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JP6550785B2 - カラーフィルタおよび表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置、有機EL表示装置等の表示装置に用いられるカラーフィルタに関するものである。
近年、表示装置の発達に伴って、液晶表示装置、有機EL表示装置等のフラットパネルディスプレイの需要が増加している。最近では、テレビやパーソナルコンピューターの他にも、スマートフォン、タブレット端末等の多機能端末の普及が盛んになっており、益々フラットパネルディスプレイの市場は拡大する状況にある。
このような状況において、フラットパネルディスプレイを構成する部材については、高品質なものが望まれている。特に、フラットパネルディスプレイにおいて、カラーフィルタの品質は表示品位そのものに影響することから、高い品質や意匠性が求められている。
一般的なカラーフィルタは、透明基板と、透明基板上にパターン状に形成された遮光層と、遮光層の開口部に形成された複数色の着色層とを有するものである。このようなカラーフィルタは、例えば透明基板が観察者側になるように配置されて、フラットパネルディスプレイに組み込まれる。
カラーフィルタを用いた表示装置は、一般的にはRGBの三色の画素でカラー画像を形成している。すなわち、CIE色度図上において、RGBの三色の比率を変えてRGBの三角形の範囲にある色の再現を図っている。従って、このRGBの三色で表される三角形の外側の色については再現できないことになる。
高い品質や意匠性が求められるフラットパネルディスプレイにおいては、これら三色の画素による色再現性の拡大が求められている。また、表示装置の光源であるバックライトの消費電力低減やLEDバックライトの特性に起因して、高輝度化の要望も高くなっている。
特開2004−176000号公報
しかし、フラットパネルディスプレイの色再現性の拡大を図ろうとする場合、色再現範囲を広げるために表示色の色純度を高めようとすると、カラーフィルタの透過波長帯域を狭く設定しなければならない。このため、表示色の色純度を高めようとすると、カラーフィルタを透過する光の量(以下、カラーフィルタにおける透過光量とする場合がある。)が減少して透過光輝度が低下するという問題が生じる。
また、カラーフィルタを有する表示装置は、光源の種類により、特定色の着色層における光透過率および画素輝度が、他の色の着色層における光透過率および画素輝度よりも低下するという問題がある。例えば、光源を白色発光素子とした、カラーフィルタを有する有機EL表示装置では、赤色着色層は、緑色および青色着色層と比較して白色光の透過率が高くなる傾向を有する。また、緑色着色層は、赤色および青色着色層と比較して透過光輝度が高くなる傾向を有する。このように、着色層の色ごとに光取り出し効率にばらつきがあるため、光源に対する透過率が低く透過光輝度が低い特定色の着色層に対しては、個別に透過光量を増加させて光取り出し効率を向上させる必要がある。
ここで、色再現性の拡大および高輝度化の方法としては、例えば特許文献1で開示されるように、カラーフィルタの着色層に含まれる顔料や染料を選択する方法が一般的である。しかし、顔料は光の透過率が低く、十分な光の取出し効率が得られにくいという問題がある。また、色材として染料を用いる場合、顔料よりも光透過率が高いものの、製造過程における加熱等により色度が変化し易い、着色層内に異物を析出しやすくカラーフィルタを表示装置に用いた場合にコントラストが悪化する等の問題を有している。中でも青色着色層においては、その透過域が短波長側にあることから、上述の色材の特徴により、色特性が低下しやすいという問題がある。
このため、着色層に含まれる色材の選択だけでは、特定色の着色層において十分な光取り出し効率を確保しつつ、表示装置における表示輝度の向上を図るには限界がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、カラーフィルタが使用される表示装置の表示領域において、光取り出し効率を向上させ、表示輝度を向上させることが可能なカラーフィルタ、およびそれを用いた表示装置を提供することを主目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、透明基板と着色層との間に、その着色層を透過する光の波長に合わせた特定の厚みおよび屈折率を有する輝度向上層を配置することにより、透過光同士の干渉効果が生じ、上記着色層を透過する光量(以下、着色層における透過光量とする場合がある。)を増加させることができ、光取出し効率が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された遮光層と、上記遮光層の開口部に形成された複数色の着色層とを有し、上記透明基板と上記複数色の着色層のうち少なくとも一色の上記着色層との間に、特定の厚みおよび屈折率を有する輝度向上層が配置されており、上記輝度向上層の屈折率が、少なくとも上記透明基板の屈折率よりも高く上記一色の着色層の屈折率と異なることを特徴とするカラーフィルタを提供する。
本発明によれば、透明基板と少なくとも一色の特定の着色層との間に、特定の厚みおよび屈折率を有する輝度向上層が配置されていることから、特定の着色層、輝度向上層および透明基板をそのまま透過した光と、透明基板および輝度向上層、ならびに輝度向上層および特定の着色層の各界面で反射しながら透明基板を透過した光との干渉効果により、特定色の着色層における透過光量を増加させることができ、輝度向上を図ることができる。
上記発明においては、上記輝度向上層の屈折率が、上記一色の着色層の屈折率よりも高いことが好ましい。光の干渉効果に加え、他の光と干渉せずに出射される反射光が存在することで特定色の着色層における光の透過率が向上し、本発明の効果がより発揮されやすくなるからである。
上記発明においては、上記輝度向上層が、上記透明基板と青色着色層との間に配置されていることが好ましい。一般に、青色は、輝度向上を図ることが特に困難であるところ、透明基板と青色着色層との間に輝度向上層を配置することで、青色着色層における透過光量を増加させて、透過光輝度の向上を図ることができるからである。
上記発明においては、上記輝度向上層が、上記透明基板と上記複数色の着色層および上記遮光層との間の全面に配置されることが好ましい。透明基板と遮光層との間にも上記輝度向上層が配置されることにより、上記輝度向上層による着色層の輝度向上効果に加え、透明基板および輝度向上層の界面からの反射光と輝度向上層および遮光層の界面からの反射光とを干渉させ、光の干渉効果による遮光層での外光反射の低減効果等を得ることが可能であるからである。
また本発明は、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された遮光層と、上記遮光層の開口部に形成された複数色の着色層とを有し、上記透明基板と上記複数色の着色層のうち少なくとも一色の上記着色層との間に、特定の厚みおよび屈折率を有する輝度向上層が配置されており、上記輝度向上層の屈折率が、少なくとも上記透明基板の屈折率よりも高く上記一色の着色層の屈折率と異なるカラーフィルタを備えることを特徴とする表示装置を提供する。
本発明によれば、上述のカラーフィルタを備えることにより、輝度向上層が配置された特定の着色層における透過光量が増加し、表示装置の表示領域における表示輝度を向上させることが可能である。
上記発明においては、上記輝度向上層が、上記透明基板と青色着色層との間に配置されていることが好ましい。一般に、青色は、輝度向上を図ることが特に困難であるところ、透明基板と青色着色層との間に輝度向上層を配置することで、青色着色層における透過光量を増加させて、透過光輝度の向上を図ることができるからである。
