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JP6646028B2 - 電流検出器を有するモータ駆動装置 - Google Patents

電流検出器を有するモータ駆動装置 Download PDF

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JP6646028B2 JP2017222835A JP2017222835A JP6646028B2 JP 6646028 B2 JP6646028 B2 JP 6646028B2 JP 2017222835 A JP2017222835 A JP 2017222835A JP 2017222835 A JP2017222835 A JP 2017222835A JP 6646028 B2 JP6646028 B2 JP 6646028B2
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Description

本発明は、電流検出器を有するモータ駆動装置に関する。
工作機械、鍛圧機械、射出成形機、産業機械、あるいは産業用ロボット内のモータを駆動するモータ駆動装置においては、駆動軸ごとに設けられたモータに対し、モータの速度、トルク、もしくは回転子の位置を指令し制御する。このようなモータ駆動装置では、電流検出器及びAD(アナログディジタル)コンバータを有する電流検出回路により、モータの巻線に流れる電流を精度よく検出することが重要である。電流検出器により検出されたモータの巻線の電流は、ADコンバータによってディジタルデータに変換され、モータ駆動制御に用いられる。このような電流検出器の電流検出方式としては、シャント抵抗を用いたものやホール素子を用いたものなどがある。また、電流検出器で検出された電流をディジタルデータに変換するADコンバータの変換方式としては、逐次比較型やΔΣ変調型などがある。
例えば、所定のサンプリングタイミングで検出して得た最新の測定値からN(≧1)回前の測定値までの平均値を取得することにより検出時に混入するノイズの影響を抑制するノイズ抑制方法において、現在の平均値を基にして下限値および上限値を設定し、最新の検出値が前記下限値と上限値の範囲内にあるか否かを判定し、範囲内であれば当該最新の検出値を最新の測定値として採用し、否ならば当該最新の検出値を破棄して検出をやり直すことを特徴とするノイズ抑制方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
例えば、多相交流モータの各相に対応する1対のスイッチング素子の直列体が並列に設けられ、各直列体におけるスイッチング素子同士の接続点から前記モータを駆動するための各相電圧がそれぞれ取り出されるインバータ回路と、前記直列体のそれぞれに対して直列に接続される電流検出抵抗と、前記モータに流れる電流を各相毎に検出する電流検出手段と、前記電流検出手段に具備され、電流検出手段で検出された電流検出信号をディジタル信号に変換して電流値検出処理を行うA/D変換手段と 前記モータの各相に印加すべき電圧の電圧指令値、またはデューティ比設定値に基づいて前記インバータ回路の各スイッチング素子をPWM制御するための駆動信号を出力する制御部と、前記電流検出手段のそれぞれが検出した電流検出信号を選択し、前記A/D変換手段による電流値検出処理のタイミングを制御する電流検出相選択手段を備え、前記電流検出相選択手段は、前記PWM制御の搬送波であるPWMパルスの一周期内における前記A/D変換手段による電流値検出処理のタイミングを、前記電圧指令値またはデューティ比設定値に基づいて決定することを特徴とする電力変換装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
例えば、3相ブリッジ接続された複数のスイッチング素子を所定のPWM信号パターンに従いオンオフ制御することで、直流を3相交流に変換するインバータ回路を介してモータを駆動するモータ制御装置において、前記インバータ回路の直流側に接続され、電流値に対応する信号を発生する電流検出素子と、前記モータの相電流に基づいてロータ位置を決定するロータ位置決定手段と、前記ロータ位置に追従するように3相のPWM信号パターンを生成するPWM信号生成手段と、前記電流検出素子に発生した信号と前記PWM信号パターンとに基づいて、前記モータの相電流を検出する電流検出手段とを備え、前記PWM信号生成手段は、前記3相のPWM信号パターンのうち第1相については、前記搬送波周期の任意の位相を基準として遅れ側,進み側の双方向にデューティを増減させ、第2相については、前記搬送波周期の任意の位相を基準として遅れ側,進み側の一方向にデューティを増減させ、第3相については、前記搬送波周期の任意の位相を基準として前記方向とは逆方向にデューティを増減させ、前記電流検出手段が、前記PWM信号の搬送波周期内において固定されたタイミングで2相の電流を検出し、前記固定されたタイミングでは2相の電流を検出できなくなると、少なくとも1相については、前記インバータ回路に対する出力電圧の大きさに応じた可変のタイミングで電流を検出可能となるように検出タイミングを調整するタイミング調整手段を有することを特徴とするモータ制御装置が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
