JP6679386B2 - 研磨用組成物、基板の製造方法および研磨方法 - Google Patents
研磨用組成物、基板の製造方法および研磨方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6679386B2 JP6679386B2 JP2016071364A JP2016071364A JP6679386B2 JP 6679386 B2 JP6679386 B2 JP 6679386B2 JP 2016071364 A JP2016071364 A JP 2016071364A JP 2016071364 A JP2016071364 A JP 2016071364A JP 6679386 B2 JP6679386 B2 JP 6679386B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polishing
- acid
- particles
- silica
- less
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
- Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
- Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
Description
(粒子のアスペクト比)
ここに開示される研磨用組成物は砥粒を含む。この砥粒は、小径側からの累積体積分布における累積80〜100%の粒子(D80−100粒子)の平均アスペクト比が1.3以上である。ここでD80−100粒子とは、体積基準の累積粒度分布(小径側からの累積体積分布)において小径側からの累積が80〜100%の範囲内に該当する粒子径を有する粒子のことをいう。上記累積体積分布は、典型的には、横軸を粒子径とし、縦軸を累積体積(%)とするグラフにおいて、累積0%および粒子径の小径側の端(左下)から右上に延びて、累積100%および粒子径の大径側の端(右上)に到達する曲線によって表される。D80−100粒子は、大径側から体積基準で20%を占める大径粒子である。ここに開示される砥粒は、相対的に大きい粒子径を有するD80−100粒子の平均アスペクト比が所定値以上であることにより、高い研磨レートが実現される。
ここに開示される砥粒の比表面積換算粒子径(D1)は特に限定されない。通常は、比表面積換算粒子径が150nm以下の砥粒が用いられる。上記比表面積換算粒子径は100nm以下(例えば80nm以下)であることが適当である。好ましい一態様では、砥粒の比表面積換算粒子径は60nm未満である。比表面積換算粒子径が所定値以下である砥粒は、小径粒子を所定以上の割合で含む。そのような砥粒を使用することで、高い研磨レートを得つつ、小径粒子の作用(具体的には、基板表面における加工ポイントの微細化)によって、うねりを好ましく低減することができる。砥粒の比表面積換算粒子径は、より好ましくは55nm以下、さらに好ましくは50nm以下(例えば45nm以下、さらには40nm以下)である。また、砥粒の比表面積換算粒子径は、凡そ10nm以上であることが適当であり、好ましくは20nm以上、より好ましくは30nm以上、さらに好ましくは35nm以上である。比表面積換算粒子径の増大によって、より高い研磨速度が実現され得る。
ここに開示される砥粒の平均二次粒子径(D2)は、典型的には70nm以上であることが好ましい。上記砥粒の平均二次粒子径は、研磨レート等の観点から、好ましくは100nm以上、より好ましくは150nm以上、さらに好ましくは200nm以上、特に好ましくは250nm以上である。また、上記砥粒の平均二次粒子径は、例えば600nm以下であり得る。より高品質な表面を得るという観点から、上記平均二次粒子径は、好ましくは500nm以下、より好ましくは450nm以下、さらに好ましくは400nm以下、特に好ましくは350nm以下である。
ここに開示される研磨用組成物は、砥粒としてシリカ粒子を含む。上記砥粒に含まれるシリカ粒子は、シリカを主成分とする各種のシリカ粒子であり得る。ここで、シリカを主成分とするシリカ粒子とは、該粒子の90重量%以上(通常は95重量%以上、典型的には98重量%以上)がシリカである粒子をいう。使用し得るシリカ粒子の例としては、特に限定されないが、コロイダルシリカ、沈降シリカ、ケイ酸ソーダ法シリカ、アルコキシド法シリカ、フュームドシリカ、乾燥シリカ、爆発法シリカ等が挙げられる。使用し得るシリカ粒子の例には、さらに、上記シリカ粒子(すなわち、沈降シリカ、ケイ酸ソーダ法シリカ、アルコキシド法シリカ、フュームドシリカ、乾燥シリカ、爆発法シリカ等)を原材料として得られたシリカ粒子が挙げられる。そのようなシリカ粒子の例には、上記原材料のシリカ粒子(以下「原料シリカ」ともいう。)に、加温、乾燥、焼成等の熱処理、オートクレーブ処理等の加圧処理、解砕や粉砕(破砕)等の機械的処理、表面改質(例えば、官能基の導入、金属修飾等の化学的修飾)等から選択される1または2以上の処理を適用して得られたシリカ粒子が含まれ得る。ここに開示される技術における砥粒は、このようなシリカ粒子の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて含むものであり得る。
