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JP6635259B2 - アクチノイド及び/又はレアアースの抽出方法 - Google Patents

アクチノイド及び/又はレアアースの抽出方法 Download PDF

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JP6635259B2 JP2015226443A JP2015226443A JP6635259B2 JP 6635259 B2 JP6635259 B2 JP 6635259B2 JP 2015226443 A JP2015226443 A JP 2015226443A JP 2015226443 A JP2015226443 A JP 2015226443A JP 6635259 B2 JP6635259 B2 JP 6635259B2
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Description

本発明は、アクチノイド及び/又はレアアースの抽出方法に関し、より詳しくはイミノ二酢酸ジアミド及びジグリコールアミドを用いたアクチノイド及び/又はレアアースの抽出方法に関する。
原子力分野では、高レベル放射性廃液中からアメリシウム(Am)やキュリウム(Cm)等のマイナーアクチノイド(MA)の長半減期核種を分離し、核変換する「分離・変換技術」の研究が進められている。分離・変換技術は、核廃棄物のガラス固化体の発生量を削減することができ、地層処分による環境への負荷を低減する観点からも非常に重要である。マイナーアクチノイドを核変換するためには、まず放射性廃液中に共存するアクチノイドとランタノイドを分離する必要があるが、例えばアメリシウム(Am)とレアアース(RE)は、同一の安定な原子価を有し、かつそのイオン半径が類似しているため、相互分離が困難となることが知られている。特に3価のMAと3価のREは、化学的性質が酷似しており、分離は非常に困難である。さらに、MA間の分離、AmとCmなどの原子番号が隣り合った元素の相互分離は、MAとREの分離以上に難しい。
また、レアアース(「希土類元素」とも呼ばれる。)は、微量添加することによって金属材料や半導体材料の機能や物性を飛躍的に高めることができるため、構造材、電子材料、磁性材料、機能性材料等に利用され、様々な工業製品において非常に重要な役割を果たしている。例えば、レアアースの添加によって耐熱性に優れた強力な磁石を製造できるため、モーターの小型軽量化や高性能化に貢献しているほか、蛍光体、研磨材、電子部品、自動車の排ガス触媒等にも利用されている。このようなレアアースは、特定の鉱石を採掘、製錬することによって生産されているが、レアアースを効率的に精製することができれば、これらの生産コストを低減する重要な技術となり得る。
水溶液に溶存した金属元素を抽出分離する方法としては、メチルイミノ−N,N−ビスジアルキルアセトアミドを用いる方法が提案されており、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、パラジウム(Pd)、テクネチウム(Tc)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の金属類を抽出分離することができることが報告されている(特許文献1及び2参照)。
特開2010−101641号公報 特開2014−025144号公報
本発明は、原子力分野や鉱工業分野で利用できるアクチノイドやレアアースの効率的な抽出方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、アクチノイド及び/又はレアアースを含む酸性水溶液を、特定のイミノ二酢酸ジアミド及び特定のジグリコールアミドの存在下で有機溶媒に接触させることにより、アクチノイド及び/又はレアアースを有機溶媒に溶解させて、効率良く抽出することができることを見出し、本発明を完成さ
せた。
即ち、本発明は以下の通りである。
<1> アクチノイド及び/又はレアアースを含む酸性水溶液を準備する準備工程、並びに下記一般式(A)で表されるイミノ二酢酸ジアミド及び下記一般式(B)で表されるジグリコールアミドの存在下、前記酸性水溶液と有機溶媒を接触させる液液接触工程を含むことを特徴とする、アクチノイド及び/又はレアアースの抽出方法。
Figure 0006635259

(式(A)中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を、R’は水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)
Figure 0006635259