例えば、回転電機に流れる実電流を検出し、前記回転電機の目標電流に前記実電流が近づくように電流フィードバック制御を行って前記回転電機を制御する回転電機制御装置であって、交流周波数成分を含む前記実電流をサンプリングして検出電流を取得するサンプリング周期を設定するサンプリング周期設定部と、前記サンプリング周期に応じて前記実電流をサンプリングして検出電流を取得する電流サンプリング部と、所定の周波数領域の周波数成分の入力に応答するように応答領域が設定され、前記検出電流と前記目標電流とに基づいて前記電流フィードバック制御を行う電流制御部と、を備え、前記サンプリング周期設定部は、エイリアシングに起因して検出される前記検出電流の複数のエイリアシング周波数の少なくとも1つが、前記電流制御部の前記応答領域外となるように、前記回転電機の回転速度に応じて前記サンプリング周期を設定する回転電機制御装置が知られている(例えば、特許文献4参照。)。
例えば、三角波パルス幅変調を用いた多相インバータの出力電流を検出する電流検出装置であって、あらかじめ設定した一定期間中の複数の特定のタイミング毎に電流を検出する電流検出手段と、前記一定期間中の複数の特定のタイミング毎の電流検出値を加算する加算手段とを備え、前記電流検出手段は、前記一定期間中の複数の特定のタイミングとして、前記三角波PWMの搬送波の上り側と下り側との両方でそれぞれ少なくとも1回ずつ電流検出を行うことを特徴とする電流検出装置が知られている(例えば、特許文献5参照。)。
例えば、モータ電流を検出する電流検出器を用い、PWM制御による電流フィードバック制御を有するモータ駆動装置において、三角波のキャリア信号を出力するキャリア信号発生器と、一定区間の平均電流値を検出するモータ電流検出器と、前記キャリア信号を基準にして電流検出トリガを出力する電流検出タイミング発生器と、前記モータ電流検出器で検出した平均電流値を電流指令値に追随させるように電流制御を行い、前記キャリア信号の山谷で電圧指令値を更新する電流制御器と、前記キャリア信号と前記電圧指令値を入力し、PWM信号をインバータ部に出力するPWM制御器を備え、前記キャリア信号の山谷の周期と前記平均電流値を検出する一定区間の時間を一致させることを特徴としたモータ駆動装置が知られている(例えば、特許文献6参照。)。
特開平07−298674号公報 国際公開第13/084289号 特開2015−171215号公報 特開2013−062985号公報 特開2012−110074号公報 特開2010−252595号公報
モータ駆動装置に設置される電流検出回路を構成する部品の技術の進歩により、電流検出器により電流を検出しADコンバータによりディジタルデータを出力する電流検出回路の応答性(応答速度)は向上しており、電流検出からディジタルデータ出力までに要する応答時間はますます短くなってきている。モータ駆動装置の新規の設計、保守、あるいはレトロフィットに際しては、モータの加減速時間、送りの滑らかさ、あるいはモータ出力などのようなモータの制御性の向上を図ることを目的として、最新の電流検出回路を用いることで電流検出の応答性を改善することが行われている。
モータ駆動装置に複数設置される電流検出回路間や交換前後の電流検出回路間において、電流検出からディジタルデータ出力までの応答性(応答速度)に差があると、同じ電流の大きさであったとしても電流検出回路から出力されるディジタルデータ化された電流検出値は異なったものとなる。電流検出回路の応答性(応答速度)の差は、電流検出器がシャント抵抗を用いたものであるかホール素子を用いたものであるかといった電流検出方式の相違や、電流検出器が古い機種であるか新しい機種であるかといった性能の相違や、電流検出器を構成する部品の個体差(部品由来のばらつき)などに起因して生じる。例えば、シャント抵抗を用いた電流検出器のほうがホール素子を用いた電流検出器よりも応答時間が短い(応答速度が速い)。また、同一の検出方式の電流検出器間においても、古い機種よりも新しい機種の方が応答時間が短い(応答速度が速い)。このような電流検出回路ごとにばらつきのあるディジタルデータ化された電流検出値を、モータ駆動装置における電流制御に用いると、モータの制御性に悪影響を与える問題がある。
また、モータ駆動装置に用いられる電流検出回路の交換にあたっては、交換前後において応答時間(応答速度)の互換性が重視される場合も多い。例えば、モータ駆動装置内の各種回路(例えば電流制御部や電力変換回路など)は従前のままとし電流検出器回路のみを交換する場合においては、応答時間が短い(応答速度が速い)最新の電流検出器を有する電流検出回路よりは、応答時間が長い(応答速度が遅い)従前の電流検出器を有する電流検出回路の方が、モータの制御性維持の観点では好ましい。しかしながら、従前の電流検出器または電流検出回路が製造終了となり、既に入手不可能であることもある。また、最新の電流検出器を有する電流検出回路のほうが従前の電流検出器を有する電流検出回路よりも、コスト、大きさ、耐熱性、あるいは耐湿性などの点で優れていることがあり、このような場合に、モータの制御性の維持を重視して従前の電流検出回路を使用することは総合的にみて効率的とはいえない。
したがって、電流検出器及びADコンバータを有する電流検出回路の応答性の相違に依存せずにモータの制御性を維持することができるモータ駆動装置の実現が望まれている。
本開示の一態様によれば、モータ駆動装置は、モータに駆動電流を供給する電力変換部と、電力変換部から前記モータへ流れる電流を検出する電流検出器と、電流検出器が検出した電流をディジタルデータに変換して出力するADコンバータと、ADコンバータが出力したディジタルデータを用いて、電力変換部からモータへ供給される駆動電流を制御するモータ制御部と、電流検出器が電流を検出してからADコンバータが当該電流のディジタルデータを出力するまでの応答時間に応じて、電流検出器により検出された電流に対して実行されるADコンバータのサンプリング動作を調整するサンプリング調整部と、を備える。
