起こり、ポリイミド樹脂の成形体が形成される。加熱反応の際、加熱の最終温度に達する前に、温度を段階的、又は一定速度で徐々に上昇させて加熱することがよい。イミド化の温度は、例えば原料として用いたテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの種類によって異なり、イミド化が不十分であると機械的特定及び電気的特千恵に劣るため、イミド化が完結する温度に設定する。
なお、特定溶剤の含有量を制御する点で、加熱温度は、特定溶剤の沸点以上の温度とすることがよい。加熱時間は、特定溶剤の含有量を目的とする量に制御し得るように設定すればよい。
得られた最内層及び最外層を含む樹脂被膜を、円筒状の基材と樹脂被膜との間隙に空気を吹き込む等の公知の方法によって剥離する。
以上の工程を経ることによって、本実施形態に係る無端ベルトが得られる。
以上の工程を経ることによって、本実施形態に係る無端ベルトが得られる。
本実施形態に係る無端ベルトの製造方法の他の態様としては、例えば、最外層用樹脂組成物を円筒状の基材の内周面に軸方向に流し込み、乾燥させて樹脂被膜を形成した後に、最内層用樹脂組成物を樹脂被膜の内周面に軸方向に流し込み、乾燥及び加熱を行う方法が挙げられる。
また、本実施形態に係る無端ベルトの製造方法は、上述の第一の環推す工程の後、上述の第二の塗布工程の前に、形成された樹脂被膜をさらに高い温度で加熱する第一の加熱工程を更に含んでもよい。つまり、イミド化したポリイミド樹脂層を形成した後に、最内層形成用樹脂組成物をポリイミド樹脂層上に塗布して最内層を形成してもよい。
また、本実施形態に係る無端ベルトの製造方法は、上述の第一の環推す工程の後、上述の第二の塗布工程の前に、形成された樹脂被膜をさらに高い温度で加熱する第一の加熱工程を更に含んでもよい。つまり、イミド化したポリイミド樹脂層を形成した後に、最内層形成用樹脂組成物をポリイミド樹脂層上に塗布して最内層を形成してもよい。
(第一の加熱工程)
第一の加熱工程により、最内層用樹脂組成物に含まれるポリイミド樹脂前駆体がイミド化され、ポリイミド樹脂を含む樹脂被膜が形成される。
加熱条件としては、例えば150℃以上400℃以下(好ましくは200℃以上300℃以下)で、20分間以上60分間以下加熱することで、イミド化反応が起こり、ポリイミド樹脂の成形体が形成される。加熱反応の際、加熱の最終温度に達する前に、温度を段階的、又は一定速度で徐々に上昇させて加熱することがよい。イミド化の温度は、例えば原料として用いたテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの種類によって異なり、イミド化が不十分であると機械的特定及び電気的特千恵に劣るため、イミド化が完結する温度に設定する。
なお、特定溶剤の含有量を制御する点で、加熱温度は、特定溶剤の沸点以上の温度とすることがよい。加熱時間は、特定溶剤の含有量を目的とする量に制御し得るように設定すればよい。
第一の加熱工程により、最内層用樹脂組成物に含まれるポリイミド樹脂前駆体がイミド化され、ポリイミド樹脂を含む樹脂被膜が形成される。
加熱条件としては、例えば150℃以上400℃以下(好ましくは200℃以上300℃以下)で、20分間以上60分間以下加熱することで、イミド化反応が起こり、ポリイミド樹脂の成形体が形成される。加熱反応の際、加熱の最終温度に達する前に、温度を段階的、又は一定速度で徐々に上昇させて加熱することがよい。イミド化の温度は、例えば原料として用いたテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの種類によって異なり、イミド化が不十分であると機械的特定及び電気的特千恵に劣るため、イミド化が完結する温度に設定する。
なお、特定溶剤の含有量を制御する点で、加熱温度は、特定溶剤の沸点以上の温度とすることがよい。加熱時間は、特定溶剤の含有量を目的とする量に制御し得るように設定すればよい。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、上記の無端ベルトを有する。無端ベルトが、中間転写ベルト、転写ベルト、搬送ベルト(記録媒体搬送ベルト)等のベルトに適用される場合、本実施形態に係る画像形成装置としては、例えば、以下に示す画像形成装置が挙げられる。
像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナーを含む現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、トナー画像を本実施形態に係る無端ベルトを介して記録媒体の表面に転写する転写手段と、とを備えるものが挙げられる。
なお、転写手段は、後述する無端ベルトユニットを有していてもよい。
本実施形態に係る画像形成装置は、上記の無端ベルトを有する。無端ベルトが、中間転写ベルト、転写ベルト、搬送ベルト(記録媒体搬送ベルト)等のベルトに適用される場合、本実施形態に係る画像形成装置としては、例えば、以下に示す画像形成装置が挙げられる。
