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JP6730859B2 - 研磨用組成物および磁気ディスク基板製造方法 - Google Patents

研磨用組成物および磁気ディスク基板製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、研磨用組成物、該研磨用組成物を用いる磁気ディスク基板製造方法および該方法により製造された磁気ディスク基板に関する。
従来、金属や半金属、非金属、その酸化物等の材料表面に対して、研磨用組成物を用いた研磨加工が行われている。例えば、高精度な表面が要求される研磨物の製造プロセスにおいては、一般に、最終製品の表面精度に仕上げるために行う仕上げ研磨工程の前に、より研磨効率を重視した研磨(予備研磨)が行われている。このような研磨プロセスでは、例えば上記の予備研磨のように仕上げ研磨工程より前に行われる研磨においても、仕上げ研磨工程における表面精度向上に寄与するため、良好な表面状態を実現することが望ましい。
研磨対象物の表面精度を左右する要素の一つとして、研磨液に含まれる砥粒の材質や性状が挙げられる。例えば、砥粒としてシリカを用いる研磨液によると、より硬度が高いアルミナ等の砥粒を用いる研磨液に比べて、研磨対象面の表面品質(例えば表面平滑性)が向上する傾向がある。砥粒としてシリカを用いる研磨技術に関する技術文献として特許文献1〜4が挙げられる。
特開2010−95568号公報 特開平9−306880号公報 特開2003−100670号公報 特表2009−516928号公報
しかし、一般にシリカ砥粒を用いた研磨液は研磨効率(典型的には研磨レート)に劣る傾向があり、例えばニッケルリンめっきが施された磁気ディスク基板(Ni−P基板)の一次研磨のように高い研磨レートが要求される研磨において使用される場合に、かかる要求に充分に応えることができない虞があった。本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、シリカ砥粒を用いて、高い研磨レートを好適に発揮し得る研磨用組成物を提供することを目的とする。関連する他の目的は、かかる研磨用組成物を用いて磁気ディスク基板を製造する方法および該方法により製造された磁気ディスク基板を提供することである。さらに他の目的は、上記研磨用組成物を用いる磁気ディスク基板の研磨方法を提供することである。
この明細書により提供される研磨用組成物は、シリカ砥粒を含有する。上記シリカ砥粒は、平均一次粒子径が15nm以上であり、かつ該シリカ砥粒をpH9.5の水に分散させて測定される平均ケイ酸イオン溶出量が13.5ppm/g以下である。このようなシリカ砥粒を含む研磨用組成物によると、高い研磨レートが好適に発揮され得る。
ここに開示される研磨用組成物の一態様において、上記シリカ砥粒の平均一次粒子径は30nm以上である。すなわち、この明細書によると、シリカ砥粒を含有する研磨用組成物であって、該シリカ砥粒の平均一次粒子径が30nm以上であり、かつ該シリカ砥粒をpH9.5の水に分散させて測定される平均ケイ酸イオン溶出量が13.5ppm/g以下である研磨用組成物が提供される。このようなシリカ砥粒を含む研磨用組成物によると、高い研磨レートが好適に発揮され得る。
上記シリカ砥粒としては、熱処理されたシリカ粒子を含むシリカ砥粒を好ましく採用し得る。このようなシリカ砥粒の使用により、ここに開示される研磨用組成物を好適に実現することができる。
ここに開示される研磨用組成物は、pHが5以下であることが好ましい。ここに開示される好ましい平均一次粒子径および平均ケイ酸イオン溶出量を満たすシリカ砥粒を、このようなpHを有する研磨用組成物において用いると、本発明の効果が好適に発揮され得る。
ここに開示される研磨用組成物は、仕上げ研磨工程の前工程で用いられる研磨用組成物として好適である。例えば、上記研磨用組成物は、研磨対象物の一次研磨に好適に用いられ得る。ここに開示される研磨用組成物は、高い研磨レートを示し得るため、上記一次研磨のように高い研磨効率が要求される研磨プロセスにおいて用いられることはより有意義である。
ここに開示される研磨用組成物の好ましい適用対象として、磁気ディスク基板が例示される。なかでも好ましい研磨対象物として、ニッケルリンめっきが施された磁気ディスク基板(Ni−P基板)が挙げられる。上記研磨用組成物を上記磁気ディスク基板に適用すると、高い研磨レートが達成され、かつ研磨後の上記磁気ディスク基板の面精度が好適なレベルとなり得る。ここに開示される研磨用組成物は、特に、磁気ディスク基板の一次研磨に好適である。
ここに開示される研磨用組成物の他の好ましい研磨対象物として、ガラス材料が挙げられる。上記研磨用組成物をガラス材料に適用すると、研磨レートが向上し、かつ研磨後のガラス材料の面精度が好適に維持または改善され得る。ここに開示される研磨用組成物は、例えば、磁気ディスク用ガラス基板(ガラス磁気ディスク基板)やフォトマスク用ガラス基板等のガラス材料の研磨に好ましく適用され得る。特にガラス磁気ディスク基板の仕上げ研磨(例えば最終研磨)に好適である。また、シリコンウェーハの研磨にも適用し得る。
この明細書によると、また、磁気ディスク基板の製造方法が提供される。その製造方法は、ここに開示されるいずれかの研磨用組成物を用いて磁気ディスク基板を研磨する工程(1)を包含する。かかる製造方法によると、高品位な表面を有する磁気ディスク基板を生産性よく製造することができる。
上記磁気ディスク基板の製造方法は、上記工程(1)の後に、コロイダルシリカを含む仕上げ研磨用組成物を用いて上記磁気ディスク基板を研磨する工程(2)をさらに含み得る。かかる製造方法によると、より高品位な表面を有する磁気ディスク基板を生産性よく製造することができる。
ここに開示される磁気ディスク基板製造方法の他の側面として、該方法により製造された磁気ディスク基板が提供される。このような磁気ディスク基板は、高品位な表面を有し、かつ生産コストの面で有利なものとなり得るので好ましい。上記磁気ディスク基板は、例えば、基材ディスクの表面にニッケルリンめっき層を有する磁気ディスク基板(Ni−P基板)や、ガラス磁気ディスク基板等であり得る。
この明細書によると、さらに、磁気ディスク基板の研磨方法が提供される。その研磨方法は、ここに開示されるいずれかの研磨用組成物を磁気ディスク基板に供給して該磁気ディスク基板を研磨することを特徴とする。かかる研磨方法によると、研磨対象物を効率よく研磨することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
<シリカ砥粒>
(平均一次粒子径)
ここに開示される研磨用組成物は、シリカ砥粒を含み、該シリカ砥粒の平均一次粒子径が15nm以上(例えば30nm以上)である。後述する平均ケイ酸イオン溶出量を満たす構成において、上記シリカ砥粒の平均一次粒子径が15nm以上(例えば30nm以上)である研磨用組成物によると、高い研磨レートを好適に発揮することができる。
ここで、本明細書において平均一次粒子径とは、BET法に基づいて求められる平均粒子径をいう。この平均一次粒子径(以下「D1」と表記することがある。)は、BET法により測定される比表面積S(m/g)から、D1(nm)=6000/(真密度(g/cm)×S(m/g))の式により算出される。例えばシリカ粒子の場合、D1(nm)=2727/S(m/g)の式によりD1が算出される。比表面積の測定は、例えば、マイクロメリテックス社製の表面積測定装置、商品名「Flow Sorb II 2300」を用いて行うことができる。
また、本明細書において、シリカ砥粒の平均一次粒子径(以下「D1AVE」と表記することがある。)とは、ここに開示される研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒の総体的な特性として把握される平均一次粒子径を意味する。すなわち、研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒が2種類以上のシリカ粒子の混合物である場合は、その混合物であるシリカ砥粒の比表面積に基づいてD1AVEが算出される。研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒が1種類のシリカ粒子からなる場合には、当該シリカ粒子の平均一次粒子径D1とD1AVEとは一致する。なお、研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒が例えば2種類のシリカ粒子X,Yの混合物である場合、D1AVEは、該シリカ砥粒(すなわち、シリカ粒子X,Yの混合物)についてBET法により測定される比表面積から算出することができる。また、通常は、少なくとも実用上十分な近似値として、上記シリカ砥粒を構成する各成分(ここではシリカ粒子X,Y)のBET比表面積と、上記シリカ砥粒におけるシリカ粒子X,Yの重量比とから算出される値をD1AVEとして採用することができる。研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒が3種類以上のシリカ粒子の混合物である場合も同様である。
ここに開示される技術の一態様において、D1AVEは、典型的には30nm以上であり、35nm以上であることが好ましく、40nm以上であることがより好ましい。D1AVEが大きくなると、研磨レートが向上する傾向にある。かかる観点から、好ましい一態様において、D1AVEを45nm以上(例えば50nm以上)としてもよい。D1AVEの上限は特に制限されない。シリカ砥粒の分散安定性等の観点から、通常は、D1AVEを500nm以下とすることが適当であり、研磨対象面の面精度の観点から300nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、150nm以下(例えば120nm以下)がさらに好ましい。ここに開示される技術は、例えば、D1AVEが30nm〜500nm(より好ましくは35nm〜300nm、さらに好ましくは40nm〜200nm、例えば45nm〜150nm)である態様で好ましく実施され得る。
ここに開示される技術の他の一態様において、D1AVEは、典型的には15nm以上であり、20nm以上であることが好ましい。D1AVEが大きくなると、研磨レートが向上する傾向にある。D1AVEの上限は特に制限されない。シリカ砥粒の分散安定性等の観点から、通常は、D1AVEを500nm以下とすることが適当であり、研磨対象面の面精度の観点から200nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましく、100nm以下(例えば55nm以下)がさらに好ましい。上記のD1AVEは、例えば、ガラス基板等のガラス材料の研磨に用いられる研磨用組成物に好ましく適用され得る。
ここに開示される技術におけるシリカ砥粒は、1種類のシリカ粒子から構成されていてもよく、2種類以上のシリカ粒子から構成されていてもよい。好ましい一態様において、研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒を、D1の異なる2種類以上のシリカ粒子から構成することができる。かかる態様には、D1AVEを調整しやすいという利点がある。例えば、研磨用組成物の調製に使用する各シリカ粒子のD1が製造誤差や保存条件等により変動しても、それらのシリカ粒子の使用量比(ブレンド比)を調節することにより、D1AVEの変動を抑えることができる。このことは研磨用組成物の生産性や品質安定性の観点から好ましい。また、このように2種類以上のシリカ粒子を用いることにより、所望のD1AVEと平均ケイ酸イオン溶出量とを両立する研磨用組成物が得られやすくなる。
シリカ砥粒が2種類以上のシリカ粒子を含む態様において、種類毎のシリカ粒子のD1は特に限定されず、それらのシリカ粒子を含むシリカ砥粒の平均一次粒子径(D1AVE)が所望の範囲となり得る径であればよい。
一態様に係る研磨用組成物において、分散安定性等の観点から、通常は、D1が100μm以下(典型的には50μm以下、好ましくは30μm以下、例えば15μm以下)のシリカ粒子を好適に使用し得る。より高精度な研磨面を得る観点から、D1が10μm以下(より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは3μm以下、例えば2μm以下)のシリカ粒子が好ましい。また、研磨レート等の観点から、通常は、D1が5nm以上(好ましくは10nm以上、より好ましくは15nm以上、例えば20nm以上)のシリカ粒子を好適に使用し得る。より高い研磨レートを得る観点から、D1が30nm以上(好ましくは40nm以上、例えば50nm以上)のシリカ粒子を使用してもよい。
他の一態様に係る研磨用組成物において、分散安定性等の観点から、通常は、D1が100μm以下(典型的には50μm以下、好ましくは20μm以下、例えば10μm以下)のシリカ粒子を好適に使用し得る。より高精度な研磨面を得る観点から、D1が5μm以下(より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2μm以下、例えば1μm以下)のシリカ粒子が好ましい。また、研磨レート等の観点から、通常は、D1が5nm以上(好ましくは10nm以上、より好ましくは15nm以上、例えば20nm以上)のシリカ粒子を好適に使用し得る。上記D1は、例えば、ガラス基板等のガラス材料の研磨に用いられる研磨用組成物に好ましく適用され得る。
