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JP6721599B2 - 循環する腫瘍dnaの濃縮方法 - Google Patents

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Description

(発明の分野)
本発明は血液、血清、又は血漿からの腫瘍を起源とする循環無細胞ヌクレオソーム及び関連する循環腫瘍DNAの精製又は濃縮方法に関する。
(発明の背景)
細胞DNAはクロマチンと呼ばれるタンパク質-核酸複合体として存在する。ヌクレオソームはクロマチン構造の基本単位であり、タンパク質複合体の周囲に巻きつけられた二本鎖DNA(dsDNA)からなる。DNAはしばしば「ひも上のビーズ」に似ているといわれる構造中の連続するヌクレオソームの周囲に巻きつけられており、このことは開いたクロマチン又は真正クロマチンの基本構造を形成する。圧縮クロマチン又は異質クロマチンにおいて、このひもは閉じた複雑な構造中で螺旋構造をとり、超螺旋構造をとる。
クロマチン中の各ヌクレオソームは8つの高度に保存されたコアヒストン(ヒストンH2A、H2B、H3、及びH4の各々の対から構成される)のタンパク質複合体からなる。この複合体の周囲におよそ146塩基対(bp)のDNAが巻きついている。無細胞ヌクレオソームは追加のリンカーDNAの存在のために160〜200 bpとなり得るDNAを含むことが報告されている。別のヒストン、H1又はH5は、リンカーとして作用し、クロマチン圧縮に関与する。
成体ヒトにおける正常な細胞のターンオーバーは、細胞分裂により1日におよそ1011細胞の発生と、主にアポトーシスによる同等数の死を伴う。アポトーシスの過程では、クロマチンは単一ヌクレオソーム及びオリゴヌクレオソームへと分解し、その一部は循環中に見出され得る。通常の条件下では、健康な対象において見出される循環ヌクレオソームのレベルは低いことが報告されている。多くの癌、自己免疫性疾患、炎症性病態、卒中及び心筋梗塞を含む様々な病態を有する対象において、上昇したレベルが見出される(Holdenreider及びStieberの文献, 2009)。
DNA異常は全ての癌疾患の特徴である。癌細胞のDNAは健康な細胞のDNAと多くの点で異なっており、これらに限定するものではないが、点変異、転座、遺伝子コピー数、マイクロサテライト異常、DNA鎖の完全性、及びヌクレオチド修飾(例えば、シトシンの5位のメチル化)が挙げられる。これらの腫瘍関連のDNA構造又は配列の変化は、臨床診断、予後、及び治療目的の生検若しくは外科手術で摘出した癌細胞、又は組織において定例的に調べられる。腫瘍の遺伝的及び後成的特徴は、異なる腫瘍型間で、同じ腫瘍疾患を有する異なる患者間で異なる。さらに、これらの特徴は同じ患者の同じ癌内で、疾患の進行に伴い、かつ薬物又は他の治療法への獲得耐性の発生において、時間とともに変化する。従って、手術又は生検で採取された細胞における腫瘍DNAの連続的な調査は、臨床医が疾患の進行をモニタリングし、あらゆる再発又は獲得型治療抵抗性を早い段階で(ことによるとX線検出よりも何ヶ月も早く)検出し、治療経過を潜在的に首尾よく変化させる一助となり得る。
しかしながら、モニタリングの目的で患者において侵襲的生検手順を繰り返し実施することはできないため、組織DNA検査には限界がある。一部の患者に対しては、生検は全く使用できない。生検は実施するのに費用がかさみ、患者に不快感を与え、患者をリスクにさらし、外科的併発症をもたらし得る。さらに、ある患者における腫瘍は同じ腫瘍の異なる領域に位置する複数の腫瘍クローン又は異なる転移部(転移癌における)に位置する複数の腫瘍クローンからなる場合があり、これらの全てが生検で採取できるわけではない。従って、組織生検DNA調査はある特定の時の瞬間における腫瘍の異なる領域内に位置する異なる腫瘍クローン間で、時間的にも、空間的にも、腫瘍の一面のみを提供する。
癌患者の血液には、瀕死の癌細胞又は死んだ癌細胞から循環へのクロマチン断片又はヌクレオソームの放出に由来すると考えられる循環腫瘍DNA(ctDNA)が含まれている。癌患者からの適合した血液及び組織試料の調査から、患者の腫瘍に存在する(しかし、患者の健康な細胞には存在しない)癌関連変異が、同患者から採取された血液試料中のctDNAにおいても存在することが示される(Newmanらの文献, 2014)。同様に、癌細胞における差次的にメチル化を受けた(シトシン残基のメチル化によって後成的に変化した)DNA配列も、循環中のctDNAにおけるメチル化配列として検出することができる。さらに、ctDNAから構成される無細胞循環DNA(cfDNA)の比率は腫瘍負荷に関連し、そのため疾患の進行を、存在するctDNAの比率により定量的に、かつその遺伝的及び/又は後成的組成により定性的にモニタリングすることができる。ctDNAの分析は、腫瘍内の全ての又は多くの異なるクローンに由来するDNAに付随する非常に有用で臨床的に正確なデータを生じることができ、そのためにこうしたデータは腫瘍クローンを空間的に統合する。さらに、経時的な繰返しの試料採取はずっと実用的で経済的な選択肢となる。(ctDNA)の分析は腫瘍の検出及びモニタリング、並びに侵襲的な組織生検手順を伴わずに腫瘍DNAを調査することによって、腫瘍治療の選択のための早期段階における再発及び獲得薬物耐性の検出に大変革をもたらす可能性を有する。そのようなctDNAの検査は全ての型の癌に関連するDNA異常(例えば、点変異、ヌクレオチド修飾状態、転座、遺伝子コピー数、マイクロサテライト異常、及びDNA鎖の完全性)を調査するために使用することができ、定例の癌スクリーニング、定期的かつより頻繁なモニタリング、及び最適な治療レジメンの定期的点検に適用可能性があるだろう(Zhouらの文献, 2012)。
血液、血漿、又は血清はctDNA検定に基質として使用することができ、限定することなく、DNA配列決定法、後成的DNA配列決定分析(例えば、5-メチルシトシンを含む配列に対する)、PCR、BEAMing、NGS(標的型又は全ゲノム型)、デジタルPCR、低温PCR(低変性温度のPCRによる共増幅)、MAP(MIDI活性化ピロリン酸分解)、PARE(個人化された再配列末端の分析)、及び質量分析を含む任意のDNA分析法が利用できる。
DNA異常は全ての癌疾患の特徴であり、ctDNAは調査された全ての癌疾患に対し観察されたため、ctDNA検査は全ての癌疾患において適用可能性を有する。調査された癌には、限定することなく、膀胱、乳房、結腸直腸、黒色腫、卵巣、前立腺、肺、肝臓、子宮内膜、卵巣、リンパ腫、口腔、白血病、頭頸部、及び骨肉腫の癌がある(Crowleyらの文献, 2013; Zhouらの文献, 2012; Jungらの文献, 2010)。ctDNA検査の性質は、ここで3つの(非限定的な)例示によるアプローチを概説することで示すこととする。
第一の例は、ctDNAにおける癌関連遺伝子配列変異の検出に関与する。ctDNAにおける単一遺伝子変異の検出を伴う血液検査は、一般的に臨床上低感度である。これには2つの理由がある。第一に、全ての癌が変異を有しているものの、特定の癌疾患における任意の特定の変異の頻度は通常低い。例えば、K-ras及びp53の変異は2つのより高頻度の癌変異とみなされ、膀胱、乳房、結腸、肺、肝臓、膵臓、子宮内膜及び卵巣癌を含む広範囲の癌において研究されてきたものの、これらはそれぞれ23%〜64%及び17%〜54%の癌組織試料で検出された。第二に、たとえ患者の癌組織がまさにその変異を含んでいたとしても、該患者の血液中に存在する変異ctDNAのレベル又は濃度は低く、検出困難となり得る。例えば、K-ras及びp53の変異はK-ras及びp53組織陽性患者の0%〜75%のctDNAで検出することができる。これらの2つの効果の和は、K-ras又はp53の変異は癌患者の40%未満の血液中で検出されることを意味していた(Jungらの文献, 2010)。
