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JP6303787B2 - カラーフィルタおよび表示装置 - Google Patents

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JP6303787B2
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Description

本発明は、液晶表示装置、有機EL表示装置等の表示装置に用いられるカラーフィルタに関するものである。
近年、表示装置の発達に伴って、液晶表示装置、有機EL表示装置等のフラットパネルディスプレイの需要が増加している。最近では、テレビやパーソナルコンピューターの他にも、スマートフォン、タブレット端末等の多機能端末の普及が盛んになっており、益々フラットパネルディスプレイの市場は拡大する状況にある。
このような状況において、フラットディスプレイを構成する部材については、高品質なものが望まれている。特に、フラットパネルディスプレイにおいて、カラーフィルタの品質は表示品位そのものに影響することから、高い品質や意匠性が求められている。
一般的なカラーフィルタは、透明基板と、透明基板上にパターン状に形成された画素区分用遮光部と、画素区分用遮光部の開口部に形成された複数色の着色層と、上記画素区分用遮光部および着色層が形成された領域を囲う様にして形成された額縁遮光部とを有するものである。カラーフィルタをフラットパネルディスプレイに組み込む場合には、例えばカラーフィルタの透明基板が観察者側になるように配置され、画素区分用遮光部および着色層が形成された領域が表示領域として観察者に視認される。また、額縁遮光部により囲まれた表示領域外の領域が非表示領域となる。
なお、画素区分用遮光部および額縁遮光部を合わせて「遮光部」と称する場合がある。
このようなフラットパネルディスプレイは、外光の影響を受けやすく、外光反射により視認性が低下するという課題を有しており、上記課題に対し、低反射の遮光部としてカーボンブラックやチタンブラック等の黒色色材がバインダー樹脂に分散された遮光性樹脂層を用いることが提案されている。
しかしながら、遮光性樹脂層の反射率には限界があり、外光反射低減の効果は十分とはいえない。
さらに、最近では高精細化が要望され、画素の微細化が必要となっている。高精細化が進むと、表示領域における画素区分用遮光部の占有面積の割合が多くなり、これに伴って外光反射の影響が大きくなる。
これに対し本発明者らは、特許文献1、2に記載するように、透明基板と遮光性樹脂層との間に反射制御層を設けることを提案している。特許文献1においては、反射制御層としてカラーフィルタを構成する着色層を用いることを提案しており、特許文献2においては、反射制御層として青色色材または黒色色材を含有する着色層を用いることを提案している。外光反射は、主に画素区分用遮光部および額縁遮光部で生じることから、遮光部を反射制御層および遮光性樹脂層を有する積層構造とすることで、遮光部での反射による外光の明るさが抑えられ、外光反射の低減を図ることが可能となる。
国際公開第2013/008679号パンフレット 特開2014−25986号公報
しかしながら、遮光性樹脂層にはカーボンブラックやチタンブラック等の黒色色材が含有されているため、拡散反射が大きく、反射光輝度が高くなってしまう。この場合、表示領域において画面が白浮きして見えるという問題がある。また、反射制御層にも色材等が含有されることで、同様の問題が起こり得る。さらに、遮光性樹脂層および反射制御層では反射率の低減には限界がある。このように遮光部での外光反射低減については改善の余地が残されている。
また、画素の高精細化に伴い、遮光部の線幅を細く、複雑なパターンとすることが求められる。このため、反射制御層も遮光部のパターンに合わせて形成する必要があり、製造が煩雑であるという問題がある。さらに、反射制御層のパターンと遮光部のパターンとを高い精度で位置合わせすることが困難となり、反射制御層による低反射化の効果が低減するという問題がある。
表示装置において発生する白浮きは、非表示領域における額縁遮光部での反射光輝度が、表示領域における複数色の着色層および画素区分用遮光部での平均の反射光輝度よりも高くなるために生じるとされる。また、遮光部での外光反射の原因の一つは、遮光部の屈折率が透明基板の屈折率よりも高く、その屈折率差が大きいことである。
そこで本発明者らは検討を行い、透明基板の表面の一方の表面の全てを覆うように、所望の膜厚を有する透明な屈折率調整層を設け、その上に着色層、画素区分用遮光部および額縁遮光部を配置することにより、遮光部での外光反射および反射光輝度を低減させることを知得している。
この方法は、光の干渉作用を利用するものである。すなわち、屈折率調整層の膜厚を、透明基板と屈折率調整層と界面からの反射光、および屈折率調整層と画素区分用遮光部または額縁遮光部との界面からの反射光を相殺的に干渉させることが可能な膜厚に設計することで、反射光同士の振幅が打ち消し合い、画素区分用遮光部および額縁遮光部での反射率を低減させる。これにより、遮光部での外光反射を抑え、表示領域および非表示領域の反射光輝度差を小さくして白浮きを解消することができる。
また、上記方法においては、屈折率調整層を遮光部に合わせてパターン状とする必要が無いという製造上の利点を有しており、さらに屈折率調整層は透明であることから、着色層と透明基板との間に配置されても、着色層の光透過性を阻害しにくいものとすることができる。
このように、所望の膜厚に設計されたベタ状の透明屈折率調整層を有する上記カラーフィルタを表示装置に用いることで、遮光部での外光反射、およびそれによる白浮きの発生が抑制され、表示品位を高めることが可能であると推量される。
しかしながら、本発明者らがさらに検討を重ねたところ、透明屈折率調整層の膜厚を上述の方法で調整して遮光部の反射率を低減させても、表示装置の画像非表示時に表示領域が非表示領域よりも明るく浮き上がって視認されてしまい、表示領域と非表示領域との境界が明瞭となるため、見栄えの悪さが解消されないという新たな課題があることを見出した。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、カラーフィルタが使用される表示装置の白浮きを防止するとともに、画像非表示時において表示領域および非表示領域の境界を視認しにくくすることが可能なカラーフィルタ、および表示装置を提供することを主目的とする。
本発明者らが上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、画像非表示時に表示領域が浮き上がって視認される要因が、着色層での反射光によるものであると推定した。
そこで、透明屈折率調整層の膜厚を、遮光部の低反射化に適した膜厚からさらに調整を図り、複数色の着色層および画素区分用遮光部を有する表示領域と額縁遮光部を有する非表示領域との反射率の差が所望の範囲となる膜厚に規定することにより、表示領域における白浮きを防止し、さらに画像非表示時に表示領域と非表示領域との境界を目立たなくすることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、透明基板と、上記透明基板上に形成された透明屈折率調整層と、上記透明屈折率調整層上の表示領域にパターン状に形成された画素区分用遮光部と、上記画素区分用遮光部の開口部に形成された複数色の着色層と、上記表示領域を囲むように上記透明屈折率調整層上の少なくとも一部に形成された額縁遮光部とを有し、上記透明屈折率調整層の膜厚が、上記着色層での反射率および上記画素区分用遮光部での反射率の平均値と上記額縁遮光部での反射率との差が0.4%以下となる大きさを有することを特徴とするカラーフィルタを提供する。
本発明によれば、透明屈折率調整層の膜厚を、表示領域における着色層での反射率および画素区分用遮光部での反射率の平均値(以下、表示領域における反射率と称する場合がある。)と非表示領域における額縁遮光部での反射率(以下、非表示領域における反射率と称する場合がある。)との差が所定の範囲内となる膜厚とすることにより、表示領域および非表示領域のそれぞれの領域において、遮光部で生じる反射光を干渉により相殺させることで外光反射の低減を図りつつ、遮光部で生じる反射光と着色層で生じる反射光との輝度差(反射光輝度差)を解消することができる。これにより、本発明のカラーフィルタを備える表示装置において、表示領域での白浮きの発生を防止することができ、また、画像非表示時に非表示領域および表示領域の境界が視認されにくくなり、見栄えを良くすることが可能である。
