[go: up one dir, main page]

JP2015189914A - オフセットインキ組成物および印刷物 - Google Patents

オフセットインキ組成物および印刷物 Download PDF

Info

Publication number
JP2015189914A
JP2015189914A JP2014069600A JP2014069600A JP2015189914A JP 2015189914 A JP2015189914 A JP 2015189914A JP 2014069600 A JP2014069600 A JP 2014069600A JP 2014069600 A JP2014069600 A JP 2014069600A JP 2015189914 A JP2015189914 A JP 2015189914A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
hydrophilic silica
ink composition
weight
printing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014069600A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6206722B2 (ja
Inventor
郁夫 河崎
Ikuo Kawasaki
郁夫 河崎
剛之 三輪
Takayuki Miwa
剛之 三輪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority to JP2014069600A priority Critical patent/JP6206722B2/ja
Publication of JP2015189914A publication Critical patent/JP2015189914A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6206722B2 publication Critical patent/JP6206722B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】浸透乾燥型オフセットインキ組成物に関するものであり、高速オフセット輪転印刷機上では乳化安定性に優れ、インキ供給元ローラーからの転移性が良く、しかも汚れ耐性を兼ね備えた浸透乾燥型オフセットインキ組成物を提供する。
【解決手段】顔料、バインダー樹脂、植物油類および/または植物油エステル、石油系溶剤を主成分とするオフセット印刷用インキ組成物において、平均二次粒子径0.05〜10μmおよびBET比表面積20〜400m2/gを特徴とする非晶質の湿式親水性シリカを0.1〜10重量%含有する浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物で、10〜40重量%の湿式親水性シリカを、バインダー樹脂、植物油および/または植物油エステルよび/または石油系溶剤でプレミックスおよび分散した組成物にし、その組成物を調整工程でインキ全量に対し1〜25重量%添加した浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、浸透乾燥型オフセットインキ組成物に関するものであり、高速オフセット輪転印刷機上では乳化安定性に優れ、インキ供給元ローラーからの転移性が良く、しかも汚れ耐性を兼ね備えた浸透乾燥型オフセットインキ組成物に関するものある。
近年オフセット印刷業界では、印刷時の省人化、省力化、自動化、高速化の要求が高まってきていることに合わせて、様々な印刷条件下においてトラブルレスで長時間安定して高品位な印刷物が得られる印刷インキが望まれている
特に、コミック、週刊誌、新聞印刷等を行うオフセット輪転印刷機は高速化が進んでおり、特に新聞印刷機では、従来は500〜600m/分であったものが、例えば800〜900m/分と5割強スピードアップしてきている。
オフセット水有り印刷では、インキがインキ元から複数のローラーを経由して版面に供給され、湿し水も供給装置から複数のローラーを経由して版面に供給される。版面の画線部は親油性であるのでインキが受理され、版面の非画線部は湿式であるので湿し水で被覆されることにより、紙面に画像が形成される。供給されるインキ量と供給される湿し水量が不均衡な場合、印刷トラブルが発生することがある。例を挙げると、版面の非画線部において湿し水が不足すると地汚れが発生する。
また、湿し水が過剰に供給されると、水棒絡み、水目、濃度変動、フライング、ローラー余り、ローラー剥げ等の深刻な印刷トラブルが誘発される。これらの印刷トラブルを防止し、優れた印刷紙面を再現する為には、印刷機上でのインキと湿し水の乳化状態を制御し、水幅(印刷機あるいは紙面に対して湿し水に起因するトラブルが発生しない水上がり量の幅)を拡大する印刷インキの処方設計が必要である。近年、オフセット印刷機の性能向上に伴う高速印刷化が益々進行すると共に、印刷用紙の古紙利用比率が上昇しているので、インキと湿し水の需給バランスが変化し、最適かつ安定した乳化状態を保持することが困難になっている。
特に、安定した乳化状態を保持するために、インキが水を取り込み過ぎる過乳化と呼ばれる現象を起こしてはならない。過乳化するインキを使用すると、印刷時に版面の非画線部において湿し水が不足している状態になるため地汚れが発生しやすくなる。更にはローラー上でインキが過乳化していると、インキの粘着性が失われている状態のため、ローラー間の転移性が悪くなり、湿し水過剰時でも起こるローラー余りやフライングも発生しやすくなる。
また、表面が荒くコーティング処理がされていない新聞用更紙は、湿し水を吸収しやすい。印刷中に版面上で必要量の湿し水量を保持するためには、予め湿し水供給装置からの供給量を多くして印刷する傾向がある。版面上への湿し水の供給量が多い状態が続くと、インキは版面上で多くの水を取り込むことになり、過乳化しやすくなる。
新聞輪転機を用いて印刷する際のインキ供給方式としては、壷方式とポンプを用いて一定量のインキをインキ元ローラーへ供給するデジタルインキポンプ方式の2種類が現在主流となっており、どちらの方式もインカー部へのインキ供給は、供給部の2つのローラー(受渡しローラーとインキ元ローラー)に速度差をつけて数ミクロンのインキ膜厚を安定して転移させる方式が多くなってきている。