本開示の一態様によれば、電流検出器及びADコンバータを有する電流検出回路の応答性の相違に依存せずにモータの制御性を維持することができるモータ駆動装置を実現することができる。
一実施形態によるモータ駆動装置を示すブロック図である。 ADコンバータが逐次比較型である場合における電力変換部からモータに流れる実電流と電流検出器による検出電流との関係を説明する図であって、(A)は、電流検出器による検出電流の波形を例示する図であり、(B)は(A)に示した検出電流の波形のうち点線で囲まれた部分を拡大した図であり、(C)は(B)に示した検出電流の波形のうち点線で囲まれた部分を拡大して実電流との関係を模式的に示した図である。 応答時間が長い電流検出器を応答時間が短い電流検出器の特性に合わせる場合における第1形態によるサンプリング調整部によるサンプリング動作の調整を説明する図である。 応答時間が短い電流検出器を応答時間が長い電流検出器の特性に合わせる場合における第1形態によるサンプリング調整部によるサンプリング動作の調整を説明する図である。 ADコンバータがΔΣ変調型である場合における電力変換部からモータに流れる実電流と電流検出器による検出電流との関係を模式的に示した図である。 応答時間が長い電流検出器を応答時間が短い電流検出器の特性に合わせる場合における第2形態によるサンプリング調整部によるサンプリング動作の調整を説明する図である。 応答時間が短い電流検出器を応答時間が長い電流検出器の特性に合わせる場合における第2形態によるサンプリング調整部によるサンプリング動作の調整を説明する図である。 モータのインダクタンスと電流検出器により検出された電流のリプルとの関係を例示する図であって、(A)はモータのインダクタンスが小さい場合を例示し、(B)はモータのインダクタンスが大きい場合を例示する。
以下図面を参照して、電流検出器を有するモータ駆動装置について説明する。理解を容易にするために、図面は縮尺を適宜変更している。図面に示される形態は実施するための一つの例であり、図示された実施形態に限定されるものではない。
図1は、本開示の実施形態によるモータ駆動装置を示すブロック図である。ここでは、一例として、モータ駆動装置1によりモータ2を駆動する場合について説明する。ここで、モータ2が設けられる機械には、例えば工作機械、ロボット、鍛圧機械、射出成形機、産業機械、各種電化製品、電車、自動車、航空機などが含まれる。なお、モータ2の種類は本実施形態を特に限定するものではなく、直流モータであっても交流モータであってもよい。また、モータ2の個数についても本実施形態を特に限定するものではない。図1では、説明を簡明にするために、電流検出器12及びADコンバータ13からなる組を1組としたが、モータ2の種類や制御方法などに応じて複数組設けられてもよい。例えば、モータ2が三相交流モータである場合は、三相のうちの二相または三相全てに電流検出器12及びADコンバータ13の組が設けられる。例えば、モータ2が単相交流モータである場合は、各相に電流検出器12及びADコンバータ13が設けられる。例えば、モータ2が直流モータである場合は、例えば正極側の電源線上に電流検出器12及びADコンバータ13が設けられる。
モータ2を駆動する一実施形態によるモータ駆動装置1は、電力変換部11と、電流検出器12と、ADコンバータ13と、モータ制御部14と、サンプリング調整部15とを備える。電流検出器12とADコンバータ13とで電流検出回路20が構成される。
電力変換部11は、モータ制御部14からの指令に基づき制御され、モータ2に駆動電流を供給する。モータ2が交流モータである場合は、電力変換部11は、例えば交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換する整流器とこの直流電力を交流電力に変換して交流の駆動電力をモータ2に供給するインバータとで構成される。あるいは例えば、電力変換部11は、バッテリから供給される直流電力を交流電力に変換して交流の駆動電力をモータ2に供給するインバータとして構成される。また、モータ2が直流モータである場合は、例えば、交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換して直流の駆動電流をモータ2に供給する整流器や、バッテリから印加される直流電圧を適切な直流電圧に変換して直流の駆動電流をモータ2に供給するDCDCコンバータとして構成される。なお、ここで定義した電力変換部11の構成はあくまでも一例であって、例えば、電源やバッテリなどの用語を含めて電力変換部11の構成を定義してもよい。
電流検出器12は、電力変換部11からモータ2へ流れる電流を検出する。電流検出器12の電流検出方式としては、例えばシャント抵抗を用いたものやホール素子を用いたものなどがある。電流検出器12によって検出された電流に関するアナログ信号は、ADコンバータ13に入力される。
ADコンバータ13は、電流検出器12が検出した電流に関するアナログ信号をディジタルデータに変換して出力する。ADコンバータ13では、電流検出器12によって検出された電流に関する連続的なアナログ信号の振幅値を離散的な周期(サンプリング周期)で切り出すサンプリング処理、離散的な周期で切り出された振幅値を離散的な振幅値に近似する量子化処理、及び、離散的な振幅値を「0」と「1」の2値で表す符号に変換する符号化処理が行われる。ADコンバータ13のアナログディジタル変換方式としては、例えば逐次比較型及びΔΣ変調型がある。ADコンバータ13から出力された電流に関するディジタルデータは、モータ制御部14に入力される。