ここに開示される技術は、シリカ砥粒がシリカ粒子Aおよびシリカ粒子Bを含み、シリカ粒子Aの平均一次粒子径(D1A)がシリカ粒子Bの平均一次粒子径(D1B)よりも大きい態様で好ましく実施され得る。かかる態様において、D1Aは、例えば15nmより大(典型的には15nmより大きく10μm以下)であり得、20nmより大(典型的には20nmより大きく5μm以下)であってもよい。一態様において、D1Aは、30nmより大(典型的には30nmより大きく10μm以下)であり、通常は60nm以上(例えば60nm〜5μm)が好ましく、80nm以上(例えば80nm〜3μm)がより好ましい。一方、D1Bは、例えば1000nm以下(典型的には5nm〜1000nm)とすることができ、通常は500nm以下(例えば10nm〜500nm)が好ましく、300nm以下(例えば15nm〜300nm)がより好ましい。より高い面精度を得る観点から、D1Bは、200nm以下(典型的には5nm〜200nm、例えば15nm〜200nm)であってもよく、さらには100nm以下(典型的には5nm〜100nm、例えば15nm〜100nm)であってもよい。一態様において、D1Bは、例えば5nm〜50nmであってよく、5nm〜35nmであってもよい。
特に限定するものではないが、シリカ粒子Aおよびシリカ粒子Bは、D1A/D1Bが例えば1.2以上(典型的には1.2〜25)となるように選択することができる。かかるD1A/D1Bを満たすシリカ粒子A,Bを組み合わせて使用することにより、高い研磨レートが好適に実現される傾向にある。好ましい一態様において、D1A/D1Bは、1.3以上(例えば1.3〜20)とすることができ、1.5以上(典型的には1.5〜15、例えば1.5〜8.0)とすることが好ましい。好ましい他の一態様において、D1A/D1Bは、1.8以上(典型的には1.8〜10、例えば2.0〜8.0)であってもよい。
なお、シリカ砥粒として3種類以上のシリカ粒子を含む研磨用組成物では、最も多く含まれる2種類のシリカ粒子をシリカ粒子A,Bとすることができる。この場合、シリカ粒子A,Bの合計重量がシリカ砥粒の総重量に占める割合は、典型的には50重量%超であり、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、例えば90重量%以上であり、95重量%以上、さらには98重量%以上であってもよい。また、ここに開示される技術におけるシリカ砥粒は、2種類のシリカ粒子A,Bから実質的に構成されるシリカ砥粒であってもよい。
(ケイ酸イオン溶出量)
ここに開示される研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒は、pH9.5の水に対する平均ケイ酸イオン溶出量が13.5ppm/g以下である。ここでケイ酸イオン溶出量とは、pH9.5の水に対してシリカ粒子1gから溶出するケイ酸イオン(SiO )の重量を指す。ケイ酸イオン溶出量は、水にシリカ粒子を分散させたpH9.5の分散液において、該分散液の水相に含まれるケイ酸イオンの重量を上記シリカ粒子1g当たりに換算した値としても把握され得る。ケイ酸イオン溶出量(以下「SS」と表記することがある。)は、詳しくは、以下のようにして測定される。
[ケイ酸イオン溶出量測定方法]
測定対象のシリカ粒子の含有量が9.8重量%であり、pH9.5に調整されたシリカ分散液を調製する。pHの調整は、必要に応じて適当量の水酸化カリウムおよび/または硫酸を使用することにより行う。上記シリカ分散液を25℃で24時間以上(例えば24時間〜36時間程度)静置した後、遠心分離して上澄み液を採取する。ICP発光分析により上記上澄み液のSi濃度を測定する。得られたSi濃度を上記シリカ粒子1g当たりのケイ酸イオン(SiO )の重量に換算することにより、上記シリカ粒子のケイ酸イオン溶出量を求める。なお、遠心分離には、ベックマン・コールター社製の高速冷却遠心機、装置名「Avanti HP−301」またはその相当品を使用するとよい。ICP発光分析には、島津製作所製のICP発光分析装置、装置名「ICPS−8100」またはその相当品を使用するとよい。
また、本明細書において、シリカ砥粒の平均ケイ酸イオン溶出量(以下「SSAVE」と表記することがある。)とは、ここに開示される研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒の総体的な特性として把握されるケイ酸イオン溶出量を意味する。研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒が例えば2種類のシリカ粒子K,Lの混合物である場合、SSAVEは、該シリカ砥粒(すなわち、シリカ粒子K,Lの混合物)を測定サンプルとして、上記のケイ酸イオン溶出量測定方法を適用することにより求めることができる。また、通常は、少なくとも実用上十分な近似値として、上記シリカ砥粒を構成する各成分(ここではシリカ粒子K,L)の各々のSSと、上記シリカ砥粒におけるシリカ粒子K,Lの重量比とから算出される値を、SSAVEとして採用することができる。研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒が3種類以上のシリカ粒子の混合物である場合も同様である。
本発明者らの検討により、D1AVEが15nm以上(好ましくは20nm以上、例えば30nm以上)のシリカ砥粒を含む構成において、該シリカ砥粒の平均ケイ酸イオン溶出量(SSAVE)が13.5ppm/g以下(すなわち、上記シリカ砥粒1gからpH9.5の水に溶出するケイ酸イオンの重量が13.5μg以下)であると、高い研磨レートが好適に発揮されることが明らかとなった。ここに開示される技術におけるSSAVEは、上述のようにpH9.5におけるケイ酸イオン溶出量(SS)に基づいて求められる値であるため、精度よく把握することができる。より高い研磨レートを得る観点から、SSAVEは、13.0ppm/g以下であることが好ましく、12.5ppm/g以下(例えば12.0ppm/g以下)であることがより好ましい。好ましい一態様において、SSAVEは、11.5ppm/g以下であってもよく、11.0ppm/g以下(例えば10.0ppm/g以下)であってもよい。SSAVEの下限は特に限定されない。SSAVEは、典型的には0.5ppm/g以上であり、研磨対象面の表面品質(面精度)の観点から通常は1.0ppm/g以上が有利であり、1.5ppm/g以上(典型的には2.0ppm/g以上、例えば5.0ppm/g以上)が好ましい。ここに開示される技術は、例えば、SSAVEが2.0〜12.0ppm/g(より好ましくは5.0〜10.0ppm/g)である態様で好ましく実施され得る。上記SSAVEの範囲は、例えば、ニッケルリンめっき層を有する磁気ディスク基板用の研磨(特に一次研磨)に用いられる研磨用組成物に好ましく適用され得る。
ここに開示される技術の他の一態様において、研磨用組成物のSSAVEは、例えば1.0ppm/g以上(典型的には1.0〜13.0ppm/g)であり、好ましくは1.5ppm/g以上(典型的には1.5〜12.5ppm/g)、より好ましくは2.0ppm/g以上(典型的には2.0〜12.0ppm/g、例えば2.0〜10.0ppm/g)である。上記SSAVEの範囲は、例えば、ガラス磁気ディスク基板等のガラス材料の研磨(特に仕上げ研磨)に用いられる研磨用組成物に好ましく適用され得る。
ここに開示される技術の好ましい一態様において、研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒を、SSの異なる2種類以上のシリカ粒子を含む構成とすることができる。かかる態様には、SSAVEを調整しやすいという利点がある。例えば、研磨用組成物の調製に使用する各シリカ粒子のSSが製造誤差や保存条件等により変動しても、それらのシリカ粒子の使用量比(ブレンド比)を調節することにより、SSAVEの変動を抑えることができる。このことは研磨用組成物の生産性や品質安定性の観点から好ましい。また、このように2種類以上のシリカ粒子を用いることにより、所望のSSAVEとD1AVEとを両立する研磨用組成物が得られやすくなる。
シリカ砥粒が2種類以上のシリカ粒子を含む態様において、種類毎のシリカ粒子のSSは特に限定されず、それらのシリカ粒子を適切な重量比で含むシリカ砥粒のSSAVEが所望の範囲となり得るSSであればよい。材料の入手容易性等の観点から、通常は、SSが0.5ppm/g以上のシリカ粒子を用いることが適当である。面精度の観点から、SSが0.8ppm/g以上(より好ましくは1.0ppm/g以上、例えば1.2ppm/g以上)のシリカ粒子を好ましく用いることができる。また、ここに開示される好適なSSAVEを実現しやすいことから、通常は、SSが30.0ppm/g以下(より好ましくは25.0ppm/g以下、さらに好ましくは20.0ppm/g以下)のシリカ粒子を好ましく使用し得る。
ここに開示される技術は、シリカ砥粒がシリカ粒子Kとシリカ粒子Lとを含み、シリカ粒子Kのケイ酸イオン溶出量(SSK)がシリカ粒子Lのケイ酸イオン溶出量(SSL)よりも少ない態様で好ましく実施され得る。かかる態様において、SSKは、典型的には5.0ppm/g未満(例えば0.5ppm/g以上5.0ppm/g未満)であり、通常は3.0ppm/g未満(例えば0.8ppm/g以上3.0ppm/g未満)が適当であり、好ましくは2.5ppm/g未満(例えば0.8ppm/g以上2.5ppm/g未満)、より好ましくは2.0ppm/g未満(例えば1.0ppm/g以上2.0ppm/g未満)である。好ましい一態様において、SSKが1.8ppm/g以下(例えば1.5ppm/g未満)であるシリカ粒子Kを用いることができる。一方、シリカ粒子Lとしては、SSLが例えば1.5ppm/g以上(典型的には、1.5ppm/gを超えて30.0ppm/g以下)のものを用いることができ、研磨対象面の表面品質(面精度)の観点からSSが2.0ppm/g以上のものが好ましい。ここに開示される研磨用組成物は、SSLが3.0ppm/g以上(より好ましくは3.5ppm/g以上、例えば4.0ppm/g以上)のシリカ粒子Lを使用する態様でも好ましく実施されて、高い研磨レートを好適に発揮し得る。好ましい一態様において、SSLが5.0ppm/g以上(典型的には5.0〜30.0ppm/g、例えば10.0〜20.0ppm/g)であるシリカ粒子Lを好適に使用することができる。
なお、シリカ砥粒として3種類以上のシリカ粒子を含む研磨用組成物では、最も多く含まれる2種類のシリカ粒子をシリカ粒子K,Lとすることができる。この場合、シリカ粒子K,Lの合計重量がシリカ砥粒の総重量に占める割合は、典型的には50重量%超であり、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、例えば90重量%以上であり、95重量%以上、さらには98重量%以上であってもよい。また、ここに開示される技術におけるシリカ砥粒は、2種類のシリカ粒子K,Lから実質的に構成されるシリカ砥粒であってもよい。
上記シリカ粒子K,Lは、シリカ粒子Kが上述のシリカ粒子Aであり、シリカ粒子Lが上述のシリカ粒子Bであってもよい。また、上記シリカ粒子K,Lは、シリカ粒子Kが上記シリカ粒子Bであり、シリカ粒子Lが上記シリカ粒子Aであってもよい。ここに開示される技術は、材料の入手容易性等の観点から、シリカ粒子Kが上記シリカ粒子Aであり、シリカ粒子Lが上記シリカ粒子Bである態様で好ましく実施され得る。
(平均二次粒子径)
ここに開示される研磨用組成物において、該研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒の平均二次粒子径は特に制限されない。ここで、本明細書において平均二次粒子径(以下「D2」と表記することがある。)とは、レーザ回折/散乱法に基づく体積基準の平均粒子径(50%体積平均粒子径)を指す。上記平均粒子径の測定は、例えば、株式会社堀場製作所製のレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(型式「LA−950」)を用いて行うことができる。
また、本明細書において、シリカ砥粒の平均二次粒子径(以下「D2AVE」と表記することがある。)とは、ここに開示される研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒の総体的な特性として把握される平均二次粒子径を意味する。一態様において、D2AVEは、典型的には30nm以上(例えば30nm超)であり、通常は40nm以上(例えば50nm以上)が適当であり、研磨レートの観点から60nm以上が有利であり、70nm以上であることが好ましく、より好ましくは80nm以上、さらに好ましくは90nm以上である。好ましい一態様において、D2AVEは、100nm以上とすることができ、150nm以上としてもよく、250nm以上、さらには350nm以上(例えば450nm以上)としてもよい。また、砥粒の凝集に伴う粒子数減少による研磨レート低下を抑制する観点から、D2AVEは、15μm以下であることが好ましく、より好ましくは13μm以下、さらに好ましくは7μm以下である。面精度の観点から、通常は、D2AVEを5μm以下(より好ましくは3μm以下、例えば1μm以下)とすることが有利である。ここに開示される技術は、D2AVEが例えば50nm〜3μm(より好ましくは70nm〜1μm)である態様で好ましく実施され得る。かかるD2AVEを有するシリカ砥粒を含む研磨用組成物によると、高い研磨レートが好適に発揮されやすい。