また本発明は、透明基板と、上記透明基板上に形成された透明屈折率調整層と、上記透明屈折率調整層上の表示領域にパターン状に形成された画素区分用遮光部と、上記画素区分用遮光部の開口部に形成された複数色の着色層と、上記表示領域を囲むように上記透明屈折率調整層上の少なくとも一部に形成された額縁遮光部とを有し、上記透明屈折率調整層の膜厚が、上記着色層での反射率および上記画素区分用遮光部での反射率の平均値と上記額縁遮光部での反射率との差が0.4%以下となる大きさを有するカラーフィルタを備えることを特徴とする表示装置を提供する。
本発明によれば、表示装置が上述のカラーフィルタを備えることにより、遮光部で生じる反射光を干渉により相殺させることで外光反射の低減を図りつつ、遮光部で生じる反射光と着色層で生じる反射光との輝度差を解消することができる。これにより、表示領域での白浮きの発生を防止することができ、また、画像非表示時において表示領域および非表示領域の境界が視認されにくくなり、見栄えを良くすることが可能である。
本発明においては、カラーフィルタが使用される表示装置の白浮きを防止するとともに、画像非表示時において表示領域および非表示領域の境界を視認しにくくし、意匠性を向上させることが可能であるという作用効果を奏する。
本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタにおける光の進行経路を説明する説明図である。 分光側色計による測定方法を説明する説明図である。
以下、本発明のカラーフィルタおよび表示装置について詳細に説明する。
A.カラーフィルタ
本発明のカラーフィルタは、透明基板と、上記透明基板上に形成された透明屈折率調整層と、上記透明屈折率調整層上の表示領域にパターン状に形成された画素区分用遮光部と、上記画素区分用遮光部の開口部に形成された複数色の着色層と、上記表示領域を囲むように上記透明屈折率調整層上の少なくとも一部に形成された額縁遮光部とを有し、上記透明屈折率調整層の膜厚が、上記着色層での反射率および上記画素区分用遮光部での反射率の平均値と上記額縁遮光部での反射率との差が0.4%以下となる大きさを有することを特徴とするものである。
本発明における「表示領域」とは、本発明のカラーフィルタを表示装置に用いた場合に、画像表示に用いられる領域をいう。すなわち、本発明のカラーフィルタにおいて着色層および画素区分用遮光部を有する領域である。また、「非表示領域」とは、表示装置における表示領域の外周に配置された領域をいい、本発明のカラーフィルタにおいて額縁遮光部を含む領域をいう。
本発明において「反射率」とは、本発明のカラーフィルタの透明基板側から光を照射したときの反射率であり、別段の定めがない限り正反射を含めた反射率をいう。
「着色層での反射率」とは、透明基板と透明屈折率調整層との界面での反射率、透明屈折率調整層と着色層との界面での反射率、および、着色層の表面のうち透明屈折率調整層との界面と対向する面(以下、着色層の対向面と称する場合がある。)での反射率の和をいう。ここで、「着色層の対向面での反射率」とは、着色層の対向面上に何も配置されていなければ、着色層と空気層との界面での反射率をいい、着色層の対向面上に別の部材が配置されていれば、着色層と別の部材との界面での反射率をいう。なお、カラーフィルタにおいて着色層は複数色あることから、透明屈折率調整層と着色層との界面での反射率とは、透明屈折率調整層と各色の着色層との界面での反射率の平均をいう。また、着色層の対向面での反射率についても同様とする。
「画素区分用遮光部での反射率」とは、透明基板と透明屈折率調整層との界面での反射率と、透明屈折率調整層と画素区分用遮光部の界面での反射率との和をいう。
「額縁遮光部での反射率」とは、透明基板と透明屈折率調整層との界面での反射率と、透明屈折率調整層と額縁遮光部の界面での反射率との和をいう。
「着色層での反射率および画素区分用遮光部での反射率の平均値と額縁遮光部での反射率との差」とは、表示領域における反射率と非表示領域における反射率との差の絶対値をいう。
本発明のカラーフィルタについて図面を参照しながら説明する。図1は本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。図1に例示するように、本発明のカラーフィルタ1は、透明基板2上に透明屈折率調整層3が形成され、透明屈折率調整層3上に画素区分用遮光部4がパターン状に形成され、画素区分用遮光部4の開口部に赤色着色層5R、緑色着色層5Gおよび青色着色層5Bを有する着色層5が形成されている。画素区分用遮光部4は画素Pを区分する。
また、透明屈折率調整層3の同一面上には、画素区分用遮光部4および着色層5が形成された領域を囲むようにして形成された額縁遮光部6を有する。画素区分用遮光部4および着色層5が形成された領域が表示領域11となり、表示領域11の周囲の額縁遮光部6が形成された領域が非表示領域12となる。図1では、非表示領域12において、透明屈折率調整層3上の全面に額縁遮光部6が形成された例を示す。
ここで、透明屈折率調整層3は、表示領域11における画素区分用遮光部4での反射率および着色層5での反射率の平均値と、非表示領域12における額縁遮光部6での反射率との差が0.4%以下となる膜厚となるように形成されている。
図2は本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。なお、図2中の符号は図1で説明したものと同様である。図2に示すカラーフィルタ1では、非表示領域12において、透明屈折率調整層3上の一部に額縁遮光部6が形成され、それ以外の領域13では透明屈折率調整層3が露出している。
図1および図2に例示するようなカラーフィルタ1を表示装置に用いる場合には、カラーフィルタ1の透明基板2が観察者側になるように配置され、透明基板2側から外光が入射することになる。
カラーフィルタを用いた表示装置においては、非表示領域における額縁遮光部での反射光輝度が、表示領域における複数色の着色層および画素区分用遮光部での平均の反射光輝度よりも高いことから、白浮きが発生する。ここで、反射光輝度の高低は、主に画素区分用遮光部および額縁遮光部での外光反射の程度に寄与する。
そこで、発明者らは、透明基板との遮光部との間に所望の膜厚の透明屈折率調整層を設け、その膜厚を、透明基板と透明屈折率調整層と界面からの反射光、および透明屈折率調整層と画素区分用遮光部または額縁遮光部との界面からの反射光を相殺的に干渉させることが可能な膜厚とすることで、画素区分用遮光部および額縁遮光部での反射率を低減する方法を見出している。具体的には、透明屈折率調整層の膜厚を、透明基板と透明屈折率調整層と界面からの反射光、および透明屈折率調整層と画素区分用遮光部または額縁遮光部との界面からの反射光の光路差がλ/2となる膜厚とすることで、遮光部での反射率を低減することができる。
これにより、表示装置において表示領域および非表示領域の反射光輝度差を小さくすることができ、白浮きの発生を抑制することができる。
また、このとき透明屈折率調整層は、光の干渉作用を利用した反射率の低減が可能な所望の膜厚を有していればよいことから、透明基板と遮光部および着色層との間にベタ層として形成することができ、遮光部のパターンに沿って形成する必要が無いという利点を有する。
しかしながら、本発明者らがさらに検討を重ねたところ、透明屈折率調整層の膜厚を調整して遮光部の反射率を低減させても、表示装置の画像非表示時に表示領域が非表示領域よりも明るく浮き上がって視認されてしまい、表示領域と非表示領域との境界が明瞭となるため、見栄えの悪さが解消されないという新たな課題があることを見出した。
上記課題に対し、本発明によれば、着色層、画素区分用遮光部、および額縁遮光部と透明基板との間にベタ状に形成された透明屈折率調整層について、透明屈折率調整層の膜厚を、上記着色層での反射率および上記画素区分用遮光部での反射率の平均値と上記額縁遮光部での反射率との差(以下、「表示領域と非表示領域との反射率差」または単に「反射率差」と称する場合がある。)が所定の範囲内となる膜厚とすることにより、遮光部で生じる反射光を干渉により相殺させて外光反射の低減を図りつつ、遮光部で生じる反射光と着色層で生じる反射光との輝度差を解消することができる。これにより、本発明のカラーフィルタを備える表示装置において、表示領域での白浮きを防止することができ、また、画像非表示時に非表示領域および表示領域の境界が視認されにくくなり、見栄えを良くすることが可能となる。
透明屈折率調整層の膜厚を上述のように調整することにより、上記課題が解消される理由については明らかではないが、以下の理由が推量される。
通常、外光反射は、主に遮光部での反射によるものである。画素区分用遮光部と額縁遮光部とでは、屈折率や減衰係数に殆ど差異が無いことから、透明基板と透明屈折率調整層との界面での反射光、および透明屈折率調整層と額縁遮光部または画素区画用遮光部との界面での反射光の光路差がλ/2となるように透明屈折率調整層の膜厚を調整すれば、反射光同士が干渉により相殺されるため、反射光強度を減少させることができる。これにより、外光反射の低減から表示領域と非表示領域との反射光輝度差も小さくなるため、表示領域において白浮きの発生が抑制されるものと推量された。