(式(B)中、R”はそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)
<2> 前記酸性水溶液が、硝酸イオン(NO )を含む、<1>に記載のアクチノイド及び/又はレアアースの抽出方法。
<3> 前記酸性水溶液が、アクチノイド及びレアアースから選択される抽出対象金属元素とアクチノイド及びレアアースから選択される非抽出対象金属元素とを含み、前記抽出対象金属元素を抽出して、前記非抽出対象金属元素と分離する、<1>又は<2>に記載のアクチノイド及び/又はレアアースの抽出方法。
<4> 前記抽出対象金属元素が、ネオジウム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、ネプツニウム(Np)、及びアメリシウム(Am)からなる群より選択される少なくとも1種である、<3>に記載のアクチノイド及び/又はレアアースの抽出方法。
本発明によれば、アクチノイド及び/又はレアアースを効率良く抽出することができる。
3価のアメリシウムイオン(Am(III))及び3価のキュリウムイオン(Cm(III))の分配比(D)とイミノ二酢酸ジアミド濃度及びジグリコールアミド濃度との関係を表したグラフである。 3価のネオジムイオン(Nd(III))及び3価のサマリウムイオン(Sm(III))の分配比(D)とイミノ二酢酸ジアミド濃度及びジグリコールアミド濃度との関係を表したグラフである。 イミノ二酢酸ジアミド及びジグリコールアミドによる3価のランタノイドイオン(Ln(III))の分配比を表したグラフである。
本発明を説明するに当たり、具体例を挙げて説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限
り以下の内容に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
<アクチノイド及び/又はレアアースの抽出方法>
本発明の一態様であるアクチノイド及び/又はレアアースの抽出方法(以下、「本発明の抽出方法」と略す場合がある。)は、アクチノイド及び/又はレアアースを含む酸性水溶液を準備する準備工程(以下、「準備工程」と略す場合がある。)、並びに下記一般式(A)で表されるイミノ二酢酸ジアミド及び下記一般式(B)で表されるジグリコールアミドの存在下、前記酸性水溶液と有機溶媒を接触させる液液接触工程(以下、「液液接触工程」と略す場合がある。)を含むことを特徴とする。
Figure 0006635259

(式(A)中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を、R’は水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)
Figure 0006635259