第二の例は、ctDNAにおける複数の癌関連遺伝子配列の変異の検出と関連している。K-ras又はp53のような任意の特定の遺伝子の変異は少数の癌のみにおいて存在し得るものの、全ての癌は変異を含んでおり、そのため十分に大きなパネルの変異の研究は原則的に、大部分の腫瘍、又は全ての腫瘍さえもの検出を促進するはずである。従ってそのような検査の臨床感度を増加させるための1つの方法は、多くの遺伝子における広範囲の変異を検査することである。Newmanらは非小細胞肺癌(NSCLC)に対しこのアプローチを適用し、頻発する139個の変異遺伝子由来の521個のエキソン及び13個のイントロン配列を調査した。調べた変異は複数のクラスの癌関連遺伝的変化を包含し、そこには一塩基多様性(SNV)及び融合遺伝子が含まれていた。このやり方でNewmanらは、ctDNA血液検査において96%の特異性で95%超のステージII〜IVの腫瘍、50%のステージIの腫瘍を検出したことを報告した(Newmanらの文献, 2014)。
第三の例は、ctDNAにおける特定の遺伝子配列への癌関連後成的変化の検出に関連している。このアプローチは任意のDNA又はヌクレオチド修飾に適用することができる。このアプローチの最も重要な例は、特定の癌のシトシン残基で差次的にメチル化された遺伝子の検出である。この目的のために様々な癌において、多数の遺伝子が調査された。これらのうちの少数は、セプチン-9、APC、DAPK、GSTP1、MGMT、p16、RASSF1A、T1G1、BRCA1、ERα、PRB、TMS1、MLH1、HLTF、CDKN2A,SOCS1、SOCS2、PAX5、PGR、PTGS2、及びRARβ2であり、膀胱、乳房、結腸直腸、黒色腫、卵巣及び前立腺の癌において調査された。このアプローチの説明的な例は、結腸直腸癌(CRC)の検出のためのctDNAにおけるメチル化セプチン-9の検出であり、68%のCRC症例を89%の臨床的特異性で検出したことが報告された(Grutzmannらの文献, 2008)。
cfDNAの腫瘍由来ctDNAフラクションは単一ヌクレオソームの形態で循環するDNA断片について予測されるサイズであるおよそ180塩基対(bp)のメディアン長を有するDNA小断片として循環する(Newmanらの文献, 2014)。これらの180 bpのDNA断片は、ヌクレオソームDNA+一部のリンカーDNAを含むと考えられる。癌患者は健康な対象よりも高いcfDNAレベルを有していると報告されている。この分野の研究者は健康な対象では0〜100 ng/ml(平均30 ng/ml)の範囲のcfDNAを報告し、癌を有する対象では0〜1000 ng/ml(平均180 ng/ml)のcfDNAを報告している(Schwarzenbachらの文献, 2011)。循環するcfDNAは最大20,000塩基対の長さの様々なサイズのDNA分子からなる(Zhouらの文献, 2012)。ctDNAが主に単一ヌクレオソームとして循環するという仮説と一致して、循環中の無細胞ヌクレオソームの測定されたレベルは、DNAのレベルと同様に、健康な対象よりも癌患者において高くなる(Holdenriederらの文献, 2001)。しかしながら、ヌクレオソームは細胞死の非特異的な産物であり、上昇したレベルは急性外傷を含む上昇した細胞死を伴う多くの病態で観察されるため、循環するヌクレオソームそれ自体の上昇したレベルは臨床上癌のバイオマーカーとして使用されない(Holdenrieder及びStieberの文献, 2009)。細胞死の産物として、循環ヌクレオソームのレベルは細胞傷害性薬物又は放射線治療による処置により顕著に上昇し得る。しかしながら、ヌクレオソームはまた、Holdenriederらの文献, 2001から複製される図1及び2において示されるように、レベルが処置により急激に上昇し、続いて下降し得るために、循環から除去される。
循環する無細胞ヌクレオソームそれ自体のレベルは癌の血液ベースバイオマーカーとして臨床的には使用されていないものの、それらのヒストン修飾、ヒストンバリアント、DNA修飾、及び付加含有量の観点から、循環する無細胞ヌクレオソームの後成的組成は、癌における血液ベースのバイオマーカーとして調査されている(WO 2005/019826; WO 2013/030577; WO 2013/030579; WO 2013/084002)。
cfDNAの生物学的起源は十分に理解されていない。単一ヌクレオソーム及びオリゴヌクレオソームを産生するクロマチンの断片化は、アポトーシス細胞死の特徴である。壊死細胞は数千塩基対の長さのより大きいDNA分子を産生すると考えられているが、一部の壊死の事例では、DNAの断片化も起こり得る。さらに、共通DNA繰り返し配列(例えば、ALU又はLINE1配列)は、非アポトーシス性又は壊死性の細胞死を受ける細胞から、200〜400塩基対のDNA断片として放出され得る(Schwarzenbachらの文献, 2011)。また、DNA断片は細胞間コミュニケーションの形態として細胞により分泌され得る。ctDNAの起源は癌細胞の死と関連すると考えられている。DNA断片は壊死腫瘍細胞及び/又はアポトーシス腫瘍細胞からヌクレオソームとして放出され得る。しかし、壊死細胞及びアポトーシス細胞は通常、マクロファージ又は他のスカベンジャー細胞によって貪食され、DNAは壊死細胞又はアポトーシス細胞を飲み込んだマクロファージによって放出され得る(Schwarzenbachらの文献, 2011)。
血液、血清、又は血漿からcfDNAを抽出するために利用可能な様々な方法があり、これらは抽出されるDNAの収量、及びその様々な長さのDNA断片の抽出効率について比較されてきた。フェノール-クロロホルム及びヨウ化ナトリウム抽出法は最も高い収量を提供し、200 bp未満の長さの小さなDNA断片を抽出する。検査された他の方法(商業上利用可能な方法を含む)は、より低いDNA抽出収量を有し、200 bp未満の長さの小さなDNA断片を抽出できないことが報告されている(Fongらの文献, 2009)。
ctDNAの分析のための血液、血清、又は血漿からのcfDNAの抽出は、通常商業的に利用可能なDNA抽出製品を用いて実施される。そのような抽出法については循環DNAの高い回収率(>50%)が主張され、一部の製品(例えば;Qiagen社製のQIAamp循環核酸キット)については小さなサイズのDNA断片を抽出することが主張されている。使用される典型的な試料容量は、1〜5 mLの範囲の血清又は血漿である。
いくつかの制約から、臨床腫瘍学を目的とした定例の使用におけるctDNAベースの検査は現在存在しない。主要な方法論的な制約は、高品質のDNAが要求されることである。現在のctDNAの採取方法は、試料の性質が原因で低品質のctDNA試料を産生する。主な困難は、循環中にはあらゆるctDNAの分析を複雑にする非腫瘍cfDNAが大量に存在することにある。異なる研究者が出した推定値は異なっているが、循環中に存在するctDNAのフラクションは低すぎて検出できないか、cfDNAの50%超であり得る。しかしながら、大部分の癌患者について、ctDNAのフラクションはcfDNAのうちの小さな割合である。例えば、最近の研究では、治療前の肺癌患者において、ctDNAのフラクションが腫瘍サイズとともに増加することが報告されている。見出された最も高いレベルは大きな腫瘍負荷を有する患者で3.2%であったが、大部分の患者では0.1%未満のctDNAフラクションを有することが見出された(Newmanらの文献, 2014)。このことは、多くの患者試料について、非常に低いレベルのctDNAを、ずっと高いレベルの非腫瘍由来DNAの存在下で分析しなければならないことを意味する。さらに、このDNAは同じ対象由来であり、それ故類似した配列を有し、ctDNAの定量化又は分析のための任意の方法において干渉することとなる。