しかし、実際は、光の反射は遮光部だけでなく、表示領域内の透明屈折率調整層と着色層との界面においても生じているものと考えられる。着色層は、画素区分用遮光部および額縁遮光部と屈折率や減衰係数が異なることから、着色層と透明基板との間に上述の方法で膜厚が調整された透明屈折率調整層を配置すると、透明基板と透明屈折率調整層との界面、および透明屈折率調整層と着色層との界面で反射率が異なり、各界面で反射した反射光同士の干渉により十分に相殺されない場合がある。
さらには、着色層を透過した光が上記着色層の対向面においてさらに反射し、その反射光が着色層から射出されることで、着色層における反射光強度が高くなり、それに比例して反射光輝度も高くなる場合がある。
このため、透明屈折率調整層を配置することにより額縁遮光部および画素区画用遮光部での外光反射を抑制しても、着色層における反射光強度が高いことにより、表示領域が非表示領域よりも明るく視認されてしまい、両領域の境界が明瞭となるものと推量される。
これに対し、本発明者等が鋭意検討を重ねた結果、透明屈折率調整層の膜厚を調整し、額縁遮光部および画素区画用遮光部での反射光強度と着色層での反射光強度との差を小さくすることで、表示領域と非表示領域との反射率差も小さくなり、両領域の反射光輝度差が解消されることで境界を視認させにくくすることができる。具体的には、額縁遮光部および画素区画用遮光部での反射光強度を増加させ、着色層での反射光強度との差分を小さくすることで、上記反射率差を低減させることができるのである。以下、その理由について説明する。
遮光部と着色層とを比較した場合、遮光層の屈折率は着色層の屈折率よりも大きいため、遮光層と透明屈折率調整層との界面での反射率も大きい。つまり、透明屈折率調整層の膜厚を変化させた場合の反射光強度の変化の程度は、遮光部の方が着色層よりも大きくなる。そこで、透明屈折率調整層の膜厚を、上述した遮光部での外光反射を低減させるために設計された膜厚から変化させて、遮光部と透明屈折率調整層との界面での反射率を上げることで、遮光部における反射光強度の増加により、着色層における反射光強度との差が小さくなる。つまり、表示領域と非表示領域との反射光輝度のバランスを図ることができる。
本発明者等がさらに鋭意検討を重ねた結果、透明屈折率調整層の膜厚を、表示領域と非表示領域との反射率差を0.4%以下とすることが可能な膜厚とすることで、両領域の境界を視認させにくくすることができることを知得して、本発明を完成するに至ったのである。
図3は、本発明のカラーフィルタにおける光の進行経路を説明する説明図である。図3(a)は非表示領域、図3(b)は表示領域について説明するものである。
図3(a)で示すように、非表示領域12においては、入射光L0の一部は透明基板2と透明屈折率調整層3との界面で反射され、入射光L0の一部は透明屈折率調整層3と額縁遮光部6との界面で反射される。このとき、透明基板2と透明屈折率調整層3との界面における反射光L1、および透明屈折率調整層3と額縁遮光部6との界面における反射光L2Aは、透明屈折率調整層3の膜厚が調整されていることで、反射光L1、L2Aの光路差から一部が干渉により相殺されて反射光強度が減少する。
一方、図3(b)で示すように、表示領域11においては、透明屈折率調整層3と着色層5および画素区分用遮光部4との界面に入射した入射光L0のうち、一部は透明基板2と透明屈折率調整層3との界面で反射される。また、画素区分用遮光部4が形成された箇所においては、入射光L0の一部が透明屈折率調整層3と画素区分用遮光部4との界面で反射される。このとき、透明基板2と透明屈折率調整層3との界面における反射光L1、および透明屈折率調整層3と画素区分用遮光部4との界面における反射光L2Bは、透明屈折率調整層3の膜厚が調整されていることで、反射光L1、L2Bの光路差から一部が干渉により相殺されて反射光強度が減少する。
表示領域11の着色層5が形成された箇所においては、入射光L0は、上述した透明基板2と透明屈折率調整層3との界面での反射の他、透明屈折率調整層3と着色層5との界面、さらには着色層5の対向面Sにおいて反射される。なお、透明屈折率調整層3と着色層5との界面における反射光をL3、着色層5の対向面Sにおける反射光をL4とする。
ここで、反射光L1、L2Aおよび反射光L1、L2Bは、反射光強度が減少しているが、透明屈折率調整層3が、表示領域と非表示領域との反射率差が0.4%以下となる膜厚を有することから、着色層5での反射光L1、L3、L4による反射光強度と同等の反射光強度を示すものとなる。このため、着色層5での反射光L1、L3、L4、および画素区分用遮光部4での反射光L1、L2Bによる反射光強度と、額縁遮光部6での反射光L1、L2Aによる反射光強度との差が小さくなり、両領域の境界は視認し難くなるのである。
以下、本発明のカラーフィルタにおける各構成について説明する。
1.透明屈折率調整層
本発明における透明屈折率調整層は、透明基板上に形成されるものである。また、透明屈折率調整層の膜厚が、上記着色層での反射率および上記画素区分用遮光部での反射率の平均値と上記額縁遮光部での反射率との差が所定の範囲内となる大きさを有することを特徴とするものである。
なお、本発明においては、透明屈折率調整層は、透明基板の表示領域および非表示領域を有する一方の面の全てを覆うようにして配置される。また、非表示領域においては、上記透明屈折率調整層は、全面が額縁遮光部に覆われていてもよく、額縁遮光部に覆われた一部以外が露出していてもよい。
(1)透明屈折率調整層の膜厚およびその規定方法
透明屈折率調整層の膜厚は、着色層での反射率および画素区分用遮光部での反射率の平均値と額縁遮光部での反射率との差が0.4%以下となる大きさであるが、中でも上記反射率差が0.35%以下となる大きさが好ましく、特に上記反射率差が0.3%以下となる大きさが好ましい。反射率差が上記範囲内となるように透明屈折率調整層の膜厚を設計することにより、画素領域と非画素領域との境界を視認し難くすることができる。
上記反射率は、分光測色計を用いて正反射光および拡散反射光の合計を検出する、SCI方式(Specular Components Include)にて測定することができる。SCI方式は、物体色を測定する場合に広く用いられている方式である。反射率の測定方法としては、他にも特定の角度(たとえば5°)での正反射を測定する方法もあるが、我々が物体を視認する場合にはあらゆる角度成分の光を見ているため、SCI方式の分光測色計を用いることが好ましい。分光測色計としては、顕微分光測光装置としてOSP−SP2000(OLYMPUS(株)製)を用いることができる。
SCI方式による測定方法について、具体的には、図4(a)に例示するように、カラーフィルタ1を備える擬似セル60を作製し、カラーフィルタ1の透明基板2側から光を照射し、その反射光を検出器により検出することにより反射率の分光特性の測定を行う。
図4(a)においては、太線実線矢印は、光源62からの入射光62Lを示し、点線矢印は各点からの光の向きを示し、細線実線矢印は、検出器63へ入射する検出光63Lを示している。また、61は積分球を示す。カラーフィルタを備える擬似セル60とは、カラーフィルタ1とガラス板の片面に黒色層が形成された測定用黒色板30とを、グリセリン等の屈折率調整用オイル20を介して貼り合わせた構成を有するものである。
表示領域における反射率を測定する場合は、擬似セルのカラーフィルタの表示領域において光を照射する。このとき、表示領域全体に光を照射しても良く、着色層、画素区分用遮光部の各部位が形成された部分ごとに光を照射してもよい。具体的には、着色層での反射率を測定する場合は、擬似セルのカラーフィルタの着色層が形成された部分に光を照射する。また、画素区分用遮光部での反射率を測定する場合は、擬似セルのカラーフィルタの画素区分用遮光部が形成された部分に光を照射する。
一方、非表示領域における反射率を測定する場合は、擬似セルのカラーフィルタの額縁遮光部が形成された部分に光を照射する。
そして、測定された反射分光特性をもとに、C光源を用いて測定したJIS Z8701のXYZ表色系における色度座標(x、y)、明るさYを求める。明るさYがすなわち反射率Yとなる。
なお、例えば、透明屈折率調整層と透明基板との界面での反射率(以下、透明屈折率調整層の反射率と称する場合がある。)を測定する場合は、透明基板上に透明屈折率調整層を形成した評価基板と測定用黒色板との間に屈折率調整用オイルを介して配置したものを用いて測定することができる。
また、カラーフィルタの狭小部位の反射率を測定する場合には、顕微分光装置を用いて擬似セルの垂直反射を測定することで算出することができる。垂直反射測定は、各色の着色層を直接測定したい場合に非常に有効な手法である。
上記反射率差が上記範囲内にある透明屈折率調整層の膜厚は、以下の方法により規定することができる。