(式(B)中、R”はそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)
本発明者らは、原子力分野や鉱工業分野で利用できるアクチノイドやレアアースの効率的な抽出方法を求めて検討を重ねた結果、アクチノイド及び/又はレアアースを含む酸性水溶液を、一般式(A)で表されるイミノ二酢酸ジアミド(以下、「イミノ二酢酸ジアミド」と略す場合がある。)及び一般式(B)で表されるジグリコールアミド(以下、「ジグリコールアミド」と略す場合がある。)の存在下で有機溶媒に接触させることにより、アクチノイド及び/又はレアアースを有機溶媒に溶解させて、効率良く抽出することができることを見出したのである。
イミノ二酢酸ジアミドとジグリコールアミドは、共に水に対しても有機溶媒に対しても親和性が高く、またアクチノイドやレアアースとの結合に非常に適した構造を有していると考えられる(イミノ二酢酸ジアミドはイミド基と2つのアミド基が、ジグリコールアミドはエーテル酸素と2つのアミド基が、アクチノイドやレアアースと結合に有効に作用するものと考えられる。)。そのため、水溶液と有機溶媒の液液接触によって、イミノ二酢酸ジアミドとジグリコールアミドが共にアクチノイドやレアアースと会合し、水溶液中のアクチノイドやレアアースが有機溶媒に可溶化して、抽出されるものと考えられる。
また、イミノ二酢酸ジアミドは、原子番号が小さいランタノイドに対して抽出率が高くなる一方、ジグリコールアミドは原子番号が大きいランタノイドに対しての抽出率が高くなる傾向にあり、イミノ二酢酸ジアミドとジグリコールアミドは抽出特性として逆の性質を示すことを本発明者らは見出している。そのため、逆の抽出特性を有する抽出剤のどちらか一方を水への溶解し、もう一方を有機溶媒に溶解して、これらを共に用いることで、金属元素間の分離を大幅に向上できるのである。例えば水への溶解性が高いジグリコールアミドと有機溶媒への溶解性が高いイミノ二酢酸ジアミドを採用することで、金属元素の分離性能を大幅に向上させることができる。特にアメリシウム(Am)とキュリウム(Cm)のように従来分離が困難であった金属元素同士を、効率的に抽出分離することが可能となり、高レベル放射性廃液の処理やレアアースの生産に応用することができるのである
。逆に、水への溶解性が高いイミノ二酢酸ジアミドと有機溶媒への溶解性が高いジグリコールアミドを採用することでも、金属元素の分離性能を向上させることも可能である。
なお、「アクチノイド」とは、アクチノイドに属する金属元素を、「レアアース」とは、レアアースに分類される金属元素を意味し、酸性水溶液や有機溶媒中の酸化数、状態等は特に限定されないものとする。
また、「一般式(A)で表されるイミノ二酢酸ジアミド及び一般式(B)で表されるジグリコールアミドの存在下」とは、酸性水溶液及び/又は有機溶媒中にイミノ二酢酸ジアミドとジグリコールアミドがそれぞれ存在していることを意味し、予め酸性水溶液や有機溶媒に含有させていても、或いは酸性水溶液と有機溶媒を接触させるときに別途イミノ二酢酸ジアミドとジグリコールアミドを添加するものであってもよいものとする。
本発明の抽出方法は、アクチノイド及び/又はレアアースの抽出方法であるが、抽出対象であるアクチノイド及びレアアースの具体的種類は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。
なお、アクチノイドは、具体的にはアクチニウム(Ac)、トリウム(Th)、プロトアクチニウム(Pa)、ウラン(U)、ネプツニウム(Np)、プルトニウム(Pu)、アメリシウム(Am)、キュリウム(Cm)、バークリウム(Bk)、カリホルニウム(Cf)、アインスタイニウム(Es)、フェルミウム(Fm)、メンデレビウム(Md)、ノーベリウム(No)、ローレンシウム(Lr)である。
また、レアアースは、具体的にはスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)である。
抽出対象としては、プルトニウム(Pu)、バークリウム(Bk)、カリホルニウム(Cf)、アインスタイニウム(Es)、フェルミウム(Fm)、メンデレビウム(Md)、ノーベリウム(No)、ローレンシウム(Lr)を除くアクチノイド、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)を除くレアアースが好ましく、アメリシウム(Am)、ネプツニウム(Np)、キュリウム(Cm)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)がより好ましく、アメリシウム(Am)、キュリウム(Cm)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)が特に好ましい。上記のものであると、特に効率良く抽出することができる。