このような新聞輪転機では、速度差のあるローラー間で安定して転移していくために、インキは硬い方が良く、具体的には高粘度、低流動である方が良いとされる。一方、湿し水供給についてもスパイラルブラシやスプレーダンプナー装置を用いた供給方式が一般的であり、商業印刷の連続給水方式と比較して湿し水供給量が多くなることからインキと湿し水が関与する乳化適性に関してのトラブルが多い。
特に、植物油類が主体の新聞インキは、湿し水を使用するオフセット印刷において、水と油の反発が大きくなることから、適正な乳化性能をインキに付与することが非常に難しい。樹脂の選択により、水の取り込み性能を補わなければ、印刷機上でインキ中に取り込めなかった過剰の水が印刷機のローラーを親水化させローラーストリッピングが引き起こされる。そのため、インキの基本設計としては樹脂の選択などにより高乳化率にして、インキが過剰水を取り込める設計にしておく必要がある。
また、高乳化樹脂を使用するとインキがローラー上や版面上で必要以上に湿し水を取り込んでしまう過乳化現象が発生することにより、地汚れが発生しやすくなるだけでなく、転移性が損なわれ、ローラー余りやフライングが発生しやすくなるため、乳化抑制剤としての効果が高い粉末状シリカの一種である湿式親水性シリカを一定量添加して過乳化を抑制している。
粉末状シリカの種類には乾式親水性シリカ、乾式疎水性シリカ等もあるが、湿式親水性シリカは、従来より流動性抑制と乳化抑制の両立に適した材料として使用されてきた。
シリカの製法には湿式法と乾式法の大きく2つの製法がある。湿式法とは、ケイ酸ソーダ水溶液の酸またはアルカリ金属塩による中和、分解反応によりシリカの析出を行ったものであり、乾式法とは、高温気相反応によりシリカの析出を行ったものである。このように合成されたシリカは、二酸化ケイ素の粒子が集まって、連続的に網の目のような微細な孔を形成しているが、湿式法で合成されたシリカは、この微細な孔の内側に、水分等が吸着されているのが特徴であり、一般的には5%以上の吸着水分を保有している。一方、乾式法では吸着水分が一般的には2%以下とされる。
また、上記のように合成されたシリカは、通常表面に多くの水酸基を持つ構造のため親水性を示すが、表面処理をして水酸基をメチル基等に置換することで疎水性にすることもできる。従って、湿式親水性シリカとは、湿式法で合成され、疎水性にするための表面処理が行われていない親水性のシリカのことを指す。
湿式親水性シリカは水分等が吸着された構造になっているため、高熱の条件下で使用されると本来の乳化抑制性能が発揮されないという問題がある。しかしながら、インキは必ずプレミックスと呼ばれ、顔料・樹脂・溶剤を均一に混ぜる工程があるが、高熱を掛けないとこれらが均一に混ざらず、その後顔料を樹脂中に微粒子化する分散工程で粗大粒子が残ることにもなり、粗大粒子は版の画線部を削ってしまう版摩耗等のトラブルを誘発する原因となる。この時の顔料分とは、カラーインキで使用する有機顔料、墨インキで使用するカーボンブラックだけでなく、体質顔料と称される湿式親水性シリカを含む無機顔料も入る。従って、湿式親水性シリカは従来の製造法であれば必ず高熱に晒され、本来の乳化抑制性能が発生されず、地汚れの防止ができていなかった。
特許文献1〜3では粉末状シリカを使用したオフセットインキ組成物について開示されている。
特許文献1では、粉末状シリカの添加時の製造工程条件として90℃以下に限定しているが、近年は4×1機の普及や現像レスサーマルCTPプレートの実用化により、以前より増して分散性が重視される傾向にあるため、90℃以上でプレミックスを行う必要が多い。本発明では、特許文献1のように、インキ製造時のプレミックス条件を90℃以下に限定するものではない。
特許文献2では粉末状シリカを含有する記載があるが、この文献では非イオン系界面活性剤で、HLB値が、8〜14のポリオキシエチレンソルビトールテトラ脂肪酸をインキ中に0.05〜3.0重量%含有することを前提とし、目的も版パイリングによる着肉不良の発生を防ぐものであり、本発明とは目的も請求内容も異なる。
特許文献3では、粉末状シリカを含有する記載があるが、目的がインキの流動性および 経時安定性ならびに印刷時の乳化安定性に使用されるものであり、本発明とは異なっている。また、シリカの分散体についての記載も無い。
特開2005−248058号公報 特開2011−190300号公報 特開2013−216735号公報
本発明は、浸透乾燥型オフセットインキ組成物に関するものであり、特に地汚れ耐性に優れたオフセットインキ組成物に関するものであり、高速オフセット輪転印刷機上で、地汚れの原因となる乳化安定性、インキ供給元ローラーからの転移性、ローラー余り耐性に優れた浸透乾燥型オフセットインキ組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために誠意研究した結果、湿式親水性シリカをプレミックス時(顔料分散時)に投入せず、顔料(湿式親水性シリカを除く)と、バインダー樹脂と、植物油と、石油系溶剤とからなる混合物を分散してインキ組成物中間体を得て、次いで、湿式親水性シリカ分散体を投入することでえられる浸透乾燥型オフセットインキ組成物が、本願発明の課題を解決しえることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、顔料と、バインダー樹脂と、植物油類および/または植物油エステルと、石油系溶剤とを混合、分散し得られるインキ組成物中間体に、湿式親水性シリカ分散体を混合してなる浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物であって、下記(1)〜(3)を特徴とする浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物に関する。
(1)湿式親水性シリカ分散体が、湿式親水性シリカと、バインダー樹脂と、
植物油類、植物油エステルおよび石油系溶剤からなる群より選択される1以上の化合物とを分散してなる湿式親水性シリカ分散体である。
(2)湿式親水性シリカ分散体全量中、湿式親水性シリカが10〜40重量%である。
(3)浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物全量中、湿式親水性シリカが0.1〜10重量%である。
さらに、本発明は、バインダー樹脂が、重量平均分子量10000〜200000およびトレランス22〜49重量%