(a)まず、透明屈折率調整層の表面に対して垂直方向から5°の位置から波長550nmの光を入射し、反射光が入射光とλ/2の光路差を有するときの透明屈折率調整層の理論膜厚をシミュレーションする。シミュレーションには、例えばW. Theiss Hard‐ and Software製シミュレーションソフトCODEを用いることができる。
(b)次に、シミュレーションにより算出した透明屈折率調整層の膜厚を基準に、上下5点膜厚変更したサンプルを作製する。透明屈折率調整層上に所定の方法よりカラーフィルタを形成し、表示領域部および非表示領域における反射率を所定の方法に沿って測定する。
(c)目視にて表示領域と非表示領域との境界の確認を行い、境界が視認できなかった場合を「良し」とする。境界が視認できた場合には(b)にて得られた反射率データからさらに透明屈折率調整層の膜厚を調整し、反射率測定および目視での確認を繰り返す。
(d)なお、透明屈折率調整層の膜厚測定が困難な場合には、反射分光スペクトルをシミュレーションデータに近づくように形成膜厚を変更しても良い。この場合の反射率測定は表面に対して垂直方向から5°の位置から入射できる日本分光株式会社製VAR−7010を用いることができる。
ここで、透明屈折率調整層の膜厚とは、一般的な測定方法によって得られる厚みをいう。厚みの測定方法としては、例えば、触針で表面をなぞり凹凸を検出することによって膜厚を算出する触針式の方法や、分光反射スペクトルに基づいて膜厚を算出する光学式の方法等を挙げることができる。具体的には、ケーエルエー・テンコール株式会社製の触針式膜厚計P−15を用いて膜厚を測定することができる。膜厚として、透明屈折率調整層の複数箇所における膜厚の測定結果の平均値を用いても良い。
なお、後述する他の部材の厚みについても、上述の測定方法と同様の方法により測定されるものとする。
透明屈折率調整層の膜厚は、上述の方法により規定されるものであり、透明屈折率調整層の屈折率や反射率にもよるが、例えば、透明屈折率調整層の屈折率が後述する範囲内にあり、且つ、透明屈折率調整層の380nm〜780nmの波長領域の平均反射率が後述する範囲内にあるとき、透明屈折率調整層の膜厚が100nm以下であることが好ましい。なお、透明屈折率調整層の膜厚の下限としては5nm以上が好ましい。
(2)材料
透明屈折率調整層に用いられる材料としては、光透過性を有するものであればよく、なかでも所望の屈折率を満たすことが可能なものであれば特に限定されるものではなく、成膜性や膜強度等の観点から適宜選択される。上記材料としては、例えば、樹脂、無機物等が挙げられる。すなわち、透明屈折率調整層は、材料に応じて樹脂層であってもよく、無機物層であってもよい。なお、樹脂層には、後述するように樹脂に粒子が含有される場合も含む。
樹脂としては、光透過性を有する透明屈折率調整層を得ることができるものであればよく、中でも後述する屈折率を有するものが好ましい。上記樹脂は、熱または紫外線や電子線等の電離放射線の照射により硬化した硬化樹脂であることが好ましい。硬化樹脂としては、例えば熱硬化樹脂、電離放射線硬化樹脂が挙げられる。また、電離放射線硬化樹脂としては、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂を挙げることができる。
ここで、「電離放射線硬化樹脂」とは、電離放射線の照射により硬化した樹脂をいう。「電離放射線」とは、電磁波または荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものをいい、例えば、紫外線や電子線の他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線が挙げられる。
具体的な樹脂としては、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂、ワックス組成物、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、メチロール化、アルキロール化された尿素系架橋剤、アクリルアミド、ポリアミド、エポキシ樹脂等が挙げられる。
紫外線硬化樹脂を用いる場合、透明屈折率調整層は光重合開始剤を含有していてもよい。光重合開始剤としては、一般的なものから適宜選択することができる。
また、透明屈折率調整層が上記樹脂を含有する場合、透明屈折率調整層は、所望の物性に応じて各種添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば分散助剤、耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤等が挙げられる。
透明屈折率調整層の材料として樹脂が用いられる場合、透明屈折率調整層には粒子が含有されていてもよく、含有されなくてもよい。
上記粒子としては、所望の物性を有する透明屈折率調整層を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、中でも、屈折率が1.5〜2.8の範囲内にある高屈折率粒子であることが好ましい。透明屈折率調整層を薄膜且つ屈折率の高いものとすることができるからである。屈折率の測定については、後述する透明屈折率調整層の屈折率の測定方法と同様とすることができる。
このような高屈折率粒子としては、無機系であってもよく、有機系であってもよい。
有機系高屈折率粒子としては、芳香環やトリアジン環を基本骨格とする有機ナノ粒子等が挙げられる。
無機系高屈折率粒子としては、例えば酸化ジルコニア(ZrO、屈折率:2.0)、酸化アンチモン(Sb、屈折率:1.79〜2.04)、アンチモン錫酸化物(ATO、屈折率:1.75〜2.05)、インジウム錫酸化物(ITO、屈折率:1.95〜2.00)、燐錫化合物(PTO、屈折率:1.75〜1.85)、β−Al(屈折率:1.63〜1.76)、γ−Al(屈折率:1.63〜1.76)、チタン酸バリウム(BaTiO、屈折率:2.4)、酸化チタン(TiO、屈折率:2.3〜2.7)、酸化セリウム(CeO、屈折率:1.95〜2.20)、酸化錫(SnO、屈折率:2.00、)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO、屈折率:1.90〜2.00)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO、屈折率:1.90〜2.00)、アンチモン酸亜鉛(ZnSb、屈折率:1.9〜2.0)、酸化亜鉛(ZnO、屈折率:1.90)、酸化イットリウム(Y、屈折率:1.87)等が挙げられる。これらの高屈率粒子は1種単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
また、上記粒子は表面処理がされたものであってもよい。粒子に表面処理を施すことにより、樹脂内で分散が均一となり凝集が生じにくくなるので、透明屈折率調整層の光透過性の低下や、透明屈折率調整層用組成物の塗布性、透明屈折率調整層用組成物の塗膜強度の低下を抑制することができる。表面処理がされた粒子としては、例えば特開2013−142817号公報に記載されているものを挙げることができる。
また、上記粒子はその表面に光硬化性基を有する反応性粒子であってもよい。
上記粒子の平均粒径としては、反射光の波長および光路差に影響しない程度の大きさ、反射光を分散させない大きさであることが好ましく、例えば5nm〜200nmの範囲内であることが好ましく、中でも5nm〜100nmの範囲内、特に10nm〜60nmの範囲内であることが好ましい。粒子の平均粒径が上記範囲内にあれば、透明屈折率調整層の光透過性を損なうことがなく、良好な高屈折率粒子の分散状態が得られるからである。
なお、粒子の平均粒径が上記範囲内にあれば、平均粒径は1次粒径および2次粒径のいずれであってもよく、また粒子が鎖状に連なっていてもよい。
ここで、粒子の平均粒径は、透明屈折率調整層の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)写真により観察される粒子20個の平均値をいう。
上記粒子の形状は特に限定されるものではなく、例えば、球状、鎖状、針状等を挙げることができる。
透明屈折率調整層における上記粒子の含有量としては、反射光の波長および光路差に影響しない程度の量であればよく適宜設定される。例えば、透明屈折率調整層用組成物の固形分全体を100質量部としたときに、粒子の含有量としては15質量部〜60質量部の範囲内が好ましい。
透明屈折率調整層が無機物で形成される無機層である場合、無機物としては、成膜可能であり、光透過性を有する透明屈折率調整層を得ることができるものであればよく、中でも後述する屈折率を有するものが好ましい。