類似した問題は癌のバイオマーカーとしての循環する無細胞ヌクレオソーム及び/又は循環するヌクレオソームの後成的組成の測定について発生するが、それはヌクレオソームそれ自体が細胞死の非特異的な尺度であり、体の正常な細胞ターンオーバープロセスの一部として、並びに自己免疫性疾患、卒中、敗血症、外傷後、火傷、心筋梗塞、脳卒中、臓器移植後の移植片拒絶反応中に、及び激しい運動後のような細胞死の上昇したレベルと関連する状態において放出されるためである。従って、腫瘍を起源とするヌクレオソームは様々な細胞起源及び組織起源の他の非腫瘍ヌクレオソームとともに循環する。これらの非腫瘍ヌクレオソームは、腫瘍を起源とするヌクレオソームの定量化又は後成的分析についてのあらゆる方法において干渉することとなる。
従って、血液、血清、又は血漿試料由来の、腫瘍を起源とする循環ヌクレオソーム及びctDNAを濃縮するための方法について、大きなニーズが存在する。
(発明の概要)
本発明の第一の態様によって、生体試料由来の、腫瘍を起源とする無細胞ヌクレオソーム又は循環腫瘍DNA(ctDNA)を検出し、単離し、かつ/又は精製するためのヒストンH3.1及び/又はH3.2及び/又はH3t結合剤の使用が提供される。
本発明のさらなる態様によって、生体試料から、腫瘍を起源とする循環無細胞ヌクレオソームをアフィニティー精製により単離する方法であって:
(i) 該試料をヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤と接触させる工程;
(ii) 該試料から結合したヌクレオソームを単離する工程;及び
(iii) 該単離したヌクレオソーム及び/又は結合したDNAを分析する工程、を含む、前記方法が提供される。
本発明のさらなる態様によって、生体試料から精製循環腫瘍DNA(ctDNA)を単離する方法であって:
(i) ヒストンH3.1及び/又はH3.2及び/又はH3tを含む循環無細胞ヌクレオソームを単離する工程;
(ii) 工程(i)で生じたヌクレオソーム試料からDNAを抽出する工程;及び
(iii) 該抽出されたDNAを分析する工程、を含む、前記方法が提供される。
本発明のさらなる態様によって、生体試料中の腫瘍に由来する循環ヌクレオソームの後成的エピトープを検出するための免疫検定法であって:
(i) 該試料をヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤と接触させる工程;
(ii) 該ヌクレオソーム又は試料を該エピトープと結合する第二結合剤と接触させる工程;
(iii) 該第二結合剤の該エピトープへの結合を検出し、かつ/又は定量化する工程;及び
(iv) そのような結合の存在又は程度を該試料中の腫瘍に由来するヌクレオソームの特定のエピトープの存在の尺度として使用する工程、を含む、前記方法が提供される。
本発明のさらなる態様によって、生体試料中の腫瘍に由来する循環ヌクレオソームの後成的エピトープを検出するための免疫検定法であって:
(i) 該試料を該エピトープと結合する第一結合剤と接触させる工程;
(ii) 該ヌクレオソーム又は試料をヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤と接触させる工程;
(iii) 該ヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤の該試料中のヌクレオソームとの結合を検出し、かつ/又は定量化する工程;及び
(iv) そのような結合の存在又は程度を該試料中の腫瘍に由来するヌクレオソームの特定のエピトープの存在の尺度として使用する工程、を含む、前記方法が提供される。
本発明のさらなる態様によって、ヒト又は動物対象から得られる生体試料中の循環無細胞ヌクレオソームと関連するヒストンバリアントH3.1及び/又はH3.2及び/又はH3tを検出する工程を含む、癌の診断方法が提供される。
(図面の簡単な説明)
16日間の毎日の線量の放射線療法で処置した頭頸部癌を有する患者における、無細胞ヌクレオソームそれ自体の循環レベル。コアヌクレオソームエピトープに結合するように方向づけられた固定化抗体を利用する、商業用ヌクレオソームELISAでレベルを測定した(Holdenriederらの文献; 2001から複製)。 第1日に細胞傷害性化学療法で処置した小細胞肺癌を有する患者における無細胞ヌクレオソームそれ自体の循環レベル。コアヌクレオソームエピトープに結合するように方向づけられた固定化抗体を利用する商業用ヌクレオソームELISAで42日超にわたりレベルを測定した(Holdenriederらの文献; 2001から複製)。 手術前及び手術後6、24、48、72、及び96時間のCRCを有する6人の患者における無細胞ヌクレオソームそれ自体の循環レベル及びヒストンバリアントH3.1及び/又はH3.2及び/又はH3tを含む無細胞ヌクレオソームの循環レベル。無細胞ヌクレオソームそれ自体のレベルは、コアヌクレオソームエピトープに結合するように方向づけられた固定化抗体を利用する商業用ヌクレオソームELISAを用いて測定した。ヒストンバリアントを含む循環無細胞ヌクレオソームのレベルは、ヒストンバリアントH3.1、H3.2、又はH3tに結合するように方向づけられた固定化抗体を利用する点を除いて同様の検定により測定した。 手術前、及び手術後6、24、48、72、及び96時間のCRCを有する6人の患者における無細胞ヌクレオソームそれ自体の循環レベル及びヒストンバリアントH3.1、H3.2、又はH3t及び5-メチルシトシン(5mc)を含む無細胞ヌクレオソームの循環レベル。無細胞ヌクレオソームそれ自体のレベルは、コアヌクレオソームエピトープに結合するように方向づけられた固定化抗体を利用する商業用ヌクレオソームELISAにより測定した。ヒストンH3バリアント及び5mcを含む循環無細胞ヌクレオソームのレベルは、ヒストンバリアントH3.1、H3.2、又はH3tに結合するように方向づけられた固定化抗体及び5mcに結合するように方向づけられた標識抗体を利用する検定により測定した。 健康な患者及びCRCを有する患者における(i) ヒストンバリアントH3.1、H3.2、又はH3t及びヒストン修飾H3K27Acの両方、又は(ii) ヒストンバリアントH3.1、H3.2、又はH3t及び5-メチルシトシン(5mc)の両方を含む無細胞ヌクレオソームの循環レベル。ヒストンH3バリアント並びにヒストン修飾H3K27Acを含む循環無細胞ヌクレオソームのレベルを、5mcを含む循環無細胞ヌクレオソームとの比として表現すると、健康な対象及びCRCを有する対象から採取された血液試料の間の識別能が向上する(iii)。 同じくらいの年齢の、新たに前立腺癌を有すると診断された患者及び健康な対照対象における(i) ヒストンバリアントH3.1、H3.2、又はH3t及び5-メチルシトシンの両方を含む無細胞ヌクレオソーム、又は(ii) 5-メチルシトシン(5mc)を含むヌクレオソームそれ自体を含む無細胞ヌクレオソームの循環レベル。また、データは(iii)a、ヒストンバリアントH3.1、H3.2、又はH3t及び5-メチルシトシンの両方、又は(iii)b、5-メチルシトシン(5mc)患者を含むヌクレオソームそれ自体を含む無細胞ヌクレオソームの箱ひげ図として示されている。
(発明の詳細な説明)
後成的シグナル組成の観点のヌクレオソーム構造は、癌細胞において変化し得る。他の細胞におけるよりも癌細胞においてより一般的な後成的シグナルに結合するように方向づけられた抗体又は他の結合子の使用は、細胞起源の混合物を有する無細胞ヌクレオソームを含む対象から採取された生体試料における、腫瘍起源の無細胞ヌクレオソームの結合について選択的となり得る。
本発明の第一の態様によって、生体試料から循環腫瘍DNA(ctDNA)を検出し、単離し、かつ/又は精製するためのヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤の使用が提供される。
