JP6642218B2 - レーザーエッチング用銅ペースト組成物 - Google Patents
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Description
特許文献2には、所定粒径を有する光熱変換性のカーボンフィラーと平均粒子径が5nm〜30μmの銀粒子とを含有したレーザーエッチング用の銀ペーストが開示されており、ペーストを硬化させた導電膜を固体UVレーザー(波長355nm)によって加工することで、高い導電性を有したL/S=約30/30μmの導電配線を形成したことが記載されている。
特許文献3には、中心径が80nm〜4μmの金属粒子とバインダー樹脂と有機溶剤とを含有したレーザーエッチング用導電性ペーストが開示されており、レーザーエッチングでの加工性、導電性が優れていることが記載されている。しかし、特許文献3で使用されている金属粒子は銀粒子のみである。
しかし、銅ペーストに用いる銅粒子は、酸化されやすい性質であり、粒子表面に体積抵抗率が高い酸化銅が生じやすく、レーザーエッチングのような過酷な加工条件に適した素材ではない。
すなわち、本発明によれば、表面被覆銅粒子(A)、バインダー(B)、酸化防止剤(C)、および溶剤(D)を含む銅ペースト組成物であり、前記表面被覆銅粒子(A)用の表面被覆前の原料銅粒子は、その平均粒子径D50が0.5〜2μm、および前記原料銅粒子中の粒子径3μm以上の粒子の含有量が5質量%以下であり、前記表面被覆銅粒子(A)は、前記原料銅粒子の表面の銅と化学結合および/または物理結合によって結合している式(1)で表されるアミン化合物の第1被覆層と、該第1被覆層上に、前記アミン化合物と化学結合によって結合している炭素数8〜20の脂肪族モノカルボン酸の第2被覆層とを有し、前記銅ペースト組成物は、前記表面被覆銅粒子(A)100質量部に対して、前記バインダー(B)10〜30質量部、前記酸化防止剤(C)0.1〜7.0質量部、および前記溶剤(D)1〜30質量部を含有する、レーザーエッチング用銅ペースト組成物が提供される。
さらに、表面被覆銅粒子(A)は、アミン化合物の第1被覆層および特定の脂肪族モノカルボン酸の第2被覆層を有しているので、レーザーエッチングの際に銅粒子表面が酸化されにくく、極めて優れた耐酸化性能を有するため、レーザーエッチング加工によって、高い導電性を有する微細配線を形成することができる。
<レーザーエッチング用銅ペースト組成物の構成成分>
[表面被覆銅粒子(A);以後、単に(A)と称する場合がある]
(A)用の表面被覆前の銅粒子は、その平均粒子径D50が0.5〜2μm、および前記銅粒子中の粒子径3μm以上の粒子の含有量が5質量%以下である。D50は、1.0μm以上、1.5μm以下が好ましい。平均粒子径が小さいほど、銅硬化膜中の銅粒子間にバインダー用樹脂などの、よりレーザー吸収率の大きい有機成分が入り込みやすくなり、レーザーエッチング加工性は向上する。しかしその一方で、粒子の比表面積が増大し、酸化により導電性のない酸化銅に粒子表面が覆われやすくなるため、形成する配線の導電性が低下するおそれがある。よって、D50が0.5μm未満であると、配線の導電性が低下するおそれがあり、2μmを超えると、レーザーエッチング加工性が低下するおそれがある。同様の理由で、粒子径3μm以上の粒子の含有量が5質量%を超えると、レーザーエッチング加工性が低下するおそれがある。
また、(A)に用いる銅粒子は、1種類でも良いが、異なる形状の銅粒子を混合して用いても良い。
従って、本発明における第1被覆層とは、アミン化合物が銅表面を均一に被覆している層だけでなく、アミン化合物が未吸着の銅表面が一部存在する被覆層をも含むものとする。
なお、銅表面にアミン化合物が吸着して第1被覆層を形成していることは、後述する銅表面のIR測定により確認するものとする。
また、アミン化合物同士が、例えば水素結合等により結合して2分子以上積層している部分があってもよい。
ここで、化学結合とは、脂肪族モノカルボン酸のカルボキシル基とアミン化合物のアミノ基とが静電的な相互作用により結合していることを意味する。ここでいう静電的な相互作用とは、水素結合、イオン間相互作用(イオン結合)などを指す。すなわち、第2被覆層とは、第1被覆層のアミン化合物と静電的な相互作用によって結合している脂肪族モノカルボン酸の層である。理想的には、第1被覆層のアミン化合物と脂肪族モノカルボン酸が1:1で反応して第2被覆層が形成されていることが好ましいが、実際上は、そのような理想状態となることは難しい。従って、一部脂肪族モノカルボン酸と結合していない第1被覆層のアミン化合物があってもよく、また、第2被覆層において、脂肪族モノカルボン酸が物理吸着等により2分子以上が積層して吸着している部分があってもよい。