本発明においては、カラーフィルタが使用される表示装置の表示領域において、光取り出し効率を向上させ、表示輝度を向上させることが可能であるという効果を奏する。
本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの一例を示す概略平面図である。 本発明のカラーフィルタにおける光の進行を説明する説明図である。 本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。
以下、本発明のカラーフィルタおよび表示装置について詳細に説明する。
A.カラーフィルタ
本発明のカラーフィルタは、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された遮光層と、上記遮光層の開口部に形成された複数色の着色層とを有し、上記透明基板と上記複数色の着色層のうち少なくとも一色の上記着色層との間に、特定の厚みおよび屈折率を有する輝度向上層が配置されており、上記輝度向上層の屈折率が、少なくとも上記透明基板の屈折率よりも高く上記一色の着色層の屈折率と異なることを特徴とするものである。
本発明のカラーフィルタについて図面を参照しながら説明する。
図1は本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。図1に例示するように、カラーフィルタ1は、透明基板2と、透明基板2上にパターン状に形成された遮光層4と、遮光層4の開口部に形成され、赤色着色層5R、緑色着色層5Gおよび青色着色層5Bが配列された着色層5とを有している。また、透明基板2と着色層5のうち青色着色層5Bとの間には、青色の波長に応じて調整された特定の厚みおよび屈折率を有する輝度向上層3が配置されている。輝度向上層3は、透明基板2の屈折率よりも高く、青色着色層5Bの屈折率と異なる屈折率を示す。
このようなカラーフィルタ1を表示装置に用いる場合には、カラーフィルタ1の透明基板2が観察者側になるように配置され、透明基板2側から外光が入射することになる。
図2は本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。図2に示すカラーフィルタ1においては、透明基板2上に遮光層4がパターン状に形成され、遮光層4の開口部に赤色着色層5R、緑色着色層5Gおよび青色着色層5Bを有する着色層5が形成されおり、透明基板2と青色着色層5Bとの間には、特定の厚みおよび屈折率を有する輝度向上層3が配置されている。遮光層4は、表示領域11に形成され、画素Pを区分する画素区分用遮光部6と、非表示領域12に形成された額縁遮光部7とを有している。
ここで、「表示領域」とは、本発明のカラーフィルタを表示装置に用いた場合に、画像表示に用いられる領域をいう。また、「非表示領域」とは、表示領域の外周に配置された領域をいう。例えば図2および3に示すように、カラーフィルタ1は、表示領域11と、表示領域11の外周に配置された非表示領域12とを有する。
本発明によれば、透明基板と特定色の着色層との間に、特定の厚みおよび屈折率を有する輝度向上層が配置されており、上記輝度向上層の屈折率が、少なくとも上記透明基板の屈折率よりも高く特定色の着色層の屈折率と異なることから、以下のような現象が生じているものと推量される。
すなわち、図4に例示するように、透明基板2と着色層5(図4では青色着色層5B)との間に輝度向上層3が配置されていることにより、本発明のカラーフィルタを表示装置に用いた場合には、表示装置の光源からの光Lは、一部が青色着色層5B、輝度向上層3および透明基板2をそのまま透過した光L1となり、一部が青色着色層5Bおよび輝度向上層3を透過し、輝度向上層3および透明基板2の界面で反射した光が輝度向上層3および青色着色層5Bの界面で再反射されて透明基板2を透過した光L2となると予想される。このため、青色着色層5Bを透過する光の透過率が高くなると推量される。また、このとき、透過した光L1と光L2とは、互いに干渉を起こすこととなるが、輝度向上層3の厚みおよび屈折率が、青色着色層5Bの青色の波長に応じて調整されていることで、光1と光2の位相が一致して干渉により強め合い、青色着色層5Bにおける透過光量が増加するものと推量される。
このように、着色層、輝度向上層および透明基板をそのまま透過した光と、透明基板および輝度向上層、ならびに輝度向上層および着色層の各界面で反射しながら透明基板を透過した光との干渉効果により、特定色の着色層における透過光量が増加し、透過光輝度が向上する。これにより表示装置において表示輝度を向上させることができる。
したがって、本発明のカラーフィルタを用いることにより、表示領域の表示輝度を向上させることができ、表示品位の高い表示装置を得ることができる。
以下、本発明のカラーフィルタにおける各構成について説明する。
1.輝度向上層
本発明における輝度向上層は、上記透明基板と上記複数色の着色層のうち少なくとも一色の上記着色層との間に配置されてものであり、特定の厚みおよび屈折率を有するものである。また、上記輝度向上層は、少なくとも上記透明基板の屈折率よりも高く上記一色の着色層の屈折率と異なる屈折率を有するものである。
中でも、本発明においては、上記輝度向上層が、透明基板と青色着色層との間に配置されていることが好ましい。一般に、青色は、他の色に比べて輝度向上を図ることが特に困難であり、色材の選択により表示輝度の向上を図ろうとしても、高輝度かつ青色を呈する色材の種類は限られてしまい、十分な輝度向上を図ることができない。これに対し、本発明では、透明基板と青色着色層との間に輝度向上層を配置することにより、高輝度な色材を選択することなく、青色着色層における透過光量を増加させることで、青色の輝度を向上させることが可能となるからである。
なお、着色層を透過する光の波長は着色層の色ごとにそれぞれ異なり、波長に応じて光の干渉効果が異なる。そのため、輝度向上層は、上記輝度向上層上に位置する各色着色層を透過する光の波長に応じて、光の干渉効果によって透過光量が増加するような厚みおよび屈折率の条件を振ることで設計することが可能である。そして、各着色層において透過光量の増加が可能となる輝度向上層の厚みおよび屈折率が、その色に対応する輝度向上層の「特定の厚みおよび屈折率」となる。
輝度向上層の特定の厚みとしては、輝度向上層上に位置する着色層、および上記着色層を透過する光の波長にもよるが、例えば20nm〜350nmの範囲内であることが好ましい。後述する図5(b)や図7に例示されるように、単一の輝度向上層上に複数色の着色層が配置される場合、輝度向上層の特定の厚みとは、少なくとも青色着色層において生じる光の干渉効果により、青色着色層における透過光量が増加する厚みであることが好ましい。青色の輝度を優先的に向上させることができるからである。
本明細書において「厚み」とは、一般的な測定方法によって得られる厚みをいう。厚みの測定方法としては、例えば、触針で表面をなぞり凹凸を検出することによって厚みを算出する触針式の方法や、分光反射スペクトルに基づいて厚みを算出する光学式の方法等を挙げることができる。具体的には、ケーエルエー・テンコール株式会社製の触針式厚み計P−15を用いて厚みを測定することができる。なお、厚みとして、対象となる部材の複数箇所における厚み測定結果の平均値が用いられてもよい。
以下、本発明における他の部位についても同様とする。
輝度向上層の有する特定の屈折率としては、透明基板と輝度向上層との界面で光の反射が生じるために、透明基板の屈折率よりも高く、輝度向上層が配置された少なくとも一色の着色層の屈折率と異なればよい。
具体的には、輝度向上層の屈折率が1.5よりも大きく2.1よりも小さいことが好ましく、中でも1.6よりも大きく2.1よりも小さいことが好ましい。輝度向上層の屈折率を上記範囲内とすることで、透明基板と輝度向上層との界面で反射した光を、さらに輝度向上層と着色層との界面において再度反射させて透明基板を透過させることができ、光の干渉効果により輝度向上層上に位置する着色層における透過光量を増加させることができるからである。一方、輝度向上層の屈折率が上記範囲内に無い場合は、光の反射率が高すぎてしまい、透過率の低下を招く可能性がある。