一実施態様において、腫瘍を起源とする無細胞ヌクレオソームが単離され、かつ/又は精製される。
患者試料中のctDNAはしばしば非常に低いか、又は検出不能な濃度で存在することがあり、さらに、存在するcfDNAの小さい割合しか含まない。ctDNA分析に基づく癌検査の臨床成績及び有用性は、より高品質の試料が利用可能であれば向上するであろう。同様に、腫瘍を起源とする循環無細胞ヌクレオソームは様々な起源のヌクレオソーム混合物の一部として循環し、存在する無細胞ヌクレオソームのわずか一部分しか含まない。驚くべきことに本発明者らはここで、血液、血清、又は血漿試料からの腫瘍を起源とするヌクレオソームを、cfDNAのヌクレオソーム関連ctDNAフラクションとともに濃縮し、又は単離することを、アフィニティー精製単離法を用いて実施することができることを示す。
Holdenriederは上昇した循環無細胞ヌクレオソームのレベルは悪性及び良性腫瘍疾患に特徴的であることを報告した(Holdenriederらの文献, 2001)。しかしながら、循環ヌクレオソームのレベルは細胞死の非特異的マーカーであり、自己免疫性疾患、卒中、敗血症、外傷後、火傷、心筋梗塞、脳卒中、臓器移植後の移植片拒絶反応中に、及び激しい運動後を含む多岐にわたる状態において上昇するため、これは癌の検出に対して有用ではない(Holdenrider及びStieberの文献, 2009)。HoldenriederはELISA技術を用いて循環ヌクレオソームを測定した。該ELISA技術においては、利用された第一の固定化抗体は、共通のヌクレオソームコアエピトープに結合するように方向づけられ、第二の標識抗体は、二本鎖DNAに結合するように方向づけられていた。このELISA法は、後成的な構造に関係なく、結合dsDNAを備えた全てのヌクレオソーム、又はヌクレオソームそれ自体を検出するように設計されている。
循環ヌクレオソームのレベルは、外傷、卒中、又は細胞傷害性薬物若しくは放射線療法による処置を含む任意の数の本質的に異なる原因による細胞死の突然の増加の後に、2〜5日間著しく急上昇し得る。続いてレベルは図1及び2(Holdenriederらの文献, 2001からの複製)において示されているように、2〜3日の期間にわたって下降する。この効果は、細胞死の誘導に続いて循環から排除されることに起因する(Holdenrider及びStieberの文献, 2009)。
本発明者らはHoldenriederらによって用いられたものと同じ共通ヌクレオソームコアエピトープに結合するように方向づけられた固定化抗体及び同じ二本鎖DNAに結合するように方向づけられた標識抗体を利用して、同じ商業的に利用可能なヌクレオソームELISAを用いて同様の実験を実施し、後成的な状態にかかわらず全てのヌクレオソームを検出した。これらの実験において本発明者らは、手術前及び手術後6、24、48、72、及び96時間のCRCを有する6人の患者における循環無細胞ヌクレオソームのレベルを測定した。Holdenriederの所見と一致して、ヌクレオソームレベルの手術後の上昇は、図3に示される全ての事例で観察された。ヌクレオソームレベルの上昇する詳細な時期、並びに何らかのそれに続く下降の時期は、患者間で異なっていた。
腫瘍疾患を有さない患者の循環中に放出されるヌクレオソーム(例えば手術外傷に起因するものを含む)が腫瘍を起源とし得ないことは明らかである。これらのヌクレオソームはcfDNAに寄与するが、ctDNAを含まないであろう。また、当業者には、本発明者ら自身の実験における手術後に放出されるヌクレオソームが、腫瘍を起源とし得るが、手術外傷に起因する非腫瘍起源も有し得ることが明らかとなろう。腫瘍を起源とするこのようなcfDNAのフラクション(すなわち、ctDNAフラクション)は、腫瘍関連変異を含むcfDNAの対立遺伝子フラクションとして決定できる。本発明者らはctDNAを含む腫瘍起源の循環ヌクレオソームを濃縮し、又は他のヌクレオソーム及びcfDNAから単離することができる方法を開発した。
本発明者らは第二ELISA法を使用し、手術前及び手術後の6人のCRC患者から採取された試料を再度検定した。この第二ELISA法では、Holdenriederにより用いられた商業的に利用可能な方法と同じ二本鎖DNAに結合するように方向づけられた標識抗体を利用したが、ヒストンバリアントH3.1、H3.2、又はH3tに結合するように方向づけられた固定化抗体を利用した。結果から、H3.1、H3.2、又はH3tを含むヌクレオソームのレベルの手術への反応が、共通のヌクレオソームコアエピトープに結合するように方向づけられた抗体を利用するELISAを用いるヌクレオソームそれ自体に対して観察される反応のそれとは異なるものであることが示される。これらのH3バリアントを含む循環ヌクレオソームのレベルは、(全体の)循環ヌクレオソームそれ自体のレベルに対し異なる反応特性を有し、手術による影響がより少ない(図3)。
様々な後成的に修飾されるヌクレオチドが文献に記載されており、DNA及び/又はDNAヌクレオチド残基における後成的な修飾パターンが、癌において変化することが知られている。これらのうちで最もよく説明されているものには、シトシン5位のメチル化がある。5-メチルシトシンを含むDNAはしばしばメチル化DNAと称される。本発明者らは第三ELISA法を開発し、同じ6人のCRC患者に対しこれを実施した。このELISAは5-メチルシトシン残基が組み込まれたDNAを含むヌクレオソームの測定法とした。本法はWO 2013/030577に記載されているような、後成的に修飾されたヌクレオチドを含むDNAの検定の例ではあるが、捕捉抗体として固定化された抗H3.1、抗H3.2、又は抗H3t抗体を用いた。この第三のELISA法は従ってヒストンバリアントH3.1、H3.2、又はH3t並びに5-メチルシトシン残基の両方を含む無細胞ヌクレオソームを検出し、そのために先に記載の第二ELISA法と同様であるが、異なる標識抗体を用いるものとした(dsDNAではなく5-メチルシトシンと結合するように方向づけた)。6人のCRC患者についての結果から、H3バリアントヌクレオソームに関連する5-メチルシトシンのレベルは低く、(全体の)循環ヌクレオソームそれ自体のレベルよりも手術による影響がより小さいことが示される(図4)。
さらに、本発明者らは健康な対象及びCRCを有する対象の循環ヌクレオソームにおけるヒストンバリアントH3.1、H3.2、又はH3tと5-メチルシトシンメチル化DNAレベルとの共存を測定するためにこの検定を用いた。癌対象におけるメチル化DNAのレベルは、健康対象におけるよりも低かった。この所見は、癌細胞においてDNAが全体的に低メチル化状態になるという公開文献の所見と一致する。癌細胞におけるDNAのメチル化は、健康な細胞のDNAと比較して、およそ50%減少すると推定される(Guerrero-Prestonらの文献, 2007; Soaresらの文献, 1999)。しかしながら、癌に関連する循環ヌクレオソームのレベルの増加は平均970%であり(Holdenriederらの文献, 2001)、cfDNAの増加は約600%である(Schwarzenbachらの文献, 2011)と報告されている。全体のcfDNAの大きな増加は、メチル化DNAを含む循環無細胞ヌクレオソームの比率を(比較的小さく)下降させるにもかかわらず、循環ヌクレオソームに関連するメチル化DNAの絶対レベルの全般的な上昇をもたらすと予測できる。しかしながら、ヒストンバリアントH3.1、H3.2、又はH3tに対する捕捉抗体を利用する本アッセイの結果から、癌患者におけるメチル化DNA(及びヒストンH3バリアント)を含む循環ヌクレオソームの絶対レベルが低下することが示され、(全体の)循環ヌクレオソームそれ自体の検定において癌と関連して観察される上昇の大部分は、腫瘍細胞を起源とはしないことが示唆される。さらに、本発明者らはこのH3バリアントヌクレオソーム関連5-メチルシトシン検定が血液検査において癌の検出に有効であることを示し、このことは、該検定により確認された全ての又は大部分の無細胞ヌクレオソームが腫瘍を起源とすることを示唆している。癌患者及び健康な患者に対する本検定の結果を示す箱ひげ図が、図5に示されている。