像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナーを含む現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、トナー画像を本実施形態に係る無端ベルトを介して記録媒体の表面に転写する転写手段と、とを備えるものが挙げられる。
なお、転写手段は、後述する無端ベルトユニットを有していてもよい。
具体的には、本実施形態に係る画像形成装置は、例えば、転写手段が中間転写体と、像保持体に形成されたトナー画像を中間転写体に一次転写する一次転写手段と、中間転写体に転写されたトナー画像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、を備え、当該中間転写体として上記本実施形態に係る無端ベルトを備える構成が挙げられる。
また、本実施形態に係る画像形成装置は、例えば、転写手段が記録媒体を搬送するための記録媒体搬送体(記録媒体搬送ベルト)と、像保持体に形成されたトナー画像を記録媒体搬送体により搬送された記録媒体に転写するための転写手段と、を備え、当該記録媒体搬送体として上記本実施形態に係る無端ベルトを備える構成であってもよい。
以下、図面を参照して、本実施形態に係る画像形成装置について詳細に説明する。
図2は、本実施形態の無端ベルトが適用される画像形成装置100を示した概略構成図である。図2に示す画像形成装置100は、4つのトナーカートリッジ1、1対の定着ロール2(定着手段の一例)、バックアップロール(背面ロール)3、テンションロール(張架ロール)4、二次転写ロール5(二次転写手段の一例)、用紙経路6、用紙トレイ7、レーザ発生装置8(静電荷像形成手段の一例)、4つの感光体9(像保持体の一例)、4つの一次転写ロール10(一次転写手段の一例)、駆動ロール11、中間転写体クリーニング装置12、4つの帯電ロール13(帯電手段の一例)、感光体クリーニング装置14、現像器15(現像手段の一例)、中間転写ベルト16(中間転写体の一例)等を主要な構成部材として含んでなる。なお、図2に示す画像形成装置100において、本実施形態に係る転写ベルトは、トナー像の重ね合わせ手段およびトナー像の転写手段として機能する中間転写ベルト16として用いられる。
図2は、本実施形態の無端ベルトが適用される画像形成装置100を示した概略構成図である。図2に示す画像形成装置100は、4つのトナーカートリッジ1、1対の定着ロール2(定着手段の一例)、バックアップロール(背面ロール)3、テンションロール(張架ロール)4、二次転写ロール5(二次転写手段の一例)、用紙経路6、用紙トレイ7、レーザ発生装置8(静電荷像形成手段の一例)、4つの感光体9(像保持体の一例)、4つの一次転写ロール10(一次転写手段の一例)、駆動ロール11、中間転写体クリーニング装置12、4つの帯電ロール13(帯電手段の一例)、感光体クリーニング装置14、現像器15(現像手段の一例)、中間転写ベルト16(中間転写体の一例)等を主要な構成部材として含んでなる。なお、図2に示す画像形成装置100において、本実施形態に係る転写ベルトは、トナー像の重ね合わせ手段およびトナー像の転写手段として機能する中間転写ベルト16として用いられる。
次に、図2に示す画像形成装置100の構成について順次説明する。まず、感光体9の周囲には、反時計回りに帯電ロール13、現像器15、中間転写ベルト16を介して配置された一次転写ロール10、感光体クリーニング装置14が配置され、これら1組の部材が、1つの色に対応した現像ユニットを形成している。また、この現像ユニット毎に、現像器15に現像剤を補充するトナーカートリッジ1がそれぞれ設けられており、各現像ユニットの感光体9に対して、帯電ロール13と現像器15との間の感光体9表面に画像情報に応じたレーザ光を照射することができるレーザ発生装置8が設けられている。
4つの色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)に対応した4つの現像ユニットは、画像形成装置100内において、水平に沿う方向に直列に配置されており、4つの現像ユニットの感光体9と一次転写ロール10とのニップ部を通過するように中間転写ベルト16が設けられている。中間転写ベルト16は、その内周側に以下の順序で反時計回りに設けられた、バックアップロール3、テンションロール4、および駆動ロール11により張架されている。なお、4つの一次転写ロール10は、テンションロール4と駆動ロール11との間に位置する。また、中間転写ベルト16を介して駆動ロール11の反対側には中間転写ベルト16の外周面をクリーニングする中間転写体クリーニング装置12が駆動ロール11に対して圧接するように設けられている。