他の一態様において、D2AVEは、典型的には15nm以上(例えば15nm超)であり、20nm以上であることが好ましく、25nm以上であってもよく、30nm以上であってもよい。D2AVEが大きくなると、研磨レートが向上する傾向にある。また、面精度向上の観点から、D2AVEは、5μm以下(より好ましくは3μm以下、例えば1μm以下)とすることが有利であり、700nm以下(例えば500nm以下)としてもよい。上記のD2AVEは、例えば、ガラス基板等のガラス材料の研磨に用いられる研磨用組成物に好ましく適用され得る。ここに開示される技術は、D2AVEが例えば20nm〜1μm(好ましくは30nm〜700nm)である態様で好ましく実施され得る。
シリカ砥粒が2種類以上のシリカ粒子を含む態様において、種類毎のシリカ粒子のD2は特に限定されず、それらのシリカ粒子を含むシリカ砥粒のD2AVEが所望の範囲となり得るD2であればよい。ここに開示される技術は、シリカ砥粒がシリカ粒子Pおよびシリカ粒子Qを含み、シリカ粒子Pの平均二次粒子径(D2)がシリカ粒子Qの平均二次粒子径(D2Q)よりも大きい態様で好ましく実施され得る。かかる態様において、D2は、例えば60nmより大(典型的には60nmより大きく15μm以下)とすることができ、通常は100nm以上(例えば100nm〜13μm)が好ましく、150nm以上(例えば150nm〜7μm)がより好ましい。一方、D2Qは、例えば2μm以下(典型的には20nm〜2μm)とすることができ、通常は1.5μm以下(例えば30nm〜1.5μm)が好ましく、1μm以下(例えば40nm〜1μm)がより好ましい。より高い面精度を得る観点から、D2Qは、500nm以下(例えば50nm〜500nm)であってもよく、さらには300nm以下(典型的には50nm〜300nm、例えば50nm〜200nm)であってもよい。ここに開示される技術は、D2Qが55nm以上(典型的には55nm〜500nm、例えば60nm〜200nm)である態様でも好ましく実施されて、研磨レートと面精度とを好適に両立し得る。
シリカ砥粒のD1AVEに対するD2AVEの比(D2AVE/D1AVE)は特に限定されない。D2AVE/D1AVEは、典型的には1.0以上であり、通常は1.0より大である。ここに開示される技術において、D2AVE/D1AVEが1.2以上(例えば1.5以上)であると、より効率的な研磨が実現される傾向にある。より高い研磨レートを得る観点から、D2AVE/D1AVEは、2.0以上であることが好ましく、より好ましくは2.5以上、さらに好ましくは3.0以上である。好ましい一態様において、D2AVE/D1AVEは、4.0以上(例えば5.0以上)であってもよい。また、研磨対象面の面精度向上の観点から、D2AVE/D1AVEは、通常、100以下(典型的には80以下)であることが適当であり、好ましくは50以下、より好ましくは30以下(例えば10以下)である。
(シリカ粒子)
ここに開示される技術において、シリカ砥粒を構成するシリカ粒子は、シリカを主成分とする各種のシリカ粒子であり得る。ここで、シリカを主成分とするシリカ粒子とは、該粒子の90重量%以上(通常は95重量%以上、典型的には98重量%以上)がシリカである粒子をいう。使用し得るシリカ粒子の例としては、特に限定されないが、沈降シリカ、ケイ酸ソーダ法シリカ、アルコキシド法シリカ、フュームドシリカ、乾燥シリカ、爆発法シリカ等が挙げられる。使用し得るシリカ粒子の例として、さらに、上記の各種シリカ粒子(すなわち、沈降シリカ、ケイ酸ソーダ法シリカ、アルコキシド法シリカ、フュームドシリカ、乾燥シリカ、爆発法シリカ等)を原材料として得られたシリカ粒子が挙げられる。そのようなシリカ粒子の例には、上記原材料のシリカ粒子(以下「原料シリカ」ともいう。)に、例えば加温、乾燥、焼成等の熱処理、オートクレーブ処理等の加圧処理、解砕や粉砕(破砕)等の機械的処理、表面改質(例えば、官能基の導入、金属修飾等の化学的修飾)等から選択される1または2以上の処理を適用して得られたシリカ粒子が含まれ得る。原料シリカに熱処理を施して得られたシリカ粒子(以下「熱処理シリカ」ともいう。)の例として、乾燥されたシリカ粒子、焼成されたシリカ粒子等が挙げられる。ここで、乾燥されたシリカ粒子とは、典型的には、300℃以上500℃未満の環境下に一定時間以上(例えば15分以上、典型的には30分以上)保持する処理を経て得られたシリカ粒子をいう。また、焼成されたシリカ粒子(以下「焼成シリカ」ともいう。)とは、詳細は後述するが、典型的には、500℃以上の環境下に一定時間以上(例えば15分以上、典型的には30分以上)保持する処理(以下「焼成」ともいう。)を経て得られたシリカ粒子をいう。処理効率等の観点から、シリカ粒子から水等の液体を除去した状態で熱処理を行うことが好ましい。例えば、上記乾燥または焼成に先立って、シリカ粒子から液体を除去するために300℃未満(例えば60℃以上300℃未満、典型的には110℃以上300℃未満)の温度で加温する処理を行ってもよい。また、原料シリカに官能基を導入する処理は、例えば、シリカ粒子表面のシラノール基にスルホン酸等の有機酸を結合させる有機酸修飾処理であり得る。原料シリカを金属修飾する処理は、例えば、シリカ粒子表面のシラノール基にAlイオンやTiイオン等の金属イオンを結合させる処理であり得る。ここに開示される技術におけるシリカ砥粒は、このようなシリカ粒子の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて含むものであり得る。
シリカ砥粒の構成成分として使用し得るシリカ粒子の一好適例として、熱処理されたシリカ粒子(熱処理シリカ)が挙げられる。上述したいずれかの原料シリカ(沈降シリカ、ケイ酸ソーダ法シリカ、アルコキシド法シリカ、フュームドシリカ、乾燥シリカ、爆発法シリカ等)を熱処理する過程を経て得られたシリカ粒子は、ここでいう熱処理シリカの概念に包含される典型例である。一般に、シリカ粒子は、上述した乾燥や焼成等の熱処理により、ケイ酸イオン溶出量(SS)が減少する傾向がある。この傾向を利用してシリカ粒子のSSを調整することにより、所望のSSAVEを満たすシリカ砥粒の構成成分として有用なシリカ粒子を得ることができる。また、熱処理シリカは、熱処理条件の設定や後述する解砕およびその程度との組合せによってD1やSSを調整することができるので、ここに開示されるD1AVEおよびSSAVEを満たすシリカ砥粒の構成成分として好適である。シリカ砥粒が熱処理シリカを含む場合、該シリカ砥粒に含まれる熱処理シリカは、1種であってもよく、製造条件および/または物性の異なる2種以上であってもよい。また、上記シリカ砥粒は、1種または2種以上の熱処理シリカからなる構成であってもよく、熱処理シリカと他のシリカ粒子(すなわち、熱処理されていないシリカ粒子)とを組み合わせて含む構成であってもよい。
熱処理シリカの原材料(原料シリカ)としては、上述のように、各種のシリカ粒子を用いることができる。熱処理により好適なSSやD1が得られやすいことから、原料シリカとして、沈降シリカまたはコロイダルシリカを好ましく採用し得る。なかでも沈降シリカが好ましい。ここに開示される技術は、上記シリカ砥粒が沈降シリカ由来の熱処理シリカ(例えば焼成シリカ)を含有する態様で好ましく実施され得る。
原料シリカを熱処理するときの温度は、シリカの融点より低ければよく、特に限定されない。通常は、上記熱処理温度を1300℃以下とすることが適当である。シリカ粒子が大きく成長しすぎることを抑制する観点から、上記熱処理温度としては、通常は1200℃以下(典型的には1200℃未満)が好ましく、1100℃以下(例えば1050℃以下)がより好ましい。また、上記熱処理温度は、例えば300℃以上とすることができ、400℃以上としてもよい。研磨レートの向上に貢献しやすいシリカ粒子を効率よく得る等の観点から、上記熱処理温度は、例えば500℃以上とすることができ、通常は600℃以上が適当であり、好ましくは700℃以上、より好ましくは800℃以上、さらに好ましくは900℃以上(例えば950℃以上)である。上述した温度で熱処理する過程を経て得られるシリカ粒子(熱処理シリカ)は、ここに開示される所望のD1AVEおよびSSAVEを満たすシリカ砥粒の構成成分として好適なものとなりやすい。ここに開示される研磨用組成物におけるシリカ砥粒は、例えば、原料シリカを700℃以上1200℃未満(より好ましくは800〜1100℃、例えば900〜1100℃)で焼成してなる焼成シリカを含むことが好ましい。
特に限定するものではないが、原料シリカを熱処理(例えば焼成)する時間は、例えば15分以上(典型的には30分〜10時間程度)とすることができ、通常は1時間以上(典型的には1時間〜5時間)とすることが適当である。熱処理時間を長くすることにより、シリカ粒子のSSは減少する傾向にある。このことは研磨レートの観点から有利である。また、焼成においては、焼成時間を長くすることにより、よりよく焼き締まったシリカ粒子(焼成シリカ)が形成される傾向にある。経済的観点から、通常は、熱処理時間を10時間程度以下とすることが好ましい。
原料シリカを熱処理するときの雰囲気は、特に限定されない。上記熱処理雰囲気は、例えば、不活性ガス雰囲気、還元性ガス雰囲気、酸化性ガス雰囲気(空気雰囲気等)等とすることができる。また、ほぼ真空状態でシリカ粒子を熱処理してもよい。
ここに開示される技術において、熱処理シリカとして焼成シリカを使用する場合、該焼成シリカとしては、焼成された後に解砕されたものを好ましく使用し得る。ここで、本明細書において「解砕」とは、細かい粒子が集まって一塊になっているものをほぐして細かくする操作のことをいう。
焼成されたシリカ粒子を解砕する方法は、従来この種の分野で通常用いられている公知の方法を用いればよく、特に限定されない。例えば、上記解砕は、ビーズミル、ボールミル、ローラーミル、ハンマーミル、ジェットミル、乳鉢等の解砕機(解砕機は粉砕機としても認識され得る。)を用いて行われ得る。解砕の程度(例えば、解砕後に得られる焼成シリカの平均一次粒子径や平均二次粒子径)を制御しやすいことから、ビーズミル、ボールミルまたはジェットミルによる解砕が好ましい。焼成されたシリカ粒子を解砕すると、該シリカ粒子のSSが増加する傾向がある。したがって、焼成条件および解砕条件を適切に設定することにより、ここに開示される所望のD1AVEおよびSSAVEを満たすシリカ砥粒の構成成分として好適なシリカ粒子(焼成シリカ)を得ることができる。また、解砕の程度によって焼成シリカのD2を調節し、所望のD2AVEを有するシリカ砥粒の構成成分として適したD2を有する焼成シリカを調製することができる。なお、上記解砕は、必要に応じて焼成シリカ以外の熱処理シリカ(例えば、加温されたシリカ粒子や乾燥されたシリカ粒子)にも同様にして適用することができ、同様の効果を発揮し得る。
シリカ砥粒の構成成分として熱処理シリカを使用する場合、熱処理シリカのD1やSSは、当該熱処理シリカを含むシリカ砥粒が所望のD1AVEおよびSSAVEを満たし得る限り、特に限定されない。したがって、熱処理シリカのD1は、単独使用の場合(すなわち、シリカ砥粒として1種または2種以上の熱処理シリカのみを含む場合)には上述したシリカ砥粒のD1AVEと、他のシリカ粒子と併用する場合には上述した種類毎のシリカ粒子のD1と、それぞれ同様とすることができる。また、熱処理シリカは、シリカ砥粒がシリカ粒子Aおよびシリカ粒子Bを含み、シリカ粒子Aの平均一次粒子径(D1A)がシリカ粒子Bの平均一次粒子径(D1B)よりも大きい態様において、上記シリカ粒子Aとして好ましく用いることができる。かかる態様において使用される熱処理シリカのD1は、上述したシリカ粒子Aと同様とすることができる。
同様に、熱処理シリカのSSは、単独使用の場合には上述したシリカ砥粒のSSAVEと、他のシリカ粒子と併用する場合には上述した種類毎のシリカ粒子のSSと、それぞれ同様とすることができる。また、熱処理シリカは、シリカ砥粒がシリカ粒子Kとシリカ粒子Lとを含み、SSKがSSLよりも少ない態様において、上記シリカ粒子Kとして好ましく用いることができる。かかる態様において使用される熱処理シリカのSSは、上述したシリカ粒子Kと同様とすることができる。
ここに開示される技術におけるシリカ砥粒の構成成分として使用し得るシリカ粒子の他の一好適例として、コロイダルシリカが挙げられる。なかでも、ケイ酸ソーダ法シリカやアルコキシド法シリカのように、水相での粒子成長を経て合成されたコロイダルシリカの使用が好ましい。この種のコロイダルシリカを含み、かつここに開示されるD1AVEおよびSSAVEを満たすシリカ砥粒によると、高い研磨レートが好適に達成され得る。ここに開示されるシリカ砥粒がコロイダルシリカを含む場合、該シリカ砥粒に含まれるコロイダルシリカは、1種であってもよく、製造条件および/または物性の異なる2種以上であってもよい。また、上記シリカ砥粒は、1種または2種以上のコロイダルシリカからなる構成であってもよく、コロイダルシリカと他のシリカ粒子(すなわち、コロイダルシリカ以外のシリカ粒子)とを組み合わせて含む構成であってもよい。
コロイダルシリカの粒子形状は特に限定されず、例えば球形であってもよく、非球形であってもよい。非球形の具体例としては、ピーナッツ形状(すなわち、落花生の殻の形状)、繭形状、突起付き形状(例えば金平糖形状)、ラグビーボール形状等が挙げられる。特に限定するものではないが、コロイダルシリカの長径/短径比の平均値(平均アスペクト比)は、好ましくは1.01以上、さらに好ましくは1.05以上(例えば1.1以上)である。平均アスペクト比の増大によって、より高い研磨レートが実現され得る。また、コロイダルシリカの平均アスペクト比は、表面粗さ低減等の観点から、好ましくは3.0以下であり、より好ましくは2.0以下、さらに好ましくは1.5以下である。ここに開示される技術は、平均アスペクト比が1.25未満(例えば1.20以下、典型的には1.15未満)のコロイダルシリカを用いる態様でも好ましく実施され得る。