中でも、上記輝度向上層の特定の屈折率が、上記一色の着色層の屈折率よりも高いことが好ましい。光の干渉効果に加え、他の光と干渉せずに出射される反射光が存在することで、特定色の着色層における光の透過率が向上し、本発明の効果がより発揮されやすくなるからである。
後述する図5(b)や図7に例示されるように、単一の輝度向上層上に複数色の着色層が配置される場合、上記輝度向上層の屈折率は、透明基板よりも高く少なくとも青色着色層の屈折率と異なればよく、中でも青色着色層の屈折率よりも高いことが好ましい。青色の輝度を優先的に向上させることができるからである。
ここで、「屈折率」とは、波長550nmの光に対する屈折率をいう。屈折率の測定方法は特に限定されないが、例えば、分光反射スペクトルから算出する方法、エリプソメーターを用いて測定する方法、アッベ法を挙げることができる。エリプソメーターとしてはジョバンーイーボン社製UVSELが挙げられる。具体的には、テクノ・シナジー社製DF1030Rにて屈折率を測定することができる。後述する各部位の屈折率についても同様とする。
なお、後述する図7のように、輝度向上層が透明基板と複数色の着色層および遮光層との間の全面に配置される場合は、輝度向上層の屈折率は、遮光部の屈折率よりも低いことが好ましい。輝度向上層による着色層における透過光量の増加、および透過光輝度の向上効果に加え、透明基板および輝度向上層の界面からの反射光と輝度向上層および遮光層の界面からの反射光との干渉効果による遮光層での外光反射の低減効果をより向上させることが可能であるからである。なお、輝度向上層による遮光層での外光反射の低減については後で詳細に説明する。
本発明における輝度向上層は、バインダー樹脂とバインダー樹脂よりも屈折率が高い高屈折率微粒子とを含有する第1態様、および、透明基板の屈折率よりも高く複数の着色層のうち少なくとも一色の着色層の屈折率と異なる屈折率を示す樹脂、または無機材料を含む第2態様の2態様に大別することができる。
以下、輝度向上層の各態様について説明する。
(1)第1態様
本態様の輝度向上層は、バインダー樹脂とバインダー樹脂よりも屈折率が高い高屈折率微粒子とを含有するものである。
輝度向上層に用いられるバインダー樹脂としては、光透過性を有し、特定の厚みおよび屈折率を満たす輝度向上層を得ることが可能なものであれば特に限定されるものではなく、成膜性や膜強度等の観点から適宜選択される。中でも、バインダー樹脂は、熱または紫外線や電子線等の電離放射線の照射により硬化した硬化樹脂であることが好ましい。硬化樹脂としては、例えば熱硬化樹脂、電離放射線硬化樹脂が挙げられる。中でも、電離放射線硬化樹脂が好ましい。輝度向上層の表面硬度を高めることができるからである。
ここで、「電離放射線硬化樹脂」とは、電離放射線の照射により硬化した樹脂をいう。「電離放射線」とは、電磁波または荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものをいい、例えば、紫外線や電子線の他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線が挙げられる。
電離放射線硬化樹脂としては、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂を挙げることができる。中でも、紫外線硬化樹脂が好ましい。
具体的に、バインダー樹脂としては、特開2013−142817号公報、特開2012−150226号公報、特開2011−170208号公報等に記載されている高屈折率層に用いられるものを挙げることができる。
輝度向上層に用いられる高屈折微粒子としては、上記バインダー樹脂よりも屈折率が高く、特定の屈折率を満たす輝度向上層を得ることができるものであれば特に限定されるものではない。中でも、高屈折率微粒子の屈折率は1.5〜2.8の範囲内であることが好ましい。
このような高屈折率微粒子としては、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO、屈折率:2.0〜2.10)、酸化アンチモン(Sb、屈折率:1.79〜2.04)、アンチモン錫酸化物(ATO、屈折率:1.75〜2.05)、インジウム錫酸化物(ITO、屈折率:1.95〜2.00)、燐錫化合物(PTO、屈折率:1.75〜1.85)、β−Al(屈折率:1.63〜1.76)、γ−Al(屈折率:1.63〜1.76)、チタン酸バリウム(BaTiO、屈折率:2.4)、酸化チタン(TiO、屈折率:2.3〜2.7)、酸化セリウム(CeO、屈折率:1.95〜2.20)、酸化錫(SnO、屈折率:2.00、)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO、屈折率:1.90〜2.00)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO、屈折率:1.90〜2.00)、アンチモン酸亜鉛(ZnSb、屈折率:1.9〜2.0)、酸化亜鉛(ZnO、屈折率:1.90)、酸化イットリウム(Y、屈折率:1.87)等が挙げられる。これらの高屈率微粒子は1種単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
また、高屈折率微粒子は、表面処理されたものであってもよい。高屈折率微粒子に表面処理を施すことにより、バインダー樹脂や溶媒との親和性が向上し、高屈折率微粒子の分散が均一となり、高屈折率微粒子同士の凝集が生じにくくなるので、輝度向上層の光透過性の低下や、輝度向上層用組成物の塗布性、輝度向上層用組成物の塗膜強度の低下を抑制することができる。
表面処理された高屈折率微粒子としては、例えば特開2013−142817号公報に記載されているものを挙げることができる。
また、高屈折率微粒子は、その表面に光硬化性基を有する反応性微粒子であってもよい。
高屈折率微粒子の平均粒径としては、均一な厚みを有する輝度向上層を形成可能な程度であればよく、例えば5nm〜200nmの範囲内であることが好ましく、中でも5nm〜100nmの範囲内、特に10nm〜80nmの範囲内であることが好ましい。高屈折率微粒子の平均粒径が上記範囲内にあれば、輝度向上層の光透過性を損なうことがなく、良好な高屈折率微粒子の分散状態が得られる。なお、高屈折率微粒子の平均粒径が上記範囲内にあれば、平均粒径は1次粒径および2次粒径のいずれであってもよく、また高屈折率微粒子が鎖状に連なっていてもよい。
ここで、高屈折率微粒子の平均粒径は、輝度向上層の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)写真により観察される粒子20個の平均値をいう。
高屈折率微粒子の形状は特に限定されるものではなく、例えば、球状、鎖状、針状等を挙げることができる。
輝度向上層におけるバインダー樹脂および高屈折率微粒子の含有量としては輝度向上層の屈折率が上述した屈折率を満たすように適宜設定される。例えば、高屈折率微粒子の含有量を調整することにより、輝度向上層全体の屈折率を調整することができる。
バインダー樹脂として紫外線硬化樹脂を用いる場合、輝度向上層は光重合開始剤を含有していてもよい。光重合開始剤としては、一般的なものから適宜選択することができる。
また、輝度向上層は、所望の物性に応じて各種添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば分散助剤、耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤等が挙げられる。