また、本発明者らはヒストンバリアントH3.1、H3.2、又はH3t及びヒストン修飾H3K27Ac(ヒストンH3のアセチル化リシン27)を含む循環無細胞ヌクレオソームの測定についての第四ELISA法を開発し、実施した。これは文献(WO 2005/019826)に記載の後成的に修飾されたヒストンを含むヌクレオソームの検定と同様であるが、固定化した抗H3.1、抗H3.2、又は抗H3t抗体を捕捉抗体として利用する。この第四ELISAは(5-メチルシトシンではなく)H3K27Acに結合するように方向づけられた異なる標識抗体を利用する以外は先に記載の第三ELISA法と同じとした。本発明者らは同様に、健康な対象及びCRCを有する対象における同じ無細胞循環ヌクレオソーム中のH3.1、H3.2、又はH3t及びH3K27Acの共存レベルを測定するためにこの第四の検定を使用した。癌対象におけるH3K27Acのレベルは、健康な対象におけるよりも高かった。この所見はH3K27のアセチル化が癌細胞のクロマチンで上昇するという公開文献の所見と一致する(Karczarskiらの文献, 2014)。さらに、本発明者らはこの検定が血液検査における癌の検出に有効であることを示し、このことは、該検定により確認される全て又は大部分の無細胞ヌクレオソームが腫瘍を起源とすることを示唆している。癌患者及び健康な患者に対するこの検定の結果を示す箱ひげ図が、図5に示されている。この検定結果は健康な対象及び癌を有する対象から採取される血液試料を区別する。ヒストンH3バリアント並びにそれぞれ5-メチルシトシン(5mc)又はH3K27Acを含む後成的に修飾された循環無細胞ヌクレオソームに対する本明細書に記載の第三及び第四ELISA検定の結果の場合、癌を有する対象及び健康な対象の間の識別能はさらに高められる。これらの結果は、ヒストン修飾H3K27Ac並びにヒストンバリアントH3.1、H3.2、又はH3tの両方を含む循環無細胞ヌクレオソームの検定が、限定することなく、癌の検出、並びに予後予測、治療法選択、患者のモニタリング、及び再発のモニタリング/検出を含む、臨床腫瘍学において有用であることを示している。ヌクレオソームに関連するH3K27Acの検定を、単独で、又は後成学的検査及び/若しくは他の検査を含む検定パネルの一部として実施することができる。
ヒストンバリアントH3.1、H3.2、又はH3tを含む循環ヌクレオソームフラクションが腫瘍を起源とするヌクレオソームに対し濃縮されており、腫瘍学血液検査について有用であることをさらに確認するために、本発明者らは固定化された抗H3.1、抗H3.2、又は抗H3t抗体を捕捉抗体として、及び標識された抗5-メチルシトシン抗体を用いるELISA法(すなわち;先に記載の第三ELISA法)を、新規に前立腺癌を有すると診断された9人の男性及び同じくらいの年齢の10人の健康な男性から採取した試料に対し、ヒストンバリアントH3.1、H3.2、又はH3t、並びに5-メチルシトシン残基を組み込んだDNAの両方を含むヌクレオソームについて実施した。前立腺癌を有する男性は、健康な男性より低い循環ヌクレオソーム関連5-メチルシトシンレベルを有することが見出された。従って、本検定は単独でも、診断パネルの一部としても、前立腺癌の検出方法として使用することができる。続いてこのELISAを繰り返したが、使用したのは共通のヌクレオソームコアエピトープに結合するように方向づけられた固定化抗体である(第五ELISA設計)。この第五検定は前立腺癌についてより低い識別能を示した。結果を図6に示す。
ヒストンバリアントH3.1、H3.2、又はH3tを含む循環無細胞ヌクレオソームは、他の後成的シグナルを含む場合もあると結論付けられる。ヒストンH3バリアント及び別の特定の後成的シグナルの両方を含む循環無細胞ヌクレオソームのレベルは、癌及び健康な対象において異なり得ること、並びにこのことは癌細胞において観察されるレベルと一致して起こり得ることもまた、結論付けられる。たとえ特定の後成的シグナルのレベルが癌細胞のクロマチンにおいて上昇しても、減少しても、このことは依然として該当することが、さらに結論付けられる。正確に同じ循環ヌクレオソームフラクションを捕捉し、かつ標識抗体によって標的化される後成的シグナル伝達構造においてのみ異なる、そうでなければ同じELISA法が、癌細胞のクロマチンにおいて見出される同じ後成的シグナルの発現と一致して上昇し、又は下降する(ヒストンH3バリアントを含む同じ循環ヌクレオソームフラクションについて)結果を生むことができるという事実は、このヌクレオソームフラクションが腫瘍起源であることを示す。
また、ヒストンH3バリアントを含む循環ヌクレオソームが他の循環ヌクレオソームに特徴的な異なる細胞放出を有するということも、さらに結論付けられる。そのようなヌクレオソームは異なる起源を有し、外傷誘導性細胞死の結果である可能性が低い。H3.1、H3.2、又はH3tを含むヌクレオソームは外傷誘導性細胞死によっては多くは産生されず、かつ癌のバイオマーカーとして使用できることから、該ヌクレオソームが癌に特徴的であり、顕著に腫瘍を起源とすることは明らかである。ヒストンH3.1、H3.2、又はH3tを含むヌクレオソームの分離又は単離により、血液、血清、又は血漿のような体液試料からのctDNAを含む腫瘍起源の循環ヌクレオソームの単離又は濃縮がもたらされる。
当業者には、存在するヌクレオソームの比率としてのヒストンH3バリアントを含むヌクレオソームのレベルを、試料中のctDNAを含むcfDNAの比率の尺度として使用することができることは明らかであろう。そのような尺度はctDNAにおける癌関連変異の対立遺伝子頻度尺度に類似しており、腫瘍負荷及び治療への反応性の尺度として使用することができる。
癌に特徴的な他の後成的な印は、それらが他の循環ヌクレオソーム、すなわちcfDNAよりも頻繁に、腫瘍を起源とする循環ヌクレオソーム、すなわちctDNAにおいて発生するならば、本発明の方法において同様に有用となり得る。後成的シグナルは腫瘍を起源とするヌクレオソーム又はDNAに特有である必要はないが、増加した頻度が腫瘍を起源とするヌクレオソーム及びDNAを濃縮するのに十分であるべきである。そのような後成的な印はヒストンバリアント(又はアイソフォーム)、ヒストン修飾、DNA修飾、及びヌクレオソーム付加物を含み得る。
本発明の第一の実施態様において、完全に、又は部分的に精製された腫瘍ヌクレオソーム調製物を、体液試料から単離する。精製方法には、癌に特徴的なヒストン又はDNAの後成的シグナルエピトープに結合する結合子を利用する、前記後成的エピトープを含む無細胞ヌクレオソームのアフィニティー単離が関与する。腫瘍ヌクレオソーム調製物及び/又はその関連ctDNAを、続いて分析することができる。好ましい実施態様において、腫瘍ヌクレオソーム及びctDNAの単離は、ヒストンH3.1又はH3.2又はH3tへの結合子を利用する免疫学的アフィニティー精製法によって実施される。当業者には、ヒストンH3バリアント(又は癌に特徴的な他の適当なヌクレオソームエピトープ)に特異的に結合することができる任意の結合剤を、本発明のアフィニティー精製法に使用することができることが明らかであろう。そのような結合剤には、限定することなく、抗体、アプタマー、又は結合タンパク質(例えば、ヌクレオソーム結合タンパク質)があり得る。