従って、本発明における第2被覆層とは、第1被覆層と同様、脂肪族モノカルボン酸が第1被覆層を均一に被覆している層だけでなく、脂肪族モノカルボン酸がアミン化合物と結合していない部分が一部存在するように形成されている被覆層をも含むものとする。
なお、脂肪族モノカルボン酸が吸着して第2被覆層を形成していることは、第1被覆層と同様、後述する銅表面のIR測定により確認するものとする。
炭素数が7以下であると、アルキル鎖長が短いため表面被覆銅粒子の分散性が低くなるおそれがある。また、炭素数21以上では、脂肪族モノカルボン酸の疎水性が高まるためにバインダーとの相溶性が高くなり、レーザーエッチング用銅ペースト組成物とした際、第2被覆層から脂肪族モノカルボン酸が脱離してバインダー側に溶出しやすくなる。
アミン化合物は、アミノ基が還元性を有するため金属表面の酸化物の除去効果と酸化抑制効果がある。
また、アミン化合物は、脂肪族モノカルボン酸よりもアミノ基の窒素の孤立電子対の効果により金属に対する配位能が高く、脂肪族モノカルボン酸よりも強い結合で銅表面と結びつくため脂肪族モノカルボン酸よりも表面被覆率が高いと考えられる。また、アミン化合物は、脂肪族モノカルボン酸と静電的な相互作用による結合を形成しやすい。ここで静電的な相互作用とは、水素結合およびイオン間相互作用を指す。したがって、表面被覆率が高いアミン化合物で銅表面を被覆した後、脂肪族モノカルボン酸でさらにその外側を被覆することで、脂肪族モノカルボン酸を銅粒子に直接被覆するよりも、高い表面被覆率で脂肪族モノカルボン酸を銅粒子に被覆することができる。そのため、本発明の表面被覆銅粒子は、アミン化合物の酸化抑制効果と脂肪族モノカルボン酸の高い被覆率により、脂肪族モノカルボン酸のみを被覆した銅粒子よりも高い耐酸化性を有している。
一例として、図1にエチレンジアミンおよびミリスチン酸により被覆された表面被覆銅粒子のIRスペクトルを示す(後述の実施例1)。
被覆に用いたアミン化合物を単独で測定した場合は、N−H変角振動のピークが1598cm−1に出現する(図2)のに対して、表面被覆銅粒子に観測されるN−H変角振動のピークは1576cm−1と低波数側にシフトしており、アミン化合物が銅粒子表面に配位して存在していることを示している。また、図1において、脂肪族モノカルボン酸のC=O伸縮振動のピークが1700cm−1に観察されず、カルボン酸アニオン(−COO−)のピークが1400cm−1付近に観測されており、カルボン酸がアミン化合物と静電的な相互作用により結合して存在していることを示している。
レーザーエッチング用銅ペースト組成物中の(B)の含有量は、(A)100質量部に対して10〜30質量部が好ましく、15〜25質量部がより好ましい。(B)の含有量が10質量部以上であれば、銅硬化膜および微細銅配線としたときの銅粒子同士の接着性が良好で、かつレーザーエッチング加工性が良好である。また、30質量部以下であれば、低体積抵抗率の銅硬化膜および微細銅配線が得られやすい。
(B)としては、金属ペースト等に用いられる公知のバインダーであればよく、熱や光を加えることにより硬化する熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂、および熱可塑性樹脂などの樹脂を例示することができる。
レーザーエッチング用銅ペースト組成物中の(C)の含有量は、(A)100質量部に対して0.1〜7.0質量部が好ましく、0.3〜3.0質量部がより好ましい。(C)の含有量が0.1質量部以上であれば、良好な酸化防止性能が発揮され、高導電性の銅硬化膜および銅配線が得られやすくなる。一方、7.0質量部を超えると、レーザーエッチング用銅ペースト組成物の貯蔵安定性が低下する可能性がある。
(C)は、(A)の銅に対して酸化防止、還元、キレート化による酸化膜除去、ラジカルトラップなどの作用を有するものであれば特に限定されない。例えば、ヒドラジド類、環状ボラン錯体類、亜リン酸エステル類、硫黄系化合物類、ポリアミン類、オキシム類、含窒素複素間化合物類、カロテノイド類、フェノール類、アスコルビン酸誘導体、シッフ塩基類、ヒドロキノン、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
レーザーエッチング用銅ペースト組成物中の(D)の含有量は、(A)100質量部に対して1〜30質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましい。