モータ制御部14は、ADコンバータ13が出力したディジタルデータを用いて、電力変換部11からモータ2へ供給される駆動電流を制御する。より詳しくは次の通りである。すなわち、モータ制御部14は、モータ2の動作プログラムに従い、速度検出器(図示せず)によって検出されたモータ2の速度(速度フィードバック)とモータ2に対する所定の速度指令とに基づいて電流指令を作成する。モータ制御部14内の電流制御部21は、ADコンバータ13から入力されたモータ2へ流れる電流に関するディジタルデータ(電流フィードバック)と電流指令とに基づいて、モータ2の速度、トルク、もしくは回転子の位置を制御するための指令を生成する。電力変換部11は、モータ制御部14からの指令に基づき制御され、モータ2に駆動電流を供給する。これにより、モータ2は、電力変換部11から供給される駆動電流に基づいて、速度、トルク、もしくは回転子の位置が制御されることになる。なお、ここで定義したモータ制御部14の構成はあくまでも一例であって、例えば、位置指令作成部、速度指令部、トルク指令作成部、及びスイッチング指令作成部などの用語を含めてモータ制御部14の構成を規定してもよい。
サンプリング調整部15は、電流検出器12が電流を検出してからADコンバータ13が当該電流のディジタルデータを出力するまでの応答時間(応答性)に応じて、電流検出器12により検出された電流に対して実行されるADコンバータ13のサンプリング動作を調整する。電流検出器12が電流を検出してからADコンバータ13が当該電流のディジタルデータを出力するまでの応答時間は、電流検出器12及びADコンバータ13からなる電流検出回路20のうちの電流検出器12の応答性を表すものであり、電流検出器12は、応答時間が短いほど応答性が良いといえる。なお、ADコンバータ13の前段にはフィルタ部(図示せず)等が設けられるので、「電流検出器12の応答時間(応答性)」は、より詳しくいえば「電流検出器12の応答時間(応答性)と電流検出器12の後段のフィルタ部等の応答時間(応答性)とを合わせた応答時間(応答性)」として規定されるものである。本明細書では、説明を簡明なものとするために、「電流検出器12及びこれに続くフィルタ部等の応答時間(応答性)」を単に「電流検出器12の応答時間(応答性)」と称する。電流検出器12の応答性は、応答時間に代えて応答速度で表すことができる。電流検出器12の応答速度は、電流検出器12が検出した電流がADコンバータ13によってディジタルデータに符号化されて出力されるまでの、電流検出器12の処理速度として規定される。この規定に従えば、電流検出器12は、応答速度が速いほど応答性が良いといえる。なお、サンプリング調整部15の動作の詳細については後述する。
上述したモータ制御部14及びサンプリング調整部15は、例えばソフトウェアプログラム形式で構築されてもよく、この場合、モータ駆動装置1内の演算処理装置にこのソフトウェアプログラムを動作させて各部の機能が実現される。またあるいは、サンプリング調整部15の機能を実現するソフトウェアプログラムを書き込んだ半導体集積回路を、例えば既存のモータ駆動装置に取り付けることによって、サンプリング調整部15の機能を実現してもよい。
続いて、サンプリング調整部15の動作について、ADコンバータ13が逐次比較型ADコンバータである場合(第1形態)とΔΣ変調型ADコンバータである場合(第2形態)に分けてより詳細に説明する。
図2は、ADコンバータが逐次比較型である場合における電力変換部からモータに流れる実電流と電流検出器による検出電流との関係を説明する図であって、(A)は、電流検出器による検出電流の波形を例示する図であり、(B)は(A)に示した検出電流の波形のうち点線で囲まれた部分を拡大した図であり、(C)は(B)に示した検出電流の波形のうち点線で囲まれた部分を拡大して実電流との関係を模式的に示した図である。
電流検出器12の応答性(検出速度)の違いにより、同一の実電流に対して電流検出器12から出力される検出電流に相違が生じる。電流検出器12は、例えばシャント抵抗を用いたものの方がホール素子を用いたものよりも応答時間が短い(応答速度が速い)。図2(C)に示すように、同一の実電流の波形に対し、応答時間が長い電流検出器12の波形(図中、一点破線で示す。)は、応答時間が短い電流検出器12の波形(図中、破線で示す。)に比べ、時間的に遅れたものになる。このように電流検出器12の応答性(検出速度)に違いがあると、電流検出器12の後段に設けられる逐次比較型のADコンバータ13は、同一のタイミング(時刻t0)でサンプリング動作を実行して、ADコンバータ13から出力されるディジタルデータの電流値は、電流検出器12の応答性(検出速度)の違いに応じて異なったものとなる。そこで、ADコンバータ13が逐次比較型ADコンバータである場合に対応する第1形態によるサンプリング調整部15では、電流検出器12の応答性(検出速度)に違いよらず、同一の実電流に対してはADコンバータ13から同一のディジタルデータの電流値が安定して出力されるよう、ADコンバータ13のサンプリングタイミングが設けられる時期を調整する。