ここに開示される研磨用組成物は、シリカ粒子以外の粒子を含有することができる。シリカ粒子以外の粒子としては、無機粒子、有機粒子、および有機無機複合粒子のいずれも利用可能である。無機粒子の具体例としては、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、酸化クロム粒子、二酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化マグネシウム粒子、二酸化マンガン粒子、酸化亜鉛粒子、ベンガラ粒子等の酸化物粒子;窒化ケイ素粒子、窒化ホウ素粒子等の窒化物粒子;炭化ケイ素粒子、炭化ホウ素粒子等の炭化物粒子;ダイヤモンド粒子;炭酸カルシウムや炭酸バリウム等の炭酸塩;等が挙げられる。上記アルミナ粒子としては、α−アルミナ、α−アルミナ以外の中間アルミナおよびこれらの複合物が挙げられる。中間アルミナとは、α−アルミナ以外のアルミナ粒子の総称であり、具体例としてはγ−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、η−アルミナ、κ−アルミナおよびこれらの複合物が挙げられる。有機粒子の具体例としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子やポリ(メタ)アクリル酸粒子(ここで(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸を包括的に指す意味である。)、ポリアクリロニトリル粒子等が挙げられる。これらシリカ粒子以外の粒子は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(水)
ここに開示される研磨用組成物は、典型的には、上述のような砥粒の他に、該砥粒を分散させる水を含有する。水としては、イオン交換水(脱イオン水)、純水、超純水、蒸留水等を好ましく用いることができる。
ここに開示される研磨用組成物は、研磨促進剤として酸を含む態様で好ましく実施され得る。好適に使用され得る酸の例としては、無機酸や有機酸(例えば、炭素原子数が1〜10程度の有機カルボン酸、有機ホスホン酸、有機スルホン酸、アミノ酸等)が挙げられるが、これらに限定されない。酸は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
塩の具体例としては、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩およびアルカリ金属リン酸水素塩;上記で例示した有機酸のアルカリ金属塩;その他、グルタミン酸二酢酸のアルカリ金属塩、ジエチレントリアミン五酢酸のアルカリ金属塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸のアルカリ金属塩、トリエチレンテトラミン六酢酸のアルカリ金属塩;等が挙げられる。これらのアルカリ金属塩におけるアルカリ金属は、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等であり得る。
ここに開示される研磨用組成物には、必要に応じて酸化剤を含有させることができる。酸化剤の例としては、過酸化物、硝酸またはその塩、過ヨウ素酸またはその塩、ペルオキソ酸またはその塩、過マンガン酸またはその塩、クロム酸またはその塩、酸素酸またはその塩、金属塩類、硫酸類等が挙げられるが、これらに限定されない。酸化剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム、硝酸、硝酸鉄、硝酸アルミニウム、硝酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸、ペルオキソ一硫酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸金属塩、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸金属塩、ペルオキソリン酸、ペルオキソ硫酸、ペルオキソホウ酸ナトリウム、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過塩素酸、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、過マンガン酸カリウム、クロム酸金属塩、重クロム酸金属塩、塩化鉄、硫酸鉄、クエン酸鉄、硫酸アンモニウム鉄等が挙げられる。好ましい酸化剤として、過酸化水素、硝酸鉄、過ヨウ素酸、ペルオキソ一硫酸、ペルオキソ二硫酸および硝酸が例示される。少なくとも過酸化水素を含むことが好ましく、過酸化水素からなることがより好ましい。
研磨用組成物には、必要に応じて塩基性化合物を含有させることができる。ここで塩基性化合物とは、研磨用組成物に添加されることによって該組成物のpHを上昇させる機能を有する化合物を指す。塩基性化合物の例としては、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩や炭酸水素塩、第四級アンモニウムまたはその塩、アンモニア、アミン、リン酸塩やリン酸水素塩、有機酸塩等が挙げられる。塩基性化合物は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
