JP6587059B2 - 吸収性物品の伸縮構造、及びパンツタイプ使い捨ておむつ - Google Patents
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<第1の態様>
伸縮方向及びこれと直交する直交方向に延びる2枚のシート層と、これらシート層の間に前記直交方向に間隔を空けて配置された、伸縮方向に沿って延びる複数本の細長状の弾性伸縮部材とを有し、
前記弾性伸縮部材は、前記伸縮方向の両端部が前記2枚のシート層に固定された固定端部とされ、これら固定端部の間は前記2枚のシート層に非固定の自由部とされており、
前記直交方向に隣接する前記自由部の間の領域として定まる自由部間領域に、前記2枚のシート層が接合されたシート接合部を有している、吸収性物品の伸縮構造において、
前記弾性伸縮部材の収縮に伴い前記2枚のシート層が収縮した状態では、前記2枚のシート層が互いに沿うような波状をなす、
ことを特徴とする吸収性物品の伸縮構造。
本発明者は、多種多様な伸縮構造を実験する中で、自然長状態で、2枚のシート層が互いに沿うような波状をなすと、その表裏両面に形成される襞の手触りが柔軟になることに気が付いた。
前記シート接合部は、前記自由部間領域のそれぞれに、前記伸縮方向及び前記直交方向に間隔を空けて多数形成されており、
前記自由部間領域における前記直交方向の両側に向かうにつれて段階的に、前記シート接合部の面積率が低くなる、第1の態様の吸収性物品の伸縮構造。
自由部間領域では、直交方向の中央に近づくほど2枚のシート層の自由度が高くなるため、シート接合部の面積率(単位面積当たりのシート接合部の面積の割合)を高くし、2枚のシート層の一体性を高めると、2枚のシート層の互いに沿う状態が崩れにくくなるため好ましい。一方、自由部間領域における直交方向の両側(つまり弾性伸縮部材に近い側)では、弾性伸縮部材が2枚のシート層の近接を阻害するため、各シート層がこの弾性伸縮部材による阻害作用を吸収して互いに沿う状態となるように個々に変形(収縮や曲り)するためには、シート接合部の面積率を低くし、各シート層の自由度を高めることが望ましい。
展開状態で、前記自由部間領域における前記直交方向の少なくとも両端部に、前記自由部間領域の幅方向全体にわたりシート接合部を有しない無シート接合領域が連続する、第1又は2の態様の吸収性物品の伸縮構造。
本態様のように構成すると、弾性伸縮部材の自由部が、シート接合部を有する領域までは前後方向(伸縮方向と直交する方向)に自由に移動可能となり、フィット性に優れた伸縮構造となる。
前記弾性伸縮部材が前記直交方向に間隔空けて3本以上設けられており、前記自由部間領域が前記直交方向に複数隣接して設けられており、
前記自由部間領域のそれぞれに前記シート接合部が前記伸縮方向に間欠的に形成され、前記直交方向に隣接する一対の前記自由部間領域に位置する前記シート接合部の群の一部又は全部が前記伸縮方向に実質的に連続されている、
第1〜3のいずれか1つの態様の吸収性物品の伸縮構造。
本吸収性物品の伸縮構造では、2枚のシート層が互いに沿うような波状をなす限り、シート接合部のパターンは特に限定されるものではないが、本項記載のように、自由部間領域のそれぞれにおいては伸縮方向に間欠とし、隣接する一対の自由部間領域においては伸縮方向に実質的に連続されていると、シート接合部の実質的連続部分の数を減らして柔軟性に優れたものとすることができる。
前記弾性伸縮部材が前記直交方向に間隔空けて3本以上設けられており、前記自由部間領域が前記直交方向に複数隣接して設けられており、
前記自由部間領域の各々に、前記シート接合部が形成されている、第1〜4のいずれか1つの態様の吸収性物品の伸縮構造。
弾性伸縮部材が前記直交方向に間隔空けて3本以上設けられる場合、直交方向に隣接する自由部間領域の全てにシート接合部を形成しなくても良いが、弾性伸縮部材の自由部は直交方向に移動可能であるため、隣接する弾性伸縮部材の自由部が接触して円滑な伸縮が阻害されたり、2本の弾性伸縮部材が揃った状態で肌に当たると跡付きしやすくなるおそれがある。また、シート接合部同士の間隔が広くなりすぎると2枚のシート層が互いに沿いにくくなる。よって、本項記載のように構成することが好ましい。
前身頃及び後身頃を構成する外装体と、この外装体の内側に取り付けられた、吸収体を含む内装体とを備え、前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されてサイドシール部を有しており、このサイドシール部を有する縦方向範囲が環状の胴周り部となっており、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部を有している、パンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
第1〜5のいずれか1つの態様の吸収性物品の伸縮構造が、前記外装体における少なくとも内装体の幅方向両側を含む領域に、前記伸縮方向が幅方向となるように設けられた、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
前述の伸縮構造は、このようにパンツタイプ使い捨ておむつの外装体における少なくとも内装体の幅方向両側に位置する領域に好適なものである。
図1〜図6は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例を示している。断面図における点模様部分はその表側及び裏側に位置する各構成部材を接合する接合手段としての接着剤を示しており、ホットメルト接着剤などのベタ、ビード、カーテン、サミット若しくはスパイラル塗布などにより、また弾性伸縮部材の固定部分はこれに代えて又はこれとともにコームガンやシュアラップ塗布などの弾性伸縮部材の外周面への塗布により形成されるものである。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による固定手段を用いることもできる。
外装体12F,12Bは、前身頃Fを構成する部分である前側外装体12Fと、後身頃Bを構成する部分である後側外装体12Bとからなり、前側外装体12F及び後側外装体12Bは脚側で連続しておらず、離間されている。この離間距離12dは150〜250mm程度とすることができる。図示しないが、この離間部分における内装体200の裏面の露出部分の一部(例えば前側外装体12Fと後側外装体12Bとの間に露出する部分の前後方向全体にわたるが、内装体200の前後端まで延びず、また幅方向両側縁も内装体200の両側縁までは達しない程度)又は全体を覆うように、不織布等からなる股間部カバーシートを貼り付けることもできる。また、図9及び図10に示すように、外装体12が、前身頃Fから後身頃Bにかけて股間を通り連続する一体的なものとすることもできる。つまり、前身頃F及び後身頃Bを個別に構成する外装体12F,12Bが前者の形態に相当し、前身頃F及び後身頃Bを一体的に構成する外装体12が後者の形態に相当する。
図2、図9及び図11〜図14等に示すように、連続伸縮領域A3及び間欠伸縮領域A2における弾性伸縮部材19は、その幅方向両端部が外側シート層12S及び内側シート層12Hに固定されてなる固定端部19fとされるとともに、これら固定端部19fの間の部分は外側シート層12S及び内側シート層12Hに非固定の自由部19mとされている。この弾性伸縮部材19の自由部19mは、幅方向に自由に伸縮し、かつ後述するシート接合部20の間の空間内で前後方向(伸縮方向と直交する方向)に自由に移動可能とされている。つまり、図示形態のように、外装体12F,12Bにおける内装体200と重なる部分の一部又は全部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けられている弾性伸縮部材19の場合には、幅方向両側の各弾性伸縮部材19の両端部が固定端部19fとされ、外装体12F,12Bの幅方向全体にわたり連続する弾性伸縮部材19の場合には、弾性伸縮部材19における外装体12F,12Bの幅方向両端部に位置する部分が固定端部19fとされる。
図2、図5及び図11に示すように、前後方向に隣接する弾性伸縮部材19の自由部19mの間の領域として定まる自由部間領域FA(図11のハッチングを付した領域。他の図では省略。)では、外側シート層12S及び内側シート層12Hが接合されることによりシート接合部20が形成されており、図16に示すように、自然長状態を含め、弾性伸縮部材19の収縮に伴い2枚のシート層12S,12Hが収縮した状態では、2枚のシート層12S,12Hが互いに沿うような波状をなして表裏両面に襞80が形成される。図16(d)に二点鎖線で示された部分は、実線で示された部分の襞80に隣接する反対向きの襞80を形成する部分である。
・シート接合部の幅方向最大長さ20x:0.5〜5.0mm
・シート接合部の前後方向最大長さ20y:0.2〜2.0mm
・シート接合部の幅方向間隔20t:シート接合部の幅方向最大長さ20xの0.1〜0.9倍
・シート接合部の前後方向間隔20d:シート接合部の前後方向最大長さ20yの0.5〜1.5倍
・シート接合部の幅方向重なり幅20w:シート接合部の前後方向間隔20dの0.2倍以上
・自由部間領域におけるシート接合部を有する領域の前後方向長さ20z:1〜10mm
・隣接する自由部間領域におけるシート接合部の前後方向間隔20s:4〜20mm
他方、図24及び図28に示すように、一つ一つの自由部間領域FAにおけるシート接合部20の群を見ても、また前後方向に隣接する他の一つの自由部間領域FAのシート接合部20の群までを合わせてみても、幅方向に間欠的である(実質的に連続しない)形態とすることもできる。すなわち、この形態であっても、シート接合部20が幅方向に連続しない部分が十分に小さく、かつその幅方向両側に、幅方向に実質的に連続する部分を十分に長く形成すると、全体としての2枚のシート層12S,12Hの一体性が高いため、前者の部分においても後者の部分との連続性を保つように変形し、結果的に図16に示す形態と同様に2枚のシート層12S,12Hは互いに沿う波状をなすようになる。
非伸縮領域A1は、内側シート層12Hと外側シート層12Sとの間に弾性伸縮部材19を供給し、間欠伸縮領域A2とする領域の端部で弾性伸縮部材19の固定端部19fのみホットメルト接着剤により固定した後、非伸縮領域A1とする領域において、弾性伸縮部材19を幅方向中間の1か所又は複数か所で加圧及び加熱により切断するか、又は弾性伸縮部材15,16,19のほぼ全体を加圧及び加熱により細かく切断し、間欠伸縮領域A2に伸縮性を残しつつ非伸縮領域A1では伸縮性を殺すことにより構築することができる。
非伸縮領域A1にはシート接合部20を設けなくても良いが、外側シート層12Sが内側シート層12Hに対してずれたり、浮いたりするのは好ましくないため、シート接合部20を設けるのが好ましい。非伸縮領域のシート接合部20は、2枚のシート層12S,12Hが接合される限り特に限定されるものではないが、図2、図6、図20等に示すように、非伸縮領域A1では、不要弾性伸縮部材70は2枚のシート層12S,12Hに対して非固定とされるとともに、不要弾性伸縮部材70の前後方向両側で、幅方向に実質的に連続するシート接合部20により2枚のシート層12S,12Hが接合されていると好ましい。このように、不要弾性伸縮部材70が2枚のシート層12S,12Hに対して非固定とされていると、不要弾性伸縮部材70の収縮力が2枚のシート層12S,12Hに対して完全に作用しない状態とすることができる。さらに、非伸縮領域A1では、不要弾性伸縮部材70の前後方向両側で、幅方向に実質的に連続するシート接合部20により2枚のシート層12S,12Hが接合されており、不要弾性伸縮部材70の前後方向の移動はその前後両側に位置するシート接合部20間に限られるため、見栄えが悪化するような大きな移動は防止される。もちろん、非伸縮領域A1における不要弾性伸縮部材70は2枚のシート層12S,12Hに対してホットメルト接着剤により固定しても良い。図20(a)(b)のように弾性伸縮部材19を幅方向中間の1か所(または複数か所)で切断する場合は、接着力が低くなるようにホットメルト接着剤の塗布量等を調整する。図20(c)のように弾性伸縮部材19を細かく切断する場合は、接着力が高くても非伸縮領域A1の伸縮性をほぼ殺すことができる。
内装体200の形状、構造は特に限定されず、例えば以下に述べる形状、構造を採用することができる。内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、装着者の肌側となる液透過性トップシート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、トップシート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、トップシート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシートとも呼ばれる)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体の吸収面の幅方向両側に沿って延在された、装着者の脚周りに向かって立ち上がる部分である脚周りギャザー60を示している。
トップシート30は、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシート等、液透過性素材であれば特に限定無く利用できるが、図3及び図4に示す形態のようにトップシート30が脚周りギャザー60の液不透過性シート64の被覆材を兼ねる場合には不織布が用いられる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
図7及び図8に示す形態のように、トップシート30の裏側に、トップシートより親水性に優れる中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、吸収した液の吸収体からの逆戻り現象を防止し、トップシート30上のさらっとした肌触りを確保するためのものである。中間シート40は省略することもできる。
吸収体56の裏側に設けられる液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムを例示することができる。液不透過性シート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、2.54cm当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下のものが望ましく、また、180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等の液透過性素材を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜20g/m2、特に8〜15g/m2のものが望ましい。
脚周りギャザー60は、内装体200の吸収面の幅方向両側に沿って延在された、装着者の脚周りに向かって立ち上がる部分であり、トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。
下記例1及び例2のサンプルを作製し、30名の被験者によりどちらが自然長状態での手触りが柔軟であるかを評価した。
ポリピロピレン繊維のスパンボンド不織布(繊度2.2dtex、目付け15g/m2)をMD方向100mm×CD方向100mmの寸法で2枚用意した。一方のシート層におけるMD方向の両端部上に10g/m2の塗布量でホットメルト接着剤を塗布するとともに、その上に、270%の伸長率に伸長した太さ470dtexの糸ゴムをCD方向に5mmの間隔19dを空けて平行に配置し、更にその上に他方のシート層をMD方向及びCD方向を合わせて重ねた後、隣接する弾性伸縮部材の間の部位でMD方向に実質的に連続するパターン(図12に示されるパターン)で超音波シールを行い、2枚のシート層を接合し、MD方向を伸縮方向とし、かつCD方向を伸縮方向に直交する直交方向とする伸縮シートサンプルを作製した。シート接合部の寸法、間隔は以下のとおりとした。
・シート接合部の伸縮方向最大長さ20x:1.57mm
・シート接合部の直交方向最大長さ20y:0.70mm
・シート接合部の伸縮方向間隔20t:1.23mm(シート接合部の伸縮方向最大長さ20xの0.78倍)
・シート接合部の直交方向間隔20d:0.70mm(シート接合部の直交方向最大長さ20yの1.0倍)
・シート接合部の伸縮方向重なり幅20w:0.17mm(シート接合部の直交方向間隔20dの0.24倍)
・自由部間領域におけるシート接合部を有する領域の直交方向長さ20z:1.25mm
・隣接する自由部間領域におけるシート接合部の直交方向間隔20s:6.75mm
超音波シールのパターンを図17に示されるパターンとした以外は例1と同様とし、シート接合部20の寸法、間隔は以下のとおりとした。
・個々のシート接合部の寸法(伸縮方向20x×直交方向20y):0.8mm×5.0mm
・シート接合部の伸縮方向間隔20r:8.0mm
・シート接合部の直交方向間隔20v:3.0mm
例1の方が例2よりも柔軟であると感じた被験者数は30名中30名であった。
(a)2枚のシート層12S,12Hの素材は適宜定めることができるが、伸縮方向の剛軟度が、伸縮方向と直交する方向の剛軟度よりも高いと、襞80の頂部が緩やかに曲がりやすくなるため好ましい。
(b)図示形態のように、前後方向に隣接する弾性伸縮部材19の間の部位の各々に、シート接合部20が形成されていると好ましいが、複数本置きにシート接合部20が形成されていても良い。つまり、前後方向に隣接するシート接合部20間には弾性伸縮部材19を一本のみ配置することが望ましいが、複数本配置しても良い。
(c)前後方向に隣接する弾性伸縮部材19の間に設けられるシート接合部20の本数(実質的に連続する部分を一本とする)は、図示形態のように一本とする他、図13に示すように複数本とすることもできる。
(d)図示形態では、外装体12F,12Bの幅方向の伸縮構造の全体に本発明を適用しているが、一部のみ本発明を適用し、残り(例えばウエスト部のみ)については、弾性伸縮部材19の幅方向全体にわたり弾性伸縮部材19の外周面にのみホットメルト接着剤を塗布して2枚のシート層12S,12H間に固定する等、公知の伸縮構造とすることができる。また、前側外装体12F及び後側外装体12Bのいずれか一方のみ本発明を適用することもできる。
(e)上述の本発明の伸縮構造は、パンツタイプ使い捨ておむつだけでなく、テープタイプ使い捨ておむつの胴周りやファスニングテープ、吸収性物品全般に汎用されている立体ギャザー、平面ギャザー等、他の伸縮部にも適用することができる。
明細書中で以下の用語が使用される場合、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後(縦)方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味する。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディー圧縮試験機)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・吸水量は、JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・「吸水速度」は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・「剛軟度」は、JIS L 1096:2010「織物及び編物の生地試験方法」の「8.21.1 A法(45°カンチレバー法)」を意味する。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内で行うものとする。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
Claims (6)
- 伸縮方向及びこれと直交する直交方向に延びる2枚のシート層と、これらシート層の間に前記直交方向に間隔を空けて配置された、伸縮方向に沿って延びる複数本の細長状の弾性伸縮部材とを有し、
前記弾性伸縮部材は、前記伸縮方向の両端部が前記2枚のシート層に固定された固定端部とされ、これら固定端部の間は前記2枚のシート層に非固定の自由部とされており、
前記直交方向に隣接する前記自由部の間の領域として定まる自由部間領域に、前記2枚のシート層が接合されたシート接合部を有している、吸収性物品の伸縮構造において、
前記弾性伸縮部材の収縮に伴い前記2枚のシート層が収縮した状態では、前記2枚のシート層の一方の山と他方の山、及び一方の谷と他方の谷が互いに沿うような波状をなす、
ことを特徴とする吸収性物品の伸縮構造。 - 前記シート接合部は、前記自由部間領域のそれぞれに、前記伸縮方向及び前記直交方向に間隔を空けて多数形成されており、
前記自由部間領域における前記直交方向の両側に向かうにつれて段階的に、前記シート接合部の面積率が低くなる、請求項1記載の吸収性物品の伸縮構造。 - 展開状態で、前記自由部間領域における前記直交方向の少なくとも両端部に、前記自由部間領域の幅方向全体にわたりシート接合部を有しない無シート接合領域が連続する、請求項1又は2記載の吸収性物品の伸縮構造。
- 前記弾性伸縮部材が前記直交方向に間隔空けて3本以上設けられており、前記自由部間領域が前記直交方向に複数隣接して設けられており、
前記自由部間領域のそれぞれに前記シート接合部が前記伸縮方向に間欠的に形成され、前記直交方向に隣接する一対の前記自由部間領域に位置する前記シート接合部の群の一部又は全部が前記伸縮方向に実質的に連続されている、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品の伸縮構造。 - 前記弾性伸縮部材が前記直交方向に間隔空けて3本以上設けられており、前記自由部間領域が前記直交方向に複数隣接して設けられており、
前記自由部間領域の各々に、前記シート接合部が形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品の伸縮構造。 - 前身頃及び後身頃を構成する外装体と、この外装体の内側に取り付けられた、吸収体を含む内装体とを備え、前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されてサイドシール部を有しており、このサイドシール部を有する縦方向範囲が環状の胴周り部となっており、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部を有している、パンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品の伸縮構造が、前記外装体における少なくとも内装体の幅方向両側を含む領域に、前記伸縮方向が幅方向となるように設けら、
前記2枚のシート層のうち、一方が前記外装体の内面を構成し、他方が前記外装体の外面を構成する、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
Priority Applications (9)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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