であるロジン変性フェノール樹脂であることを特徴とする上記浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物に関する。
さらに、本発明は、上記浸透乾燥型オフセット印刷用インキを、基材に印刷してなる印刷物に関する。
本発明が提供するオフセットインキ組成物は、コミック、週刊誌、新聞印刷等を行うオフセット輪転印刷に使用される浸透乾燥型オフセットインキにおいて、高速オフセット輪転印刷機上での乳化安定性、インキ供給元ローラーからの転移性、地汚れ耐性に優れたインキを提供することができる。
それにより、印刷紙面の汚れの発生が減少し安定し、紙面検査装置での警告、排紙の頻度を飛躍的に少なくすることができる。また、版摩耗による画線部の着肉劣化も抑えられることから、長時間の印刷でも、最後まで安定した紙面品質を維持することができる。
本発明における浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物は、顔料と、バインダー樹脂と、植物油類および/または植物油エステルと、石油系溶剤とを混合、分散し得られるインキ組成物中間体に、湿式親水性シリカ分散体を混合してなる浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物である。
湿式親水性シリカをその他顔料と一度に分散せず、それぞれインキ組成物中間体、湿式親水性シリカ分散体を作成し、混合することで本来湿式親水性シリカが持つ乳化率抑制性能が維持され、印刷安定性が従来よりも高まり、特に汚れに関するトラブルを解決することが出来る。
ここで、湿式親水性シリカ分散体とは、湿式親水性シリカと、バインダー樹脂と、植物油、植物油エステルおよび石油系溶剤からなる群より選択される1以上の化合物(以下植物油等)とを混合し、分散してなる湿式親水性シリカ分散体(以下単にシリカ分散体ということがある)であることが必要である。混合、分散時の温度は70℃以下であることが好ましい。最低でも植物油、植物油エステルまたは石油系溶剤のいずれか1種類を含有しないと、流動性が低くシリカ分散体を好適に分散することが出来ない。
さらに、湿式親水性シリカ分散体全量中、湿式親水性シリカが10〜40重量%であることが必要がある。10重量%未満ではシリカの有効成分が少ないため、期待する機能を発揮し得ない。さらに、40重量%を超える場合には、分散が困難で流動性が無くなるため、インキに添加する際に混ざりが悪く、作業性が劣化する。
さらに、浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物全量中、湿式親水性シリカが0.1〜10重量%であることが必要である。0.1重量%より少ない添加量だと乳化抑制の効果はなく、10重量%より多く添加しても乳化抑制の最適範囲を超えてしまい、ローラー剥げや濃度変動等のトラブルが発生しやすくなる。
湿式親水性シリカは、非晶質シリカであって、BET比表面積20〜400m2/gであることが好ましい。この範囲であれば、インキ製造過程における分散性が容易になるという点で好適である。
また、湿式親水性シリカが本来持つ乳化抑制性能を発揮するという点において、吸着水分が5%以上であることが好ましい。なお、一般的には、湿式法で合成されたシリカは、元来5%以上の吸着水分を保有している。
バインダー樹脂としては、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、アルキッド樹脂、ロジン変性アルキッド樹脂、石油樹脂変性アルキッド樹脂、ロジンエステル等が挙げられる。好ましくは、ロジン変性フェノール樹脂を使用する。
ロジン変性フェノール樹脂は、ロジンにフェノール‐ホルムアルデヒド初期縮合物(レゾール樹脂)を反応させた後、多価アルコールでエステル化して得られる。一般的にロジン変性フェノール樹脂のロジンとしては、ガムロジン、ウッドロジン、トールロジン、重合ロジン、不均斉化ロジン、水添ロジンなどが挙げられるが、不均斉化ロジン、水添ロジンはそのままではフェノール‐ホルムアルデヒド初期縮合物と反応せず使用できない。重合ロジンはロジン類を重合して得られる樹脂であり、ロジン単体と比較して高い軟化点を有する特徴があるが、コスト面、性能面から単体で使用することは難しい。
ロジン変性フェノール樹脂の合成に用いられる多価アルコールとしては、例えば2価の1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、ジエチレングリコールなどが、また3価以上のグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、イノシトール、セルロースなどが挙げられる。これら多価アルコールは単独または複数を任意の量比で組み合わせて使用することが可能である。多価アルコールは、残存するカルボン酸に対しOH等量として好ましくは0.5〜1.5、より好ましくは0.9〜1.2添加する。多価アルコールの添加量は得られる樹脂の重量平均分子量、粘度、溶剤/植物油類への溶解性、乳化適性に大きく影響を与え、多価アルコールの添加量が上記より少ない場合には反応速度が低下し反応に時間がかかる恐れがあり、多い場合には必要とされる性能が得られない恐れがある。
上記多価アルコールによるエステル化反応の温度としては、180〜280℃、好ましくは220〜280℃、より好ましくは240〜270℃であるのがよく、酸価が15〜30位になるまで反応させる。さらに必要に応じて、0〜75kPaの減圧にて反応させることも可能である。
上記エステル化反応では、触媒を用いることも可能であり、触媒としては、酸性触媒としてp−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等のスルホン酸類、硫酸、塩酸等の鉱酸、トリフルオロメチル硫酸、トリフルオロメチル酢酸、ルイス酸等が、さらにテトラブチルジルコネート、テトライソプロピルチタネート等の金属錯体、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等のアルカリ、アルカリ土類金属の酸化物、金属塩触媒等が例示される。これらの触媒は全樹脂中0.01〜1重量%で200℃以上の温度で反応させる。しかし、このような条件では反応物が容易に着色するため、還元剤である次亜リン酸、トリフェニルホスファイト、トリフェニルホスフェート等を併用して着色を防止することもできる