コロイダルシリカの形状(外形)や平均アスペクト比は、例えば、電子顕微鏡観察により把握することができる。平均アスペクト比を把握する具体的な手順としては、例えば、SEMを用いて、独立した粒子の形状を認識できる所定個数(例えば200個)の砥粒粒子について、各々の粒子画像に外接する最小の長方形を描く。そして、各粒子画像に対して描かれた長方形について、その長辺の長さ(長径の値)を短辺の長さ(短径の値)で除した値を長径/短径比(アスペクト比)として算出する。上記所定個数の粒子のアスペクト比を算術平均することにより、平均アスペクト比を求めることができる。
シリカ砥粒の構成成分としてコロイダルシリカ(好ましくは、水相での粒子成長を経て合成されたコロイダルシリカ)を使用する場合、コロイダルシリカのD1やSSは、当該コロイダルシリカを含むシリカ砥粒が所望のD1AVEおよびSSAVEを満たし得る限り、特に限定されない。したがって、コロイダルシリカのD1は、単独使用の場合には上述したシリカ砥粒のD1AVEと、他のシリカ粒子と併用する場合には上述した種類毎のシリカ粒子のD1と、それぞれ同様とすることができる。また、コロイダルシリカは、シリカ砥粒がシリカ粒子Aおよびシリカ粒子Bを含み、シリカ粒子Aの平均一次粒子径(D1A)がシリカ粒子Bの平均一次粒子径(D1B)よりも大きい態様において、上記シリカ粒子Bとして好ましく用いることができる。かかる態様において使用されるコロイダルシリカのD1は、上述したシリカ粒子Bと同様とすることができる。
同様に、コロイダルシリカのSSは、単独使用の場合には上述したシリカ砥粒のSSAVEと、他のシリカ粒子と併用する場合には上述した種類毎のシリカ粒子のSSと、それぞれ同様とすることができる。また、コロイダルシリカは、シリカ砥粒がシリカ粒子Kとシリカ粒子Lとを含み、SSKがSSLよりも少ない態様において、上記シリカ粒子Lとして好ましく用いることができる。かかる態様において使用されるコロイダルシリカのSSは、上述したシリカ粒子Lと同様とすることができる。
ここに開示される技術は、研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒が、熱処理シリカを単独で含むか、熱処理シリカと他のシリカ粒子とを組み合わせて含む態様で好ましく実施することができる。このようにシリカ砥粒が少なくとも熱処理シリカを含む態様において、シリカ砥粒における熱処理シリカの含有量は、特に限定されない。上記熱処理シリカの含有量は、研磨レートの観点から、シリカ砥粒の10重量%以上であることが好ましく、より好ましくは20重量%以上(例えば25重量%以上)、さらに好ましくは40重量%以上である。シリカ砥粒における熱処理シリカの含有量の上限は特に限定されず、実質的に100重量%(典型的には99重量%以上)であってもよい。各種性能(例えば研磨レート、研磨対象面のうねり等)のバランスをとる観点から、シリカ砥粒における熱処理シリカの含有量は、90重量%以下であることが好ましく、より好ましくは80重量%以下(例えば75重量%以下)、さらに好ましくは60重量%以下である。
ここにされる技術は、例えば上述のようにシリカ砥粒がシリカ粒子Aおよびシリカ粒子Bを含み、D1AがD1Bよりも大きい態様において、シリカAが熱処理シリカであり、シリカBが熱処理シリカ以外のシリカ粒子である態様で好ましく実施することができる。この場合において、シリカ砥粒に含まれるシリカ粒子Aの重量(W)とシリカ粒子Bの重量(W)との比(W/W)は、特に限定されない。上記重量比(W/W)は、研磨レートの観点から、0.20以上であることが好ましく、より好ましくは0.25以上、さらに好ましくは0.30以上である。より高い研磨レートを得る観点から、W/Wを0.50以上としてもよく、例えば0.70以上としてもよい。各種性能(例えば研磨レート、研磨後における研磨対象面の面精度等)のバランスをとる観点からは、W/Wは、5.0以下とすることが有利であり、通常は4.0以下が好ましく、3.0以下がより好ましく、2.0以下(例えば1.5以下)がさらに好ましい。
ここに開示される技術は、研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒が、熱処理シリカとコロイダルシリカとを組み合わせて含む態様で好ましく実施することができる。例えば、上述のようにシリカ砥粒がシリカ粒子Aおよびシリカ粒子Bを含み、D1AがD1Bよりも大きい態様において、シリカAが熱処理シリカであり、シリカBがコロイダルシリカである態様で好ましく実施することができる。熱処理シリカに加えてコロイダルシリカを用いることにより、より高い面精度が実現され得る。また、熱処理シリカとコロイダルシリカとを組み合わせて用いることにより、シリカ砥粒のD1AVEおよびSSAVEを好適に調整することができ、したがって高い研磨レートを好適に発揮する研磨用組成物を実現することができる。かかる態様において、シリカ砥粒に含まれる熱処理シリカ(シリカ粒子A)の重量(W)とコロイダルシリカ(シリカ粒子B)の重量(W)との比(W/W)は、上記と同様とすることができる。
なお、コロイダルシリカのなかでもケイ酸ソーダ法コロイダルシリカは、入手容易性や経済性等の観点から有利である一方、他の製造方法によるコロイダルシリカ(例えば、アルコキシド法コロイダルシリカ)に比べてSSが多くなる傾向にある。したがって、ケイ酸ソーダ法コロイダルシリカを使用する場合には、熱処理シリカと組み合わせることが特に有意義である。
また、アルコキシド法コロイダルシリカは、SSの低いものが得られやすいことから、単独で、または他のシリカ粒子(例えば熱処理シリカ)と組み合わせて、ここに開示される技術におけるシリカ砥粒の構成成分として好ましく使用され得る。アルコキシド法コロイダルシリカは、アルコキシシランの加水分解縮合反応により製造されるコロイダルシリカである。上記アルコキシシランとしては、通常、テトラアルコキシシラン(例えば、テトラエトキシシランやテトラメトキシシラン等)が用いられる。
ここに開示される技術におけるシリカ砥粒の構成成分として使用し得るシリカ粒子の他の一好適例として、乾式法シリカが挙げられる。ここでいう乾式法シリカの例には、四塩化ケイ素やトリクロロシラン等のシラン化合物を典型的には水素火炎中で燃焼させることで得られるシリカ(フュームドシリカ)や、金属ケイ素と酸素の反応により生成するシリカが含まれる。このような乾式法シリカは、SSの低いものが得られやすい。したがって、単独で、または他のシリカ粒子(例えば、熱処理シリカ、ケイ酸ソーダ法コロイダルシリカ、アルコキシド法コロイダルシリカ等の一種または二種以上)と組み合わせて、ここに開示される技術におけるシリカ砥粒の構成成分として好ましく使用することができる。乾式法シリカは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。
ここに開示される技術において、シリカ砥粒のSSAVEを調節する手段としては、特に限定されず、当業者に利用可能な種々の手段を適宜採用することができる。例えば、適切なSSを有する1種類のシリカ粒子を使用する、SSが異なる2種類以上のシリカ粒子を選択してそれらを適切なブレンド比で使用する、等の手段が挙げられる。種類の選択や製造条件等により種々なSSを有するシリカ粒子を得ることができ、それらの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。例えば熱処理シリカの場合、原料シリカのSS、原料シリカの熱処理温度、原料シリカの熱処理時間等によって、得られるシリカ粒子のSSを調節することができる。当業者であれば、これらの手段を適宜採用することにより、所望のSSAVEを満たすシリカ砥粒を含む研磨用組成物を実現することができる。
ここに開示される研磨用組成物は、このようなD1AVEおよびSSAVEを満たすシリカ砥粒に加えて、シリカ粒子以外の粒子を含有することができる。シリカ粒子以外の粒子としては、無機粒子、有機粒子、および有機無機複合粒子のいずれも利用可能である。無機粒子の具体例としては、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、酸化クロム粒子、二酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化マグネシウム粒子、二酸化マンガン粒子、酸化亜鉛粒子、ベンガラ粒子等の酸化物粒子;窒化ケイ素粒子、窒化ホウ素粒子等の窒化物粒子;炭化ケイ素粒子、炭化ホウ素粒子等の炭化物粒子;ダイヤモンド粒子;炭酸カルシウムや炭酸バリウム等の炭酸塩;等が挙げられる。上記アルミナ粒子としては、α−アルミナ、α−アルミナ以外の中間アルミナおよびこれらの複合物が挙げられる。中間アルミナとは、α−アルミナ以外のアルミナ粒子の総称であり、具体例としてはγ−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、η−アルミナ、κ−アルミナおよびこれらの複合物が挙げられる。有機粒子の具体例としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子やポリ(メタ)アクリル酸粒子(ここで(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸を包括的に指す意味である。)、ポリアクリロニトリル粒子等が挙げられる。これらシリカ粒子以外の粒子は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここに開示される研磨用組成物において、該研磨用組成物に含まれる固形分に占めるシリカ粒子の含有量は、特に限定されない。上記シリカ粒子の含有量は、本発明による効果を発揮しやすくする観点から、上記固形分全体の40重量%以上であることが好ましく、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上(例えば80重量%以上)である。上記研磨用組成物に含まれる固形分の実質的に全て(例えば99重量%以上)が上記シリカ粒子であってもよい。あるいは、各種性能(例えば研磨レート、研磨対象面の表面品質等)のバランスをとりやすくする観点から、上記シリカ粒子の含有量は、上記固形分全体の90重量%以下(例えば80重量%以下)であってもよい。
ここに開示される研磨用組成物は、α−アルミナ砥粒を実質的に含まない態様で好ましく実施され得る。かかる研磨用組成物によると、α−アルミナ砥粒の使用に起因する品質低下(例えば、スクラッチや窪みの発生、アルミナの残留等)が防止される。なお、本明細書において、所定の砥粒(例えばα−アルミナ砥粒)を実質的に含まないとは、研磨用組成物に含まれる固形分全量のうち当該砥粒の割合が1重量%以下(より好ましくは0.5重量%以下、典型的には0.1重量%以下)であることをいう。α−アルミナ砥粒の割合が0重量%である研磨用組成物、すなわちα−アルミナ砥粒を含まない研磨用組成物が特に好ましい。また、ここに開示される研磨用組成物は、α−アルミナ砥粒に限らず、アルミナ砥粒を実質的に含まない態様で好ましく実施され得る。
ここに開示される研磨用組成物は、シリカ粒子以外の粒子(非シリカ粒子)を実質的に含まない態様でも好ましく実施され得る。ここで、非シリカ粒子を実質的に含まないとは、研磨用組成物に含まれる固形分全量のうち非シリカ粒子の割合が1重量%以下(より好ましくは0.5重量%以下、典型的には0.1重量%以下)であることをいう。このような態様において、ここに開示される技術の適用効果が好適に発揮され得る。
ここに開示される研磨用組成物が複数種類の砥粒を含む場合、その組成物に含まれる砥粒の種類数は、通常、それら複数種類の砥粒の外形の相違をもとに概ね把握することができる。砥粒の外形の相違は、例えば、平均アスペクト比の相違、平均短径の相違、平均粒子径の相違、粒子の表面形状の相違(例えば、突起の有無やその程度)等のうちの少なくとも一つであり得る。砥粒の外形は、例えば、SEM(走査型電子顕微鏡)観察により把握することができる。また、研磨用組成物に含まれる複数種類の砥粒の各含有量および含有量比は、例えば、SEM観察による画像解析に基づいて求めることができる。
<研磨用組成物>
(水)
ここに開示される研磨用組成物は、典型的には、上述のような砥粒の他に、該砥粒を分散させる水を含有する。水としては、イオン交換水(脱イオン水)、純水、超純水、蒸留水等を好ましく用いることができる。
ここに開示される研磨用組成物(典型的にはスラリー状の組成物)は、例えば、その固形分含量(non-volatile content;NV)が5g/L〜300g/Lである形態で好ましく実施され得る。上記NVが10g/L〜200g/Lである形態がより好ましい。
(酸)
ここに開示される研磨用組成物は、研磨促進剤として酸を含む態様で好ましくされ得る。好適に使用され得る酸の例としては、無機酸や有機酸(例えば、炭素原子数が1〜18程度、典型的には1〜10程度の有機カルボン酸、有機ホスホン酸、有機スルホン酸、アミノ酸等)が挙げられるが、これらに限定されない。酸は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