また、中間転写ベルト16を介してバックアップロール3の反対側には用紙トレイ7から用紙経路6を経由して搬送される記録用紙の表面に、中間転写ベルト16の外周面に形成されたトナー像を転写するための二次転写ロール5が、バックアップロール3に対して圧接するように設けられている。バックアップロール3と駆動ロール11との間の中間転写ベルト16の外周面には、この外周面を除電するための除電ロール(図示せず)が設けられている。
更に、画像形成装置100の底部には記録用紙をストックする用紙トレイ7が設けられ、用紙トレイ7から用紙経路6を経由して二次転写部を構成するバックアップロール3と二次転写ロール5との圧接部を通過するように供給される。この圧接部を通過した記録用紙はさらに1対の定着ロール2の圧接部を通過するように不図示の搬送手段により搬送され、最終的に画像形成装置100外へと排出される。
次に、図2に示す画像形成装置100を用いた画像形成方法について説明する。トナー像の形成は各現像ユニットごとに行なわれ、帯電ロール13により反時計方向に回転する感光体9表面を帯電した後に、レーザ発生装置8(露光装置)により帯電された感光体9表面に潜像を形成し、次に、この潜像を現像器15から供給される現像剤により現像してトナー像を形成し、一次転写ロール10と感光体9との圧接部に運ばれたトナー像を矢印X方向に回転する中間転写ベルト16の外周面に転写する。なお、トナー像を転写した後の感光体9は、その表面に付着したトナー又はゴミ等が感光体クリーニング装置14によりクリーニングされ、次のトナー像の形成に備える。
各色の現像ユニット毎に現像されたトナー像は、画像情報に対応するように中間転写ベルト16の外周面上に順次重ね合わされた状態で、二次転写部に運ばれ二次転写ロール5により、用紙トレイ7から用紙経路6を経由して搬送されてきた記録用紙表面に転写される。トナー像が転写された記録用紙は、更に定着部を構成する1対の定着ロール2の圧接部を通過する際に加圧加熱されることにより定着され、記録媒体表面に画像が形成された後、画像形成装置100外へと排出される。
二次転写部を通過した中間転写ベルト16は、矢印X方向に更に進み、図示しない除電ロールにより外周面が除電された後、さらに、中間転写体クリーニング装置12により外周面がクリーニングされた後に次のトナー像の転写に備える。
感光体9(像保持体の一例)としては、従来公知のものを用いることができ、その感光層としては、有機系、アモルファスシリコン等公知のものを用いられる。画像の安定性から有機系のものが好ましい。前記像保持体が円筒状の場合は、アルミニウム又はアルミニウム合金を押出し成形後、表面加工する等の公知の製法により得られる。またベルト状の前記像保持体も用いられる。
帯電ロール13(帯電手段の一例)としては、特に制限はなく、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器又はコロトロン帯電器などのそれ自体公知の帯電器が挙げられる。これらの中でも、帯電補償能力に優れる点で接触型帯電器が好ましい。前記帯電手段は、電子写真感光体に対し、直流電流を印加してもよく、交流電流をさらに重畳させて印加してもよい。
レーザ発生装置8(露光装置)(静電荷像形成手段の一例)としては、特に制限はなく、感光体9の表面に、例えば、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光源、又はこれらの光源からポリゴンミラーを介して、定められた像様に露光しうる光学系機器等が挙げられる。
現像器15(現像手段の一例)としては、目的に応じて選択すればよい。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用い接触又は非接触させて現像する公知の現像器等が挙げられる。
一次転写ロール10(一次転写手段の一例)としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器、コロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。これらの中でも、転写帯電補償能力に優れる点で接触型転写帯電器が好ましい。なお、転写帯電器の他、剥離帯電器等を併用してもよい。
二次転写ロール5(二次転写手段の一例)としては、接触型転写帯電器、スコロトロン転写帯電器又はコロトロン転写帯電器等が挙げられる。これらの中でも、一次転写手段と同様に接触型転写帯電器が好ましい。転写ロール等の接触型転写帯電器により強く押圧するようにすると、画像の転写状態が良好な状態に維持される。また、中間転写ベルト16を案内するローラの位置で転写ロール等の接触型転写帯電器を押圧すると、中間転写ベルト16から被転写体(用紙)に対してトナー像を移転させる作用を良好な状態で行われる。
定着ロール2(定着手段の一例)としては、特に制限はなく、それ自体公知の定着器、例えば熱ローラ定着器、オーブン定着器等が挙げられる。
また、クリーニング手段としては、特に制限はなく、それ自体公知のクリーニング装置等を用いればよい。
また、クリーニング手段としては、特に制限はなく、それ自体公知のクリーニング装置等を用いればよい。