フェノール成分としては、フェノール、p−クレゾール、p−ターシャリーブチルフェノール、p−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ドデシルフェノール、ビスフェノールAなどのフェノール性水酸基を持つ芳香族化合物が挙げられる。
ホルムアルデヒド成分としては、ホルマリン、パラホルムアルデヒドなどを使用することができる。フェノール成分1モルに対してアルデヒド成分0.5〜3.0モルを常法により付加・縮合反応させる。
前記フェノール‐ホルムアルデヒド初期縮合物は、レゾール型フェノール樹脂であり、フェノール成分とホルムアルデヒド成分に、これらの合計数量100重量部に対して5〜100重量部、好ましくは10〜50重量部のトルエンまたはキシレンなどの揮発性有機溶剤を添加してアルカリ触媒中で縮合反応させて得ることができる。アルカリ触媒としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
本発明では、必要に応じて上記ロジン変性フェノール樹脂にロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、ポリエステル樹脂及び石油樹脂等を加えてもよい。それらは任意に単独または2種類以上を組み合わせて使用できる。
本発明で使用するバインダー樹脂は、酸化が5〜30(mgKOH/g)、好ましくは5〜25(mgKOH/g)、より好ましくは5〜20(mgKOH/g)であることが望ましい。バインダー樹脂の酸化が5(mgKOH/g)未満であると樹脂の極性が低く、ゲルワニス作成時にアルミキレート等のゲル化剤と反応しないことから、インキの弾性が損なわれ流動過多、網点形状の悪化等印刷品質に影響を与える。また湿し水との乳化適性が劣り、印刷適性に影響を及ぼす。バインダー樹脂の酸化が30(mgKOH/g)より大きいと、石油系溶剤、植物油との相溶性に劣り、インキの流動性や経時安定性が悪くなることと、極性が高くなるために過乳化のトラブルを引き起こす原因となる。
また本発明で使用するバインダー樹脂は、環球法による軟化点が120〜300℃、好ましくは140〜270℃、より好ましくは150〜240℃であることが望ましい。バインダー樹脂の軟化点が120℃未満であるとセットオフ適性が著しく劣り実用的でない。軟化点が300℃より大きいとインキの流動性が損なわれ印刷適性、転移性が著しく劣る。
本発明において、バインダー樹脂は、重量平均分子量10000〜200000、且つトレランスが22〜49重量%のロジン変性フェノール樹脂が好ましく、更に、重量平均分子量20000〜80000、且つトレランスが22〜30重量%であるロジン変性フェノール樹脂が好ましい。
重量平均分子量が10000以上ではインキの粘弾性が向上し、2000000以下ではインキの流動性、光沢が向上する。また、トレランスが20重量%以上ではインキのセット性が向上し、セットオフ汚れ、ミスチング性能の劣化を防止できる。トレランスが50重量%以下では、印刷機上での溶剤離脱が防げるため、インキの増粘、流動性の低下、タック上昇による印刷適性の劣化を抑えることができ、さらに光沢が向上する。
本発明におけるトレランスとは、試験管中に樹脂2.50gとAFソルベント5号(JX日鉱日石エネルギー株式会社製、アニリン点88℃、沸点288℃)を5g入れ、適時攪拌しながら5分間で180℃に昇温し、溶解したものを25.0℃まで冷却し、攪拌しつつ0号ソルベントM(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)で少量ずつ希釈していき、微濁状態を終点とした時の0号ソルベントMの量から以下の式によりトレランスの値を求める。
Figure 2015189914
本発明において、植物油類とは、植物油および/または植物油由来の化合物である植物油エステルのことを指す。植物油とは、グリセリンと少なくとも1つの炭素鎖二重結合もしくは三重結合を持つ不飽和脂肪酸とのトリグリセリドであり、再生植物油もこの中に含まれる。また、植物油エステルとは、トリグリセリドから飽和または不飽和アルコールとをエステル反応させてなる脂肪酸モノエステル、あるいは植物油の脂肪酸とモノアルコールを直接エステル反応させた脂肪酸モノエステルを含む植物油由来の化合物である。
上記の植物油類として代表的ものは、アサ実油、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ油、カポック油、カヤ油、カラシ油、キョウニン油、キリ油、ククイ油、クルミ油、ケシ油、ゴマ油、サフラワー油、ダイコン種油、大豆油、大風子油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ニガー油、ヌカ油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ヘントウ油、松種子油、綿実油、ヤシ油、落花生油、脱水ヒマシ油などが例示できるとともにそれらの熱重合油および酸素吹き込み重合油なども使用できる。また、本発明ではこれら植物油を単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いることもできる。
尚、上記植物油においては、ヨウ素価が80〜130(mg/100mg)であることが好ましく、さらに、ヨウ素価が90〜110(mg/100mg)である方がより好ましい。ヨウ素価130(mg/100mg)より高くなると、保存容器内でのインキの増粘や流動性の劣化を招きやすい。
尚、植物油エステル製造時に使用するモノアルコールとして代表的なものは、メタノール、エタノール、n−またはiso−プロパノール、n,secまたはtet−ブタノール、へプチノール、2−エチルヘキサノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール等の飽和アルコール、オレイルアルコール、ドデセノール、フイセテリアルコール、ゾンマリルアルコール、ガドレイルアルコール、11−イコセノール、11−ドコセノール、15−テトラコセノール等の不飽和脂肪族系アルコールが挙げられる。
植物油エステルは、再生植物油を含む植物油と併用して、インキの全重量に対して1〜20重量%使用することも可能である。この場合、植物油エステルがインキの全重量に対して20重量%を超えると、インキが低粘度化することにより印刷適性が劣化する。