例えば金属酸化物、金属窒化物、金属酸化窒化物等の金属化合物や、金属が挙げられる。中でも、光透過性の観点から、金属化合物が好ましく、金属酸化物がより好ましい。金属酸化物としては、例えば酸化ニオブ、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム合金、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化アンチモン、酸化セリウム、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、燐錫化合物(PTO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)、アンチモン酸亜鉛、チタン酸バリウム等が挙げられる。また、金属窒化物、金属酸化窒化物としては、例えば窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素等が挙げられる。
(3)物性および寸法
透明屈折率調整層は、高屈折率であるほど膜厚を小さくすることができ、低屈折率であるほど膜厚を大きくすることができる。中でも透明屈折率調整層は高屈折率を示すことが好ましい。透明屈折率調整層の薄膜化が可能となり、高い光透過性を示すことから、透明屈折率調整層が着色層の下に配置されることによる表示領域の光透過率の低下を防ぐことができるからである。
透明屈折率調整層の屈折率としては、例えば、1.6〜1.8の範囲内であることが好ましく、中でも1.6〜1.75の範囲内であることが好ましい。透明屈折率調整層の屈折率を上記範囲内とすることで、ガラス等の透明基板の屈折率と遮光層の屈折率との中間の屈折率となり、透明屈折率調整層の膜厚を調整することで透明屈折率調整層の反射率が定まるため、光学干渉効果により反射率を低減することができるからである。
ここで、各部材および材料の屈折率は、波長550nmの光に対する屈折率をいう。屈折率の測定方法は特に限定されないが、例えば、分光反射スペクトルから算出する方法、エリプソメーターを用いて測定する方法、アッベ法を挙げることができる。エリプソメーターとしてはジョバンーイーボン社製UVSELが挙げられる。具体的には、テクノ・シナジー社製DF1030Rにて反射率、透過率を測定し、誘電関数モデルにてスペクトル解析を行い、屈折率を求めることができる。
透明屈折率調整層の屈折率が上記範囲内にあるとき、透明屈折率調整層は、380nm〜780nmの波長領域の平均反射率が3%〜15%の範囲内であることが好ましく、中でも4%〜10%の範囲内であることが好ましく、特に4%〜6%の範囲内であることが好ましい。
透明屈折率調整層の380nm〜780nmの波長領域の平均反射率は、上述したSCI方式による反射率の測定方法により測定することができる。なお、本発明のカラーフィルタにおいて、非表示領域内に透明屈折率調整層が露出した部分(露出部分)がある場合は、本発明のカラーフィルタを備えた疑似セルを用い、露出部分に光を照射して測定を行うことができる。
透明屈折率調整層は着色層の下にも配置されることから、所望の光透過性を有することが好ましい。透明屈折率調整層の光透過性が低い場合、表示領域の光透過性を低下させる可能性があるからである。透明屈折率調整層の光透過率としては、90%以上であることが好ましく、中でも92%以上であることが好ましい。
(4)形成方法
透明屈折率調整層の形成方法としては、透明基板の一方の表面の全面にベタ層として成膜可能な方法であれば良く、材料等に応じて適宜選択される。
上記樹脂を含有する透明屈折率調整層の形成方法としては、例えば透明基板上に透明屈折率調整層用組成物を塗布し、硬化させる方法が挙げられる。
透明屈折率調整層用組成物は、例えば樹脂成分と各種添加剤と溶媒とを含有するものである。溶媒としては、各成分を溶解もしくは分散させることが可能であれば特に限定されるものではない。
塗布方法としては、例えば、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法等の透明基板の全域に透明屈折率調整層用組成物を塗布する方法や、インクジェット法等の透明基板上に透明屈折率調整層用組成物を吐出する方法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、シルクスクリーン印刷法等の印刷法等が挙げられる。
透明屈折率調整層用組成物の塗布後は、溶媒の除去のために乾燥させてもよい。
硬化方法としては、樹脂成分の種類に応じて異なるが、例えば熱あるいは紫外線や電子線等の電離放射線の照射が挙げられる。塗膜を硬化させる際には、酸素による硬化阻害を抑制するために、不活性ガス雰囲気、例えば窒素ガス雰囲気とすることが好ましい。また、硬化条件としては、例えば特開2013−142817号公報、特開2012−150226号公報等に記載されている条件を適用することができる。
また、上記無機物を含有する透明屈折率調整層の形成方法としては、例えばスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等のPVD法、CVD法等が挙げられる。
2.額縁遮光部
本発明における額縁用遮光部は、表示領域を囲むように透明屈折率調整層上の少なくとも一部に形成されるものである。
額縁用遮光部は、非表示領域における透明屈折率調整層上の少なくとも一部に形成されていればよく、全面に形成されていてもよい。
額縁遮光部としては、例えばバインダー樹脂中に黒色色材を分散させたものが用いられる。
バインダー樹脂は、額縁遮光部の形成方法に応じて適宜選択される。フォトリソグラフィ法の場合、バインダー樹脂としては、例えばアクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。また、印刷法やインクジェット法の場合、バインダー樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
黒色色材としては、カラーフィルタの額縁遮光部に一般に使用されるものを挙げることができ、顔料および染料のいずれも用いることができる。例えば、カーボンブラック、チタンブラック等が挙げられる。
額縁遮光部中の黒色色材の含有量としては、所望の遮光性が得られればよく、カラーフィルタにおける一般的な額縁遮光部と同様とすることができる。
額縁遮光部は、単層であってもよく、多層体であってもよい。多層体の額縁遮光部としては、例えば、透明基板側から順に反射制御層および遮光性樹脂層が積層されたものが挙げられる。このような層構成とすることで、反射制御層により遮光層での外光反射を低減することができ、本発明のカラーフィルタを表示装置に用いた場合、画像非表示時の非表示領域における額縁遮光部での反射光輝度と表示領域における複数色の着色層および画素区分用遮光部での平均の反射光輝度との差を小さくすることができ、画像非表示時の見栄えを良くすることが可能となる。
なお、反射制御層および遮光性樹脂層については、例えば特開2014−025986号公報で記載される反射制御層および遮光性の着色樹脂層と同様のものとすることができる。
また、額縁遮光部には、必要に応じて、光重合開始剤、増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等が含有されていてもよい。
額縁遮光部の膜厚は、カラーフィルタにおける一般的な額縁遮光部の膜厚と同様とすることができ、例えば0.5μm〜2.0μmの範囲内が好ましく、中でも0.8μm〜1.8μmの範囲内が好ましい。
額縁遮光部の形成方法としては、透明屈折率調整層上に額縁遮光部を形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、フォトリソグラフィ法、印刷法、インクジェット法を挙げることができる。
3.画素区分用遮光部
本発明における画素区分用遮光部は、透明屈折率調整層上の表示領域にパターン状に形成されるものである。
画素区分用遮光部としては、例えばバインダー樹脂中に黒色色材を分散させたものが用いられる。バインダー樹脂および黒色色材については、上述の「2.額縁遮光部」の項で説明した材料と同様とすることができる。
また、画素区分用遮光部には、必要に応じて、光重合開始剤、増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等が含有されていてもよい。
画素区分用遮光部の膜厚は、カラーフィルタにおける一般的な画素区分用遮光部の膜厚と同様とすることができ、例えば0.5μm〜2.0μmの範囲内で設定することができる。
また、画素区分用遮光部は、額縁遮光部と同様に単層であってもよく多層体であってもよい。
画素区分用遮光部の開口部の形状は特に限定されるものではなく、例えばストライプ形状、くの字形状、デルタ配列等のように着色層の配列を変えたものも挙げられる。