ADコンバータ13が逐次比較型ADコンバータである場合に対応する第1形態によるサンプリング調整部15は、電流検出器12が電流を検出してからADコンバータ13が当該電流のディジタルデータを出力するまでの応答時間に応じて、電流検出器12により検出された電流に対する逐次比較型のADコンバータ13のサンプリングタイミングが設けられる時期を変更する調整を行う。より具体的には、第1形態によるサンプリング調整部15は、応答時間が、所定の目標時間よりも長い場合はサンプリングタイミングを時間的に遅らせるよう調整し、目標時間よりも短い場合はサンプリングタイミングを時間的に早めるよう調整することで、目標時間に対応して設定されたサンプリングタイミングにてサンプリングしたときと同じディジタルデータがADコンバータ13から出力されるようにする。なお、なお、電流検出器12の応答性を「応答時間」に代えて「応答速度」で表した場合は、「目標時間」は「目標速度」で表すことができる。
図3は、応答時間が長い電流検出器を応答時間が短い電流検出器の特性に合わせる場合における第1形態によるサンプリング調整部によるサンプリング動作の調整を説明する図である。第1形態によるサンプリング調整部15は、電流検出器12が電流を検出してからADコンバータ13が当該電流のディジタルデータを出力するまでの応答時間が所定の目標時間よりも長い場合において、目標時間に対応して設定されたサンプリングタイミングにてサンプリングしたときと同じディジタルデータが逐次比較型のADコンバータ13から出力されるよう、サンプリングタイミングが設けられる時期を遅らせる調整を行う。この調整例は、例えば、応答時間が長い(応答速度が遅い)電流検出器12を有する電流検出回路20について、応答時間が短い(応答速度が速い)電流検出器と同じディジタルデータが電流検出回路20から出力されるように調整する場合が対応する。すなわち、応答時間が短い電流検出器における当該応答時間が上記「目標時間」に対応し、応答時間が長い電流検出器12を有する電流検出回路20におけるADコンバータ13が第1形態によるサンプリング調整部15による調整対象に対応する。例えば図3に示すように、サンプリング調整部15により、調整対象である応答時間が長い電流検出器12を有する電流検出回路20におけるADコンバータ13のサンプリングタイミングを、元々の時刻t1から応答時間が短い電流検出回路におけるADコンバータのサンプリングタイミングである時刻t2まで遅らせることで、同一の実電流の値(図3ではIA)に対し、調整対象である応答時間が長い電流検出器12を有する電流検出回路20におけるADコンバータ13からは、応答時間が短い電流検出器を有する電流検出回路におけるADコンバータと同じディジタルデータの電流値IAが出力されるようにする。第1形態によるサンプリング調整部15が調整対象である応答時間が長い電流検出器12を有する電流検出回路20におけるADコンバータ13に対して与える調整量は、時刻t1から時刻t2までの時間が対応する。シャント抵抗タイプの方がホール素子タイプよりも電流検出速度は速いので、例えば、シャント抵抗タイプの電流検出器12を、ホール素子タイプの特性に合わせる場合は、第1形態によるサンプリング調整部15は、シャント抵抗タイプの電流検出器12の後段に設けられた逐次比較型のADコンバータ13のサンプリングタイミングが設けられる時期を遅らせることで、シャント抵抗タイプの電流検出器の後段に設けられるΔΣ変調型のADコンバータ13のサンプリングタイミングと同じになるようにする。
図4は、応答時間が短い電流検出器を応答時間が長い電流検出器の特性に合わせる場合における第1形態によるサンプリング調整部によるサンプリング動作の調整を説明する図である。第1形態によるサンプリング調整部15は、電流検出器12が電流を検出してからADコンバータ13が当該電流のディジタルデータを出力するまでの応答時間が所定の目標時間よりも短い場合において、目標時間に対応して設定されたサンプリングタイミングにてサンプリングしたときと同じディジタルデータが逐次比較型のADコンバータ13から出力されるよう、サンプリングタイミングが設けられる時期を早める調整を行う。この調整例は、例えば、応答時間が短い(応答速度が速い)電流検出器12を有する電流検出回路20について、応答時間が長い(応答速度が遅い)電流検出器と同じディジタルデータが出力されるように調整する場合が対応する。すなわち、応答時間が長い電流検出器における当該応答時間が上記「目標時間」に対応し、応答時間が短い電流検出器12を有する電流検出回路20のADコンバータ13が第1形態によるサンプリング調整部15による調整対象に対応する。例えば図4に示すように、サンプリング調整部15により、調整対象である応答時間が短い電流検出器12を有する電流検出回路20におけるADコンバータ13のサンプリングタイミングを、元々の時刻t3から応答時間が長い電流検出器を有する電流検出回路におけるADコンバータのサンプリングタイミングである時刻t4まで早めることで、同一の実電流の値(図3ではIB)に対し、調整対象である応答時間が短い電流検出器12を有する電流検出回路20におけるADコンバータ13からは、応答時間が長い電流検出器を有する電流検出回路におけるADコンバータと同じディジタルデータの電流値IBが出力されるようにする。第1形態によるサンプリング調整部15が調整対象である応答時間が短い電流検出器12を有する電流検出回路20におけるADコンバータ13に対して与える調整量は、時刻t3から時刻t4までの時間が対応する。ホール素子タイプよりも電流検出器の方がシャント抵抗タイプより電流検出速度は速いので、例えば、ホール素子タイプの電流検出器12を、シャント抵抗タイプの特性に合わせる場合は、第1形態によるサンプリング調整部15は、ホール素子タイプの電流検出器12の後段に設けられた逐次比較型のADコンバータ13のサンプリングタイミングが設けられる時期を早めることで、ホール素子タイプの電流検出器の後段に設けられるΔΣ変調型のADコンバータ13のサンプリングタイミングと同じになるようにする。