本発明における植物油類とは上述した植物油類を用いることが可能であり、植物油類の含有量は印刷インキ組成物の全量に対して1〜60重量%配合される
また、本発明において石油系溶剤とは、芳香族炭化水素の含有量が1重量%以下の原油由来の溶剤であり、沸点が260〜350℃、好ましくは280℃〜340℃の範囲にあることが好ましい。石油系溶剤の沸点が260℃以上の場合には、印刷機上でのインキの溶剤蒸発が抑えられ、インキの流動性が向上するため、インキがローラー、ブランケット、版等への転移性が良化する。また、併用する石油系溶剤の沸点が350℃以下の場合には、インキの乾燥性に好適である。さらに、石油系溶剤は、アニリン点75℃〜95℃が適当である。アニリン点が75℃〜95℃の場合には、樹脂を溶解させる能力が好適であり、インキ粘度、流動性を好適に保つことができる。このため地汚れ耐性や、ローラー、版、ブランケットへのインキの堆積を抑えることが可能となる。 このような非芳香族系石油溶剤としては、新日本石油(株)製 AF5、AF6等がある。
また、本発明に用いられる顔料としては、任意の無機及び有機顔料が使用できる。無機顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉などがあげられ、有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系などオフセットインキに用いられる顔料が相当する。有機顔料に関しては、例えば、銅フタロシアニン系顔料(C.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、C.I.Pigment Green 7、36)、モノアゾ系顔料(C.I.Pigment Red 3、4、5、23、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、49:2、53:1、57:1)、ジスアゾ系顔料(C.I.Pigment Yellow 12、13、14、17、83)、アントラキノン系顔料(C.I.Pigment Red 177)、キナクリドン系顔料(C.I.Pigment Red 122、C.I.PigmentViolet 19)、ジオキサジン系顔料(C.I.Pigment Violet 23)などがあげられるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明のオフセットインキ組成物は、その他添加剤として、耐摩擦、ブロッキング防止、スベリ、スリキズ防止を目的とする各種添加剤を使用することができ、必要に応じて、レベリング剤、帯電防止剤、界面活性剤、消泡剤、等を添加してもよい。
本発明に使用される基材としては、新聞用更紙だけでなく、コート紙、非塗工紙等のような一般的な印刷用紙が挙げられる。
本発明における酸価(mgKOH/g)の測定は、JIS K−5701に準拠して行った。
環球法による軟化点の測定は規格試験法において広く採用されている方法であり、JIS K 2046があげられる。具体的には試料を充てんした黄銅製環を水浴中に水平に保持し、試料の中心に一定重量の鋼球をのせ、一定速度で浴温を上昇させ、試料が次第に軟化し、鋼球が下降し、ついに厚さ25mmの位置の底板に達したときの温度計の示度をもって軟化点とするものである。
本発明において、重量平均分子量は、東ソー(株)製ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(HLC−8020。以下GPCと称す。)で測定した。検量線は標準ポリスチレンサンプルにより作成した。溶離液はテトラヒドロフランを、カラムにはTSKgel SuperHM−M(東ソー(株)
製)3本を用いた。測定は流速0.6ml/分、注入量10μl、カラム温度40℃で行った。
本発明における石油系溶剤のアニリン点(℃)とは、 等容量のアニリンと試料とが均一な溶液として存在する最低温度(アニリンと試料とが完全に溶け合っている状態から,温度を下げて両者が分離して濁りを生じる温度)のことであり、JIS K−2256に準拠して行ったものである。また、石油系溶剤の沸点の測定はJIS K−2254に準拠して行っており、沸点とは蒸留した時に50%留出した時の温度のことを指す。
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、本発明において、「部」は、「重量部」を表し、「%」は「重量%」を表す。
(フェノール樹脂製造例)
撹拌機、冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコにp−オクチルフェノール1000部、35%ホルマリン850部、93%水酸化ナトリウム60部、キシレン1000部を加えて、95℃で4時間反応させる。その後6N塩酸125部、水道水1000部の塩酸溶液を添加し、撹拌、静置し、上層部を取り出し、不揮発分51%のレゾールタイプフェノール樹脂のキシレン溶液2000部を得て、これをレゾール液Yとした。
(ロジン変性フェノール樹脂(樹脂A)製造例)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン(荒川化学製「中国ロジンX」)1500部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、レゾール液Yを1600部添加し、キシレンを除去しながら230℃で4時間反応させた後、グリセリン115部を仕込み4時間反応させ、無水マレイン酸75部を仕込み250〜260℃でエステル化して、重量平均分子量12500、酸価20、軟化点155℃、濁点80℃のロジン変性フェノール樹脂A(以下、樹脂Aと称す)を得た。
(ロジン変性フェノール樹脂ワニス(ワニスB)製造例)
撹拌機、水分離器付還流冷却器、温度計付き4つ口フラスコに、前記樹脂A45部、大豆油39部、大豆油脂肪酸のノルマルブチルエステル15部、ALCH(川研ファインケミカル(株)製ゲル化剤)1部を仕込み、190℃で1時間加熱撹拌してロジン変性フェノール樹脂ワニスB(以下、ワニスBと称す)を得た。
(ギルソナイト樹脂ワニスの製造)
コンデンサー、温度計、及び攪拌機を装着した四つ口フラスコにER−125(アリゾナケミカル社製)を40.0部、大豆油60.0部を仕込み、140℃に昇温させ、同温度で60分間攪拌し、ギルソナイト樹脂ワニスを得た。
(湿式親水性シリカ分散体製造例1)