画素区分用遮光部の形成方法としては、透明屈折率調整層上にパターン状に形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、上述の「2.額縁遮光部」の項で説明した形成方法と同様とすることができる。
4.着色層
本発明における着色層は、画素区分用遮光部の開口部に形成され、複数色の着色層を有するものである。
着色層は、例えば赤、緑、青の3色の着色層を有する。着色層の色としては、赤、緑、青の3色を少なくとも含むものであればよく、例えば、赤、緑、青の3色、赤、緑、青、黄の4色、または、赤、緑、青、黄、シアンの5色等とすることもできる。
着色層は、例えば色材をバインダー樹脂中に分散させたものである。
色材としては、各色の顔料や染料等を挙げることができる。赤色着色層に用いられる赤色色材としては、例えば、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。緑色着色層に用いられる緑色色材としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。青色着色層に用いられる青色色材としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料や染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
バインダー樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。
着色層には、光重合開始剤や、必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を含有させてもよい。
着色層の配列は特に限定されるものではなく、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の公知の配列とすることができる。隣接する着色層の間には隙間があってもよく無くてもよい。
着色層の膜厚は、カラーフィルタにおける一般的な着色層の膜厚と同様とすることができ、例えば1μm〜5μmの範囲内で設定することができる。なお、着色層の屈折率等については特に限定されず、カラーフィルタの色相に応じて適宜設計が可能である。
着色層の形成方法としては、複数色の着色層を同一平面上に配列可能な方法であればよく、例えばフォトリソグラフィ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。
また、着色層が形成されている同一平面上には、上記色材を含有せず、上記バインダー樹脂を含有し、表示装置の光源からの光を透過する白色着色層が形成されていてもよい。
白色着色層の膜厚および形成方法は、着色層と同様である。
5.透明基板
本発明における透明基板は、透明屈折率調整層、画素区分用遮光部、複数色の着色層および額縁遮光部等を支持するものである。
透明基板としては、一般的にカラーフィルタに用いられているものを用いることができ、例えば、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない無機基板、および、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する樹脂基板等を挙げることができる。中でも無機基板を用いることが好ましく、無機基板の中でもガラス基板を用いることが好ましい。さらには、ガラス基板の中でも無アルカリタイプのガラス基板を用いることが好ましい。無アルカリタイプのガラス基板は寸度安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、かつ、ガラス中にアルカリ成分を含まないことから、アクティブマトリックス方式による液晶表示装置用のカラーフィルタに好適に用いることができるからである。なお、透明基板の屈折率については特に限定されないが、例えば1.5〜1.55の範囲内であることが好ましい。
6.任意の部材
本発明のカラーフィルタは、上記の透明基板、透明屈折率調整層、画素区分用遮光部および複数色の着色層以外に、必要に応じて他の構成を有していてもよい。
本発明においては、着色層上にオーバーコート層が形成されていてもよい。オーバーコート層により、カラーフィルタ表面を平坦化することができる。
オーバーコート層の材料としては、着色層が形成された面を平坦化することができるものであれば特に限定されるものではなく、一般にカラーフィルタに用いられるオーバーコート層と同様とすることができ、有機材料および無機材料のいずれも用いることができる。オーバーコート層が無機材料から構成される場合には、バリア性を付与することができる。
オーバーコート層の膜厚および形成方法としては、一般にカラーフィルタに用いられるオーバーコート層と同様とすることができる。
また、例えば、オーバーコート層上に透明電極層や配向膜が形成されていてもよく、画素間遮光部上にスペーサが形成されていてもよい。透明電極層、配向膜およびスペーサについては、一般に液晶表示装置に用いられるものと同様とすることができる。
7.その他
本発明のカラーフィルタにおいて、着色層での反射率および画素区分用遮光部での反射率の平均値、すなわち表示領域における反射率としては、4%〜10%の範囲内、中でも4%〜8%の範囲内、特に4%〜6%の範囲内であることが好ましい。
表示領域における反射率を上記範囲内とすることで、表示領域と非表示領域との反射率差を低減することができるからである。
また、本発明のカラーフィルタにおいて、額縁遮光部での反射率、すなわち非表示領域における反射率としては、4.2%〜9.8%の範囲内、中でも4.2%〜5.2%の範囲内であることが好ましい。
また、非表示領域における額縁遮光部での拡散反射率が小さいことが好ましい。額縁遮光部の黒色の締りが良好となるからである。非表示領域における拡散反射率としては、0.01%〜0.02%の範囲内であることが好ましい。
上記拡散反射率の測定は、分光測色計により拡散反射成分を検出できる測定方式で、正反射光を取り除いて測定するSCE方式(Specular Components Exclude方式の略で、拡散反射測定方式と呼ばれる。)により行う。この測定方式の場合、同じ色でも、試料の表面状態によって測定値が異なり、目視評価の状況に近い測定結果を得ることができる。なお、分光測色計としては、例えばコニカミノルタ(株)製のCM−2500dを用いることができる。
SCE方式による測定方法について、具体的には、上述したSCI方式による測定方法と同様に行われるが、SCI方式とは異なり、図4(b)に例示するようにトラップ64を設けた状態で測定するものとする。そして、測定された反射分光特性をもとに、C光源を用いて測定したJIS Z8701のXYZ表色系における色度座標(x’、y’)、明るさY’を求める。明るさY’が、すなわち拡散反射率Y’となる。
8.用途
本発明のカラーフィルタは、外光反射を低減し、画像非表示時において表示領域と非表示領域との境界を視認しにくくすることができるものであり、例えば液晶表示装置、有機EL表示装置に好適に用いることができる。中でも、多機能端末型(以下、モバイル型と称する場合がある。)の表示装置等は、高い意匠性が求められる一方で、白浮きや画像非表示時での表示領域と非表示領域との境界が目立ちやすく、見栄えが悪化しやすいという点から、本発明のカラーフィルタを好適に使用することができる。
B.表示装置
本発明の表示装置は、透明基板と、上記透明基板上に形成された透明屈折率調整層と、上記透明屈折率調整層上の表示領域にパターン状に形成された画素区分用遮光部と、上記画素区分用遮光部の開口部に形成された複数色の着色層と、上記表示領域を囲むように上記透明屈折率調整層上の少なくとも一部に形成された額縁遮光部とを有し、上記透明屈折率調整層の膜厚が、上記着色層での反射率および上記画素区分用遮光部での反射率の平均値と上記額縁遮光部での反射率との差が0.4%以下となる大きさを有するカラーフィルタを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、表示装置が「A.カラーフィルタ」の項で説明したカラーフィルタを備えることにより、遮光部で生じる反射光を干渉により相殺させることで外光反射の低減を図りつつ、遮光部で生じる反射光と着色層で生じる反射光との輝度差を解消することができる。これにより、表示領域での白浮きの発生を防止することができ、また、画像非表示時において表示領域および非表示領域の境界が視認されにくくなり、見栄えを良くすることが可能である。
なお、本発明の表示装置に使用されるカラーフィルタは、「A.カラーフィルタ」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明の表示装置としては、例えば液晶表示装置、有機EL表示装置等が挙げられる。
