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JP6521806B2 - アルミニウム箔の製造方法 - Google Patents

アルミニウム箔の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は電解によるアルミニウム箔の製造方法に関し、詳細には、電解カソードとして用いられるチタン製ドラムから剥離し易く高品質のアルミニウム箔を製造する方法に関する。
近年になって自動車用やパソコン用のバッテリーとして、リチウムイオン電池の開発が進んでいる。リチウムイオン電池においては、電池容量の向上のためにアルミニウム箔が正極集電体として用いられている。
アルミニウム箔は、従来、アルミニウム箔地を圧延することによって製造されている。このような圧延法によって製造されるアルミニウム箔の厚さは、通常は10μm程度が下限である。リチウムイオン電池の電池容量を更に高めて小型化するためには、できるだけ薄い、例えば5〜10μmの厚さのアルミニウム箔を用いることが好ましい。このように薄いアルミニウム箔は圧延法によっても製造可能ではあるが、圧延工程の回数を多くする必要があるため製造コストが割高になるという問題があった。
ところで、リチウムイオン電池の負極集電体として用いられる銅箔については、現在ではその殆どに電解銅箔が用いられており、圧延銅箔は用いられていない。電解銅箔は、基材となるカソードドラム上に銅のめっき膜を形成し、次いで、カソードドラムから銅めっき膜を剥がすことによって製造される。ここで、アルミニウム箔は銅箔に比べて強度に劣るため、カソードドラムに析出させた後に剥離して巻き取り回収するのが格段に困難である。そこで、カソードドラムに析出させたアルミニウム箔を容易に剥離する方法が強く望まれている。
特許文献1には、電解法によるアルミニウム箔の製造方法が記載されている。品質の良いアルミニウム箔を効率よく製造するためには、カソードドラムの表面粗さの調整が重要である。カソードドラム表面の一部に深い谷部や高い山部が存在すると、この谷部の部位にアルミニウムが食い込み、食い込んだ部位が剥がす際に抵抗となってアルミニウム箔の破損や切断の原因となる。特許文献1には算術平均粗さRaを規定することは記載されているが、最大高さ(Ry)や十点平均粗さ(Rz)を規定することについての記載はない。品質の良いアルミニウム箔を効率よく製造するためには、特にRzを規定することが有効であることを本発明者らは見出した。Rzは、山部の高さと谷部の深さとの程度、ならびに、それらの数とを最もよく表わす指標であるためである。
特開2014−80632号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、電解によるアルミニウム箔を製造する方法であって、チタン製カソードドラムから剥離し易く、高品質のアルミニウム箔を製造する方法の提供を目的とする。
具体的には本発明は請求項1において、溶融塩を電解液として、回転するチタン製カソードドラム上にアルミニウム箔を電析させる工程と、電析させたアルミニウム箔を剥離回収する工程とを備え、前記チタン製カソードドラムが、0.10〜0.40μmの算術平均粗さ(Ra)及び0.20〜0.70μmの十点平均粗さ(Rz)の表面粗さを有することを特徴とするアルミニウム箔の製造方法とした。
本発明は請求項2では請求項1において、前記チタン製カソードドラムの表面粗さが電解研磨により調整されているものとした。
更に本発明は請求項3では請求項1又は2において、前記溶融塩が、アルキルイミダゾリウムクロリド又はアルキルピリジニウムクロリドと、塩化アルミニウムとを含有するものとした。
本発明に係る製造方法では、所定の表面性状を有するチタン製カソードドラムを用いることにより、剥離性が良好で高品質のアルミニウム箔を得ることができる。
(a)及び(b)は、本発明の実施例によって得られるアルミニウム箔表面のSEM写真である。