無機酸の具体例としては、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸、次亜リン酸、ホスホン酸、ホウ酸、スルファミン酸、炭酸、亜リン酸、フッ化水素酸、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸、ヘキサメタリン酸等が挙げられる。
有機酸の具体例としては、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、グリコール酸、コハク酸、イタコン酸、マロン酸、イミノ二酢酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、酒石酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、アジピン酸、シュウ酸、吉草酸、エナント酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、シクロヘキサンカルボン酸、フェニル酢酸、安息香酸、クロトン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノレン酸、メタクリル酸、グルタル酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、イソクエン酸、メチレンコハク酸、没食子酸、アスコルビン酸、ニトロ酢酸、オキサロ酢酸、グリシン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、プロリン、シスチン、グルタミン、アスパラギン、リシン、アルギニン、ニコチン酸、ピコリン酸、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、エチルグリコールアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、フィチン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸、アミノポリ(メチレンホスホン酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アミノエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、スルホコハク酸、10−カンファースルホン酸、イセチオン酸、タウリン等が挙げられる。
研磨効率の観点から好ましい酸として、硝酸、硫酸、リン酸、スルファミン酸、フィチン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、メタンスルホン酸等が例示される。なかでも硝酸、硫酸、リン酸、スルファミン酸、メタンスルホン酸が好ましい。マレイン酸、クエン酸、イセチオン酸等の有機酸を用いることにより、より高い平滑性が実現される傾向にある。
また、例えばガラス材料の研磨に用いられる研磨用組成物において、クエン酸、コハク酸、イタコン酸、酢酸、スルホコハク酸、グリコール酸等の酸を好ましく採用し得る。
研磨用組成物中に酸を含む場合、その含有量は特に限定されない。酸の含有量は、例えば、pH調整や研磨促進等の使用目的に応じて、所望の使用効果が得られるように設定することができる。酸の含有量は、例えば0.1g/L以上(典型的には0.5g/L以上)とすることができ、通常は1g/L以上が適当であり、3g/L以上が好ましく、5g/L以上がより好ましい。酸の含有量が少なすぎると、研磨レートが不足しやすくなり、実用上好ましくない場合がある。酸の含有量は、通常、100g/L以下(典型的には70g/L以下)が適当であり、50g/L以下が好ましく、30g/L以下(例えば15g/L以下)がより好ましい。酸の含有量が多すぎると、研磨対象物の面精度が低下しやすくなり、実用上好ましくない場合がある。
酸は、該酸の塩の形態で用いられてもよい。塩の例としては、上述した無機酸や有機酸の、金属塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩)、アンモニウム塩(例えば、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩等の第四級アンモニウム塩)、アルカノールアミン塩(例えば、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩)等が挙げられる。
塩の具体例としては、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩およびアルカリ金属リン酸水素塩;上記で例示した有機酸のアルカリ金属塩;その他、グルタミン酸二酢酸のアルカリ金属塩、ジエチレントリアミン五酢酸のアルカリ金属塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸のアルカリ金属塩、トリエチレンテトラミン六酢酸のアルカリ金属塩;等が挙げられる。これらのアルカリ金属塩におけるアルカリ金属は、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等であり得る。
ここに開示される研磨用組成物に含まれ得る塩としては、無機酸の塩(例えば、アルカリ金属塩やアンモニウム塩)を好ましく採用し得る。例えば、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、リン酸カリウム等を好ましく使用し得る。
酸およびその塩は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。ここに開示される研磨用組成物の好ましい一態様において、酸(好ましくは無機酸)と、該酸とは異なる酸の塩(好ましくは無機酸の塩)とを組み合わせて用いることができる。
(酸化剤)
ここに開示される研磨用組成物には、必要に応じて酸化剤を含有させることができる。酸化剤の例としては、過酸化物、硝酸またはその塩、過ヨウ素酸またはその塩、ペルオキソ酸またはその塩、過マンガン酸またはその塩、クロム酸またはその塩、酸素酸またはその塩、金属塩類、硫酸類等が挙げられるが、これらに限定されない。酸化剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム、硝酸、硝酸鉄、硝酸アルミニウム、硝酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸、ペルオキソ一硫酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸金属塩、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸金属塩、ペルオキソリン酸、ペルオキソ硫酸、ペルオキソホウ酸ナトリウム、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過塩素酸、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、過マンガン酸カリウム、クロム酸金属塩、重クロム酸金属塩、塩化鉄、硫酸鉄、クエン酸鉄、硫酸アンモニウム鉄等が挙げられる。好ましい酸化剤として、過酸化水素、硝酸鉄、過ヨウ素酸、ペルオキソ一硫酸、ペルオキソ二硫酸および硝酸が例示される。少なくとも過酸化水素を含むことが好ましく、過酸化水素からなることがより好ましい。このような酸化剤は、典型的には前述の酸と合わせて用いられることにより、研磨促進剤として効果的に作用し得る。例えば、金属材料(例えばNi−P基板)の研磨に用いられる研磨用組成物において、このような酸化剤を好ましく使用し得る。
研磨用組成物中に酸化剤を含む場合、その含有量(複数の酸化剤を含む場合には、それらの合計含有量)は、有効成分量基準で、例えば0.01g/L以上とすることができ、通常は0.1g/L以上(例えば0.5g/L以上)が適当であり、1g/L以上が好ましく、より好ましくは3g/L以上、さらに好ましくは4g/L以上である。酸化剤の含有量が少なすぎると、研磨対象物を酸化する速度が遅くなり、研磨レートが低下するため、実用上好ましくない場合がある。また、研磨用組成物中に酸化剤を含む場合、その含有量は、有効成分量基準で30g/L以下であることが好ましく、より好ましくは15g/L以下である。酸化剤の含有量が多すぎると、研磨対象物の面精度が低下しやすくなり、実用上好ましくない場合がある。
ここに開示される技術は、研磨用組成物が酸化剤を実質的に含まない態様で好ましく実施され得る。例えば、研磨対象物がシリコンウェーハ(典型的にはシリコン単結晶ウェーハ)である場合、研磨用組成物中に酸化剤が含まれていると、当該組成物が研磨対象物に供給されることで該研磨対象物の表面が酸化されて酸化膜が生じ、これにより研磨レートが低下してしまうことがあり得るためである。また、研磨対象物がガラス材料(例えば、ガラス磁気ディスク基板)である場合にも、通常、酸化剤は不要である。例えば、少なくとも過酸化水素、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムおよびジクロロイソシアヌル酸ナトリウムのいずれをも実質的に含有しない研磨用組成物が好ましい。なお、研磨用組成物が酸化剤を実質的に含まないとは、少なくとも意図的には酸化剤を含有させないことをいう。したがって、原料や製法等に由来して微量(例えば、研磨用組成物中における酸化剤のモル濃度が0.0005モル/L以下、好ましくは0.0001モル/L以下、より好ましくは0.00001モル/L以下、特に好ましくは0.000001モル/L以下)の酸化剤が不可避的に含まれている研磨用組成物は、ここでいう酸化剤を実質的に含有しない研磨用組成物の概念に包含され得る。
(塩基性化合物)
研磨用組成物には、必要に応じて塩基性化合物を含有させることができる。ここで塩基性化合物とは、研磨用組成物に添加されることによって該組成物のpHを上昇させる機能を有する化合物を指す。塩基性化合物の例としては、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩や炭酸水素塩、第四級アンモニウムまたはその塩、アンモニア、アミン、リン酸塩やリン酸水素塩、有機酸塩等が挙げられる。塩基性化合物は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルカリ金属水酸化物の具体例としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
炭酸塩や炭酸水素塩の具体例としては、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。
第四級アンモニウムまたはその塩の具体例としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の水酸化第四級アンモニウム;このような水酸化第四級アンモニウムのアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩);等が挙げられる。
アミンの具体例としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、無水ピペラジン、ピペラジン六水和物、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−メチルピペラジン、グアニジン、イミダゾールやトリアゾール等のアゾール類、等が挙げられる。
リン酸塩やリン酸水素塩の具体例としては、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のアルカリ金属塩が挙げられる。
有機酸塩の具体例としては、クエン酸カリウム、シュウ酸カリウム、酒石酸カリウム、酒石酸カリウムナトリウム、酒石酸アンモニウム等が挙げられる。
また、例えばガラス材料の研磨に用いられる研磨用組成物において、第四級アンモニウムまたはその塩、アミン等が好適に用いられ得る。
塩基性化合物を含む態様において、該塩基性化合物の含有量(複数の塩基性化合物を含む態様では、それらの合計含有量)は、所望のpHが得られるように適宜設定することができる。特に限定するものではないが、塩基性化合物の含有量は、例えば0.1g/L以上とすることができる。上記含有量は、研磨レート等の観点から、好ましくは0.5g/L以上、より好ましくは1g/L以上、さらに好ましくは5g/L以上である。また、研磨組成物の貯蔵安定性等の観点から、上記含有量は、70g/L以下が適当であり、好ましくは50g/L以下、例えば30g/L以下である。ここに開示される技術は、研磨用組成物が塩基性化合物を実質的に含まない態様でも好ましく実施され得る。
好ましい一態様において、上述した酸および塩基性化合物を、pHの緩衝作用が発揮され得るように組み合わせて使用することができる。特に限定するものではないが、このような緩衝系として、例えば、クエン酸とクエン酸ナトリウムのような弱酸とその強塩基塩との組合せや、硫酸と硫酸アンモニウムのような強酸とその弱塩基塩との組合せなどを利用することができる。
(その他の成分)
ここに開示される研磨用組成物は、本発明の効果が著しく妨げられない範囲で、界面活性剤、水溶性高分子、分散剤、キレート剤、防腐剤、防カビ剤等の、研磨用組成物(例えば、Ni−P基板やガラス基板等のような磁気ディスク基板用の研磨用組成物)に使用され得る公知の添加剤を、必要に応じてさらに含有してもよい。