本発明のレーザーエッチング用銅ペースト組成物は、光または熱を加えることで、溶剤の揮発やバインダーの硬化に伴い収縮が生じ、この収縮により銅粒子同士が接近し導電性を発現する。よって、導電性発現のためには溶剤はできるだけ少ないほうが良いが、基板への塗付性に好適な粘度とする点において、上記範囲とすることが好ましい。
(D)としては、(B)を溶解するものであれば特に限定されず、例えば、エーテル系アルコール類、非エーテル系アルコール類、エステル類、ケトン類、テルペン類、その他炭化水素類等が挙げられる。
次に、本発明の(A)の製造方法について説明する。
(A)は、下記の工程1〜工程5を有する方法により製造することができる。好ましくは、工程1の前に、以下に説明する前処理工程を実施する。銅粒子は、その製造に由来する銅塩、分散剤、酸化銅等の不純物を表面に付着させている場合があるため、工程1の前にこれらの不純物を除去することが好ましい。それによって、水等の高極性溶媒への銅粒子の分散性の向上や、銅粒子表面のアミン化合物および脂肪族モノカルボン酸の被覆率を向上させることができるからである。
上記不純物を銅粒子表面から除去できれば特にその方法に限定はないが、例えば、有機溶剤または酸を用いた洗浄方法がある。有機溶剤としては、種類は特に制限されないが、銅粒子表面への濡れ性がよく、洗浄処理後に除去しやすいものがよく、単独もしくは混合して用いることができる。具体的にはアルコール類、ケトン類、炭化水素類、エーテル類、ニトリル類、イソブチロニトリル類、水ならびに1−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。酸としては、有機酸、無機酸が好適に用いることができる。有機酸としては、酢酸、グリシン、アラニン、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸等が挙げられる。無機酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、臭化水素、リン酸などが挙げられる。酸の濃度としては、0.1〜50質量%が好ましく、反応熱を抑制するため、0.1〜10質量%がより好ましい。0.1質量%未満であると不純物の除去が不十分となるおそれがあり、50質量%を超えても効果に差はなく、不純物除去コストが高くなるおそれがある。
なお、酸による洗浄処理を実施した場合は、銅粒子表面への酸の残留を防止するため、酸洗浄後に水や有機溶剤でさらに洗浄することが好ましい。
工程1は、銅粒子表面に式(1)で表されるアミン化合物を被覆する工程である。
具体的には、アミン化合物を含むアミン化合物溶液に、前処理を行った銅粒子または前処理を行っていない銅粒子を投入して混合物aとし、当該混合物aを撹拌することによって、銅粒子表面にアミン化合物の第1被覆層を形成させる。撹拌方法は特に限定されず、銅粒子とアミン化合物が十分接触するように撹拌すればよく、パドル撹拌機、ラインミキサー等、公知の撹拌機を用いて一般的な撹拌方法を用いればよい。
具体的には、銅粒子の粒子径にもよるが、銅粒子100質量部に対して0.1〜200質量部が好ましい。遊離のアミン化合物が表面被覆銅粒子中に残存するのを抑制する点で、1〜100質量部がより好ましい。銅粒子の粒子径が小さいほど単位質量当たりの表面積が大きくなるので、小さい粒子径のものほどアミン化合物の混合量を多くすることが好ましい。
また、処理時間は特に限定はないが、5分間〜10時間が好ましい。また、製造コストの点で、5分間〜3時間がより好ましい。5分間未満であると、アミン化合物による被覆が不十分となるおそれがあり、10時間を超えると、アミン化合物が大気中から混入してくる二酸化炭素と塩を形成し、表面被覆銅粒子中に不純物として残留するおそれがある。
工程2は、第1被覆層の形成に使用されなかった遊離のアミン化合物を含むアミン化合物溶液を上記混合物aから除去し、第1被覆層形成銅粒子を含有する中間体1を得る工程である。すなわち、過剰のアミン化合物溶液を除去する工程である。このとき、過剰のアミン化合物を完全に除去する必要はなく、自然沈降もしくは遠心分離による分離によって、または濾過によって上記中間体1を得ることができる。つまり、中間体1中には少量の遊離アミン化合物および溶媒が含まれているが、そのまま次の工程3に移行してよい。操作が簡便である点で、第1被覆層が形成された銅粒子を自然沈降によって沈降させた後、上澄みのアミン化合物溶液をデカンテーション、またはアスピレーターによる吸引によって除去する方法が好ましい。