本発明の表示装置が液晶表示装置である場合、液晶表示装置は、例えば上述のカラーフィルタと、対向基板と、カラーフィルタおよび対向基板の間に配置された液晶層とを有するものである。カラーフィルタおよび対向基板のそれぞれの対向面には透明電極層および配向膜を形成することができる。また、対向基板にはTFT素子等を形成することができる。対向基板は、液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択される。また、液晶層に用いられる液晶としては、例えばネマチック液晶、スメクチック液晶等を挙げることができ、液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択される。
液晶表示装置を構成する各部材については、一般的な液晶表示装置と同様とすることができる。
本発明の表示装置が有機EL表示装置である場合、有機EL表示装置は、例えば上述のカラーフィルタと、支持基板上に有機EL素子が形成された有機EL素子基板とを有するものである。有機EL素子は、例えば支持基板上に形成された背面電極層と、背面電極層上に形成され、少なくとも発光層を含む有機EL層と、有機EL層上に形成された透明電極層とを有する。有機EL層は、発光層の他に、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層等を有することができる。また、カラーフィルタと有機EL素子基板との間は、例えば樹脂で充填することができる。
有機EL表示装置を構成する各部材については、一般的な有機EL表示装置と同様とすることができる。
また、本発明の表示装置は、モバイル型の表示装置であることが好ましい。モバイル型の表示装置は、小型で高い意匠性が求められる一方で、白浮きや、画像非表示時において表示領域と非表示領域との境界が目立ちやすく、見栄えが悪化しやすい。
そのため、上述のカラーフィルタを備えることで、白浮きを防止でき、表示領域と非表示領域との境界が目立ちにくくなるため、モバイル型の表示装置の意匠性を向上させることが可能となる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
以下の方法により、図1に例示する態様を有するカラーフィルタを作製した。
(硬化性樹脂組成物Aの調製)
重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63重量部、アクリル酸(AA)を12重量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6重量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88重量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2、2’ーアゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7重量部添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、更に100℃で1時間反応させた。
得られた溶液に、更にメタクリル酸グリシジル(GMA)を7重量部、トリエチルアミンを0.4重量部、及びハイドロキノンを0.2重量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
次に下記の材料を室温で攪拌、混合して、光硬化性の硬化性樹脂組成物Aとした。
<硬化性樹脂組成物A>
・上記共重合樹脂溶液(固形分50%) … 16重量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399) … 24重量部
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社 エピコート180S70) … 4重量部
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン … 4重量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル … 52重量部
(透明屈折率調整層の形成)
下記分量の成分を混合し、ビーズミルにて十分に分散させ、高屈折粒子分散液を調整した。
<高屈折粒子分散液>
・酸化ジルコニア(TECNAN社製 TECNAPOW−ZRO2、平均粒径12.5nm) … 20重量部
なお、平均粒径は、透過型電子顕微鏡にて観察し、20個の平均値より算出した。
・高分子分散材(ビックケミー・ジャパン株式会社 Disperbyk 163) … 5重量部
・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) … 75重量部
次に、下記分量の成分を十分混合して、透明屈折率調整層形成用組成物を得た。
<透明屈折率調整層形成用組成物>
・上記高屈折粒子分散液 … 43重量部
・硬化性樹脂組成物A … 19重量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル … 38重量部
透明基板上の全域に、上記透明屈折率調整層形成用の組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、透明屈折率調整層を形成した。その後2.0kWの超高圧水銀ランプで露光した後、基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱処理を施し、透明屈折率調整層を形成した。透明屈折率調整層の膜厚は40nmとなった。
作製した透明屈折率調整層付き透明基板(以下、光学特性評価用サンプルと称する場合がある。)の透明屈折率調整層の形成面と反対面に黒テープを貼り、透明屈折率調整層の5°反射率をVAR−7010(日本分光社製)にてC光源におけるJIS Z8701のXYZ表色系での明るさY°として算出したところ5%であった。また、「A.カラーフィルタ」の項で説明した方法により380nm〜780nmの波長領域での透明屈折率調整層の平均反射率を測定したところ、平均反射率は5%であった。
屈折率測定用に透明屈折率調整層の膜厚1.0μmとした光学特性評価用サンプルを作製し、「A.カラーフィルタ」の項で説明した方法に沿って屈折率を算出したところ、波長550nmにおける屈折率は1.61となった。
以下、透明屈折率調整層の5°反射率、380nm〜780nmの波長領域での平均反射率、屈折率の各測定は、上述の方法で行うものとする。
(画素区分用遮光部および額縁部遮光部の形成)
下記分量の成分を混合し、ビーズミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液を調整した。
<黒色顔料分散液>
・樹脂被覆カーボンブラック(三菱化学社製MS18E、平均粒径 25nm) … 20重量部
・高分子分散材(ビックケミー・ジャパン株式会社 Disperbyk 163) … 5重量部
・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) … 75重量部
上記の樹脂被覆カーボンブラック(三菱化学社製MS18E)は、平均粒径25nmであった。なお、粒径は、例えば、日機装社製のレーザードップラー散乱光解析粒度分析計(商品名「Microtrac934UPA」)を用い、組成物に含まれる溶剤(希釈溶剤と呼ぶ)で希釈し、組成物の顔料粒径の累積が50%を占める粒径を50%平均粒径とし、その値を測定して求めた。
次に、下記分量の成分を十分混合して、遮光部形成用硬化性樹脂組成物を得た。
<遮光部形成用硬化性樹脂組成物>
・上記黒色顔料分散液 … 43重量部
・硬化性樹脂組成物A … 19重量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル … 38重量部
透明基板上に形成された透明屈折率調整層上に、上記遮光部形成用硬化性樹脂組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、遮光性樹脂層を形成した。次に上記遮光性樹脂層から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより、2.0kWの超高圧水銀ランプで遮光パターンに露光した後、0.05wt%水酸化カリウム水溶液で現像し、その後、基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱処理を施し、画素区分用遮光部および額縁部遮光部(以下、遮光部と称する場合がある。)を形成した。
遮光部の膜厚は1.3μmとした。また、画素区分用遮光部の線幅は22μm、画素区分用遮光部により区画された開口率は60%とした。
(赤色着色層の形成)