なお、アクチノイド及びレアアースの酸化数は、通常1〜6価であり、それぞれの元素に応じた安定な酸化数を有しているが、3価、4価、5価が好ましく、3価が特に好ましい。
(準備工程)
準備工程は、アクチノイド及び/又はレアアースを含む酸性水溶液を準備する工程であるが、準備方法は特に限定されず、アクチノイド及び/又はレアアースを含む酸性水溶液を入手しても、或いはアクチノイド及び/又はレアアースを含む酸性水溶液を自ら調製してもよい。
また、アクチノイド及び/又はレアアースを含む酸性水溶液を自ら調製する場合の調製方法も特に限定されず、アクチノイド及び/又はレアアースを含む水溶液に酸を添加しても、或いはアクチノイド及び/又はレアアースを溶解させるために酸性水溶液とし、それにアクチノイド及び/又はレアアースを含んだものを添加してもよい。
酸性水溶液は、抽出対象金属元素であるアクチノイド及び/又はレアアースを含むもの
であれば、その他の元素を含むものであってもよい。その他の元素としては、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Pm)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテイウム(Lu)等の非抽出対象金属元素であるレアアース、アクチニウム(Ac)、トリウム(Th)、プロトアクチニウム(Pa)、ウラン(U)、プルトニウム(Pu)、バークリウム(Bk)、カリホルニウム(Cf)、アインスタイニウム(Es)、フェルミウム(Fm)、メンデレビウム(Md)、ノーベリウム(No)、ローレンシウム(Lr)等の非抽出対象金属元素であるアクチノイド、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)等の希土類元素、鉄(Fe)、クロム(Cr)等のアクチノイド及びレアアース以外の元素等が挙げられる。
酸性水溶液の水素イオン濃度は、通常抽抽出対象金属元素が抽出できる条件調製されるものであるが、具体的には0.001〜10Mの範囲であり、好ましくは3.0M以下、より好ましくは2.0M以下、さらに好ましくは1.5M以下であり、好ましくは0.01M以上、より好ましくは0.1M以上、さらに好ましくは1.0M以上である。
また、アメリシウム(Am)を抽出対象とする場合の酸性水溶液の水素イオン濃度は、好ましくは3.0M以下、より好ましくは2.0M以下、さらに好ましくは1.5M以下であり、好ましくは0.01M以上、より好ましくは0.1M以上、さらに好ましくは1.0M以上である。
また、ネオジム(Nd)を抽出対象とする場合の酸性水溶液の水素イオン濃度は、好ましくは3.0M以下、より好ましくは2.0M以下、さらに好ましくは1.5M以下であり、好ましくは0.01M以上、より好ましくは0.1M以上、さらに好ましくは1.0M以上である。
酸性水溶液に使用する酸の具体的種類は、特に限定されないが、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸が挙げられる。なお、塩酸を使用する場合、酸性水溶液は塩化物イオン(Cl)を含み、硫酸を使用する場合、酸性水溶液は硫酸イオン(SO 2−)を含み、硝酸を使用する場合、酸性水溶液は硝酸イオン(NO )を含むと表現することができる。この中でも硝酸を使用すること、即ち酸性水溶液は硝酸イオン(NO )を含むことが好ましい。
酸性水溶液の抽出対象であるアクチノイド及びレアアースの濃度は、通常0M(mol/dm)より大きく、0.3M以下の範囲であり、好ましくは0.2M以下、より好ましくは0.15M以下、さらに好ましくは0.1M以下である。上記範囲内であると、アクチノイド及び/又はレアアースをより効率良く抽出することができる。
(液液接触工程)
液液接触工程は、一般式(A)で表されるイミノ二酢酸ジアミド及び一般式(B)で表されるジグリコールアミドの存在下、酸性水溶液と有機溶媒を接触させる工程であるが、一般式(A)で表されるイミノ二酢酸ジアミドと一般式(B)で表されるジグリコールアミドの具体的種類は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。
Figure 0006635259