界面活性剤としては、特に限定されず、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれも使用可能である。界面活性剤(典型的には、分子量1×10未満の水溶性有機化合物)の使用により、研磨用組成物の分散安定性が向上し得る。界面活性剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、アルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、アルキル硫酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンスルホコハク酸、アルキルスルホコハク酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、ポリアクリル酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、およびこれらの塩等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤の他の具体例としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アントラセンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ベンゼンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のポリアルキルアリールスルホン酸系化合物;メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミンホルマリン樹脂スルホン酸系化合物;リグニンスルホン酸、変成リグニンスルホン酸等のリグニンスルホン酸系化合物;アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等の芳香族アミノスルホン酸系化合物;その他、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリイソアミレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸;およびこれらの塩等が挙げられる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩等が挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシド等が挙げられる。
界面活性剤を含む態様の研磨用組成物では、界面活性剤の含有量を、例えば0.005g/L以上とすることが適当である。上記含有量は、研磨後の表面の平滑性等の観点から、好ましくは0.01g/L以上、より好ましくは0.1g/L以上である。また、研磨レート等の観点から、上記含有量は、100g/L以下とすることが適当であり、好ましくは50g/L以下、例えば10g/L以下である。なお、ここに開示される技術は、研磨用組成物が界面活性剤を実質的に含まない態様でも好ましく実施され得る。
ここに開示される研磨用組成物には、水溶性高分子を含有させてもよい。水溶性高分子を含有させることにより、研磨後の面精度が向上し得る。水溶性高分子の例としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アントラセンスルホン酸ホルムアルデヒド等のポリアルキルアリールスルホン酸系化合物;メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミンホルマリン樹脂スルホン酸系化合物;リグニンスルホン酸、変成リグニンスルホン酸等のリグニンスルホン酸系化合物;アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等の芳香族アミノスルホン酸系化合物;その他、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリイソアミレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリ酢酸ビニル、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリビニルアルコール、ポリグリセリン、ポリビニルピロリドン、イソプレンスルホン酸とアクリル酸の共重合体、ポリビニルピロリドンポリアクリル酸共重合体、ポリビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体、ジアリルアミン塩酸塩二酸化硫黄共重合体、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースの塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プルラン、キトサン、キトサン塩類等が挙げられる。水溶性高分子は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
水溶性高分子を含む態様の研磨用組成物では、水溶性高分子の含有量(複数の水溶性高分子を含む態様では、それらの合計含有量)を、例えば0.01g/L以上とすることが適当である。上記含有量は、研磨後の研磨対象物(例えば磁気ディスク基板)の表面平滑性等の観点から、好ましくは0.05g/L以上、より好ましくは0.08g/L以上、さらに好ましくは0.1g/L以上である。また、研磨レート等の観点から、上記含有量は、10g/L以下とすることが適当であり、好ましくは5g/L以下、例えば1g/L以下である。なお、ここに開示される技術は、研磨用組成物が水溶性高分子を実質的に含まない態様でも好ましく実施され得る。
分散剤の例としては、ポリカルボン酸ナトリウム塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩等のポリカルボン酸系分散剤;ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩、ナフタレンスルホン酸アンモニウム塩等のナフタレンスルホン酸系分散剤;アルキルスルホン酸系分散剤;ポリリン酸系分散剤;ポリアルキレンポリアミン系分散剤;第四級アンモニウム系分散剤;アルキルポリアミン系分散剤;アルキレンオキサイド系分散剤;多価アルコールエステル系分散剤;等が挙げられる。
キレート剤の例としては、アミノカルボン酸系キレート剤および有機ホスホン酸系キレート剤が挙げられる。アミノカルボン酸系キレート剤の例には、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸アンモニウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、トリエチレンテトラミン六酢酸およびトリエチレンテトラミン六酢酸ナトリウムが含まれる。有機ホスホン酸系キレート剤の例には、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸およびα−メチルホスホノコハク酸が含まれる。これらのうち有機ホスホン酸系キレート剤がより好ましく、なかでも好ましいものとしてエチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)およびジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)が挙げられる。特に好ましいキレート剤として、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)が挙げられる。
防腐剤および防カビ剤の例としては、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾリン系防腐剤、パラオキシ安息香酸エステル類、フェノキシエタノール等が挙げられる。
なお、ここに開示される研磨用組成物は、一剤型であってもよいし、二剤型を始めとする多剤型であってもよい。例えば、該研磨用組成物の構成成分(典型的には、水以外の成分)のうち一部の成分を含むA液と、残りの成分を含むB液とが混合されて研磨対象物の研磨に用いられるように構成されていてもよい。
(用途)
ここに開示される技術の適用対象は特に限定されない。ここに開示される技術は、シリカ砥粒を含む研磨用組成物により研磨可能な種々の研磨対象物の研磨や、上記研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨することを含む研磨物の製造に適用することができる。研磨対象物の材質は、シリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン、ステンレス鋼等の金属もしくは半金属またはこれらの合金、およびそれらの材料を使用した半導体配線に使用される薄膜;石英ガラス、アルミノシリケートガラス、ガラス状カーボン等のガラス状物質;アルミナ、シリカ、サファイア、窒化ケイ素、窒化タンタル、炭化チタン等のセラミック材料;炭化ケイ素、窒化ガリウム、ヒ化ガリウム等の化合物半導体基板材料;ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、アリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エピチオ系樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂材料;等であり得るが、これらに限定されない。また、これらのうち複数の材質により構成された研磨対象物であってもよい。研磨対象物の形状は特に制限されない。ここに開示される技術は、例えば、板状や多面体状等の、平面を有する研磨対象物の研磨に好ましく適用され得る。
ここに開示される研磨用組成物は、例えば、磁気ディスク基板、シリコンウエハ等の半導体基板、フォトマスク用途を含むガラス基板、レンズや反射ミラー等の光学材料等、高精度な表面が要求される各種研磨対象物を研磨する用途に好ましく使用され得る。
ここに開示される研磨用組成物は、例えば、基材ディスクの表面にニッケルリンめっき層を有する磁気ディスク基板(Ni−P基板)の研磨に好ましく適用され得る。上記基材ディスクは、例えば、アルミニウム合金製、ガラス製、ガラス状カーボン製等であり得る。このような基材ディスクの表面にニッケルリンめっき層以外の金属層または金属化合物層を備えたディスク基板であってもよい。なかでも、アルミニウム合金製の基材ディスク上にニッケルリンめっき層を有するNi−P基板用の研磨用組成物として好適である。かかる用途では、ここに開示される技術を適用することが特に有意義である。
ここに開示される研磨用組成物は、また、例えばガラス材料の研磨に好ましく適用され得る。ここで「ガラス材料の研磨」とは、研磨対象面の少なくとも一部がガラス材料により構成されている研磨対象物を研磨することをいい、全体がガラス材料により構成されている研磨対象物(典型的にはガラス基板)を研磨することを包含する。上記ガラス材料の例としては、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダアルミノケイ酸ガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス、結晶化ガラス等が挙げられる。結晶化ガラスの例としては、主結晶相がスポジューメン、ムライト、ホウ酸アルミニウム系結晶、β−石英固溶体、α−クオーツ、コージェライト、エンスタタイト、セルシアン、ウォラストナイト、アノーサイト、フォルステライト、リチウムメタシリケート、リチウムダイシリケート等であるものが挙げられる。ここに開示される技術は、例えば、磁気ディスク用ガラス基板(ガラス磁気ディスク基板)やフォトマスク用ガラス基板等のガラス基板に対して好ましく適用され得る。ここでいうガラス基板(例えば、アルミノシリケートガラス基板)には、結晶構造を有しているものや、化学強化処理を施したものが含まれ得る。化学強化処理は研磨後に行ってもよい。
ここに開示される研磨用組成物は、仕上げ研磨工程後において高精度な表面が要求される研磨物(例えば磁気ディスク基板)の製造プロセスにおける予備研磨工程のように、面精度を考慮しつつ高い研磨効率が要求される用途において特に有意義に使用され得る。仕上げ研磨工程の前工程として複数の予備研磨工程を有する場合は、いずれの予備研磨工程にも使用可能であり、これらの予備研磨工程において同一のまたは異なる研磨用組成物を用いることができる。ここに開示される研磨用組成物は、例えば、研磨対象物の一次研磨工程(最初のポリシング工程)に用いられる研磨用組成物として好適である。なかでも、Ni−P基板の製造プロセスにおいて、ニッケルリンメッキ後の最初の研磨工程(一次研磨工程)において好ましく使用され得る。また、ここに開示される研磨用組成物は、ガラス磁気ディスク基板の製造プロセスにおいて、最終研磨工程より前に行われる研磨工程(例えば、エッジポリッシュ後の最初の研磨工程)にも使用可能である。
ここに開示される研磨用組成物は、例えば、Schmitt Measurement System Inc.社製レーザースキャン式表面粗さ計「TMS−3000WRC」により測定される表面粗さ(算術平均粗さ(Ra))が20Å〜300Å程度の磁気ディスク基板を研磨(典型的には一次研磨)して、該磁気ディスク基板を10Å以下の表面粗さ(算術平均粗さ(Ra))に調整する用途に好適である。かかる用途では、ここに開示される技術を適用することが特に有意義である。