更に、光除電手段を設置することも好適である。光除電手段としては、例えば、タングステンランプ、LED等が挙げられ、光除電プロセスに用いる光質としては、例えば、タングステンランプ等の白色光、LED光等の赤色光等が挙げられる。該光除電プロセスにおける照射光強度としては、例えば、電子写真感光体の半減露光感度を示す光量の数倍乃至30倍程度になるよう出力設定される。
<無端ベルトユニット>
本実施形態に係る無端ベルトユニットとしては、本実施形態に係る無端ベルトと、無端ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、を備えるものが挙げられる。
本実施形態に係る無端ベルトユニットとしては、本実施形態に係る無端ベルトと、無端ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、を備えるものが挙げられる。
例えば、本実施形態に係る無端ベルトユニットの一例として、図3に示す無端ベルトユニットであってもよい。
図3は、本実施形態に係る無端ベルトユニットを示す概略斜視図である。
本実施形態に係る無端ベルトユニット130は、図3に示すように、上記本実施形態に係る無端ベルト30を備えており、例えば、無端ベルト30は対向して配置された駆動ロール131および従動ロール132により張力がかかった状態で掛け渡されている。
前記無端ベルト30は、最内層32と最外層34とを有している。図3中、拡大図134は、無端ベルト30のうち、円で囲んだ箇所の拡大図である。
ここで、本実施形態に係る無端ベルトユニット130は、無端ベルト30を中間転写体として適用させる場合、無端ベルト30を支持するロールとして、感光体(像保持体)表面のトナー像を無端ベルト30上に1次転写させるためのロールと、無端ベルト30上に転写されたトナー像をさらに記録媒体に二次転写させるためのロールが配置されていてもよい。
なお、無端ベルト30を支持するロールの数は限定されず、使用態様に応じて配置すればよい。上記構成の無端ベルトユニット130は、装置に組み込まれて使用され、駆動ロール131、従動ロール132の回転に伴って無端ベルト30も支持した状態で回転する。
図3は、本実施形態に係る無端ベルトユニットを示す概略斜視図である。
本実施形態に係る無端ベルトユニット130は、図3に示すように、上記本実施形態に係る無端ベルト30を備えており、例えば、無端ベルト30は対向して配置された駆動ロール131および従動ロール132により張力がかかった状態で掛け渡されている。
前記無端ベルト30は、最内層32と最外層34とを有している。図3中、拡大図134は、無端ベルト30のうち、円で囲んだ箇所の拡大図である。
ここで、本実施形態に係る無端ベルトユニット130は、無端ベルト30を中間転写体として適用させる場合、無端ベルト30を支持するロールとして、感光体(像保持体)表面のトナー像を無端ベルト30上に1次転写させるためのロールと、無端ベルト30上に転写されたトナー像をさらに記録媒体に二次転写させるためのロールが配置されていてもよい。
なお、無端ベルト30を支持するロールの数は限定されず、使用態様に応じて配置すればよい。上記構成の無端ベルトユニット130は、装置に組み込まれて使用され、駆動ロール131、従動ロール132の回転に伴って無端ベルト30も支持した状態で回転する。
以下に実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
<合成例A>
(ポリイミド樹脂前駆体含有樹脂組成物PI−1の調製)
3,3’,4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)とからなるポリアミック酸の、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)溶液(樹脂の含有量、20質量%)にカーボンブラック(SPECIAL BLACK4、pH3、平均粒子径24nm)オリオンエンジニアドカーボンズ社製)をポリイミド系樹脂固形分100質量部に対して、23質量部になるように添加して、衝突型分散機(ジーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合し、カーボンブラック分散ポリアミック酸溶液(ポリイミド前駆体含有樹脂組成物PI−1)を得た。
(ポリイミド樹脂前駆体含有樹脂組成物PI−1の調製)
3,3’,4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)とからなるポリアミック酸の、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)溶液(樹脂の含有量、20質量%)にカーボンブラック(SPECIAL BLACK4、pH3、平均粒子径24nm)オリオンエンジニアドカーボンズ社製)をポリイミド系樹脂固形分100質量部に対して、23質量部になるように添加して、衝突型分散機(ジーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで最小面積が1.4mm2で2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合し、カーボンブラック分散ポリアミック酸溶液(ポリイミド前駆体含有樹脂組成物PI−1)を得た。