本態様の輝度向上層は、単層であってもよく、透明基板側から順に第1輝度向上層と第2輝度向上層とが積層された多層体であってもよい。輝度向上層が上記の多層体である場合、第1輝度向上層および第2輝度向上層の屈折率は、透明基板の屈折率よりも高く着色層の屈折率と異なればよく、中でも透明基板の屈折率よりも高く着色層の屈折率よりも高いことが好ましい。
なお、後述するように輝度向上層が透明基板と複数色の着色層および遮光層との間の全面に配置される場合、本態様の輝度向上層を多層体とし、第1輝度向上層および第2輝度向上層の屈折率を透明基板の屈折率よりも高く遮光層の屈折率よりも低くすることで、遮光層での外光反射の低減効果をより向上させることが可能である。第1輝度向上層と第2輝度向上層との屈折率の大小関係は適宜設定することができる。
(2)第2態様
本態様の輝度向上層は、透明基板の屈折率よりも高く複数の着色層のうち少なくとも一色の着色層(以下、特定の着色層とする。)の屈折率と異なる屈折率を示す樹脂、または無機材料を含む層である。
本態様においては、輝度向上層に含まれる樹脂自体が透明基板よりも高く少なくとも特定の着色層と異なる屈折率を示すことから、輝度向上層を特定の屈折率を示すものとすることが可能である。したがって、本態様の輝度向上層は、上記の樹脂と屈折率が異なる微粒子を別途含有させる必要がない。輝度向上層が無機材料を含む層である場合についても同様に、上記無機材料と屈折率が異なる微粒子を別途含有させる必要がない。
したがって、本態様の輝度向上層は微粒子を含まない層、すなわち、透明基板よりも高く特定の着色層の屈折率と異なる屈折率を示す樹脂で形成された樹脂層、または、無機材料で形成され、透明基板よりも高く特定の着色層の屈折率と異なる屈折率を示す無機層である。
本態様の輝度向上層に用いられる樹脂または無機材料としては、光透過性を有し、透明基板よりも屈折率が高く少なくとも特定の着色層と異なる屈折率を示す輝度向上層を形成することが可能な材料であればよい。また、輝度向上層が後述する遮光層と透明基板との間にも配置される場合は、樹脂または無機材料としては、光透過性を有し、透明基板よりも屈折率が高く遮光層の屈折率よりも屈折率が低い輝度向上層を形成可能な材料であればよい。以下、本態様の輝度向上層に用いられる各材料について説明する。
(a)樹脂
本態様の輝度向上層が樹脂層である場合、上記樹脂としては、所望の光透過性および特定の屈折率を有する輝度向上層を得ることができるものであればよく、中でも、上記樹脂は、熱または紫外線や電子線等の電離放射線の照射により硬化した硬化樹脂であることが好ましく、例えば熱硬化樹脂、電離放射線硬化樹脂が挙げられる。また、電離放射線硬化樹脂としては、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂を挙げることができる。具体的に、樹脂としては、トリアジン系樹脂、アクリル系樹脂、エピスルフィド系樹脂、チオウレタン系樹脂、ポリカーボネート、(ウレタン)メタクリレート、(エポキシ)メタクリレート、ジアリルカーボネート、ジアリルフタレート系樹脂、ゾルゲル樹脂等が挙げられる。
また、市販品としては、日産化学工業社の高屈折率コーティング材料であるハイパーテックUR−シリーズ、HR−シリーズ、HX−シリーズおよびHT−シリーズ、ならびに、シグマアルドリッチ社の高屈折率コーティング用材料であるジルコニウムアクリレート、ハフニウムアクリレート、および芳香族または臭素化芳香族モノマーベースの高屈折率ポリマー等を用いることができる。
樹脂として紫外線硬化樹脂を用いる場合、輝度向上層は光重合開始剤を含有していてもよい。光重合開始剤としては、一般的なものから適宜選択することができる。
また、輝度向上層が上記樹脂により形成される場合、輝度向上層は、所望の物性に応じて各種添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、「(1)第1態様」の項で説明した添加剤と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本態様の輝度向上層が樹脂層である場合、上記の樹脂と屈折率が異なる微粒子は含有されない。ここで上記の樹脂と屈折率が異なる微粒子としては、特に限定されるものではなく、例えば、酸化チタンや酸化ジルコニウム等の金属酸化物微粒子を挙げることができる。
(b)無機材料
本態様の輝度向上層が無機層である場合、上記無機材料としては、成膜可能であり、所望の光透過性および特定の屈折率を有する輝度向上層を得ることができるものであればよく、例えば金属酸化物、金属窒化物、金属酸化窒化物等の金属化合物や、金属が挙げられる。中でも、光透過性の観点から金属酸化物が好ましい。金属酸化物としては、例えばインジウム錫酸化物(ITO)、酸化ニオブ、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム合金、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化アンチモン、酸化セリウム、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、燐錫化合物(PTO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)、アンチモン酸亜鉛、チタン酸バリウム等が挙げられる。また、金属窒化物、金属酸化窒化物としては、例えば窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素等が挙げられる。中でも、インジウム錫酸化物(ITO)が好ましい。ITOは汎用材料であることから、既存の設備を利用することができ、製造コストを低減することができるからである。
なお、上述の金属酸化物のうち、金属酸化物自体の屈折率が高屈折率層の屈折率の範囲内にないものであっても、例えば組成等を調整することにより高屈折率層の屈折率を制御することができる。また、上述の金属酸化物の中には、屈折率は成膜条件により、適宜変動させることが可能な物質もある。例を挙げると酸素分圧を変動させる方法や、透明基板の温度などを変動させる方法がある。
(c)その他
本態様の輝度向上層は、上述したように、輝度向上層を形成する樹脂または無機材料と屈折率の異なる微粒子を含有しない。ここで、輝度向上層が樹脂または無機材料と屈折率の異なる微粒子を含有しないとは、輝度向上層中の上記微粒子の含有量が0.1質量%以下であることをいう。中でも、輝度向上層中の微粒子の含有量はゼロであることが好ましい。
本態様の輝度向上層は、単層であってもよく、透明基板側から順に第1輝度向上層と第2輝度向上層とが積層された多層体であってもよい。なお、輝度向上層が多層体である場合の詳細については、「(1)第1態様」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
(3)その他
輝度向上層は光透過性を有するものである。輝度向上層の光透過性としては、全光線透過率が70%以上であることが好ましく、中でも80%以上、特に90%以上であることが好ましい。
ここで、輝度向上層の全光線透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)に準拠して測定することができる。
輝度向上層の配置態様としては、透明基板と複数色の着色層のうち少なくとも一色の着色層との間に配置される態様であればよく、中でも透明基板と青色着色層との間に配置される配置態様とすることが好ましい。
輝度向上層の具体的な配置態様としては、図1に例示するように、透明基板2と特定の一色の着色層5(青色着色層5B)との間にのみ輝度向上層3が配置された態様(第1態様)であってもよく、図5(a)に示すように透明基板2と複数色の着色層5との間に、着色層5R、5B、5Bごとに対応する輝度向上層3R、3G、3Bが配置された態様(第2態様)であってもよい。着色層ごとに、色に応じた厚みおよび屈折率が調整された輝度向上層が配置される場合、各着色層における透過光輝度の向上が可能となるため、カラーフィルタを備える表示装置において表示領域全体での輝度向上を図ることが可能となる。