抗体を、免疫化及びファージディスプレイのようなライブラリ法を含む当技術分野で公知の様々な方法により産生させることができる。対象の部分又は抗原に対して免疫反応を誘導し、又は該部分又は抗原への結合に関してライブラリを選択することができる。ヒストンH3バリアントに結合するように方向づけられた抗体は、全ヒストンH3アイソフォームタンパク質アミノ酸配列を含むような種々の部分に対して産生させ、任意に翻訳後ヒストン修飾を含むことができる。タンパク質は、生細胞から精製するか、又は合成的に生産することができる。あるいは、H3アイソフォームのアミノ酸配列の一部を表すペプチド配列を使用することができ、これは任意に翻訳後ヒストン修飾を含むこともできる。また、ヒストンH3アイソフォームを含むヌクレオソーム又は他のクロマチンフラクションを使用することができる。
本調査では、ペプチド配列
Figure 0006721599
に結合する抗体を利用した。このアミノ酸配列はヒストンバリアントH3.1、H3.2、及びH3tの配列中に存在するが、他のヒストンH3バリアント中には存在しない。当業者には、ヒストンバリアントH3.1及び/又はH3.2及び/又はH3t及び/又はH3.2及び/又はH3tのいずれか又は全てに結合するように方向づけられた結合剤を、本発明の方法において利用できることは、明らかであろう。本明細書では主にヒストンH3.1に言及したが、この注記はヒストンH3.1及び/又はH3.2及び/又はH3tの全てを含むことを意図している。
本発明のさらなる態様によって、アフィニティー精製によって腫瘍を起源とする循環無細胞ヌクレオソームを生体試料から単離する方法であって:
(i) 該試料をヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤と接触させる工程;
(ii) 該試料から結合したヌクレオソームを単離する工程;及び
(iii) 該単離したヌクレオソーム及び/又は結合したDNAを分析する工程、を含む前記方法が提供される。
腫瘍を起源とする単離ヌクレオソームの分析は、その多くが当該技術分野で公知の任意の適当な分析法と関連し得る。これらの方法には、限定することなく、二次抗体、或いはdsDNAのような共通ヌクレオソームエピトープ又はヒストン修飾、ヒストンバリアント、DNA修飾、若しくはヌクレオソームに付加する別の分子を含む、対象の後成的構造に対する、他の結合子を使用するELISAによる分析がある。これらの方法は、本明細書において参照により、WO 2005/019826、WO 2013/030577、WO 2013/030579、及びWO 2013/084002に記載されるすべての方法を含む。ここでは、ヒストンH3バリアントの結合子が一般の抗ヌクレオソームエピトープ結合子の代わりに利用され、その結果(ヌクレオソームそれ自体ではなく)腫瘍を起源とする循環ヌクレオソームが後成的組成について分析されている。また、これらの方法は腫瘍を起源とする循環ヌクレオソーム中に存在する複数のエピトープを分析するための複合的な方法を含む。
本態様の一実施態様によって、任意の特定のヌクレオソームに関連する修飾ヒストン、ヒストンバリアント、修飾ヌクレオチドの観点での、又はヌクレオソームに付加する任意の別の分子の存在の観点での、腫瘍由来循環ヌクレオソームの特定の後成的エピトープの分析のための免疫検定法であって:
(i) 試料をヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤と接触させる工程;
(ii) 該ヌクレオソーム又は試料を該エピトープと結合する第二結合剤と接触させる工程;
(iii) 該第二結合剤の該エピトープへの結合を検出し、かつ/又は定量化する工程;及び
(iv) そのような結合の存在又は程度を該試料中の腫瘍に由来するヌクレオソームの特定のエピトープの存在の尺度として使用する工程、を含む、前記免疫検定法が提供される。
別の実施態様によって、任意の特定のヌクレオソームに関連する修飾ヒストン、ヒストンバリアント、修飾ヌクレオチドの観点での、又はヌクレオソームに付加する別の分子の存在の観点での、特定の後成的エピトープを含む無細胞ヌクレオソーム、又は腫瘍由来循環ヌクレオソームの混合物を検出し、測定するための方法であって:
(i) 試料を該エピトープと結合する第一結合剤と接触させる工程;
(ii) 該ヌクレオソーム又は試料をヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤と接触させる工程;
(iii) 該ヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤の該試料中のヌクレオソームとの結合を検出し、かつ/又は定量化する工程;及び
(iv) そのような結合の存在又は程度を該試料中の腫瘍に由来するヌクレオソームの特定のエピトープの存在の尺度として使用する工程、を含む、前記方法が提供される。
また、本発明の方法によって単離される腫瘍を起源とするヌクレオソームの分析は、限定することなく、電気泳動法、クロマトグラフィー法、並びに質量分析を伴う任意の方法、例えばクロマトグラフィー及び質量分析を伴う方法、及び/又は安定同位体標識質量分析、及び/又は質量分析による同定及び/又は定量化のためのペプチドを産生するタンパク質消化を伴う方法、又は任意の他の方法を伴う任意のコンビナトリアル質量分析法を含む、当技術分野で公知の任意のプロテオミクス法に関連し得る。本発明の好ましい実施態様において、腫瘍を起源とするヌクレオソームについて濃縮された循環ヌクレオソーム調製物は、癌患者から採取された血液、血清、又は血漿試料における循環ヌクレオソームのアフィニティー精製によって調製され、該ヌクレオソーム調製物の後成的組成は、質量分析を伴う方法により調査される。一実施態様において、該方法は
(i) 該試料をヒストンバリアントH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤と接触させる工程;
(ii) 該試料から結合したヌクレオソームを単離する工程;及び
(iii) 質量分析を含む方法を使用して工程(ii)で単離されたヌクレオソームを分析する工程、を含む。
一実施態様において、ctDNAを含むヌクレオソームの単離は、免疫学的アフィニティー精製法であって:
(i) 試料を非腫瘍由来ヌクレオソームと比較して腫瘍由来ヌクレオソームにおいてより一般的に存在する後成的エピトープに結合するよう方向づけられた結合剤と接触させる工程;
(ii) 該試料から結合したヌクレオソームを単離する工程;及び
(iii) 任意に工程(ii)において単離されたヌクレオソームからDNAを抽出する工程、を含む、前記方法により実施される。
さらなる実施態様において、腫瘍由来ヌクレオソームに特徴的な後成的エピトープに結合するよう方向づけられた結合剤は、免疫学的アフィニティー精製法であって:
(i) 試料をヒストンバリアントH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤と接触させる工程;
(ii) 該試料から結合したヌクレオソームを単離する工程;及び
(iii) 任意に工程(ii)において単離されたヌクレオソームからDNAを抽出する工程、を含む、前記方法において、ヒストンバリアントH3.1及び/又はH3.2及び/又はH3tに結合するように方向づけられる。
精製された、又は単離されたctDNAの調査は、限定することなく、DNA配列のメチル化、点変異、転座、遺伝子コピー数、マイクロサテライト異常、及びDNA鎖の完全性を含む後成的分析を含む任意の又は全ての型の癌関連DNA異常の分析と関連し得る。さらに、限定することなく、DNA配列決定法、メチル化DNA配列決定分析、PCR、BEAMing、NGS(標的型又は全ゲノム型)、デジタルPCR、低温PCR(低変性温度のPCRによる共増幅)、MAP(MIDI活性化ピロリン酸分解)、PARE(個人化された再配列末端の分析)、及び質量分析を含む任意のDNA分析法を利用することができる。
一実施態様において、生体試料は血液、血清、又は血漿試料を含む。