溶剤をDMIからN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に変更した以外は、上記PI−1の調製と同様に、ポリイミド樹脂前駆体含有樹脂組成物pi−1を調整した。
<合成例B>
(ポリアミドイミド樹脂含有樹脂組成物PAI−1の調製)
四つ口フラスコにトリメリット酸無水物192.13部(1.0モル当量)と、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート250.25部(1.0モル当量)、DMI 20部を仕込み、窒素気流下で120℃まで昇温し、約5時間反応させた。
得られたポリアミドイミド樹脂のGPC測定による数平均分子量は2.6万であった。
その後、DMIで希釈して粘度を20Pa・sに調整し、ステンレス製20μmメッシュでろ過を行った後、減圧下(0.02MPa)で12時間脱泡を行い、ポリアミドイミド樹脂含有樹脂組成物B−1を得た。
(ポリアミドイミド樹脂含有樹脂組成物PAI−1の調製)
四つ口フラスコにトリメリット酸無水物192.13部(1.0モル当量)と、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート250.25部(1.0モル当量)、DMI 20部を仕込み、窒素気流下で120℃まで昇温し、約5時間反応させた。
得られたポリアミドイミド樹脂のGPC測定による数平均分子量は2.6万であった。
その後、DMIで希釈して粘度を20Pa・sに調整し、ステンレス製20μmメッシュでろ過を行った後、減圧下(0.02MPa)で12時間脱泡を行い、ポリアミドイミド樹脂含有樹脂組成物B−1を得た。
(ポリアミドイミド樹脂含有樹脂組成物PAI−2の調製)
溶剤をDMIからN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に変更した以外は、上記PAI−1の調製と同様に、ポリアミドイミド樹脂含有樹脂組成物PAI−2を調整した。
溶剤をDMIからN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に変更した以外は、上記PAI−1の調製と同様に、ポリアミドイミド樹脂含有樹脂組成物PAI−2を調整した。
<無端ベルトの作製>
(実施例1、実施例2及び比較例1)
直径279mm、厚さ3mm、長さ1000mm、ブラスト処理により表面粗さをRa0.4μmとしたSUS円筒形金型(外周面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布し、420℃で1時間、焼き付け処理を施してある金型)を、50rpmで回転させながら、金型端面から外周面にディスペンサーとスクレイパーを速度230min/minで移動させながら、乾燥後の厚みが0.04mmとなるように下記表1に記載の最内層用樹脂組成物を塗布した後、5rpmで回転させながら、120℃で30分間加熱し、常温まで冷却して、イミド化前の樹脂被膜を形成した。
前記樹脂被膜の形成後、前記樹脂被膜の表面に、下記表1に記載の最外層用樹脂組成物を、前記最内層用樹脂組成物と同様の方法により塗布した後、170℃で20分間加熱し、続けて300℃まで1.5時間加熱した後、常温に冷却して、最内層にポリイミド樹脂、最外層にポリアミドイミド樹脂を含む無端ベルトを金型から分離した。
得られた無端ベルトを用いて、後述の評価方法に従って耐屈曲性、クリーニング維持性、ベルトスジ(ベルト変形)。及び、基準位置読み取りの評価を行った。評価結果は表1に記載した。
(実施例1、実施例2及び比較例1)
直径279mm、厚さ3mm、長さ1000mm、ブラスト処理により表面粗さをRa0.4μmとしたSUS円筒形金型(外周面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布し、420℃で1時間、焼き付け処理を施してある金型)を、50rpmで回転させながら、金型端面から外周面にディスペンサーとスクレイパーを速度230min/minで移動させながら、乾燥後の厚みが0.04mmとなるように下記表1に記載の最内層用樹脂組成物を塗布した後、5rpmで回転させながら、120℃で30分間加熱し、常温まで冷却して、イミド化前の樹脂被膜を形成した。
前記樹脂被膜の形成後、前記樹脂被膜の表面に、下記表1に記載の最外層用樹脂組成物を、前記最内層用樹脂組成物と同様の方法により塗布した後、170℃で20分間加熱し、続けて300℃まで1.5時間加熱した後、常温に冷却して、最内層にポリイミド樹脂、最外層にポリアミドイミド樹脂を含む無端ベルトを金型から分離した。