また、輝度向上層の配置態様として、図5(b)に例示するように、単一の輝度向上層3が、透明基板2と各色の着色層5R、5B、5Bとの間の全面に配置される態様(第3態様)であってもよい。輝度向上層の配置態様が第3態様である場合、少なくとも青色着色層を透過する光に対して透過光輝度を向上させることができればよく、輝度向上層は、青色着色層における透過光量が増加する特定の厚みおよび屈折率を有することが好ましい。輝度向上層の具体的な厚みおよび屈折率については、上述の通りである。
なお、青色着色層以外の着色層を透過する光に対しては、輝度向上層により透過光輝度が低下しても、表示を阻害しない程度であれば許容される。
本発明においては、輝度向上層が透明基板と着色層との間に加え、透明基板と遮光層との間にも配置されてもよい。例えば、図6に例示するように、輝度向上層3が透明基板2と特定の一色の着色層5(図6においては、青色着色層5B)との間、および透明基板2と遮光層4との間に配置されていてもよく、図7に例示するように、輝度向上層3が、透明基板2と複数色の着色層5および遮光層4との間の全面に配置されていてもよい。
なお、透明基板と遮光層との間に輝度向上層が配置される場合、遮光層の画素区分用遮光部のみに配置されてもよく、額縁遮光部のみに配置されてもよいが、画素区分用遮光部および額縁遮光部の両方に配置されることが好ましい。
中でも、本発明においては、上記輝度向上層が、透明基板と複数色の着色層および遮光層との間の全面に配置されることが好ましい。その理由については、以下の通りである。
従来のカラーフィルタにおいて、遮光層での外光反射の原因の一つは、遮光層の屈折率が透明基板の屈折率よりも高く、その屈折率差が大きいことである。そこで、透明基板と遮光部との間にも輝度向上層を配置することにより、透明基板および輝度向上層の界面からの反射光と輝度向上層および遮光層の界面からの反射光とを干渉させ、光の干渉効果によって遮光層での外光反射を低減することが可能であるからである。このとき、輝度向上層の屈折率を、透明基板の屈折率よりも高く遮光層の屈折率よりも低くすることで、輝度向上層による遮光層での外光反射低減効果がより発揮されやすくなる。
また、第1態様の輝度向上層の場合、バインダー樹脂および高屈折微粒子を含有するものであり、従来の色材を含有する遮光性樹脂層と比較して拡散反射が小さいため、本発明のカラーフィルタを表示装置に用いた場合には、白浮きの発生を抑制し、表示品位を高めることが可能である。一方、第2態様の輝度向上層の場合、微粒子を含有しないことから、微粒子による拡散反射が起こらないため、本発明のカラーフィルタを表示装置に用いた場合には、白浮きの発生を抑制し、コントラストを高めることができ、表示品位を高めることが可能である。
このように、透明基板と遮光層との間にも輝度向上層が配置されることにより、上記輝度向上層による着色層の輝度向上の効果に加え、透明基板および輝度向上層の界面からの反射光と輝度向上層および遮光層の界面からの反射光とを干渉させ、光の干渉効果による遮光層での外光反射の低減効果等を得ることが可能であるからである。
また、透明基板と複数色の着色層および遮光層との間の全面に輝度向上層を配置することで、着色層ごとに輝度向上層を設けるためのパターニングが不要となり、カラーフィルタの製造を容易にすることができるという製造上の利点もある。
なお、上記輝度向上層が、透明基板と複数色の着色層および遮光層との間の全面に配置される場合、上記輝度向上層の屈折率が上記遮光層の屈折率よりも低いことがより好ましい。
輝度向上層を配置することによる透過光輝度の向上率(以下、輝度向上率とする。)としては、特に限定されないが、少なくとも青色着色層において、輝度向上層が配置されない場合の透過光輝度に対し、輝度向上層が配置されることによる輝度向上率が3%以上、中でも5%以上になることが好ましい。
透過光輝度は、CIE発色系色度におけるY値で規定され、例えばオリンパス社製「顕微分光測定装置OSP−SP200」を用い、カラーフィルタのガラス基板側から垂直に、国際照明委員会CIEによる標準光源Cの光を当て、裏側に透過した透過光について測定されるY値とする。
なお、空気界面との屈折率差による影響を排除するため、Y値は、通常、カラーフィルタと、別途用意した対向基板(ガラス基板)とを、カラーフィルタの各色着色層が配置された側の面が対向基板側となるように配置させ、カラーフィルタおよび対向基板間にマッチングオイル(グリセリン)を配置した状態で測定される。
また、着色層ごとに対応する厚みおよび屈折率を有する輝度向上層が配置される場合は、青色以外の着色層についても同様の輝度向上率を示すことが好ましい。
輝度向上層の形成方法としては、輝度向上層の配置態様や材料等に応じて適宜選択される。例えば、所望の材料を含む輝度向上層用組成物を、透明基板上の所望の位置に塗布し、硬化させる方法が挙げられる。
輝度向上層用組成物としては、第1態様の輝度向上層を形成する場合であれば、例えば樹脂成分と高屈折率微粒子と各種添加剤と溶媒とを含有するものであり、また、樹脂層である第2態様の輝度向上層を形成する場合であれば、樹脂成分と各種添加剤と溶媒とを含有するものである。
溶媒としては、各成分を溶解もしくは分散させることが可能であれば特に限定されるものではなく、例えば特開2013−142817号公報、特開2012−150226号公報、特開2011−170208号公報等に記載されている高屈折率層の形成に用いられるものを挙げることができる。
特定の着色層にのみ、または各色の着色層にそれぞれ輝度向上層を配置する場合、輝度向上層用組成物の塗布方法としては、インクジェット法等により透明基板上の所定の位置に輝度向上層用組成物を吐出する方法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、シルクスクリーン印刷法等の印刷法等を用いることができる。
また、後述する方法で輝度向上層用組成物を透明基板の表面全面に塗布し、硬化させて輝度向上層を形成した後、フォトリソグラフィ法によりパターニングすることで、特定の着色層にのみ、または各色の着色層にそれぞれ輝度向上層を配置することができる。このとき遮光層をマスクとして輝度向上層をパターニングしてもよい。
一方、透明基板と複数色の着色層および遮光層との間の全面に配置する場合、輝度向上層用組成物の塗布方法としては、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法等の方法を用いることができる。
輝度向上層用組成物の塗布後は、溶媒の除去のために乾燥させてもよい。
硬化方法としては、樹脂成分の種類に応じて異なるが、例えば熱あるいは紫外線や電子線等の電離放射線の照射が挙げられる。第1態様の輝度向上層を形成する場合、塗膜を硬化させる際には、酸素による硬化阻害を抑制するために、不活性ガス雰囲気、例えば窒素ガス雰囲気とすることが好ましい。
硬化条件としては、樹脂成分の種類に応じて異なるが、第1態様の輝度向上層を形成する場合であれば、例えば特開2013−142817号公報、特開2012−150226号公報等に記載されている条件を適用することができる。
一方、第2態様の輝度向上層が無機層である場合、輝度向上層の形成方法としては、例えばマスク蒸着法により透明基板上に直に輝度向上層をパターン状に形成する方法、透明基板の全面に輝度向上層を形成した後、フォトリソグラフィ法によりパターニングする方法を用いることができる。遮光層をマスクとして輝度向上層をパターニングしてもよい。
また、輝度向上層を透明基板と複数色の着色層および遮光層との間の全面に配置する場合には、例えばスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等のPVD法、CVD法等により透明基板の全面に形成する方法を用いることができる。