本発明に係る製造方法は、電解によるアルミニウム箔を製造するために、溶融塩とチタン製カソードドラムを用いて、適切な条件で電析を行なってアルミニウム箔を回収するものである。以下に、本発明を構成する要件及びその限定理由について説明する。なお、本発明において特に断らない限り、「アルミニウム」とは、純度99.0%以上の純アルミニウム及びアルミニウム合金をいうものとする。
1.電解
まず、本発明に係るアルミニウム箔の製造方法において用いる電解について説明する。この電解は、電解液を入れた電解槽を用意し、電解液中にカソードとなるチタン製カソードドラムと、ドラムの曲面と一致する曲面を有するアノードとなるアルミニウム板を配置し、チタン製カソードドラムを回転させながら両電極間に直流電流を通電することにより、回転するチタン製カソードドラム表面にアルミニウムを電析させるものである。
1−1.チタン製カソードドラム
本発明に係るアルミニウム箔の製造方法において用いる電解用カソードには、チタン製カソードドラムが用いられる。チタンは耐食性に優れるので、電析銅箔や電析アルミニウム箔の製造において、カソードドラムとして用いることができる。チタン製カソードドラムの表面の一部に高い山部や深い谷部が存在すると、アルミニウムの電析ではこの谷部に電析したアルミニウムが食い込む。そして、食い込んだ電析アルミニウムを剥離する際に大きな剥離抵抗が発生し、これによって電析アルミニウム箔が破損したり、切断したりする。
このような剥離抵抗は、ドラムの表面粗さによって影響を受ける。本発明では、表面粗さを表わす指標として、算術平均粗さ(Ra)と十点平均粗さ(Rz)を規定する。これによって剥離抵抗を低減させ、電析したアルミニウム箔をチタン製カソードドラムから容易に剥離回収するものである。
Raは、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均した値をマイクロメートル(μm)で表したものである。本発明では、Raを0.10〜0.40μmと規定する。Raを0.10μm未満とするためには、電解処理に長時間を要するので電解効率が低下する。一方、Raが0.40μmを超える場合には、剥離し難くなりアルミニウムを回収できず、アルミニウム箔の剥離性、外観性、均一性が達成できない。なお、Raは、好ましくは0.15〜0.30μmである。
Rzは、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけを抜き取り、この抜取り部分の平均線から縦倍率の方向に測定し、最も高い山頂から5番目までの山頂の標高(Yp)の絶対値の平均値と、最も低い谷底から5番目までの谷底の標高(Yv)の絶対値の平均値との和を求め、この値をマイクロメートル(μm)で表したものである。Rzは、高い山部と深い谷部の程度と数とを表す指標であり、本発明において、特に重要な表面粗さの指標である。本発明では、Rzを0.20〜0.70μmと規定する。Rzが0.20μm未満の場合には、剥離性が良すぎるが故に電解中にアルミニウム箔が剥離するためアルミニウム箔の均一性が劣る。一方、Rzが0.70μmを超える場合には、電析アルミニウム箔に粒界、ひび割れが発生し品質低下を招き、アルミニウム箔の剥離性、外観性、均一性が達成できない。なお、Rzは、好ましくは0.25〜0.50μmである。
1−2.電解液
アルミニウムの標準電極電位が−1.662 V vs. SHEであることから理解されるように、通常はアルミニウムを水溶液から電析させることは不可能である。そのため、アルミニウムを電析させる電解液としては、アルミニウム塩との混合物としての溶融塩、或いは、アルミニウム塩を溶解した有機溶媒が用いられる。