湿式親水性シリカ「ニップシールLP」(東ソー・シリカ製)を15部、ワニスBを70部、大豆油15部を70℃以下でハイスピードミキサーを用いて撹拌し、その後ロール温度が60℃の三本ロールで分散(グラインドメーターにて粒子径を測定し、発生した線の本数が7.5μmで3本以下)して、湿式親水性シリカ分散体(以下シリカ分散体C1と称す)を得た。
(湿式親水性シリカ分散体製造例2)
湿式親水性シリカ「ニップシールLP」(東ソー・シリカ製)を40部、ワニスBを45部、大豆油13部、植物油エステル2部を70℃以下でハイスピードミキサーを用いて撹拌し、その後ロール温度が60℃の三本ロールで分散(グラインドメーターにて粒子径を測定し、発生した線の本数が7.5μmで3本以下)して、湿式親水性シリカ分散体(以下シリカ分散体C2と称す)を得た。
得られたワニスBを下記表1の配合(分散体Cと調整溶剤を除く)で三本ロールを用いて分散後、得られた分散体Cを添加してハイスピードミキサーを用いて撹拌し、L型粘度計粘度にて9.5〜10.5Pa・sになるよう調整し、浸透乾燥型オフセットインキ組成物の実施例1〜6を得た。プレミックス時の温度は100℃で行い、三本ロール分散時のロール温度は全て60℃とした。分散体C投入時のベースインキの温度は70℃以下、コンパウンドの温度は常温の25℃である。
下記表1におけるAFソルベント6号は、新日本石油(株)製、アニリン点94℃、沸点が309℃の溶剤であり、既定の粘度に合わせるための調整溶剤として使用している。
下記表1における有機ベントナイトとは、モンモリロナイトという鉱物を主成分とし、他に石英や雲母、長石、ゼオライト等を副成分とする物質であり、流動性を抑制するために添加している。
Figure 2015189914
同様に、下記表2の配合で、三本ロールで分散後、ハイスピードミキサーを用いて撹拌し、L型粘度計粘度にて9.5〜10.5Pa・sになるよう調整し、浸透乾燥型オフセットインキ組成物の比較例1〜4を得た。プレミックス時の温度は100℃の時と70℃の時で行い、三本ロール分散時のロール温度は全て60℃とした。
Figure 2015189914
<性能評価試験1 練和度>
上記実施例、比較例の配合にてハイスピードミキサーで10分攪拌後、BUHLER製 CH−9240 Uzwill 油圧式3本ロールミルを用い、60℃、9barの条件下で分散を行ない、その際の粒子径をグラインドメーターにて測定し、その際に発生した線の本数が3本となる粒子径を比較した。粒子径が小さいほど分散しやすいことを示す。
(評価基準)
○:粒子経7.5μ以下
△:粒子経10.0μ以下
×:粒子経10.0μ以上
実用レベルは「○」である。
<性能評価試験2 インキ流動性>
インキピペットに一定量の試験インキを測り盛り、水平に置いたガラス板上に滴下し、直ちに垂直に立てる。その後、10分間でインキが流れた長さを測定する。値が小さいほど流動性抑制効果があり、壷垂れ、濃度変動、レールからの自然吐出抑制効果が高いことを示す。
(評価基準)
○:70mm以下
△:70mm以上、120mm未満
×:120mm以上
実用レベルは「○」である。
<性能評価試験3 乳化率>
インキ10gをディスパーで攪拌しながら蒸留水10gを徐々に添加し、1200rpm、3分間強制乳化させる。その後、銅板上でナイフベラを用いて余分な水をかき取り、カールフィッシャー水分系にて乳化率を測定し、以下の評価基準に基づいて評価を行った。
(評価基準)
○:5%以上、15%未満
△:15以上、20%未満
×:20%以上
<性能評価試験4 インキ転移性>
東浜精機株式会社2N−750型印刷機にて実際に印刷して評価を実施した。一般的な絵柄、濃度にて、地汚れが解消するスプレーダンプナー値から10ポイント上げて連続3000部印刷後、更に続けて10ポイント上げて3000部印刷し、その時の濃度の変化から以下の評価基準に基づいて評価を実施した。
(評価基準)
○:濃度変化の平均が、スプレーダンプナー10ポイント上昇で±0.05以下、20ポイント上昇で±0.1以下
△:濃度変化の平均が、スプレーダンプナー10ポイント上昇で±0.11以下、20ポイント上昇で±0.2以下
×:濃度変化の平均が、スプレーダンプナー10ポイント上昇で±0.21以下、20
ポイント上昇で±0.3以下
<性能評価試験5 汚れ>
東浜精機株式会社2N−750型印刷機にて実際に印刷して評価を実施した。一般的な絵柄にて、スプレーダンプナー値20で濃度合わせ行い、500部ごとにダンプナー値を5ポイントずつ下げてダンプナー値マイナス10まで連続3000部印刷後機械を停止し、紙面が汚れ始めるダンプナー値を目視評価した。
(評価基準)
○:スプレーダンプナー値マイナス10で汚れが見られない
△:スプレーダンプナー値0〜マイナス10で汚れが見られた
×:スプレーダンプナー値0〜15で汚れが見られた
(印刷条件)
印刷機:東浜精機株式会社2N−750型印刷機(湿し水供給機構:スプレー供給方式)
版:平版用CTP版 HN−N(富士フィルム株式会社製)
用紙:王子製紙株式会社 SL紙
印刷速度:12万部/時
湿し水:東洋インキ株式会社製 NEWSKING ALKY(湿し水中濃度 0.5容量%)
<性能評価試験6 版摩耗>
東浜精機株式会社2N−750型印刷機にて実際に印刷して評価を実施した。一般的な絵柄にて、スプレーダンプナー値20で濃度合わせ行った後、連続50000部印刷した後に、版面と紙面の版摩耗の状態を確認、目視評価した。
(評価基準)
○:版面、紙面ともに傾向が見られない。
△:版面では傾向が見られたが、紙面には傾向が見られない。
×:版面、紙面ともに傾向が見られた。
(印刷条件)
印刷機:東浜精機株式会社2N−750型印刷機(湿し水供給機構:スプレー供給方式)
版:平版用CTP版 HN−N(富士フィルム株式会社製)
用紙:王子製紙株式会社 SL紙
印刷速度:12万部/時
湿し水:東洋インキ株式会社製 NEWSKING ALKY(湿し水中濃度 0.5容量%)
性能評価試験結果を表3に示す。
Figure 2015189914
表3の結果より、練和性、流動性、乳化率、インキ転移性、汚れ、版摩耗耐性について全てでバランス良く、優れているのは実施例であることが分かった。
以上の本発明に関する実施例により、インキの乳化抑制を最適に行えることで、高速オフセット輪転印刷機において地汚れ耐性に優れ、従来よりも練和性が向上して版摩耗耐性にも優れる浸透乾燥型オフセットインキ組成物を提供することを見出した。