2.遮光層
本発明における遮光層は、透明基板上にパターン状に形成されるものである。
また、遮光層は、表示領域に形成され、画素を区分する画素区分用遮光部と、非表示領域に形成された額縁遮光部とを有する。
遮光層としては、例えばバインダー樹脂中に黒色色材を分散させたものが用いられる。
バインダー樹脂は、遮光層の形成方法に応じて適宜選択される。フォトリソグラフィ法の場合、バインダー樹脂としては、例えばアクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。また、印刷法やインクジェット法の場合、バインダー樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
黒色色材としては、カラーフィルタの遮光層に一般に使用されるものを挙げることができ、顔料および染料のいずれも用いることができる。例えば、カーボンブラック、チタンブラック等が挙げられる。
遮光層中の黒色色材の含有量としては、所望の遮光性が得られればよく、カラーフィルタにおける一般的な遮光層と同様とすることができる。
また、遮光層には、必要に応じて、光重合開始剤、増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等が含有されていてもよい。
遮光層の厚みは、カラーフィルタにおける一般的な遮光層の厚みと同様とすることができ、例えば0.5μm〜2.0μmの範囲内で設定することができる。
遮光層の開口部の形状は特に限定されるものではなく、例えばストライプ形状、くの字形状、デルタ配列等のように着色層の配列を変えたものも挙げられる。
遮光層は、図1等に例示するように単層であってもよく、多層体であってもよい。多層体の遮光層としては、例えば、透明基板側から順に反射制御層および遮光性樹脂層が積層されたものが挙げられる。このような層構成とすることで、反射制御層により遮光層での外光反射をさらに低減することができ、本発明のカラーフィルタを表示装置に用いた場合、画像非表示時に非表示領域における額縁遮光部での反射光輝度ならびに表示領域における複数色の着色層および画素区分用遮光部での平均の反射光輝度をいずれもさらに低くすることができる。これにより、画像非表示時に、非表示領域における額縁遮光部での反射光輝度と表示領域における複数色の着色層および画素区分用遮光部での平均の反射光輝度との差を小さくすることができ、画像非表示時の見栄えを良くすることが可能となる。
反射制御層としては、例えば赤色色材、緑色色材、青色色材、黄色色材、黒色色材等の色材を含有する着色樹脂層を挙げることができ、具体的には本発明のカラーフィルタを構成する着色層や、黒色色材を含有する着色樹脂層を用いることができる。反射制御層に含有される色材は1種であってもよく2種以上であってもよい。
反射制御層がカラーフィルタを構成する着色層である場合、その構成としては着色層と同様である。
反射制御層が黒色色材を含有する着色樹脂層である場合、黒色色材は単層の遮光層に用いられる黒色色材と同様であり、着色樹脂層に用いられるバインダー樹脂は、単層の遮光層に用いられるバインダー樹脂と同様とすることができる。
遮光性樹脂層は、単層の遮光層と同様とすることができる。
遮光層の形成方法としては、透明基板上または輝度向上層上に遮光層をパターン状に形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、フォトリソグラフィ法、印刷法、インクジェット法を挙げることができる。
3.着色層
本発明における着色層は、上記遮光層の開口部に形成されるものである。また、本発明においては、複数色の着色層を有し、上記複数色の着色層のうち少なくとも一色の上記着色層は、透明基板との間に、特定の厚みおよび屈折率を有する輝度向上層が配置されている。
着色層の色としては、例えば赤、緑、青、黄、シアン、およびマゼンダからなる群から選択される1種または2種以上の組み合わせを挙げることができる。また、着色層として、上記の着色層に加えて、白色(無色)の層を用いてもよい。具体的には、着色層の色は、赤、緑、青の3色、赤、緑、青、黄の4色、赤、緑、青、黄、シアンの5色、赤、緑、青、白の4色等とすることができる。
着色層は、例えば色材をバインダー樹脂中に分散させたものである。
色材としては、各色の顔料や染料等を挙げることができる。赤色着色層に用いられる赤色色材としては、例えば、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。緑色着色層に用いられる緑色色材としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。青色着色層に用いられる青色色材としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料や染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
バインダー樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。
着色層には、光重合開始剤や、必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を含有させてもよい。
着色層の配列は特に限定されるものではなく、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の公知の配列とすることができる。
隣接する着色層の間には隙間があってもよく無くてもよい。
着色層の厚みは、カラーフィルタにおける一般的な着色層の厚みと同様とすることができ、例えば1μm〜5μmの範囲内で設定することができる。
着色層の形成方法としては、複数色の着色層を同一平面上に配列可能な方法であればよく、例えばフォトリソグラフィ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。
また、着色層が形成されている同一平面上には、上記色材を含有せず、上記バインダー樹脂を含有し、表示装置の光源からの光を透過する白色層が形成されていてもよい。
白色層の厚みおよび形成方法は、着色層と同様である。
4.透明基板
本発明における透明基板は、上記の輝度向上層、遮光層および着色層等を支持するものである。
透明基板としては、一般的にカラーフィルタに用いられているものを用いることができ、例えば、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない無機基板、および、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する樹脂基板等を挙げることができる。中でも無機基板を用いることが好ましく、無機基板の中でもガラス基板を用いることが好ましい。さらには、ガラス基板の中でも無アルカリタイプのガラス基板を用いることが好ましい。無アルカリタイプのガラス基板は寸度安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、かつ、ガラス中にアルカリ成分を含まないことから、アクティブマトリックス方式による液晶表示装置用のカラーフィルタに好適に用いることができるからである。
5.その他の構成
本発明のカラーフィルタは、上記の透明基板、輝度向上層、遮光層および着色層以外に、必要に応じて他の構成を有していてもよい。
本発明においては、着色層上にオーバーコート層が形成されていてもよい。オーバーコート層により、カラーフィルタ表面を平坦化することができる。
オーバーコート層の材料としては、着色層が形成された面を平坦化することができるものであれば特に限定されるものではなく、一般にカラーフィルタに用いられるオーバーコート層と同様とすることができ、有機材料および無機材料のいずれも用いることができる。オーバーコート層が無機材料から構成される場合には、バリア性を付与することができる。