溶融塩は、無機系溶融塩と有機系室温型溶融塩に大別することができる。有機系室温型溶融塩のうち、例えば1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(以下、「EMIC」と記す)と塩化アルミニウム(以下、「AlCl」と記す)との混合物は、組成によっては融点が−50℃付近まで低下する。そのため、電解液に有機系室温型溶融塩を用いることで、より低温の環境でアルミニウムの電析を実施することができる。EMICに代えて1−ブチルピリジニウムクロリド(以下、「BPC」と記す)を用いても、EMICと同様にアルミニウムの電析を実施することができる。このように、EMICに代表されるアルキルイミダゾリウムクロリドやBPCに代表されるアルキルピリジニウムクロリドと、塩化アルミニウムに代表されるアルミニウムハロゲン化物とで構成される有機系室温型溶融塩を、アルミニウム電析用の電解液として好適に用いることができる。電解液の粘度及び導電率の点からすると、EMICと塩化アルミニウムとの組み合わせが最も好ましい。なお、EMICとAlClとのモル比(EMIC:AlCl)、ならびに、BPCとAlClとのモル比(BPC:AlCl)は共に、2:1〜1:2とするのが好ましく、1:1〜1:2とするのがより好ましい。
1−3.添加剤
アルミニウム箔表面の平滑性向上のために、例えば1、10−フェナントロリン等の有機化合物を電解液に添加してもよい。このような有機化合物は、チタン製カソードドラム上に電析するアルミニウム箔の表面形状を制御する作用を発揮するので、その結果、アルミニウム箔表面の平滑性が向上する。なお、電解液における有機化合物の濃度は、0.2〜2.0g/L(1.1〜11mmol/L)とするのが好ましい。
1−4.電析条件
次に、電析条件について説明する。まず、電析温度、すなわち、電析における電解浴の温度は、10〜150℃の範囲内とするのが好ましい。電析温度が10℃未満の低温では電解浴の粘度及び抵抗が増大するため、最大電流密度が小さくなる。その結果、電析効率が低下し、アルミニウムの析出が不均一になり易いといった不具合が生ずる。一方、電解浴温度が150℃を超えると、塩化アルミニウムの揮発やEMIカチオンの分解が顕著になり、電解液組成が不安定になる。更に、温度保持のためのエネルギーも増大し、電解槽の劣化も促進されるため生産効率が低下する。より好ましい電解浴の温度は、室温付近の25℃〜100℃の範囲内である。
次に、電析条件としての直流電流の電流密度について説明する。電流密度は、好ましくは10〜400mA/cm、より好ましくは20〜200mA/cmである。電析速度は電流密度に対応するため、10mA/cm未満では電析速度が遅過ぎて生産効率の低下を招く。一方、電解浴の液抵抗の制約から電流密度400mA/cmを超えることは難しく、例え400mA/cmを超えたとしても電析速度が大きくなり過ぎ、電析するアルミニウム箔が不均一になり易い。
2.電析したアルミニウム箔の剥離回収
上記のようにして、チタン製カソードドラム表面に電析させたアルミニウム箔は、剥離して回収用ドラムに巻き付け、連続的に回収される。回収方法としては、例えば、最初にカソードドラムを停止させた状態で所定の箔厚に成長させた後に電析を一旦中断し、カソードドラムを回転させ、露出したアルミニウム箔を剥離して回収用ドラムに貼り付け、積層させながら巻き取る方法や、剥離と同時に剥離片として回収する方法が挙げられる。なお、本発明によって得られるアルミニウム箔の厚さは、通常、1μm〜20μmの広範囲にわたるが、用途によってその厚さを適宜選択すればよい。例えば、リチウムイオン電池の正極集電体として用いる場合には、8〜12μmとするのが好ましい。
3.電解研磨
次に、チタン製カソードドラムの表面粗さRa及びRzを上記のように調整するために、本発明においては電解研磨が用いられる。ここで、電解研磨とは、研磨液中に浸漬した金属に電流を流した際に、金属表面の凸部と凹部とで溶解速度に差異が生じることを利用して金属表面を平滑化する技術である。
従来、チタンの研磨法としてはバフ研磨等の機械研磨、エッチング剤を用いた化学研磨、ならびに、上記電解研磨が用いられている。チタン製カソードドラムの表面粗さの調整には、特に機械研磨が多く利用されてきたが、チタン表面の高度な平滑性を得ることは困難であり、表面に細かい傷が残存することも多かった。また、エッチング等の化学研磨では、研磨面が不均一となる不都合があった。このような機械研磨や化学研磨に比べて電解研磨では、高度の平滑性が得られ、また、表層に強固な不動態皮膜も形成されるのでアルミニウム箔の剥離性が向上する。更に、電解研磨によって表面粗さが調整されたチタン製カソードドラムの表面は、異物の付着も抑制され、清浄性に優れ、かつ、ドラムの保守性の点でも有利である。