(式(A)中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を、R’は水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)
Rはそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を表しているが、「炭化水素基」は
、直鎖状の飽和炭化水素基に限られず、炭素−炭素不飽和結合、分岐構造、環状構造のそれぞれを有していてもよいことを意味する。
Rの炭素数は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、さらに好ましくは4以上、さらに好ましくは6以上であり、好ましくは18以下、より好ましくは15以下である。一方、水への溶解性が高いものとして使用する場合には、Rの炭素数は、好ましくは4以下、より好ましくは3以下、さらに好ましくは2以下である。
Rとしては、メチル基(−CH)、エチル基(−C)、n−プロピル基(−)、i−プロピル基(−)、n−ブチル基(−)、t−ブチル基(−)、n−ペンチル基(−11)、n−ヘキシル基(−13)、n−ヘプチル基(−15)、n−オクチル基(−17)、2−エチルヘキシル基(−CHCH(C)C)、2,2−ジメチルへキシル基(−CHC(C)、n−ノニル基(−19)、n−デシル基(−1021)、n−ウンデシル基(−1123)、n−ドデシル基(−1225)、n−トリデシル基(−1327)、n−テトラデシル基(−1429)、n−ペンタデシル基(−1531)、n−ヘキサデシル基(−1633)、シクロへキシル基(−11)、フェニル基(−C)、ナフチル基(−C10)等が挙げられる。
R’は水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表しているが、「炭化水素基」は、Rと同様に、直鎖状の飽和炭化水素基に限られず、炭素−炭素不飽和結合、分岐構造、環状構造のそれぞれを有していてもよいことを意味する。また、R’が炭化水素基である場合の炭素数は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上であり、好ましくは15以下、より好ましくは12以下である。
R’としては、水素原子、メチル基(−CH)、エチル基(−C)、n−プロピル基(−)、i−プロピル基(−)、n−ブチル基(−)、t−ブチル基(−)、n−ペンチル基(−11)、n−ヘキシル基(−13)、n−ヘプチル基(−15)、n−オクチル基(−17)、2−エチルヘキシル基(−CHCH(C)C)、2,2−ジメチルへキシル基(−CHC(C)、n−ノニル基(−19)、n−デシル基(−1021)、n−ウンデシル基(−1123)、n−ドデシル基(−1225)、n−トリデシル基(−1327)、n−テトラデシル基(−1429)、n−ペンタデシル基(−1531)、n−ヘキサデシル基(−1633)、シクロへキシル基(−11)、フェニル基(−C)、ナフチル基(−C10)等が挙げられる。
一般式(A)で表されるイミノ二酢酸ジアミドとしては、下記式で表されるものが挙げられる。
Figure 0006635259
Figure 0006635259