また、当該分離後の沈殿物または濾過物を、アミン化合物および炭素数8〜20の脂肪族モノカルボン酸の両者を溶解可能な溶媒で洗浄して中間体1としてもよい。当該洗浄により遊離アミン化合物の混入量を低減できるので好ましい。ただし、水洗は第1被覆層を形成したアミン化合物が脱離するおそれがあるため好ましくない。
なお、中間体1を乾燥させて含有溶媒(アミン化合物溶液の溶媒)を低減させてもよいが、この段階で乾燥させると銅表面が酸化されるおそれがあるので、乾燥、特に加熱乾燥は実施しない方が好ましい。
従って、中間体1中のアミン化合物量は、第1被覆層を形成するアミン化合物と遊離アミン化合物の合計量として、銅粒子量の10質量%以下にするのが好ましい。脂肪族モノカルボン酸の第2被覆層形成に影響を与えない点で、1.0質量%以下にするのがより好ましい。なお、中間体1中のアミン化合物量は、上澄み液等のアミン化合物量を測定し、工程1で使用したアミン化合物量との差から求めることができる。
工程3は、第1被覆層上に炭素数8〜20の脂肪族モノカルボン酸の第2被覆層を形成する工程である。
具体的には、上記中間体1に炭素数8〜20の脂肪族モノカルボン酸を含む脂肪族モノカルボン酸溶液を加えて混合物bとし、当該混合物bを撹拌することによって、第1被覆層上に脂肪族モノカルボン酸の第2被覆層を形成させる。なお、炭素数8〜20の脂肪族モノカルボン酸を含む脂肪族モノカルボン酸溶液に、上記中間体1を投入して混合物bとしてもよい。撹拌方法は特に限定されず、第1被覆層が形成された銅粒子と脂肪族モノカルボン酸が十分接触するように撹拌すればよく、パドル撹拌機、ラインミキサー等、公知の撹拌機を用いて一般的な撹拌方法を用いればよい。
具体的には、銅粒子の粒子径にもよるが、銅粒子100質量部に対して0.1〜50質量部が好ましい。遊離の脂肪族モノカルボン酸が表面被覆銅粒子中に残存するのを抑制する点で、0.5〜10質量部がより好ましい。銅粒子の粒子径が小さいほど単位質量当たりの表面積が大きくなるので、小さい粒子径のものほど脂肪族モノカルボン酸の混合量を多くすることが好ましい。
好ましい溶媒は、アルコール類、ケトン類、エーテル類、ニトリル類、スルホキシド類、ピロリドン類から選ばれる1種類以上を含む溶剤である。具体的には、アルコール類は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、tert−アミルアルコール、エチレングリコール、ブトキシエタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルおよびジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。ケトン類は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。エーテル類は、ジエチルエーテル、ジブチルエーテルなどが挙げられる。ニトリル類は、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリルおよびイソブチロニトリルが挙げられる。スルホキシド類では、ジメチルスルホキシドが挙げられる。ピロリドン類としては、1−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
また、処理時間は特に限定はないが、5分間〜10時間が好ましい。また、製造コストの点で、5分間〜3時間がより好ましい。5分間未満であると、脂肪族モノカルボン酸による被覆が不十分となるおそれがあり、10時間を超えると、銅−アミン化合物−脂肪酸の錯体として脱離した成分が表面被覆銅粒子中に残留するおそれがあり、レーザーエッチング用銅ペースト組成物の導電性に悪影響を与える可能性があるため好ましくない。
工程4は、第2被覆層の形成に使用されなかった遊離の脂肪族モノカルボン酸を含む脂肪族モノカルボン酸溶液を上記混合物bから除去し、第1および第2被覆層形成銅粒子を含有する中間体2を得る工程である。具体的には、濾過によって中間体2を得ることができる。濾過方法としては、公知の方法を適用でき、自然濾過、減圧濾過、加圧濾過等を例示できる。また、遊離の脂肪族モノカルボン酸および遊離のアミン化合物を可能な限り除去する点で、濾過物を、炭素数8〜20の脂肪族モノカルボン酸およびアミン化合物の両者を溶解可能な溶媒で洗浄して中間体2とすることが好ましい。洗浄によって、遊離の脂肪族モノカルボン酸量を低減することにより、レーザーエッチング用銅ペースト組成物としたときの該組成物の基板への密着性が良好となる。