Claims (3)

  1. 顔料と、バインダー樹脂と、植物油類および/または植物油エステルと、石油系溶剤とを混合、分散し得られるインキ組成物中間体に、湿式親水性シリカ分散体を混合してなる浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物であって、下記(1)〜(3)を特徴とする浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物。
    (1)湿式親水性シリカ分散体が、湿式親水性シリカと、バインダー樹脂と、
    植物油類、植物油エステルおよび石油系溶剤からなる群より選択される1以上の化合物とを分散してなる湿式親水性シリカ分散体である。
    (2)湿式親水性シリカ分散体全量中、湿式親水性シリカが10〜40重量%である。
    (3)浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物全量中、湿式親水性シリカが0.1〜10重量%である。
  2. バインダー樹脂が、重量平均分子量10000〜200000およびトレランス22〜49重量%
    であるロジン変性フェノール樹脂であることを特徴とする請求項1記載の浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物。
  3. 請求項1又は2記載の浸透乾燥型オフセット印刷用インキを、基材に印刷してなる印刷物。
JP2014069600A 2014-03-28 2014-03-28 オフセットインキ組成物および印刷物 Active JP6206722B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014069600A JP6206722B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 オフセットインキ組成物および印刷物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014069600A JP6206722B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 オフセットインキ組成物および印刷物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015189914A true JP2015189914A (ja) 2015-11-02
JP6206722B2 JP6206722B2 (ja) 2017-10-04