本発明のさらなる態様によって、癌の診断方法であって、ヒト又は動物対象から取得された生体試料中の循環無細胞ヌクレオソームに関連したヒストンバリアントH3.1及び/又はH3.2及び/又はH3tを検出する工程を含む、前記方法が提供される。
一実施態様において、診断方法はさらに1以上のヒストン修飾、修飾ヌクレオチド、ヒストンのバリアント若しくはアイソフォーム、又はヌクレオソーム付加物を検出することを含む。
さらなる実施態様において、ヒストン修飾はH3K27Ac及び/又は5-メチルシトシンを含む。
本発明のさらなる態様によって、本明細書に記載の任意の方法におけるヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤を含むキットの使用が提供される。
ここで、以下の非限定的な実施例を参照して本発明を説明することとする。
(実施例1)
ヒストンアイソフォームH3.1、H3.2、又はH3tに特異的に結合するように方向づけられた抗体を、製造業者の推奨する方法でビオチン化し、ストレプトアビジンコート磁気ビーズ(Dynal)上に固定化する。磁気分離システムを使用し、ローディング緩衝液により数回ビーズを洗浄する。癌患者から採取した血清又は血漿をローディング緩衝液中で希釈し、ビーズに加える。ヒストンH3バリアントを含むヌクレオソームはビーズへと吸着される。他の血清/血漿成分は溶液中に留まり、磁気分離によって除去される。ビーズを緩衝液で洗浄する。ヒストンH3バリアントを含むヌクレオソームは、ここでビーズ上に単離される。単離されたヌクレオソームに結合したctDNAを、フェノール/クロロホルム法又は他の標準の抽出法により抽出する。抽出されたDNAは、癌の遺伝的又は後成的特徴について分析することができる。
(実施例2)
ヒストンアイソフォームH3.1、H3.2、又はH3tに特異的に結合するように方向づけられた抗体を、製造業者の推奨する方法でビオチン化し、ストレプトアビジンコート磁気ビーズ(Dynal)上に固定化する。磁気分離システムを使用し、ローディング緩衝液により数回ビーズを洗浄する。癌患者から採取した血清又は血漿をローディング緩衝液中で希釈し、ビーズに加える。ヒストンH3バリアントを含むヌクレオソームはビーズへと吸着される。他の血清/血漿成分は溶液中に留まり、磁気分離によって除去される。ビーズを緩衝液で洗浄する。ヒストンH3バリアントを含むヌクレオソームは、ここでビーズ上に単離される。単離されたヌクレオソームを溶出緩衝液を使用して磁気ビーズから取り外し、該ヌクレオソームを質量分析を含むプロテオミクス法によって分析する。
(実施例3)
CRCを有する6人の患者から手術前及び手術後6、24、48、72、及び96時間に採取した血清試料を、共通の抗ヌクレオソームコアエピトープ及び標識抗dsDNA抗体を利用するRoche社製の市販(全)ヌクレオソームELISAを使用して、循環無細胞ヌクレオソームレベルについて検定した。該試料を続けて再び検定したが、今度は抗ヒストンバリアントH3.1、H3.2、又はH3t捕捉抗体を使用した。測定された(全)ヌクレオソームレベルは市販のELISAを使用した場合、手術による外傷に引き続いて増加したが、抗ヒストンH3.1、H3.2、又はH3t抗体を利用した検定を使用して測定されたヒストンH3バリアントを含むヌクレオソームについては、手術への反応が変化し、和らげられた。結果を図3に示す。
(実施例4)
CRCを有する患者及び健康な対照対象から採取された血清試料を、抗ヒストンバリアントH3.1、H3.2、又はH3t捕捉抗体と、標識抗ヒストン修飾H3K27Ac抗体又は標識抗5-メチルシトシン抗体のいずれかとを利用するELISAを使用して検定した。標識抗ヒストン修飾H3K27Ac抗体を使用した場合、結果から、癌患者の循環中には健康な対照におけるものと比較して、より高レベルのヌクレオソーム関連H3K27Acが存在することが示された。反対に、標識抗5-メチルシトシン抗体を使用した場合、結果から癌患者の循環中では、健康な対照におけるよりも低レベルのヌクレオソーム関連5-メチルシトシンが存在することが示された(図5)。これら両方の所見は、癌細胞及び癌組織のクロマチンについて報告された後成的変化(全体のDNAメチル化が低下し、全体のH3K27のアセチル化が増加する)と一致する。さらに、結果が2つの後成的に修飾されたヌクレオソームに関する場合、図5に示すように、結果を高い精度でCRC対象と健康な対象を区別する組合わせデータの比として表す。これらの結果は、これらのELISA法が癌を検出するために使用できること、及び固相の抗ヒストンH3バリアント抗体に結合するヌクレオソームが主に腫瘍を起源とすることを示唆している。
(実施例5)
新たに前立腺癌であると診断された9人の男性及び同じくらいの年齢の10人の健康な男性から採取した血清試料を、捕捉抗体としての固定化抗H3.1、H3.2、又はH3t抗体及び5-メチルシトシン残基を取り込んだDNAを含むヌクレオソームに対する標識抗5-メチルシトシン抗体を使用するELISA法で検定した。前立腺癌を有する男性は、健康な男性よりも低い循環ヌクレオソーム関連5-メチルシトシンレベルを有することが見出された。従って本検定は前立腺癌を検出する方法として、単独で、又は診断パネルの一部として使用することができる。このELISAを続いて繰り返したが、今度は共通のヌクレオソームコアエピトープに結合するように方向づけられた固定化抗体を使用した。この検定は、前立腺癌についてより低い識別能を示した。結果を図6に示す。
(参考文献)
Figure 0006721599
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
生体試料由来の、腫瘍を起源とする無細胞ヌクレオソーム又は循環腫瘍DNA(ctDNA)を検出し、単離し、かつ/又は精製するためのヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤の使用。
(構成2)
生体試料から、腫瘍を起源とする循環無細胞ヌクレオソームをアフィニティー精製により単離するための方法であって、
(i) 該試料をヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤と接触させる工程;
(ii) 該試料から結合したヌクレオソームを単離する工程;及び
(iii) 該単離したヌクレオソーム及び/又は結合したDNAを分析する工程、を含む、前記方法。
(構成3)
前記単離したヌクレオソーム及び/又は結合したDNAを分析する工程が免疫検定法を含む、構成2記載の方法。
(構成4)
前記単離したヌクレオソーム及び/又は結合したDNAを分析する工程がプロテオミクス法を含む、構成2記載の方法。
(構成5)
前記単離したヌクレオソーム及び/又は結合したDNAを分析する工程が質量分析を含む、構成2記載の方法。
(構成6)
生体試料から精製循環腫瘍DNA(ctDNA)を単離するための方法であって:
(i) ヒストンH3.1及び/又はH3.2及び/又はH3tを含む循環無細胞ヌクレオソームを単離する工程;
(ii) 工程(i)で生じたヌクレオソーム試料からDNAを抽出する工程;及び
(iii) 該抽出されたDNAを分析する工程、を含む、前記方法。
(構成7)
前記抽出されたDNAを分析する工程が:DNA配列決定法、メチル化DNA配列決定分析、PCR、BEAMing、NGS(標的型又は全ゲノム型)、デジタルPCR、低温PCR(低変性温度のPCRによる共増幅)、MAP(MIDI活性化ピロリン酸分解)、PARE(個人化された再配列末端の分析)、又は質量分析を含む、構成6記載の方法。
(構成8)
生体試料中の、腫瘍に由来する循環ヌクレオソームの後成的エピトープを検出するための免疫検定法であって:
(i) 該試料をヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤と接触させる工程;