工程5は、上記中間体2を乾燥させて本発明の表面被覆銅粒子(A)を得る工程である。
当該乾燥方法には特に限定はないが、例えば、減圧乾燥や凍結乾燥を例示できる。製造コストの点で減圧乾燥が好ましく、乾燥温度としては、20〜120℃が好ましい。20℃未満では乾燥時間が長くなるおそれがあり、120℃より高い温度では、銅が酸化されるおそれがある。減圧度、乾燥温度、および乾燥時間は、各々の条件の組み合わせおよび使用した溶媒の種類等によって適宜決定すればよく、乾燥後の表面被覆銅粒子中の溶媒量が1質量%以下になる程度まで乾燥させ得る条件であれば好ましい。
以上の製造方法により、表面被覆銅粒子(A)を製造することができる。
(A)〜(D)、および所望によりその他の添加剤を混練(混合)装置によって混合することにより、本発明のレーザーエッチング用銅ペースト組成物を製造することができる。混練装置としては、三本ロール混練機を用いることができる。混練温度は10〜60℃の範囲で、混練回数は粒子をペースト中に均一に分散することができる条件であればよい。(A)〜(D)の添加(混合)順は任意の順番でよく、一括添加して混練、混合してもよい。
以後、レーザーエッチング用銅ペースト組成物を単に銅ペースト組成物と称することもある。
銅ペースト組成物を基板上にスクリーン印刷法により塗付し、100℃〜200℃で、10〜120分間の加熱をすることにより銅硬化膜を形成することができる。加熱は、乾燥オーブン、ホットプレート、IR焼成装置、光焼成装置などを用いて行うことができる。硬化膜として、十分にバインダー(B)が熱により架橋が進行して熱硬化し、溶剤(D)が乾燥除去される条件で、加熱を行う。
[レーザーエッチング]
レーザーエッチングとは、各媒質のレーザー光を加工対象物に照射させ表面を削ることをいう。導電配線において、レーザー光が照射され吸収された部位では、印加されたレーザー光のエネルギーが熱へと変換され、照射部位が剥離・除去される。本発明の銅ペースト組成物、形成した導電配線においてレーザー光が照射された部位が効率よく基材から除去されるために、照射レーザー光の波長に強い吸収を持つことが好ましい。よって、レーザー種としては、導電性薄膜を構成するいずれかの成分が強い吸収を有する波長領域にエネルギーを有するレーザー種を選択することが好ましい。
一般に知られる加工用レーザーは、CO2レーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、ファイバーレーザーなどが挙げられるが、どの様な方式、波長、強度のレーザーを用いても良い。銅ペースト組成物より形成した配線のうち、樹脂、あるいは銅粒子の吸収波長と一致し、かつPETなどの基材へのダメージの少ないレーザーが特に好適である。このような観点から、照射するレーザー種としては、基本波の波長が、532〜10700nmの範囲が好ましい。例えば、PETフィルム、PETフィルム上にITO層を形成した透明導電性積層体、または、PETフィルム上にITO層を形成しその一部をエッチングにより除去された積層体を基材として用いる場合には、ファイバーレーザーによる加工が、基本波の波長に基材が吸収を有さないので基材にダメージを与えにくいことから、より好ましい。
レーザーエッチング用の装置としては、RICOH LA−1100[リコーインダストリアルソリューションズ(株)製]を例示できる。
上記のようにして形成した銅硬化膜を、上記レーザー光照射によるレーザーエッチングにより微細銅配線に加工する。
レーザー出力、加工回数、走査速度など加工条件は特に限定されないが、レーザー光照射部の銅硬化膜を除去でき、銅配線となる部分の銅粒子が酸化されずに加工後も導電性を保ち、かつ下地の基材が損傷しないように調節する。
レーザーの発振モードについては、連続発振、パルス発振などがあるが、特に限定はされず、基材、非照射部の配線にダメージを与えることなく、照射部の銅硬化膜が除去されやすいものを選択することが好ましい。連続発振の場合、出力値を連続して発振し照射するため、高出力を得やすく、溶接や切断に多く使用されているが、照射部の基材、未照射部の銅粒子へのダメージも受けやすい。パルス発振は、出力値をパルス状に発振するため、熱的影響を抑えた加工が可能であり、繰返周波数やパルス幅で加工条件を調整可能であるため、微細加工など熱的影響を回避する加工に向いている。そのため、パルスモードがより好ましい。