図5は、ADコンバータがΔΣ変調型である場合における電力変換部からモータに流れる実電流と電流検出器による検出電流との関係を模式的に示した図である。ΔΣ変調型のADコンバータ13では、あるサンプリング区間のアナログデータを平均化した後アナログディジタル変換しており、したがってΔΣ変調型のADコンバータ13から出力されるディジタルデータは電流検出器12が検出した電流値のうちのサンプリング区間中のものに限られる。既に説明したように、電流検出器12の応答性(検出速度)の違いにより、同一の実電流に対して電流検出器12から出力される検出電流に相違が生じる。このように電流検出器12の応答性(検出速度)に違いがあると、電流検出器12の後段に設けられるΔΣ変調型のADコンバータ13は、同一のサンプリング区間であっても、当該サンプリング区間中のアナログデータは異なるのでその平均化した値も異なったものとなり、その結果、ADコンバータ13から出力されるディジタルデータの電流値は、電流検出器12の応答性(検出速度)の違いに応じて異なったものとなる。そこで、ADコンバータ13がΔΣ変調型ADコンバータである場合に対応する第2形態によるサンプリング調整部15では、電流検出器12の応答性(検出速度)に違いよらず、ADコンバータ13からは同一のディジタルデータの電流値が安定して出力されるよう、ADコンバータ13のサンプリング区間が設けられる時期を調整する。
ADコンバータ13がΔΣ変調型ADコンバータである場合に対応する第2形態によるサンプリング調整部15は、電流検出器12が電流を検出してからADコンバータ13が当該電流のディジタルデータを出力するまでの応答時間に応じて、電流検出器12により検出された電流に対するΔΣ変調型のADコンバータ13のサンプリング区間が設けられる時期を変更する調整を行う。より具体的には、第2形態によるサンプリング調整部15は、応答時間が、所定の目標時間よりも長い場合はサンプリング区間を時間的に遅らせるよう調整し、目標時間よりも短い場合はサンプリング区間を時間的に早めるよう調整することで、目標時間に対応して設定されたサンプリング区間にてサンプリングしたときと同じディジタルデータがADコンバータ13から出力されるようにする。
図6は、応答時間が長い電流検出器を応答時間が短い電流検出器の特性に合わせる場合における第2形態によるサンプリング調整部によるサンプリング動作の調整を説明する図である。第2形態によるサンプリング調整部15は、電流検出器12が電流を検出してからADコンバータ13が当該電流のディジタルデータを出力するまでの応答時間が所定の目標時間よりも長い場合において、目標時間に対応して設定されたサンプリングタイミングにてサンプリングしたときと同じディジタルデータがΔΣ変調型のADコンバータ13から出力されるよう、サンプリング区間が設けられる時期を遅らせる調整を行う。この調整例は、例えば、応答時間が長い(応答速度が遅い)電流検出器12を有する電流検出回路20について、応答時間が短い(応答速度が速い)電流検出器を有する電流検出回路と同じディジタルデータが出力されるように調整する場合が対応する。すなわち、応答時間が短い電流検出器を有する電流検出回路における当該応答時間が上記「目標時間」に対応し、応答時間が長い電流検出器12を有する電流検出回路20におけるADコンバータ13が第2形態によるサンプリング調整部15による調整対象に対応する。例えば図6に示すように、サンプリング調整部15により、調整対象である応答時間が長い電流検出器12を有する電流検出回路20におけるADコンバータ13のサンプリング区間を、応答時間が短い電流検出器を有する電流検出回路におけるADコンバータのサンプリング区間であると同一の時刻まで遅らせることで、同一の実電流の値に対し、調整対象である応答時間が長い電流検出器12を有する電流検出回路20におけるADコンバータ13からは、応答時間が短い電流検出器を有する電流検出回路におけるADコンバータと同じディジタルデータの電流値が出力されるようにする。第2形態によるサンプリング調整部15が調整対象である応答時間が長い電流検出器12を有する電流検出回路20におけるADコンバータ13に対して与える調整量は、サンプリング区間を遅らせた時間が対応する。例えば、シャント抵抗タイプの電流検出器12を、ホール素子タイプの特性に合わせる場合は、第2形態によるサンプリング調整部15は、シャント抵抗タイプの電流検出器12の後段に設けられた逐次比較型のADコンバータ13のサンプリング区間が設けられる時期を遅らせることで、シャント抵抗タイプの電流検出器の後段に設けられるΔΣ変調型のADコンバータ13のサンプリング区間と同じになるようにする。