(式(B)中、R”はそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)
R”はそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を表しているが、「炭化水素基」は、Rと同様に、直鎖状の飽和炭化水素基に限られず、炭素−炭素不飽和結合、分岐構造、環状構造のそれぞれを有していてもよいことを意味する。
R”の炭素数は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、さらに好ましくは4以上、さらに好ましくは6以上であり、好ましくは18以下、より好ましくは15以下である。一方、水への溶解性が高いものとして使用する場合には、Rの炭素数は、好ましくは4以下、より好ましくは3以下、さらに好ましくは2以下である。
R”としては、メチル基(−CH)、エチル基(−C)、n−プロピル基(−)、i−プロピル基(−)、n−ブチル基(−)、t−ブチル基(−)、n−ペンチル基(−11)、n−ヘキシル基(−13)、n−ヘプチル基(−15)、n−オクチル基(−17)、2−エチルヘキシル基(−CHCH(C)C)、2,2−ジメチルへキシル基(−CHC(C)、n−ノニル基(−19)、n−デシル基(−1021)、n−ウンデシル基(−1123)、n−ドデシル基(−1225)、n−トリデシル基(−1327)、n−テトラデシル基(−1429)、n−ペンタデシル基(−1531)、n−ヘキサデシル基(−1633)、シクロへキシル基(−11)、フェニル基(−C)、ナフチル基(−C10)等が挙げられる。
一般式(B)で表されるジグリコールアミドとしては、下記式で表されるものが挙げられる。
Figure 0006635259
一般式(A)で表されるイミノ二酢酸ジアミドの使用量(存在量)は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒の容積を基準(有機溶媒に溶解している場合の濃度)とした場合、通常0.001〜2M(mol/dm)の範囲であり、好ましくは0.01M以上、より好ましくは0.05M以上、さらに好ましくは0.1M以上であり、好ましくは1.5M以下、より好ましくは1M以下、さらに好ましくは0.6M以下である。上記範囲内であると、アクチノイド及び/又はレアアースをより効率良く抽出することができる。
一般式(B)で表されるジグリコールアミドの使用量(存在量)は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒の容積を基準(有機溶媒に溶解している場合の濃度)とした場合、通常0.0001〜2M(mol/dm)の範囲であり、好ましくは0.0005M以上、より好ましくは0.001M以上、さらに好ましくは0.01M以上であり、好ましくは0.5M以下、より好ましくは0.1M以下、さらに好ましくは0.01M以下である。上記範囲内であると、アクチノイド及び/又はレアアースをより効率良く抽出することができる。
液液接触工程の操作手順は、特に限定されず、液液抽出に利用される公知の操作手順を適宜選択することができる。例えば、任意の容器に酸性水溶液と有機溶媒を投入し、振とう機等を用いて酸性水溶液と有機溶媒を十分に混合した後、遠心分離によって相分離させて、分液を行うことが挙げられる。また、容器の代わりに向流抽出装置等の抽出装置や分液漏斗等の公知の抽出装置又は抽出器具を用いることもできる。
なお、酸性水溶液と有機溶媒を振とうする場合の振とう時間は、通常10秒以上、好ましくは20秒以上、より好ましくは30秒以上、さらに好ましくは60秒以上である。上記範囲内であると、アクチノイド及び/又はレアアースをより効率良く抽出することができる。
液液接触工程は、1回に限られず、接触と分液を複数回繰り返してもよい。液液接触工程の回数は、通常1回〜20回の範囲であり、好ましくは2回以上、より好ましくは3回以上、さらに好ましくは4回以上であり、好ましくは15回以下、より好ましくは10回以下、さらに好ましくは5回以下である。上記範囲内であると、アクチノイド及び/又はレアアースをより効率良く抽出することができる。
また、一般式(A)で表されるイミノ二酢酸ジアミド及び一般式(B)で表されるジグリコールアミドの存在下で酸性水溶液と有機溶媒を接触させる方法は、例えば下記の(a
)〜(c)の方法が挙げられる。
(a)一般式(A)で表されるイミノ二酢酸ジアミドを含む有機溶媒溶液を、容器内等で、一般式(B)で表されるジグリコールアミドを含む酸性水溶液と接触させる方法。
(b)一般式(A)で表されるイミノ二酢酸ジアミドを含む酸性水溶液を、容器内等で、又は一般式(B)で表されるジグリコールアミドを含む有機溶媒と接触させる方法。
(c)一般式(A)で表されるイミノ二酢酸ジアミドと一般式(B)で表されるジグリコールアミドと酸性水溶液と有機溶媒をそれぞれ容器等に投入し、接触させる方法。
この中でも、より効率良く抽出することができることから、(a)、又は(b)が好ましく、さらには(a)が特に好ましい。
有機溶媒は、特に限定されず、水との液液抽出に利用される公知のものを適宜選択することができる。具体的には、n−ヘキサン、n−ドデカン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル系溶媒、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。この中でも、疎水性が高いことから炭化水素系溶媒が好ましく、n−ドデカンが特に好ましい。
接触させる酸性水溶液と有機溶媒の容積比(酸性水溶液/有機溶媒)は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができるが、通常1/100〜100/1の範囲であり、好ましくは1/50以上、より好ましくは1/10以上、さらに好ましくは1/5以上であり、好ましくは50/1以下、より好ましくは10/1以下、さらに好ましくは5/1以下である。上記範囲内であると、アクチノイド及び/又はレアアースをより効率良く抽出することができる。
本発明の抽出方法は、前述の準備工程と液液接触工程を含むものであれば、その他の工程を含むものであってもよい。例えば、前記酸性水溶液と前記有機溶媒を分液する分液工程、有機溶媒を留去する溶媒留去工程等が挙げられる。
<アクチノイド及び/又はレアアースの分離方法>
前述のように、イミノ二酢酸ジアミドとジグリコールアミドは抽出特性として逆の性質を示すことから、特定の元素を選択的に抽出することも可能となる。従って、酸性水溶液にアクチノイド及びレアアースから選択される抽出対象金属元素とアクチノイド及びレアアースから選択される非抽出対象金属元素が含まれる場合、抽出対象金属元素を抽出して、非抽出対象金属元素と分離することにも利用することができる。
なお、酸性水溶液が、アクチノイド及びレアアースから選択される抽出対象金属元素とアクチノイド及びレアアースから選択される非抽出対象金属元素とを含み、抽出対象金属元素を抽出して、非抽出対象金属元素と分離する態様は、本発明の抽出方法の好ましい態様の1つである。かかる態様は、言い換えれば下記のように表現することができる。
アクチノイド及びレアアースから選択される抽出対象金属元素とアクチノイド及びレアアースから選択される非抽出対象金属元素とを含む酸性水溶液を準備する準備工程、並びに下記一般式(A)で表されるイミノ二酢酸ジアミド及びジグリコールアミドの存在下、前記酸性水溶液と有機溶媒を接触させて、抽出対象金属元素を抽出して、非抽出対象金属元素と分離する液液接触工程を含むことを特徴とする、アクチノイド及び/又はレアアースの分離方法。
Figure 0006635259