オーバーコート層の厚みおよび形成方法としては、一般にカラーフィルタに用いられるオーバーコート層と同様とすることができる。
また例えば、オーバーコート層上に透明電極層や配向膜が形成されていてもよく、画素間遮光部上にスペーサが形成されていてもよい。透明電極層、配向膜およびスペーサについては、一般に液晶表示装置に用いられるものと同様とすることができる。
6.用途
本発明のカラーフィルタは、着色層、特に青色着色層における光の取出し効率および表示輝度の向上が図れることから、例えば液晶表示装置、有機EL表示装置等の表示装置に好適に用いることができる。中でも、第1態様の輝度向上層を有する場合、本発明のカラーフィルタは有機EL表示装置に好適に用いることができる。一方、第2態様の輝度向上層を有する場合、本発明のカラーフィルタは液晶表示装置に好適に用いることができる。
また、輝度向上層が透明基板と遮光層との間にも配置される場合は、遮光部での外光反射を低減することができるため、上述の表示装置に、より好適に使用することができる。中でも、本発明のカラーフィルタを有機EL表示装置に用いることで、外光反射低減のために円偏光板を使用する必要が無くなる。そのため、円偏光板による光の利用効率の低下を抑制し、高輝度化を達成することができる。
B.表示装置
本発明の表示装置は、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された遮光層と、上記遮光層の開口部に形成された複数色の着色層とを有し、上記透明基板と上記複数色の着色層のうち少なくとも一色の上記着色層との間に、特定の厚みおよび屈折率を有する輝度向上層が配置されており、上記輝度向上層の屈折率が、少なくとも上記透明基板の屈折率よりも高く上記一色の着色層の屈折率と異なるカラーフィルタを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、上述のカラーフィルタを備えることにより、輝度向上層が配置された特定の着色層を透過する光の量が増加し、表示装置の表示領域における表示輝度を向上させることが可能である。中でも青色の表示輝度の向上を図ることができる。
また、上述のカラーフィルタにおいて、透明基板と着色層との間に加え、透明基板と遮光層との間にも輝度向上層が配置される場合、遮光層での外光反射を低減することができ、表示品位を高めることが可能である。
本発明におけるカラーフィルタの詳細については、「A.カラーフィルタ」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明の表示装置としては、例えば液晶表示装置、有機EL表示装置等が挙げられる。
本発明の表示装置が液晶表示装置である場合、液晶表示装置は、例えば上述のカラーフィルタと、対向基板と、カラーフィルタおよび対向基板の間に配置された液晶層とを有するものである。なお、このとき使用されるカラーフィルタは第2態様の輝度向上層を有することが好ましい。
カラーフィルタおよび対向基板のそれぞれの対向面には、透明電極層および配向膜を形成することができる。また、対向基板にはTFT素子等を形成することができる。対向基板は、液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択される。また、液晶層に用いられる液晶としては、例えばネマチック液晶、スメクチック液晶等を挙げることができ、液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択される。
液晶表示装置を構成する各部材については、一般的な液晶表示装置と同様とすることができる。
本発明の表示装置が有機EL表示装置である場合、有機EL表示装置は、例えば上述のカラーフィルタと、支持基板上に有機EL素子が形成された有機EL素子基板とを有するものである。なお、このとき用いられるカラーフィルタは第1態様の輝度向上層を有することが好ましい。
有機EL素子は、例えば支持基板上に形成された背面電極層と、背面電極層上に形成され、少なくとも発光層を含む有機EL層と、有機EL層上に形成された透明電極層とを有する。有機EL層は、発光層の他に、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層等を有することができる。また、カラーフィルタと有機EL素子基板との間は、例えば樹脂で充填することができる。
有機EL表示装置を構成する各部材については、一般的な有機EL表示装置と同様とすることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
(硬化性樹脂組成物Aの調製)
重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63重量部、アクリル酸(AA)を12重量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6重量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88重量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7重量部添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、さらに100℃で1時間反応させた。得られた溶液に、さらにメタクリル酸グリシジル(GMA)を7重量部、トリエチルアミンを0.4重量部、およびハイドロキノンを0.2重量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
次に下記の材料を室温で攪拌、混合して硬化性樹脂組成物Aとした。
<硬化性樹脂組成物Aの組成>
・上記共重合樹脂溶液(固形分50%):16重量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399):24重量部
・ オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社 エピコート180S70):4重量部
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン:4重量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル:52重量部
(輝度向上層Aの形成)
上記硬化性樹脂組成物Aと、酸化チタン微粒子分散液と、ジルコニア微粒子分散液とを、屈折率が1.74になるように配合を調整して混合し、屈折率1.74の輝度向上層用組成物を調製した。次いで、屈折率が約1.5のガラス基板上に、輝度向上層用組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、超高圧水銀ランプで露光して、膜厚27nmの輝度向上層Aを形成した。
(遮光層の形成)
下記分量の成分を混合し、サンドミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液を調製した。
<黒色顔料分散液の組成>
・黒色顔料(三菱化学社製#2600):20重量部
・高分子分散材(ビックケミー・ジャパン株式会社 Disperbyk111):16重量部
・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル):64重量部
次に、下記分量の成分を十分混合して、遮光層用組成物を得た。
<遮光層用組成物の組成>
・上記黒色顔料分散液:50重量部
・硬化性樹脂組成物A:20重量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル:30重量部