炭酸塩や炭酸水素塩の具体例としては、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。
第四級アンモニウムまたはその塩の具体例としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の水酸化第四級アンモニウム;このような水酸化第四級アンモニウムのアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩);等が挙げられる。
アミンの具体例としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、無水ピペラジン、ピペラジン六水和物、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−メチルピペラジン、グアニジン、イミダゾールやトリアゾール等のアゾール類、等が挙げられる。
リン酸塩やリン酸水素塩の具体例としては、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のアルカリ金属塩が挙げられる。
有機酸塩の具体例としては、クエン酸カリウム、シュウ酸カリウム、酒石酸カリウム、酒石酸カリウムナトリウム、酒石酸アンモニウム等が挙げられる。
ここに開示される研磨用組成物は、本発明の効果が著しく妨げられない範囲で、界面活性剤、水溶性高分子、分散剤、キレート剤、防腐剤、防カビ剤等の、研磨用組成物(例えば、Ni−P基板等のような磁気ディスク基板用の研磨用組成物)に使用され得る公知の添加剤を、必要に応じてさらに含有してもよい。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、アルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、アルキル硫酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンスルホコハク酸、アルキルスルホコハク酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、ポリアクリル酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、およびこれらの塩等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤の他の具体例としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アントラセンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ベンゼンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のポリアルキルアリールスルホン酸系化合物;メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミンホルマリン樹脂スルホン酸系化合物;リグニンスルホン酸、変成リグニンスルホン酸等のリグニンスルホン酸系化合物;アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等の芳香族アミノスルホン酸系化合物;その他、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリイソアミレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸;およびこれらの塩等が挙げられる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩等が挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシド等が挙げられる。
ここに開示される研磨用組成物は、典型的には該研磨用組成物を含む研磨液の形態で研磨対象物(例えば磁気ディスク基板)に供給されて、該研磨対象物の研磨に用いられる。上記研磨液は、例えば、研磨用組成物を希釈(典型的には、水により希釈)して調製されたものであり得る。あるいは、研磨用組成物をそのまま研磨液として使用してもよい。すなわち、ここに開示される技術における研磨用組成物の概念には、研磨対象物に供給されて該研磨対象物の研磨に用いられる研磨液(ワーキングスラリー)と、希釈して研磨液として用いられる濃縮液との双方が包含される。このような濃縮液の形態の研磨用組成物は、製造、流通、保存等の際における利便性やコスト低減等の観点から有利である。濃縮倍率は、例えば1.5倍〜50倍程度とすることができる。濃縮液の貯蔵安定性等の観点から、通常は2倍〜20倍(典型的には2倍〜10倍)程度の濃縮倍率が適当である。