図7は、応答時間が短い電流検出器を応答時間が長い電流検出器の特性に合わせる場合における第2形態によるサンプリング調整部によるサンプリング動作の調整を説明する図である。第2形態によるサンプリング調整部15は、電流検出器12が電流を検出してからADコンバータ13が当該電流のディジタルデータを出力するまでの応答時間が所定の目標時間よりも短い場合において、目標時間に対応して設定されたサンプリングタイミングにてサンプリングしたときと同じディジタルデータがΔΣ変調型のADコンバータ13から出力されるよう、サンプリング区間が設けられる時期を早める調整を行う。この調整例は、例えば、応答時間が短い(応答速度が速い)電流検出器12を有する電流検出回路20について、応答時間が長い(応答速度が遅い)電流検出器を有する電流検出回路と同じディジタルデータが出力されるように調整する場合が対応する。すなわち、応答時間が長い電流検出器における当該応答時間が上記「目標時間」に対応し、応答時間が短い電流検出器12を有する電流検出回路20におけるADコンバータ13が第2形態によるサンプリング調整部15による調整対象に対応する。例えば図7に示すように、サンプリング調整部15により、調整対象である応答時間が短い電流検出器12を有する電流検出回路20におけるADコンバータ13のサンプリング区間を、応答時間が長い電流検出器を有する電流検出回路におけるADコンバータのサンプリング区間であると同一の時刻まで早めることで、同一の実電流の値に対し、調整対象である応答時間が短い電流検出器12を有する電流検出回路20におけるADコンバータ13からは、応答時間が長い電流検出器を有する電流検出回路におけるADコンバータと同じディジタルデータの電流値が出力されるようにする。第2形態によるサンプリング調整部15が調整対象である応答時間が短い電流検出器12を有する電流検出回路20におけるADコンバータ13に対して与える調整量は、サンプリング区間を早めた時間が対応する。例えば、ホール素子タイプの電流検出器12を、シャント抵抗タイプの特性に合わせる場合は、第2形態によるサンプリング調整部15は、ホール素子タイプの電流検出器12の後段に設けられた逐次比較型のADコンバータ13のサンプリング区間が設けられる時期を早めることで、ホール素子タイプの電流検出器の後段に設けられるΔΣ変調型のADコンバータのサンプリング区間と同じになるようにする。
図8は、モータのインダクタンスと電流検出器により検出された電流のリプルとの関係を例示する図であって、(A)はモータのインダクタンスが小さい場合を例示し、(B)はモータのインダクタンスが大きい場合を例示する。
同一の実電流の波形に対し、応答時間が長い電流検出器12の波形(図中、一点破線で示す。)は、応答時間が短い電流検出器12の波形(図中、破線で示す。)に比べ、時間的に遅れたものになるが、このように電流検出器12の応答性(検出速度)に違いがあると、電流検出器12の後段に設けられるADコンバータ13(図8の例では逐次比較型)は、同一のサンプリングタイム(時刻t0)であっても、ADコンバータ13から出力されるディジタルデータの電流値は、電流検出器12の応答性(検出速度)の違いに応じて異なったものとなる。ΔΣ変調型のADコンバータ13についても同様のことが言える。図8(A)及び図8(B)に示すように、モータ2のインダクタンスが小さいほど、電流検出器12によって検出される電力変換11からモータ2に流れる電流のリプルは大きくなるので、モータ2のインダクタンスが小さいほど、ADコンバータ13から出力されるディジタルデータの電流値の差は、応答時間が長い電流検出器12と応答時間が短い電流検出器12とで大きくなる。したがって、サンプリング調整部15によるADコンバータ13のサンプリング動作の調整は、モータ2のインダクタンスが小さいほど、より効果的になる。
なお、上述の第1形態及び第2形態によるサンプリング調整部15が、調整対象の電流検出回路20内のADコンバータ13に対して与える調整量は、次のようにして設定される。例えば、同一の実電流を調整対象の電流検出回路20及び当該調整対象の電流検出回路20が合わせようとする特性を有する電流検出回路(すなわち目標となる応答時間を有する電流検出回路、以下、「目標電流検出回路」と称する。)でそれぞれ検出し、調整対象の電流検出回路20から出力されるディジタルデータの電流値と目標電流検出回路から出力されるディジタルデータの電流値とを比較し、両者が一致するようなADコンバータ13のサンプリングタイミングまたはサンプリング区間の「時間的なズレ」を見つけ出してこれを上記「調整量」として設定すればよい。または、モータの制御性、例えば加減速時間を比較して、両者が一致するようなサンプリングタイミングまたはサンプリング区間の「時間的なズレ」を見つけ出してこれを上記「調整量」として設定すればよい。「調整量」は実験によって求めてもよい。あるいは、同一の実電流を調整対象の電流検出回路20及び当該調整対象の電流検出回路20に流す電流源と、調整対象の電流検出回路20から出力されるディジタルデータの電流値と目標電流検出回路から出力されるディジタルデータの電流値とを比較して両者が一致するようなADコンバータ13サンプリングタイミングまたはサンプリング区間の「時間的なズレ」を演算処理により見つけ出す演算回路とからなる調整量算出回路(図示せず)によって求めてもよい。この調整量算出回路では、例えば、調整対象のADコンバータ13においてサンプリングタイミングまたはサンプリング区間が設けられる時期を適宜遅らせたり早めたりしながら、調整対象の電流検出回路20から出力されるディジタルデータの電流値と目標電流検出回路から出力されるディジタルデータの電流値とを比較していき、比較の結果得られた偏差が最小(好ましくはゼロ)となるときの「時間的なズレ」を見つけ出し、これを「調整量」として設定する。実験によりまたは調整量算出回路により設定された調整量は、サンプリング調整部15に入力され、サンプリング調整部15は、入力された調整量に基づいて調整対象の電流検出回路20内のADコンバータ13のサンプリングタイミング(逐次比較型ADコンバータの場合)またはサンプリング区間(ΔΣ変調型ADコンバータの場合)を変更する調整を行う。