レーザーのパルス幅はついては、特に限定はされないが、長いパルスのレーザーでは、照射部に長時間にわたりエネルギーが蓄積され、配線中の非照射部にも熱が伝わり、ダメージが生じやすいことから、加工条件が限定される。短いパルスのレーザーでは、ダメージを与える範囲が狭く、微細加工に向いている。よって、なるべく短いパルス幅で加工するのが好ましい。
レーザー出力については、特に限定されないが、照射部の銅硬化膜を除去でき、かつ基材にダメージを与えないように調節する。一般的には、レーザー出力は、0.5〜100Wの範囲で適宜調節することが好ましい。レーザー出力が低すぎる場合、銅配線の除去が不十分となる場合がある。レーザー出力が高すぎると、照射部分からの熱の拡散によって照射部がレーザー径よりも大きくなり、線幅が細くなりすぎたり断線したりする可能性がある。
レーザー光の走査回数については、照射部の銅硬化膜を除去でき、かつ基材にダメージを与えないような条件であれば特に制限されない。同一パターンを複数回数行うほど、照射部の銅硬化膜を確実に除去できるが、非照射部に熱ダメージを蓄積させる場合がある。
レーザー光の走査速度については、タクトタイムの減少による生産効率向上の観点から高いほどよく、具体的には、1500mm/s以上が好ましく、2000mm/s以上がより好ましい。走査速度が低すぎる場合、生産効率が低下するだけではなく、銅硬化膜および基材にエネルギーが過剰に印加され、銅配線となる部分および基材がダメージを受ける可能性がある。加工速度の上限は特に制限はないが、走査速度が高すぎると、照射部の銅硬化膜の除去が不完全となり回路が短絡する可能性があるので、5000mm/s以下が好ましい。
各実施例および比較例で用いた原料銅粒子、並びに測定方法、加工方法および評価方法を下記に示す。
銅粒子1、2、3;1100YP(三井金属鉱業株式会社製)。銅粒子1、2、及び3は、生産ロットの相違によるものである。
銅粒子4;1400YP(三井金属鉱業株式会社製)
銅粒子5;1200YP(三井金属鉱業株式会社製)
各銅粒子の平均粒子径D50、粒子径3μm以上の含有量、粒子の平均厚み、およびD50/平均厚みの値を表1に示す。
各原料銅粒子について、下記方法によりいずれも同じ前処理を行った。
銅粒子220gを、トルエン352gとイソプロパノール88gの混合液に投入し、攪拌して分散させながら70℃で30分間還流させた。還流後、減圧濾過により、銅粒子含有混合液からトルエンおよびイソプロパノールを除去した。濾別した銅粒子を3.5%塩酸水溶液440gに投入し、30℃で30分間攪拌した。撹拌後、減圧濾過により、銅粒子含有塩酸水溶液から塩酸水溶液を除去した。つづいて、濾別した銅粒子をイソプロパノール440gに投入し、30℃で15分間攪拌した。撹拌後、減圧濾過により、銅粒子含有イソプロパノールからイソプロパノールを除去し、濾別した銅粒子を25℃で12時間減圧乾燥して、前処理実施銅粒子を得た。
なお、減圧濾過は、5C濾紙の桐山ロートをダイヤフラムポンプで減圧することで実施した。また、減圧乾燥は、濾別した銅粒子を真空オーブン内に入れ、該オーブンをオイルポンプで減圧することで実施した。
測定器機種;日本分光(株)製 FT/IR-6100
測定方法:ATR法、分解;2cm−1、積算回数;80回
以下の装置を用い、銅ペースト組成物を硬化した銅硬化膜に対し、レーザーエッチングを行った。加工条件を調整し、基材に銅ペースト組成物の残渣が無く微細配線が形成可能であり、かつ最も基材ダメージの少ない条件にて加工した。
加工器機種;RICOH LA−1100[リコーインダストリアルソリューションズ(株)製]、使用レーザー;ファイバーレーザー(50ps〜1ns)、波長;1064nm
導電性は、次のようにして測定した抵抗値および体積抵抗率で評価した。
まず、基板上に膜厚6〜8μmの銅硬化膜を形成し、該銅硬化膜被覆基板を幅0.5mm×長さ8.0mmの試料板に裁断した。当該試料板の銅硬化膜をレーザーエッチング加工し、試料板に線幅0.02〜0.04mm×長さ5.0mmの銅配線を9本形成した。
デジタルマルチメータを用いてレーザーエッチング加工前の試料板上の銅硬化膜、および加工後の銅配線の抵抗値を測定した。さらに、該抵抗値から下記式(2)により体積抵抗率を計算した。
抵抗値、体積抵抗率が低いほど、電流が流れやすい、つまり導電性が高いことになる。
測定機種および測定条件を以下に示す。
測定器機種;デジタルマルチメータ PC720M[三和電気計器(株)製]
測定条件;2端子法
体積抵抗率;
[体積抵抗率(Ω・cm)]=[{膜厚(cm)}×{線幅(cm)}÷{長さ(cm)}]×[本数(−)]×[抵抗値(Ω)] (2)