(ii) 該ヌクレオソーム又は試料を該エピトープに結合する第二結合剤と接触させる工程;
(iii) 該第二結合剤の該エピトープへの結合を検出し、かつ/又は定量化する工程;及び
(iv) そのような結合の存在又は程度を該試料中の腫瘍に由来するヌクレオソームの特定のエピトープの存在の尺度として使用する工程、を含む、前記方法。
(構成9)
生体試料中の、腫瘍に由来する循環ヌクレオソームの後成的エピトープを検出するための免疫検定法であって:
(i) 該試料を該エピトープに結合する第一結合剤と接触させる工程;
(ii) 該ヌクレオソーム又は試料をヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤と接触させる工程;
(iii) 該ヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤の該試料中のヌクレオソームとの結合を検出し、かつ/又は定量化する工程;及び
(iv) そのような結合の存在又は程度を該試料中の腫瘍に由来するヌクレオソームの特定のエピトープの存在の尺度として使用する工程、を含む、前記方法。
(構成10)
前記エピトープがヒストン修飾を含む、構成8又は9記載の方法。
(構成11)
前記エピトープが修飾ヌクレオチドを含む、構成8又は9記載の方法。
(構成12)
前記エピトープがヒストンのバリアント又はアイソフォームを含む、構成8又は9記載の方法。
(構成13)
前記エピトープがヌクレオソーム付加物を含む、構成8又は9記載の方法。
(構成14)
前記生体試料が血液、血清、又は血漿試料を含む、構成1〜13のいずれか1記載の使用又は方法。
(構成15)
ヒト又は動物対象から得られる生体試料中の循環無細胞ヌクレオソームと関連するヒストンバリアントH3.1及び/又はH3.2及び/又はH3tを検出する工程を含む、癌の診断方法。
(構成16)
1以上のヒストン修飾、修飾ヌクレオチド、ヒストンのバリアント若しくはアイソフォーム、又はヌクレオソーム付加物を検出することをさらに含む、構成15記載の方法。
(構成17)
前記ヒストン修飾がH3K27Ac及び/又は5-メチルシトシンを含む、構成16記載の方法。
(構成18)
構成2〜17のいずれか1記載の方法における、ヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤を含むキットの使用。
(構成19)
前記ヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤が、H3.1結合剤を含む、構成1〜18のいずれか1記載の使用又は方法。

Claims (19)

  1. 生体試料由来の、腫瘍を起源とする無細胞ヌクレオソーム又は循環腫瘍DNA(ctDNA)を検出しかつ/又は濃縮するためのヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤の使用。
  2. 生体試料から、腫瘍を起源とする循環無細胞ヌクレオソームをアフィニティー精製により濃縮するための方法であって、
    (i) 該試料をヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤と接触させる工程;
    (ii) 該試料から結合したヌクレオソームを単離する工程;及び
    (iii) 該単離したヌクレオソーム及び/又は結合したDNAを分析する工程、を含む、前記方法。
  3. 前記単離したヌクレオソーム及び/又は結合したDNAを分析する工程が免疫検定法を含む、請求項2記載の方法。
  4. 前記単離したヌクレオソーム及び/又は結合したDNAを分析する工程がプロテオミクス法を含む、請求項2記載の方法。
  5. 前記単離したヌクレオソーム及び/又は結合したDNAを分析する工程が質量分析を含む、請求項2記載の方法。
  6. 生体試料から精製循環腫瘍DNA(ctDNA)を濃縮するための方法であって:
    (i) ヒストンH3.1及び/又はH3.2及び/又はH3tを含む循環無細胞ヌクレオソームを単離する工程;
    (ii) 工程(i)で生じたヌクレオソーム試料からDNAを抽出する工程;及び
    (iii) 該抽出されたDNAを分析する工程、を含む、前記方法。
  7. 前記抽出されたDNAを分析する工程が:DNA配列決定法、メチル化DNA配列決定分析、PCR、BEAMing、NGS(標的型又は全ゲノム型)、デジタルPCR、低温PCR(低変性温度のPCRによる共増幅)、MAP(MIDI活性化ピロリン酸分解)、PARE(個人化された再配列末端の分析)、又は質量分析を含む、請求項6記載の方法。
  8. 生体試料中の、腫瘍に由来する循環ヌクレオソームの後成的エピトープを検出するための免疫検定法であって:
    (i) 該試料をヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤と接触させる工程;
    (ii) 工程(i)において結合された該試料を該エピトープに結合する第二結合剤と接触させる工程;
    (iii) 該第二結合剤の該エピトープへの結合を検出し、かつ/又は定量化する工程;及び
    (iv) そのような結合の存在又は程度を該試料中の腫瘍に由来するヌクレオソームの特定のエピトープの存在の尺度として使用する工程、を含む、前記方法。
  9. 生体試料中の、腫瘍に由来する循環ヌクレオソームの後成的エピトープを検出するための免疫検定法であって:
    (i) 該試料を該エピトープに結合する第一結合剤と接触させる工程;
    (ii) 工程(i)において結合された該試料をヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤と接触させる工程;
    (iii) 該ヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤の該試料中のヌクレオソームとの結合を検出し、かつ/又は定量化する工程;及び
    (iv) そのような結合の存在又は程度を該試料中の腫瘍に由来するヌクレオソームの特定のエピトープの存在の尺度として使用する工程、を含む、前記方法。
  10. 前記エピトープがヒストン修飾を含む、請求項8又は9記載の方法。
  11. 前記エピトープが修飾ヌクレオチドを含む、請求項8又は9記載の方法。
  12. 前記エピトープがヒストンのバリアント又はアイソフォームを含む、請求項8又は9記載の方法。
  13. 前記エピトープがヌクレオソーム付加物を含む、請求項8又は9記載の方法。
  14. 前記生体試料が血液、血清、又は血漿試料を含む、請求項1〜13のいずれか1項記載の使用又は方法。
  15. ヒト又は動物対象から得られる生体試料中の循環無細胞ヌクレオソームと関連するヒストンバリアントH3.1及び/又はH3.2及び/又はH3tを検出する工程を含む、癌診断するためのデータを取得する方法。
  16. 1以上のヒストン修飾、修飾ヌクレオチド、ヒストンのバリアント若しくはアイソフォーム、又はヌクレオソーム付加物を検出することをさらに含む、請求項15記載の方法。
  17. 前記ヒストン修飾がH3K27Acを含む、及び/又は、前記修飾ヌクレオチドが5-メチルシトシンを含む、請求項16記載の方法。
  18. 請求項2〜17のいずれか1項記載の方法における、ヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤を含むキットの使用。
  19. 前記ヒストンH3.1結合剤及び/又はH3.2結合剤及び/又はH3t結合剤が、H3.1結合剤を含む、請求項1〜18のいずれか1項記載の使用又は方法。
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