電解研磨処理は、NaClのエチレングリコール溶液又はKClのエチレングリコール溶液を用いて実施できる。これらの溶液にチタン製カソードドラムを浸漬し、これへの電圧印加と超音波洗浄によりドラム表面が鏡面状に研磨される。粗研磨に相当する高電圧電解と、仕上げ研磨に相当する低電圧電解とを組み合わせることによって、より効果的に研磨される。また、処理時間、すなわち、電圧の印加時間によって、Ra及びRzを調整することができる。高電圧電解の好ましい電解電圧と処理時間は、15〜60Vで30秒〜5分、より好ましい電解電圧と処理時間は、20〜40Vで1〜3分である。低電圧電解の好ましい電解電圧と処理時間は、6〜15Vで5〜60分、より好ましい電解電圧と処理時間は、8〜12Vで10〜30分である。組み合わせについては、例えば1回目の高電圧電解により表層の汚れや酸化膜を除去後に超音波洗浄、その後に高電圧電解と超音波洗浄に続いて低電圧電解と超音波洗浄を交互に実施することで、平滑性に優れた鏡面研磨を実施することができる。
次に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<チタン製カソードドラムの作製>
チタン棒を電解研磨することにより、種々の表面粗さ(Ra、Rz)を有するチタン製カソードドラムを作製した。具体的には、アノードとして、純度99.9%、直径10mmφ、長さ100mmのチタン棒を用い、カソードとして、幅100mm、長さ100mmのSUS316板を用い、電解液として、エチレングリコール150mLに10gのNaClを溶解した溶液を用いた。なお、カソードのSUS316板は、アノードのチタン棒の曲面とほぼ一定距離をもって離間するように配設した。
電解研磨は、電解液の温度を25℃として、(1)電解電圧25Vで3分間の前処理電解を行なった。次いで、(2)電解したチタン棒の表面を超音波洗浄することによって、表面に形成された生成物を除去した。次に、(3)電解液の温度を25℃に保持して、高電解電圧25Vで3分間、更に低電解電圧10Vで30分間の電解を行ない、最後に、(4)電解したチタン棒の表面を超音波洗浄した。このような(3)〜(4)の操作を、2回繰り返すことによって、チタン製カソードドラムを作製した。
<アルミニウム箔の電析>
以下の手順に従って、上記電解研磨したチタン製カソードドラム表面にアルミニウム箔を電析により形成した。
電解液として、50℃の温度で、EMIC:AlCl=1:2のモル比で混合したものを用いた。電解槽に電解液を入れ、電解液中にカソードとして上記電解研磨したチタン製カソードドラムと、アノードとして99.9%のアルミニウム板(幅80mm、長さ200mm)を配設した。ここで、アノードのアルミニウム板は、チタン製カソードドラムの曲面とほぼ一定距離をもって離間するように配設した。そして、電流密度40mA/cmで12分間、直流電解操作を行なうことによって、約10μm厚さのアルミニウム箔をチタン製カソードドラム表面に電析させた。電解操作後に、チタン製カソードドラム表面に電析したアルミニウム箔をアセトンと純水で洗浄後、アルミニウム箔をチタン製カソードドラムから剥離させつつ巻き取りロールに巻き取って回収して試料とした。
上記のようにして作製したアルミニウム箔試料とチタン製カソードドラムについて、以下の評価を行なった。
<チタン製カソードドラムの表面粗さ>
レーザー顕微鏡により、チタン製カソードドラムの表面粗さ(Ra、Rz)を測定した。Ra及びRzはそれぞれ、JIS B 0601−1994で規定された算術平均粗さ及び十点平均粗さを表す。結果を表1に示す。
Figure 0006521806
<アルミニウム箔の特性>
アルミニウム箔の特性として、剥離性、外観性及び均一性を以下のように評価した。