(式(A)中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を、R’は水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)
Figure 0006635259

(式(B)中、R”はそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)
抽出対象金属元素としては、ネオジウム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、ネプツニウム(Np)、アメリシウム(Am)等が挙げられる。
非抽出対象金属元素としては、ネオジウム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、及びガドリニウム(Gd)等が挙げられる。
抽出対象金属元素と非抽出対象金属元素の組合せとしては、レアアースとアメリシウム(Am)、レアアースとキリュウム(Cm)が好ましく、サマリウム(Sm)とアメリシウム(Am)、ユウロピウム(Eu)とアメリシウム(Am)、ガドリニウム(Gd)とアメリシウム(Am)、サマリウム(Sm)とキュリウム(Cm)、ユウロピウム(Eu)とキュリウム(Cm)、ガドリニウム(Gd)とキュリウム(Cm)、アメリシウム(Am)とキュリウム(Cm)、ユウロピウム(Eu)とガドリニウム(Gd)が好ましい。
ネプツニウム(Np)、アメリシウム(Am)、キリュウム(Cm)等のアクチノイドとサマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)等のレアアースの分離は、従来非常に困難であったが、本発明の抽出方法を活用することにより、効率的に分離することができる。また、アメリシウム(Am)とキュリウム(Cm)のようなアクチノイド同士の分離、ユウロピウム(Eu)とガドリニウム(Gd)のようなレアアース同士の分離にも本発明の抽出方法を活用することができる。アメリシウム(Am)とキュリウム(Cm)の分離、ネオジム(Nd)とサマリウム(Sm)の分離は、特に困難であるが、これらの元素の分配比(後述の実施例1、及び実施例2を参照。)に差が出る、即ちこれらの元素同士について十分な分離係数(後述の実施例1、及び実施例2を参照。)が得られることを本発明者らは明らかとしている。特に分配比と分離係数が高くなるように、抽出装置、有機溶媒、添加剤等を選択することによって、これらを効率良く抽出分離することができるのである。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1:アメリシウムとキュリウムの抽出分離(分配比のジグリコールアミド濃度依存性)>
トレーサー量(約10ppb)の3価のアメリシウムイオン(Am(III))と3価のキュリウムイオン(Cm(III))、及び下記式(B−1)で表されるジグリコールアミドをそれぞれ所定の濃度(0.1〜10mM)を含んだ1.5Mの硝酸水溶液と、下記式(A−1)で表されるイミノ二酢酸ジアミドをそれぞれ所定の濃度(0.75M)含んだn−ドデカン溶液をそれぞれ準備した。なお、硝酸として多摩化学工業株式会社製の超高純度分析用試薬TAMAPURE−AA−100を、希釈水として超純水製造装置(
Milli−Q Merck Millipore社製)を用いて調製した超純水を、n−ドデカンとして和光純薬株式会社製の特級試薬を用いた。
Figure 0006635259

準備した硝酸水溶液とn−ドデカン溶液を等量(容積比)容器に投入し、振とう機(YS−8D 株式会社ヤヨイ社製)を用いて、25℃±1℃で20分間振とうした。その後、5分間遠心分離(CN−820 アズワン株式会社製)を行って相分離させ、水相と有機相からそれぞれ溶液をサンプリングし、溶液からのα線をシリコン半導体検出器ゲルマニウム半導体検出器(GCD−20180 BSI社製)により計測して、Am(III)とCm(III)の濃度をそれぞれ定量した。得られた値からAm(III)とCm(III)の分配比(D)を算出し、その値とジグリコールアミド濃度との関係をグラフにまとめた。結果を図1に示す。なお、分離比(D)、分離係数(SFAm/Cm)は、下記式により算出することができる。
Figure 0006635259

図1の結果から、Am(III)とCm(III)の分離比は、何れもジグリコールアミド濃度の増加に伴って増加している。また、Am(III)とCm(III)の分離係数(SFAm/Cm)は40以上となり、Am(III)とCm(III)の分離が可能であることが明らかである。
<実施例2:ネオジムとサマリウムの抽出分離(分配比のジグリコールアミド濃度依存性)>
1ppmの3価のネオジムイオン(Nd(III))と1ppmの3価のサマリウムイオン(Sm(III))、及び式(B−1)で表されるジグリコールアミドをそれぞれ所定の濃度(0.1〜10mM)を含んだ1.5Mの硝酸水溶液と、式(A−1)で表されるイミノ二酢酸ジアミドをそれぞれ所定の濃度(0.75M)含んだn−ドデカン溶液をそれぞれ準備した。なお、硝酸として多摩化学工業株式会社製の超高純度分析用試薬TAMAPURE−AA−100を、希釈水として超純水製造装置(Milli−Q Merck Millipore社製)を用いて調製した超純水を、n−ドデカンとして和光純薬株式会社製の特級試薬を用いた。
準備した硝酸水溶液とn−ドデカン溶液を等量(容積比)容器に投入し、振とう機(Y
S−8D 株式会社ヤヨイ社製)を用いて、25℃±1℃で20分間振とうした。その後、5分間遠心分離(CN−820 アズワン株式会社製)を行って相分離させ、有機相中の金属イオンは0.01Mの硝酸で逆抽出した。水相と逆抽出後の水相からそれぞれ溶液をサンプリングし、誘導結合プラズマ質量分析装置:ICP−MS(Agilent7500 アジレント・テクノロジー株式会社)により計測して、Nd(III)とSm(III)の濃度をそれぞれ定量した。得られた値からNd(III)とSm(III)の分配比(D)を算出し、その値とジグリコールアミド濃度との関係を図2に示す。なお、分離比(D)、分離係数(SFNd/Eu)は、下記式により算出することができる。
Figure 0006635259