得られた無端ベルトを用いて、後述の評価方法に従って耐屈曲性、クリーニング維持性、ベルトスジ(ベルト変形)。及び、基準位置読み取りの評価を行った。評価結果は表1に記載した。
(比較例2及び比較例3)
直径279mm、厚さ3mm、長さ1000mm、ブラスト処理により表面粗さをRa0.4μmとしたSUS円筒形金型(外周面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布し、420℃で1時間、焼き付け処理を施してある金型)を、50rpmで回転させながら、金型端面から外周面にディスペンサーとスクレイパーを速度230min/minで移動させながら、乾燥後の厚みが0.08mmとなるように下記表1に記載の最内層用樹脂組成物を塗布した後、5rpmで回転させながら、120℃で30分間加熱し、続けて300℃まで1.5時間加熱した後、常温に冷却して、イミド化前の樹脂被膜を形成した。
得られた無端ベルトを用いて、後述の評価方法に従って耐屈曲性、クリーニング維持性、ベルトスジ(ベルト変形)。及び、基準位置読み取りの評価を行った。評価結果は表1に記載した。
直径279mm、厚さ3mm、長さ1000mm、ブラスト処理により表面粗さをRa0.4μmとしたSUS円筒形金型(外周面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布し、420℃で1時間、焼き付け処理を施してある金型)を、50rpmで回転させながら、金型端面から外周面にディスペンサーとスクレイパーを速度230min/minで移動させながら、乾燥後の厚みが0.08mmとなるように下記表1に記載の最内層用樹脂組成物を塗布した後、5rpmで回転させながら、120℃で30分間加熱し、続けて300℃まで1.5時間加熱した後、常温に冷却して、イミド化前の樹脂被膜を形成した。
得られた無端ベルトを用いて、後述の評価方法に従って耐屈曲性、クリーニング維持性、ベルトスジ(ベルト変形)。及び、基準位置読み取りの評価を行った。評価結果は表1に記載した。
<評価方法>
(耐屈曲性)
JIS−P8115準拠(MIT試験機、試料幅15mm、引張り荷重1kgにおける破断までの耐久回数)に準拠して、屈曲耐久性の試験として、繰り返し屈曲耐久回数を測定した。
各例で得られた無端ベルトについて、周方向に幅15mm、長さ200mmの短冊状サンプルに切り取り、両端を固定し1kgfの引張張力をかけて、曲率形状R2の端子を支点として左右90°方向に繰返し屈曲(折り曲げ)させた。このときにサンプルが破断するまでの回数を耐屈曲回数として評価した。(常温常湿(温度22℃、湿度45RH%)環境下)。
耐屈曲回数が多いほど、耐屈曲性に優れているといえる。
評価基準は下記の通りとした。
A:2万回の曲げにおいて破断が認められなかった。
B:1万5千回の曲げにおいて破断が認められなかったが、2万回の曲げにおいて破断が認められた。
C:1万5千回の曲げにおいて破断が認められた。
(耐屈曲性)
JIS−P8115準拠(MIT試験機、試料幅15mm、引張り荷重1kgにおける破断までの耐久回数)に準拠して、屈曲耐久性の試験として、繰り返し屈曲耐久回数を測定した。
各例で得られた無端ベルトについて、周方向に幅15mm、長さ200mmの短冊状サンプルに切り取り、両端を固定し1kgfの引張張力をかけて、曲率形状R2の端子を支点として左右90°方向に繰返し屈曲(折り曲げ)させた。このときにサンプルが破断するまでの回数を耐屈曲回数として評価した。(常温常湿(温度22℃、湿度45RH%)環境下)。
耐屈曲回数が多いほど、耐屈曲性に優れているといえる。
評価基準は下記の通りとした。
A:2万回の曲げにおいて破断が認められなかった。
B:1万5千回の曲げにおいて破断が認められなかったが、2万回の曲げにおいて破断が認められた。
C:1万5千回の曲げにおいて破断が認められた。
(クリーニング維持性)
得られた無端ベルトを中間転写体として富士ゼロックス社製DocuCentre−IV C2270に組み込み、10℃15%RH(相対湿度)の低温低湿環境下において、富士ゼロックス社製C2紙A4紙を使用し、文字とパッチのある総合パターンを20万枚印刷した。クリーニング性は、試験中のプリントサンプルにクリーニング不良による画質異常が発生するか否かを判定した。
評価基準は下記の通りとした。
A:20万枚の印刷時に画質異常が認められなかった。
B:10万枚の印刷時に画質異常が認められず、20万枚の印刷時に画質異常が認められた。
C:10万枚の印刷時に画質異常が認められた。
得られた無端ベルトを中間転写体として富士ゼロックス社製DocuCentre−IV C2270に組み込み、10℃15%RH(相対湿度)の低温低湿環境下において、富士ゼロックス社製C2紙A4紙を使用し、文字とパッチのある総合パターンを20万枚印刷した。クリーニング性は、試験中のプリントサンプルにクリーニング不良による画質異常が発生するか否かを判定した。