ここに開示される研磨用組成物は、また、ガラス材料(例えばガラス磁気ディスク基板)の製造プロセスにおいて、該ガラス材料の仕上げ研磨工程において好ましく使用され得る。仕上げ研磨工程のなかに複数の研磨工程が含まれる場合、それらのうち最後の研磨工程、すなわち最終研磨工程(ファイナルポリシング)に特に好ましく使用され得る。したがって、この明細書によると、ここに開示される研磨用組成物を用いた最終研磨工程を含む、研磨されたガラス材料(例えばガラス基板)の製造方法が提供される。なお、ファイナルポリシングとは、目的物の製造プロセスにおける最後のポリシング工程(すなわち、その工程の後にはさらなるポリシングを行わない工程)を指す。
(研磨液)
ここに開示される研磨用組成物は、典型的には該研磨用組成物を含む研磨液の形態で研磨対象物(例えば磁気ディスク基板)に供給されて、該研磨対象物の研磨に用いられる。上記研磨液は、例えば、研磨用組成物を希釈(典型的には、水により希釈)して調製されたものであり得る。あるいは、研磨用組成物をそのまま研磨液として使用してもよい。すなわち、ここに開示される技術における研磨用組成物の概念には、研磨対象物に供給されて該研磨対象物の研磨に用いられる研磨液(ワーキングスラリー)と、希釈して研磨液として用いられる濃縮液との双方が包含される。このような濃縮液の形態の研磨用組成物は、製造、流通、保存等の際における利便性やコスト低減等の観点から有利である。濃縮倍率は、例えば1.5倍〜50倍程度とすることができる。濃縮液の貯蔵安定性等の観点から、通常は、2倍〜20倍(典型的には2倍〜10倍)程度の濃縮倍率が適当である。
研磨液における砥粒の含有量(複数種類の砥粒を含む場合には、それらの合計含有量)は特に制限されないが、典型的には5g/L以上であり、10g/L以上であることが好ましく、30g/L以上であることがより好ましい。砥粒の含有量の増大によって、より高い研磨レートが実現される傾向にある。研磨後の表面平滑性や研磨の安定性の観点から、通常、上記含有量は、250g/L以下が適当であり、好ましくは200g/L以下である。一態様において、研磨液における砥粒の含有量は、150g/L以下とすることができ、100g/L以下としてもよい。上記砥粒含有量は、ニッケルリンめっき層を有する磁気ディスク基板の研磨用(特に一次研磨用)の研磨用組成物に好ましく適用され得る。
好ましい他の一態様において、研磨液における砥粒の含有量は、典型的には10g/L以上であり、30g/L以上であることが好ましく、60g/L以上(例えば100g/L以上)であることがより好ましい。また、研磨後の表面平滑性や研磨の安定性の観点から、通常、上記含有量は、250g/L以下が適当であり、例えば200g/L以下であり得る。上記砥粒含有量は、ガラス磁気ディスク基板等のガラス材料の研磨に用いられる研磨用組成物に好ましく適用され得る。
(pH)
ここに開示される研磨用組成物のpHは特に制限されない。研磨用組成物のpHは、例えば、pH12.0以下(典型的にはpH0.5〜12.0)とすることができ、pH10.0以下(典型的にはpH0.5〜10.0)としてもよい。研磨液において上記pHが実現されるように、必要に応じて有機酸、無機酸、塩基性化合物等のpH調整剤を含有させることができる。
好ましい一態様において、研磨用組成物のpHは、pH7.0以下(例えばpH0.5〜7.0)とすることができ、pH5.0以下(典型的にはpH1.0〜5.0)とすることがより好ましく、pH4.0以下(例えばpH1.0〜4.0)とすることがさらに好ましい。研磨用組成物のpHは、例えばpH3.0以下(典型的にはpH1.0〜3.0、好ましくはpH1.0〜2.0、より好ましくはpH1.0〜1.8)とすることができる。上記pHは、例えば、ニッケルリンめっき層を有する磁気ディスク基板の研磨用(特に一次研磨用)の研磨用組成物に好ましく適用され得る。
好ましい他の一態様において、研磨用組成物のpHは、例えば、pH12.0以下(典型的にはpH8.5〜12.0)とすることができ、pH11.0以下(典型的にはpH9.0〜11.0)としてもよい。あるいは、研磨用組成物のpHは、例えばpH6.0以下(典型的にはpH1.0〜6.0、例えばpH1.2〜6.0)とすることができ、pH5.5以下(典型的には1.2〜5.5)とすることがより好ましく、pH5.0以下(例えばpH1.5〜5.0)とすることがさらに好ましく、pH4.5以下(典型的にはpH2.0〜4.5、好ましくはpH2.5〜4.5、より好ましくはpH2.5〜4.3)であってもよい。上記pHは、例えば、ガラス磁気ディスク基板等のガラス材料の研磨に用いられる研磨用組成物に好ましく適用され得る。
<研磨プロセス>
ここに開示される研磨用組成物は、例えば以下の操作を含む態様で、研磨対象物(例えば磁気ディスク基板)の研磨に好適に使用することができる。研磨に供される研磨対象物は、あらかじめラッピング(粗研磨)、グラインディング、めっき等の工程を経て得られた研磨対象物であり得る。以下、ここに開示される研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する方法の好適な一態様につき説明する。
すなわち、ここに開示されるいずれかの研磨用組成物を含む研磨液(ワーキングスラリー)を用意する。上記研磨液を用意することには、研磨用組成物に濃度調整(例えば希釈)やpH調整等の操作を加えて研磨液を調製することが含まれ得る。あるいは、研磨用組成物をそのまま研磨液として使用してもよい。
次いで、その研磨液を研磨対象物に供給し、常法により研磨する。研磨機としては、研磨対象物の形状や研磨目的に応じた公知の研磨機を適宜採用し得る。例えば、一般的な研磨装置に研磨対象物をセットし、該研磨装置の研磨パッドを通じて上記研磨対象物の表面(研磨対象面)に研磨液を供給する。典型的には、上記研磨液を連続的に供給しつつ、研磨対象物の表面に研磨パッドを押しつけて両者を相対的に移動(例えば回転移動)させる。かかる研磨工程を経て研磨対象物の研磨が完了する。なお、研磨パッドの種類は特に限定されない。例えば、不織布タイプ、スウェードタイプ、砥粒を含むもの、砥粒を含まないもの等のいずれを用いてもよい。砥粒を含まない研磨パッドの使用が好ましく、なかでもスウェードタイプの研磨パッドが好ましい。
上述のような研磨工程は、基板(例えば磁気ディスク基板、典型的にはNi−P基板、ガラス磁気ディスク基板等)の製造プロセスの一部であり得る。したがって、この明細書によると、上記研磨工程を含む基板の製造方法が提供される。
(予備研磨工程における使用)
ここに開示される研磨用組成物は、研磨対象物の予備研磨工程(例えば一次研磨工程)に好ましく使用され得る。この明細書によると、上述したいずれかの研磨用組成物(予備研磨用組成物)を用いて予備研磨を行う工程を含む、研磨物の製造方法が提供される。この研磨物製造方法は、上記予備研磨工程の後に仕上げ研磨工程を含み得る。仕上げ研磨工程に使用する研磨用組成物(仕上げ研磨用組成物)は特に限定されない。例えば、砥粒としてコロイダルシリカを含む仕上げ研磨用組成物を好ましく採用し得る。したがって、この明細書により開示される事項には、D1AVEが30nm以上かつSSAVEが13.5ppm/g以下のシリカ砥粒を含む研磨用組成物で研磨対象物を研磨する工程(1)と、コロイダルシリカを含む仕上げ研磨用組成物を用いて上記研磨対象物を研磨する工程(2)とをこの順に含む、研磨物の製造方法が含まれる。かかる製造方法によると、面精度の高い研磨物を効率よく製造することができる。上記研磨物の製造方法は、磁気ディスク基板(例えば、ニッケルリンめっき層を有する磁気ディスク基板や、ガラス磁気ディスク基板等)その他の研磨物の製造に好ましく適用され得る。
このようにコロイダルシリカを含む仕上げ研磨用組成物において、該仕上げ研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒のD1AVEは特に限定されない。仕上げ研磨後における面精度の観点から、仕上げ研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒のD1AVEは、上記予備研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒のD1AVEよりも小さいことが好ましい。
仕上げ研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒のD1AVEは、例えば70nm以下(典型的には5nm以上70nm未満)とすることができ、65nm以下(典型的には5nm〜65nm、例えば10nm〜50nm)とすることが好ましい。好ましい一態様において、仕上げ研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒のD1AVEは、例えば40nm未満(典型的には5nm以上40nm未満)とすることができ、35nm以下(典型的には5nm〜35nm、例えば10nm以上30nm未満)とすることが好ましい。
ここに開示される技術の他の一態様において、仕上げ研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒のD1AVEは、例えば70nm以下(典型的には5nm以上70nm未満)とすることができ、50nm以下(典型的には5nm〜50nm)が好ましく、40nm未満(典型的には5nm以上40nm未満)でもよく、35nm以下(典型的には5nm〜35nm、例えば5nm以上30nm未満)でもよい。上記のD1AVEは、例えば、ガラス基板等のガラス材料の仕上げ研磨用組成物に好ましく適用され得る。
仕上げ研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒のSSAVEは、特に限定されない。研磨効率と面精度とをバランスよく両立する観点から、通常、仕上げ研磨用組成物としては、上記予備研磨用組成物よりもSSAVEが多いシリカ砥粒を含むものが適当であり、SSAVEが1.5ppm/g以上(典型的には1.5〜30.0ppm/g)のものが好ましく、2.0ppm/g以上(例えば2.0〜30.0ppm/g)のものがより好ましく、3.0ppm/g以上(典型的には3.0〜20.0ppm/g、例えば、3.5ppm/g〜20.0ppm/g)のものがさらに好ましい。上記のSSAVEは、例えば、ニッケルリンめっき層を有する磁気ディスク基板の仕上げ研磨用組成物に好ましく適用され得る。
ここに開示される技術の他の一態様において、仕上げ研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒のSSAVEは、例えば1.0ppm/g以上(典型的には1.0〜30.0ppm/g)であってよく、通常は1.0ppm/gより大(典型的には1.0ppm/gを超えて30.0ppm/g以下)が適当であり、1.5ppm/g以上(典型的には1.5〜20.0ppm/g)が好ましく、2.0ppm/g以上(典型的には2.0〜15.0ppm/g、例えば2.0〜13.0ppm/g)がより好ましい。上記のSSAVEは、例えば、ガラス磁気ディスク基板等のガラス材料の仕上研磨用組成物に好ましく適用され得る。
コロイダルシリカを含む仕上げ研磨用組成物において、コロイダルシリカの含有量は特に限定されない。上記コロイダルシリカの含有量は、仕上げ研磨用組成物に含まれる固形分全体の40重量%以上であることが好ましく、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上(例えば80重量%以上)である。上記研磨用組成物に含まれる固形分の実質的に全て(例えば99重量%以上)がコロイダルシリカであってもよい。
仕上げ研磨用組成物は、典型的にはシリカ砥粒の他に水を含む。その他、仕上げ研磨用組成物には、上述した研磨用組成物と同様の成分(酸、酸化剤、塩基性化合物、各種添加剤等)を必要に応じて含有させることができる。特に限定するものではないが、仕上げ研磨用組成物のpHは、上述した研磨用組成物と同様とすることができる。仕上げ研磨用組成物のpHは、例えばpH12.0以下(典型的にはpH0.5〜12.0)とすることができ、好ましくはpH7.0以下(例えばpH0.5〜7.0)である。
好ましい一態様において、仕上げ研磨用組成物のpHは、pH5.0以下(典型的にはpH1.0〜5.0)、より好ましくはpH4.0以下(例えばpH1.0〜4.0)であり得、例えばpH3.0以下(典型的にはpH1.0〜3.0、好ましくはpH1.0〜2.0、より好ましくはpH1.0〜1.8)とすることができる。上記pHは、例えば、Ni−P基板の仕上げ研磨用組成物に好ましく適用され得る。
好ましい他の一態様において、仕上げ研磨用組成物のpHは、例えば、pH12.0以下(典型的にはpH8.5〜12.0)とすることができ、pH8.5〜11.0とすることがより好ましく、pH8.5〜10.5としてもよい。あるいは、研磨用組成物のpHは、例えば、pH5.0以下(例えばpH1.5〜5.0)、より好ましくはpH4.5以下(典型的にはpH2.0〜4.5)とすることができる。より平滑性の高い表面を得るために、仕上げ研磨用組成物のpHとしてpH2.5を超える範囲(典型的にはpHが2.5より大きく4.3以下の範囲、例えばpHが2.5より大きく以上3.8以下の範囲)を好ましく採用することができる。上記pHは、例えば、ガラス磁気ディスク基板等のガラス材料の仕上げ研磨用組成物に好ましく適用され得る。
(仕上げ研磨工程における使用)
ここに開示される研磨用組成物は、また、研磨対象物の仕上げ研磨工程(例えば最終研磨工程)にも好ましく使用され得る。この明細書によると、上述したいずれかの研磨用組成物を用いて仕上げ研磨を行う工程を含む、研磨物の製造方法が提供される。この研磨物製造方法は、ガラス材料(例えば、ガラス磁気ディスク基板、フォトマスク用ガラス基板等のガラス基板)その他の研磨物の製造に好ましく適用され得る。