ここに開示される研磨用組成物のpHは特に制限されない。研磨用組成物のpHは、例えば、12.0以下(典型的には0.5〜12.0)とすることができ、10.0以下(典型的には0.5〜10.0)としてもよい。研磨レートや面精度等の観点から、研磨用組成物のpHは、7.0以下(例えば0.5〜7.0)とすることができ、5.0以下(典型的には1.0〜5.0)とすることがより好ましく、4.0以下(例えば1.0〜4.0)とすることがさらに好ましい。研磨用組成物のpHは、例えば3.0以下(典型的には1.0〜3.0、好ましくは1.0〜2.0、より好ましくは1.0〜1.8)とすることができる。研磨液において上記pHが実現されるように、必要に応じて有機酸、無機酸、塩基性化合物等のpH調整剤を含有させることができる。上記pHは、例えば、Ni−P基板等の磁気ディスク基板の研磨用(特に一次研磨用)の研磨用組成物に好ましく適用され得る。
なお、ここに開示される研磨用組成物は、一剤型であってもよいし、二剤型を始めとする多剤型であってもよい。例えば、該研磨用組成物の構成成分(典型的には、水以外の成分)のうち一部の成分を含むA液と、残りの成分を含むB液とが混合されて研磨対象物の研磨に用いられるように構成されていてもよい。好ましい一態様に係る多剤型研磨用組成物は、砥粒を含むA液(典型的には、分散剤を含んでもよい砥粒分散液)と、砥粒以外の成分(例えば、酸、水溶性高分子その他の添加剤)を含むB液とから構成されている。通常、これらは、使用前は分けて保管されており、使用時(研磨対象基板の研磨時)に混合され得る。混合時には、例えば過酸化水素等の酸化剤がさらに混合され得る。例えば、上記酸化剤(例えば過酸化水素)が水溶液(例えば過酸化水素水)の形態で供給される場合、当該水溶液は、多剤型研磨用組成物を構成するC液となり得る。
ここに開示される技術の適用対象は特に限定されない。ここに開示される技術は、砥粒を含む研磨用組成物により研磨可能な種々の研磨対象物の研磨や、上記研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨することを含む研磨物の製造に適用することができる。研磨対象物の材質は、シリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン、ステンレス鋼等の金属もしくは半金属またはこれらの合金、およびそれらの材料を使用した半導体配線に使用される薄膜;石英ガラス、アルミノシリケートガラス、ガラス状カーボン等のガラス状物質;アルミナ、シリカ、サファイア、窒化ケイ素、窒化タンタル、炭化チタン等のセラミック材料;炭化ケイ素、窒化ガリウム、ヒ化ガリウム等の化合物半導体基板材料;ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、アリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エピチオ系樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂材料;等であり得るが、これらに限定されない。また、これらのうち複数の材質により構成された研磨対象物であってもよい。
ここに開示される研磨用組成物は、例えば以下の操作を含む態様で、研磨対象物(例えば磁気ディスク基板)の研磨に好適に使用することができる。以下、ここに開示される研磨用組成物を用いて研磨対象物(典型的には研磨対象基板)を研磨する方法の好適な一態様につき説明する。
すなわち、ここに開示されるいずれかの研磨用組成物を含む研磨液(ワーキングスラリー)を用意する。上記研磨液を用意することには、研磨用組成物に濃度調整(例えば希釈)やpH調整等の操作を加えて研磨液を調製することが含まれ得る。あるいは、研磨用組成物をそのまま研磨液として使用してもよい。
[研磨用組成物の調製]
アスペクト比や平均粒子径の異なる複数種類のシリカ粒子(熱処理シリカ、コロイダルシリカA〜C)を用意した。これらのシリカ粒子を単独でまたは組み合わせて含む砥粒と、リン酸と、31%過酸化水素水と、脱イオン水とを混合して、砥粒を45g/L、リン酸を12.5g/L、31%過酸化水素水を40g/Lの割合で含む例1〜6の研磨用組成物を調製した。各例に係る研磨用組成物のpHは1.5であった。各例で使用した砥粒の種類、物性を表1に示す。
各例に係る研磨用組成物をそのまま研磨液に使用して、下記の条件で、研磨対象物の研磨を行った。研磨対象物としては、表面に無電解ニッケルリンめっき層を備えたハードディスク用アルミニウム基板を使用した。上記研磨対象物(研磨対象基板)の直径は3.5インチ(外径約95mm、内径約25mmのドーナツ型)、厚さは1.75mmであり、研磨前における表面粗さRa(Schmitt Measurement System Inc.社製レーザースキャン式表面粗さ計「TMS−3000WRC」により測定したニッケルリンめっき層の算術平均粗さ)は130Åであった。
研磨装置:システム精工社製の両面研磨機、型式「9.5B−5P」
研磨パッド:FILWEL社製のポリウレタンパッド、商品名「CR200」
研磨対象基板の投入枚数:15枚(3枚/キャリア ×5キャリア)
研磨液の供給レート:135mL/分
研磨荷重:120g/cm2
上定盤回転数:27rpm
下定盤回転数:36rpm
サンギヤ(太陽ギヤ)回転数:8rpm
研磨量:各基板の両面の合計で約2.2μmの厚さ
各例に係る研磨用組成物を用いて上記研磨条件で研磨対象基板を研磨したときの研磨レートを算出した。研磨レートは、次の計算式に基づいて求めた。
研磨レート[μm/min]=研磨による基板の重量減少量[g]/(基板の面積[cm2]×ニッケルリンめっきの密度[g/cm3]×研磨時間[min])×104