評価基準は下記の通りとした。
A:20万枚の印刷時に画質異常が認められなかった。
B:10万枚の印刷時に画質異常が認められず、20万枚の印刷時に画質異常が認められた。
C:10万枚の印刷時に画質異常が認められた。
(ベルトスジ(ベルト変形))
各例で得られた無端ベルトを中間転写ベルトとして、画像形成装置「富士ゼロックス社製DocuCentre−IV C2270」に搭載し、低温低湿(10℃/15RH%)環境下で、5万枚、10万枚、20万枚の画像出力をした後、各出力枚数時点でハーフトーン(マゼンダ30%)画像について画質評価(色抜け有無確認)を行った。
上記色抜けが発生しにくいほど、無端ベルトの外周面の変形の発生が抑制されているといえる。
評価基準は下記の通りとした。
A:20万枚の印刷時に色抜けが認められなかった。
B:5万枚の印刷時に色抜けが認められず、20万枚の印刷時に色抜けが認められた。
C:5万枚の印刷時に色抜けが認められた。
各例で得られた無端ベルトを中間転写ベルトとして、画像形成装置「富士ゼロックス社製DocuCentre−IV C2270」に搭載し、低温低湿(10℃/15RH%)環境下で、5万枚、10万枚、20万枚の画像出力をした後、各出力枚数時点でハーフトーン(マゼンダ30%)画像について画質評価(色抜け有無確認)を行った。
上記色抜けが発生しにくいほど、無端ベルトの外周面の変形の発生が抑制されているといえる。
評価基準は下記の通りとした。
A:20万枚の印刷時に色抜けが認められなかった。
B:5万枚の印刷時に色抜けが認められず、20万枚の印刷時に色抜けが認められた。
C:5万枚の印刷時に色抜けが認められた。
(基準位置読取評価)
各例で得られたベルトを備えた画像形成装置「富士ゼロックス社製DocuCentre−IV C2270」を用いて、A4サイズの媒体にY、M、C及びKで構成されるカラー5%濃度の画像形成を行い、200k枚まで読取不良による誤作動有無を評価した。なお、画像形成装置における画像形成速度は、A4サイズの媒体に対してカラー80ppm(80ページ毎分)とした。
上記読取不良による誤作動が発生しにくいほど、無端ベルトの外周面の変形の発生が抑制されているといえる。
評価基準は下記の通りとした。
A:20万枚の印刷時に読取不良による誤作動が認められなかった。
B:8万枚の印刷時に読取不良による誤作動が認められず、20万枚の印刷時に読取不良による誤作動が認められた。
C:8万枚の印刷時に読取不良による誤作動が認められた。
各例で得られたベルトを備えた画像形成装置「富士ゼロックス社製DocuCentre−IV C2270」を用いて、A4サイズの媒体にY、M、C及びKで構成されるカラー5%濃度の画像形成を行い、200k枚まで読取不良による誤作動有無を評価した。なお、画像形成装置における画像形成速度は、A4サイズの媒体に対してカラー80ppm(80ページ毎分)とした。
上記読取不良による誤作動が発生しにくいほど、無端ベルトの外周面の変形の発生が抑制されているといえる。
評価基準は下記の通りとした。
A:20万枚の印刷時に読取不良による誤作動が認められなかった。
B:8万枚の印刷時に読取不良による誤作動が認められず、20万枚の印刷時に読取不良による誤作動が認められた。
C:8万枚の印刷時に読取不良による誤作動が認められた。
表1中の略号は、以下のとおりである。
・DMI: 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
・NMP: N−メチルピロリドン
・DMI: 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
・NMP: N−メチルピロリドン
1 トナーカートリッジ
2 定着ロール
3 バックアップロール
4 テンションロール
5 二次転写ロール
6 用紙経路
7 用紙トレイ
8 レーザ発生装置(静電荷像形成手段の一例)
9 感光体(像保持体の一例)
10 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
11 駆動ロール
12 中間転写体クリーニング装置
13 帯電ロール(帯電手段の一例)
14 感光体クリーニング装置
15 現像器(現像手段の一例)
16 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
30 無端ベルト
32 最内層
34 最外層
100 画像形成装置
130 無端ベルトユニット
131 駆動ロール
132 従動ロール
134 拡大図
2 定着ロール
3 バックアップロール
4 テンションロール
5 二次転写ロール
6 用紙経路
7 用紙トレイ
8 レーザ発生装置(静電荷像形成手段の一例)
9 感光体(像保持体の一例)
10 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
11 駆動ロール
12 中間転写体クリーニング装置