上記研磨物製造方法は、仕上げ研磨工程の前に、予備研磨工程を含み得る。予備研磨工程に使用する研磨用組成物(予備研磨用組成物)は特に限定されない。例えば、研磨対象物がガラス材料である場合、予備研磨用組成物に好ましく使用し得る砥粒として、セリア、ジルコニア、チタニアおよびシリカが例示される。なかでも好ましいものとしてセリアおよびシリカが挙げられる。セリアとしては、平均一次粒子径D1が10nm〜1000nm(より好ましくは30nm〜700nm、さらに好ましくは100nm〜500nm)程度の粒子を好ましく使用し得る。予備研磨用組成物がシリカ砥粒を含む場合、該シリカ砥粒のSSAVEは13.5ppm/g以下であることが好ましい。予備研磨用組成物に含まれる砥粒の平均一次粒子径D1は、仕上げ研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒のD1AVEと同等またはそれ以上であることが好ましい。
予備研磨用組成物のpHは特に制限されず、例えばpH12.0以下(典型的にはpH1.0〜12.0)とすることができ、pH10.0以下(典型的にはpH1.0〜10.0)としてもよい。好ましい一態様において、予備研磨用組成物のpHは、pH9.0以下(例えばpH2.0〜9.0)とすることができ、pH8.0以下(典型的にはpH2.5〜8.0、例えばpH3.0〜8.0)とすることがより好ましい。上記pHは、例えば、ガラス磁気ディスク基板等のガラス基板の製造において好ましく適用され得る。砥粒としてセリアを用いる場合、予備研磨用組成物のpHは、例えばpH3.0〜9.0とすることができ、pH4.0〜8.0としてもよく、さらにはpH5.0〜7.5としてもよい。pHの調整には、必要に応じて、有機酸、無機酸、塩基性化合物等のpH調整剤等を使用することができる。
この明細書により開示される事項には、シリカ砥粒を含有する研磨用組成物であって、該シリカ砥粒の平均一次粒子径が15nm以上(例えば15nm以上100nm以下、好ましくは15nm以上55nm以下)であり、かつ該シリカ砥粒のpH9.5の水に対する平均ケイ酸イオン溶出量が13.5ppm/g以下である研磨用組成物が含まれる。上記研磨用組成物は、例えば、ガラス基板等のガラス材料の研磨に好ましく用いられ得る。特に、ガラス基板の仕上げ研磨に用いられる研磨用組成物として好適である。
この明細書により開示される事項には、また、シリカ砥粒を含有する研磨用組成物であって、該シリカ砥粒の平均一次粒子径が30nm以上(例えば30nm以上500nm以下、好ましくは35nm以上300nm以下)であり、かつ該シリカ砥粒のpH9.5の水に対する平均ケイ酸イオン溶出量が13.5ppm/g以下である研磨用組成物が含まれる。上記研磨用組成物は、例えば、Ni−P基板の研磨に好ましく用いられ得る。特に、Ni−P基板の一次研磨に用いられる研磨用組成物として好適である。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
以下の実施例において、シリカ粒子の平均一次粒子径(D1)は、マイクロメリテックス社製の表面積測定装置(商品名「Flow Sorb II 2300」)による比表面積の測定値から算出した。シリカ粒子のケイ酸イオン溶出量(SS)は、上述したケイ酸イオン溶出量測定方法に準じ、具体的には以下の方法で測定した。
[ケイ酸イオン溶出量測定方法]
測定対象のシリカ粒子の含有量が9.8重量%であり、pH9.5に調整されたシリカ分散液を調製した。上記pHの調整は、必要に応じて水酸化カリウムを使用することにより行った。上記シリカ粒子の含有量(濃度)はイオン交換水の使用量により調整した。測定対象のシリカ粒子がコロイダルシリカである場合は、そのコロイド溶液の濃度およびpHを必要に応じて調整することにより上記シリカ分散液を調製した。
得られたシリカ分散液を25℃で24時間静置した後、高速冷却遠心機(ベックマン・コールター社製、装置名「Avanti HP−301」、ロータ名「JA−30.50」)を使用して、温度25℃、回転数20000rpmで20分間遠心分離し、上澄み液を採取した。この上澄み液(必要に応じて、Si濃度が75ppm以下となるように調製した希釈液)を測定サンプルとし、ICP発光分析装置(島津製作所製、装置名「ICPS−8100」)を用いてSi濃度を測定した。測定にあたっては、0ppm、25ppm、50ppmおよび75ppmのSi標準試料を用意し、これらのSi標準試料を用いて検量線を引くことにより、上記測定サンプルのSi濃度を求めた。得られたSi濃度から、シリカ粒子1gあたりのケイ酸イオン溶出量を算出した。
各シリカ粒子のD1,SSおよび使用量に基づいて、各例に係る研磨用組成物に含まれるシリカ砥粒の平均一次粒子径(D1AVE)および平均ケイ酸イオン溶出量(SSAVE)を決定した。
実験例1
<研磨用組成物の調製>
(実施例1)
原料シリカ(D1が146nmの沈降シリカ)を、空気雰囲気中、950℃〜1050℃で熱処理(焼成)した。得られた焼成物をボールミルに投入し、直径3mmのボールを用いて、D2が約300nmとなるまで解砕した。このようにして、原料シリカ(沈降シリカ)を焼成および解砕してなるシリカ粒子(焼成シリカ)FS1を調製した。
シリカ粒子FS1、シリカ粒子CS1(D1が約34nm、D2が約76nmのケイ酸ソーダ法コロイダルシリカ)、硝酸、31%過酸化水素水および脱イオン水を混合して、FS1を31g/L、CS1を30g/L、硝酸を8g/L、過酸化水素水を40g/L含む研磨用組成物を調製した。
(実施例2および比較例1)
シリカ粒子FS1,CS1の含有量を表1に示すように変更した他は実施例1と同様にして、実施例2および比較例1に係る研磨用組成物をそれぞれ調製した。
(比較例2)
シリカ粒子CS2(D1が約62.6nm、D2が約90nmのケイ酸ソーダ法コロイダルシリカ)、硝酸、31%過酸化水素水および脱イオン水を混合して、CS2を62g/L、硝酸を8g/L、過酸化水素水を40g/L含む研磨用組成物を調製した。
各例に係る研磨用組成物について、シリカ砥粒の組成、平均ケイ酸イオン溶出量(SSAVE)および平均一次粒子径(D1AVE)の値を表1に示した。なお、これらの研磨用組成物のpHは、いずれも1.8であった。
<ディスクの研磨>
各例に係る研磨用組成物をそのまま研磨液に使用して、下記の条件で、研磨対象物の研磨を行った。研磨対象物としては、表面に無電解ニッケルリンめっき層を備えたハードディスク用アルミニウム基板を使用した。上記研磨対象物(以下「Ni−P基板」ともいう。)の直径は3.5インチ(外径約95mm、内径約25mmのドーナツ型)、厚さは1.75mmであり、研磨前における表面粗さRa(Schmitt Measurement System Inc.社製レーザースキャン式表面粗さ計「TMS−3000WRC」により測定したニッケルリンめっき層の算術平均粗さ)は130Åであった。
[研磨条件]
研磨装置:システム精工株式会社製の両面研磨機、型式「9.5B−5P」
研磨パッド:FILWEL社製のポリウレタンパッド、商品名「CR200」
Ni−P基板の投入枚数:15枚((5枚/キャリア)×3キャリア)
研磨液の供給レート:135mL/分
研磨荷重:120g/cm
上定盤回転数:27rpm
下定盤回転数:36rpm
サンギヤ(太陽ギヤ)回転数:8rpm
研磨量:各基板の両面の合計で約2.2μmの厚さ
<研磨レート>
各例に係る研磨用組成物を用いて上記研磨条件でNi−P基板を研磨したときの研磨レートを算出した。研磨レートは、次の計算式に基づいて求めた。
研磨レート[μm/min]=研磨による基板の重量減少量[g]/(基板の面積[cm]×ニッケルリンめっきの密度[g/cm]×研磨時間[min])×10
得られた値を、比較例2の研磨レートに対する倍率に換算して、表1の「研磨レート」の欄に示した。
<うねり>
PhaseShift社(米国)製の「Optiflat II」を使用して、研磨後のNi−P基板の中心から半径20mm〜44mmの範囲についてカットオフ値5mmの条件で測定した算術平均うねり(Wa)の値を測定した。得られた測定値を、比較例2のWaに対する倍率に換算して、表1の「うねり」の欄に示した。
Figure 0006730859
表1に示される結果から明らかなように、SSAVEが13.5ppm/g以下である実施例1,2の研磨用組成物によると、うねりを抑えつつ、比較例2に対して研磨レートを1.5倍以上に向上させることができた。これに対して、SSAVEが13.5ppm/gを超える比較例1の研磨用組成物では、比較例2に対して研磨レートを向上させる効果は認められなかった。
実験例2
<研磨用組成物の調製>
(実施例3,4)
シリカ粒子FS1、シリカ粒子CS1、クエン酸および脱イオン水を混合して、表2に示す量のFS1およびCS1を含み、クエン酸でpH3に調製された研磨用組成物を調製した。
(比較例3)
シリカ粒子CS1、クエン酸および脱イオン水を混合して、表2に示す量のCS1を含み、クエン酸でpH3に調製された研磨用組成物を調製した。
各例に係る研磨用組成物について、シリカ砥粒の組成、平均ケイ酸イオン溶出量(SSAVE)および平均一次粒子径(D1AVE)の値を表2に示した。
<ディスクの研磨>
各例に係る研磨用組成物をそのまま研磨液に使用して、下記の条件で、研磨対象物としての直径65mm(約2.5インチ)の磁気ディスク用アルミノシリケートガラス基板(以下「ガラス基板」ともいう。)を以下の条件で研磨した。
[研磨条件]
研磨装置:スピードファム社製の両面研磨装置、型式「9B−5P」
研磨パッド:FILWEL社製のスウェードパッド
ガラス基板の投入枚数:10枚((2枚/キャリア)×5キャリア)
研磨液の供給レート:150mL/分
研磨荷重:130g/cm
上定盤回転数:13.3rpm
下定盤回転数:40rpm
研磨量:各基板の両面の合計で約3〜4μmの厚さ
<研磨レート>
各例に係る研磨用組成物を用いて上記研磨条件でガラス基板を研磨したときの研磨レートを算出した。研磨レートは、次の計算式に基づいて求めた。
研磨レート[μm/min]=研磨による基板の重量減少量[g]/(基板の面積[cm]×ガラスの密度[g/cm]×研磨時間[min])×10
得られた値を、比較例3の研磨レートに対する倍率に換算して、表2の「研磨レート」の欄に示した。
<うねり>
Zygo社(米国)製の非接触表面形状測定機「NewView5032」を使用して、レンズ倍率2.5倍、ズーム倍率0.5倍の条件で、1450μm以上の波長について、研磨後のガラス基板の中心から径方向外側に25mmの位置に対し、90°間隔で4箇所を測定し、それらの平均値をうねり値として求めた。得られた測定値を、比較例3のうねり値に対する相対値(倍率)に換算して、表2の「うねり」の欄に示した。
Figure 0006730859
表2に示される結果から明らかなように、SSAVEが13.5ppm/g以下である実施例3,4の研磨用組成物によると、SSAVEの値がより高い比較例3の研磨用組成物に対して研磨レートを向上させ、かつうねりを同等以下に抑制することができた。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。

Claims (11)

  1. 研磨パッドと研磨対象物との間に供給されて該研磨対象物を研磨するために用いられる研磨用組成物であって、
    シリカ砥粒を含有し、
    前記シリカ砥粒は、平均一次粒子径が15nm以上であり、かつpH9.5の水に対する平均ケイ酸イオン溶出量が13.5ppm/g以下である、研磨用組成物。
  2. 前記シリカ砥粒の平均一次粒子径が30nm以上である、請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 前記シリカ砥粒は、熱処理されたシリカ粒子を含む、請求項1または2に記載の研磨用組成物。
  4. pHが5以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  5. 仕上げ研磨工程の前工程で用いられる、請求項1から4のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  6. 磁気ディスク基板の研磨に用いられる、請求項1から5のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  7. 磁気ディスク基板を製造する方法であって、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の研磨用組成物を研磨パッドと磁気ディスク基板との間に供給して該磁気ディスク基板を研磨する工程(1)を包含する、磁気ディスク基板製造方法。
  8. 前記工程(1)の後に、コロイダルシリカを含む仕上げ研磨用組成物を用いて前記磁気ディスク基板を研磨する工程(2)をさらに含む、請求項7に記載の磁気ディスク基板製造方法。
  9. 前記磁気ディスク基板は、基材ディスクの表面にニッケルリンめっき層を有する磁気ディスク基板である、請求項7または8に記載の磁気ディスク基板製造方法。
  10. 前記磁気ディスク基板は、ガラス磁気ディスク基板である、請求項7または8に記載の磁気ディスク基板製造方法。
  11. 請求項1から6のいずれか一項に記載の研磨用組成物を研磨パッドと磁気ディスク基板との間に供給して該磁気ディスク基板を研磨する、磁気ディスク基板研磨方法。
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