図2の結果から、Nd(III)とSm(III)の分離比は、ジグリコールアミド濃度の増加に伴って増加している。また、Nd(III)とSm(III)の分離係数(SFNd/Sm)は86以上となり、Nd(III)とSm(III)の分離が可能であることは明らかである。
<実施例3:ランタノイドの抽出>
3価のランタノイドイオン(Ln(III))を所定の濃度(1ppm)含んだ1.5Mの硝酸水溶液と、式(A−1)で表されるイミノ二酢酸ジアミドを0.5M含んだn−ドデカン溶液をそれぞれ準備した。また、別に3価のランタノイドイオン(Ln(III))を所定の濃度(1ppm)含んだ0.5Mの硝酸水溶液と、下記式(B−2)で表されるテトラドデシルジグリコールアミド(TDdDGA)を0.1M含んだn−ドデカン溶液をそれぞれ準備した。
Figure 0006635259

準備した硝酸水溶液とn−ドデカン溶液を等量(容積比)容器にそれぞれ投入し、振とう機を用いて、25℃±1℃で20分間振とうした。その後、5分間遠心分離を行って相分離させ、有機相の溶液をサンプリングし、ICP−MS(Agilent7500 アジレント・テクノロジー株式会社)によりLn(III)の濃度を定量した。得られた値からNd(III)とEu(III)の分配比(D)を算出し、Ln(III)と原子番号の関係をグラフにまとめた。結果を図3に示す。
図3の結果から、イミノ二酢酸ジアミドは原子番号の小さいランタノイドイオン(Ln(III))、すなわち原子量の小さい、軽ランタノイドイオン(Ln(III))をよく抽出することがわかった。一方、テトラドデシルジグリコールアミド(TDdDGA)は原子番号の大きいランタノイドイオン(Ln(III))、すなわち原子量の大きい、重ランタノイドイオン(Ln(III))をよく抽出することがわかった。ドデシル基以
外のアルキル鎖を持つジグリコールアミド(DGA)もテトラドデシルジグリコールアミド(TDdDGA)と同様に重ランタノイドイオン(Ln(III))をよく抽出する。
イミノ二酢酸ジアミドとジグリコールアミド(DGA)は、逆のランタノイドイオン(Ln(III))に対する抽出特性を持つことが明らかとなった。
本発明の抽出方法によれば、放射性廃液中に共存するアクチノイドとランタノイドを抽出することができる。また、例えばアメリシウム(Am)とランタノイド、特に相互分離が困難な3価のアメリシウム(Am)と3価のユウロピウム(Eu)を効率的に分離することも可能となる。さらに、より相互分離が困難な3価のアメリシウム(Am)と3価のキュリウム(Cm)を効率的に分離することや、3価のプラセオジム(Pr)と3価のネオジム(Nd)を効率的に分離することも可能となる。本発明は、希土類元素(レアアース)の1種であるランタノイドの生産に応用することができる。

Claims (4)

  1. アクチノイド及び/又はレアアースを含む酸性水溶液を準備する準備工程、並びに下記一般式(A)で表されるイミノ二酢酸ジアミド及び下記一般式(B)で表されるジグリコールアミドの存在下、前記酸性水溶液と有機溶媒を接触させる液液接触工程を含むことを特徴とする、アクチノイド及び/又はレアアースの抽出方法。
    Figure 0006635259

    (式(A)中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を、R’は水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)
    Figure 0006635259

    (式(B)中、R”はそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)
  2. 前記酸性水溶液が、硝酸イオン(NO )を含む、請求項1に記載のアクチノイド及び/又はレアアースの抽出方法。
  3. 前記酸性水溶液が、アクチノイド及びレアアースから選択される抽出対象金属元素とアクチノイド及びレアアースから選択される非抽出対象金属元素とを含み、前記抽出対象金属元素を抽出して、前記非抽出対象金属元素と分離する、請求項1又は2に記載のアクチノイド及び/又はレアアースの抽出方法。
  4. 前記抽出対象金属元素が、ネオジウム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、ネプツニウム(Np)、及びアメリシウム(Am)からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項3に記載のアクチノイド及び/又はレアアースの抽出方法。
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