以上説明したように、本実施形態によるモータ駆動装置によれば、モータ駆動装置に複数設置される電流検出器間や交換前後の電流検出器間において、電流検出からディジタルデータ出力までの応答性(応答時間、応答速度)に差があったとしても、サンプリング調整部により、調整対象の電流検出を有する電流検出回路内のADコンバータのサンプリングタイミング(逐次比較型ADコンバータの場合)またはサンプリング区間(ΔΣ変調型ADコンバータの場合)を変更する調整が行われるので、各電流検出回路から出力されるディジタルデータ化された電流検出値のバラツキを抑制することができる。本実施形態によるモータ駆動装置のモータ制御部内の電流制御部では、各電流検出回路から出力されるバラツキが抑制されたディジタルデータ化された電流検出値を用いて電流制御を行うので、電流検出器及びADコンバータを有する電流検出回路の応答性の相違に依存せずにモータの制御性を維持することができる。
また、本実施形態によるモータ駆動装置においては、モータ駆動装置に用いられる電流検出回路の交換に際し、交換前後において応答時間(応答速度)の互換性を重視した電流検出回路の調整も容易である。例えば、モータ駆動装置内の各種回路(例えば電流制御部や電力変換回路など)は従前のままとし、電流検出回路のみをコスト、大きさ、耐熱性、あるいは耐湿性などの点で優れ、かつ応答時間が短い(応答速度が速い)最新の電流検出器を有する電流検出回路に交換する場合において、サンプリング調整部により、同一の実電流に対して応答時間が長い(応答速度が遅い)従前の電流検出器を有する電流検出回路と同じディジタルデータ化された電流値が出力されるよう、調整対象の電流検出回路内のADコンバータのサンプリングタイミング(逐次比較型ADコンバータの場合)またはサンプリング区間(ΔΣ変調型ADコンバータの場合)を変更する調整が行われるので、交換前後における電流検出回路の応答時間(応答速度)の互換性を維持し、ひいてはモータの制御性を維持することができる。
1 モータ駆動装置
2 モータ
11 電力変換部
12 電流検出器
13 ADコンバータ
14 モータ制御部
15 サンプリング調整部
20 電流検出回路
21 電流制御部

Claims (9)

  1. モータに駆動電流を供給する電力変換部と、
    前記電力変換部から前記モータへ流れる電流を検出する電流検出器と、
    前記電流検出器が検出した電流をディジタルデータに変換して出力するADコンバータと、
    前記ADコンバータが出力したディジタルデータを用いて、前記電力変換部から前記モータへ供給される駆動電流を制御するモータ制御部と、
    前記電流検出器電流が入力されてから前記ADコンバータが当該電流のディジタルデータを出力するまでの応答時間に応じて、前記電流検出器により検出された電流に対して実行される前記ADコンバータのサンプリング動作を調整するサンプリング調整部と、
    を備える、モータ駆動装置。
  2. 前記ADコンバータは、逐次比較型ADコンバータであり、
    前記サンプリング調整部は、前記応答時間に応じて前記電流検出器により検出された電流に対する前記逐次比較型ADコンバータのサンプリングタイミングが設けられる時期を変更する調整を行う、請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記サンプリング調整部は、前記応答時間が所定の目標時間よりも長い場合において、前記目標時間に対応して設定されたサンプリングタイミングにてサンプリングしたときと同じディジタルデータが前記逐次比較型ADコンバータから出力されるよう、前記サンプリングタイミングが設けられる時期を遅らせる調整を行う、請求項2に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記サンプリング調整部は、前記応答時間が所定の目標時間よりも短い場合において、前記目標時間に対応して設定されたサンプリングタイミングにてサンプリングしたときと同じディジタルデータが前記逐次比較型ADコンバータから出力されるよう、前記サンプリングタイミングが設けられる時期を早める調整を行う、請求項2または3に記載のモータ駆動装置。
  5. 前記ADコンバータは、ΔΣ変調型ADコンバータであり、
    前記サンプリング調整部は、前記応答時間に応じて、前記電流検出器により検出された電流に対する前記ΔΣ変調型ADコンバータのサンプリング区間が設けられる時期を変更する調整を行う、請求項1に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記サンプリング調整部は、前記応答時間が所定の目標時間よりも長い場合において、前記目標時間に対応して設定されたサンプリング区間にてサンプリングしたときと同じディジタルデータが前記ΔΣ変調型ADコンバータから出力されるよう、前記サンプリング区間が設けられる時期を遅らせる調整を行う、請求項5に記載のモータ駆動装置。
  7. 前記サンプリング調整部は、前記応答時間が所定の目標時間よりも短い場合において、前記目標時間に対応して設定されたサンプリング区間にてサンプリングしたときと同じディジタルデータが前記ΔΣ変調型ADコンバータから出力されるよう、前記サンプリング区間が設けられる時期を早める調整を行う、請求項5または6に記載のモータ駆動装置。
  8. 前記電流検出器は、シャント抵抗を有する、請求項4または7に記載のモータ駆動装置。
  9. 前記電流検出器は、ホール素子を有する、請求項3または6に記載のモータ駆動装置。
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