輝度向上層Aを形成した基板上に、上記遮光層用組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥した。遮光層用組成物の塗膜を、超高圧水銀ランプで遮光パターンに露光した後、0.05wt%水酸化カリウム水溶液で現像し、その後、基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱処理を施して、光学濃度4.0、膜厚3μmの画素区分用遮光部および額縁遮光部を有する遮光層を形成した。遮光層の屈折率は1.9であった。
(赤色着色層の形成)
遮光層が形成された基板上に、下記組成の赤色硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布し、その後、70℃のオーブン中で3分間乾燥した。次いで、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kwの超高圧水銀ランプを用いて赤色着色層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後、基板を230℃の雰囲気下に15分間放置することにより、加熱処理を施して、赤色着色層をパターン状に形成した。赤色着色層の形成膜厚は2.0μm、屈折率は1.60であった。
<赤色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントレッド177:3重量部
・C.I.ピグメントレッド254:4重量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤:3重量部
・硬化性樹脂組成物A:23重量部
・酢酸−3−メトキシブチル:67重量部
(緑色着色層の形成)
次に、下記組成の緑色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色着色層の形成と同様の工程で、塗布膜厚を変えて、形成膜厚が2.0μmとなるようにして、緑色着色層をパターン状に形成した。得られた緑色着色層の屈折率は1.59であった。
<緑色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントグリーン58:7重量部
・C.I.ピグメントイエロー138:1重量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤:3重量部
・硬化性樹脂組成物A:22重量部
・酢酸−3−メトキシブチル:67重量部
(青色着色層の形成)
さらに、下記組成の青色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色着色層の形成と同様の工程で、塗布膜厚を変えて、形成膜厚が2.0μmとなるようにして、青色着色層をパターン状に形成した。得られた青色着色層の屈折率は1.58であった。
<青色硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントブルー15:6:5重量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤:3重量部
・硬化性樹脂組成物A:25重量部
・酢酸−3−メトキシブチル:67重量部
(オーバーコート層の形成)
各色の着色層を形成した基板上に、上記の硬化性樹脂組成物Aをスピンコーティング法により塗布、乾燥し、乾燥塗膜2μmの塗布膜を形成した。塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いてオーバーコート層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、硬化性樹脂組成物Aの塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後、基板を230℃の雰囲気中に15分間放置することにより加熱処理を施して、オーバーコート層を形成した。これにより、カラーフィルタを得た。
[実施例2]
輝度向上層Aに換えて、下記のように輝度向上層Bを形成したこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
(輝度向上層Bの形成)
上記硬化性樹脂組成物Aと、酸化チタン微粒子分散液と、ジルコニア微粒子分散液とを屈折率が1.61になるように配合を調整して混合し、屈折率1.61の輝度向上層用組成物を調製した。次いで、屈折率が約1.5のガラス基板上に、輝度向上層用組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、超高圧水銀ランプで露光して、膜厚40μmの輝度向上層Bを形成した。
[比較例]
輝度向上層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[評価]
実施例および比較例で得られた各カラーフィルタを用いて以下の方法で評価用サンプルを作製した。
カラーフィルタと、別途用意した対向基板(ガラス基板、屈折率約1.5)とを、カラーフィルタの各色着色層が配置された側の面が対向基板側となるように配置させ、カラーフィルタおよび対向基板間にマッチングオイル(グリセリン)を配置して、評価用サンプルとした。
各評価用サンプルに対し、オリンパス社製「顕微分光測定装置OSP−SP200」を用いて、カラーフィルタのガラス基板側から垂直に、国際照明委員会CIEによる標準光源Cの光を当てて、裏側に透過した透過光についてCIE発色系色度におけるY値を測定し、Y値を透過光輝度とした。
比較例における各色着色層および透明基板での透過光輝度Y(ref)に対する実施例における各色着色層および透明基板での透過光輝度Y(sample)の割合(%)を算出した。
結果を表1に示す。
特定の厚みおよび屈折率で設計された輝度向上層を設けることで、青色着色層における透過光輝度の向上が確認された。すなわち、輝度向上層が青色着色層に対応する特定の厚みおよび屈折率を有することで、青色着色層における透過光量の増加を可能とし、光取り出し効率が向上したことが示唆された。
1 … カラーフィルタ
2 … 透明基板
3 … 輝度向上層
4 … 遮光層
5 … 着色層
5R … 赤色着色層
5G … 緑色着色層
5B … 青色着色層
6 … 画素区分用遮光部
7 … 額縁遮光部
11 … 表示領域
12 … 非表示領域

Claims (3)

  1. 透明基板と、
    前記透明基板上にパターン状に形成された遮光層と、
    前記遮光層の開口部に形成された複数色の着色層と
    を有し、
    前記透明基板と前記複数色の着色層のうち少なくとも一色の前記着色層との間に、特定の厚みおよび屈折率を有する輝度向上層が配置されており、
    前記輝度向上層は、前記透明基板と青色着色層との間のみに配置されており、
    前記輝度向上層の屈折率が、少なくとも前記透明基板の屈折率よりも高く前記一色の着色層の屈折率と異なることを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 前記輝度向上層の屈折率が、前記一色の着色層の屈折率よりも高いことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
  3. 透明基板と、
    前記透明基板上にパターン状に形成された遮光層と、
    前記遮光層の開口部に形成された複数色の着色層と
    を有し、
    前記透明基板と前記複数色の着色層のうち少なくとも一色の前記着色層との間に、特定の厚みおよび屈折率を有する輝度向上層が配置されており、
    前記輝度向上層は、前記透明基板と青色着色層との間のみに配置されており、
    前記輝度向上層の屈折率が、少なくとも前記透明基板の屈折率よりも高く前記一色の着色層の屈折率と異なるカラーフィルタを備えることを特徴とする表示装置。
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