なお、式(2)の線幅および長さは、加工前の銅硬化膜の場合は試料板の幅および長さであり、加工後の銅配線の場合は、線幅は1本の配線の幅であり、長さは1本の長さの5.0mmである。加工後の銅配線の抵抗値測定は、線幅0.02〜0.04mm、長さ5.0mmの銅配線9本の両端に、デジタルマルチテスターのプローブ(φ約1mm)を押し当て、9本まとめて導通させて行った。
<表面被覆銅粒子(A);(A1)の製造>
[工程1]
上記前処理した銅粒子1の200gを、水600g中に投入し、25℃で攪拌しながら窒素バブリングを30分間行った。該銅粒子含有水を60℃まで昇温した後、当該銅粒子含有水に50質量%のエチレンジアミン水溶液400gを30mL/分で滴下し、60℃を保持して40分間攪拌を行った。撹拌は、メカニカルスターラーを使用し、回転数150rpmで実施した。以下、撹拌は同様の撹拌装置を使用して同じ回転数で行った。
[工程2]
撹拌を止めて5分間静置した後、上澄み液約800gを抜き取って除去した。つづいて、沈殿物に洗浄用溶媒としてイソプロパノール800gを添加し、30℃で3分間攪拌を行った。撹拌を止めて5分間静置した後、上澄み液約800gを抜き取って除去し、中間体1を得た。
[工程3]
中間体1に2質量%のミリスチン酸のイソプロパノール溶液1000gを添加した後、30℃で30分間攪拌を行った。
[工程4]
攪拌停止後、減圧ろ過によりミリスチン酸のイソプロパノール溶液を除去し、中間体2を得た。減圧濾過は、5C濾紙の桐山ロートをダイヤフラムポンプで減圧することで実施した。
[工程5]
中間体2を25℃で3時間減圧乾燥することにより表面被覆銅粒子(A1)を得た。減圧乾燥は、中間体2を真空オーブン内に入れ、該オーブンをオイルポンプで減圧することで実施した。
被覆に用いたエチレンジアミンを単独で測定した場合は、N−H変角振動のピークが1598cm−1に出現する(図2)のに対して、表面被覆銅粒子に観測されるN−H変角振動のピークは1576cm−1と低波数側にシフトしており、エチレンジアミンが銅粒子表面に配位して存在していることを示している。また、図1において、ミリスチン酸のC=O伸縮振動のピークが1700cm−1に観察されず、カルボン酸アニオン(−COO−)のピークが1400cm−1付近に観測されており、ミリスチン酸がアミン化合物と静電的な相互作用により結合して存在していることを示している。
IRスペクトルから、第1被覆層のエチレンジアミンおよび第2被覆層のミリスチン酸の両者とも化学結合により結合して各被覆層を形成していると判断できる。
(A1) 100g、バインダーとしてレゾール型フェノール樹脂の62.7質量%エチルカルビトール溶液[PL−5208、群栄化学工業(株)製] 27g[(B);フェノール樹脂17g、溶剤(D1);エチルカルビトール10g]、酸化防止剤(C)として1,4−フェニレンジアミン 1.4gを混合した。次に、プラネタリーミキサー[ARV−310、(株)シンキー製]を用いて、室温下、回転数1500rpmで30秒間撹拌し、1次混練を行った。
次に、3本ロールミル[EXAKT−M80S、(株)永瀬スクリーン印刷研究所製]を用いて、室温、ロール間距離5μmの条件下で5回通すことで、2次混練を行った。
ついで、2次混練で得られた混練物に、溶剤(D2)としてエチルカルビトールアセテート 2.6gを加え、プラネタリーミキサーを用いて、室温、真空条件下、回転数1000rpmで90秒間撹拌し脱泡混練することにより銅ペースト組成物を製造した。
実施例1の溶剤(D)は、上記(D1)と(D2)の混合溶剤である。また、銅ペースト組成物中の各成分の配合割合を表2に示す。ここで、(A1)+(B)+(C)+(D1)+(D2)が該銅ペースト組成物の全量であり、表中の(B)+(D1)および(D1)+(D2)の値は参考のために示したものである。
得られた銅ペースト組成物を、PETフィルム(ルミラーS10、膜厚125μm、東レ株式会社製)上に、メタルマスクを用いて、幅×長さ×厚み=1cm×3cm×30μmのパターンに塗布した。パターンを塗布したPETフィルムを120℃で30分間加熱することにより銅硬化膜を製造した。
得られた銅硬化膜被覆PETフィルムを、上記した加工前の寸法、「線幅0.5mm×長さ8.0mm」にカッターにより裁断して試料板を作製した。該試料板の膜厚は7.1μmであった。該試料板の銅硬化膜の抵抗値を上記デジタルマルチメータ PC720Mで測定した。さらに、式(2)により体積抵抗率を算出した。試料板の抵抗値および体積抵抗率をレーザーエッチングによる加工前の結果として表2に示す。また、該銅硬化膜表面の光学顕微鏡画像を図3に示す。