13 帯電ロール(帯電手段の一例)
14 感光体クリーニング装置
15 現像器(現像手段の一例)
16 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
30 無端ベルト
32 最内層
34 最外層
100 画像形成装置
130 無端ベルトユニット
131 駆動ロール
132 従動ロール
134 拡大図
Claims (8)
- ウレア系溶剤、アルコキシ基含有アミド系溶剤、及びエステル基含有アミド系溶剤よりなる溶剤群Aから選択された少なくとも1種の溶剤と、ポリイミド樹脂と、を含む最内層と、
ポリアミドイミド樹脂を含む最外層と、を有する
電子写真装置用無端ベルト。 - ウレア系溶剤、アルコキシ基含有アミド系溶剤、及びエステル基含有アミド系溶剤よりなる溶剤群Aから選択された少なくとも1種の溶剤と、ポリイミド樹脂前駆体と、を含有する樹脂組成物の硬化物である最内層と、
溶剤と、ポリアミドイミド樹脂と、を含有する樹脂組成物の硬化物である最外層と、を有する
電子写真装置用無端ベルト。 - 前記溶剤群Aが、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、及び3−nブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドからなる溶剤群である請求項1又は請求項2に記載の電子写真装置用無端ベルト。
- 前記溶剤群Aから選ばれる溶剤が、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである、請求項1又は請求項2記載の電子写真装置用無端ベルト。
- 前記最内層及び前記最外層が、導電性粒子を含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子写真装置用無端ベルト。
- 前記導電性粒子が、カーボンブラックである、請求項5に記載の電子写真装置用無端ベルト。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電子写真装置用無端ベルトを備える画像形成装置。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電子写真装置用無端ベルトと、前記電子写真装置用無端ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、を備える無端ベルトユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017038667A JP2018146635A (ja) | 2017-03-01 | 2017-03-01 | 電子写真装置用無端ベルト、画像形成装置、及び、無端ベルトユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017038667A JP2018146635A (ja) | 2017-03-01 | 2017-03-01 | 電子写真装置用無端ベルト、画像形成装置、及び、無端ベルトユニット |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2017038667A Pending JP2018146635A (ja) | 2017-03-01 | 2017-03-01 | 電子写真装置用無端ベルト、画像形成装置、及び、無端ベルトユニット |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018146635A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020250967A1 (ja) * | 2019-06-14 | 2020-12-17 | サンデン・アドバンストテクノロジー株式会社 | 摺動皮膜の形成方法及び斜板式圧縮機 |
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JP2002316369A (ja) * | 2001-04-19 | 2002-10-29 | Gunze Ltd | 管状芳香族ポリイミド樹脂系多層フイルムとその製造方法 |
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JP2017517582A (ja) * | 2014-03-26 | 2017-06-29 | エランタス イタリア エス.アール.エル.Elantas Italia S.R.L. | ポリアミド−イミド用およびポリイミド用の新規溶媒 |
-
2017
- 2017-03-01 JP JP2017038667A patent/JP2018146635A/ja active Pending
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