得られた値を、例3の研磨レートを1としたときの相対値に換算して表1の「研磨レート」の欄に示す。
KLA Tencor社(米国)製の「Optiflat III」を使用して、研磨後の基板の中心から半径20mm〜44mmの範囲についてカットオフ値5mmの条件で測定した算術平均うねり(Wa)の値を測定した。そして、得られた測定値が5Å未満のものを「○」、5Å以上のものを「△」と評価した。結果を表1の「うねり」の欄に示す。
Claims (7)
- ニッケルリンめっきが施された磁気ディスク基板の研磨に用いられる研磨用組成物であって、
シリカ粒子を含む砥粒と、水と、を含み、
前記砥粒は、小径側からの累積体積分布における累積0〜20%の粒子(D0−20粒子)の平均アスペクト比が1.25以下であり、かつ該累積体積分布における累積80〜100%の粒子(D80−100粒子)の平均アスペクト比が1.3以上であり、
酸と、酸化剤と、をさらに含み、pHが5以下である、研磨用組成物。 - 前記砥粒の比表面積換算粒子径は60nm未満である、請求項1に記載の研磨用組成物。
- 前記砥粒の平均二次粒子径は70nm以上である、請求項1または2に記載の研磨用組成物。
- 仕上げ研磨工程の前工程で用いられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の研磨用組成物を用いて研磨対象基板を研磨する工程(1)を含む、ニッケルリンめっきが施された磁気ディスク基板の製造方法。
- 前記工程(1)の後に、仕上げ研磨用組成物を用いて前記研磨対象基板を研磨する工程(2)をさらに含み、
前記仕上げ研磨用組成物はコロイダルシリカを含む、請求項5に記載の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の研磨用組成物を研磨対象基板に供給して該研磨対象基板を研磨する工程(1)を含む、ニッケルリンめっきが施された磁気ディスク基板の研磨方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016071364A JP6679386B2 (ja) | 2016-03-31 | 2016-03-31 | 研磨用組成物、基板の製造方法および研磨方法 |
MYPI2017701047A MY192435A (en) | 2016-03-31 | 2017-03-27 | Polishing composition, method for producing substrate, and method for polishing same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016071364A JP6679386B2 (ja) | 2016-03-31 | 2016-03-31 | 研磨用組成物、基板の製造方法および研磨方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017179217A JP2017179217A (ja) | 2017-10-05 |
JP6679386B2 true JP6679386B2 (ja) | 2020-04-15 |
Family
ID=60005054
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016071364A Active JP6679386B2 (ja) | 2016-03-31 | 2016-03-31 | 研磨用組成物、基板の製造方法および研磨方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6679386B2 (ja) |
MY (1) | MY192435A (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102533088B1 (ko) * | 2017-12-18 | 2023-05-17 | 주식회사 케이씨텍 | 다결정실리콘을 함유하는 웨이퍼의 연마 슬러리 조성물 |
JP7262197B2 (ja) * | 2018-09-28 | 2023-04-21 | 株式会社フジミインコーポレーテッド | 研磨用組成物およびその利用 |
JP7055695B2 (ja) * | 2018-04-27 | 2022-04-18 | 花王株式会社 | 研磨用シリカ砥粒 |
JP7471118B2 (ja) * | 2019-03-29 | 2024-04-19 | 株式会社フジミインコーポレーテッド | 研磨用組成物 |
JP7391589B2 (ja) * | 2019-09-30 | 2023-12-05 | 株式会社フジミインコーポレーテッド | 研磨用組成物 |
JP7396953B2 (ja) * | 2020-03-31 | 2023-12-12 | 株式会社フジミインコーポレーテッド | 研磨用組成物、基板の製造方法および研磨方法 |