遮光部上に、下記組成の赤色着色層形成用硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により所定の色座標となるよう塗布し、70℃のオーブン中で3分間乾燥して塗布膜とした。塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kwの超高圧水銀ランプを用いて赤色着色層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、上記塗布膜の未硬化部分のみを除去した。
その後、基板を230℃の雰囲気下に15分間放置し加熱処理を施して、表示領域内に膜厚2.0μmの赤色着色層からなるパターン(レリーフパターン)を形成した。
<赤色着色層形成用硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントレッド177 … 3重量部
・C.I.ピグメントレッド254 … 4重量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 … 3重量部
・硬化性樹脂組成物A … 23重量部
・酢酸−3−メトキシブチル … 67重量部
(緑色着色層の形成)
次に、下記組成の緑色着色層形成用硬化性樹脂組成物を用いて、赤色着色層の形成と同様の方法で、表示領域内に膜厚2.0μmの緑色着色層からなるパターン(レリーフパターン)を形成した。
<緑色着色層形成用硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントグリーン58 … 7重量部
・C.I.ピグメントイエロー138 … 1重量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 … 3重量部
・硬化性樹脂組成物A … 22重量部
・酢酸−3−メトキシブチル … 67重量部
(青色着色層の形成)
次に、下記組成の青色着色層形成用硬化性樹脂組成物を用いて、赤色着色層の形成と同様の方法で、表示領域内に膜厚2.0μmの青色着色層からなるパターン(レリーフパターン)を形成した。
<青色着色層形成用硬化性樹脂組成物の組成>
・C.I.ピグメントブルー15:6 … 5重量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 … 3重量部
・硬化性樹脂組成物A … 25重量部
・酢酸−3−メトキシブチル … 67重量部
[実施例2]
透明屈折率調整層としてHPS−200(日産化学工業(株)製 粒子含有樹脂)を用い、成膜後膜厚を20nmとしたこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。透明屈折率調整層の波長550nmにおける屈折率は1.74であった。
また、実施例1と同様にして透明屈折率調整層の5°反射率を明るさY°として算出したところ5%であった。また、380nm〜780nmの波長領域での平均反射率は5.3%であった。
[比較例1]
透明屈折率調整層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[比較例2]
透明屈折率調整層の膜厚を85nmとしたこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。透明屈折率調整層の5°反射率を明るさY°として算出したところ6%であった。また380nm〜780nmの波長領域での平均反射率は6.3%であった。
[比較例3]
透明屈折率調整層の膜厚を80nmとしたこと以外は、実施例2と同様にしてカラーフィルタを作製した。透明屈折率調整層の5°反射率を明るさY°として算出したところ11%であった。また380nm〜780nmの波長領域での平均反射率は10.3%であった。
[比較例4]
透明屈折率調整層としてTU2205(JSR社製、n=1.35)を用い、成膜後膜厚を95nmとしたこと以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。透明屈折率調整層の5°反射率を明るさY°として算出したところ1%であった。また380nm〜780nmの波長領域での平均反射率は1.2%であった。
[評価]
(表示領域および非表示領域の反射率)
実施例1〜2、比較例1〜4で得られたカラーフィルタを、それぞれサンプルS1〜S5として、各サンプルについて、図4(a)および(b)に示す分光測色計を用いたSCI方式およびSCE方式による測定法により、波長領域320nm〜740nmにおける反射率の測定を行い、得られた測定結果からD65光源におけるJIS Z8701のXYZ表色系での表示領域および非表示領域における反射率(明るさ)Yおよび拡散反射率(明るさ)Y’を算出した。各方式の測定方法は、上述の通りであり、表示領域および非表示領域に対して透明基板の遮光部等が形成された面と反対側の面側から検出光を照射した。
また、SCI測定法により算出された表示領域および非表示領域における反射率Yの差ΔYを算出した。
なお、各方式による測定法での測定条件は下記の通りとした。
<SCI方式による測定法>
測定器:OLYMPUS(株)社製、顕微分光測光装置
照明範囲:直径60μmの円形
<SCE方式による測定法>
測定器:コニカミノルタ(株)社製、分光測色計「CM−2500d」
照明の受光条件:d/8°(JIS Z8722条件c)
第1の照射領域:測定径=直径11mmの円形
第2の照射領域:第1の照射領域と同じ測定径=直径11mmの円形
測定領域:照射領域中の8mmの円形(重心位置は照射領域、直径11mmの円形と同じ)
(視認性評価)
各サンプルについて、表示領域と非表示領域との境界について視認できるか合否判定を行った。表示領域と非表示領域との境界が視認されたものを×、表示領域と非表示領域とが一体となって視認され、境界が判断できなかったものを○とした。
また額縁遮光部の黒色の締まりについて、視認性の評価を行った。なお、額縁遮光部の黒色の締りについての視認性評価は、各サンプルの透明基板の遮光部等が形成された面と反対側の面側から、GENTOS SuperFire X((株)サンジェルマン製)を光源として照射し、その反射散乱光を目視し、黒色の締りが良いものを○、悪いものを×とした。
表示領域と非表示領域との境界が視認されず、かつ額縁遮光部の黒色の締りが良いものを総合判定で○とした。
各評価結果を表1に示す。
実施例1〜2では、透明屈折率調整層の膜厚を、SCI方式により測定された表示領域における反射率と非表示領域における反射率との差が0.4%以下となる厚さとしたことで、表示領域と非表示領域との境界が目立たなくなり、表示領域の白浮きを防止することができた。また、額縁遮光部の黒色の締りも良くなった。
一方、比較例2〜3では、透明屈折率調整層の膜厚を、上記屈折率差が0.4%よりも大きくなる厚さとしたことから、表示領域と非表示領域との境界が目立ち、表示領域の白浮きが確認された。
なお、上記視認性評価より、黒色の締りの判断は分光測色計から導き出される反射率(明るさ)からも判断が可能であることが示唆された。すなわち、SCE方式の測定から算出された非表示領域における拡散反射率Y’が0.01%以下で、且つ、SCI方式の測定から算出された非表示領域における反射率Yが5.0%以下の場合において、黒色の締りは良好となった。
1 … カラーフィルタ
2 … 透明基板
3 … 透明屈折率調整層
4 … 画素区分用遮光部
5 … 着色層
5R … 赤色着色層
5G … 緑色着色層
5B … 青色着色層
6 … 額縁遮光部
11 … 表示領域
12 … 非表示領域

Claims (2)

  1. 透明基板と、
    前記透明基板上に形成された透明屈折率調整層と、
    前記透明屈折率調整層上の表示領域にパターン状に形成された画素区分用遮光部と、
    前記画素区分用遮光部の開口部に形成された複数色の着色層と、
    前記表示領域を囲むように前記透明屈折率調整層上の少なくとも一部に形成された額縁遮光部と
    を有し、
    前記透明屈折率調整層の膜厚が、前記着色層での反射率および前記画素区分用遮光部での反射率の平均値と前記額縁遮光部での反射率との差が0.4%以下となる大きさを有することを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 透明基板と、
    前記透明基板上に形成された透明屈折率調整層と、
    前記透明屈折率調整層上の表示領域にパターン状に形成された画素区分用遮光部と、
    前記画素区分用遮光部の開口部に形成された複数色の着色層と、
    前記表示領域を囲むように前記透明屈折率調整層上の少なくとも一部に形成された額縁遮光部と
    を有し、
    前記透明屈折率調整層の膜厚が、前記着色層での反射率および前記画素区分用遮光部での反射率の平均値と前記額縁遮光部での反射率との差が0.4%以下となる大きさを有するカラーフィルタを備えることを特徴とする表示装置。
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