まず剥離性については、チタン製カソードドラム表面に電析したアルミニウム箔試料をアセトンと純水で洗浄し、手を触れずにドラムから剥離できたものを剥離性が合格(○)とし、剥離できなかったものを剥離性が不合格(×)とした。以下の評価においても、合格を○とし不合格を×とする。
次に外観性については、アルミニウム箔試料の表面(カソードドラム接触面)において、25μm×20μmの視野を任意に10ヶ所選んでSEMで観察して評価した。具体的には、全視野においてピンホールが全く観察されなかったものを外観性が○とし、ピンホールが1個以上観察された視野が1つ以上あるものを外観性が×とした。例として、図1(a)は比較例6のSEM写真であり、(b)は発明例3のSEM写真である。図1(a)では、図の上部中央付近にピンホール2が観察される。これに対して同図(b)では、ピンホールが全く観察されない。なお、図1(a)の1は粒界を示す。図1(a)、(b)のスケール線の長さは、いずれも5μmである。
更に、以下のようにして均一性を評価した。図1より、全体の色むらが顕著であれば均一性に劣るとして×、そうでない場合を○と判断した。
以上のアルミニウム箔の特性についての評価結果を、表1に示す。
<電解研磨効率>
チタン棒を電解研磨してチタン製カソードドラムを得る際の電解研磨効率を、以下のようにして評価した。目標の表面粗さを達成するために、上述の低電圧電解の好ましい処理時間の上限60分を超える場合を電解研磨効率に劣る×とし、それ以外を○と判断した。結果を、表1に示す。
<総合評価>
上記チタン製カソードドラムの表面粗さ、アルミニウム箔の特性及び電解研磨効率の各評価結果により、以下のようにして総合評価を判定した。剥離性、外観性、均一性及び電解研磨効率が全て○と判断される場合を総合評価○とし、それ以外を×と判断した。結果を、表1に示す。
発明例1〜8では、Ra及びRzが本発明で規定する範囲内であったため、アルミニウム箔特性(剥離性、外観性及び均一性)及び電解研磨効率が共に良好であり、総合評価が合格であった。
これに対して比較例1では、Rzが本発明で規定する範囲よりも小さ過ぎたため、電解中にアルミニウム箔が剥離し均一性が不合格となった。また、Raも本発明で規定する範囲よりも小さ過ぎたため、これを実現するためにチタンの電解研磨効率が不合格となった。その結果、総合評価が不合格となった。
比較例2では、Rzが本発明で規定する範囲よりも小さ過ぎたため、電解中にアルミニウム箔が剥離し均一性が不合格となった。その結果、総合評価が不合格となった。
比較例3では、Raが本発明で規定する範囲よりも小さ過ぎたため、これを実現するためにチタンの電解研磨効率が不合格となった。その結果、総合評価が不合格となった。
比較例4〜6では、Rzが本発明で規定する範囲よりも大き過ぎたため、アルミニウム箔に粒界やひび割れが発生し、アルミニウム箔の剥離性、外観性及び均一性が不合格となった。その結果、総合評価が不合格となった。
比較例7では、Raが本発明で規定する範囲よりも大き過ぎたため、アルミニウム箔の剥離性、外観性及び均一性が不合格となった。その結果、総合評価が不合格となった。
本発明によれば、チタン製カソードドラムから剥離し易く高品質の電解アルミニウム箔を効率よく製造でき、工業上顕著な効果を奏する。
1・・・粒界
2・・・ピンホール

Claims (3)

  1. 溶融塩を電解液として、回転するチタン製カソードドラム上にアルミニウム箔を電析させる工程と、電析させたアルミニウム箔を剥離回収する工程とを備え、前記チタン製カソードドラムが、0.10〜0.40μmの算術平均粗さ(Ra)及び0.20〜0.70μmの十点平均粗さ(Rz)の表面粗さを有することを特徴とするアルミニウム箔の製造方法。
  2. 前記チタン製カソードドラムの表面粗さが電解研磨により調整されている、請求項1に記載のアルミニウム箔の製造方法。
  3. 前記溶融塩が、アルキルイミダゾリウムクロリド又はアルキルピリジニウムクロリドと、塩化アルミニウムとを含有する、請求項1又は2に記載のアルミニウム箔の製造方法。
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