JP7587954B2 (ja) | 2020-09-30 | 2024-11-21 | 株式会社フジミインコーポレーテッド | 研磨用組成物、基板の製造方法および研磨方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8518135B1 (en) * | 2012-08-27 | 2013-08-27 | Cabot Microelectronics Corporation | Polishing composition containing hybrid abrasive for nickel-phosphorous coated memory disks |
JP6156207B2 (ja) * | 2013-04-02 | 2017-07-05 | 信越化学工業株式会社 | 合成石英ガラス基板の製造方法 |
JP6412714B2 (ja) * | 2014-04-16 | 2018-10-24 | 株式会社フジミインコーポレーテッド | 研磨用組成物 |
-
2016
- 2016-03-31 JP JP2016071364A patent/JP6679386B2/ja active Active
-
2017
- 2017-03-27 MY MYPI2017701047A patent/MY192435A/en unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017179217A (ja) | 2017-10-05 |
MY192435A (en) | 2022-08-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6679386B2 (ja) | 研磨用組成物、基板の製造方法および研磨方法 | |
JP6730859B2 (ja) | 研磨用組成物および磁気ディスク基板製造方法 | |
JP6564638B2 (ja) | 研磨用組成物、磁気ディスク基板製造方法および磁気ディスク基板 | |
JP6864519B2 (ja) | 研磨用組成物、磁気ディスク基板の製造方法および磁気ディスクの研磨方法 | |
JP6815257B2 (ja) | 研磨用組成物および磁気ディスク基板の製造方法 | |
JP6637816B2 (ja) | 研磨用組成物、基板の研磨方法および基板の製造方法 | |
JP7292844B2 (ja) | 研磨用組成物、基板の研磨方法および基板の製造方法 | |
JP6688129B2 (ja) | 研磨用組成物、磁気ディスク基板の製造方法および磁気ディスク基板の研磨方法 | |
JP6637817B2 (ja) | 磁気ディスク基板研磨用組成物、磁気ディスク基板の製造方法および研磨方法 | |
JP7396953B2 (ja) | 研磨用組成物、基板の製造方法および研磨方法 | |
JP7061859B2 (ja) | 研磨用組成物および磁気ディスク基板の製造方法 | |
JP7262197B2 (ja) | 研磨用組成物およびその利用 | |
JP7111492B2 (ja) | 研磨用組成物、パッド表面調整用組成物およびその利用 | |
JP2021057093A (ja) | 研磨用組成物 | |
JP7058097B2 (ja) | 研磨用組成物および磁気ディスク基板の製造方法 | |
JP7186568B2 (ja) | 研磨用組成物、基板の研磨方法および基板の製造方法 | |
JP6677558B2 (ja) | 磁気ディスク基板研磨用組成物、磁気ディスク基板の製造方法および研磨方法 | |
JP6916648B2 (ja) | 磁気ディスク基板の研磨方法、研磨用組成物および研磨用組成物セット | |
JP6656867B2 (ja) | 磁気ディスク基板用研磨組成物、磁気ディスク基板の製造方法および磁気ディスク基板 | |
JP6572082B2 (ja) | 磁気ディスク基板用研磨組成物、磁気ディスク基板の製造方法および磁気ディスク基板 | |
JP7319157B2 (ja) | 研磨用組成物 | |
JP7441101B2 (ja) | 研磨用組成物 | |
JP7587954B2 (ja) | 研磨用組成物、基板の製造方法および研磨方法 | |
JP7611048B2 (ja) | 研磨用組成物、基板の製造方法および研磨方法 | |
JP2019064852A (ja) | シリカ分散液、研磨スラリーおよび研磨スラリー調製用キット |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190121 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20191210 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20191219 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200204 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200227 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200318 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6679386 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |