JP6580374B2 - 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物の製造方法 - Google Patents
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まず、混合工程について説明する。この工程では、顔料、樹脂及び油成分を含む顔料分散組成物が調製される。まずは、各原料について説明する。
油成分は、樹脂を溶解させてワニスとしたり、インキ組成物の粘度を調節したりするために使用される。油成分としては、植物油及び/又は鉱物油を挙げることができ、これまでインキ組成物の調製に用いられてきたものを特に制限なく使用できる。
顔料は、インキ組成物に着色力を付与する着色顔料と、インキ組成物に粘弾性等の印刷適性を付与する体質顔料とに分類される。本発明では、着色力を付与するための着色顔料が必須として用いられ、体質顔料は任意成分として用いられる。次に、これらの顔料について説明する。
上記混合工程を経た顔料分散組成物は、ゲル化工程に付される。ゲル化工程は、顔料分散組成物に2価以上の金属のアルコキシ化合物を添加し、その状態で温度を70〜200℃とする工程である。この工程を経ることにより、顔料分散組成物に含まれる樹脂が上記金属のアルコキシ化合物に架橋され、顔料分散組成物全体がゲル化する。
冷却管、温度計及び撹拌機を装着した4つ口フラスコに、重量平均分子量10万のロジン変性フェノール樹脂(荒川化学工業株式会社製)35部、大豆油20部及びAFソルベント6号(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)44.5部を仕込んだ後200℃に昇温し、同温度を1時間維持することにより樹脂を溶解させることで、非ゲル化ワニスであるインキ組成物用ワニスA(以下、ワニスAと呼ぶ。)を得た。
冷却管、温度計及び撹拌機を装着した4つ口フラスコに、重量平均分子量10万のロジン変性フェノール樹脂(荒川化学工業株式会社製)35部、大豆油20部及びAFソルベント6号(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)44.5部を仕込んだ後200℃に昇温し、同温度を1時間維持することにより樹脂を溶解させた後、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート(川研ファインケミカル株式会社製、ALCH)を0.5部仕込み、その後170℃で60分間加熱保持することで、ゲル化ワニスであるインキ組成物用ワニスB(以下、ワニスBと呼ぶ。)を得た。
フラッシャー内に、上記ワニスAを35部と、ブリリアントカーミン6Bの顔料プレスケーキ(顔料純分25%)を顔料乾燥固形分として30部と、を加え、温度50℃にて混練することで顔料プレスケーキに含まれている水分をフラッシャー内の固形分から分離させ(フラッシング)、これをデカンテーションにより排水した。その後、フラッシャー内に存在する固形物を減圧下で110℃に加熱することで当該固形物から水分を除去し、これに上記ワニスAを20部と大豆油を15部とを加えて混合することでマゼンタインキベースA(以下、MベースAと呼ぶ。)を得た。MベースAは、非ゲル化ワニスのみを用いて調製したインキベースである。
フラッシャー内に、上記ワニスBを35部と、ブリリアントカーミン6Bの顔料プレスケーキ(顔料純分25%)を顔料乾燥固形分として30部と、を加え、温度50℃にて混練することで顔料プレスケーキに含まれている水分をフラッシャー内の固形分から分離させ(フラッシング)、これをデカンテーションにより排水した。その後、フラッシャー内に存在する固形物を減圧下で110℃に加熱することで当該固形物から水分を除去し、これに上記ワニスBを20部と大豆油を15部とを加えて混合することでマゼンタインキベースB(以下、MベースBと呼ぶ。)を得た。MベースBは、ゲル化ワニスのみを用いて調製したインキベースである。
シアニンブルー顔料30部、上記ワニスAを60部、及び大豆油10部を混合した後、これを3本ロールミルにより練肉し、シアンインキベースA(以下、「CベースA」と呼ぶ。)を得た。CベースAは、非ゲル化ワニスのみを用いて調製したインキベースである。
シアニンブルー顔料30部、上記ワニスBを60部、及び大豆油10部を混合した後、これを3本ロールミルにより練肉し、シアンインキベースB(以下、「CベースB」と呼ぶ。)を得た。CベースBは、ゲル化ワニスのみを用いて調製したインキベースである。
炭酸カルシウム50部、上記ワニスAを40部及び大豆油10部を混合した後、これを3本ロールミルにより練肉し、体質インキベース(以下、「体質ベース」と呼ぶ。)を得た。
上記各インキベース、体質ベース、及び大豆油(すなわち、ALCHを除く各成分)を表1及び2に示す配合割合で混合して、顔料分散組成物を得た。その後、各顔料分散組成物に対して、表1及び2に示す配合割合でジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート(川研ファインケミカル株式会社製、ALCH)を加えてから撹拌しながら120℃に昇温させ、その温度を1時間維持した後放冷し、粘度が6.0±0.5Pa・sとなるように大豆油を添加して粘度調製を行うことで実施例1〜12のインキ組成物を得た。なお、表1及び2に示す配合割合は質量部である。
上記各色ベースインキ、体質ベース、マシン油及び大豆油を表2に示す配合割合で混合し、粘度が6.0±0.5Pa・sとなるように大豆油を添加して粘度調製を行うことで比較例1及び2のインキ組成物を得た。なお、表2に示す配合割合は質量部である。
実施例1〜12及び比較例1〜2のインキ組成物のそれぞれについて、N−750型印刷実験機(東浜精機株式会社製)を使用して、印刷速度12万部/時で用紙を新聞用更紙として下記のベタ紙面濃度にて印刷試験を行った。各インキ組成物について2万部の印刷を行い、それぞれの印刷の終了後における水着けローラー(印刷版に湿し水を供給するローラー)上のインキ組成物の「ねっぱり」状態を指触で評価した。その評価結果を表1及び2に示す。印刷試験における湿し水としては水道水にSAH−7(サカタインクス株式会社製、アルカリH液)を0.7%加えたものを使用し、湿し水の供給にはスプレーダンプナーSSD−12(サカタインクス株式会社製)を使用した。印刷に際しては、水幅の下限付近での印刷状態の比較を行うために、水幅の下限値よりもSSD−12のダイヤルを2ポイント上げた状態とした。各色のベタ紙面濃度は、マゼンタ及びシアンとも0.95±0.02とした。なお、ベタ紙面濃度は、印刷物におけるベタ部の濃度をSpectroeye濃度計(Gretagmacbeth社製)により測定した数値である。なお、評価基準は下記の通りである。
◎:ローラー上のインキ組成物が指に付着し、その粘度も元のインキ組成物と同様だった
○:ローラー上のインキ組成物が指に付着したが、その粘度は元のインキ組成物よりもわずかに増加していた
△:ローラー上のインキ組成物が指に付着したが、その量は僅かである
×:ローラー上のインキ組成物が指に付着しない
実施例1〜12及び比較例1〜2のインキ組成物のそれぞれについて、調製直後と、調製した後に60℃の保温庫で30日間放置したものとに関し、垂直ガラス板流度計を用いて、25℃において、印刷インキ組成物0.5ccが重力により10分間で流れた距離を測定した。そして、30日間放置したものの流れた距離を、調製直後のものの流れた距離で除算することで経時に伴う流動性の変化率を算出し、経時変化を評価した。その結果を表1及び2に示す。なお、評価基準は下記の通りである。
◎:流動性の変化率が110%未満であった
○:流動性の変化率が110%以上、150%未満であった
△:流動性の変化率が150%以上であった
Claims (5)
- 顔料、樹脂及び油成分を含む顔料分散組成物を調製する混合工程と、
2価以上の金属のアルコキシ化合物を添加された状態で前記顔料分散組成物の温度を70〜200℃とするゲル化工程と、を含み、前記樹脂及び前記油成分の少なくとも一部が、2価以上の金属のアルコキシ化合物の存在下で加熱及び混合されゲル化ワニスとなった状態で前記混合工程に供されることを特徴とする、浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物の製造方法。 - 前記金属のアルコキシ化合物の添加量が、前記顔料分散組成物の100質量部に対して、0.1〜3.0質量部である請求項1記載の浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物の製造方法。
- 前記金属のアルコキシ化合物が、金属としてアルミニウムを含む化合物である請求項1又は2記載の浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物の製造方法。
- 前記樹脂及び前記油成分が、2価以上の金属のアルコキシ化合物の存在下で加熱及び混合されゲル化ワニスとなった状態で前記混合工程に供されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物の製造方法。
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