Family

ID=54424699

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014069600A Active JP6206722B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 オフセットインキ組成物および印刷物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6206722B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106699593A (zh) * 2016-12-30 2017-05-24 浙江浩川科技有限公司 一种松香衍生物及其制备方法和用途

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5420229A (en) * 1993-11-16 1995-05-30 Resinall Corporation Flushing vehicles for preparing flushed organic pigments and method for preparing the same
JPH08302262A (ja) * 1995-05-01 1996-11-19 Riso Kagaku Corp 孔版印刷用エマルジョンインク
JP2001329258A (ja) * 1999-07-19 2001-11-27 Hitachi Maxell Ltd 蛍光組成物、インク組成物および印刷物
JP2005248058A (ja) * 2004-03-05 2005-09-15 Toyo Ink Mfg Co Ltd 浸透乾燥型平版印刷インキ
WO2007138972A1 (ja) * 2006-05-25 2007-12-06 Sakata Inx Corp. 油性印刷用体質顔料分散体の製造方法、該製造方法で得られる油性印刷用体質顔料分散体、及びその用途
JP2007326907A (ja) * 2006-06-06 2007-12-20 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷用紫外線硬化型インキ
JP2010189538A (ja) * 2009-02-18 2010-09-02 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷インキおよびそれを用いた印刷物
JP2010229302A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Toyo Ink Mfg Co Ltd オフセット用オーバープリントニス組成物および印刷物
JP2013053276A (ja) * 2011-09-06 2013-03-21 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物
JP2013216735A (ja) * 2012-04-05 2013-10-24 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd オフセット印刷インキ組成物および印刷物

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5420229A (en) * 1993-11-16 1995-05-30 Resinall Corporation Flushing vehicles for preparing flushed organic pigments and method for preparing the same
JPH08302262A (ja) * 1995-05-01 1996-11-19 Riso Kagaku Corp 孔版印刷用エマルジョンインク
JP2001329258A (ja) * 1999-07-19 2001-11-27 Hitachi Maxell Ltd 蛍光組成物、インク組成物および印刷物
JP2005248058A (ja) * 2004-03-05 2005-09-15 Toyo Ink Mfg Co Ltd 浸透乾燥型平版印刷インキ
WO2007138972A1 (ja) * 2006-05-25 2007-12-06 Sakata Inx Corp. 油性印刷用体質顔料分散体の製造方法、該製造方法で得られる油性印刷用体質顔料分散体、及びその用途
JP2007326907A (ja) * 2006-06-06 2007-12-20 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷用紫外線硬化型インキ
JP2010189538A (ja) * 2009-02-18 2010-09-02 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷インキおよびそれを用いた印刷物
JP2010229302A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Toyo Ink Mfg Co Ltd オフセット用オーバープリントニス組成物および印刷物
JP2013053276A (ja) * 2011-09-06 2013-03-21 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物
JP2013216735A (ja) * 2012-04-05 2013-10-24 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd オフセット印刷インキ組成物および印刷物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106699593A (zh) * 2016-12-30 2017-05-24 浙江浩川科技有限公司 一种松香衍生物及其制备方法和用途
CN106699593B (zh) * 2016-12-30 2018-05-04 浙江浩川科技有限公司 一种松香衍生物及其制备方法和用途

Also Published As

Publication number Publication date
JP6206722B2 (ja) 2017-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6243248B2 (ja) 印刷インキ組成物
JP2013144765A (ja) オフセット印刷インキ組成物
JP2016017171A (ja) 平版印刷インキ用組成物
JP6206722B2 (ja) オフセットインキ組成物および印刷物
JP2008179691A (ja) 水なし平版印刷インキ組成物
JP5904534B2 (ja) 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物
JP5515359B2 (ja) 平版印刷インキ組成物
JP6056922B2 (ja) オフセット印刷インキ組成物および印刷物
JP5485610B2 (ja) 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物
JP5581747B2 (ja) オフセット印刷用インキおよび印刷物
JP5958031B2 (ja) オフセット印刷インキ組成物および印刷物
JP6209697B1 (ja) 平版印刷インキ用樹脂ワニスおよび平版印刷インキ
JP5699487B2 (ja) 平版印刷インキ組成物
JP2015199796A (ja) オフセットインキ組成物および印刷物
JP6338132B1 (ja) 平版印刷インキ用樹脂および平版印刷インキ
JP2013249370A (ja) 印刷インキ組成物及び印刷インキ組成物の製造方法
JP2013189528A (ja) 浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物
JP6183397B2 (ja) 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物
JP7293972B2 (ja) 平版印刷インキおよびその印刷物
JP7342684B2 (ja) 浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキ
JP7129523B2 (ja) オフセット印刷用インキ組成物、その製造方法、及びオフセット印刷用インキ組成物調製用ワニス
JP2013189527A (ja) 平版印刷インキ組成物
JP2010229301A (ja) 印刷インキ組成物
JP2008184600A (ja) 水なし平版印刷インキ組成物
JP2017149877A (ja) 平版印刷インキ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161101

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170620

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170810

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170822

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20170823

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170823

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170823

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6206722

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533