試料板の銅硬化膜を、上記RICOH LA−1100により、下記条件でレーザーエッチング加工して「ライン(L)+スペース(S)」が40μmの微細な銅配線を形成し、その抵抗値を上記デジタルマルチメータ PC720Mで測定した。さらに、式(2)により体積抵抗率を算出した。銅配線の抵抗値および体積抵抗率をレーザーエッチングによる加工後の結果として表2に示す。また、得られた銅配線表面の光学顕微鏡画像を図4に示す。図4から、L/S=30.2/9.8μmの良好な微細配線が得られていることが分かる。
(レーザーエッチング条件)
出力;4.3W
走査回数;2pass
走査速度;3000mm/s
加工ピッチ;40μm{ライン(L)幅+スペース(S)幅}
原料銅粒子として銅粒子2を用いた以外は実施例1と同様にして表面被覆銅粒子(A)である(A2)を製造した。
(A2)を用いた以外は実施例1と同様にして、銅硬化膜および銅配線を形成し、導電性を評価した。L/S=31.2/8.8μmの微細配線が得られた。結果を表2に示す。
原料銅粒子として銅粒子3を用いた以外は実施例1と同様にして表面被覆銅粒子(A)である(A3)を製造した。
(A3)を用いた以外は実施例1と同様にして、銅硬化膜および銅配線を形成し、導電性を評価した。L/S=30.5/9.5μmの微細配線が得られた。結果を表2に示す。
原料銅粒子として銅粒子4を用いた以外は実施例1と同様にして表面被覆銅粒子(CA1)を製造した。
(CA1)を用い、レーザーエッチング条件を次の通りとした以外は実施例1と同様にして銅硬化膜および銅配線を形成し、導電性を評価した。結果を表2に示す。また、得られた銅硬化膜の光学顕微鏡画像を図5に、銅配線表面の光学顕微鏡画像を図6に示す。
表2の抵抗値の「O.L.」は、装置の測定可能上限値6.0×106Ωを超えていることを示す。表2の体積抵抗率1.6×102超は、抵抗値として該上限値を用いて計算した値を超えていることを示す(以下同様)。
図6からL/S=23.4/16.6μmの配線が得られているが、配線の形状が荒く、実施例1と比較してレーザーエッチング加工性に劣ることが分かる。
出力;7.0W
走査回数;2pass
走査速度;2000mm/s
加工ピッチ;40μm{ライン(L)幅+スペース(S)幅}
原料銅粒子として銅粒子5を用いた以外は比較例1と同様にして表面被覆銅粒子(CA2)を製造した。
(CA2)を用いた以外は比較例1と同様にして銅硬化膜および銅配線を形成し、導電性を評価した。明瞭なL/Sを示す配線が得られなかった。結果を表2に示す。
表面被覆銅粒子の代わりに銅粒子1を前処理のみしたものを用いた以外は実施例1と同様にして銅硬化膜および銅配線を形成し、導電性を評価した。L/S=31.0/9.0μmの配線が得られた。結果を表2に示す。
一方、比較例1および2は、加工前の銅硬化膜の導電性は優れているが、加工後の導電性が極端に低下している。この原因としては、表面被覆銅粒子の粒子径が大きく、レーザーエッチング加工に必要なレーザーの出力を大きくせざるを得ないため、レーザー照射時に生じる熱によって表面被覆銅粒子が酸化してしまったことが考えられる。すなわち、比較例1および2はレーザーエッチング加工時の耐酸化性が極端に劣っている。
また、比較例3はレーザーエッチング加工前の段階で、抵抗値がO.L.となった。これは、銅粒子が表面被覆されていないので、硬化膜作成時の120℃加熱によって銅の酸化が進行したことが原因であると考えられる。
Claims (1)
- 表面被覆銅粒子(A)、フェノール樹脂(B)、フェニレンジアミン(C)、およびフェノール樹脂を溶解可能な溶剤(D)を含む銅ペースト組成物であり、
前記表面被覆銅粒子(A)用の表面被覆前の原料銅粒子は、その平均粒子径D50が0.5〜2μm、および前記原料銅粒子中の粒子径3μm以上の粒子の含有量が5質量%以下であり、
前記表面被覆銅粒子(A)は、前記原料銅粒子の表面の銅と化学結合および/または物理結合によって結合しているエチレンジアミンの第1被覆層と、該第1被覆層上に、エチレンジアミンと化学結合によって結合しているミリスチン酸の第2被覆層とを有し、
前記銅ペースト組成物は、前記表面被覆銅粒子(A)100質量部に対して、前記フェノール樹脂(B)10〜30質量部、フェニレンジアミン(C)0.1〜7.0質量部、および前記溶剤(D)1〜30質量部を含有する、
レーザーエッチング加工による配線形成用の銅ペースト組成物。
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